(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像ベースの装置追跡
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20240814BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61B6/03 560D
A61B6/03 577
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2021529033
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2019083182
(87)【国際公開番号】W WO2020109604
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-07
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ネイホフ ニールス
(72)【発明者】
【氏名】ファベール アルベルト ラウ
(72)【発明者】
【氏名】ホヘルス ペトルス コルネルス アドリアヌス
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502441(JP,A)
【文献】特表2007-526066(JP,A)
【文献】特表2013-513412(JP,A)
【文献】特開2010-012097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58、8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を要する医療処置中に前記装置を追跡する機器において、
第1の画像データ及び第2の画像データを受信するように構成された入力ユニットであって、前記第1及び第2の画像データの各々は、前記装置の少なくとも一部を含み、前記第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得されている、当該入力ユニットと、
処理ユニットであって、
前記第1の画像データ及び前記第2の画像データを入力するステップと、
入力された前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立するステップと、
前記第1の画像データ内の装置を識別するステップと、
前記第1の画像データで識別された前記装置の第1の識別情報を使用して前記第2の画像データの部分の画像を生成するステップと、
前記生成された画像内の前記装置を更に識別するステップと、
を実行するように構成された当該処理ユニットと、
を有する機器。
【請求項2】
前記第1の画像データは、2DX線画像データを有し、前記第2の画像データは、3D超音波画像データを有する、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記第1の識別情報に基づいて3D空間内の平面を導出するように更に構成される、請求項1又は2に記載の機器。
【請求項4】
前記第1の画像データにおける前記装置の識別は、前記第1の画像データにおいて、前記装置を規定する2つの点の選択を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記生成された画像における前記装置の更なる識別は、前記生成された画像において、前記装置を規定する2つの更なる点の選択を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
前記2つの更なる点は、前記生成された画像内のエピポーラ線上にある、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記第1の識別情報と、前記生成された画像において更に識別される前記装置の第2の識別情報とに基づいて、前記装置の3D位置及び向きを含む装置追跡情報を生成するように更に構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の機器。
【請求項8】
前記処理ユニットは、前記3D位置及び向きに基づいて、前記装置の表現によって前記第2の画像データを強化するように更に構成される、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記装置の前記表現は、前記装置の3Dモデルの仮想投影を有する、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記処理ユニットは、前記装置の前記決定された3D位置及び/又は向きに基づいて、前記第2の画像データからビューを生成するように構成される、請求項7に記載の機器。
【請求項11】
第1又は第2の画像データを取得するように構成された撮像機器と、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の機器であって、前記入力ユニットは、前記取得された第1又は第2の画像データを受信するために前記撮像機器に接続可能である、当該機器と、
を有する撮像システム。
【請求項12】
医用画像データ内の装置を追跡する機器の作動方法であって、前記機器はプロセッサ及びメモリを有し、前記プロセッサが、
a)異なる撮像機器を使用して第1及び第2の画像データを取得するステップであって、前記第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含む、ステップと、
b)前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立するステップと、
c)前記第1の画像データ内の装置を識別するステップと、
d)前記装置の
第1の識別情報を決定するステップと、
e)前記
第1の識別情報に基づいて前記第2の画像データの部分の画像を生成するステップと、
f)前記生成された画像内の前記装置を更に識別するステップと、
を実行する、方法。
【請求項13】
前記第1の識別情報と、前記生成された画像において更に識別される前記装置の第2の識別情報とに基づいて、前記装置の3D位置及び向きを含む装置追跡情報を生成するステップを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の機器の処理ユニットによって実行される場合に、前記機器に請求項12に記載の方法のステップを実行させる命令のセットを有するコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを有するコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
装置を要する医療処置中に前記装置を追跡する機器において、
第1の画像データ及び第2の画像データを受信するように構成された入力ユニットであって、前記第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含み、前記第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得されている、当該入力ユニットと、
処理ユニットであって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立し、
前記第1の画像データ内の装置を識別し、
前記第1の画像データで識別される前記装置の第1の識別情報を使用して前記第2の画像データから画像を生成し、
前記生成された画像内の前記装置を更に識別する、
ように構成された当該処理ユニットと、
を有し、前記第1の画像データにおける前記装置の識別は、前記第1の画像データにおいて、前記装置を規定する2つの点の選択を含む、機器。
【請求項17】
装置を要する医療処置中に前記装置を追跡する機器において、
第1の画像データ及び第2の画像データを受信するように構成された入力ユニットであって、前記第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含み、前記第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得されている、当該入力ユニットと、
処理ユニットであって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立し、
前記第1の画像データ内の装置を識別し、
前記第1の画像データで識別される前記装置の第1の識別情報を使用して前記第2の画像データから画像を生成し、
前記生成された画像内の前記装置を更に識別する、
ように構成された当該処理ユニットと、
を有し、前記生成された画像における前記装置の更なる識別は、前記生成された画像において、前記装置を規定する2つの更なる点の選択を含む、機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を要する医療処置をサポートするための機器、そのような機器を含む撮像システム、医用画像データ内の装置を追跡するための方法、コンピュータプログラム製品、及びそのようなコンピュータプログラム製品を記憶するコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医用撮像システムが、例えば心臓血管系の解剖学的構造の画像を取得するために使用される。これらの画像は、医療処置中、例えば、高度な最小侵襲性治療中、又は手術室若しくはカテーテル検査室(カテ室)における介入中に、臨床医にフィードバックを提供するために使用されてもよい。
【0003】
心臓領域における特定の医学的介入のために、X線透視及び/又は超音波撮像が、使用されてもよい。例えば、3D TEE又はICEのような超音波撮像(又はエコー撮像)は、多くの今後の経カテーテル構造的心臓介入(SHI)のための選択肢のモダリティである。取得された画像は、構造的心疾患(SHD)の患者のための送達及び治療装置及び軟組織生体構造の両方を視覚化するために使用される。
【0004】
しかしながら、既存の介入及び治療装置の大部分は、超音波撮像とは比較的互換性がないので、超音波を使用するそのような装置を撮像することは、しばしば困難である。特に、シャドウイング、反射及び音響アーティファクトのような効果は、装置をある程度不明瞭にし、超音波画像内で装置を認識することを困難にする可能性がある。更に、装置が、超音波撮像の限られた視野(FoV)内に完全にはない場合、装置は、部分的にのみ取り込まれてもよく、画像を適切に解釈し、ガイダンス及び治療のための最適なビューを得ることを困難にする。
【0005】
超音波に加えて、X線透視法は、高い空間的及び時間的分解能が必要とされる場合に、体内の装置を視覚化するために一般に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に医療画像において識別され追跡される装置を要する、医療処置中のガイダンス及び治療のための改善されたサポートを提供することが、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これに対処するために、本発明の第1の態様では、独立請求項1に規定されるような機器が、提供され、更なる例は、従属請求項に組み込まれる。
【0008】
したがって、入力ユニット及び処理ユニットを有する機器が、提供される。入力ユニットは、第1の画像データ及び第2の画像データを受信するように構成され、第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含み、第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得されている。処理ユニットは、第1の画像データと第2の画像データとの間のコレジストレーション(co-registration)を確立し、第1の画像データ内の装置を識別し、第1の画像データ内で識別された装置の識別情報を使用して第2の画像データから画像を生成し、更に、生成された画像内の装置を識別するように構成される。
【0009】
生成された画像を使用して、第2の画像データにおける装置又はその一部の認識又は識別は、特に医療器具又は治療装置のような関心のある装置が、その性質上、比較的低い可視性を有し得る画像データに対して、容易にされ得る。例えば、第2の画像内の識別は、装置がより高い可視性を有しうる第1の画像データ内で装置を識別することによって取得又は確立された、関心のある装置の識別情報を使用して第2の画像データを前処理することによって支援されてもよい。
【0010】
特に、そのような前処理は、そのような識別情報を使用して又は組み込んで、第2の画像データから特定の画像又はビューを生成することを含んでもよい。このようにして生成された画像は、例えば、装置の断面を含んでもよく、装置が比較的正確な形で適切に識別されることを可能にしてもよい。
【0011】
その結果、例えば、装置の3Dロケーション、すなわち、位置及び向きを含む装置追跡情報が、比較的高い精度で確立されうる。
【0012】
特定の例では、そのような情報は、進行中の処置の画像ベースのガイダンスのための最適な超音波ビューを設定する際に使用され得る。
【0013】
第1の画像データは、2D画像データを有してもよく、第2の画像データは、3D画像データを有してもよい。
【0014】
特定の例では、2D画像データは、X線透視画像などの2D X線画像データであってもよい一般に、介入又は治療装置は、X線に対して不透明であり、これは、装置の比較的詳細なフットプリントが、2D投影ビューにおいてではあるが、X線画像において可視であることを意味する。
【0015】
更なる例では、3D画像データは、3D超音波画像データであってもよい。一例では、処理ユニットは、装置識別情報に基づいて3D空間内の平面を導出するように更に構成される。 したがって、例えば、画像平面が、導出されてもよく、この平面は、装置の断面を含むことが知られていてもよい。画像が、この平面内の第2の画像データから生成される場合、生成されたビューは、同様に装置断面を含まなければならない。したがって、生成されたビュー内の装置の更なる識別が、実行されてもよい。
【0016】
好ましくは、コレジストレーションが、第1の画像データと第2の画像データとの間で確立される。したがって、例えば、コレジストレーションは、2D X線画像データと3D超音波画像データとの間で確立される。
【0017】
したがって、X線画像データによって提供される高解像度装置投影情報は、超音波画像データによって提供される粗い3D装置場所及び形状情報と組み合わされてもよい。したがって、例えば、装置の3D位置及び向きは、本明細書で更に説明するように決定されてもよい。
【0018】
一実施形態では、コレジストレーションは、本出願人の先行出願WO2011/070477A1に記載されているように、ライブX線画像及び3D超音波画像のリアルタイム融合を提供するフィリップスのEchoNavigatorツールを使用して確立される。したがって、コレジストレーションを確立することは、2D X線画像内の超音波プローブを検出し、例えば検出された超音波プローブのフットプリントとプローブの3Dモデルとの間の2D-3D位置合わせを使用して、基準座標系内の位置及び向きを推定することを含んでもよい。
【0019】
好ましくは、装置は、最初に第1の画像データにおいて識別される。例えば、装置は、Cアーム撮像機器を有する介入X線システムによってリアルタイムで取得された透視画像のシーケンスのようなX線画像シーケンスのフレーム内で識別される。例えば、Cアームは、X線画像が比較的少量の遠近法で関心装置上に高品質ビューを提供する投影角度で取得される、位置及び向きに運ばれていてもよい。
【0020】
一例では、第1の画像データ内の装置の識別は、手動識別を含む。代替的に、自動又は半自動の装置識別が、提供されてもよい。識別は、第1の画像データにおいて、装置を規定する2つの点の選択を含んでもよい。
【0021】
例えば、選択がX線画像を要する場合、手動又は自動のいずれかで、このように選択又は注釈付けされた点は、X線管の焦点から発生し、選択された点を通過する光線に対応する、3D空間における投影線として表されることができる。2つの点が選択される場合、2つの投影線が得られ、これらは一緒になって、識別された装置を含む3D空間内の平面を規定する。この例では、装置識別情報が、2つの選択された点の場所又は座標を含んでもよい。
【0022】
コレジストレーションがX線画像データと3D超音波画像データとの間で確立される場合、導出された平面は、超音波画像データから超音波画像を生成又はレンダリングするための基礎として使用されてもよい。例えば、2D断面画像が、生成されてもよく、生成された画像は、3D超音波画像データの視野内の装置の少なくとも一部の断面を含む。
【0023】
一例では、生成された画像内の装置の識別は、手動識別を要する。代替的に、自動又は半自動の装置識別が、提供されてもよい。識別は、生成された画像において、装置を規定する2つの更なる点の選択を含んでもよい。
【0024】
更なる例では、更なる点の選択は、更なる点が、生成された画像内のエピポーラ線上に位置するように、制約又は制限される。生成された画像上のエピポーラ線は、X線幾何構成によって規定されるエピポーラ線、換言すれば、X線画像内の装置点の選択で得られる投影線に対応してもよい。
【0025】
したがって、例えば、超音波画像データから生成された画像において、装置の先端又は終点が、十分な精度で決定することが困難であり得るので、生成された画像における装置の識別は、容易化されてもよい。点がエピポーラ線上にある境界条件を設定することによって、そのような点の探索領域又は探索空間が、制限されてもよく、したがって点選択が、単純化されてもよい。
【0026】
一例では、処理ユニットは、第1の識別情報と、生成された画像内で更に識別された装置の第2の識別情報とに基づいて、装置の3D位置及び向きを含む装置追跡情報を生成するように更に構成される。
したがって、例えば、X線画像及びX線画像データとコレジストレーションされた超音波画像データから生成された断面画像の両方において介入又は治療装置を識別することにより、装置の3D位置特定、即ち、3D空間におけるその位置及び向きが、比較的高い精度及び限られた労力で確立されることができる。
【0027】
いくつかの例では、2D画像データ及び/又は3D画像データは、医療処置中に(準)リアルタイムで取得される2D医用画像及び3D医用画像のシーケンスを有してもよい。したがって、これらの画像シーケンスにおいて装置を連続的に識別することによって、3D場所が、連続的に確立され、更新されることができる。言い換えると、3D装置位置及び向きを表す正確な画像ベースの追跡情報が、(準)リアルタイムで利用可能になる。
【0028】
特定の例では、処理ユニットは、装置の決定された3D位置及び向きに基づいて、装置の表現によって第2の画像データを強化するように更に構成される。
【0029】
したがって、超音波画像データから生成又はレンダリングされるビューは、正しい位置及び角度におけるビューに重ね合わされる、関心のある介入又は治療装置のモデルによって強化され得る。超音波画像及びその解釈の理解を改善するのに役立ち得るので、超音波画像において介入又は治療装置の詳細な情報を提示することは、有利であり得る。したがって、そのような画像データに基づく介入又は治療のためのガイダンスが、強化されて、より容易で、より迅速で、より安全な治療を容易化しうる。
【0030】
例えば、装置の3Dモデルが、提供されてもよく、オーバーレイは、3Dモデルの仮想投影を含む。例えば、仮想投影の投影角度は、強化されている超音波ビューの平面に対する装置の向きに対応してもよい。
【0031】
3Dモデルは、例えば、データベースから取得されてもよく、又は3D回転式取得(CBCTスキャン)においてCアーム撮像システムを使用して取得されてもよい。代わりに、モデルは、その中で識別された装置の回転対称性を仮定して、2D X線画像データから直接的に導出されてもよい。
【0032】
したがって、第1の画像データからの装置情報は、3D超音波画像データを増強するのに使用されてもよく、これは、医師による超音波画像の理解及び解釈を改善するのに役立ち得、超音波画像品質の改善に寄与しうる。
【0033】
特定の例では、処理ユニットは、装置の決定された3D位置及び/又は向きに基づいて、第2の画像データからビューを生成するように更に構成される。
【0034】
したがって、第2の画像データから選択されたビューが、生成、レンダリング、又は再構成されてもよい。決定された3D装置情報を使用して、複雑なエコーガイド処置のための多重平面再形成(MPR)ビューなどの適切なビューが、自動的にレンダリングされることができる。すなわち、このように生成されたビューの視線方向は、3D装置情報によって決定されてもよい。
【0035】
オプションとして、生成された超音波ビューは、上記で述べられたように、関心のある装置の表現によって強化されてもよい。
【0036】
レンダリングされたビューは、ユーザ、例えば、心臓介入処置を実行する医師に改善されたガイダンスを提供するために、表示装置に出力されてもよい。
【0037】
代替的に又は追加的に、例えば、装置の断面を有する生成された画像は、その中の更なる装置点をユーザが手動で選択することを可能にするユーザインタフェースと共に提示されてもよい。
【0038】
更なる態様によれば、上記で説明した機器と撮像機器とを有する撮像システムが、提供される。入力ユニットは、取得されている第1又は第2の画像データを受信するために、撮像機器に接続可能である。例えば、入力ユニットは、第1及び第2の画像データのうちの他方を受信するために、異なる撮像システムと更に接続可能である。
【0039】
一例では、撮像システムは、第2の画像データを取得するための超音波プローブを有する超音波撮像システムである。より具体的には、超音波プローブは、3D TEE、3D TTE、又は3D ICEプローブであってもよい。この場合、例えば、装置識別は、前記超音波プローブを使用して取得された超音波画像データと、外部X線撮像システムから受信されたX線画像データとを要する。
【0040】
代替例では、撮像システムは、第1の画像データを取得するためのCアーム撮像機器を有する介入X線システムである。この場合、例えば、装置識別は、前記Cアーム機器を使用して取得されたX線画像データと、外部超音波撮像システムから受信された超音波画像データとを要する。
【0041】
また、撮像システムは、Cアーム撮像機器及び超音波プローブの両方を有する結合されたX線及び超音波撮像システムであることが予見され得る。したがって、第1及び第2の画像データの両方が、同じ撮像システム上で取得されうる。
【0042】
更なる態様では、医用画像データ内の装置を追跡するための方法が、提供され、この方法は、
a)異なる撮像機器を使用して第1及び第2の画像データを取得するステップであって、第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含む、ステップと、
b)第1の画像データと第2の画像データとの間のコレジストレーションを確立するステップと、
c)第1の画像データ内の装置を識別するステップと、
d)装置の識別情報を決定するステップと、
e)識別情報に基づいて第2の撮像データから画像を生成するステップと、
f)生成された画像内の装置を更に識別するステップと、
を有する。
【0043】
特定の実施例では、方法のステップが、繰り返される。したがって、取得される第1及び第2の画像のシーケンスを使用して、装置は、(準)リアルタイムで識別され、位置特定されることができ、例えば患者の体内での装置の正確な画像ベースの追跡を可能にする。
【0044】
更なる態様によれば、上記で説明された機器の処理ユニットによって実行される場合に、機器に上記の方法を実行させる命令のセットを有するコンピュータプログラム製品が、提供される。コンピュータプログラム製品は、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶又は配布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で配布されてもよい。
【0045】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0046】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】医療処置をサポートするための例示的な機器を示す。
【
図2】医用画像データ内の装置を識別するための例示的な方法を示す。
【
図3】3D空間における装置の識別の例をより詳細に示す。
【
図4】装置の更なる識別のための例示的な超音波MPRビューをより詳細に示す。
【
図5】TMVR処置中に取得された異なる例示的な超音波ビューを示す。
【
図6】TTVR処置中に取得された異なる例示的な超音波ビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、本明細書に記載されるような医療処置をサポートするための例示的な機器1を示す。この機器は、第1及び第2の画像データ、例えばCアーム撮像装置7からのX線医用画像データ及び超音波プローブ6からの超音波医用画像データを受信するための入力ユニット2を有する。画像データは、支持体4に横たわっている患者5に対して実行される処置の間に取得されている。処理ユニット3は、本明細書で更に説明される例にしたがって、画像データを処理し、関心のある装置を識別するために提供される。
【0049】
オプションとして、機器は、撮像システム、例えば、超音波プローブ6を更に有する超音波撮像システムの一部である。この場合、例えば、機器は、超音波コンソールとして構成されてもよく、又は超音波コンソールの一部を形成してもよい。代わりに、コンピュータプログラム製品が、超音波コンソールの処理ユニットによって実行されるように提供されてもよい。
【0050】
代わりに、この機器は、Cアーム撮像装置7を更に有するCアーム介入X線撮像システムの一部であってもよい。この場合、例えば、機器は、介入ワークステーションの一部を形成してもよい。代替的に、コンピュータプログラム製品は、介入ワークステーションの処理ユニットによって実行されるように提供されてもよい。
【0051】
一例では、処理ユニット3は、オプションとして関心のある装置のモデル表現で強化される超音波又はX線画像などの生成された画像又はビューを表示装置8に提供してもよい。表示された画像は、医療処置又は介入中に医師にガイダンスを提供してもよい。
【0052】
図2は、医用画像データ内の装置を識別するための例示的な方法を示す。
【0053】
ステップS1において、第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得され、第1及び第2の画像データは、関心のある装置の少なくとも一部を含む。
【0054】
ステップS2において、第1の画像データと第2の画像データとの間のコレジストレーションが、確立されてもよい。
【0055】
ステップS3において、関心のある装置が、第1の画像データにおいて識別される。
【0056】
ステップS4では、関心のある装置の識別情報が、決定され、その中で、識別ステップS3から得られるデータが、使用されてもよい。
【0057】
ステップS5では、画像が、ステップS4で決定された識別情報に基づいて、第2の撮像データから生成される。
【0058】
ステップS6では、関心のある装置が、ステップS5で生成された画像において更に識別される。
【0059】
一実施形態では、ステップS6の後に、本方法は、ステップS1に戻り、本方法のステップは、医療処置の少なくとも一部の継続期間にわたって繰り返される。したがって、第1及び第2の画像のシーケンスが、取得され、装置は、(準)リアルタイムで識別され、位置特定されることができる。これにより、医療処置の少なくとも一部の間の装置場所の画像ベースの追跡が、実現可能になる。
【0060】
この方法は、コンピュータで実施される方法であってもよく、ステップのうちの1つ又は複数は、機器1の処理ユニット3などのコンピュータの処理ユニット上で実行されるプログラムコード又は命令として実施される。
【0061】
図3を参照すると、本明細書で説明されるような機器及び/又は方法において、3D空間において関心のある装置を識別する例が、より詳細に示される。
【0062】
医学的介入又は処置中に使用される装置は、第1の画像データ、ここではCアーム撮像機器を使用して取得され得るX線透視画像10の視野(FoV)内に、及び第2の画像データ、ここでは3D TEE超音波機器を使用して取得され得る超音波画像データ20の視野内に存在する。代替的に、3D TTE又は3D ICEなどの異なる超音波トランスデューサが、取得において使用されてもよい。
【0063】
高い空間解像度を有する装置フットプリント15が、X線画像10において可視であるのに対し、超音波画像データ20は、主に軟組織の生体構造を描写する。
【0064】
X線画像10の座標系は、2つの撮像モダリティ間のコレジストレーションを確立することによって、超音波画像データ20の座標系に関連付けられうる。
【0065】
例えば、コレジストレーションは、ライブX線画像及び3D超音波画像のリアルタイム融合を提供するフィリップスEchoNavigatorツールを使用して確立される。したがって、超音波トランスデューサ、ここでは3D TEEプローブのフットプリント16が、X線画像10内で検出される。検出されたフットプリント16は、2D-3D位置合わせを使用してプローブの3Dモデルに位置合わせされてもよく、3Dモデルの異なる仮想投影、例えばデジタルレンダリングされた放射線写真(DRR)が、検出されたフットプリントとマッチングされる。次いで、X線画像に対するプローブの位置及び向きは、マッチングに基づいて推定されてもよく、それによって、X線座標系と超音波座標系との間の関係が、決定される。
【0066】
言い換えれば、X線画像内の点を通る投影線は、超音波画像データの3D空間内のエピポーラ線に関係付けられる。
【0067】
一例では、装置は、装置フットプリント15上又はそれに隣接する2つの点11、12を選択することによって、X線画像内で識別される。このようにして、X線画像10におけるそれらの画像座標又は場所のような、選択された点に関する情報を有する、関心のある装置の第1の識別情報が、確立される。
【0068】
この選択は、モニタ又はタッチスクリーン装置上でX線画像10を観察するオペレータ、例えばエコー心電図撮影者によって実行される手動選択であってもよい。例えば、点は、画像内のマウスクリックの手段によって、又は代替的に、2つの点にタッチすること、又は第1の点から第2の点へ矢印をドラッグすることなどのタッチインタラクションによって選択されてもよい。
【0069】
代わりに又は加えて、装置15は、コンピュータビジョン画像処理技術を用いてX線画像内で自動的に識別されることができる。例えば、特定の装置の先端は、容易に検出され得、装置の終点を規定する。代替的に又は追加的に、特定の装置の既知の形状は、X線画像内で自動的にセグメント化されてもよく、それによって装置の始点及び終点の両方を規定する。特定の例では、そのような画像処理は、X線画像から特定の装置特徴又は形状を認識するように訓練された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、ディープラーニング技術を使用して実行されてもよい。これらの技術は、一般に、画像内の装置の位置を示すX線画像座標又は場所を有する装置識別情報をもたらす。
【0070】
一例では、3D空間におけるエピポーラ線又は投影線13、14は、X線の原点から発生し、2つの選択された又は識別された点11、12を通過する光線に対応する。X線原点は、X線を発生させるために使用されるX線管の焦点又は焦点スポット30に対応する。2つの投影線13、14は、平面25を規定し、換言すれば、平面25は、装置識別情報に基づいて規定される。更なる例では、装置中心線が、X線画像から自動的に識別されてもよく、平面25は、焦点スポット30及び識別された装置中心線によって規定されてもよい。
【0071】
平面25は、X線及び超音波画像データの座標系が関係づけられているので、超音波画像データ20の3D空間において規定されうる。3D超音波画像データ20を通る交差又は断面平面22は、同様に示される。
【0072】
関心のある装置が超音波画像データ20の視野内にあると仮定すると、平面22は、装置の断面を含む。したがって、超音波画像データ20内の装置を識別し、対応する第2の装置識別情報を決定するために、装置の少なくとも一部を含む断面画像40、例えばMPRビューが、生成されてもよい。
【0073】
一例では、装置の更なる識別は、生成された画像において、装置を規定する2つの更なる点41、42の選択を含んでもよい。その場合、第2の識別情報は、超音波画像データ内の選択された更なる点41、42の画像座標を有してもよい。選択は、生成された画像40をモニタ又はタッチスクリーン装置上で見るオペレータ、例えばエコー心電図撮影者によって実行される手動選択であってもよい。代替的に又は追加的に、装置の更なる識別は、上述されたようなX線画像における自動識別と同様の方法で自動的に行われてもよい。
【0074】
図4は、装置の更なる識別のために生成された画像40としての例示的な超音波MPRビューをより詳細に示す。
【0075】
この図では、X線投影線13、14に対応するエピポーラ線43、44が。ユーザに対して視覚化されてもよい。点41、42の選択は、エピポーラ線43、44に制約されてもよい。換言すれば、境界条件は、点41、42のいずれかが、対応する線43、44の上に、又はそれからの距離閾値内に存在しなければならない、点選択上に設定される。この制約は、装置が、超音波画像において区別することが困難であり得るので、選択ステップを単純化し得る。
【0076】
例えば、選択は、生成された画像40におけるマウスクリックの手段によって、又は代わりに2つの点41、42に直接的にタッチすること、若しくはエピポーラ線43、44上の2つの点の間の線若しくは矢印45をそれに平行な方向にドラッグすることなどのタッチインタラクションによって、オペレータによって実行される手動選択であってもよい。
【0077】
代替的に、装置の1つ又は複数の点は、コンピュータビジョン画像処理技術を使用して、生成された画像内で自動的に検出されることができ、このタスクは、点に対する探索空間をエピポーラ線43、44に隣接する限定された領域に制限することによって容易化されうる。
【0078】
装置が、生成された画像内で識別された後、例えば、更なる点41、42が、エコー断面画像40上に配置されると、3D空間内の装置の位置及び向きが、決定され得る。
【0079】
上記の例は、一般に、平坦な画像平面が使用されることを仮定しているが、例えば、2より多い点を選択することによって、又はX線画像10において、装置フットプリントの形状に対応する曲線を描く又はフィッティングし、装置が更に識別される画像40として3D超音波画像データから湾曲平面再形成(CPR)ビューを生成することによって、湾曲面に依拠することが、同様に可能であることに留意されたい。この場合、断面画像22は、3D空間内の湾曲面に対応するであろう。
【0080】
決定された3D装置情報は、例えば、超音波画像データから特定のビューを設定するために使用されてもよい。例えば、装置の3D配向とアラインされたビューイング面を有するMPRビューが、生成されてもよい。加えて、解剖学的情報は、そのようなビューを設定し、観察方向を決定する際に使用されてもよい。
【0081】
一例では、3D超音波画像から特定の軟組織解剖学的特徴を自動的に識別するためにモデルベースのセグメント化アルゴリズムを使用して、医学的介入又は処置の特定のステップ中に医師に最適なエコービューを提示するために3D装置情報と組み合わせられてもよい解剖学的コンテキスト情報が、利用可能であり得る。
【0082】
いくつかの例では、装置が、好ましくは医療処置中に(準)リアルタイムで生成されるX線画像及び/又は生成された超音波ビューのシーケンスにおいて自動的に識別される場合、装置は、画像データ内で連続的に追跡され得、したがって(準)リアルタイム3D装置情報が、決定され得る。したがって、生成されたビューは、連続的に更新されることができ、装置が患者内で移動又は操作されている場合でさえも、装置上の自動的な最適なエコービューを医師に提供する。
【0083】
加えて又は代わりに、決定された3D装置情報は、例えば、3D装置モデルの投影のような、装置の詳細な表現を用いて3D超音波画像データから生成されたビューを増強するために使用されてもよい。更なる例では、専用の画像処理、例えば、カラー化、シェーディング、コントラスト強調、背景低減などが、装置の3D場所におけるそのようなビューに適用されてもよい。
【0084】
上記の例による最適な生体構造ビューと組み合わせた自動装置視覚化は、例えば、経カテーテル僧帽弁修復(TMVR)及び経カテーテル三尖弁修復(TTVR)のような複雑な経カテーテル処置の分野において、より容易、より迅速、及びより安全な治療を容易化し得る。
【0085】
図5に示される例では、AbbottによるMitraClip(登録商標)処置装置が、僧帽弁逆流(MR)を減少させることを目的とするTMVR処置において、カテーテルを通して僧帽弁に移植される。この装置は、弁の小さな領域を一緒にクリップ留めすることによって僧帽弁逆流を治療する。
【0086】
図5は、例えば、装置配置中に画像ガイダンスを提供するためにフィリップスEPIQ CVx超音波撮像システムを使用する場合に、そのような処置中に取得され得る超音波画像データからの異なるビューを示す。生成されたビューは、識別された装置の3D情報に基づいており、これを組み込んでいる。
【0087】
より具体的には、ビューa)、b)及びc)は、超音波画像データから生成されたMPRビューに対応する。特に、3つのビューは、治療装置とアラインされた直交ビューである。MPRビューのそれぞれにおいて、他の2つの直交するビューの画像平面は、点線として示されている。
【0088】
装置の表現115a、115b、115cは、オーバーレイとして含まれている。したがって、治療装置自体は、処置中にエコービューにおいて区別することが困難であるが、処置を実行する医師は、埋め込まれている装置の位置及び向きに関する明確なビューを提示される。
【0089】
更に、ビューd)及びe)は、視野角に関してそれぞれビューb)及びa)に対応するが、しかしながら、MPRビューの代わりに、従来の3D超音波体積レンダリング(ビューd)及びユーザ移動可能光源を有するフィリップスTrueView超音波画像などのフォトリアリスティックレンダリング(ビューe)が、示され、より多くの解剖学的文脈を医師に提供する。両方のエコービューにおいて、埋め込まれている装置の表現115d、115eは、同様にオーバーレイされる。
【0090】
最後に、ビューf)は、視野角に関してビューb)及びd)に対応する。しかしながら、ビューd)と比較して、より焦点の合った解剖学的文脈が、提供されている。すなわち、僧帽弁の3Dモデル128が示されており、これは、モデルベースのセグメンテーションアルゴリズムを使用して超音波画像データに適合されている。したがって、適合された3Dモデル128によって表される僧帽弁のリーフに対する表現115fによって表される装置の3D位置及び向きを示す明確な概観が、提供される。
【0091】
更なる例において、
図6は、エドワーズライフサイエンス社によるCardioBand(登録商標)が、三尖弁又は僧帽弁を再構築するために配置される、TTVR処置を示す。CardioBandシステムは、例えば、超音波画像を使用する画像ガイド処置において、インプラントを弁輪に固定するために使用されるステンレス鋼アンカを含む。
【0092】
図6は、このような処置の間に得られ得る超音波画像データからの異なるビューを示す。生成されたビューは、識別された装置の3D情報に基づいており、これを組み込んでいる。この例では、関心のある装置が、CardioBandインプラントのための固定アンカである。
【0093】
より具体的には、ビューa)、b)及びc)は、超音波画像データから生成されたMPRビューに対応する。特に、3つのビューは、アンカ装置とアラインされた直交するビューである。装置の表現215a、215b、215cは、オーバーレイとして含まれている。この例では、解剖学的コンテキスト情報も、ビューを設定する際に使用されている。すなわち、ビュー方向は、この処置のための最適なビューが得られ、弁の中心を横断し、弁輪/ランディングゾーンに対して垂直であるように選択される。再び、解剖学的文脈情報は、弁モデルを超音波画像データに適合させるモデルベースのセグメンテーションアルゴリズムを用いて得られてもよい。
更に、ビューd)及びf)は、それぞれ、従来の3D体積レンダリング及びフォトリアリスティック3Dレンダリングを再び提供する。
【0094】
最後に、ビューe)は、アンカ装置の表現215eが同様にオーバーレイとして提示される、強化されたX線画像を示す。
【0095】
参考までに、他のビューが生成される、コレジストレーションされた超音波画像データの視野の輪郭229も、示される。例えば、X線画像において識別された識別された装置15が輪郭229の外側に部分的に位置し得ること、すなわち、装置が超音波視野内に完全には存在し得ないことが検出された場合、生成された超音波ビュー内の装置の更なる識別が実現可能でないか、又は十分に正確でない可能性があることを示すために、警告が、生成されてもよい。
【0096】
図5及び
図6に関して、実際には、表示されるビューは、動的ビューであってもよく、生成されるビューは、画像から導出される装置追跡情報、すなわち更新された3D位置及び向き情報を使用して、任意の装置移動に続いて連続的に更新されるか、又は定期的に更新されることに留意されたい。例えば、方法ステップS1乃至S6が、繰り返されて、識別するステップの一方又は両方がコンピュータビジョン技術を使用する自動装置識別を含みうる、装置追跡方法をもたらしてもよい。手動で実行される初期装置識別が、更なる追跡中に自動装置識別と組み合わされること、又は他の自動追跡プロセス中の装置の定期的な手動(再)識別が、有益であり得ることも、想定され得る。
【0097】
装置追跡実施形態では、ステップS6の各インスタンスに続いて、現在の3D装置の位置及び向きが、決定され、例えば、新しい3D装置の位置及び向きにしたがって更新された視野角及び/又は更新された装置オーバーレイにおいて超音波ビューを生成する際に、使用されてもよい。したがって、進行中の処置を最適にサポートするビューが、(準)リアルタイムで生成されうる。
【0098】
特定の例が、異なる態様を参照して説明されることに留意されたい。特に、いくつかの例は、方法型請求項を参照して説明され、他の例は、装置型請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者は、上記及び下記の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの態様に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる態様に関する特徴間の任意の組み合わせも、本出願で開示されていると見なされることを理解するであろう。
【0099】
本発明は、図面及び前述の説明において図示され、詳細に説明されてきたが、このような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され達成されることができる。
【0100】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下、本願発明の形態に関して付記を示す。
(付記1)
装置を要する医療処置中に前記装置を追跡する機器において、
第1の画像データ及び第2の画像データを受信するように構成された入力ユニットであって、前記第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含み、前記第1及び第2の画像データは、異なる撮像機器を使用して取得されている、当該入力ユニットと、
処理ユニットであって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立し、
前記第1の画像データ内の装置を識別し、
前記第1の画像データで識別される前記装置の第1の識別情報を使用して前記第2の画像データから画像を生成し、
前記生成された画像内の前記装置を更に識別する、
ように構成された当該処理ユニットと、
を有する機器。
(付記2)
前記第1の画像データは、2DX線画像データを有し、前記第2の画像データは、3D超音波画像データを有する、付記1に記載の機器。
(付記3)
前記処理ユニットは、前記第1の識別情報に基づいて3D空間内の平面を導出するように更に構成される、付記1又は2に記載の機器。
(付記4)
前記第1の画像データにおける前記装置の識別は、前記第1の画像データにおいて、前記装置を規定する2つの点の選択を含む、付記1乃至3のいずれか1つに記載の機器。
(付記5)
前記生成された画像における前記装置の更なる識別は、前記生成された画像において、前記装置を規定する2つの更なる点の選択を含む、付記1乃至4のいずれか1つに記載の機器。
(付記6)
前記2つの更なる点は、前記生成された画像内のエピポーラ線上にある、付記5に記載の機器。
(付記7)
前記処理ユニットは、前記第1の識別情報と、前記生成された画像において更に識別される前記装置の第2の識別情報とに基づいて、前記装置の3D位置及び向きを含む装置追跡情報を生成するように更に構成される、付記1乃至6のいずれか1つに記載の機器。
(付記8)
前記処理ユニットは、前記決定された3D位置及び向きに基づいて、前記装置の表現によって前記第2の画像データを強化するように更に構成される、付記7に記載の機器。
(付記9)
前記装置の前記表現は、前記装置の3Dモデルの仮想投影を有する、付記8に記載の機器。
(付記10)
前記処理ユニットは、前記装置の前記決定された3D位置及び/又は向きに基づいて、前記第2の画像データからビューを生成するように構成される、付記7に記載の機器。
(付記11)
第1又は第2の画像データを取得するように構成された撮像機器と、
付記1乃至9のいずれか1つに記載の機器であって、前記入力ユニットは、前記取得された第1又は第2の画像データを受信するために前記撮像機器に接続可能である、当該機器と、
を有する撮像システム。
(付記12)
医用画像データ内の装置を追跡する方法であって、
a)異なる撮像機器を使用して第1及び第2の画像データを取得するステップであって、前記第1及び第2の画像データは、前記装置の少なくとも一部を含む、ステップと、
b)前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間でコレジストレーションを確立するステップと、
c)前記第1の画像データ内の装置を識別するステップと、
d)前記装置の識別情報を決定するステップと、
e)前記識別情報に基づいて前記第2の撮像データから画像を生成するステップと、
f)前記生成された画像内の前記装置を更に識別するするステップと、
を有する方法。
(付記13)
前記第1の識別情報と、前記生成された画像において更に識別される前記装置の第2の識別情報とに基づいて、前記装置の3D位置及び向きを含む装置追跡情報を生成するステップを有する、付記12に記載の方法。
(付記14)
付記1乃至10のいずれか1つに記載の機器の処理ユニットによって実行される場合に、前記機器に付記12に記載の方法のステップを実行させる命令のセットを有するコンピュータプログラム。
(付記15)
付記14に記載のコンピュータプログラムを有するコンピュータ可読媒体。