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特許7537550教育用ウェブサービスを提供するプログラム、サーバ、表示方法および表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】教育用ウェブサービスを提供するプログラム、サーバ、表示方法および表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/02 20060101AFI20240814BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240814BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
G09B7/02
G06Q50/20
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023089296
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2021035698の分割
【原出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2023107817
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴之
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-229429(JP,A)
【文献】特開2021-012341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56
G09B 17/00-19/26
G06Q 50/20
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付処理と、
前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示処理と、
前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付処理と、
前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示処理と、
前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信処理と、
をプロセッサに実行させるための教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
【請求項2】
前記第2受付処理において受け付けた前記検算式に基づく計算を実行する検算処理を更にプロセッサに実行させるための請求項1に記載の教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
【請求項3】
ストレージと、通信装置と、を備え、端末と通信できるサーバであって、
前記ストレージは、
問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程と、前記端末への入力を受け付けさせる第1受付処理と、
前記解答と前記過程とを前記端末の表示装置に表示させる第1表示処理と、
前記解答に対する検算式の前記端末への入力を受け付させる第2受付処理と、
前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記表示装置に表示させる第2表示処理と、
前記端末に前記解答を前記サーバへ送信させるときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバへ送信させ、かつ、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバへ送信させない送信処理と、
をプロセッサに実行させるための教育用ウェブサービスを提供するプログラムを記憶するように構成され、
前記通信装置は、前記ストレージに記憶された前記教育用ウェブサービスを提供するプログラムを前記端末に送信する、
サーバ。
【請求項4】
表示装置が実行する表示方法であって、
問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付ステップと、
前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示ステップと、
前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付ステップと、
前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示ステップと、
前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信ステップと、
を有することを特徴とする表示方法
【請求項5】
第1制御部を備える表示装置と、第2制御部を備えるサーバと、からなる表示システムであって、
前記表示装置の前記第1制御部は、
問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付処理と、
前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示処理と、
前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付処理と、
前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示処理と、
前記解答を前記サーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信処理と、
を実行し、
前記サーバの前記第2制御部は、
問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程と、前記表示装置への入力を受け付けさせる第1受付処理と、
前記解答と前記過程とを前記表示装置の表示装置に表示させる第1表示処理と、
前記解答に対する検算式の前記表示装置への入力を受け付させる第2受付処理と、
前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記表示装置に表示させる第2表示処理と、
前記表示装置に前記解答を前記サーバへ送信させるときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバへ送信させ、かつ、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバへ送信させない送信処理と、
を実行する、
ことを特徴とする表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育用ウェブサービスを提供するプログラムサーバ、表示方法および表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンライン授業が導入されつつある。このようなオンライン授業では、試験等もオンラインで実施される。オンラインでの試験等において、解答者が問題を解くためのツールとして、ブラウザ上で動作するアプリケーションソフトウェアが利用されることもある。このようなアプリケーションソフトウェアを利用した試験等では、解答者によって入力された解答がネットワークを介してサーバに送信される。サーバは、入力された解答に対して採点を実施する。または、教師が解答者によって入力された解答をサーバから取得して採点を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-215540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
数学の試験等では、その問題に正解できたかだけでなく、その正解に至るまでの過程も重要な場合がある。しかしながら、オンラインの試験等では、通常、入力された解答のみがサーバに送信される。したがって、問題によっては紙での試験等よりも採点精度が低下する。
【0005】
本発明は、オンライン上での採点精度の向上を図るための教育用ウェブサービスを提供するプログラムサーバ、表示方法および表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の教育用ウェブサービスを提供するプログラムの一例は、問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付処理と、前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示処理と、前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付処理と、前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示処理と、前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信処理と、をプロセッサに実行させる。
また、本発明の第2の態様のサーバ装置の一例は、ストレージと、通信装置と、を備え、端末と通信できるサーバであって、前記ストレージは、問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程と、前記端末への入力を受け付けさせる第1受付処理と、前記解答と前記過程とを前記端末の表示装置に表示させる第1表示処理と、前記解答に対する検算式の前記端末への入力を受け付させる第2受付処理と、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記表示装置に表示させる第2表示処理と、前記端末に前記解答を前記サーバへ送信させるときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバへ送信させ、かつ、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバへ送信させない送信処理と、をプロセッサに実行させるための教育用ウェブサービスを提供するプログラムを記憶するように構成され、前記通信装置は、前記ストレージに記憶された前記教育用ウェブサービスを提供するプログラムを前記端末に送信する。
また、本発明の第3の態様の表示方法の一例は、表示装置が実行する表示方法であって、問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付ステップと、前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示ステップと、前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付ステップと、前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示ステップと、前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信ステップと、を有する。
また、本発明の第4の態様の表示システムの一例は、第1制御部を備える表示装置と、第2制御部を備えるサーバと、からなる表示システムであって、前記表示装置の前記第1制御部は、問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程との入力を受け付ける第1受付処理と、前記解答と前記過程とを表示装置に表示する第1表示処理と、前記解答に対する検算式の入力を受け付ける第2受付処理と、前記検算式に基づく計算結果を前記表示装置に表示する第2表示処理と、前記解答を前記サーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信し、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない送信処理と、を実行し、前記サーバの前記第2制御部は、問題に対する解答と、前記解答を導出するまでの過程と、前記表示装置への入力を受け付けさせる第1受付処理と、前記解答と前記過程とを前記表示装置の表示装置に表示させる第1表示処理と、前記解答に対する検算式の前記表示装置への入力を受け付させる第2受付処理と、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記表示装置に表示させる第2表示処理と、前記表示装置に前記解答を前記サーバへ送信させるときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバへ送信させ、かつ、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバへ送信させない送信処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オンライン上での採点精度の向上を図るための教育用ウェブサービスを提供するプログラム及びサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、端末のウェブブラウザ上で動作するアプリケーションによる画面表示の一例を示す図である。
図3図3は、システムにおけるウェブアプリケーションの実行時の処理の流れの一例を示す図である。
図4A図4Aは、試験実施処理について示すフローチャートである。
図4B図4Bは、試験実施処理について示すフローチャートである。
図5図5は、問1が表示された試験付箋を示す図である。
図6図6は、数式作成ツールが起動された状態の試験付箋を示す図である。
図7図7は、ドラッグ・アンド・ドロップ操作を利用した解答入力欄への入力について示した図である。
図8図8は、検算モード処理について示すフローチャートである。
図9図9は、検算付箋の一例を示す図である。
図10図10は、数式作成ツールが起動された状態の検算付箋を示す図である。
図11図11は、解答キーを利用した解答入力欄への入力について示した図である。
図12図12は、試験付箋と検算付箋とが1つのペーパに同時に表示される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す図である。システム1は、サーバ10と、端末20とを含む。サーバ10と端末20とは、ネットワーク30を介して通信可能に接続される。ネットワーク30は、例えばインターネットである。なお、図1には、1台の端末20のみが示されているが、端末20の台数は1台に限定されない。すなわち、端末20は2台以上であってもよい。
【0011】
サーバ10は、プロセッサ11と、ROM12と、RAM13と、ストレージ14と、通信装置15とを有している。これらの各々は、システムバス19を介して互いに接続されている。
【0012】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)等を含む集積回路であってよい。ROM12は、プロセッサ11等の動作に用いられる情報を記録している。RAM13は、プロセッサ11等の動作のための主記憶装置である。ストレージ14には、プロセッサ11で用いられるサーバ制御プログラム、各種演算を実行するための演算プログラム等の各種プログラム、パラメータ等が記憶されている。プロセッサ11は、ストレージ14に記憶されたプログラムに従ってサーバ10の動作を制御する。プロセッサ11として、CPU以外のプロセッサ、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphic Processing unit)等が用いられてもよい。通信装置15は、ネットワーク30等の外部の通信ネットワークと通信するための回路を含む。
【0013】
端末20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、ストレージ24と、入力装置25と、表示装置26と、通信装置27とを有している。これらの各々は、システムバス29を介して互いに接続されている。端末20は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器であってよい。また、端末20は、通信機能を備えた関数電卓等であってもよい。
【0014】
CPU21は、端末20の各種動作を制御するプロセッサである。ROM22は、端末20の起動プログラム等を記録している。RAM23は、CPU21等のための主記憶装置である。ストレージ24には、CPU21で用いられる端末制御プログラム等の各種プログラム、パラメータ等が記憶されている。CPU21は、入力装置25からの入力信号や通信装置27による受信信号に応じて各種プログラムを実行することで端末20の動作を制御する。各種プログラムは、不図示のウェブサーバからネットワーク30、通信装置27を介してストレージ24にダウンロードされてもよい。通信装置27は、ネットワーク30等の外部の通信ネットワークと通信するための回路を含む。
【0015】
入力装置25は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。入力装置25を介したユーザ操作に応じて、そのユーザ操作の内容を示す信号がシステムバス29を介してCPU21に入力される。
【0016】
表示装置26は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。表示装置26は、端末20に一体的に設けられていてもよいし、端末20とは別に設けられていてもよい。表示装置26には、各種の画像が表示される。
【0017】
一例では、ユーザは、端末20で動作するウェブブラウザにおいてサーバ10のアドレスを指定する。このとき、サーバ10に記憶されているウェブアプリケーションのための表示画面が端末20のウェブブラウザ上に表示される。この表示画面上での入力装置25を介した操作に応じてサーバ10へのリクエストが発行される。この操作は、例えば表示画面上での試験の実施に関わる操作を含む。サーバ10は、リクエストに応じた処理を実行し、処理結果をレスポンスとして端末20に返す。端末20は、サーバ10からのレスポンスに従ってユーザの操作に応じた数式の表示等をする。このように、システム1では、端末20のウェブブラウザ上で動作するプログラムとサーバ10の演算プログラムとにより、試験のためのウェブアプリケーションとしての機能が実現される。
【0018】
このようなウェブアプリケーションは、例えば、ICT(Information and Communication Technology)化が進む学校教育の現場において、数学の授業等で活用され得る。
【0019】
図2は、端末20のウェブブラウザ上で動作するアプリケーションによる画面表示の一例を示す図である。
【0020】
端末20の表示装置26に表示される画面26aは、上段エリア100aと、下段エリア100bとを含む。上段エリア100aは、画面26aの上側に表示される。上段エリア100aは、下段エリア100bに比べて細長いエリアである。上段エリア100aには、新規ペーパ作成アイコン100cが表示される。下段エリア100bは、画面26a中の上段エリア100aよりも下側に配置されるエリアである。以下の説明においては、下段エリア100bは、ペーパ100とも称される。ペーパ100には、種々の「付箋」が表示され得る。付箋は、ウェブアプリケーションに係る種々の情報を表示するための表示エリアである。付箋は、フローティングオブジェクトであってよい。フローティングオブジェクトは、画面に表示されるオブジェクト(表示体)であって、ユーザ操作に応じて少なくとも表示位置を変更できるオブジェクトである。
【0021】
図2のペーパ100には、一例として、試験付箋101が示されている。ペーパ100には、試験付箋101以外が描画されてもよい。例えば、ペーパ100には、数式、グラフ、数表等が描画されてもよい。なお、ペーパ100に試験付箋101が描画されているときには、試験に関連する付箋以外は、描画されないように構成されていてもよい。試験付箋101以外の試験に関連する付箋は、例えば検算付箋を含む。検算付箋については後で説明する。
【0022】
試験付箋101は、数学等の試験に関わる各種の表示するための表示エリアを含む付箋である。試験付箋101は、例えばウェブアプリケーションに試験用のプログラムを含むAPI(Application Program Interface)を組み込むことによって実装され得る。
【0023】
試験付箋101は、問題表示エリア101aと、解答入力エリア101bとを有する。問題表示エリア101aは、試験問題を表示するためのエリアである。解答入力エリア101bは、ユーザが問題に対する解答を入力するためのエリアである。解答入力エリア101bには、解答入力欄101b1と、過程入力欄101b2とが設けられている。解答入力欄101b1は、解答が入力される入力欄である。ユーザは、解答入力欄101b1をマウスカーソル等で選択することで、解答入力欄101b1に文字及び数式等を入力し得る。解答入力欄101b1に入力された解答は、その後のユーザの操作等に応じてサーバ10に送信される。過程入力欄101b2は、解答入力欄101b1に入力される解答が導出されるまでの過程が入力される入力欄である。ユーザは、過程入力欄101b2をマウスカーソル等で選択することで、過程入力欄101b2に文字及び数式等を入力し得る。後で説明するが、過程入力欄101b2は複数行の入力欄に分けられている。それぞれの行の入力欄には1つの数式等が入力され得る。
【0024】
また、解答入力エリア101bには、ツールアイコン101b3がさらに表示されてもよい。ツールアイコン101b3は、例えば数式アイコン101b31、グラフアイコン101b32、表アイコン101b33、手書きアイコン101b34、検算アイコン101b35を含む。ツールアイコン101b3は、図2で示したアイコンとは別のアイコンを含んでいてもよい。
【0025】
数式アイコン101b31は、解答入力エリア101bにおいて数式作成ツールを起動する操作を受け付けるためのアイコンである。グラフアイコン101b32は、解答入力エリア101bにおいてグラフ作成ツールを起動する操作を受け付けるためのアイコンである。表アイコン101b33は、解答入力1エリア101bにおいて表作成ツールを起動する操作を受け付けるためのアイコンである。手書きアイコン101b34は、手書きツールを起動する操作を受け付けためのアイコンである。検算アイコン101b35は、試験付箋101を検算付箋に切り替える操作を受け付けるためのアイコンである。
【0026】
また、試験付箋101には、問題数識別指標101cと、問題変更ボタン101dと、解答提出ボタン101eとがさらに表示されてよい。問題数識別指標101cは、現在の問題表示エリア101aに表示されている試験問題が何問中の何問目かを示すための指標である。問題変更ボタン101dは、問題表示エリア101aに表示される試験問題を変更する操作を受け付けるボタンである。問題変更ボタン101dは、早戻しボタン101d1と、戻しボタン101d2と、送りボタン101d3と、早送りボタン101d4とを含む。早戻しボタン101d1は、例えば問題表示エリア101aに表示される試験問題を最初に戻す操作を受け付けるボタンである。戻しボタン101d2は、例えば問題表示エリア101aに表示される試験問題を1つ前に戻す操作を受け付けるボタンである。送りボタン101d3は、例えば問題表示エリア101aに表示される試験問題を1つ先に進める操作を受け付けるボタンである。早戻しボタン101d4は、例えば問題表示エリア101aに表示される試験問題を最後まで進める操作を受け付けるボタンである。解答提出ボタン101eは、解答入力欄101b1に入力されている解答をサーバ10に送る操作を受け付けるボタンである。後で説明するように、実施形態では、解答提出ボタン101eが選択されたときには、解答入力欄101b1に入力されている解答とともに過程入力欄101b2に入力されている過程がサーバ10に送られる。
【0027】
本実施形態では、システム1は、白紙のペーパ100から出発して、各種付箋を作成することが可能である。以下、システム1における一連の処理の流れについて説明する。
【0028】
図3は、システム1におけるウェブアプリケーションの実行時の処理の流れの一例を示す図である。図3の処理は、端末20からサーバ10に対してウェブアプリケーションの起動のリクエストがされた後に実行される。なお、ウェブアプリケーションの起動のリクエストに際して、ID及びパスワードの入力等のログイン処理が行われてもよい。ウェブアプリケーションの起動のリクエストを受けて、サーバ10は、初期画面のデータを含むウェブアプリケーションのプログラムを端末20に送る。これを受けて、端末20は、初期画面をウェブブラウザ上に表示する。初期画面では、ペーパ100が作成されておらず、上段エリア100aに新規ペーパ作成アイコン100cが表示されているだけの画面である。なお、図3の処理は、端末20のCPU21とサーバ10のプロセッサ11との連携によって実行される。
【0029】
ステップS1において、端末20のCPU21は、新規ペーパを作成するか否かを判定する。例えば、初期画面において、ユーザによって新規ペーパ作成アイコン100cが選択されたときに、端末20のCPU21は、新規ペーパを作成すると否かを判定する。ステップS1において、新規ペーパを作成すると判定されていないときには、処理はステップS7に移行する。ステップS1において、新規ペーパを作成すると判定されたときには、処理はステップS2に移行する。
【0030】
ステップS2において、CPU21は、新たにペーパ100のデータを作成する。そして、CPU21は、作成したペーパ100をウェブアプリケーションの表示画面に重ねてウェブブラウザ上に表示する。これにより、端末20のウェブブラウザ上の表示は、新たに作成されたペーパ100が表示された状態に更新される。その後、処理はステップS3に移行する。ここで、ペーパ100には、図示しない座標軸が設定されている。このため、ペーパ100に配置される各オブジェクトは、座標情報を持つ。CPU21は、必要に応じてオブジェクトの座標情報を取得する。
【0031】
ステップS3において、CPU21は、試験付箋101を作成するか否かを判定する。例えば、サーバ10から試験問題が送られてきた場合に、CPU21は、試験付箋101を作成すると判定する。ステップS3において、試験付箋101を作成すると判定されていないときには、処理はステップS5に移行する。ステップS3において、試験付箋101を作成すると判定されたときには、処理はステップS4に移行する。
【0032】
ステップS4において、CPU21は、試験付箋作成処理を行う。例えば、CPU21は、試験付箋101をウェブアプリケーションの表示画面に表示されているペーパ100の所定位置に重ねてウェブブラウザ上に表示する。これにより、端末20のウェブブラウザ上の表示は、ペーパ100の中に試験付箋101が表示された状態に更新される。その後、処理はステップS7に移行する。ここで、試験付箋作成処理の段階では、問題表示エリア101aには、試験問題が表示されない。また、ユーザの解答も受け付けられない。前述したように、試験付箋101は、フローティングオブジェクトであってよい。このとき、CPU21は、ドラッグ操作(マウスのクリックをオンしたままカーソルを移動させる操作、又は、タッチパネルの画面をタッチしたままタッチ位置を移動させる操作)等の試験付箋101の移動操作がされたことを受けて、試験付箋101の表示位置を変更してよい。このような試験付箋作成処理の後、CPU21は、動作モードを試験モードに移行させる。ここで、図3では、新規のペーパ100が作成された後でステップS3の判定が行われるが、新規のペーパ100が作成されなくとも、サーバ10から試験問題が送られてきたときに試験付箋作成処理が行われてもよい。この場合、ユーザの操作によらずに新規のペーパ100が作成される。
【0033】
ステップS5において、CPU21は、試験付箋作成処理以外のその他の処理を行う。その他の処理は、数式付箋の作成処理、グラフ付箋の作成処理といった処理を含む。これらのその他の処理の詳細については説明を省略する。その他の処理の終了後、処理はステップS7に移行する。
【0034】
ステップS6において、CPU21は、試験実施処理を行う。試験実施処理の後、処理はステップS7に移行する。試験実施処理は、オンライン上での試験を実施するための処理である。試験実施処理についての詳細は後で説明する。
【0035】
ステップS7において、CPU21は、ウェブアプリケーションの処理を終了するか否かを判定する。例えば、ウェブブラウザを閉じる操作がされた場合には、CPU21は、処理を終了すると判定する。ステップS7において、ウェブアプリケーションの処理を終了すると判定されていないときには、処理はステップS1に戻る。ステップS7において、ウェブアプリケーションの処理を終了すると判定されたときには、CPU21は、図3の処理を終了する。
【0036】
図4A及び図4Bは、試験実施処理について示すフローチャートである。ステップS101において、CPU21は、試験時間になったか否かを判定する。サーバ10から試験問題が送られてくるとき、試験時間も併せてサーバ10から通知される。ステップS101において、CPU21は、試験時間がくるまで待機する。ステップS101において、試験時間になったと判定されたとき、処理はステップS102に移行する。
【0037】
ステップS102において、CPU21は、試験付箋101の問題表示エリア101aに試験問題を表示する。最初のステップS102の処理では、CPU21は、試験問題のうちの最初の問題である問1を表示する。図5は、問1が表示された試験付箋101を示す図である。
【0038】
ステップS103において、CPU21は、ツールアイコン101b3の何れかのアイコンが選択されたか否かを判定する。ステップS103において、ツールアイコン101b3が選択されたと判定されたときには、処理はステップS104に移行する。ツールアイコン101b3が選択されたと判定されていないときには、処理はステップS107に移行する。
【0039】
ステップS104において、CPU21は、選択されたツールアイコン101b3が検算アイコン101b35であるか否かを判定する。ステップS104において、選択されたツールアイコン101b3が検算アイコン101b35であると判定されたときには、処理はステップS105に移行する。ステップS104において、選択されたツールアイコン101b3が検算アイコン101b35であると判定されていないときには、処理はステップS106に移行する。
【0040】
ステップS105において、CPU21は、検算モード処理を行う。検算モード処理の後、処理はステップS107に移行する。検算モードは、試験問題の解答に対する検算のためのモードである。検算モード処理については後で説明する。
【0041】
ステップS106において、CPU21は、選択されたアイコンに応じたツールを起動する。例えば、数式アイコン101b31が選択されたときには、CPU21は、数式作成ツールを起動する。
【0042】
図6は、数式作成ツールが起動された状態の試験付箋101を示している。図6に示すように、数式作成ツール101b22は、過程入力欄101b2の下部の領域において起動される。数式作成ツール101b22は、図6に示すように、演算子キーと、数値キーと、カーソルキーと、削除(DEL)キーと、実行(EXE)キーと、解答(Ans)キーとを含む。演算子キーは、各種の演算子を入力するために用いられるキーである。数値キーは、数値を入力するために用いられるキーである。カーソルキーは、数値等の入力位置を画面上で表すカーソルを移動するために用いられるキーである。削除キーは、入力された数値等を削除するために用いられるキーである。実行キーは、入力された数式の計算を実行するために用いられるキーである。解答キーは、直前の計算結果を他の計算において参照する際に用いられるキーである。
【0043】
また、ステップS106において、グラフアイコン101b32が選択されたときには、CPU21は、グラフ作成ツールを起動する。また、表アイコン101b33が選択されたときには、CPU21は、表作成ツールを起動する。また、手書きアイコン101b34が選択されたときには、CPU21は、手書きツールを起動する。
【0044】
これらのツールが起動された後、ユーザは、これらのツールを用いて数式、グラフ、表の作成を実施し得る。
【0045】
ステップS107において、CPU21は、過程入力欄101b2への入力がされたか否かを判定する。ステップS107において、過程入力欄101b2への入力がされたと判定されたときには、処理はステップS108に移行する。ステップS107において、過程入力欄101b2への入力がされたと判定されていないときには、処理はステップS112に移行する。
【0046】
ステップS108において、CPU21は、入力された内容に基づいて例えばRAM23に記憶されている計算過程の内容を更新する。また、CPU21は、入力された内容に基づいて過程入力欄101b2の表示内容を更新する。ここで、過程入力欄101b2に入力された数式等は、試験問題毎にRAM23に設けられた計算過程記憶のための記憶領域に1行ずつ順次に記憶される。RAM23の記憶対象の行は、ユーザが計算の実行操作をする毎又はカーソルキーによってカーソルを別の行に変更する毎に変更される。また、過程入力欄101b2に入力された数式等は、図6の参照符号101b21で示すように、1行ずつ過程入力欄101b2に表示され得る。ここで、数式等が過程入力欄101b2に表示しきれない場合には、スクロール表示等が用いられてもよい。
【0047】
ステップS109において、CPU21は、計算を実行するか否かを判定する。例えば実行キーが選択されたとき、計算を実行すると判定される。ステップS109において、計算を実行すると判定されたときには、処理はステップS110に移行する。ステップS109において、計算を実行すると判定されていないときには、処理はステップS111に移行する。
【0048】
ステップS110において、CPU21は、計算を実行すると指定された行の数式に対して計算を実行する。例えば、図6の過程入力欄101b2の1行目の数式の入力後に実行キーが選択されたときには、CPU21は、関数y=x2のx=2における微分係数を求める計算を実行する。ここで、計算は、必ずしも端末20において行われる必要はない。計算は、サーバ10において行われてもよい。この場合、CPU21は、計算に必要な情報をサーバ10に送信する。
【0049】
ステップS111において、CPU21は、計算結果に基づいて過程入力欄101b2の記憶内容及び表示内容を更新する。その後、処理はステップS119に移行する。例えば、CPU21は、計算結果をRAM23に記憶する。また、CPU21は、例えば、図6に示すように過程入力欄101b2の計算結果表示欄101b23に計算結果を表示する。
【0050】
ステップS112において、CPU21は、解答入力欄101b1への入力がされたか否かを判定する。ステップS112において、解答入力欄101b1への入力がされたと判定されたときには、処理はステップS113に移行する。ステップS112において、解答入力欄101b1への入力がされたと判定されていないときには、処理はステップS114に移行する。
【0051】
ステップS113において、CPU21は、入力された内容に基づいて例えばRAM23に記憶されている解答の内容を更新する。また、CPU21は、入力された内容に基づいて解答入力欄101b1の表示内容を更新する。その後、処理はステップS119に移行する。ここで、解答入力欄101b1に入力された解答は、試験問題毎にRAM23に設けられた解答記憶のための記憶領域に記憶される。また、解答入力欄101b1に入力された解答は、例えば図6に示すようにして表示され得る。ここで、解答が解答入力欄101b1に表示しきれない場合には、スクロール表示等が用いられてもよい。
【0052】
ステップS114において、CPU21は、ドラッグ操作がされたか否かを判定する。実施形態におけるドラッグ操作は、過程入力欄101b2に表示されている数式等が選択された状態での選択位置の移動操作である。ドラッグ操作は、タッチパネル及びマウス等のポインティングデバイスの操作によって行われ得る。ステップS114において、ドラッグ操作がされたと判定されたときには、処理はステップS115に移行する。ステップS114において、ドラッグ操作がされたと判定されていないときには、処理はステップS119に移行する。
【0053】
ステップS115において、CPU21は、過程入力欄101b2において選択された数式等をコピーして例えばRAM23に格納する。
【0054】
ステップS116において、CPU21は、ドラッグ操作に従って過程入力欄101b2における表示を更新する。
【0055】
ステップS117において、CPU21は、ドロップ操作がされたか否かを判定する。実施形態におけるドロップ操作は、解答入力欄101b1の位置でのドラッグ操作の解除操作である。ステップS117において、ドロップ操作がされたと判定されたときには、処理はステップS118に移行する。ステップS117において、ドロップ操作がされたと判定されていないときには、処理はステップS114に戻る。つまり、ドロップ操作がされたか又はドロップ操作がされる前にドラッグ操作が解除されるまで、ステップS114-S117の処理が繰り返される。
【0056】
ステップS118において、CPU21は、ステップS115においてコピーした数式等がユーザによって入力された解答であるとして例えばRAM23に記憶されている解答の内容を更新する。また、CPU21は、解答入力欄101b1の表示内容を更新する。その後、処理はステップS119に移行する。ここで、ユーザによって直接入力された場合と同様に、解答入力欄101b1に入力された解答は、試験問題毎にRAM23に設けられた解答記憶のための記憶領域に記憶される。また、第1の操作としてのドロップ・アンド・ドロップ操作を用いて解答入力欄101b1に入力された解答は、例えば図7に示すようにして表示され得る。図7では、計算結果表示欄101b23においてAで示されている数式y=4x-4が解答入力欄101b23にコピーされている例が示されている。ここで、解答が解答入力欄101b1に表示しきれない場合には、スクロール表示等が用いられてもよい。
【0057】
ステップS119において、CPU21は、第2の操作として解答提出ボタン101eが選択されたか否かを判定する。ステップS119において、解答提出ボタン101eが選択されたと判定されたときには、処理はステップS120に移行する。ステップS119において、解答提出ボタン101eが選択されたと判定されていないときには、処理はステップS121に移行する。
【0058】
ステップS120において、CPU21は、RAM23に記憶されている解答と、その解答を導出するに至った過程とを関連付けてサーバ10に送信する。その後、処理はステップS121に移行する。ステップS120では、CPU21は、問題表示エリア101aに表示されている問題に対応した解答と過程だけをサーバ10に送信してもよいし、すべての問題に対応した解答と過程をサーバ10に送信してもよい。サーバ10に解答が送信されることによって、ユーザの解答は採点される。採点は、サーバ10が所定の基準に従って実施してもよい。また、採点は、教師等がサーバ10にアクセスすることで実施してもよい。実施形態では解答と過程とが関連付けられてサーバ10に送信される。したがって、教師等は、解答だけでなく、過程も考慮して採点を実施し得る。
【0059】
ステップS121において、CPU21は、問題を変更するか否かを判定する。問題変更ボタン101dに含まれる何れかのボタンが選択されたとき、問題を変更すると判定される。ステップS121において、問題を変更すると判定されたときには、処理はステップS122に移行する。ステップS121において、問題を変更すると判定されていないときには、処理はステップS123に移行する。
【0060】
ステップS122において、CPU21は、問題変更ボタン101dのうちの選択されたボタンに応じて問題を変更する。また、CPU21は、変更した問題に応じて問題数識別指標101cの数値を変える。その後、処理はステップS101に戻る。例えば、送りボタン101d3が選択されたときには、CPU21は、選択中の問題を次の問題に変更する。
【0061】
ステップS123において、CPU21は、試験を終了するか否かを判定する。例えば、試験時間が終了したときには試験を終了すると判定される。この他、ユーザによって試験の終了の操作がされたとき試験を終了すると判定されてよい。ステップS123において、試験を終了すると判定されていないときには、処理はステップS103に戻る。ステップS123において、試験を終了すると判定されたときには、CPU21は、図4A及び図4Bの処理を終了する。
【0062】
次に、検算モード処理について説明する。図8は、検算モード処理について示すフローチャートである。ステップS201において、CPU21は、試験付箋101に代えて検算付箋をウェブアプリケーションの表示画面に表示されているペーパ100の所定位置に重ねてウェブブラウザ上に表示する。図9は、検算付箋の一例を示す図である。検算付箋102は、試験付箋101と同様に問題表示エリア102aを有する。一方で、検算付箋102は、解答入力エリア101bに代えて検算式入力エリア102bを有している。検算式入力エリア102bは、解答入力欄を有しておらず、過程入力欄101b2と対応する検算式入力欄102b2と、ツールアイコン101b3と対応するツールアイコン102b3のみを有している。ツールアイコン102b3は、ツールアイコン101b3と同様に、例えば数式アイコン102b31、グラフアイコン102b32、表アイコン102b33、手書きアイコン102b34、検算アイコン102b35を含む。ツールアイコン102b3は、図9で示したアイコンとは別のアイコンを含んでいてもよい。これらのアイコンは、ツールアイコン101b3の対応するアイコンと同様の操作を受け付けるためのアイコンである。
【0063】
また、検算付箋102には、試験付箋101と同様の、問題数識別指標102cと、問題変更ボタン102dとがさらに表示されてよい。一方で、試験付箋101とは異なり、解答提出ボタン101eに相当するボタンは表示される必要はない。つまり、検算モード処理では、検算式入力欄102b2に入力された内容がサーバ10に送信され得ない。
【0064】
ステップS202において、CPU21は、検算付箋102の問題表示エリア102aに試験問題を表示する。表示される試験問題は、例えば直前の試験付箋101で表示されていた試験問題と同じである。
【0065】
ステップS203において、CPU21は、ツールアイコン102b3の何れかのアイコンが選択されたか否かを判定する。ステップS203において、ツールアイコン102b3が選択されたと判定されたときには、処理はステップS204に移行する。ツールアイコン101b3が選択されたと判定されていないときには、処理はステップS205に移行する。
【0066】
ステップS204において、CPU21は、選択されたツールアイコン102b3が検算アイコン102b35であるか否かを判定する。ステップS204において、選択されたツールアイコン102b3が検算アイコン102b35であると判定されたときには、CPU21は、図8の処理を終了する。つまり、検算モード処理中に再び検算アイコン102b35が選択されたときには、CPU21は、検算モード処理を終了させる。ステップS204において、選択されたツールアイコン102b3が検算アイコン102b35であると判定されていないときには、処理はステップS205に移行する。
【0067】
ステップS205において、CPU21は、選択されたアイコンに応じたツールを起動する。例えば、数式アイコン102b31が選択されたときには、CPU21は、数式作成ツールを起動する。
【0068】
図10は、数式作成ツールが起動された状態の検算付箋102を示している。図10に示すように、数式作成ツール102b22は、検算式入力欄102b2の下部の領域において起動される。数式作成ツール102b22は、図10に示すように、演算子キーと、数値キーと、カーソルキーと、削除(DEL)キーと、実行(EXE)キーとを含む。数式作成ツール102b22における演算子キーと、数値キーと、カーソルキーと、削除キーと、実行キーとは、数式作成ツール101b22における演算子キーと、数値キーと、カーソルキーと、削除キーと、実行キーと同じであってよい。また、数式作成ツール102b22は、解答(Ans)キーを含んでいなくてよいが、解答キーを含んでいてもよい。
【0069】
また、ステップS205において、グラフアイコン102b32が選択されたときには、CPU21は、グラフ作成ツールを起動する。また、表アイコン102b33が選択されたときには、CPU21は、表作成ツールを起動する。また、手書きアイコン102b34が選択されたときには、CPU21は、手書きツールを起動する。
【0070】
これらのツールが起動された後、ユーザは、これらのツールを用いて数式、グラフ、表の作成を実施し得る。つまり、ユーザは、検算式入力欄102b2においても過程入力欄101b2と同様の入力をし得る。
【0071】
ステップS206において、CPU21は、検算式入力欄102b2への入力がされたか否かを判定する。ステップS206において、検算式入力欄102b2への入力がされたと判定されたときには、処理はステップS207に移行する。ステップS206において、検算式入力欄102b2への入力がされたと判定されていないときには、処理はステップS211に移行する。
【0072】
ステップS207において、CPU21は、入力された内容に基づいて例えばRAM23に記憶されている検算式の内容を更新する。また、CPU21は、入力された内容に基づいて検算式入力欄102b2の表示内容を更新する。ここで、検算式入力欄102b2に入力された数式等は、試験問題毎にRAM23に設けられた検算式記憶のための記憶領域に1行ずつ順次に記憶される。この検算式記憶のための記憶領域は、計算過程記憶のための記憶領域と別の記憶領域である。また、RAM23の記憶対象の行は、ユーザが計算の実行操作をする毎又はカーソルキーによってカーソルを別の行に変更する毎に変更される。また、検算式入力欄102b2に入力された数式等は、過程入力欄101b2と同様に、1行ずつ検算式入力欄102b2に表示され得る。ここで、検算式が検算式入力欄102b2に表示しきれない場合には、スクロール表示等が用いられてもよい。
【0073】
ステップS208において、CPU21は、計算を実行するか否かを判定する。例えば実行キーが選択されたとき、計算を実行すると判定される。ステップS208において、計算を実行すると判定されたときには、処理はステップS209に移行する。ステップS208において、計算を実行すると判定されていないときには、処理はステップS210に移行する。
【0074】
ステップS209において、CPU21は、計算を実行すると指定された行の数式に対して計算を実行する。例えば、図10の検算式入力欄102b2の1行目の数式の入力後に実行キーが選択されたときには、CPU21は、検算式y=4a-4に対してa=4を代入した結果を計算する。ここで、計算は、必ずしも端末20において行われる必要はない。計算は、サーバ10において行われてもよい。この場合、CPU21は、計算に必要な情報をサーバ10に送信する。
【0075】
ステップS210において、CPU21は、計算結果に基づいて検算式入力欄102b2の記憶内容及び表示内容を更新する。その後、処理はステップS211に移行する。例えば、CPU21は、計算結果をRAM23に記憶する。また、CPU21は、検算式入力欄102b2に計算結果を表示する。
【0076】
ステップS211において、CPU21は、問題を変更するか否かを判定する。問題変更ボタン102dに含まれる何れかのボタンが選択されたとき、問題を変更すると判定される。ステップS211において、問題を変更すると判定されたときには、処理はステップS212に移行する。ステップS211において、問題を変更すると判定されていないときには、処理はステップS203に戻る。
【0077】
ステップS212において、CPU21は、問題変更ボタン102dのうちの選択されたボタンに応じて問題を変更する。その後、処理はステップS202に戻る。例えば、送りボタン102d3が選択されたときには、CPU21は、選択中の問題を次の問題に変更する。
【0078】
以上説明したように本実施形態によれば、試験のためのウェブサービスにおいて、解答とともにその解答に至った過程がサーバ10に送られる。つまり、実施形態では、解答入力欄101b1に入力された解答と、過程入力欄101b2に入力された過程とが関連付けられてサーバ10に送られる。これにより、例えばサーバ10は、解答に至った過程をも考慮して採点し得る。また、教師も必要なタイミングでサーバ10にアクセスし、解答に至った過程を考慮して採点し得る。結果として、試験のためのウェブサービスにおける採点精度の向上が図られる。
【0079】
また、実施形態では、過程入力欄101b2に入力されている数式がドラッグ・アンド・ドロップ操作によって解答入力欄101b1にコピーされる。これにより、解答入力欄101b1への入力の手間が軽減される。
【0080】
また、実施形態のシステムは、解答が正しいか否かを検算するための検算モードを有している。検算モードは、試験モードとは別のモードである。このため、検算モード中に検算式入力欄102b2に入力された内容は、過程入力欄101b2には影響しない。また、検算式入力欄102b2に入力された内容はサーバ10に送られることもない。このように、実施形態では、サーバ10に送られる答案に、採点に不要な検算式が混ざることはない。
【0081】
[変形例]
以下、実施形態の変形例を説明する。実施形態では試験付箋101における解答入力エリア101bが解答入力欄101b1と過程入力欄101b2とに分けられている。しかしながら、解答入力エリア101bは、必ずしも解答入力欄101b1と過程入力欄101b2とに分けられていなくてもよい。
【0082】
また、実施形態では、過程入力欄101b2から解答入力欄101b1への入力は、ドラッグ・アンド・ドロップ操作によって行われるとされている。これに対し、例えば所定のキー操作がされたときに過程入力欄101b2から解答入力欄101b1への入力がされてもよい。図11は、解答(Ans)キーが選択されたときに解答入力欄101b1への入力がされる例を示す図である。図11では、解答キーが選択されたときに、その直前の実行(EXE)キーの選択を受けて計算されて計算結果表示欄101b23においてAで示されている計算結果が解答入力欄101b1に入力される。図11は、解答キーの選択によって入力が実施される例であるが、他のキーの選択によって入力が実施されてもよい。また、入力される数式も計算結果表示欄101b23に表示されている計算結果に限るものではない。例えば、過程入力欄101b2の最終行に表示されている数式におけるイコール(=)の後、すなわち右辺の数値等が解答入力欄101b1に入力されてもよい。
【0083】
この他、過程入力欄101b2から解答入力欄101b1への入力は、例えば過程入力欄101b2に表示されているイコール(=)等の、所定の文字列の選択によって行われてもよい。この場合も、イコール(=)の後、すなわち右辺の数値等が解答入力欄101b1に入力されてよい。
【0084】
また、前述した例では試験モードから検算モードに切り替わるのに伴ってペーパ100に表示される付箋が試験付箋101から検算付箋102に切り替わるとされている。これに対し、図12に示すように、試験付箋101と検算付箋102とが1つのペーパ100に同時に表示されてもよい。ここで、試験付箋101、検算付箋102には、それぞれ、左上にチェック欄103、104が表示される。例えば、何れかの付箋が選択されると、対応するチェック欄にチェックが表示される。図12では、試験付箋101が選択されている。このとき、チェック欄103にチェックが表示される。チェックが表示されるだけでなく、他の表示等によって、選択中の付箋と、選択中でない付箋とが区別されてよい。視覚的な区別の方法として、選択中の付箋の外枠だけが残りの付箋よりも太く表示されたり、選択中の付箋の外枠の線種又は色が残りの付箋と異なるように表示されたり、選択中の外枠が点滅表示される等してもよい。
【0085】
また、試験付箋101と検算付箋102とは、1つのグループとして関連づけられてよい。このとき、試験付箋101と検算付箋102との間には、試験付箋101と検算付箋102とが関連していることを示す紐105が表示されてよい。また、図12の場合において、試験付箋101の解答入力エリア101bに入力されている内容が検算付箋102の検算式入力エリア102bにコピーされたり、逆に検算付箋102の検算式入力エリア102bに入力されている内容が試験付箋101の解答入力エリア101bにコピーされたりしてもよい。このコピーの操作は、前述のドラッグ・アンド・ドロップ操作、所定のキーの操作等であってよい。
【0086】
また、実施形態では、試験問題として、数学の試験問題が例示されている。しかしながら、実施形態は、解答とそれに至る過程とが考慮されて採点がされる各種のオンライン上での試験に対して適用され得る。例えば、実施形態は、物理、化学といった試験に対しても適用され得る。さらには、実施形態は、試験だけでなく、オンラインによる宿題の提出、ドリル問題の解答の提出といった各種の教育用ウェブサービスに適用され得る。
【0087】
さらに、前述した実施形態では、端末20は、サーバ10からウェブアプリケーションのためのプログラムをダウンロードして試験の実施処理等を実行するように構成されている。これに対し、端末20のストレージ24にウェブアプリケーションと同等のプログラムを記憶させておくことにより、端末20が単独で前述した実施形態で説明したウェブアプリケーションの処理を実行するようにすることもできる。この場合においては、端末20は通信機能を有している必要はない。
【0088】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0089】
以下に、本出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 問題に対する解答と、前記解答を導出するまで過程との入力を受け付けることと、
前記解答と前記過程とを表示装置に表示することと、
前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信することと、
をプロセッサに実行させるための教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
[2] 前記入力を受け付けることは、前記解答が入力される第1の入力欄と前記過程が入力される第2の入力欄とを前記表示装置に表示することを含み、
前記解答と前記過程とを前記表示装置に表示することは、
前記第2の入力欄に入力された過程に基づいて導出された解答を前記第2の入力欄に表示することと、
ユーザによる第1の操作に応じて、前記第2の入力欄に表示されている解答を前記第1の入力欄に表示することと、
を含み、
前記解答と前記過程とを関連づけてサーバに送信することは、ユーザによる第2の操作に応じて前記第1の入力欄に表示されている解答と前記第2の入力欄に表示されている過程とを関連付けて前記サーバに送信することを含む、
[1]に記載の教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
[3] 前記第1の操作は、前記第2の入力欄に表示されている解答を前記第1の入力欄に移動させるドラッグ・アンド・ドロップ操作である、
[2]に記載の教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
[4] 前記第1の操作は、所定のキーの操作である、
[2]に記載の教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
[5] 前記解答に対する検算式の入力を受け付けることと、
前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記表示装置に表示することと、
をさらにプロセッサに実行させ、
前記解答と前記過程とを関連づけてサーバに送信する際には、前記検算式と前記検算式に基づく計算結果とを前記サーバに送信させない、
[1]に記載の教育用ウェブサービスを提供するプログラム。
[6] 端末と通信できるサーバであって、
問題に対する解答と、前記解答を導出するまで過程との入力を受け付けることと、
前記解答と前記過程とを表示装置に表示することと、
前記解答をサーバに送信するときに、前記解答と前記過程とを関連づけて前記サーバに送信することと、
をプロセッサに実行させるための教育用ウェブサービスを提供するプログラムを記憶するように構成されたストレージと、
前記ストレージに記憶された前記教育用ウェブサービスを提供するプログラムを前記端末に送信する通信装置と、
を具備するサーバ。
【符号の説明】
【0090】
1 システム、10 サーバ、11 プロセッサ、12 ROM、13 RAM、14
ストレージ、15 通信装置、19 システムバス、20 端末、21 CPU、22
ROM、23 RAM、24 ストレージ、25 入力装置、26 表示装置、27 通信装置、29 システムバス、30 ネットワーク。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12