(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/06 20120101AFI20240814BHJP
【FI】
B65B9/06
(21)【出願番号】P 2020163069
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 康裕
(72)【発明者】
【氏名】梓澤 祐
(72)【発明者】
【氏名】野並 結衣子
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-052976(JP,A)
【文献】特開平07-187129(JP,A)
【文献】特開2016-169037(JP,A)
【文献】特開2007-030888(JP,A)
【文献】特開2013-256307(JP,A)
【文献】特開平03-014407(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108674708(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面で切断した断面積が上方から下方に至るにつれて次第に小さくなり計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受ける合成樹脂製充填筒用ホッパが充填筒の上端または上方に配置された縦型製袋充填包装機であって、
前記充填筒は、縦シール装置がその周囲に配置された充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、
前記拡径部の上端に配置され前記合成樹脂製充填筒用ホッパの下部が挿脱可能に挿入され前記合成樹脂製充填筒用ホッパが係止されるホッパ係止孔を有するキャップが設けられ、
前記キャップは、前記拡径部に対する前記ホッパ係止孔の水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部を備え、
前記水平方向位置決め部は、前記ホッパ係止孔の軸心が前記充填筒本体の軸心に合致した前記キャップの第1位置と、前記ホッパ係止孔の軸心が前記充填筒本体の軸心から偏位した前記キャップの第2位置とに選択的に位置決め可能に設けられ、
前記合成樹脂製充填筒用ホッパが前記ホッパ係止孔に係止した姿勢は、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心が鉛直方向に向けられた鉛直状態と、鉛直方向に対して傾斜した傾斜状態とに調整可能である、
ことを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記キャップが前記第2位置で前記拡径部の上端に載置され鉛直方向に対して傾斜した前記合成樹脂製充填筒用ホッパの第1傾斜状態で、平面視した場合、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの下端開口は前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの内周面のうち鉛直方向に対する傾斜が最も緩やかなホッパ傾斜面が位置している、
ことを特徴とする請求項1記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記拡径部は平面視細長の形状を呈し、
前記キャップは、前記ホッパ係止孔が貫通形成され前記拡径部の上端に載置される上面部を備え、
前記上面部は、前記拡径部を閉塞する大きさの平面視細長の形状を呈し、
前記ホッパ係止孔は、前記上面部の長さ方向の中心から前記長さ方向に変位した箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、
前記第1傾斜状態で、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心の延長上に前記充填筒傾斜面が位置している、
ことを特徴とする請求項2または請求項2を引用する請求項3記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に、鉛直方向に対する傾斜が前記充填筒傾斜面よりも小さく前記充填筒傾斜面を除いた残りの内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きい充填筒内周面が形成され、
前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面との間の寸法は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法よりも大きい、
ことを特徴とする請求項4記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法は、前記直交する方向における前記充填筒本体の内周面間の寸法と等しい、
ことを特徴とする請求項5記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面の任意の箇所を水平面で切断した形状は、それぞれ円弧状または楕円状を呈している、
ことを特徴とする請求項6記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項8】
前記合成樹脂製充填筒用ホッパに、前記合成樹脂製充填筒用ホッパが前記ホッパ係止孔に係止して鉛直方向に対して傾斜した前記合成樹脂製充填筒用ホッパの姿勢を安定させる傾斜姿勢安定部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項9】
充填筒の上端または上方に配置され計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受けて前記充填筒の内部に案内する充填筒用ホッパを備える縦型製袋充填包装機であって、
前記充填筒は、充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、
前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、
前記充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の内周面の箇所に、前記充填筒本体を構成する内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きく、かつ、前記充填筒傾斜面よりも鉛直方向に対する傾斜が小さい充填筒内周面が設けられ、
前記拡径部において、前記充填筒傾斜面が位置する側を前方と呼び、前記充填筒内周面が位置する側を後方と呼び、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが並べられた方向を前後方向と呼び、この前後方向と直交する水平方向を前記拡径部の幅方向と呼ぶとすると、
前記拡径部の上端の平面視形状は、前記拡径部の前後部が、前記充填筒本体の直径よりも大きい寸法の間隔をおいて互いに対向する前記充填筒本体と同一半径で形成された円弧で形成され、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面との間の前記拡径部の部分は、前記拡径部の前後部の前記円弧の両端を接続し互いに平行する直線で形成され、あるいは、前記拡径部の上端の平面視形状は、前記拡径部の前後方向に長軸を有する楕円を呈し、この楕円の短軸は前記充填筒本体の直径にほぼ等しく形成され、前記拡径部
の上端は、平面視、
前記拡径部の前後方向に細長の形状を呈している、
ことを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機は、充填筒用ホッパ、充填筒、フォーマ、フィルム供給機構、フィルム送り機構、縦接合部、横接合部などを含んで構成され、計量機の計量機用ホッパから計量された製品が、縦型製袋充填包装機の充填筒の上端の充填筒用ホッパに落下投入される。
縦型製袋充填包装機では、フィルム供給機構により供給されるフィルムが、フィルム送り機構により間欠的に下方に送られることでフォーマ、充填筒、縦接合部によりフィルム筒状体とされ、充填筒用ホッパに供給された製品は充填筒の内部を落下し、横接合部で下端がシールされたフィルム筒状体に収容され、この製品が収容されたフィルム筒状体の上端を横接合部でシールすると共に切断し、製品が収容された包装袋をフィルム筒状体から切り離し、このようにして製品が包装袋に収容された包装商品を連続的に製造している。
一方、製品の性状や形状によっては、計量機から充填筒の上端の充填筒用ホッパ内に落下された製品が塊となり、充填筒用ホッパの下端開口で詰まり、所定量の製品が包装袋に収容されない。この場合には、内容量の少ない包装商品が製造され、また、計量機用ホッパから充填筒用ホッパ内に製品が落下される次の工程ではこの詰まった製品が充填筒の内部に落下して内容量が多すぎる包装商品が製造されるなどの不具合が生じる。
【0003】
そこで、従来では充填筒用ホッパ内での製品の詰まりを防止するため、内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面が形成された充填筒用ホッパが提案されている。
この充填筒用ホッパは、計量機用ホッパからの製品をホッパ傾斜面上で受け、塊にならないようにホッパ傾斜面により製品を分散させ、充填筒用ホッパの下端開口での製品の詰まりを防止するようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-108174号公報
【文献】特開平7-187129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、充填筒用ホッパを合成樹脂で作成した合成樹脂製充填筒用ホッパを用いた縦型製袋充填包装機も提案されている(特許文献2)。
合成樹脂製充填筒用ホッパは、柔軟性のある合成樹脂製の一枚のシートを切断し、このシートを円錐台状に丸め、切断された縁を接合することで円錐台の筒状に形成されている。
そのため、上述のような内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面が形成された合成樹脂製充填筒用ホッパを簡単には作成できない。
【0006】
一般に、縦型製袋充填包装機は、計量機用ホッパの軸心と、充填筒用ホッパの軸心とが合致するように計量機と縦型製袋充填包装機とが設置され、このような配置により製品詰まりの虞のない製品の包装商品が製造されている。
したがって、製品詰まりし易い製品の包装商品を製造する際に上述のホッパ傾斜面を有する充填筒用ホッパを用いる場合には、平面視した場合、計量機用ホッパの軸心がホッパ傾斜面を通るように計量機と縦型製袋充填包装機との相対的位置をずらす必要があり、計量機に比べて軽量な縦型製袋充填包装機を、計量機用ホッパの軸心と、充填筒用ホッパの軸心が合致する箇所から移動させることが行なわれている。
しかしながら、縦型製袋充填包装機を移動する作業は、計量機に比べ縦型製袋充填包装機が軽量であるものの1トン以上あるため、例え数cmであっても大きな労力を要し手間ひまの掛かる作業となっていた。
また、ホッパ傾斜面を有する充填筒用ホッパを用いた場合、塊にならないようにホッパ傾斜面により製品を分散させることから、ホッパ傾斜面を有していない充填筒用ホッパを用いた場合に比べ、充填筒用ホッパから、下端がシールされたフィルム筒状体に製品が落下するまでに時間が掛かる。
そこで、製品詰まりし易い製品から製品詰まりの虞のない製品の包装商品に切り換える場合、製造効率を高めるため、再度、手間ひまの掛かる縦型製袋充填包装機を移動する作業が行なわれる。
このような不具合は、合成樹脂製充填筒用ホッパを用いた縦型製袋充填包装機においても同様に生じる。
【0007】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであった、本発明の目的は、合成樹脂製充填筒用ホッパを簡単に形成でき、合成樹脂製充填筒用ホッパ内での製品の詰まりを防止しつつ、製品詰まりし易い製品の包装商品の製造を、計量機に対して縦型製袋充填包装機を移動することなく行なえ、製品詰まりし易い製品および製品詰まりの虞のない製品の包装商品の製造を効率良く行なう上で有利な合成樹脂製充填筒用ホッパを用いた縦型製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため本発明の一実施の形態は、水平面で切断した断面積が上方から下方に至るにつれて次第に小さくなり計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受ける合成樹脂製充填筒用ホッパが充填筒の上端または上方に配置された縦型製袋充填包装機であって、前記充填筒は、縦シール装置がその周囲に配置された充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、前記拡径部の上端に配置され前記合成樹脂製充填筒用ホッパの下部が挿脱可能に挿入され前記合成樹脂製充填筒用ホッパが係止されるホッパ係止孔を有するキャップが設けられ、前記キャップは、前記拡径部に対する前記ホッパ係止孔の水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部を備え、前記水平方向位置決め部は、前記ホッパ係止孔の軸心が前記充填筒本体の軸心に合致した前記キャップの第1位置と、前記ホッパ係止孔の軸心が前記充填筒本体の軸心から偏位した前記キャップの第2位置とに選択的に位置決め可能に設けられ、前記合成樹脂製充填筒用ホッパが前記ホッパ係止孔に係止した姿勢は、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心が鉛直方向に向けられた鉛直状態と、鉛直方向に対して傾斜した傾斜状態とに調整可能であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記キャップが前記第2位置で前記拡径部の上端に載置され鉛直方向に対して傾斜した前記合成樹脂製充填筒用ホッパの第1傾斜状態で、平面視した場合、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの下端開口は前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの内周面のうち鉛直方向に対する傾斜が最も緩やかなホッパ傾斜面が位置していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記拡径部は平面視細長の形状を呈し、前記キャップは、前記ホッパ係止孔が貫通形成され前記拡径部の上端に載置される上面部を備え、前記上面部は、前記拡径部を閉塞する大きさの平面視細長の形状を呈し、前記ホッパ係止孔は、前記上面部の長さ方向の中心から前記長さ方向に変位した箇所に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、前記第1傾斜状態で、前記合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心の延長上に前記充填筒傾斜面が位置していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に、鉛直方向に対する傾斜が前記充填筒傾斜面よりも小さく前記充填筒傾斜面を除いた残りの内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きい充填筒内周面が形成され、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面との間の寸法は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法は、前記直交する方向における前記充填筒本体の内周面間の寸法と等しいことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面の任意の箇所を水平面で切断した形状は、それぞれ円弧状または楕円状を呈していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記合成樹脂製充填筒用ホッパに、前記合成樹脂製充填筒用ホッパが前記ホッパ係止孔に係止して鉛直方向に対して傾斜した前記合成樹脂製充填筒用ホッパの姿勢を安定させる傾斜姿勢安定部材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、充填筒の上端または上方に配置され計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受けて前記充填筒の内部に案内する充填筒用ホッパを備える縦型製袋充填包装機であって、前記充填筒は、充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、前記充填筒傾斜面とこの前記充填筒内周面に対向する前記拡径部の内周面との間の寸法は、それら充填筒傾斜面と前記拡径部の内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法よりも大きく、前記拡径部は、平面視細長の形状を呈していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施の形態によれば、水平方向位置決め部によりキャップを拡径部に対して第1位置と第2位置に選択的に位置決めでき、合成樹脂製充填筒用ホッパがホッパ係止孔に係止した姿勢を、鉛直状態と傾斜状態とに調整できる。
そこで、製品詰まりの虞のない製品の商品包装を製造する場合には、キャップを第1位置で拡径部の上端に載置し、合成樹脂製充填筒用ホッパの下部をホッパ係止孔に係止させ合成樹脂製充填筒用ホッパを鉛直状態とすると、計量機用ホッパの軸心と合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心と充填筒本体の軸心とが合致する。
そのため、計量機用ホッパから合成樹脂製充填筒用ホッパ内に落下された製品は、合成樹脂製充填筒用ホッパの内周面に当たることなく、あるいは僅かな量の製品が合成樹脂製充填筒用ホッパの内周面に当たるのみで、大半の製品は計量機用ホッパから合成樹脂製充填筒用ホッパの内周面に当たることなく合成樹脂製充填筒用ホッパおよび拡径部を通り充填筒本体の内部を下方に落下していき、製品が封入された商品包装の効率を高める上で有利となる。
また、製品詰まりし易い製品の商品包装を製造する場合にが、キャップを第2位置で拡径部の上端に載置し、合成樹脂製充填筒用ホッパを第1傾斜状態にする。
そのため、計量機用ホッパから合成樹脂製充填筒用ホッパ内に落下投入される製品はホッパ傾斜面に当たり、緩やかな傾斜のホッパ傾斜面により塊にならないように製品が分散され、製品は分散された状態で合成樹脂製充填筒用ホッパの下端開口から拡径部を通って充填筒本体の内部を下方に落下する。
したがって製品詰まりし易い製品の場合であっても、計量機用ホッパの軸心に充填筒の軸心を合致させて配置された縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、合成樹脂製充填筒用ホッパの第1傾斜状態で、合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心の延長上に拡径部の充填筒傾斜面が位置しているので、合成樹脂製充填筒用ホッパの下端開口から落下した製品は拡径部において、再度、緩やかな傾斜の充填筒傾斜面により塊にならないように製品が分散されるので、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、拡径部は平面視細長の形状を呈しているので、充填筒用ホッパから落下した製品は充填筒傾斜面に当たり、充填筒本体の内部の軸心の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下するので、充填筒における製品詰まりを防止する上でも有利となる。
この場合、充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に充填筒内周面を設けると、充填筒における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
さらに、充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部を構成する内周面間の寸法を、前記直交する方向における充填筒本体の内周面間の寸法と等しい寸法で形成すると、充填筒における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
また、任意の高さの充填筒傾斜面の箇所を水平面で切断した形状が全て円弧状または楕円状に形成すると、充填筒における製品の詰まりを防止する上でより一層有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、傾斜姿勢安定部材を設けると、合成樹脂製充填筒用ホッパの第1傾斜状態を安定させる上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、充填筒用ホッパを備える縦型製袋充填包装機において、充填筒傾斜面を有し平面視細長の形状の拡径部を充填筒本体の上部に設けると、製品詰まりし易い製品の場合であっても、製品詰まりの虞のない製品の場合であっても、計量機用ホッパの軸心に充填筒の軸心を合致させて配置された縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】計量機の計量機用ホッパと縦型製袋充填包装機の側面図である。
【
図2】(A)はキャップが第2位置で拡径部に配置されホッパ係止孔に合成樹脂製充填筒用ホッパが第1傾斜状態で係止された状態の側面図、(B)は第1傾斜状態の合成樹脂製充填筒用ホッパに計量機用ホッパから製品が落下された状態の製品の流れの説明図である。
【
図3】充填筒上端に設けられる拡径部の説明図で、(A)は拡径部の一例の平面図、(B)は同側面図、(C)は拡径部の他の例の平面図、(D)は同側面図である。
【
図4】(A)は合成樹脂製充填筒用ホッパの平面図、(B)は同断面側面図である。
【
図5】(A)はキャップの平面図、(B)は同断面側面図である。
【
図6】(A)はキャップが第1位置で拡径部に配置されホッパ係止孔に合成樹脂製充填筒用ホッパが鉛直状態で係止された状態の拡大断面側面図、(B)はキャップが第2位置で拡径部に配置されホッパ係止孔に合成樹脂製充填筒用ホッパが第1傾斜状態で係止された状態の拡大断面側面図である。
【
図8】(A)はキャップが第1位置で拡径部に配置されホッパ係止孔に合成樹脂製充填筒用ホッパが鉛直状態で係止された状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、計量機の計量機用ホッパ10から縦型製袋充填包装機12の合成樹脂製充填筒用ホッパ14に製品P(
図2(B)参照)が落下投入され、縦型製袋充填包装機12により製品Pが包装袋に封入された商品包装が製造されていく。
縦型製袋充填包装機12は、合成樹脂製充填筒用ホッパ14に加え、機体16、充填筒18、フォーマ20、フィルム供給機構22、フィルム送り機構24、縦シール装置26、横シール装置28を含んで構成されている。
機体16は、左右の側板1602およびそれら左右の側板1602の上端間を連結する天板1604を含んで構成されている。
【0012】
充填筒18は、その上部が不図示のブラケットを介して機体16で支持されている。
フィルム供給機構22は、一定幅の帯状の包装フィルムFをフォーマ20に供給する。
フォーマ20は、帯状の包装フィルムFを充填筒18の外周面に筒状に折り込む。
フィルム送り機構24は一対のベルト・プーリ機構を含んで構成され、充填筒18の外周面に筒状に折り込まれた筒状のフィルムを間欠的に下方に送り出す。
縦シール装置26は筒状のフィルムの幅方向の両端をシールすることで筒状フィルムとする。
横シール装置28は、筒状フィルムの長さ方向の下部をシールすると共に切断する。
【0013】
詳細には、筒状フィルムの第1の位置で筒状フィルムの長さ方向の下部がシールされ、計量機用ホッパ10から計量された製品Pが合成樹脂製充填筒用ホッパ14に落下投入され、製品Pは合成樹脂製充填筒用ホッパ14から充填筒18の内部を落下し、充填筒18からこの下部がシールされた筒状フィルムの内部に投入される。
その後、フィルム送り機構24により、筒状フィルムが第1の位置からその下方の第2の位置に移送される。
第2の位置では、製品Pが投入された筒状フィルムの上部が横シール装置28によりシールされ製品Pが封入された袋体が形成され、その上方の第1の位置に位置する筒状フィルムFの下部がシールされると共に製品Pが投入され、同時に、製品Pが封入された袋体が第1の位置に位置する筒状フィルムから切り離され、このように製品Pが封入された袋体からなる商品包装が製造されていく。
なお、説明の便宜上、フォーマ20に包装フィルムFが送られてくる包装フィルムFの進行方向を機体16の前方と呼び、その反対方向を後方と呼び、フォーマ20に送られてくる包装フィルムFの長手方向を機体16の前後方向と呼び、前後方向と直交する方向を機体16の幅方向と呼ぶ。
【0014】
図2に示すように、充填筒18は、機体16内のブラケットによりその上部が保持され、天板1604の下方でブラケットにより吊り下げられて支持されている。充填筒18は、その上端が天板1604に取り付けられる場合もあり、その取り付け構造には従来公知の様々な構造が適用される。
充填筒18は、計量機用ホッパ10の軸心C1にその軸心C2が合致する円筒状の充填筒本体30と、充填筒本体30の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部32とを備えている。なお、充填筒本体30の軸心C2は、充填筒18の軸心C2でもある。
充填筒本体30の周囲にフィルム送り機構24と縦シール装置26が配置されている。
充填筒本体30を水平面で切断した断面形状は、本実施の形態では円形であるが、この断面形状は円形に限定されず、製造すべき商品包装を構成する袋体の形状に対応させて矩形や楕円など従来公知の様々な形状が採用可能である。
拡径部32の上方に位置する天板1604の箇所には、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を配置するための欠部1606が設けられ、この欠部1606は機体16の前方に開放状に形成されている。
【0015】
拡径部32は、水平面で切断したその内部の断面積が、下方から上方に至るにつれて次第に大きくなるように設けられ、拡径部32の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面3202が設けられている。
充填筒傾斜面3202は、拡径部32の機体16の前方側に位置する前部に設けられ、拡径部32の機体16の後方側に位置する後部には、充填筒傾斜面3202に対向する充填筒内周面3204が設けられている。
充填筒内周面3204は、充填筒本体30を構成する内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きく、かつ、充填筒傾斜面3202よりも鉛直方向に対する傾斜が小さい
機体16の幅方向における拡径部32の寸法は充填筒本体30とほぼ同一の寸法で形成されているこことから、機体16の前後方向における拡径部32の寸法は、充填筒本体30よりも大きい寸法で形成されている。
したがって、拡径部32の上端の上端開口3206の断面形状と、拡径部32の任意の箇所を水平断面で切断した拡径部32の断面形状は、円形ではなく、機体16の前後方向に細長の形状を呈し、拡径部32の下端の下端開口3208の断面形状は充填筒18と同一の円形を呈している。
【0016】
すなわち、拡径部32の上端開口3206は、充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204との間の寸法が、それら充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部32を構成する内周面間の寸法よりも大きい平面視細長の形状を呈している、
詳細には、任意の箇所を水平面で切断した拡径部32の形状は、
図3(A)に平面図で(B)に正面図で示すように、拡径部32の前後部が、充填筒18と同一半径の円弧面3210で形成され、拡径部32の前後方向の中間部がそれら円弧面3210の両端を接続する平面3212で形成されている。
あるいは、任意の箇所を水平面で切断した拡径部32の形状は、
図3(C)に平面図で(D)に正面図で示すように、機体16の前後方向に長軸を有する楕円3214を呈し、この楕円3214の短軸は充填筒本体30の直径にほぼ等しく形成されている。
なお、拡径部32の下部では、
図3(B)、(D)に示すように、拡径部32の内周面の一部3216は、充填筒本体30の内周面と同一の円筒面で形成されている。
【0017】
合成樹脂製充填筒用ホッパ14は計量機の計量機用ホッパ10から落下される製品Pを受けるもので、
図4に示すように、水平面で切断した断面積が上方から下方に至るにつれて次第に小さくなる筒状に形成されている。本実施の形態では、合成樹脂製充填筒用ホッパ14は、水平面で切断した断面形状が円形で、上方から下方に至るにつれて円の直径が次第に小さくなる円錐台の筒状に形成されている。
したがって、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の上端開口1402の軸心と下端開口1404の軸心とは合致しており、それら軸心は合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心C3でもある。
合成樹脂製充填筒用ホッパ14は、柔軟性のある合成樹脂製のシートを切断し、円錐台状に丸め切断された縁を接合することで円錐台の筒状に形成されている。このような柔軟性のある合成樹脂製のシートとして、例えば、バンドー化学株式会社の「バンコランシート(登録商標)」が使用可能である。
なお、水平面で切断した成樹脂製充填筒用ホッパ14の断面形状は、円形に限定されず、楕円形や矩形など従来公知の様々な断面形状が採用可能であり、その製造方法も任意である。
【0018】
合成樹脂製充填筒用ホッパ14は、キャップ34を介して拡径部32の上端に配置されている。
図5に示すように、キャップ34は板金製で、拡径部32に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部3402と、拡径部32の上端に載置される上面部3404とを備えている。
上面部3404は、拡径部32を閉塞する大きさの平面視細長の形状を呈している。
上面部3404にはホッパ係止孔3406が形成され、ホッパ係止孔3406は、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部が挿脱可能に挿入され合成樹脂製充填筒用ホッパ14が係止され保持される箇所である。
ホッパ係止孔3406は、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部が挿入され係止される内径で形成されている。
ホッパ係止孔3406は、上面部3404の長さ方向の中心からその軸心C4が長さ方向に変位した箇所に設けられている。
したがって、
図6(A)に示すように、上面部3404の機体16後方にホッパ係止孔3406を位置させて状態で拡径部32の上端開口1402を上面部3404で塞ぐと、ホッパ係止孔3406の軸心C4と充填筒18の軸心C2が合致する。
また、
図6(B)に示すように、上面部3404の機体16前方にホッパ係止孔3406を位置させて状態で拡径部32の上端開口1402を上面部3404で塞ぐと、ホッパ係止孔3406の軸心C4は充填筒18の軸心C2から偏位する。
【0019】
合成樹脂製充填筒用ホッパ14がホッパ係止孔3406に係止した姿勢は、
図6(A)に示すように、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心C3が鉛直方向に向けられた鉛直状態と、
図6(B)に示すように、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心C3が鉛直方向に対して傾斜した傾斜状態とに調整可能である。
本実施の形態では、
図7に示すように、キャップ34のホッパ係止孔3406に合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部が係止し鉛直方向に対して傾斜した合成樹脂製充填筒用ホッパ14の傾斜状態を安定させるため、ゴムなどの弾性材からなる筒状の傾斜姿勢安定部材36が合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部に装着されている。
傾斜姿勢安定部材36は筒状を呈し、成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部に装着されて接着剤で固定され、傾斜姿勢安定部材36の一部がホッパ係止孔3406に弾接することで合成樹脂製充填筒用ホッパ14の傾斜状態が安定する。
なお、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を構成する材料如何によってはホッパ係止孔3406に係止した合成樹脂製充填筒用ホッパ14の傾斜状態が安定する場合もあり、この場合には傾斜姿勢安定部材36は不要であり、また、傾斜姿勢安定部材36の形状は筒状やリング状などに限定されず、ホッパ係止孔3406に係止した合成樹脂製充填筒用ホッパ14の傾斜状態を安定させるための従来公知の様々な構造が採用可能である。
【0020】
図5に示すように、水平方向位置決め部3402は、上面部3404の周縁全周から下方に突設されたフランジ3410で構成されている。
上面部3404を拡径部32の上端に載置すると、フランジ3410の内周面が拡径部32の外周面に当接し、拡径部32に対するキャップ34の水平方向の位置決めがなされる。
水平方向位置決め部3402は、上面部3404の長さ方向に延在する中心線に対して上面部3404は左右対称の形状であり、ホッパ係止孔3406が上面部3404の長さ方向の中心から長さ方向に変位した箇所に設けられている。
したがって、
図6(A)に示すように、ホッパ係止孔3406の軸心C4が充填筒本体30の軸心C2に合致した上面部3404の第1位置と、
図6(B)に示すように、ホッパ係止孔3406の軸心C4が充填筒本体30の軸心C2から偏位した上面部3404の第2位置とに選択的に位置決め可能である。本実施の形態では第2位置では、
図6(B)に示すように、ホッパ係止孔3406の軸心C4は充填筒本体30の軸心C2から機体の前方に偏位する。
【0021】
図6(A)に示すように、キャップ34が第1位置で拡径部32の上端に載置された状態で、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部をホッパ係止孔3406に挿入して係止させ、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を鉛直方向に向けた鉛直状態とすると、計量機用ホッパ10の軸心C1と合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心C3と充填筒本体30の軸心C2とが合致する。
また、
図6(B)に示すように、キャップ34が第2位置で拡径部32の上端に載置された状態で、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を鉛直方向に対して機体の後方に傾斜した第1傾斜状態にすると、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の上端開口1402は機体の後方に変位し、平面視した場合、計量機用ホッパ10の下端開口1404が合成樹脂製充填筒用ホッパ14の上端開口1402内に位置し、また、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下端開口1404は拡径部32の上端開口1402内に位置する。
そして、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の第1傾斜状態では、円錐台で筒状の合成樹脂製充填筒用ホッパ14が鉛直方向に対して傾斜することから、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上に、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を構成する内周面のうち鉛直方向に対する傾斜が最も緩やかなホッパ傾斜面1406が位置している。縦型製袋充填包装機12は、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置されることから、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上に、ホッパ傾斜面1406が位置しているとは、言い換えると、充填筒本体30の軸心C2の延長上にホッパ傾斜面1406が位置していることになる。
なお、ホッパ係止孔3406と水平方向位置決め部3402を有するキャップ34の構造は、上記の上面部3404とフランジ3410に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
【0022】
このような本実施の形態によれば、水平方向位置決め部3402によりキャップ34を拡径部32に対して第1、第2位置に位置決めでき、合成樹脂製充填筒用ホッパ14がホッパ係止孔3406に係止した姿勢を、鉛直状態と傾斜状態とに調整できる。
そこで、製品詰まりし易い製品Pの商品包装を製造する場合、
図2(A)、
図6(B)に示すように、キャップ34を第2位置で拡径部32の上端に載置し、合成樹脂製充填筒用ホッパ14を機体16の後方に傾斜させた第1傾斜状態にする。
キャップ34の第2位置で合成樹脂製充填筒用ホッパ14の第1傾斜状態では、平面視した場合、計量機用ホッパ10の下端開口1404が合成樹脂製充填筒用ホッパ14の上端開口1402内に位置し、また、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下端開口1404は拡径部32の上端開口1402内に位置し、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上にホッパ傾斜面1406が位置し、言い換えると、充填筒本体30の軸心C2の延長上にホッパ傾斜面1406が位置している。
そのため、計量機用ホッパ10から合成樹脂製充填筒用ホッパ14内に落下投入される製品Pはホッパ傾斜面1406に当たり、緩やかな傾斜のホッパ傾斜面1406により塊にならないように製品Pが分散され、製品Pは分散された状態で合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下端開口1404から拡径部32を通って充填筒本体30の内部を下方に落下する。
したがって本実施の形態によれば、性状や形状により製品詰まりし易い製品Pの場合であっても、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置された縦型製袋充填包装機12を移動させることなく、所定量の製品Pが包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
【0023】
また、本実施の形態では、
図6(B)に示すように、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の第1傾斜状態で、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心C3の延長上に拡径部32の充填筒傾斜面3202が位置しているので、
図2(B)に示すように、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下端開口1404から落下した製品Pは拡径部32において充填筒傾斜面3202に当たり、再度、緩やかな傾斜の充填筒傾斜面3202により塊にならないように製品Pが分散され、分散された状態の製品Pは充填筒本体30の内部を下方に落下していく。
したがって本実施の形態によれば、製品詰まりし易い製品Pの場合であっても、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置された縦型製袋充填包装機12を移動させることなく、所定量の製品Pが包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
【0024】
本発明では、拡径部32を、上端開口3206と下端開口3208とが同軸上に位置する円錐形状や四角錐形状で形成してもよいが、拡径部32が上端開口3206と下端開口3208とが同軸上に位置する円錐形状や四角錐形状に形成されている場合、合成樹脂製充填筒用ホッパ14からの製品Pは充填筒本体30の軸心C2の一箇所に向けて集中して落下される。
本実施の形態では拡径部32は、
図3(A)、(C)に示すように、機体16の前後方向における拡径部32の寸法が充填筒18よりも大きい寸法の平面視細長の形状で形成されている。
そのため、合成樹脂製充填筒用ホッパ14からの製品Pは充填筒傾斜面3202に当たり、充填筒本体30の内部の軸心C2の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下し、充填筒18における製品詰まりを防止する上でも有利となる。
【0025】
なお、充填筒内周面3204を省略し、充填筒内周面3204の箇所を、充填筒本体30の箇所を上方に延長することで構成してもよいが、本実施の形態のように、充填筒傾斜面3202に対向する充填筒内周面3204を設けると、合成樹脂製充填筒用ホッパ14からの製品Pを、充填筒本体30の内部の軸心C2の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下し、充填筒18における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
この場合、
図3(A)、(C)に示すように、機体16の幅方向における拡径部32の寸法を充填筒18とほぼ同一の寸法で形成すると、言い換えると、充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部32の箇所を構成する内周面間の寸法を、前記直交する方向における充填筒本体30の内周面間の寸法と等しい寸法で形成すると、合成樹脂製充填筒用ホッパ14からの製品Pを充填筒本体30の内部の軸心C2の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下させ、充填筒18における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
また、充填筒傾斜面3202を平面で形成してもよいが、任意の高さの充填筒傾斜面3202の箇所を水平面で切断した形状が全て円弧状または楕円状に形成すると、計量機用ホッパ10から製品Pを充填筒本体30の内部のいたる所に分散して落下案内させ、充填筒18における製品Pの詰まりを防止する上でより一層有利となる。
【0026】
また、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合には、
図6(A)、
図8に示すように、キャップ34を第1位置で拡径部32の上端に載置し、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の下部をホッパ係止孔3406に挿入して係止させ合成樹脂製充填筒用ホッパ14を鉛直状態とすると、計量機用ホッパ10の軸心C1と合成樹脂製充填筒用ホッパ14の軸心と充填筒本体30の軸心C2とが合致する。
そのため、計量機用ホッパ10から合成樹脂製充填筒用ホッパ14内に落下された製品Pは、合成樹脂製充填筒用ホッパ14の内周面や充填筒傾斜面3202に当たることなく、あるいは僅かな量の製品Pが合成樹脂製充填筒用ホッパ14の内周面や充填筒傾斜面3202に当たるのみで、大半の製品Pは計量機用ホッパ10から合成樹脂製充填筒用ホッパ14の内周面や充填筒傾斜面3202に当たることなく合成樹脂製充填筒用ホッパ14および拡径部32を通り充填筒本体30の内部を下方に落下していく。
すなわち、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合には、計量機用ホッパ10から落下された製品Pの、下辺がシールされた筒状フィルムまでの到達時間を短縮でき、製品Pが封入された商品包装の効率を高める上で有利となる。
したがって、キャップ34や合成樹脂製充填筒用ホッパ14を複数設けることなく、単一のキャップ34と単一の合成樹脂製充填筒用ホッパ14により製品詰まりし易い製品Pと詰まりの虞のない製品Pの商品包装を、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置された縦型製袋充填包装機12を移動させることなく、効率良く行なう上で有利となる。
【0027】
なお、充填筒傾斜面3202を有し平面視細長の形状の拡径部32の効果は、実施の形態の充填筒用ホッパ14の構造に限定されない。
すなわち、製品詰まりし易い製品Pの場合、充填筒用ホッパ14からの製品Pを充填筒傾斜面3202に落下させれば、所定量の製品Pが包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
また、製品詰まりの虞のない製品Pの場合には、充填筒用ホッパ14からの製品Pを充
充填筒本体30の軸心C2上に落下させれば、所定量の製品Pが包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
【符号の説明】
【0028】
10 計量機用ホッパ
1002 計量機用ホッパの下端開口
12 縦型製袋充填包装機
14 合成樹脂製充填筒用ホッパ
1402 合成樹脂製充填筒用ホッパの上端開口
1404 合成樹脂製充填筒用ホッパの下端開口
1406 ホッパ傾斜面
16 機体
1602 側板
1604 天板
1606 欠部
18 充填筒
20 フォーマ
22 フィルム供給機構
24 フィルム送り機構
26 縦シール装置
28 横シール装置
30 充填筒本体
32 拡径部
3202 充填筒傾斜面
3204 充填筒内周面
3206 拡径部の上端開口
3208 拡径部の下端開口
3210 円弧面
3212 平面
3214 楕円
3216 拡径部の内周面の一部
34 キャップ
3402 水平方向位置決め部
3404 上面部
3406 ホッパ係止孔
3410 フランジ
36 傾斜姿勢安定部材
C1 計量機用ホッパの軸心
C2 充填筒または充填筒本体の軸心
C3 合成樹脂製充填筒用ホッパの軸心
C4 ホッパ係止孔の軸心
F 包装フィルム
P 製品