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特許7537526領域決定装置、制御方法、プログラム、監視システム、監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】領域決定装置、制御方法、プログラム、監視システム、監視方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240814BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240814BHJP
【FI】
G08B25/00 510Z
G06T7/11
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022577958
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2021003296
(87)【国際公開番号】W WO2022162885
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂央
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩
(72)【発明者】
【氏名】重田 考徳
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067764(JP,A)
【文献】特開2013-183420(JP,A)
【文献】特開2018-074528(JP,A)
【文献】特開2011-097284(JP,A)
【文献】特開2012-124839(JP,A)
【文献】特開2019-184485(JP,A)
【文献】特開2019-056966(JP,A)
【文献】国際公開第2019/093371(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 23/00-31/00
G06T 7/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、を有する領域決定装置。
【請求項2】
前記セグメント特定部は、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、請求項1の領域決定装置。
【請求項3】
前記領域決定部は、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項1又は2に記載の領域決定装置。
【請求項4】
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定部は、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項3に記載の領域決定装置。
【請求項5】
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力部を有する、請求項1から4いずれか一項に記載の領域決定装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、を有する制御方法。
【請求項7】
前記セグメント特定ステップにおいて、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、請求項6の制御方法。
【請求項8】
前記領域決定ステップにおいて、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項6又は7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定ステップにおいて、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力ステップを有する、請求項6から9いずれか一項に記載の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得処理と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定処理と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定処理と、を実行させるプログラム。
【請求項12】
前記セグメント特定処理において、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、請求項11のプログラム
【請求項13】
前記領域決定処理において、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項11又は12に記載のプログラム
【請求項14】
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定処理において、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、請求項13に記載のプログラム
【請求項15】
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力処理を有する、請求項11から14いずれか一項に記載のプログラム
【請求項16】
領域決定装置と監視装置を有する監視システムであって、
前記領域決定装置は、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、
前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力部と、を有し、
前記監視装置は、
前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得部と、
前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力部と、を有する監視システム。
【請求項17】
領域決定装置と監視装置を有する監視システムによって実行される監視方法であって、
前記領域決定装置によって、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、
前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力ステップと、が実行され、
前記監視装置によって、
前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得ステップと、
前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力ステップと、が実行される監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は監視すべき領域を決定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人などの行動を監視するためのシステムが開発されている。例えば特許文献1は、監視カメラを利用して監視エリアを監視するシステムを開示している。このシステムにおいて、監視エリアの設定は、監視対象の店舗などを平面視した地図を利用して行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-178149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、監視エリアとして設定される領域として、2次元の領域を想定している。本発明はこの課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視対象とする領域を柔軟に設定できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の領域決定装置は、複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、を有する。
【0006】
本開示の制御方法は、コンピュータによって実行される。当該制御方法は、複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、を有する。
【0007】
本開示のコンピュータ可読媒体は、本開示の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納している。
【0008】
本開示の監視システムは、領域決定装置と監視装置を有する。
前記領域決定装置は、複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力部と、を有する。
前記監視装置は、前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得部と、前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力部と、を有する。
【0009】
本開示の監視方法は、領域決定装置と監視装置を有する監視システムによって実行される。
前記領域決定装置によって、複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力ステップと、が実行される。
前記監視装置によって、前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得ステップと、前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力ステップと、が実行される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、監視対象とする領域を柔軟に設定できる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1の領域決定装置の動作の概要を例示する図である。
図2】実施形態1の領域決定装置の機能構成を例示するブロック図である。
図3】領域決定装置を実現するコンピュータのハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4】実施形態1の領域決定装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】入力画面を例示する図である。
図6A】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第1の図である。
図6B】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第1の図である。
図6C】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第1の図である。
図7A】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第2の図である。
図7B】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第2の図である。
図7C】指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第2の図である。
図8】監視システムを例示する図である。
図9】監視装置の機能構成を例示する図である。
図10】監視装置3000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。また、特に説明しない限り、所定値や閾値などといった予め定められている値は、その値を利用する装置からアクセス可能な記憶装置などに予め格納されている。
【0013】
図1は、実施形態1の領域決定装置2000の動作の概要を例示する図である。ここで、図1は、領域決定装置2000の概要の理解を容易にするための図であり、領域決定装置2000の動作は、図1に示したものに限定されない。
【0014】
領域決定装置2000は、特定の3次元空間の中から、対象施設の3次元データ(3次元施設データ20)を利用して指定された3次元の監視領域又は非監視領域を決定する。以下、上記特定の3次元空間のことを「特定空間」と呼ぶ。対象施設は、1つ以上の設備を含む任意の施設であり、例えば、電力施設、製鉄施設、又は化学工場などである。また、対象施設は、設備の間を接続する部材(配線や配管)、又は設備の間をつなぐ通路などをさらに含んでもよい。また、対象施設には、設備の周辺の空間がさらに含まれてもよい。例えば電力施設の一種である変電所は、変圧器、断路器、及び遮断機などの設備を有する。また、隣接する設備がリード線で互いに接続されている。また、リード線は、がいしを介してアースされた状態で、鉄塔などによって支持されている。このように変電所には、変圧器、断路器、遮断機、リード線、がいし、鉄塔など、及びこれらの周辺の空間が含まれる。
【0015】
特定空間は、現実世界上の対象施設やその周辺の3次元空間に対応する、仮想3次元空間である。監視領域は、特定空間上の3次元領域であって、現実世界上で監視の対象とする3次元領域を表す。非監視領域は、特定空間上の3次元領域であって、現実世界上で監視の対象としない3次元領域を表す。言い換えれば、監視領域は、現実世界上において監視の対象とする3次元領域が、特定空間上にマッピングされたものである。一方、非監視領域は、現実世界上において監視の対象としない3次元領域が、特定空間上にマッピングされたものである。以下、監視領域と非監視領域を総称して、指定領域とも呼ぶ。
【0016】
例えば、電力施設では、高電圧の設備に近づくと危険であるため、高電圧の設備の周辺に人が進入しないように監視することができると、施設の運用の安全性を向上させることができる。そこで例えば、ユーザ40による指定に基づいて監視領域を決定し、当該監視領域に対応する現実世界上の3次元領域を監視できるようにするために、領域決定装置2000が利用される。なお、ユーザ40によって非監視領域が指定される場合、例えば、特定空間から非監視領域を除外した領域を監視領域として扱うことにより、監視領域を決定できる。例えば電力設備の場合、人が立ち入っても安全な領域をユーザ40が非監視領域として指定し、当該非監視領域以外の領域を、立ち入るべきでない監視領域として扱って、監視を行うことが考えられる。
【0017】
ここで、対象施設は、複数のセグメントを有するとする。例えばセグメントは、対象施設を意味のある構成単位で分類した場合における各構成要素である。例えば、対象施設を構成する各設備や設備のグループが、1つのセグメントとして扱われる。その他にも例えば、設備を構成する各部材や部材のグループが、1つのセグメントとして扱われる。例えば前述した変電所の場合、変圧器、断路器、遮断機、リード線、がいし、及び鉄塔などがそれぞれ、セグメントとして扱われる。
【0018】
領域決定装置2000は、対象施設について3次元施設データ20を取得する。対象施設の3次元施設データ20は、特定空間における対象施設の位置と形状を表す3次元データである。言い換えれば、3次元施設データ20は、現実世界上の対象施設を特定空間にマッピングしたものを表す。3次元施設データ20は、対象施設を構成する各セグメントの3次元データ(3次元セグメントデータ22)を含む。セグメントの3次元セグメントデータ22は、特定空間におけるそのセグメントの位置と形状を表す3次元データである。
【0019】
ユーザ40は、3次元施設データ20が表示されている入力画面10を利用して、1つ以上のセグメントの指定を行う。以下、ユーザ40によって指定されたセグメントを、指定セグメントと呼ぶ。領域決定装置2000は、入力画面10に対するユーザ入力に基づいて、指定セグメントを特定する。そして、領域決定装置2000は、指定セグメントの3次元セグメントデータ22(以下、指定セグメントデータ)に基づいて、指定領域を決定する。指定領域は、指定セグメントデータに基づいて定まる特定空間上の3次元領域である。
【0020】
指定領域は、指定セグメントデータで表される3次元領域そのものであってもよいし、指定セグメントデータに基づいて特定される他の3次元領域であってもよい。後者の場合、例えば、指定セグメントデータに対して特定の大きさのマージンを加えて得られる3次元領域を、監視領域として扱うことが考えられる。こうすることで、例えば、「ユーザ40によって指定されたセグメントから所定の距離以内の空間に入ってはいけない」といった意図を表す監視領域を設定することが可能となる。
【0021】
<作用効果の一例>
本実施形態の領域決定装置2000によれば、対象施設の3次元施設データ20を利用して生成された入力画面10に対するユーザ40の入力に基づいて、ユーザ40によって指定された対象施設のセグメントが特定される。そして、指定されたセグメントを表す3次元セグメントデータ22に基づいて定まる3次元領域が、監視エリア又は非監視エリアとして決定される。この方法によれば、監視対象の場所を平面視した地図を利用して監視エリアを設定するケースとは異なり、3次元の領域を監視エリアとして決定することができる。言い換えれば、水平面上における位置だけでなく、高さ方向の位置も考慮して、監視エリアを設定することができる。このようにすることで、2次元の領域としてしか監視エリアを設定できない場合と比較し、より柔軟に監視エリアを設定することができる。
【0022】
例えば、鉄塔を有する電力施設が監視されるとする。電力設備の鉄塔では、高所部分に危険な設備が設けられていることがあり、この危険な設備を監視したい(例えば、危険な設備に近づいたら警告したい)ことがある。しかしながら、電力設備を平面視した地図では、鉄塔全体を監視エリアとして設定することはできても、鉄塔の高所部分に設けられている危険な設備やその周辺だけを監視エリアとして設定することはできない。そのため、例えば、監視エリアに進入した場合に警告を通知するというシステムを設けると、鉄塔に近づいただけで警告が通知されてしまい、高所に設置されている危険な設備に近づいた場合のみ警告を通知するといった運用は実現できない。
【0023】
この点、本実施形態の領域決定装置2000によれば、このような電力設備の3次元施設データ20を利用して、高所部分に設けられている危険な設備に対応するセグメントを指定することにより、当該危険な設備やその周辺の3次元領域を監視エリアとして設定することができる。そのため、例えば、監視エリアに進入した場合に警告を通知するというシステムを設けると、鉄塔に近づいただけでは警告が通知されず、高所に設定されている危険な設備に近づいた場合のみ警告を通知するといった運用を実現することができる。
【0024】
また、本実施形態の領域決定装置2000では、対象施設の3次元施設データ20が各セグメントの3次元セグメントデータ22を含んでおり、セグメントの指定によって監視エリアや非監視エリアの指定を行うことができる。そのため、監視エリアや非監視エリアの指定を容易に行うことができる。
【0025】
以下、本実施形態の領域決定装置2000について、より詳細に説明する。
【0026】
<機能構成の例>
図2は、実施形態1の領域決定装置2000の機能構成を例示するブロック図である。領域決定装置2000は、取得部2020、セグメント特定部2040、及び領域決定部2060を有する。取得部2020は、3次元施設データ20を取得する。セグメント特定部2040は、入力画面10に対するユーザ入力に基づいて、指定セグメントを特定する。領域決定部2060は、指定セグメントの3次元セグメントデータ22に基づいて、指定領域を決定する。
【0027】
<ハードウエア構成の例>
領域決定装置2000の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、領域決定装置2000の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0028】
図3は、領域決定装置2000を実現するコンピュータ500のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ500は、任意のコンピュータである。例えばコンピュータ500は、PC(Personal Computer)やサーバマシンなどといった、据え置き型のコンピュータである。その他にも例えば、コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータである。コンピュータ500は、領域決定装置2000を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。
【0029】
例えば、コンピュータ500に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ500で、領域決定装置2000の各機能が実現される。上記アプリケーションは、領域決定装置2000の機能構成部を実現するためのプログラムで構成される。なお、上記プログラムの取得方法は任意である。例えば、当該プログラムが格納されている記憶媒体(DVD ディスクや USB メモリなど)から、当該プログラムを取得することができる。その他にも例えば、当該プログラムが格納されている記憶装置を管理しているサーバ装置から、当該プログラムをダウンロードすることにより、当該プログラムを取得することができる。
【0030】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0031】
プロセッサ504は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0032】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0033】
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0034】
ストレージデバイス508は、領域決定装置2000の各機能構成部を実現するプログラム(前述したアプリケーションを実現するプログラム)を記憶している。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、領域決定装置2000の各機能構成部を実現する。
【0035】
領域決定装置2000は、1つのコンピュータ500で実現されてもよいし、複数のコンピュータ500で実現されてもよい。後者の場合において、各コンピュータ500の構成は同一である必要はなく、それぞれ異なるものとすることができる。
【0036】
領域決定装置2000は、ユーザ40によって直接操作されるコンピュータ(以下、ユーザ端末)であってもよいし、ユーザ端末と通信可能に接続されているサーバマシンなどであってもよい。ユーザ端末は、例えば、ユーザ40が所持する携帯端末や PC などである。
【0037】
領域決定装置2000がサーバマシンなどである場合、領域決定装置2000は、ユーザ端末に対して入力画面10を提供することで、ユーザ端末のディスプレイ装置に入力画面10が表示されるようにする。そして、領域決定装置2000は、入力画面10に対するユーザ入力の内容を表す情報をユーザ端末から取得する。ここで、「ユーザ端末のディスプレイ装置」とは、携帯端末に設けられているディスプレイ装置や、PC と接続されているディスプレイ装置などのように、ユーザ端末から出力される情報が表示されるディスプレイ装置である。
【0038】
<処理の流れ>
図4は、実施形態1の領域決定装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。取得部2020は、3次元施設データ20を取得する(S102)。セグメント特定部2040は、入力画面10に対するユーザ入力に基づいて、指定セグメントを特定する(S104)。領域決定部2060は、指定セグメントの3次元セグメントデータ22に基づいて、指定領域を決定する(S106)。
【0039】
<3次元施設データ20の取得:S102>
取得部2020は、対象施設の3次元施設データ20を取得する(S102)。ここで、対象施設として複数の施設を扱うことができる場合(施設の選択が可能である場合)、取得部2020は、対象施設として扱うべき施設を特定し、当該特定した施設の3次元施設データ20を取得する。この場合、例えば、対象施設ごとに、その対象施設の識別情報と対応づけて、特定空間におけるその対象施設の3次元データを表す3次元施設データ20を、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に予め格納しておく。取得部2020は、対象施設の識別情報を取得し、その識別情報と対応づけて上記記憶装置に格納されている3次元施設データ20を取得する。
【0040】
取得部2020が対象施設として扱うべき施設を特定する方法は様々である。例えば領域決定装置2000は、ユーザ40の入力に応じて、対象施設として扱うべき施設を特定する。この場合、例えば取得部2020は、施設を指定可能な画面をユーザ40に提供する。この画面は、ユーザ40が操作可能なコンピュータ(以下、操作端末)のディスプレイ装置に表示される。例えば操作端末は、タブレット端末やスマートフォンなどの携帯端末であってもよいし、PC などの据え置き型のコンピュータであってもよい。ユーザ40は、操作端末に表示された画面を利用して、対象施設として扱いたい施設を指定する。領域決定装置2000は、ユーザ40によって指定された施設の識別情報に対応する3次元施設データ20を、対象施設の3次元施設データ20として取得する。
【0041】
<<3次元施設データ20の生成方法について>>
3次元施設データ20は、特定空間における対象施設の3次元データを表す。より具体的には、3次元施設データ20は、特定空間を定める3次元座標系上の複数の座標データによって、特定空間における対象施設の位置及び形状を表す。
【0042】
例えば3次元施設データ20は、対象施設を立体的にスキャンすることで得られる点群データで表される。このような物体の立体的なスキャンは、LiDAR(light detection and ranging)などを用いて実現することができる。なお、現実世界に設けられている施設等を立体的にスキャンすることで、その施設の3次元データを仮想3次元空間上に生成する技術には、既存の技術を利用することができる。
【0043】
なお、3次元施設データ20は点群データには限定されず、特定の3次元空間上に存在する3次元の物体の形状と位置を表すことができる任意のデータとすることができる。例えば、前述した立体的なスキャンで得られた点群データから得られるポリゴンデータや、そのポリゴンデータから得られるサーフェスデータなどを、3次元施設データ20として利用することができる。
【0044】
3次元施設データ20を生成する方法は、立体的に物体をスキャンする方法に限定されない。例えば3次元施設データ20は、3次元モデリングソフトウエアを利用して人手で生成されてもよい。この場合、例えば作業者は、対象施設を構成する各設備の設計図を用いて、モデリングソフトウエア上で、各設備の3次元データを生成する。さらに作業者は、モデリングソフトウエア上の3次元空間におけるこれら各設備の3次元データの配置が、現実世界上におけるこれらの設備の配置と同一となるように、各設備の3次元データの配置を行う。
【0045】
ここで、3次元施設データ20は、各セグメントについて3次元セグメントデータ22を有する。例えば、或る施設の3次元施設データ20は、その施設に含まれる各セグメントについて、「セグメントの識別情報、そのセグメントの3次元セグメントデータ22」のペアを有する。このような3次元施設データ20を生成するためには、施設が有する各セグメントについて、3次元セグメントデータ22を生成する必要がある。
【0046】
このように複数の構成要素で構成される物体について、各構成要素の3次元データを生成する技術には、種々の既存の技術を利用することができる。例えば、施設を立体的にスキャンして点群データを得る場合、当該点群データに対してセマンティックセグメンテーションなどの処理を行うことにより、点群データをセグメントごとの点群データに分割することができる。さらに、このようにしてセグメントごとに分割された点群データをポリゴンデータやサーフェスデータに変換することにより、セグメントごとのポリゴンデータやサーフェスデータを得ることができる。
【0047】
また、3次元モデリングソフトウエアなどを利用して人手で3次元施設データ20を生成する場合、例えば、各セグメントの3次元セグメントデータ22を当該ソフトウエアで生成することにより、各セグメントの3次元セグメントデータ22を含む3次元施設データ20を生成することができる。
【0048】
<指定セグメントの特定:S104>
セグメント特定部2040は、入力画面10に対するユーザ入力に基づいて、指定セグメントを特定する(S104)。そのために、領域決定装置2000は、ユーザ40に対して入力画面10を提供し、入力画面10に対するユーザ入力の内容を表す情報を取得する。セグメント特定部2040は、ユーザ入力の内容に基づいて、指定セグメントを特定する。入力画面10は、ユーザ端末のディスプレイ装置に表示される。
【0049】
図5は、入力画面10を例示する図である。入力画面10は、表示エリア14を有する。表示エリア14には3次元施設データ20が表示される。具体的には、表示エリア14には、3次元施設データ20の投影図が表示される。ただしユーザ40は、3次元施設データ20の所望の部分が表示エリア14に表示されるように、投影図を変更することができる。ここで、物体の3次元データの任意の部分が表示される画面の表示内容を変更可能とする技術には、3次元モデリングソフトウエアのビューアなどに利用されている技術を利用できる。
【0050】
例えば、3次元施設データ20の投影図は、特定空間上に配置された仮想的なカメラ(以下、仮想カメラ)で3次元施設データ20を撮像することによって得られる撮像画像として捉えることができる。このように捉えると、特定空間における仮想カメラの位置、姿勢、及び画角によって、表示エリア14の表示内容が決まることになる。そのため、例えば、ユーザ40によって行われるドラッグ操作やピンチ操作などに応じて、仮想カメラの位置、姿勢、及び画角を変更することにより、対象施設の様々な部分を表示エリア14に表示させることができる。以下、仮想カメラの位置、姿勢、及び画角などを総称して、仮想カメラのパラメータと呼ぶ。
【0051】
例えばユーザ40は、表示エリア14において点又は領域を指定することで、セグメントの指定を行う。以下、ユーザ40によって指定される点と領域をそれぞれ、指定点と指定領域と呼ぶ。例えばユーザ40が、表示エリア14上の指定点を指定したとする。この場合、セグメント特定部2040は、その指定点の指定が行われた時に表示エリア14に表示されている3次元施設データ20の投影図において当該指定点と重複するセグメントを、指定セグメントとして特定する。ここで、複数の3次元データ(ここでは、3次元セグメントデータ22)が表示されている画面において画面上の或る点が指定された場合に、その点によって指定された3次元データを特定する技術には、既存の技術を利用することができる。
【0052】
その他にも例えば、ユーザ40が、表示エリア14において指定領域を指定したとする。この場合、例えばセグメント特定部2040は、指定領域を奥行き方向に延伸することで得られる3次元領域(以下、拡張領域)と重複するセグメントを、指定セグメントとして特定する。
【0053】
ここで、セグメント特定部2040は、少なくともその一部が拡張領域と重複するセグメントを指定セグメントとして扱ってもよいし、その全てが拡張領域と重複するセグメントのみを指定セグメントとして扱ってもよい。
【0054】
図6Aから図6Cは、指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第1の図である。この例において、3次元施設データ20は、3次元セグメントデータ22-1から22-5を有する。図6Aは、表示エリア14に表示されている3次元施設データ20の投影図を表す。指定領域16は、ユーザ40によって指定された指定領域を表す。
【0055】
図6B図6Cは、3次元施設データ20をそれぞれ平面視及び側面視した場合の図である。これらの図において、指定セグメントとして特定される3次元セグメントデータ22は、斜線で塗られている。拡張領域18は、指定領域16を奥行き方向に拡張して得られる領域である。
【0056】
ここで、3次元セグメントデータ22-1、3次元セグメントデータ22-2、及び3次元セグメントデータ22-3は、その全てが拡張領域18と重複している(すなわち、拡張領域18に包含されている)。一方で、3次元セグメントデータ22-4及び3次元セグメントデータ22-5は、全てではなく、その一部のみが、拡張領域18と重なっている。
【0057】
図6Aから図6Cにおいて、セグメント特定部2040は、その全てが拡張領域18と重複している3次元セグメントデータ22のみを、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定する。そのため、3次元セグメントデータ22-1、3次元セグメントデータ22-2、及び3次元セグメントデータ22-3が、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定されている。一方で、3次元セグメントデータ22-4及び3次元セグメントデータ22-5は、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定されていない。
【0058】
セグメント特定部2040は、少なくともその一部が拡張領域18と重複している3次元セグメントデータ22を、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定してもよい。図7Aから図7Cは、指定領域に基づいた指定セグメントの特定方法を例示する第2の図である。図7Aから図7Cの例において、表示エリア14の表示内容及び指定領域16は、図6Aから図6Cの例と同じである。そのため、図7Aの内容は図6Aの内容と同一である。
【0059】
一方、図7Aから図7Cの例では、少なくともその一部が拡張領域18と重複している3次元セグメントデータ22が、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定される。そのため、図7B及びCにおいて、3次元セグメントデータ22-1から3次元セグメントデータ22-3に加え、3次元セグメントデータ22-4と3次元セグメントデータ22-5も、指定セグメントの3次元セグメントデータ22として特定されている。
【0060】
ここで、セグメント特定部2040は、上述した方法で指定セグメントを特定する代わりに、指定セグメントの候補とするセグメント(以下、候補セグメント)を特定してもよい。例えば図7Aから図7Cの例では、3次元セグメントデータ22-1から3次元セグメントデータ22-3が、候補セグメントの3次元セグメントデータ22として扱われる。
【0061】
セグメント特定部2040は、意図した通りにセグメントを指定できたかどうかを確認するための入力をユーザ40から受け付ける。そのために、セグメント特定部2040は、指定点や指定領域を指定するユーザ入力が行われたことに応じて、そのユーザ入力に基づいて特定した候補セグメントをユーザ40が把握できるように、入力画面10の表示を変更する。例えばセグメント特定部2040は、候補セグメントの3次元セグメントデータ22の色を変更することで、ユーザ40が候補セグメントを把握できるようにする。
【0062】
例えばユーザ40は、セグメントの指定を確定する入力操作を行う。例えばこの入力操作は、入力画面10に表示されている特定のボタン(決定ボタンなど)を押す操作などである。セグメント特定部2040は、この入力操作が行われたことに応じて、候補セグメントを指定セグメントとして特定する。このように、ユーザ40による指定に基づいて特定したセグメントを候補セグメントとして扱った上で、ユーザ40に確認の入力を求めることにより、自身の指定に誤りがないかどうかをユーザ40が確認することができる。
【0063】
なお、入力画面10は、候補セグメントを変更する入力を受け付けてもよい。例えば入力画面10に、候補セグメントを包含する直方体などの3次元領域を表示する。ユーザ40は、指定セグメントとして扱いたいセグメントの3次元セグメントデータ22のみが包含されるようにこの3次元領域の形状を変更することで、候補セグメントの変更を行う。
【0064】
<指定領域の決定:S106>
領域決定部2060は、セグメント特定部2040によって特定された指定セグメントの3次元セグメントデータ22である指定セグメントデータに基づいて、指定領域を決定する(S106)。領域決定部2060は、指定セグメントデータが表す3次元領域をそのまま指定領域として決定してもよいし、指定セグメントデータが表す3次元領域に基づいて得られる他の3次元領域を指定領域として決定してもよい。
【0065】
例えば領域決定部2060は、指定セグメントデータの基準点(例えば、指定セグメントデータの重心など)を中心とし、なおかつ、指定セグメントデータを包含する所定の形状(例えば球状)の3次元領域を算出し、当該3次元領域を指定領域として決定する。この3次元領域は、指定セグメントデータを包含する最小の領域であってもよいし、当該最小の領域を所定倍に拡大した領域であってもよい。
【0066】
その他にも例えば、領域決定部2060は、指定セグメントデータを所定の方法で拡大することで得られる3次元領域を、指定領域として決定する。例えば領域決定部2060は、指定セグメントデータの基準点を中心として指定セグメントデータを所定倍に拡大することで得られる3次元領域を、指定領域に決定する。その他にも例えば、領域決定部2060は、指定セグメントデータから特定の距離(以下、マージン)だけ離れた位置までの範囲を表す3次元領域を、指定領域として決定する。この3次元領域は、「指定セグメントデータに対して各方向へマージンを加えることで得られる領域」とも表現できる。
【0067】
マージンの値は、例えば、施設にかかわらず固定で定められている。この場合、マージンの値は、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に予め格納されている。
【0068】
その他にも例えば、マージンの値は、施設ごとに定められていてもよい。この場合、マージンの値は、施設の識別情報と対応づけて、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納されている。領域決定部2060は、ユーザ40によって指定された対象施設の識別情報に対応するマージンの値を、その記憶装置から取得して利用する。
【0069】
その他にも例えば、マージンの値は、施設の属性ごとに定められていてもよい。施設の属性は、例えば、施設の種類や、施設で扱われるものの特徴(電力施設における電圧の大きさや、化学工場で利用される化学物質の危険度など)などである。この場合、マージンの値は、施設の属性に対応づけて、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納されている。また、施設の属性が、その施設の識別情報と対応づけて、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納されている。領域決定部2060は、ユーザ40によって指定された対象施設の識別情報を用いて、その対象施設の属性を取得する。さらに、領域決定部2060は、特定した施設の属性に対応するマージンの値を取得する。
【0070】
なお、1つの施設に対して複数の属性が対応づけられていてもよい。この場合、例えば領域決定部2060は、対象施設の各属性に対応づけられているマージンの値を取得し、その中で最も大きいマージンの値を利用して、指定領域を決定する。
【0071】
その他にも例えば、マージンの値は、セグメントごとに定められていてもよい。この場合、例えば、施設の識別情報に対応づけて、その施設が有する各セグメントに対応するマージンの値が、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納されている。領域決定部2060は、上記記憶装置から、指定セグメントデータに対応するマージンの値を取得する。
【0072】
その他にも例えば、マージンの値は、セグメントの属性ごとに定められていてもよい。この場合、マージンの値は、セグメントの属性に対応づけて、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納されている。例えばセグメントの属性は、セグメントの種類や、セグメントで扱われるものの特徴(電圧の大きさや化学物質の危険度など)などで定められる。例えば電力施設の場合において、「セグメントの種類:リード線、特徴:電圧=2,200V」という属性に対応づけて、「マージン=1m」などといったマージンの値を示す情報を対応づけておく。また、この場合、施設の識別情報と対応づけて、その施設に含まれる各セグメントの属性を示す情報を、領域決定装置2000からアクセス可能な記憶装置に格納しておく。領域決定部2060は、対象施設の識別情報と指定セグメントの識別情報を用いて、指定セグメントの属性を示す情報を取得する。さらに領域決定部2060は、指定セグメントの属性に対応するマージンの値を取得する。
【0073】
上述したように、指定セグメントの3次元セグメントデータ22の周囲にマージンを加えることで指定エリアを決定する方法によれば、指定されたセグメントで表される3次元領域だけでなく、その周囲の所定の範囲も自動的に指定領域に含めることができる。よって、「指定したセグメントの周囲の所定の範囲に監視対象の人などが進入した場合に警告をする」といった監視を容易に実現できる。
【0074】
例えば、電力施設などの所定の施設では、設備の属性に応じて、その設備からどの程度の距離を保つべきかがガイドラインや法令などで規定されることがある。そこで、このようなガイドラインなどに基づいたマージンの値を、各セグメントの属性に対応づけて定めておく。こうすることで、ガイドラインなどに準拠して施設を運用するための監視エリアの設定を、容易に実現することができる。
【0075】
<<監視領域と非監視領域のどちらを扱うか>>
指定領域として監視領域と非監視領域のどちらを扱うのかは、予め固定で定められていてもよいし、ユーザ40によって選択されてもよい。後者の場合、例えば入力画面10において、監視領域と非監視領域のどちらを指定したいのかを、ユーザ40が選択するようにする。例えばユーザ40は、監視領域と非監視領域のどちらを指定するのかをラジオボタンなどの入力インタフェースで選択した後に、指定点などを入力する。こうすることで、ユーザ40は、指定点などを入力する際に、その指定点などで監視領域と非監視領域のどちらを設定したいのかを選択することができる。
【0076】
その他にも例えば、ユーザ40が指定点などの入力を行った時に、監視領域と非監視領域の選択を行う入力インタフェース(例えば、ポップアップウインドウ)が表示されるようにしてもよい。ユーザ40は、当該入力インタフェースを用いて、監視領域と非監視領域のどちらを指定したいのかを選択する。
【0077】
<領域決定装置2000による出力>
領域決定装置2000は、領域決定部2060によって決定された指定領域を示す情報を出力する。以下、この情報を領域情報と呼ぶ。また、領域情報の出力を行う機能構成部を、出力部と呼ぶ(図示せず)。例えば領域情報は、対象施設の識別情報、指定領域を表す3次元データ、及び指定領域が監視領域と非監視領域のどちらを表すのかを示すラベルを含む。なお、ユーザ40によってセグメントが複数指定された場合、領域情報は、複数の指定セグメントそれぞれについて決定された指定領域の情報を含む。
【0078】
その他にも例えば、出力部は、指定領域が非監視領域である場合、特定空間からその非監視領域を除いて得られる監視領域を算出し、当該監視領域を示す領域情報を出力してもよい。この場合、領域情報は、上述したラベルを含まなくてよい。
【0079】
領域情報の出力の態様は様々である。例えば領域決定装置2000は、領域情報を任意の記憶装置に格納する。その他にも例えば、領域決定装置2000は、ユーザ40が閲覧可能なディスプレイ装置に、領域情報を表示させる。その他にも例えば、領域決定装置2000は、領域情報を他の装置へ出力してもよい。例えばこの「他の装置」は、以下で説明する監視装置3000である。
【0080】
<領域決定装置2000の利用例>
領域決定装置2000の理解をより容易にするために、領域決定装置2000が利用されるシチュエーションを例示する。以下の説明は例示であり、領域決定装置2000が利用されるシチュエーションは、以下で示すものに限定されない。
【0081】
図8は、監視システム4000を例示する図である。監視システム4000は、領域決定装置2000及び監視装置3000を有する。監視システム4000では、領域決定装置2000を利用して決定された監視領域が、監視装置3000によって行われる監視に利用される。なお、領域決定装置2000において非監視領域が決定された場合、監視対象の施設やその周辺を含む空間から非監視領域を除外した空間が、監視領域として扱われる。
【0082】
監視装置3000は、領域決定装置2000によって生成された領域情報60を取得する。また、監視装置3000は、監視対象物体80の位置を示す位置情報70をセンサ90から取得する。監視対象物体80は任意の物体であり、例えば、対象施設で作業を行う人や、対象施設の状態を監視するドローンなどの移動物体である。センサ90は、その位置を計測可能な任意のセンサであり、例えば GPS センサである。例えばセンサ90は、監視対象物体80に所持されていたり、監視対象物体80に備え付けられていたりする。監視対象物体80の位置は、現実世界上の位置を表すことができる所定の座標系上の座標で表される。例えばセンサ90が GPS センサである場合、監視対象物体80の位置は GPS 座標で表される。
【0083】
監視装置3000は、監視対象物体80と監視領域の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて出力情報を生成する。例えば所定の条件は、「監視対象物体80が監視領域の中に入っている」という条件である。この場合、例えば監視装置3000は、所定の条件が満たされていたら、出力情報として、所定の警告を表す警告情報を出力する。
【0084】
ここで、監視領域を表すために利用される座標系(以下、第1座標系)と、監視対象物体80の位置を表すために利用される座標系(以下、第2座標系)とは、互いに同じものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。後者の場合、例えば監視装置3000は、監視対象物体80と監視領域の位置関係を把握するために、これらを表す座標系の統一を行う。例えば監視装置3000は、監視対象物体80の位置を第1座標系上の座標に変換した上で、監視対象物体80の位置が監視領域の中に含まれているか否かを判定する。その他にも例えば、監視装置3000は、監視領域を第2座標系上の領域に変換した上で、監視対象の位置が監視領域の中に含まれているか否かを判定してもよい。
【0085】
なお、座標系の統一は、領域決定装置2000によって行われてもよい。この場合、領域決定装置2000は、領域決定部2060によって決定された指定領域について、当該指定領域を表す座標データを第2座標系上の座標データに変換し、変換後の座標データで指定領域を表す領域情報60を出力する。
【0086】
<<監視装置3000の機能構成の例>>
図9は、監視装置3000の機能構成を例示する図である。監視装置3000は、取得部3020、判定部3040、及び出力部3060を有する。取得部3020は、領域情報60及び位置情報70を取得する。判定部3040は、監視対象物体80と監視領域の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。出力部3060は、上記判定の結果に基づく出力情報を出力する。
【0087】
<<監視装置3000のハードウエア構成の例>>
監視装置3000のハードウエア構成は、領域決定装置2000のハードウエア構成と同様に、例えば図3で表される。ただし、監視装置3000を実現するコンピュータのストレージデバイスには、監視装置3000の各機能を実現するためのプログラムが格納されている。
【0088】
<<監視装置3000によって実行される処理の流れ>>
図10は、監視装置3000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。取得部3020は領域情報60を取得する(S202)。S204からS212は、所定の終了条件が満たされるまで繰り返し実行されるループ処理Lである。S204において、監視装置3000は、終了条件が満たされているか否かを判定する。終了条件が満たされている場合、図10の処理は終了する。一方、終了条件が満たされていない場合、図10の処理はS206に進む。
【0089】
取得部3020は位置情報70を取得する(S206)。判定部3040は、領域情報60及び位置情報70を利用して、監視対象物体80と監視領域の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する(S208)。出力部3060は、上記判定の結果に基づく出力情報を生成し、生成した出力情報を出力する(S210)。S212はループ処理Lの終端であるため、図10の処理はS204に戻る。
【0090】
ループ処理Lの終了条件には、任意の終了条件を採用することができる。例えば終了条件は、「監視の終了を表すユーザ入力が行われる」や「所定の時間以上センサ90から位置情報70が送信されてこない」などといった条件である。
【0091】
なお、監視装置3000によって実行される処理の流れは、図10に示すものに限定されない。例えば出力情報の生成及び出力が行われないことがあってもよい。例えば、監視対象物体80が監視領域の中に入っている場合には警告を表す出力情報が出力される一方で、監視対象物体80が監視領域の中に入っていない場合には出力情報が出力されないようにしてもよい。
【0092】
また、ループ処理Lで表される監視の処理は、領域情報60を取得した後にすぐに開始される必要はない。例えば、ループ処理Lは、所定の開始条件が満たされた場合に開始されるようにしてもよい。開始条件としては、例えば、「監視の開始を表すユーザ入力が行われる」や「センサ90から位置情報70を受信する」などといった条件である。
【0093】
<<領域情報60の取得:S202>
取得部3020は、領域決定装置2000によって生成された領域情報60を取得する(S202)。取得部3020が領域情報60を取得する方法は様々である。例えば領域決定装置2000によって、監視装置3000からアクセス可能な記憶装置に領域情報60が格納されたとする。この場合、取得部3020は、この記憶装置から領域情報60を取得する。その他にも例えば、取得部3020は、領域決定装置2000から監視装置3000に対して送信された領域情報60を受信することで、領域情報60を取得してもよい。
【0094】
なお、監視対象としうる施設が複数存在する場合、監視装置3000は、監視対象の施設に対応する領域情報60を取得する。例えばこの場合、監視装置3000は、監視対象とする施設を選択する入力をユーザから受け付ける。監視装置3000は、選択された施設の識別情報を示す領域情報60を取得する。
【0095】
<<位置情報70の取得:S206>
取得部3020はセンサ90から位置情報70を取得する(S206)。取得部3020が位置情報70を取得する方法は様々である。例えばセンサ90によって、監視装置3000からアクセス可能な記憶装置に位置情報70が格納されたとする。この場合、例えば取得部3020は、定期的にこの記憶装置にアクセスし、まだ取得していない位置情報70が格納されていたら、その位置情報70を取得する。その他にも例えば、取得部3020は、センサ90から監視装置3000に対して送信された位置情報70を受信することで、位置情報70を取得してもよい。
【0096】
<<監視対象物体80と監視領域の位置関係に関する判定:S208>>
判定部3040は、領域情報60及び位置情報70を用いて、監視対象物体80と監視領域の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する(S208)。例えば所定の条件は「監視対象物体80が監視領域の中に入っている」という条件である。すなわちこの場合、判定部3040は、監視対象物体80が監視領域の中に入っているか否かを判定する。
【0097】
その他にも例えば、所定の条件は、「監視対象物体80と監視領域との間の距離が閾値T以下である(T>0)」という条件である。この場合、監視対象物体80が監視領域から閾値T以下の距離まで近づいたか否かを判定することができる。例えば出力部3060は、監視領域からの距離がT以下である場合に警告情報を出力する。
【0098】
所定の条件には、複数の条件が用いられてもよい。例えば、「監視対象物体80が監視領域の中に入っている」という第1の条件と、「監視対象物体80と監視領域との間の距離が閾値T以下かつ0より大きい(T>0)」という第2の条件を設けるとする。この場合、例えば出力部3060は、1)第1の条件が満たされる場合には第1のレベルの警告を表す警告情報を出力し、2)第2の条件が満たされる場合には第2のレベルの警告を表す警告情報を出力し、3)いずれの条件も満たされなければ警告情報を出力しない。この場合、警告の強さは「第1のレベル>第2のレベル」とする。このようにすることで、監視対象物体80と監視領域との距離に応じ、所望のレベルの警告を行うことができる。
【0099】
また、閾値を複数段階設けてもよい。例えば、「監視対象物体80が監視領域の中に入っている」という第1の条件と、「監視対象物体80と監視領域との間の距離が閾値T1以下かつ0より大きい(T1>0)」という第2の条件と、「監視対象物体80と監視領域との間の距離が閾値T2以下かつT1より大きい(T2>T1)」という第3の条件とを設けるとする。この場合、例えば出力部3060は、1)第1の条件が満たされる場合には第1のレベルの警告を表す警告情報を出力し、2)第2の条件が満たされる場合には第2のレベルの警告を表す警告情報を出力し、3)第3の条件が満たされる場合には第3のレベルの警告を表す警告情報を出力し、3)いずれの条件も満たされなければ警告情報を出力しない。この場合、警告の強さは「第1のレベル>第2のレベル>第3のレベル」とする。このように閾値を複数設けることで、監視対象物体80の位置に応じた警告の強さを、より細かく調整することができる。
【0100】
<<出力情報の生成と出力:S210>>
出力部3060は、判定部3040による判定の結果に基づいて出力情報を生成し、その出力情報を出力する(S210)。例えば判定部3040は、前述したように、判定の結果に応じて警告情報を出力する。警告情報には様々なものを利用することができる。例えば警告情報は、監視対象物体80に対するメッセージを示す。例えば、監視対象物体80が監視領域の中に入っている場合には、「危険なエリアに入っています」や「XXXから離れて下さい」といったメッセージを利用できる。ここで、「XXX」には、監視領域に対応するセグメントの名称などが入る。また、監視領域からの距離が閾値以下となっているケースでは、「XXXからYm以内の距離にいるので注意して下さい」といったメッセージを利用することができる。ここで、Yの値には、監視対象物体80の位置情報を用いて算出した、監視対象物体80から監視領域までの距離を用いる。
【0101】
監視対象物体80が人である場合、例えば警告情報は、その人が所持する端末に出力される。また、監視対象物体80がドローンなどの移動物体である場合、例えば警告情報は、その移動物体を操作する人が利用している端末に出力される。
【0102】
警告情報は、メッセージ以外の情報であってもよい。例えば警告情報は、端末の画面の色で実現されてもよい。例えば、第1のレベルの警告情報の出力は、出力先の端末の画面の色を赤色にすることで実現し、第2のレベルの警告情報の出力は、出力先の端末の画面の色を黄色にすることで実現するといったことが考えられる。
【0103】
また、警告情報は、音声(音声メッセージやビープ音など)で実現されてもよい。この音声は、例えば、出力先の端末のスピーカから再生されるようにする。
【0104】
出力情報は、警告を表す情報には限定されない。例えば出力部3060は、判定部3040による判定結果を表す情報(言い換えれば、所定の条件が満たされているか否かを把握可能な情報)を出力してもよい。例えば、所定の条件が、「監視対象物体80が監視領域の中にいる」であるとする。この場合、例えば、監視対象物体80が監視領域の中と外のどちらにいるかを把握可能な情報が出力情報として出力される。具体的には、監視対象物体80が監視領域の外にいる場合には「監視領域の外にいます」などといったメッセージを示す出力情報が出力されるようにする。一方で、監視対象物体80が監視領域の中にいる場合には、「監視領域の中にいます」などといったメッセージを示す出力情報が出力されるようにする。
【0105】
なお、このように判定結果を表す情報も、警告情報と同様に、メッセージだけでなく、端末の画面の色や音声などで実現されてもよい。
【0106】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0107】
なお、上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスク ROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0108】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、を有する領域決定装置。
(付記2)
前記セグメント特定部は、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、付記1の領域決定装置。
(付記3)
前記領域決定部は、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記1又は2に記載の領域決定装置。
(付記4)
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定部は、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記3に記載の領域決定装置。
(付記5)
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力部を有する、付記1から4いずれか一項に記載の領域決定装置。
(付記6)
コンピュータによって実行される制御方法であって、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、を有する制御方法。
(付記7)
前記セグメント特定ステップにおいて、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、付記6の制御方法。
(付記8)
前記領域決定ステップにおいて、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記6又は7に記載の制御方法。
(付記9)
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定ステップにおいて、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記8に記載の制御方法。
(付記10)
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力ステップを有する、付記6から9いずれか一項に記載の制御方法。
(付記11)
コンピュータに、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得処理と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定処理と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定処理と、を実行させるプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体。
(付記12)
前記セグメント特定処理において、前記入力画面で指定された領域に包含される前記セグメントを前記指定セグメントとして特定するか、又は、前記入力画面で指定された領域と少なくともその一部が重複するセグメントを前記指定セグメントとして特定する、付記11のコンピュータ可読媒体。
(付記13)
前記領域決定処理において、前記指定セグメントの周囲にマージンを加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記11又は12に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記14)
前記セグメントの属性とマージンの値との対応付けを示す情報が記憶装置に格納されており、
前記領域決定処理において、前記指定セグメントの属性に対応するマージンの値を前記記憶装置から取得し、前記取得した値のマージンを前記指定セグメントの周囲に加えることで得られる3次元領域を、前記監視領域又は前記非監視領域として決定する、付記13に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記15)
前記決定された監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力処理を有する、付記11から14いずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記16)
領域決定装置と監視装置を有する監視システムであって、
前記領域決定装置は、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得部と、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定部と、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定部と、
前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力部と、を有し、
前記監視装置は、
前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得部と、
前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力部と、を有する監視システム。
(付記17)
領域決定装置と監視装置を有する監視システムによって実行される監視方法であって、
前記領域決定装置によって、
複数のセグメントが含まれる対象施設の3次元データである3次元施設データを取得する取得ステップと、
前記対象施設の画像を含む入力画面において指定された前記セグメントである指定セグメントを特定するセグメント特定ステップと、
前記指定セグメントの3次元データに基づいて定まる3次元領域を監視領域又は非監視領域として決定する領域決定ステップと、
前記監視領域又は非監視領域を示す領域情報を出力する出力ステップと、が実行され、
前記監視装置によって、
前記領域情報と、監視対象物体の位置を示す位置情報とを取得する取得ステップと、
前記監視対象物体の位置と前記領域情報に基づいて定まる監視領域との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定の結果に基づく出力情報を出力する出力ステップと、が実行される監視方法。
【符号の説明】
【0109】
10 入力画面
14 表示エリア
16 指定領域
18 拡張領域
20 3次元施設データ
22 3次元セグメントデータ
40 ユーザ
60 領域情報
70 位置情報
80 監視対象物体
90 センサ
500 コンピュータ
502 バス
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ストレージデバイス
510 入出力インタフェース
512 ネットワークインタフェース
2000 領域決定装置
2020 取得部
2040 セグメント特定部
2060 領域決定部
3000 監視装置
3020 取得部
3040 判定部
3060 出力部
4000 監視システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10