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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 60/00 20060101AFI20240814BHJP
   B65G 57/30 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65G60/00 A
B65G57/30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021208043
(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公開番号】P2023092817
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
(72)【発明者】
【氏名】平田 貴丈
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-251941(JP,A)
【文献】独国特許出願公告第01106250(DE,B1)
【文献】特開2006-240845(JP,A)
【文献】特開平08-310658(JP,A)
【文献】米国特許第6241458(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00 - 57/32
B65G 60/00 - 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を順次積み重ねて段積み容器群を生成する段積み処理と、複数の前記容器が積み重ねられてなる前記段積み容器群から前記容器を順次分離する段ばらし処理と、の少なくとも一方を実行する容器処理装置であって、
載置面に載置された前記容器を上下方向に交差する搬送方向に沿って搬送する搬送装置と、
前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の保持及び昇降を行う第1昇降装置と、
前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の最下段の前記容器の保持及び昇降を行う第2昇降装置と、を備え、
前記載置面よりも上側に、前記段積み容器群の配置領域である容器群配置領域が設定され、
前記第1昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第1係止ユニットと、一対の前記第1係止ユニットを駆動する第1駆動ユニットと、を備え、
前記第1係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第1回転体に掛け渡された第1無端状部材と、前記第1無端状部材の延在方向に沿って一定間隔で前記第1無端状部材の外周部に固定された複数の第1係止部と、を備え、
前記第1駆動ユニットは、一対の前記第1係止ユニットに係る一対の前記第1無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、
前記第2昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第2係止ユニットと、一対の前記第2係止ユニットを駆動する第2駆動ユニットと、を備え、
前記第2係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第2回転体に掛け渡された第2無端状部材と、前記第2無端状部材の外周部に固定された第2係止部と、を備え、
前記第2駆動ユニットは、一対の前記第2係止ユニットに係る一対の前記第2無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、
一対の前記第1係止ユニットのそれぞれは、複数の前記第1係止部が前記容器群配置領域に面して前記上下方向に並んだ状態で、それぞれの前記第1係止部が前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群を構成する複数の前記容器のそれぞれの側面に係止される位置関係となるように配置され、
一対の前記第2係止ユニットのそれぞれは、前記第2係止部が前記容器群配置領域に面して配置された状態で、前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群の最下段の前記容器の側面に係止される位置関係となるように配置され、
前記第1駆動ユニットと前記第2駆動ユニットとが互いに独立に動作するように構成され
前記上下方向に離間して配置された一対の前記第1回転体のうち下側に配置された方の下端は、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第2回転体のうち上側に配置された方の上端よりも下側に配置されている、容器処理装置。
【請求項2】
前記第1係止部が係止される前記容器の側面を第1対象側面とし、前記第2係止部が係止される前記容器の側面を第2対象側面として、
一対の前記第1回転体の回転軸心は、水平方向に沿うと共に前記第1対象側面に平行な方向に沿うように配置され、
一対の前記第2回転体の回転軸心は、水平方向に沿うと共に前記第2対象側面に平行な方向に沿うように配置されている、請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項3】
前記上下方向に離間して配置された一対の前記第1回転体のうち下側に配置された方を下側第1回転体とし、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第2回転体のうち下側に配置された方を下側第2回転体として、
前記下側第2回転体は、前記下側第1回転体よりも下側に配置されている、請求項1又は2に記載の容器処理装置。
【請求項4】
前記第1係止ユニットは、前記第1係止部が前記第1無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の前記容器が前記載置面に載置されるよりも前に、前記容器の側面への係止が解除されるように設けられ、
前記第2係止ユニットは、前記第2係止部が前記第2無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の前記容器が前記載置面に載置されるのと同時期に、前記容器の側面への係止が解除されるように設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器処理装置。
【請求項5】
一対の前記第1係止ユニットが対向する方向を第1対向方向として、
前記第1昇降装置は、一対の前記第1係止ユニットを、前記第1対向方向に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる第3駆動ユニットを更に備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器処理装置。
【請求項6】
前記第3駆動ユニットは、一対の前記第1係止ユニットを前記第1対向方向に沿って互いに接近させながら一対の前記第1係止ユニットを上側へ移動させるように構成されている、請求項5に記載の容器処理装置。
【請求項7】
一対の前記第1係止ユニットが対向する方向である第1対向方向と、一対の前記第2係止ユニットが対向する方向である第2対向方向とが、平行状に配置され、
前記搬送方向は、前記上下方向に沿う上下方向視で、前記第1対向方向と直交する方向である、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器処理装置。
【請求項8】
前記第1無端状部材及び前記第2無端状部材の回転により、前記第1係止部及び前記第2係止部の状態を、前記第1係止部及び前記第2係止部の双方が前記載置面に載置されている前記容器の側面に係止していない状態から、前記第2係止部が当該容器の側面に係止した状態、前記第1係止部及び前記第2係止部の双方が当該容器の側面に係止した状態、前記第1係止部が当該容器の側面に係止した状態に順に移行させて、前記段積み処理を実行するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の容器処理装置。
【請求項9】
前記第1無端状部材及び前記第2無端状部材の回転により、前記第1係止部及び前記第2係止部の状態を、前記第1係止部が前記段積み容器群の最下段の前記容器の側面に係止した状態から、前記第1係止部及び前記第2係止部の双方が当該容器の側面に係止した状態、前記第2係止部が当該容器の側面に係止した状態、前記第1係止部及び前記第2係止部の双方の当該容器の側面に対する係止が解除された状態に順に移行させて、前記段ばらし処理を実行するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の容器を順次積み重ねて段積み容器群を生成する段積み処理と、複数の容器が積み重ねられてなる段積み容器群から容器を順次分離する段ばらし処理と、の少なくとも一方を実行する容器処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような容器処理装置の一例が、登録実用新案第3047732号公報(特許文献1)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1には、段ばらし処理を実行する容器処理装置として、複数のコンテナ(1)が積み重ねられてなる多段コンテナ群からコンテナ(1)を順次分離するアンスタッカーが開示されている。特許文献1の図1図5に示される態様では、アンスタッカーは、多段コンテナ群を挟持する左右一対の縦ベルト(2A,2B)を備えており、左右一対の縦ベルト(2A,2B)を回転させてこれらに挟持されている多段コンテナ群を下方に送ることで、最下段のコンテナ(1)を順次コンベアベルト(3)に下ろすように構成されている。そして、このアンスタッカーは、コンベアベルト(3)を左右両側に分けて配置し、左右両側のコンベアベルト(3)の間に昇降自在なリフターテーブル(7)を設けることで、多段コンテナ群から分離された最下段のコンテナ(1)を、リフターテーブル(7)によって載置支持しながら下降させて、コンベアベルト(3)に載せるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3047732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1の容器処理装置は、段積み容器群の最下段の容器を載置支持して昇降する昇降台(特許文献1では、リフターテーブル)を備えている。このような昇降台を備えることで、特許文献1の図6図7に示される態様のように最下段の容器を分離する度に段積み容器群を搬送装置(特許文献1では、コンベアベルト)に下ろさなくても、段積み容器群の最下段の容器を、円滑に搬送装置に渡すことができる。しかしながら、段積み容器群の最下段の容器を分離する度に、昇降台の上昇と下降とを行う必要があるため、昇降台の昇降動作が、段ばらし処理の処理効率の向上の妨げとなる可能性がある。また、特許文献1の容器処理装置ではコンベアベルトを左右両側に分けて配置しているように、搬送装置の構成が、容器を載置支持する昇降台を左右方向の中央部に設けることが可能なものに限定される。
【0005】
そこで、段積み容器群の最下段の容器を載置支持して昇降する昇降台を設けない場合であっても、段積み処理又は段ばらし処理を実行する場合に、搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群と搬送装置との間での最下段の容器の移動を円滑に行うことが可能な容器処理装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る容器処理装置は、複数の容器を順次積み重ねて段積み容器群を生成する段積み処理と、複数の前記容器が積み重ねられてなる前記段積み容器群から前記容器を順次分離する段ばらし処理と、の少なくとも一方を実行する容器処理装置であって、載置面に載置された前記容器を上下方向に交差する搬送方向に沿って搬送する搬送装置と、前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の保持及び昇降を行う第1昇降装置と、前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の最下段の前記容器の保持及び昇降を行う第2昇降装置と、を備え、前記載置面よりも上側に、前記段積み容器群の配置領域である容器群配置領域が設定され、前記第1昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第1係止ユニットと、一対の前記第1係止ユニットを駆動する第1駆動ユニットと、を備え、前記第1係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第1回転体に掛け渡された第1無端状部材と、前記第1無端状部材の延在方向に沿って一定間隔で前記第1無端状部材の外周部に固定された複数の第1係止部と、を備え、前記第1駆動ユニットは、一対の前記第1係止ユニットに係る一対の前記第1無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、前記第2昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第2係止ユニットと、一対の前記第2係止ユニットを駆動する第2駆動ユニットと、を備え、前記第2係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第2回転体に掛け渡された第2無端状部材と、前記第2無端状部材の外周部に固定された第2係止部と、を備え、前記第2駆動ユニットは、一対の前記第2係止ユニットに係る一対の前記第2無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、一対の前記第1係止ユニットのそれぞれは、複数の前記第1係止部が前記容器群配置領域に面して前記上下方向に並んだ状態で、それぞれの前記第1係止部が前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群を構成する複数の前記容器のそれぞれの側面に係止される位置関係となるように配置され、一対の前記第2係止ユニットのそれぞれは、前記第2係止部が前記容器群配置領域に面して配置された状態で、前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群の最下段の前記容器の側面に係止される位置関係となるように配置され、前記第1駆動ユニットと前記第2駆動ユニットとが互いに独立に動作するように構成され、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第1回転体のうち下側に配置された方の下端は、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第2回転体のうち上側に配置された方の上端よりも下側に配置されている
【0007】
本構成によれば、第1昇降装置によって、段積み容器群を構成する複数の容器をまとめて保持及び昇降させることができ、第2昇降装置によって、段積み容器群の最下段の容器のみを保持及び昇降させることができる。そして、本構成によれば、第1駆動ユニットと第2駆動ユニットとが互いに独立に動作するように構成されているため、第1昇降装置の一対の第1係止ユニットと第2昇降装置の一対の第2係止ユニットとを、互いに独立して動作させることができる。そのため、第1昇降装置によって搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群の最下段の容器を、載置面に下ろす場合(すなわち、段ばらし処理を行う場合)や、第1昇降装置によって搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群に、載置面に載置されている容器を最下段の容器として追加する場合(すなわち、段積み処理を行う場合)に、段積み容器群と搬送装置との間での最下段の容器の移動を、第2昇降装置によって円滑に行うことができる。
【0008】
以上のように、本構成によれば、段積み容器群の最下段の容器を載置支持して昇降する昇降台を設けない場合であっても、段積み処理又は段ばらし処理を実行する場合に、搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群と搬送装置との間での最下段の容器の移動を円滑に行うことが可能となっている。
【0009】
容器処理装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る容器処理設備の平面図
図2】実施形態に係る容器処理装置の正面図
図3】実施形態に係る容器処理装置の縦断側面図
図4】実施形態に係る容器処理装置の一部透視斜視図
図5】実施形態に係る容器の側面図
図6】実施形態に係る容器の断面図
図7】実施形態に係る段ばらし処理の説明図
図8】実施形態に係る段ばらし処理の説明図
図9】実施形態に係る段ばらし処理の説明図
図10】実施形態に係る段ばらし処理の説明図
図11】実施形態に係る段ばらし処理の説明図
図12】実施形態に係る段積み処理の説明図
図13】実施形態に係る段積み処理の説明図
図14】実施形態に係る段積み処理の説明図
図15】実施形態に係る段積み処理の説明図
図16】実施形態に係る段積み処理の説明図
図17】実施形態に係る段積み処理の説明図
図18】実施形態に係る段積み処理の説明図
図19】実施形態に係る段積み処理の説明図
図20】実施形態に係る段積み処理の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
容器処理装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、本開示に係る容器処理装置を、図1に例示するような容器処理設備に適用した場合を例として説明する。本実施形態では、第1回転軸心X1が「第1回転体の回転軸心」に相当し、第2回転軸心X2が「第2回転体の回転軸心」に相当する。
【0012】
容器処理設備100は、複数の容器90が積み重ねられてなる段積み容器群9を搬送する搬送車60との間で段積み容器群9の受け渡しを行うと共に、段積み容器群9を構成する容器90に対する処理を行う設備である。段積み容器群9を構成する容器90に対する処理には、段積み容器群9から分離された容器90に対して後述する作業ステーション80において行われる作業が含まれる。
【0013】
容器90は、上下方向V(鉛直方向)に積み重ねることが可能に(すなわち、段積み可能に)構成されている。図6に示すように、容器90は、上面が開口した箱状に形成されている。図1に示すように、本実施形態では、容器90は、上下方向Vに沿う上下方向視(平面視)で矩形状に形成されている。容器90は、当該容器90の底部を、別の容器90の上部の開口に嵌合させることで、当該別の容器90に積み重ねることが可能に構成されている。本実施形態では、容器90は、収容物(図示せず)が収容されている状態の別の容器90に積み重ねることが可能に構成されている。容器90の上部の開口に別の容器90の底部を嵌合させるように複数の容器90を順次積み重ねることで、段積み容器群9が生成される。
【0014】
搬送車60は、規定の走行経路6に沿って走行して段積み容器群9を搬送する。本実施形態では、搬送車60は、床面を走行するように構成されている。搬送車60は、外部から充電可能な蓄電装置64(例えば、リチウムイオンバッテリ)を備えており、搬送車60を走行させる駆動力を発生する駆動部(例えば、電動モータ)は、蓄電装置64から電力の供給を受けて動作する。搬送車60の走行経路6は、レール等を用いて物理的に形成されても、仮想的に設定されてもよい。本実施形態では、走行経路6は、仮想的に設定されている。
【0015】
図1に示すように、搬送車60は、段積み容器群9を支持する支持部61を備えている。すなわち、支持部61には、容器90が段積み状態で支持される。本実施形態では、支持部61には、段積み容器群9を車体左右方向(搬送車60の進行方向に直交する水平方向H)に搬送するコンベヤ(図1に示す例では、ローラコンベヤ)が設けられており、コンベヤ上に支持部61が形成されている。支持部61に設けられたコンベヤを作動させることで、支持部61と搬送車60の外部(例えば、後述する搬入部2や搬出部3)との間で段積み容器群9を移動させることができる。支持部61に設けられたコンベヤ(具体的には、電動モータ等のコンベヤの駆動部)は、蓄電装置64から電力の供給を受けて動作する。
【0016】
本実施形態では、搬送車60は、支持部61と移載対象箇所との間で容器90を移載する移載機62を備えている。図示は省略するが、本実施形態では、容器処理設備100には、容器90を収容する容器棚が設けられており、搬送車60の走行経路6は、容器棚を経由するように設定される。移載機62による容器90の移載対象箇所には容器棚が含まれ、移載機62は、容器棚に収容されている容器90の支持部61への移載と、支持部61に支持されている容器90の容器棚への移載と、を行う。搬送車60は、後述する搬入部2に搬入する段積み容器群9を構成する容器90を、移載機62を用いて容器棚から取り出すと共に、後述する搬出部3から搬出した段積み容器群9を構成する容器90を、移載機62を用いて容器棚に収容する。移載機62(具体的には、電動モータ等の移載機62の駆動部)は、蓄電装置64から電力の供給を受けて動作する。
【0017】
図1に示すように、容器処理設備100は、搬送車60から段積み容器群9を受け取る搬入部2と、搬送車60に段積み容器群9を引き渡す搬出部3と、作業ステーション80と、段ばらし装置1Aと、段積み装置1Bと、第1搬送装置41と、第2搬送装置42と、を備えている。図1に示す例では、搬入部2と搬出部3との間の容器90或いは段積み容器群9の搬送経路上に、作業ステーション80が1つのみ配置されているが、搬入部2と搬出部3との間の容器90或いは段積み容器群9の搬送経路上に、作業ステーション80が複数配置される構成とすることもできる。
【0018】
図1に簡略化して示すように、容器処理設備100は、制御装置8を備えている。制御装置8の各機能は、演算処理装置等のハードウェアと、当該ハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により実現される。制御装置8は、1つのハードウェアではなく、互いに有線又は無線で通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。
【0019】
制御装置8は、容器処理設備100の各部の動作を制御する。具体的には、容器処理設備100の各部に設けられた制御部(機器コントローラ)が、制御装置8からの指令に応じて各部に設けられた駆動力源(例えば、電動モータ)の駆動を制御することで、容器処理設備100の各部の動作が制御される。制御装置8により制御される容器処理設備100の各部の動作には、搬入部2による搬送車60からの段積み容器群9の受け取り動作、搬出部3による搬送車60への段積み容器群9の引き渡し動作、段ばらし装置1Aによる段ばらし動作(段ばらし処理を行う動作)、段積み装置1Bによる段積み動作(段積み処理を行う動作)、第1搬送装置41による容器90或いは段積み容器群9の搬送動作、及び、第2搬送装置42による容器90或いは段積み容器群9の搬送動作が含まれる。作業ステーション80に後述する作業装置82が配置される場合には、制御装置8により制御される容器処理設備100の各部の動作には、容器90に対する作業を行うための作業装置82による動作が含まれる。また、作業ステーション80に後述する出力装置84が配置される場合には、制御装置8により制御される容器処理設備100の各部の動作には、出力装置84による作業指示の出力動作が含まれる。
【0020】
搬入部2は、搬送車60の走行経路6に隣接して配置されている。具体的には、走行経路6に沿う方向を走行方向Rとし、走行方向R及び上下方向Vの双方に直交する方向を経路幅方向Wとして、搬入部2は、走行経路6に対して経路幅方向Wに隣接して配置されている。図1では、2台の搬送車60のうちの図中右側の搬送車60の位置が、走行経路6における搬入部2に対応する位置である。なお、本明細書において図面における上下左右は、図面中の参照符号が読める向きに見た場合の上下左右を意味する。搬送車60が走行経路6における搬入部2に対応する位置に停止している状態で、搬入部2が搬送車60から段積み容器群9を受け取る。本実施形態では、搬入部2には、段積み容器群9を水平方向Hに搬送するコンベヤ(図1に示す例では、ベルトコンベヤC2)が設けられている。そして、搬入部2が搬送車60から段積み容器群9を受け取る際には、搬入部2に設けられたコンベヤを作動させると共に、搬送車60の支持部61に設けられたコンベヤを作動させることで、搬送車60(具体的には、支持部61)から搬入部2に段積み容器群9が移動される。
【0021】
搬出部3は、搬送車60の走行経路6に隣接して配置されている。具体的には、搬出部3は、走行経路6に対して経路幅方向Wに隣接して配置されている。走行経路6における上下方向視で直線状に形成された区間を直線区間として、図1に示す例では、搬入部2と搬出部3とは、同じ直線区間における走行方向Rの互いに異なる部分に隣接するように配置されている。図1では、2台の搬送車60のうちの図中左側の搬送車60の位置が、走行経路6における搬出部3に対応する位置である。搬送車60が走行経路6における搬出部3に対応する位置に停止している状態で、搬出部3が搬送車60に段積み容器群9を引き渡す。本実施形態では、搬出部3には、段積み容器群9を水平方向Hに搬送するコンベヤ(図1に示す例では、ベルトコンベヤC2)が設けられている。そして、搬出部3が搬送車60に段積み容器群9を引き渡す際には、搬出部3に設けられたコンベヤを作動させると共に、搬送車60の支持部61に設けられたコンベヤを作動させることで、搬出部3から搬送車60(具体的には、支持部61)に段積み容器群9が移動される。
【0022】
図1に示すように、本実施形態では、搬入部2と搬出部3とは、走行経路6に対して経路幅方向Wの同じ側に配置されている。そして、搬入部2と搬出部3とは、経路幅方向Wの同じ位置に、走行方向Rに間隔を空けて配置されている。すなわち、搬入部2と搬出部3とは、走行方向Rに間隔を空けて並ぶように配置されている。
【0023】
図1に示すように、本実施形態では、搬入部2と搬出部3との走行方向Rの間隔が、搬入部2へ段積み容器群9を引き渡し中の搬送車60(図1における右側の搬送車60)と、搬出部3から段積み容器群9を受け取り中の搬送車60(図1における左側の搬送車60)とが、走行方向Rに並んで互いに干渉することなく配置できるように設定されている。図1に示す例では、搬入部2と搬出部3との走行方向Rの間隔が、搬入部2へ段積み容器群9を引き渡し中の搬送車60と、搬出部3から段積み容器群9を受け取り中の搬送車60との間に、これら2台の搬送車60とは別の搬送車60を配置できないように設定されている。図1に示す例とは異なり、搬入部2と搬出部3との走行方向Rの間隔が、搬入部2へ段積み容器群9を引き渡し中の搬送車60と、搬出部3から段積み容器群9を受け取り中の搬送車60との間に、これら2台の搬送車60とは別の1台以上の搬送車60を配置できるように設定される構成とすることもできる。
【0024】
搬入部2と搬出部3との少なくとも一方を対象部4として、本実施形態では、対象部4は、当該対象部4との段積み容器群9の受け渡しのために停止した搬送車60に電力を供給する給電部5を備えている。図1に示す例では、搬入部2と搬出部3との双方が対象部4であり、搬入部2と搬出部3との双方が給電部5を備えている。図1に示す例とは異なり、搬入部2と搬出部3との一方のみが対象部4であり、搬入部2と搬出部3との一方のみが給電部5を備える構成とすることもできる。
【0025】
図1に示すように、搬送車60は、蓄電装置64に電気的に接続された受電部63を備えている。給電部5と受電部63とが電気的に接続された状態で、給電部5から搬送車60への電力の供給が行われ、当該電力によって蓄電装置64が充電される。図1に示す例では、給電部5は、対象部4における段積み容器群9の支持面(具体的には、対象部4に設けられたコンベヤの搬送面)よりも下側V2に配置され、受電部63は、搬送車60の支持部61における段積み容器群9の支持面(具体的には、支持部61に設けられたコンベヤの搬送面)よりも下側V2に配置されている。
【0026】
図1に示す例では、給電部5から搬送車60(具体的には、受電部63)への給電が、接触方式(有線方式)で行われる場合を想定している。そのため、搬送車60が対象部4に停止した後、給電部5及び受電部63の少なくとも一方を移動させることで、給電部5が備える給電端子と受電部63が備える受電端子とが接触により電気的に接続され、この状態で、給電部5から搬送車60への給電が行われる。図1に示す例とは異なり、給電部5から搬送車60(具体的には、受電部63)への給電が、電磁誘導方式や磁界共鳴方式等の非接触方式(無線方式)で行われる構成とすることもできる。この場合、給電部5が備える給電コイルと受電部63が備える受電コイルとが非接触で電気的に接続された状態で、給電部5から搬送車60への給電が行われる。
【0027】
作業ステーション80には、作業装置82又は出力装置84が配置されている。作業装置82は、容器90に対する作業を行う装置である。また、出力装置84は、容器90に対する作業を行う作業者83への作業指示を出力する装置である。図1に簡略化して示すように、作業ステーション80には、作業装置82及び作業者83の少なくとも一方を含む作業主体81が配置される。そして、作業主体81に作業者83が含まれる場合には、作業ステーション80に出力装置84が配置される。出力装置84は、例えば、作業指示を画面に表示するディスプレイ(モニタ)とされる。なお、出力装置84は、作業者83が所持する携帯端末のモニタであってもよいし、作業者83がスマートグラス(眼鏡と一体化された表示装置)を装着している場合には、スマートグラスであってもよい。
【0028】
本実施形態では、作業ステーション80では、容器90から当該容器90に収容されている収容物を取り出すピッキング作業が行われる。ピッキング作業では、容器90の上面の開口部を通して当該容器90に収容されている収容物が取り出される。容器90から取り出された収容物は、例えば出荷用容器に収容される。作業ステーション80に作業装置82が配置される場合、当該作業装置82は、容器90に対するピッキング作業を行うピッキング装置(ピッキングロボット)とされる。また、作業ステーション80に出力装置84が配置される場合、当該出力装置84が出力する作業指示には、容器90から取り出すべき収容物の個数が含まれる。
【0029】
第1搬送装置41は、搬入部2において搬送車60から受け取った段積み容器群9を段ばらし装置1Aまで搬送し、段ばらし装置1Aにおいて段積み容器群9から順次分離された容器90を作業ステーション80まで搬送する装置である。本実施形態では、第1搬送装置41は、容器90又は段積み容器群9を水平面に沿って搬送する。すなわち、本実施形態では、第1搬送装置41の搬送方向である第1搬送方向T1は、水平方向Hとされる。ここで、図1に示すように、第1搬送装置41における搬入部2と段ばらし装置1Aとの間の区間を第1上流側区間41Aとし、第1搬送装置41における段ばらし装置1Aと作業ステーション80との間の区間を第1下流側区間41Bとする。なお、段ばらし装置1Aは、第1上流側区間41A及び第1下流側区間41Bのいずれにも含めない。第1上流側区間41Aでは、容器90は段積みされた状態で複数まとめて搬送され、第1下流側区間41Bでは、容器90は1つずつ搬送される。
【0030】
第2搬送装置42は、容器90を作業ステーション80から段積み装置1Bまで搬送し、段積み装置1Bにおいて複数の容器90を順次積み重ねて生成された段積み容器群9を搬出部3まで搬送する装置である。本実施形態では、第2搬送装置42は、容器90又は段積み容器群9を水平面に沿って搬送する。すなわち、本実施形態では、第2搬送装置42の搬送方向である第2搬送方向T2は、水平方向Hとされる。ここで、図1に示すように、第2搬送装置42における作業ステーション80と段積み装置1Bとの間の区間を第2上流側区間42Aとし、第2搬送装置42における段積み装置1Bと搬出部3との間の区間を第2下流側区間42Bとする。なお、段積み装置1Bは、第2上流側区間42A及び第2下流側区間42Bのいずれにも含めない。第2上流側区間42Aでは、容器90は1つずつ搬送され、第2下流側区間42Bでは、容器90は段積みされた状態で複数まとめて搬送される。
【0031】
図1に示すように、特定の水平方向H(ここでは、走行方向Rに平行な水平方向H)を第1水平方向H1とし、第1水平方向H1に直交する水平方向H(ここでは、経路幅方向Wに平行な水平方向H)を第2水平方向H2とする。図1に示すように、本実施形態では、第1搬送装置41及び第2搬送装置42は、搬入部2と搬出部3との間の容器90或いは段積み容器群9の搬送経路が、上下方向視で角ばったU字状となるように配置されている。そして、当該U字の2つの対向する側部のうちの、一方の側部に対応する部分に段ばらし装置1Aが配置されると共に、他方の側部に対応する部分に段積み装置1Bが配置され、当該U字の底部に対応する部分に、作業ステーション80が配置されている。本実施形態では、段ばらし装置1Aと段積み装置1Bとは、第2水平方向H2の同じ位置に配置されている。
【0032】
第1上流側区間41Aは、段積み容器群9を第2水平方向H2に沿って走行経路6から離れる側に搬送するように配置されている。第1下流側区間41Bは、容器90を第2水平方向H2に沿って走行経路6から離れる側に搬送した後、容器90を第1水平方向H1に沿って作業ステーション80の側に搬送するように配置されている。第2上流側区間42Aは、容器90を第1水平方向H1に沿って作業ステーション80から離れる側に搬送した後、容器90を第2水平方向H2に沿って走行経路6に近づく側に搬送するように配置されている。そして、第2下流側区間42Bは、容器90を第2水平方向H2に沿って走行経路6に近づく側に搬送するように配置されている。
【0033】
本実施形態では、第1搬送装置41及び第2搬送装置42は、ローラコンベヤC1、ベルトコンベヤC2、及び方向転換コンベヤC3を用いて構成されている。図1に示すように、ローラコンベヤC1は、回転駆動される複数のローラ51を備えている。複数のローラ51のそれぞれの上端を含む平面(仮想平面)が、ローラコンベヤC1の搬送面となる。図1に示すように、ベルトコンベヤC2は、回転駆動(循環駆動)されるベルト52を備えている。ベルト52の上面が、ベルトコンベヤC2の搬送面となる。本実施形態では、ベルトコンベヤC2は、搬送幅方向(上下方向視で搬送方向に直交する方向)の両側に分かれて配置された2条(一対)のベルト52を備えるベルトコンベヤ(2条ベルトコンベヤ)である。方向転換コンベヤC3は、搬送方向を上下方向視で直角に変更することが可能なコンベヤである。詳細は省略するが、方向転換コンベヤC3は、容器90を第1水平方向H1に搬送する第1搬送部と、容器90を第2水平方向H2に搬送する第2搬送部と、を備えている。そして、方向転換コンベヤC3は、第1搬送部を搬送面まで上昇させると共に第2搬送部を搬送面よりも下降させることで、容器90を第1水平方向H1に搬送し、第2搬送部を搬送面まで上昇させると共に第1搬送部を搬送面よりも下降させることで、容器90を第2水平方向H2に搬送するように構成されている。
【0034】
本実施形態では、第1上流側区間41Aは、その搬送方向(すなわち、第1搬送方向T1)に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できるように構成されている。図1に示す例では、第1上流側区間41Aは、その搬送方向に沿って並ぶ3つのベルトコンベヤC2を備えており、3つの段積み容器群9を、これら3つのベルトコンベヤC2に分けて配置することが可能に構成されている。すなわち、第1上流側区間41Aは、その搬送方向に沿って3つの段積み容器群9を並べて配置することができるように構成されている。なお、上記3つのベルトコンベヤC2のうちの第1搬送方向T1の最も上流側に配置されたコンベヤは、搬入部2に設けられている。また、これら3つのベルトコンベヤC2は、互いに独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。
【0035】
図1に示す例では、第1上流側区間41Aが備える上記3つのベルトコンベヤC2が、後述する段ばらし対象位置P(図1参照)に設けられたローラコンベヤC1とは独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。これにより、本実施形態では、第1上流側区間41Aは、段ばらし装置1Aによる段ばらし処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができるように構成されている。
【0036】
また、図1に示す例では、第1下流側区間41Bは、その搬送方向(すなわち、第1搬送方向T1)に沿って上流側から順に、ローラコンベヤC1、方向転換コンベヤC3、及びローラコンベヤC1を備えている。そして、第1下流側区間41Bが備えるこれら3つのコンベヤは、段ばらし対象位置Pに設けられたローラコンベヤC1とは独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。これにより、本実施形態では、第1下流側区間41Bは、段ばらし装置1Aによる段ばらし処理に影響を与えずに容器90の搬送及び停止を行うことができるように構成されている。なお、上記3つのコンベヤのうちの第1搬送方向T1の最も下流側に配置されたコンベヤは、作業ステーション80に設けられている。
【0037】
本実施形態では、第2下流側区間42Bは、その搬送方向(すなわち、第2搬送方向T2)に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できるように構成されている。図1に示す例では、第2下流側区間42Bは、その搬送方向に沿って並ぶ3つのベルトコンベヤC2を備えており、3つの段積み容器群9を、これら3つのベルトコンベヤC2に分けて配置することが可能に構成されている。すなわち、第2下流側区間42Bは、その搬送方向に沿って3つの段積み容器群9を並べて配置することができるように構成されている。なお、上記3つのベルトコンベヤC2のうちの第2搬送方向T2の最も下流側に配置されたコンベヤは、搬出部3に設けられている。また、これら3つのベルトコンベヤC2は、互いに独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。
【0038】
図1に示す例では、第2下流側区間42Bが備える上記3つのベルトコンベヤC2は、後述する段積み対象位置Q(図1参照)に設けられたベルトコンベヤC2とは独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。これにより、本実施形態では、第2下流側区間42Bは、段積み装置1Bによる段積み処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができるように構成されている。
【0039】
また、図1に示す例では、第2上流側区間42Aは、その搬送方向(すなわち、第2搬送方向T2)に沿って上流側から順に、2つのローラコンベヤC1、方向転換コンベヤC3、及びローラコンベヤC1を備えている。そして、第2上流側区間42Aが備えるこれら4つのコンベヤは、段積み対象位置Qに設けられたベルトコンベヤC2とは独立して搬送動作を行うことが可能に構成されている。これにより、本実施形態では、第2上流側区間42Aは、段積み装置1Bによる段積み処理に影響を与えずに容器90の搬送及び停止を行うことができるように構成されている。なお、上記4つのコンベヤのうちの第2搬送方向T2の最も上流側に配置されたコンベヤは、作業ステーション80に設けられている。
【0040】
図1に示す例では、第1下流側区間41Bに設けられて作業ステーション80に配置されるコンベヤと、第2上流側区間42Aに設けられて作業ステーション80に配置されるコンベヤとは、共通のコンベヤ(本例では、ローラコンベヤC1)とされている。第1搬送装置41と第2搬送装置42とは、少なくとも概念的に区別されるものであり、図1に示す例のように、第1搬送装置41と第2搬送装置42とが共通の装置(ここでは、ローラコンベヤC1)を用いて構成されていてもよい。
【0041】
図1に示すように、本実施形態では、第2搬送装置42の搬送経路上における作業ステーション80と段積み装置1Bとの間に、第2搬送装置42により搬送中の容器90の重量を測定する秤量部7が設けられている。なお、第2搬送装置42の搬送経路上における作業ステーション80と段積み装置1Bとの間には、作業ステーション80も含まれる。図1に簡略化して示すように、秤量部7には、第2搬送装置42の搬送面42Sに載置されている容器90の重量を測定する秤量装置53が設けられている。図1に示す例では、秤量部7は、作業ステーション80よりも第2搬送方向T2の下流側に設けられている。具体的には、作業ステーション80に設けられたローラコンベヤC1に対して第2搬送方向T2の下流側に隣接して設けられたローラコンベヤC1に、秤量部7が設けられている。
【0042】
本実施形態では、秤量部7にて測定された容器90の重量の情報は、制御装置8に送信され、制御装置8は、秤量部7にて測定された容器90の重量に基づき、作業ステーション80における作業が適切に行われたか否かの検査を行う。上述したように、本実施形態では、作業ステーション80では、容器90から当該容器90に収容されている収容物を取り出すピッキング作業が行われる。そのため、制御装置8は、秤量部7にて測定された容器90の重量が、ピッキング作業の実行前の当該容器90の重量から、当該容器90から取り出すべき収容物の総重量を減算した重量である判定基準重量に相当する場合に、作業ステーション80における作業が適切に行われたと判定する。なお、秤量部7が作業ステーション80に設けられる場合には、制御装置8は、秤量部7にて測定された容器90の重量が上記判定基準重量に相当する場合に、作業ステーション80における作業が完了したと判定する。
【0043】
段ばらし装置1Aは、段積み容器群9から容器90を順次分離する段ばらし処理を行う装置である。段ばらし装置1Aは、第1搬送装置41の搬送経路上における段ばらし対象位置P(図1参照)に配置された段積み容器群9に対して段ばらし処理を実行する。一方、段積み装置1Bは、複数の容器90を順次積み重ねて段積み容器群9を生成する段積み処理を行う装置である。段積み装置1Bは、第2搬送装置42の搬送経路上における段積み対象位置Q(図1参照)に配置された容器90に対して段積み処理を実行する。
【0044】
図1に示すように、本実施形態では、第1搬送装置41における、少なくとも段ばらし対象位置Pを含む部分が、ローラコンベヤC1を用いて構成されている。このような構成とすることで、第1搬送装置41における段ばらし対象位置Pを含む部分がベルトコンベヤC2を用いて構成される場合に比べて、段ばらし対象位置Pにおいて段積み容器群9を搬送幅方向(上下方向視で第1搬送方向T1に直交する方向)に移動させやすくなっている。よって、例えば、段ばらし装置1Aによる段ばらし処理の前に、段ばらし対象位置Pに搬入された段積み容器群9の搬送幅方向の位置合わせをする場合に、段積み容器群9の搬送幅方向の位置を調整しやすい。
【0045】
上述したように、図1に示す例では、第1下流側区間41Bの一部にもローラコンベヤC1が設けられている。そのため、図1に示す例では、第1搬送装置41における、段ばらし対象位置Pを含む部分と第1下流側区間41Bの一部とが、ローラコンベヤC1を用いて構成されている。
【0046】
図1に示すように、本実施形態では、第2搬送装置42における、少なくとも段積み対象位置Qを含む部分が、ベルトコンベヤC2を用いて構成されている。このような構成とすることで、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分がローラコンベヤC1を用いて構成される場合に比べて、段積み対象位置Qにおける段積み容器群9と第2搬送装置42との間の滑りを少なく抑えやすい。よって、段積み装置1Bにより生成された段積み容器群9の重量が重い場合であっても、段積み容器群9と第2搬送装置42との間の滑りを少なく抑えて、段積み対象位置Qから段積み容器群9を適切に搬出することができる。
【0047】
上述したように、図1に示す例では、第2下流側区間42Bの全域にもベルトコンベヤC2が設けられている。そのため、図1に示す例では、第2搬送装置42における、段積み対象位置Qを含む部分と第2下流側区間42Bの全域とが、ベルトコンベヤC2を用いて構成されている。
【0048】
図1に示すように、本実施形態では、第2搬送方向T2における、段積み対象位置Qの下流側縁(第2搬送方向T2の下流側の縁部)に対応する位置に、第2搬送装置42の搬送面42Sに対して出退するストッパ50が配置されている。上記のように、本実施形態では、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分は、ベルトコンベヤC2を用いて構成されている。そのため、ベルトコンベヤC2が備えるベルト52の上面が、段積み対象位置Qにおける第2搬送装置42の搬送面42Sとなっている(図12参照)。図12に示すようにストッパ50を搬送面42Sに対して上側V1に突出させることで、第2搬送装置42により搬送されてきた容器90を、段積み対象位置Q(図1参照)に適切に停止させることができる。また、図20に示すように、搬送面42Sに対して上側V1に突出しないようにストッパ50を下側V2に退避させることで、段積み容器群9を段積み対象位置Q(図1参照)から第2搬送装置42によって適切に搬出することができる。
【0049】
本実施形態では、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分を構成するベルトコンベヤC2は、一対のベルト52を備えた2条ベルトコンベヤとされている。そして、図1に示す例では、ストッパ50が、上下方向視でこれら一対のベルト52の間に配置されている。なお、後に参照する図12図20に示す例のように、ストッパ50が、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分を構成するベルトコンベヤC2に対して第2搬送方向T2の下流側に隣接して配置される構成とすることもできる。
【0050】
次に、段ばらし装置1A及び段積み装置1Bの構成について説明する。本実施形態では、段ばらし装置1A及び段積み装置1Bは、共通の構成を備えている。すなわち、本実施形態では、1つの容器処理装置1を段ばらし装置1Aとして用い、当該容器処理装置1と共通の構成を備える別の1つの容器処理装置1を、段積み装置1Bとして用いている。以下では、段ばらし装置1A及び段積み装置1Bに共通の構成について述べる場合には、これらを区別せずに容器処理装置1として説明する。
【0051】
容器処理装置1は、複数の容器90を順次積み重ねて段積み容器群9を生成する段積み処理と、複数の容器90が積み重ねられてなる段積み容器群9から容器90を順次分離する段ばらし処理と、の少なくとも一方を実行する装置である。本実施形態では、1つの容器処理装置1は、段積み処理と段ばらし処理との一方のみを実行する。具体的には、段ばらし装置1Aとして用いられる容器処理装置1は、段ばらし処理のみを実行し、段積み装置1Bとして用いられる容器処理装置1は、段積み処理のみを実行する。
【0052】
図2図4に示すように、容器処理装置1は、搬送装置40と、第1昇降装置10と、第2昇降装置20と、を備えている。図4では、搬送装置40を省略している。容器処理装置1は、更に、これらの搬送装置40、第1昇降装置10、及び第2昇降装置20を支持する支持体30を備えている。図2図4に示す例では、支持体30は、枠材を連結して形成されている。
【0053】
搬送装置40は、載置面40Sに載置された容器90を上下方向Vに交差する搬送方向Tに沿って搬送する装置である。載置面40Sよりも上側V1に、段積み容器群9の配置領域である容器群配置領域Aが設定されている。搬送装置40の搬送作動は、容器処理装置1に設けられた制御部(図示せず)によって制御される。
【0054】
図2図4に示す容器処理装置1は、段ばらし装置1Aとして用いられる容器処理装置1である。そのため、第1搬送装置41における段ばらし対象位置P(図1参照)を含む部分が、段ばらし装置1Aが備える搬送装置40を構成している。そして、搬送装置40による容器90の搬送方向Tは、第1搬送方向T1と一致している。本実施形態では、第1搬送装置41における段ばらし対象位置Pを含む部分を構成するローラコンベヤC1が、段ばらし装置1Aが備える搬送装置40を構成しており、当該ローラコンベヤC1の搬送面が、搬送装置40の載置面40Sとなっている(図5及び図6参照)。
【0055】
一方、図12図20に示すように、段積み装置1Bとして用いられる容器処理装置1では、第2搬送装置42における段積み対象位置Q(図1参照)を含む部分が、段積み装置1Bが備える搬送装置40を構成している。そして、搬送装置40による容器90の搬送方向Tは、第2搬送方向T2と一致している。本実施形態では、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分を構成するベルトコンベヤC2が、段積み装置1Bが備える搬送装置40を構成しており、当該ベルトコンベヤC2の搬送面42Sが、搬送装置40の載置面40Sとなっている。
【0056】
第1昇降装置10は、段積み容器群9の保持及び昇降を行う装置である。すなわち、第1昇降装置10は、段積みされた複数の容器90をまとめて保持して昇降させることができる。第1昇降装置10は、載置面40Sよりも上側V1において容器90の保持及び昇降を行うように配置されている。図2図4に示すように、第1昇降装置10は、容器群配置領域Aを挟んで対向するように配置された一対の第1係止ユニット11と、一対の第1係止ユニット11を駆動する第1駆動ユニットM1(本実施形態では、電動モータ)と、を備えている。第1駆動ユニットM1による一対の第1係止ユニット11の駆動は、容器処理装置1に設けられた制御部(図示せず)によって制御される。
【0057】
図2及び図4に示すように、本実施形態では、第1駆動ユニットM1は、一対の第1係止ユニット11のそれぞれに各別に設けられており、一対の第1駆動ユニットM1によって一対の第1係止ユニット11を駆動する。なお、一対の第1駆動ユニットM1の間で、第1係止ユニット11の駆動態様に差異はなく、一対の第1駆動ユニットM1による一対の第1係止ユニット11の駆動態様は、一対の第1係止ユニット11を駆動する共通の第1駆動ユニットM1が設けられる場合と変わりはない。そのため、以下では、これら一対の第1駆動ユニットM1を1つの第1駆動ユニットM1とみなして説明する。
【0058】
第2昇降装置20は、段積み容器群9の最下段の容器90の保持及び昇降を行う装置である。すなわち、第2昇降装置20は、1つの容器90(具体的には、段積み容器群9の最下段の容器90)を保持して昇降させることができる。第2昇降装置20は、載置面40Sよりも上側V1において容器90の保持及び昇降を行うように配置されている。図2図4に示すように、第2昇降装置20は、容器群配置領域Aを挟んで対向するように配置された一対の第2係止ユニット21と、一対の第2係止ユニット21を駆動する第2駆動ユニットM2(本実施形態では、電動モータ)と、を備えている。第2駆動ユニットM2による一対の第2係止ユニット21の駆動は、容器処理装置1に設けられた制御部(図示せず)によって制御される。
【0059】
図2及び図4に示すように、本実施形態では、第2駆動ユニットM2は、一対の第2係止ユニット21のそれぞれに各別に設けられており、一対の第2駆動ユニットM2によって一対の第2係止ユニット21を駆動する。なお、一対の第2駆動ユニットM2の間で、第2係止ユニット21の駆動態様に差異はなく、一対の第2駆動ユニットM2による一対の第2係止ユニット21の駆動態様は、一対の第2係止ユニット21を駆動する共通の第2駆動ユニットM2が設けられる場合と変わりはない。そのため、以下では、これら一対の第2駆動ユニットM2を1つの第2駆動ユニットM2とみなして説明する。
【0060】
ここで、図2及び図4に示すように、一対の第1係止ユニット11が対向する方向を第1対向方向D1とし、一対の第2係止ユニット21が対向する方向を第2対向方向D2とする。本実施形態では、第1対向方向D1と第2対向方向D2とが平行状(平行或いは実質的に平行)に配置されている。また、本実施形態では、搬送方向Tは、上下方向視で第1対向方向D1と直交する方向である(図4参照)。図1及び図4に示すように、容器処理装置1は、第1対向方向D1及び第2対向方向D2が第1水平方向H1に沿い、且つ、搬送方向Tが第2水平方向H2に沿う向きで設置されている。
【0061】
図2図4に示すように、本実施形態では、第1昇降装置10は、一対の第1係止ユニット11を、第1対向方向D1に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる第3駆動ユニットM3(本実施形態では、電動モータ)を更に備えている。第3駆動ユニットM3による一対の第1係止ユニット11の接近離間動作は、容器処理装置1に設けられた制御部(図示せず)によって制御される。
【0062】
図2及び図4に示すように、本実施形態では、第3駆動ユニットM3は、一対の第1係止ユニット11のそれぞれに各別に設けられており、一対の第3駆動ユニットM3によって一対の第1係止ユニット11の双方を第1対向方向D1に移動させることで、一対の第1係止ユニット11を第1対向方向D1に沿って互いに接近及び離間させる。なお、一対の第3駆動ユニットM3の間で、第1係止ユニット11を第1対向方向D1に移動させる駆動態様に差異はなく、一対の第3駆動ユニットM3による一対の第1係止ユニット11の駆動態様は、一対の第1係止ユニット11を接近離間動作させる共通の第3駆動ユニットM3が設けられる場合と変わりはない。そのため、以下では、これら一対の第3駆動ユニットM3を1つの第3駆動ユニットM3とみなして説明する。
【0063】
本実施形態では、第3駆動ユニットM3は、一対の第1係止ユニット11を第1対向方向D1に沿って互いに接近させながら一対の第1係止ユニット11を上側V1へ移動させるように構成されている。具体的には、図2図4に示すように、一対の第1係止ユニット11のそれぞれは、連結機構31(ここでは、リンク機構)を介して支持体30に連結されており、第3駆動ユニットM3は、この連結機構31を介して、一対の第1係止ユニット11を第1対向方向D1に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる。そして、連結機構31は、一対の第1係止ユニット11が第1対向方向D1に沿って互いに接近するのに伴い、一対の第1係止ユニット11が上側V1に移動し、一対の第1係止ユニット11が第1対向方向D1に沿って互いに離間するのに伴い、一対の第1係止ユニット11が下側V2に移動するように、一対の第1係止ユニット11のそれぞれを支持体30に連結している。
【0064】
図2図4に示すように、第1係止ユニット11は、上下方向Vに離間して配置された一対の第1回転体12に掛け渡された第1無端状部材13と、第1無端状部材13の延在方向に沿って一定間隔で第1無端状部材13の外周部に固定された複数の第1係止部14と、を備えている。例えば、第1回転体12として歯付きプーリを用い、第1無端状部材13として歯付きベルトを用いることができる。図3及び図4に示すように、本実施形態では、一対の第1係止ユニット11のそれぞれは、一対の第1回転体12及びこれらに掛け渡された第1無端状部材13を含む第1回転ユニットを、2つ備えている。これら2つの第1回転ユニットは、それぞれの第1無端状部材13が互いに同期して回転(循環移動)するように構成されている。本実施形態では、これら2つの第1回転ユニットは、搬送方向Tに間隔を空けて配置されている。
【0065】
第1駆動ユニットM1は、一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を互いに同期させて回転駆動(循環駆動)するように構成されている。すなわち、第1駆動ユニットM1は、一対の第1係止ユニット11の一方が備える第1無端状部材13(本実施形態では、2つの第1回転ユニットのそれぞれの第1無端状部材13)と、一対の第1係止ユニット11の他方が備える第1無端状部材13(本実施形態では、2つの第1回転ユニットのそれぞれの第1無端状部材13)とを、互いに同期させて回転駆動する。
【0066】
ここで、上下方向Vに離間して配置された一対の第1回転体12のうち、上側V1に配置された方を上側第1回転体12Aとし、下側V2に配置された方を下側第1回転体12Bとする。本実施形態では、第1駆動ユニットM1は、上側第1回転体12Aを回転駆動するように構成されている。すなわち、本実施形態では、上側第1回転体12Aは駆動回転体であり、下側第1回転体12Bは従動回転体である。
【0067】
図9等に示すように、一対の第1係止ユニット11のそれぞれは、複数の第1係止部14が容器群配置領域Aに面して上下方向Vに並んだ状態で、それぞれの第1係止部14が容器群配置領域Aに配置された段積み容器群9を構成する複数の容器90のそれぞれの側面S(図5及び図6参照)に係止される位置関係となるように配置される。これにより、第1昇降装置10によって、段積み容器群9を構成する複数の容器90をまとめて保持及び昇降させることが可能となっている。なお、容器90は、一対の第1係止ユニット11のうちの、一方の第1係止ユニット11が備える第1無端状部材13に固定された第1係止部14と、他方の第1係止ユニット11が備える第1無端状部材13に固定された第1係止部14とによって、第1対向方向D1の両側から保持される。後に図9及び図10を参照して説明するように、第1係止ユニット11は、第1係止部14が第1無端状部材13の回転に伴って下降する(容器群配置領域Aにおいて下降する)場合に、最下段の容器90が載置面40Sに載置されるよりも前に、当該最下段の容器90の側面Sへの係止(第1係止部14の係止)が解除されるように設けられている。
【0068】
図2図4に示すように、第2係止ユニット21は、上下方向Vに離間して配置された一対の第2回転体22に掛け渡された第2無端状部材23と、第2無端状部材23の外周部に固定された第2係止部24と、を備えている。第2係止部24は第2無端状部材23の外周部に1つのみ固定されていてもよいが、本実施形態では、複数(具体的には、2つ)の第2係止部24が、第2無端状部材23の延在方向に沿って一定間隔で第2無端状部材23の外周部に固定されている。例えば、第2回転体22として歯付きプーリを用い、第2無端状部材23として歯付きベルトを用いることができる。図3及び図4に示すように、本実施形態では、一対の第2係止ユニット21のそれぞれは、一対の第2回転体22及びこれらに掛け渡された第2無端状部材23を含む第2回転ユニットを、2つ備えている。これら2つの第2回転ユニットは、それぞれの第2無端状部材23が互いに同期して回転(循環移動)するように構成されている。本実施形態では、これら2つの第2回転ユニットは、搬送方向Tに間隔を空けて配置されている。
【0069】
第2駆動ユニットM2は、一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を互いに同期させて回転駆動(循環駆動)するように構成されている。すなわち、第2駆動ユニットM2は、一対の第2係止ユニット21の一方が備える第2無端状部材23(本実施形態では、2つの第2回転ユニットのそれぞれの第2無端状部材23)と、一対の第2係止ユニット21の他方が備える第2無端状部材23(本実施形態では、2つの第2回転ユニットのそれぞれの第2無端状部材23)とを、互いに同期させて回転駆動する。
【0070】
ここで、上下方向Vに離間して配置された一対の第2回転体22のうち、上側V1に配置された方を上側第2回転体22Aとし、下側V2に配置された方を下側第2回転体22Bとする。本実施形態では、第2駆動ユニットM2は、上側第2回転体22Aを回転駆動するように構成されている。すなわち、本実施形態では、上側第2回転体22Aは駆動回転体であり、下側第2回転体22Bは従動回転体である。
【0071】
図2及び図3に示すように、本実施形態では、下側第2回転体22Bは、下側第1回転体12Bよりも下側V2に配置されている。ここで、下側第2回転体22Bが、下側第1回転体12Bよりも下側V2に配置されるとは、下側第2回転体22Bの少なくとも最下部が、下側第1回転体12Bの最下部よりも下側V2に配置されることを意味する。本実施形態では、下側第2回転体22Bの全体が、下側第1回転体12Bの最下部よりも下側V2に配置されている。
【0072】
図16等に示すように、一対の第2係止ユニット21のそれぞれは、第2係止部24が容器群配置領域Aに面して配置された状態で、容器群配置領域Aに配置された段積み容器群9の最下段の容器90の側面S(図5及び図6参照)に係止される位置関係となるように配置される。これにより、第2昇降装置20によって、段積み容器群9の最下段の容器90のみを保持及び昇降させることが可能となっている。なお、容器90は、一対の第2係止ユニット21のうちの、一方の第2係止ユニット21が備える第2無端状部材23に固定された第2係止部24と、他方の第2係止ユニット21が備える第2無端状部材23に固定された第2係止部24とによって、第2対向方向D2の両側から保持される。後に図9及び図10を参照して説明するように、第2係止ユニット21は、第2係止部24が第2無端状部材23の回転に伴って下降する(容器群配置領域Aにおいて下降する)場合に、最下段の容器90が載置面40Sに載置されるのと同時期に、当該最下段の容器90の側面Sへの係止(第2係止部24の係止)が解除されるように設けられている。なお、「同時期」とは、必ずしも厳密に同時である必要はなく、ある程度の幅(例えば、同時といえる程度の幅)を持った時期を意味する。
【0073】
上述したように、この容器処理装置1では、第1昇降装置10によって、段積み容器群9を構成する複数の容器90をまとめて保持及び昇降させることができ、第2昇降装置20によって、段積み容器群9の最下段の容器90のみを保持及び昇降させることができる。そして、この容器処理装置1では、第1駆動ユニットM1と第2駆動ユニットM2とが、互いに独立に動作するように構成されている。そのため、第1昇降装置10の一対の第1係止ユニット11と、第2昇降装置20の一対の第2係止ユニット21とを、互いに独立して動作させることができる。これにより、後に説明する段ばらし処理や段積み処理において、段積み容器群9と搬送装置40との間での最下段の容器90の移動を、第2昇降装置20によって円滑に行うことが可能となっている。
【0074】
図5及び図6に示すように、容器90の側面Sには、第1係止部14が係止される第1被係止部91と、第2係止部24が係止される第2被係止部92とが形成されている。本実施形態では、容器90の側面Sに、側面Sから外方に突出する突起部(リブ)が水平方向Hに延びるように形成されており、この突起部によって第1被係止部91及び第2被係止部92が形成されている。言い換えれば、容器90の側面Sに形成されている突起部を、第1被係止部91及び第2被係止部92として利用している。第1係止部14の第1被係止部91への係止位置を図5において二点鎖線で示すように、第1係止部14は、第1被係止部91の下面に係止される。同様に、第2係止部24の第2被係止部92への係止位置を図5において二点鎖線で示すように、第2係止部24は、第2被係止部92の下面に係止される。
【0075】
図5に示すように、本実施形態では、第1係止ユニット11が備える2つの第1回転ユニットのうちの、一方の第1回転ユニットの第1無端状部材13に固定された第1係止部14と、他方の第1回転ユニットの第1無端状部材13に固定された第1係止部14とが、水平方向H(ここでは、第2水平方向H2)の異なる位置において容器90の側面Sに係止される。同様に、本実施形態では、第2係止ユニット21が備える2つの第2回転ユニットのうちの、一方の第2回転ユニットの第2無端状部材23に固定された第2係止部24と、他方の第2回転ユニットの第2無端状部材23に固定された第2係止部24とが、水平方向H(ここでは、第2水平方向H2)の異なる位置において容器90の側面Sに係止される。
【0076】
ここで、第1係止部14が係止される容器90の側面Sを第1対象側面S1とし、第2係止部24が係止される容器90の側面Sを第2対象側面S2とする。容器90が備える4つの側面Sのうちの、第1対向方向D1の両側を向く2つの側面Sが、第1対象側面S1である。また、容器90が備える4つの側面Sのうちの、第2対向方向D2の両側を向く2つの側面Sが、第2対象側面S2である。本実施形態では、第1対向方向D1と第2対向方向D2とが平行状に配置されている。そのため、図6に示すように、第1対象側面S1と第2対象側面S2とは共通の側面Sとされている。図5に示すように、本実施形態では、第1対象側面S1及び第2対象側面S2のいずれでもある側面Sにおいて、水平方向H(ここでは、第2水平方向H2)における2つの第1被係止部91の間に、2つの第2被係止部92が配置されている。
【0077】
図3に示すように、本実施形態では、第1回転体12の回転軸心である第1回転軸心X1は、第2水平方向H2に沿うように配置されている。また、本実施形態では、第2回転体22の回転軸心である第2回転軸心X2は、第2水平方向H2に沿うように配置されている。そして、図5に示すように、本実施形態では、第1対象側面S1及び第2対象側面S2は、第1水平方向H1に直交する面である。よって、本実施形態では、一対の第1回転体12の回転軸心(第1回転軸心X1)は、水平方向Hに沿うと共に第1対象側面S1に平行な方向に沿うように配置されている。これにより、第1無端状部材13を回転させることで、第1係止部14の第1被係止部91への係止及び係止解除を行うことが可能となっている。また、本実施形態では、一対の第2回転体22の回転軸心(第2回転軸心X2)は、水平方向Hに沿うと共に第2対象側面S2に平行な方向に沿うように配置されている。これにより、第2無端状部材23を回転させることで、第2係止部24の第2被係止部92への係止及び係止解除を行うことが可能となっている。
【0078】
次に、容器処理装置1(段ばらし装置1A)によって実行される段ばらし処理について、図7図11を参照して説明する。段ばらし装置1Aに設けられた制御部が、以下に述べる各動作を行うように第1駆動ユニットM1、第2駆動ユニットM2、及び第3駆動ユニットM3等の駆動を制御することで、段ばらし処理が実行される。なお、図7図11は、段ばらし処理を実行する場面を時系列的に示しており、図番が大きくなるに従って後の時点での局面を示している。また、図7図11では、理解を容易にするために、容器処理装置1(段ばらし装置1A)の正面図と側面図とを左右に並べて示している。
【0079】
図7に示すように、段ばらし対象となる段積み容器群9が、搬送装置40(第1搬送装置41)の搬送作動によって段ばらし対象位置P(図1参照)に搬入される。段ばらし対象位置Pに搬入された段積み容器群9は、容器群配置領域Aに配置される。本実施形態では、段積み容器群9を段ばらし対象位置Pに搬入する際には、第1係止ユニット11と段積み容器群9とが干渉しないように、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を、第1無端状部材13に固定された第1係止部14が段積み容器群9と干渉しない間隔まで広げる。また、本実施形態では、段積み容器群9を段ばらし対象位置Pに搬入する際には、第2係止ユニット21と段積み容器群9とが干渉しないように、第2無端状部材23の回転位置を第2係止部24が段積み容器群9と干渉しない位置にする。
【0080】
なお、第2昇降装置20が、一対の第2係止ユニット21を、第2対向方向D2に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる第4駆動ユニット(例えば、電動モータ)を備える構成とすることもできる。この場合、一対の第2係止ユニット21の第2対向方向D2の間隔を、第2無端状部材23に固定された第2係止部24が段積み容器群9と干渉しない間隔まで広げることで、第2係止ユニット21と段積み容器群9との干渉を回避するようにしてもよい。
【0081】
図8に示すように、段積み容器群9が容器群配置領域Aに配置された状態で、最下段の容器90以外の全ての容器90(図8に示す例では、下から2段目~7段目の容器90)を第1昇降装置10で保持するように、一対の第1係止ユニット11が駆動される。本実施形態では、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を、第1無端状部材13に固定された第1係止部14が上下方向視で第1被係止部91(図6参照)と重複する間隔まで狭めた後、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させることで、最下段の容器90以外の全ての容器90を第1昇降装置10で保持する。第1無端状部材13の外周部には、複数の第1係止部14が第1無端状部材13の延在方向に沿って一定間隔で固定されており、この間隔は、段積み状態で上下方向Vに隣接する2つの容器90の一方の第1被係止部91と他方の第1被係止部91との上下方向Vの間隔に対応している。そのため、図8に示すように、最下段の容器90以外の容器90のそれぞれの側面Sに、第1係止部14が係止される。
【0082】
一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13は、図8に示すように、下から2段目の容器90が、下から2段目の容器90と最下段の容器90との嵌合が外れ、最下段の容器90を搬送方向T(第1搬送方向T1)に搬出可能となる高さ(以下、「搬出可能高さ」という)に上昇するまで回転される。そして、この状態で、最下段の容器90が搬送方向Tに搬出される(図8における右側の図参照)。
【0083】
なお、本実施形態では、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を狭めることで、一対の第1係止ユニット11が上側V1へ移動するものの、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を狭めることでは、第1係止部14が容器90の第1被係止部91に係止しない場合を想定している。このような構成とは異なり、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を狭めることで、第1係止部14が容器90の第1被係止部91に係止される構成とすることもできる。この場合に、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を狭めることで、下から2段目の容器90が上記の搬出可能高さまで上昇するようにすれば、その後、一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させることなく、最下段の容器90を搬出することができる。
【0084】
最下段の容器90が搬出された後、図9に示すように、新たな最下段の容器90(段ばらし対象位置Pに搬入された時点で、下から2段目の容器90)の第2被係止部92(図6参照)に係止可能な位置に、第2係止部24が配置されるように、一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させる。また、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて下降する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させて、新たな最下段の容器90(以下、単に、最下段の容器90という)を、当該容器90の第2被係止部92に第2係止部24が係止される高さ(図14における容器90の高さと同じ高さ)まで下降させる。これにより、第1係止部14が第1被係止部91に係止されている最下段の容器90の第2被係止部92に、第2係止部24が係止される。
【0085】
その後、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて下降する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させると共に、第2係止部24が容器群配置領域Aにおいて下降する方向に一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させることで、図10に示すように、第1係止部14の第1被係止部91への係止が解除された最下段の容器90を、第2昇降装置20で保持しながら下降させて載置面40Sに下ろすことができる。下側第2回転体22Bは、下側第1回転体12Bよりも下側V2に配置されているため、第1昇降装置10による容器90の保持が可能な下限位置よりも下側V2の上下方向Vの領域において、容器90を第2昇降装置20によって昇降させることができる。よって、第1係止部14の第1被係止部91への係止が解除された後も、最下段の容器90を第2昇降装置20で保持しながら下降させることができる。本実施形態では、最下段の容器90が載置面40Sに下ろされるまでの間、第2係止部24が第2被係止部92に係止された状態が維持され、最下段の容器90の重量が載置面40Sに支持されるのに伴い、第2係止部24の第2被係止部92への係止が解除される。
【0086】
このように、第1係止ユニット11は、第1係止部14が第1無端状部材13の回転に伴って下降する場合に、最下段の容器90が載置面40Sに載置されるよりも前に、当該最下段の容器90の側面Sへの係止(第1係止部14の係止)が解除されるように設けられている。また、第2係止ユニット21は、第2係止部24が第2無端状部材23の回転に伴って下降する場合に、最下段の容器90が載置面40Sに載置されるのと同時期に、当該最下段の容器90の側面Sへの係止(第2係止部24の係止)が解除されるように設けられている。このように、最下段の容器90が載置面40Sに載置されるよりも前に、当該最下段の容器90の側面Sへの第1係止部14の係止が解除されるため、最下段の容器90を、第1昇降装置10に保持されている他の容器90の群から下側V2に分離させて載置面40Sに下ろすことが可能となっている。
【0087】
最下段の容器90が載置面40Sに下ろされた後、図11に示すように、第2係止部24が最下段の容器90と干渉しない位置に配置されるまで、一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させることで、最下段の容器90を搬出することができる(図11における右側の図参照)。図9図11の動作を繰り返し行うことで、最下段の容器90を順次分離して搬出することができる。
【0088】
次に、容器処理装置1(段積み装置1B)によって実行される段積み処理について、図12図20を参照して説明する。段積み装置1Bに設けられた制御部が、以下に述べる各動作を行うように第1駆動ユニットM1、第2駆動ユニットM2、及び第3駆動ユニットM3等の駆動を制御することで、段積み処理が実行される。なお、図12図20は、段積み処理を実行する場面を時系列的に示しており、図番が大きくなるに従って後の時点での局面を示している。また、図12図20では、理解を容易にするために、容器処理装置1(段積み装置1B)の正面図と側面図とを左右に並べて示している。
【0089】
図12に示すように、段積み対象となる容器90は、搬送装置40(第2搬送装置42)の搬送作動によって段積み対象位置Q(図1参照)に搬入される。容器90を段積み対象位置Qに搬入する際には、第1係止ユニット11と容器90とが干渉しないように、第1無端状部材13の回転位置を第1係止部14が容器90と干渉しない位置にすると共に、第2係止ユニット21と容器90とが干渉しないように、第2無端状部材23の回転位置を第2係止部24が容器90と干渉しない位置にする。また、容器90を段積み対象位置Qに搬入する際には、ストッパ50を載置面40S(搬送面42S)に対して上側V1に突出させる。
【0090】
図13に示すように、載置面40Sに載置されている容器90を第2昇降装置20によって上昇させるように、一対の第2係止ユニット21が駆動される。具体的には、第2係止部24が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させることで、載置面40Sに載置されている容器90を第2昇降装置20で保持して上昇させる。容器90は、当該容器90の第2被係止部92に第2係止部24が係止された状態で、第2昇降装置20に保持される。一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23は、容器90が、当該容器90を第1昇降装置10で保持可能な高さ(言い換えれば、当該容器90の第1被係止部91に第1係止部14を係止させることが可能な高さ)に上昇するまで回転される。
【0091】
一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23が、容器90が上記のような高さに上昇するまで回転されるため、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させることで、図14に示すように、第2係止部24が第2被係止部92に係止されている容器90の第1被係止部91に、第1係止部14を係止させて、当該容器90を第1昇降装置10で保持することができる。その後、図15に示すように、第1昇降装置10に保持されている容器90が、段積み対象となる新たな容器90を搬入可能な高さに上昇するまで、一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させると共に、第2係止部24が当該新たな容器90と干渉しない位置に配置されるまで、一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させる。この状態で、段積み対象となる新たな容器90が搬入される。なお、段積み対象となる新たな容器90は、第1昇降装置10に保持されている容器90或いは段積み容器群9に最下段の容器90として追加されるため、以下では、段積み対象となる新たな容器90を、最下段の容器90という。
【0092】
図16に示すように、第2係止部24が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させて、載置面40Sに載置されている最下段の容器90を、当該最下段の容器90の上部の開口に第1昇降装置10に保持されている容器90の底部が嵌合する高さまで上昇させる。その後、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させると共に、第2係止部24が容器群配置領域Aにおいて上昇する方向に一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させることで、図17に示すように、第2係止部24が第2被係止部92に係止されている最下段の容器90の第1被係止部91に、第1係止部14を係止させて、当該最下段の容器90を第1昇降装置10で保持することができる。その後、図示は省略するが、第1昇降装置10で保持している段積み容器群9が、段積み対象となる新たな容器90を搬入可能な高さに上昇するまで、一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させると共に、第2係止部24が当該新たな容器90と干渉しない位置に配置されるまで、一対の第2係止ユニット21に係る一対の第2無端状部材23を回転させる。
【0093】
以上のような動作を繰り返し行うことで、段積み対象となる容器90を、第1昇降装置10に保持されている段積み容器群9に最下段の容器90として順次追加することができる。そして、図18に示すように、段積み対象となる最後の容器90が搬入された場合には、以下のようして段積み処理を完了させる。
【0094】
図18に示すように段積み対象となる最後の容器90が搬入された後、本実施形態では、図19に示すように、第1昇降装置10によって保持されている段積み容器群9の最下段の容器90の底部が、当該最後の容器90の上部の開口に嵌合するまで、第1係止部14が容器群配置領域Aにおいて下降する方向に一対の第1係止ユニット11に係る一対の第1無端状部材13を回転させ、その後、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を、第1無端状部材13に固定された第1係止部14が段積み容器群9と干渉しない間隔まで広げる。そして、図20に示すように、載置面40S(搬送面42S)に対して上側V1に突出しないようにストッパ50を下側V2に退避させた後、搬送装置40(第2搬送装置42)の搬送作動によって、段積み処理によって生成された段積み容器群9を段積み対象位置Q(図1参照)から搬出する。
【0095】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1昇降装置10が、一対の第1係止ユニット11を、第1対向方向D1に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる第3駆動ユニットM3を備え、第3駆動ユニットM3が、一対の第1係止ユニット11を第1対向方向D1に沿って互いに接近させながら一対の第1係止ユニット11を上側V1へ移動させる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第3駆動ユニットM3が、一対の第1係止ユニット11を、これらの上下方向Vの位置を維持しつつ、第1対向方向D1に沿って互いに接近及び離間させる構成とすることもできる。なお、一対の第1係止ユニット11の第1対向方向D1の間隔を広げなくても、一対の第1係止ユニット11の間への段積み容器群9の搬入や、一対の第1係止ユニット11の間からの段積み容器群9の搬出を適切に行える場合には、第1昇降装置10が第3駆動ユニットM3を備えない構成とすることもできる。
【0096】
(2)上記の実施形態では、第1対向方向D1と第2対向方向D2とが平行状に配置され、搬送方向Tが、上下方向視で第1対向方向D1と直交する方向である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、一対の第1係止ユニット11を搬送装置40による容器90の搬送経路から退避させるための第1退避機構が設けられる場合に、第1対向方向D1と搬送方向Tとが平行状に配置され、搬送方向Tが、上下方向視で第2対向方向D2と直交する方向である構成とすることができる。また、例えば、一対の第2係止ユニット21を搬送装置40による容器90の搬送経路から退避させるための第2退避機構が設けられる場合に、第2対向方向D2と搬送方向Tとが平行状に配置され、搬送方向Tが、上下方向視で第1対向方向D1と直交する方向である構成とすることができる。また、例えば、上記の第1退避機構及び第2退避機構の双方が設けられる場合に、第1対向方向D1と第2対向方向D2と搬送方向Tとが平行状に配置される構成とすることもできる。
【0097】
(3)上記の実施形態では、搬入部2と搬出部3との走行方向Rの間隔が、搬入部2へ段積み容器群9を引き渡し中の搬送車60と、搬出部3から段積み容器群9を受け取り中の搬送車60とが、走行方向Rに並んで互いに干渉することなく配置できるように設定される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、搬入部2と搬出部3との走行方向Rの間隔が、上記のように2台の搬送車60を配置できない間隔(言い換えれば、上記のように2台の搬送車60を配置できる間隔よりも狭い間隔)に設定される構成とすることもできる。
【0098】
(4)上記の実施形態では、第1上流側区間41Aが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できると共に、段ばらし装置1Aによる段ばらし処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1上流側区間41Aが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できるものの、段ばらし装置1Aによる段ばらし処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができない構成とすることもできる。また、第1上流側区間41Aが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できず、第1上流側区間41Aに段積み容器群9を1つのみ配置可能な構成とすることもできる。
【0099】
(5)上記の実施形態では、第2下流側区間42Bが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できると共に、段積み装置1Bによる段積み処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2下流側区間42Bが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できるものの、段積み装置1Bによる段積み処理に影響を与えずに段積み容器群9の搬送及び停止を行うことができない構成とすることもできる。また、第2下流側区間42Bが、その搬送方向に沿って複数の段積み容器群9を並べて配置できず、第2下流側区間42Bに段積み容器群9を1つのみ配置可能な構成とすることもできる。
【0100】
(6)上記の実施形態では、第1搬送装置41における、少なくとも段ばらし対象位置Pを含む部分が、ローラコンベヤC1を用いて構成され、第2搬送装置42における、少なくとも段積み対象位置Qを含む部分が、ベルトコンベヤC2を用いて構成される場合を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1搬送装置41における段ばらし対象位置Pを含む部分が、ローラコンベヤC1とは別の種類のコンベヤ(例えば、ベルトコンベヤC2)を用いて構成されてもよい。また、第2搬送装置42における段積み対象位置Qを含む部分が、ベルトコンベヤC2とは別の種類のコンベヤ(例えば、ローラコンベヤC1)を用いて構成されてもよい。
【0101】
(7)上記の実施形態では、第2搬送方向T2における段積み対象位置Qの下流側縁に対応する位置に、ストッパ50が配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2搬送方向T2における段積み対象位置Qの下流側縁に対応する位置に、ストッパ50が配置されない構成とすることもできる。
【0102】
(8)上記の実施形態では、第2搬送装置42の搬送経路上における作業ステーション80と段積み装置1Bとの間に秤量部7が設けられる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2搬送装置42の搬送経路上における作業ステーション80と段積み装置1Bとの間に秤量部7が設けられない構成とすることもできる。
【0103】
(9)上記の実施形態では、搬入部2と搬出部3との少なくとも一方を対象部4として、対象部4が給電部5を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、搬入部2及び搬出部3のいずれもが給電部5を備えない構成とすることもできる。
【0104】
(10)上記の実施形態では、1つの容器処理装置1が段積み処理と段ばらし処理との一方のみを実行する構成(具体的には、段ばらし装置1Aとして用いられる容器処理装置1が、段ばらし処理のみを実行し、段積み装置1Bとして用いられる容器処理装置1が、段積み処理のみを実行する構成)を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、1つの容器処理装置1が段積み処理と段ばらし処理との双方を実行する構成とすることもできる。この場合、容器処理装置1が段積み処理を実行する状況では、段積み処理の対象となる複数の容器90が当該容器処理装置1に搬入され、容器処理装置1が段ばらし処理を実行する状況では、段ばらし処理の対象となる段積み容器群9が当該容器処理装置1に搬入されるように、容器処理設備100における容器90及び段積み容器群9の搬送経路が設定される。
【0105】
(11)上記の実施形態では、容器処理設備100が、搬入部2と搬出部3とを各別に備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、容器処理設備100が、その時々の容器処理設備100の状態に応じて搬入部2及び搬出部3のいずれとしても用いられる搬入出部を備える構成とすることもできる。
【0106】
(12)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0107】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した容器処理装置の概要について説明する。
【0108】
複数の容器を順次積み重ねて段積み容器群を生成する段積み処理と、複数の前記容器が積み重ねられてなる前記段積み容器群から前記容器を順次分離する段ばらし処理と、の少なくとも一方を実行する容器処理装置であって、載置面に載置された前記容器を上下方向に交差する搬送方向に沿って搬送する搬送装置と、前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の保持及び昇降を行う第1昇降装置と、前記載置面よりも上側において前記容器の保持及び昇降を行うように配置され、前記段積み容器群の最下段の前記容器の保持及び昇降を行う第2昇降装置と、を備え、前記載置面よりも上側に、前記段積み容器群の配置領域である容器群配置領域が設定され、前記第1昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第1係止ユニットと、一対の前記第1係止ユニットを駆動する第1駆動ユニットと、を備え、前記第1係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第1回転体に掛け渡された第1無端状部材と、前記第1無端状部材の延在方向に沿って一定間隔で前記第1無端状部材の外周部に固定された複数の第1係止部と、を備え、前記第1駆動ユニットは、一対の前記第1係止ユニットに係る一対の前記第1無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、前記第2昇降装置は、前記容器群配置領域を挟んで対向するように配置された一対の第2係止ユニットと、一対の前記第2係止ユニットを駆動する第2駆動ユニットと、を備え、前記第2係止ユニットは、前記上下方向に離間して配置された一対の第2回転体に掛け渡された第2無端状部材と、前記第2無端状部材の外周部に固定された第2係止部と、を備え、前記第2駆動ユニットは、一対の前記第2係止ユニットに係る一対の前記第2無端状部材を互いに同期させて回転駆動し、一対の前記第1係止ユニットのそれぞれは、複数の前記第1係止部が前記容器群配置領域に面して前記上下方向に並んだ状態で、それぞれの前記第1係止部が前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群を構成する複数の前記容器のそれぞれの側面に係止される位置関係となるように配置され、一対の前記第2係止ユニットのそれぞれは、前記第2係止部が前記容器群配置領域に面して配置された状態で、前記容器群配置領域に配置された前記段積み容器群の最下段の前記容器の側面に係止される位置関係となるように配置され、前記第1駆動ユニットと前記第2駆動ユニットとが互いに独立に動作するように構成されている。
【0109】
本構成によれば、第1昇降装置によって、段積み容器群を構成する複数の容器をまとめて保持及び昇降させることができ、第2昇降装置によって、段積み容器群の最下段の容器のみを保持及び昇降させることができる。そして、本構成によれば、第1駆動ユニットと第2駆動ユニットとが互いに独立に動作するように構成されているため、第1昇降装置の一対の第1係止ユニットと第2昇降装置の一対の第2係止ユニットとを、互いに独立して動作させることができる。そのため、第1昇降装置によって搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群の最下段の容器を、載置面に下ろす場合(すなわち、段ばらし処理を行う場合)や、第1昇降装置によって搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群に、載置面に載置されている容器を最下段の容器として追加する場合(すなわち、段積み処理を行う場合)に、段積み容器群と搬送装置との間での最下段の容器の移動を、第2昇降装置によって円滑に行うことができる。
【0110】
以上のように、本構成によれば、段積み容器群の最下段の容器を載置支持して昇降する昇降台を設けない場合であっても、段積み処理又は段ばらし処理を実行する場合に、搬送装置よりも上側に保持されている段積み容器群と搬送装置との間での最下段の容器の移動を円滑に行うことが可能となっている。
【0111】
ここで、前記第1係止部が係止される前記容器の側面を第1対象側面とし、前記第2係止部が係止される前記容器の側面を第2対象側面として、一対の前記第1回転体の回転軸心は、水平方向に沿うと共に前記第1対象側面に平行な方向に沿うように配置され、一対の前記第2回転体の回転軸心は、水平方向に沿うと共に前記第2対象側面に平行な方向に沿うように配置されていると好適である。
【0112】
本構成によれば、第1無端状部材の回転に伴う、第1回転体の配設位置における第1係止部の第1回転体の外周面に沿った移動方向を、容器の第1対象側面に対して接近又は離間する方向とすることができる。また、第2無端状部材の回転に伴う、第2回転体の配設位置における第2係止部の第2回転体の外周面に沿った移動方向を、容器の第2対象側面に対して接近又は離間する方向とすることができる。よって、一対の第1係止ユニットの全体の位置を変化させなくても、第1無端状部材を回転させることで、第1対象側面に係止するように第1係止部を移動させたり、第1対象側面に対する係止が解除されるように第1係止部を移動させることができる。また、一対の第2係止ユニットの全体の位置を変化させなくても、第2無端状部材を回転させることで、第2対象側面に係止するように第2係止部を移動させたり、第2対象側面に対する係止が解除されるように第2係止部を移動させることができる。
【0113】
このように、本構成によれば、第1無端状部材を回転させることで、第1係止部の容器の側面への係止及び係止解除を行うことができ、第2無端状部材を回転させることで、第2係止部の容器の側面への係止及び係止解除を行うことができる。よって、複雑な機構を設ける必要なく、第1無端状部材及び第2無端状部材の回転により、第1係止部及び第2係止部の状態を、第1係止部が段積み容器群の最下段の容器の側面に係止した状態から、第2係止部が当該容器の側面に係止した状態、第1係止部及び第2係止部の双方の当該容器の側面に対する係止が解除された状態に順に移行させて、段ばらし処理を適切に行うことができる。また、複雑な機構を設ける必要なく、第1無端状部材及び第2無端状部材の回転により、第1係止部及び第2係止部の状態を、第1係止部及び第2係止部の双方が載置面に載置されている容器の側面に係止していない状態から、第2係止部が当該容器の側面に係止した状態、第1係止部が当該容器の側面に係止した状態に順に移行させて、段積み処理を適切に行うことができる。
【0114】
また、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第1回転体のうち下側に配置された方を下側第1回転体とし、前記上下方向に離間して配置された一対の前記第2回転体のうち下側に配置された方を下側第2回転体として、前記下側第2回転体は、前記下側第1回転体よりも下側に配置されていると好適である。
【0115】
本構成によれば、第1昇降装置による容器の保持が可能な下限位置よりも下側の上下方向の領域において、容器を第2昇降装置によって昇降させることができる。よって、段ばらし処理を行う場合、段積み容器群の最下段の容器に対する第1昇降装置による保持が解除された後は、当該容器を第2昇降装置によって下降させて載置面に下ろすことで、段ばらし処理を適切に行うことができる。また、段積み処理を行う場合、載置面に載置されている容器を第2昇降装置によって上昇させて、第1昇降装置によって保持されている段積み容器群に最下段の容器として追加することで、段積み処理を適切に行うことができる。
【0116】
また、前記第1係止ユニットは、前記第1係止部が前記第1無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の前記容器が前記載置面に載置されるよりも前に、前記容器の側面への係止が解除されるように設けられ、前記第2係止ユニットは、前記第2係止部が前記第2無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の前記容器が前記載置面に載置されるのと同時期に、前記容器の側面への係止が解除されるように設けられていると好適である。
【0117】
本構成によれば、第1係止部が第1無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の容器が載置面に載置されるよりも前に第1係止部の当該最下段の容器の側面への係止が解除されるため、段ばらし処理を行う場合に、最下段の容器を、第1昇降装置に保持されている他の容器群から下側に分離させて載置面に載置することができる。そして、本構成によれば、第2係止部が第2無端状部材の回転に伴って下降する場合に、最下段の容器が載置面に載置されるのと同時期に、容器の側面への係止が解除されるため、第1昇降装置に保持されている他の容器群から下側に分離された最下段の容器を、第2昇降装置で保持しながら載置面或いはその近くまで下ろすことができる。よって、段ばらし処理を円滑に行うことができる。
【0118】
また、本構成によれば、第1係止ユニット及び第2係止ユニットが上記のように設けられるため、段積み処理を行う場合には、載置面に載置されている容器の側面に第2係止部を係止させた後、第1係止部の容器の側面への係止が可能な位置まで当該容器を第2昇降装置により上昇させることで、当該容器を段積み容器群の最下段の容器として第1昇降装置に保持させることができる。よって、段積み処理を円滑に行うことができる。
【0119】
また、一対の前記第1係止ユニットが対向する方向を第1対向方向として、前記第1昇降装置は、一対の前記第1係止ユニットを、前記第1対向方向に沿って互いに接近及び離間させるように動作させる第3駆動ユニットを更に備えていると好適である。
【0120】
本構成によれば、一対の第1係止ユニットを互いに離間させることで、段ばらし処理の対象となる段積み容器群を一対の第1係止ユニットの間に搬入する際に、段積み容器群と第1係止部との干渉を比較的容易に避けることができる。そして、段積み容器群が一対の第1係止ユニットの間に搬入された後に一対の第1係止ユニットを互いに接近させることで、段積み容器群を構成する容器のそれぞれにおける第1対向方向の両側の側面に第1係止部を係止させて、段ばらし処理を適切に開始することができる。また、本構成によれば、段積み処理が終了した後、一対の第1係止ユニットを互いに離間させることで、段積み処理によって生成された段積み容器群を一対の第1係止ユニットの間から搬出する際に、段積み容器群と第1係止部との干渉を比較的容易に避けることができる。
【0121】
上記のように前記第1昇降装置が前記第3駆動ユニットを備える構成において、前記第3駆動ユニットは、一対の前記第1係止ユニットを前記第1対向方向に沿って互いに接近させながら一対の前記第1係止ユニットを上側へ移動させるように構成されていると好適である。
【0122】
本構成によれば、一対の第1係止ユニットを互いに接近させながら段積み容器群(一対の第1係止ユニットの間に配置された段積み容器群、以下同様)を構成する容器のそれぞれの側面に第1係止部を係止させる場合に、一対の第1係止ユニットの斜め上方への移動を利用して、容器の側面における被係止部に対して第1係止部を斜め下方から近づけることができる。また、一対の第1係止ユニットを互いに離間させながら段積み容器群を構成する容器のそれぞれの側面に対する第1係止部の係止を解除する場合に、一対の第1係止ユニットの斜め下方への移動を利用して、容器の側面における被係止部から斜め下方に第1係止部を離間させることができる。よって、容器の側面に対する第1係止部の係止及び係止解除を適切に行いやすい。
【0123】
また、本構成によれば、段ばらし処理の対象となる段積み容器群が一対の第1係止ユニットの間に搬入された後、一対の第1係止ユニットを互いに接近させ、その後、第1無端状部材の回転により第1係止部を上側に移動させて段積み容器群における最下段の容器を除く容器(以下、「対象容器」という)を上昇させることで、当該最下段の容器の分離を行う場合に、一対の第1係止ユニットが互いの接近に伴い上側に移動することを利用して、第1係止部を対象容器の側面における被係止部に近づくように上昇させること、或いは、第1係止部を対象容器の側面に係止させて対象容器を上昇させることができる。よって、第3駆動ユニットが一対の第1係止ユニットをこれらの上下方向の位置を維持しつつ互いに接近させる場合に比べて、上記最下段の容器を一対の第1係止ユニットの間から搬出可能な高さまで対象容器を上昇させるのに要する時間を、短く抑えやすい。
【0124】
上記の各構成の容器処理装置において、一対の前記第1係止ユニットが対向する方向である第1対向方向と、一対の前記第2係止ユニットが対向する方向である第2対向方向とが、平行状に配置され、前記搬送方向は、前記上下方向に沿う上下方向視で、前記第1対向方向と直交する方向であると好適である。
【0125】
本構成によれば、一対の第1係止ユニットや一対の第2係止ユニットを搬送装置による容器の搬送経路から退避させるための複雑な機構を設けなくても、一対の第1係止ユニットや一対の第2係止ユニットと干渉しないように、容器を搬送装置により搬送方向に搬送することができる。
【0126】
本開示に係る容器処理装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0127】
1:容器処理装置
9:段積み容器群
10:第1昇降装置
11:第1係止ユニット
12:第1回転体
12B:下側第1回転体
13:第1無端状部材
14:第1係止部
20:第2昇降装置
21:第2係止ユニット
22:第2回転体
22B:下側第2回転体
23:第2無端状部材
24:第2係止部
40:搬送装置
40S:載置面
90:容器
A:容器群配置領域
D1:第1対向方向
D2:第2対向方向
H:水平方向
M1:第1駆動ユニット
M2:第2駆動ユニット
M3:第3駆動ユニット
S:側面
S1:第1対象側面
S2:第2対象側面
T:搬送方向
V:上下方向
V1:上側
V2:下側
X1:第1回転軸心(第1回転体の回転軸心)
X2:第2回転軸心(第2回転体の回転軸心)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20