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特許7537464情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/02 20060101AFI20240814BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240814BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
G09B7/02
G09B19/00 G
G06Q50/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022067979
(22)【出願日】2022-04-18
(65)【公開番号】P2023084643
(43)【公開日】2023-06-19
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2021198171
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】麻生 麻実
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-230245(JP,A)
【文献】特開2015-060492(JP,A)
【文献】特開2019-061442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 7/00- 7/12
19/00
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、
前記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段と、
を備え、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記検索履歴情報について異なる複数の前記検索履歴条件の充足状況を判別し、
前記複数の前記検索履歴条件の1つは、前記第1の検索履歴条件であり、
前記複数の前記検索履歴条件の他の1つは、前記単語の検索履歴の状況が、前記第1の検索履歴条件を満たす場合よりも前記単語の習熟度が低い場合に満たされる第2の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、
前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ユーザに対して提示する前記ヒント情報として、前記単語に係る項目情報の中から第1のヒント情報を選択し、
前記第2の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ユーザに対して提示する前記ヒント情報として、前記単語に係る前記項目情報の中から、前記第1のヒント情報よりも情報量の多い、又は判読容易性の高い第2のヒント情報を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の検索履歴条件は、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる音声未再生条件であり、
前記第2の検索履歴条件は、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる未検索条件であり、
前記決定手段は、
前記音声未再生条件が満たされている場合には、前記第1のヒント情報として前記単語の表記を選択し、
前記未検索条件が満たされている場合には、前記第2のヒント情報として前記単語の表記及び訳を選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の検索履歴条件は、最後に前記単語を検索した時点が基準時点以降であり、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索時期条件であり、
前記第2の検索履歴条件は、最後に前記単語を検索した時点が前記基準時点より前である場合、及び前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる第2の検索時期条件である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、
前記第1の検索時期条件が満たされている場合には、前記ユーザの母国語以外の言語で記述された前記項目情報の中から前記第1のヒント情報を選択し、
前記第2の検索時期条件が満たされている場合には、前記ユーザの母国語の言語で記述された前記項目情報の中から前記第2のヒント情報を選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記複数の単語のうち、習熟難易度が、予め定められている下限難易度以上である単語に係る項目情報の中から前記ヒント情報を決定することを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザに対する前記ヒント情報の提示履歴に係るヒント履歴情報に基づいて、過去に前記ユーザに対して提示された前記ヒント情報に対応する前記単語を前記ユーザに対して提示するヒント履歴提示手段を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記問題に係る複数の前記単語に対応する複数の前記ヒント情報を決定することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置及び端末装置を備え、
前記端末装置は、ユーザに対して音声により問題を出題する出題手段を有し、
前記情報処理装置は、
ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、
前記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段と、
を有し、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択し、
前記端末装置は、前記決定手段が決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示するヒント情報提示手段を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
ユーザに対して音声により問題を出題する出題ステップと、
ユーザに対して出題された音声により問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得ステップと、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別ステップと、
前記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定ステップと、
決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示する提示ステップと、
を有し、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定ステップは、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に設けられたコンピュータを、
ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段、
前記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段、
として機能させ、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、語学等の種々の学科の学習に用いることができる端末装置において、学習レベルを判定したり学習内容を定着させたりするために、テスト(問題の出題及び回答の正誤判定)を行うことができるものがある。特許文献1には、このような端末装置において、ユーザに対してテストの問題が出題されている場合に、ユーザからのヒント情報の提示要求に応じて、問題に対応付けられて予め登録されているヒント情報をユーザに提示する方法が開示されている。このようなヒント情報の提示は、語学の学習においては、例えば問題文に含まれる高難度単語の意味を提示するといった形で適用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-98864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、語学の分野では、単語の習熟度の個人差が大きいこと等により、上記のような画一的なヒント情報の提示を行うと、ユーザにとって過不足のある不適切なヒント情報となりやすいという課題がある。
【0005】
この発明の目的は、ユーザにとってより適切なヒント情報を提示することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、前記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段と、を備え、前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理システムは、
情報処理装置及び端末装置を備え、
前記端末装置は、ユーザに対して音声により問題を出題する出題手段を有し、
前記情報処理装置は、
ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、
記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段と、
を有し、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択し、
前記端末装置は、前記決定手段が決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示するヒント情報提示手段を有する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理方法は、
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
ユーザに対して音声により問題を出題する出題ステップと
ユーザに対して出題された音声により問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得ステップと
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別ステップと
記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定ステップと
決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示する提示ステップと
を有し、
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定ステップは、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択する
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、
情報処理装置に設けられたコンピュータを、
ユーザに対して音声により出題された問題の問題文を構成する複数の単語のうちのいずれかの単語について検索履歴情報を取得する取得手段、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段、
記ユーザに対して提示する前記問題に係るヒント情報を、前記単語に係る項目情報の中から前記充足状況の判別結果に基づいて決定する決定手段、
として機能させ
前記検索履歴条件の1つは、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ヒント情報として前記単語の表記を選択する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザにとってより適切なヒント情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】学習支援システムの概略構成図である。
図2】サーバの機能構成を示すブロック図である。
図3】辞書DBの内容例を示す図である。
図4】テストDBの内容例を示す図である。
図5】ユーザ管理DBの内容例を示す図である。
図6】学習履歴DBの内容例を示す図である。
図7】端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図8】辞書画面を示す図である。
図9】リスニングテストを行うためのテスト画面を示す図である。
図10】ヒント箇所選択画面を示す図である。
図11A】ヒント情報が表示されているテスト画面を示す図である。
図11B】ヒント情報が表示されているテスト画面を示す図である。
図12A】リーディングテストを行うためのテスト画面を示す図である。
図12B】リーディングテストを行うためのテスト画面を示す図である。
図13】リーディングテストを行うためのテスト画面の他の例を示す図である。
図14】ヒント履歴画面を示す図である。
図15】単語検索処理の制御手順を示すフローチャートである。
図16】端末装置のCPUが実行するテスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
図17】サーバのCPUが実行するテスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
図18】ヒントデータ生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
図19】リーディングテストにおけるヒントデータ生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
図20】ヒント履歴表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<学習支援システムの構成>
図1は、本実施形態の学習支援システム1の概略構成図である。
学習支援システム1(情報処理システム)は、サーバ10(情報処理装置)と、通信ネットワークNを介してサーバ10に情報通信可能に接続されている端末装置20と、を備える。通信ネットワークNは、例えばインターネットであるが、これに限られず、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークであってもよい。サーバ10と端末装置20との間の通信経路のうち少なくとも一部は、無線による通信経路であってもよい。
【0015】
学習支援システム1は、端末装置20を使用するユーザに対し、語学の学習を支援する学習支援サービスを提供する。端末装置20は、例えばスマートフォンであるが、これに限られず、タブレット型端末、ノート型のPC(パーソナルコンピュータ)、又は据置型のPC等であってもよい。
【0016】
端末装置20には、学習用のアプリケーションプログラム(以下、「学習アプリ231(図7参照)」と記す)がインストールされており、端末装置20は、この学習アプリ231を実行することで、サーバ10と連携して語学の学習に係る種々のサービスをユーザに提供することができる。例えば、端末装置20は、学習アプリ231の実行中にユーザから単語の検索指示が入力されると、サーバ10から当該単語の意味や例文等を含む項目情報を取得して表示する。ここで、検索対象となる単語は、例えば、辞書の見出し語、辞書の項目である。ただし、検索対象となる単語はこれに限られず、端末装置20がアクセス可能なデータに含まれる単語であって、データベース上にその検索履歴を記憶可能な任意の単語が含まれる。例えば、検索対象となる単語は、教科書、資料集、参考書といった書籍や文書に係るデータに含まれる単語、又は、ニュースや電子商取引を始めとする各種Webサービス等により提供されるデータであって通信ネットワークNを介して取得可能なデータに含まれる単語などであってもよい。上記の書籍や文書に係るデータは、サーバ10の記憶部13(図2参照)又は端末装置20の記憶部23(図7参照)に記憶されていてもよいし、通信ネットワークNを介して通信接続可能な他のWebサーバ等に記憶されていてもよい。また、検索対象となる単語は、単一の単語のみからなるものに限られず、複数の単語の組み合わせであってもよい。端末装置20において実行される単語の検索は、単語そのものの意味や発音を調べる目的で行われるものに限られず、その単語に関連する情報(例えば、数学の公式、化学物質の化学式、構造式、記号、単語に関連するニュース記事や解説記事など)を取得する目的で行われるものも含まれる。
また、端末装置20は、学習アプリ231の実行中に、語学に係るテスト形式の演習(以下、単に「テスト」と記す)を実行することができる。端末装置20は、テストを実行する場合には、問題及び正解のデータをサーバ10から取得し、問題をユーザに出題し、ユーザから問題の回答が入力されると、当該回答の正誤判定を行って結果をユーザに提示する。また、端末装置20は、問題が出題されている場合に、ユーザからの要求に応じて当該問題に係るヒント情報をユーザに提示することができる。
上記は、学習支援システム1が提供するサービスの一例であり、これらに限られない。
【0017】
図1に示すように、学習支援システム1は、複数の端末装置20を備えていてもよく、この場合には、複数の端末装置20をそれぞれ使用する複数のユーザに対して学習支援サービスが提供される。サーバ10は、各ユーザの学習支援サービスの利用状況に係る情報を管理し、当該情報に応じた適切なサービスをユーザに提供する。例えば、テストにおいてヒント情報を提示する場合に、各ユーザによる単語の検索履歴に応じた適切な内容のヒント情報を提示する。このヒント情報の提示方法については後に詳述する。
【0018】
<サーバの構成>
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
サーバ10は、CPU11(Central Processing Unit)(受付手段、取得手段、判別手段、決定手段、ヒント履歴提示手段)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16と、バス17などを備える。サーバ10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0019】
CPU11は、記憶部13に記憶されているサーバ制御プログラム131(プログラム)を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、サーバ10の動作を制御するプロセッサ(処理部)である。なお、サーバ10は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0020】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、サーバ制御プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。サーバ制御プログラム131は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13に記憶されるデータとしては、辞書DB(データベース)132(辞書情報)、テストDB133、ユーザ管理DB134、及び学習履歴DB135(検索履歴情報、ヒント履歴情報)などがある。
【0021】
図3は、辞書DB132の内容例を示す図である。
辞書DB132の1つのデータ行(レコード)に含まれる情報は、英和辞書又は英英辞書の1つの単語(項目)に係る項目情報に対応する。図3では、英和辞書の項目情報が例示されている。辞書DB132は、「単語ID」、「単語」、「訳」、「例文」、「品詞」、「習熟難易度」、及び「音声ファイルパス」のデータ列(カラム)を有する。
「単語ID」は、そのデータ行の単語に付された固有の符号である。
「単語」は、単語の表記(スペル)である。
「訳」は、単語の日本語訳である。なお、英英辞書のデータでは、「訳」のデータ行には、英語による単語の説明文が登録されている。
「例文」は、単語に対応する例文である。
「品詞」は、単語の品詞である。
「習熟難易度」は、そのデータ行の単語の一般的な習熟難易度の高さを表す数値である。習熟難易度は、複数段階(本実施形態では、「1」~「7」までの7段階)の数値とされ、数値が大きいほど難易度が高いことを表す。上記の複数段階の数値のうち、予め定められている閾値以上(本実施形態では、「4」以上)の単語が、後述するヒント情報を提示する単語の候補とされる。習熟難易度が上記の閾値以上である単語は、「習熟難易度が、予め定められている下限難易度以上である単語」に相当する。
「音声ファイルパス」は、単語の音声データファイルのファイルパスである。
なお、辞書DB132には、英和辞書及び英英辞書以外の辞書に係るデータがさらに格納されていてもよい。
【0022】
図4は、テストDB133の内容例を示す図である。
テストDB133には、学習支援サービスにおいて提供されるテストに係るデータが格納されている。テストDB133の1つのデータ行(レコード)は、1つの問題に対応する。また、テストDB133は、「問題番号」、「テキスト」、「訳」、「音声ファイルパス」、「画像ファイルパス」、及び「正解」のデータ列(カラム)を有する。図4では、英語のリスニングテストに係るデータが例示されている。
「問題番号」は、各問題に割り振られた番号である。番号に代えて、各問題に固有の符号が用いられてもよい。
「テキスト」は、問題の問題文を表す英文のテキストデータである。
「訳」は、問題の問題文の日本語訳のテキストデータである。
「音声ファイルパス」は、英文の問題文の音声データファイルのファイルパスである。
「画像ファイルパス」は、問題の出題中に表示される画像の画像データのファイルパスである。
「正解」は、問題における正解の選択肢である。
【0023】
図5は、ユーザ管理DB134の内容例を示す図である。
ユーザ管理DB134には、学習支援サービスを利用する複数のユーザに係るデータが格納されている。ユーザ管理DB134の1つのデータ行(レコード)は、1人のユーザに対応する。また、ユーザ管理DB134は、「ユーザID」、「職業」、「リスニングヒント提示数」、及び「リーディングヒント提示数」のデータ列(カラム)を有する。
「ユーザID」は、各ユーザに付された固有の符号である。
「職業」は、ユーザの職業である。
「リスニングヒント提示数」は、後述するリスニングテストにおいてヒントとして表示する単語の数を表す。例えば、このデータ列が数値(例えば「1」、「2」等)の場合には、ヒント対象単語のうち当該数値と同一数の単語のヒント情報が表示される。また、このデータ列が「全て」の場合には、全てのヒント対象単語のヒント情報が表示される。ここで、「ヒント対象単語」は、ヒント情報の表示対象となり得る単語であり、詳細は後述する。
「リーディングヒント提示数」は、後述するリーディングテストにおいてヒントとして表示する単語の数を表す。例えば、このデータ列が数値(例えば「1」、「2」等)の場合には、ヒント対象単語のうち当該数値と同一数の単語のヒント情報が表示される。また、このデータ列が「全て」の場合には、全てのヒント対象単語のヒント情報が表示される。
「リスニングヒント提示数」及び「リーディングヒント提示数」の内容は、ユーザの設定操作に応じて予め設定されて登録されている。
なお、ユーザ管理DB134には、ユーザの属性(性別、年齢等)やその他の基本情報(ログイン履歴、語学習熟レベル等)に係るデータ列がさらに含まれていてもよい。
【0024】
図6は、学習履歴DB135の内容例を示す図である。
学習履歴DB135には、学習支援サービスにおける各ユーザの学習履歴に係るデータが格納されている。学習履歴DB135は、ユーザごとに生成されたデータブロックを有する。各データブロックにおける1つのデータ行(レコード)は、そのユーザが検索した単語、又はそのユーザが行ったテストにおいてヒントとして表示された単語に対応する。各データブロックは、「ユーザID」、「単語」、「検索日」、「ヒント表示日」、及び「音声再生」のデータ列(カラム)を有する。
「ユーザID」は、図5のユーザ管理DB134におけるユーザIDと共通の符号である。
「単語」は、そのデータ行に対応する単語(項目)である。
「検索日」は、そのデータ行の単語が最後に検索された時点を表す日付である。なお、日付に加えて時刻の情報がさらに登録されていてもよい。
「ヒント表示日」は、ユーザが行ったテストにおいて、そのデータ行の単語がヒントとして表示された時点を表す日付である。なお、日付に加えて時刻の情報がさらに登録されていてもよい。
「音声再生」は、その単語が検索されたときに、その単語の発音の音声データが再生されたか否かを表す。音声データが再生されている単語については「1」とされ、音声データが再生されていない単語については「0」とされる。
例えば、図6に示す学習履歴DB135から、ユーザID「U1234」のユーザが、単語「software」について「2021年8月15日」に検索し、かつ音声データを再生していないこと、及び「2021年9月1日」に行ったテストにおいて単語「software」がヒントとして表示されていることを特定することができる。また、図6ユーザID「1235」のユーザが、単語「software」について、検索も音声の再生もしたことがないこと、及び「2021年7月15日」に行ったテストにおいて単語「software」がヒントとして表示されていることを特定することができる。
【0025】
図2に示す操作部14は、マウスなどのポインティングデバイス及びキーボードなどを有し、ユーザによる位置入力及びキー入力などを受け付けてその操作情報をCPU11に出力する。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイなどの表示装置を備え、CPU11からの表示制御信号に従って表示装置において各種表示を行う。
【0027】
通信部16は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークN上の端末装置20との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0028】
<端末装置20の構成>
図7は、端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
端末装置20は、CPU21(出題手段、ヒント情報提示手段)と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、音声出力部26と、通信部27と、バス28などを備える。端末装置20の各部は、バス28を介して接続されている。
【0029】
CPU21は、記憶部23に記憶されている学習アプリ231等のプログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置20の動作を制御するプロセッサ(処理部)である。なお、端末装置20は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU21が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0030】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、学習アプリ231等のプログラム及び各種データを記憶する。記憶部23は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。
【0031】
操作部24は、表示部25の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネル、及び物理ボタンなどを有し、ユーザによるタッチパネルに対するタッチ操作、及び物理ボタンに対する押下操作などを受け付けてその操作情報をCPU21に出力する。
【0032】
表示部25は、液晶ディスプレイなどの表示装置を備え、CPU21からの表示制御信号に従って表示装置において各種表示を行う。
【0033】
音声出力部26は、スピーカーを有し、CPU21からの音声出力制御信号に従って、単語の発生やテストの問題文などの音声を出力する。また、音声出力部26は、有線接続又は無線接続された外部の音声出力装置(例えば、イヤホン又はヘッドホン等)に対して音声信号を出力することで、当該音声出力装置から音声を出力させる。
【0034】
通信部27は、アンテナを含む通信モジュール等によって構成され、通信ネットワークN上のサーバ10との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0035】
<学習支援システム1の動作>
次に、学習支援システム1の動作について説明する。以下に示す動作における動作主体は、サーバ10のCPU11、及び端末装置20のCPU21であるが、以下では便宜上、サーバ10及び端末装置20を動作主体として記載する場合がある。
【0036】
学習支援システム1による学習支援サービスを受けるユーザは、端末装置20において学習アプリ231を実行し、学習支援システム1にログインする。学習支援システム1へのログインは、例えば、ユーザにより入力されて端末装置20からサーバ10に送信されたユーザID及びパスワードを、サーバ10に予め登録されているユーザID及びパスワードと照合する認証処理により行われる。学習支援システム1にログインしたユーザは、学習アプリ231上で、学習支援サービスの各種機能を実行することができる。
【0037】
(単語検索)
学習支援システム1による学習支援サービスの基本機能の1つは、英和辞書における単語の検索である。ユーザは、学習アプリ231上で所定の操作を行うことで、英和辞書における単語検索を行うための辞書画面40を表示部25に表示させることができる。
【0038】
図8は、辞書画面40を示す図である。
辞書画面40には、検索する単語を指定するための検索ボックス41と、検索された単語の項目情報が表示される項目情報表示領域42と、単語の音声を再生させるための音声再生ボタン43と、単語検索を終了させるための辞書画面終了ボタン44などが表示されている。検索ボックス41に検索したい単語のスペルが入力された状態で検索が実行されると、端末装置20は、当該単語の項目情報をサーバ10から取得し、取得した項目情報を項目情報表示領域42に表示させる。また、サーバ10は、学習履歴DB135のうち検索を行ったユーザに対応するデータブロックにおいて、単語の検索が行われた検索日を登録する。これにより、ユーザによる単語の検索履歴が記録される。
【0039】
ユーザは、辞書画面40の音声再生ボタン43を選択する操作を行うことで、項目情報表示領域42に表示された単語の音声を再生(出力)することができる。すなわち、音声再生ボタン43が選択されると、端末装置20は、単語の音声データをサーバ10から取得し、当該音声データを用いて音声出力部26から単語の音声を出力させる。また、サーバ10は、学習履歴DB135のうち単語の音声再生を行ったユーザに対応するデータブロックにおいて、当該単語について音声の再生が行われたことを登録する。これにより、ユーザによる単語の音声の再生履歴が記録される。
なお、上述のとおり、学習支援システム1では、各種辞書における単語の検索の他、書籍や文書に係るデータに含まれる単語の検索、又は、Webサービス等により提供されるデータに含まれる単語の検索なども可能である。これらの検索が行われた場合にも、単語の検索履歴、及び音声の再生履歴が記録される。
【0040】
(テスト)
学習支援システム1による学習支援サービスでは、語学に関するテストを行うことができる。ユーザは、このテストを行うことにより、学習レベルの判定を受けたり、学習内容を定着させたりすることができる。本実施形態では、リスニングテスト及びリーディングテストを例に挙げて説明する。リスニングテストは、例えば、問題文が音声出力部26からの音声により出題され、問題文に含まれる複数の選択肢のうち適切な1つを回答するものである。また、リーディングテストは、例えば、問題文が表示部25において表示されて出題され、問題文に含まれる複数の選択肢のうち適切な1つを回答するものである。ただし、テストの内容はこれらに限られない。
ユーザは、学習アプリ231上で所定の操作を行うことで、テストを行うためのテスト画面50を表示部25に表示させることができる。
【0041】
図9は、リスニングテストを行うためのテスト画面50を示す図である。
テスト画面50には、問題文の音声を再生させるための問題文再生ボタン51と、問題に対する回答を行うための回答ボタン52と、ヒント情報を要求するためのヒント要求ボタン53と、ヒント情報が表示されるヒント表示領域54と、テストを終了させるためのテスト終了ボタン55などが表示されている。テスト画面50が表示されてリスニングテストが開始されると、端末装置20は、サーバ10から問題文データを受信する。問題文データには、問題文の音声データ及び正解データが含まれる。設問に画像が含まれる場合には、問題文データには、当該画像の画像データがさらに含まれ、問題文データの取得後に当該画像がテスト画面50に表示される。
【0042】
問題文データの受信完了後、問題文再生ボタン51が選択されると、問題文の音声が再生(音声出力部26から出力)される。図9に示す例では、問題文として、図9の下段に示す選択肢A~Dに対応する4つの文の音声が再生される。ユーザは、問題文の内容から、複数の回答ボタン52のうち正しい(画像の内容に一致する)と思われる選択肢の回答ボタン52を選択することで、問題に回答することができる。いずれかの回答ボタン52が選択されると、正誤判定結果が表示部25に表示される。あるいは、複数の問題に対する回答が終了した後で、当該複数の問題に関する正誤判定結果がまとめて表示されてもよい。
【0043】
問題文の音声が再生された後、回答ボタン52を選択する前に、ヒント要求ボタン53を選択することで、問題に係るヒント情報の提示を要求することができる。ヒント要求ボタン53が選択されると、まず、ヒント情報を表示する選択肢(以下、「ヒント箇所」とも記す)を選択するためのヒント箇所選択画面60が表示される。
【0044】
図10は、ヒント箇所選択画面60を示す図である。
ヒント箇所選択画面60には、ヒント箇所を特定するための選択ボタン61と、ヒント情報を表示させるためのヒント表示ボタン62などが表示されている。いずれかの選択ボタン61を選択することにより選択肢A~Dのいずれかを特定した状態でヒント表示ボタン62を選択する操作が行われると、ヒント情報を提示する選択肢(ヒント箇所)が確定し、端末装置20からサーバ10に、当該選択肢に係るヒント情報H(後述する第1のヒント情報H1又は第2のヒント情報H2。以下、第1のヒント情報H1及び第2のヒント情報H2のうち任意の一方を指す場合に「ヒント情報H」と記す)を含むヒントデータの送信要求が送られる。端末装置20は、サーバ10からヒントデータを受信すると、テスト画面50においてヒント情報Hを表示(提示)する(ヒント情報提示処理)。
【0045】
図11A及び図11Bは、ヒント情報Hが表示されているテスト画面50を示す図である。
ここでは、選択肢Bのヒント情報Hが要求されて表示されている場合を例に挙げて説明する。図11A及び図11Bの各テスト画面50では、ヒント表示領域54において、選択肢Bの問題文を構成する複数の単語の1つである「software」の単語に係るヒント情報Hが表示されている。表示されるヒント情報Hは、サーバ10により選択されて端末装置20に送信される。ヒント情報Hは、辞書DB132に含まれる「software」の項目の項目情報の中から選択される。また、ユーザによる「software」の単語の検索履歴に応じて、異なる内容のヒント情報Hが選択される。本実施形態のリスニングテストでは、単語検索履歴に応じて、図11Aに示すように、単語の表記(スペル)のみを含む第1のヒント情報H1が表示される場合と、図11Bに示すように、単語の表記(スペル)及び訳を含む第2のヒント情報H2が表示される場合と、がある。
以下、サーバ10によるヒント情報Hの選択に係る動作について説明する。
【0046】
サーバ10は、ヒント情報の提示要求に応じて、問題文のうち指定されたヒント箇所を構成する複数の単語のうち、ヒント対象単語の各々について、ユーザに対して提示するヒント情報Hを選択するヒント情報選択処理を実行する。ここで、ヒント対象単語は、ヒント箇所を構成する複数の単語から、ヒント情報Hを提示する単語として適切でない単語を除外した単語である。具体的には、小学校など低学年で学習するような習熟難易度の低い単語(本実施形態では、辞書DB132の「習熟難易度」が「4」未満である単語)、数詞(「one」、「two」など)、代名詞(「you」、「me」など)、及び固有名詞(「Mt.Fuji」など)を除外した単語がヒント対象単語とされる。
なお、ヒント対象単語は、問題文に含まれる単語そのものに代えて、当該単語と関連する単語、例えば派生語などとしてもよい。例えば、問題文に「inventor(発明家)」という単語が含まれている場合に、当該単語の派生語である「invention(発明)」をヒント対象単語としてもよい。また、問題文に含まれる単語がある単語の活用形である場合に、当該単語の原形をヒント対象単語としてもよい。また、問題文に含まれる単語がある単語の原形である場合に、当該単語の活用形をヒント対象単語としてもよい。例えば、問題文に動詞の過去形や過去分詞形が含まれている場合に、その単語の原形をヒント対象単語としてもよい。また、これらに限られず、ヒント対象単語は、ユーザにとって問題に回答するためのヒントとなり得る任意の単語であってもよい。例えば、問題文に含まれる単語(派生語や活用形を含む)以外の単語からヒント対象単語が選択されてもよい。
【0047】
サーバ10は、ヒント対象単語である各単語について行われるヒント情報選択処理では、辞書DB132における当該単語の項目情報の中から、ユーザに対して提示するヒント情報Hを選択する。詳しくは、学習履歴DB135におけるユーザによる当該単語の検索履歴に基づいて、異なる複数の検索履歴条件の充足状況を判別し、当該充足状況の判別結果に応じて、当該単語について選択するヒント情報Hの内容を異ならせる。
【0048】
具体的には、上記の複数の検索履歴条件のうち第1の検索履歴条件は、学習履歴DB135に上記の単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合(「第1の状況」に相当)に満たされる音声未再生条件である。未検索条件の充足状況は、学習履歴DB135における「検索日」及び「音声再生」のデータ列に基づいて判別される。例えば、ユーザID「U1234」のユーザが2021年9月1日に行っているテストの場合には、図6に示す学習履歴DB135のうちユーザID「U1234」のデータブロックにおいて、単語「software」について「検索日」が登録されており、「音声再生」が「0」(未再生)となっているため、音声未再生条件を満たすと判別される。
【0049】
音声未再生条件が満たされている場合には、テストを行っているユーザはその単語を検索済みであるため、単語の表記から意味を把握することができると推定できる。一方で、当該単語の音声を再生していないため、問題文の音声から当該単語であることを聞き取ることができないものと推定できる。よって、音声未再生条件が満たされている場合には、サーバ10は、当該単語のヒント情報H(第1のヒント情報H1)として、単語の表記を選択する。これに応じて、例えば、ユーザID「U1234」が行っている上記のテストでは、図11Aに示すように、ヒント表示領域54に、第1のヒント情報H1として単語「software」の表記が表示される。ユーザは、第1のヒント情報H1として単語の表記が提示されれば、聞き取れなかった単語を特定でき、学習済みの単語の意味と紐付けることができる。
【0050】
また、上記の複数の検索履歴条件のうち第2の検索履歴条件は、学習履歴DB135に上記の単語を検索した履歴が含まれていない場合(「第2の状況」に相当)に満たされる未検索条件である。未検索条件の充足状況は、学習履歴DB135における「検索日」及び「音声再生」のデータ列に基づいて判別される。例えば、ユーザID「U1235」のユーザが2021年7月15日に行っているテストの場合には、図6に示す学習履歴DB135のうちユーザID「U1235」のデータブロックにおいて、単語「software」について「検索日」が登録されておらず、かつ「音声再生」が「0」(未再生)となっているため、未検索条件を満たすと判別される。
【0051】
未検索条件が満たされている場合には、ユーザは、単語の検索を行っていないため、当該単語の意味を学習していないと推定できる。また、当該単語の音声も再生していないため、問題文の音声から当該単語であることを聞き取ることもできないと推定できる。よって、未検索条件が満たされている場合には、サーバ10は、当該単語のヒント情報H(第2のヒント情報H2)として、単語の表記及び訳を選択する。これに応じて、例えば、ユーザID「U1235」が行っている上記のテストでは、図11Bに示すように、ヒント表示領域54に、第2のヒント情報H2として単語「software」の表記及び訳が表示される。ユーザは、第2のヒント情報H2として単語の表記が提示されることで、聞き取れなかった単語を特定でき、また、ヒント情報Hの訳から、当該単語の意味も把握することができる。
【0052】
なお、本実施形態のリスニングテストでは、学習履歴DB135に検索履歴が含まれている単語であって、学習履歴DB135に当該単語の音声を再生した履歴が含まれている単語については、ユーザの習熟度が高い単語であるとして、ヒント情報は表示されない。
【0053】
サーバ10は、ヒント箇所に含まれる各単語(ヒント対象単語)についてヒント情報選択処理を行ってヒント情報Hを選択すると、このうちテスト画面50においてヒント情報Hを表示させる所定数の単語を選択する。ここで選択する単語の数は、ユーザ管理DB134の「リスニングヒント提示数」に従って決定される。ヒント情報Hを表示させる単語の選択方法は、特には限られないが、例えば難易度の高い順に選択する方法であってもよい。すなわち、「リスニングヒント提示数」が「1」である場合には、ヒント箇所に含まれる複数のヒント対象単語のうち最も難易度の高い単語が選択され、当該単語のヒント情報Hが端末装置20に送信されてテスト画面50に表示される。また、「リスニングヒント提示数」が「2」以上の数である場合には、難易度の高い順に選択された当該数の単語のヒント情報Hが端末装置20に送信され、テスト画面50において一覧で、又は順番に表示される。また、「リスニングヒント提示数」が「全て」である場合には、ヒント箇所に含まれる全てのヒント対象単語のヒント情報Hが端末装置20に送信され、テスト画面50において一覧で、又は順番に表示される。
【0054】
次に、リーディングテストにおけるヒント情報Hの提示動作について説明する。
図12Aは、リーディングテストを行うためのテスト画面80を示す図である。
テスト画面80には、問題文が表示される問題文表示領域81と、問題に対する回答を行うための回答ボタン82と、ヒント情報Hを要求するためのヒント要求ボタン83と、ヒント情報Hが表示されるヒント表示領域84と、テストを終了させるためのテスト終了ボタン85などが表示されている。回答ボタン82、ヒント要求ボタン83、ヒント表示領域84及びテスト終了ボタン85の機能は、上述の回答ボタン52、ヒント要求ボタン53、ヒント表示領域54及びテスト終了ボタン55と同様である。
【0055】
テスト画面80が表示されてリーディングテストが開始されると、端末装置20は、サーバ10から問題文データを受信する。問題文データには、問題文のテキストデータ及び正解データが含まれる。設問に画像が含まれる場合には、問題文データには、当該画像の画像データがさらに含まれ、問題文データの取得後に当該画像がテスト画面80に表示される。
【0056】
問題文データの受信が完了すると、テスト画面80の問題文表示領域81に問題文のテキストが表示される。ここでは、問題文中の空欄を埋める単語として適切な単語を選択肢A~Dから選択する問題が表示されている。ユーザは、問題文の内容から、複数の回答ボタン82のうち正しいと思われる選択肢の回答ボタン82を選択することで、問題に回答することができる。いずれかの回答ボタン82が選択されると、正誤判定結果が表示部25に表示される。あるいは、複数の問題に対する回答が終了したあとで、当該複数の問題に関する正誤判定結果がまとめて表示されてもよい。
【0057】
問題文が表示された後、回答ボタン82を選択する前に、ヒント要求ボタン83を選択することで、問題に係るヒント情報の提示を要求することができる。ヒント要求ボタン83が選択されると、端末装置20からサーバ10に、ヒント情報Hを含むヒントデータの送信要求が送られる。端末装置20は、サーバ10からヒントデータを受信すると、テスト画面80のヒント表示領域84においてヒント情報Hを表示(提示)する。図12Aでは、選択肢A~Dを除いた問題文を構成する複数の単語の中から、ヒント情報Hを提示する対象の単語として「unnecessarily」が選択され、当該単語の第2のヒント情報H2が表示されている。
【0058】
リーディングテストにおいても、ユーザによるヒント情報Hの提示対象の単語(「unnecessarily」)の検索履歴に応じて、異なる内容のヒント情報Hが選択される。本実施形態のリーディングテストでは、上記検索履歴に応じて、図12Aに示すように、英和辞書における「unnecessarily」の単語の表記及び項目情報(ここでは、訳)を含む第2のヒント情報H2が表示される場合と、図12Bに示すように、英英辞書における「unnecessarily」の単語の表記及び項目情報を含む第1のヒント情報H1が表示される場合と、がある。以下、サーバ10によるヒント情報Hの選択に係る動作について説明する。
【0059】
リーディングテストでは、上述した複数の検索履歴条件のうち第1の検索履歴条件は、ヒント情報Hの表示対象の単語を最後に検索した時点が基準時点以降である場合(「第1の状況」に相当)に満たされる第1の検索時期条件である。また、複数の検索履歴条件のうち第2の検索履歴条件は、ヒント情報Hの表示対象の単語を最後に検索した時点が上記の基準時点より前である場合(「第2の状況」に相当)、及び当該単語の検索履歴がない場合(「第2の状況」に相当)に満たされる第2の検索時期条件である。上記の基準時点は、基準時点から現時点までの期間の長さが、検索した単語の学習内容の記憶が通常維持される期間の長さの範囲内となるように定めることができ、例えば1か月程度としてもよい。これらの第1の検索時期条件及び第2の検索時期条件の充足状況は、学習履歴DB135の「検索日」のデータ列に基づいて判別される。
【0060】
このうち第1の検索時期条件が満たされている場合には、ユーザは、基準時点以降における単語の検索により学習した単語の意味を記憶しており、当該単語に係る習熟度が一定水準以上の高さであるとみなされる。よって、第1の検索時期条件が満たされている場合には、サーバ10は、ヒント情報H(第1のヒント情報H1)として、図12Bに示すように、判読難易度の高い(判読容易性の低い)、英英辞書の項目情報を選択する。
【0061】
一方、第2の検索時期条件が満たされている場合には、ユーザは、基準時点より前における単語の検索により学習した単語の意味を忘却している可能性があり、又は当該単語の検索を行っておらず当該単語の意味を学習していないとみなされる。よって、第2の検索時期条件が満たされている場合には、サーバ10は、ヒント情報H(第2のヒント情報H2)として、図12Aに示すように、判読難易度の低い(判読容易性の高い)、英和辞書の項目情報を選択する。
【0062】
上記における英和辞書、及び英英辞書は、テストを行っているユーザの母国語が日本語である場合の例である。ユーザの母国語が日本語以外である場合には、英和辞書に代えて、項目情報がユーザの母国語の言語で記述された辞書を用いればよく、英英辞書に代えて、項目情報がユーザの母国語以外の言語で記述された辞書を用いればよい。
【0063】
また、リーディングテストにおいても、上述したリスニングテストと同様に、ユーザが、ヒント箇所を指定できるようにしてもよい。例えば、図13に示すように、「What is the software?」との問いに対する適切な答えを選択肢A~Dの中から選択する問題である場合において、ヒント要求ボタン83を選択した場合に、ヒント情報Hを提示する対象の選択肢をヒント箇所として特定できるようにしてもよい。図13には、ユーザがタップ操作などにより選択肢Bを選択している場合が例示されている。この状態でヒント表示ボタン86を選択することで、選択肢Bのテキストを構成する複数の単語の中から、ヒント情報Hを表示する対象の単語が選択され、上記の方法により当該単語に係るヒント情報Hが表示される。
【0064】
なお、第1の検索履歴条件及び第2の検索履歴条件は、上記に限られない。ヒント情報Hの表示対象の単語の検索履歴の状況が第1の状況である場合に第1の検索履歴条件が満たされるとしたときに、第2の検索履歴条件は、当該単語の検索履歴の状況が、第1の状況よりも当該項目の習熟度が低いことを示す第2の状況である場合に満たされる任意の条件とすることができる。また、第2の検索履歴条件が満たされている場合に選択される第2のヒント情報H2は、第1の検索履歴条件が満たされている場合に選択される第1のヒント情報H1よりも情報量が多くなるか、又は判読容易性が高くなるように、単語の項目情報から任意に選択することができる。
【0065】
(ヒント履歴の表示)
学習支援システム1による学習支援サービスでは、ユーザは、学習アプリ231上で所定の操作を行うことで、当該ユーザに対して過去に提示されたヒント情報Hに対応する単語を、ヒント履歴画面70において一覧表示させることができる。
【0066】
図14は、ヒント履歴画面70を示す図である。
ヒント履歴画面70には、過去に提示されたヒント情報Hに対応する単語であるヒント履歴単語71のリストと、ヒント履歴画面70を閉じるためのヒント履歴画面終了ボタン72などが表示されている。各ヒント履歴単語71には、当該ヒント履歴単語71に係るヒント情報Hが表示された日付が表示されている。ヒント履歴画面70に表示されるヒント履歴単語71及び日付は、学習履歴DB135における「ヒント表示日」に基づいて特定される。ヒント履歴単語71を選択する操作を行うことで、当該単語の項目情報を含む辞書画面40(図8)に遷移させることができる。
【0067】
(単語検索処理の制御手順)
次に、図8の辞書画面40の表示を行うための単語検索処理の制御手順について説明する。
図15は、単語検索処理の制御手順を示すフローチャートである。
図15では、端末装置20のCPU21が実行する単語検索処理、及びサーバ10のCPU11が実行する単語検索処理が併記されている。
【0068】
単語検索処理が開始されると、端末装置20のCPU21は、表示部25に辞書画面40を表示させる(ステップS101)。この段階では、項目情報表示領域42は空欄の状態であってもよい。
【0069】
CPU21は、ユーザにより単語検索の操作がなされたか否か、すなわち検索ボックス41に単語のスペルが入力されて検索の実行指示が受け付けられたか否かを判別する(ステップS102)。単語検索の操作がなされたと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU21は、指定された単語の単語データ(当該単語の項目情報を含むデータ)をサーバ10に要求する(ステップS103)。ここでは、CPU21は、サーバ10に対して単語データの要求信号を送信する。
【0070】
サーバ10のCPU11は、単語データの要求信号を受信すると、辞書DB132を参照し、指定された単語の項目情報を含む単語データを端末装置20に送信する(ステップS201)。また、CPU11は、学習履歴DB135において単語の検索履歴を更新する(ステップS202)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB135のうちログインしているユーザに対応するデータブロックにおいて、検索対象の単語の検索日を登録する。
【0071】
端末装置20のCPU21は、単語データを受信すると、辞書画面40の項目情報表示領域42に、単語の項目情報を表示させる(ステップS104)。
【0072】
CPU21は、音声再生ボタン43を選択する操作がなされたか否かを判別し(ステップS105)、当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、当該単語の音声データをサーバ10に要求する(ステップS106)。ここでは、CPU21は、サーバ10に対して音声データの要求信号を送信する。
【0073】
サーバ10のCPU11は、音声データの要求信号を受信すると、辞書DB132の「音声ファイルパス」を参照し、指定された単語の音声データを取得して端末装置20に送信する(ステップS203)。また、CPU11は、学習履歴DB135において単語の音声の再生履歴を更新する(ステップS204)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB135のうちログインしているユーザに対応するデータブロックにおいて、検索対象の単語の「音声再生」の項目を「1」に変更する。
【0074】
端末装置20のCPU21は、単語の音声データを受信すると、単語の音声を再生させる(ステップS107)。ここでは、CPU11は、音声出力部26に音声データを供給して、音声出力部26により単語の音声を出力させる。
【0075】
ステップS107が終了した場合、ステップS102において単語検索の操作がなされていないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、又はステップS105において音声再生ボタン43を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU21は、辞書画面終了ボタン44を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS108)。辞書画面終了ボタン44を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU21は、処理をステップS102に戻す。辞書画面終了ボタン44を選択する操作がなされたと判別された場合には(ステップS108で“YES”)、CPU21は、辞書画面40を閉じ(ステップS109)、単語検索処理を終了させる。
また、サーバ10のCPU11は、ステップS204の処理が終了すると、単語検索処理を終了させる。
【0076】
(テスト処理の制御手順)
次に、上述したテストの動作を行うためのテスト処理の制御手順について説明する。ここでは、リスニングテストを行う場合のテスト処理を例に挙げて説明する。
図16は、端末装置20のCPU21が実行するテスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0077】
テスト処理が開始されると、端末装置20のCPU21は、表示部25にテスト画面50を表示させる(ステップS301)。また、CPU21は、問題文データをサーバ10に要求し、問題文データを受信する(ステップS302)。
【0078】
CPU21は、問題文再生ボタン51を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS303)。当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS303で“YES”)、CPU21(出題手段)は、問題文の音声データを再生させ、問題を出題させる(ステップS304)。ここでは、CPU21は、音声出力部26に音声データを供給して、音声出力部26により問題文の音声を出力させる。
【0079】
CPU21は、ヒント要求ボタン53を選択する操作がなされたか否かを判別し(ステップS305)、当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS305で“YES”)、ヒント箇所選択画面60を表示させる(ステップS306)。CPU21は、選択ボタン61及びヒント表示ボタン62によってヒント箇所を選択する操作がなされたか否かを判別し(ステップS307)、当該操作がなされていないと判別された場合には(ステップS307で“NO”)、再度ステップS307を実行する。
【0080】
ヒント箇所を選択する操作がなされたと判別された場合には(ステップS307で“YES”)、CPU21は、選択されたヒント箇所についてのヒント情報Hを含むヒントデータをサーバ10に要求し、ヒントデータを受信する(ステップS308)。ヒントデータを受信すると、CPU21(ヒント情報提示手段)は、テスト画面50のヒント表示領域54にヒント情報Hを表示させる(ステップS309)。また、CPU21は、ヒント情報Hを表示した単語のヒント表示履歴の登録をサーバ10に要求する(ステップS310)。
【0081】
ステップS310の処理が終了した場合、又はステップS305においてヒント要求ボタンを選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS305で“NO”)、CPU21は、回答ボタン52を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS311)。回答ボタン52を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS311で“NO”)、CPU21は、処理をステップS305に戻す。回答ボタン52を選択する操作がなされたと判別された場合には(ステップS311で“YES”)、CPU21は、問題文データに含まれる正解データを参照して回答の正誤を判定し、正誤判定結果を表示する(ステップS312)。
【0082】
ステップS312の処理が終了した場合、又はステップS303において問題文再生ボタン51を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS303で“NO”)、CPU21は、テスト終了ボタン55を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS313)。CPU21は、テスト終了ボタン55を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS313で“NO”)、処理をステップS303に戻し、当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS313で“YES”)、テスト画面50を閉じて(ステップS314)、テスト処理を終了させる。
図16のテスト処理のうちステップS308、309が、「ヒント情報提示処理」に相当する。
【0083】
図17は、サーバ10のCPU11が実行するテスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
図17のサーバ10側のテスト処理は、図16の端末装置20側のテスト処理と並行して実行される。
【0084】
テスト処理が開始されると、サーバ10のCPU11は、問題文データの送信要求を端末装置20から受信したか否かを判別する(ステップS401)。問題文データの送信要求を受信していないと判別された場合には(ステップS401で“NO”)、CPU11は、再度ステップS401を実行する。問題文データの送信要求を受信したと判別された場合には(ステップS401で“YES”)、CPU11は、テストDB133の「音声ファイルパス」、「画像ファイルパス」及び「正解」のデータ列を参照して、問題文の音声データ、画像データ及び正解データを含む問題文データを端末装置20に送信する(ステップS402)。
【0085】
CPU11(受付手段)は、ヒントデータの送信要求を端末装置20から受信したか否か、すなわち、ユーザに対して出題された問題に係るヒント情報の提示要求を受け付けたか否かを判別する(ステップS403)。CPU11は、ヒントデータの送信要求を受信していないと判別された場合には(ステップS403で“NO”)、再度ステップS403を実行し、ヒントデータの送信要求を受信したと判別された場合には(ステップS403で“YES”)、ヒントデータ生成処理を実行する(ステップS404)。
【0086】
図18は、ヒントデータ生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
ヒントデータ生成処理が呼び出されると、CPU11は、テストDB133の「テキスト」のデータ列を参照し、問題文のテキストリストから、ヒント箇所を構成する複数の単語のリストを生成する(ステップS501)。
【0087】
CPU11は、変数Nに「0」を代入し(ステップS502)、変数Nの値が、ステップS501で生成した単語リストの単語数未満であるか否かを判別する(ステップS503)。変数Nの値が、単語リストの単語数未満であると判別された場合には(ステップS503で“YES”)、CPU11は、単語リストのN個目の単語が、上述したヒント対象単語に該当するか否かを判別する(ステップS504)。ここでは、CPU11は、辞書DB132の「品詞」及び「習熟難易度」のデータ列を参照し、数詞や固有名詞、及び習熟難易度が閾値未満の単語といった、上述の除外対象の単語に該当する場合には、ヒント対象単語に該当しないと判別する。
【0088】
N個目の単語がヒント対象単語に該当すると判別された場合には(ステップS504で“YES”)、CPU11は、当該N個目の単語が検索済みの単語であるか否かを判別する(ステップS505)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB135のうちテストを行っているユーザに対応するデータブロックを参照し、当該単語について検索日が登録されている場合に、検索済みの単語であると判別する。
【0089】
N個目の単語が検索済みの単語ではないと判別された場合には(ステップS505で“NO”)、CPU11は、未検索条件(第2の検索履歴条件)が満たされていると判別し、ヒント情報H(第2のヒント情報H2)として、N個目の単語の表記及び訳を選択する(ステップS506)。ここでは、CPU11は、辞書DB132のうちN個目の単語の項目情報を参照し、当該項目情報の中から、当該単語の表記及び訳のデータを取得する。
【0090】
CPU11は、N番目の単語が、複数の意味を持つ単語であるか否かを判別する(ステップS509)。例えば、単語「bear」は、「熊」及び「耐える」との2つの意味を持つ。このような単語は、辞書DB132において2つの項目に分けて登録されているため、CPU11は、辞書DB132において2以上の項目に分けて登録されている単語である場合に、複数の意味を持つ単語であると判別する。複数の意味を持つ単語であると判別された場合には(ステップS509で“YES”)、CPU11は、テストDB133の「訳」のデータ列に登録されている問題文の訳に基づいて、問題文の訳に応じた適切な単語の訳を選択する(ステップS510)。
【0091】
ステップS510が終了した場合、又はステップS509において複数の意味を持つ単語ではないと判別された場合には(ステップS509で“NO”)、CPU11は、選択したヒント情報Hをヒントデータに追加する(ステップS511)。
【0092】
一方、ステップS505において、N個目の単語が検索済みの単語であると判別された場合には(ステップS505で“YES”)、CPU11は、当該N個目の単語が音声再生済みの単語であるか否かを判別する(ステップS507)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB135のうちテストを行っているユーザに対応するデータブロックを参照し、当該単語について「音声再生」のデータ列が「1」となっている場合に、音声再生済みの単語であると判別する。
【0093】
N個目の単語が音声再生済みの単語ではないと判別された場合には(ステップS507で“NO”)、CPU11は、音声未再生条件(第1の検索履歴条件)が満たされていると判別し、ヒント情報H(第1のヒント情報H1)として、N個目の単語の表記のみを選択する(ステップS508)。ここでは、CPU11は、辞書DB132のうちN個目の単語の項目情報を参照し、当該項目情報の中から、当該単語の表記のデータを取得する。その後、CPU11は、処理をステップS511に移行させて、選択したヒント情報Hをヒントデータに追加する。
【0094】
N個目の単語が音声再生済みの単語であると判別された場合には(ステップS507で“YES”)、CPU11は、当該単語の習熟度が高いとみなして、当該単語についてのヒント情報Hを選択せずに、処理ステップS512に移行させる。また、ステップS511が終了した場合、又は、ステップS504において、N番目の単語がヒント対象単語に該当しないと判別された場合(ステップS504で“NO”)にも、ステップS512が実行される。ステップS512では、CPU11は、変数Nに「N+1」を代入し、処理をステップS503に移行させる。
【0095】
ステップS503において、変数Nの値が単語リストの単語数以上であると判別された場合には(ステップS503で“NO”)、CPU11は、ユーザ管理DB134の「リスニングヒント提示数」に従う数の単語を選択し、当該単語のヒント情報Hを含むヒントデータを生成する(ステップS513)。言い換えると、CPU11は、ヒントデータに含まれる単語数(ヒント情報Hの数)を、ユーザ管理DB134の「リスニングヒント提示数」に従って調整する。
ステップS513が終了すると、CPU11は、ヒントデータ生成処理を終了させて、処理をテスト処理に戻す。
図18のヒントデータ生成処理のうちステップS504、S505、S507は、取得手段及び判別手段としてのCPU11により実行される。また、ステップS506、S508~S511は、決定手段としてのCPU11により実行される。
【0096】
図17においてヒントデータ生成処理(ステップS404)が終了すると、CPU11は、生成したヒントデータを端末装置20に送信する(ステップS405)。
【0097】
CPU11は、端末装置20からのヒント表示履歴の登録要求(図16のステップS310)に応じて、ヒント情報Hを表示した単語を学習履歴DB135に登録する(ステップS406)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB135における「ヒント表示日」に、ヒントが表示された日付を登録する。
ステップS406が終了すると、CPU11は、テスト処理を終了させる。
【0098】
図19は、リーディングテストにおけるヒントデータ生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
リーディングテストが実行されている場合には、図18のヒントデータ生成処理に代えて図19のヒントデータ生成処理が実行される。図19のヒントデータ生成処理におけるステップS601~S605、S609~S613は、それぞれ図18のヒントデータ生成処理におけるステップS501~S505、S509~S513と同一であるため、説明は省略する。
【0099】
図19のヒントデータ生成処理では、CPU11は、ステップS605においてN番目の単語が検索済みの単語であると判別された場合には(ステップS605で“YES”)、最後に当該単語が検索された日時が基準時点以降であるか否かを判別する(ステップS606)。検索日時が基準時点以降であると判別された場合には(ステップS606で“YES”)、CPU11は、第1の検索時期条件(第1の検索履歴条件)が満たされていると判別し、ヒント情報H(第1のヒント情報H1)として、英英辞書におけるN個目の単語の表記及び項目情報を選択する(ステップS607)。ここでは、CPU11は、辞書DB132のうち英英辞書におけるN個目の単語の項目情報を参照し、当該単語の表記及び項目情報のデータを取得する。
【0100】
一方、ステップS605において、N番目の単語が検索済みではないと判別された場合(ステップS605で“NO”)、又は、ステップS606において、最後に当該単語が検索された日時が基準時点より前であると判別された場合には(ステップS606で“NO”)、CPU11は、第2の検索時期条件(第2の検索履歴条件)が満たされていると判別し、ヒント情報H(第2のヒント情報H2)として、英和辞書におけるN個目の単語の表記及び訳を選択する(ステップS608)。ここでは、CPU11は、辞書DB132のうち英和辞書におけるN個目の単語の項目情報を参照し、当該項目情報の中から、当該単語の表記及び訳のデータを取得する。
以降の処理は、図18のヒントデータ生成処理と同様である。
図19のヒントデータ生成処理のうちステップS604~S606は、取得手段及び判別手段としてのCPU11により実行される。また、S507~S611は、決定手段としてのCPU11により実行される。
【0101】
(ヒント履歴表示処理の制御手順)
次に、図14のヒント履歴画面70を用いたヒント履歴の表示動作を行うためのヒント履歴表示処理の制御手順について説明する。
【0102】
図20は、ヒント履歴表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
ヒント履歴表示処理は、ヒント履歴提示手段としてのCPU11により実行される。ヒント履歴表示処理が開始されると、端末装置20のCPU21は、表示部25にヒント履歴画面70を表示させる(ステップS701)。
【0103】
CPU21は、過去に表示されたヒント情報Hに係るヒント履歴データをサーバ10から取得する(ステップS702)。ここでは、サーバ10は、学習履歴DB135において「ヒント表示日」が登録されている単語のデータを含むヒント履歴データを端末装置20に送信する。CPU21は、ヒント履歴データを受信すると、ヒント履歴画面70においてヒント履歴単語71を表示させる(ステップS703)。
【0104】
CPU21は、ヒント履歴単語71を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS704)。当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS704で“YES”)、CPU21は、表示部25における表示を辞書画面40に遷移させ(ステップS705)、辞書DB132のうち選択された単語の項目情報をサーバ10から取得し(ステップS706)、選択された単語の項目情報を辞書画面40に表示させる(ステップS707)。
【0105】
CPU21は、辞書画面終了ボタン44を選択する操作がなされたか否かを判別し(ステップS708)、当該操作がなされていないと判別された場合には(ステップS708で“NO”)、再度ステップS708を実行する。当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS708で“YES”)、CPU21は、辞書画面40を閉じて(ステップS709)、ヒント履歴表示処理を終了させる。
【0106】
一方、ステップS704において、ヒント履歴単語71を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS704で“NO”)、CPU21は、ヒント履歴画面終了ボタン72を選択する操作がなされたか否かを判別する(ステップS710)。CPU21当該操作がなされていないと判別された場合には(ステップS710で“NO”)、処理をステップS704に戻し、当該操作がなされたと判別された場合には(ステップS710で“YES”)、CPU21は、ヒント履歴画面70を閉じて(ステップS711)、ヒント履歴表示処理を終了させる。
【0107】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ10は、CPU11を有し、CPU11は、ユーザに対して出題された問題に係る単語について学習履歴DB135から検索履歴情報を取得し(取得手段)、検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別し(判別手段)、当該充足状況の判別結果に基づいて、ユーザに対して提示する、問題に係るヒント情報Hを決定する(決定手段)。これにより、ユーザによる単語の検索履歴の状況に応じた適切な内容のヒント情報Hを選択して決定することができる。よって、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hをユーザに提示することができる。また、ユーザは、必要とする情報(単語の表記や訳)を適時に確認できるため、効率よく学習を行うことができる。
【0108】
また、CPU11は、検索履歴情報について異なる複数の検索履歴条件の充足状況を判別し(判別手段)、複数の検索履歴条件の1つは、単語の検索履歴の状況が第1の状況である場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、複数の検索履歴条件の他の1つは、単語の検索履歴の状況が、第1の状況よりも単語の習熟度が低いことを示す第2の状況である場合に満たされる第2の検索履歴条件であり、決定手段としてのCPU11は、第1の検索履歴条件が満たされている場合には、ユーザに対して提示するヒント情報Hとして、単語に係る項目情報の中から第1のヒント情報H1を選択し、第2の検索履歴条件が満たされている場合には、ユーザに対して提示するヒント情報Hとして、上記単語に係る項目情報の中から、第1のヒント情報H1よりも情報量の多い、又は判読容易性の高い第2のヒント情報H2を選択する。これにより、ユーザの単語の習熟度に応じた適切な情報量のヒント情報H、又は適切な判読容易性を有するヒント情報Hをユーザに提示することができる。
【0109】
また、ヒント情報Hの表示対象の単語は、問題の問題文を構成する複数の単語のいずれかであり、問題は、問題文の音声により出題され、第1の検索履歴条件は、学習履歴DB135に当該単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる音声未再生条件であり、第2の検索履歴条件は、学習履歴DB135に当該単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる未検索条件であり、決定手段としてのCPU11は、音声未再生条件が満たされている場合には、第1のヒント情報H1として当該単語の表記を選択し、未検索条件が満たされている場合には、第2のヒント情報H2として当該単語の表記及び訳を選択する。
音声未再生条件が満たされている場合には、テストを受けているユーザは単語を検索済みであるため、単語の表記から意味を把握することができると推定できる。一方で、当該単語の音声を再生していないため、問題文の音声から当該単語であることを聞き取ることができないものと推定できる。よって、リスニングテストにおいて音声未再生条件が満たされている場合に、ヒント情報Hとして単語の表記を選択することで、ユーザは、聞き取れなかった単語を特定でき、学習済みの単語の意味と紐付けることができる。よって、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hを提示することができる。
一方、未検索条件が満たされている場合には、ユーザは、単語の意味を学習していないと推定できる。また、当該単語の音声も再生していないため、問題文の音声から当該単語であることを聞き取ることもできないと推定できる。よって、リスニングテストにおいて未検索条件が満たされている場合に、ヒント情報Hとして単語の表記及び訳を選択することで、ユーザは、ヒント情報Hのうち単語の表記から、聞き取れなかった単語を特定でき、また、ヒント情報Hのうち単語の訳から、当該単語の意味も把握することができる。よって、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hを提示することができる。
また、ヒント情報Hとして単語の表記を提示することにより、リスニングテストにおいて問題文の単語自体に覚えがなく、辞書を検索するためのスペルも特定できないような場合であっても、学習を進めるために必要な情報(スペル)をユーザに提供できるため、ユーザの学習効率を高めることができる。
【0110】
また、ヒント情報Hの表示対象の単語は、問題の問題文を構成する複数の単語のいずれかであり、問題は、問題文の表示により出題され、第1の検索履歴条件は、最後に単語を検索した時点が基準時点以降である場合に満たされる第1の検索時期条件であり、第2の検索履歴条件は、最後に単語を検索した時点が基準時点より前である場合、及び検索履歴情報に単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる第2の検索時期条件である。これによれば、最後に単語を検索(学習)した時点からの経過期間の長さ(及び検索履歴の有無)に応じた適切な情報量のヒント情報H、又は適切な判読容易性を有するヒント情報Hをユーザに提示することができる。すなわち、最後に単語を検索した時点が基準時点より前である場合(又は検索履歴がない場合)には、単語の学習内容を忘却している(又は未学習である)可能性があると推定して、情報量の多いヒント情報H、又は判読容易性の高いヒント情報Hを提示することができる。
【0111】
また、決定手段としてのCPU11は、リーディングテストにおいて第1の検索時期条件が満たされている場合には、辞書DB132のうち英英辞書の項目情報(ユーザの母国語以外の言語で記述された項目情報)から第1のヒント情報H1を選択し、第2の検索時期条件が満たされている場合には、辞書DB132のうち英和辞書の項目情報(ユーザの母国語の言語で記述された項目情報)から第2のヒント情報H2を選択する。このように、最後に単語を検索(学習)した時点からの経過期間が短い場合に、判読容易性の低い英英辞書の項目情報をヒント情報Hとして提示することで、習熟度の高いユーザ適したレベルの第1のヒント情報H1を提示することができるとともに、英英辞書の内容に係る付加的な英語の学習をユーザに促すことができる。また、最後に単語を検索(学習)した時点からの経過期間が長い場合、及び当該単語を未検索である場合に、判読容易性の高い英和辞書の項目情報をヒント情報Hとして提示することで、習熟度の低いユーザに適したレベルの第2のヒント情報H2を提示することができる。
【0112】
また、決定手段としてのCPU11は、複数の単語のうち、習熟難易度が、予め定められている下限難易度以上である単語(上記実施形態では、習熟難易度が閾値以上である単語)の中からヒント情報Hの表示対象の単語を選択する。これにより、多くのユーザにとって不要となるレベルのヒント情報Hを表示しないようにすることができる。
【0113】
また、ヒント履歴提示手段としてのCPU11は、ユーザに対するヒント情報Hの提示履歴に係るヒント履歴情報を含む学習履歴DB135に基づいて、過去にユーザに対して提示されたヒント情報Hに対応する単語をユーザに対して提示する。これにより、ユーザは、効果的に単語の復習を行うことができる。
【0114】
また、決定手段としてのCPU11は、問題に係る複数の単語に対応する複数のヒント情報Hを選択してもよい。これにより、適切な量のヒント情報Hをユーザに提供することができる。
【0115】
また、本実施形態に係る端末装置20は、CPU21を有し、CPU11は、ユーザに対して問題を出題し(出題手段)、ユーザに対して出題された問題に係るヒント情報Hの提示要求に応じて、ヒント情報Hをユーザに対して提示する(ヒント情報提示手段)。また、ヒント情報提示手段としてのCPU21により提示されるヒント情報Hは、問題に係る単語の検索履歴情報についての検索履歴条件の充足状況の判別結果に基づいて決定される。これにより、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hをユーザに提示することができる。また、ユーザは、必要とする情報(単語の表記や訳)を適時に確認できるため、効率よく学習を行うことができる。
【0116】
また、本実施形態に係る情報処理システムとしての学習支援システム1は、情報処理装置としてのサーバ10及び端末装置20を備え、端末装置20のCPU21は、ユーザに対して問題を出題し(出題手段)、サーバ10のCPU11は、ユーザに対して出題された問題に係る単語について学習履歴DB135から検索履歴情報を取得し(取得手段)、検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別し(判別手段)、当該充足状況の判別結果に基づいて、ユーザに対して提示する、問題に係るヒント情報Hを決定し(決定手段)、端末装置20のCPU21は、サーバ10の決定手段としてのCPU11が決定したヒント情報Hをユーザに対して提示する(ヒント情報提示手段)。これにより、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hをユーザに提示することができる。また、ユーザは、必要とする情報(単語の表記や訳)を適時に確認できるため、効率よく学習を行うことができる。
【0117】
また、本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理システムとしての学習支援システム1のコンピュータ(CPU11及びCPU21)により実行される情報処理方法であって、ユーザに対して問題を出題し、ユーザに対して出題された問題に係る単語について学習履歴DB135から検索履歴情報を取得し、検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別し、当該充足状況の判別結果に基づいて、ユーザに対して提示する、問題に係るヒント情報Hを決定し、決定したヒント情報Hをユーザに対して提示する。これにより、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hをユーザに提示することができる。また、ユーザは、必要とする情報(単語の表記や訳)を適時に確認できるため、効率よく学習を行うことができる。
【0118】
また、本実施形態に係るサーバ制御プログラム131は、情報処理装置としてのサーバ10に設けられたコンピュータとしてのCPU11を、ユーザに対して出題された問題に係る単語について学習履歴DB135から検索履歴情報を取得する取得手段、検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段、当該充足状況の判別結果に基づいて、ユーザに対して提示する、問題に係るヒント情報Hを決定する決定手段、として機能させる。これにより、ユーザの単語の習熟度に応じた適切なヒント情報Hをユーザに提示することができる。
【0119】
<その他>
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、端末装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においてサーバ10が実行していた処理の一部又は全部を、端末装置20が実行してもよい。ヒント情報選択処理を端末装置20のCPU21が実行する場合には、端末装置20が「情報処理装置」に相当する。
【0120】
また、ヒント情報をテスト画面50に表示させる態様を例示したが、これに限られず、ヒント情報の提示は、表示に代えて、又は表示に加えて、音声の出力によりなされてもよい。例えば、図11Aのテスト画面50において、単語「software」の表記に加えて、当該単語の音声が音声出力部26から出力されてもよい。
【0121】
また、リスニングテストにおいて、第1の検索時期条件及び第2の検索時期条件の充足状況に基づいてヒント情報Hを異ならせてもよい。例えば、最後に単語が検索された時点が基準時点以降である場合(第1の検索時期条件を満たす場合)には、ヒント情報Hとして当該単語の表記のみを選択し、当該単語を最後に検索した時点が上記の基準時点より前である場合、及び当該単語の検索履歴がない場合(第2の検索時期条件を満たす場合)には、ヒント情報Hとして当該単語の表記及び訳を選択してもよい。
【0122】
また、第1のヒント情報H1及び第2のヒント情報H2は、上記実施形態に例示したものに限られない。第1のヒント情報H1及び第2のヒント情報H2は、第2のヒント情報H2が、第1のヒント情報H1よりも情報量が多くなるように、又は判読容易性が高くなるように選択された任意の情報であってもよい。
【0123】
また、複数の検索履歴条件は、3つ以上の検索履歴条件を含んでいてもよい。例えば、単語の検索回数や、最後に単語を検索した時期を3段階以上の区分に分けて、各区分に対応する場合に満たされる3つ以上の検索履歴条件の判別結果を用いてヒント情報の内容を異ならせてもよい。
【0124】
また、判別対象の複数の検索履歴条件が、3つ以上の検索履歴条件を含む場合において、満たしている検索履歴条件の数に応じてヒント情報Hが決定されてもよい。
【0125】
また、検索履歴条件は、上記実施形態に例示したものに限られず、検索の有無、検索の回数、検索の頻度(検索間隔)、及び検索を行った時期などの、検索に係る任意のパラメータに基づいて充足状況が判別される条件とすることができる。
【0126】
また、上記実施形態では、異なる複数の検索履歴条件の充足状況を判別し、その判別結果に基づいて提示するヒント情報を決定したが、これに代えて、1つの検索履歴条件の充足状況の判別結果に基づいて提示するヒント情報を決定してもよい。例えば、ヒント対象単語について「未検索条件」が満たされているか否かのみを判別し、「未検索条件」が満たされていると判別された場合には、ヒント情報として単語の表記及び訳を表示し、「未検索条件」が満たされていないと判別された場合には、ヒント情報を表示しないこととしてもよい。
【0127】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0128】
また、上記実施形態における学習支援システム1、サーバ10及び端末装置20の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0129】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ユーザに対して出題された問題に係る単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、
前記充足状況の判別結果に基づいて、前記ユーザに対して提示する、前記問題に係るヒント情報を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記判別手段は、前記検索履歴情報について異なる複数の前記検索履歴条件の充足状況を判別し、
前記複数の検索履歴条件の1つは、前記単語の検索履歴の状況が第1の状況である場合に満たされる第1の検索履歴条件であり、
前記複数の検索履歴条件の他の1つは、前記単語の検索履歴の状況が、前記第1の状況よりも前記単語の習熟度が低いことを示す第2の状況である場合に満たされる第2の検索履歴条件であり、
前記決定手段は、
前記第1の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ユーザに対して提示する前記ヒント情報として、前記単語に係る項目情報の中から第1のヒント情報を選択し、
前記第2の検索履歴条件が満たされている場合には、前記ユーザに対して提示する前記ヒント情報として、前記単語に係る前記項目情報の中から、前記第1のヒント情報よりも情報量の多い、又は判読容易性の高い第2のヒント情報を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記単語は、前記問題の問題文を構成する複数の単語のいずれかであり、
前記問題は、前記問題文の音声により出題され、
前記第1の検索履歴条件は、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれており、かつ当該単語の音声を再生した履歴が含まれていない場合に満たされる音声未再生条件であり、
前記第2の検索履歴条件は、前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる未検索条件であり、
前記決定手段は、
前記音声未再生条件が満たされている場合には、前記第1のヒント情報として前記単語の表記を選択し、
前記未検索条件が満たされている場合には、前記第2のヒント情報として前記単語の表記及び訳を選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記単語は、前記問題の問題文を構成する複数の単語のいずれかであり、
前記問題は、前記問題文の表示又は音声により出題され、
前記第1の検索履歴条件は、最後に前記単語を検索した時点が基準時点以降である場合に満たされる第1の検索時期条件であり、
前記第2の検索履歴条件は、最後に前記単語を検索した時点が前記基準時点より前である場合、及び前記検索履歴情報に前記単語を検索した履歴が含まれていない場合に満たされる第2の検索時期条件である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記決定手段は、
前記第1の検索時期条件が満たされている場合には、前記ユーザの母国語以外の言語で記述された前記項目情報の中から前記第1のヒント情報を選択し、
前記第2の検索時期条件が満たされている場合には、前記ユーザの母国語の言語で記述された前記項目情報の中から前記第2のヒント情報を選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記決定手段は、前記複数の単語のうち、習熟難易度が、予め定められている下限難易度以上である単語の中から前記単語を選択することを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記ユーザに対する前記ヒント情報の提示履歴に係るヒント履歴情報に基づいて、過去に前記ユーザに対して提示された前記ヒント情報に対応する前記単語を前記ユーザに対して提示するヒント履歴提示手段を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記決定手段は、前記問題に係る複数の前記単語に対応する複数の前記ヒント情報を決定することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項9>
ユーザに対して問題を出題する出題手段と、
前記ユーザに対して出題された前記問題に係るヒント情報の提示要求に応じて、前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示するヒント情報提示手段と、
を備え、
前記ヒント情報提示手段により提示される前記ヒント情報は、前記問題に係る単語の検索履歴情報についての検索履歴条件の充足状況の判別結果に基づいて決定される、
ことを特徴とする端末装置。
<請求項10>
情報処理装置及び端末装置を備え、
前記端末装置は、ユーザに対して問題を出題する出題手段を有し、
前記情報処理装置は、
ユーザに対して出題された問題に係る単語について検索履歴情報を取得する取得手段と、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段と、
前記充足状況の判別結果に基づいて、前記ユーザに対して提示する、前記問題に係るヒント情報を決定する決定手段と、
を有し、
前記端末装置は、前記決定手段が決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示するヒント情報提示手段を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
<請求項11>
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
ユーザに対して問題を出題し、
ユーザに対して出題された問題に係る単語について検索履歴情報を取得し、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別し、
前記充足状況の判別結果に基づいて、前記ユーザに対して提示する、前記問題に係るヒント情報を決定し、
決定した前記ヒント情報を前記ユーザに対して提示する、
ことを特徴とする情報処理方法。
<請求項12>
情報処理装置に設けられたコンピュータを、
ユーザに対して出題された問題に係る単語について検索履歴情報を取得する取得手段、
前記検索履歴情報について検索履歴条件の充足状況を判別する判別手段、
前記充足状況の判別結果に基づいて、前記ユーザに対して提示する、前記問題に係るヒント情報を決定する決定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0130】
1 学習支援システム(情報処理システム)
10 サーバ(情報処理装置)
11 CPU(受付手段、取得手段、判別手段、決定手段、ヒント履歴提示手段)
13 記憶部
131 サーバ制御プログラム(プログラム)
132 辞書DB
133 テストDB
134 ユーザ管理DB
135 学習履歴DB(検索履歴情報、ヒント履歴情報)
20 端末装置
21 CPU(出題手段、ヒント情報提示手段)
23 記憶部
231 学習アプリ
40 辞書画面
50 テスト画面
60 ヒント箇所選択画面
70 ヒント履歴画面
80 テスト画面
H ヒント情報
H1 第1のヒント情報
H2 第2のヒント情報
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20