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  • 特許-バッテリの制御装置および車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】バッテリの制御装置および車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20240814BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240814BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20240814BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20240814BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 Y
B60L58/16
B60L53/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022189102
(22)【出願日】2022-11-28
(65)【公開番号】P2024077187
(43)【公開日】2024-06-07
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 俊行
(72)【発明者】
【氏名】工藤 大輝
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064781(JP,A)
【文献】特開2020-119658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42 -10/48
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 -13/00
B60L 15/00 -58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを充電するときに前記バッテリを劣化させる複数の劣化要素のそれぞれの頻度に関する頻度データを取得する取得部と、
前記劣化要素と前記バッテリが劣化する速度である劣化速度との関係を示す劣化マップと、
前記頻度データおよび前記劣化マップに基づいて、前記バッテリの第1の劣化度を予測する劣化度予測部と、
予め定められたパラメータに基づいて前記バッテリの第2の劣化度を算出する劣化度算出部と、
前記第1の劣化度と前記第2の劣化度に基づいて前記劣化マップを補正する補正部と、
を備え
前記頻度データは、前記劣化要素としての前記バッテリを充電するときの消費電力、前記バッテリの充電状態、および、前記バッテリの温度を、一定期間に蓄積した頻度に関するデータであり、
前記劣化マップは、前記消費電力および前記バッテリの充電状態のそれぞれと劣化速度との対応関係を示すものであって、複数の温度区分のそれぞれに対応して設けられ、
前記補正部は、前記温度区分毎に前記劣化マップを補正する、
バッテリの制御装置。
【請求項2】
前記頻度データは、複数の温度区分のそれぞれに応じて蓄積され、
前記補正部は、前記温度区分における前記頻度データが蓄えられない場合、前記温度区分における前記劣化マップを補正しない、
請求項に記載のバッテリの制御装置。
【請求項3】
前記補正部は、定期的に前記劣化マップを補正する、
請求項に記載のバッテリの制御装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記第1の劣化度と前記第2の劣化度との差分が所定の範囲を超える場合、前記劣化マップを補正する、
請求項に記載のバッテリの制御装置。
【請求項5】
請求項に記載のバッテリの制御装置を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリの制御装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両をリースするリース会社は、リース期間が満了した後、再リースや、リース車両を売却する場合がある。
【0003】
リース車両が、車両走行用に用いられるバッテリを搭載した電動車両(Electric Vehicle:EV)である場合、バッテリの寿命が残存価格に影響する。バッテリの寿命は、バッテリの使用状況や、種類によって異なる。
【0004】
バッテリは、充放電が繰り返されることにより劣化する。バッテリの劣化度を数値化したパラメータの一つとして、SOH(State Of Health)がある。SOHは、例えば、初期(出荷時)の最大電力量を100%とした際の劣化時の最大電力量の割合である。バッテリの最大電力量は、バッテリの充放電が繰り返されることにより低下する。
【0005】
例えば、バッテリの電池容量値を算出し、算出された電池容量値を電池容量の初期値で除算することによって、バッテリの劣化度を算出するバッテリの制御装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-105589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、バッテリの寿命が残存価値に影響するため、リース期間中のバッテリの劣化度を把握することが可能であれば、延命措置によりバッテリの価値向上に繋げることが可能である。しかし、バッテリの劣化度を予測する効果的な手段がないという問題がある。
【0008】
本開示の目的は、バッテリの劣化度を予測することが可能なバッテリの制御装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本開示におけるバッテリの制御装置は、
バッテリを充電するときに前記バッテリを劣化させる複数の劣化要素のそれぞれの頻度に関する頻度データを取得する取得部と、
前記劣化要素と前記バッテリが劣化する速度である劣化速度との関係を示す劣化マップと、
前記頻度データおよび前記劣化マップに基づいて、前記バッテリの第1の劣化度を予測する劣化度予測部と、
予め定められたパラメータに基づいて前記バッテリの第2の劣化度を算出する劣化度算出部と、
前記第1の劣化度と前記第2の劣化度に基づいて前記劣化マップを補正する補正部と、
を備え
前記頻度データは、前記劣化要素としての前記バッテリを充電するときの消費電力、前記バッテリの充電状態、および、前記バッテリの温度を、一定期間に蓄積した頻度に関するデータであり、
前記劣化マップは、前記消費電力および前記バッテリの充電状態のそれぞれと劣化速度との対応関係を示すものであって、複数の温度区分のそれぞれに対応して設けられ、
前記補正部は、前記温度区分毎に前記劣化マップを補正する。
【0010】
本開示における車両は、上記のバッテリの制御装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、バッテリの劣化度を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施の形態におけるバッテリの制御装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、バッテリの温度区分に対応する頻度データの一例を示す図である。
図3図3は、バッテリの温度区分に対応する劣化マップの一例を示す図である。
図4図4は、バッテリの最大電力量と時間との関係の一例を示す図である。
図5図5は、劣化マップを補正する場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態におけるバッテリの制御装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態では、バッテリ(不図示)および制御装置1は電動車両(EV)に搭載されている。制御装置1は、バッテリの電圧、電流、温度および残量などのバッテリの状態を監視するとともに、バッテリを安全かつ有効に使うための制御を行う。なお、制御装置1の一部および全部は、電動車両に搭載されるものに限定されない。
【0014】
制御装置1は、記憶部2と制御部3とを備える。図1において、矢印は主なデータの流れを示しており、図1に示していないデータの流れがあってもよい。図1において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図1に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、コントローラエリアネットワーク(CANバス)等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0015】
記憶部2は、制御装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や制御装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報、劣化マップ(後述する)を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。
【0016】
制御部3は、制御装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することによって取得部30、劣化度予測部31、劣化度算出部32及び補正部33として機能する。
【0017】
なお、図1は、制御装置1が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、制御装置1は、例えば複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部3を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0018】
車両制御部5は、車両走行中に常に変化する車両の状態を判断し、最適な状態を維持するために制御装置1を含む各コンポーネントを制御する。
【0019】
制御装置1は、充電器(不図示)からバッテリ(不図示)に電力を充電する制御を実行するとともに、バッテリから車両走行用のモータに電力を供給する制御を実行する。バッテリは、充放電が繰り返されることにより劣化し、バッテリの最大電力量が低下する。バッテリは、複数の劣化要素のそれぞれの頻度に応じて劣化する。ここで、複数の劣化要素は、バッテリを充電するときの消費電力、バッテリの充電状態(State Of Charge:SOC)、および、バッテリの温度(セル温度)などのうち、2以上の要素を含む。複数の劣化要素のそれぞれは、センサ(不図示)により検出される。センサの検出結果は、所定の時間間隔で監視部4に送信される。
【0020】
(取得部30)
取得部30は、複数の劣化要素のそれぞれの頻度に関する頻度データを監視部4から取得する。取得部30により取得された頻度データは記憶部2に記憶される。バッテリの低温から高温までの温度範囲は複数の温度領域(温度区分)に区分けされる。頻度データは、バッテリの温度区分(C1,C2,…,Ci,…,Cz)毎に記憶部2に記憶される。なお、低温および高温のそれぞれの温度、並びに、温度区分の数は、実験やシミュレーションにより設定される。
【0021】
図2は、バッテリの温度区分Ciに対応する頻度データの一例を示す図である。頻度データは、縦横それぞれの方向に複数個のマトリクス状に配列されている。横方向には、SOC(%)の区分が小から大に向かってA1,A2,…,Aj,…,Amの順番に並べられている。縦方向には、電力量(kWh)の区分が小から大に向かってB1,B2,…,Bk,…,Bnの順番に並べられている。例えば、頻度データd11は、温度区分Ci、SOCの区分A1、電力量の区分B1のそれぞれに対応する頻度データである。また、頻度データdjkは、温度区分Ci、SOCの区分Aj、電力量の区分Bkのそれぞれに対応する頻度データである。また、頻度データdmnは、温度区分Ci、SOCの区分Am、電力量の区分Bnのそれぞれに対応する頻度データである。
【0022】
劣化要素のそれぞれに対応する頻度データ(d11,…,djk,…,dmn)は、バッテリを充電するときに劣化要素のそれぞれに対応する時間によって示すことができる。なお、頻度データは、バッテリを充電するときに劣化要素のそれぞれに対応する回数で示してもよい。
【0023】
以下の説明で、バッテリの最大電力量の減少量を頻度データ(時間)で除算した数値を「劣化速度」という。
【0024】
図3は、バッテリの温度区分Ciに対応する劣化マップの一例を示す図である。劣化マップは、劣化速度が縦横それぞれの方向に複数個のマトリクス状に配列されたものである。横方向には、上記の頻度データと同様に、SOC(%)の区分が小から大に向かってA1,A2,…,Aj,…,Amの順番に並べられている。縦方向には、上記の頻度データと同様に、電力量(kWh)の区分が小から大に向かってB1,B2,…,Bk,…,Bnの順番に並べられている。例えば、劣化速度V11は、温度区分Ci、SOCの区分A1、電力量の区分B1のそれぞれに対応する劣化速度である。また、劣化速度Vjkは、温度区分Ci、SOCの区分Aj、電力量の区分Bkのそれぞれに対応する劣化速度である。また、劣化速度Vmnは、温度区分Ci、SOCの区分Am、電力量の区分Bnのそれぞれに対応する劣化速度である。劣化マップは、記憶部2に記憶されている。
【0025】
(劣化度予測部31)
次に、初期(出荷時)から一定期間経過後にバッテリの劣化度(本開示の「第1の劣化度)に対応する)を予測することについて説明する。また、バッテリの劣化度をSOH(State Of Health)として説明する。なお、バッテリの劣化度は、SOHに限定されず、バッテリの劣化度を段階的に示すものでもよい。また、バッテリの劣化度の予測は、車両毎に行われる。
【0026】
図4は、バッテリの最大電力量と時間との関係の一例を示す図である。図4の横軸に時間を示し、縦軸に最大電力量(kWh)を示す。前述したように、頻度データは、バッテリの温度区分(C1,C2,…,Ci,…,Cz)毎に記憶部2に記憶される。記憶部2には、初期(出荷時)から一定期間経過するまでの頻度データが蓄積されている。
【0027】
図4に、初期(出荷時)の最大電力量と初期(出荷時)から一定期間(蓄積期間)経過後の最大電力量の差である最大電力量の減少量Baを示す。SOHは、初期の最大電力量に対する一定期間経過後の最大電力量で示される。
【0028】
劣化度予測部31は、頻度データおよび劣化マップに基づいて、バッテリの劣化度を予測する。
【0029】
具体的には、劣化度予測部31は、所定の温度区分における頻度データおよび劣化マップに基づいて、所定の温度区分におけるバッテリの最大電力量の減少量を予測する。具体的には、劣化度予測部31は、劣化マップにおける劣化速度に頻度データ(時間)を乗算する。乗算値が減少量となる。
【0030】
以上のようにして、劣化度予測部31は、温度区分ごとの頻度データおよび劣化マップに基づいて、温度区分ごとのバッテリの最大電力量の減少量を予測する。次に、劣化度予測部31は、温度区分ごとのバッテリの最大電力量の減少量を合計する。合計した減少量を初期の最大電力量から減算した値が劣化時の最大電力量となる。なお、初期の最大電力量は、記憶部2に記憶されている。劣化時の最大電力量を初期の最大電力量により除算した数値が、SOHとなる。
【0031】
(劣化度算出部32)
次に、初期(出荷時)から一定期間経過後にバッテリの劣化度(本開示の「第2の劣化度)に対応する)を算出することについて説明する。劣化度算出部32は、予め定められたパラメータに基づいてバッテリの劣化度を算出する。なお、バッテリの劣化度の算出方法には、例えば、特許文献1に記載された算出方法などの公知の方法が用いられるため、その説明を省略する。
【0032】
(補正部33)
補正部33は、劣化度予測部31により予測された劣化度と劣化度算出部32により算出された劣化度との差分に基づいて劣化マップを補正する。なお、補正部33は、劣化度予測部31により予測された劣化度と劣化度算出部32により算出された劣化度との大小関係(例えば、比率)に基づいて劣化マップを補正してもよい。
【0033】
次に、劣化マップの補正の一例について説明する。図4に、初期(出荷時)のバッテリの最大電力量と劣化度算出部32により算出されたバッテリの最大電力量との差である減少量Bbを示す。補正部33は、減少量Bbを減少量Baで除算し、除算した数値(補正値)を温度区分ごとの劣化マップにおける劣化速度に乗算することで、温度区分ごとの劣化マップを補正する。したがって、劣化マップにおける劣化速度は、補正値が「1」よりも大きい場合に早くなり、補正値が「1」よりも小さい場合に遅くなる。劣化マップを補正することによって、バッテリの劣化度をより正確に把握することができるため、バッテリの寿命(残存価格)をより的確に予測することが可能となる。
【0034】
次に、劣化マップの補正処理について、図5を参照して説明する。図5は、劣化マップの補正処理の一例を示すフローチャートである。本フローは、初期(出荷時)から一定期間経過後にユーザーが入力操作することにより開始される。なお、本フローに示す処理は、制御装置1の制御部3の各機能が実行するものであるが、ここではCPUが実行するものとして説明する。
【0035】
先ず、ステップS100において、CPUは、記憶部2から複数の温度区分ごとの頻度データを取得する。
【0036】
次に、ステップS110において、CPUは、温度区分ごとの頻度データおよび劣化マップのそれぞれに基づいて、バッテリの劣化度を予測する。
【0037】
次に、ステップS120において、CPUは、バッテリの劣化度を算出する。
【0038】
次に、ステップS130において、CPUは、予測されたバッテリの劣化度と算出された劣化度との差分を算出する。
【0039】
次に、ステップS140において、CPUは、劣化マップを補正する。その後、本フローは終了する。
【0040】
上記実施の形態におけるバッテリの制御装置1は、バッテリを充電するときにバッテリを劣化させる複数の劣化要素のそれぞれの頻度に関する頻度データを取得する取得部30と、劣化要素とバッテリが劣化する速度である劣化速度との関係を示す劣化マップと、頻度データおよび劣化マップに基づいて、バッテリの第1の劣化度を予測する劣化度予測部31と、予め定められたパラメータに基づいてバッテリの第2の劣化度を算出する劣化度算出部32と、第1の劣化度と第2の劣化度に基づいて劣化マップを補正する補正部33と、を備える。
【0041】
上記構成によれば、補正された劣化マップに基づいてバッテリの劣化度が予測されるため、バッテリの劣化度を正確に予測することが可能となる。
【0042】
また、上記実施の形態におけるバッテリの制御装置1では、頻度データは、劣化要素としてのバッテリを充電するときの消費電力、バッテリの充電状態、および、バッテリの温度を、一定期間に蓄積した頻度に関するデータである。バッテリの劣化に影響を及ぼす劣化要素に係る頻度データに基づいて、劣化度が予測されるため、バッテリの劣化度を正確に予測することが可能となる。
【0043】
また、上記実施の形態におけるバッテリの制御装置1では、頻度データは、複数の温度区分のそれぞれに応じて蓄積され、補正部33は、温度区分における頻度データが蓄えられない場合、温度区分における劣化マップを補正しなくてもよい。これにより、バッテリの劣化に影響を与えなかった頻度データが劣化マップの補正に使われないため、バッテリの劣化度をより正確に予測することが可能となる。
【0044】
また、上記実施の形態におけるバッテリの制御装置1では、補正部33は、第1の劣化度と第2の劣化度との差分が所定の範囲を超える場合、劣化マップを補正する。これにより、差分が所定の範囲を越えない場合、劣化マップの補正が行われないため、劣化マップの不必要な補正が実行されるのを防止することが可能となる。
【0045】
なお、上記実施の形態では、初期(出荷時)から一定期間経過後にバッテリの劣化度(本開示の「第1の劣化度)に対応する)を予測し、予測された劣化度と算出された劣化度との差分に基づいて劣化マップ(初期の劣化マップ)を補正することについて説明したが、本開示はこれに限らず、補正部33は、定期的に劣化マップを補正してもよい。定期的に補正される劣化マップに基づいて、バッテリの劣化度が予測されるため、劣化度の予測精度を定期的に修正することが可能となる。なお、バッテリの劣化度を定期的に予測する場合において、例えば、2回目の劣化度を予測する場合、1回目と2回目との間の期間に蓄積された頻度データ、および、1回目で補正された劣化マップに基づいて、劣化を予測するようにしてもよい。
【0046】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0047】
すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示は、バッテリの劣化度を予測することが要求されるバッテリの制御装置が搭載された電動車両に好適に利用される。
【符号の説明】
【0049】
1 制御装置
2 記憶部
3 制御部
4 監視部
5 車両制御部
30 取得部
31 劣化度予測部
32 劣化度算出部
33 補正部
図1
図2
図3
図4
図5