(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】レコメンド装置、レコメンドシステム、レコメンド方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240814BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022564949
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2020044291
(87)【国際公開番号】W WO2022113286
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】網代 育大
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2019/013344(JP,A1)
【文献】特開2019-215748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて、前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備え
、
前記特定手段は、前記協業先候補企業の企業情報を参照して、前記対象企業の競合企業以外の企業を前記推奨企業として特定する
ことを特徴とするレコメンド装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて、前記対象企業と前記協業先候補企業との類似度を算出し、
前記出力手段は、前記推奨企業を、前記類似度に応じた表示態様で表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレコメンド装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて前記類似度を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレコメンド装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記協業先候補企業の業種を含む前記協業候補企業情報に基づいて、前記対象企業の業種に対応する企業を前記競合企業として特定する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のレコメンド装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、複数のキーワードをそれぞれ格納する複数の辞書を用いて、前記コアフレーズを前記辞書毎に抽出し、
前記特定手段は、前記辞書毎に抽出されたコアフレーズに基づいて前記推奨企業を特定する、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のレコメンド装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて前記推奨企業を特定する、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のレコメンド装置。
【請求項7】
レコメンド装置が、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出し、
前記コアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定し、
前記推奨企業を示す情報を出力し、
前記推奨企業を特定する工程において、前記レコメンド装置が、前記協業先候補企業の企業情報を参照して、前記対象企業の競合企業以外の企業を前記推奨企業として特定する
ことを特徴とするレコメンド方法。
【請求項8】
コンピュータをレコメンド装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、として機能させ、
前記特定手段は、前記協業先候補企業の企業情報を参照して、前記対象企業の競合企業以外の企業を前記推奨企業として特定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
レコメンド装置と、ユーザ端末とを含み、
前記レコメンド装置は、
入力情報が示す対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備え、
前記特定手段は、前記協業先候補企業の企業情報を参照して、前記対象企業の競合企業以外の企業を前記推奨企業として特定し、
前記ユーザ端末は、
前記入力情報を取得する入力手段と、
前記レコメンド装置が出力した推奨企業を示す情報を表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とするレコメンドシステム。
【請求項10】
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて、前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備え、
前記抽出手段は、複数のキーワードをそれぞれ格納する複数の辞書を用いて、前記コアフレーズを前記辞書毎に抽出し、
前記特定手段は、前記辞書毎に抽出されたコアフレーズに基づいて前記推奨企業を特定する
ことを特徴とするレコメンド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業間のビジネスマッチングの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
取引に適した企業の組み合わせを提示するビジネスマッチングシステムが用いられている。特許文献1に記載のビジネスマッチングシステムは、企業の属性データ、財務データ、取引データを所定の分類項目で分類したセグメントデータに基づいて、マッチング対象となる企業に有効な取引先を抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のビジネスマッチングシステムは、セグメントデータに基づいてマッチング対象である企業の取引先の候補を抽出するものの、より適切な候補を提示するとの観点において改善の余地がある。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の一態様の目的の一例は、企業間でのビジネスマッチングにおいてより適切なマッチング候補の出力が可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るレコメンド装置は、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて、前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備える。
【0007】
本発明の一側面に係るレコメンド方法は、レコメンド装置が、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出し、前記コアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定し、前記推奨企業を示す情報を出力する。
【0008】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータをレコメンド装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータを、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、として機能させる。
【0009】
本発明の一側面に係るレコメンドシステムは、レコメンド装置と、ユーザ端末とを含み、前記レコメンド装置は、入力情報が示す対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備え、前記ユーザ端末は、前記入力情報を取得する入力手段と、前記レコメンド装置が出力した推奨企業を示す情報を表示する表示手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、企業間でのビジネスマッチングにおいてより適切なマッチング候補を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の例示的実施形態1に係るレコメンド装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態1に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態2に係るレコメンドシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態2に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態3に係るレコメンドシステムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態3に係るニーズ情報データベースの具体例を示す図である。
【
図7】本発明の例示的実施形態3に係るキーワード辞書の具体例を示す図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態3に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態3において表示される画面例を示す図である。
【
図10】本発明の例示的実施形態4に係るレコメンドシステムの構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の例示的実施形態4における企業情報データベースの具体例を示す図である。
【
図12】本発明の例示的実施形態4に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図13】本発明の例示的実施形態5に係るレコメンドシステムの構成を示すブロック図である。
【
図14】本発明の例示的実施形態5に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図15】本発明の例示的実施形態6に係るレコメンドシステムの構成を示すブロック図である。
【
図16】本発明の例示的実施形態6に係るレコメンド方法の流れを示すフロー図である。
【
図17】本発明の例示的実施形態6において表示される画面例を示す図である。
【
図18】本発明の各例示的実施形態におけるレコメンド装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
本発明の例示的実施形態1について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0013】
<レコメンド装置の構成>
本例示的実施形態に係るレコメンド装置100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、レコメンド装置100の構成を示すブロック図である。レコメンド装置100は、ビジネスマッチングにおいて対象企業のマッチング候補として推奨する推奨企業を提示する装置である。
【0014】
図1に示すように、レコメンド装置100は、抽出部101、特定部102および出力部103を備える。抽出部101は、本例示的実施形態において抽出手段を実現する構成である。特定部102は、本例示的実施形態において特定手段を実現する構成である。出力部103は、本例示的実施形態において出力手段を実現する構成である。
【0015】
抽出部101は、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する。
【0016】
ここで、所望の協業内容とは、企業が他の企業と協業したい事業内容である。例えば、所望の協業内容は、協業先として求める企業の特徴を含む。また、所望の協業内容は、当該企業の企業名、事業内容、展開サービス、提供製品、及び企業理念、の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0017】
対象企業情報は、対象企業の所望の協業内容を含む情報である。対象企業情報は例えば、企業のニーズを表す文章、または企業を説明または解説する文章を含む。コアフレーズは、対象企業情報に含まれるフレーズであり、一例として、企業に関連する文章の一部又は全部の文字列である。コアフレーズは、例えば1又は複数の文を含んでもよく、また、ひとつの文の一部が抽出されたものであってもよい。抽出条件は、対象企業情報からコアフレーズを抽出するための条件である。抽出条件に基づくコアフレーズの抽出処理は例えば、1または複数のキーワードが登録されたキーワード辞書(キーワードのリスト)を用いてコアフレーズを抽出する処理を含む。
【0018】
以降、複数の企業のうち対象企業以外の企業を、協業先候補企業とも記載する。対象企業情報および協業候補企業情報は、一例として、記憶装置に記憶される。ここで、記憶装置は、レコメンド装置100に含まれていてもよいし、レコメンド装置100と通信可能に接続された外部の装置であってもよい。例えば、抽出部101は、対象企業情報および協業候補企業情報に対して形態素解析等の自然言語処理を行って解析し、解析結果が所定の条件を満たす部分をコアフレーズとして抽出する。自然言語処理の手法としては、公知の技術を採用可能である。ただし、対象企業情報および協業候補企業情報からコアフレーズを抽出する処理は、上述した処理に限定されない。
【0019】
特定部102は、抽出部101が抽出したコアフレーズに基づいて、協業先候補企業の中から推奨企業を特定する。例えば、特定部102は、1以上の協業先候補企業のうち、対象企業情報から抽出したコアフレーズと協業候補企業情報から抽出したコアフレーズとを比較し、類似の度合いが所定の条件を満たす協業先候補企業を、推奨企業として特定する。コアフレーズ同士の類似性を判断する技術としては、公知の技術を採用可能である。ただし、各企業のコアフレーズを参照して推奨企業を抽出する処理は、上述した処理に限定されない。
【0020】
出力部103は、特定部102が特定した推奨企業を示す情報を出力する。以下では、推奨企業を示す情報を推奨企業情報とも記載する。例えば、出力部103は、推奨企業情報を表示装置に出力する。ここで、表示装置は、レコメンド装置100に含まれていてもよいし、レコメンド装置100と通信可能に接続された外部の装置であってもよい。また、出力部103は、スピーカまたは画像形成装置等の他の装置に推奨企業情報を出力してもよく、また、外部記憶装置に推奨企業情報を出力して記憶させてもよい。ただし、推奨企業をユーザに出力する処理は、上述した処理に限定されない。
【0021】
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンド装置100が実行するレコメンド方法S100の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、レコメンド方法S100の流れを示すフロー図である。
図2に示すように、レコメンド方法S100は、ステップS1~S3を含む。
【0022】
(ステップS1)
ステップS1において、抽出部101は、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する。
【0023】
(ステップS2)
ステップS2において、特定部102は、抽出部101が抽出したコアフレーズに基づいて、協業先候補企業の中から推奨企業を特定する。
【0024】
(ステップS3)
ステップS3において、出力部103は、特定部102が特定した推奨企業を示す推奨企業情報を出力する。
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態に係るレコメンド装置100は、対象企業情報全体ではなく抽出条件に基づいて対象企業情報から抽出されたコアフレーズに基づいて、推奨企業を特定する。これにより、本例示的実施形態に係るレコメンド装置100によれば、企業間でのビジネスマッチングにおいてより適切なマッチング候補を出力できる。
【0025】
〔例示的実施形態2〕
本発明の例示的実施形態2について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0026】
<レコメンドシステムの構成>
本例示的実施形態に係るレコメンドシステム1は、ビジネスマッチングにおいて対象企業のマッチング候補として推奨する推奨企業をユーザに提示するシステムである。レコメンドシステム1の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、レコメンドシステム1の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、レコメンドシステム1は、レコメンド装置10と、ユーザ端末3とを含む。レコメンド装置10およびユーザ端末3は、互いに通信可能に接続される。
【0027】
(レコメンド装置の構成)
レコメンド装置10は、抽出部11、特定部12および出力部13を備える。抽出部11は、本例示的実施形態において抽出手段を実現する構成である。特定部12は、本例示的実施形態において特定手段を実現する構成である。出力部13は、本例示的実施形態において出力手段を実現する構成である。
【0028】
抽出部11は、複数の企業のうち対象企業を示す入力情報をユーザ端末3から受信する点が、例示的実施形態1における抽出部101と異なる。その他の点については、抽出部101と同様に構成されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0029】
特定部12は、例示的実施形態1における特定部102と同様に構成されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0030】
出力部13は、特定部12が特定した推奨企業を示す推奨企業情報をユーザ端末3に出力する点が、例示的実施形態1における出力部103と異なる。具体的には、出力部13は、特定部12が特定した推奨企業を示す情報を、ユーザ端末3に送信する。その他の点については、出力部103と同様に構成されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0031】
(ユーザ端末の構成)
図3に示すように、ユーザ端末3は、入力部31および表示部32を備える。入力部31は、本例示的実施形態において入力手段を実現する構成である。表示部32は、本例示的実施形態において表示手段を実現する構成である。ユーザ端末3は、入力装置および表示装置(何れも不図示)に接続される。
【0032】
入力部31は、複数の企業のうち対象企業を示す入力情報を、入力装置を介して取得する。入力部31は、取得した入力情報をレコメンド装置10に送信する。
【0033】
表示部32は、レコメンド装置10が出力した推奨企業を示す情報を表示装置に表示する。
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンドシステム1が実行するレコメンド方法S10の流れについて、
図4を参照して説明する。
図4は、レコメンド方法S10の流れを示すフロー図である。
図4に示すように、レコメンド方法S10は、ステップS11~S15を含む。
【0034】
(ステップS11)
ステップS11において、ユーザ端末3の入力部31は、複数の企業のうち対象企業を示す入力情報を取得し、取得した入力情報をレコメンド装置10に送信する。
【0035】
(ステップS12)
ステップS12において、抽出部11は、対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する。
【0036】
(ステップS13)
ステップS13において、特定部12は、抽出部11が抽出したコアフレーズに基づいて、協業先候補企業の中から推奨企業を特定する。
【0037】
(ステップS14)
ステップS14において、出力部13は、特定部102が特定した推奨企業を示す情報をユーザ端末3に出力する。具体的には、出力部13は、推奨企業情報をユーザ端末3に送信する。
【0038】
(ステップS15)
ステップS15において、ユーザ端末3の表示部32は、レコメンド装置10が送信した推奨企業情報を、表示装置に表示する。
【0039】
<本例示的実施形態の効果>
以上の構成により、本例示的実施形態によれば、ユーザ端末のユーザは、対象企業を示す入力情報を入力することにより、対象企業のマッチング候補である推奨企業を表示画面で把握することができる。
【0040】
〔例示的実施形態3〕
本発明の例示的実施形態3について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1~2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0041】
<レコメンドシステムの構成>
本例示的実施形態に係るレコメンドシステム1Aの構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、レコメンドシステム1Aの構成を示すブロック図である。レコメンドシステム1Aは、各企業のニーズ文を参照して、ユーザが指定した対象企業のマッチング候補として推奨する推奨企業を示す情報を出力するシステムである。企業のニーズ文とは、企業のニーズを表す文章であり、本明細書に係る対象企業情報および協業候補企業情報の一例である。
【0042】
図5に示すように、レコメンドシステム1Aは、レコメンド装置10Aと、ユーザ端末3Aとを含む。レコメンド装置10Aおよびユーザ端末3Aは、ネットワークN1を介して通信可能に接続される。なお、
図5には、1つのユーザ端末3Aを示しているが、レコメンド装置10Aが接続されるユーザ端末3Aの数は限定されない。ネットワークN1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらのネットワークの組み合わせである。ただし、ネットワークN1の構成はこれらに限定されない。
【0043】
(ユーザ端末の構成)
図5に示すように、ユーザ端末3Aは、例示的実施形態2におけるユーザ端末3と同様の構成に加えて、通信部33Aを備える。
【0044】
通信部33Aは、ネットワークN1を介してレコメンド装置10Aとの間で情報を送受信する。以降、通信部33Aがレコメンド装置10Aとの間で情報を送受信することを、単に、ユーザ端末3Aがレコメンド装置10Aとの間で情報を送受信する、とも記載する。
【0045】
(レコメンド装置の構成)
また、
図5に示すように、レコメンド装置10Aは、制御部110A、記憶部120A、および通信部130Aを含む。制御部110Aは、抽出部11A、特定部12Aおよび出力部13Aを備える。抽出部11Aは、本例示的実施形態において抽出手段を実現する構成である。特定部12Aは、本例示的実施形態において特定手段を実現する構成である。出力部13Aは、本例示的実施形態において出力手段を実現する構成である。制御部110Aに含まれるこれらの機能ブロックの詳細については後述する。
【0046】
記憶部120Aは、ニーズ情報データベースDB1、およびキーワード辞書DB3を記憶する。ニーズ情報データベースDB1およびキーワード辞書DB3の詳細については後述する。記憶部120Aは、本例示的実施形態において記憶装置を実現する構成である。
【0047】
通信部130Aは、制御部110Aの制御の基に、ネットワークN1を介してユーザ端末3Aとの間で情報を送受信する。以降、制御部110Aが通信部130Aを介してユーザ端末3Aとの間で情報を送受信することを、単に、制御部110Aがユーザ端末3Aとの間で情報を送受信する、とも記載する。
【0048】
(ニーズ情報データベース)
ニーズ情報データベースDB1の構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、ニーズ情報データベースDB1の具体例を示す図である。
図6に示すように、ニーズ情報データベースDB1は、複数の企業の各々についてニーズ文を含む情報を格納する。本例示的実施形態における各企業のニーズ文は、請求の範囲に記載した「対象企業情報」および「協業候補企業情報」の一例である。換言すると、ニーズ情報データベースDB1は、対象企業情報と協業候補企業情報とを記憶する。
【0049】
各企業のニーズ文は例えば、当該企業が求める協業先の特徴を示すフレーズを含む。例えば、
図6において、企業Aのニーズ文に含まれる「贈答用の加工食品を製造する業者を探しています。」とのフレーズは、企業Aが求める協業先の特徴の一例を示している。また、例えば、
図6において企業Bに関連するニーズ文に含まれる「フリーズドライ食品の販路を求めています。」とのフレーズは、企業Bが求める協業先の特徴の一例を示している。
【0050】
(ニーズ文が登録された企業)
以降、ニーズ情報データベースDB1にニーズ文を含む情報が格納された企業を、「ニーズ情報データベースDB1にニーズ文が登録された企業」、または、単に、「ニーズ文が登録された企業」、とも記載する。新たな企業のニーズ文が、レコメンド装置10Aの運用開始後に追加して登録される場合もあり得る。また、既に登録されたニーズ文が、レコメンド装置10Aの運用開始後に修正される場合もあり得る。また、既に登録された企業のニーズ文が、レコメンド装置10Aの運用開始後に削除される場合もあり得る。
【0051】
(複数の企業)
「複数の企業」とは、ニーズ情報データベースDB1にニーズ文が登録されている複数の企業を指す。
【0052】
(対象企業)
「対象企業」とは、複数の企業のうち、マッチングの対象である企業を指す。対象企業は、例えばレコメンド装置10Aのユーザにより指定される。
【0053】
(推奨企業)
「推奨企業」とは、複数の企業のうち、レコメンド装置10Aが対象企業の協業先として推奨する企業、すなわち対象企業のマッチング候補として推奨する企業を指す。
【0054】
(協業先候補企業)
「協業先候補企業」とは、複数の企業のうち、対象企業以外の企業を指す。協業先候補企業は、推奨企業の候補となる企業である。1つの対象企業に対して、1以上の協業先候補企業が存在する。以下の説明では、説明の便宜上、対象企業、推奨企業および協業先候補企業を各々区別する必要がない場合には、これらを単に「企業」ともいう。
【0055】
(キーワード辞書)
図7は、キーワード辞書DB3の具体例を示す図である。キーワード辞書DB3は、コアフレーズを抽出する処理においてキーワードとして用いられる単語が1または複数登録されたリストである。キーワード辞書に登録されるキーワードは例えば、企業のニーズを表す文に含まれる可能性が高い単語である。キーワード辞書DB3を用いたコアフレーズの抽出処理は、本明細書に係る、所定の抽出条件を用いたコアフレーズの抽出処理の一例である。
【0056】
図7の例では、キーワード辞書DBには、「求めて」、「探して」、「買いたい」、「売りたい」、といった単語が登録されている。キーワード辞書は、例えばレコメンドシステム1Aの管理者等により生成される。
【0057】
(コアフレーズ)
コアフレーズは、キーワード辞書DB3を用いて企業のニーズ文から抽出されるフレーズである。コアフレーズは例えば、企業のニーズの中核をなすフレーズである。コアフレーズは例えば、キーワード辞書DB3に登録された1または複数のキーワードを含む。
【0058】
(抽出部の構成)
抽出部11Aは、ニーズ情報データベースDB1に格納された、対象企業のニーズ文と協業先候補企業のニーズ文とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する。コアフレーズを抽出する手法の詳細については後述する。
【0059】
(特定部の構成)
特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに基づいて、1以上の協業先候補企業の中から推奨企業を特定する。推奨企業を特定する手法の詳細については後述する。
【0060】
(出力部の構成)
出力部13Aは、特定部12Aが特定した推奨企業を示す推奨企業情報を出力する。例えば、出力部13Aは、推奨企業情報をユーザ端末3Aに送信することにより出力する。
【0061】
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンドシステム1Aが実行するレコメンド方法S10Aの流れについて、
図8を参照して説明する。
図8は、レコメンド方法S10Aの流れを示すフロー図である。
図8に示すように、レコメンド方法S10Aは、ステップS101~S106を含む。
【0062】
(ステップS101)
ステップS101において、ユーザ端末3Aの入力部31は、入力装置を介して入力情報を取得する。入力情報は、対象企業を示す情報であり、例えば対象企業を識別する識別情報である。入力情報は、例えばユーザ端末3Aのユーザが入力装置を操作することにより入力される。ユーザは例えば、入力装置を用いて対象企業を示す識別情報を入力してもよく、また、入力装置を用いて複数の企業の中から対象企業を指定する操作を行うことにより入力情報を入力してもよい。
【0063】
(ステップS102)
ステップS102において、入力部31は、取得した入力情報をレコメンド装置10Aに送信する。抽出部11Aは通信部130Aを介して入力情報を受信する。
【0064】
(ステップS103)
ステップS103において、抽出部11Aは、ニーズ情報データベースDB1を参照して、対象企業のニーズ文と、1以上の協業先候補企業のニーズ文とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する。
【0065】
この例で、抽出部11Aは、ユーザ端末3から受信した入力情報の示す対象企業のニーズ文をニーズ情報データベースDB1から読み出す。抽出部11Aは例えば、読み出したニーズ文に対して自然言語処理を行い、読み出したニーズ文の中から、キーワード辞書DB3に登録されているキーワードまたはそのキーワードに類似するキーワードを含むフレーズをコアフレーズとして抽出する。この例で、自然言語処理は、例えば、形態素解析、N-gram解析等である。
【0066】
抽出部11Aが抽出するコアフレーズは、1または複数の文を含んでいてもよく、また、ひとつの文の一部が抽出されたフレーズであってもよい。抽出部11は例えば、キーワードを含む一文をコアフレーズとして抽出してもよく、また、キーワードを含む一文およびその前後の文を含む複数の文を、コアフレーズとして抽出してもよい。また、抽出部11は、キーワードを含む一文のうち、キーワードを含む部分をコアフレーズとして抽出してもよい。
【0067】
以下の説明では、対象企業のニーズ文から抽出されたコアフレーズを、単に「対象企業のコアフレーズ」ともいう。同様に、協業先候補企業のニーズ文から抽出されたコアフレーズを、「協業先候補企業のコアフレーズ」ともいう。
【0068】
例えば対象企業が「企業A」である場合、抽出部11Aは、
図7に例示したキーワード辞書DB3を用いて、
図6に例示した企業Aのニーズ文から「贈答用の加工食品を製造する業者を探しています。」というフレーズを、企業Aのコアフレーズとして抽出する。
【0069】
また、抽出部11Aは、協業先候補企業のニーズ文からも、キーワード辞書DB3を用いてコアフレーズを抽出する。例えば協業先候補企業に「企業B」が含まれる場合、抽出部11Aは、
図7に例示したキーワード辞書DB3を用いて、
図6に例示した企業Bのニーズ文から「このフリーズドライ食品の販路を求めています。」というフレーズを、企業Bのコアフレーズとして抽出する。
【0070】
抽出部11Aが抽出するコアフレーズの数は、企業のニーズ文の長さおよび内容等により異なる。抽出部11Aは、企業のニーズ文から1つのコアフレーズを抽出する場合もあり、また、複数のコアフレーズを抽出する場合もある。また、対象企業のニーズ文が短すぎる場合等、抽出部11Aがニーズ文からコアフレーズを抽出できない場合もあり得る。キーワードによりコアフレーズが抽出できなかった場合、抽出部11Aは、例えば、その企業のニーズ文全体をコアフレーズとして抽出してもよい。
【0071】
(ステップS104)
ステップS104において、特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに基づいて、1以上の協業先候補企業の中から推奨企業を特定する。この例で、特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに基づいて、対象企業と協業先候補企業との類似度を算出し、算出した類似度を用いて推奨企業を特定する。類似度は、対象企業のコアフレーズと協業先候補企業のコアフレーズの類似の程度を示す情報である。
【0072】
特定部12Aがコアフレーズ同士の類似性を判断する手法の具体例としては、(a)単語間距離に基づく手法、(b)文書間距離に基づく手法、または、(c)機械学習により学習された学習モデルに基づく手法が挙げられる。これらの手法の詳細について以下に説明する。ただし、コアフレーズ同士の類似性を判断する手法はこれらに限定されない。
【0073】
(a:単語間距離に基づく手法)
この手法を用いる場合、特定部12Aは、対象企業および各協業先候補企業のコアフレーズ間の類似度を、単語間距離に基づいて算出する。具体的には、特定部12Aは、対象企業のコアフレーズに含まれる各単語と、当該協業先候補企業のコアフレーズに含まれる各単語との各組み合わせについて単語間距離を算出する。特定部12Aは、コアフレーズに含まれる単語として、例えばステップS102で抽出部11Aが行った自然言語処理の解析結果を用いてもよい。また、特定部12Aは、算出した単語間距離を用いて、対象企業および協業先候補企業のコアフレーズ同士の類似度を算出する。
【0074】
例えば、特定部12Aは、対象企業のコアフレーズに含まれる単語w1i(i=1、2、・・・、n)と、協業先候補企業のコアフレーズに含まれる単語w2j(j=1、2、・・・、m)との各組み合わせについて単語間距離を算出する。ここで、n、mは自然数である。この場合、単語w1iおよび単語w2j間の組み合わせはn×m通り存在する。換言すると、特定部12Aは、n×m個の単語間距離を算出する。ここで、各単語w1iおよびw2jの特徴をベクトルとして表現する場合、単語間距離は、2つのベクトルのなす角度またはベクトル間のユークリッド距離により表わされる。単語の特徴をベクトルとして表現する技術としては、単語を入力として特徴ベクトルを出力するよう機械学習された学習モデルを用いることが考えられる。そのような学習モデルとしては、word2vec等の技術を適用可能であるが、これに限られない。
【0075】
特定部12Aは、単語間距離の統計値を用いて、対象企業および協業先候補企業のコアフレーズ同士の類似度を算出する。換言すると、特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて類似度を算出する。所定の特徴量空間は、例えば各単語の特徴がベクトルで表現されたユークリッド空間である。コアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離は、例えば上記の単語間距離の統計値である。
【0076】
具体例として、特定部12Aは、単語w1iおよびw2jの全組み合わせの単語間距離の平均値が小さいほど大きくなるよう、類似度を算出する。また、他の具体例として、特定部12Aは、当該全組み合わせのうち単語間距離が短いものから順に所定数の単語間距離の平均値が小さいほど大きくなるよう、類似度を算出する。
【0077】
特定部12Aは、算出した類似度が所定の条件を満たす1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。一例として、特定部12Aは、類似度が閾値以上となる1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。また、特定部12Aは、類似度の高い順に所定数の協業先候補企業を推奨企業として特定してもよい。
【0078】
(b:文書間距離に基づく手法)
この手法を用いる場合、特定部12Aは、対象企業および各協業先候補企業のコアフレーズ間の類似度を、文書間距離に基づいて算出する。換言すると、特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて類似度を算出する。所定の特徴量空間は、例えば各文章の特徴がベクトルで表現されたユークリッド空間である。コアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離とは、上記の文書間距離である。
【0079】
ここで、各コアフレーズの特徴をベクトルとして表現する場合、コアフレーズ同士の文書間距離は、2つのベクトルのなす角度またはベクトル間のユークリッド距離により表わされる。コアフレーズの特徴をベクトルとして表す技術としては、コアフレーズを入力として特徴ベクトルを出力するよう機械学習された学習モデルを用いることが考えられる。そのような学習モデルとしては、doc2vec等の技術を適用可能であるが、これに限られない。特定部12Aは、文書間距離が小さいほど大きくなるよう類似度を算出する。
【0080】
特定部12Aは、算出した類似度が所定の条件を満たす1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。一例として、特定部12Aは、類似度が閾値以上となる1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。また、特定部12Aは、類似度の高い順に所定数の協業先候補企業を推奨企業として特定してもよい。
【0081】
上記(a)または(b)の手法で類似性を判断する場合、換言すると、特定部12Aは、抽出部11Aが抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて推奨企業を特定する。コアフレーズに関する特徴ベクトル同士の距離は例えば、(a)の単語間距離の統計値、または(b)の文書間距離である。所定の特徴量空間は例えば、単語または文書の特徴がベクトルで表現されたユークリッド空間である。
【0082】
(c:学習モデルに基づく手法)
この手法を用いる場合、特定部12Aは、2つの企業のコアフレーズを入力として、当該コアフレーズ同士の類似性を示す情報を出力するよう機械学習により学習済みの学習モデルを用いる。特定部12Aは、対象企業のコアフレーズと協業先候補企業のコアフレーズとを学習モデルに入力する。また、特定部12Aは、学習モデルから「類似することを示す情報」が出力された1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。
【0083】
例えば、特定部12Aは、次のようにして、機械学習によりあらかじめ学習モデルを生成しておく。特定部12Aは、複数の企業のうち、実際のマッチング事例がある2つの企業の各コアフレーズを教師データとして、これらのコアフレーズを入力すると類似することを示す情報が出力されるよう、当該学習モデルを学習させる。また、例えば、特定部12Aは、マッチング事例がない2つの企業のコアフレーズを入力すると類似しないことを示す情報が出力されるよう、当該学習モデルを学習させる。一例として、特定部12Aは、事前学習されたモデルを用いて転移学習またはファインチューニングを行うことにより、学習モデルを生成してもよい。事前学習されたモデルの具体例としては、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)等が挙げられるが、これに限られない。なお、学習モデルは、類似するか否かを示す情報を出力する代わりに、類似度を出力するように学習済であってもよい。
【0084】
この場合、特定部12Aは、出力された類似度が所定の条件を満たす1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。特定部12Aは例えば、類似度が閾値以上となる1以上の協業先候補企業を、推奨企業として特定する。また、特定部12Aは例えば、類似度の高い順に所定数の協業先候補企業を推奨企業として特定してもよい。
【0085】
(ステップS105)
ステップS105において、出力部13Aは、ステップS104で特定部12Aが特定した推奨企業を表す推奨企業情報を生成し、生成した推奨企業情報をユーザ端末3Aに送信することにより出力する。具体的には、出力部13Aは例えば、推奨企業および推奨企業の類似度を表す画面データを生成し、生成した画面データをユーザ端末3Aに送信する。換言すると、出力部13Aは、生成した画像データをユーザ端末3Aに送信することにより、推奨企業を類似度に応じた表示態様で表示装置に表示させる。類似度に応じた表示態様で表示するとは、例えば、複数の推奨企業を類似度でソートして表示すること、推奨企業の類似度によって推奨企業を表す情報の色または形状等を異ならせて表示すること、また、各推奨企業の類似度を表す図形(グラフ等)を表示すること、を含む。
【0086】
(ステップS106)
ステップS106において、ユーザ端末3Aの表示部32は、推奨企業情報を表示装置に表示する。具体的には、表示部32は、レコメンド装置10Aから受信した画面データの表す画面を表示装置に表示する。本ステップでユーザ端末3Aに表示される画面例について、以下に説明する。
【0087】
<画面例>
図9は、推奨企業が表示された画面例G11である。
図9の例では、画面例G11は、対象企業である企業Aの推奨企業である企業B~Fの企業名と、対象企業である企業Aと各推奨企業の合致度とを含む。合致度は、類似度と同じものであってもよく、また、特定部12Aが類似度から合致度を算出してもよい。合致度は例えば、対象企業と推奨企業との類似の程度を0~100の数値で表すものであってもよい。
【0088】
更に、表示部32は、画面例G11において、推奨企業の企業名と各推奨企業の合致度とを対応付けて表示するとともに、推奨企業の企業名を、合致度の降順または昇順にソートして表示する。このように、
図9の例では、出力部13Aは、推奨企業の企業名と各推奨企業の合致度とを対応付けるとともに、推奨企業の企業名を合致度の降順または昇順にソートしたリストを含む画面を表す画面データを生成する。
【0089】
ユーザは、画面例G11に推奨企業が表示されることにより、自身が指定した対象企業のマッチング候補である推奨企業を認識できる。また、画面例G11において推奨企業が合致度でソートされ、合致度でランキング表示されることにより、対象企業の協業先としてより適切な推奨企業を把握し易い。
【0090】
ところで、ニーズ文全体を用いて推奨企業を特定しようとすると、企業のニーズとは直接関係のない記述部分がノイズとなり、推奨企業を適切に特定できない場合がある。それに対し本例示的実施形態では、レコメンドシステム1Aは抽出条件に基づき抽出したコアフレーズを用いることにより、推奨企業の特定処理におけるノイズの影響を軽減し易い。
【0091】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態によれば、レコメンドシステム1Aは対象企業のニーズ文と協業先候補企業のニーズ文とからキーワード辞書DB3を用いてコアフレーズを抽出し、抽出したコアフレーズに基づいて推奨企業を特定する。ニーズ文全体ではなくキーワード辞書DB3を用いてニーズ文から抽出されたコアフレーズに基づいて推奨企業を特定することにより、レコメンドシステム1Aはより適切な推奨企業をユーザに提示し易い。
【0092】
また、レコメンドシステム1Aが類似度を用いて特定した推奨企業を表示することにより、ユーザは各推奨企業と対象企業とのマッチングの程度を把握し易い。
【0093】
〔例示的実施形態4〕
本発明の例示的実施形態4について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1~3にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0094】
<レコメンドシステムの構成>
本例示的実施形態に係るレコメンドシステム1Bは、例示的実施形態3を変形した態様である。レコメンドシステム1Bは、対象企業のマッチング候補として推奨する推奨企業として、対象企業と競合しない可能性が高い企業をユーザに提示する。レコメンドシステム1Bの構成について、
図10を参照して説明する。
図10は、レコメンドシステム1Bの構成を示すブロック図である。
【0095】
図10に示すように、レコメンドシステム1Bは、例示的実施形態3に係るレコメンドシステム1Aとほぼ同様に構成されるが、レコメンド装置10Aに代えてレコメンド装置10Bを備える点が異なる。その他の点については、レコメンドシステム1Aと同様に構成される。
【0096】
(レコメンド装置の構成)
図10に示すように、レコメンド装置10Bは、制御部110Bと、記憶部120Bと、通信部130Aとを含む。制御部110Bは、例示的実施形態3における制御部110Aとほぼ同様に構成されるが、特定部12Aに代えて特定部12Bを備える点が異なる。その他の点については、制御部110Aと同様に構成される。
【0097】
記憶部120Bは、例示的実施形態3における記憶部120Aと同様に構成されることに加えて、さらに、企業情報データベースDB2を含む。
【0098】
(企業情報データベース)
企業情報データベースDB2の構成について、
図11を参照して説明する。
図11は、企業情報データベースDB2の具体例を示す図である。企業情報データベースDB2は、複数の企業の業種が登録されたデータベースである。
図11に示すように、企業情報データベースDB2は、複数の企業の各々に関する業種を含む企業情報を格納する。
図11の例では、企業A、I、J、Kの企業情報として、業種「情報通信」を示す情報が格納される。また、企業Hの企業情報として、業種「医薬品製造」を示す情報が格納される。また、企業Lの企業情報として、業種「化学製品卸売」を示す情報が格納される。なお、企業情報は、業種を示す情報に代えて、または加えて、企業に関するその他の情報を含んでいてもよい。
【0099】
特定部12Bは、企業情報データベースDB2に記憶された協業先候補企業の企業情報を参照して、対象企業の競合企業以外の企業を推奨企業として特定する。競合企業とは、対象企業と競合する可能性の高い企業をいう。競合企業は例えば、対象企業の業種と同一の業種の企業、または、対象企業の業種に類似する企業を含む。推奨企業を特定する処理の詳細については後述する。
【0100】
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンドシステム1Bが実行するレコメンド方法S10Bの流れについて、
図12を参照して説明する。
図12は、レコメンド方法S10Bの流れを示すフロー図である。
図12に示すように、レコメンド方法S10Bは、例示的実施形態3におけるレコメンド方法S10Aとほぼ同様に構成されるが、ステップS104に代えてステップS104a~104cを含む点が異なる。以下では、ステップS104a~S104cについて説明する。その他のステップについては、レコメンド方法S10Aと同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0101】
(ステップS104a)
ステップS104aにおいて、レコメンド装置10Bの特定部12Bは、推奨企業の候補として、対象企業との間でコアフレーズ同士が類似する1以上の協業先候補企業を特定する。本ステップにおいて特定部12Bが推奨企業の候補を特定する処理の詳細は、例示的実施形態3のステップS104において推奨企業を特定する処理と同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0102】
(ステップS104b)
ステップS104bにおいて、特定部12Bは、企業情報データベースDB2を参照して、推奨企業の候補のうち対象企業と競合する1以上の競合企業を特定する。特定部12Bは例えば、企業情報データベースDB2を参照し、協業先候補企業の業種を含む企業情報に基づいて、対象企業の業種に対応する企業を競合企業として特定する。対象企業の業種に対応する企業は、例えば、対象企業の業種と同一の業種の企業、または、対象企業の業種に類似する企業を含む。
【0103】
(競合企業を特定する処理の具体例)
具体的には、特定部12Bは、企業情報データベースDB2を参照して、推奨企業の候補のうち、その業種が対象企業の業種と同一である企業を、競合企業として特定する。例えば、
図11に示した企業情報データベースDB2の例において、企業Aの推奨企業の候補として、企業H、I、J、K、Lが特定されていたとする。この場合、特定部12Bは、推奨企業の候補のうち業種が企業Aと同一の「情報通信」である企業I、J、Kを、競合企業として特定する。
【0104】
なお、企業情報を参照して競合企業を特定する手法は、これに限定されない。例えば、特定部12Bは、2つの企業の企業情報を入力として競合度を出力するよう学習された学習モデルを用いてもよい。この場合、特定部12Bは、対象企業の企業情報と、推奨企業の候補の企業情報とを学習モデルに入力し、出力される競合度が閾値以上となる候補を競合企業として特定する。
【0105】
また、特定部12Bは、企業情報データベースDB2を参照して、対象企業の業種に類似する業種の企業を、競合企業として特定してもよい。この場合、例えば、互いに類似する業種群を示す類似業種情報を、レコメンド装置10Bの記憶部120Bに予め記憶しておき、特定部12Bが、記憶部120Bに記憶された類似業種情報を用いて対象企業の業種に類似する業種の企業を競合企業として特定してもよい。
【0106】
(ステップS104c)
ステップS104cにおいて、特定部12Bは、推奨企業の候補から、競合企業を除外して推奨企業とする。換言すると、特定部12Bは、推奨企業の候補のうち競合企業以外の企業を、推奨企業として特定する。
【0107】
以降、レコメンドシステム1Bは、ステップS105~S106を実行することにより、ユーザ端末3Aの表示装置に推奨企業を表示する。
【0108】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態によれば、レコメンド装置10Bは、対象企業との間でコアフレーズ同士が類似する企業であっても競合する可能性が高い企業については、推奨企業として特定しない。これにより、レコメンド装置10Bはより適切な推奨企業をユーザに提示することができる。
【0109】
上述の例示的実施形態では、ニーズ情報データベースDB1と企業情報データベースDB2とが別体のデータベースである構成について説明した。データベースの構成は上述した実施形態で示したものに限られない。ニーズ文と企業情報とがひとつのデータベースに記憶されていてもよい。換言すると、企業情報データベースDB2に記憶されている企業情報に、ニーズ文と、業種に関する情報とが含まれていてもよい。この場合、企業情報データベースDB2に格納される各企業の企業情報は、請求の範囲に記載した「対象企業情報」、および「協業候補企業情報」の一例である。この場合、特定部12Bは、協業先候補企業の業種を含む企業情報(協業候補企業情報)に基づいて、対象企業の業種に対応する企業を競合企業として特定する。
【0110】
〔例示的実施形態5〕
本発明の例示的実施形態5について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1~4にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0111】
<レコメンドシステムの構成>
本例示的実施形態に係るレコメンドシステム1Cの構成について、
図13を参照して説明する。
図13は、レコメンドシステム1Cの構成を示すブロック図である。レコメンドシステム1Cは、例示的実施形態4を変形した態様である。レコメンドシステム1Cは、複数のキーワード辞書を用いて協業先候補企業を特定する。
図13に示すように、レコメンドシステム1Cは、例示的実施形態4に係るレコメンドシステム1Bのレコメンド装置10Bに代えてレコメンド装置10Cを備える。
【0112】
(レコメンド装置の構成)
レコメンド装置10Cは、制御部110Cと、記憶部120Cと、通信部130Aとを含む。制御部110Cは、制御部110Bの抽出部11Aおよび特定部12Bに代えて抽出部11Cおよび特定部12Cを備える。記憶部120Cは、企業情報データベースDB1およびキーワード辞書DB3に代えて、企業情報データベースDB11およびキーワード辞書DB31~DB33を備える。
【0113】
企業情報データベースDB11は、企業の所望の協業内容を含む企業情報を格納する。企業情報は、一例として、本明細書に係る対象企業情報、または協業候補企業情報である。企業情報は例えば、企業を説明する文章、または企業のニーズを表す文章を含む。企業情報は例えば、上述の例示的実施形態4に係るニーズ文であってもよく、また、企業のホームページに含まれる文章、または、企業を説明または解説したウェブサイトに含まれる文章であってもよい。企業情報データベースDB11への企業情報の登録は、例えばレコメンド装置10Cの管理者等により行われる。
【0114】
キーワード辞書DB31~DB33は、キーワード辞書DB3と同様に、コアフレーズを抽出する処理においてキーワードとして用いられる単語が1または複数登録されたリストである。キーワード辞書DB31~DB33は、本明細書に係る複数の辞書の一例である。
【0115】
登録されているキーワードの一部または全部は、キーワード辞書DB31~DB33のそれぞれで異なっている。例えば、複数のキーワード辞書のうちのひとつは、企業のニーズを表す文に含まれる可能性が高いキーワードのリストである。企業のニーズ文に含まれる可能性の高いキーワードは、例えば、「求めて」、「探して」、「買いたい」、「売りたい」といった単語である。
【0116】
また、複数のキーワード辞書のうちのひとつは例えば、企業風土に関連するキーワードが登録されたリストであってもよい。
【0117】
また、複数のキーワード辞書のうちのひとつは、企業の業種に関連するキーワードのリストであってもよい。この場合、業種毎にキーワード辞書が設けられていてもよい。この場合、抽出部11Cは例えば、対象企業の業種に対応するキーワード辞書を選択してコアフレーズの抽出処理に用いてもよい。
【0118】
抽出部11Cは、キーワード辞書DB31~DB33を用いて、コアフレーズを、キーワード辞書DB31~DB33のそれぞれについて抽出する。特定部12Cは、キーワード辞書DB31~DB33毎に抽出されたコアフレーズに基づいて推奨企業を特定する。特定する処理の詳細については後述する。
【0119】
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンドシステム1Cが実行するレコメンド方法S10Cの流れについて、
図14を参照して説明する。
図14は、レコメンド方法S10Cの流れを示すフロー図である。
図14に示すように、レコメンド方法S10Cは、例示的実施形態4におけるレコメンド方法S10BのステップS103およびS104aに代えて、ステップS103aおよびS104dを含む。以下では、ステップS103a、ステップS104dについて説明する。その他のステップについては、レコメンド方法S10Bと同様であり、詳細な説明を繰り返さない。
【0120】
(ステップS103a)
ステップS103aにおいて、レコメンド装置10Cの抽出部11Cは、キーワード辞書DB31~33を用いて、コアフレーズをキーワード辞書DB31~DB33毎に抽出する。具体的には、抽出部11Cは、企業情報からキーワード辞書DB31を用いて第1コアフレーズを抽出する。また、抽出部11Cは、企業情報からキーワード辞書DB32を用いて第2コアフレーズを抽出する。また、抽出部11Cは、企業情報からキーワード辞書DB33を用いて第3コアフレーズを抽出する。このように、抽出部11Cは、企業情報から、第1コアフレーズ、第2コアフレーズ、第3コアフレーズ、の3種類のコアフレーズを抽出する。
【0121】
(ステップS104d)
ステップS104dにおいて、特定部12Cは、キーワード辞書DB31~DB33毎に抽出された、第1コアフレーズ、第2コアフレーズおよび第3コアフレーズに基づいて推奨企業の候補を特定する。
【0122】
特定部12Cは例えば、抽出部11Cが抽出した第1コアフレーズ、第2コアフレーズおよび第3コアフレーズに基づいて、対象企業と協業先候補企業との類似度を算出し、算出した類似度を用いて推奨企業の候補を特定する。この場合、特定部12Cは例えば、キーワード辞書DB31~DB33毎にコアフレーズ同士の距離を算出し、辞書毎の算出結果を用いて推奨企業を特定する。特定部12Cが行うコアフレーズ同士の距離の算出方法は、上述した例示的実施形態3のステップS104で説明した処理と同様であり、ここではその詳細な説明を繰り返さない。
【0123】
特定部12Cは例えば、辞書毎に算出されたコアフレーズ同士の距離を用いてコアフレーズ同士の類似度をキーワード辞書DB31~DB33毎に算出し、算出したキーワード辞書DB31~DB33毎の類似度の統計値に基づき、推奨企業の候補を特定する。特定部12Cは例えば、各協業先候補企業について辞書毎の類似度の平均値を算出し、算出した平均値が閾値以上となる1以上の協業先候補企業を、推奨企業の候補として特定してもよい。
【0124】
また、特定部12Cは例えば、各協業先候補企業について辞書毎の類似度を重み付けした値を算出し、算出した値が閾値以上となる1以上の協業先候補企業を、推奨企業の候補として特定してもよい。類似度を重み付けする辞書毎の重み付け係数は、例えばレコメンド装置10Cの管理者等により予め設定されてもよい。また、特定部12Cは例えば、辞書毎の重み付け係数を、対象企業のコアフレーズおよび推奨企業のコアフレーズの少なくともいずれか一方に基づき特定してもよい。特定部12Cは例えば、コアフレーズに含まれるキーワードの数が多いほど重み付けが大きくなるよう、辞書毎の重み付け係数を決定してもよい。また、ユーザ端末3Aのユーザが入力装置を介して辞書毎の重み付け係数を設定してもよい。
【0125】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態によれば、レコメンド装置10Cは複数のキーワード辞書DB31~DB33を用いてコアフレーズを抽出し、辞書毎に抽出したコアフレーズに基づいて推奨企業を特定する。複数種類のキーワード辞書を用いることにより、より多様な推奨企業をユーザに提示することができる。
【0126】
上述の実施形態において、対象企業情報は、企業情報データベースDB11に予め記憶されていてもよく、また、抽出部11Cが対象企業情報を他の装置から取得しもよい。例えば、ユーザ端末3Aのユーザが入力装置を用いて対象企業情報を入力してもよい。この場合、ユーザ端末3は例えば、対象企業を識別する識別情報と対象企業情報とを含む入力情報をレコメンド装置10Cに送信する。レコメンド装置10Cは、ユーザ端末3から入力情報を受信し、受信した入力情報に含まれる対象企業情報からコアフレーズを抽出してもよい。
【0127】
上述の例示的実施形態では、抽出部11Cは、キーワード辞書DB31~DB33を用いてコアフレーズをそれぞれ抽出した。抽出部11Cは、記憶部120Cに記憶された複数の辞書のうち、1以上の辞書を選択してコアフレーズの抽出処理に用いてもよい。辞書の選択の手法としては種々の手法が適用され得る。例えば、抽出部11Cは、キーワード辞書のリストをユーザ端末3Aを介して表示装置に表示させる等してユーザに辞書を選択させ、ユーザの選択結果に従い用いる辞書を選択してもよい。また、抽出部11Cは例えば、対象企業または推奨企業の業種に対応付けられた辞書を選択してもよい。
【0128】
〔例示的実施形態6〕
本発明の例示的実施形態6について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1~5にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0129】
<レコメンドシステムの構成>
本例示的実施形態に係るレコメンドシステム1Dは、例示的実施形態3を変形した態様である。レコメンドシステム1Dは、推奨企業をユーザに提示するとともに、対象企業情報における第1重要部分と、推奨企業の協業候補企業情報における第2重要部分との対応関係をユーザに提示する。
【0130】
レコメンドシステム1Dの構成について、
図15を参照して説明する。
図15は、レコメンドシステム1Dの構成を示すブロック図である。レコメンドシステム1Dは、上述の例示的実施形態3に係るレコメンドシステム1Aのレコメンド装置10Aに代えてレコメンド装置10Dを備える。
【0131】
(レコメンド装置の構成)
レコメンド装置10Dは、制御部110Dと、記憶部120Aと、通信部130Aとを含む。制御部110Dは、例示的実施形態3における制御部110Aの出力部13Aに代えて出力部13Dを備えるとともに、第2特定部14Dを更に備える。
【0132】
(第2特定部の構成)
第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文及び推奨企業のニーズ文それぞれから、該対象企業が協業したいビジネスに関するフレーズ(以下、「重要フレーズ」ともいう。)を特定する。すなわち、第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文における第1重要部分と、推奨企業のニーズ文における第2重要部分と、を特定する。ここで、第1重要部分および第2重要部分は、重要フレーズである。第2特定部14Dは、1つの第1重要部分を特定してもよいし、複数の第1重要部分を特定してもよい。また、第2特定部14Dは、1つの第2重要部分を特定してもよいし、複数の第2重要部分を特定してもよい。対象企業のニーズ文は、本明細書に係る対象企業情報の一例である。推奨企業のニーズ文は、本明細書に係る推奨企業の協業候補企業情報の一例である。また、第2特定部14Dは、各第1重要部分と各第2重要部分との間の対応関係を特定する。各第1重要部分、各第2重要部分、およびそれらの間の対応関係を特定する手法の詳細については後述する。
【0133】
(出力部の構成)
出力部13Dは、第2特定部14Dが特定した対応関係に基づいて、レコメンド結果をユーザ端末3Aに提示する。レコメンド結果は、例示的実施形態3における推奨企業情報に加えて、第1重要部分と第2重要部分との間の対応関係を示す情報を含む。
【0134】
<レコメンド方法の流れ>
以上のように構成されたレコメンドシステム1Dが実行するレコメンド方法S10Dの流れについて、
図16を参照して説明する。
図16は、レコメンド方法S10Dの流れを示すフロー図である。
図16に示すように、レコメンド方法S10Dは、例示的実施形態3におけるレコメンド方法S10AのステップS105およびステップS106に代えて、ステップS105a、S105b、S106aを含む。以下では、ステップS105a、S105b、S106aについて説明する。その他のステップについては、レコメンド方法S10Aと同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0135】
(ステップS105a)
ステップS105aにおいて、第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文における1以上の第1重要部分と、各推奨企業のニーズ文における1以上の第2重要部分とを特定する。また、第2特定部14Dは、各第1重要部分と各第2重要部分との間の対応関係を特定する。なお、第2特定部14Dは、「各第1重要部分と各第2重要部分との間の対応関係」を特定するために、各第1重要部分と各第2重要部分との組み合わせのうち対応関係を有する組み合わせを特定する。
【0136】
ここで、各第1重要部分、各第2重要部分、およびこれらの間の対応関係を特定する手法の具体例としては、(d)単語間距離に基づく手法、(e)単語の重要度に基づく手法、または、(f)学習モデルが注目した部分に基づく手法が挙げられる。これらの手法の詳細について以下に説明する。ただし、各第1重要部分、各第2重要部分、およびこれらの間の対応関係を特定する手法は、これらに限定されない。
【0137】
(d:単語間距離に基づく手法)
この手法は、ステップS104において特定部12Aが「(a)単語間距離に基づく手法」を用いている場合に適用することが望ましい。この手法を用いる場合、第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文に含まれる各単語と、推奨企業のニーズ文に含まれる各単語との間の単語間距離に基づいて、各第1重要部分および推奨企業のニーズ文における各第2重要部分を特定する。ここで、第2特定部14Dは、各組み合わせの単語間距離については、特定部12Aが手法(a)において算出した値を参照すればよい。
【0138】
例えば、第2特定部14Dは、単語間距離が閾値以下となった単語の組み合わせのうち、対象企業のニーズ文に含まれる単語を、対象企業のニーズ文における重要単語とする。また、第2特定部14Dは、単語間距離が閾値以下となった単語の組み合わせのうち、推奨企業のニーズ文に含まれる単語を、推奨企業のニーズ文における重要単語とする。
【0139】
また、例えば、第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる重要単語に基づくスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第1重要部分とする。また、例えば、第2特定部14Dは、推奨企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる重要単語に基づくスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第2重要部分とする。ここで、構成単位の具体例としては、フレーズまたは段落が挙げられるが、これらに限られない。スコアの具体例としては、含まれる重要単語の個数に基づく値が挙げられるが、これに限られない。
【0140】
また、第2特定部14Dは、各第1重要部分と各第2重要部分との組み合わせのうち、含まれる重要単語同士の単語間距離の統計値が閾値以下の組み合わせを、対応関係を有する組み合わせとして特定する。
【0141】
(e:単語の重要度に基づく手法)
この手法は、ステップS104において、特定部12Aが「(b)文書間距離に基づく手法」または「(c)学習モデルに基づく手法」を用いている場合に適用することが望ましい。
【0142】
この手法を用いる場合、第2特定部14Dは、対象企業および推奨企業の各ニーズ文に含まれる各単語の重要度に基づいて、各第1重要部分および各第2重要部分を特定する。例えば、第2特定部14Dは、対象企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる各単語の重要度に基づきスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第1重要部分とする。また、例えば、第2特定部14Dは、推奨企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる各単語の重要度に基づきスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第2重要部分とする。
【0143】
また、第2特定部14Dは、第1重要部分および第2重要部分を1つずつ特定した場合、これらが対応関係を有するものとして特定する。
【0144】
また、第2特定部14Dは、第1重要部分および第2重要部分の一方または両方として複数個を特定している場合、各第1重要部分および各第2重要部分を文書とみなして文書間距離を算出してもよい。この場合、第2特定部14Dは、各第1重要部分と各第2重要部分との組み合わせのうち、文書間距離が閾値以下である組み合わせを、対応関係を有する組み合わせとして特定する。
【0145】
ここで、各ニーズ文に含まれる単語の重要度を算出する技術の具体例としては、TF-IDF(Term Frequency-Inverse Document Frequency)を適用可能であるが、これに限られない。TF-IDFを用いる場合、あるニーズ文に含まれる各単語の重要度は、当該ニーズ文により多く出現するほど、かつ、複数のニーズ文のうち当該ニーズ文を含むより少数のニーズ文にのみ出現するほど高くなるよう算出される。
【0146】
(f:学習モデルが注目した部分に基づく手法)
この手法は、ステップS104において、特定部12Aが「(b)文書間距離に基づく手法」または「(c)学習モデルに基づく手法」を用いている場合に適用することが望ましい。
【0147】
この手法を用いる場合、第2特定部14Dは、「(b)文書間距離に基づく手法」または「(c)学習モデルに基づく手法」で用いられた学習モデルが、入力された対象企業および推奨企業の各ニーズ文において注目した部分に基づいて、各第1重要部分および各第2重要部分を特定する。
【0148】
具体的には、第2特定部14Dは、学習モデルに組み込まれたアテンション機構を用いて、入力されたニーズ文に含まれる各単語の注目度を求める。また、特定部12Aは、対象企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる単語の注目度に基づくスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第1重要部分とする。また、特定部12Aは、推奨企業のニーズ文の構成単位毎に、含まれる単語の注目度に基づくスコアを算出し、算出したスコアが閾値以上の構成単位を第2重要部分とする。
【0149】
また、第1重要部分および第2重要部分を1つずつ特定した場合における対応関係の特定手法については、「(e):単語の重要度に基づく手法」で説明した通りである。また、第1重要部分および第2重要部分の一方または両方として複数個を特定した場合における対応関係の特定手法については、「(e):単語の重要度に基づく手法」で説明した通りである。
【0150】
(ステップS105b)
ステップS105bにおいて、出力部13Dは、レコメンド結果をユーザ端末3Aに提示する。レコメンド結果は、推奨企業を示す情報と、第1重要部分および第2重要部分と、これらの間の対応関係を示す情報とを含む。具体的には、出力部13Dは、レコメンド結果を示す画面データを生成する。出力部13Dは、画面データをユーザ端末3Aに送信することにより、レコメンド結果をユーザ端末3Aに出力する。
【0151】
具体的には、出力部13Dは、対象企業のニーズ文と推奨企業のニーズ文とを含む画面データを生成する。また、出力部13Dは、そのような画面データに含まれる対象企業のニーズ文において、第1重要部分の表示態様と、第1重要部分以外の部分の表示態様とを異ならせる。また、出力部13Dは、そのような画面データに含まれる推奨企業のニーズ文において、第2重要部分の表示態様と、第2重要部分以外の部分の表示態様とを異ならせる。また、出力部13Dは、そのような画面データにおいて、第1重要部分と第2重要部分とを互いに対応する表示態様としてもよい。具体的には、出力部13Dは、対応関係を有する第1重要部分および第2重要部分の組み合わせ毎に、互いに異なる表示態様を適用してもよい。このような画面データの詳細については後述する。
【0152】
(ステップS106a)
ステップS106aにおいて、ユーザ端末3Aの表示部32は、レコメンド装置10Dから出力されたレコメンド結果を表示する。具体的には、表示部32は、レコメンド装置10Dから受信した画面データを表示装置に表示する。本ステップでユーザ端末3Aに表示される画面例について、以下に説明する。
【0153】
<画面例>
レコメンドシステム1DがステップS106aにおいて表示する画面例について、
図17を参照して説明する。
図17は、レコメンド結果の画面例G1を示す。
図17に示すように、画面例G1は、対象企業である企業Aのニーズ文Aと、推奨企業である企業H、I、Lのニーズ文H、I、Lとを含む。
【0154】
企業Aのニーズ文Aでは、第1重要部分p1~p3が特定されている。企業Hのニーズ文Hでは、第2重要部分p4が特定されている。企業Iのニーズ文Iでは、第2重要部分p5が特定されている。企業Lのニーズ文Lでは、第2重要部分p6が特定されている。第1重要部分p1~p3、および第2重要部分p4~p6は、それぞれ、該当するニーズ文におけるそれ以外の段落とは異なる表示態様で表示される。この例では、重要部分に適用される表示態様は、矩形で囲まれた表示態様であるが、これに限られない。例えば、第1重要部分p1~p3、および第2重要部分p4~p6は、該当するニーズ文における他の部分とは異なる色、異なる背景色、異なるフォント、異なるサイズ、異なる輝度、太字、斜体、下線、点滅、アニメーションのいずれか、またはこれらの少なくとも二つを組み合わせた表示態様で表示されてもよい。
【0155】
なお、画面例G1において、対応関係を有する第1重要部分および第2重要部分の組み合わせ毎に、互いに異なる表示態様が適用されていてもよい。例えば、第1重要部分p1および第2重要部分p4をそれぞれ囲む矩形を赤色とし、第1重要部分p2および第2重要部分p5をそれぞれ囲む矩形を青色とし、第1重要部分p3および第2重要部分p6をそれぞれ囲む矩形を黄色としてもよい。ただし、対応関係を有する組み合わせ毎に互いに異なる表示態様は、これに限られない。例えば、組み合わせ毎に適用される表示態様は、互いに異なる背景色、互いに異なるフォント、互いに異なるサイズ、互いに異なる輝度のいずれか、またはこれらの少なくとも二つの組み合わせ等が挙げられる。
【0156】
また、ニーズ文A、H、I、Lにおける太字の単語は、対応するニーズ文において重要単語として特定された単語である。このように、重要単語は、他の単語とは異なる表示態様で表示される。ただし、重要単語に適用される表示態様は、太字に限られない。例えば、重要単語は、他の単語とは異なる色、異なる背景色、異なるフォント、異なるサイズ、異なる輝度、斜体、下線、点滅、アニメーション、枠囲みのいずれか、またはこれらの少なくとも二つを組み合わせた表示態様で表示されてもよい。
【0157】
また、画面例G1は、各第1重要部分と各第2重要部分との間の対応関係を示す図形f1~f3を含む。この例では、図形f1~f3は、それぞれ、双方向の矢印である。ただし、図形f1~f3は、双方向の矢印に限定されない。例えば、図形f1~f3は、矢印以外の線、破線、一点鎖線、二重線、曲線、または自由線等であってもよい。図形f1は、第1重要部分p1および第2重要部分p4が対応関係を有することを示している。図形f2は、第1重要部分p2および第2重要部分p5が対応関係を有することを示している。図形f3は、第1重要部分p3および第2重要部分p6が対応関係を有することを示している。
【0158】
ユーザは、図形f1により、企業Aのニーズ文Aにおける第1重要部分p1に対して、ニーズ文Hにおける第2重要部分p4が対応することを認識できる。また、図形f2により、ニーズ文Aにおける第1重要部分p2に対して、ニーズ文Iにおける第2重要部分p5が対応することを認識できる。ここで、この例では、ニーズ文Aにおける第1重要部分p1、p2は、企業Aの事業の方針を示すものであり、企業Aが求める協業先の特徴を充分に表していない。この場合、ユーザは、このような第1重要部分p1、p2に対応する第2重要部分p4、p5を含む企業H、Iは、企業Aの協業先としての有効性が低いと容易に判断できる。
【0159】
また、ユーザは、図形f3により、企業Aのニーズ文Aにおける第1重要部分p3に対して、ニーズ文Lにおける第2重要部分p6が対応することを認識できる。ここで、ニーズ文Aにおける第1重要部分p3は、企業Aが求める協業先の特徴を充分に表している。この場合、ユーザは、第1重要部分p3に対応する第2重要部分p6を含む企業Lは、企業Aの協業先としての有効性が高いと容易に判断できる。
【0160】
なお、上述したように、対応関係を有する組み合わせ毎に互いに異なる表示態様が適用されている場合、画面例G1は、図形f1~f3を含んでいなくてもよい。この場合、ユーザは、第1重要部分の表示態様に対応する表示態様の第2重要部分を視認することにより、これらの間の対応関係を容易に認識することができる。
【0161】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態によれば、レコメンド装置10Dは、レコメンド結果に、各第1重要部分と各第2重要部分との対応関係を示す情報を含めてユーザ端末3Aに出力する。これにより、ユーザは、対象企業のニーズ文のどの部分と推奨企業のニーズ文のどの部分とが対応しているかを認識することができる。その結果、ユーザは、対象企業のニーズ文のうち、求める協業先の特徴をより充分に表している第1重要部分に対応する推奨企業は、協業先としての有効性が高いと判断することができる。また、ユーザは、対象企業のニーズ文のうち、求める協業先の特徴を充分に表していない第1重要部分に対応する推奨企業は、有効性が低いと判断することができる。このように、本例示的実施形態を用いることにより、ユーザは、推奨企業の有効性をより容易に判断することができる。
【0162】
本例示的実施形態では、出力部13Dは、
図17の画面例G1を表す画面データを生成した。出力部13Dが生成する、レコメンド結果を示す画面データは上述した例に限られない。例えば、出力部13Dは、
図9に例示した、推奨企業の企業名のリストを含む画面例G11を表す画面データを生成してユーザ端末3Aに送信し、ユーザに推奨企業を選択させてもよい。この場合、ユーザ端末3Aは、レコメンド装置10Dから画面データを受信し、推奨企業の企業名のリストを含む画面例G11を表示装置に表示する。ユーザは、表示されたリストの中からいずれかの推奨企業を選択する。ユーザ端末3Aは、ユーザが選択した推奨企業を表す情報をレコメンド装置10Dに送信する。レコメンド装置10Dは、ユーザ端末3Aから情報を受信し、受信した情報の表す推奨企業について、レコメンド結果を表す画面データを生成してユーザ端末3Aに送信する。
【0163】
〔ソフトウェアによる実現例〕
レコメンド装置10、10A、10B、10C、10Dの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0164】
後者の場合、レコメンド装置10、10A、10B、10C、10Dは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図18に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCをレコメンド装置10、10A、10B、10C、10Dとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、レコメンド装置10、10A、10B、10C、10Dの各機能が実現される。
【0165】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0166】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0167】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0168】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0169】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0170】
(付記1)
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて、前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とするレコメンド装置。
【0171】
上記の構成によれば、レコメンド装置は対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれからコアフレーズを抽出し、抽出したコアフレーズに基づいて推奨企業を特定する。対象企業情報全体ではなく抽出条件に基づいて抽出されたコアフレーズに基づいて推奨企業を特定することにより、マッチング候補としてより適切な推奨企業情報を出力することができる。
【0172】
(付記2)
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記対象企業と前記協業先候補企業との類似度を算出し、
前記出力手段は、前記推奨企業を、前記類似度に応じた表示態様で表示装置に表示する、
ことを特徴とする付記1に記載のレコメンド装置。
【0173】
上記の構成によれば、ユーザは、対象企業と協業先候補企業との類似の程度を認識することができるので、マッチング候補としてより適切な推奨企業を把握し易い。
【0174】
(付記3)
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて前記類似度を算出する、
ことを特徴とする付記2に記載のレコメンド装置。
【0175】
上記の構成によれば、レコメンド装置がコアフレーズに関する特徴ベクトル同士の距離に基づいて類似度を算出することより、対象企業と協業先候補企業の類似の程度をユーザに提示することができる。
【0176】
(付記4)
前記特定手段は、前記協業先候補企業の企業情報を参照して、前記対象企業の競合企業以外の企業を前記推奨企業として特定する、
ことを特徴とする付記1~3の何れか1つに記載のレコメンド装置。
【0177】
上記の構成によれば、レコメンド装置は対象企業との間でコアフレーズ同士が類似する企業であっても競合企業である可能性が高い企業については、推奨企業としてユーザに提示することがない。したがって、レコメンド装置は推奨企業に競合企業が含まれる場合に比べてより適切なマッチング候補をユーザに提示することができる。
【0178】
(付記5)
前記特定手段は、前記協業先候補企業の業種を含む前記協業候補企業情報に基づいて、前記対象企業の業種に対応する企業を前記競合企業として特定する、
ことを特徴とする付記4に記載のレコメンド装置。
【0179】
上記の構成によれば、レコメンド装置が協業候補企業情報に基づいて対象企業の業種に対応する企業を競合企業として特定することにより、推奨企業に競合企業が含まれる場合に比べてより適切なマッチング候補をユーザに提示することができる。
【0180】
(付記6)
前記抽出手段は、複数のキーワードをそれぞれ格納する複数の辞書を用いて、前記コアフレーズを前記辞書毎に抽出し、
前記特定手段は、前記辞書毎に抽出されたコアフレーズに基づいて前記推奨企業を特定する、
ことを特徴とする付記1~5の何れか1つに記載のレコメンド装置。
【0181】
上記の構成によれば、レコメンド装置が複数の異なる辞書を用いて抽出されたコアフレーズに基づいて推奨企業を特定することにより、複数の辞書を用いない場合に比べて多様な企業を推奨企業として特定することができる。
【0182】
(付記7)
前記特定手段は、前記抽出手段が抽出したコアフレーズに関する特徴ベクトル間の距離であって、所定の特徴量空間における距離を算出し、算出した距離に基づいて前記推奨企業を特定する、
ことを特徴とする付記1~6の何れか1つに記載のレコメンド装置。
【0183】
上記の構成によれば、レコメンド装置がコアフレーズ同士の距離を用いて特定した推奨企業を示す情報を出力できる。
【0184】
(付記8)
前記抽出手段は、複数のフレーズをそれぞれ格納する複数の辞書を用いて、前記コアフレーズを前記辞書毎に抽出し、
前記特定手段は、前記辞書毎に前記距離を算出し、前記辞書毎の算出結果を用いて前記推奨企業を特定する、
ことを特徴とする付記7に記載のレコメンド装置。
【0185】
上記の構成によれば、レコメンド装置が複数の異なる辞書を用いて抽出されたコアフレーズ同士の距離を用いて推奨企業を特定することにより、複数の辞書を用いない場合に比べて多様な企業を推奨企業として特定することができる。
【0186】
(付記9)
前記対象企業情報における第1重要部分と、前記推奨企業の協業候補企業情報における第2重要部分と、を特定する特定手段、を更に備え、
前記出力手段は、前記推奨企業を示す情報と、前記第1重要部分および前記第2重要部分とを提示する、
付記1~8の何れか1つに記載のレコメンド装置。
【0187】
上記の構成によれば、レコメンド装置は、レコメンド結果に、各第1重要部分と各第2重要部分との対応関係を示す情報を含めてユーザ端末に出力する。これにより、ユーザは、対象企業のニーズ文のどの部分と推奨企業のニーズ文のどの部分とが対応しているかを認識することができるため、推奨企業の有効性をより容易に判断することができる。
【0188】
(付記10)
レコメンド装置が、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出し、
前記コアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定し、
前記推奨企業を示す情報を出力する、
ことを特徴とするレコメンド方法。
【0189】
上記の構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0190】
(付記11)
コンピュータをレコメンド装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0191】
上記の構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0192】
(付記12)
コンピュータをレコメンド装置として機能させるプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、として機能させる、
ことを特徴とするプログラムを記憶した記憶媒体。
【0193】
上記の構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0194】
(付記13)
レコメンド装置と、ユーザ端末とを含み、
前記レコメンド装置は、
入力情報が示す対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した推奨企業を示す情報を出力する出力手段と、を備え、
前記ユーザ端末は、
前記入力情報を取得する入力手段と、
前記レコメンド装置が出力した推奨企業を示す情報を表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とするレコメンドシステム。
【0195】
上記の構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0196】
〔付記事項3〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0197】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
対象企業の所望の協業内容を含む対象企業情報と、前記対象企業の協業先候補企業の所望の協業内容を含む協業候補企業情報とのそれぞれから、所定の抽出条件に基づいてコアフレーズを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理において抽出したコアフレーズに基づいて前記協業先候補企業の中から推奨企業を特定する特定処理と、
前記特定処理においてが特定した推奨企業を示す情報を出力する出力処理と、を実行するレコメンド装置。
【0198】
なお、このレコメンド装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記抽出処理と、前記特定処理と、前記出力処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0199】
10、10A、10B、10C、10D、100 レコメンド装置
1、1A、1B、1C、1D レコメンドシステム
3、3A ユーザ端末
11、11A、101 抽出部
12、12A、12B、12C、102 特定部
13、13A、103 出力部
31 入力部
32 表示部