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特許7537375挙動予測システム、挙動予測装置、挙動予測方法、挙動予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】挙動予測システム、挙動予測装置、挙動予測方法、挙動予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240814BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W30/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021100436
(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公開番号】P2022191917
(43)【公開日】2022-12-28
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】黒木 理宏
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘幸
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-42553(JP,A)
【文献】特開2021-68423(JP,A)
【文献】国際公開第2018/146882(WO,A1)
【文献】特開2018-55141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G01C 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(102)を有し、道路ユーザの挙動を予測する挙動予測システムであって、
前記プロセッサは、
前記道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
前記道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
前記道路ユーザと、前記道路ユーザの目的地としての前記構造物と、の相関関係情報を準備することと、
前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することと、
を実行するように構成され
前記相関関係情報を準備することは、前記構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が前記構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、前記道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
前記道路ユーザの挙動を予測することは、前記道路ユーザ特定情報と、前記道路ユーザの種別ごとの前記地図情報と、に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することを含む挙動予測システム。
【請求項2】
前記構造物特定情報は、前記構造物の種別に関する情報を含む請求項1に記載の挙動予測システム。
【請求項3】
前記構造物特定情報は、前記構造物の位置に関する情報を含む請求項1又は請求項2に記載の挙動予測システム。
【請求項4】
前記構造物特定情報は、前記構造物の出入口に関する情報を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の挙動予測システム。
【請求項5】
前記構造物特定情報は、前記構造物を利用する構造物ユーザに関する情報を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の挙動予測システム。
【請求項6】
前記地図情報は、前記構造物の種別が少なくとも関連付けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の挙動予測システム。
【請求項7】
前記道路ユーザの挙動を予測することは、前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報の入力に対して前記道路ユーザに予測される挙動を出力するように学習された学習済みモデルに、前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報を入力することを含む請求項1から請求項のいずれか1項に記載の挙動予測システム。
【請求項8】
プロセッサ(102)を有し、道路ユーザの挙動を予測する挙動予測装置であって、
前記プロセッサは、
前記道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
前記道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
前記道路ユーザと、前記道路ユーザの目的地としての前記構造物と、の相関関係情報を準備することと、
前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することと、
を実行するように構成され
前記相関関係情報を準備することは、前記構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が前記構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、前記道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
前記道路ユーザの挙動を予測することは、前記道路ユーザ特定情報と、前記道路ユーザの種別ごとの前記地図情報と、に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することを含む挙動予測装置。
【請求項9】
道路ユーザの挙動を予測するために、プロセッサ(102)により実行される挙動予測方法であって、
前記道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
前記道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
前記道路ユーザと、前記道路ユーザの目的地としての前記構造物と、の相関関係情報を準備することと、
前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することと、
を含み、
前記相関関係情報を準備することは、前記構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が前記構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、前記道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
前記道路ユーザの挙動を予測することは、前記道路ユーザ特定情報と、前記道路ユーザの種別ごとの前記地図情報と、に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測することを含む挙動予測方法。
【請求項10】
道路ユーザの挙動を予測するために記憶媒体(101)に記憶され、プロセッサ(102)に実行させる命令を含む挙動予測プログラムであって、
前記命令は、
前記道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得させることと、
前記道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得させることと、
前記道路ユーザと、前記道路ユーザの目的地としての前記構造物と、の相関関係情報を準備させることと、
前記道路ユーザ特定情報、前記構造物特定情報、及び前記相関関係情報に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測させることと、
を含み、
前記相関関係情報を準備させることは、前記構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が前記構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、前記道路ユーザの種別ごとに準備させることを含み、
前記道路ユーザの挙動を予測させることは、前記道路ユーザ特定情報と、前記道路ユーザの種別ごとの前記地図情報と、に基づいて前記道路ユーザの挙動を予測させることを含む挙動予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路ユーザの挙動を予測する技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体の将来位置を予測する技術が開示されている。この技術では、走行環境に関する環境情報に基づいて、移動体の将来位置が予測される。特許文献1では、環境情報として、道路、走行レーン、駐車場、カーブの曲率半径などの地図情報、標高、道路勾配などの地形情報、水溜りや積雪、落下物などの路面状況、及び信号の状態などの交通情報が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018‐55141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、道路ユーザの挙動をより確実に予測する必要性が増大している。特許文献1における移動体の挙動予測には、確実性向上の余地がある。
【0005】
本開示の課題は、確実性が向上された挙動予測システムを、提供することにある。本開示の別の課題は、確実性が向上された挙動予測装置を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、確実性が向上された挙動予測方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、確実性が向上された挙動予測プログラムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、プロセッサ(102)を有し、道路ユーザの挙動を予測する挙動予測システムであって、
プロセッサは、
道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係情報を準備することと、
道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び相関関係情報に基づいて道路ユーザの挙動を予測することと、
を実行するように構成され
相関関係情報を準備することは、構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
道路ユーザの挙動を予測することは、道路ユーザ特定情報と、道路ユーザの種別ごとの地図情報と、に基づいて道路ユーザの挙動を予測することを含む
【0008】
本開示の第二態様は、プロセッサ(102)を有し、道路ユーザの挙動を予測する挙動予測装置であって、
プロセッサは、
道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係情報を準備することと、
道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び相関関係情報に基づいて道路ユーザの挙動を予測することと、
を実行するように構成され
相関関係情報を準備することは、構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
道路ユーザの挙動を予測することは、道路ユーザ特定情報と、道路ユーザの種別ごとの地図情報と、に基づいて道路ユーザの挙動を予測することを含む
【0009】
本開示の第三態様は、道路ユーザの挙動を予測するために、プロセッサ(102)により実行される挙動予測方法であって、
道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得することと
道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得することと、
道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係情報を準備することと、
道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び相関関係情報に基づいて道路ユーザの挙動を予測することと、
を含み、
相関関係情報を準備することは、構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、道路ユーザの種別ごとに準備することを含み、
道路ユーザの挙動を予測することは、道路ユーザ特定情報と、道路ユーザの種別ごとの地図情報と、に基づいて道路ユーザの挙動を予測することを含む
【0010】
本開示の第四態様は、道路ユーザの挙動を予測するために記憶媒体(101)に記憶され、プロセッサ(102)に実行させる命令を含む挙動予測プログラムであって、
命令は、
道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得させることと、
道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得させることと、
道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係情報を準備させることと、
道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び相関関係情報に基づいて道路ユーザの挙動を予測させることと、
を含み、
相関関係情報を準備させることは、構造物ごとに推定される構造物ユーザ分布が構造物特定情報として少なくとも関連付けられた地図情報を、道路ユーザの種別ごとに準備させることを含み、
道路ユーザの挙動を予測させることは、道路ユーザ特定情報と、道路ユーザの種別ごとの地図情報と、に基づいて道路ユーザの挙動を予測させることを含む
これら第一~第四態様によると、道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び道路ユーザと構造物との相関関係情報に基づいて、道路ユーザの挙動が予測される。これによれば、道路ユーザの挙動予測において、道路ユーザと目的地としての構造物との相関関係が考慮される。故に、構造物を目的地とした道路ユーザの挙動が、予測結果に含まれ得る。したがって、挙動予測の確実性が向上可能となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図2】第一実施形態の適用環境を模式的に示す図である。
図3】第一実施形態による挙動予測システムの機能構成を示すブロック図である。
図4】第一実施形態における構造物マッピング情報の一例を示す図である。
図5】相関関係情報のデータ構造の一例を示す図である。
図6】第一実施形態による挙動予測方法を示すフローチャートである。
図7】第二実施形態における構造物マッピング情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0013】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づき説明する。
【0014】
(第一実施形態)
図1に示す第一実施形態の挙動予測システム100は、図2に示すホスト車両Aの周辺に存在する道路ユーザについて、将来挙動を予測する。道路ユーザは、道路を使用する移動体である。ここでの道路は、車道、歩道及びその他の隣接するスペースを含んでいてよい。ここでの移動体は、ターゲット車両B及び歩行者を含む。ホスト車両Aを中心とする視点において、ホスト車両Aは自車両(ego-vehicle)であるともいえる。ホスト車両Aを中心とする視点において、ターゲット車両Bは他車両であるともいえ、他の道路ユーザであるともいえる。ターゲット車両Bは、四輪自動車及び二輪車を含む。ターゲット車両Bは、運転手が搭乗していない無人運行車両であってもよい。ホスト車両Aは、ターゲット車両B及びセンタCと車外ネットワークNWを通じて通信可能である。
【0015】
ホスト車両Aにおいては、運転タスクにおける乗員の手動介入度に応じてレベル分けされる、自動運転モードが与えられる。自動運転モードは、条件付運転自動化、高度運転自動化、又は完全運転自動化といった、作動時のシステムが全ての運転タスクを実行する自律走行制御により、実現されてもよい。自動運転モードは、運転支援、又は部分運転自動化といった、乗員が一部若しくは全ての運転タスクを実行する高度運転支援制御により、実現されてもよい。自動運転モードは、それら自律走行制御と高度運転支援制御とのいずれか一方、組み合わせ、又は切り替えにより実現されてもよい。
【0016】
ホスト車両Aには、図3に示すセンサ系10、地図データベース(以下、「DB」)20及び通信系30が搭載される。センサ系10は、挙動予測システム100により利用可能なセンサ情報を、ホスト車両Aの外界及び内界の検出により取得する。そのためにセンサ系10は、外界センサ11及び内界センサ12を含んで構成されている。
【0017】
外界センサ11は、ホスト車両Aの周辺環境となる外界から、挙動予測システム100により利用可能な外界情報を取得する。外界センサ11は、ホスト車両Aの外界に存在する物標を検知することで、外界情報を取得してもよい。物標検知タイプの外界センサ11は、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、及びソナー等のうち、少なくとも一種類である。
【0018】
内界センサ12は、ホスト車両Aの内部環境となる内界から、挙動予測システム100により利用可能な内界情報を取得する。内界センサ12は、ホスト車両Aの内界において特定の運動物理量を検知することで、内界情報を取得してもよい。物理量検知タイプの内界センサ12は、例えば走行速度センサ、加速度センサ、及びジャイロセンサ等のうち、少なくとも一種類である。内界センサ12は、ホスト車両Aの内界において乗員の特定状態を検知することで、内界情報を取得してもよい。乗員検知タイプの内界センサ12は、例えばドライバーステータスモニター(登録商標)、生体センサ、着座センサ、アクチュエータセンサ、及び車内機器センサ等のうち、少なくとも一種類である。
【0019】
図DB20は、挙動予測システム100により利用可能な地図情報を、記憶する。地図DB20は、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を含んで構成される。地図DB20は、ホスト車両Aの自己位置を含む自己状態量を推定するロケータの、データベースであってもよい。地図DB20は、ホスト車両Aの走行経路をナビゲートするナビゲーションユニットの、データベースであってもよい。地図DB20は、これらのデータベース等のうち複数種類の組み合わせにより、構成されていてもよい。
【0020】
図DB20は、例えば外部センタとの通信等により、最新の地図情報を取得して記憶する。ここで地図情報は、ホスト車両Aの走行環境を表す情報として、二次元又は三次元にデータ化されている。特に三次元の地図データとしては、高精度地図のデジタルデータが採用されるとよい。地図情報は、例えば道路自体の位置、形状、及び路面状態等のうち、少なくとも一種類を表した道路情報を含んでいてもよい。地図情報は、例えば道路に付属する標識及び区画線の位置並びに形状等のうち、少なくとも一種類を表した標示情報を含んでいてもよい。地図情報は、例えば信号機の位置及び形状等のうち、少なくとも一種類を表した信号機情報を含んでいてもよい。地図情報は、例えばユーザが出入り可能な構造物に関して、後述の構造物特定情報を含んでいてよい。
【0021】
通信系30は、挙動予測システム100により利用可能な通信情報を、無線通信により取得する。通信系30は、ホスト車両Aの外界に存在するGNSS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星から、測位信号を受信してもよい。測位タイプの通信系30は、例えばGNSS受信機等である。通信系30は、ホスト車両Aの外界に存在するV2Xシステムとの間において、通信信号を送受信してもよい。V2Xタイプの通信系30は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信機、及びセルラV2X(C-V2X)通信機等のうち、少なくとも一種類である。通信系30は、ホスト車両Aの内界に存在する端末との間において、通信信号を送受信してもよい。端末通信タイプの通信系30は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)機器、Wi-Fi(登録商標)機器、及び赤外線通信機器等のうち、少なくとも一種類である。通信系30によって、ホスト車両Aは、車外ネットワークNWに接続可能となる。これにより、通信系30を介して、ホスト車両Aは、センタCと通信可能となる。
【0022】
センタCには、図3に示す構造物DB40が搭載される。構造物DB40は、挙動予測システム100により利用可能な構造物の特性情報を、記憶するデータベースである。構造物DB40は、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を含んで構成される。構造物DB40は、ホスト車両Aに搭載されたデータベースであってもよい。構造物DB40は、ホスト車両A及びセンタCに搭載されたデータベースの組み合わせにより、構成されていてもよい。
【0023】
構造物DB40の記憶する特性情報は、道路ユーザの挙動予測において利用可能な、構造物に関する情報である。特に、特性情報は、道路ユーザと当該道路ユーザの目的地として選択される構造物との相関関係を推定可能な、構造物の特性を含んでいる。例えば、特性情報は、個々の構造物又は構造物の種別ごとのユーザ(構造物ユーザ)に関する情報を含んでいる。具体例としては、特性情報の一つは、曜日や時刻等の時間帯別のユーザ数に関する情報である。別の具体例としては、特性情報の一つは、各構造物のユーザ属性に関する属性情報である。例えば、年齢層別、性別、同伴者の有無及び種類別の構造物ユーザの分布が、属性情報に含まれ得る。同伴者の種類は、例えば、家族連れ、カップル、友人等である。また、他の社会的属性別のユーザ分布も、属性情報に含まれ得る。他の社会的属性は、例えば、会社員、学生、主婦といった区分を含む。
【0024】
構造物DB40は、特性情報を適宜最新の情報に更新してよい。構造物DB40は、他の情報管理センタから配信された情報に基づき特性情報を更新してもよい。また、構造物DB40は、ホスト車両A及びターゲット車両B等、道路上の車両による構造物の検出情報(外界情報)に基づいて、特性情報を更新してもよい。
【0025】
挙動予測システム100は、例えばLAN(Local Area Network)回線、ワイヤハーネス、内部バス、及び無線通信回線等のうち、少なくとも一種類を介してセンサ系10、通信系30、地図DB20、通信系30、及び構造物DB40に接続されている。挙動予測システム100は、少なくとも一つの専用コンピュータを含んで構成されている。
【0026】
挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの運転制御を統合する、統合ECU(Electronic Control Unit)であってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの運転制御における運転タスクを判断する、判断ECUであってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの運転制御を監視する、監視ECUであってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの運転制御を評価する、評価ECUであってもよい。
【0027】
挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの走行経路をナビゲートする、ナビゲーションECUであってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの自己状態量を推定する、ロケータECUであってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aの走行アクチュエータを制御する、アクチュエータECUであってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、ホスト車両Aにおいて情報提示系による情報提示を制御する、HCU(HMI(Human Machine Interface) Control Unit)であってもよい。挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、例えばホスト車両Aとの間で通信可能な外部センタ又はモバイル端末等を構成する、ホスト車両A以外のコンピュータであってもよい。
【0028】
挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、メモリ101及びプロセッサ102を、少なくとも一つずつ有している。メモリ101は、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU、DFP(Data Flow Processor)、及びGSP(Graph Streaming Processor)等のうち、少なくとも一種類をコアとして含んでいる。
【0029】
挙動予測システム100においてプロセッサ102は、道路ユーザについて挙動を予測するためにメモリ101に記憶された、挙動予測プログラムに含まれる複数の命令を実行する。これにより挙動予測システム100は、道路ユーザについて挙動を予測ための機能ブロックを、複数構築する。挙動予測システム100において構築される複数の機能ブロックには、図3に示すように道路ユーザ取得ブロック110、構造物取得ブロック120、入力情報準備ブロック130、挙動予測ブロック140、及び軌道生成ブロック150が含まれている。
【0030】
道路ユーザ取得ブロック110は、道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得する。道路ユーザ特定情報は、道路ユーザの種別、位置、速度及び加速度等のうち、少なくとも一種類を含んでいる。道路ユーザ取得ブロック110は、センサ系10における外界センサ11から道路ユーザ特定情報を取得してよい。又は、道路ユーザ取得ブロック110は、通信系30から道路ユーザ特定情報を取得してもよい。
【0031】
構造物取得ブロック120は、道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得する。例えば、構造物特定情報は、構造物の種別に関する情報を含む。構造物の種別は、例えば、地図DB20に記憶された地図情報が有する構造物の種別情報の粒度に合わせたものとされればよい。一例として、構造物の種別は、ショッピングモール、病院、会社、警察署、消防署、公園及び学校のうち少なくとも一種類以上を含んでいる。
【0032】
また、構造物特定情報は、構造物の位置に関する情報を含む。位置に関する情報は、構造物の座標を含む。また、位置に関する情報は、大きさ、方位等を含んでいてもよい。例えば、構造物の座標が当該構造物の代表位置(中心位置等)であった場合、大きさが取得される。さらに、構造物特定情報は、構造物の出入口に関する情報を含む。出入口に関する情報には、当該出入口にて出入可能な道路ユーザの種別に関する情報が含まれていてもよい。さらに、構造物特定情報は、特性情報を含む。
【0033】
構造物取得ブロック120は、以上の構造物特定情報を、例えばセンサ系10における外界センサ11の外界情報に基づく推定により取得すればよい。なお、構造物取得ブロック120は、構造物特定情報を含む外界情報自体を取得してもよい。又は、構造物取得ブロック120は、構造物特定情報を、地図DB20に記憶された地図情報から、取得してもよい。なお、構造物取得ブロック120は、構造物特定情報を格納済みの地図情報自体を、取得してもよい。
【0034】
入力情報準備ブロック130は、挙動予測において利用される情報、すなわち挙動予測モデルに入力される入力情報の少なくとも一部を準備する。準備される入力情報は、例えば、構造物マッピング情報及び相関関係情報を含む。
【0035】
構造物マッピング情報は、構造物特定情報が展開された地図情報である。構造物特定情報が展開された地図情報は、構造物特定情報が関連付けられた地図情報ということもできる。地図情報は、例えば、地図DB20から取得される二次元地図データである。地図情報は、ホスト車両Aを中心とした所定の領域等、ホスト車両Aの周辺の特定領域に関するものとされる。図4に示す例では、入力情報準備ブロック130は、少なくとも構造物の種別及び位置を、地図情報に関連付ける。加えて、図4に示す例では、入力情報準備ブロック130は、構造物の出入口に関する情報を、地図情報に対して関連付ける。
【0036】
なお、入力情報準備ブロック130は、構造物特定情報以外に、道路環境情報や交通情報等を、地図情報に関連付けてもよい。
【0037】
入力情報準備ブロック130は、構造物特定情報を有さない地図情報に対して、構造物特定情報を関連付けることで、構造物マッピング情報を生成してよい。又は、入力情報準備ブロック130は、構造物特定情報のうち少なくとも一種類以上の情報が予め格納された地図情報に対して、他の構造物特定情報を関連付けることで、構造物マッピング情報を生成してよい。又は、入力情報準備ブロック130は、構造物取得ブロック120にて取得された、構造物特定情報を予め格納された地図情報自体を、構造物マッピング情報としてもよい。
【0038】
相関関係情報は、道路ユーザと、当該道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係を示す情報である。例えば、相関関係情報は。図5に示すように、道路ユーザの種別を示すノード(道路ユーザノード)と、構造物の種別を示すノード(構造物ノード)と、道路ユーザノードと構造物ノードとの相関を示すエッジと、を含むデータ構造を備えている。図5に示す例では、道路ユーザとしてのターゲット車両Bの種別として、乗用車、救急車、トラック、パトカーが道路ユーザノードとされている。そして、ターゲット車両Bの目的地となり得る構造物の種別として、ショッピングモール、病院、会社、警察署が構造物ノードとされている。そして、各道路ユーザノードと、当該道路ユーザノードに対応する目的地として想定される構造物ノードとが、エッジによってリンクされている。
【0039】
なお、エッジは、重みが設定されていてもよい。例えば、乗用車及び警察署間のエッジよりも、パトカー及び警察署間のエッジの重みが大きくなるように設定されていてもよい。
【0040】
入力情報準備ブロック130は、以上の相関関係情報が予め記憶されたメモリ101から当該情報を読み出すことで、相関関係情報を準備してもよい。又は、入力情報準備ブロック130は、予め記憶された相関関係情報を構造物DB40から取得することで、相関関係情報を準備してもよい。又は、入力情報準備ブロック130は、相関関係情報の少なくとも一部を、外界情報、通信情報及び地図情報等に基づいて生成してもよい。
【0041】
挙動予測ブロック140は、道路ユーザ特定情報、構造物マッピング情報、及び相関関係情報に基づいて道路ユーザの挙動を予測する。具体的には、挙動予測ブロック140は、以上の情報の入力に対して道路ユーザの挙動の予測結果を出力するように学習された学習済みモデルに対して、各情報を入力することで、挙動を予測する。挙動予測ブロック140は、道路ユーザが複数存在している場合であっても、各道路ユーザの道路ユーザ特定情報と、共通の構造物マッピング情報及び相関関係情報を入力することで、道路ユーザごとの予測結果を取得すればよい。
【0042】
軌道生成ブロック150は、ホスト車両Aの自動運転モードにおいて、ホスト車両Aの走行する将来軌道を生成する。軌道生成ブロック150は、挙動予測ブロック140の予測結果に基づいて、ホスト車両Aの辿る将来軌道を生成する。将来軌道は、将来行動に従う走行予定軌跡であり、ホスト車両Aの進行に応じたホスト車両Aの走行位置を規定する。加えて、将来軌道は、各走行位置におけるホスト車両Aの速度を規定するものであってもよい。軌道生成ブロック150は、予測結果に基づいて、道路ユーザの接近を避けるように、将来軌道を生成すればよい。軌道生成ブロック150は、生成した軌道計画を、ホスト車両Aの走行アクチュエータを制御するアクチュエータECUに出力する。アクチュエータECUによる将来軌道に沿った走行制御により、自動運転モードにおけるホスト車両Aの走行が実現される。
【0043】
ここまで説明したブロック110,120,130,140,150の共同により、挙動予測システム100が道路ユーザについて挙動を予測する挙動予測方法のフロー(以下、挙動予測フローという)を、図6に従って以下に説明する。本処理フローは、ホスト車両Aの起動中に繰り返し実行される。尚、本処理フローにおける各「S」は、挙動予測プログラムに含まれた複数命令によって実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
【0044】
まず、S10では、道路ユーザ取得ブロック110が、道路ユーザを特定する道路ユーザ特定情報を取得する。次に、S20では、構造物取得ブロック120が、道路ユーザの出入可能な構造物を特定する構造物特定情報を取得する。
【0045】
続くS30では、入力情報準備ブロック130が、入力情報の一部を準備する。具体的には、S30では、構造物特定情報が関連付けられた地図情報である構造物マッピング情報が準備される。加えて、S30では、道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係についての相関関係情報が取得される。
【0046】
そして、S40では、挙動予測ブロック140が、道路ユーザ特定情報、構造物マッピング情報及び相関関係情報に基づいて、道路ユーザの挙動を予測する。具体的には、挙動予測モデルに以上の情報が入力されることで、挙動予測結果が出力される。S50では、挙動予測結果に基づいて、ホスト車両Aの将来軌道が生成される。
【0047】
以上の第一実施形態によれば、道路ユーザ特定情報、構造物特定情報、及び道路ユーザと構造物との相関関係情報に基づいて、道路ユーザの挙動が予測される。これによれば、道路ユーザの挙動予測において、道路ユーザと目的地としての構造物との相関関係が考慮される。故に、構造物を目的地とした道路ユーザの挙動が、予測結果に含まれ得る。したがって、挙動予測の確実性が向上可能となり得る。
【0048】
また、第一実施形態によれば、構造物特定情報に、構造物の種別に関する情報が含まれる。故に、構造物の種別に応じて、対応する道路ユーザが当該構造物を目的地として起こす挙動を予測可能となり得る。したがって、より確実な挙動予測が可能となり得る。
【0049】
さらに、第一実施形態によれば、構造物特定情報に、構造物の位置に関する情報が含まれる。故に、構造物の位置に応じて、対応する道路ユーザが当該構造物を目的地として起こす挙動を予測可能となり得る。したがって、より確実な挙動予測が可能となり得る。
【0050】
加えて、第一実施形態によれば、構造物特定情報に、構造物の出入口に関する情報が含まれる。故に、構造物の出入口に応じて、対応する道路ユーザが当該構造物を目的地として起こす挙動を予測可能となり得る。したがって、より確実な挙動予測が可能となり得る。
【0051】
また、第一実施形態によれば、構造物特定情報に、構造物を利用する構造物ユーザに関する情報が含まれる。故に、構造物ユーザの特性に応じて、対応する道路ユーザが当該構造物を目的地として起こす挙動を予測可能となり得る。したがって、より確実な挙動予測が可能となり得る。
【0052】
さらに、道路ユーザの挙動を予測することは、構造物特定情報が関連付けられた地図情報に基づき道路ユーザの挙動を予測することを含む。これによれば、構造物特定情報が、地図情報の形態にて挙動予測に利用される。故に、学習済みモデル等の挙動予測モデルに対する入力情報として適した形態にて、構造物特定情報が利用され得る。さらに、地図情報には、構造物の種別が少なくとも関連付けられているので、構造物の種別に応じたより確実な挙動予測が可能となり得る。
【0053】
(第二実施形態)
第二実施形態では、第一実施形態における挙動予測システム100の変形例について説明する。
【0054】
第二実施形態において、入力情報準備ブロック130は、構造物マッピング情報として、構造物ごとに推定又は計測されたユーザ分布(構造物ユーザ分布)を関連付けられた地図情報を、準備する。構造物マッピング情報は、構造物ユーザ分布を関連付けられた地図情報を、道路ユーザの種別ごとに準備する。この場合、構造物ごとの構造物ユーザ分布は、道路ユーザの種別に対応したものとされる。すなわち、道路ユーザが人である場合には、その属性に応じた構造物ごとの構造物ユーザ分布が、地図情報に関連付けられる。そして、道路ユーザが車両である場合には、車両の種別ごとの乗員の属性に応じた、構造物ごとの構造物ユーザ分布が、地図情報に関連付けられる。したがって、この構造物マッピング情報は、道路ユーザと、道路ユーザの目的地としての構造物と、の相関関係情報を格納したデータとなる。
【0055】
図7に示す例では、構造物マッピング情報は、乗用車に対応するユーザ分布を関連付けられた二次元地図データ、子供に対応するユーザ分布を関連付けられた二次元地図データ、救急車に対応するユーザ分布を関連付けられた二次元地図データ等を含む。図7においては、構造物ユーザが多く分布する構造物ほど、ドットのハッチングの密度が高くなっている。
【0056】
入力情報準備ブロック130は、特性情報等に基づき、構造物ユーザ分布を推定すればよい。又は、入力情報準備ブロック130は、構造物取得ブロック120にて構造物特定情報として取得された構造物ユーザ分布自体を、地図情報に関連付けてもよい。又は、入力情報準備ブロック130は、構造物特定情報として取得された、予め構造物ユーザ分布を関連付けられた地図情報自体を、構造物マッピング情報として準備してもよい。
【0057】
第二実施形態における挙動予測ブロック140は、道路ユーザ特定情報と、相関関係を格納した構造物マッピング情報とに基づいて道路ユーザの挙動を予測する。具体的には、挙動予測ブロック140は、以上の情報の入力に対して道路ユーザの挙動の予測結果を出力するように学習された学習済みモデルに対して、各情報を入力することで、挙動を予測する。すなわち、第二実施形態においては、挙動予測ブロック140は、構造物マッピング情報とは別の相関関係情報を、挙動予測モデルに入力しなくてよい。
【0058】
以上の第二実施形態においては、図6の挙動予測フローのS30にて、入力情報準備ブロック130が、入力情報として、構造物ごとの構造物ユーザ分布を関連付けられた地図情報(構造物マッピング情報)を、準備する。そして、S40では、挙動予測ブロック140が、道路ユーザ特定情報と、相関関係情報を含んだ構造物マッピング情報と、を挙動予測モデルに入力し、挙動予測結果の出力を取得することで、挙動予測を実行する。他のステップについては、第一実施形態と同様の処理である。
【0059】
以上の第二実施形態によれば、構造物特定情報として構造物ユーザ分布が少なくとも関連付けられた地図情報に基づき、挙動が予測される。故に、相関関係情報を組み込まれた地図情報に基づいた挙動の予測が可能となる。すなわち、挙動予測において、地図情報とは別の相関関係情報を準備する必要がなくなる。したがって、地図情報生成後の挙動予測処理における計算量が抑制され得る。
【0060】
(他の実施形態)
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該説明の実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
【0061】
変形例において、入力情報準備ブロック130は、構造物の種別を関連付けられた地図情報と、道路ユーザの種別に応じた構造物ユーザ分布を関連付けられた地図情報との両方を、構造物マッピング情報として準備してもよい。この場合、挙動予測ブロック140は、挙動予測に利用する構造物マッピング情報を、条件に応じて選択してもよい。例えば、挙動予測ブロック140は、挙動予測の対象とする道路ユーザの数が設定範囲内の場合には、道路ユーザの種別に応じた構造物ユーザ分布を関連付けられた地図情報を、挙動予測に利用する構成であってもよい。この場合、挙動予測ブロック140は、挙動予測の対象とする道路ユーザの数が設定範囲外の場合に、構造物の種別を関連付けられた地図情報を、挙動予測に利用すればよい。ここでの設定範囲は、予め設定された閾値未満又は閾値以下となる数値範囲とされる。
【0062】
変形例において、構造物マッピング情報は、構造物特定情報が展開された三次元地図データであってもよい。
【0063】
変形例において、挙動予測システム100は、ホスト車両Aの将来軌道を生成しなくてもよい。換言すれば、挙動予測システム100は、軌道生成ブロック150を構築しなくてもよい。例えば、挙動予測システム100は、他の車載装置又は外部サーバに対して、挙動予測結果を出力する構成であってもよい。又は、挙動予測システム100は、挙動予測結果を、乗員に対する情報提示等、将来軌道の生成以外の処理に利用してもよい。
【0064】
変形例において、挙動予測システム100は、ホスト車両Aの周辺に存在する道路ユーザの挙動を予測するのではなく、特定範囲に存在する道路ユーザをターゲットとして挙動を予測してもよい。すなわち、挙動予測システム100は、特定の車両をホスト車両Aとして区別しないシステムにおいて、提供されてもよい。
【0065】
変形例において挙動予測システム100を構成する専用コンピュータは、デジタル回路及びアナログ回路のうち、少なくとも一方をプロセッサとして有していてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
【0066】
ここまでの説明形態の他、上述の実施形態及び変化例による挙動予測システム100は、ホスト車両Aに搭載の挙動予測装置(例えば処理ECU等の処理装置)として、実施されてもよい。また、上述の実施形態及び変化例は、挙動予測システム100のプロセッサ102及びメモリ101を少なくとも一つずつ有した半導体装置(例えば半導体チップ等)として、実施されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
100:挙動予測システム、101:メモリ(記憶媒体)、102:プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7