(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ペダル装置
(51)【国際特許分類】
H02P 29/04 20060101AFI20240814BHJP
B60K 26/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H02P29/04
B60K26/00
(21)【出願番号】P 2021191004
(22)【出願日】2021-11-25
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤中 勇多
(72)【発明者】
【氏名】木野内 惣一
(72)【発明者】
【氏名】市原 英明
(72)【発明者】
【氏名】平澤 功太郎
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-163483(JP,A)
【文献】国際公開第2020/170315(WO,A1)
【文献】特開2012-116355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/04
B60K 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏込操作に応じて動作するペダルレバー(20)と、
モータ(41)の駆動により前記ペダルレバーを戻す方向の力である反力を付加可能であるアクチュエータ(40)と、
前記ペダルレバー(20)に付加する反力に係る反力目標値に基づいて電流指令値を演算する電流指令演算部(62)、および、前記電流指令値に基づいてデューティ指令値を演算するデューティ演算部(65)を有し、前記デューティ指令値に基づいて前記モータの駆動を制御する制御部(60)と、
を備え、
前記デューティ演算部は、
前記反力目標値が変更されてから待機時間が経過していない場合、前記デューティ指令値を保持し、
前記反力目標値が変更されてから前記待機時間が経過している場合、前記モータに通電されるモータ電流または前記モータの回転速度に基づいて、前記デューティ指令値の補正演算の実施要否を判定し、
前記デューティ指令値の補正演算を実施しないと判断された場合、前記デューティ指令値を保持し、前記デューティ指令値の補正演算を実施すると判定された場合、前記モータに通電されるモータ電流、および、前記モータの回転速度の少なくとも一方に基づき、前記デューティ指令値
の補正量を演算するペダル装置。
【請求項2】
前記デューティ演算部は、前記モータに通電される電流を検出する電流センサ(52)の検出値に基づく電流検出値と前記電流指令値との偏差に基づいて前記
補正量を演算する請求項1に記載のペダル装置。
【請求項3】
前記デューティ演算部は、
前記電流検出値が前記電流指令値より大きい場合、前記電流検出値と前記電流指令値との差が大きいほどデューティ比が小さくなるように前記
補正量を演算し、
前記電流検出値が前記電流指令値以下の場合、前
記補正量を0とする請求項2に記載のペダル装置。
【請求項4】
前記デューティ演算部は、
前記電流検出値が前記電流指令値より小さい場合、前記電流検出値と前記電流指令値との差が大きいほどデューティ比が大きくなるように前記
補正量を演算し、
前記電流検出値が前記電流指令値以上の場合、前
記補正量を0とする請求項2に記載のペダル装置。
【請求項5】
前記デューティ演算部は、前記モータの回転方向が反力付加方向と反対方向であって、回転速度が速度判定閾値以上である場合、前記電流検出値と前記電流指令値との偏差に基づいて前記
補正量を演算する請求項2に記載のペダル装置。
【請求項6】
前記モータに反力を付加する方向への通電を行っている状態において、
前記ペダルレバーが付加反力に抗して踏み込まれている場合、前記モータの回転速度が大きいほどデューティ比が小さくなるように前記補正量を演算し、
前記ペダルレバーが踏み戻されている場合、前記モータの回転速度が大きいほどデューティ比が大きくなるように前記補正量を演算する請求項1に記載のペダル装置。
【請求項7】
前記デューティ演算部は、
前記モータに反力を付加する方向への通電を行っている状態にて前記モータの回転方向が反力付加方向と反対方向である場合、前記モータの回転速度が大きいほどデューティ比が小さくなるように前記
補正量を演算し、
前記モータの回転速度が0、または、前記モータの回転方向が反力付加方向である場合、前
記補正量を0とする請求項1に記載のペダル装置。
【請求項8】
前記デューティ演算部は、前記モータに反力を付加する方向への通電を行っている状態にて前記モータの回転方向が反力付加方向である場合、前記モータの回転速度が大きいほどデューティ比が大きくなるように前記
補正量を演算する請求項1に記載のペダル装置。
【請求項9】
前記デューティ演算部は、前記モータの回転速度が0、または、前記モータの回転方向が反力付加方向と反対方向である場合、前
記補正量を0とする請求項8に記載のペダル装置。
【請求項10】
前記デューティ演算部は、前記モータに通電される電流を検出する電流センサ(52)の検出値に基づく電流検出値が電流判定閾値以上である場合、前記モータの回転速度に基づいて前記
補正量を演算する請求項1に記載のペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反力出力装置を備えるアクセルペダル装置が知られている。例えば特許文献1では、モータの回転数が閾値を越えない場合、反力設定値に基づいたデューティ比で通電を制御し、モータの回転数が閾値を超える場合、回転数に応じたデューティ比で通電を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1では、回転数の微小変化を補正できず、反力変動を抑制できない虞がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反力を適切に制御可能なペダル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のペダル装置は、ペダルレバー(20)と、アクチュエータ(40)と、制御部(60)と、を備える。ペダルレバーは、踏込操作に応じて動作する。アクチュエータは、モータ(41)の駆動によりペダルレバーを戻す方向の力である反力を付加可能である。制御部は、ペダルレバーに付加する反力に係る反力目標値に基づいて電流指令値を演算する電流指令演算部(62)、および、電流指令値に基づいてデューティ指令値を演算するデューティ演算部(65)を有し、デューティ指令値に基づいてモータの駆動を制御する。
【0007】
デューティ演算部は、反力目標値が変更されてから待機時間が経過していない場合、デューティ指令値を保持し、反力目標値が変更されてから待機時間が経過している場合、電流検出値またはモータの回転速度に基づいて、デューティ指令値の補正演算の実施要否を判定し、デューティ指令値の補正演算を実施しないと判断された場合、デューティ指令値を保持し、デューティ指令値の補正演算を実施すると判定された場合、デューティ指令値の補正演算を実施すると判定された場合、モータに通電されるモータ電流、および、モータの回転速度の少なくとも一方に基づき、デューティ指令値の補正量を演算する。これにより、反力を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態によるペダル装置を示す模式図である。
【
図2】(a)はブラシが整流子を跨がない状態を示す模式図であり、(b)はブラシが整流子を跨ぐ状態を示す模式図である。
【
図3】(a)はブラシが整流子を跨がない状態を示す回路図であり、(b)はブラシが整流子を跨ぐ状態を示す回路図である。
【
図4】第1実施形態によるモータ制御処理を説明するフローチャートである。
【
図5】第1実施形態において、反力目標値からの電流指令値演算に用いるマップである。
【
図6】第1実施形態において、電流指令値からのデューティ指令値演算に用いるマップである。
【
図7】第1実施形態において、電流偏差からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図8】第1実施形態において、電流偏差からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図9】第1実施形態において、電流偏差からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図10】第1実施形態において、電流偏差からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図11】第1実施形態によるモータ制御処理を説明するタイムチャートである。
【
図12】第2実施形態によるモータ制御処理を説明するフローチャートである。
【
図13】第2実施形態において、モータ回転速度からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図14】第2実施形態において、モータ回転速度からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図15】第2実施形態において、モータ回転速度からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図16】第2実施形態において、モータ回転速度からのデューティ補正量演算に用いるマップである。
【
図17】第3実施形態によるモータ制御処理を説明するフローチャートである。
【
図18】第4実施形態によるモータ制御処理を説明するフローチャートである。
【
図19】参考例によるモータ制御処理を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるペダル装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態を
図1~
図11に示す。
図1に示すように、ペダル装置1は、ペダルレバー20、アクチュエータ40、および、モータ制御装置50等を備える。
【0011】
ペダルレバー20は、パッド21、アーム31、および、ペダル35を有し、ドライバの踏込操作等により、一体に駆動される。パッド21は、ドライバにより踏込操作可能に設けられる。パッド21は、ハウジング22に設けられる支点部材23により、回転可能に支持される。
図1では、パッド21がハウジング22の一面に沿う方向に延びて設けられる、いわゆる床置き型(オルガン型)を示しているが、吊り下げ型(ペンダント型)であってもよい。また、本実施形態では、ペダルハウジングやモータハウジング等、モータ41の駆動およびペダルレバー20の踏込操作等により駆動されない筐体部分を、まとめてハウジング22とする。
【0012】
アーム31は、パッド21とペダル35とを連結する。ペダル35は、一端がハウジング22に回転可能に支持され、他端がアーム31と連結される。これにより、ドライバによるパッド21の操作により、パッド21、アーム31およびペダル35が一体となって駆動される。ペダル35の一端側には、ペダル開度を検出するペダル開度センサ39が設けられている。ペダル開度センサ39の検出値は上位ECU70に出力される。
【0013】
ペダル付勢部材37は、圧縮コイルばねであって、一端がペダル35に固定され、他端がハウジング22に固定され、ペダル35をアクセル閉方向に付勢する。
図1では、アクセル全閉状態を実線、アクセル全開状態を破線で示した。
【0014】
アクチュエータ40は、モータ41、および、動力伝達機構45を有する。モータ41は、モータ制御装置50により駆動が制御される。本実施形態のモータ41は、ブラシ付きDCモータである。モータ41の駆動力は、動力伝達機構45を介して、ペダルレバー20に伝達される。ここで、駆動源であるモータ41から動力伝達機構45を介してペダルレバー20に動力を伝達する一連の構成がアクチュエータ40である、といえる。
【0015】
動力伝達機構45は、ギアセット46およびアクチュエータレバー47等を有する。ギアセット46は、モータシャフトと一体に回転するモータギア、および、モータギアと噛み合う複数のギアから構成され、モータ41の駆動力をアクチュエータレバー47に伝達する。ギアセット46を構成するいずれかのギアには、回転位置を検出する位置センサ49が設けられる。
【0016】
アクチュエータレバー47は、一端がギアセット46と接続され、他端がペダルレバー20に当接する。これにより、動力伝達機構45を介してモータ41の駆動力がペダルレバー20に伝達される。
図1では、アクチュエータレバー47の他端がパッド21と当接しているが、アーム31またはペダル35と当接するように構成してもよい。また、アクチュエータレバー47とペダルレバー20とは、反力を付与しないとき離間するように構成してもよいし、常時当接するように構成してもよい。
【0017】
アクチュエータレバー47とペダルレバー20とが当接している状態にて、モータ41を回転させることで、ペダルレバー20に戻し方向の反力を与えることができる。以下、ペダルレバー20に付与する反力を大きくする側へのモータ41の回転方向および通電方向を正とする。
【0018】
モータ41により、ペダルレバー20に能動的に戻し方向の反力を与えることで、例えば運転状況を基に、パッド21を踏み込むと燃費悪化を判断するポイントで反力を与えることで壁感を出し、ドライバによるパッド21の踏込を抑制する。これにより、燃費を向上させることができる。また例えば、ペダルレバー20を戻し方向にパルス駆動することで、自動運転から手動運転への切替通知等の情報伝達として活用することもできる。
【0019】
モータ制御装置50は、モータドライバ51、電流センサ52、および、制御部60等を備える。モータドライバ51は、モータ41への通電切替に係る図示しないスイッチング素子を有する。本実施形態のモータドライバ51は、Hブリッジ回路であるが、反力付加方向に通電可能なハーフブリッジであってもよい。電流センサ52は、モータ41に通電される電流を検出する。
【0020】
制御部60は、マイコン等を主体として構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部60における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
【0021】
制御部60は、機能ブロックとして、目標反力演算部61、電流指令演算部62、および、デューティ演算部65等を有する。
図1では各機能ブロックが1つの制御部60にて構成されるものとして記載しているが、一部の機能が別の制御部にて構成されていてもよいし、少なくとも一部が上位ECU70側にあってもよい。
【0022】
制御部60は、位置センサ49および電流センサ52の検出値を取得し、各種演算に用いる。位置センサ49の検出値は、ギア比換算により、モータ41の回転角に換算可能であって、制御部60はモータ41の回転速度であるモータ回転速度Nrを演算可能である。制御部60は、電流センサ52の検出値に基づき、電流検出値Irを演算可能である。
【0023】
また、制御部60は、電流センサ52に異常が生じた場合、モータ回転速度Nrに基づき、電流変化量を推定可能である。制御部60は、位置センサ49に異常が生じた場合、電流センサ52の情報からモータ回転速度Nrを推定可能である。
【0024】
目標反力演算部61は、上位ECUからの反力付加指令に基づき、反力目標値Ptを演算する。電流指令演算部62は、反力目標値Ptに基づき、電流指令値Itを演算する。デューティ演算部65は、PWM信号のデューティ比に係るデューティ指令値Dtを演算する。
【0025】
ブラシ付きモータの構造を
図2、回路図を
図3に示す。
図2(a)および
図2(b)に示すように、モータ41は、固定子411、回転子412、整流子413およびブラシ415を有する。
【0026】
図2(a)に示すように、ブラシ415が整流子413を跨がないとき、電気回路は
図3(a)に示す如くとなり、モータ抵抗はR×(3/2)となる。また、
図2(b)に示すように、ブラシ415が整流子413を跨ぐとき、電気回路は
図3(b)に示す如くとなり、モータ抵抗はRとなる。なお
図3において、rはハーネス抵抗および接触抵抗等に対応し、Rは回転子412に巻回される巻線の抵抗に対応している。
【0027】
ここで、モータ41にて発生するトルクについてモータ運動方程式を式(1)、モータ電気方程式を式(2)に示す。式中のωはモータ回転速度[rad/s]、Kmはモータトルク定数[N・m]、Iはモータ電流[A]、Trは負荷トルク[N・m]、Tdはディテントトルク[N・m]、Bは粘性摩擦定数[N・m/(rad/s)]、Vはモータ電圧[V]、Rは抵抗[Ω]、Keは逆起電力定数[V/(rad/s)]、θはモータ回転角[rad]、Lはインダクタンス[H]である。
【0028】
【0029】
図2および
図3に示すように、モータ41はブラシ付きモータであって、モータ回転角度によって抵抗が変化する。そのため、モータ電流Iは、モータ回転速度ωだけでなく、抵抗R(θ)の影響を受ける(式(1)、(2)参照)。
【0030】
また、本実施形態のモータ41は、ペダルレバー20に反力を付与するものであって、反力付与時にペダルレバー20が踏み込まれると、逆起電圧の発生により電流が変化する。すなわち、モータ電流Iは、モータ回転角度θに応じた抵抗R(θ)およびペダルレバー20の踏み込みにより発生する逆起電力に応じて変化する。そこで本実施形態では、モータ電流Iに応じてデューティ指令値Dtを補正する。
【0031】
本実施形態のモータ制御処理を
図4のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、制御部60にて処理の周期で実行される。以下、ステップS101等の「ステップ」を省略し、単に記号「S」と記す。
【0032】
S101では、制御部60は、反力付加指令があるか否かを判断する。反力付加指令がないと判断された場合(S101:NO)、S102以降の処理をスキップする。反力付加指令があると判断された場合(S101:YES)、S102へ移行する。
【0033】
S102では、制御部60は、反力目標値Ptが前回演算時と変更されたか否か判断する。反力目標値Ptが変更されていないと判断された場合(S102:NO)、S105へ移行する。反力目標値Ptが変更されたと判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
【0034】
S103では、電流指令演算部62は、反力目標値Ptに基づき、例えば
図5のマップを用いて電流指令値Itを演算する。S104では、デューティ演算部65は、電流指令値Itに基づき、例えば
図6のマップを用いてデューティ指令値Dtを演算する。
【0035】
反力目標値Ptが前回演算時と変更されていない場合に移行するS105では、反力目標値Ptが変更されてから待機時間が経過したか否か判断する。待機時間は、反力目標値Ptが変更されてから、反力目標値Ptに応じた電流値となるのに要する時間に応じて設定される。反力目標値Ptが変更されてから待機時間が経過していないと判断された場合(S105:NO)、S108へ移行し、現在のデューティ指令値Dtを保持する。反力目標値Ptが変更されてから待機時間が経過したと判断された場合(S105:YES)、S106へ移行し、電流検出値Irを演算する。
【0036】
S107では、制御部60は、電流検出値Irと電流指令値Itとが一致しているか否か判断する。ここでは、電流指令値Itと電流検出値Irとの差である電流偏差ΔI(式(3)参照)が検出誤差等に応じて設定された所定範囲内である場合、電流検出値Irと電流指令値Itとが一致しているとみなす。電流検出値Irと電流指令値Itとが一致していると判断された場合(S107:YES)、S108へ移行し、現在のデューティ指令値Dtを保持する。電流検出値Irと電流指令値Itとが一致していないと判断された場合(S107:NO)、S109へ移行する。
【0037】
S109では、デューティ演算部65は、デューティ指令値Dtを補正する。本実施形態では、電流偏差ΔIに基づいてデューティ補正量ΔDを演算し、デューティ指令値Dtを補正する(式(4)参照)。なお、式中において、添え字の(n)は今回値、(n-1)は前回値を意味する。
【0038】
ΔI=Ir-It ・・・(3)
Dt(n)=Dt(n-1)-ΔD ・・・(4)
【0039】
デューティ補正量ΔDについて、
図7~
図10に基づいて説明する。例えば
図7および
図8に示すように、電流偏差ΔIの全範囲においてデューティ指令値Dtが補正されるようにデューティ補正量ΔDを演算する。これにより、外乱やモータ回転角度θに応じたトルク変動が発生しても、反力目標値Ptに近づけるように制御されるため、ドラビリを向上可能である。デューティ補正量ΔDは、
図7のように線形関数により演算してもよいし、
図8のように非線形関数により演算してもよい。
【0040】
アクチュエータ40側からの付加反力に抗してペダルレバー20が踏み込まれている場合、逆起電力によりモータ電流が増加するため、電流偏差ΔIが正となり、目標反力よりも反力が増加する。電流偏差ΔIが正の領域ではデューティ補正量ΔDを正とし、デューティ指令値Dtを下げる側に補正する。また、
図9に示すように、電流偏差ΔIが正の領域にて反力を下げる側にデューティ指令値Dtを補正し、電流偏差ΔIが負の領域ではデューティ補正を行わないようにしてもよい。
【0041】
ペダルレバー20が踏み戻されている場合、モータ電流が低下するため、電流偏差ΔIが負となり、目標反力よりも反力が減少する。電流偏差ΔIが負の領域ではデューティ補正量ΔDを負とし、デューティ指令値Dtを上げる側に補正する。また、
図10に示すように、電流偏差ΔIが負の領域にて反力を上げる側にデューティ指令値を補正し、電流偏差ΔIが正の領域ではデューティ補正を行わないようにしてもよい。なお、
図9および
図10では線形関数の例を示したが、非線形関数としてもよい。また、
図7~
図10に示したようなマップを用いず、電流偏差ΔIに基づく関数演算によりデューティ補正量ΔDを演算してもよい。後述の
図15および
図16も同様である。
【0042】
本実施形態のモータ制御処理を
図11、参考例のモータ制御処理を
図19および
図20のタイムチャートに基づいて説明する。
図11および
図19では、上段からペダル開度、モータ回転角度、モータ回転速度Nr、モータ印加電圧、モータ駆動デューティ、モータ電流、モータトルクとする。
図20では最下段にモータ抵抗を追加で記載した。タイムチャートにおいて、モータ回転角度は、ペダルレバー20が全閉状態であるときを0°とし、ペダルレバー20の角度と合うようにギア比換算した値とする。また、
図11等では、反力目標値Ptは一定であるものとする。
【0043】
図19に示す参考例のように、モータ駆動デューティを一定とした場合、ペダルレバー20の踏み込みにより逆起電力が発生すると、モータ電流およびモータトルクが増加し、反力が大きくなる。また
図20に示すように、本実施形態のモータ41はブラシ付きモータあるため、モータ41の回転位置に応じたモータ抵抗の変動の影響によってもトルクが変動し、反力が変動する。
【0044】
図11に示すように、時刻x10にて、ペダルレバー20が踏み込まれると、逆起電力によりモータ電流およびモータトルクが大きくなる。本実施形態では、次の演算周期である時刻x11にて、電流偏差ΔIに基づいてモータ駆動デューティが補正されるため、モータ電流およびモータトルクの変動が抑制される。
【0045】
時刻x12にてペダルレバー20がさらに強く踏み込まれたとき、時刻x13にて電流偏差ΔIに基づいてモータ駆動デューティが補正される。ここで、補正によりモータ駆動デューティが負の値になる場合、反力付加方向と反対方向に通電されるようにモータドライバ51を制御する。
【0046】
時刻x14にて、ペダルレバー20が全開位置にて保持されると、モータ回転速度が0となり、モータ電流およびモータトルクが小さくなるので、次の演算周期である時刻x15にて、電流偏差ΔIに基づいてモータ駆動デューティが補正される。
【0047】
時刻x16にて、ペダルレバー20が踏み戻されると、モータ電流およびモータトルクが小さくなるので、次の演算周期である時刻x17にて、電流偏差ΔIに基づいてモータ駆動デューティが補正される。
【0048】
時刻x18にて、ペダルレバー20が全閉となると、モータ回転速度が0となり、モータ電流およびモータトルクが大きくなるので、次の演算周期である時刻x19にて、電流偏差ΔIに基づいてモータ駆動デューティが補正される。
【0049】
なお、ペダル開度とモータ回転角度について、
図19の参考例のようにモータ駆動デューティを一定とした場合を一点鎖線で示した。ペダルレバー20の踏込速度は、ドライバの踏力とペダル反力とのバランスで決まる。そのため、本実施形態では、逆起電力に応じてモータ駆動デューティを補正しているので、参考例と比較してペダルレバー20の踏込時のモータ発生トルクが小さく抑えられる。したがって、ドライバによりペダルレバー20に印加される踏力が同じである場合、参考例と比較し、本実施形態はペダルレバー20の踏込速度が速くなる。
【0050】
以上説明したように、ペダル装置1は、ペダルレバー20と、アクチュエータ40と、制御部60と、を備える。ペダルレバー20は、踏込操作に応じて動作する。アクチュエータ40は、モータ41の駆動によりペダルレバー20を戻す方向の力である反力を付加可能である。制御部60は、ペダルレバー20に付加する反力に係る反力目標値に基づいて電流指令値Itを演算する電流指令演算部62、および、電流指令値Itに基づいてデューティ指令値Dtを演算するデューティ演算部65を有し、デューティ指令値Dtに基づいてモータ41の駆動を制御する。
【0051】
デューティ演算部65は、モータ41に通電されるモータ電流、または、モータ41の回転速度の少なくとも一方に基づき、デューティ指令値Dtを補正する。本実施形態では、デューティ演算部65は、モータ41に通電される電流を検出する電流センサ52の検出値に基づく電流検出値Irと電流指令値Itとの偏差である電流偏差ΔIに基づいてデューティ指令値Dtを補正する。
【0052】
これにより、モータ41の実電流に基づき、モータ41のハーネス抵抗や端子間の接触抵抗、耐久変動等による抵抗値の変化に応じ、デューティ指令値Dtを適切に補正することができる。また、外乱等により発生するモータトルクが変動しても、反力目標値Ptに近づけることができるため、ドラビリが向上する。
【0053】
モータ41はDCモータであるので、モータ回転速度Nrに応じて生じる逆起電圧により電流が変化する。本実施形態では、電流検出値Irを用いることで、逆起電力による電流変化分を適切に補正することができる。また、本実施形態のモータ41はブラシ付きモータであるため、モータ41の回転角に応じてモータ抵抗が変化する。本実施形態では、モータ回転速度Nrの全領域にて電流検出値Irを用いてデューティ指令値Dtを補正することで、モータ回転角に応じた抵抗の変化分を適切に補正することができる。
【0054】
デューティ演算部65は、電流検出値Irが電流指令値Itより大きい場合(すなわちIr>It、ΔI>0)、電流検出値Irと電流指令値Itとの差が大きいほどデューティ比が小さくなるようにデューティ指令値Dtを補正し、電流検出値Irが電流指令値It以下の場合(すなわちIr≦It、ΔI≦0)、デューティ指令値Dtの補正量を0としてもよい。換言すると、この場合、反力を補正する方向を反力が小さくなる方向に限定している。
【0055】
反力に抗してペダルレバー20が踏み込まれた場合、逆起電力による電流増加により反力が大きくなるため、デューティ比を小さくすることで反力を低減する。これにより、ペダル操作に必要なドライバの踏力を抑制することができる。また、ペダルレバー20の踏み戻し時においては、反力目標値Ptとなるようにデューティ指令値Dtが設定されるため、ドラビリが向上する。
【0056】
デューティ演算部65は、電流検出値Irが電流指令値Itより小さい場合(すなわちIr<It、ΔI<0)、電流検出値Irと電流指令値Itとの差が大きいほどデューティ比が大きくなるようにデューティ指令値Dtを補正し、電流検出値Irが電流指令値It以上の場合、デューティ指令値Dtの補正量を0としてもよい。換言すると、この場合、反力を補正する方向を反力が大きくなる方向に限定している。
【0057】
ペダルレバー20を踏み戻した場合、電流減少により反力が小さくなるため、デューティ比を大きくすることで反力を増加させる。これにより、ペダルの過踏み込みが抑制され、燃費向上に寄与する。
【0058】
(第2実施形態)
第2実施形態を
図12~
図16に示す。第2実施形態~第4実施形態では、モータ制御処理が上記実施形態と異なっているので、この点を中心に説明する。本実施形態のモータ制御処理を
図12のフローチャートに基づいて説明する。S201~S204の処理は、
図4中のS101~104の処理と同様である。また、モータ回転速度Nrが安定するのに要する待機時間が必要であれば、
図4のS105と同様のステップを設け、待機時間中はデューティ指令値Dtを保持するようにしてもよい。
【0059】
反力目標値Ptが変更されていないと判断された場合(S202:NO)に移行するS205では、制御部60はモータ回転速度Nrを演算する。S206では、デューティ演算部65は、モータ回転速度Nrに基づいてデューティ補正量ΔDを演算し、デューティ指令値Dtを補正する(式(5)参照)。式(5)では、補正後のデューティ指令値をDt_aとした。S207の処理は、
図4中のS110の処理と同様である。タイムチャートは第1実施形態と同様であるので省略する。
【0060】
Dt_a=Dt+ΔD ・・・(5)
【0061】
デューティ補正量ΔDについて、
図13~
図16に基づいて説明する。例えば
図13および
図14に示すように、モータ回転速度Nrの全範囲においてデューティ指令値Dtが補正されるようにデューティ補正量ΔDを演算する。これにより、モータ41の回転方向や回転速度によらず、広範囲にて反力を補正することができ、ドラビリを向上可能である。デューティ補正量ΔDは、
図13のように線形関数により演算してもよいし、
図14のように非線形関数により演算してもよい。
【0062】
アクチュエータ40からの付加反力に抗してペダルレバー20が踏み込まれている場合、モータ回転速度Nrが負となり、逆起電力によりモータ電流が増加し、目標反力よりも反力が増加する。モータ回転速度Nrが負の領域ではデューティ補正量ΔDを負とし、補正後デューティ指令値Dt_aを補正前のデューティ指令値Dtより小さい値とする。また
図15に示すように、モータ回転速度Nrが負の領域にて反力を下げる側にデューティ指令値Dtを補正し、モータ回転数が正の領域でデューティ補正を行わないようにしてもよい。
【0063】
ペダルレバー20が踏み戻されている場合、モータ回転速度Nrが正となり、目標反力よりも反力が低下する。モータ回転速度Nrが正の領域ではデューティ補正量ΔDを正とし、補正後デューティ指令値Dt_aを補正前のデューティ指令値Dtより大きい値とする。また、
図16に示すように、モータ回転速度Nrが正の領域にて反力を上げる側にデューティ指令値Dtを補正し、モータ回転速度Nrが負の領域にてデューティ補正を行わないようにしてもよい。
【0064】
本実施形態では、モータ41がブラシ付きDCモータであって、モータ回転角度θに応じて抵抗値が変化することに伴って電流値も変化するため、電流値を用いた制御の場合、補正頻度や補正量が多くなる場合がある。本実施形態では、モータ回転速度Nrを用いてデューティ補正を行うことで、過度な補正となるのを抑制可能である。また、制御が発散するリスクを低減可能である。
【0065】
本実施形態では、デューティ演算部65は、モータ回転速度Nrによらず、モータ回転速度Nrに応じてデューティ指令値Dtを補正する。詳細には、モータ41に反力を付加する方向への通電を行っている状態にてモータ41の回転方向が反力付加方向と反対である場合、すなわちペダルレバー20が付加反力に抗して踏み込まれている場合、モータ回転速度Nrが大きいほどデューティ比が小さくなるようにデューティ指令値Dtを補正し、モータ41の回転方向が反力付加方向である場合、すなわちペダルレバー20が踏み戻されている場合、モータ回転速度Nrが大きいほどデューティ比が大きくなるようにデューティ指令値Dtを補正する。
【0066】
これにより、モータ回転速度Nrが小さい領域から大きい領域までの広範囲において、反力を補正することができる。本実施形態では、モータ41がブラシ付きモータであるので、回転角に応じた抵抗の変化分についても、モータ回転速度Nrの全領域において、適切に補正することができる。
【0067】
デューティ演算部65は、モータ41に反力を付加する方向への通電を行っている状態にてモータ41の回転方向が反力付加方向と反対である場合、すなわちペダルレバー20が付加反力に抗して踏み込まれている場合、モータ回転速度Nrが大きいほどデューティ比が小さくなるようにデューティ指令値Dtを補正する。デューティ演算部65は、モータ回転速度Nrが0、または、モータ41の回転方向が反力付加方向である場合、デューティ指令値Dtの補正量を0としてもよい。換言すると、この場合、反力を補正する方向を反力が小さくなる方向に限定している。
【0068】
反力に抗してペダルレバー20が踏み込まれた場合、逆起電力による電流増加により反力が大きくなるため、デューティ比を小さくすることで反力を低減する。これにより、ペダル操作に必要なドライバの踏力を抑制することができる。また、ペダルレバー20の踏み戻し時においては、反力目標値Ptとなるようにデューティ指令値Dtが設定されるため、ドラビリが向上する。
【0069】
デューティ演算部65は、モータに反力を付加する方向への通電を行っている状態にてモータ41の回転方向が反力付加方向である場合、モータ回転速度Nrが大きいほどデューティ比が大きくなるようにデューティ指令値Dtを補正する。デューティ演算部65は、モータ回転速度Nrが0、または、モータ41の回転方向が反力付加方向と反対方向である場合、デューティ指令値Dtの補正量を0としてもよい。換言すると、この場合、反力を補正する方向を反力が大きくなる方向に限定している。
【0070】
ペダルレバー20を踏み戻した場合、電流減少により反力が小さくなるため、デューティ比を大きくすることで反力を増加させる。これにより、ペダルの過踏み込みが抑制され、燃費向上に寄与する。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
(第3実施形態)
第3実施形態によるモータ制御処理を
図17のフローチャートに基づいて説明する。S301~S305の処理は、
図4中のS101~S105の処理と同様である。なお、待機時間判定が不要であれば、S305は省略してもよい。第4実施形態も同様である。S306では、制御部60は、電流検出値Irおよびモータ回転速度Nrを演算する。
【0072】
S307では、制御部60は、モータ回転速度Nrが速度判定閾値Nr_th以下か否か判定する。速度判定閾値Nr_thは負の値であって、逆起電圧によるトルク増加分の補正が必要な回転速度に応じて設定される。すなわちここでは、モータ回転速度Nrが、逆起電圧の影響による補正が必要な程度に大きな速度で反力付与方向と反対方向に回転している場合に肯定判断される。モータ回転速度Nrが速度判定閾値Nr_thより大きいと判断された場合(S307:NO)、S308へ移行し、デューティ指令値Dtを保持する。モータ回転速度Nrが速度判定閾値Nr_th以下であると判断された場合(S307:YES)、S309へ移行する。
【0073】
S309では、デューティ演算部65は、電流偏差ΔIに基づき、デューティ指令値Dtを補正する。デューティ指令値Dtの補正の詳細は第1実施形態と同様である。また、第2実施形態のように、モータ回転速度Nrを用いてデューティ補正を行ってもよい。S310の処理は、
図4中のS110の処理と同様である。
【0074】
本実施形態では、デューティ補正を行うか否かをモータ回転速度Nrで判定することで、ペダルレバー20の踏み込み状態を確実に判定することができる。また、電流偏差ΔIに応じてデューティ指令値Dtを補正することで、付加反力を精度よく制御することができる。
【0075】
本実施形態では、デューティ演算部65は、モータ41の回転方向が反力付加方向と反対方向であって、モータ回転速度Nrが速度判定閾値以上である場合、電流検出値Irと電流指令値Itとの偏差に基づいてデューティ指令値Dtを補正する。
【0076】
本実施形態では、デューティ指令値Dtの補正要否をモータ回転速度Nrで判定し、電流偏差ΔIに基づいてデューティ補正量ΔDを演算する。モータ回転速度Nrに基づいてペダルレバー20の踏み込み状態を判定することで、踏み込み状態の誤判定を防ぐことができる。また、電流偏差ΔIに基づいてデューティ補正を行うことで、高精度に反力を制御することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0077】
(第4実施形態)
第4実施形態によるモータ制御処理を
図18のフローチャートに基づいて説明する。S401~S406の処理は、
図17中のS301~S306の処理と同様である。S407では、電流検出値Irが電流判定閾値Ir_th以上か否か判定する。電流判定閾値Ir_thは、正の値であって、逆起電圧によるトルク増加分の補正が必要な電流値に応じて設定される。電流検出値Irが電流判定閾値Ir_thより小さいと判断された場合(S407:NO)、S408へ移行し、デューティ指令値Dtを保持する。電流検出値Irが電流判定閾値Ir_th以上であると判断された場合(S407:YES)、S409へ移行する。
【0078】
S409では、デューティ演算部65は、モータ回転速度Nrに基づき、デューティ指令値Dtを補正する。デューティ指令値Dtの補正の詳細は、第2実施形態と同様である。また、第1実施形態のように、電流偏差ΔIを用いてデューティ補正を行ってもよい。S410の処理は、
図4中のS110の処理と同様である。
【0079】
本実施形態では、デューティ演算部65は、モータ41に通電される電流を検出する電流センサ52の検出値に基づく電流検出値Irが電流判定閾値Ir_th以上である場合、モータ回転速度Nrに基づいてデューティ指令値Dtを補正する。位置センサ49のノイズが相対的に大きい場合、デューティ指令値Dtの補正の要否判定に電流検出値Irを用いることで、補正要否の誤判定を防ぐことができる。また、モータ回転速度Nrに基づいてデューティ補正を行うことで、過度な補正となるのを抑制可能である。また、制御が発散するリスクを低減可能である。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0080】
(他の実施形態)
上記実施形態では、位置センサは、動力伝達機構45を構成するギアセット46に設けられる。他の実施形態では、モータ回転角に換算可能な箇所の回転状態を検出できれば、いずれの箇所に設けてもよく、モータ41のロータの回転を直接的に検出する回転角センサであってもよい。上記実施形態では、モータは、ブラシ付きDCモータである。他の実施形態では、モータの種類が異なっていてもよい。動力伝達機構の構成や部品配置等は上記実施形態と異なっていてもよい。
【0081】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0082】
1・・・ペダル装置
20・・・ペダルレバー
40・・・アクチュエータ
41・・・モータ
60・・・制御部
61・・・反力演算部
62・・・電流指令演算部
65・・・デューティ演算部