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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240814BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240814BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q30/0251
G16Y20/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021067926
(22)【出願日】2021-04-13
(65)【公開番号】P2022162875
(43)【公開日】2022-10-25
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【弁理士】
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】坂本 匠司
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 弘忠
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】尾谷 大喜
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174264(JP,A)
【文献】特開2012-251943(JP,A)
【文献】特開2009-042219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 20/10
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部、記憶部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された所定の地域における道路構造に関する情報から停車している車両の周辺の道路構造に関する情報を取得し、当該車両の周辺の道路構造に関する情報に基づいて前記車両の周辺に位置する複数の店舗から前記車両までの経路をそれぞれ特定し、特定された前記経路に基づいて前記複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択し、前記通信部を介して選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路を用いた移動距離又は移動時間が所定の第1の閾値を超える店舗を選択対象から除外する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項又はに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における高低差が所定の第2の閾値を超える店舗を選択対象から除外する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項乃至の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における事故発生率が所定の第3の閾値を超える店舗を選択対象から除外する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項乃至の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における混雑度が所定の第4の閾値を超える店舗を選択対象から除外する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記車両の周辺の道路構造に関する情報に中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道が含まれる場合、
前記制御部は、前記推奨店舗を選択するにあたり、前記中央分離帯、前記横断歩道、前記歩道橋、又は前記路面鉄道から所定の範囲内に位置する店舗を選択対象から除外する、情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置の制御部が実行する方法であって、
記憶部に記憶された所定の地域における道路構造に関する情報から停車している車両の周辺の道路構造に関する情報を取得すること、
当該車両の周辺の道路構造に関する情報に基づいて前記車両の周辺に位置する複数の店舗から前記車両までの経路をそれぞれ特定すること、
特定された前記経路に基づいて前記複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択すること、及び
通信部を介して選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知すること、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路を用いた移動距離又は移動時間が所定の第1の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項又はに記載の方法であって、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における高低差が所定の第2の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項乃至の何れか一項に記載の方法であって、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における事故発生率が所定の第3の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に含む、方法。
【請求項11】
請求項乃至10の何れか一項に記載の方法であって、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における混雑度が所定の第4の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に含む、方法。
【請求項12】
請求項乃至11の何れか一項に記載の方法であって、
前記車両の周辺の道路構造に関する情報に中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道が含まれる場合、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記中央分離帯、前記横断歩道、前記歩道橋、又は前記路面鉄道から所定の範囲内に位置する店舗を選択対象から除外することを更に含む、方法。
【請求項13】
コンピュータに、
記憶手段に記憶された所定の地域における道路構造に関する情報から停車している車両の周辺の道路構造に関する情報を取得すること、
当該車両の周辺の道路構造に関する情報に基づいて前記車両の周辺に位置する複数の店舗から前記車両までの経路をそれぞれ特定すること、
特定された前記経路に基づいて前記複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択すること、及び
通信手段を介して選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知すること、
を実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路を用いた移動距離又は移動時間が所定の第1の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に実行させる、プログラム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における高低差が所定の第2の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項13乃至15の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記経路における事故発生率が所定の第3の閾値を超える店舗を選択対象から除外することを更に実行させる、プログラム。
【請求項17】
請求項13乃至16の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記車両の周辺の道路構造に関する情報に中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道が含まれる場合、
前記コンピュータに、
前記推奨店舗を選択するにあたり、前記中央分離帯、前記横断歩道、前記歩道橋、又は前記路面鉄道から所定の範囲内に位置する店舗を選択対象から除外することを更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品又はサービスを効率的に提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、店舗での待ち時間を低減して店舗に対する商品又はサービスの提供の注文を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-071441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品又はサービスを効率的に提供する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、商品又はサービスを効率的に提供する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、停車している車両の周辺の道路構造に基づいて、前記車両の周辺に位置する複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択し、前記通信部を介して、選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
停車している車両の周辺の道路構造に基づいて、前記車両の周辺に位置する複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択すること、及び
選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知すること、
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
停車している車両の周辺の道路構造に基づいて、前記車両の周辺に位置する複数の店舗の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択すること、及び
選択された前記推奨店舗に関する情報を前記車両に通知すること、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】車両の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図5】ステップS101の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の車両10と、情報処理装置20と、を備える。車両10及び情報処理装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
複数の車両10(以下、複数の車両10のそれぞれを区別する場合は、各車両10を車両10-1、車両10-2、…と称する。)は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン自動車、電気自動車(EV;Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HV;Hybrid Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHV;Plug-in Hybrid Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV;Fuel Cell Vehicle)等であるが、これらに限られない。車両10は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両10は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して、車両10と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺の道路構造に基づいて、車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、選択された推奨店舗に関する情報を車両10-1に通知する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、停車している車両10-1の周辺の道路構造に基づいて、車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から例えば商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなる推奨店舗が選択される。したがって、車両10-1内にいるユーザに商品又はサービスを提供する際にリードタイムが短くなる点で、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、測位部14と、出力部15と、を備える。
【0019】
制御部11は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるが、これに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるが、これに限られない。制御部11は、車両10全体の動作を制御する。
【0020】
通信部12は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部12及びネットワーク30を介して、情報処理装置20と通信する。
【0021】
記憶部13は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部13に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部13に記憶された情報は、例えば通信部12を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0022】
測位部14は、車両10の位置を計測し、地図上での位置を特定する位置情報を生成する。位置情報は、2次元若しくは3次元の座標の他に、速度、移動経路、又は移動距離等を含んでもよい。測位部14は、衛星測位システムに対応する受信機を含む。受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応するが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応してもよい。また、測位部14は、例えばジャイロセンサ及び地磁気センサを含む。例えばカーナビゲーション装置が、測位部14として機能してもよい。
【0023】
出力部15は、制御部11が生成した情報又は記憶部13から読み出された情報を、ユーザに対して出力する出力インタフェースを含む。出力インタフェースは、例えば、情報を画像で出力するパネルディスプレイ若しくはヘッドアップディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られず、任意のインタフェースであってよい。出力部15は、通信部12を介して取得した情報を、車両10のユーザに対して画面表示又は音声等により出力する。
【0024】
(情報処理装置の構成)
図3に示すように、情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0025】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部21は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0026】
通信部22は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部22及びネットワーク30を介して、車両10と通信する。
【0027】
記憶部23は、1つ以上のメモリを含む。記憶部23に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部23は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部23は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部23に記憶された情報は、例えば通信部22を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
(情報処理装置の動作フロー)
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。この動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
【0029】
本例では、路肩に設けられた駐車スペースに車両10-1が停車しており、車両10-1内での商品の受け取り又はサービスの提供を希望するユーザが車両10-1内にいるものとして説明する。なお、商品は、例えばファストフード等の料理又はコーヒー等の飲料物を含んでもよいが、これらに限られない。また、サービスは、例えば靴磨きサービス等を含んでもよいが、これに限られない。
【0030】
ステップS100:情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺の道路構造に関する情報を取得する。
【0031】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、停車している車両10-1から位置情報を受信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、受信された車両10-1の位置情報と、記憶部23に予め記憶された所定の地域における道路構造に関する情報とから、停車している車両10-1の周辺の道路構造に関する情報を取得する。なお、道路構造に関する情報は、道路の地図上での位置、道路の形状、道路の属性、又は道路の周辺に位置する店舗に関する情報等を含んでもよいが、これらに限られない。
【0032】
ステップS101:情報処理装置20の制御部21は、ステップS100で取得された道路構造に関する情報に基づいて、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択する。
【0033】
図5を更に参照して、ステップS101において実行される処理について具体的に説明する。なお、本例では、後述するステップS200乃至S204により、店舗S1、S2が推奨店舗として選択されるものとして説明する。
【0034】
ステップS200:情報処理装置20の制御部21は、ステップS100で取得された道路構造に関する情報に基づいて、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路をそれぞれ特定する。
【0035】
経路は、商品の配達者又はサービスの提供者が徒歩又は自転車等により各店舗S1、S2、S3、S4、S5から車両10-1まで移動するための経路を示す任意の情報を含んでもよいが、これに限られない。
【0036】
ステップS201:情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、ステップS200で特定された経路を用いた移動距離を算出する。
【0037】
移動距離は、商品の配達者又はサービスの提供者が徒歩又は自転車等により各店舗S1、S2、S3、S4、S5から車両10-1まで移動する距離を定量的に表す任意の情報を含んでもよいが、これに限られない。
【0038】
ステップS202:情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、ステップS201で算出された移動距離が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断する。移動距離が所定の第1の閾値を超えると制御部21が判断した場合(ステップS202-Yes)、プロセスはステップS203に進む。一方、移動距離が所定の第1の閾値を超えないと制御部21が判断した場合(ステップS202-No)、プロセスはステップS204に進む。
【0039】
所定の第1の閾値は、商品の配達者若しくはサービスの提供者の移動手段、又は商品若しくはサービスの受注から提供までの許容時間等を考慮して適宜設定されてもよいが、これに限られない。
【0040】
ステップS203:情報処理装置20の制御部21は、移動距離が所定の第1の閾値を超える店舗S3、S4、S5を推奨店舗としての選択対象から除外する。その後、プロセスはステップS102に進む。
【0041】
ステップS204:情報処理装置20の制御部21は、移動距離が所定の第1の閾値を超えない店舗S1、S2を推奨店舗としての選択対象に含める。その後、プロセスはステップS102に進む。
【0042】
このようにして、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から移動距離が所定の第1の閾値を超えない少なくとも1つの店舗S1、S2を推奨店舗として選択する。
【0043】
ステップS102:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、ステップS101で選択された推奨店舗に関する情報を停車している車両10-1に通知する。
【0044】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、ステップS101で選択された推奨店舗に関する情報を停車している車両10-1に送信する。そして、車両10-1の制御部11は、通信部12を介して、情報処理装置20から送信された推奨店舗に関する情報を受信する。そして、車両10-1の制御部11は、出力部15を介して、受信された推奨店舗に関する情報を車両10-1内にいるユーザに対して画面表示又は音声等で出力する。すなわち、車両10-1内にいるユーザには、車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5のうちステップS203で除外された店舗S3、S4、S5に関する情報は提示されない。これにより、車両10-1内にいるユーザは、推奨店舗(本例では、店舗S1、S2)のうち希望する店舗に対して、ユーザ端末等を介して商品又はサービスを注文することができる。このため、ユーザに選択された店舗は、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間を短くすることができる。なお、推奨店舗に関する情報は、推奨店舗の名称、推奨店舗が提供する商品若しくはサービスの内容、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間、推奨店舗の地図上での位置、又は推奨店舗の口コミ等の評判等を含んでもよいが、これらに限られない。
【0045】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺の道路構造に基づいて、車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から少なくとも1つの店舗を推奨店舗として選択する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、選択された推奨店舗に関する情報を車両10-1に通知する。
【0046】
かかる構成によれば、車両10-1の周辺の道路構造に基づいて、車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から例えば商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなる推奨店舗が選択される。したがって、車両10-1内にいるユーザに商品又はサービスを提供する際にリードタイムが短くなる点で、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。
【0047】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0048】
一変形例として、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また、例えば、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を車両10に設けた実施形態も可能である。例えば、車両10に搭載されるナビゲーション装置が、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0049】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路を用いた移動時間が所定の第1の閾値を超える店舗を選択対象から除外してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、上述したステップS200と同様にして、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路をそれぞれ特定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、特定された経路を用いた移動時間を算出する。例えば、情報処理装置20の制御部21は、ステップS201と同様にして算出された移動距離を、徒歩又は自転車等による平均的な速度で除することによって移動時間を算出することができる。そして、情報処理装置20の制御部21は、算出された移動時間が所定の第1の閾値を超える店舗を選択対象から除外する。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。これにより、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなるため、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。
【0050】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路における高低差が所定の第2の閾値を超える店舗を選択対象から除外してもよい。具体的には、情報処理装置20の記憶部23には、所定の地域における道路の標高等を定量的に表す任意の情報等が予め記憶されている。そして、情報処理装置20の制御部21は、上述したステップS200と同様にして、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路をそれぞれ特定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、記憶部23を参照することにより、特定された経路における高低差を算出する。そして、情報処理装置20の制御部21は、算出された高低差が所定の第2の閾値を超える店舗を選択対象から除外する。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。これにより、商品の配達者又はサービスの提供者は、高低差が小さい経路を使用することができる。したがって、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなるため、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。なお、高低差は、特定された経路の始点と終点との標高差であってもよく、或いは特定された経路における標高差の最大値であってもよいが、これらに限られない。高低差は、歩道橋等の階段の有無又は歩道等の段差の有無を示す指標であってもよい。また、所定の第2の閾値は、商品の配達者若しくはサービスの提供者の移動手段、又は商品若しくはサービスの受注から提供までの許容時間等を考慮して適宜設定されてもよいが、これに限られない。
【0051】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路における事故発生率が所定の第3の閾値を超える店舗を選択対象から除外してもよい。具体的には、情報処理装置20の記憶部23には、所定の地域における事故発生率が予め記憶されている。そして、情報処理装置20の制御部21は、上述したステップS200と同様にして、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路をそれぞれ特定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、記憶部23を参照することにより、特定された経路における事故発生率を取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得された事故発生率が所定の第3の閾値を超える店舗を選択対象から除外する。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。これにより、商品の配達者又はサービスの提供者が店舗と車両10-1とを往復する間に事故に遭遇する可能性が低くなるため、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。なお、所定の第3の閾値は、車両10-1が停車している地域における過去の平均的な事故発生率を考慮して適宜設定されてもよいが、これに限られない。
【0052】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路における混雑度が所定の第4の閾値を超える店舗を選択対象から除外してもよい。具体的には、情報処理装置20の記憶部23には、所定の地域における混雑度が予め記憶されている。そして、情報処理装置20の制御部21は、上述したステップS200と同様にして、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5から停車している車両10-1までの経路をそれぞれ特定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、各店舗S1、S2、S3、S4、S5について、記憶部23を参照することにより、特定された経路における混雑度を取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得された混雑度が所定の第4の閾値を超える店舗を選択対象から除外する。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。これにより、商品の配達者又はサービスの提供者が混雑に巻き込まれることが回避される。したがって、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなるため、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。なお、混雑度は、車両10-1が停車している地域における過去の平均的な人通りの多さを表す「多い、標準、少ない」等の段階的な指標を含んでもよいが、これに限られない。また、所定の第4の閾値は、車両10-1が停車している地域における過去の平均的な人通りの多さを考慮して適宜設定されてもよいが、これに限られない。
【0053】
また、一変形例として、停車している車両10-1の周辺の道路構造に中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道が含まれる場合、情報処理装置20の制御部21は、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗の中から中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道から所定の範囲内に位置する店舗を選択対象から除外してもよい。具体的には、情報処理装置20の記憶部23には、所定の地域における中央分離帯の有無、横断歩道の有無、歩道橋の有無、又は路面鉄道の有無等を含む、道路構造に関する情報が予め記憶されている。そして、情報処理装置20の制御部21は、記憶部23を参照することにより、停車している車両10-1の周辺に位置する複数の店舗S1、S2、S3、S4、S5の中から、中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道から所定の範囲内に位置する店舗を選択対象から除外する。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。なお、所定の範囲は、停車している車両10-1に対して、中央分離帯、横断歩道、歩道橋、又は路面鉄道の反対車線側に位置する店舗までの範囲等を含んでもよいが、これらに限られない。これにより、商品の配達者又はサービスの提供者は、店舗から車両10-1に移動する間、車道又は路面鉄道を横断する必要がない。このため、商品の配達者又はサービスの提供者が車両10-1に到着するまでの時間が短くなると共に、商品の配達者又はサービスの提供者が店舗と車両10-1とを往復する間に事故に遭遇する可能性も低くなる。したがって、商品又はサービスを効率的に提供する技術が改善される。
【0054】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 システム
10 車両
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 測位部
15 出力部
20 情報処理装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 ネットワーク
S1、S2、S3、S4、S5 店舗
図1
図2
図3
図4
図5