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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】把持具
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/62 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B66C1/62 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020156122
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022049862
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政数
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-23196(JP,A)
【文献】特開平8-133662(JP,A)
【文献】実開平6-47283(JP,U)
【文献】特開2013-82541(JP,A)
【文献】実開昭58-4582(JP,U)
【文献】米国特許第8109550(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する鉛直平面からなる外側面に、一対するようにして形成された把手部を有する物体を把持し、前記物体の吊り上げに用いられる把持具であって、
梁部材と、
前記梁部材の少なくとも一方の端部側に、回動可能に接続され、一の方向に回動したときに、前記物体の把持を行う把持部材と、
前記把持部材が接続された前記梁部材の端部側に配置され、前記梁部材が延びる方向と平行な軸を中心にして回転可能なロックレバーと、
前記ロックレバーの他端部に取り付けられ、前記把持に際して、前記物体に当接する当接部材と、を備え、
前記物体に当接する当接部材の動きに連動して前記ロックレバーが回転し、前記把持部材が、前記物体を把持している時には、前記ロックレバーが前記把持部材の回動のロックを行う、
ことを特徴とする把持具。
【請求項2】
前記把持を行うに際して、
前記当接部材が前記物体に当接し、前記梁部材と前記物体との距離が、第1の距離のときの前記ロックレバーの一端部の位置は、前記把持に際しての前記把持部材の前記一の方向への回動が可能な位置であり、
前記距離が、前記第1の距離よりも長い第2の距離のときに、前記当接部材の移動に伴い回転した前記ロックレバーの一方の端部は、前記把持部材の回動移動をロックする、
ことを特徴とする請求項1に記載の把持具。
【請求項3】
前記当接部材が前記物体に当接し、前記梁部材と前記物体との距離が、第1の距離のときの前記ロックレバーの一端部の位置は、前記把持を解除するに際しての前記把持部材の前記一の方向とは逆の方向への回動が可能な位置である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の把持具。
【請求項4】
前記ロックレバーの一端部が前記把持部材側となるように回転範囲を規制する規制部材を更に備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の把持具。
【請求項5】
前記梁部材は、荷役昇降装置に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の把持具。
【請求項6】
前記物体の前記把手部の形状は突条であり、
前記把持部材における前記把手部と係合するの部分の形状は、鉛直下方から突条を保持可能な形状となっている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の把持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器等の物体を把持する把持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、荷役物運搬機を用いて物品を運搬する際に、荷役物運搬機に吊るされ、物品を把持する把持具が使用されている。当該把持具については、把持する物品の種類等に応じて、様々な技術が提案されている。
【0003】
こうした提案技術の一つとして、開閉自在なアームを備え、アームを利用して容器等の物品を把持するものがある(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。従来例1の技術では、アーム取付け部材の両端に取り付けられた爪片を有する2本のアームを有している。そして、2つの爪片が、物品に形成された突条を挟持するようにして、物品を把持するようになっている。
【0004】
また、他の提案技術として、ベルトと当該ベルトに取り付けれられたフックとを使用し、フックを利用してコンテナを把持するものがある(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。従来例2の技術では、コンテナにフックに係合するフック係合部が設けられ、当該フック係合部にフックを引っ掛けて、物品を把持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平2-23196号公報
【文献】特開平3-18595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例1の技術では、アームに取り付けられた2つの爪片が、物品に形成された突条を挟持して、物品を把持する。このため、把持具や物品に強い外力が加わったときに、把持具から物品が外れることがある。こうした事態が発生すると、物品の転落により、物品や物品収納物が壊れることがある。また、こうした事態の発生により、転落した物品の回収、再度の物品の把持具への把持等の手間が生じる。
【0007】
従来例2の技術では、コンテナに設けられたフック係合部に、把持具のフックを引っ掛ける構成となっている。このため、従来例1の技術に比べれば、把持具やコンテナに強い外力が加わったときに、物品が把持具から外れる可能性は低くなる。しかしながら、コンテナのフック係合部に、単にフックを引っ掛ける構成のため、外力により、物品が把持具から外れることは十分あり得る。
【0008】
また、従来例2の技術で把持することができるのは、フックに係合するフック係合部が設けられたコンテナだけである。このため、従来例2の技術では、例えば、フックで引っ掛けられない突条の把手部を有するコンテナ等については、把持できない。
【0009】
このため、突条の把手部を有する物体であっても、把持中に物体が外れないようにすることができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなられたものであり、把持中に物体が外れないようにして、利便性及び安全性を向上させることができる新たな把持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、対向する鉛直平面からなる外側面に、一対するようにして形成された把手部を有する物体を把持し、前記物体の吊り上げに用いられる把持具であって、梁部材と、前記梁部材の少なくとも一方の端部側に、回動可能に接続され、一の方向に回動したときに、前記物体の把持を行う把持部材と、前記把持部材が接続された前記梁部材の端部側に配置され、前記梁部材が延びる方向と平行な軸を中心にして回転可能なロックレバーと、前記ロックレバーの他端部に取り付けられ、前記把持に際して、前記物体に当接する当接部材と、を備え、前記物体に当接する当接部材の動きに連動して前記ロックレバーが回転し、前記把持部材が、前記物体を把持している時には、前記ロックレバーが前記把持部材の回動のロックを行う、ことを特徴とする把持具である。
【0012】
この把持具では、回転軸を中心にして回転するロックレバーの他端部に、物体に当接する当接部材が取り付けられている。そして、把持具と物体との相対距離の変化による当接部材の移動に伴ってロックレバーが回転し、物体の把持を行う時には、ロックレバーが把持部材による把持のロックを行う。
【0013】
したがって、本発明の把持具によれば、把持中に物体が外れないようにして、利便性及び安全性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の把持具では、 前記把持を行うに際して、前記当接部材が前記物体に当接し、前記梁部材と前記物体との距離が、第1の距離のときの前記ロックレバーの一端部の位置は、前記把持に際しての前記把持部材の前記一の方向への回動が可能な位置であり、前記距離が、前記第1の距離よりも長い第2の距離のときに、前記当接部材の移動に伴い回転したロックレバーの一方の端部は、前記把持部材の回動移動をロックするようにすることができる。このため、物体の把持を行うに際して、作業者の手を煩わせることなく、機構動作により、物体を把持して、把持中に物品が外れないようにロックすることができる。
【0015】
また、本発明の把持具では、前記当接部材が前記物体に当接し、前記距離が、前記第1の距離のときの前記ロックレバーの一端部の位置は、前記把持を解除するに際しての前記把持部材の前記一の方向とは逆の方向への回動が可能な位置となっている。このため、把持具への物体の取り付け、及び、把持具からの物体の取り外しに際して、ロックレバーが把持部材の回転を妨げることはない。
【0016】
本発明の把持具では、前記ロックレバーの一端部が前記把持部材側となるように回転範囲を規制する規制部材を更に備える構成とすることができる。このため、ロックレバーの一端部を把持部材側に配置することができ、ロックレバーの一端部による把持部材の開閉のロック及び解除を円滑に行うようにすることができる。
【0017】
本発明の把持具では、前記梁部材は、荷役昇降装置に取り付けられるようにすることができる。このため、把持具が把持した物体を、荷役昇降装置を使用して昇降させることができる。
【0018】
また、発明の把持具では、前記物体の前記把手部の形状は突条であり、前記把持部材における前記把手部と係合するの部分の形状は、鉛直下方から突条を保持可能な形状となるようにすることができる。このため、フックで引っ掛けられない突条の把手部を有する物体であっても、把持中の物体の落下を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の把持具によれば、 把持中に物体が外れないようにして、利便性及び安全性を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る把持具の外観図(その1)である。
図2図1の把持具の外観図(その2)である。
図3図1の把持具の外観図(その3)である。
図4図1の把持具の外観図(その3)である。
図5】コンテナを把持していないときの把持具の状態を説明するための図(その1)である。
図6】コンテナを把持していないときの把持具の状態を説明するための図(その2)である。
図7】把持方法を説明するための図(その1)である。
図8】把持方法を説明するための図(その2)である。
図9】把持方法を説明するための図(その3)である。
図10】把持方法を説明するための図(その4)である。
図11】把持方法を説明するための図(その5)である。
図12】把持方法を説明するための図(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
[構成]
図1図4には、一実施形態に係る把持具100の外観図が示されている。図1図4における座標系(X,Y,Z)は、図示の通りに定義されている。ここで、図1は、物体であるコンテナCNTを把持しているときの把持具100を、図1に示した座標系で表した斜視図である。また、図2は、図1に示した把持具100の+X方向側の部分の拡大図である。また、図3は、図2に示した把持具100を+X方向側から視た外観図(YZ平面視図)である。さらに、図4は、図2に示した把持具100を-Y方向側から視た外観図(XZ平面視図)である。
【0023】
把持具100は、不図示の荷役昇降装置に取り付けられている。また、把持具100が把持するコンテナCNTは、対向する鉛直平面からなる外側面(+X方向側及び-X方向側のYZ面)に、一対するようにして形成された把手部HP(後述する図7を参照)を有している。当該把手部HPは、フックを引っ掛けることが容易でない突条になっているものとする。
【0024】
図1図4により総合的に示されるように、把持具100は、梁部材10と、把持部材20とを備えている。また、把持具100は、ロック機構30を備えている。
【0025】
上記の梁部材10は、X方向に延びる部材であり、-X方向側の端部に一端側把持部11が形成されている。本実施形態では、一端側把持部11は、YZ平面に平行な平板部を含み、当該平板部の-Z方向側の部分に、+X方向側に突き出た厚みのある板状部分が形成されている。そして、当該板状部分が、コンテナCNTの突条の把手部に-Z方向側から係合して、コンテナCNTを把持することができるようになっている。
【0026】
また、梁部材10の+X方向側には、Y方向に沿って延びる軸部材AX1を挿入する穴が形成されている。そして、梁部材10の+X方向側には、軸部材AX1を回動軸にして、把持部材20が、回動可能に接続されている。
【0027】
上記の把持部材20は、L字形状の部材であり、-X方向側に配置される第1の平板部と、当該第1の平板部の+X方向側で折り曲げて接続される第2の平板部とを含む部材である。第1の平板部の-X方向側の端部は、軸部材AX1により、梁部材10に対して回動可能に接続されている。また、第1の平板部には、+Z方向側に握持部材21が取り付けられている。当該握持部材21は、軸部材AX1を軸にして把持部材20を回動させることで、把持部材20を開閉させるときに作業者が握るハンドルである。
【0028】
第2の平板部は、コンテナCNTの把持に利用される。第2の平板部の-Z方向側の部分に、-X方向側に突き出た厚みのある板状の他方側把持部HD(以下、「把持部HD」という。後述する図8を参照)が取り付けられている。そして、当該把持部HDが、コンテナCNTの突条の把手部HPに-Z方向側から係合して、コンテナCNTを把持することができるようになっている。
【0029】
<ロック機構の構成>
上記のロック機構30について説明する。ロック機構30は、コンテナCNTを把持している間、把持部材20の開閉をロックすることで、把持もロックする。
【0030】
かかる機能を有するロック機構30は、取付部材31と、ロックレバー32と、当接部材33とを備えている。また、ロック機構30は、規制部材34を備えている。
【0031】
上記の取付部材31は、YZ平面と平行な平板部を含む部材である。当該取付部材31は、本実施形態では、梁部材10の+X方向側の端部の-Y方向側に取り付けられている。
【0032】
上記のロックレバー32は、本実施形態では、ブーメラン形状をしている。そして、ロックレバー32の折り曲げ箇所が、取付部材31に取り付けらえれてX方向に沿って延びる軸部材AX2を回転軸にして、取付部材31に対して回転可能に取り付けられている。ロックレバー32の-Y方向側の第1の部分(ロックレバーの他端部)には、当接部材33が取り付けられている。
【0033】
また、ロックレバー32の+Y方向側の第2の部分(ロックレバーの一端部。以下、「開閉レバー」という)は、コンテナCNTを把持した把持部材20における第2の平面部の開閉をロックする際に利用される。
【0034】
上記の当接部材33は、本実施形態では、X方向に沿って伸びる円柱状の部材である。当該当接部材33は、コンテナCNTの+Z方向側の枠部分におけるY方向に沿って延びる+X方向側の板状部分に当接するように設定されている。
【0035】
上記の規制部材34は、取付部材31の平板部に取付けられる。当該規制部材34は、コンテナCNTの把持を行っていないときにも、図5に示されるように、開閉レバーが軸部材AX2に対して+Y方向側になり、当接部材33が軸部材AX2に対して-Y方向側となるように、ロックレバー32の回転範囲を規制する。
【0036】
ここで、図5には、当接部材33がコンテナCNTに当接していないときのロック機構30の状態が示されている。本実施形態では、ロックレバー32の第1の部分には当接部材33が取り付けられ、第1の部分の方が、開閉レバーよりも重くなっている。また、ロックレバー32は、ブーメラン形状をしている。このため、もし、規制部材34が存在しないと、第1の部分の自重により、第1の部分が軸部材AX2に対して+Y方向側になり、開閉レバーが軸部材AX2に対して-Y方向側になる。こうした状態では、開閉レバーによる把持部材20の開閉ロック動作ができなくなる。このため、当該状態を回避するために、規制部材34が備えられている。
【0037】
[動作]
以上のように構成された把持具100の動作について、説明する。
【0038】
<コンテナCNTの取り付け動作>
前提として、把持具100は、不図示の荷役昇降装置に取り付けられているものとする。また、当初においては、コンテナCNTは床面に載置され、把持具100は、把持動作を行っていないものとする。すなわち、把持具100は、図5に示される状態になっているものとする。
【0039】
こうした状態で、まず、作業者が握持部材21を操作して、把持部材20を図6に示される状態にする。次に、作業者が荷役昇降装置を操作して、把持具100を-Z方向に移動させる。把持具100がコンテナCNTに近づくと、当接部材33がコンテナCNTの+Z方向側の枠部分に当接する。そして、把持具100がさらにコンテナCNTに近づくと、枠部材に当接する当接部材33が-Y方向側に移動し、当該移動に伴い、ロックレバー32が軸部材AX2を回転軸にして回転する。このときの状態が、図7,8に示されている。図8に示されるように、このときの梁部材10とコンテナCNTの枠部分との距離は、D1(第1の距離)となっている。
【0040】
次いで、作業者が握持部材21を操作して、把持部材20を閉じる方向に回動させて、図9,10に示される状態にする。図9,10に示される状態では、コンテナCNTの把手部HPと把持部材20の把持部HDとの間には隔たりがあり、把手部HPと把持部HDとは係合していない。
【0041】
引き続き、荷役昇降装置を操作して、把持具100を+Z方向側に移動させる。こうして把持具100を+Z方向側に移動させると、把持部HDが-Z方向側から把手部HPに近づき、把手部HPと把持部HDとが係合する。このときの状態が、図11,12に示されている。図12に示されるように、この状態での梁部材10とコンテナCNTの枠部分との距離は、D1によりも長いD2(第2の距離)となっている。
【0042】
また、把持具100を+Z方向側に移動させると、当該移動に伴い、コンテナCNTの枠部分に当接する当接部材33が移動する。そして、枠部材に当接する当接部材33の移動に伴い、ロックレバー32が軸部材AX2を回転軸にして回転する。このときのロックレバー32の開閉レバーの位置は、図11に示されるように、把持部材20の第2の平面部上にある。そして、把手部HPと把持部HDとの係合が外れないように、把持部材20の回動(開閉)がロックされる。
【0043】
この後、荷役昇降装置により、コンテナCNTを把持した把持具100は+Z方向に持ち上げられる。このときも、ロックレバー32は、図11に示される位置を保持する。このため、コンテナCNTの吊り上げ中においても、ロックレバー32は、把手部HPと把持部HDとの係合が外れないように、把持部材20の回動をロックする。
【0044】
<コンテナCNTの取り外し動作>
コンテナCNTを吊り上げている把持具100からのコンテナCNTの取り外しに際して、まず、把持具100を-Z方向側に移動させて、コンテナCNTを床面に載置させる。床面への載置後、把持具100を更に-Z方向側に移動させて、把持具100を上述した図11,12に示される状態から図9,10に示される状態にする。
【0045】
把持具100が、図11,12に示される状態から図9,10に示される状態に移ると、コンテナCNTの枠部材に当接している当接部材33が-Y方向側に移動する。そして、当該当接部材33の移動に伴い、ロックレバー32が軸部材AX2を回転軸にして回転する。図9,10に示される状態になると、把手部HPと把持部HDとの係合が外れ、さらに、ロックレバー32の位置が、把持部材20が回動可能な位置となる。
【0046】
引き続き、作業者が把持部材20を回動させて、把持具100からコンテナCNTを切り離す。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、コンテナCNTの取り付け動作において、作業者のロック設定の操作なしに、コンテナCNTの把手部HPと把持部材20の把持部HDとの係合のロックを行うことができる。
【0048】
また、本実施形態では、コンテナCNTの取り外し動作においても、作業者のロック解除の操作なしに、コンテナCNTの把手部HPと把持部材20の把持部HDとの係合のロック解除を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、コンテナの吊り上げ時に、把持部材20が回動しないようにロックレバーが把持部材20の開閉をロックしている。このため、把持具100やコンテナCNTに外力が加えられても、コンテナの落下の可能性は低くなる。このため、操作者の安全性や利便性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、規制部材34が、開閉レバーが把持部材側となるように回転範囲を規制する。このため、円滑なコンテナの取り付け及び把持部材20の開閉ロックを行うことができる。
【0051】
したがって、本実施形態によれば、把持中に物体が外れないようにして、利便性及び安全性を向上させることができる。
【0052】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0053】
例えば、上記の実施形態では、把持部材を梁部材の一方の端部側に接続したが、梁部材の両方の端部側に把持部材を接続するようにしてもよい。
【0054】
また、上記の実施形態では、一つの把持部材に1個のロック機構を用意したが、把持部材の-Y方向側に加えて、把持部材の+Y方向側にもロック機構を配置するようにしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、ロック機構が取付部材を備えることとしたが、取付部材を梁部材に形成するようにしてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、当接部材を円柱状の部材としてが、他の形状であってもよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、コンテナを把持する把持具について説明したが、コンテナ以外の物品を把持する把持具であってもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明の把持具は、容器等の物品を把持する把持具に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100 :把持具
10 :梁部材
11 :一端側把持部
20 :把持部材
21 :握持部材
30 :ロック機構
31 :取付部材
32 :ロックレバー
33 :当接部材
34 :規制部材
31 :取付部材
AX1 :軸部材
AX2 :軸部材
CNT :コンテナ(物体)
HD :把持部
HP :把手部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12