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特許7537713スイング練習用具及びスイング練習用ヘッド部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】スイング練習用具及びスイング練習用ヘッド部品
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20240814BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A63B69/36 501A
A63B69/00 505A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023215542
(22)【出願日】2023-12-21
【審査請求日】2023-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523464107
【氏名又は名称】長谷山 雅士
(73)【特許権者】
【識別番号】523464118
【氏名又は名称】長谷山 愛
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷山 雅士
(72)【発明者】
【氏名】長谷山 愛
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3180735(JP,U)
【文献】米国特許第09162131(US,B1)
【文献】登録実用新案第3239349(JP,U)
【文献】特開平08-280867(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0122000(US,A1)
【文献】特開2016-123468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
A63B 53/00-53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材であって、前記距離は、前記ヘッド部品のトウとヒールとを結ぶ方向であるトウヒール方向に直交し、かつ、前記ヘッド部品の前後方向と平行な方向における前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の長さである、第2シャフト部材と、
を備え、
前記第1シャフト部材及び前記第2シャフト部材は、前記第1シャフト部材の中心線を通る直線と前記第2シャフト部材の中心線を通る直線とが三次元空間内で交差しない向きで配置されている、
スイング練習用具。
【請求項2】
前記第1シャフト部材が、前記ヘッド部品のトウ側の位置に接続され、
前記第2シャフト部材が、前記ヘッド部品のヒール側の位置に接続されている、
請求項に記載のスイング練習用具。
【請求項3】
前記ヘッド部品の重心が、前記第1シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点と、前記第2シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点とを結ぶ直線に対して、前記ヘッド部品におけるフェース面と反対側にある、
請求項に記載のスイング練習用具。
【請求項4】
前記第2シャフト部材の基端部に、使用者が前記第2シャフト部材を握った際に掌の一部が当接することとなる張出し部が設けられている、
請求項1又は2に記載のスイング練習用具。
【請求項5】
前記第1シャフト部材の一部と前記第2シャフト部材の一部とが、連結部材によって互いに連結されている、
請求項1又は2に記載のスイング練習用具。
【請求項6】
前記連結部材は、
前記第1シャフト部材の基端部と前記第2シャフト部材の基端部との間に、空隙状の逃げ部が形成されるように、屈曲した形状に形成されている、
請求項に記載のスイング練習用具。
【請求項7】
前記ヘッド部品は、
ゴルフクラブの形状を模したヘッド本体と、
前記ヘッド本体に装着されるように構成され、前記ヘッド本体に装着された状態で、前記ヘッド本体のフェース面の向きと異なる向きとなるフェース面が形成されたアタッチメント部材と、
を有する、請求項1又は2に記載のスイング練習用具。
【請求項8】
第1シャフト部材が挿入される円筒形の第1凹部、及び、第2シャフト部材が挿入される円筒形の第2凹部が形成されたシャフト接続部と、
前記シャフト接続部に結合されたヘッド本体と、
を備え、
前記第1凹部及び前記第2凹部は、
前記第1凹部の中心線を通る直線と前記第2凹部の中心線を通る直線とが互いに平行ではなくかつ三次元空間内で交差しない向きであり、前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の距離が前記シャフト接続部に向かうにつれて短くなるように前記第1シャフト部材及び前記第2シャフト部材が接続される形状を有
前記距離は、前記ヘッド本体のトウとヒールとを結ぶ方向であるトウヒール方向に直交し、かつ、前記ヘッド本体の前後方向と平行な方向における前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の長さである、
スイング練習用ヘッド部品。
【請求項9】
記第1凹部が、前記ヘッド本体のトウ側の位置に設けられ、
前記第2凹部が、前記ヘッド本体のヒール側の位置に設けられている、
請求項のスイング練習用ヘッド部品。
【請求項10】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材であって、前記距離は、前記ヘッド部品のトウとヒールとを結ぶ方向であるトウヒール方向に直交し、かつ、前記ヘッド部品の前後方向と平行な方向における前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の長さである、第2シャフト部材と、
を備え、
前記第1シャフト部材及び前記第2シャフト部材の少なくとも一方には使用者によって握られるグリップが設けられている、
スイング練習用具。
【請求項11】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材であって、前記距離は、前記ヘッド部品のトウとヒールとを結ぶ方向であるトウヒール方向に直交し、かつ、前記ヘッド部品の前後方向と平行な方向における前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の長さである、第2シャフト部材と、
を備え、
前記第2シャフト部材の基端部に、使用者が前記第2シャフト部材を握った際に掌の一部が当接することとなる張出し部が設けられており、前記張出し部は、前記第2シャフト部材から前記第1シャフト部材の側に向かって張り出すように形成されている、
スイング練習用具。
【請求項12】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材と、
を備え、
前記第1シャフト部材が、前記ヘッド部品のトウ側の位置に接続され、
前記第2シャフト部材が、前記ヘッド部品のヒール側の位置に接続され、
前記ヘッド部品の重心が、前記第1シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点と、前記第2シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点とを結ぶ直線に対して、前記ヘッド部品におけるフェース面と反対側にある、
スイング練習用具。
【請求項13】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に
対して傾斜して設けられた第2シャフト部材と、
を備え、
前記第1シャフト部材の一部と前記第2シャフト部材の一部とが、連結部材によって互いに連結されており、
前記連結部材は、
前記第1シャフト部材の基端部と前記第2シャフト部材の基端部との間に、空隙状の逃げ部が形成されるように、屈曲した形状に形成されている、
スイング練習用具。
【請求項14】
ヘッド部品と、
先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、
前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材と、
を備え、
前記ヘッド部品は、
ゴルフクラブの形状を模したヘッド本体と、
前記ヘッド本体に装着されるように構成され、前記ヘッド本体に装着された状態で、前記ヘッド本体のフェース面の向きと異なる向きとなるフェース面が形成されたアタッチメント部材と、
を有する、スイング練習用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイング練習用具及びスイング練習用ヘッド部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が両手で把持してスイング動作を行うことで、スイングのフォームを矯正するゴルフスイング練習器が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-123468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスイング練習器は、使用者がスイング練習器を握った状態で、一方の手のグリップ部と他方の手のグリップ部とがトウ・ヒール方向の同一面内に位置する構成であるため、スイングのフォームを十分に矯正できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、スイングのフォームを良好に矯正することができるスイング練習用具及びスイング練習用ヘッド部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、ヘッド部品と、先端側に前記ヘッド部品が設けられた第1シャフト部材と、前記ヘッド部品又は前記第1シャフト部材の少なくとも一方に接続され、前記ヘッド部品の側に向かうにつれて前記第1シャフト部材までの距離が短くなるように前記第1シャフト部材に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材と、を備える、スイング練習用具を提供する。
【0007】
前記第1シャフト部材及び前記第2シャフト部材は、前記第1シャフト部材の中心線と前記第2シャフト部材の中心線とが三次元空間内で交差しない向きで配置されていてもよい。
【0008】
前記第1シャフト部材が、前記ヘッド部品のトウ側の位置に接続され、前記第2シャフト部材が、前記ヘッド部品のヒール側の位置に接続されていてもよい。
【0009】
前記ヘッド部品の重心が、前記第1シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点と、前記第2シャフト部材と前記ヘッド部品との接続点とを結ぶ直線に対して、前記ヘッド部品におけるフェース面と反対側にあってもよい。
【0010】
前記第2シャフト部材の基端部に、使用者が前記第2シャフト部材を握った際に掌の一部が当接することとなる張出し部が設けられていてもよい。
【0011】
前記第1シャフト部材の一部と前記第2シャフト部材の一部とが、連結部材によって互いに連結されていてもよい。
【0012】
前記連結部材は、前記第1シャフト部材の基端部と前記第2シャフト部材の基端部との間に、空隙状の逃げ部が形成されるように、屈曲した形状に形成されていてもよい。
【0013】
前記ヘッド部品は、ゴルフクラブの形状を模したヘッド本体と、前記ヘッド本体に装着されるように構成され、前記ヘッド本体に装着された状態で、前記ヘッド本体のフェース面の向きと異なる向きとなるフェース面が形成されたアタッチメント部材と、を有すものであってもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、第1シャフト部材が挿入される円筒形の第1凹部、及び、第2シャフト部材が挿入される円筒形の第2凹部が形成されたシャフト接続部を備え、前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記第1凹部の中心線と前記第2凹部の中心線とが互いに平行ではなくかつ三次元空間内で交差しない向きであり、前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材との間の距離が前記シャフト接続部に向かうにつれて短くなるように前記第1シャフト部材及び前記第2シャフト部材が接続される形状を有する、スイング練習用ヘッド部品を提供する。
【0015】
前記シャフト接続部に結合されたヘッド本体をさらに備え、前記第1凹部が、前記ヘッド本体のトウ側の位置に設けられ、前記第2凹部が、前記ヘッド本体のヒール側の位置に設けられていてもよい。
【0016】
本発明の第3の態様においては、第1バットと、先端側が前記第1バットに接続され、前記先端側に向かうにつれて前記第1バットまでの距離が短くなるように前記第1バットに対して傾斜して設けられた第2バットと、を備える、スイング練習用具を提供する。
【0017】
前記第1バット及び前記第2バットは、前記第1バットの中心線と前記第2バットの中心線とが三次元空間内で交差しない向きで配置されており、前記第1バットは、前記第1バットと前記第2バットとの接続部からの突出長さが前記第2バットの突出長さよりも短く形成されていてもよい。
【0018】
前記第2バットの基端部に、使用者が前記第2バットを握った際に掌の一部が当接することとなる張出し部が設けられていてもよい。
【0019】
前記第1バットの色と前記第2バットの色とが互いに異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スイングのフォームを良好に矯正することができるスイング練習用具及びスイング練習用ヘッド部品を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態のスイング練習用具を示す斜視図である。
図2】スイング練習用具を様々な向きから見た図である。
図3】スイング練習用具を握って使用する使用者の視点から見たスイング練習用具を示す斜視図である。
図4】第1シャフト部材の中心線の延在方向から見たスイング練習用具の図である。
図5】使用者がスイング練習用具を握った状態を示す図である。
図6】テイクバックの状態を示す図である。
図7】フォロースルーの状態を示す図である。
図8】ヘッド部品の斜視図である。
図9】スイング練習用具の変形例を示す斜視図である。
図10】スイング練習用具の他の変形例を示す斜視図である。
図11】スイング練習用具のさらに他の変形例を示す斜視図である。
図12】シャフト部材の接続部分の構造が変更された例を示す図である。
図13】シャフト部材の本数が変更された例を示す図である。
図14】第2実施形態のスイング練習用具を示す斜視図である。
図15図14のスイング練習用具の六面図ある。
図16】スイング練習用具を用いたスイングの様子を示す図である。
図17】第2実施形態のスイング練習用具の変形例を示す斜視図である。
図18】第2実施形態のスイング練習用具の他の変形例を示す模式図である。
図19図18の連結部材の斜視図である。
図20】第2実施形態のスイング練習用具の断面構造の例を示す模式図である。
図21】連結部材の変形例を示す斜視図である。
図22】バットの先端側の部分にカット面が形成されたバットの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のスイング練習用具を示す斜視図である。図2は、スイング練習用具を様々な向きから見た図である。図2(a)が正面図であり、図2(b)が左側面図であり、図2(c)が平面図である。図3は、スイング練習用具を握って使用する使用者の視点から見たスイング練習用具を示す斜視図である。図4は、第1シャフト部材の中心線の延在方向から見たスイング練習用具の図である。
【0023】
なお、本発明のスイング練習用具は、ゴルフだけではなく野球又はテニス等のスポーツ(例えば、両手で棒状物を握ってスイングする動作を含むスポーツ)のスイングの練習にも使用できるが、本実施形態ではゴルフ用の練習用具を例示する。図2のスイング練習用具S100は、ゴルフクラブでいう「基準状態」の姿勢で描かれている。「基準姿勢」とは、ゴルフクラブが、そのヘッドに定められたライ角及びロフト角に保持されて水平面に置かれた状態のことをいう。
【0024】
スイング練習用具S100は、ゴルフのスイングのフォームを矯正するための道具である。具体的には、スイング練習用具S100は、図5図7を参照して後述するように、使用者が両手をクロスした状態でスイング練習用具S100を握ってスイングをすることで、アドレス時にはしっかりと両脇が絞まり、右手の甲と左手の甲とが向かい合う状態となっていることからテイクバック及びフォロースルーのいずれのフォームも良好に矯正できる練習用具である。
【0025】
スイング練習用具S100は、図1及び図2に示すように、ヘッド部品10と、第1シャフト部材20と、第2シャフト部材30と、連結部材40とを備えている。
【0026】
ヘッド部品10は、ヘッド本体11と、シャフト接続部15とを有している。ヘッド本体11は、ゴルフクラブのヘッドを模した形状に形成されている。ヘッド本体11は、この例ではウッド型であり、フェース面11aを有している。ヘッド本体11は、ウッド型に限らず、アイアン型であってもよい。
【0027】
シャフト接続部15は、ヘッド本体11の上面の一部に設けられたホーゼル部である。シャフト接続部15は、ヘッド本体11の上面から突出するように設けられている。シャフト接続部15は、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30が接続される部分である。
【0028】
第1シャフト部材20は、棒状の部材である。第1シャフト部材20は、図2に示すように、先端部21及び基端部22を有している。第1シャフト部材20は中心線CLaの方向に沿って延在している。第1シャフト部材20の先端部21は、シャフト接続部15に接続されている。先端部21は、シャフト接続部15に対して固定的に接続されていてもよいし、取外し可能に接続されていてもよい。第1シャフト部材20がシャフト接続部15に取外し可能に接続される構成については、他の図面も参照して後述する。
【0029】
第1シャフト部材20の基端部22は、後述するように、使用者によって握られる部分である。基端部22には、例えばゴム製のグリップ部(不図示)が設けられていてもよい。
【0030】
第2シャフト部材30も、第1シャフト部材20と同様、棒状の部材である。第2シャフト部材30は、先端部31及び基端部32を有しており、先端部31がシャフト接続部15に接続されている。基端部32は、後述するように、使用者によって握られる部分である。
【0031】
第1シャフト部材20と同様、第2シャフト部材30の先端部31は、シャフト接続部15に対して固定的に接続されていてもよいし、取外し可能に接続されていてもよい。基端部32には、例えばゴム製のグリップ部(不図示)が設けられていてもよい。
【0032】
第2シャフト部材30は、図2及び図3に示すように、第1シャフト部材20に対して傾斜するように設けられている。第2シャフト部材30は、具体的には、図2(b)に示すようにスイング練習用具S100を側方から見た場合に、第1シャフト部材20、第2シャフト部材30及び連結部材40が三角形となるような位置関係で配置されている。第1シャフト部材20の基端部22と、第2シャフト部材30の基端部32とは、ユーザが一方の手で第1シャフト部材20を握り他方の手で第2シャフト部材30を握ることができるように(図5参照)、互いに十分に離れている。
【0033】
第2シャフト部材30は、ヘッド部品10の側に向かうにつれて第1シャフト部材20までの距離が短くなるように、第1シャフト部材20に対して傾斜している。ここで、「距離が短くなる」とは、図2(b)に示すように、第1シャフト部材20の中心線CLaに直交する面Sにおける第1シャフト部材20の断面と第2シャフト部材30の断面との間の距離が短くなることをいう。
【0034】
第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30は、第1シャフト部材20の中心線CLaと第2シャフト部材30の中心線CLbとが交差するように配置されていてもよいが、本実施形態では、中心線CLaと中心線CLbとが三次元空間内で交差しない向きとなるように設けられている。図4に示すように、第1シャフト部材20は、その中心線CLaが第1面Saにおいて延在するように設けられており、第2シャフト部材30は、中心線CLbが第1面Saとは異なる第2面Sbにおいて延在するように設けられている。
【0035】
第1シャフト部材20は、本実施形態では、シャフト接続部15のトウ側の位置に接続されている。第2シャフト部材30は、シャフト接続部15のヒール側の位置に接続されている。図4の例では、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30は、トウ・ヒール方向に延在する基準線L上に各シャフト部材の中心線が位置する配置で設けられている。
【0036】
再び図2を参照する。連結部材40は、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とを連結する部材である。連結部材40は、この例では、第1シャフト部材20の基端部22と第2シャフト部材30の基端部32とを連結している。連結部材40は、本実施形態では、直線状に延びる部材であるが、連結部材40は特定の形状に限定されるものではない。連結部材40は、第1シャフト部材20の基端部22以外の一部と、第2シャフト部材30の基端部32以外の一部とを連結するものであってもよい。
【0037】
ヘッド部品10の重心Gは、本実施形態では、図4に示すように、第1シャフト部材20とヘッド部品10との接続点と、第2シャフト部材30とヘッド部品10との接続点とを結ぶ直線である基準線Lに対して、フェース面11aと反対側に位置している。
【0038】
(スイング練習用具S100の使用方法)
図5は、使用者がスイング練習用具を握った状態を示す図である。図6は、テイクバックの状態を示す図である。図7は、フォロースルーの状態を示す図である。以下では、右打ちの場合を例示する。右手は、使用者の利き手に相当し、左手は利き手と反対側の手に相当する。
【0039】
なお、ここでの「利き手」は、スイングする際の利き手のことを意図し、例えば、文字は左手で書くが、ゴルフのスイングは右打ちであるといった場合は、ここでの「利き手」は右手であるものとする。
【0040】
まず、図5に示すように、使用者は、両手をクロスした状態(使用者から見て右手が上側となる状態)で、右手で第1シャフト部材20を握り、左手で第2シャフト部材30を握る。このように、両手をクロスした状態で第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とを握ることで、使用者は、アドレスの姿勢で、両脇が閉まり、肘窩が体の前方を向き、両腕の脱力した状態を作りやすく良好なフォームを作ることができる。脇が閉じた状態の良好なフォームを作ることができる。
【0041】
次いで、図6に示すように、使用者は、両手をクロスした状態のまま、スイング練習用具S100を振り上げる。スイング練習用具S100を握ると、右手の甲と左手の甲とが向かい合った状態となるので、使用者は、左手で右手を持ち上げるような意識でスイング練習用具S100を振り上げることで、右脇が閉じるとともに、オーバースイングを防ぎ、良好なフォームを作ることができる。
【0042】
次いで、図7に示すように、インパクト後には使用者は左手で右手を持ち上げるような意識でスイングすることで、使用者は、左脇が閉じることでチキンウィングを抑制し、右肘が伸びるとともに、左肩甲骨が下がったフィニッシュへと向かう良好なフォームを作ることができる。
【0043】
(スイング練習用具S100の効果)
以上説明したように、本実施形態のスイング練習用具S100によれば、使用者が両手をクロスした状態でスイング練習用具S100を握ってスイングをすることで、スイングのフォームを良好に矯正することができる。特に、両手の使いすぎを防ぐことで、ボディターン主体のバランスの取れたスイング、また良好なスイングプレーン、良好なアームローテーションのフォームに矯正することができる。特に、初心者やジュニアゴルファーにとっては、本練習器具より練習を開始することで、適切な筋肉、運動能力の成長が見込まれ、結果として効率的な成長と上達を促すことが期待できる。
【0044】
このように両手をクロスした状態でスイングのフォームを矯正することは、例えば、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが互いに平行に設けられた道具でも試みることができる。しかしながら、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが平行な構成では、両手をクロスした状態でスイングした際に手首に負担がかかりやすい。これに対して、本実施形態のスイング練習用具S100は、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが先端側に向かって互いに近づくような向きで配置されているので、手首に負担がかかりにくい。
【0045】
また、本実施形態の構成では、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30のそれぞれの中心線CLa、CLbが三次元空間内で交差しないような向きで配置されている。このような構成によれば、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが、望ましい姿勢でスイングをする場合の両腕の形態になりやすい態様で配置されることとなるので、スイングが矯正されやすくなる。特に、第1シャフト部材20がトウ側の位置に接続され、第2シャフト部材30がヒール側の位置に接続されている場合、図4のように、第1シャフト部材20が相対的にトウ側となるので、図5のような握り方でスイング練習用具S100を握りやすいという効果が得られる。
【0046】
また、本実施形態の構成では、ヘッド部品10の重心Gが、図4に示したように、基準線Lよりも後方に位置している。このように基準線Lに対して重心が偏っている構成によれば、使用者が実際のゴルフクラブヘッドのような感覚でスイング練習用具S100をスイングできるという効果が得られる。
【0047】
本発明としては、連結部材40が存在せず、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが互いに連結されていない構成であってもよいが、本実施形態のように連結部材40により第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが連結されている場合、第1シャフト部材20、第2シャフト部材30及び連結部材40で構成される組立体の剛性が向上し、スイング練習用具S100の変形や破損が生じにくくなるという効果が得られる。
【0048】
<変形例1>
図8は、ヘッド部品10Aの斜視図である。ヘッド部品10Aは、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30が取外し可能に接続されるように構成されている。ヘッド部品10Aは、第1の実施形態と同様、ヘッド本体11と、シャフト接続部15とを有している。シャフト接続部15には、第1凹部16a及び第2凹部16bが形成されている。
【0049】
第1凹部16aは、第1シャフト部材20が挿入される凹部である。第1凹部16aは、一例として円筒形の凹部である。第1凹部16aの内面には、例えば、第1シャフト部材20に形成された雄ネジ部がねじ込まれる雌ネジ部が形成されている。第1凹部16aは、第1シャフト部材20の中心線CLaと同じ方向に延在するように形成されている。第1凹部16aは、一例として、第2凹部16bよりトウ側の位置に設けられている。
【0050】
第2凹部16bは、位置及び延在方向が第1凹部16aと異なっている点を除き、第1凹部16aと同様の構造を有している。第2凹部16bは、第2シャフト部材30が挿入される凹部であり、一例として円筒形に形成されている。第2凹部16bの内面には、例えば、第2シャフト部材30の先端に形成された雄ネジ部がねじ込まれる雌ネジ部が形成されている。第2凹部16bは、第2シャフト部材30の中心線CLaと同じ方向に延在するように形成されている。
【0051】
上述のように構成されたヘッド部品10Aに対して、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30を接続するとともに、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30を連結部材40により連結することで、第1の実施形態のようなスイング練習用具S100を作製することができる。また、スイング練習用具S100は、ヘッド部品10A、第1シャフト部材20、第2シャフト部材30、及び連結部材40の一部または全部を取外しや分解が可能であるようにしてもよい。スイング練習用具S100の一部または全部の構成要素について取外しや分解が可能とすることで、嵩張らずに運搬しやすくなる。
【0052】
なお、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30のシャフト接続部15に対する接続は、ねじ結合に限定されるものではない。第1シャフト部材20、第2シャフト部材30及び連結部材40は、一体的に形成された部品としてヘッド部品10に接続されてもよい。シャフト部材とシャフト接続部15との接続は、例えば、シャフト接続部15に形成された凸部とシャフト部材に形成された凹部とが互いに結合することによってシャフト部材がシャフト接続部15に接続されてもよい。
【0053】
図8のようなスイング練習用のヘッド部品10Aによれば、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30が取外し可能であるので、使用者は、例えば自分の好みの長さのシャフト部材をヘッド部品10Aに接続し、シャフト部材の長さを調整することができる。
【0054】
<変形例2>
図9は、スイング練習用具の変形例を示す斜視図である。図9に示すように、第2シャフト部材30の基端部32に、張出し部35が設けられていてもよい。張出し部35は、使用者が第2シャフト部材30を握った際に掌の一部が当接することとなる部分である。
張出し部35は、この例では、第2シャフト部材30と連結部材40との接続部に設けられており両部材に固定されている。張出し部35は、図9の構成に限らず、第2シャフト部材30にのみ固定され、第1シャフト部材20の側に張り出すように形成されていてもよい。
【0055】
このような張出し部35が形成されている場合、使用者が第2シャフト部材30を握った際に、掌の一部が張出し部35に当接し、これにより手の位置が規定されるので、使用者は、スイング練習用具を良好な向きで安定して握ることができる。
【0056】
なお、張出し部35は図9に示されている形状に限らず、稜線部分が曲面状に形成されていたり、張出し部35と他の部材との接続部分が曲面状に形成されたりしていてもよい。
【0057】
<変形例3>
図10は、スイング練習用具の他の変形例を示す斜視図である。スイング練習用具S100の全体の重量が比較的軽い場合はそれほど問題にならないが、スイング練習用具S100の全体の重量が比較的重い場合、スイングをした際に連結部材40(図2参照)がスイング練習用具S100を握っている腕の一部にぶつかってしまうおそれがある。
【0058】
そこで、図10のスイング練習用具S101では、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30とが連結部材40Aによって連結されている。連結部材40Aは、屈曲した形状に形成されており、具体的には、第1シャフト部材20の基端部22と第2シャフト部材30の基端部32との間に、空隙状の逃げ部Scが形成されるような形状に形成されている。
【0059】
なお、図10のような構成であっても、第2シャフト部材30の基端部32に図9に示したような張出し部35が設けられていてもよい。
【0060】
<変形例4>
図11は、スイング練習用具のさらに他の変形例を示す斜視図である。ゴルフのスイングにおいては、使用するクラブの種別や形状に応じてスイングの理想的なフォームが異なることもある。そこで、図11のスイング練習用具S102のヘッド部品10Bでは、ヘッド本体11に対してアタッチメント部材12が取外し可能に装着されるように構成されている。
【0061】
ヘッド本体11は、ゴルフクラブの形状を模した形状であり、一例としてフェース面11aを有している。アタッチメント部材12は、アタッチメント部材12がヘッド本体11に装着された状態で、ヘッド本体11のフェース面11aの向きと異なる向きとなるフェース面12aを有している。
【0062】
図11のように、アタッチメント部材12を装着することでスイング練習用具のヘッド部品10の形状を調整できる構成によれば、使用者は、クラブの種別や形状に応じたスイングの練習を良好に行うことができる。
【0063】
なお、図11では、フェース面のロフト角が異なる例を示しているが、アタッチメント部材12は、ヘッド本体11のフェース面11aと異なるフェース角のフェース面を有するものであってもよい。ヘッド本体11は、フェース面11aを有さず、単にアタッチメント部材12が取り付けられる取付面を有するものであってもよい。アタッチメント部材12は、ヘッド本体11のフェース面11a又は前面に取り付けられる構成に限らず、ヘッド本体11の任意の部分に取り付けられる構成であってもよいし、ヘッド本体11を覆うように取り付けられる構成であってもよい。アタッチメント部材12は重心調整のために取り付けられるものであってもよい。
【0064】
<変形例5>
図12は、シャフト部材の接続部分の構造が変更された例を示す図である。図12(a)に示すように、本発明のスイング練習用具においては、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30との両方がヘッド部品10に接続されている必要はない。この例では、第2シャフト部材30が、第1シャフト部材20の一部に接続されている。第1シャフト部材20が第2シャフト部材30の一部に接続され、その第2シャフト部材30がヘッド部品10に接続されていてもよい。
【0065】
図12(b)に示すように、ヘッド部品10は第1シャフト部材20の先端側に設けられていればよく、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30がヘッド部品10に直接的に結合している必要はない。この例では、ヘッド部品10とは別体に設けられた接続部材18を介して、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30がヘッド部品10に接続されている。接続部材18は、1つのヘッド部品10に対して1つだけ設けられていてもよく、1つのヘッド部品10に対して複数(例えば、第1シャフト部材20をヘッド部品10に接続するための接続部材18と、第2シャフト部材30をヘッド部品10に接続するための接続部材18とで2つ存在する場合が挙げられる。)設けられていてもよい。1つ以上の接続部材18の角度(ヘッド部品10に対し接続部材18が突出する方向)を調整できるようにしてもよい。このような構成により、シャフト部材の方向が調整可能となる。
【0066】
<変形例6>
図13は、シャフト部材の本数が変更された例を示す図である。図13(a)に示すスイング練習用具は、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30Aに加えて、第3シャフト部材30Bを備えている。第2シャフト部材30Aは、第1実施形態の第2シャフト部材30に相当する部材である。第3シャフト部材30Bは、ヘッド部品10の側に向かうにつれて第1シャフト部材20までの距離、及び、第2シャフト部材30Aまでの距離が短くなるように傾斜して配置されている。このような構成によれば、使用者は、例えば、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30Aとを握った状態でのスイングと、第1シャフト部材20と第3シャフト部材30Bとを握った状態でのスイングとを使い分けて練習することができる。
【0067】
図13(b)に示すように、第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30がシャフト接続部15に対して着脱可能であってもよい。一例として、シャフト接続部15に3つの凹部が形成されており、例えば、第2シャフト部材30Aをシャフト接続部15の所定の凹部から取り外して他の凹部に挿入し直すことで、そのシャフト部材が第3シャフト部材30Bとして機能するように構成されていてもよい。連結部材40は、第1シャフト部材20と第2シャフト部材30Aとに対して装着でき、かつ、第1シャフト部材20と第3シャフト部材30Bに対しても装着できる構成であってもよい。
【0068】
図13(a)の例では、第3シャフト部材30Bがヘッド部品10からヘッド部品10の前方側に傾くように設けられ、第2シャフト部材30Aはヘッド部品10からヘッド部品10の後方側に傾くように設けられ、それらのシャフト部材の間に第1シャフト部材20が延在している。図2(b)に例示したように、第1実施形態のスイング練習用具S100は、図13(a)の第1シャフト部材20と第2シャフト部材30Aとに対応する位置に位置するように設けられているが、本発明のスイング練習用具は、一方のシャフト部材が第2シャフト部材30Aのような位置に位置し、他方のシャフト部材が第3シャフト部材30Bのような位置に位置するように設けられていてもよい。
【0069】
本発明のスイング練習用具は、各部材を通常のゴルフクラブと同一又は類似させた素材で構成してもよい。例えば、ヘッド部品10の一部、大部分(例えば70質量%以上であり、以下同じ。)、又は全部を金属(チタン合金、鋼、アルミ、タングステン)、木材、カーボン等としてもよく、シャフト部材(第1シャフト部材20及び第2シャフト部材30等)の一部、大部分、又は全部を、鋼、カーボン、アラミド繊維等としてもよい。本発明のスイング練習用具で現実のゴルフボールを打つことができるような構成としてもよい。他方で、本発明のスイング練習用具は、現実のゴルフクラブとは大きく異なる素材で構成してもよく、例えば、ヘッド部品10やシャフト部材の一部、大部分、又は全部をプラスチック素材(ポリエチレンのようなポリオレフィン等)又はゴム素材としてもよく、通常のゴルフクラブよりも柔軟としてもよく、通常のゴルフクラブの重さと比較して軽量(例えば20g以上250g未満)としてもよく同等(例えば250g以上500g以下)としてもよく重量(例えば500g超1500g以下)としてもよい。通常のゴルフクラブと比べて柔軟又は軽量とすると、比較的狭い空間であっても、事故時のリスクを抑えてスイング練習をできる。また、通常のゴルフクラブと比べて重量とすることで、(例えばスイング練習用具を取り回しの便宜等から短くした場合でも)スイングの手ごたえを得られやすい。また、本発明のスイング練習用具は、通常のゴルフクラブ同等の長さでもよく、それよりも長くても短くてもよく、例えば、30cm~120cm、又は、30cm~90cmとしてもよい。
【0070】
<第2実施形態>
上記実施形態ではゴルフ用のスイング練習用具について説明したが、本発明のスイング練習用具は野球やソフトボールのスイングのフォームを矯正するものであってもよい。図14は、第2実施形態のスイング練習用具を示す斜視図である。図15は、図14のスイング練習用具の六面図である。具体的には、図15(a)が正面図であり、図15(b)が左側面図であり、図15(c)が右側面図であり、図15(d)が平面図であり、図15(e)が底面図であり、図15(f)が背面図である。図16は、スイング練習用具S200を用いたスイングの様子を示す図である。
【0071】
このスイング練習用具S200は、第1バット210と、第2バット220とを備えている。第1バット210と、第2バット220とは、それぞれの先端側の部分が一体化するような態様で互いに結合している。第1バット210と、第2バット220との結合のさせ方としては、例えば、スイング練習用具の断面(スイング練習用具のヘッド部における、スイング練習用具の長さ方向に対して垂直な面での断面)が、例えば、二つの円が連なった形状になるようにしてもよいし、楕円形や長円形となるようにしてもよい。
【0072】
第1バット210は、ヘッド部211と、グリップ部212とを有する棒状の部材である。同様に、第2バット220も、ヘッド部221と、グリップ部222とを有している。
【0073】
図15(a)に示すように、第1バット210と第2バット220とは正面視で互いに交差するような向きで設けられている。具体的には、第1バット210と第2バット220とは、先端側に向かうにつれて互いの距離が短くなるように互いに傾斜して設けられている。本実施形態では、第1バット210の中心線CLaと第2バット220の中心線CLaとは、第1実施形態と同様、三次元的に交差しないように設けられている。
【0074】
第1バット210と第2バット220とは、同じ長さであってもよいが、この例では、第1バット210が第2バット220よりも短く形成されている。具体的には、第1バット210は、図15に示すように、第1バット210と第2バット220との接続部からの突出長さd1が第2バットの突出長さd2よりも短くなるように設けられている。一例で、突出長さd1は、第2バットの突出長さd2よりも5cm以上短くてもよく、10cm以上短くてもよい。このような構成による効果については、スイング練習用具S200の使用方法の説明と併せて後述する。
【0075】
(スイング練習用具S200の使用方法)
スイング練習用具S200の使用方法について、右打ちの使用者を例として、以下説明する。図16に示すように、使用者は、両手をクロスした状態(使用者から見て右手が上側となる状態)で、右手で第1バット210を握り、左手で第2バット220を握る。このように、両手をクロスした状態でスイング練習用具S200を握ることで、使用者は、脇が閉じた良好なフォームを作ることができる。
【0076】
スイングにおけるトップからインパクトにかけては、使用者は、左手で握った第2バット220がスイング方向の前方となるような意識で、スイング練習用具S200を移動させる。野球のスイングにおいては(右打ちの場合)、左手の甲が腕に対してやや起き上がった状態(左手の甲が腕から真っ直ぐに伸びていない状態)を意識してバットを振るとよいとされるところ、両手をクロスした状態でスイング練習用具S200を握ると、右手の通り道を確保しながら自然とこのような手の形を作ることができるため、スイングのフォームを良好に矯正できる。
【0077】
そして、インパクト直前からフォロースルーにかけては、今度は、右手で握った第1バット210がスイング方向の前方となるような意識で、使用者はスイング練習用具S200を移動させる。ここで、右手が左手を追い越すようなイメージでスイング練習用具S200を移動させることで、バットのヘッドが遅れて出てくることが防止され、ボールの移動方向における前方の位置でボールを打撃することが可能となる。
【0078】
(スイング練習用具S200の効果)
以上説明したように、本実施形態のスイング練習用具S100によれば、使用者が両手をクロスした状態でスイング練習用具S200を握ってスイングをすることで、いわゆる両手を絞った状態でバットを握る姿勢を作ることができ、スイングのフォームを良好に矯正することができる。また、第1バット210と第2バット220の前後関係を意識しながらスイング練習用具S200を移動させることで、右手が左手を追い越すようなイメージのフォームを良好に作ることができる。
【0079】
スイング練習用具S200は、第1バット210が第2バット220よりも短く形成されているので、使用者が第1バットを利き手(ここでは右手)で握るとともに、利き手が上になるように両手をクロスさせた状態で利き手と反対の手(ここでは左手)で第2バット220を握った際に、第1バット210が左手に干渉しにくいという効果が得られる。
【0080】
<変形例1>
以上、図16を参照して野球やソフトボールのスイングの練習に利用可能な構成例を示したが、本発明は上記の構成に限定されない。例えば、第2バット220の基端部に、張出し部が設けられていてもよい。この張出し部は、例えば、第1バット210の側に向かって突出するように設けられ、使用者が第2バットを握った際に掌の一部が当接することとなる部分である。
【0081】
また、第1バット210の色と第2バット220との色とが互いに異なっていてもよい。このように各バットの色が異なっていることで、使用者は、バットの動きを視覚的に意識しながら良好にスイングを練習することが可能となる。
【0082】
<変形例2>
図17は、第2実施形態のスイング練習用具の変形例を示す斜視図である。本発明に係るスイング練習用具は、図14及び図15のような形状のものの他にも、例えば図17のような形状であってもよい。図17のスイング練習用具S201は、第1バット210、第2バット220、及び連結部230を備えている。第1バット210及び第2バット220は、図14及び図15のスイング練習用具S200のものと同様であるので、説明は省略する。
【0083】
連結部230は、第1バット210の先端側の部分と、第2バット220の先端側の部分とを相互に固定する部材である。連結部230は、具体的には、第1バット210の先端側の部分の外周面と、第2バット220の先端側の部分の外周面とを繋ぐ面231を有している。このような面231が形成されていることで、使用者は、スイング時にスイング練習用具S201が向いている方向を意識しやすくなり、スイングのフォームを良好に矯正できるという効果が得られる。連結部230は、例えば、テープ又はシートであってもよい。これらのテープ又はシートが粘着性を有することによって、第1バット210と、第2バット220との結合を実現するものであってもよい。
【0084】
本発明においては、第1バット210、第2バット220、連結部230が互いに別々の部材であることは必須ではない。これらの部材が1つに合体したような形状の一体部材としてスイング練習用具が設けられていてもよい。一例として、ブロー成形又は三次元プリンタにより、スイング練習用具が一体的に形成されてもよい。
【0085】
<変形例3>
図18は、第2実施形態のスイング練習用具の他の変形例を示す模式図である。図19は、図18の連結部材の斜視図である。なお、図18図19とで連結部材に形状の相違があるが、これは本発明における本質的な相違ではない。図18のスイング練習用具は、2本のバットを連結する連結部材230Aを有している。連結部材230Aは、図18及び図19に示すように、第1バット210の外周面に沿った形状に形成され第1バット210を受け入れる第1凹部230aと、第2バット220の外周面に沿った形状に形成され第2バット220を受け入れる第2凹部230bとを有している。
【0086】
第1凹部230aの延在方向L1と、第2凹部230bの延在方向L2とは、各凹部に固定されたバットの中心線CLa及び中心線CLbが図15のような向きとなるように、三次元的に互いに交差しない向きとなっている。
【0087】
このような連結部材230Aに対して、2本のバットを固定することにより、第1バットと第2バットとが異なる向きに延在する図15のようなスイング練習用具を構成することができる。2本のバットを固定するために1つの連結部材230Aのみが使用されるのではなく、例えば、バットの先端部付近に1つ目の連結部材230Aが設けられ、バットの長手方向の中間部分に2つ目の連結部材230Aが設けられていてもよい。
【0088】
<変形例4>
図20は、第2実施形態のスイング練習用具の断面構造の例を示す模式図である。図20の例では、第1バット210の一部に接合面210aが形成され、第2バット220の一部にも接合面220aが形成されている。そして、第1バット210と第2バット220とは、接合面どうしが互いに向かい合った状態で固定されている。
【0089】
<変形例5>
図21は、連結部材の変形例を示す斜視図である。図21の連結部材230Bは、第1保持部235と、第2保持部236とを有している。第1保持部235には、バットが挿入される第1孔235aが形成されている。第2保持部236には、他のバットが挿入される第2孔235bが形成されている。第1孔235a及び第2孔235bは、各孔に挿入されたバットの中心線CLa及び中心線CLbが図15のような向きとなるように、三次元的に互いに交差しない向きに延在している。
【0090】
このような連結部材230Bに対して、2本のバットを挿入して固定することにより、第1バットと第2バットとが異なる向きに延在する図15のようなスイング練習用具を構成することができる。
【0091】
スイング練習用具S200における第1バット及び/又は第2バットは、野球やソフトボールの試合等で用いられる通常のバットと同一又は類似させた素材で構成してもよい。例えば、第1バット及び/又は第2バットの一部、大部分、又は全部をアルミ、アルミ合金、又は木材等としてもよい。スイング練習用具S200で野球やソフトボールのボールを打つことができるような構成としてもよい。他方で、スイング練習用具S200は、野球やソフトボールの試合等で用いられる通常のバットとは大きく異なる素材で構成してもよく、例えば、第1バット及び/又は第2バットの一部、大部分、又は全部をプラスチック素材(ポリエチレンのようなポリオレフィン等)又はゴム素材としてもよく、通常のバットよりも柔軟としてもよく、通常のバットの重さと比較して軽量(例えば20g以上400g未満)としてもよく同等(例えば400g以上1kg以下)としてもよく重量(例えば1kg超20kg以下)としてもよい。通常のバットと比べて柔軟又は軽量とすると、比較的狭い空間であっても、事故時のリスクを抑えてスイング練習をできる。また、通常のバットと比べて重量とすることで、(例えばスイング練習用具を取り回しの便宜等から短くした場合でも)スイングの手ごたえを得られやすい。また、本発明のスイング練習用具S200は、通常のバット同等の長さでもよく、それよりも長くても短くてもよく、例えば、20cm~200cm、又は、30cm~60cmとしてもよい。
【0092】
<単一のバット構成>
図22は、バットの先端側の部分にカット面が形成されたバットの例を示す図である。図22(a)は正面図であり、図22(b)はA-A線における断面図である。図22のバット240は、右打ち用であり、先端側の部分にカット面241が形成されている。また、バット240の基端部には、張出し部245が形成されている。張出し部245は、図9の張出し部35と同様の機能を有する構造部であり、バットを握った使用者の左手の一部が当接する。
【0093】
カット面241は、図22(b)に示すように、張出し部245が設けられた側とは反対側(図の右側)の位置に形成されている。具体的には、カット面241は、この例では、張出し部245に対して約45°の角度で傾斜するように形成されている。
【0094】
このようなカット面241が形成されている構成によれば、使用者は、このカット面241の向きを意識しながらバット240をスイングすることにより、ゴルフのスイングやバッティングのフォームを良好に矯正することができる。また、カット面241に対して図22(b)のような位置関係で張出し部245が形成されていることで、右打ちの使用者の場合、バット240を握った際にカット面241が自然と使用者の顔の側へと向くので、使用者がバット240を握り直してカット面241の向きを微調整するといった作業が不要となる。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0096】
10 ヘッド部品
11 ヘッド本体
11a フェース面
12 アタッチメント部材
12a フェース面
15 シャフト接続部
16a 第1凹部
16b 第2凹部
18 接続部材
20 第1シャフト部材
21 先端部
22 基端部
30 第2シャフト部材
31 先端部
32 基端部
35 張出し部
40 連結部材
210 第1バット
211 ヘッド部
212 グリップ部
220 第2バット
221 ヘッド部
222 グリップ部
230 連結部
230A 連結部材
230B 連結部材
230a 第1凹部
230b 第2凹部
231 面
235 第1保持部
236 第2保持部
240 バット
241 カット面
245 張出し部
S100 スイング練習用具
Sa 第1面
Sb 第2面
Sc 逃げ部
【要約】
【課題】スイングのフォームを良好に矯正することができるスイング練習用具を提供する。
【解決手段】スイング練習用具S100は、ヘッド部品10と、先端側にヘッド部品10が設けられた第1シャフト部材20と、ヘッド部品10又は第1シャフト部材20の少なくとも一方に接続され、ヘッド部品10の側に向かうにつれて第1シャフト部材20までの距離が短くなるように第1シャフト部材20に対して傾斜して設けられた第2シャフト部材30と、を備える。
【選択図】図5
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図3
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図5
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