(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20240814BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240814BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240814BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240814BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/53
A63F13/69
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2023087290
(22)【出願日】2023-05-26
(62)【分割の表示】P 2019086594の分割
【原出願日】2019-04-26
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100156605
【氏名又は名称】山田 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】松並 桂一
(72)【発明者】
【氏名】荒堀 和明
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第5276200(JP,B1)
【文献】特開2018-187458(JP,A)
【文献】特開2018-185738(JP,A)
【文献】特開2018-124926(JP,A)
【文献】特開2014-131758(JP,A)
【文献】「東亰ザナドゥ」公式サイト、季節やシチュエーションによって衣装が変化,世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業[online],2016年09月15日,インターネット URL https://web.archive.org/web/20160915181658/https://www.falcom.co.jp/tokyo_xanadu/system/system07.html,[2024年07月01日検索]
【文献】『東亰ザナドゥ』で主人公やヒロインたちが見せる夏服姿、コウのバイト先などの画像を紹介,電撃オンライン[online] ,2015年08月06日,インターネット URL https://dengekionline.com/elem/000/001/101/1101524/,[2024年07月01日検索]
【文献】「LINE ウィンドランナー」のキャラクターカードが進化!さらに便利なカード活用法をご紹介,LINE GAME BLOG[online],2014年11月08日,https://game-blog.line.me/archives/41778170.html,[2022年01月04日検索]
【文献】モンスト:タスカン運極キャラの作り方,週刊アスキー[online],2014年07月20日,https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/624/2624584/,[2022年01月04日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームキャラクタの種別と表示態様が予め対応付けられた電子媒体を画面上でプレイヤに複数選択させる手段、
プレイヤに選択された複数の電子媒体の中に同一種類のゲームキャラクタが対応付けられた複数の電子媒体が含まれている場合、前記同一種類のゲームキャラクタ
が対応付けられた一部の電子媒体を、予め対応付けられた表示態様ではなく、表示態様に関する所定条件に応じて決定された表示態様で画面表示する表示手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記所定条件に応じて決定された表示態様として、ゲームが実行される日時情報に関連付けられる表示態様で、前記同一種類のゲームキャラクタ
が対応付けられた一部の電子媒体を画面表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記所定条件に応じて決定された表示態様として、ゲームが実行されるシーンに関連付けられる表示態様で、前記同一種類のゲームキャラクタ
が対応付けられた一部の電子媒体を画面表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記所定条件に応じて決定された表示態様として、前記プレイヤのプレイ時間に関連付けられる表示態様で、前記同一種類のゲームキャラクタ
が対応付けられた一部の電子媒体を画面表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
ゲームキャラクタの種別と表示態様が予め対応付けられた電子媒体を画面上でプレイヤに複数選択させる手段と、
プレイヤに選択された複数の電子媒体の中に同一種類のゲーム
キャラクタが対応付けられた複数の電子媒体が含まれている場合、前記同一種類のゲームキャラクタ
が対応付けられた一部の電子媒体を、予め対応付けられた表示態様ではなく、表示態様に関する所定条件に応じて決定された表示態様で画面表示する表示手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ゲーム装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カード等の遊技媒体を読み取ることにより識別情報を取得し、当該識別情報に紐付けられたゲームキャラクタをゲーム上に再現した上で、再現された当該ゲームキャラクタを操作することによりプレイするゲーム装置が普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数枚のカードを一度に読み取ることにより、多数のカードIDを取得し、当該カードIDに対応するゲームキャラクタを表示させてゲームを進行させるゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、同一のゲームキャラクタについて複数のカードが存在する場合でも、それらの複数のカードに紐づけられたゲームキャラクタの表示態様は一つであったため、それら複数のカードを使用しても、対応する一つの表示態様のゲームキャラクタが表示されるだけであった。
【0006】
そこで、本発明は、複数種類のキャラクタカードに共通の一のゲームキャラクタについて複数のカード等が存在する場合に、条件に応じた表示態様のバリエーションを増加させることが可能なゲーム装置、情報処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ゲーム装置から、所定の表示態様のゲームキャラクタに対応するキャラクタ識別情報を複数受信する受信部と、受信された複数のキャラクタ識別情報に、受信された複数のキャラクタ識別情報に、表示態様が異なる共通のゲームキャラクタに対応するキャラクタ識別情報が複数含まれる場合、当該共通のゲームキャラクタの表示態様に関する所定条件に基づいて、前記複数のキャラクタ識別情報に関連付けられた各表示態様の中から一の表示態様を、前記共通のゲームキャラクタの表示態様に決定する決定部と、前記ゲーム装置に、決定された前記一の表示態様を示す表示態様情報を送信する送信部と、を備える。
【0008】
この態様によれば、複数種類のキャラクタカードに共通の一のゲームキャラクタについて複数のカード等が存在する場合に、条件に応じた表示態様のバリエーションを増加させることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数種類のキャラクタカードに共通の一のゲームキャラクタについて複数のカード等が存在する場合に、条件に応じた表示態様のバリエーションを増加させることが可能な情報処理装置、ゲーム装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】ゲーム装置10の外観の一例を示す図である。
【
図3】ゲーム装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】サーバ12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】プレイヤカードテーブルの一例を示す図である。
【
図6】キャラクタカードテーブルの一例を示す図である。
【
図7】表示態様優先テーブルの一例を示す図である。
【
図8】ゲーム装置10とサーバ12の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】ゲームシステム1による動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図10】ゲーム画面1000の一例を示す図である。
【
図11】カードリーダ28にN枚のカードを挿し込む例を示す図である。
【
図12】実施形態1に係る表示態様の決定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
[第1実施形態]
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図示のように、ゲームシステム1は、一つ以上のゲーム装置10と、サーバ12と、を備える。これらゲーム装置10とサーバ12は、インターネット等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
ゲーム装置10は、プレイヤに対してカード等の遊技媒体を払い出す。また、ゲーム装置10は、カード等の遊技媒体を読み取ることによりゲームキャラクタを再現し、当該ゲームキャラクタを操作してプレイするゲームをプレイヤに提供する。ゲーム装置10は、例えばアミューズメント施設などに設置されるアーケードゲーム装置、コンシューマゲーム装置、携帯電話、タブレット、又は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0014】
サーバ12は、プレイヤや各種カードに関する情報を管理すると共に、ゲームの一部の処理を実行する情報処理装置である。サーバ12は、適宜、ゲーム装置10の要求に応答して、各種情報を参照してゲーム装置10に送信する。
【0015】
(2)各部の構成
(2-1)ゲーム装置10
図2は、ゲーム装置10の外観の一例を示す図である。
図2に示すとおり、ゲーム装置10は、本体22と、操作卓24と、操作ボタン26と、カードリーダ28と、コイン投入部30と、カード払出部32と、モニタ34と、を有する。
【0016】
操作卓24には、プレイヤが各種の操作を行うための適宜の種類、個数の操作部が配置される。操作部の種類、個数は任意である。本実施形態の操作卓は、単一又は複数の操作ボタン26、カードリーダ28、コイン投入部30等を有する。
【0017】
操作ボタン26は、プレイヤによる操作を受け付け、受け付けた操作に応じた制御信号を処理装置50に供給する。
【0018】
カードリーダ28は、例えば、光学式のバーコードリーダや2次元/3次元コードのリーダ、ICリーダ等である。カードリーダ28は、カードに印刷されたバーコードや、カードに内蔵されたROM/フラッシュメモリ等の記憶媒体の記憶内容を取得し、当該カードに固有の識別情報(カードID)を読み取る。また、カードリーダ28は、一度に所定数のカードを挿入可能であり、これらのカードに対応する各キャラクタ識別情報を読み取ることが可能である。
【0019】
コイン投入部30は、ゲームをプレイするために、プレイヤが投入するコインやプリペイドカードを検知し、所定のコインや金額を検知した場合、この信号を送信することができる。このコインとしては、実際の貨幣や遊戯施設で用いられるメダル等の経済的価値媒体を使用することができる。コイン投入部30に投入されたコインは、本体22内に設置されたコイン検出機30Aより検出される。
【0020】
カード払出部32は、本体22の下部に設けられている。カード払出部32の内部には、払い出される前の絵柄が印刷されていない状態のカード(白カード)を所定枚数だけ充填することができる。白カードの内部には、カードIDが格納されたチップが埋め込まれている。当該カードIDは、サーバ12によって、各種の情報と対応付けて所定のテーブルに記録されることにより、プレイヤカードID及びキャラクタカードID等として機能し得る。
【0021】
モニタ34は、本体22の上部に設けられている。モニタ34は、例えば、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、MEMS(MicroElectroMechanicalSystems)ディスプレイ、LCOS(Liquidcrystalonsilicon)ディスプレイ、透過型高温ポリシリコンLCDや、レーザー等を用いた光学プロジェクタの表示手段(表示部)として構成される。モニタ34は、後述する処理装置50から供給される制御信号に応じて、ゲームの各種画面を表示する。
【0022】
図3は、ゲーム装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示のように、ゲーム装置10は、処理装置50を有する。処理装置50は、操作部52と、出力装置54と、印刷装置56と、通信装置58とに接続されており、これら機器を制御するための制御信号を供給する。
【0023】
処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)60と、記憶装置62と、を含んで構成される。記憶装置62は、ROM、RAM、ハードディスク、その他の公知の記憶装置を単独で又は組み合わせて構成することができる。
【0024】
操作部52は、上記の操作ボタン26、カードリーダ28、コイン投入部30等を含む。出力装置54は、上記のモニタ34等を有する。印刷装置56は、カード払出部32に内蔵されており、白カードに種々の絵柄を印刷する。通信装置58は、サーバ12や他のゲーム装置10等とネットワークNTを介して通信するための装置である。
【0025】
(2-2)サーバ12
図4は、サーバ12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示のように、サーバ12は、ハードウェア構成として、制御装置70と、通信装置76と、記憶装置78と、を備える。制御装置70は、CPU72及びメモリ74を主に備えて構成される。
【0026】
制御装置70では、CPU72がメモリ74或いは記憶装置78等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。この機能実現手段の詳細については後述する。
【0027】
通信装置76は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置76は、例えば、ゲーム装置10との間で各種の情報を送受信する。
【0028】
記憶装置78は、ハードディスク等で構成される。記憶装置78は、制御装置70における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。記憶装置78は、例えば、後述するプレイヤカードテーブル、キャラクタカードテーブル、及びプレイ履歴テーブルを記憶する。
【0029】
なお、サーバ12は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。なお、サーバ12は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0030】
なお、
図4は、サーバ12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ12は、サーバが一般的に備える他の構成を備えてもよい。
【0031】
図5は、プレイヤカードテーブルの一例を示す図である。プレイヤカードテーブルは、プレイヤカードを読み取ることにより取得されるプレイヤIDに対応付けてプレイヤに関する各種の情報を管理するためのテーブルである。
【0032】
プレイヤカードテーブルには、例えば、「プレイヤID」毎に、「プレイヤ情報」と、「キャラクタカードID」と、「更新日時」と、「プレイ時間」とが対応付けて記録されている。「プレイヤID」は、プレイヤを識別するための識別情報である。「プレイヤ情報」は、当該プレイヤに関する任意の情報であって、例えば、プレイヤの名称(本名の他、プレイヤが指定した任意の名称や俗称を含む)、レベル、ゲームのプレイ履歴、各種アイテム等の購入履歴、ゲームに応じた各種のポイント等を含んでもよい。「キャラクタカードID」は、当該プレイヤが保有するキャラクタカードのキャラクタカードID(キャラクタ識別情報)である。「更新日時」は、当該プレイヤカードIDに対応付けられた情報が更新された日時を示す情報である。「プレイ時間」は、このプレイヤがゲームを実行した総時間を表す情報である。
【0033】
図6は、キャラクタカードテーブルの一例を示す図である。キャラクタカードテーブルは、ゲームキャラクタをゲーム上に表示するための表示情報の一例である。キャラクタカードテーブルは、ゲームキャラクタに係るパラメータの初期設定を管理するためのテーブルである。これらのパラメータは、例えば、ゲーム装置10側で自動的に設定するものである。
【0034】
キャラクタカードテーブルには、例えば、「キャラクタカードID」毎に、「キャラ種別」、「表示態様」、「日時」、「シーン(又はステージ)」、「設置」、及び「天候」等のパラメータが記録されている。「キャラ種別」は、ゲームキャラクタの種類を示す情報である。「表示態様」は、そのゲームキャラクタの外観に関する情報であり、例えばゲームキャラクタが着ている服や装備などを示す情報である。例えば、「表示態様」情報は、通常、水着、サンタクロース(以下、「サンタ」とも称す。)などのキャラクタに着せる服情報などを含む。「日時」は、このゲームキャラクタの表示態様に関連付けられた日時情報を示す。例えば、日時情報は、春(3月~5月)などの季節を示す期間を含んでもよく、所定日(例、1月1日)を示す日時情報を含んでもよく、所定時間帯(例、午前中)などを含んでもよい。「シーン」は、当該ゲームキャラクタがゲーム上に再現されるシーン情報を含む。例えば、シーン情報は、海戦ステージST1などのステージ情報を含む。「設置」は、ゲーム装置が設置された場所の位置情報やエリア情報を含む設置情報である。例えば、設置情報は、当該ゲーム装置を設置する店舗の位置情報や、エリア情報(例えば港区)などを含む。「天候」は、設置情報に基づいて取得される天候情報である。例えば、天候情報は、天気、気温、湿度などの、設置情報に基づいて取得可能な天候に関する情報である。
【0035】
図7は、表示態様優先テーブルの一例を示す図である。表示態様優先テーブルは、ゲームキャラクタの表示態様に関するパラメータの優先情報の一例である。表示態様優先テーブルは、様々なパラメータを含んでもよく、サーバ12は、この表示態様優先テーブルを参照することで、複数のキャラクタカードIDを読み込んだ時に、複数種類のキャラクタカードに共通の一のゲームキャラクタが含まれていれば、その共通の一のゲームキャラクタの表示態様を決定することが可能である。
【0036】
図7に示す例では、表示態様優先テーブルは、例えば「キャラ種別」ごとに、「日時」情報、「シーン」情報、「設置」情報、「天候」情報などの1以上のパラメータについて、優先情報が記録されている。「日時」情報、「シーン」情報、「設置」情報、「天候」情報は、
図6に示されるキャラクタカードテーブルに記録される表示態様に関する各パラメータと同じパラメータである。表示態様優先テーブルは、これらのパラメータのうち少なくとも1つのパラメータについて優先情報を記録していればよい。一例として、キャラ種別「AA」は、「日時」情報の優先度が一番高く、それ以降は、「シーン」、「設置」、「天候」の順で、各情報の優先度が設定される。この場合、キャラ種別「AA」に紐づけられるキャラクタカードID「A01」、「A02」のカードが一度にカードリーダ28に挿入されたとすると、サーバ12は、キャラ種別「AA」に対応するキャラクタカードIDが複数受信されたことを検知する。次に、サーバ12は、キャラ種別「AA」について優先度が一番高いパラメータが「日時」であると判断し、「日時」の現在値を決定する。例えば、現在の日時が7月21日を示す場合、サーバ12は、「日時」の現在値は「夏」であると決定する。次に、サーバ12は、キャラ種別「AA」について複数受信したキャラクタカードIDに、「日時」が現在値を示すキャラクタカードID(例えば「日時」が「夏」を示すキャラクタカードID「A01」)が含まれているかどうかを判断する。「日時」が現在値を示すキャラクタカードIDが含まれている場合は、サーバ12は、キャラ種別「AA」の表示態様を、そのキャラクタカードIDの表示態様に決定し、決定された表示態様のゲームキャラクタが表示されるように制御する。サーバ12は、「日時」が現在値を示すキャラクタカードIDが含まれていない場合は、次の優先度のパラメータについて現在値を決定し、同様に処理して表示態様を決定する。
【0037】
(2-3)機能構成
図8は、ゲーム装置10とサーバ12の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図8に示すとおり、ゲーム装置10は、取得部101と、ゲーム装置送信部102と、ゲーム装置受信部103と、再現処理部104とを備える。
【0039】
取得部101は、上述したカードリーダ28を含んで構成され、所定のカードを読み取ることにより、当該カードの種別に応じたカードIDを取得する。例えば、取得部101は、プレイヤカードを読み取ることによりプレイヤIDを取得し、キャラクタカードを読み取ることによりキャラクタカードIDを取得する。また、カードリーダ28は、所定枚のカードから、一度に複数のカードIDを取得することが可能である。所定枚は、例えば14枚などの多数の枚数である。
【0040】
ゲーム装置送信部102は、各種の情報をサーバ12等に送信する。例えば、ゲーム装置送信部102は、表示態様の決定要求をサーバ12に送信する。当該表示態様の決定要求は、例えば、取得したプレイヤID及び/又は複数のキャラクタカードID等を含む。
【0041】
ゲーム装置受信部103は、各種の情報をサーバ12から受信する。例えば、ゲーム装置受信部103は、サーバ12から、ゲームキャラクタの表示態様情報を受信する。
【0042】
ゲーム処理部104は、サーバ12から受信した表示態様情報に基づいて、ゲームキャラクタの表示態様(例、服、装備等)を決定してゲーム上に表示する処理を実行する。ここで、表示態様情報は、所定条件に基づいて決定される情報であり、毎回同じ組み合わせの複数種類のカードをカードリーダ28に挿し込んだとしても、異なる表示態様のゲームキャラクタが表示されうる。例えば、同一のゲームキャラクタであっても、夏に水着を着たり、冬にはサンタの洋服を着たりした状態のキャラクタを表示することが可能になる。また、このゲームキャラクタに対する天候情報の優先度が高ければ、ゲーム装置10が設置されたエリアの季節が夏であっても、ゲーム実行日に雨が降っていれば、水着を着た状態としない条件が設定されることも可能である。また、設置情報の優先度が高ければ、ゲーム装置10が設置されたエリアの季節が夏であっても、寒い地域であれば、水着を着た状態としない条件が設定されることも可能である。また、シーン情報の優先度が高ければ、ゲーム装置10が設置されたエリアの季節が夏であっても、陸上の対戦であれば、水着を着た状態としない条件が設定されることも可能である。これにより、プレイヤは、同一のゲームキャラクタに対応する複数のキャラクタカードをカードリーダ28に挿し込んだ場合に、毎回同じ表示態様のゲームキャラクタが表示されるのではなく、所定条件を満たす表示態様が決定され、決定された表示態様のゲームキャラクタが表示される。したがって、同じゲームキャラクタに対し、ゲーム実行時の条件に応じた異なる表示態様のゲームキャラクタが表示されることで、プレイヤに意外性を与えることができる。
【0043】
また、
図8に示すとおり、サーバ12は、サーバ受信部121と、再現情報生成部122と、サーバ送信部123とを備える。
【0044】
サーバ受信部121は、各種の情報をゲーム装置10等から受信する。サーバ受信部121は、複数のキャラクタカードIDに係るゲームキャラクタの表示態様決定要求を受信する。
【0045】
ゲーム制御部122は、ゲーム装置10から受信した表示態様決定要求に応じて、当該決定要求とともに受信された複数のキャラクタカードIDに対応付けられた同一のゲームキャラクタの表示態様を決定する。ここで、ゲームキャラクタの表示態様は、このゲームキャラクタの表示態様に関する所定条件に基づいて決定される。また、決定される表示態様は、受信された複数のキャラクタカードIDに関連付けられている表示態様のうちの1つであるため、同一のゲームキャラクタを示す複数のカードが挿入されたときに、表示態様を新たに用意する必要がなく、サーバ12の記憶領域を有効に活用することができる。
【0046】
ゲーム制御部122は、例えば判定部1221及び決定部1222を含む。判定部1221は、受信された複数のキャラクタ識別情報に、同一のゲームキャラクタに対応するキャラクタ識別情報が複数種類含まれる場合、当該ゲームキャラクタの表示態様に関する所定条件を満たすか否かを判定する。また、決定部1222は、各キャラクタ識別情報に関連付けられた各表示態様の中から一の表示態様を、同一のゲームキャラクタの表示態様に決定する。
【0047】
例えば、判定部1221は、所定条件として、受信された各表示態様の中に、ゲームが実行される日時情報に関連付けられる表示態様が有るか否かを判定してもよい。このとき、決定部1222は、日時情報に関連付けられる表示態様が有る場合、同一のゲームキャラクタの表示態様を、この表示態様に決定する。これにより、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードがカードリーダ28に読み取られた場合、ゲームを実行する日に応じて異なる表示態様のゲームキャラクタを表示することが可能になり、プレイヤに意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームの提供が可能になる。
【0048】
また、判定部1221は、所定条件として、受信された各表示態様の中に、ゲームが実行されるシーンに関連付けられる表示態様が有るか否かを判定してもよい。このとき、決定部1222は、シーンに関連付けられる表示態様が有る場合、同一のゲームキャラクタの表示態様を、この表示態様に決定する。これにより、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードがカードリーダ28に読み取られた場合、ゲームのシーン(海対戦、陸対戦など)に応じて異なる表示態様のゲームキャラクタを表示することが可能になり、プレイヤに意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームの提供が可能になる。
【0049】
サーバ受信部121は、プレイヤを示すプレイヤ識別情報(プレイヤID)を受信し、判定部1221は、所定条件として、受信された各表示態様の中に、プレイヤのプレイ時間に関連付けられる表示態様が有るか否かを判定してもよい。例えば、プレイ時間が所定時間以上の場合に初めて表示される表示態様があってもよい。決定部1222は、プレイ時間に関連付けられる表示態様が有る場合、同一のゲームキャラクタの表示態様を、この表示態様に決定する。これにより、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードがカードリーダ28に読み取られた場合、プレイヤのプレイ時間に応じて異なる表示態様のゲームキャラクタを表示することが可能になり、プレイヤに意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームの提供が可能になる。
【0050】
また、判定部1221は、所定条件として、受信された各表示態様の中に、ゲーム装置10の設置情報に関連付けられる表示態様が有るか否かを判定してもよい。例えば、判定部1221は、ゲーム装置10を設置する店舗特有の表示態様や、エリア限定の表示態様が有るか否かを判定する。このとき、決定部1222は、設置情報に関連付けられる表示態様が有る場合、同一のゲームキャラクタの表示態様を、この表示態様に決定する。これにより、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードがカードリーダ28に読み取られた場合、ゲーム装置10の設置情報に応じて異なる表示態様のゲームキャラクタを表示することが可能になり、プレイヤに意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームの提供が可能になる。
【0051】
また、判定部1221は、所定条件として、受信された各表示態様の中に、ゲーム装置10が設置されたエリアの天候情報に関連付けられる表示態様が有るか否かを判定してもよい。このとき、決定部1222は、天候情報に関連付けられる表示態様が有る場合、同一のゲームキャラクタの表示態様を、この表示態様に決定する。これにより、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードがカードリーダ28に読み取られた場合、ゲーム装置10が設置されたエリアの天候情報に応じて異なる表示態様のゲームキャラクタを表示することが可能になり、プレイヤに意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームの提供が可能になる。なお、ゲーム制御部122は、受信された複数のキャラクタ識別情報の中に、或るゲームキャラクタに対応するキャラクタ識別情報が一つしか含まれなければ、そのキャラクタ識別情報に関連付けられた表示態様を、或るゲームキャラクタの表示態様に決定する。
【0052】
サーバ送信部123は、各種の情報をゲーム装置10等に送信する。例えば、サーバ送信部123は、決定した表示態様情報をゲーム装置10に送信する。
【0053】
(3)動作処理
<基本シーケンス>
図9は、ゲームシステム1による動作シーケンスの一例を示す図である。当該動作シーケンスによる動作処理は、ゲーム装置10が、キャラクタカードを読み取ることによりサーバ12からゲームキャラクタの表示態様情報を取得し、ゲームキャラクタを表示する処理である。
【0054】
(S100)
まず、ゲーム装置10の取得部101は、プレイヤIDを取得する。ゲーム装置10の取得部101は、プレイヤカードがカードリーダ28により読み取られることにより、当該プレイヤIDを取得してもよい。或いは、ゲーム装置10の取得部101は、プレイヤが操作ボタン26を操作することによって直接入力したプレイヤIDを取得してもよい。
【0055】
(S101)
次に、ゲーム装置10の取得部101は、キャラクタカードIDを取得する。具体的には、ゲーム装置10の取得部101は、プレイヤがキャラクタカードをカードリーダ28に置き操作ボタン26により所定の操作を行って当該キャラクタカードをカードリーダ28に読み取らせることにより、当該キャラクタカードに対応するキャラクタカードIDを取得する。また、取得部101は、複数のカードを一度にカードリーダ28に読み取らせ、複数のキャラクタカードIDを取得することが可能である。
【0056】
(S102)
次に、ゲーム装置10のゲーム装置送信部102は、プレイヤの操作ボタン26による所定の操作に応じて、読み取られた複数のキャラクタカードに対応するゲームキャラクタをゲーム上に表示するための表示態様情報を要求するための表示態様決定要求をサーバ12に送信する。表示態様決定要求は、S100において取得されたプレイヤID、又は、S101において読み取られた1又は複数のキャラクタカードIDとともに送信される。
【0057】
(S103)
次に、サーバ12のゲーム制御部122は、ゲーム装置10から表示態様決定要求が複数受信されると、受信した各種情報、及び表示態様優先テーブルを用いて、ゲームキャラクタの表示態様を決定する。例えば、ゲーム制御部122は、ゲーム時の日時情報、シーン情報、ゲーム装置10の設置情報、天候情報の少なくとも1つと、読み取られたキャラクタカードIDに該当するものが含まれているか否かに基づいて、複数種類のキャラクタカードに共通である一のゲームキャラクタの表示態様を決定する。これにより、複数種類のキャラクタカードに共通である一のゲームキャラクタの表示態様に、条件に応じたバリエーションを増やすことで、プレイヤに対して意外性を与えることが可能となる。また、既にゲームキャラクタに関連付けられている表示態様が所定条件により決定されるため、新たな表示態様を記憶する必要がなく、サーバ12の記憶領域を効率よく使用することができる。例えば、複数のキャラクタカードを重ねることで、他のキャラクタに変身する場合は、新しいキャラクタ自体やその表示態様のグラフィカルな情報を記憶する必要があるが、本実施形態の場合、その必要がない。なお、ゲーム制御部122は、いずれの所定条件を満たすキャラクタカードが含まれない場合、そのキャラクタの通常の表示態様に決定してもよい。
【0058】
(S104)
次に、サーバ12のサーバ送信部123は、S103で決定された表示態様情報をゲーム装置10に送信する。
【0059】
(S105)
次に、ゲーム装置10のゲーム処理部104は、サーバ12から受信した表示態様情報に基づいて、ゲームキャラクタの表示態様を決定して表示制御する。以上で、処理が終了する。
【0060】
<ゲームキャラクタの表示処理の画面例>
図10を用いて、表示態様情報に基づいてゲームキャラクタが表示される画面の態様について説明する。
図10は、ゲーム画面1000の一例を示す図である。ゲーム画面1000は、例えば、読取済カード表示部1001と、編成表示部1002と、プレイ開始選択部1003とを含む。
【0061】
読取済カード表示部1001には、
図9を用いて説明した動作シーケンスの結果として再現されたゲームキャラクタが表示される。
図10に示す例では、キャラクタカードIDがA54、A23、A16、A09、及びA47に係るゲームキャラクタそれぞれが表示されている。更に、読取済カード表示部1001には、表示された各ゲームキャラクタについて、「キャラ種別」、「表示態様」、及び「配置」等の各パラメータの状況が表示される。また、同一のゲームキャラクタに対応する複数のカードが読み取られる場合、そのときの同一のゲームキャラクタの表示態様は、一のカードに対応付けられた表示態様に決定される。
【0062】
編成表示部1002は、ゲームキャラクタを配置するための配置箇所P1、P2、P3、P4、P5、及びP6を含む。
図10に示す例では、配置箇所P1にはキャラクタカードID「A54」が、配置箇所P2にはキャラクタカードID「A23」が、それぞれ配置されている。また、読取済カード表示部1001では、これら配置済のキャラクタカードの表示部分の項目「配置」には既に配置済であることを示すテキスト「済」が表示されている。なお、プレイヤは、例えばドラッグ&ドロップ等の操作によって、読取済カード表示部1001に表示された各カードをこれら配置箇所P1~P6に配置することもできる。
【0063】
プレイヤは、所望の態様で全てのゲームキャラクタの設定を行った上で、プレイ開始選択部1003を選択すると、ゲームの本編が開始される。
【0064】
図11は、カードリーダ28にN枚のカードを挿し込む例を示す図である。
図11に示すように、本実施形態では、一度に複数のカードをカードリーダ28に読み取らせることが可能になる。なお、カードリーダ28は、複数のカードを重ねて置いても、一度に複数のキャラクタカードIDを読み取ることができるように設計してもよい。
【0065】
図12は、実施形態1に係る表示態様の決定例を示す図である。
図12に示すA及びBでは、N枚の同一のゲームキャラクタであって、異なる表示態様が紐づけられた複数種類のキャラクタカードがカードリーダ28に読み込まれた場合、サーバ12は、所定条件を満たすキャラクタカードに紐づいた表示態様を決定する。
図12Aでは、ゲームが実行される日時の現在値が夏を示す場合に、各キャラクタカードIDに関連付けられた日時が夏を示すキャラクタカードIDがあれば、そのキャラクタカードIDに関連付けられた表示態様に含まれる水着が、複数種類のキャラクタカードに共通である一のゲームキャラクタの表示態様として決定される。
図12Bでは、ゲームが実行される日時の現在地が冬を示す場合に、各キャラクタカードIDに関連付けられた日時が冬を示すキャラクタカードIDがあれば、そのキャラクタカードIDに関連付けられた表示態様に含まれるサンタが、複数種類のキャラクタカードに共通である一のゲームキャラクタの表示態様に決定される。
【0066】
以上説明したとおり、本発明の実施形態に係る情報処理装置によれば、複数種類のキャラクタカードに共通の一のゲームキャラクタについて複数のカード等が存在する場合に、条件に応じた表示態様のバリエーションを増加させることが可能になる。その結果、プレイヤに対して意外性を与え、飽きを感じさせにくいゲームを提供することが可能になる。
【0067】
また、本開示の技術では、上述した実施形態以外にも次の変形例を実施することが可能である。例えば、同一のゲームキャラクタのキャラクタカードがM枚カードリーダ28に挿し込まれた場合、1つの表示態様を決定したが、M-1以下のゲームキャラクタの表示態様を決定するようにしてもよい。このとき、決定部1222は、表示態様優先テーブルを用いて、優先1、2、・・・などの優先順により表示態様を決定していくようにしてもよい。
【0068】
また、変形例において、ゲーム終了後、それぞれのキャラクタカードの表示態様はゲーム実行時の前のものと同じである。これにより、キャラクタカード表面の図柄の書き換えなどは不要になる。
【0069】
また、変形例において、決定部1222は、プレイヤが操作するゲームキャラクタの表示態様を決定するだけではなく、ゲーム装置10が操作するゲームキャラクタの表示態様を、決定された表示態様に合わせるようにしてもよい。例えば、決定部1222は、味方のキャラクタ全員が同じ表示態様になるよう決定することで、プレイヤのゲームに対する意欲を向上させることができる。
【0070】
また、変形例において、判定部1221が所定条件を満たすか否かを判定する場合に、当該ゲームキャラクタに関連付けられた性格を考慮して、所定条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、ゲームキャラクタが頑固な設定の場合には、所定条件を満たすとしても数回に1回しか、デフォルトの表示態様以外の表示態様に決定されないようにしてもよい。これにより、ゲームキャラクタ自体の性格に基づいて表示態様が決定されることが可能になる。
【0071】
また、変形例において、キャラクタカードは、電子媒体であってもよく、ゲーム装置10の画面上で、プレイヤが複数のキャラクタカードを選択してもよい。この場合、プレイヤにより選択された複数のキャラクタカードに対応する各キャラクタカードIDが取得される。
【0072】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…ゲームシステム、10…ゲーム装置、12…サーバ、22…本体、24…操作卓、26…操作ボタン、28…カードリーダ、30…コイン投入部、30A…コイン検出機、32…カード払出部、34…モニタ、50…処理装置、52…操作部、54…出力装置、56…印刷装置、58…通信装置、62…記憶装置、70…制御装置、74…メモリ、76…通信装置、78…記憶装置、101…取得部、102…ゲーム装置送信部、103…ゲーム装置受信部、104…ゲーム処理部、121…サーバ受信部、122…ゲーム制御部、123…サーバ送信部、1221…判定部、1222…決定部