IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/04 20060101AFI20240814BHJP
   H01H 25/00 20060101ALI20240814BHJP
   H01H 89/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H01H13/04 C
H01H25/00 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021037654
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137925
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】崔 然照
(72)【発明者】
【氏名】姜 寅燮
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-228452(JP,A)
【文献】実開昭63-004031(JP,U)
【文献】特開2018-181509(JP,A)
【文献】特開2008-016298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/04
H01H 9/02
H01H 9/08
H01H 25/00
H01H 89/00
H01H 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向への押圧操作を受け付ける第1ノブと、
前記第1ノブに加えられた前記押圧操作の操作力が伝達されることによって押圧される押圧検出スイッチと、
前記第1ノブの周囲を加飾する加飾部材と、
前記加飾部材を係合保持するホルダと、
を備え、
前記加飾部材は、被係合部を有し、
前記ホルダは、前記被係合部と係合する係合部を有し、
前記第1ノブに対して第1ストローク量の前記押圧操作がなされたとき、前記第1ノブに加えられた前記押圧操作の操作力が、前記被係合部に伝達されることなく、前記押圧検出スイッチに伝達されることにより、前記押圧検出スイッチが押圧され、
前記第1ノブに対して前記第1ストローク量よりも大きい第2ストローク量の前記押圧操作がなされたとき、前記第1ノブに加えられた前記押圧操作の操作力が、前記被係合部に伝達されることにより、前記被係合部が弾性変形し、前記係合部と前記被係合部との係合状態が解除される
ことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記第1ノブに加えられた前記押圧操作の操作力が前記押圧検出スイッチに伝達される伝達経路において、前記第2ストローク量の前記押圧操作がなされたときに弾性変形する弾性変形部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記弾性変形部は、
前記押圧検出スイッチが有する弾性変形可能な押圧子である
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記弾性変形部は、
前記伝達経路に配置される弾性変形可能なアクチュエータである
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記弾性変形部は、
前記第1ノブの一部として形成された弾性変形可能な部位である
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ホルダは、
前記第1ノブに対して前記第2ストローク量の前記押圧操作がなされたときに、前記第1ノブから付勢されて弾性変形することにより、前記被係合部を押圧して弾性変形させるレバー部を有する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記第1ノブと前記ホルダとは、前記押圧操作がなされていないときにおいて、前記第2ストローク量よりも小さな所定の間隔を空けて配置されており、
前記第1ノブは、
前記第2ストローク量の前記押圧操作がなされたときに、前記レバー部を付勢して弾性変形させることにより、前記レバー部に前記被係合部を押圧させる突起部を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記レバー部は、
前記突起部によって前記第1の方向から押圧されることにより、前記突起部からの押圧力を、水平方向への付勢力に変換し、当該レバー部を水平方向に弾性変形させる傾斜面を有し、
前記水平方向に弾性変形することにより、前記被係合部を押圧して弾性変形させる
ことを特徴とする請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記第1ノブと前記ホルダとは、前記第1の方向において重なって配置されており、前記第1の方向から平面視したとき、重複した位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記加飾部材は、
前記押圧操作とは異なる他の操作を受け付ける第2ノブとして機能する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記第2ノブは、操作者からの操作力を受け付けて、前記第1の方向と交差する複数のスライド方向へスライド可能に設けられており、
前記第2ノブに接続して設けられ、前記第2ノブに加えられた操作力が伝達されることによって前記スライド方向へスライドするスライド部材と、
前記スライド部材を前記スライド方向へスライド可能に支持する支持部材と、
前記支持部材によって回転可能に支持され、前記スライド部材のスライドに合わせて回転する駆動部材と、
前記駆動部材の回転によってスイッチ操作されるスライド検出スイッチと、
を備え、
前記駆動部材と前記スライド検出スイッチとは、複数の前記スライド方向の各々に対応して設けられ、
前記スライド検出スイッチは復帰力を有し、
前記駆動部材と前記スライド部材と前記第2ノブとは、前記第2ノブに対して加えられた操作力から解放されたとき、前記スライド検出スイッチからの前記復帰力によって初期位置に復帰する
ことを特徴とする請求項10に記載のスイッチ装置。
【請求項12】
前記第2ノブは、操作者から回転操作されたときの操作力を受け付けて、第1の方向と平行な中心軸を中心として回転可能に設けられており、
前記スライド部材によって回転可能に支持され、前記第2ノブの回転に合わせて回転する回転部材と、
前記回転部材の回転に合わせてスイッチ操作される回転検出スイッチと
を備えることを特徴とする請求項11に記載のスイッチ装置。
【請求項13】
前記スライド部材を収容するケースを更に備え、
前記回転部材または前記ホルダまたは前記第2ノブは、被規制部を有し、
前記ケースは、
前記第2ノブが前記スライド方向へ操作されることによって前記スライド部材がスライドしている状態において、前記被規制部と係合することにより、前記第2ノブの回転を規制する第1規制部と、
前記回転部材が回転している状態において、前記被規制部と係合することにより、前記スライド部材のスライドを規制する第2規制部と
を備える
ことを特徴とする請求項12に記載のスイッチ装置。
【請求項14】
前記第1ノブは、前記支持部材へ向けて延設された嵌合凸部を有し、
前記支持部材は、前記第1ノブが前記押圧操作されて前記支持部材へ向けて移動した時に前記嵌合凸部と嵌合し、前記第1ノブが押圧操作されている状態において前記第2ノブのスライドを規制する嵌合凹部を有する
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のパワーウインドウ等に使用されるスイッチ装置において、操作者からの操作を受け付けるロータリーノブを、スナップイン構造により、被取付部材に対して取り付ける技術が利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-228452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスイッチ装置は、ロータリーノブを被取付部材から取り外す際に、ロータリーノブと被取付部材との係合部分の係合状態を解除するための強い力をロータリーノブに加える必要があるため、ロータリーノブの取り外しが容易ではなく、且つ、ロータリーノブの係合部分が破損したり変形したりする虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るスイッチ装置は、第1の方向への押圧操作を受け付ける第1ノブと、第1ノブに加えられた押圧操作の操作力が伝達されることによって押圧される押圧検出スイッチと、第1ノブの周囲を加飾する加飾部材と、加飾部材を係合保持するホルダと、を備え、加飾部材は、被係合部を有し、ホルダは、被係合部と係合する係合部を有し、第1ノブに対して第1ストローク量の押圧操作がなされたとき、第1ノブに加えられた押圧操作の操作力が、被係合部に伝達されることなく、押圧検出スイッチに伝達されることにより、押圧検出スイッチが押圧され、第1ノブに対して第1ストローク量よりも大きい第2ストローク量の押圧操作がなされたとき、第1ノブに加えられた押圧操作の操作力が、被係合部に伝達されることにより、被係合部が弾性変形し、係合部と被係合部との係合状態が解除される。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態によれば、スイッチ装置の加飾部材を、係合部分の破損および変形を抑制しつつ、容易に取り外しすることができる。
【0007】
尚、本願における加飾部材とは、従来のスイッチ装置のロータリーノブに相当するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るスイッチ装置の外観斜視図
図2】一実施形態に係るスイッチ装置の分解斜視図
図3】一実施形態に係るスイッチ装置の斜視断面図
図4】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるノブを下側(Z軸負側)から見た外観斜視図
図5】一実施形態に係るスイッチ装置が備える加飾部材を下側(Z軸負側)から見た外観斜視図
図6】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1ホルダの外観斜視図
図7】一実施形態に係るスイッチ装置(押圧操作がなされていない状態)の一部拡大断面図
図8】一実施形態に係るスイッチ装置(第1ストローク量の押圧操作がなされた状態)の一部拡大断面図
図9】一実施形態に係るスイッチ装置(第2ストローク量の押圧操作がなされた状態)の一部拡大断面図
図10】一実施形態に係るスイッチ装置の回転操作がなされていないときの回転機構の状態を示す図
図11】一実施形態に係るスイッチ装置の回転操作がなされたときの回転機構の状態を示す図
図12】一実施形態に係るスイッチ装置の回転操作がなされていないときの回転復帰機構の状態を示す図
図13】一実施形態に係るスイッチ装置が備える基板の外観斜視図
図14】一実施形態に係るスイッチ装置が備える基板およびアクチュエータユニットの外観斜視図
図15】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるスライダの外観斜視図
図16】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるサブケースの外観斜視図
図17】基板の上面に配置されたサブケースに、アクチュエータが組み込まれた状態を示す図
図18図17に示すサブケースに、さらにスライダが組み込まれた状態を示す図
図19】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるスライダの下側から見た外観斜視図
図20】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるスライダ(アクチュエータを把持した状態)の下側から見た外観斜視図
図21】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるスライド機構(スライド操作がなされていない状態)の断面図
図22】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるスライド機構(スライド操作がなされた状態)の断面図
図23】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図
図24】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1の同時操作禁止機構(押圧操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図25】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1の同時操作禁止機構(スライド操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図26】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第2の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図
図27】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第2の同時操作禁止機構(スライド操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図28】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第2の同時操作禁止機構(回転操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図29】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第3の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図
図30】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第3の同時操作禁止機構(押圧操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図31】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第3の同時操作禁止機構(回転操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図
図32】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるノブおよび第1ホルダの上面図
図33】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるノブおよび第1ホルダのXY平面による断面図
図34】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるノブおよび第1ホルダの外観斜視図
図35】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1ホルダの下方斜視図
図36】一実施形態に係るスイッチ装置が備える第1ホルダの下面図
図37】一実施形態に係るスイッチ装置が備えるケースの上面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0010】
(スイッチ装置100の概要)
図1は、一実施形態に係るスイッチ装置100の外観斜視図である。なお、以降の説明では、便宜上、X軸方向を前後方向とし、Y軸方向を左右方向とし、Z軸方向を上下方向とする。但し、X軸正方向を前方向とし、Y軸正方向を右方向とし、Z軸正方向を上方向とする。尚、Z軸方向は、特許請求項における第1の方向の一例である。尚、X軸方向、及び、Y軸方向は特許請求項におけるスライド方向の一例である。
【0011】
図1に示すスイッチ装置100は、例えば、自動車等の車両に設置される車載装置(例えば、電動パワーシート)の操作を行うためのスイッチ装置として利用することができる。図1に示すように、直方体形状を有する本体部100Aと、本体部100Aの上面から上方に突出して設けられた操作部100Bとを備える。スイッチ装置100は、操作部100Bにより、押下操作、スライド操作、および回転操作の各々を行うことが可能である。
【0012】
具体的には、スイッチ装置100は、操作部100Bにより、中心軸AXに沿って、下方(Z軸負方向)への押下操作を行うことが可能である。
【0013】
また、スイッチ装置100は、操作部100Bにより、中心軸AXに直交する、前方(X軸正方向)、後方(X軸負方向)、右方(Y軸正方向)、および左方(Y軸負方向)の各々へのスライド操作を行うことが可能である。
【0014】
また、スイッチ装置100は、操作部100Bにより、中心軸AXの回転中心とする、時計回り方向および反時計回り方向の各々への回転操作を行うことが可能である。
【0015】
(スイッチ装置100の構成)
図2は、一実施形態に係るスイッチ装置100の分解斜視図である。図3は、一実施形態に係るスイッチ装置100の斜視断面図である。図4は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるノブ102を下側(Z軸負側)から見た外観斜視図である。図5は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える加飾部材104を下側(Z軸負側)から見た外観斜視図である。図6は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1ホルダ106の外観斜視図である。
【0016】
<操作部100Bの構成>
図2に示すように、スイッチ装置100は、ノブ102、加飾部材104、第1ホルダ106を備える。ノブ102、加飾部材104、および第1ホルダ106は、図1に示す操作部100Bの構成部材である。
【0017】
ノブ102は、操作者からの押下操作を受け付ける樹脂製の部材である。ノブ102は、「第1ノブ」の一例である。ノブ102は、最上部に、水平な平板状、且つ、平面視において矩形状の操作部102Aを有する。また、ノブ102は、操作部102Aの下面の中央から下方(Z軸負方向)に延設された軸部102Bを有する。軸部102Bは、第1ホルダ106がなす環状の内側、および、ケース108の開口部108Cに挿通される。図4に示すように、軸部102Bの下端部かつ中央には、円柱状の突起部102Cが下方(Z軸負方向)に突出して設けられている。軸部102Bは、押下操作がなされたときに、ケース108の内部において、突起部102Cにより、アクチュエータ121を介して、押圧検出スイッチ131を押圧する。また、図4に示すように、ノブ102の操作部102Aにおける4つの角部の各々には、外側に向かって突出した突起部102Dが設けられている。各突起部102Dは、下方且つ外側に面して傾斜した押圧面102Daを有する。尚、本実施形態では、押圧検出スイッチとして、メタルドーム接点と、過負荷が掛けられた場合には弾性変形可能な比較的硬質のゴム材料からなる押圧子(ラバーステム)と、を有するタクトスイッチを用いるが、押圧検出スイッチはタクトスイッチでなくても良い。押圧検出スイッチは復帰力を備えている。
【0018】
加飾部材104は、ノブ102の周囲を加飾する部材である。加飾部材104は、操作者からの前後左右方向へのスライド操作および回転操作(「押圧操作とは異なる他の操作」の一例)を受け付ける「第2ノブ」として機能する部材である。加飾部材104の外形は、概ね直方体形状を有し、直方体形状を構成する4つの辺は前方、後方、左方、右方に対応して設けられている。そのため、加飾部材104を把持した操作者は、スライド操作を行うべき方向を直感的に認識することが可能である。加飾部材104の表面の一部または全部には、装飾性を高めるための表面加工等が施されていてもよい(図示省略)。加飾部材104は、メッキまたは特殊塗装を施された別部材と係合していても良い。加飾部材104は、樹脂を主体とした材料から成ることが好ましいが、加飾部材104の一部または全部は金属によって構成されていてもよい。加飾部材104は、上面104Aの中央に、平面視において矩形状の開口部104Bを有する。開口部104Bには、ノブ102の操作部102Aが配置される。加飾部材104は、第1ホルダ106に対して着脱可能となる構成を有している。すなわち、スイッチ装置100は、第1ホルダ106に装着する加飾部材104を、加飾デザインが異なる複数の加飾部材104の中から選択的に交換可能である。図5に示すように、加飾部材104の内部の天井面104Cにおける4つの角部の各々には、フック104D(「被係合部」の一例)が当該天井面104Cから垂下して設けられている。加飾部材104は、4つのフック104Dの各々が、第1ホルダ106が備える4つの係合爪106Bの各々に係合することにより、第1ホルダ106によって係合保持される。
【0019】
第1ホルダ106は、ノブ102および加飾部材104を保持する樹脂製の部材である。第1ホルダ106は、当該第1ホルダ106がなす環状の内側において、ノブ102を上下方向(Z軸方向)にスライド可能に保持する。また、図6に示すように、第1ホルダ106は、等間隔(90度間隔)で配置された4つの側面106Aの各々に、係合爪106Bが外側に突出して設けられている。第1ホルダ106は、当該第1ホルダ106がなす環状の外側において、4つの係合爪106Bの各々により、加飾部材104を係合保持する。また、図6に示すように、第1ホルダ106は、4つの側面106Aの各々に、係合爪106Bを間に挟んで一対のレバー部106Cが設けられている。各レバー部106Cは、側面106Aから上方(Z軸正方向)に延設されており、且つ、外側に折れ曲がったレバー形状を有する。各レバー部106Cは、上方且つ内側に面して傾斜した被押圧面106Caを有する。図2図3図7図9図33図34に示す様に、ノブ102と第1ホルダ106とは、上下方向において重なって配置されており、平面視した時、重複する位置に配置されている。また、押圧操作がなされていないとき、ノブ102と第1ホルダ106とは、上下方向において、第1ストローク量と同じ寸法の間隔を空けて配置されている。また、ノブ102の押圧面102Daと第1ホルダ106の被押圧面106Caとは、平面視した時、重複する位置に配置されている。また、また、押圧面102Daと被押圧面106Caとは、上下方向において、第1ストローク量と同じ寸法の間隔を空けて配置されている。また、押圧面102Daと被押圧面106Caとの上下方向における距離は、押下操作されることによってノブ102が上下方向にストローク可能な限界の寸法よりも小さい。そのため、ノブ102が押圧操作された時、各レバー部106Cは、被押圧面106Caが、ノブ102の突起部102D(押圧面102Da)によって上方から付勢され、押圧力を伝達される。押圧面102Daと被押圧面106Caとの形状は上下方向(Z軸方向)に対して傾斜しているため、ノブ102からの押圧力は水平方向(XY平面方向)への付勢力に変換される。そのことによって、各レバー部106Cは、外側方向に弾性変形する。
【0020】
<本体部100Aの構成>
また、図2に示すように、スイッチ装置100は、ケース108、第2ホルダ110、スライダ112、サブケース114、アクチュエータユニット120、基板130、およびカバー116を備える。ケース108、第2ホルダ110、スライダ112、サブケース114、アクチュエータユニット120、基板130、およびカバー116は、図1に示す本体部100Aの構成部材である。
【0021】
ケース108は、概ね直方体形状且つ中空構造を有する、容器状且つ樹脂製の部材である。ケース108の内部には、第2ホルダ110、スライダ112、サブケース114、アクチュエータユニット120、および基板130が収容される。ケース108の上面108Aには、一定の高さを有する台座部108Bが形成されている。台座部108Bには、平面視において中心軸AXを中心とする円形状の開口部108Cが形成されている。開口部108Cには、ノブ102の軸部102Bが挿通される。また、ケース108は、下面に相当する部分の全体が、下側開口部108Dとなっている。下側開口部108Dは、カバー116によって閉塞される。
【0022】
なお、第2ホルダ110の構成については、図10図12を用いて後述する。また、スライダ112、サブケース114、アクチュエータユニット120、および基板130の構成については、図13図20を用いて後述する。
【0023】
カバー116は、ケース108の下側開口部108Dを閉塞する、樹脂製且つ平板状の部材である。カバー116は、当該カバー116を貫通する4本のねじ117によって、ケース108にねじ止め固定される。
【0024】
(係合解除動作)
次に、図7図9を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100による係合解除動作を説明する。
【0025】
図7は、一実施形態に係るスイッチ装置100(押圧操作がなされていない状態)の一部拡大断面図である。図7に示すように、ノブ102の押圧操作がなされていないとき、加飾部材104のフック104Dは、第1ホルダ106の係合爪106Bに係合している。これにより、加飾部材104は、第1ホルダ106によって係合保持されており、第1ホルダ106から上方に容易に抜け落ちないようになっている。なお、図7に示すように、ノブ102の押圧操作がなされていないとき、ノブ102の突起部102Dは、第1ホルダ106のレバー部106Cを押圧していない。このため、レバー部106Cは、弾性変形していない初期状態にある。
【0026】
図8は、一実施形態に係るスイッチ装置100(第1ストローク量の押圧操作がなされた状態)の一部拡大断面図である。ノブ102の第1ストローク量の押圧操作がなされたとき、図4に示すノブ102の軸部102Bの下端部に設けられている突起部102Cにより、アクチュエータ121が押圧される。また、押圧されたアクチュエータ121によって、押圧検出スイッチ131が押圧される。また、図8に示すように、ノブ102の第1ストローク量の押圧操作がなされたとき、ノブ102の突起部102Dは、第1ホルダ106のレバー部106Cと接するが、レバー部106Cを押圧していない。このため、レバー部106Cは、弾性変形していない初期状態にある。したがって、図8に示すように、加飾部材104のフック104Dは、第1ホルダ106の係合爪106Bに係合した状態のままである。
【0027】
図9は、一実施形態に係るスイッチ装置100(第2ストローク量の押圧操作がなされた状態)の一部拡大断面図である。図9に示すように、ノブ102の第2ストローク量の押圧操作がなされたとき、ノブ102の突起部102D(押圧面102Da)が、第1ホルダ106のレバー部106C(被押圧面106Ca)を押圧する。これにより、図9に示すように、レバー部106Cは、外側に広がる方向に弾性変形し、その先端部分により、加飾部材104のフック104Dを、外側方向へ付勢する。その結果、図9に示すように、加飾部材104のフック104Dが、外側に広がる方向に弾性変形し、加飾部材104のフック104Dは、第1ホルダ106の係合爪106Bとの係合が解除される。したがって、加飾部材104は、第1ホルダ106からの上方(Z軸正方向)への取り外しが容易にできるようになる。尚、加飾部材104は、第1ホルダ106との係合に関わる形状(係合爪106B)とは別に第1ホルダ106と摺動する形状を更に有していてもよい。その構成によれば、操作者が一方の指を用いてフック104Dと係合爪106Bとの係合を解除してから、他方の指を用いて加飾部材104を上方へ引き抜く力を加えるまで、加飾部材104は第1ホルダ106から外れなくなる。そのため、操作者の意図に反して加飾部材104が外れてしまう虞は小さくなる。
【0028】
このように、一実施形態に係るスイッチ装置100は、ノブ102の第1ストローク量の押圧操作を行うことにより、押圧検出スイッチ131を押圧することができ、ノブ102の第2ストローク量の押圧操作を行うことにより、工具等を使用することなく、加飾部材104と第1ホルダ106との係合状態を解除することができる。このため、一実施形態に係るスイッチ装置100は、加飾部材104の係合部分(フック104Dおよび係合爪106B)の破損および変形を抑制しつつ、加飾部材104を容易に取り外しすることができる。
【0029】
なお、第2ストローク量の押圧操作がなされたとき、押圧検出スイッチ131は、スイッチオン状態からさらに下方に押し込まれてオーバーストロークする。但し、押圧検出スイッチ131が有するラバーステム131A(「弾性変形部」および「弾性変形可能な押圧子」の一例)が弾性変形することによって、押圧検出スイッチ131に係る負荷が緩衝される。すなわち、押圧検出スイッチ131の接点の破損が抑制される。
【0030】
また、図7図9の係合解除動作は、スイッチ装置100における4つの係合部分(フック104Dおよび係合爪106B)において、同時に行われる。すなわち、一実施形態に係るスイッチ装置100は、ノブ102の第2ストローク量の押圧操作を行うことにより、4つの係合部分(フック104Dおよび係合爪106B)の各々の係合を、同時に解除することができる。
【0031】
また、図7図9に示すように、フック104Dの下端部には、下方且つ内側に面して傾斜した傾斜面104Daが設けられており、係合爪106Bの先端部には、上方且つ外側に面して傾斜した傾斜面106Baが設けられている。このため、一実施形態に係るスイッチ装置100は、加飾部材104を取り付ける際には、加飾部材104を下方に押し込むだけで、傾斜面104Daと傾斜面106Baが当接することにより、フック104Dが外側に押し広げられて、フック104Dを係合爪106Bに係合させることができる。
【0032】
(回転機構の構成および動作)
図10は、一実施形態に係るスイッチ装置100の回転操作がなされていないときの回転機構の状態を示す図である。図11は、一実施形態に係るスイッチ装置100の回転操作がなされたときの回転機構の状態を示す図である。なお、図10および図11では、ケース108およびサブケース114の図示を省略している。また、「回転機構」は、第2ホルダ110と、2つの回転検出スイッチ137,138とによって構成される。回転検出スイッチ137,138は、金属性のバネ部材を内蔵しており、復帰力を備えている。
【0033】
図10および図11に示すように、ケース108の内部には、概ね円筒状の第2ホルダ110が設けられている。第2ホルダ110は、スライダ112の筒部112Aによって、回転可能に支持されている。第2ホルダ110は、「回転部材」の一例である。また、第2ホルダ110は、操作部100Bの第1ホルダ106に対して、回り止めがなされるように係合している。これにより、第2ホルダ110は、操作部100Bによる回転操作がなされた際に、操作部100Bとともに、中心軸AXの軸回りに回転するようになっている。
【0034】
また、図10および図11に示すように、第2ホルダ110は、前側(X軸正側)の側面から下方(Z軸負方向)に延設されたアーム110Aを有する。アーム110Aは、第2ホルダ110に一体的に形成されており、すなわち、第2ホルダ110と一体に、中心軸AXの軸回りに回転するようになっている。
【0035】
図10に示すように、アーム110Aの下端部は、操作部100Bによる回転操作がなされていないとき、基板130の上面130Aに実装された2つの回転検出スイッチ137,138の中間位置の上方に位置している。回転検出スイッチ137,138は、一部が弾性変形することによって起立状態と傾倒状態との間で回転可能な、レバー137A,138Aを備えている。図10に示すように、操作部100Bによる回転操作がなされていないとき、レバー137A,138Aは、起立状態となっている。これにより、回転検出スイッチ137,138は、オフ状態となっている。
【0036】
そして、操作部100Bの回転操作がなされると、操作部100Bとともに、第2ホルダ110およびアーム110Aが回転する。これにより、アーム110Aは、回転方向にある回転検出スイッチ137のレバー137A、または、回転検出スイッチ138のレバー138Aを傾倒させる。これにより、回転検出スイッチ137または回転検出スイッチ138がオン状態となり、操作部100Bの回転方向に応じた回転操作信号が、コネクタ136を介して、外部へ出力されることとなる。
【0037】
例えば、図11は、操作部100Bの反時計回り方向への回転操作がなされた状態が示されている。この場合、第2ホルダ110のアーム110Aは、反時計回り方向にある回転検出スイッチ137のレバー137Aを傾倒させる。これにより、回転検出スイッチ137がオン状態となり、操作部100Bの反時計回り方向への回転操作に応じた回転操作信号が、コネクタ136を介して、外部へ出力されることとなる。
【0038】
一方、操作部100Bの時計回り方向への回転操作がなされた場合、第2ホルダ110のアーム110Aは、時計回り方向にある回転検出スイッチ138のレバー138Aを傾倒させる。これにより、回転検出スイッチ138がオン状態となり、操作部100Bの時計回り方向への回転操作に応じた回転操作信号が、コネクタ136を介して、外部へ出力されることとなる。
【0039】
このように、一実施形態に係るスイッチ装置100は、スライダ112によって回転可能に支持され、操作部100Bからの操作力によって回転する第2ホルダ110と、第2ホルダ110の回転に合わせてスイッチ操作される回転検出スイッチ138とを備える。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、操作部100Bによるスライド操作に加えて、操作部100Bによる回転操作が可能であり、且つ、回転検出スイッチ138による回転操作の検出が可能である。回転操作から解放された時、回転操作に関わる部材は、回転検出スイッチ137または回転検出スイッチ138からの復帰力によって初期位置へと復帰する。
【0040】
(回転復帰機構)
図12は、一実施形態に係るスイッチ装置100の回転操作がなされていないときの回転復帰機構の状態を示す図である。なお、図12では、ケース108、サブケース114、およびスライダ112の図示を省略している。また、「回転復帰機構」は、第2ホルダ110のカム面110C、ボール118、およびコイルばね119によって構成される。
【0041】
図12に示すように、第2ホルダ110は、上方(Z軸正方向)に向かって山型に形成されたカム面110Cを有する。カム面110Cは、スライダ112によって保持されているボール118が、スライダ112によって保持されているコイルばね119の付勢力により、下側(Z軸負側)から押し当てられている。
【0042】
図12に示すように、操作部100Bの回転操作がなされていないとき、ボール118は、カム面110Cの頂部を付勢する。これにより、第2ホルダ110は、回転操作がなされていないときの初期位置にある状態を安定的に維持することができる。
【0043】
一方、操作部100Bによる回転操作がなされると、ボール118は、第2ホルダ110の回転に伴って、カム面110Cからの付勢力により、コイルばね119を押し縮めながら、カム面110Cの傾斜面を、カム面110Cの裾部に向かって摺動する。
【0044】
そして、操作部100Bによる回転操作が解除されると、ボール118は、コイルばね119からの付勢力により、カム面110Cの傾斜面を付勢しつつ、カム面110Cの傾斜面を、カム面110Cの頂部に向かって摺動する。この際、第2ホルダ110は、ボール118からの付勢力により、回転操作による回転方向とは逆方向に回転し、回転操作がなされていないときの初期位置に復帰する。
【0045】
なお、第2ホルダ110は、180度間隔で配置された2つのカム面110Cを有する。これに伴い、スイッチ装置100は、ボール118とコイルばね119との組を、2組有する。これにより、スイッチ装置100は、2つのボール118により、第2ホルダ110の2つのカム面110Cを、下側(Z軸負側)から安定的に付勢することができる。
【0046】
(スライド機構の構成)
次に、図13図20を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライド機構の構成について説明する。「スライド機構」は、スライダ112、サブケース114、アクチュエータ122-1~122-4、およびスライド検出スイッチ132-1~132-4によって構成される。尚、本実施形態では、スライド検出スイッチとして、メタルドーム接点と、ラバーステムと、を有するタクトスイッチを用いるが、スライド検出スイッチは接点と復帰力とを備えていれば良く、タクトスイッチに限らない。
【0047】
<基板130の構成>
図13は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える基板130の外観斜視図である。
【0048】
基板130は、硬質な樹脂製且つ平板状の部材である。基板130は、平面視において四角形状を有する。基板130は、ケース108の内部において、XY平面に対して水平な姿勢で、カバー116の上面に固定的に設置される。基板130としては、例えば、PWB(Printed Wiring Board)が用いられる。
【0049】
図13に示すように、基板130の上面130Aには、押圧検出スイッチ131およびスライド検出スイッチ132-1~132-4が実装されている。押圧検出スイッチ131は、基板130の上面130Aの中央(中心軸AX上)に配置されている。押圧検出スイッチ131は、ラバーステム131Aが、上方(Z軸正方向)に突出して設けられている。押圧検出スイッチ131は、ラバーステム131Aの上面が押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0050】
スライド検出スイッチ132-1は、押圧検出スイッチ131よりも前側(X軸正側)に配置されている。スライド検出スイッチ132-3は、押圧検出スイッチ131よりも右側(Y軸正側)に配置されている。スライド検出スイッチ132-4は、押圧検出スイッチ131よりも左側(Y軸負側)に配置されている。スライド検出スイッチ132-1~132-4の各々は、弾性変形可能なラバーステム132Aが、上方(Z軸正方向)に突出して設けられている。スライド検出スイッチ132-1~132-4の各々は、ラバーステム132Aの上面が押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0051】
基板130の上面130Aには、コネクタ136が設けられている。コネクタ136は、左右方向(Y軸方向)に並べて設けられた、複数本のコネクタピン136Aを有する。各コネクタピン136Aは、金属製且つ棒状の部材である。スイッチ装置100は、コネクタ136に対して外部コネクタ(図示省略)が接続されることにより、外部に対して電気的に接続され、各スイッチ131,132の操作信号を外部へ供給することができる。
【0052】
<アクチュエータユニット120の構成>
図14は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える基板130およびアクチュエータユニット120の外観斜視図である。図14に示すように、アクチュエータユニット120は、アクチュエータ121と、アクチュエータ122-1~122-4とを備える。アクチュエータ122-1~122-4は、「駆動部材」の一例である。
【0053】
アクチュエータ121は、押圧検出スイッチ131の上方において、上下方向(Z軸方向)に移動可能に配置される。
【0054】
アクチュエータ122-1は、スライド検出スイッチ132-1の上方において、Y軸方向に配置された中心軸の周りを回転可能に配置される。スライド検出スイッチ132-1が備えるラバーステム132Aの上面には、アクチュエータ122-1が備える腕部122Bの下面が当接する。
【0055】
アクチュエータ122-2は、スライド検出スイッチ132-2の上方において、Y軸方向に配置された中心軸の周りを回転可能に配置される。スライド検出スイッチ132-2が備えるラバーステム132Aの上面には、アクチュエータ122-2が備える腕部122Bの下面が当接する。
【0056】
アクチュエータ122-3は、スライド検出スイッチ132-3の上方において、X軸方向に配置された中心軸の周りを回転可能に配置される。スライド検出スイッチ132-3が備えるラバーステム132Aの上面には、アクチュエータ122-3が備える腕部122Bの下面が当接する。
【0057】
アクチュエータ122-4は、スライド検出スイッチ132-4の上方において、X軸方向に配置された中心軸の周りを回転可能に配置される。スライド検出スイッチ132-4が備えるラバーステム132Aの上面には、アクチュエータ122-4が備える腕部122Bの下面が当接する。
【0058】
アクチュエータ122-1~122-4の各々は、回転軸部122Aが詳しくは後述するサブケース114の軸受孔114Eに嵌合されて支持されることによって回転可能に配置される。また、アクチュエータ122-1~122-4の各々は、回転軸部122Aの中央から中心軸AXに向かって延設された、腕部122Bを有する。腕部122Bの下面は、スライド検出スイッチ132が備えるラバーステム132Aの上面に当接する。また、アクチュエータ122-1~122-4の各々は、回転軸部122Aの上方に、回転軸部122Aと同方向に延設された、棒状のレバー部122Cを有する。
【0059】
アクチュエータ122-1~122-4の各々の腕部122Bは、スライド操作がなされていないとき、スライド検出スイッチ132のラバーステム132Aによって下方から支持されることにより、水平状態を保っている。
【0060】
<スライダ112の構成>
図15は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライダ112の外観斜視図である。図15に示すスライダ112は、「スライド部材」の一例であり、操作部100Bからの操作力によってスライドする。図15に示すように、スライダ112は、筒部112Aおよび摺動部112Bを有する。スライダ112は、「スライド部材」の一例である。
【0061】
筒部112Aは、スライダ112の中央(中心軸AX上)において、中心軸AXに沿って上下方向(Z軸方向)に延設された円筒状の部分である。筒部112Aは、第2ホルダ110の開口110B(図21」参照)内に挿通されることにより、第2ホルダ110を回転可能に支持する。また、筒部112Aは、ノブ102の軸部102Bが筒内112Aaに挿通されることにより、ノブ102を上下方向(Z軸方向)に移動可能に支持するとともに、スライダ112を、操作部100Bと一体的にスライド可能にする。
【0062】
摺動部112Bは、筒部112Aの外周面の下端部から、水平方向における外側に張り出した、一定の厚さを有する部分である。摺動部112Bは、平面視において概ね正方形状を有する。摺動部112Bは、スライダ112のスライドに伴って、サブケース114の凹部114A(図16参照)内で、サブケース114の摺動面114B(図16参照)上を摺動する。
【0063】
また、摺動部112Bは、4つの角部112Baの各々が、サブケース114の4つのスリット部114C(図16参照)の各々に入り込んだ状態で配置されることにより、スライダ112を水平方向(X軸方向およびY軸方向)にスライド可能にしつつ、スライダ112の上下方向(Z軸方向)への移動およびがたつきを規制する。
【0064】
また、図15に示すように、スライダ112は、円柱状の保持部112Cを有する。保持部112Cは、摺動部112Bの上面における角部の近傍位置(平面視において第2ホルダ110のカム面110Cと重なる位置)から、上方(Z軸正方向)に突出して設けられている。保持部112Cは、円周方向に沿って切り欠かれた切り欠き部112Caを有しており、当該切り欠き部112Ca内において、第2ホルダ110のカム面110Cが、第2ホルダ110の回転に伴って円周方向に移動する。また、保持部112Cは、その内部において、ボール118を上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持するとともに、ボール118の下側に配置されたコイルばね119を上下方向(Z軸方向)に伸縮可能に保持する。これにより、スイッチ装置100は、第2ホルダ110のカム面110Cを、ボール118によって下側(Z軸負側)から付勢することが可能となっている。なお、スライダ112は、180度間隔で配置された2つの保持部112Cを有する。スライダ112は、ボール118とコイルばね119との組を、2組保持することができる。
【0065】
<サブケース114の構成>
図16は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるサブケース114の外観斜視図である。図16に示すサブケース114は、「支持部材」の一例であり、スライダ112をスライド可能に支持するブロック状(概ね直方体形状)の部材である。サブケース114は、「支持部材」の一例である。
【0066】
図16に示すように、サブケース114は、当該サブケース114の上面から下方(Z軸負方向)に凹んだ凹部114Aを有する。凹部114Aは、前後方向(X軸方向)に延びる部分と、左右方向(Y軸方向)に延びる部分とからなる、十字状を有する。凹部114Aは、スライダ112がスライド可能に収容される空間である。凹部114Aの内底面は、スライダ112が摺動する水平な摺動面114Bとなっている。
【0067】
また、サブケース114は、凹部114Aの4つの内角部となる部分の各々に、4つのスリット部114Cの各々を有する。4つのスリット部114Cの各々は、スライダ112の4つの角部112Baの各々が差し込まれる部分である。4つのスリット部114Cの各々は、スライダ112の4つの角部112Baの各々を、凹部114Aよりも外側でスライド移動できるようにし、且つ、4つの角部112Baの各々の上下方向(Z軸方向)への移動を規制する。
【0068】
また、サブケース114は、凹部114Aの4つの先端部の各々の下側に、4つの収容部114Dの各々を有する。4つの収容部114Dの各々は、4つのアクチュエータ122-1~122-4の各々を収容する。4つの収容部114Dの各々の内壁面には、一対の軸受孔114Eが設けられている。一対の軸受孔114Eは、アクチュエータ122の回転軸部122Aの両端部が嵌め込まれることにより、アクチュエータ122を回転可能に軸支する。
【0069】
また、サブケース114は、その中央部(中心軸AX上)に、角筒状の支持部114Fを有する。支持部114Fは、その筒内で、アクチュエータ121の上部を、上下方向(Z軸方向)に移動可能に支持する。支持部114Fの上面には、十字状の開口部114Faが形成されている。開口部114Faは、アクチュエータ121の上面を露出させることにより、ノブ102の突起部102Cによる、アクチュエータ121の上面の押圧を可能にする。
【0070】
図17は、基板130の上面130Aに配置されたサブケース114に、アクチュエータ121,122が組み込まれた状態を示す図である。
【0071】
図17に示すように、サブケース114が備える4つの収容部114Dの各々には、4つのアクチュエータ122-1~122-4の各々が収容される。各アクチュエータ122は、回転軸部122Aの両端部が、収容部114Dの内壁面に設けられている一対の軸受孔114E(図16参照)によって軸支されている。これにより、各アクチュエータ122は、収容部114D内で、回転可能に支持されている。
【0072】
また、図17に示すように、各アクチュエータ122のレバー部122Cは、サブケース114の摺動面114Bよりも上方に配置される。これにより、各アクチュエータ122のレバー部122Cは、サブケース114の凹部114A内でスライドするスライダ112によって操作可能となっている。
【0073】
また、図17に示すように、アクチュエータ121の上部は、サブケース114の中央部(中心軸AX上)に設けられた支持部114Fの筒内で支持される。アクチュエータ121の上面は、支持部114Fの上面に形成された開口部114Faから露出する。これにより、アクチュエータ121は、ノブ102の突起部102Cによる押圧が可能となっている。
【0074】
図18は、図17に示すサブケース114に、さらにスライダ112が組み込まれた状態を示す図である。
【0075】
図18に示すように、スライダ112は、サブケース114の凹部114Aに配置される。サブケース114は、凹部114Aにおいて、サブケース114の摺動面114B(すなわち、凹部114Aの内底面)上を、水平方向(X軸方向およびY軸方向)にスライド可能である。
【0076】
また、図18に示すように、スライダ112の4つの角部112Baの各々は、サブケース114に設けられた4つのスリット部114Cの各々に挿し込まれた状態で、凹部114Aよりも外側に配置される。これにより、スライダ112は、凹部114Aにおいて、水平方向(X軸方向およびY軸方向)にスライド可能であるとともに、4つのスリット部114Cの各々によって、上下方向(Z軸方向)への移動およびがたつきが規制される。
【0077】
<スライダ112によるアクチュエータ122の把持構成>
図19は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライダ112の下側から見た外観斜視図である。図20は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライダ112(アクチュエータ122-1~122-4を把持した状態)の下側から見た外観斜視図である。
【0078】
図19に示すように、スライダ112は、摺動部112Bの下側(Z軸負側)が開口した内部空間112Bbにおいて、4つのスライド方向(X軸方向およびY軸方向)の各々に対し、一対の把持部112Dを有する。スライダ112は、一対の把持部112Dにより、一つのアクチュエータ122のレバー部122Cを把持することができる。
【0079】
図19に示すように、各把持部112Dは、内部空間112Bbの天井面112Bcから垂下して設けられている。各把持部112Dは、下側(Z軸負側)に開口部112Daを有しており、当該開口部112Daから、アクチュエータ122のレバー部122Cを嵌め込むことが可能となっている。
【0080】
図20に示すように、4つのアクチュエータ122-1~122-4の各々は、スライダ112が備える一対の把持部112Dの下側に配置される。また、図20に示すように、各アクチュエータ122のレバー部122Cは、スライダ112が備える一対の把持部112Dに下側(Z軸負側)から嵌め込まれ、当該一対の把持部112Dによって把持される。これにより、各アクチュエータ122は、スライダ112のスライドに伴って、スライダ112から操作力を伝達されることにより、回転軸部122Aを回転中心として回転するようになっている。
【0081】
(スライド機構の動作)
次に、図21および図22を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライド機構の動作を説明する。図21は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライド機構(スライド操作がなされていない状態)の断面図である。図22は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるスライド機構(スライド操作がなされた状態)の断面図である。
【0082】
図21に示すように、操作部100Bによるスライド操作がなされていないとき、スライダ112は、その中心が、中心軸AX状に位置した状態にある。
【0083】
このとき、図20に示すように、各アクチュエータ122は、スライダ112から操作力を伝達されておらず、各スライド検出スイッチ132からの復帰力によって、下側(Z軸負側)から付勢されていることにより、水平状態を維持している。
【0084】
そして、図21に示すように、操作部100Bによるスライド操作がなされると、スライダ112は、その摺動部112Bがサブケース114の凹部114Aに収容された状態で、操作部100Bとともに、スライド操作方向にスライドする。
【0085】
これにより、図21に示すように、スライダ112によって把持されている、スライド操作方向にあるアクチュエータ122と、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122とが、スライダ112から操作力を伝達されることにより、回転する。
【0086】
但し、図21に示すように、スライド操作方向にあるアクチュエータ122は、腕部122Bが上方(Z軸正方向)へ押し上げられるように回転する。一方、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122は、腕部122Bが下方(Z軸負方向)へ押し下げられるように回転する。
【0087】
その結果、図21に示すように、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122の腕部122Bが、その下側に配置されているスライド検出スイッチ132を押圧する。
【0088】
スライド検出スイッチ132は、アクチュエータ122の腕部122Bによって上方から押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0089】
なお、図21は、操作部100Bによる前方(X軸正方向)へのスライド操作がなされた例を示す。この場合、スライダ112は、操作部100Bとともに、前方(X軸正方向)へスライドする。
【0090】
これにより、図21に示すように、スライダ112によって把持されている、前方(X軸正方向)にあるアクチュエータ122-1と、後方(X軸負方向)にあるアクチュエータ122-2とが、スライダ112によってレバー操作されることにより、回転する。
【0091】
但し、図21に示すように、前方(X軸正方向)にあるアクチュエータ122-1は、腕部122Bが上方(Z軸正方向)へ押し上げられるように回転する。一方、後方(X軸負方向)にあるアクチュエータ122-2は、腕部122Bが下方(Z軸負方向)へ押し下げられるように回転する。
【0092】
その結果、図21に示すように、後方(X軸負方向)にあるアクチュエータ122-2の腕部122Bが、その下側に配置されているスライド検出スイッチ132-2を押圧する。
【0093】
スライド検出スイッチ132-2は、アクチュエータ122-2の腕部122Bによって上方から押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0094】
なお、操作部100Bによるスライド操作が解除されると、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122の腕部122Bは、スライド検出スイッチ132からの復帰力によって、上方(Z軸正方向)に押し上げられる。これにより、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122は、スライド操作がなされる前の初期状態(腕部122Bが水平な状態)に復帰する。この際、スライド操作方向とは反対方向にあるアクチュエータ122は、そのレバー部122Cにより、スライダ112を、スライド操作方向とは反対方向に付勢する。これにより、スライダ112は、スライド操作がなされる前の初期位置(その中心が中心軸AX上にある位置)に復帰する。
【0095】
このように、一実施形態に係るスイッチ装置100は、操作力を受けつける操作部100Bと、操作部100Bからの操作力によってスライドするスライダ112と、スライダ112をスライド可能に支持するサブケース114と、サブケース114によって回転可能に支持され、スライダ112のスライドに伴って、スライダ112から付勢されることによって回転するアクチュエータ122と、アクチュエータ122の回転によってスイッチ操作されるスライド検出スイッチ132とを備える。
【0096】
そして、一実施形態に係るスイッチ装置100において、アクチュエータ122は、操作力から解放された時、スライド検出スイッチ132からの復帰力によって、回転前の状態に復帰する。また、復帰力を受けたアクチュエータ122は、スライダ112に復帰力を伝達し、スライダ112をスライド前の初期位置に復帰させる。
【0097】
さらに、一実施形態に係るスイッチ装置100において、スライダ112は、複数のスライド方向にスライド可能であり、複数のスライド方向の各々に対して、アクチュエータ122とスライド検出スイッチ132とを備える。
【0098】
これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、スライダ112がアクチュエータ122を直接的に付勢することによって、スライダ112からアクチュエータ122へ操作力が伝達される動作の信頼性を高めることができる。
【0099】
また、一実施形態に係るスイッチ装置100は、アクチュエータ122とスライド検出スイッチ132とをスライド操作方向毎に設けたことによってアクチュエータ122とスライド検出スイッチ132へ操作力が伝達される動作の信頼性を高めることができる。
【0100】
(第1の同時操作禁止機構)
図23は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図である。図23に示すように、ノブ102の軸部102Bの下端部における突起部102Cの周囲には、いずれも四角柱状の、4つの嵌合凸部102Eが下方に突出して設けられている。一方、サブケース114の支持部114Fにおいて、4つの嵌合凸部102Eの各々の下側となる位置には、いずれも四角柱状の、4つの嵌合凹部114Fbの各々が、支持部114Fの上面から下方に凹んだ形状に形成されている。
【0101】
図23に示すように、操作部100Bによる操作がなされていないとき、4つの嵌合凸部102Eの各々は、4つの嵌合凹部114Fbの各々に嵌合していない。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図23に示す操作部100Bによる操作がなされていない状態から、ノブ102による押圧操作および操作部100Bによるスライド操作の双方を、選択的に行うことが可能である。
【0102】
図24は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1の同時操作禁止機構(押圧操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図24に示すように、ノブ102による押圧操作がなされたとき、4つの嵌合凸部102Eの各々は、4つの嵌合凹部114Fbの各々に入り込んで嵌合する。これにより、ノブ102の水平方向への移動は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図24に示すノブ102による押圧操作がなされた状態において、操作部100Bによるスライド操作を同時に行うことができないようになっている。
【0103】
図25は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1の同時操作禁止機構(スライド操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図25に示すように、操作部100Bによるスライド操作がなされたとき、4つの嵌合凸部102Eの各々は、水平方向に移動することにより、支持部114Fの上面に突き当たり、4つの嵌合凹部114Fbの各々に入り込むことができなくなる。これにより、ノブ102の下方への移動は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図25に示す、操作部100Bによるスライド操作がなされた状態において、ノブ102による押圧操作を同時に行うことができないようになっている。
【0104】
(第2の同時操作禁止機構)
図26は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第2の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図である。図26に示すように、第1ホルダ106には、いずれも四角柱状の、90度間隔で配置された4つの凸部106D(「被規制部」の一例)が下方に突出して設けられている。一方、ケース108の開口部108Cの内周縁部には、90度間隔で配置された4つの第1凹部108E(「第2規制部」の一例)が、外側に向かって切り欠かれて形成されている。さらに、4つの第1凹部108Eの各々からは、第2凹部108F(「第1規制部」の一例)が、外側に向かって切り欠かれて形成されている。
【0105】
図26に示すように、操作部100Bによる操作がなされていないとき、4つの凸部106Dの各々は、4つの第1凹部108Eの各々に入り込んだ状態ではあるが、4つの第1凹部108Eの各々、および、4つの第2凹部108Fの各々に係合していない。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図26に示す操作部100Bによる操作がなされていない状態から、操作部100Bによる回転操作および操作部100Bによるスライド操作の双方を、選択的に行うことが可能である。図37に示す様に、第1凹部108Eは、操作部100Bが中心軸AXの回転中心として回転操作される方向と交差する向きに設けられた壁部108Eaと、回転操作の方向と略平行に設けられた壁部108Ebと、によって構成されている。壁部108Eaは、操作部100Bを回転操作する際の角度範囲を規定する。壁部108Eaは、操作部100Bが所定の回転角度だけ回転操作されたとき、凸部106Dの側面に当接する位置に設けられる。尚、本実施形態では、操作部100Bが初期状態から12°回転操作されたとき、凸部106Dと壁部108Eaとが当接する。第2凹部108Fは、中心軸AXからXY平面方向に伸ばした直線と交差する向きに設けられた壁部108Faと、中心軸AXからXY平面方向に伸ばした直線と略平行に設けられた壁部108Fbと、によって構成されている。壁部108Faは、操作部100Bをスライド操作する際の操作距離の範囲を規定する。
【0106】
図27は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第2の同時操作禁止機構(スライド操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図27に示すように、操作部100Bによるスライド操作がなされたとき、スライド操作方向にある1つの凸部106Dが、スライド操作方向にある1つの第2凹部108Fに入り込む。これにより、第1ホルダ106の回転は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図27に示す操作部100Bによるスライド操作がなされた状態において、操作部100Bによる回転操作を同時に行うことができないようになっている。
【0107】
図28は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第2の同時操作禁止機構(回転操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図28に示すように、操作部100Bによる回転操作がなされたとき、4つの凸部106Dの各々は、4つの第1凹部108Eの各々の内部で、回転操作方向に回転することにより、第1凹部108Eの外側の内壁面に突き当たり、第2凹部108Fに入り込むことができなくなる。これにより、第1ホルダ106の水平方向への移動は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図28に示す、操作部100Bによる回転操作がなされた状態において、操作部100Bによるスライド操作を同時に行うことができないようになっている。尚、本実施形態において、凸部106Dが第1ホルダ106の一部である構成について説明したが、凸部106Dは第2ホルダ2または加飾部材104の一部として形成されていても良い。何れの部材の一部として形成された場合でも、凸部106Dはケース108に設けられた第1凹部108E、及び、第2凹部108Fと関連付けられた形状、及び、配置に設けられる。
【0108】
(第3の同時操作禁止機構)
図29は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第3の同時操作禁止機構(操作がなされていない状態)を示す一部拡大斜視図である。図29に示すように、ノブ102の軸部102Bの外周面には、四角柱状の凸部102Fが、外側に突出して設けられている。一方、スライダ112の筒部112Aの上縁部には、凹部112Eが、下側に向かって切り欠かれて形成されている。
【0109】
図29に示すように、操作部100Bによる操作がなされていないとき、凸部102Fは、凹部112Eの上方に位置しており、凹部112Eに係合していない。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図29に示す操作部100Bによる操作がなされていない状態から、ノブ102による押圧操作および操作部100Bによるスライド操作の双方を、選択的に行うことが可能である。
【0110】
図30は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第3の同時操作禁止機構(押圧操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図30に示すように、ノブ102による押圧操作がなされたとき、凸部102Fが、凹部112Eに入り込む。これにより、ノブ102の回転は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図30に示すノブ102による押圧操作がなされた状態において、操作部100Bによる回転操作を同時に行うことができないようになっている。
【0111】
図31は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第3の同時操作禁止機構(回転操作がなされた状態)を示す一部拡大斜視図である。図31に示すように、操作部100Bによる回転操作がなされたとき、凸部102Fは、回転操作方向に回転することにより、スライダ112の筒部112Aの上縁部に突き当たり、凹部112Eに入り込むことができなくなる。これにより、ノブ102の下方への移動は規制される。これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、図31に示す、操作部100Bによる回転操作がなされた状態において、ノブ102による押圧操作を同時に行うことができないようになっている。
【0112】
図32は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるノブ102および第1ホルダ106の上面図である。図33は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるノブ102および第1ホルダ106のXY平面による断面図である。図34は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるノブ102および第1ホルダ106の外観斜視図である。図32図34に示す様に、ノブ102と第1ホルダ106とは、上下方向において重なって配置されており、且つ、平面視した時、重複する位置に配置されている。
【0113】
図35は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1ホルダ106の下方斜視図である。図36は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備える第1ホルダ106の下面図である。図37は、一実施形態に係るスイッチ装置100が備えるケース108の上面図である。図35および図36に示すように、第1ホルダ106には、いずれも四角柱状の、90度間隔で配置された4つの凸部106Dが下方に突出して設けられている。
【0114】
一方、図37に示すように、ケース108の開口部108Cの内周縁部には、90度間隔で配置された4つの第1凹部108Eが、外側に向かって切り欠かれて形成されている。さらに、4つの第1凹部108Eの各々からは、第2凹部108Fが、外側に向かって切り欠かれて形成されている。
【0115】
また、図37に示すように、第1凹部108Eは、操作部100Bが中心軸AXの回転中心として回転操作される方向と交差する向きに設けられた壁部108Eaと、回転操作の方向と略平行に設けられた壁部108Ebと、によって構成されている。壁部108Eaは、操作部100Bを回転操作する際の角度範囲を規定する。
【0116】
また、図37に示すように、第2凹部108Fは、中心軸AXからXY平面方向に伸ばした直線と交差する向きに設けられた壁部108Faと、中心軸AXからXY平面方向に伸ばした直線と略平行に設けられた壁部108Fbと、によって構成されている。壁部108Faは、操作部100Bをスライド操作する際の操作距離の範囲を規定する。
【0117】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0118】
例えば、一実施形態では、「押圧操作がなされたときに弾性変形する弾性変形部」の一例として、押圧検出スイッチ131のラバーステム131Aを用いているが、これに限らない。「押圧操作がなされたときに弾性変形する弾性変形部」は、ノブ102に対して加えられた押圧操作力が押圧検出スイッチ131に至るまで伝達される伝達経路に配置される部材の何れでも良い。例えば、「押圧操作がなされたときに弾性変形する弾性変形部」は、ノブ102からの押圧操作の操作力の伝達経路に配置される弾性変形可能なアクチュエータであってもよい。また、例えば、「押圧操作がなされたときに弾性変形する弾性変形部」は、ノブ102の弾性変形可能な少なくとも一部の部位であってもよい。
【符号の説明】
【0119】
100 スイッチ装置
100A 本体部
100B 操作部
102 ノブ
102A 操作部
102B 軸部
102C 突起部
102D 突起部
102Da 押圧面
102E 嵌合凸部
102F 凸部
104 加飾部材
104A 上面
104B 開口部
104C 天井面
104D フック
104Da 傾斜面
106 第1ホルダ
106A 側面
106B 係合爪
106Ba 傾斜面
106C レバー部
106Ca 被押圧面
106D 凸部
108 ケース
108A 上面
108B 台座部
108C 開口部
108D 下側開口部
108E 第1凹部
108Ea 壁部
108Eb 壁部
108F 第2凹部
108Fa 壁部
108Fb 壁部
110 第2ホルダ
110A アーム
110B 開口
110C カム面
112 スライダ
112A 筒部
112B 摺動部
112Ba 角部
112Bb 内部空間
112Bc 天井面
112C 保持部
112D 把持部
112Da 開口部
112E 凹部
114 サブケース
114A 凹部
114B 摺動面
114C スリット部
114D 収容部
114E 軸受孔
114F 支持部
114Fa 開口部
114Fb 嵌合凹部
116 カバー
117 ねじ
118 ボール
119 コイルばね
120 アクチュエータユニット
121 アクチュエータ
122 アクチュエータ
122A 回転軸部
122B 腕部
122C レバー部
130 基板
131 押圧検出スイッチ
131A ラバーステム
132 スライド検出スイッチ
132A ラバーステム
136 コネクタ
136A コネクタピン
137,138 回転検出スイッチ
137A,138A レバー
AX 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37