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特許7537701コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20240814BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240814BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q50/10
H04N21/262
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021024442
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126400
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519260175
【氏名又は名称】合同会社シラス
(73)【特許権者】
【識別番号】521073280
【氏名又は名称】株式会社グルコース
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】東 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】安達 真
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-044690(JP,A)
【文献】特開2020-201441(JP,A)
【文献】特開2019-109785(JP,A)
【文献】特開2004-015749(JP,A)
【文献】特開2007-013869(JP,A)
【文献】特開2004-062454(JP,A)
【文献】特開2004-166053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04N 21/262
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を基本配信限度情報として設定する基本配信限度設定部と、
上記基本配信限度設定部により設定された上記配信可能時間の限度内で、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記ライブコンテンツの配信開始時間および配信終了時間を設定する配信時間設定部と、
上記視聴価格を支払って視聴権を購入した視聴者の端末に対して、上記配信時間設定部により設定された配信時間において上記ライブコンテンツの配信を行うように制御するコンテンツ配信制御部と、
上記ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、上記基本配信限度設定部により設定された上記配信可能時間を消費する処理を実行する配信可能時間管理部とを備えた
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
上記コンテンツ配信制御部の制御による上記ライブコンテンツの配信中に、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記配信限度設定部により設定された上記配信可能時間の限度内で、上記ライブコンテンツの配信終了時間を変更する配信時間変更部を更に備え、
上記コンテンツ配信制御部は、上記配信時間変更部により配信終了時間が変更されたライブコンテンツを視聴中の視聴者の端末に対して、変更後の配信終了時間まで上記ライブコンテンツの配信を継続して行うように制御し、
上記配信可能時間管理部は、上記変更後の配信終了時間まで継続して行われる上記ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、上記配信可能時間を消費する処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
上記コンテンツ配信制御部の制御による上記ライブコンテンツの配信中に、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記基本配信限度設定部により設定された上記基本配信限度情報とは別に、上記ライブコンテンツの配信時間を延長するための延長配信可能時間およびそれに対応する延長視聴価格を延長配信限度情報として設定する延長配信限度設定部と、
上記延長配信限度設定部により設定された上記延長配信可能時間の限度内で、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記ライブコンテンツの上記配信終了時間後の配信延長時間を設定する配信延長時間設定部とを更に備え、
上記コンテンツ配信制御部は、上記延長視聴価格を支払って延長視聴権を購入した視聴者の端末に対して、上記配信延長時間設定部により延長された配信終了時間まで上記ライブコンテンツの配信を継続して行うように制御し、
上記配信可能時間管理部は、上記ライブコンテンツの延長配信による視聴時間の経過に伴って、上記延長配信可能時間を消費する処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項4】
上記基本配信限度設定部は、所定単位期間ごとの配信可能時間およびそれに対応する第1の視聴価格を第1の基本配信限度情報として設定するとともに、上記ライブコンテンツごとの配信可能時間およびそれに対応する第2の視聴価格を第2の基本配信限度情報として設定し、
上記コンテンツ配信制御部の制御による上記ライブコンテンツの配信中に、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記基本配信限度設定部により設定された上記第2の基本配信限度情報とは別に、上記基本配信限度設定部により上記第1の基本配信限度情報として設定された上記所定単位期間ごとの配信可能時間の限度内で、上記ライブコンテンツの配信時間を延長するための延長配信可能時間およびそれに対応する延長視聴価格を延長配信限度情報として設定する延長配信限度設定部と、
上記延長配信限度設定部により設定された上記延長配信可能時間の限度内で、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記ライブコンテンツの上記配信終了時間後の配信延長時間を設定する配信延長時間設定部とを更に備え、
上記コンテンツ配信制御部は、上記第1の視聴価格を支払って上記視聴権を購入した視聴者の端末、および、上記第2の視聴価格を支払って上記視聴権を購入した視聴者のうち、上記延長視聴価格を支払って延長視聴権を購入した視聴者の端末に対して、上記配信延長時間設定部により延長された配信終了時間まで上記ライブコンテンツの配信を継続して行うように制御し、
上記配信可能時間管理部は、上記ライブコンテンツの延長配信による視聴時間の経過に伴って、上記所定単位期間ごとの配信可能時間を消費する処理を実行するとともに、上記延長配信限度設定部により設定された上記延長配信可能時間を消費する処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
上記基本配信限度設定部は、所定単位期間ごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を上記基本配信限度情報として設定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】
上記基本配信限度設定部は、上記ライブコンテンツごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を上記基本配信限度情報として設定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項7】
上記基本配信限度設定部は、所定単位期間ごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を第1の基本配信限度情報として設定するとともに、上記ライブコンテンツごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を第2の基本配信限度情報として設定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項8】
コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を基本配信限度情報として設定する基本配信限度設定部と、
上記基本配信限度設定部により設定された上記配信可能時間の限度内で、上記コンテンツ提供者による指定操作に従って、上記ライブコンテンツの配信開始時間および配信終了時間を設定する配信時間設定部と、
上記視聴価格を支払って視聴権を購入した視聴者の端末に対して、上記配信時間設定部により設定された配信時間において上記ライブコンテンツの配信が実行されている間、当該ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、上記基本配信限度設定部により設定された上記配信可能時間を消費する処理を実行する配信可能時間管理部とを備えた
ことを特徴とするコンテンツ配信管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信管理装置に関し、特に、ライブコンテンツの配信を行うシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットや携帯電話網等の通信ネットワークを利用してサーバからユーザ端末に動画等のコンテンツを配信するシステムが種々提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツ提供者はユーザPCを用いて、配信予定のコンテンツの番組タイトル、配信環境、配信予約日、配信開始時刻、配信時間、配信チャンネルなどの情報を所定の入力画面から入力することによって新規番組の配信予約情報を設定するとともに、決済画面に表示された予約料金を確認してクレジットカード情報を入力する。ユーザPCは、このように設定された種々の情報を基に予約希望情報ファイルを作成し、当該予約希望情報ファイルをサーバ使用予約管理センタのライブキャスティングサーバへ送信する。
【0004】
ライブキャスティングサーバは、クレジットカード情報の認証を行うとともに、コンテンツ提供者が設定コマ数以上の予約を行っていないか否かをチェックする。コンテンツ提供者がライブ配信を行うに当たり、1ケ月間に予約可能な最大コマ数が設定されており、ライブキャスティングサーバは、コンテンツ提供者の予約したコマ数が設定コマ数よりも多い場合にはライブ予約を許可しない。ライブキャスティングサーバは、ライブ予約を許可する場合には、予約希望情報ファイルの内容に基づいて予約時間帯、配信チャンネル等を含む予約内容情報を予約データベースに書き込むことにより、予約登録を行う。
【0005】
以上のようにしてライブ予約の予約登録処理が終了し、当該ライブ予約に係るライブ配信開始時刻になると、ユーザPCはストリーミングサーバと接続し、クライアントPCへコンテンツのストリーム配信を行う。そしてユーザPCは、ライブ予約終了時刻になった時点でストリーミングサーバへのコンテンツの送信処理を終了する。
【0006】
ストリーミングサーバは、ライブ配信を開始すると、ライブ配信を受けているクライアントPCの数を示す視聴者数情報をユーザPCへ送信する。ユーザPCは、視聴者数情報に加えて、ライブ配信中であることを示すオンエアー情報、経過時間情報、予約開始時刻情報、予約終了時刻情報、ライブ配信残時間情報等の各種情報を表示する。コンテンツ提供者は、このステータスウィンドウを参照することにより、現在進行中のライブ配信に関する様々な情報を知ることができる。特にコンテンツ提供者としては、ライブ配信を受けて視聴しているかの視聴率情報を正確に認識することができ、次回のライブ配信を行う際のチャンネル選択(定員数の選択)の参考にすることができる。
【0007】
以上のように、あらかじめ予約した配信チャンネルおよび予約時間帯でコンテンツをストリーム配信している最中に、実際のライブが予約時間帯の中で終了しない場合には、予約時間帯を延長することができる。この場合、コンテンツ提供者はユーザPCを用いて、所定の入力画面において延長を希望するコンテンツの番組を選択して延長後の新たな配信時間を入力することによって予約時間帯の延長設定を行うとともに、カード情報入力画面に表示された延長料金を確認してクレジットカード情報を入力する。ライブキャスティングサーバは、クレジットカード情報の認証を行う。
【0008】
クレジットカード情報の認証が終了すると、ユーザPCには、ライブキャスティングサーバから受信した新たな予約設定情報ファイルに基づいて、配信中のコンテンツの番組タイトル、配信日、配信開始時刻~配信終了時刻(予約延長設定後の時間帯に変更された状態)、配信チャンネルなどの情報が表示される。これを確認したコンテンツ提供者による自動設定ボタンのクリックに応じて、ライブキャスティングサーバは、予約延長設定後の新たな予約設定情報ファイルをユーザPCに送信するとともに、延長情報をストリーミングサーバへ送信する。このときライブキャスティングサーバは、ユーザデータベースの課金フラグ情報を「可」に書き換えるとともに、当該延長設定時の延長時間に応じた金額を加算することによって課金処理を行うことにより、ユーザPCのコンテンツ提供者に対して面倒な操作を強いることなく延長設定に関する料金を自動的に徴収することができるようにしている。
【0009】
ユーザPCは、ライブキャスティングサーバから延長設定後の新たな予約設定情報ファイルを取り込んで更新する。また、ストリーミングサーバは、ライブキャスティングサーバからの延長情報に基づいて配信時間の延長を認識し、新たな配信時間に設定を変更する。これによりユーザPCは、延長設定を行った新たな予約時間帯の終了予定時刻までストリーミングサーバを介してストリーム配信を継続させることができ、予約時間帯の延長を急遽希望する場合であっても、ストリーミング配信を途切れさせることなく続行することができる。
【0010】
一方、特許文献2に記載のコンテンツ配信システムは、コンテンツの提供者が料金を支払って配信期間を延長するのではなく、コンテンツの配信を受ける受信者の意向に沿って配信期間を延長することができるようにしたものである。この特許文献2に記載のコンテンツ配信システムでは、コンテンツ提供者が料金を支払って、アクセス情報が埋め込まれたQRコードを購入し、これを所望の相手(コンテンツ受信者)に配布する。コンテンツ受信者は、QRコードを読み取ることによってコンテンツ再生システムにアクセスしてコンテンツを受信する。
【0011】
受信者は、再生されたコンテンツの配信期間を延長する場合、入力画面を通じて配信期間の延長期間および決済情報を入力する。決済が行われると、配信期間が延長される。これにより、コンテンツの配信を受けるコンテンツ受信者が独自の判断でコンテンツの配信期間の延長を行うことができる。このように、特許文献2に記載のコンテンツ配信システムによれば、コンテンツ受信者の意向に沿った配信期間の延長設定を行うことが可能である。また、コンテンツ受信者が配信期間の延長に要する費用を負担するため、コンテンツ提供者がコンテンツの配信に要する金銭的負担を最小限に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2003-44690号公報
【文献】特開2006-107115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献1に記載のコンテンツ配信システムでは、コンテンツ提供者がコンテンツの配信時間および延長時間を任意に設定することが可能である。しかも、ライブコンテンツのストリーミング配信中に、配信時間の延長を急遽希望する場合であっても、任意の延長時間を設定してストリーミング配信を途切れさせることなく続行することが可能である。しかしながら、特許文献1には、コンテンツの配信時間や延長時間を設定するとそれらの配信費用が決まり、その配信費用をコンテンツ提供者が支払うことについて開示されているのみで、コンテンツ提供者により設定された配信時間や延長時間において視聴者がコンテンツを視聴するための視聴費用をどう設定するかについては言及されていない。
【0014】
これに対し、上記特許文献2に記載のコンテンツ配信システムでは、当初の配信期間に対する費用はコンテンツ提供者が支払うものの、延長費用については配信期間の延長を希望するコンテンツ受信者が負担する。しかしながら、特許文献2に記載の延長は、コンテンツ受信者がコンテンツ提供者から配布されたQRコードを読み取ることによってコンテンツを受信可能な期間を延長するものであり、ライブコンテンツの配信中にその配信時間をリアルタイムに延長するものではない。また、特許文献2において、コンテンツの配信時間や延長期間およびそれらに関する費用をコンテンツ提供者が任意に設定することはできない。
【0015】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ライブコンテンツの配信時間と視聴者がライブコンテンツを視聴するための価格とをコンテンツ提供者がフレキシブルに設定してライブコンテンツを配信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した課題を解決するために、本発明では、コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を基本配信限度情報として設定するとともに、当該配信可能時間の限度内でライブコンテンツの配信時間(配信開始時間および配信終了時間)を設定する。そして、当該設定された配信時間において、視聴価格を支払って視聴権を購入した視聴者の端末に対してライブコンテンツの配信を行い、ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って配信可能時間を消費する処理を実行する。
【発明の効果】
【0017】
上記のように構成した本発明によれば、コンテンツ提供者が、ライブコンテンツの配信可能時間とそれに対応する視聴価格とを設定することが可能であり、設定した配信可能時間の限度内であれば、ライブコンテンツの配信時間を任意に設定してライブコンテンツの配信を行うことが可能である。これにより、本発明によれば、ライブコンテンツの配信時間と視聴者がライブコンテンツを視聴するための価格とをコンテンツ提供者がフレキシブルに設定してライブコンテンツの配信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態によるコンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態によるコンテンツ配信管理装置の具体的な機能構成例を示すブロック図である。
図3】第1の基本配信限度設定画面の一例を示す図である。
図4】第2の基本配信限度設定画面(番組情報設定画面)の一例を示す図である。
図5】配信終了時間を変更可能なインタフェースを含む番組情報画面の一例を示す図である。
図6】有料延長設定画面の一例を示す図である。
図7】配信時間を延長する際に視聴者端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるコンテンツ配信システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態のコンテンツ配信システム1は、コンテンツ配信管理装置10およびコンテンツ配信装置20を備えて構成され、インターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワーク500に接続されている。通信ネットワーク500には、ライブコンテンツの配信者が使用する端末(以下、配信者端末100という)と、ライブコンテンツの視聴者が使用する端末(以下、視聴者端末200という)とが接続され、コンテンツ配信システム1にアクセス可能に構成されている。
【0020】
配信者端末100は、ライブコンテンツを配信するための処理を実行する配信ソフトがインストールされるとともに、ライブコンテンツとしての動画を撮影するためのカメラおよびマイクと備えている。カメラとマイクを用いて撮影された動画のライブコンテンツが、配信者端末100にインストールされている配信ソフトによってコンテンツ配信管理装置10に配信され、コンテンツ配信管理装置10の制御によってコンテンツ配信装置20から視聴者端末200に配信(公開)される。なお、ここではコンテンツ配信管理装置10とコンテンツ配信装置20とを別構成として示しているが、コンテンツ配信管理装置10がコンテンツ配信装置20の機能を備えるようにしてもよい。以下では、配信者端末100を操作する者をコンテンツ配信者または単に配信者といい、コンテンツ配信管理装置10を操作する者をコンテンツ配信管理者または単に管理者という。コンテンツ提供者というときは、コンテンツ配信者またはコンテンツ配信管理者(どちらでもよいケースを含む)を指す。
【0021】
図2は、コンテンツ配信管理装置10の具体的な機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、コンテンツ配信管理装置10は、機能構成として、基本配信限度設定部11、配信時間設定部12、配信時間変更部13、延長配信限度設定部14、配信延長時間設定部15、コンテンツ配信制御部16、配信可能時間管理部17および視聴権管理部18を備えている。また、コンテンツ配信管理装置10は、記憶媒体として、配信関連情報記憶部10Aおよび視聴者情報記憶部10Bを備えている。
【0022】
上記各機能ブロック11~18は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~18は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0023】
基本配信限度設定部11は、コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を基本配信限度情報として設定する。例えば、コンテンツ配信管理者は、コンテンツ配信管理装置10により表示される基本配信限度設定画面(図3に例示する)を通じて基本配信限度情報を設定する。あるいは、コンテンツ配信者が、配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスすることによって基本配信限度設定画面を配信者端末100に表示させ、この基本配信限度設定画面を通じて基本配信限度情報を設定するようにしてもよい。
【0024】
本実施形態において設定可能な基本配信限度情報は2種類ある。1つは、所定単位期間ごとの配信可能時間およびそれに対応する第1の視聴価格を設定する第1の基本配信限度情報である。もう1つは、ライブコンテンツごとの配信可能時間およびそれに対応する第2の視聴価格を設定する第2の基本配信限度情報である。ここで、第1の基本配信限度情報については、コンテンツ配信管理者とコンテンツ配信者との合意のもと、コンテンツ配信管理者がコンテンツ配信管理装置10の基本配信限度設定画面から設定する一方で、第2の基本配信限度情報については、コンテンツ配信者が配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスすることによって表示される基本配信限度設定画面を通じて任意に設定できるようにしてもよい。
【0025】
第1の基本配信限度情報は、いわゆるサブスクリプションモデルの設定情報であり、個々のライブコンテンツ(以下、番組ということもある)ごとに配信可能時間および視聴価格を設定するのではなく、一定期間の配信可能時間および視聴価格を設定するものである。一例として、基本配信限度設定部11は、第1の基本配信限度情報として、チャンネルを設定するとともに、そのチャンネルに属するライブコンテンツの月ごとの配信可能時間(以下、月間配信可能時間という)と月ごとの視聴価格(以下、月間視聴価格または月額という)とを設定する。
【0026】
本実施形態では、コンテンツ提供者が月間視聴価格を設定すると、所定の関数に基づいて月間配信可能時間が自動的に決まるようにしている。所定の関数は、例えば「月間配信可能時間=月間視聴価格÷50」である。例えば、コンテンツ提供者が特定のチャンネルに対する月間視聴価格として1000円を設定すると、そのチャンネルの月間配信可能時間は20時間となる。
【0027】
図3は、第1の基本配信限度設定画面の一例を示す図である。図3に示すように、コンテンツ提供者は、この第1の基本配信限度設定画面を通じて、チャンネル名、チャンネルIDおよび月間視聴価格を設定する。すると、月間視聴価格に応じた月間配信可能時間が上記の関数に基づいて自動的に設定される。以下の説明において、月間視聴価格を支払ってライブコンテンツの視聴権を購入した視聴者をチャンネル会員といい、それ以外の視聴者を非会員という。また、チャンネル会員および非会員を総称して視聴者という。
【0028】
ここでは、コンテンツ提供者が月間視聴価格を設定すると月間配信可能時間が自動的に決まる例について説明したが、これとは逆に、コンテンツ提供者が月間配信可能時間を設定すると月間視聴価格が自動的に決まるようにしてもよい。または、月間配信可能時間および月間視聴価格を両方ともコンテンツ提供者が任意に設定できるようにしてもよい。
【0029】
第2の基本配信限度情報は、個々のライブコンテンツ(番組)ごとに配信可能時間および視聴価格を設定するものである。一例として、基本配信限度設定部11は、第2の基本配信限度情報として、特定のライブコンテンツの配信可能時間(以下、番組配信可能時間という)とその番組の視聴価格(以下、番組視聴価格)とを設定する。
【0030】
本実施形態では、コンテンツ提供者が番組視聴価格を設定すると、所定の関数に基づいて番組配信可能時間が自動的に決まるようにしている。所定の関数は、例えば「番組配信可能時間=番組視聴価格÷150」である。例えば、コンテンツ提供者が特定のライブコンテンツに対する番組視聴価格として300円を設定すると、そのライブコンテンツの番組配信可能時間は2時間となる。
【0031】
図4は、第2の基本配信限度設定画面の一例を示す図である。なお、この第2の基本配信限度設定画面では、後述する配信時間設定部12による配信時間の設定も併せて行うようになっている。すなわち、この第2の基本配信限度設定画面は、特定のライブコンテンツの基本配信限度情報および配信時間情報を含む番組情報の設定画面となっている。チャンネル会員向けの番組情報を設定する際も、全視聴者向けの番組情報を設定する際も、この第2の基本配信限度設定画面(番組情報設定画面)を通じて必要な情報の設定を行う。
【0032】
図4に示すように、コンテンツ提供者は、この第2の基本配信限度設定画面を通じて、第2の基本配信限度情報として、番組タイトル、番組ID、チャンネル、番組種別および番組視聴価格を設定する。すると、番組視聴価格に応じた番組配信可能時間が上記の関数に基づいて自動的に設定される。なお、これとは逆に、コンテンツ提供者が番組配信可能時間を設定すると番組視聴価格が自動的に決まるようにしてもよい。または、番組配信可能時間および番組視聴価格を両方ともコンテンツ提供者が任意に設定できるようにしてもよい。
【0033】
ここで、チャンネルは、ライブコンテンツをどのチャンネルにおいて配信するかを設定するための情報である。番組種別は、通常番組または公開番組の何れかを設定するための情報である。通常番組は、チャンネル会員のみが視聴可能な番組であり、非会員は視聴権を単独購入することができない。公開番組は、チャンネル会員だけでなく、非会員も視聴権を単独購入することで視聴可能な番組である。番組視聴価格は、非会員が公開番組の視聴権を購入する際の価格であり、番組種別として公開番組を選択した場合に、設定項目として表示される。番組種別として通常番組を選択した場合は、番組視聴価格の設定項目は表示されず、設定は不要である。
【0034】
基本配信限度設定部11により設定された第1の基本配信限度情報および第2の基本配信限度情報は、配信関連情報記憶部10Aに記憶されて管理される。
【0035】
配信時間設定部12は、基本配信限度設定部11により設定された配信可能時間の限度内で、コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信時間(配信開始時間および配信終了時間)を設定する。上述したように、ライブコンテンツの配信時間は、図4に示す番組情報設定画面(第2の基本配信限度設定画面を兼用している)を通じて設定する。コンテンツ提供者は、番組種別として通常番組を選択した場合、第1の基本配信限度設定画面を通じて設定した月間配信可能時間の限度内で、ライブコンテンツの配信時間を設定する。一方、番組種別として公開番組を選択した場合は、第2の基本配信限度設定画面を通じて設定した番組配信可能時間の限度内で、ライブコンテンツの配信時間を設定する。月間配信可能時間または番組配信可能時間の限度を超えた配信時間が入力された場合は、アラートが表示されるようになっている。
【0036】
配信時間設定部12により設定された配信時間を含む番組情報は、配信関連情報記憶部10Aに記憶されて管理される。ここで記憶される番組情報は、通常番組の場合は、チャンネル会員向けのライブコンテンツとして設定された番組情報である。一方、公開番組の場合は、チャンネル会員および非会員を含む全視聴者向けのライブコンテンツとして設定された番組情報であり、その中の番組配信可能時間および番組視聴価格は、非会員に対する第2の基本配信限度情報として使用される。
【0037】
視聴権管理部18は、視聴者に対するライブコンテンツの視聴権の購買に関する処理を実行する。例えば、視聴権管理部18は、第1の基本配信限度設定情報として設定されたチャンネル名、月間配信可能時間および月間視聴価格を含む情報を視聴権の購買用ウェブサイトに公開する。また、視聴権管理部18は、第2の基本配信限度設定情報として設定された番組タイトル、番組配信可能時間および番組視聴価格を含む情報を視聴権の購買用ウェブサイトに公開する。そして、視聴者端末200のユーザからチャンネル会員の登録要求または特定の番組の視聴権の購入要求を受け付けて、視聴権を販売する。以下の説明において、チャンネル会員となるために購入する視聴権をチャンネル視聴権といい、非会員が特定の番組について購入する視聴権を番組視聴権という。また、チャンネル視聴権および番組視聴権を総称して視聴権という。
【0038】
視聴権管理部18は、視聴権を購入した視聴者に関する情報を視聴者情報記憶部10Bに記憶する。視聴者情報記憶部10Bに記憶される視聴者に関する情報は、視聴権管理部18が発行する視聴者IDや視聴者端末200を特定可能な情報のほか、購買用ウェブサイトを通じて視聴者により入力される情報(例えば、視聴者の氏名、住所、支払い関連情報など)を含む。配信可能時間管理部17に通知される視聴権に関する情報は、例えば、チャンネル視聴権か番組視聴権かの区別、チャンネル名およびチャンネルIDを含み、番組視聴権の場合は更に番組タイトルおよび番組IDを含む。
【0039】
なお、ここではコンテンツ配信管理装置10が視聴権管理部18を備える構成を示しているが、これに限定されない。すなわち、視聴権管理部18はコンテンツ配信管理装置10とは異なる別のサーバが備えるようにし、視聴権の購買に関する処理は当該別のサーバにて行うようにしてもよい。
【0040】
コンテンツ配信制御部16は、視聴価格を支払って視聴権を購入した視聴者の視聴者端末200に対して、配信時間設定部12により設定された配信時間においてライブコンテンツの配信を行うようにコンテンツ配信装置20を制御する。すなわち、コンテンツ配信制御部16は、配信関連情報記憶部10Aに記憶されている番組情報に基づいて、ある番組(ライブコンテンツ)の配信開始時間になったことを検知して、コンテンツ配信装置20により生成されたライブコンテンツの配信を開始する。また、当該番組の配信終了時間になったことを検知して、当該ライブコンテンツの配信を終了する。
【0041】
このときコンテンツ配信制御部16は、視聴者情報記憶部10Bに記憶されている視聴者情報に基づいて、該当の番組について視聴権を有しているチャンネル会員または非会員を特定し、特定した視聴者に対してのみライブコンテンツの配信を行う。ここでいう配信とは、ライブコンテンツの配信用ウェブサイトにアクセスする視聴者端末200に対してライブコンテンツを視聴可能な状態に公開することを含む。この場合、視聴権を有している視聴者に対してのみライブコンテンツの配信を行うことは、視聴権を有している視聴者のみが配信用ウェブサイトにアクセス可能な状態となるようにすることを意味する。
【0042】
配信可能時間管理部17は、コンテンツ配信制御部16によりライブコンテンツの配信が実行されると、ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、基本配信限度設定部11により設定されて配信関連情報記憶部10Aに記憶された配信可能時間(月間配信可能時間または番組配信可能時間)を消費する処理を実行する。ここで、配信中のライブコンテンツが通常番組の場合、配信可能時間管理部17は、ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、チャンネル会員の月間配信可能時間を消費する処理を実行する。一方、配信中のライブコンテンツが公開番組の場合、配信可能時間管理部17は、ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、チャンネル会員の月間配信可能時間を消費する処理と、非会員の番組配信可能時間を消費する処理とを実行する。
【0043】
配信時間変更部13は、コンテンツ配信制御部16の制御によるライブコンテンツの配信中に、コンテンツ提供者による指定操作に従って、基本配信限度設定部11により設定されて配信関連情報記憶部10Aに記憶された配信可能時間の限度内で、ライブコンテンツの配信終了時間を変更する。例えばコンテンツ配信者は、通常番組では月間配信可能時間が残っている場合、公開番組では月間配信可能時間および番組配信可能時間がともに残っている場合に、配信者端末100を操作して、ライブコンテンツの配信中に配信終了時間を変更することが可能である。
【0044】
例えば、月間配信可能時間が20時間のチャンネルにおいて、配信時間が2時間の番組情報を設定してライブコンテンツの配信を行っている場合、このチャンネルに他の番組情報の設定がなければ、月間配信可能時間が18時間分残っていることになる。よってこの場合、配信中のライブコンテンツの配信終了時間を変更して、配信時間を最大で18時間延長することが可能である。また、番組配信可能時間が2時間の番組において、配信時間が1時間の番組情報を設定してライブコンテンツの配信を行っている場合、番組配信可能時間が1時間分残っていることになる。よってこの場合、配信中のライブコンテンツの配信終了時間を変更して、配信時間を最大で1時間延長することが可能である。
【0045】
図5は、配信終了時間を変更可能なインタフェースを含む番組情報画面の一例を示す図である。図5に示す番組情報画面は、ライブコンテンツの配信中に、配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスして閲覧可能な画面である。この番組情報画面には、配信中のライブコンテンツの番組種別、配信時間のほか、配信可能時間に対する残存時間が表示されている。また、番組情報画面には、配信終了時間の延長時間を指定する延長時間指定欄51および延長ボタン52が表示されている。
【0046】
コンテンツ配信者は、表示されている残存時間の限度内で、延長時間指定欄51に希望の延長時間を入力して延長ボタン52を操作することにより、配信中のライブコンテンツについて配信終了時間の変更を指示することが可能である。配信終了時間の変更が指示されると、配信時間変更部13は、指定された延長時間が残存時間の限度内か否かを確認したうえで、配信関連情報記憶部10Aに記憶されている配信終了時間を書き換える。
【0047】
このように、基本配信限度設定情報として設定された配信可能時間の限度内でライブコンテンツの配信終了時間を変更する場合、視聴者は、追加の視聴権を購入することなく、延長された配信終了時間までライブコンテンツを視聴することが可能である。この場合、コンテンツ配信制御部16は、配信時間変更部13により配信終了時間が変更されたライブコンテンツを視聴中の視聴者の視聴者端末200に対して、変更後の配信終了時間までライブコンテンツの配信を継続して行うように制御する。また、配信可能時間管理部17は、変更後の配信終了時間まで継続して行われるライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って、配信関連情報記憶部10Aに記憶されている配信可能時間を消費する処理を実行する。
【0048】
なお、配信時間変更部13により配信終了時間が変更された場合、その旨のメッセージおよび視聴ボタンを視聴者端末200に表示して、視聴ボタンを操作した視聴者の視聴者端末200に対してのみ、延長された配信終了時間までライブコンテンツを配信するようにしてもよい。
【0049】
延長配信限度設定部14は、コンテンツ配信制御部16の制御によるライブコンテンツの配信中に、例えばコンテンツ配信者による指定操作に従って、基本配信限度設定部11により設定されて配信関連情報記憶部10Aに記憶された基本配信限度情報とは別に、ライブコンテンツの配信時間を延長するための延長配信可能時間およびそれに対応する延長視聴価格を延長配信限度情報として設定する。また、配信延長時間設定部15は、延長配信限度設定部14により設定された延長配信可能時間の限度内で、コンテンツ配信者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信終了時間後の配信延長時間を設定する。
【0050】
上述した配信時間変更部13が配信終了時間を無料で延長するのに対し、延長配信限度設定部14および配信延長時間設定部15は配信終了時間を有料で延長する。コンテンツ配信者は、配信者端末100を操作して、ライブコンテンツの配信中に有料の配信延長時間を設定することが可能である。すなわち、コンテンツ配信者は、配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスすることによって有料延長設定画面を配信者端末100に表示させ、この有料延長設定画面を通じて延長配信限度情報および配信延長時間を設定する。
【0051】
図6は、有料延長設定画面の一例を示す図である。図6に示す有料延長設定画面は、ライブコンテンツの配信中に、配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスして閲覧可能な画面である。この有料延長設定画面には、延長視聴価格を指定する延長価格指定欄60、配信終了時間の延長時間を指定する延長時間指定欄61および延長ボタン62が表示されている。
【0052】
延長配信限度設定部14は、コンテンツ配信者が延長価格指定欄60において延長視聴価格を指定すると、指定された延長視聴価格に応じた延長配信可能時間を所定の関数に基づいて算出し、当該指定された延長視聴価格と所定の関数に基づき算出した延長配信可能時間とを延長配信限度情報として設定する。所定の関数は、例えば「延長配信可能時間=延長視聴価格÷150」である。ここでは、1時間当たりの延長視聴価格を1時間当たりの番組視聴価格と同額としているが、1時間当たりの番組視聴価格より割高となるような関数を使用してもよい。また、ここでは、コンテンツ配信者が延長視聴価格を設定すると延長配信可能時間が自動的に決まる例について説明したが、これとは逆に、コンテンツ配信者が延長配信可能時間を設定すると延長視聴価格が自動的に決まるようにしてもよい。または、延長配信可能時間および延長視聴価格を両方ともコンテンツ配信者が任意に設定できるようにしてもよい。延長配信限度設定部14は、設定された延長配信限度情報を配信関連情報記憶部10Aに記憶する。
【0053】
配信延長時間設定部15は、延長配信限度設定部14により設定された延長配信可能時間の限度内で、コンテンツ配信者による延長時間指定欄61に対する配信延長時間の指定操作に従って、ライブコンテンツの配信終了時間後の配信延長時間を設定する。すなわち、コンテンツ配信者は、延長価格指定欄60に対する延長視聴価格の指定によって決定された延長配信可能時間の限度内で、延長時間指定欄61にて希望の延長時間を指定して延長ボタン62を操作することにより、配信中のライブコンテンツの配信終了時間の延長を指示することが可能である。配信終了時間の延長が指示されると、配信延長時間設定部15は、指定された延長時間が延長配信可能時間の限度内か否かを確認したうえで、配信延長時間を該当の番組情報に関連付けて配信関連情報記憶部10Aに記憶する。
【0054】
配信延長時間設定部15により配信延長時間が設定されると、視聴権管理部18は、例えば図7(a)に示すように、延長視聴価格71および購入ボタン72を視聴者端末200に表示して、視聴中のライブコンテンツを延長して視聴する視聴権(以下、延長視聴権という)の購入を促す。ここで、視聴者は、購入ボタン72を操作し、それによって遷移して表示される図7(b)に示す購入画面を通じて延長視聴権を購入することにより、延長された配信終了時間までライブコンテンツを視聴することが可能である。視聴権管理部18は、延長視聴権を購入した視聴者に関する情報を視聴者IDに関連付けて視聴者情報記憶部10Bに記憶する。
【0055】
この場合、コンテンツ配信制御部16は、延長視聴価格を支払って延長視聴権を購入した視聴者の視聴者端末200に対して、配信延長時間設定部15により延長された配信終了時間までライブコンテンツの配信を継続して行うように制御する。また、配信可能時間管理部17は、ライブコンテンツの延長配信による視聴時間の経過に伴って、配信関連情報記憶部10Aに記憶された延長配信可能時間を消費する処理を実行する。
【0056】
なお、延長配信限度設定部14により設定された延長配信可能時間よりも、配信延長時間設定部15により設定された配信延長時間の方が短い場合、延長配信可能時間に対する残存時間が存在する。この残存時間については、配信時間変更部13による配信終了時間の変更によって利用することが可能である。すなわち、延長視聴権を購入した視聴者に対して、残存時間を限度として配信終了時間を無料で延長することが可能である。
【0057】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、コンテンツ提供者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を基本配信限度情報として設定するとともに、当該配信可能時間の限度内でライブコンテンツの配信時間(配信開始時間および配信終了時間)を設定する。そして、当該設定された配信時間において、視聴価格を支払って視聴権を購入した視聴者の視聴者端末200に対してライブコンテンツの配信を行い、ライブコンテンツの配信による視聴時間の経過に伴って配信可能時間を消費する処理を実行するようにしている。
【0058】
上記のように構成した本実施形態によれば、コンテンツ配信者が、ライブコンテンツの配信可能時間とそれに対応する視聴価格とを任意に設定することが可能であり、設定した配信可能時間の限度内であれば、ライブコンテンツの配信時間(配信開始時間および配信終了時間)を任意に設定してライブコンテンツの配信を行うことが可能である。これにより、本実施形態によれば、ライブコンテンツの配信時間と視聴者がライブコンテンツを視聴するための視聴価格とをコンテンツ提供者がフレキシブルに設定してライブコンテンツの配信を行うことができる。
【0059】
特に、本実施形態では、ライブコンテンツの配信可能時間と実際の配信時間とを別に設定するようにし、設定した配信可能時間の限度内で、ライブコンテンツの配信終了時間を無料で変更(延長)できるようにしている。これにより、例えば当初の配信時間を配信可能時間よりも短く設定しておいて、コンテンツ配信者の判断に基づいて配信時間の無料延長を行うようにすることも可能である。配信可能時間の限度内であれば、無料延長を小刻みに複数回に渡って行うことも可能である。
【0060】
また、本実施形態では、基本配信限度情報とは別に、延長配信可能時間およびそれに対応する延長視聴価格を延長配信限度情報として設定するとともに、当該延長配信可能時間の限度内でライブコンテンツの配信延長時間を設定することもできるようにしている。ここで、延長配信可能時間と実際の延長配信時間とを別に設定するようにしているので、当初の配信延長時間を延長配信可能時間よりも短く設定しておいて、延長配信可能時間の限度内でライブコンテンツの配信終了時間を無料で変更(延長)することも可能である。これにより、コンテンツ配信者は、ライブコンテンツの延長配信時間と延長視聴価格とをフレキシブルに設定してライブコンテンツの延長配信を行うことができる。
【0061】
なお、上記実施形態では、チャンネル会員および非会員の双方とも有料延長を行う例について説明したが、チャンネル会員は無料で配信時間を延長し、非会員のみ有料で配信時間を延長するようにしてもよい。
【0062】
この場合、延長配信限度設定部14は、コンテンツ配信制御部16の制御によるライブコンテンツの配信中に、例えばコンテンツ配信者による指定操作に従って、基本配信限度設定部11により非会員向けに設定された第2の基本配信限度情報とは別に、基本配信限度設定部11により第1の基本配信限度情報としてチャンネル会員向けに設定された月間配信可能時間の限度内で、ライブコンテンツの配信時間を延長するための延長配信可能時間およびそれに対応する延長視聴価格を延長配信限度情報として設定する。
【0063】
配信延長時間設定部15は、延長配信限度設定部14により設定された延長配信可能時間の限度内で、コンテンツ配信者による指定操作に従って、ライブコンテンツの配信終了時間後の配信延長時間を設定する。
【0064】
コンテンツ配信制御部16は、チャンネル会員(ライブコンテンツの配信中に視聴者端末200に延長希望ボタンを表示し、その延長希望ボタンを操作することによって視聴の延長を希望したチャンネル会員のみとしてもよい。以下同様)の視聴者端末200、および、図7と同様の画面を通じて延長視聴価格を支払って延長視聴権を購入した非会員の視聴者端末200に対して、配信延長時間設定部15により延長された配信終了時間までライブコンテンツの配信を継続して行うように制御する。
【0065】
配信可能時間管理部17は、ライブコンテンツの延長配信による視聴時間の経過に伴って、チャンネル会員の月間配信可能時間を消費する処理を実行するとともに、延長配信限度設定部14により非会員向けに設定された延長配信可能時間を消費する処理を実行する。
【0066】
また、上記実施形態において、ライブコンテンツの配信中に、当該ライブコンテンツを視聴している視聴者の数を監視し、配信者端末100からコンテンツ配信管理装置10にアクセスして表示される管理画面に視聴者数を表示させるようにしてもよい。また、ライブコンテンツの配信中に視聴者が任意のコメントを投稿できるようにして、当該コメントを管理画面に表示させるようにしてもよい。また、ライブコンテンツの配信中に視聴者が「いいね」のボタンを操作できるようにし、当該ボタンの操作数を管理画面に表示させるようにしてもよい。コンテンツ配信者は、このように管理画面に表示される情報を参考にして、配信時間を延長するか否かを判断することが可能となる。
【0067】
また、上記実施形態において、機能ブロック11~15を全て備えることを必須とするものではない。例えば、基本配信限度設定部11および配信時間設定部12は必須の構成とし、配信時間変更部13を更に設けるか、延長配信限度設定部14および配信延長時間設定部15を更に設けるかは任意としてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、基本配信限度設定部11が、所定単位期間ごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を第1の基本配信限度情報として設定するとともに、ライブコンテンツごとの配信可能時間およびそれに対応する視聴価格を第2の基本配信限度情報として設定する例について説明したが、何れか一方のみとしてもよい。
【0069】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 コンテンツ配信システム
10 コンテンツ配信管理装置
10A 配信関連情報記憶部
10B 視聴者情報記憶部
11 基本配信限度設定部
12 配信時間設定部
13 配信時間変更部
14 延長配信限度設定部
15 配信延長時間設定部
16 コンテンツ配信制御部
17 配信可能時間管理部
18 視聴権管理部
20 コンテンツ配信装置
100 配信者端末
200 視聴者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7