(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】内視鏡の先端構造、内視鏡及び接続部材
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20240814BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240814BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20240814BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61B1/04 530
A61B1/06 531
A61B1/05
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2023579344
(86)(22)【出願日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2023023561
(87)【国際公開番号】W WO2024004932
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2022105840
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】濱田 秀
(72)【発明者】
【氏名】川上 哲生
(72)【発明者】
【氏名】台 博之
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第11249300(US,B1)
【文献】米国特許第11153970(US,B1)
【文献】特開2019-136248(JP,A)
【文献】国際公開第2020/188687(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/070855(WO,A1)
【文献】特開2005-270391(JP,A)
【文献】特開2001-017389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の先端構造であって、
軸方向に延びる挿入部の先端部には、前記軸方向の先端に向けて撮影するイメージセンサと、前記軸方向の先端に向けて光を照射する発光素子と、を備え、
前記先端部の内部には、前記イメージセンサ及び前記発光素子を搭載する接続部材を備え、
前記接続部材には、前記内視鏡の外部から前記イメージセンサ及び前記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤが接続され、
前記接続部材は、前記軸方向に垂直な第1壁面と、前記第1壁面に平行で、前記第1壁面よりも前記軸方向の先端に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、前記第1壁面から前記第2壁面及び前記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有し、
前記接続部材は、前記第1壁面に、前記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、前記第2壁面及び前記第3壁面に、前記発光素子を搭載するための第2パッドを含み、
前記接続部材には、前記イメージセンサと前記発光素子と前記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成され、
前記イメージセンサと前記発光素子と前記ワイヤとは、それぞれ前記接続部材に電気的及び機械的に接続され、
前記回路として、前記イメージセンサと前記発光素子と前記ワイヤとを電気的に接続するための導体配線が前記接続部材の内部に設けられ、
前記ワイヤは、前記接続部材の壁面のうち、前記軸方向に垂直な壁面以外において前記接続部材と接続されている、内視鏡の先端構造。
【請求項2】
前記接続部材は、前記軸方向に垂直な壁面以外の壁面の基端側に、先端側よりも高さが低い段差面を有し、
前記ワイヤは、前記段差面において前記接続部材と接続されている、請求項1に記載の内視鏡の先端構造。
【請求項3】
前記ワイヤは、前記接続部材の壁面のうち、前記開放面が対向する方向に垂直な壁面において前記接続部材と接続されている、請求項1に記載の内視鏡の先端構造。
【請求項4】
前記接続部材は、前記開放面が対向する方向に垂直な壁面の基端側に、先端側よりも高さが低い段差面を有し、
前記ワイヤは、前記段差面において前記接続部材と接続されている、請求項1に記載の内視鏡の先端構造。
【請求項5】
前記接続部材は、セラミック材料から構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡の先端構造。
【請求項6】
前記接続部材には、さらに、前記イメージセンサ及び前記発光素子以外の電子部品が搭載されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡の先端構造。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡の先端構造を備える、内視鏡。
【請求項8】
内視鏡の先端においてイメージセンサ及び発光素子を搭載するための接続部材であって、
前記接続部材は、第1壁面と、前記第1壁面に平行で、前記第1壁面よりも外側に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、前記第1壁面から前記第2壁面及び前記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有し、
前記接続部材は、前記第1壁面に、前記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、前記第2壁面及び前記第3壁面に、前記発光素子を搭載するための第2パッドを含み、
前記接続部材は、さらに、前記内視鏡の外部から前記イメージセンサ及び前記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤを取り付ける部分を含み、
前記接続部材には、前記イメージセンサと前記発光素子と前記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成され、
前記回路として、前記イメージセンサと前記発光素子と前記ワイヤとを電気的に接続するための導体配線が前記接続部材の内部に設けられ、
前記ワイヤを取り付ける部分は、前記接続部材の壁面のうち、前記
第1壁面に平行な壁面(前記第1壁面を含む)以外に設けられている、接続部材。
【請求項9】
前記接続部材は、前記
第1壁面に平行な壁面(前記第1壁面を含む)以外の壁面の基端側に、先端側よりも高さが低い段差面を有し、
前記ワイヤを取り付ける部分は、前記段差面に設けられている、請求項8に記載の接続部材。
【請求項10】
前記ワイヤを取り付ける部分は、前記接続部材の壁面のうち、前記開放面が対向する方向に垂直な壁面に設けられている、請求項8に記載の接続部材。
【請求項11】
前記接続部材は、前記開放面が対向する方向に垂直な壁面の基端側に、先端側よりも高さが低い段差面を有し、
前記ワイヤを取り付ける部分は、前記段差面に設けられている、請求項8に記載の接続部材。
【請求項12】
前記接続部材は、セラミック材料から構成される、請求項8~11のいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項13】
前記接続部材は、さらに、前記イメージセンサ及び前記発光素子以外の電子部品を搭載する部分を含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の接続部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の先端構造、内視鏡及び接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、医療分野及び工業分野において広く利用されている。内視鏡は、軸方向に延びる細長い挿入部を被検体内に挿入することによって、被検体内を観察することが可能である。
【0003】
このような内視鏡の先端には、イメージセンサ(撮像素子)、発光素子等の電子部品が配置されている。
【0004】
特許文献1には、FPC(Flexible Printed Circuit)に、イメージセンサと、発光素子であるLED(Light Emission Diode)と、キャパシタ等の電子部品と、ワイヤとが取り付けられた構成を有する内視鏡の先端部が開示されている。
【0005】
特許文献2には、PCB(Printed Circuit Board)等の回路基板に、イメージセンサと、キャパシタ等の電子部品と、ワイヤとが取り付けられた構成を有する内視鏡の先端部が開示されている。さらに、特許文献2には、発光素子であるLEDが内視鏡の先端部に取り付けられてもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願公開第3788941号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3788943号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている内視鏡の先端構造では、FPCが使用されているため、イメージセンサ、発光素子及びワイヤをFPCに取り付けた後に、FPCを折り曲げて内視鏡の先端部の内部に収納する必要がある。その際にFPCの反力が生じるため、イメージセンサ及び発光素子の位置を決めることが困難である。また、FPCを折り曲げることによる断線のおそれがある。
【0008】
特許文献2に記載されている内視鏡の先端構造では、回路基板の端部にイメージセンサが実装されているが、実装の難易度が高い。また、内視鏡の先端部に発光素子を取り付ける場合には、回路基板の主面に実装することになる。しかし、回路基板の主面上では、イメージセンサの撮像方向に光を照射する向きで発光素子を実装することが困難である。
【0009】
本発明は、必要な方向に向くようにイメージセンサ及び発光素子を取り付けることができ、かつ、取り付けた後に方向を変えることなく先端部に配置することができる接続部材を備える内視鏡の先端構造を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記内視鏡の先端構造を備える内視鏡、及び上記接続部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内視鏡の先端構造は、軸方向に延びる挿入部の先端部には、上記軸方向の先端に向けて撮影するイメージセンサと、上記軸方向の先端に向けて光を照射する発光素子と、を備え、上記先端部の内部には、上記イメージセンサ及び上記発光素子を搭載する接続部材を備える。上記接続部材には、上記内視鏡の外部から上記イメージセンサ及び上記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤが接続されている。上記接続部材は、上記軸方向に垂直な第1壁面と、上記第1壁面に平行で、上記第1壁面よりも上記軸方向の先端に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、上記第1壁面から上記第2壁面及び上記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有する。上記接続部材は、上記第1壁面に、上記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、上記第2壁面及び上記第3壁面に、上記発光素子を搭載するための第2パッドを含む。上記接続部材には、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成されている。上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとは、それぞれ上記接続部材に電気的及び機械的に接続されている。
【0011】
本発明の内視鏡は、本発明の内視鏡の先端構造を備える。
【0012】
本発明の接続部材は、内視鏡の先端においてイメージセンサ及び発光素子を搭載するための接続部材である。上記接続部材は、第1壁面と、上記第1壁面に平行で、上記第1壁面よりも外側に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、上記第1壁面から上記第2壁面及び上記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有する。上記接続部材は、上記第1壁面に、上記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、上記第2壁面及び上記第3壁面に、上記発光素子を搭載するための第2パッドを含む。上記接続部材は、さらに、上記内視鏡の外部から上記イメージセンサ及び上記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤを取り付ける部分を含む。上記接続部材には、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、必要な方向に向くようにイメージセンサ及び発光素子を取り付けることができ、かつ、取り付けた後に方向を変えることなく先端部に配置することができる接続部材を備える内視鏡の先端構造を提供することができる。さらに、本発明によれば、上記内視鏡の先端構造を備える内視鏡、及び、上記接続部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る内視鏡を、外部装置及びモニタとともに概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す内視鏡の先端構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す先端部の内部構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す接続部材の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す接続部材を第1壁面から見た平面図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す接続部材を開放面から見た平面図である。
【
図7】
図7は、
図2に示す先端部の内部構造の別の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の内視鏡の先端構造、内視鏡及び接続部材について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下の実施形態において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0016】
本明細書において、要素間の関係性を示す用語(例えば「垂直」、「平行」、「直交」等)及び要素の形状を示す用語は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0017】
以下に示す図面は模式図であり、その寸法、縦横比の縮尺等は実際の製品と異なる場合がある。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る内視鏡を、外部装置及びモニタとともに概略的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示す内視鏡の先端構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、内視鏡1は、例えば、被検体内に挿入される挿入部2と、挿入部2の基端(proximal end)に設けられた操作部3と、操作部3から延出されたコード4と、コード4の延出端に設けられたコネクタ5と、を備えることで主要部が構成されている。
【0020】
なお、内視鏡1が挿入される被検体は、人体に限らず、他の生体であってもよく、機械、建造物等の人工物であってもよい。
【0021】
挿入部2は、軸方向に延びる細長い形状を有する。挿入部2は、例えば、先端(distal end)側に位置する先端部11と、先端部11の基端に設けられた湾曲部12と、湾曲部12の基端に設けられた可撓性を有する可撓管部13と、を備える。挿入部2が湾曲部12を備えると、被検体内で挿入部2を屈曲できるため好ましい。
【0022】
先端部11には、
図2に示すように、軸方向D1の先端に向けて撮影するイメージセンサ21と、軸方向D1の先端に向けて光を照射する発光素子22とが備えられている。本実施形態では、一対の発光素子22が先端部11に設けられている。
【0023】
イメージセンサ21としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子が挙げられる。先端部11には、イメージセンサ21を備えるカメラモジュールが設けられていてもよい。カメラモジュールは、例えば、イメージセンサ21に加えて、レンズ及び光学系を備える。
【0024】
発光素子22としては、例えば、LED等の半導体素子が挙げられる。LED等の発光素子22の前面(軸方向D1の先端側)には、ライトガイド、レンズ等の光学素子が備えられていてもよい。
【0025】
図2に示すように、先端部11には、生体組織等を検査するためのワーキングチャネル23が備えられていてもよい。
【0026】
先端部11は、絶縁性の材料から構成される先端カバー24によって被覆されていることが好ましい。先端カバー24は、例えば、円筒形状を有する樹脂部材から構成される。
【0027】
湾曲部12は、操作部3からの操作を受けて、2方向(上下方向)又は4方向(上下方向及び左右方向)等の方向へと能動的に湾曲させることができるように構成されている。なお、ここでの上下方向及び左右方向とは、イメージセンサ21により撮影される内視鏡像における上下方向及び左右方向である。
【0028】
可撓管部13は、受動的に可撓自在となるように柔軟性を持たせた構成となっている。可撓管部13の内部には、ワーキングチャネル23のほか、先端部11に配置されるイメージセンサ21及び発光素子22と電気的に接続される各種のワイヤ等が挿通されている。
【0029】
コード4は、可撓性を有し、操作部3から延出する中空の管状部材である。コネクタ5は、外部装置6に接続される。
【0030】
外部装置6には、図示しない画像処理部(制御部)が設けられている。この画像処理部は、内視鏡1に設けられたイメージセンサ21から出力された信号に基づいて映像信号を生成し、モニタ7に出力する。
【0031】
すなわち、本実施形態では、イメージセンサ21により撮影された光学像(内視鏡像)が、映像としてモニタ7に表示される。
【0032】
以下、本実施形態における内視鏡1の先端部11について、詳細に説明する。
【0033】
図3は、
図2に示す先端部の内部構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【0034】
図3に示すように、
図2に示す先端部11の内部には、イメージセンサ21及び発光素子22を搭載する接続部材30が備えられている。
【0035】
接続部材30には、内視鏡1の外部からイメージセンサ21及び発光素子22を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤ25が接続されている。
【0036】
図4は、
図3に示す接続部材の一例を模式的に示す斜視図である。
図5は、
図4に示す接続部材を第1壁面から見た平面図である。
図6は、
図4に示す接続部材を開放面から見た平面図である。
【0037】
図3及び
図4に示すように、接続部材30は、第1壁面31と、第1壁面31に平行で、第1壁面31よりも外側に突出する第2壁面32及び第3壁面33と、を有する。先端部11の内部において、第1壁面31は、軸方向D1に垂直であり、第2壁面32及び第3壁面33は、第1壁面31よりも軸方向D1の先端に突出している。
【0038】
さらに、接続部材30は、第1壁面31から第2壁面32及び第3壁面33までの間に、互いに対向する開放面を有する。これらの開放面は、互いに平行であることが好ましい。
図4に示す例では、接続部材30は、D1及びD3で示す方向に平行な面として、D2で示す方向において互いに対向する開放面を有する。
【0039】
一方、接続部材30は、第1壁面31から第2壁面32及び第3壁面33までの間に、開放面同士が対向する方向及び軸方向とは異なる方向において互いに対向する壁面を有することが好ましい。これらの壁面は、互いに平行であることが好ましい。
図4に示す例では、接続部材30は、D1及びD2で示す方向に平行な面として、D3で示す方向において互いに対向する壁面を有する。一方の壁面は第1壁面31と第2壁面32とを接続し、他方の壁面は第1壁面31と第3壁面33とを接続している。
【0040】
図5に示すように、接続部材30を第1壁面31から見て、第1壁面31は、第2壁面32と第3壁面33との間に位置する。接続部材30を第1壁面31から見て、第1壁面31は第2壁面32と重ならないことが好ましく、第1壁面31は第3壁面33と重ならないことが好ましい。その場合、接続部材30を第1壁面31から見て、第1壁面31は第2壁面32と接してもよく、接しなくてもよい。同様に、接続部材30を第1壁面31から見て、第1壁面31は第3壁面33と接してもよく、接しなくてもよい。
【0041】
図6に示すように、接続部材30を開放面から見たときの形状は、例えば、U字型である。
【0042】
第1壁面31の高さ(D2で示す方向の高さ)は、第2壁面32の高さと同じであることが好ましく、第3壁面33の高さと同じであることが好ましい。第1壁面31の高さは、イメージセンサ21の高さと同等以上であることが好ましく、イメージセンサ21の高さと同じであることがより好ましい。ここでいう「高さが同じである」とは、厳密に同じでなくてもよく、約3%以内の範囲内に収まっていればよい。
【0043】
第1壁面31の幅(D3で示す方向の幅)は、第2壁面32の幅と同じでもよく、異なってもよい。同様に、第1壁面31の幅は、第3壁面33の幅と同じでもよく、異なってもよい。第2壁面32の幅は、第3壁面33の幅と同じであることが好ましい。ここでいう「幅が同じである」とは、厳密に同じでなくてもよく、約3%以内の範囲内に収まっていればよい。
【0044】
第1壁面31の平面形状は、例えば、正方形又は長方形である。
【0045】
第2壁面32及び第3壁面の平面形状は、例えば、長方形又は正方形である。第2壁面32の平面形状は、第3壁面33の平面形状と同じであることが好ましい。
【0046】
第1壁面31から第2壁面32が突出する長さ(D1で示す方向の長さ)は、第1壁面31から第3壁面33が突出する長さと同じであることが好ましい。ここでいう「長さが同じである」とは、厳密に同じでなくてもよく、約3%以内の範囲内に収まっていればよい。
【0047】
図4に示すように、接続部材30は、第1壁面31に、イメージセンサ21を搭載するための第1パッド41を含み、第2壁面32及び第3壁面33に、発光素子22を搭載するための第2パッド42を含む。
【0048】
イメージセンサ21が第1パッド41に搭載され、発光素子22が第2パッド42に搭載されると、
図3に示すように、イメージセンサ21の天面と発光素子22の天面とは平行に配置される。
図3において、天面とは、軸方向D1の先端側の端面である。
【0049】
接続部材30は、さらに、ワイヤ25を取り付ける部分を含む。ワイヤ25が取り付けられる位置は特に限定されない。
図4に示す例では、接続部材30は、D1及びD3で示す方向に平行な壁面の基端側に、高さが低い段差面を有しており、この段差面に、ワイヤ25を取り付けるための第3パッド43を含む。
【0050】
図示されていないが、接続部材30には、イメージセンサ21と発光素子22とワイヤ25とを電気的に接続するための回路が構成されている。これにより、イメージセンサ21と発光素子22とワイヤ25とは、それぞれ接続部材30に電気的及び機械的に接続されている。上記回路は、接続部材30の内部に構成されていてもよく、接続部材30の表面に構成されていてもよく、接続部材30の表面及び内部の両方に構成されていてもよい。
【0051】
その結果、
図3に示す状態でイメージセンサ21と発光素子22とワイヤ25とが電気的及び機械的に接続された接続部材30は、
図2に示すように先端部11に保持される。
【0052】
接続部材30を用いることにより、イメージセンサ21及び発光素子22を接続部材30の所定の位置に取り付けるだけで必要な方向に向かせることができ、取り付けた後から方向を変える必要がない。そのため、先端部11を容易に組み立てることができる。また、FPCを用いる場合と異なり、折り曲げによる断線のおそれがないため、信頼性を高めることもできる。
【0053】
上記回路として、イメージセンサ21と発光素子22とワイヤ25とを電気的に接続するための導体配線が接続部材30の内部に設けられていることが好ましい。接続部材30の内部に回路を形成することにより、接続部材30の表面に回路を形成する場合に比べて小型化が可能になる。
【0054】
接続部材30は、リジッド材料から構成されることが好ましい。例えば、接続部材30は、セラミック材料から構成されてもよく、樹脂材料から構成されてもよい。発光素子22等を実装する際のリフローに対する耐熱性を高くする観点から、接続部材30は、セラミック材料から構成されることが好ましい。
【0055】
図7は、
図2に示す先端部の内部構造の別の一例を模式的に示す斜視図である。
図8は、
図7に示す先端部の内部構造の平面図である。
【0056】
図7に示すように、接続部材30は、さらに、イメージセンサ21及び発光素子22以外の電子部品26を搭載する部分を含んでもよい。電子部品26は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。電子部品26は、イメージセンサ21、発光素子22及びワイヤ25と電気的に接続されている。
【0057】
電子部品26として、例えば、キャパシタ(イメージセンサ用のバイパスキャパシタ等)、フィルタ等が搭載される。これにより、内視鏡像の画質を向上させることができる。
【0058】
電子部品26が搭載される位置は特に限定されない。
図7及び
図8に示す例では、D1及びD3で示す方向に平行な壁面のうち、ワイヤ25が取り付けられている段差面よりも高さが高く、段差面よりも先端側に位置する面に電子部品26が搭載されている。この壁面においては、第1壁面31よりも基端側の箇所に電子部品26が搭載されていてもよく、第1壁面31よりも先端側の箇所に電子部品26が搭載されていてもよく、両方の箇所に電子部品26が搭載されていてもよい。また、D2で示す方向において対向する壁面のうち、いずれか一方の壁面に電子部品26が搭載されていてもよく、両方の壁面に電子部品26が搭載されていてもよい。
【0059】
本明細書には、以下の内容が開示されている。
【0060】
<1>
内視鏡の先端構造であって、
軸方向に延びる挿入部の先端部には、上記軸方向の先端に向けて撮影するイメージセンサと、上記軸方向の先端に向けて光を照射する発光素子と、を備え、
上記先端部の内部には、上記イメージセンサ及び上記発光素子を搭載する接続部材を備え、
上記接続部材には、上記内視鏡の外部から上記イメージセンサ及び上記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤが接続され、
上記接続部材は、上記軸方向に垂直な第1壁面と、上記第1壁面に平行で、上記第1壁面よりも上記軸方向の先端に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、上記第1壁面から上記第2壁面及び上記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有し、
上記接続部材は、上記第1壁面に、上記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、上記第2壁面及び上記第3壁面に、上記発光素子を搭載するための第2パッドを含み、
上記接続部材には、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成され、
上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとは、それぞれ上記接続部材に電気的及び機械的に接続されている、内視鏡の先端構造。
【0061】
<2>
上記回路として、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための導体配線が上記接続部材の内部に設けられている、<1>に記載の内視鏡の先端構造。
【0062】
<3>
上記接続部材は、セラミック材料から構成される、<1>又は<2>に記載の内視鏡の先端構造。
【0063】
<4>
上記接続部材には、さらに、上記イメージセンサ及び上記発光素子以外の電子部品が搭載されている、<1>~<3>のいずれか1つに記載の内視鏡の先端構造。
【0064】
<5>
<1>~<4>のいずれか1つに記載の内視鏡の先端構造を備える、内視鏡。
【0065】
<6>
内視鏡の先端においてイメージセンサ及び発光素子を搭載するための接続部材であって、
上記接続部材は、第1壁面と、上記第1壁面に平行で、上記第1壁面よりも外側に突出する第2壁面及び第3壁面と、を有するとともに、上記第1壁面から上記第2壁面及び上記第3壁面までの間には、互いに対向する開放面を有し、
上記接続部材は、上記第1壁面に、上記イメージセンサを搭載するための第1パッドを含み、上記第2壁面及び上記第3壁面に、上記発光素子を搭載するための第2パッドを含み、
上記接続部材は、さらに、上記内視鏡の外部から上記イメージセンサ及び上記発光素子を駆動するための電源、駆動信号、及び、撮影した画像データを制御部に伝送するためのワイヤを取り付ける部分を含み、
上記接続部材には、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための回路が構成されている、接続部材。
【0066】
<7>
上記回路として、上記イメージセンサと上記発光素子と上記ワイヤとを電気的に接続するための導体配線が上記接続部材の内部に設けられている、<6>に記載の接続部材。
【0067】
<8>
上記接続部材は、セラミック材料から構成される、<6>又は<7>に記載の接続部材。
【0068】
<9>
上記接続部材は、さらに、上記イメージセンサ及び上記発光素子以外の電子部品を搭載する部分を含む、<6>~<8>のいずれか1つに記載の接続部材。
【符号の説明】
【0069】
1 内視鏡
2 挿入部
3 操作部
4 コード
5 コネクタ
6 外部装置
7 モニタ
11 先端部
12 湾曲部
13 可撓管部
21 イメージセンサ
22 発光素子
23 ワーキングチャネル
24 先端カバー
25 ワイヤ
26 電子部品
30 接続部材
31 第1壁面
32 第2壁面
33 第3壁面
41 第1パッド
42 第2パッド
43 第3パッド
D1 軸方向