(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】システム、PGW、情報処理装置、SMF、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/12 20180101AFI20240814BHJP
H04W 80/04 20090101ALI20240814BHJP
H04W 88/14 20090101ALI20240814BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20240814BHJP
H04W 8/02 20090101ALI20240814BHJP
【FI】
H04W76/12
H04W80/04
H04W88/14
H04W88/16
H04W8/02
(21)【出願番号】P 2023082580
(22)【出願日】2023-05-18
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519264564
【氏名又は名称】BBSakura Networks株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】日下部 雄也
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-005851(JP,A)
【文献】特開2018-037900(JP,A)
【文献】特表2010-514317(JP,A)
【文献】特開2021-141374(JP,A)
【文献】米国特許第10778563(US,B1)
【文献】特開2020-014176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1PGW(Packet data network Gateway)と、
前記第1PGWが配置されているネットワークのASN(Autonomous System number)とは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWに割り当てられているIP(Internet Protocol)アドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWと、
前記第1PGWに対応する第1記憶部と、
前記第2PGWに対応する第2記憶部と
を備え、
前記第1PGWは、
SGW(Serving Gateway)から、PDN(Packet Data Network)へのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル及び前記第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEID(Tunnel Endpoint IDentifier)と、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1記憶部に登録する登録部と
を有し、
前記システムは、
前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部
をさらに備え、
前記第1PGWは、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する第1通信トンネル確立部
をさらに有し、
前記第2PGWは、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第1記憶部との間で同期された前記第2記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第2PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する第2通信トンネル確立部
を有する、システム。
【請求項2】
前記第1PGWは、第1PGW-C(PGW-Control plane function)及び第1PGW-U(PGW-User plane function)に分離されており、前記第1PGW-Uには、前記第1PGW-Cに割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられており、
前記第2PGWは、第2PGW-C及び第2PGW-Uに分離されており、前記第2PGW-Cには、前記第1PGW-Cに割り当てられている前記IPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられており、前記第2PGW-Uには、前記第1PGW-Uに割り当てられている前記IPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられており、
前記第1PGWの前記IPアドレスは、前記第1PGW-Cの前記IPアドレスと、前記第1PGW-Uの前記IPアドレスとを含み、
前記第1PGWの通信トンネル及び前記第2PGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記第1PGW-Cの通信トンネル及び前記第2PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGW-Uの通信トンネル及び前記第2PGW-Uの通信トンネルに割り当てられ、且つ、前記第1PGW-Cの通信トンネル及び前記第2PGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含み、
SGW-C(SGW-Control plane function)及びSGW-U(SGW-User plane function)に分離されている前記SGWの前記IPアドレスは、前記SGW-CのIPアドレスと、前記SGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記SGW-UのIPアドレスとを含み、
前記SGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGW-Uの通信トンネルに割り当てられ、且つ、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含み、
前記第1通信トンネル確立部は、前記第1PGW-Cと前記SGW-Cとの間、及び、前記第1PGW-Uと前記SGW-Uとの間にそれぞれ通信トンネルを確立することによって、前記第1PGWと前記SGWとの間に前記通信トンネルを確立し、
前記第2通信トンネル確立部は、前記第2PGW-Cと前記SGW-Cとの間、及び、前記第2PGW-Uと前記SGW-Uとの間にそれぞれ通信トンネルを確立することによって、前記第2PGWと前記SGWとの間に前記通信トンネルを確立する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記登録部は、前記セッション情報を、前記第1PGWが配置されている前記ネットワークに配置されている前記第1記憶部に登録する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1通信トンネル確立部は、前記セッション情報同期部が前記セッション情報を前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させたことに応じて、前記第1PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
BGP(Border Gateway Protocol)のベストパス選択アルゴリズムに従って、前記SGWから前記セッション生成要求の送信対象であるPGWまでの経路を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された経路で、前記第1PGWに前記セッション生成要求を送信する送信部と
をさらに備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1PGWは、第1国の前記ネットワークに配置されており、前記第2PGWは、前記第1国とは異なる第2国の前記ネットワークに配置されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
PGWであって、
SGWから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWのIPアドレスと、前記PGWの通信トンネル、及び、前記PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている他のPGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記PGWに対応する第1記憶部に登録する登録部と、
前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記他のPGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部と、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する通信トンネル確立部と
を備える、PGW。
【請求項8】
PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル、及び、前記第1PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGWとの間に通信トンネルが確立されるSGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を記憶する、前記第1PGWに対応する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2PGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部と
を備える、情報処理装置。
【請求項9】
システムであって、
第1SMF(Session Management Function)と、
前記第1SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPF(User Plane Function)と、
前記第1SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている第2SMFと、
前記第2SMFが配置されている前記ネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFと、
前記第1UPFに対応する第1記憶部と、
前記第2UPFに対応する第2記憶部と
を備え、
前記第1SMFは、
第3SMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル及び前記第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第3SMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1記憶部に登録する登録部と
を有し、
前記システムは、
前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部
をさらに備え、
前記第1SMFは、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる第1通信トンネル確立部
をさらに有し、
前記第2SMFは、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第2UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第1記憶部との間で同期された前記第2記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第2UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる第2通信トンネル確立部
を有する、システム。
【請求項10】
前記登録部は、前記セッション情報を、前記第1SMF及び前記第1UPFが配置されている前記ネットワークに配置されている前記第1記憶部に登録する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1通信トンネル確立部は、前記セッション情報同期部が前記セッション情報を前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させたことに応じて、前記第1UPFに、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
SMFであって、
他のSMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記他のSMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に登録する登録部と、
前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部と、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる通信トンネル確立部と
を備える、SMF。
【請求項13】
PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記第1UPFが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1UPFとの間に通信トンネルが確立される第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を記憶する、前記第1UPFに対応する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部と
を備える、情報処理装置。
【請求項14】
PGWによって実行される方法であって、
SGWから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信段階と、
前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWのIPアドレスと、前記PGWの通信トンネル、及び、前記PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている他のPGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階と、
前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を、前記PGWに対応する第1記憶部に登録する登録段階と、
前記登録段階で前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記他のPGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階と、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期段階で前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する通信トンネル確立段階と
を備える、方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行される方法であって、
PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル、及び、前記第1PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGWとの間に通信トンネルが確立されるSGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を、前記第1PGWに対応する第1記憶部に記憶する記憶段階と、
前記記憶段階で前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2PGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階と
を備える、方法。
【請求項16】
SMFによって実行される方法であって、
他のSMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信段階と、
前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記他のSMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階と、
前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に登録する登録段階と、
前記登録段階で前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階と、
前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期段階で前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる通信トンネル確立段階と
を備える、方法。
【請求項17】
コンピュータによって実行される方法であって、
PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記第1UPFが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1UPFとの間に通信トンネルが確立される第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に記憶する記憶段階と、
前記記憶段階で前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、PGW、情報処理装置、SMF、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、国際ローミングにおいて、パケットの伝送遅延を低減する通信システムが記載されている。特許文献2には、ローミング通信の通信遅延を低減する通信ステムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]国際公開第2014/049668号
[特許文献2]国際公開第2020/261458号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、第1PGW(Packet data network Gateway)を備えてよい。前記システムは、前記第1PGWが配置されているネットワークのASN(Autonomous System number)とは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWに割り当てられているIP(Internet Protocol)アドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWを備えてよい。前記システムは、前記第1PGWに対応する第1記憶部を備えてよい。前記システムは、前記第2PGWに対応する第2記憶部を備えてよい。前記第1PGWは、SGW(Serving Gateway)から、PDN(Packet Data Network)へのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部を有してよい。前記第1PGWは、前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル及び前記第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEID(Tunnel Endpoint IDentifier)と、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部を有してよい。前記第1PGWは、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1記憶部に登録する登録部を有してよい。前記システムは、前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部をさらに備えてよい。前記第1PGWは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する第1通信トンネル確立部をさらに有してよい。前記第2PGWは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第1記憶部との間で同期された前記第2記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第2PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する第2通信トンネル確立部を有してよい。
【0004】
前記システムにおいて、前記第1PGWは、第1PGW-C(PGW-Control plane function)及び第1PGW-U(PGW-User plane function)に分離されており、前記第1PGW-Uには、前記第1PGW-Cに割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられてよく、前記第2PGWは、第2PGW-C及び第2PGW-Uに分離されており、前記第2PGW-Cには、前記第1PGW-Cに割り当てられている前記IPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられており、前記第2PGW-Uには、前記第1PGW-Uに割り当てられている前記IPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられてよく、前記第1PGWの前記IPアドレスは、前記第1PGW-Cの前記IPアドレスと、前記第1PGW-Uの前記IPアドレスとを含んでよく、前記第1PGWの通信トンネル及び前記第2PGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記第1PGW-Cの通信トンネル及び前記第2PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGW-Uの通信トンネル及び前記第2PGW-Uの通信トンネルに割り当てられ、且つ、前記第1PGW-Cの通信トンネル及び前記第2PGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含んでよく、SGW-C(SGW-Control plane function)及びSGW-U(SGW-User plane function)に分離されている前記SGWの前記IPアドレスは、前記SGW-CのIPアドレスと、前記SGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記SGW-UのIPアドレスとを含んでよく、前記SGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGW-Uの通信トンネルに割り当てられ、且つ、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含んでよく、前記第1通信トンネル確立部は、前記第1PGW-Cと前記SGW-Cとの間、及び、前記第1PGW-Uと前記SGW-Uとの間にそれぞれ通信トンネルを確立することによって、前記第1PGWと前記SGWとの間に前記通信トンネルを確立してよく、前記第2通信トンネル確立部は、前記第2PGW-Cと前記SGW-Cとの間、及び、前記第2PGW-Uと前記SGW-Uとの間にそれぞれ通信トンネルを確立することによって、前記第2PGWと前記SGWとの間に前記通信トンネルを確立してよい。
【0005】
前記いずれかのシステムは、BGP(Border Gateway Protocol)のベストパス選択アルゴリズムに従って、前記SGWから前記セッション生成要求の送信対象であるPGWまでの経路を選択する選択部と、前記選択部によって選択された経路で、前記第1PGWに前記セッション生成要求を送信する送信部とをさらに備えてよい。
【0006】
前記いずれかのシステムにおいて、前記第1PGWは、第1国の前記ネットワークに配置されており、前記第2PGWは、前記第1国とは異なる第2国の前記ネットワークに配置されてよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、PGWが提供される。前記PGWは、SGWから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部を備えてよい。前記PGWは、前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWのIPアドレスと、前記PGWの通信トンネル、及び、前記PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている他のPGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部を備えてよい。前記PGWは、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記PGWに対応する第1記憶部に登録する登録部を備えてよい。前記PGWは、前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記他のPGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部を備えてよい。前記PGWは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する通信トンネル確立部を備えてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル、及び、前記第1PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGWとの間に通信トンネルが確立されるSGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を記憶する、前記第1PGWに対応する第1記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2PGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部を備えてよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、第1SMF(Session Management Function)を備えてよい。前記システムは、前記第1SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPF(User Plane Function)を備えてよい。前記システムは、前記第1SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている第2SMFを備えてよい。前記システムは、前記第2SMFが配置されている前記ネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFを備えてよい。前記システムは、前記第1UPFに対応する第1記憶部を備えてよい。前記システムは、前記第2UPFに対応する第2記憶部を備えてよい。前記第1SMFは、第3SMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部を有してよい。前記第1SMFは、前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル及び前記第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第3SMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部を有してよい。前記第1SMFは、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1記憶部に登録する登録部を有してよい。前記システムは、前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と前記第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部をさらに備えてよい。前記第1SMFは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる第1通信トンネル確立部をさらに有してよい。前記第2SMFは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第2UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第1記憶部との間で同期された前記第2記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第2UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる第2通信トンネル確立部を有してよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、SMFが提供される。前記SMFは、他のSMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信部を備えてよい。SMF前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記他のSMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部を備えてよい。前記SMFは、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に登録する登録部を備えてよい。前記SMFは、前記登録部によって前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部を備えてよい。前記SMFは、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期部によって前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる通信トンネル確立部を備えてよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記第1UPFが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1UPFとの間に通信トンネルが確立される第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を記憶する、前記第1UPFに対応する第1記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部を備えてよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、PGWによって実行される方法が提供される。前記方法は、SGWから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信段階を備えてよい。前記方法は、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWのIPアドレスと、前記PGWの通信トンネル、及び、前記PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている他のPGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を、前記PGWに対応する第1記憶部に登録する登録段階を備えてよい。前記方法は、前記登録段階で前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記他のPGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階を備えてよい。前記方法は、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記セッション情報同期段階で前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記PGWと前記SGWとの間に通信トンネルを確立する通信トンネル確立段階を備えてよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される方法が提供される。前記方法は、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1PGWのIPアドレスと、前記第1PGWの通信トンネル、及び、前記第1PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1PGWのIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1PGWとの間に通信トンネルが確立されるSGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を、前記第1PGWに対応する第1記憶部に記憶する記憶段階を備えてよい。前記方法は、前記記憶段階で前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2PGWに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階を備えてよい。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、SMFによって実行される方法が提供される。前記方法は、他のSMFから、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を受信する要求受信段階を備えてよい。前記方法は、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記SMFが配置されているネットワークに配置されている第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記SMFが配置されている前記ネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記他のSMFが配置されているネットワークに配置されている第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に登録する登録段階を備えてよい。前記方法は、前記登録段階で前記第1記憶部に登録された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階を備えてよい。前記方法は、前記通信端末のPDNへのセッションを生成すべく、前記第1UPFに、前記セッション情報同期段階で前記第2記憶部との間で同期された前記第1記憶部に記憶されている前記セッション情報に基づいて、前記第1UPFと前記第3UPFとの間に通信トンネルを確立させる通信トンネル確立段階を備えてよい。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される方法が提供される。前記方法は、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のIPアドレスと、第1UPFのIPアドレスと、前記第1UPFの通信トンネル、及び、前記第1UPFが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され、且つ、前記第1UPFに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記第1UPFとの間に通信トンネルが確立される第3UPFのIPアドレスと、前記第3UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む前記通信端末のセッション情報を、前記第1UPFに対応する第1記憶部に記憶する記憶段階を備えてよい。前記方法は、前記記憶段階で前記第1記憶部に記憶された前記セッション情報を、前記第1記憶部と、前記第2UPFに対応する第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期段階を備えてよい。
【0016】
尚、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図3】PGW100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図4】SGW300の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図5】データベース30の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
【
図8】H-SMF420の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】H-UPF440の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図10】V-SMF620の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図11】V-UPF640の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図12】データベース70の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図13】PGW100、SGW300、データベース30、H-SMF420、H-UPF440、V-SMF620、V-UPF640、又はデータベース70として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
Home Routed方式でLTE(Long Term Evolution)通信する場合、VPLMN(Visited Public Land Mobile Network)のSGWとHPLMN(Home Public Land Mobile Network)の特定のPGWとの間にGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネルが確立されることによって、VPLMNのSGWとHPLMNのPGWとの間にセッションが生成される。この場合、たとえ、HPLMNが複数の拠点に構築されていたとしても、VPLMNのSGWと、VPLMNと地理的に近いHPLMNのPGWとの間でセッションが生成されるとは限らない。VPLMNのSGWと、VPLMNと地理的に遠いHPLMNのPGWとの間にセッションが生成され、VPLMNのSGWがVPLMNと地理的に遠いHPLMNのPGWに対して通信端末のGTPパケットを送信することによって、通信端末の通信遅延が発生する恐れがあった。本実施形態に係るシステムでは、例えば、IP Anycastを用いて、地理的に異なる複数のHPLMNのそれぞれのPGWに対して同一のIPアドレスが割り当てられており、当該複数のHPLMNのそれぞれのPGWが同一のセッション情報を保持している。そして、当該複数のHPLMNのそれぞれのPGWが、当該セッション情報に基づいてVPLMNのSGWとの間にGTPトンネルを確立することによって、VPLMNのSGWとの間にセッションを生成する。その後、VPLMNのSGWに対応するルータは、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、VPLMNのSGWから通信端末のGTPパケットの転送対象のHPLMNのPGWまでの経路として、VPLMNのSGWからHPLMNのPGWまでの距離が最短の経路を選択し、選択した経路で当該転送対象のHPLMNのPGWに対して通信端末のGTPパケットを転送する。
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、移動体通信サービスを通信端末60のユーザに提供する。システム10は、例えば、ローミングサービスを通信端末60のユーザに提供する。
【0021】
ローミングサービスは、例えば、国内ローミングサービスを含む。ローミングサービスは、例えば、国際ローミングサービスを含む。
【0022】
通信端末60は、システム10によって提供される移動体通信サービスを利用可能であればどのような通信端末であってもよい。例えば、通信端末60は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びウェアラブル端末等である。
【0023】
システム10によって提供される移動体通信サービスは、例えば、LTE通信サービスである。システム10によって提供される移動体通信サービスは、例えば、5G(5th Generation)通信サービスである。システム10によって提供される移動体通信サービスは、6G(6th Generation)通信サービスであってもよい。システム10によって提供される移動体通信サービスは、3G(3rd Generation)通信サービスであってもよい。
図1では、システム10によって提供される移動体通信サービスがLTE通信サービスである場合の一例が示されている。
【0024】
システム10は、PGW100を備えてよい。システム10は、ルータ22を備えてよい。システム10は、データベース30を備えてよい。システム10は、PGW200を備えてよい。システム10は、ルータ24を備えてよい。システム10は、データベース50を備えてよい。システム10は、SGW300を備えてよい。システム10は、ルータ26を備えてよい。
【0025】
PGW100は、PDN40へのアクセスを中継する機能を有する。PGW100は、例えば、通信端末60のユーザにSIM(Subscriber Identity Module)カードを発行した通信事業者のネットワークであるHPLMNに配置されている。
【0026】
PDN40は、例えば、インターネットを含む。PDN40は、任意のプライベートネットワークを含んでもよい。
【0027】
PGW100は、例えば、第1国のネットワークに配置されている。
図1に示される一例において、PGW100は、ASNが65001である、日本の東京のネットワークに配置されている。
【0028】
例えば、CUPS(Control and User Plane Separation)アーキテクチャがLTE通信システムに導入されている場合、PGW100は、PGW-C120及びPGW-U140に分離されている。PGW100は、PGW-C120及びPGW-U140に分離されていなくてもよい。
【0029】
PGW100には、IPアドレス割り当てられてよい。例えば、PGW100がPGW-C120及びPGW-U140に分離されている場合、PGW-U140には、PGW-C120に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW-C120にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、PGW-U140にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0030】
PGW200は、PDN40へのアクセスを中継する機能を有する。PGW200は、例えば、PGW100と同様の機能を有する。
【0031】
PGW200は、例えば、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者のHPLMNに配置されている。ここでは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)やIMEI(International Mobile Equipment Identity)等のような、通信端末60のユーザを認証するために用いられ、SIMカードに記録されている通信端末60のユーザの加入者情報は、PGW100が配置されているHPLMNとPGW200が配置されているHPLMNとの間で予め同期されているものとして、説明を続ける。
【0032】
PGW200は、例えば、PGW100が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている。PGW200は、例えば、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。
図1に示される一例において、PGW200は、ASNが65002である、シンガポールのネットワークに配置されている。
【0033】
PGW200は、第1国のネットワークに配置されてもよい。例えば、PGW100が日本の東京のネットワークに配置されている場合に、PGW200は、日本の大阪のネットワークに配置されてよい。
【0034】
例えば、CUPSアーキテクチャがLTE通信システムに導入されている場合、PGW200は、PGW-C220及びPGW-U240に分離されている。PGW200は、PGW-C220及びPGW-U240に分離されていなくてもよい。
【0035】
PGW200には、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、PGW200には、IP Anycastを用いて、PGW100に割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている。
【0036】
例えば、PGW200がPGW-C220及びPGW-U240に分離されている場合、PGW-U240には、PGW-C220に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられている。例えば、PGW-C220には、PGW-C120に割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている。例えば、PGW-U240には、PGW-U140に割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW-C220にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、PGW-U240にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0037】
SGW300は、無線アクセスネットワークからのアクセスを中継する機能を有する。SGW300は、例えば、通信端末60のユーザの訪問先の通信事業者のネットワークであるVPLMNに配置されている。通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、通信端末60のユーザの訪問先の通信事業者と予め業務提携をしていてよい。
図1に示される一例において、SGW300は、ASNが65003である、シンガポールの通信事業者Aのネットワークに配置されている。
【0038】
例えば、CUPSアーキテクチャがLTE通信システムに導入されている場合、SGW300は、SGW-C320及びSGW-U340に分離されている。SGW300は、SGW-C320及びSGW-U340に分離されていなくてもよい。
【0039】
SGW300には、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW-U340には、SGW-C320に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられている。
図1に示されるシステム10の一例において、SGW-C320にはサブネットマスク32のIPアドレスC.C.C.Cが割り当てられており、SGW-U340にはサブネットマスク32のD.D.D.Dが割り当てられている。
【0040】
ルータ22は、データを中継する機能を有する。ルータ22は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ22は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0041】
ルータ22は、例えば、PGW100が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ22は、PGW100から分離されていてもよく、PGW100と一体であってもよい。
【0042】
ルータ24は、データを中継する機能を有する。ルータ24は、ルータ22と同様の機能を有する。
【0043】
ルータ24は、例えば、PGW200が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ24は、PGW200から分離されていてもよく、PGW200と一体であってもよい。
【0044】
ルータ26は、データを中継する機能を有する。ルータ26は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ26は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0045】
ルータ26は、例えば、SGW300が配置されているVPLMNに配置されている。ルータ26は、SGW300から分離されていてもよく、SGW300と一体であってもよい。
【0046】
例えば、組織間の経路情報が、BGPに従って、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で交換される。例えば、経路情報が変更されたことに応じて、経路情報が、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で交換される。経路情報が、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で定期的に交換されてもよい。
【0047】
経路情報は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNを含む。経路情報は、例えば、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスを含む。経路情報は、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスのサブネットマスクを含んでもよい。サブネットマスクは、例えば、プレフィックス表記で表現される。
【0048】
ルータ22は、例えば、ルータ26に向けて経路情報を広報する。ルータ22は、HPLMNとVPLMNとの間を中継するIPX(IP eXchange)に向けて経路情報を広報してもよい。ルータ24は、ルータ22と同様にして、経路情報を広報してよい。
【0049】
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ22は、ASN=65001、PGW-C120のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、PGW-U140のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。また、
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ24は、ASN=65002、PGW-C220のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、PGW-U240のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。
【0050】
ルータ26は、例えば、ルータ22及びルータ24に向けて経路情報を広報する。ルータ22は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ26は、ASN=65003、SGW-C320のIPアドレス=C.C.C.C/32、及び、SGW-U340のIPアドレス=D.D.D.D/32を広報する。
【0051】
ルータ26は、例えば、ルートテーブルを生成する。ルータ26は、例えば、ルータ22及びルータ24のそれぞれによって広報された経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。ルータ26は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNと、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスとを対応付けることによって、ルートテーブルを生成する。
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ26は、ASN=65001且つPGW-C120のIPアドレス=A.A.A.A/32、ASN=65001且つPGW-U140のIPアドレス=B.B.B.B/32、ASN=65002且つPGW-C220のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、ASN=65002且つPGW-U240のIPアドレス=B.B.B.B/32を含むルートテーブルを生成している。
【0052】
SGW300は、例えば、SGW300が配置されているVPLMNを訪問したユーザの通信端末60の、PDN40へのセッションの生成を要求するセッション生成要求を受信する。セッション生成要求は、例えば、通信端末60のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、通信端末60のIMSIを含む。セッション生成要求は、例えば、SGW300のIPアドレスを含む。例えば、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW300のIPアドレスは、SGW-C320のIPアドレスと、SGW-U340のIPアドレスとを含む。セッション生成要求は、例えば、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。例えば、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、SGW-C320の通信トンネルに割り当てられるTEIDと、SGW-U340の通信トンネルに割り当てられ、且つ、SGW-C320の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDとを含む。SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されていない場合、SGW300のU-Plane(User-Plane)機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、SGW300のC-Plane(Control-Plane)機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDと同一であってもよく、異なっていてもよい。セッション生成要求は、例えば、PGW100のIPアドレスを含む。例えば、PGW100がPGW-C120及びPGW-U140に分離されている場合、PGW100のIPアドレスは、PGW-C120のIPアドレスと、PGW-U140のIPアドレスとを含む。セッション生成要求は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0053】
SGW300は、受信した通信端末60のセッション生成要求をルータ26に送信してよい。ルータ26は、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択してよい。ルータ26は、例えば、ルータ26から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWに対応するルータに到達する経路を選択することによって、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。
【0054】
例えば、ルータ26は、通信端末60のセッション生成要求に含まれるPGW100のIPアドレスに基づいて、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。ルータ26は、例えば、PGW100のIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられているHPLMNのPGWが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300からPGW100のIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている複数のHPLMNのPGWのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。ルータ26は、例えば、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300からの距離が最も短い経路を選択する。
【0055】
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300が、PGW100及びPGW200の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能である場合、ルータ26からネットワーク20を介してルータ24に到達する経路の距離がルータ26からネットワーク20を介してルータ22に到達する経路の距離より短いので、ルータ26は、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、ルータ26からネットワーク20を介してルータ24に到達する経路を選択する。一方で、
図1に示されるシステム10の一例において、PGW200に故障が発生した場合やPGW200がメンテナンス中である場合等のような、SGW300がPGW100に対してのみ通信端末60のセッション生成要求を送信可能である場合、ルータ26は、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、ルータ26からネットワーク20を介してルータ22に到達する経路を選択する。ここでは、ルータ26が、ルータ26からネットワーク20を介してルータ24に到達する経路を選択したものとして、説明を続ける。
【0056】
ルータ26は、ネットワーク20を介してルータ24にセッション生成要求を送信してよい。ルータ24は、受信したセッション生成要求をPGW200に送信してよい。PGW200は、第1PGWの一例であってよい。
【0057】
PGW200は、SGW300からセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。セッション情報は、例えば、通信端末60のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、通信端末60のIMSIを含む。セッション情報は、例えば、PGW200のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、PGW200の通信トンネル及びPGW100の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。例えば、PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、PGW200の通信トンネル及びPGW100の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、PGW-C220の通信トンネル及びPGW-C120の通信トンネルに割り当てられるTEIDと、PGW-U240の通信トンネル及びPGW-U140の通信トンネルに割り当てられ、且つ、PGW-C220の通信トンネル及びPGW-C120の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDとを含む。PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されていない場合、PGW200のU-Plane機能の通信トンネル及びPGW100のU-Plane機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、PGW200のC-Plane機能の通信トンネル及びPGW100のC-Plane機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDと同一であってもよく、異なっていてもよい。セッション情報は、例えば、SGW300のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0058】
PGW200は、生成した通信端末60のセッション情報を、PGW200に対応するデータベース50に登録してよい。PGW200は、例えば、データベース50のIPアドレスを予め格納してよい。
【0059】
データベース50は、例えば、通信端末60のセッション情報を一時的に格納するメッセージキューを含む。データベース50は、第1記憶部の一例であってよい。
【0060】
データベース50は、PGW200から分離されていてもよい。データベース50は、PGW200と一体であってもよい。
【0061】
データベース50は、通信端末60のセッション情報を、データベース50と、PGW100に対応するデータベース30との間で同期させてよい。PGW100は、第2PGWの一例であってよい。データベース50は、セッション情報同期部の一例であってよい。データベース30は、第2記憶部の一例であってよい。
【0062】
データベース50は、例えば、Pub/Sub(Publish/Subscribe)方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース50とデータベース30との間で同期させる。この場合、データベース50がパブリッシャーであってもよく、データベース30がサブスクライバーであってよい。
【0063】
例えば、データベース50は、通信端末60のセッション情報を含むメッセージをトピックに送信する。データベース30は、データベース50によってメッセージが送信されたトピックに対応するサブスクリプションからメッセージを受信することによって、通信端末60のセッション情報を取得する。これにより、通信端末60のセッション情報がデータベース50とデータベース30との間で同期される。
【0064】
データベース50は、通信端末60のセッション情報をデータベース50とデータベース30との間で同期させたことに応じて、データベース50とデータベース30との間で同期された通信端末60のセッション情報を含むセッション情報通知をPGW200に通知してよい。データベース50は、PGW200のIPアドレスを予め格納してよい。
【0065】
データベース30は、通信端末60のセッション情報がデータベース50によってデータベース30とデータベース50との間で同期されたことに応じて、セッション情報通知をPGW100に通知してよい。よって、PGW200がパブリッシャーであってもよく、PGW100がサブスクライバーであってもよい。データベース30は、PGW100のIPアドレスを予め格納してよい。
【0066】
PGW200は、データベース50からセッション情報通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW200とSGW300との間に通信トンネルを確立してよい。PGW200は、例えば、セッション情報通知に含まれる、データベース50とデータベース30との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW200とSGW300との間に通信トンネルを確立する。
【0067】
PGW100は、データベース30からセッション情報通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立してよい。PGW100は、例えば、セッション情報通知に含まれる、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。
【0068】
PGW200は、PGW200とSGW300との間に通信トンネルが確立されたことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信してよい。PGW200が通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信することによって、SGW300及びPGW200を介した通信端末60のPDN40へのセッションが生成される。
【0069】
セッション生成応答は、例えば、PGW200のIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、PGW200の通信トンネル及びPGW100の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成応答は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0070】
PGW100は、PGW100とSGW300との間に通信トンネルが確立されたことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信してよい。PGW100が通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信することによって、SGW300及びPGW100を介した通信端末60のPDN40へのセッションが生成される。
【0071】
SGW300は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを受信する。SGW300は、受信した通信端末60のアップリンクデータをルータ26に送信してよい。
【0072】
ルータ26は、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。ルータ26は、例えば、SGW300との間にセッションが生成されているHPLMNのPGWの中から、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。ルータ26は、例えば、SGW300との間にセッションが生成されているHPLMNのPGWが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300との間にセッションが生成されている複数のHPLMNのPGWのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。ルータ26は、例えば、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300からの距離が最も短い経路を選択する。
【0073】
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300が、PGW100及びPGW200の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能である場合、ルータ26は、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、ルータ26からネットワーク20を介してルータ24に到達する経路を選択する。この場合、ルータ26は、ネットワーク20を介して通信端末60のアップリンクデータをルータ24に送信する。ルータ24は、受信した通信端末60のアップリンクデータをPGW200に送信する。PGW200は、受信した通信端末60のアップリンクデータをPDN40に送信する。
【0074】
一方で、
図1に示されるシステム10の一例において、PGW200に故障が発生した場合やPGW200がメンテナンス中である場合等のような、SGW300が、PGW100に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能である場合、ルータ26は、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、ルータ26からネットワーク20を介してルータ22に到達する経路を選択する。この場合、ルータ26は、ネットワーク20を介して通信端末60のアップリンクデータをルータ22に送信する。ルータ22は、受信した通信端末60のアップリンクデータをPGW100に送信する。PGW100は、受信した通信端末60のアップリンクデータをPDN40に送信する。
【0075】
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のアップリンクデータがSGW300及びPGW200を介してPDN40に送信される場合、通信端末60のアップリンクデータは、国内ローミングによってPDN40に送信される。一方で、
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のアップリンクデータがSGW300及びPGW100を介してPDN40に送信される場合、通信端末60のアップリンクデータは、国際ローミングによってPDN40に送信される。
【0076】
データベース30は、データベース50と同様の機能を有してよい。例えば、PGW100が通信端末60のセッション情報をデータベース30に登録した場合、データベース30は、データベース50と同様にして、通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させる。
【0077】
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、3以上の拠点にHPLMNを構築してもよい。この場合、同一のIPアドレスが、3以上の拠点の各拠点のPGWに対して割り当てられてよい。
【0078】
従来、ローミングサービスを提供する通信事業者によって複数の拠点に構築されているHPLMNのそれぞれのPGWに対して、IP Unicastを用いて、異なるIPアドレスが割り当てられていた。したがって、VPLMNのSGWとHPLMNのPGWとの間にセッションが生成される場合において、VPLMNのSGWに対応するMME(Mobility Management Entity)は、IPアドレスが異なる複数のHPLMNのそれぞれのPGWから一のPGWを選択しなければならなかった。その結果、VPLMNのSGWに対応するMMEが、VPLMNのSGWからの距離が遠いHPLMNのPGWを選択し、VPLMNのSGWと選択されたHPLMNのPGWとの間にセッションが生成された場合に、通信端末の通信遅延が発生する恐れがあった。特に、第1国のHPLMNのPGW及び第1国とは異なる第2国のHPLMNのPGWが存在する状況下において、第2国のVPLMNのSGWに対応するMMEが第1国のHPLMNのPGWを選択した場合、VPLMNのSGWが第2国のHPLMNのPGWを選択した場合には不必要な国際通信が必要となるので、VPLMNのSGWに対応するMMEが第2国のHPLMNのPGWを選択した場合と比較して、通信端末の通信遅延が発生する恐れがより一層高まる。
【0079】
通信遅延の発生を回避すべく、複数のHPLMNのそれぞれのPGWに対して、IP Anycastを用いて、同一のIPアドレスを割り当てることが想定される。しかしながら、複数のHPLMNのそれぞれのPGWに対して同一のIPアドレスを単に割り当てただけでは、VPLMNのSGWから通信端末のセッション生成要求を受信していないHPLMNのPGWが通信端末のセッション情報を取得できないので、VPLMNのSGWと、通信端末のセッション生成要求を受信していないHPLMNのPGWとの間にセッションを生成できない。
【0080】
これに対して、
図1に示されるシステム10によれば、SGW300から通信端末60のセッション生成要求を受信し、通信端末60のセッション情報を生成したHPLMNのPGWは、生成した通信端末60のセッション情報を当該PGWに対応するデータベースに登録する。その後、当該データベースに登録された通信端末60のセッション情報が、当該データベースと、当該PGWと同一のIPアドレスが割り当てられたHPLMNのPGWに対応するデータベースとの間で同期される。これにより、SGW300から通信端末60のセッション生成要求を受信したHPLMNのPGWと同一のIPアドレスが割り当てられたHPLMNのPGWが、SGW300から通信端末60のセッション生成要求を受信することなく、通信端末60のセッション情報を取得できるので、
図1に示されるシステム10は、LTE通信において、SGW300と、同一のIPアドレスが割り当てられた複数のHPLMNのそれぞれのPGWとの間にセッションを生成できる。そして、ルータ26は、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300との間にセッションが生成されている複数のHPLMNのPGWのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。これにより、ルータ26が、SGW300からの距離が近い経路を優先的に選択できるので、
図1に示されるシステム10は、LTE通信において、通信端末60の通信遅延の発生を抑制できる。加えて、SGW300と、同一のIPアドレスが割り当てられた複数のHPLMNのそれぞれのPGWとの間にセッションが生成されることによって、仮に、当該複数のHPLMNのそれぞれのPGWのうちの一のPGWに故障が発生した場合や当該一のPGWがメンテナンス中である場合等であっても、ルータ26は、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、SGW300から当該一のPGWまでの経路とは異なる経路を選択できる。これにより、
図1に示されるシステム10は、LTE通信において、複数のHPLMNのそれぞれのPGWに対して異なるIPアドレスが割り当てられるシステムと比較して、より通信の冗長性が高い移動体通信サービスを提供できる。
【0081】
図2は、システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザが、SGW300が配置されているVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0082】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、SGW-C320は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。SGW-C320は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、SGW300に対応するMMEから受信した通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、ルータ26が、
図1に示されるSGW300から拠点1のPGW100までの経路を選択し、SGW-C320がPGW-C120宛に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして説明を続ける。
【0083】
PGW-C120は、SGW-C320から通信端末60のセッション生成要求を受信する。PGW-C120は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0084】
S104において、PGW-C120は、生成した通信端末60のセッション情報を、PGW100に対応するデータベース30に登録する。S106において、データベース30は、S104でPGW-C120によって登録された通信端末60のセッション情報を、データベース30と、
図1に示される拠点2のHPLMNのPGW200に対応するデータベース50との間で同期させる。
【0085】
データベース30は、通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させたことに応じて、通信端末60のセッション情報の同期が完了したことを通知する同期完了通知をPGW-C120に通知してよい。同期完了通知は、例えば、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報を含む。データベース50は、通信端末60のセッション情報がデータベース30によってデータベース50とデータベース30との間で同期されたことに応じて、同期完了通知をPGW-C220に通知してよい。
【0086】
S108において、データベース30は、S106で通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させたことに応じて、セッション情報通知をPGW-U140に通知する。PGW-C120は、データベース30から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW-U140に、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立させてよい。PGW-C120は、例えば、SGW-U340との間に通信トンネルを確立することを要求する通信トンネル確立要求をPGW-U140に送信することによって、PGW-U140に、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立させてよい。
【0087】
PGW-U140は、PGW-C120から通信トンネル確立要求を受信したことに応じて、データベース30から通知されたセッション情報通知に含まれる、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立してよい。PGW-U140は、例えば、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立すべく、通信端末60のアップリンクデータを処理するための設定処理を実行する。PGW-U140は、例えば、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立すべく、通信端末60のダウンリンクデータを処理するための設定処理を実行する。PGW-U140は、PGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をPGW-C120に送信してよい。
【0088】
PGW-C120は、データベース30から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW-C120とSGW-C320との間に通信トンネルを確立してもよい。PGW-C120は、データベース30から通知された同期完了通知に含まれる、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW-C120とSGW-C320との間に通信トンネルを確立する。
【0089】
S110において、データベース50は、S106で通信端末60のセッション情報がデータベース30によってデータベース50とデータベース30との間で同期されたことに応じて、セッション情報通知をPGW-U240に通知する。PGW-C220は、データベース50から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW-U240に、PGW-U240とSGW-U340との間に通信トンネルを確立させてよい。PGW-C220は、例えば、通信トンネル確立要求をPGW-U240に送信することによって、PGW-U240に、PGW-U240とSGW-U340との間に通信トンネルを確立させてよい。
【0090】
PGW-U240は、PGW-C220から通信トンネル確立要求を受信したことに応じて、データベース50から通知されたセッション情報通知に含まれる、データベース50とデータベース30との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW-U240とSGW-U340との間に通信トンネルを確立してよい。PGW-U240は、PGW-U140がPGW-U140とSGW-U340との間に通信トンネルを確立する場合と同様にして、PGW-U240とSGW-U340との間に通信トンネルを確立してよい。PGW-U240は、PGW-U240とSGW-U340との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をPGW-C220に送信してよい。
【0091】
PGW-C220は、データベース50から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW-C220とSGW-C320との間に通信トンネルを確立してもよい。PGW-C220は、例えば、データベース50から通知された同期完了通知に含まれる、データベース50とデータベース30との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW-C220とSGW-C320との間に通信トンネルを確立する。
【0092】
S112において、PGW-C120は、通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。PGW-C120は、例えば、PGW-U140から通信トンネル確立応答を受信したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。PGW-C120は、例えば、PGW-U140から通信トンネル確立応答を受信し、且つ、PGW-C120とSGW-C320との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。
【0093】
PGW-C220は、通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。PGW-C220は、PGW-C120と同様にして、通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信してよい。
【0094】
S114において、ルータ26が、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、
図1に示されるSGW300から拠点1のPGW100までの経路を選択した場合に、SGW-U340は、通信端末60のアップリンクデータをPGW-U140宛に送信する。S116において、ルータ26が、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路として、
図1に示されるSGW300から拠点2のPGW200までの経路を選択した場合に、SGW-U340は、通信端末60のアップリンクデータをPGW-U240宛に送信する。
【0095】
図3は、PGW100の機能構成の一例を概略的に示す。PGW100は、要求受信部102、セッション情報生成部104、登録部106、セッション情報同期部108、通知受信部110、及び、通信トンネル確立部112を備える。尚、PGW100がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0096】
要求受信部102は、SGW300から、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部102は、例えば、SGW300からネットワーク20及びルータ22を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0097】
要求受信部102は、例えば、PGW100が配置されている国に配置されているSGW300から、通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部102は、例えば、PGW100が配置されている国とは異なる国に配置されているSGW300から、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0098】
セッション情報生成部104は、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部104は、例えば、要求受信部102が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部104は、例えば、通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成する。
【0099】
登録部106は、セッション情報生成部104によって生成された通信端末60のセッション情報を、PGW100に対応するデータベース30に登録する。登録部106は、例えば、通信端末60のセッション情報を、PGW100が配置されているネットワークに配置されているデータベース30に登録する。登録部106は、通信端末60のセッション情報を、PGW100が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されているデータベース30に登録してもよい。
【0100】
セッション情報同期部108は、登録部106によってデータベース30に登録された通信端末60のセッション情報を、データベース30と、PGW200に対応するデータベース50との間で同期させる。セッション情報同期部108は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させる。セッション情報同期部108は、その他の任意の方式で通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させてもよい。セッション情報同期部108は、通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させたことに応じて、同期完了通知をPGW200に通知してもよい。
【0101】
通知受信部110は、通知を受信する。通知受信部110は、例えば、ネットワーク20及びルータ22を介して通知を受信する。通知受信部110は、PDN40を介して通知を受信してもよい。
【0102】
通知受信部110は、例えば、データベース30から通知を受信する。通知受信部110は、例えば、データベース50から通知を受信する。通知受信部110は、PGW200から通知を受信してもよい。
【0103】
通知受信部110は、例えば、同期完了通知を受信する。通知受信部110は、例えば、セッション情報通知を受信する。
【0104】
通信トンネル確立部112は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、例えば、セッション情報同期部108が通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させたことに応じて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、通知受信部110が同期完了通知を受信したことに応じて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0105】
例えば、PGW100がPGW-C120及びPGW-U140に分離されており、且つ、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、通信トンネル確立部112は、PGW-C120とSGW-C320との間、及び、PGW-U140とSGW-C320との間でそれぞれ通信トンネルを確立することによって、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。
【0106】
通信トンネル確立部112は、例えば、PGW100とSGW300との間にGTPトンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、PGW100とSGW300との間にその他の任意の通信トンネルを確立してもよい。
【0107】
通信トンネル確立部112は、例えば、データベース50との間で同期されたデータベース30に記憶されている通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、例えば、セッション情報同期部108によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、例えば、PGW200によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、例えば、データベース30によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、データベース50によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0108】
通信トンネル確立部112は、例えば、通知受信部110が受信したセッション情報通知に含まれる、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、例えば、通知受信部110が受信した同期完了通知に含まれる、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部112は、データベース30にアクセスすることによって取得した、データベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0109】
通信トンネル確立部112は、PGW100とSGW300との間に通信トンネルを確立したことに応じて、SGW300に対して通信端末60のセッション生成応答を送信してよい。通信トンネル確立部112は、例えば、ネットワーク20及びルータ22を介して、SGW300に対して通信端末60のセッション生成応答を送信する。
【0110】
通信トンネル確立部112は、PGW100とSGW300との間の通信トンネルのQoS(Quality of Service)を設定してもよい。通信トンネル確立部112は、例えば、PGW100に対応するPCRF(Policy and Charging Rules Function)から、PGW100とSGW300との間の通信トンネルのQoSを設定するQoS設定情報を受信することによって、PGW100とSGW300との間の通信トンネルのQoSを設定する。
【0111】
図4は、SGW300の機能構成の一例を概略的に示す。SGW300は、格納部302、受信部304、生成部305、選択部306、及び、送信部308を備える。尚、SGW300がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0112】
格納部302は、各種情報を格納する。格納部302は、例えば、ルートテーブルを格納する。
【0113】
ルートテーブルは、例えば、SGW300とPGW100との間の経路情報を含む。ルートテーブルは、例えば、SGW300とPGW200との間の経路情報を含む。
【0114】
受信部304は、各種情報を受信する。受信部304は、例えば、ネットワーク20及びルータ26を介して各種情報を受信する。受信部304は、無線アクセスネットワークを介して各種情報を受信してもよい。受信部304は、受信した各種情報を格納部302に格納してよい。
【0115】
受信部304は、例えば、ルータ22によって広報された経路情報を受信する。受信部304は、例えば、ルータ24によって広報された経路情報を受信する。受信部304は、IPXによって広報された経路情報を受信してもよい。
【0116】
受信部304は、例えば、SGW300とPGW100との間の経路情報を受信する。受信部304は、例えば、SGW300とPGW200との間の経路情報を受信する。
【0117】
生成部305は、ルートテーブルを生成する。生成部305は、例えば、受信部304が受信した経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。生成部305は、生成したルートテーブルを格納部302に格納してよい。
【0118】
受信部304は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を受信する。受信部304は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、SGW300に対応するMMEから、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0119】
選択部306は、経路を選択する。選択部306は、例えば、格納部302に格納されているルートテーブルに基づいて、経路を選択する。選択部306は、例えば、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択する。選択部306は、その他の任意のパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択してもよい。
【0120】
選択部306は、例えば、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。選択部306は、例えば、SGW300から、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のHPLMNのPGWのそれぞれまでの経路の中から、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。選択部306は、例えば、受信部304が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、SGW300から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。
【0121】
送信部308は、各種情報を送信する。送信部308は、例えば、ルータ26に各種情報を送信する。送信部308は、例えば、ルータ26に通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0122】
送信部308は、HPLMNのPGWに各種情報を送信する。送信部308は、例えば、選択部306によって選択された経路で、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたHPLMNのPGWに、通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0123】
受信部304は、例えば、HPLMNのPGWから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。受信部304は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のHPLMNのそれぞれのPGWから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0124】
受信部304は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを受信する。送信部308は、例えば、ルータ26に通信端末60のアップリンクデータを送信する。
【0125】
選択部306は、例えば、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。選択部306は、例えば、SGW300から、SGW300との間にセッションが生成されている複数のHPLMNのPGWのそれぞれまでの経路の中から、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。選択部306は、例えば、受信部304が通信端末60からeNodeBを介して通信端末60のアップリンクデータを受信したことに応じて、SGW300から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWまでの経路を選択する。送信部308は、選択部306によって選択された経路で、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるHPLMNのPGWに通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0126】
尚、SGW300は、格納部302にルートテーブルを格納せず、生成部305及び選択部306を備えていなくてもよい。この場合、ルータ26がルートテーブルを格納し、生成部305及び選択部306を備えてよい。
【0127】
図5は、データベース30の機能構成の一例を概略的に示す。データベース30は、記憶部32、セッション情報同期部34、及び、通知送信部36を備える。尚、データベース30がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0128】
記憶部32は、通信端末60のセッション情報を記憶する。記憶部32は、例えば、PGW100によって登録された通信端末60のセッション情報を記憶する。
【0129】
セッション情報同期部34は、記憶部32に記憶された通信端末60のセッション情報を、PGW100に対応するデータベース30と、PGW200の対応するデータベース50との間で同期させる。セッション情報同期部34は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、記憶部32に記憶された通信端末60のセッション情報をデータベース30とデータベース50との間で同期させる。
【0130】
通知送信部36は、通知を送信する。通知送信部36は、例えば、PGW100に通知を送信する。通知送信部36は、PGW200に通知を送信してもよい。
【0131】
通知送信部36は、例えば、セッション情報通知を送信する。通知送信部36は、同期完了通知を送信してもよい。
【0132】
記憶部32は、PGW100によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。記憶部32は、PGW200によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。記憶部32は、データベース50によってデータベース30とデータベース50との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。
【0133】
図6は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図1のシステム10と異なる部分を主に説明する。
【0134】
図6では、システム10によって提供される移動体通信サービスが5G通信サービスである場合の一例が示されている。システム10は、H-SMF(Home-Session Management Function)420を備えてよい。システム10は、H-UPF(Home-User Plane Function)440を備えてよい。システム10は、ルータ23を備えてよい。システム10は、データベース70を備えてよい。システム10は、H-SMF520を備えてよい。システム10は、H-UPF540を備えてよい。システム10は、ルータ25を備えてよい。システム10は、データベース90を備えてよい。システム10は、V-SMF(Visited-Session Management Function)620を備えてよい。システム10は、V-UPF(Visited-User Plane Function)640を備えてよい。システム10は、ルータ27を備えてよい。
【0135】
H-SMF420は、セッションを管理する機能を有する。H-UPF440は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。通信端末60のデータは、例えば、通信端末60のアップリンクデータを含む。通信端末60のデータは、例えば、通信端末60のダウンリンクデータを含む。
【0136】
H-UPF440は、例えば、H-SMF420が配置されているネットワークに配置されている。H-SMF420及びH-UPF440は、例えば、第1国のネットワークに配置されている。
図6に示される一例において、H-SMF420及びH-UPF440は、ASNが65001である、日本の東京のネットワークに配置されている。
【0137】
H-SMF420及びH-UPF440のそれぞれには、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、H-UPF440には、H-SMF420に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図6に示されるシステム10の一例において、H-SMF420にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、H-UPF440にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0138】
H-SMF520は、セッションを管理する機能を有する。H-SMF520は、H-SMF420と同様の機能を有してよい。
【0139】
H-UPF540は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。H-UPF540は、H-UPF440と同様の機能を有してよい。
【0140】
H-SMF520は、例えば、H-SMF420が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている。H-UPF540は、例えば、H-SMF520が配置されているネットワークに配置されている。ここでは、通信端末60のユーザの加入者情報は、H-SMF420及びH-UPF440が配置されているHPLMNと、H-SMF520及びH-UPF540が配置されているHPLMNとの間で予め同期されているものとして、説明を続ける。
【0141】
H-SMF520及びH-UPF540は、例えば、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。H-SMF520及びH-UPF540は、第1国のネットワークに配置されてもよい。
図6に示される一例において、H-SMF520及びH-UPF540は、ASNが65002である、シンガポールのネットワークに配置されている。
【0142】
H-SMF520及びH-UPF540のそれぞれには、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、H-SMF520には、IP Anycastを用いて、H-SMF420に割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている。例えば、H-UPF540には、IP Anycastを用いて、H-UPF540に割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている。
図6に示されるシステム10の一例において、H-SMF520にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、H-UPF540にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0143】
V-SMF620は、セッションを管理する機能を有する。V-UPF640は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。V-UPF640は、例えば、V-SMF620が配置されているネットワークに配置されている。
図6に示される一例において、V-SMF620及びV-UPF640は、ASNが65003である、シンガポールの通信事業者Aのネットワークに配置されている。
【0144】
V-SMF620及びV-UPF640のそれぞれには、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、V-UPF640には、V-SMF620に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図6に示されるシステム10の一例において、V-SMF620にはサブネットマスク32のIPアドレスC.C.C.Cが割り当てられており、V-UPF640にはサブネットマスク32のD.D.D.Dが割り当てられている。
【0145】
ルータ23は、データを中継する機能を有する。ルータ23は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ23は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0146】
ルータ23は、例えば、H-SMF420及びH-UPF440が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ23は、H-SMF420及びH-UPF440から分離されていてもよい。ルータ23は、H-SMF420と一体であってもよい。ルータ23は、H-UPF440と一体であってもよい。
【0147】
ルータ25は、データを中継する機能を有する。ルータ25は、ルータ23と同様の機能を有する。
【0148】
ルータ25は、例えば、H-SMF520及びH-UPF540が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ25は、H-SMF520及びH-UPF540から分離されていてもよい。ルータ25は、H-SMF520と一体であってもよい。ルータ25は、H-UPF540と一体であってもよい。
【0149】
ルータ27は、データを中継する機能を有する。ルータ27は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ27は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0150】
ルータ27は、例えば、V-SMF620及びV-UPF640が配置されているVPLMNに配置されている。ルータ27は、V-SMF620及びV-UPF640から分離されていてもよい。ルータ27は、V-SMF620と一体であってもよい。ルータ27は、V-UPF640と一体であってもよい。
【0151】
例えば、組織間の経路情報が、BGPに従って、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で交換される。例えば、経路情報が変更されたことに応じて、経路情報が、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で交換される。経路情報が、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で定期的に交換されてもよい。
【0152】
ルータ23は、例えば、ルータ27に向けて経路情報を広報する。ルータ23は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。ルータ25は、ルータ23と同様にして、経路情報を広報してよい。
【0153】
図6に示されるシステム10の一例において、ルータ23は、ASN=65001、H-SMF420のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、H-UPF440のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。また、
図6に示されるシステム10の一例において、ルータ25は、ASN=65002、H-SMF520のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、H-UPF540のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。
【0154】
ルータ27は、例えば、ルータ23及びルータ25に向けて経路情報を広報する。ルータ27は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。
図6に示されるシステム10の一例において、ルータ27は、ASN=65003、V-SMF620のIPアドレス=C.C.C.C/32、及び、V-UPF640のIPアドレス=D.D.D.D/32を広報する。
【0155】
ルータ27は、例えば、ルートテーブルを生成する。ルータ27は、例えば、ルータ23及びルータ25のそれぞれによって広報され経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。ルータ27は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNと、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスとを対応付けることによって、ルートテーブルを生成する。
図6に示されるシステム10の一例において、ルータ27は、ASN=65001且つH-SMF420のIPアドレス=A.A.A.A/32、ASN=65001且つH-UPF440のIPアドレス=B.B.B.B/32、ASN=65002且つH-SMF520のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、ASN=65002且つH-UPF540のIPアドレス=B.B.B.B/32を含むルートテーブルを生成している。
【0156】
V-SMF620は、例えば、V-SMF620及びV-UPF640が配置されているVPLMNを訪問したユーザの通信端末60の、PDN40へのセッションの生成を要求するセッション生成要求を受信する。V-SMF620は、第3SMFの一例であってよい。V-UPF640は、第3UPFの一例であってよい。
【0157】
セッション生成要求は、例えば、V-SMF620のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、V-UPF640のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成要求は、例えば、V-UPF640の通信トンネルに割り当てられ、且つ、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDを含む。セッション生成要求は、例えば、H-SMF420のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、H-UPF440のIPアドレスを含む。
【0158】
V-SMF620は、受信した通信端末60のセッション生成要求をルータ27に送信してよい。ルータ27は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択してよい。ルータ27は、例えば、ルータ27から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFに対応するルータに到達する経路を選択することによって、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択する。
【0159】
例えば、ルータ27は、通信端末60のセッション生成要求に含まれるH-SMF420のIPアドレスに基づいて、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択する。ルータ27は、例えば、H-SMF420のIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられているH-SMFが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路として、V-SMF620からH-SMF420のIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている複数のH-SMFのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。ルータ27は、例えば、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路として、V-SMF620からの距離が最も短い経路を選択する。
【0160】
図6に示されるシステム10の一例において、V-SMF620が、H-SMF420及びH-SMF520の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能である場合、ルータ27からネットワーク20を介してルータ25に到達する経路の距離がルータ27からネットワーク20を介してルータ23に到達する経路の距離より短いので、ルータ27は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路として、ルータ27からネットワーク20を介してルータ25に到達する経路を選択する。一方で、
図6に示されるシステム10の一例において、H-SMF520に故障が発生した場合やH-SMF520がメンテナンス中である場合等のような、V-SMF620がH-SMF420に対してのみ通信端末60のセッション生成要求を送信可能である場合、ルータ27は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路として、ルータ27からネットワーク20を介してルータ23に到達する経路を選択する。ここでは、ルータ27が、ルータ27からネットワーク20を介してルータ25に到達する経路を選択したものとして、説明を続ける。
【0161】
ルータ27は、ネットワーク20を介してルータ25にセッション生成要求を送信してよい。ルータ25は、受信したセッション生成要求をH-SMF520に送信してよい。H-SMF520は、第1SMFの一例であってよい。H-UPF540は、第1UPFの一例であってよい。
【0162】
H-SMF520は、V-SMF620からセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。セッション情報は、例えば、H-SMF520のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、H-UPF540のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、H-SMF520の通信トンネル及びH-SMF420の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、H-UPF540の通信トンネル及びH-UPF440の通信トンネルに割り当てられ、且つ、H-SMF520の通信トンネル及びH-SMF420の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、V-SMF620のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、V-UPF640のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、V-UPF640の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。
【0163】
H-SMF520は、生成した通信端末60のセッション情報を、H-SMF520に対応するデータベース90に登録してよい。H-SMF520は、例えば、データベース90のIPアドレスを予め格納してよい。
【0164】
データベース90は、例えば、通信端末60のセッション情報を一時的に格納するメッセージキューを含む。データベース90は、第1記憶部の一例であってよい。
【0165】
データベース90は、H-SMF520から分離されていてもよい。データベース90は、H-SMF520と一体であってもよい。
【0166】
データベース90は、通信端末60のセッション情報を、データベース90と、H-SMF420に対応するデータベース70との間で同期させてよい。H-SMF420は、第2SMFの一例であってよい。H-UPF440は、第2UPFの一例であってよい。データベース90は、セッション情報同期部の一例であってよい。データベース70は、第2記憶部の一例であってよい。
【0167】
データベース90は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース90とデータベース70との間で同期させる。この場合、データベース90がパブリッシャーであってよく、データベース70がサブスクライバーであってよい。
【0168】
データベース90は、通信端末60のセッション情報をデータベース90とデータベース70との間で同期させたことに応じて、通信端末60のセッション情報の同期が完了したことを通知する同期完了通知をH-SMF520に通知してよい。同期完了通知は、例えば、データベース90とデータベース70との間で同期された通信端末60のセッション情報を含む。データベース90は、H-SMF520のIPアドレスを予め格納してよい。
【0169】
データベース90は、通信端末60のセッション情報をデータベース90とデータベース70との間で同期させたことに応じて、データベース90とデータベース70との間で同期された通信端末60のセッション情報を含むセッション情報通知をH-UPF540に通知してよい。データベース90は、H-UPF540のIPアドレスを予め格納してよい。
【0170】
データベース70は、通信端末60のセッション情報がデータベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期されたことに応じて、同期完了通知をH-SMF420に通知してよい。データベース70は、H-SMF420のIPアドレスを予め格納してよい。
【0171】
データベース70は、通信端末60のセッション情報がデータベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期されたことに応じて、セッション情報通知をH-UPF440に通知してよい。よって、H-SMF520がパブリッシャーであってもよく、H-UPF440がサブスクライバーであってもよい。データベース70は、H-UPF440のIPアドレスを予め格納してよい。
【0172】
H-SMF520は、データベース90から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF540に、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。H-SMF520は、例えば、V-UPF640との間に通信トンネルを確立することを要求する通信トンネル確立要求をH-UPF540に送信することによって、H-UPF540に、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。
【0173】
H-UPF540は、H-SMF520から通信トンネル確立要求を受信したことに応じて、データベース90から通知されたセッション情報通知に含まれる、データベース90とデータベース70との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立してよい。H-UPF540は、例えば、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立すべく、通信端末60のアップリンクデータを処理するための設定処理を実行する。H-UPF540は、例えば、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立すべく、通信端末60のダウンリンクデータを処理するための設定処理を実行する。H-UPF540は、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をH-SMF520に送信してよい。
【0174】
H-SMF520は、データベース90から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-SMF520とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してよい。H-SMF520は、例えば、データベース90から通知された同期完了通知に含まれる、データベース90とデータベース70との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF520とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。
【0175】
H-SMF420は、データベース70から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。H-SMF420は、例えば、通信トンネル確立要求をH-UPF440に送信することによって、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。
【0176】
H-UPF440は、H-SMF420から通信トンネル確立要求を受信したことに応じて、データベース70から通知されたセッション情報通知に含まれる、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立してよい。H-UPF440は、H-UPF540がH-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する場合と同様にして、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立してよい。H-UPF440は、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をH-SMF420に送信してよい。
【0177】
H-SMF420は、データベース70から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してよい。H-SMF420は、例えば、データベース70から通知された同期完了通知に含まれる、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。
【0178】
H-SMF520は、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。H-SMF520は、例えば、H-UPF540から通信トンネル確立応答を受信したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。H-SMF520は、例えば、H-UPF540から通信トンネル確立応答を受信し、且つ、H-SMF520とV-SMF620との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。H-SMF520が通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信することによって、V-SMF620及びH-SMF520を介した通信端末60のPDN40へのセッションが生成される。
【0179】
セッション生成応答は、例えば、H-SMF520のIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、H-UPF540のIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、H-SMF520の通信トンネル及びH-SMF420の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成応答は、例えば、H-UPF540の通信トンネル及びH-UPF440の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。
【0180】
H-SMF420は、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。H-SMF420は、H-SMF520と同様にして、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。H-SMF420が通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信することによって、V-SMF620及びH-SMF420を介した通信端末60のPDN40へのセッションが生成される。
【0181】
V-UPF640は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを受信する。V-UPF640は、受信した通信端末60のアップリンクデータをルータ27に送信してよい。
【0182】
ルータ27は、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路を選択する。ルータ27は、例えば、V-UPF640との間にセッションが生成されているH-UPFの中から、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路を選択する。ルータ27は、例えば、V-UPF640との間にセッションが生成されているH-UPFが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、V-UPF640との間にセッションが生成されている複数のH-UPFのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。ルータ27は、例えば、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、V-UPF640からの距離が最も短い経路を選択する。
【0183】
図6に示されるシステム10の一例において、V-UPF640が、H-UPF440及びH-UPF540の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能である場合、ルータ27は、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、ルータ27からネットワーク20を介してルータ25に到達する経路を選択する。この場合、ルータ27は、ネットワーク20を介して通信端末60のアップリンクデータをルータ25に送信する。ルータ25は、受信した通信端末60のアップリンクデータをH-UPF540に送信する。H-UPF540は、受信した通信端末60アップリンクデータをPDN40に送信する。
【0184】
一方で、
図6に示されるシステム10の一例において、V-UPF640に故障が発生した場合やV-UPF640がメンテナンス中である場合等のような、V-UPF640が、H-UPF440に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能である場合、ルータ27は、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、ルータ27からネットワーク20を介してルータ23に到達する経路を選択する。この場合、ルータ27は、ネットワーク20を介して通信端末60のアップリンクデータをルータ23に送信する。ルータ23は、受信した通信端末60のアップリンクデータをH-UPF440に送信する。H-UPF440は、受信した通信端末60のアップリンクデータをPDN40に送信する。
【0185】
図6に示されるシステム10の一例において、通信端末60のアップリンクデータがV-UPF640及びH-UPF540を介してPDN40に送信される場合、通信端末60のアップリンクデータは、国内ローミングによってPDN40に送信される。一方で、
図6に示されるシステム10の一例において、通信端末60のアップリンクデータがV-UPF640及びH-UPF440を介してPDN40に送信される場合、通信端末60のアップリンクデータは、国際ローミングによってPDN40に送信される。
【0186】
データベース90は、データベース70と同様の機能を有してよい。例えば、H-SMF420が通信端末60のセッション情報をデータベース70に登録した場合、データベース70は、データベース90と同様にして、通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させる。
【0187】
図6に示されるシステム10の一例において、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、3以上の拠点にHPLMNを構築してもよい。この場合、同一のIPアドレスが、3以上の拠点の各拠点のH-SMF及びH-UPFのそれぞれに対して割り当てられてよい。
【0188】
図6に示されるシステム10によれば、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信し、通信端末60のセッション情報を生成したH-SMFは、生成した通信端末60のセッション情報を、H-SMFが配置されているネットワークに配置されているH-UPFに対応するデータベースに登録する。その後、当該データベースに登録された通信端末60のセッション情報が、当該データベースと、当該H-UPFと同一のIPアドレスが割り当てられたH-UPFに対応するデータベースとの間で同期される。これにより、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信したH-SMFが配置されているネットワークに配置されているH-UPFと同一のIPアドレスが割り当てられたH-UPFが、当該H-UPFが配置されているネットワークに配置されているH-SMFがV-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信することなく、通信端末60のセッション情報を取得できるので、
図6に示されるシステム10は、5G通信において、V-UPF640と、同一のIPアドレスが割り当てられた複数のH-UPFのそれぞれとの間にセッションを生成できる。そして、ルータ27は、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、V-UPF640との間にセッションが生成されている複数のH-UPFのそれぞれまでの経路の中から一の経路を選択する。これにより、ルータ27が、V-UPF640からの距離が近い経路を優先的に選択できるので、
図6に示されるシステム10は、5G通信において、通信端末60の通信遅延の発生を抑制できる。加えて、V-UPF640と、同一のIPアドレスが割り当てられた複数のH-UPFのそれぞれとの間にセッションが生成されることによって、仮に、当該複数のH-UPFのうちの一のH-UPFに故障が発生した場合や当該一のH-UPFがメンテナンス中である場合等であっても、ルータ27は、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路として、V-UPF640から当該一のH-UPFまでの経路とは異なる経路を選択できる。これにより、
図6に示されるシステム10は、5G通信において、複数のH-UPFに対して異なるIPアドレスが割り当てられるシステムと比較して、より通信の冗長性が高い移動体通信サービスを提供できる。
【0189】
図7は、システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザが、V-SMF620及びV-UPF640が配置されているVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0190】
S202において、V-SMF620は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。V-SMF620は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、V-SMF620に対応するAMF(Access and Mobility Management Function)から受信した通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、ルータ27が、
図6に示されるV-UPF640から拠点1のH-SMF420までの経路を選択し、V-UPF640がH-SMF420宛に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして説明を続ける。
【0191】
H-SMF420は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信する。H-SMF420は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0192】
S204において、H-SMF420は、生成した通信端末60のセッション情報を、H-UPF440に対応するデータベース70に登録する。S206において、データベース70は、S204でH-SMF420によって登録された通信端末60のセッション情報を、データベース70と、
図6に示される拠点2のH-UPF540に対応するデータベース90との間で同期させる。
【0193】
データベース70は、通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させたことに応じて、同期完了通知をH-SMF420に通知してよい。データベース90は、通信端末60のセッション情報がデータベース70によってデータベース90とデータベース70との間で同期されたことに応じて、同期完了通知をH-SMF520に通知してよい。
【0194】
S208において、データベース70は、S206で通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させたことに応じて、セッション情報通知をH-UPF440に通知する。H-SMF420は、データベース70から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。H-UPF440は、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をH-SMF420に送信してよい。H-SMF420は、データベース70から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0195】
S210において、データベース90は、S206で通信端末60のセッション情報がデータベース70によってデータベース90とデータベース70との間で同期されたことに応じて、セッション情報通知をH-UPF540に通知する。H-SMF520は、データベース90から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF540に、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。H-UPF540は、H-UPF540とV-UPF640との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答をH-SMF520に送信してよい。H-SMF520は、データベース90から同期完了通知が通知されたことに応じて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-SMF520とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0196】
S212において、H-SMF420は、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。H-SMF520は、H-SMF420と同様にして、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。
【0197】
S214において、ルータ27が、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-SMFまでの経路として、
図6に示されるV-UPF640から拠点1のH-UPF440までの経路を選択した場合に、V-UPF640は、通信端末60のアップリンクデータをH-UPF440宛に送信する。S216において、ルータ27が、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-SMFまでの経路として、
図6に示されるV-UPF640から拠点2のH-UPF540までの経路を選択した場合に、V-UPF640は、通信端末60のアップリンクデータをH-UPF540宛に送信する。
【0198】
図8は、H-SMF420の機能構成の一例を概略的に示す。H-SMF420は、要求受信部422、セッション情報生成部424、登録部426、セッション情報同期部428、通知受信部430、及び、通信トンネル確立部432を備える。尚、H-SMF420がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0199】
要求受信部422は、V-SMF620から、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部422は、例えば、V-SMF620からネットワーク20及びルータ23を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0200】
要求受信部422は、例えば、H-SMF420及びH-UPF440が配置されている国に配置されているV-SMF620から、通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部422は、例えば、H-SMF420及びH-UPF440が配置されている国とは異なる国に配置されているV-SMF620から、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0201】
セッション情報生成部424は、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部424は、例えば、要求受信部422が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部424は、例えば、通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成する。
【0202】
登録部426は、セッション情報生成部424によって生成された通信端末60のセッション情報を、H-UPF440に対応するデータベース70に登録する。登録部426は、例えば、通信端末60のセッション情報を、H-SMF420及びH-UPF440が配置されているネットワークに配置されているデータベース70に登録する。登録部426は、通信端末60のセッション情報を、H-SMF420及びH-UPF440が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されているデータベース70に登録してもよい。
【0203】
セッション情報同期部428は、登録部426によってデータベース70に登録された通信端末60のセッション情報を、データベース70と、H-UPF540に対応するデータベース90との間で同期させる。セッション情報同期部428は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させる。セッション情報同期部428は、その他の任意の方式で通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させてもよい。セッション情報同期部428は、通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させたことに応じて、同期完了通知をH-SMF520に通知してもよい。
【0204】
通知受信部430は、同期完了通知を受信する。通知受信部430は、例えば、ネットワーク20及びルータ23を介して同期完了通知を受信する。通知受信部430は、PDN40を介して同期完了通知を受信してもよい。
【0205】
通知受信部430は、例えば、データベース70から同期完了通知を受信する。通知受信部430は、例えば、データベース90から同期完了通知を受信する。通知受信部430は、H-SMF520から同期完了通知を受信してもよい。
【0206】
通信トンネル確立部432は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてよい。通信トンネル確立部432は、例えば、セッション情報同期部428が通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させたことに応じて、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。通信トンネル確立部432は、通知受信部430が同期完了通知を受信したことに応じて、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてもよい。通信トンネル確立部432は、例えば、通信トンネル確立要求をH-UPF440に送信することによって、H-UPF440に、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。
【0207】
通信トンネル確立部432は、例えば、H-UPF440に、データベース90との間で同期されたデータベース70に記憶されている通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。通信トンネル確立部432は、例えば、H-UPF440に、セッション情報同期部428によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。通信トンネル確立部432は、例えば、H-UPF440に、H-SMF520によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。通信トンネル確立部432は、例えば、H-UPF440に、データベース70によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させる。通信トンネル確立部432は、H-UPF440に、データベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立させてもよい。
【0208】
通信トンネル確立部432は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、例えば、セッション情報同期部428が通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させたことに応じて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、通知受信部430が同期完了通知を受信したことに応じて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0209】
通信トンネル確立部432は、例えば、データベース90との間で同期されたデータベース70に記憶されている通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、例えば、セッション情報同期部428によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、例えば、H-SMF520によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、例えば、データベース70によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、データベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立させてもよい。
【0210】
通信トンネル確立部432は、例えば、データベース70にアクセスすることによって取得した、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部432は、通知受信部430が受信した同期完了通知に含まれる、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-SMF420とV-SMF620との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0211】
通信トンネル確立部432は、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。通信トンネル確立部432は、例えば、通信トンネル確立部432がH-UPF540から通信トンネル確立応答を受信したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。通信トンネル確立部432は、例えば、通信トンネル確立部432がから通信トンネル確立応答を受信し、且つ、通信トンネル確立部432がH-SMF520とV-SMF620との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。
【0212】
通信トンネル確立部432は、H-UPF440とV-UPF640との間の通信トンネルのQoSを設定してもよい。通信トンネル確立部432は、例えば、H-SMF420に対応するPCF(Policy Control Function)から、H-UPF440とV-UPF640との間の通信トンネルのQoSを設定するQoS設定情報を受信することによって、H-UPF440とV-UPF640との間の通信トンネルのQoSを設定する。
【0213】
図9は、H-UPF440の機能構成の一例を概略的に示す。H-UPF440は、通知受信部442、要求受信部444、通信トンネル確立部446、及び、応答送信部448を備える。尚、H-UPF440がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0214】
通知受信部442は、セッション情報通知を受信する。通知受信部442は、例えば、ネットワーク20及びルータ23を介してセッション情報通知を受信する。通知受信部442は、PDN40を介してセッション情報通知を受信してもよい。
【0215】
通知受信部442は、例えば、データベース70からセッション情報通知を受信する。通知受信部442は、例えば、データベース90からセッション情報通知を受信する。通知受信部442は、H-SMF520からセッション情報通知を受信してもよい。
【0216】
要求受信部444は、通信トンネル確立要求を受信する。要求受信部444は、例えば、H-SMF420から通信トンネル確立要求を受信する。
【0217】
通信トンネル確立部446は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成すべく、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、例えば、要求受信部444が通信トンネル確立要求を受信したことに応じて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。
【0218】
通信トンネル確立部446は、例えば、データベース90との間で同期されたデータベース70に記憶されている通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、例えば、H-SMF420によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、例えば、H-SMF520によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、例えば、データベース70によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、データベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0219】
通信トンネル確立部446は、例えば、通知受信部430が受信したセッション情報通知に含まれる、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立する。通信トンネル確立部446は、データベース70にアクセスすることによって取得した、データベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報に基づいて、H-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立してもよい。
【0220】
応答送信部448は、通信トンネル確立応答を送信する。応答送信部448は、例えば、通信トンネル確立部446がH-UPF440とV-UPF640との間に通信トンネルを確立したことに応じて、通信トンネル確立応答を送信する。
【0221】
応答送信部448は、例えば、H-SMF420に通信トンネル確立応答を送信する。応答送信部448は、H-SMF520に通信トンネル確立応答を送信してもよい。
【0222】
図10は、V-SMF620の機能構成の一例を概略的に示す。V-SMF620は、格納部622、受信部624、生成部625、選択部626、及び送信部628を備える。尚、V-SMF620がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0223】
格納部622は、各種情報を格納する。格納部622は、例えば、ルートテーブルを格納する。
【0224】
ルートテーブルは、例えば、V-SMF620とH-SMF420との間の経路情報を含む。ルートテーブルは、例えば、V-SMF620とH-SMF520との間の経路情報を含む。
【0225】
受信部624は、各種情報を受信する。受信部624は、例えば、ネットワーク20及びルータ27を介して各種情報を受信する。受信部624は、無線アクセスネットワークを介して各種情報を受信してもよい。受信部624は、受信した各種情報を格納部622に格納してよい。
【0226】
受信部624は、例えば、ルータ23によって広報された経路情報を受信する。受信部624は、例えば、ルータ25によって広報された経路情報を受信する。受信部624は、IPXによって広報された経路情報を受信してもよい。
【0227】
受信部624は、例えば、V-SMF620とH-SMF420との間の経路情報を受信する。受信部624は、例えば、V-SMF620とH-SMF520との間の経路情報を受信する。
【0228】
生成部625は、ルートテーブルを生成する。生成部625は、例えば、受信部624が受信した経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。生成部625は、生成したルートテーブルを格納部622に格納してよい。
【0229】
受信部624は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を受信する。受信部624は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、V-SMF620に対応するAMFから、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0230】
選択部626は、経路を選択する。選択部626は、例えば、格納部622に格納されているルートテーブルに基づいて、経路を選択する。選択部626は、例えば、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択する。選択部626は、その他の任意のパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択してもよい。
【0231】
選択部626は、例えば、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択する。選択部626は、例えば、V-SMF620から、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のH-SMFのそれぞれまでの経路の中から、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択する。選択部626は、例えば、受信部624が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFまでの経路を選択する。
【0232】
送信部628は、各種情報を送信する。送信部628は、例えば、ルータ27に各種情報を送信する。送信部628は、例えば、ルータ27に通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0233】
送信部628は、H-SMFに各種情報を送信する。送信部628は、例えば、選択部626によって選択された経路で、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに、通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0234】
受信部624は、例えば、H-SMFから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。受信部624は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のH-SMFから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0235】
尚、V-SMF620は、格納部622にルートテーブルを格納せず、生成部625及び選択部626を備えていなくてもよい。この場合、ルータ27がルートテーブルを格納し、生成部625及び選択部626を備えてよい。
【0236】
図11は、V-UPF640の機能構成の一例を概略的に示す。V-UPF640は、格納部642、受信部644、生成部645、選択部646、及び送信部648を備える。尚、V-UPF640がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0237】
格納部642は、各種情報を格納する。格納部642は、例えば、ルートテーブルを格納する。
【0238】
ルートテーブルは、例えば、V-UPF640とH-UPF440との間の経路情報を含む。ルートテーブルは、例えば、V-UPF640とH-UPF540との間の経路情報を含む。
【0239】
受信部644は、各種情報を受信する。受信部644は、例えば、ネットワーク20及びルータ27を介して各種情報を受信する。受信部644は、無線アクセスネットワークを介して各種情報を受信してもよい。受信部644は、受信した各種情報を格納部642に格納してよい。
【0240】
受信部644は、例えば、ルータ23によって広報された経路情報を受信する。受信部644は、例えば、ルータ25によって広報された経路情報を受信する。受信部644は、IPXによって広報された経路情報を受信してもよい。
【0241】
受信部644は、例えば、V-UPF640とH-UPF440との間の経路情報を受信する。受信部644は、例えば、V-UPF640とH-UPF540との間の経路情報を受信する。
【0242】
生成部645は、ルートテーブルを生成する。生成部645は、例えば、受信部644が受信した経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。生成部645は、生成したルートテーブルを格納部642に格納してよい。
【0243】
選択部646は、経路を選択する。選択部646は、例えば、格納部642に格納されているルートテーブルに基づいて、経路を選択する。選択部646は、例えば、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択する。選択部646は、その他の任意のパス選択アルゴリズムに従って、経路を選択してもよい。
【0244】
送信部648は、各種情報を送信する。送信部648は、例えば、ルータ27に各種情報を送信する。送信部648は、例えば、ルータ27に、受信部644によって受信された通信端末60のアップリンクデータを送信する。
【0245】
選択部646は、例えば、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路を選択する。選択部646は、例えば、V-UPF640から、V-UPF640との間にセッションが生成されている複数のH-UPFのそれぞれまでの経路の中から、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路を選択する。選択部646は、例えば、受信部644が通信端末60からgNodeBを介して通信端末60のアップリンクデータを受信したことに応じて、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFまでの経路を選択する。送信部648は、選択部646によって選択された経路で、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFに、通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0246】
尚、V-UPF640は、格納部642にルートテーブルを格納せず、生成部645及び選択部646を備えていなくてもよい。この場合、ルータ27がルートテーブルを格納し、生成部645及び選択部646を備えてよい。
【0247】
図12は、データベース70の機能構成の一例を概略的に示す。データベース70は、記憶部72、セッション情報同期部74、及び、通知送信部76を備える。尚、データベース70がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0248】
記憶部72は、通信端末60のセッション情報を記憶する。記憶部72は、例えば、H-UPF440によって登録された通信端末60のセッション情報を記憶する。
【0249】
セッション情報同期部74は、記憶部72に記憶された通信端末60のセッション情報を、H-UPF440に対応するデータベース70と、H-UPF540の対応するデータベース90との間で同期させる。セッション情報同期部74は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、記憶部72に記憶された通信端末60のセッション情報をデータベース70とデータベース90との間で同期させる。
【0250】
通知送信部76は、通知を送信する。通知送信部76は、例えば、H-SMF420に通知を送信する。通知送信部76は、例えば、H-UPF440に通知を送信する。通知送信部76は、例えば、H-SMF520に通知を送信する。通知送信部76は、例えば、H-UPF540に通知を送信する。
【0251】
通知送信部76は、例えば、セッション情報通知を送信する。通知送信部76は、同期完了通知を送信してもよい。
【0252】
記憶部72は、H-SMF420によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。記憶部72は、H-SMF520によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。記憶部72は、データベース90によってデータベース70とデータベース90との間で同期された通信端末60のセッション情報を記憶してもよい。
【0253】
図13は、PGW100、SGW300、データベース30、H-SMF420、H-UPF440、V-SMF620、V-UPF640、又はデータベース70として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0254】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0255】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0256】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0257】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0258】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0259】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0260】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0261】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0262】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0263】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0264】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0265】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0266】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0267】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0268】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0269】
10 システム、20 ネットワーク、22 ルータ、23 ルータ、24 ルータ、25 ルータ、26 ルータ、27 ルータ、30 データベース、32 記憶部、34 セッション情報同期部、36 通知送信部、40 PDN、50 データベース、60 通信端末、70 データベース、72 記憶部、74 セッション情報同期部、76 通知送信部、90 データベース、100 PGW、102 要求受信部、104 セッション情報生成部、106 登録部、108 セッション情報同期部、110 通知受信部、112 通信トンネル確立部、120 PGW-C、140 PGW-U、200 PGW、220 PGW-C、240 PGW-U、300 SGW、302 格納部、304 受信部、305 生成部、306 選択部、308 送信部、320 SGW-C、340 SGW-U、420 H-SMF、422 要求受信部、424 セッション情報生成部、426 登録部、428 セッション情報同期部、430 通知受信部、432 通信トンネル確立部、440 H-UPF、442 通知受信部、444 要求受信部、446 通信トンネル確立部、448 応答送信部、520 H-SMF、540 H-UPF、620 V-SMF、622 格納部、624 受信部、625 生成部、626 選択部、628 送信部、640 V-UPF、642 格納部、644 受信部、645 生成部、646 選択部、648 送信部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ、1242 キーボード
【要約】 (修正有)
【課題】ローミング時に通信端末の通信遅延を最小化するシステム、PGW、情報処理装置、SMF及び方法を提供する。
【解決手段】システム10は、第1PGW100と、第1PGWが配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置され且つ第1PGWに割り当てられているIPアドレスと同一のIPアドレスが割り当てられている第2PGW200と、第1PGWに対応する第1記憶部30と、第2PGWに対応する第2記憶部50と、セッション情報を第1記憶部と第2記憶部との間で同期させるセッション情報同期部と、を備える。第1PGWは、SGW300から、通信端末60のセッション生成要求を受信する要求受信部と、要求受信部がセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、セッション情報を第1記憶部に登録する登録部とを有する。
【選択図】
図1