(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】車両用統合システム
(51)【国際特許分類】
B60R 11/04 20060101AFI20240814BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240814BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B60R11/04
G08G1/16 F
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021086937
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2023-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山下 智也
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200718(JP,A)
【文献】特開2012-234305(JP,A)
【文献】特開2020-173636(JP,A)
【文献】特開2019-083501(JP,A)
【文献】特開2019-095541(JP,A)
【文献】特開2010-000860(JP,A)
【文献】特開2019-140565(JP,A)
【文献】特開2019-087874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/04
G08G 1/16
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御装置(2)と、表示デバイス(3)とを備える車両用統合システム(1)であって、
前記電子制御装置は、統合先の電子制御装置(51)の機能とドライバ監視モニタ専用の電子制御装置(31)の機能とが統合されて構成されており、
前記表示デバイスは、統合先の表示デバイス(52)の機能と前記ドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部(32)の機能とが統合されて構成され
、
統合されている前記統合先の電子制御装置の機能と前記ドライバ監視モニタ専用の電子制御装置の機能とで電源を共通化する電源回路(5)と、
ドライバの顔に向けて光を照射する照明部(22a,22b)と、
前記照明部を駆動する照明駆動回路(16)と、を備え、
前記電子制御装置は、前記電源回路と、前記照明駆動回路と、を備え、
前記表示デバイスは、ドライバの顔を撮像するカメラ(24)と、前記照明部と、を備える車両用統合システム。
【請求項2】
電子制御装置(2)と、表示デバイス(3)とを備える車両用統合システム(1)であって、
前記電子制御装置は、統合先の電子制御装置(51)の機能とドライバ監視モニタ専用の電子制御装置(31)の機能とが統合されて構成されており、
前記表示デバイスは、統合先の表示デバイス(52)の機能と前記ドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部(32)の機能とが統合されて構成され、
統合されている前記統合先の電子制御装置の機能と前記ドライバ監視モニタ専用の電子制御装置の機能とで電源を共通化する電源回路(5)
と、
ドライバの顔に向けて光を照射する照明部(22a,22b)と、
前記照明部を駆動する照明駆動回路(16)と、を備え、
前記表示デバイスは、前記電源回路と、ドライバの顔を撮像するカメラ(24)と、前記照明部と、前記照明駆動回路と、を備える車両用統合システム。
【請求項3】
前記表示デバイスは、デバイス基板(13)を備え、
前記カメラ及び前記照明部は、前記デバイス基板に対してフレキシブル基板又はフラットケーブルを介して接続されている請求項
1又は2に記載した車両用統合システム。
【請求項4】
前記デバイス基板は、前記フレキシブル基板又は前記フラットケーブルを接続する基板接続コネクタ(20,21)を備える請求項
3に記載した車両用統合システム。
【請求項5】
前記カメラは複数であり、前記複数のカメラの動作と前記照明部の動作とが同期される請求項
1から4の何れか一項に記載した車両用統合システム。
【請求項6】
前記カメラから送信されるドライバの顔を撮像した撮像データと、車両周囲を撮像するカメラから送信される車両周囲の撮像データとを解析するデータ処理部(6)を備える請求項
1から5の何れか一項に記載した車両用統合システム。
【請求項7】
前記データ処理部は、ドライバの顔を撮像した撮像データと、車両周囲の撮像データとの解析結果に応じて処理の優先度を動的に変化させる請求項6に記載した車両用統合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用統合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ドライバの状態を監視するシステムとしてドライバ監視モニタが供されている。ドライバ監視モニタは、例えばカメラの撮像方向が運転席側に向けられた姿勢でインスツルメントパネルの上面に配置される。ドライバ監視モニタは、光源から光が照射されたドライバの顔をカメラにより撮像し、その撮像した顔画像を解析してドライバの状態を監視する。ドライバ監視モニタは、顔画像から例えば脇見、閉眼、眠気、体位等を判定し、その判定結果を例えば自動運転を制御する電子制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)と称する)等に逐次出力する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のドライバ監視モニタのシステム構成は、ドライバ監視モニタ専用のECUとドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部とを備えて構成されており、ECUとカメラ機能部とが分離された構成となっている。しかしながら、このような従来のシステム構成においては、専用のECU及び専用のカメラ機能部がそれぞれ単独機能を持った単独のデバイスであるので、コスト高になり、サイズが大型化し、車両デザインが損なわれるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コスト高及びサイズの大型化を抑えると共に、車両デザインの損失を未然に回避することができる車両用統合システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、車両用統合システム(1)は、電子制御装置(2)と、表示デバイス(3)とを備える。前記電子制御装置は、統合先の電子制御装置(51)の機能とドライバ監視モニタ専用の電子制御装置(31)の機能とが統合されて構成されている。表示デバイスは、統合先の表示デバイス(52)の機能と前記ドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部(32)の機能とが統合されて構成されている。統合されている前記統合先の電子制御装置の機能と前記ドライバ監視モニタ専用の電子制御装置の機能とで電源を共通化する電源回路(5)と、ドライバの顔に向けて光を照射する照明部(22a,22b)と、前記照明部を駆動する照明駆動回路(16)と、を備える。前記電子制御装置は、前記電源回路と、前記照明駆動回路と、を備える。前記表示デバイスは、ドライバの顔を撮像するカメラ(24)と、前記照明部と、を備える。
【0007】
ドライバ監視モニタ専用の電子制御装置の機能が統合先の電子制御装置に組み込まれ、ドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部の機能が統合先の表示デバイスに組み込まれることで、一部のソフトウェアやハードウエアを共通化することができる。これにより、コスト高及びサイズの大型化を抑えると共に、車両デザインの損失を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】DSM専用ECU及びDSM専用カメラ機能部の機能ブロック図
【
図3】統合先ECU及び統合先表示デバイスの機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、幾つかの実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態において、先行する実施形態で説明した内容に対応する部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について
図1から
図4を参照して説明する。
図1に示すように、車両用統合システム1は、ECU2と、センターインフォメーションディスプレイ(以下、CID(Center Information Display)と称する)3(表示デバイスに相当する)とを備える。
【0011】
ECU2には、ECU基板4が搭載されている。ECU基板4上には、電源回路5と、IC(Integrated Circuit)6(データ処理部に相当する)と、電源コネクタ7,8と、通信コネクタ9,10とが実装されている。IC6には、車両用ソフトウェア11と、認識ソフトウェア12とが実装されている。IC6はSoC(System-On-a-Chip)から構成されている。認識ソフトウェア12は、後述するカメラにより撮像された撮像データかから顔画像を認識して解析するソフトウェアである。車両用ソフトウェア11は、車両制御を行うソフトウェアであり、顔画像の解析結果に基づいて車両制御を行うソフトウェアも含む。
【0012】
CID3には、CID基板13(デバイス基板に相当する)と、LED基板14と、カメラ基板15とが独立して搭載されている。CID基板13上には、LED駆動回路16(照明駆動回路に相当する)と、表示デバイス回路17と、電源コネクタ18と、通信コネクタ19と、LED基板接続コネクタ20と、カメラ基板接続コネクタ21とが実装されている。表示デバイス回路17にはカメラ周辺回路17aが含まれている。
【0013】
LED基板14上には、2個のLED22a,22b(照明部に相当する)が実装されていると共に、フレキシブル基板23が接続されている。カメラ基板15上には、カメラ24が実装されていると共に、フレキシブル基板25が接続されている。2個のLED22a,22bは、ドライバ席のヘッドレストに光軸が向いており、近赤外光をドライバ席のヘッドレストの周囲に照射する。カメラ24は、ドライバ席のヘッドレスト周辺を撮像範囲とする。即ち、ドライバがドライバ席に着座した状態では、2個のLED22a,22bから投じられた光がドライバの顔に照射され、光が照射されたドライバの顔がカメラ24により撮像される。尚、LEDの個数は2個に限らず、1個や3個以上でも良い。光源としてLEDを例示しているが、例えば垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等を用いても良い。
【0014】
フレキシブル基板23,25は、それぞれ柔軟性を有して変形可能な基板であり、その先端部は基板接続コネクタ20,21に対して着脱可能に嵌合される形状となっている。尚、フレキシブル基板23,25に代えて、フラットケーブル等を用いても良く、柔軟性を有して変形可能な性質を有する部材であれば、どのような部材を用いても良い。又、リジッドフレキシブル基板を用いても良く、基板接続コネクタ20,21が省かれる構成でも良い。LED基板14及びカメラ基板15の周辺は、フレキシブル基板23,25が変形可能なスペースが確保されていることが望ましい。
【0015】
ECU2の電源コネクタ7には電源線26a,26bが接続されており、外部から電源線26a,26bを介してECU2の電源回路5に電源が供給される。ECU2の電源コネクタ8及びCID3の電源コネクタ18には電源線27a,27bが接続されており、ECU2の電源回路5から電源線27a,27bを介してCID3のLED駆動回路16に電源が供給される。
【0016】
ECU2の通信コネクタ9にはデータ通信線28が接続されており、外部とECU2のIC6との間でデータ通信線28を介してデータが送受信される。ECU2の通信コネクタ10及びCID3の通信コネクタ19にはデータ通信線29が接続されており、ECU2のIC6とCID3表示デバイス回路17との間でデータ通信線29を介してデータが送受信される。
【0017】
LED基板接続コネクタ20にはフレキシブル基板23が接続されており、LED駆動回路16からフレキシブル基板23を介してLED22a,22bに電源が供給される。カメラ基板接続コネクタ21にはフレキシブル基板25が接続されており、カメラ24により撮像された撮像データがフレキシブル基板25を介してカメラ周辺回路17aに送信され、カメラ周辺回路17aからデータ通信線29を介してIC6に送信される。
【0018】
上記した構成において、IC6は、車両ドアの開放に応じて起動信号をCAN(Controller Area Network)(登録商標)等の車載ネットワークを介して受信可能であり、起動信号の受信を検知すると、電源回路5からLED22a,22b及びカメラ24への電源供給を開始し、電源回路5からLED22a,22b及びカメラ24への電源供給以外を待機する。又、IC6は、カメラ24により撮像されたドライバの撮像データを受信することに加え、車両周囲を撮像するカメラ(図示せず)により撮像された車両周囲の撮像データを受信し、その両方の撮像データを解析して危険を判定する。この場合、IC6は、同じ時刻の車両周囲の撮像データとドライバの撮像データとを解析する。IC6は、車両周囲の撮像データから危険の接近を判定したが、ドライバの撮像データから危険の接近をドライバが認識していないと判定すると、危険の接近をドライバに対して報知する処理を行う。又、IC6は、ドライバの撮像データ及び車両周囲の撮像データの解析結果に応じて処理の優先度を動的に変化させる。IC6は、例えばデッドマン検知のような緊急時にはドライバの撮像データの解析を優先し、緊急時以外では車両周囲の撮像データの解析を優先する。
【0019】
以上に説明した車両用統合システム1は、ドライバ監視モニタであるドライバステータスモニタ(登録商標)(以下、DSM(Driver Status Monitor)と称する)の機能を備えるシステムであり、ECU2は、統合先のECUの機能とDSM専用ECUの機能とが統合されて構成されており、CID3は、統合先の表示デバイスの機能とDSM専用カメラ機能部の機能とが統合されて構成されている。即ち、DSM専用のECUの機能が統合先のECUに組み込まれ、DSM専用のカメラ機能部の機能が統合先の表示デバイスに組み込まれている態様で構成されている。
【0020】
統合されている態様について
図2から
図4を参照して説明する。従来のDSMは、
図2に示すように、DSM専用ECU31とDSM専用カメラ機能部32とを備える。DSM専用ECU31は、ECU基板33上に、電源回路34と、IC35と、電源コネクタ36,37と、通信コネクタ38,39とが実装されている。DSM専用カメラ機能部32は、LED駆動回路41と、カメラ周辺回路42と、電源コネクタ43と、通信コネクタ44と、LED基板45と、カメラ基板46とが実装されている。LED基板45にはLED47a,47bが実装され、カメラ基板46にはカメラ48が実装されている。
【0021】
図3に示すように、DSM専用ECU31の機能が組み込まれる統合先ECU51は、ECU基板53上に、電源回路54と、IC55と、電源コネクタ56,57と、通信コネクタ58,59とが実装されている。DSM専用カメラ機能部32の機能が組み込まれる統合先表示デバイス52は、デバイス基板60上に、電源回路61と、表示デバイス回路62と、電源通信コネクタ63とが実装されている。
【0022】
本実施形態では、
図4に示すように、
図2に示したDSM専用ECU31の機能が
図3に示した統合先ECU51に組み込まれたことで、
図1に示したECU2が構成されている。この場合、ECU2の電源回路5は、DSM専用ECU31の電源回路34と統合先ECU51の電源回路54とを共通化するだけでなく、更に統合先表示デバイス52の電源回路61も共通化している。ECU2のIC6は、DSM専用ECU31のIC35と統合先ECU51のIC55とを共通化し、例えば通信用のソフトウェアや車両とのインタフェース等、DSM専用ECU31と統合先ECU51とで共通するソフトウェア及びハードウエアを共通化している。
【0023】
又、
図2に示したDSM専用カメラ機能部32の機能が
図3に示した統合先表示デバイス52に組み込まれたことで、
図1に示したCID3が構成されている。この場合、DSM専用カメラ機能部32のカメラ周辺回路42を統合先表示デバイス52の表示デバイス回路62に含めている。例えばエマージェンシー回路等、DSM専用カメラ機能部32と統合先表示デバイス52とで共通するソフトウェア及びハードウエアを共通化している。
【0024】
以上に説明したように第1実施形態によれば、次に示す作用効果を得ることができる。
車両用統合システム1において、従来のDSM専用ECU31の機能が統合先ECU51に組み込まれてECU2が構成され、DSM専用カメラ機能部32の機能が統合先表示デバイス52に組み込まれてCID3が構成されるようにした。一部のソフトウェアやハードウエアを共通化することで、コスト高及びサイズの大型化を抑えると共に、車両デザインの損失を未然に回避することができる。尚、表示デバイスとしてCID3を例示したが、CID3に代えてメータパネルや電子ミラー等を適用しても良い。
【0025】
DSM専用ECU31の電源回路34と統合先ECU51の電源回路54とを共通化するだけでなく、更に統合先表示デバイス52の電源回路61も共通化ずるようにした。CID3から電源回路を省くことができ、その分、CID3を小型化することができる。
【0026】
ECU基板4に電源回路5が実装され、CID基板13にLED駆動回路16が実装され、LED基板14にLED22a,22bが実装されるようにした。電源回路5、LED駆動回路16、LED22a,22bを別々の基板に配置することで、熱源を1箇所に集中することなく分散することができ、ECU2やCID3からの発熱を抑えることができる。LED22a,22bとLED駆動回路16とを別々の基板でありながらも近くに配置することで、LED駆動回路16からLED22a,22bまでの電源線の長さを抑えることができ、LED22a,22bの駆動時に発生するノイズを抑えることができる。
【0027】
CID基板13に対してフレキシブル基板23を介してLED基板14が接続されると共にフレキシブル基板25を介してカメラ基板15が接続される構成とした。フレキシブル基板23,25を採用したことで、LED基板14やカメラ基板15の配置の自由度を高めることができ、LED22a,22bやカメラ24の配置の自由度を高めることができる。即ち、CID3の搭載位置に応じてLED22a,22bやカメラ24の配置を最適化することができる。
【0028】
CID基板13に対してフレキシブル基板23,35が着脱可能に嵌合される構成とした。CID基板13に対してLED基板14やカメラ基板15を自在に交換することができ、LED基板14に実装されるLED22a,22bやカメラ基板15に実装されるカメラ24を変更することで、ECU2やCID3を変更することなく、LED22a,22bやカメラ24の機能をアップデートすることができる。更に、LED基板14に実装されるLEDの個数やカメラ基板15に実装されるカメラの個数を変更することで、LEDの個数やカメラの個数の自由度を高めることができる。カメラを複数とした場合に、複数のカメラの動作とLEDの動作とを同期させることで、複数のカメラで一のLEDを共用することができ、LEDの個数を削減することができる。
【0029】
(第2実施形態)
第2実施形態について
図5を参照して説明する。第1実施形態は、ECU基板4に電源回路5が実装され、CID基板13にLED駆動回路16が実装される構成であるが、第2実施形態は、ECU基板4に電源回路5及びLED駆動回路16が実装される構成である。即ち、車両用統合システム71において、CID73のCID基板13からLED駆動回路16が省かれており、ECU72のECU基板4に電源回路5及びLED駆動回路16が実装されている。
【0030】
第1実施形態のようにCID基板13にLED駆動回路16が実装されている構成では、IC6とLED駆動回路16との間でデータ通信を行うにはECU2とCID3との間でデータ通信線が必要であり、LED駆動回路16の複雑な制御や瞬断等の複雑且つ速度を求める制御が困難となる可能性がある。これに対し、第2実施形態では、ECU基板4にLED駆動回路16が実装されているので、ECU基板4内でのデータ通信線により、ECU2とCID3との間のデータ通信線が不要となり、IC6とLED駆動回路16との間のデータ通信の制約がなくなり、LED駆動回路16の制御が容易となる。
【0031】
例えばLED22a,22bの周辺に温度センサを設け、外界温度やLED22a,22bの周辺の温度を温度センサにより検知し、余力があるときはLED22a,22bの発光時間を長くしたり駆動電流を増やしたりすることで照明を明るくし、一方、外界温度が高いときやLED22a,22bの発熱量が大きいときはLED22a,22bの発光時間を短くしたり駆動電流を減らしたりすることで発熱量を抑える等、LED22a,22bの発光時間や駆動電流を動的に変化させ、ECU2の温度、LED22a,22bの温度、LED22a,22bからの光量を動的に制御することができる。又、このようにECU2の温度を動的に制御することで、ECU2の放熱機構を削減したり簡素化したりすることができる。
【0032】
(第3実施形態)
第3実施形態について
図6を参照して説明する。第3実施形態は、CID基板13に電源回路5及びLED駆動回路16が実装される構成である。即ち、車両用統合システム81において、ECU82のECU基板4から電源回路5が省かれており、CID83のCID基板13に電源回路5及びLED駆動回路16が実装されている。
【0033】
第1実施形態のようにECU基板4に電源回路5が実装されている構成では、車両内への配置位置によってはECU2とCID3との距離が離れ、ECU2からCID3に電源を供給する電源線27a,27bが長くなり、電源線27a,27bがノイズの発生源となる可能性がある。これに対し、第3実施形態では、CID基板13に電源回路5が実装されているので、電源線27a,27bを省くことができ、電源線27a,27bがノイズの発生源となる可能性を排除することができる。又、電源線27a,27b及び電源コネクタ7,8を省くことで、コストを抑えることもできる。
【0034】
(その他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0035】
図面中、1,71,81は車両用統合システム、2,72,82はECU(電子制御装置)、3,73,83はCID(表示デバイス)、4はECU基板、5は電源回路、6はIC(データ処理部)、13はCID基板(デバイス基板)、16はLED駆動回路(照明駆動回路)、20,21は基板接続コネクタ、22a,22bはLED(照明部)、23,25はフレキシブル基板、24はカメラ、31はDSM専用ECU(ドライバ監視モニタ専用の電子制御装置)、32はDSM専用カメラ機能部(ドライバ監視モニタ専用のカメラ機能部)、51は統合先ECU(統合先の電子制御装置)、52は統合先表示デバイス52(統合先の表示デバイス)である。