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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/02 20210101AFI20240814BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20240814BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240814BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240814BHJP
   H04N 23/667 20230101ALI20240814BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240814BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240814BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20240814BHJP
【FI】
G03B15/02 Q
G03B15/02 G
G03B15/03 W
G03B15/03 N
G03B17/56 F
H04N23/56
H04N23/667
A61B5/00 M
G03B15/00 T
G03B15/05
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023109018
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2021096292の分割
【原出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2023129440
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2019066958
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徹
(72)【発明者】
【氏名】松尾 勝幸
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005155(JP,A)
【文献】特開2018-010007(JP,A)
【文献】特開2015-188579(JP,A)
【文献】特開2015-152601(JP,A)
【文献】国際公開第2018/135337(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/093314(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0366316(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/02
G03B 15/03
G03B 17/56
H04N 23/56
H04N 23/667
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を撮像するための撮像部に適用される照明装置であって、
光を透過可能な部材で構成され、前記撮像部に前記対象を撮像させるために、前記対象からの光を前記撮像部に導くように設けられた対物カバーと、
前記対物カバー後方の端部の周辺に設けられ、前記対象に光を照射する光源と、
前記光源を格納する空間を形成し、被係合部を有するカバー部本体と、を備え、
前記対物カバーは、前記被係合部と係合する係合部を有
前記光源により照射される光から前記撮像部を遮蔽する部材を設け、前記光源により照射される光が前記撮像部に直接入射されないように構成される、
照明装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記対物カバー後方の外側の端部であり、前記被係合部は、前記カバー部本体の内側の端部である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記係合部は、前記被係合部とネジにより係合している、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記カバー部本体は、前記光源のLED基板の前面を覆う円環上のカバー部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記カバー部本体は、前記光源に対応する位置に光出射孔を有し、
前記光出射孔を覆い、前記光源から前記光出射孔を通して光を伝搬させる透明版を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記対物カバーは、撮像子の光軸と略垂直に前記対物カバーの前面に所定の領域を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記カバー部本体は、本照明装置のベース部本体に固定されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
本照明装置が有する円筒部の外径は、前記カバー部本体に隣接するカバー体の内径と略同一であり、且つ、前記円筒部の外周面は、前記カバー体の内周面に嵌合していることで、前記ベース部本体が前記カバー体に取り付けられる、
請求項7に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置を備える撮像装置として、例えば引用文献1に開示されたものが知られている。この撮像装置は、人体の皮膚にジェルを介して接触させられる対物ガラスと、光を照射する複数の光源と、撮像するための撮像部とを有している。対物ガラスが接触させられた皮膚は、撮像装置の内部に設けられた複数の光源により照明され、撮像部により撮像される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5797921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、皮膚を撮像する撮像装置では、上記の対物ガラスは、皮膚表面の光の反射を取り除くためにジェルを介して皮膚表面に接触させられる必須の構成である。しかしながら、皮膚を照明する光源の位置によっては、光源の光がこの対物ガラスで反射し、光源の反射光による影響により、皮膚を適切に撮像できないおそれがある。このような不具合は、皮膚を撮像する場合に限らず、他の対象を撮像する場合にも同様に生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、光源の反射光による影響を抑制して対象を適切に撮像させることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の照明装置は、
対象を撮像するための撮像部に適用される照明装置であって、
光を透過可能な部材で構成され、前記撮像部に前記対象を撮像させるために、前記対象からの光を前記撮像部に導くように設けられた対物カバーと、
前記対物カバー後方の端部の周辺に設けられ、前記対象に光を照射する光源と、
前記光源を格納する空間を形成し、被係合部を有するカバー部本体と、を備え、
前記対物カバーは、前記被係合部と係合する係合部を有
前記光源により照射される光から前記撮像部を遮蔽する部材を設け、前記光源により照射される光が前記撮像部に直接入射されないように構成される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光源の反射光による影響を抑制することができ、対象を適切に撮像させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を適用した実施の形態1に係るダーモスコピーカメラの斜視図であり、(a)はアダプタを装着していない状態の図、(b)はアダプタを装着している状態の図。
図2】ダーモスコピーカメラの分解斜視図。
図3】ダーモスコピーカメラに設けられた撮像部の斜視断面図。
図4】ダーモスコピーカメラに設けられた照明装置を図1中の矢視IVからみた正面図。
図5図4中の切断線V-Vで切断した照明装置の断面図。
図6】アダプタを取り付けた照明装置の断面図。
図7】照明装置本体が有するベース部の正面図。
図8】照明装置本体が有するベース部から第1LED基板を取り外した状態の正面図。
図9図5中の“IX”部の拡大図。
図10】ダーモスコピーカメラの部分断面図。
図11】第2ダーモスコピー撮影時に光が照射されている様子を示した概略図。
図12】アダプタが取り付けられたダーモスコピーカメラの部分断面図。
図13】第2ダーモスコピー撮影時に光が照射されている様子を示した概略図。
図14】シミュレーションによる第2対物カバーの照度分布を示した図であり、(a)は第2ダーモスコピー撮影用のLEDを発光させたときの図、(b)は第1ダーモスコピー撮影用のLEDを発光させたときの図。
図15】ダーモスコピーカメラの撮影動作を説明するためのフローチャート。
図16】ダーモスコピー撮影動作を説明するためのフローチャート。
図17】第1ダーモスコピー撮影動作を説明するためのフローチャート。
図18】第2ダーモスコピー撮影動作を説明するためのフローチャート。
図19】設定する撮像対象のピント位置を説明するための説明図。
図20】実施の形態2に係るダーモスコピーカメラの部分断面図。
図21】アダプタが取り付けられた実施の形態2に係るダーモスコピーカメラの部分断面図。
図22】本発明の変形例に係るダーモスコピーカメラのLED基板の動作((a)は移動、(b)は回転)を説明するための説明図である。
図23】本発明の変形例に係るダーモスコピーカメラの撮影動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用したダーモスコピーカメラの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願明細書では、「マイクロスコープ(Microscope):顕微鏡」及び「マイクロスコピー(Microscopy):顕微鏡による検査又は顕微鏡使用(法)」の使い分けに準じ、「ダーモスコープ(Dermoscope)」及び「ダーモスコピー(Dermoscopy)」の用語を、皮膚検査用の拡大鏡(装置)及び同拡大鏡を用いた皮膚検査又は同拡大鏡使用(行為)という意味で用いている。
【0010】
以下の説明において、図1に示すように、撮像対象(被写体)側をダーモスコピーカメラ1の前方(前面、正面)、その反対側を後方とし、ダーモスコピーカメラ1を前方から見たときの上下左右方向をそのまま上下左右方向とした直交座標系に基づいて説明するものとする。また、各部材に関する取り付けは、特に言及がない限り、ネジ、ビス等を用いた取り付けや、嵌合等の取り付け等、適宜の方法で行われる。
【0011】
(実施の形態1について)
撮像装置の一例である実施の形態1に係るダーモスコピーカメラ1は、皮膚の状態を診察するための画像を撮像する撮像装置である。ダーモスコピーカメラ1は、図1(b)に示すようにアダプタ70を取り付けた状態と、図1(a)に示すようにアダプタ70が取り外された状態とで撮像対象を撮像することができる。アダプタ70は、後述するように、指の間や耳の窪みなど、狭隘な箇所を撮像する際に用いられる。
【0012】
ダーモスコピーカメラ1は、図2に示すように、コントローラ2と、コントローラ2の前方に設けられたカメラ本体3と、カメラ本体3の前方に設けられた照明装置4と、を有している。
【0013】
コントローラ2は、各種の操作情報や撮像した画像を表示するとともにユーザの操作を受け付ける設定手段としてのタッチパネル式の液晶モニタ11が設けられた表示部10と、シャッタボタン21及び電源ボタン22等の操作ボタンが設けられた本体部20と、表示部10と本体部20との間に収容された回路基板30とを有している。回路基板30には、撮像された画像を記憶する記憶部200と、ダーモスコピーカメラ1の各部を制御する制御部300とが設けられている。
【0014】
カメラ本体3は、撮像部40と、撮像部40を支持した状態で後述するカバー体60に取り付けられる枠体50とを有している。図3は、ダーモスコピーカメラ1に設けられた撮像部40の斜視断面図である。撮像部40は、光軸OA上に設けられたレンズ群を有する撮像レンズ系41を有している。また、撮像レンズ系41の後方には、回路配線基板43及び撮像素子44が収容されており、その前方には、前から順に、赤外カットフィルタ(IRCF:Infrared Cut Filter)45、紫外透過フィルタ46、偏光フィルタ47が配置されている。また、撮像部40の左側には、コントローラ2(図2)によって撮像部40を操作するためのフレキシブル回路基板48が延在している。
【0015】
撮像レンズ系41は、光軸OA上に第1撮像レンズ41a及び第2撮像レンズ41bを有するレンズ群と、第2撮像レンズ41bを収容した鏡筒41cとを含む。第1撮像レンズ41a及び第2撮像レンズ41bは、撮像対象である皮膚疾患部と撮像素子44との間に介在し、撮像対象の画像を撮像素子44に結像させる。第1撮像レンズ41aは前後方向に移動可能であり、これにより焦点距離が変化し、拡大倍率を変更することができる。第1撮像レンズ41a及び第2撮像レンズ41bには、両者を合わせて、患者の疾患部を10~30倍に拡大可能なレンズが採用される。
【0016】
撮像素子44は、公知の撮像素子であって、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであり、被写体の光学像を電気信号に変換するように構成されている。撮像部40は、撮像素子44を用いて、撮像対象を撮像することができる。撮像部40は、例えば静止画及び動画を撮影することができる。
【0017】
照明装置4は、図2に示すように、コントローラ2の本体部20に取り付けられるカバー体60と、カバー体60の前端に取り付けられる照明装置本体100と、カバー体60に取り付けられ照明装置本体100の前方を覆うアダプタ70とを有している。上述したように、アダプタ70は、着脱自在な構成であり、指の間や耳の窪みなどの狭隘な箇所を撮像する際にはカバー体60に取り付けられる一方、撮像箇所が顔や腕等である場合には、取り外される。このように、アダプタ70は、撮像に用いられる場合には照明装置4の一部を構成する一方で、撮像に用いられない場合には照明装置4に含まれない。
【0018】
図1図2図4及び図5に示すように、カバー体60は円筒状に形成されており、その内部には前記カメラ本体3が収容されている。カバー体60の外周面には、図4に示すように、4つの突起部61が等間隔で配置されている。この突起部61は、アダプタ70を取り付ける際にアダプタ70と係合し、アダプタ70を取り外す際にはアダプタ70との係合状態が解除される。また、カバー体60の外周面には、図4に示すように、2つの検出スイッチ62が突起部61の近傍に等間隔で配置されている。2つの検出スイッチ62は、照明装置4を前方からみると、上下方向に沿って光軸OAを挟むように配置されている。検出スイッチ62は、図6に示すように、ばね62aによりカバー体60から突出する方向に付勢されている。アダプタ70が取り外されている場合、検出スイッチ62はカバー体60から突出しOFF状態にある。一方、アダプタ70が突起部61を介して取り付けられている場合、検出スイッチ62はアダプタ70に押圧されて引っ込んだ状態となる。この時、検出スイッチ62の状態はON状態となる。2つの検出スイッチ62は、アダプタ70の着脱を検出する検出手段として機能する。
【0019】
照明装置本体100は、図5に示すように、光源としてLED(Light Emitting Diode)が搭載された複数のLED基板が設けられたベース部110と、ベース部110の周囲を覆う円環状の第1カバー部120と、第1カバー部120にねじ止めされた第2カバー部130とを有している。
【0020】
ベース部110は、図5図7及び図8に示すように、ベース部本体180と、ベース部本体180に設けられた第1~第6LED基板111,112,113,114,115,116及び4つの偏光板117とを備えている。
【0021】
ベース部本体180は、例えば黒色の合成樹脂で構成されている。ベース部本体180は、図5及び図8に示すように、円筒部181と、円筒部181の前端に形成された円環状部182と、円環状部182の径方向の内側に設けられ、円環状部182から斜め後方に向けて延びる第1~第4壁部183~186と、隣接する第1~第4壁部183~186の間に設けられた4つの接続部187と、第1~第4壁部183~186の縁部を接続する第5壁部188とを有している。
【0022】
図5に示すように、円筒部181の外径はカバー体60の内径と概ね同じであり、円筒部181の外周面はカバー体60の内周面に嵌合している。これにより、ベース部本体180は、カバー体60に取り付けられている。
【0023】
円環状部182は、図7及び図8に示すように、第1LED基板111が取り付けられる基板取付面182aを有している。基板取付面182aは、前方を向くように形成された平面であり、第1LED基板111を取り付けるための4つのねじ穴182bが形成されている。
【0024】
第1壁部183は、図5及び図8に示すように、矩形板状に形成されており、その主面が前方やや下方に向けられ、光軸OAに対して傾斜している。第1壁部183には、後方から図示しないねじにより第2LED基板112が取り付けられており、第2LED基板112のLED141、142、143を前方に露出させるための開口183aが形成されている。また、第1壁部183の前面には、図8に示すように、偏光板117が取り付けられている。
【0025】
第2壁部184は、図8に示すように、矩形板状に形成されており、その主面が前方やや左方に向けられ、光軸OAに対して傾斜している。第2壁部184には、後方から図示しないねじにより第3LED基板113が取り付けられており、第3LED基板113のLED141、142、143を前方に露出させるための開口184aが形成されている。また、第2壁部184の前面には、図8に示すように、偏光板117が取り付けられている。
【0026】
第3壁部185は、図5及び図8に示すように、矩形板状に形成されており、その主面が前方やや上方に向けられ、光軸OAに対して傾斜している。第3壁部185には、後方から図示しないねじにより第4LED基板114が取り付けられており、第4LED基板114のLED141、142、143を前方に露出させるための開口185aが形成されている。また、第3壁部185の前面には、図8に示すように、偏光板117が取り付けられている。
【0027】
第4壁部186は、図8に示すように、矩形状に形成されており、その主面が前方やや右方に向けられ、光軸OAに対して傾斜している。第4壁部186には、後方から図示しないねじにより第5LED基板115が取り付けられており、第5LED基板115のLED141、142、143を前方に露出させるための開口186aが形成されている。また、第4壁部186の前面には、図8に示すように、偏光板117が取り付けられている。
【0028】
4つの接続部187は、円環状部182から斜め後方に向けて延びる矩形状の第1~第4壁部183~186の間に形成されている。このように、4つの接続部187は、隣接する第1~第4壁部183~186を接続することで、第1~第4壁部183~186とともに周方向に一続きの壁部を形成する。
【0029】
第5壁部188は、図5及び図8に示すように、前方を向いた矩形状の壁部であり、後方に向けて延びる第1~第4壁部183~186の縁部に接続されている。第5壁部188には、後方から図示しないねじによって第6LED基板116が取り付けられており、第6LED基板116に設けられた4つのLED144を前方に露出させるための開口188aが形成されている。また、第5壁部188の中央には、図3に示す撮像部の鏡筒41cが挿通される鏡筒挿通孔188bが形成されている。
【0030】
ベース部本体180は、第1~第6LED基板111,112,113,114,115,116及び偏光板117を保持した状態で、図6に示すカバー体60に嵌合されて取り付けられている。
【0031】
第1LED基板111は、図5図7及び図8に示すように、ベース部本体180の基板取付面182aにねじ189(図7)で取り付けられた円環状の基板であり、周方向に配置された16個のLED140を有している。LED140は、例えば白色の光を出射するLEDであり、照明装置本体100の外周位置から光を前方に向けて出射するリングフラッシュとして機能する。LED140は、一般的なカメラとしてダーモスコピーカメラ1(図1)で皮膚疾患部を撮影(通常撮影)する際に、光を発光して皮膚疾患部を照射する。
【0032】
第2LED基板112は、図5及び図8に示すように、ベース部本体180の第1壁部183に後方からねじ止めされた、左右方向に延びる矩形状の基板である。第2LED基板112には、図8に示すように、可視光を出射するLED141、可視光を出射するLED142、紫外光を出射するLED143、可視光を出射するLED142、及び可視光を出射するLED141が、左側から右側にこの順序で一列に配置されている。このうち2つのLED142は偏光板117によって覆われている。これにより、2つのLED142は偏光された光を出射する。なお、第2LED基板112は、図5に示すように、上下方向に対して前方に倒れた第1壁部183に設けられている。そのため、第2LED基板112に設けられたLED141、142、143は、撮像部40の光軸OAを向くように、すなわち図5においては前方やや下向きに配置されている。
【0033】
第3LED基板113は、図8に示すように、ベース部本体180の第2壁部184に後方からねじ止めされた、上下方向に延びる矩形状の基板であり、第2LED基板112に直交する方向に配置されている。第3LED基板113には、第2LED基板112と同様に、可視光を出射するLED141、可視光を出射するLED142、紫外光を出射するLED143、可視光を出射するLED142、及び可視光を出射するLED141が、上側から下側にこの順序で一列に配置されている。このうち、2つのLED142が偏光板117に覆われている点も、第2LED基板112の構成と同様である。また、第3LED基板113は、ベース部本体180の傾斜した第2壁部184に設けられており、第3LED基板113に設けられたLED141、142、143は、撮像部40の光軸OAを向くように、すなわち図8において前方やや左向きに配置されている。
【0034】
第4LED基板114の構成は、図8に示すように、光軸OAを中心に第2LED基板112を180°回転させた構成と同じである。すなわち、第2LED基板112のLED141,142,143と、第4LED基板114のLED141,142,143とは、光軸OAを中心として上下対称に設けられている。第4LED基板114に設けられたLED141,142,143は、前方やや上向きに配置されているため、光軸OA側に向けて光を出射する。なお、第4LED基板114に設けられた2つのLED142は、偏光板117に覆われている。また、第5LED基板115の構成は、図8に示すように、光軸OAを中心に第3LED基板113を180°回転させた構成と同じである。すなわち、第3LED基板113のLED141,142,143と、第5LED基板115のLED141,142,143とは、光軸OAを中心として左右対称に設けられている。第5LED基板115に設けられたLED141,142,143は、前方やや右向きに配置されているため、光軸OA側に向けて光を出射する。なお、第5LED基板115に設けられた2つのLED142は、偏光板117に覆われている。第2~第5LED基板112,113,114,115の各々に設けられたLED141,142,143は、アダプタ70(図6)を取り外した図5に示す照明装置4の状態でダーモスコピー撮影(第1ダーモスコピー撮影)をする際に、光を皮膚疾患部に照射する。また、LED141を除いたLED142,143は、アダプタ70を取り付けた図6に示す照明装置4の状態でダーモスコピー撮影(第2ダーモスコピー撮影)をする際にも、光を皮膚疾患部に照射する。
【0035】
第6LED基板116は、図5及び図8に示すように、ベース部本体180の第5壁部188に後方からねじ止めされた矩形状の基板である。第6LED基板116には、ベース部本体180の第5壁部188に形成された鏡筒挿通孔188bに一致する鏡筒挿通孔116aが形成されている。また、第6LED基板116には、第2ダーモスコピー撮影の際に可視光を出射する4つのLED144が、鏡筒挿通孔188b(116a)の周囲に配置されている。4つのLED144は、前方を向くように配置されており、ベース部本体180の第5壁部188に形成された開口188aにより開放された前方に向けて光を出射する。第6LED基板116に設けられた4つのLED144は、第2ダーモスコピー撮影をする際に、LED141の代わりに光を皮膚疾患部に照射する。
【0036】
このように、照明装置4には、通常撮影をするときに光を出射するLED140と、第1ダーモスコピー撮影をするときのみに光を出射するLED141と、第2ダーモスコピー撮影をするときのみに光を出射するLED144と、第1及び第2ダーモスコピー撮影をするときに光を出射するLED142,143とが設けられている。
【0037】
図5に示すように、ベース部110の前端部の周囲を覆う第1カバー部120は、第1カバー部本体121と、第1カバー部本体121の前面に設けられた透光板122とを有している。第1カバー部本体121は、例えば黒色の合成樹脂製で、図9に示すように、第1LED基板111の前方を覆う円環状のカバー部121aと、カバー部121aに立設した円筒状の外壁部121b及び内壁部121cとを有している。第1カバー部120は、外壁部121b及び内壁部121cを円環状部182に当接させた状態で、ベース部本体180に取り付けられている。第1カバー部本体121の後面には、前記第1LED基板111及びLED140を収容するための収容空間Aが形成されている。この収容空間Aは、カバー部121a、外壁部121b、内壁部121c、及びベース部本体180の円環状部182によって形成されている。また、カバー部121aには、LED140に対応する位置に光出射孔121dが形成されている。このため、第1LED基板111に設けられた16個のLED140に対応して、図4に示すように、第1カバー部120には16個の光出射孔121dが形成されている。透光板122は、例えば透明な合成樹脂製で、光出射孔121dを通して出射されたLED140からの光を透光するとともに、光出射孔121dを覆うことでダーモスコピーカメラ1の内部に粉塵が進入するのを防止する。このように、LED140からの光を、周方向に配置された複数の光出射孔121dから出射することで、照明装置4をリングフラッシュとして機能させることができる。
【0038】
なお、第1カバー部本体121の外壁部121b及び内壁部121cは、図9に示すように、第1LED基板111の径方向の外側及び内側の端面111a、111aをそれぞれ覆うように形成されている。また上述したように、収容空間Aを画定するベース部本体180及び第1カバー部本体121は、例えば黒色の合成樹脂から形成されている。これにより、第1LED基板111を透過したLED140からの光は、ベース部本体180、外壁部121b、及び内壁部121cで吸収されることになる。例えば、第1LED基板111を透過して内側の端面111aから出射しようとする光L1は、内壁部121cによって吸収される。また、第1LED基板111を透過して後方に進もうとする光L2は、ベース部本体180によって吸収される。これにより、LED140から出射された光は、光出射孔121dを通してのみ収容空間Aから外方へ出射されることになり、ダーモスコピーカメラ1内部(例えば、図10に示すように、鏡筒41cの先端及びダーモスコピー撮影用のLED141,142,143、144が位置する空間B)への光漏れを抑制することができる。また、内壁部121cには、図9に示すように、第2カバー部130を取り付けるためのめねじ121eが形成されている。
【0039】
第2カバー部130は、図4図6などに示すように、円錐台形の筒状に形成された第1カバーとしての筒体131と、筒体131の頂部(前端部)の開口131aに嵌められた第1対物カバー132とを有している。筒体131は、透過した光が撮像素子で電気信号に変換されないように光を透過させない材料から構成されており、例えば、ポリ塩化ビニル誘導体、アクリル系樹脂等の樹脂から構成されている。また筒体131の表面に光の透過を防止するための塗料を塗布してもよい。筐体131の内周面は、光の反射を抑制するためのシボ加工または反射防止塗装が施されている。また、筒体131の底部(後端部)には、図9に示すように、内壁部121cに形成されためねじ121eと螺合するおねじ131bが形成されている。このおねじ131b及び第1カバー部120に形成されためねじ121eは、第2カバー部130を第1カバー部120に着脱するための着脱手段として機能する。
【0040】
図5に示す第1対物カバー132は、光を透過可能な部材、例えばガラスで構成され、円板状に形成されている。第1対物カバー132は、その主面が光軸OAに直交するように配置されていて、第1対物カバー132の主面の面積は所定の第1面積に設定されている。皮膚疾患部をダーモスコピー撮影する場合、皮膚表面での光の乱反射を抑制することが重要である。この光の乱反射を抑制するために、皮膚疾患部にジェルが塗られ、その上から第1対物カバー132が押し当てられる。これにより、皮膚疾患部と第1対物カバー132との間の空気層が遮断され、皮膚表面での光の乱反射を抑制することができる。このように、皮膚疾患部に押し当てられた第1対物カバー132には、図8に示す第2~6LED基板112~116に搭載されたLED141,142,143,144からの光を透過させて、皮膚疾患部に光を照射するとともに、皮膚疾患部で反射した光をダーモスコピーカメラ1内に入射させ、前記撮像部40に導く。
【0041】
第1ダーモスコピー撮影の際、図10に示すように、皮膚S1と第1対物カバー132とが接触した領域r1の周囲には、皮膚S1と筒体131の先端とが接触した領域r2が形成される。この領域r2で皮膚S1と接触した筒体131によって、外光が遮られ、第1対物カバー132と接触した皮膚S1は外光の影響を受けにくい。これにより、第1対物カバー132に接触した皮膚S1に、第2~6LED基板112~116に搭載されたLED141,142,143,144からの光を効果的に照射することができる。また、第1対物カバー132を皮膚S1に押し当てることで、皮膚S1とダーモスコピーカメラ1との距離と照明する皮膚S1の明るさとを一定に保つことができ露出条件が安定するなど、ダーモスコピー撮影を安定して行うことができる。さらに、第1対物カバー132は、湿気やほこりからダーモスコピーカメラ1内を保護する。
【0042】
アダプタ70は、図1(b)及び図6に示すように、円錐台状の第2カバーとしての筒体71と、筒体71の頂部(前端部)に形成された開口71aに嵌められた第2対物カバー72とを有している。筒体71は、例えば、ポリ塩化ビニル誘導体、アクリル系樹脂等の樹脂から構成されており、その内周面は、光の反射を抑制するためのシボ加工または反射防止塗装が施されている。また、筒体71の底部(後端部)には、図6に示すように、鉤状部71bが形成されている。この鉤状部71bを、カバー体60に形成された突起部61に係合させることにより、アダプタ70をカバー体60に取り付けることができる。これにより、検出スイッチ62は、アダプタ70の内壁70aによって押圧されて引っ込み、ON状態となる。一方、アダプタ70をカバー体60から取り外す場合には、鉤状部71bを押し拡げて突起部61との係合状態を解除する。これにより、検出スイッチ62は、アダプタ70の内壁70aによる押圧状態は解消されてカバー体60から突出し、OFF状態となる。この鉤状部71b及び突起部61は、アダプタ70をカバー体60に着脱するための着脱手段として機能する。
【0043】
第2対物カバー72は、光を透過可能な部材、例えばガラス体で構成され、円板状に形成されており、第2ダーモスコピー撮影時には、撮像対象である皮膚疾患部に接触させられる。第2対物カバー72は、その主面が光軸OAに直交するように配置されていて、第2対物カバー72の主面の面積は、第1対物カバー132の第1面積よりも小さい所定の第2面積に設定されている。そのため、第2対物カバー72は、先細の筒体71によって狭隘な箇所の皮膚疾患部に接触することができる。狭隘な箇所の皮膚疾患部にジェルを塗り、第2対物カバー72を押し当てることにより、皮膚疾患部の光の乱反射を抑制することができる。第2対物カバー72には、第2ダーモスコピー撮影の際に、図8に示す第2~第5LED基板112~115に設けられたLED142,143から出射された光、及び第6LED基板116に設けられたLED144から出射された光を透過させて、皮膚疾患部に光を照射するとともに、皮膚疾患部で反射した光を入射させる。
【0044】
第2ダーモスコピー撮影の際、図12に示すように、皮膚S2と第2対物カバー72とが接触した領域r3の周囲には、皮膚S2と筒体71の先端とが接触した領域r4が形成される。この領域r4で皮膚S2と接触した筒体71によって、外光が遮られ、第2対物カバー72と接触した皮膚S2は外光の影響を受けにくい、また、第2対物カバー72を設けることで、ダーモスコピー撮影を安定して行うことができるという効果は、上述した第1対物カバー132を設けることによる効果と同様である。
【0045】
次に、図10図13を参照しながら、照明装置4に設けられた発光手段の一例であるLEDの配置態様について、さらに詳細に説明する。なお、図10図13においては、図面の複雑化を避けるためにダーモスコピーカメラ1の前側部分のみを図示している。また、図10図13の断面図のダーモスコピーカメラ1の切断位置は、図5及び図6の断面図の切断位置と同じであり上下方向に沿った切断線によって切断している。また、図11及び図13において、LEDにより光が照射された範囲にハッチングを施しており、明るく照射された領域ほど濃い色でハッチングを施している。
【0046】
ダーモスコピーカメラ1において、撮像レンズ系41の鏡筒41cは、図10に示すように、鏡筒挿通孔116a、188bに挿通されてベース部本体180から突き出た状態にある。第1ダーモスコピー撮影の際、撮像レンズ系41はレンズ群を移動させて、第1対物カバー132に接触した皮膚S1にピントを合わせる。このように皮膚S1が第1対物カバー132に接触していると仮定した場合にダーモスコピーカメラ1に光が入射し、さらに、第1撮像レンズ41aなどのレンズ群を介して撮像素子44に入射する光の経路を図10に示している。
【0047】
点Cは、皮膚S1上の点であり、撮像素子44で撮像できる範囲の中で最も上側に位置している。そのため、第1ダーモスコピー撮影時に、撮像対象から第1対物カバー132を通って撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで、点Cを通過する光線は最も上側(外側)に位置している。皮膚S1上の点Cで反射した光は様々な方向に進み、その一部がレンズ群を介して撮像素子44に入射する。点Cを通過して撮像素子44に入射する光線のうち、最も上側の光線は上光線171であり、最も下側の光線は下光線172である。また、上光線171は、第1対物カバー132を通過して撮像素子44に入射する複数の上光線のうちの最も上側(外側)の上光線である。点Cを通過する上光線171及び下光線172は、第1対物カバー132を透過し、第2撮像レンズ41b及び第1撮像レンズ41aを含むレンズ群で屈折して、撮像素子44の端部の点C´で集光する。なお、点Cを通過する光線であって、上光線171と下光線172との間に位置する光線(例えば主光線)も、同様に、第1対物カバー132を透過し、第2撮像レンズ41bなどのレンズ群で屈折して、撮像素子44の端部の点C´に集光する。
【0048】
なお、第1ダーモスコピー撮影時に第1対物カバー132に皮膚S1接触させると、第1対物カバー132よりも前側からは光がほとんど入射しなくなる。そのため、上光線171及び下光線172の第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分の光線は仮想的な光線となることから、この部分を仮想上光線171a及び仮想下光線172aとも記載する。
【0049】
反転上光線171´は、点Cを通過する上光線171であって、第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分(仮想上光線171a)を、第1対物カバー132の前面132aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。反転下光線172´は、点Cを通過する下光線172であって、第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分(仮想下光線172a)を、第1対物カバー132の前面132aから上下方向に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。
【0050】
点Dは、皮膚S1上の点であり、撮像素子44で撮像できる範囲の中で最も下側に位置している。そのため、第1ダーモスコピー撮影時に、撮像対象から第1対物カバー132を通って撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで、点Dを通過する光線は最も下側(外側)に位置している。皮膚S1上の点Dで反射した光は様々な方向に進み、その一部がレンズ群を介して撮像素子44に入射する。点Dを通過して撮像素子44に入射する光線のうち、最も上側の光線は上光線173であり、最も下側の光線は下光線174である。また、下光線174は、レンズ群を介して撮像素子44に入射する複数の下光線のうちの最も下側(外側)の下光線である。なお、実線で図示した上光線171及び下光線172と容易に見分けがつくように、上光線173及び下光線174は、破線を用いて図示している。点Dを通過する上光線173及び下光線174は、第1対物カバー132を透過し、レンズ群(第2撮像レンズ41bなど)で屈折して、撮像素子44の端部の点D´に集光する。なお、点Dを通過する光線であって、上光線173と下光線174との間に位置する光線(例えば主光線)も、同様に、第1対物カバー132を透過し、レンズ群で屈折して、撮像素子44の端部の点C´に集光する。
【0051】
なお、第1ダーモスコピー撮影時に第1対物カバー132に皮膚S1接触させると、第1対物カバー132よりも前側からは光がほとんど入射しなくなる。そのため、上光線173及び下光線174の第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分の光線は仮想的な光線となることから、この部分を仮想上光線173a及び仮想下光線174aとも記載する。
【0052】
反転上光線173´は、点Dを通過する上光線173であって、第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分(仮想上光線173a)を、第1対物カバー132の前面132aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。反転下光線174´は、点Dを通過する下光線174であって、第1対物カバー132よりも前側(皮膚S1側)の部分(仮想下光線174a)を、第1対物カバー132の前面132aから上下方向に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。
【0053】
ここで、第1対物カバー132を通り撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで最も上側の上光線である上光線171と最も下側の下光線である下光線174とで挟まれた領域のうち、第1対物カバー132よりも前方にある第1領域501aを、第1対物カバー132の前面132aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として反転させた領域を、第1反転領域501bとする。第1領域501aは、仮想上光線171aと仮想下光線174aとで挟まれた仮想的な領域である。また、第1反転領域501bは、反転上光線171´と反転下光線174´とで挟まれた仮想的な領域である。なお、第1領域501a及び第1反転領域501bは、断面図では台形状で示されるが、実際には、前者第1領域501aについては仮想上光線171a及び仮想下光線174aを光軸OAを中心として回転させることによって形成される領域であり、後者第1反転領域501bについてはこの領域を反転させたものであり、いずれも円錐台状の領域である。このとき、第2LED基板112及び第4LED基板114のLED141,142,143は、光軸OAから見て、第1反転領域501bよりも外側の領域に位置している。このような配置とすることで、第1対物カバー132の後面132bで反射したLED141,142,143からの光が、撮像素子44に入射するのを制限することができる。これにより第1対物カバー132の後面132bに反射したLED141,142,143の反射光による影響を、撮像した画像の中央の領域に及ぼさずに抑制することができる。
【0054】
また、撮像素子44に入射する第1対物カバー132よりも前方の光束に含まれる光線のなかで最も外縁の光線は、仮想下光線172a及び仮想上光線173aである。仮想下光線172aと仮想上光線173aとで挟まれた領域のうち、第1対物カバー132よりも前方にある第2領域502aを、第1対物カバー132の前面132aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として反転させた領域を、第2反転領域502bとする。第2領域502aは、仮想下光線172aと仮想上光線173aとで挟まれた仮想的な領域である。また、第2反転領域502bは、反転下光線172´と反転上光線173´とで挟まれた仮想的な領域でもある。なお、第2領域502a及び第2反転領域502bは、断面図では台形状で示されるが、実際には、前者502aについては、仮想下光線172a及び仮想上光線173aを、光軸OAを中心として回転させることによって形成される領域であり、後者502bについては、この領域を反転させたものであり、いずれも円錐台状の領域である。第2LED基板112及び第4LED基板114に設けられたLED141,142,143は、第2反転領域502b内に配置されている。これにより、LED141,142,143が大きく外側に配置されることがなくなり、照明装置4及びダーモスコピーカメラ1の大型化を抑制することができる。
【0055】
このように上下方向に沿った切断線で切断した断面図(図10)を参照しながら、上下方向に並んだ第2LED基板112及び第4LED基板114のLED141,142,143の配置態様について説明した。同様に、左右方向に並んだ第3LED基板113(図8)及び第5LED基板115(図8)のLED141,142,143の配置態様も、左右方向に沿って切断した断面図を参照しながら説明することができる。すなわち、第3LED基板113(図8)及び第5LED基板115(図8)のLED141,142,143も、光軸OAから見て第1反転領域501bよりも外側の領域に配置され、かつ、第2反転領域502b内に配置されている。
【0056】
第2LED基板112に設けられたLED141,142,143は、図11に示すように、前方やや下方を向くように配置されている。同様に、第4LED基板114に設けられたLED141,142,143は、図11に示すように、前方やや上方を向くように配置されている。また、第3LED基板113に設けられたLED141,142,143は、図8に示すように、前方やや左方を向くように配置されており、第5LED基板115に設けられたLED141,142,143は、前方やや右方を向くように配置されている。このような配置態様により、第1ダーモスコピー撮影時に発光する第2~第5LED基板112~115に設けられた各LED141,142,143は、第1対物カバー132に向けて光を出射する。これにより、第1対物カバー132の全域を明るく照射される空間B1に位置させることができ、第1対物カバー132に接触した皮膚S1を、明暗のムラを抑制しかつ明るく照射することができる。
【0057】
以上のように、第1ダーモスコピー撮影時に、発光するLED141,142,143からの光を第1対物カバー132に向けて集光させることによって、皮膚S1を明暗のムラを抑制して明るく照射できる。また、LED141,142,143の位置を上記で説明した配置とすることで、第1対物カバー132で反射したLED141,142,143の反射光による影響を、撮像画像の中央の領域に及ぼさずに抑制するとともに、照明装置4及びダーモスコピーカメラ1の大型化を抑制している。
【0058】
次に、第2ダーモスコピー撮影時に発光する第6LED基板116に設けられたLED144の配置態様について説明する。第2ダーモスコピー撮影の際、撮像レンズ系41はレンズ群を移動させて、図12に示すように、第2対物カバー72に接触した皮膚S2にピントを合わせる。このように皮膚S2が第2対物カバー72に接触していると仮定した場合にダーモスコピーカメラ1に入射し、さらに、第1撮像レンズ41aなどのレンズ群を介して撮像素子44に入射する光の経路を図12に示している。
【0059】
点Eは、皮膚S2上の点であり、撮像素子44で撮像できる範囲の中で最も上側に位置している。そのため、第2ダーモスコピー撮影時に、撮像対象から第2対物カバー72を通って撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで、点Eを通過する光線は最も上側(外側)に位置している。皮膚S2上の点Eで反射した光は様々な方向に進み、その一部がレンズ群を介して撮像素子44に入射する。点Eを通過して撮像素子44に入射する光線のうち、最も上側の光線は上光線175であり、最も下側の光線は下光線176である。また、上光線175は、第2対物カバー72を通過して撮像素子44に入射する複数の上光線のうちの最も上側(外側)の上光線である。点Eを通過する上光線175及び下光線176は、第2対物カバー72及び第1対物カバー132を透過し、レンズ群で屈折して、撮像素子44の端部の点E´に集光する。
【0060】
なお、第2ダーモスコピー撮影時に第2対物カバー72に皮膚S2を接触させると、第2対物カバー72よりも前側からは光がほとんど入射しなくなる。そのため、上光線175及び下光線176の第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分の光線は仮想的な光線となることから、この部分を仮想上光線175a及び仮想下光線176aとも記載する。
【0061】
反転上光線175´は、点Eを通過する上光線175であって、第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分(反転上光線175a)を、第2対物カバー72の前面72aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。反転下光線176´は、点Eを通過する下光線176であって、第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分(仮想下光線176a)を、第2対物カバー72の前面72aから上下方向に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。
【0062】
点Fは、皮膚S2上の点であり、撮像素子44で撮像できる範囲の中で最も下側に位置している。そのため、第2ダーモスコピー撮影時に、撮像対象から第2対物カバー72を通って撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで、点Fを通過する光線は最も下側(外側)に位置している。皮膚S2上の点Fで反射した光は様々な方向に進み、その一部がレンズ群を介して撮像素子44に入射する。点Fを通過して撮像素子44に入射する光線のうち、最も上側の光線は上光線177であり、最も下側の光線は下光線178である。また、下光線178は、第2対物カバー72を通過して撮像素子44に入射する複数の下光線のうちの最も下側(外側)の下光線である。点Fを通過する上光線177及び下光線178は、第2対物カバー72及び第1対物カバー132を透過し、レンズ群で屈折して、撮像素子44の端部の点F´に集光する。
【0063】
なお、第2ダーモスコピー撮影時に第2対物カバー72に皮膚S2を接触させると、第2対物カバー72よりも前側からは光がほとんど入射しなくなる。そのため、上光線177及び下光線178の第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分の光線は仮想的な光線となることから、この部分を仮想上光線177a及び仮想下光線178aとも記載する。
【0064】
反転上光線177´は、点Fを通過する上光線177であって、第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分(仮想上光線177a)を、第2対物カバー72の前面72aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。反転下光線178´は、点Fを通過する下光線178であって、第2対物カバー72よりも前側(皮膚S2側)の部分(仮想下光線178a)を、第2対物カバー72の前面72aから上下方向に延びる線を対称軸として、撮像素子44側に反転させた仮想的な光線である。
【0065】
ここで、第2対物カバー72を通り撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで最も上側の上光線である上光線175と最も下側の下光線である下光線178とで挟まれた領域のうち、第2対物カバー72よりも前方にある第3領域503aを、第2対物カバー72の前面72aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として反転させた領域を第3反転領域503bとする。第3領域503aは、仮想上光線175aと仮想下光線178aとで挟まれた仮想的な領域である。また、第3反転領域503bは、反転上光線175´と反転下光線178´とで挟まれた仮想的な領域である。なお、第3反転領域503a及び第3反転領域503bは、断面図では台形状で示されるが、実際には、前者第3反転領域503aについては仮想上光線175a及び仮想下光線178aを光軸OAを中心として回転させることによって形成される領域であり、後者第3反転領域503bについてはこの領域を反転させたものであり、いずれも円錐台状の領域である。このとき、第6LED基板116に設けられたLED144は、第3反転領域503bよりも外側の領域に位置している。なお、第6LED基板116に設けられたLED144は、左右方向に沿って切断した断面図においても同様の配置となっており、光軸OAから見て第3反転領域503bよりも外側の領域に位置している。このような配置とすることで、第2対物カバー72の後面72bで反射したLED144からの光が、撮像素子44に入射するのを制限することができる。これにより第2対物カバー72の後面72bに反射したLED144の反射光による影響を、撮像した画像の中央の領域に及ぼさずに抑制することができる。
【0066】
また、撮像素子44に入射する第2対物カバー72よりも前方の光束に含まれる光線のなかで最も外縁の光線は、仮想下光線176a及び仮想上光線177aである。仮想下光線176aと仮想上光線177aとで挟まれた領域のうち、第2対物カバー72よりも前方にある第4領域504aを、第2対物カバー72の前面72aから上下方向(光軸OAに直交する方向)に延びる線を対称軸として反転させた領域を、第4反転領域504bとする。第4領域504aは、仮想下光線176aと仮想上光線177aとで挟まれた仮想的な領域である。また、第4反転領域504bは、反転下光線176´と反転上光線177´とで挟まれた領域でもある。なお、第4反射領域504a及び第4反転領域504bは、断面図では台形状で示されるが、実際には、前者第1領域501aについては仮想下光線176a及び仮想上光線177aを光軸OAを中心として回転させることによって形成される領域であり、後者第1反転領域501bについてはこの領域を反転させたものであり、いずれも円錐台状の領域である。第6LED基板116に設けられたLED144は、第4反転領域504b内に配置されている。なお、第6LED基板116に設けられたLED144は、左右方向に沿って切断した断面図においても同様の配置となっており、第4反転領域504b内に配置されている。これにより、LED144は、光軸OAに寄った位置から第2対物カバー72に対して光を照射することができ、皮膚S2に照射される光のムラを抑制することができる。
【0067】
また、上述したように、4つのLED144は、前方に向けて配置されている。そして、第2ダーモスコピー撮影時に4つのLED144から前方へと出射された光は、図13に示すように、第2対物カバー72に集光することができる。これにより、第2対物カバー72の全域を、明るく照射される空間B4に位置することができ、第2対物カバー72に接触した皮膚S2に明暗ムラを抑制して明るく照射することができる。
【0068】
上述のように、ダーモスコピーカメラ1において、第1ダーモスコピー撮影の際、可視光をLED141から出射するが、第2ダーモスコピー撮影の際には光軸OAにより近いLED144から可視光を出射する。これにより、光軸OAを中心に配置された径の小さな第2対物カバー72に光を照射させやすくできる。このことは、図14に示す第2対物カバーの照度分布のシミュレーションによっても理解することができる。図14において、具体的に発光させたLEDとして、(a)においては図8に示すLED144であり、(b)においては図8に示す8つのLED141である。図14(a)に示す第2対物カバーの領域73では、明暗のムラが抑制されて、均一に明るく照射されている。一方、図14(b)に示す第2対物カバーの領域74では、一部に光が十分に照射されずに暗くなった領域74aが存在しており、明暗のムラが発生している。
【0069】
このように第1ダーモスコピー撮影用のLED141(図8)を発光させた場合に、第2対物カバー72に明暗ムラが生じる理由として、LED141の配置態様が挙げられる。第1ダーモスコピー撮影用のLED141は、上述のように第1対物カバー132に向けて光を照射するように配置されている。このLED141の1つが出射した光に着目すると、図11に示すように、第1対物カバー132を透過した光は、第2対物カバー72の一部を照射するものの、全域を照射することはない。そのため、第2対物カバー72の一部は明るく照射される空間B1に位置する一方で、第2対物カバー72の残りの領域は空間B1よりも暗い空間B2、B3に位置することになる。これにより、第2対物カバー72に明暗のムラが生じることなる。このような明暗のムラは、第1ダーモスコピー撮影の際に発光するLED141、LED142、LED143の中で、最も光軸OAから離れた位置に配置されたLED141で顕著に発生する。
【0070】
一方、第2ダーモスコピー撮影用のLED144を、第1ダーモスコピー撮影用のLED141よりも光軸OAに近づけて配置したことにより、図13に示すように、LED144から前方へ出射された光によって第2対物カバー72を均一に照射することが可能となる。これにより、第2ダーモスコピー撮影で撮像した画像に明暗のムラを抑制し、診断のしやすい画像を撮像することができる。
【0071】
次に、図15図19を参照しながら、ダーモスコピーカメラ1の動作について説明する。なお、図19においては、図面の理解が容易にできるように、ピント位置の説明に必要なダーモスコピーカメラ1の構成のみを図示している。なお、ダーモスコピーカメラ1の各部の動作は、図2に示す回路基板30に設けられた制御部300により制御される。
【0072】
ダーモスコピーカメラ1は、ユーザにより電源ボタン22(図1)が操作されると起動し、図15に示すように、まず、ユーザによる撮影モードの設定を受け付ける(ステップS11)。撮影モードには、上述した通常撮影をする通常撮影モード、第1ダーモスコピー撮影をする第1DC(Dermoscopy)撮影モード、及び第2ダーモスコピー撮影をする第2DC撮影モードが含まれる。ダーモスコピーカメラ1は、図2に示す表示部10に設けられたタッチパネル式の液晶モニタ11に選択可能な3つの撮影モードを表示する。ユーザは、液晶モニタ11へのタッチ操作により上記の3つの撮影モードの何れか1つを選択し、それに応じて、制御部300は、選択された撮影モードに、撮影モードを設定する。
【0073】
次に、制御部300は、撮影モードとして通常撮影モードが設定されているか否か判別する(ステップS12)。ステップS12において、通常撮影モードが設定されている場合(ステップS12:Yes)、制御部300は、アダプタ70が照明装置4に取り付けられた状態か否かを判別する(ステップS13)。アダプタ70の取り付けの有無は、検出スイッチ62のON/OFF状態から判別される。すなわち、2つの検出スイッチ62がカバー体60から突出した状態でOFF状態である場合、制御部300は、アダプタ70が取付けられた状態にないと判断する。一方、2つの検出スイッチ62が引っ込んだ状態でON状態である場合、及び2つの検出スイッチ62のうちの一方がON状態で他方がOFF状態である場合、制御部300はアダプタ70が取付けられた状態にあると判断する。なお、一方の検出スイッチ62のみがON状態とは、不完全な状態でアダプタ70がカバー体60に取り付けられている状態である。
【0074】
ステップS13において、制御部300が、アダプタ70が照明装置4に取り付けられた状態にないと判断すると(ステップS13:No)、通常撮影用のLED140(図5)を発光させる(ステップS14)。これにより、皮膚疾患部が明るく照射される。
【0075】
スッテプS13において、制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあると判断すると(ステップS13:Yes)、アダプタ70の取り外しを報知する(ステップS17)。例えば、制御部300は、液晶モニタ11(図2)に「アダプタを取り外してください」と表示して、アダプタ70の取り外しをユーザに促せばよい。これにより、ユーザにアダプタ70を取り外させることができ、通常撮影時にLED140の光がアダプタ70によって阻害されることなく、皮膚疾患部を明るく照射することができる。
【0076】
続いて、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が半押しされると、制御部300は、撮像レンズ系41のレンズ群を移動させて、フォーカス範囲P1~∞で撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする(ステップS15)。ここで、P1はフォーカス開始位置であり、∞位置までレンズ群を移動させながら合焦位置をサーチする。
【0077】
ここで、フォーカス開始位置P1について説明する。図19中の二点鎖線は、第1対物カバー132の後面132bに写りこむダーモスコピーカメラ1の構成要素の虚像を示している。これらの虚像は、後面132bを挟んで実体物と対称となる位置に発生する。すなわち、第1対物カバー132の後面132bから距離d1だけ離れた位置にある鏡筒41cの虚像41c´は、後面132bを挟んで距離d1だけ離れた位置に発生する。また、第1対物カバー132の後面132bから距離d2だけ離れた位置にあるLED144の虚像144´は、後面132bを挟んで距離d2だけ離れた位置に発生する。同様に、第1対物カバー132の後面132bから距離d3だけ離れた位置にあるベース部本体180の虚像180´は、後面132bを挟んで距離d3だけ離れた位置に発生する。ここで、後面132bに写り込む虚像が位置する虚像発生範囲D1にピントを合わせると、鏡筒41c´の先端部、ベース部本体180´の表面に形成された凹凸や各種治具、あるいはLED144´にピントが合わされ、これらの虚像が撮像画像に写りこむことがある。そこで、フォーカス開始位置P1は、虚像発生範囲D1から外れた位置に設定されている。
【0078】
なお、通常撮影時において、ユーザは、撮像対象の皮膚疾患部と、第1対物カバー132の前面132aとの距離を認識することができる。そこで、ステップS11で通常撮影モードが設定されている場合、虚像が撮像画像に写りこまない皮膚疾患部と第1対物カバー132との間隔を、図2に示す液晶モニタ11に表示し、ピント位置を虚像発生範囲D1から外すようにユーザに促してもよい。これにより、オートフォーカス位置P1から∞位置までの間に、撮像対象である皮膚疾患部を位置させることができ、オートフォーカスをスムーズに完了させることができる。
【0079】
続いて、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が押し込まれることで、制御部300は、皮膚疾患部を通常撮影し、通常撮影した画像を保存する(ステップS16)。これにより、皮膚疾患部の通常撮影が完了する。
【0080】
一方、制御部300は、ステップS11において第1DC撮影モードあるいは第2DC撮影モードが設定されていると判断すると(ステップS12:NO)、ダーモスコピー撮影動作(ステップS20)を実行する。
【0081】
ダーモスコピー撮影動作(ステップS20)において、まず図16に示すように、制御部300は、撮影モードが第1DC撮影モードに設定されているか否かを判別する(ステップS21)。第1DC撮影モードが設定されている場合(ステップS21:Yes)、制御部300はアダプタ70が照明装置4に取り付けられた状態にあるか否かを判別する(ステップS22)。アダプタ70の取り付けの有無は、検出スイッチ62のON/OFF状態から判別される点は上述したとおりである。ステップS22において、アダプタ70が取り付けられた状態にないと判断すると(ステップS22:No)、制御部300は第1ダーモコピー撮影動作を実行する(ステップS30)。
【0082】
一方、ステップS22において、制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあると判断すると(ステップS22:Yes)、アダプタ70の取り外しを報知する(ステップS23)。これにより、ユーザにアダプタ70の取り外しをユーザに促して取り外させることができる。これにより、アダプタ70を取り外した適切な状態で、第1ダーモスコピー撮影動作(S30)を実行することができる。
【0083】
第1ダーモスコピー撮影動作(ステップS30)においては、図17に示すように、制御部300は、撮像対象である皮膚疾患部のピント位置をP2に仮設定する(ステップS31)。ここでピント位置P2は、図19に示すように、皮膚疾患部に接触する第1対物カバー132の前面132aの位置である。これにより、予め、撮像対象である皮膚疾患部の位置にピントを合わせておくことができる。
【0084】
続いて、制御部300は、可視光を出射する8つのLED141(図8)を発光させる(ステップS32)。これにより、第1対物カバー132(図11)に接触した皮膚疾患部が可視光により明るく照射される。次に、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が半押しされると、制御部300は撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする(ステップS33)。上述したように、ステップS31で、予め第1対物カバー132に接触する皮膚疾患部の位置にピント位置を合わせていることから、オートフォーカスをスムーズに完了させることができる。続いて、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が押し込まれることで、制御部300は皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する(ステップS34)。次に、制御部300は8つのLED141(図8)を消灯する(ステップS35)。このように、ステップS32~ステップS35を実行することで、可視光により照射された皮膚疾患部の第1ダーモスコピー撮影を実行することができる。
【0085】
続いて、制御部300は、可視光を出射する8つのLED142(図8)を発光させ、偏光板117(図8)により偏光された光を出射する(ステップS36)。これにより、第1対物カバー132(図11)に接触した皮膚疾患部が偏光光により明るく照射される。続いて、制御部300は、皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する(ステップS37)。次に、制御部300は、8つのLED142(図8)を消灯する(ステップS38)。このように、ステップS36~ステップS38を実行することで、偏光光により照射された皮膚疾患部の第1ダーモスコピー撮影を実行することができる。
【0086】
続いて、制御部300は、紫外光を出射する4つのLED143(図8)を発光させる(ステップS39)。これにより、第1対物カバー132(図11)に接触した皮膚疾患部が紫外光により明るく照射される。続いて制御部300は、皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する(ステップS40)。次に、制御部300は、4つのLED143(図8)を消灯する(ステップS41)。このように、ステップS39~ステップS41を実行することで、紫外光により照射された皮膚疾患部の第1ダーモスコピー撮影を実行することができる。
【0087】
以上のように、第1ダーモスコピー撮影においては、シャッタボタン21(図1)を一度操作することで、可視光が照射された皮膚疾患部、偏光光が照射された皮膚疾患部、及び紫外光が照射された皮膚疾患部が連続して撮像され、撮像された画像が記録される。皮膚疾患部のオートフォーカスはステップS33で実行しているため、その後の第1ダーモスコピー撮影では、オートフォーカスの動作を省略することができる。
【0088】
一方、図16に示すように、第2DC撮影モードが設定されている場合(ステップS21:NO)、制御部300はアダプタ70が照明装置4に取り付けられた状態にあるか否かを判別する(ステップS24)。このとき、2つの検出スイッチ62のうち、少なくとも1つが引っ込んだ状態でON状態にある場合、制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあると判断し(ステップS24:Yes)、処理をステップS25にすすめる。一方、2つの検出スイッチ62がOFF状態にある場合は(ステップS24:No)、制御部300はアダプタ70の取り付けを報知する(ステップS26)。例えば、制御部300は、液晶モニタ11(図2)に「アダプタを取り付けてください」と表示して、ユーザにアダプタ70の取り付けを促せばよい。これにより、ユーザにアダプタ70を取り付けさせることができ、第2ダーモスコピー撮影の際にアダプタ70を取り付けた適切な状態で撮影することができる。
【0089】
制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあると判断すると(ステップS24:Yes)、アダプタ70が正常に取り付けられているか否か判断する(ステップS25)。2つの検出スイッチ62がONの状態にある場合は、制御部300はアダプタ70が正常に取り付けられていると判断し(ステップS25:Yes)、第2ダーモコピー撮影動作を実行する(ステップS50)。
【0090】
一方、制御部300は、ステップS25においてアダプタ70が正常に取り付けられていないと判断すると(ステップS25:No)、アダプタ70の再取り付けを報知する(ステップS27)。例えば、制御部300は、液晶モニタ11(図2)に「アダプタが正常に取り付けられていません。再度アダプタを取り付けてください。」と表示して、アダプタ70の再取り付けをユーザに促せばよい。これにより、アダプタ70を正常に取り付けた状態で、第2ダーモスコピー撮影動作(S50)を実行することができる。
【0091】
第2ダーモスコピー撮影動作(ステップS50)では、図18に示すように、制御部300は、撮像対象である皮膚疾患部のピント位置をP3に仮設定する(ステップS51)。ここでピント位置P3は、図19に示すように、第2ダーモスコピー撮影時に皮膚疾患部に接触する第2対物カバー72の前面72aの位置である。これにより、予め、第2対物カバー72に接触する皮膚疾患部の位置にピント位置を合わせておくことができる。
【0092】
続いて、制御部300は可視光を出射する4つのLED144(図8)を発光させる(ステップS52)。この4つのLED144は、第2ダーモスコピー撮影用に光軸OAに近づけて配置した光源である。これにより、第2対物カバー72(図13)に接触した皮膚疾患部が可視光により明るく照射される。次に、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が半押しされると、制御部300は撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする(ステップS53)。上述したように、ステップS34において、予め第2対物カバー72に接触する皮膚疾患部の位置にピント位置を合わせていることから、制御部300はオートフォーカスをスムーズに完了させることができる。続いて、ユーザにより図1に示すシャッタボタン21が押し込まれることで、制御部300は、皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する(ステップS54)。次に、制御部300は、4つのLED144(図8)を消灯する(ステップS55)。このように、ステップS52~ステップS55を実行することで、可視光により照射された皮膚疾患部の第2ダーモスコピー撮影を実行することができる。
【0093】
次に実行するステップS56~ステップS58は、制御部300がLED142を発光させて偏光光により照射された皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影するステップである。これらのステップS56~ステップS58は、アダプタ70の使用の有無が異なるものの、図17に示す第1ダーモスコピー撮影をする際のステップS36~ステップS38と同様である。また、その後に実行するステップS59~ステップS61は、制御部300がLED143を発光させて紫外光により照射された皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影するステップである。これらのステップS59~ステップS61は、アダプタ70の使用の有無が異なるものの、図17に示す第1ダーモスコピー撮影をする際のステップS39~ステップS41と同様である。そのため、これらのステップの詳細な説明は省略するものとする。
【0094】
以上のように第2ダーモスコピー撮影においても、シャッタボタン21(図1)を一度操作することで、可視光が照射された皮膚疾患部、偏光光が照射された皮膚疾患部、及び紫外光が照射された皮膚疾患部が連続して撮像され、撮像された画像が記録される。また、皮膚疾患部のオートフォーカスはステップS53で実行しているため、その後の第2ダーモスコピー撮影では、オートフォーカスの動作を省略することができる。
【0095】
以上説明したように、本発明を適用した照明装置4を用いたダーモスコピーカメラ1において、第1ダーモスコピー撮影用のLED141,142,143を、第1反転領域501bよりも外側で、かつ、第2反転領域502b内に配置している。また、第2ダーモスコピー撮影用のLED144を、第3反転領域503bよりも外側で、かつ、第4反射領域504b内に配置している。これにより、装置の大型化を抑制しつつ、第1対物カバー132で反射したLED141~144による反射光による影響を、撮像画像の中央の領域に及ぼさずに抑制することができる。
【0096】
また、第2ダーモスコピー撮影用のLED144は、撮像素子44に入射する光束に含まれる光線のなかで最も外側の上光線である仮想上光線175aと、最も外側の下光線である仮想下光線178aとで挟まれた第3領域503aを前面72aの線を対称軸として反転させた第3反転領域503bよりも外側の領域、すなわち反転上光線175´と反転下光線178´とで挟まれた第3反転領域503bよりも外側の領域に位置している。このような配置とすることで、第2対物カバー72で反射したLED144の反射光による影響を撮像した画像の中央領域に及ぼさずに抑制することができる。
【0097】
また、LED144は、仮想下光線176aと仮想上光線177aとで挟まれた第4領域504aを第2対物カバー72の前面72aの線を対称軸として反転させた第4反転領域504bの内側、すなわち、反転下光線176´と反転上光線177´とで挟まれた第4反射領域504bの内側に位置している。この仮想下光線176aと仮想上光線177aとは、撮像対象側から撮像素子44に入射する各光線のなかで最も外縁に位置する最外光線である。LED144は、これらの最外光線で規定される領域よりも内側に配置することによって、装置の大型化を抑制することができる。
【0098】
また、上記のLED141,142,143は、光軸OAから離れた位置に配置されることになる。しかしながら、このように配置されたLED141,142,143を第1対物カバー132に向けて傾けて配置することで、第1対物カバー132に光を集光させることができ、撮像対象を明暗のムラなく明るく照射することができる。
【0099】
また、面積が小さい第2対物カバー72を有するアダプタ70を用いた第2ダーモスコピー撮影用に、光軸OAの近くにLED144を別途設けている。このように光軸OAの近くにLED144を配置することで、第2対物カバー72に光を照射させやすくすることができ、撮像対象を明暗のムラなく明るく照射することができる。
【0100】
また、LED140が設けられた第1LED基板111の収容空間Aを画定するベース部本体180及び第1カバー部本体121は、黒色の合成樹脂で構成され、第1カバー部本体121は、第1LED基板111の端面111aを覆うように形成されている。すなわち、通常撮影用の光源(LED140)の収容空間Aを画定するとともに、第1対物カバー132(第2対物カバー72)と撮像部40との間の空間側に位置する部材(ベース部本体180の円環状部182、内壁部121c)が、他の部材(第1LED基板111など)よりも光の吸収率が高い部材で構成されている。これにより、第1LED基板111を透過した光を、ベース部本体180及び第1カバー部本体121により吸収することによって、この光でダーモスコピーカメラ1の内部の部品(例えばLED144等)が照らされるのを防止し、ひいては、この内部の部品が撮像画像に写りこむのを防止することができる。
【0101】
また、可視光を出射する光源、偏光光を出射する光源、及び紫外光を出射する光源の3種類のダーモスコピー撮影用の光源を設けることにより、皮膚疾患部を様々な光で照射することができ、皮膚の状態を診断するのに有用な画像を撮像することができる。また、可視光が照射された皮膚疾患部、偏光光が照射された皮膚疾患部、及び紫外光が照射された皮膚疾患部を連続して撮像し、記録することができるので、作業時間の短縮を図ることができる。
【0102】
また、ユーザが液晶モニタ11を介して選択したダーモスコピー撮影モード、すなわち、本実施の形態では第1DC撮影モード、及び第2DC撮影モードの中から選択した撮影モードに応じて、撮像対象である皮膚疾患部のピント位置が仮設定される。この仮設定されるピント位置は、実際に撮像される皮膚疾患部の想定される位置に基づいているため、実際の撮像の際に行われるピント合わせを速やかに行うことができる。
【0103】
また、ユーザによって通常撮影モードが選択された場合に、皮膚疾患部のフォーカス開始位置を、第1対物カバー132に写りこむダーモスコピーカメラ1の構成要素の虚像が発生する虚像発生範囲D1から外れた位置に設定する。これにより、鏡筒41cの先端部、ベース部本体180の表面に形成された凹凸や各種治具、あるいはLED144の虚像が撮像画像に写りこむことを防止することができ、皮膚疾患部を適切に撮像することができる。
【0104】
また、カバー体60に取り付けられたアダプタ70を検出するための2つの検出スイッチ62を、カバー体60の外周面に設けて、各撮影時に制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあるか否かを判別している。これにより、アダプタ70の取り付けが必要な第2ダーモスコピー撮影時に、アダプタ70の取り付けを忘れるといった事態を防止することができる。また、アダプタ70の取り外しが必要な通常撮影時及び第1ダーモスコピー撮影時に、アダプタ70の取り外しを忘れてしまうといった事態を防止することができる。
【0105】
また、2つの検出スイッチ62は、照明装置4を前方からみると、上下方向に沿って光軸OAを挟むように離間して配置されている。このように検出スイッチ62を離間させて配置することにより、アダプタ70の取り付けが不完全の場合には一方の検出スイッチ62のみがON状態になるなど、アダプタ70の正常に取り付けられているのか否かを制御部300が容易に判別することができる。
【0106】
(実施の形態2について)
次に、実施の形態2に係る照明装置、及び当該照明装置を備える撮像装置について図20、21を参照しながら説明する。上記の実施の形態1では、照明装置4及びダーモスコピーカメラ1の大型化を抑制しつつ、第1ダーモスコピー撮影時に用いるLED141,142,143の反射光による影響を抑制していた。また、第2ダーモスコピー撮影時に用いるLED144を光軸OAに寄せて第2対物カバー72へ容易に光を照射できるようにしつつ、LED144の反射光の写りこみを抑制していた。一方、実施の形態2は、反射光による影響をさらに抑制(防止)するという点に重きを置いた形態である。なお、本実施の形態2は、上記の実施の形態1と比較して、構成要素の寸法に違いはあるものの、基本の構成は同じである。そのため、実施の形態2に係るダーモスコピーカメラ400の各構成要素の符号は、上記の実施の形態1と同一の符号を用いるものとする。
【0107】
ダーモスコピーカメラ400は、図20に示すように、上記実施の形態1と比べて第1ダーモスコピー撮影の際に発光するLED141,142,143がより外側に配置されている。第2LED基板112及び第4LED基板114のLED141,142,143は、上記実施の形態1では第2反転領域502b内に配置されていたが、本実施の形態では第2反転領域502bよりも外側の領域に配置されている。なお、LED141,142,143は、左右方向に沿って切断した断面図においても同様の配置となっており、すなわち、第3LED基板113(図8)及び第5LED基板115(図8)のLED141,142,143も、第2反転領域502bよりも外側の領域に配置されている。これにより、第1ダーモスコピー撮影時に用いるLED141,142,143の反射光による影響を防止することができる。
【0108】
また、ダーモスコピーカメラ400は、図21に示すように、上記実施の形態1と比べて第2ダーモスコピー撮影の際に発光するLED144がより外側に配置されている。第6LED基板116のLED144は、第4反転領域504bよりも外側の領域に位置している。なお、第6LED基板116のLED144は、左右方向に沿って切断した断面図においても同様の配置となっており、第4反転領域504bよりも外側の領域に位置している。このような配置とすることで、LED144の反射光による撮像した画像への影響を防止することができる。
【0109】
このように、第2実施の形態では、第1実施の形態と比べて装置が大型になるものの、その反面LED141~144の反射光による撮像画像への影響を防止することができ、迷光による影響も抑制することができる。
【0110】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、可視光を出射する第1ダーモスコピー撮影用のLED141と、同じく可視光を出射する第2ダーモスコピー撮影用のLED144とを別々に配置した構成について説明した。しかしながら、図22に示すように、光源の位置あるいは向きを変更することで、同じ光源を第1及び第2ダーモスコピー撮影用の光源として兼用させてもよい。なお、図22中の破線で示すLED基板150,160及びLED151,161は、第1ダーモスコピー撮影時の位置を示しており、実線で示すLED基板150,160及びLED151,161は、第2ダーモスコピー撮影時の位置を示している。
【0111】
図22(a)に示すように、第1ダーモスコピー撮影時、LED基板150(破線)は外側に配置され、LED151(破線)は第1対物カバー132を向くように傾いた状態で配置される。一方、第2ダーモスコピー撮影をするにあたり、矢印Y1で示すように、LED基板150を、図示しない駆動手段によりLED151が前方を向くように姿勢を変えながら内側に移動させる。そして、第2ダーモスコピー撮影時、LED基板150(実線)は光軸OAにより近い配置となり、LED151(実線)は前方を向いた状態で配置される。このように、LED151が搭載されたLED基板150を移動させることにより、LED151を、第1及び第2ダーモスコピー撮影用の光源として兼用することができる。
【0112】
図22(b)に示すように、第1ダーモスコピー撮影時、LED基板160(破線)は外側に配置され、LED161(破線)は第1対物カバー132を向くように傾いた状態で配置される。一方、第2ダーモスコピー撮影をするにあたり、矢印Y2で示すように、LED基板160を、図示しない駆動手段によりLED161が第2対物カバー72を向くように回転させる。このようにLED161を第2対物カバー72に向けることにより、第2対物カバー72の全域に光が照射され、第2対物カバー72に接触した皮膚疾患部を明暗のムラなく明るく照明することができる。このようにして、LED161が搭載されたLED基板160を回転させることにより、LED161を、第1及び第2ダーモスコピー撮影用の光源として兼用することができる。
【0113】
また、上記実施の形態では、制御部300がアダプタ70の取り付け状態が正しいか否かを判別した上で、ユーザから入力された撮影モードに基づいて撮影を実行していた。すなわち、撮影モードを選択する上でユーザからの撮影モードの入力が基本であった。しかしながらこのような形態に限定されず、例えばアダプタ70の取り付け状態を制御部300が判別して、ユーザの撮影モードの入力なしに撮影モードを決定するようにしてもよい。このような撮影動作について、図23を参照しながら説明する。
【0114】
撮影動作(ステップS70)において、まず制御部300は、アダプタ70が照明装置4に取り付けられた状態にあるか否かを判別する(ステップS71)。アダプタ70の取り付けの有無は、検出スイッチ62のON/OFF状態から判別される点は上述したとおりである。ステップS71において、制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にあると判断すると(ステップS71:Yes)、第2DC撮影モードに設定し、ユーザの撮影操作があると第2ダーモコピー撮影動作を実行する(ステップS72)。この第2ダーモスコピー撮影動作(ステップS72)は、図18に示す第2ダーモスコピー撮影動作(S50)と同様である。なお、制御部300は、ステップS72を実行する前に、図2に示す液晶モニタ11に、撮影モードが第DC撮影モードであることを表示してもよい。これにより、ユーザは現状のカメラの撮影モードを認識することができる。
【0115】
制御部300は、第2ダーモスコピー撮影動作(ステップS72)の後にアダプタ70の取り外しを検出すると(ステップS73:Yes)、通常撮影モードあるいは第1DC撮影モードに移行する。そして、ユーザの撮影操作にしたがって、制御部300は、通常撮影動作あるいは第1ダーモスコピー撮影動作を実行する(ステップS74)。このように制御部300は、アダプタ70の取り外しを検出することで、第2DC撮影モードから、通常撮影モードあるいは第1DC撮影モードに、ユーザの操作入力なしに切り替える。なお、ステップS74において、通常撮影モード及び第1DC撮影モードの何れの撮影モードとするかは、図2に示す液晶モニタ11を介してユーザが選択できるようにしてもよい。
【0116】
制御部300は、通常撮影動作あるいは第1ダーモコピー撮影動作(ステップS74)の後にアダプタ70の取り付けを検出すると(ステップS75:Yes)、処理をステップS72にすすめ、撮影モードを第2DC撮影モードに切り替える。このように制御部300は、アダプタ70の取り付けを検出することで、通常撮影モードあるいは第1DC撮影モードから、第2DC撮影モードに、ユーザの操作入力なしに切り替える。
よい。
【0117】
一方、制御部300は、ステップ73においてアダプタ70の取り外しを検出しない場合(ステップS73:No)、撮影モードを切り替えることなく第2DC撮影モードのまま待機し、ユーザの撮影操作があれば第2ダーモスコピー撮影動作を実行する(ステップS72)。また、制御部300は、ステップS75においてアダプタ70の取り付けを検出しない場合(ステップS75:No)、撮影モードを切り替えることなく通常撮影モードあるいは第1DC撮影モードのまま待機する。
【0118】
制御部300は、ステップS71においてアダプタ70が取り付けられた状態にないと判断すると(ステップS71:No)、通常撮影モードあるいは第1DC撮影モードに移行し、ユーザの撮影操作にしたがって通常撮影動作あるいは第1ダーモスコピー撮影動作を実行する(ステップS74)。
【0119】
制御部300は、通常撮影動作あるいは第1ダーモスコピー撮影動作(ステップS74)を実行すると、処理をS71にすすめる。制御部300は、アダプタ70が取り付けられた状態にないと判断すると(S71:Yes)、第2DC撮影モードに移行する。このように、制御部300がアダプタ70の着脱を検知することで、第2ダーモスコピー撮影動作と、通常撮影動作あるいは第1ダーモスコピー撮影動作との間で、ユーザの操作なしに撮影モードを切り替えることができる。
【0120】
なお、上記実施の形態では、アダプタ70を検出する2つの検出スイッチ62を設けたが、いくつの検出スイッチ62を設けるかは任意であり、2つよりも多い数の検出スイッチ62を設けてもよい。これにより、アダプタ70の取り付け状態をより正確に把握することができる。また、1つの検出スイッチ62のみを設けて簡略な構成としてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、設定されている撮影モードとアダプタ70の取り付け状態との対応が不適切である場合、図2に示す液晶モニタ11にその旨を表示したが、ユーザに知らせる報知手段としては他の手段を用いてもよい。例えば、ダーモスコピーカメラ1に音を出力するスピーカを設けて、ビープ音などで報知する形態であってもよいし、エラーが発生している旨を伝える音声を発する形態であってもよい。また、設定されている撮影モードとアダプタ70の取り付け状態との対応が不適切である場合、シャッタボタン21を操作しても撮像することができないようにしてもよい。その際、不適切なシャッタボタン21の操作であることを、液晶モニタ11でその旨を表示してユーザに知らせてもよいし、ビープ音や音声を発してユーザに知らせてもよい。
【0122】
また、設定されている撮影モードとアダプタ70の取り付け状態との対応が不適切である場合に、上記で説明したすべての状況で報知する必要はなく、適宜報知するステップを省略することができる。例えば、図16に示す第1DC撮影モードにおいて報知するステップS21~S23を省略してもよいし、第2DC撮影モードにおいて報知するステップS24~S27を省略してもよい。また、アダプタ70の不適切な取り付けを報知するステップS25及びステップS27を省略してもよい。
【0123】
また、アダプタ70を検出する手段として、アダプタ70による物理的な押圧の有無によってオンオフが切り替えられる検出スイッチ62を設けたが、他の検出手段を設けるようにしてもよい。例えば、アダプタ70とカバー体60とに電気的な接触点を設け、アダプタ70が取り付けられることで互いの接触点が接触して電流が流れる構成としてもよい。流れる電流を検出することで、アダプタ70の取り付けの有無を判別することができる。
【0124】
また、上記の形態では、撮像対象である皮膚からの上光線及び下光線で規定される領域を、対物カバーを対称軸として反転させた反転領域に基づいて、光源の位置を規定した。しかしながら、光軸OAからの距離をあけて光源を配置することで、撮像画像に光源の写りこみを抑制できることから、反転領域を形成するための対称軸には若干のずれが許容される。また、反転領域と反転元の領域とが厳密に同一の形状や寸法を有している必要はなく、若干の形状の違いや、寸法の違いがあっても許容される。
【0125】
また、LED141,142,143を、第2反転領域502bよりも外側であれば他の適当な位置に、例えば、第1ダーモスコピー撮影時における撮像部40の画角を用いた仮想的な光線によって規定される反転領域よりも外側に配置してもよい。また、LED144を、第4反転領域504bよりも外側であれば他の適当な位置に、例えば、第2ダーモスコピー撮影時における撮像部40の画角を用いた仮想的な光線によって規定される反転領域よりも外側に配置してもよい。このような配置によっても、撮像画像へのLED141~144の反射光による影響を抑制することができる。
【0126】
また、上記実施の形態では、第1~第4領域501a~504aと、その反転領域である第1~第4反転領域501b~504bは円錐台状の領域であると説明した。しかしながら、レンズ群に設けられた絞りによっては、これらの領域が真円の円錐台状の領域ではなく、楕円の円錐台状の領域になる。楕円の円錐台状の領域になる場合には、楕円の長軸及び短軸を考慮して光線を設定し、光源の位置を決定すればよい。
【0127】
また、照明装置が適用される撮像装置として、上記実施の形態ではダーモスコピーカメラ1を例に説明したが、他の撮像装置に適用してもよい。光を透過するカバー体の一方の側にある撮像対象を、他方の側にある撮像部と光源とで光を照射し撮像する構成の撮像装置であれば、本発明を適用することができる。例えば、構造物の表面を点検するための画像を撮像する撮像装置に適用してもよいし、差し込んだ隙間に光を照射して撮像する撮像装置に適用してもよい。
【0128】
また、ダーモスコピー撮影用の光源として、可視光を出射する光源、偏光光を出射する光源、及び紫外光を出射する光源の3種類を設けたが、光源の種類は撮像対象に応じて適宜その数を設定できる。例えば、これらの光源のうち、1種類の光源だけを設けてもよい。また、例えば近赤外線光を出射する光源を設けて、光源の種類をさらに増やしてもよい。
【0129】
また、アダプタ70を用いた第2ダーモスコピー撮影用の光源として、別途、可視光を出射するLED144を光軸OAに近づけた位置に設けたが、このような第2ダーモスコピー撮影用の光源を設けるか否かは任意である。また、第2ダーモスコピー撮影用の光源として、他の種類の光源、例えば偏光光を出射する光源を光軸OAに近づけた位置に設けてもよいし、さらには紫外光を出射する光源を光軸OAに近づけた位置に設けてもよい。このように、全ての種類の光源で、第1ダーモスコピー撮影用の光源と、第2ダーモスコピー撮影用の光源とを設けてもよい。
【0130】
また、第1対物カバー132が設けられた第2カバー部130はねじで着脱可能な構成であり、第2対物カバー72が設けられたアダプタ70は鉤形の係合部材により着脱可能な構成であると説明したが、他の着脱手段を備える構成であってもよい。例えば、回動軸を有し、撮像装置の前方を覆う位置と、前方を覆った状態から回動して撮像装置の前方を開放した位置との間で移動可能な構成としてもよい。
【0131】
また、第2ダーモスコピー撮影の際、図6に示すように第2カバー部130を取り付けた状態のままアダプタ70を装着したが、第2カバー部130を取り外してからアダプタ70を装着する構成としてもよい。これにより、第2ダーモスコピー撮影の際に、アダプタ70と撮像部40との間に、第1ダーモスコピー撮影用の第2カバー部130をなくすことができ、第2ダーモスコピー撮影に適したダーモスコピーカメラ1の設計が容易となる。なお、第2ダーモスコピー撮影を行う際、第2カバー部130を取り外すのを忘れないようにするために、第2カバー部130の外径をより大きくしたり、第2カバー部130に突起部を設けたりして、第2カバー部130の上からアダプタ70が取り付けられないようにしてもよい。また、アダプタ70の底部(後端部)におねじを形成し、内壁部121cに形成されためねじ121e(図9)と螺合させて、アダプタ70を取り付ける構成としてもよい。
【0132】
また、第1対物カバー132が設けられた第2カバー部130を着脱可能な構成とせずに、例えば、第2カバー部130を第1カバー部120(図5)に固定された構成としてもよい。あるいは、第2カバー部130を第1カバー部120(図5)と一体で形成された構成としてもよい。これにより、ダーモスコピーカメラ1の構成を簡略化することができる。
【0133】
また、通常撮影時に撮像対象のピント位置が虚像発生範囲D1にある場合、シャッタボタン21を操作しても撮像することができないようにしてもよい。その際、液晶モニタ11に、撮像対象からダーモスコピーカメラ1をさらに離して撮影をするように促す表示をしてもよい。これにより、ユーザは、虚像が写りこまない適切な位置から撮像対象を撮像することができる。
【0134】
また、ダーモスコピー撮影の際、一度のシャッタボタン21の操作で異なる種類の光源を順次発光させながら撮像を繰り返したが、ユーザによって指定された光源のみを発光させて、ダーモスコピー撮影を行うようにしてもよい。
【0135】
また、狭隘な箇所を撮像するためのアダプタ70は任意の構成であり、狭隘な箇所の撮影を想定していない撮像装置であれば、アダプタ70は不要である。この場合、第2ダーモスコピー撮影を行う必要がないことから、第2ダーモスコピー撮影用の光源(例えば、LED144)は設けなくてよい。
【0136】
また、通常撮影用の光源(LED140)からの光がダーモスコピーカメラ1の内部を照射しないように、第1LED基板111の収容空間Aを画定するベース部本体180及び第1カバー部本体121を、例えば黒色の合成樹脂から構成していると説明したが、光を吸収しやすい他の色の合成樹脂から構成してもよい。また、ダーモスコピーカメラ1内部への光漏れを抑制するために、図9に示す空間Aと空間Bとを隔てるベース部本体180及び第1カバー部本体121に、空間Aに位置する通常撮影用の光源からの光を適切に遮ることができる他の構成を採用してもよい。
【0137】
例えば、図9に示すように、第1カバー部本体121のA1で示す外面、及びベース部本体180のA2で示す外面に鏡面加工を施すことで、光L1及び光L2を反射させて第1カバー部本体121及びベース部本体180そのものに光を入射させない構成を採用してもよい。鏡面加工には、表面に銀膜を施したり、クロームメッキを塗装したりと、公知の鏡面加工技術を用いることができる。このように、第1カバー部本体121及びベース部本体180が光の反射率を高められた光反射手段を有することで、ダーモスコピーカメラ1内部への光漏れを抑制してもよい。
【0138】
あるいは、第1カバー部本体121のA1で示す外面、及びベース部本体180のA2で示す外面に、光源(LED140)からの光を遮光することができることができる、市販されているマスキングテープ、ゴム板、あるいは金属板等を貼り付けて遮光してもよい。
【0139】
あるいは、第1カバー部本体121及びベース部本体180を、光を通しにくい材料から構成してもよい。例えば、アルミニウムやステンレス等の金属から構成してもよいし、黒色のゴム材から構成してもよい。
【0140】
以上のように、収容空間Aに位置する通常撮影用のLED140からの光が、鏡筒41cの先端部やダーモスコピー撮影用のLED141,142,143,144が位置する空間Bに光漏れしないように、収容空間Aと空間Bとを隔てるベース部本体180及び第1カバー部本体121に光を遮る遮光手段を備えさせている。この遮光手段には、上述したような様々な手段を採用し得る。
【0141】
本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記の番号は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0142】
(付記)
(付記1) 対象を撮像するための撮像部に適用される照明装置であって、
光を透過可能な部材で構成され、前記撮像部に前記対象を撮像させるために、前記対象からの光を前記撮像部に導くように設けられた対物カバーと、
前記対物カバーよりも前記撮像部側に設けられ、前記対物カバーを介して前記対象を照明するための光源と、を備え、
前記撮像部は、前記対象を撮像する撮像素子と、前記対象の画像を前記撮像素子に結像させる撮像レンズとを含み、
前記光源は、前記対物カバーに接触する前記対象に前記撮像レンズの焦点を合わせた状態における前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する光束のうち、前記対物カバーよりも前記対象側の光束に含まれる所定の光線で規定される領域を、前記対物カバーにおいて前記撮像部側に略反転させた領域である反転領域よりも外側に設けられていることを特徴とする照明装置。
【0143】
(付記2)
前記所定の光線は、前記光束に含まれる複数の上光線のうちの最も外側の上光線と、前記光束に含まれる複数の下光線のうちの最も外側の下光線であることを特徴とする、付記1に記載の照明装置。
【0144】
(付記3)
前記所定の光線は、前記光束に含まれる複数の光線のうちの最も外縁の最外光線であることを特徴とする、付記1に記載の照明装置。
【0145】
(付記4)
前記光源は、前記撮像部の光軸を中心として、当該撮像部の光軸と直交する方向に互いに対称に設けられた複数の光源で構成されていることを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載の照明装置。
【0146】
(付記5)
前記複数の光源は、当該複数の光源から照射された光が前記対物カバーの全体において互いに集光するように、設けられていることを特徴とする、付記4に記載の照明装置。
【0147】
(付記6)
前記複数の光源には、可視光を照射する光源、紫外光を照射する光源、及び可視光を偏向した光を照射する光源の少なくとも1つが含まれることを特徴とする、付記4又は5に記載の照明装置。
【0148】
(付記7)
前記対物カバーは、少なくとも第1対物カバーと第2対物カバーとを選択的に採用可能に構成され、
前記第1対物カバーは、前記撮像部の光軸に直交する面の面積が所定の第1面積に設定され、
前記第2対物カバーは、前記撮像部の光軸に直交する面の面積が前記第1面積よりも小さい所定の第2面積に設定されており、
前記光源は、前記第1対物カバーを介して前記対象を照明するための第1光源と、前記第2対物カバーを介して前記対象を照明するための第2光源とを含み、
前記第1光源は、前記撮像レンズの焦点を前記第1対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態における前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する光束のうち、前記第1対物カバーよりも前記対象側の光束に含まれる第1所定光線で規定される領域を、前記第1対物カバーにおいて前記撮像部側に略反転させた領域である第1反転領域よりも外側に設けられ、
前記第2光源は、前記撮像レンズの焦点を前記第2対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態における前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する光束のうち、前記第2対物カバーよりも前記対象側の光束に含まれる第2所定光線で規定される領域を、前記第2対物カバーにおいて前記撮像部側に略反転させた領域である第2反転領域よりも外側に設けられていることを特徴とする、付記1に記載の照明装置。
【0149】
(付記8)
前記第1所定光線は、前記撮像レンズの焦点を前記第1対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態において、前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する前記光束に含まれる複数の上光線のうちの最も外側の上光線と、該光束に含まれる複数の下光線のうちの最も外側の下光線であり、
前記第2所定光線は、前記撮像レンズの焦点を前記第2対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態において、前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する前記光束に含まれる複数の上光線のうちの最も外側の上光線と、該光束に含まれる複数の下光線のうちの最も外側の下光線であることを特徴とする、付記7に記載の照明装置。
【0150】
(付記9)
前記第1所定光線は、前記撮像レンズの焦点を前記第1対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態において、前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する前記光束に含まれる複数の光線のうちの最も外縁の最外光線であり、
前記第2所定光線は、前記撮像レンズの焦点を前記第2対物カバーに接触する前記対象に合わせた状態において、前記対象側から前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射する前記光束に含まれる複数の光線のうちの最も外縁の最外光線であることを特徴とする、付記7に記載の照明装置。
【0151】
(付記10)
前記第1光源は、複数の第1光源で構成され、当該複数の第1光源から照射された光が前記第1対物カバーの全体において互いに集光するように、設けられ、
前記第2光源は、複数の第2光源で構成され、当該複数の第2光源から照射された光が前記第2対物カバーの全体において互いに集光するように、設けられていることを特徴とする、付記7から9のいずれか1つに記載の照明装置。
【0152】
(付記11)
前記複数の第1光源の各々及び前記複数の第2光源の各々は、互いに同一の光源で構成されており、
当該同一の光源は、前記第1及び第2対物カバーに対する位置を、又は、前記同一の光源から照射される光の角度を、変更することによって、前記第1及び第2光源として選択的に機能するように構成されていることを特徴とする、付記10に記載の照明装置。
【0153】
(付記12)
前記第1光源には、可視光の光源、紫外光の光源、及び可視光を偏向した光源の少なくとも1つが含まれることを特徴とする、付記7から11のいずれか1つに記載の照明装置。
【0154】
(付記13)
付記1から12のいずれか1つに記載の照明装置及び前記撮像部を備え、前記対象として人体の皮膚を撮像する撮像装置であって、
前記照明装置の前記対物カバーは、前記撮像装置で前記皮膚を撮像する際に、前記皮膚に接触させられるように構成されていることを特徴とする撮像装置。
【0155】
(付記14)
付記7から12のいずれか1つに記載の照明装置及び前記撮像部を備え、前記対象として人体の皮膚を撮像する撮像装置であって、
前記第1対物カバーは、前記照明装置に設けられた筒状の第1カバーの頂部に設けられており、
前記第2対物カバーは、筒状の第2カバーの頂部に設けられており、
前記第2カバーは、前記頂部以外の部分に前記照明装置に対して着脱可能とする着脱手段を有しており、
前記第2カバーが前記着脱手段を介して前記照明装置から取り外された状態にある場合、前記第1対物カバーが前記皮膚に接触させられる前記対物カバーとして採用され、
前記第2カバーが前記着脱手段を介して前記第1カバーを覆って前記照明装置に取り付けられた状態にある場合、前記第2対物カバーが前記皮膚に接触させられる前記対物カバーとして採用される、ことを特徴とする撮像装置。
【0156】
(付記15)
前記撮像部で前記対象を撮影する撮影モードを、当該撮像装置のユーザによる操作に応じて、前記第2光源を用いずに前記第1光源により前記対象を照明した状態で前記対象を撮影する第1撮影モードと、前記第1光源を用いずに前記第2光源により前記対象を照明した状態で前記対象を撮影する第2撮影モードとを含む複数の撮影モードの何れかに選択的に設定する設定手段と、
前記第2カバーが前記照明装置に取り付けられた状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第2カバーが前記照明装置に取り付けられた状態にあると検出され、かつ、前記撮影モードが前記第1撮影モードに設定されているという条件、及び、前記検出手段により前記第2カバーが前記照明装置に取り付けられていない状態にあると検出され、かつ、前記撮影モードが前記第2撮影モードに設定されているという条件の少なくとも1つの条件が成立している場合に、前記少なくとも1つの条件が成立している旨を前記ユーザに報知する報知手段と、
をさらに備える、ことを特徴とする付記14に記載の撮像装置。
【0157】
(付記16)
前記撮像部で前記対象を撮影する撮影モードを、当該撮像装置のユーザによる操作に応じて、前記第2光源を用いずに前記第1光源により前記対象を照明した状態で前記対象を撮影する第1撮影モードと、前記第1光源を用いずに前記第2光源により前記対象を照明した状態で前記対象を撮影する第2撮影モードとを含む複数の撮影モードの何れかに選択的に設定する設定手段と、
前記照明装置への前記第2カバーの取り付け及び前記照明装置からの前記第2カバーの取り外しを検出する検出手段と、をさらに備え、
前記設定手段は、前記撮影モードが前記第1撮影モードに設定されている状態において、前記検出手段により前記第2カバーが前記照明装置に取り付けられたと検出されたときに、前記撮影モードを前記第2撮影モードに切り替え、前記撮影モードが前記第2撮影モードに設定されている状態において、前記検出手段により前記第2カバーが前記照明装置から取り外されたと検出されたときに、前記撮影モードを、前記複数の撮影モードのうちの前記第2撮影モード以外の撮影モードに切り替える、ことを特徴とする付記14に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0158】
1・・ダーモスコピーカメラ、2・・コントローラ、3・・カメラ本体、4・・照明装置、10・・表示部、11・・液晶モニタ、20・・本体部、21・・シャッタボタン、22・・電源ボタン、30・・回路基板、40・・撮像部、41・・撮像レンズ系、41a・・第1撮像レンズ、41b・・第2撮像レンズ、41c・・鏡筒、43・・回路配線基板、44・・撮像素子、45・・赤外カットフィルタ、46・・紫外透過フィルタ、47・・偏光フィルタ、48・・フレキシブル回路基板、50・・枠体、60・・カバー体、61・・突起部、62・・検出スイッチ、62a・・ばね、70・・アダプタ、70a・・内壁、71・・筒体、71a・・開口、71b・・鉤状部、72・・第2対物カバー、72a・・前面、73,74・・第2対物カバーの領域、74a・・暗くなった領域、100・・照明装置本体、110・・ベース部、111~116・・第1~第6LED基板、116a・・鏡筒挿通孔、117・・偏光板、120・・第1カバー部、121・・第1カバー部本体、121a・・カバー部、121b・・外壁部、121c・・内壁部、121d・・光出射孔、121e・・めねじ、122・・透光板、130・・第2カバー部、131・・筒体、131a・・開口、131b・・おねじ、132・・第1対物カバー、132a・・前面、132b・・後面、140~144・・LED、150・・LED基板、151・・LED、160・・LED基板、161・・LED、171,173,175,177・・上光線、171´,173´,175´,177´・・反転上光線、172,174,176,178・・下光線、172´,174´,176´,178´・・反転下光線、180・・ベース部本体、181・・円筒部、182・・円環状部、182a・・基板取付面、183~186・・第1~第4壁部、187・・接続部、188・・第5壁部、188b・・鏡筒挿通孔、189・・ねじ、200・・記憶部、300・・制御部、400・・ダーモスコピーカメラ、404・・照明装置、501a・・第1領域、501b・・第1反転領域、502a・・第2領域、502b・・第2反転領域、503a・・第3領域、503b・・第3反転領域、504a・・第4領域、504b・・第4反転領域、A・・収容空間、D1・・虚像発生範囲、P1・・フォーカス開始位置、P2,P3・・ピント位置、、S1,S2・・皮膚、OA・・光軸、r1~r4・・領域
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