(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】光空間通信システム、及び、その光軸調整方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/114 20130101AFI20240814BHJP
H04B 10/073 20130101ALN20240814BHJP
【FI】
H04B10/114
H04B10/073
(21)【出願番号】P 2021179644
(22)【出願日】2021-11-02
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】今奥 貴志
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-049240(JP,A)
【文献】国際公開第2006/013755(WO,A1)
【文献】特開2007-184707(JP,A)
【文献】特開2006-050029(JP,A)
【文献】特開2019-193248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/11 - 10/118
H04B 10/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光空間通信装置と、
第2光空間通信装置と、
を少なくとも備え、
前記第1光空間通信装置は、
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
第1制御部と、
前記第1通信光の出射方向に連動し、前記第1通信光の出射方向に強い指向性を有する第1指向性光を発光する第1指向性光発光部と、
を有し、
前記第2光空間通信装置は、
第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、
通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、
第2方向調整部と、
第2撮像部と、
第2制御部と、
前記第2通信光の出射方向に連動し、前記第2通信光の出射方向に強い指向性を有する第2指向性光を発光する第2指向性光発光部と、
を有し、
前記第1光空間通信装置と前記第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための光軸調整において、
前記第1制御部は、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整し、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御し、
前記第2制御部は、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整し、
前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御
し、
前記第1制御部は、前記光軸調整のために前記第2指向性光の出射方向が変化する場合において、前記第1撮像部による撮像画像を用いた前記第2指向性光の特定の可否の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって、前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2制御部は、前記光軸調整のために前記第1指向性光の出射方向が変化する場合において、前記第2撮像部による撮像画像を用いた前記第1指向性光の特定の可否の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって、前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1制御部は、前記第1指向性光の出射方向を、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2制御部は、前記第2指向性光の出射方向を、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
光空間通信システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記光軸調整のために前記第2通信光の出射方向が変化する場合において、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルと第1の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって、前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2制御部は、前記光軸調整のために前記第1通信光の出射方向が変化する場合において、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルと第2の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって、前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1制御部は、前記第1通信光の出射方向を、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルが前記第2の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2制御部は、前記第2通信光の出射方向を、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルが前記第1の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
請求項1に記載の光空間通信システム。
【請求項3】
第1方向調整部は、前記第1通信光の出射方向を水平面に沿って回動可能に構成され、且つ、前記第1通信光の出射方向を垂直面に沿って回動可能に構成され、
第2方向調整部は、前記第2通信光の出射方向を水平面に沿って回動可能に構成され、且つ、前記第2通信光の出射方向を垂直面に沿って回動可能に構成されている、
請求項1
又は2に記載の光空間通信システム。
【請求項4】
第1光空間通信装置と第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための、光空間通信システムの光軸調整方法であって、
前記第1光空間通信装置は、
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
前記第1通信光の出射方向に連動し、前記第1通信光の出射方向に強い指向性を有する第1指向性光を発光する第1指向性光発光部と、
を少なくとも有し、
前記第2光空間通信装置は、
第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、
通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、
第2方向調整部と、
第2撮像部と、
前記第2通信光の出射方向に連動し、前記第2通信光の出射方向に強い指向性を有する第2指向性光を発光する第2指向性光発光部と、
を少なくとも有し、
前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射するステップと、
前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御するステップと、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整するステップと、
前記第2通信部を用いて前記第2通信光を出射するステップと、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御するステップと、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整するするステップと、
前記第1方向調整部を用いて前記第1指向性光の出射方向を変化させながら、前記第1指向性光発光部を用いて当該第1指向性光を出射するステップと、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定できたか否かの切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって前記第1光空間通信装置に通知するステップと、
前記第1指向性光の出射方向を、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整するステップと、
前記第2方向調整部を用いて前記第2指向性光の出射方向を変化させながら、前記第2指向性光発光部を用いて当該第2指向性光を出射するステップと、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定できたか否かの切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって前記第2光空間通信装置に通知するステップと、
前記第2指向性光の出射方向を、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整するステップと、
を備えた
、光空間通信システムの光軸調整方法。
【請求項5】
前記第1通信光を出射するステップでは、
前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を変化させながら、前記第1通信部を用いて当該第1通信光を出射し、
前記第2拡散光の発光状態を制御するステップでは、
前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルと第2の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1通信光の出射方向を調整するステップでは、
前記第1通信光の出射方向を、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルが前記第2の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2通信光を出射するステップでは、
前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を変化させながら、前記第2通信部を用いて当該第2通信光を出射し、
前記第1拡散光の発光状態を制御するステップでは、
前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルと第1の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2通信光の出射方向を調整するステップでは、
前記第2通信光の出射方向を、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルが前記第1の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
請求項
4に記載の、光空間通信システムの光軸調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光空間通信システム、光空間通信システムの光軸調整方法、光空間通信装置、光空間通信装置の光軸調整方法、及び、光軸調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の光放出装置が放出する第1の光の光軸と、第2の光放出装置が放出する第2の光の光軸と、を近づけるための情報を導出するための情報導出システムが開示されている。この情報導出システムは、第1の光の光軸を調整するための情報である第1光軸調整情報を導出する第1情報導出装置と、第2の光の光軸を調整するための情報である第2光軸調整情報を導出し、第1情報導出装置と通信回線で接続された第2情報導出装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、第1の光放出装置に対して設けられた第1情報導出装置と、第2の光放出装置に対して設けられた第2情報導出装置と、が通信回線によって接続される必要があるため、第1の光放出装置及び第2の光放出装置を設置する環境によっては、通信回線を配線するのが困難な場合があり、その場合、コストが増大してしまうという課題があった。
【0005】
本開示の目的の一つは、上述した課題を解決する光空間通信システム、光空間通信システムの光軸調整方法、光空間通信装置、光空間通信装置の光軸調整方法、及び、光軸調整プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、光空間通信システムは、第1光空間通信装置と、第2光空間通信装置と、を少なくとも備え、前記第1光空間通信装置は、第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、第1方向調整部と、第1撮像部と、第1制御部と、を有し、前記第2光空間通信装置は、第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、第2方向調整部と、第2撮像部と、第2制御部と、を有し、前記第1光空間通信装置と前記第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための光軸調整において、前記第1制御部は、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整し、前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御し、前記第2制御部は、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整し、前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御する。
【0007】
一実施の形態によれば、光空間通信システムの光軸調整方法は、第1光空間通信装置と第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための、光空間通信システムの光軸調整方法であって、前記第1光空間通信装置は、第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、第1方向調整部と、第1撮像部と、を少なくとも有し、前記第2光空間通信装置は、第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、第2方向調整部と、第2撮像部と、を少なくとも有し、前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射するステップと、前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御するステップと、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整するステップと、前記第2通信部を用いて前記第2通信光を出射するステップと、前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御するステップと、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整するするステップと、を備える。
【0008】
一実施の形態によれば、光空間通信装置は、第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、第1方向調整部と、第1撮像部と、第1制御部と、を有し、自装置と前記相手装置との間で光空間通信を行うための光軸調整に際して、前記第1制御部は、前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整し、前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御する。
【0009】
一実施の形態によれば、光空間通信装置の光軸調整方法は、第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、第1方向調整部と、第1撮像部と、を少なくとも有する光空間通信装置の、前記相手装置と光空間通信を行うための光軸調整方法であって、前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射するステップと、前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整するステップと、前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御するステップと、を備える。
【0010】
一実施の形態によれば、光軸調整プログラムは、第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、第1方向調整部と、第1撮像部と、を少なくとも有する光空間通信装置の、前記相手装置と光空間通信を行うための光軸調整プログラムであって、前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射する処理と、前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整する処理と、前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
前記一実施の形態によれば、コストの増大を抑制することが可能な光空間通信システム、光空間通信システムの光軸調整方法、光空間通信装置、光空間通信装置の光軸調整方法、及び、光軸調整プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る光空間通信システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す光空間通信システムに設けられた第1の光空間通信装置を模式的に示した図である。
【
図3】第1の光空間通信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】第1の光空間通信装置に設けられた通信部の構成例を模式的に示した図である。
【
図5】
図1に示す光空間通信システムに設けられた第2の光空間通信装置を模式的に示した図である。
【
図6】第2の光空間通信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】第2の光空間通信装置に設けられた通信部の構成例を模式的に示した図である。
【
図8】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】実施の形態1に係る光空間通信システムの光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】
図1に示す光空間通信システムの変形例を示すブロック図である。
【
図19】実施の形態1にかかる光空間通信システムにおける光軸調整機能のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0015】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0016】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる光空間通信システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、光空間通信システム1は、互いに光空間通信を行う、第1の光空間通信装置100と、第2の光空間通信装置200と、を少なくとも備える。ここで、光空間通信システム1は、通信回線を用いずに、光空間通信装置100と光空間通信装置200との間の光空間通信のための光軸調整を行うことができるため、コストの増大を抑制することができる。以下、具体的に説明する。ここで、通信回線とは、光空間通信とは異なり、光信号または電気信号用のケーブルを用いる有線通信および無線信号を用いる無線通信の少なくとも何れかを利用する通信手段である(以下同様)。
【0017】
(光空間通信装置100の構成例)
図2は、光空間通信装置100を模式的に示す図である。
図3は、光空間通信装置100の構成例を示すブロック図である。
【0018】
なお、
図2には、光空間通信装置100に加えて、光空間通信装置100に接続された、電源端末110、制御端末120、及び、光空間通信端末130が示されている。電源端末110は、光空間通信装置100に電力を供給する。制御端末120は、光空間通信装置100の全般的な制御を行う。光空間通信端末130は、光空間通信装置100から光空間通信装置200に送信するための情報を渡したり、光空間通信装置200から光空間通信装置100に送信された情報を受け取ったりする。
【0019】
図2に示すように、光空間通信装置100は、地面等に固定される固定部101と、固定部101に取り付けられた本体部102と、を備える。
【0020】
まず、本体部102には、方向調整部104が設けられている。方向調整部104は、第1方向調整部104aと、第2方向調整部104bと、によって構成されている。第1方向調整部104aは、水平方向(水平面上の任意の方向)を回転軸にして本体部102を垂直面に沿って回動可能に構成されている。第2方向調整部104bは、鉛直方向を回転軸にして本体部102を水平面に沿って回動可能に構成されている。
【0021】
また、本体部102には、第1発光部(第1拡散光発光部)105、第2発光部(第1指向性光発光部)106、撮像部(第1撮像部)107、及び、通信部(第1通信部)108が設けられている。なお、第1発光部105、第2発光部106(106a及び106b)、撮像部107、及び、通信部108は、何れも方向調整部104による本体部102の移動に連動する。固定部101には、制御部(第1制御部)109が設けられている。なお、制御部109は、本体部102に設けられていてもよい。
【0022】
第1発光部105は、例えば、視認性を高めるために本体部102の上部に取り付けられている。第1発光部105は、視認性を高めるために拡散光(第1拡散光)L11を発光可能に構成されている。
【0023】
通信部108は、例えば、本体部102の側面に取り付けられている。通信部108は、相手装置である光空間通信装置200との光空間通信に用いられるレーザ光LB1(通信光)を出射したり、光空間通信装置200から出射されたレーザ光LB2(通信光)を受光したりする。レーザ光LB1,LB2は、位相がそろったコヒーレントな光である。本実施の形態では、光空間通信装置100,200の間の光空間通信においてレーザ光が用いられる場合を例に説明するが、それに限られず、レーザ光以外のコヒーレント光が用いられてもよい。
【0024】
図4は、通信部108の構成例を模式的に示した図である。通信部108は、例えば、信号送信部1081と、信号受信部1082と、光量検知部1083と、ディバイダ(カプラ)1084と、サーキュレータ1085と、ファイバー管1086と、レンズ1087と、を有する。信号送信時には、信号送信部1081によって生成された信号であるレーザ光LB1が、サーキュレータ1085、ファイバー管1086、及び、レンズ1087を介して外部に出力される。信号受信時には、外部からのレーザ光LB2が、レンズ1087、ファイバー管1086、サーキュレータ1085、及び、ディバイダ1084を介して、信号受信部1082によって受信(受光)される。また、外部からのレーザ光LB2は、ディバイダ1084によって分離されて、光量検知部1083によっても受信(受光)される。光量検知部1083は、レーザ光LB2の受光レベルを検知する。
【0025】
第2発光部106は、例えば、通信部108とともに、本体部102の側面に取り付けられている。第2発光部106は、上述したように、通信部108と連動し、通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向に強い指向性を有する光(指向性光)L12を出射可能に構成されている。本実施の形態では、第2発光部106が、光L12a,L12bをそれぞれ出射する2つの発光部106a,106bによって構成されている場合を例に説明するが、これに限定されない。
【0026】
撮像部107は、例えば、本体部102の側面に取り付けられている。撮像部107は、少なくとも相手装置である光空間通信装置200を含む領域を撮像可能に構成されている。撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信前の光軸調整時などにおいて、光空間通信装置200から送信された情報を取得することができる。
【0027】
制御部109は、例えば制御端末120からの指示を受けて、各構成要素の処理を制御する。例えば、制御部109は、撮像部107の撮像画像から、相手装置の第1発光部205(後述)による拡散光L21の発光状態を特定すると共に、特定した拡散光L21の発光状態に基づいて、相手装置から送信された情報(光軸調整時の処理の順序に関する情報、相手装置が受光したレーザ光LB1の受光状態に関する情報など)を取得する。制制御部109は、取得した情報に基づいて、指定された処理の順序で光軸調整を行ったり、方向調整部104を用いてレーザ光LB1の出射方向を調整したりする。また、制御部109は、撮像部107の撮像画像によって相手装置の第2発光部206(後述)から出射された光L22を特定できたか否かの情報や、光量検知部1083によって検知されたレーザ光LB2の受光レベルに関する情報などを、第1発光部105による拡散光L11の発光状態を制御することによって、相手装置に通知する。例えば、制御部109は、撮像部107の撮像画像の中に輝度が所定の閾値よりも高い画像部分があるか否かによって、相手装置の第2発光部206から出射された光L22を特定できたか否かを判断する。
【0028】
(光空間通信装置200の構成例)
図5は、光空間通信装置200を模式的に示す図である。
図6は、光空間通信装置200の構成例を示すブロック図である。
【0029】
なお、
図5には、光空間通信装置200に加えて、光空間通信装置200に接続された、電源端末210、制御端末220、及び、光空間通信端末230が示されている。電源端末210は、光空間通信装置200に電力を供給する。制御端末220は、光空間通信装置200の全般的な制御を行う。光空間通信端末230は、光空間通信装置200から光空間通信装置100に送信するための情報を渡したり、光空間通信装置100から光空間通信装置200に送信された情報を受け取ったりする。
【0030】
図5に示すように、光空間通信装置200は、地面等に固定される固定部201と、固定部201に取り付けられた本体部202と、を備える。
【0031】
まず、本体部202には、方向調整部204が設けられている。方向調整部204は、第1方向調整部204aと、第2方向調整部204bと、によって構成されている。第1方向調整部204aは、水平方向(水平面上の任意の方向)を回転軸にして本体部202を垂直面に沿って回動可能に構成されている。第2方向調整部204bは、鉛直方向を回転軸にして本体部202を水平面に沿って回動可能に構成されている。
【0032】
また、本体部202には、第1発光部(第2拡散光発光部)205、第2発光部(第2指向性光発光部)206(206a及び206b)、撮像部(第2撮像部)207、及び、通信部(第2通信部)208が設けられている。なお、第1発光部205、第2発光部206、撮像部207、及び、通信部208は、何れも方向調整部204による本体部202の移動に連動する。固定部201には、制御部(第2制御部)209が設けられている。なお、制御部209は、本体部202に設けられていてもよい。
【0033】
第1発光部205は、例えば、視認性を高めるために本体部202の上部に取り付けられている。第1発光部205は、視認性を高めるために拡散光(第2拡散光)L21を発光可能に構成されている。
【0034】
通信部208は、例えば、本体部202の側面に取り付けられている。通信部208は、相手装置である光空間通信装置100との通信に用いられるレーザ光LB2を出射したり、光空間通信装置100から出射されたレーザ光LB1を受光したりする。
【0035】
図7は、通信部208の構成例を模式的に示した図である。通信部208は、例えば、信号送信部2081と、信号受信部2082と、光量検知部2083と、ディバイダ(カプラ)2084と、サーキュレータ2085と、ファイバー管2086と、レンズ2087と、を有する。信号送信時には、信号送信部2081によって生成された信号であるレーザ光LB2が、サーキュレータ2085、ファイバー管2086、及び、レンズ2087を介して外部に出力される。信号受信時には、外部からのレーザ光LB1が、レンズ2087、ファイバー管2086、サーキュレータ2085、及び、ディバイダ2084を介して、信号受信部2082によって受信(受光)される。また、外部からのレーザ光LB1は、ディバイダ2084によって分離されて、光量検知部2083によっても受信(受光)される。光量検知部2083は、レーザ光LB1の受光レベルを検知する。
【0036】
第2発光部206は、例えば、通信部208とともに、本体部202の側面に取り付けられている。第2発光部206は、上述したように、通信部208と連動し、通信部208から出射されるレーザ光LB2の出射方向に強い指向性を有する光(指向性光)L22を出射可能に構成されている。本実施の形態では、第2発光部206が、光L22a,L22bをそれぞれ出射する2つの発光部206a,206bによって構成されている場合を例に説明するが、これに限定されない。
【0037】
撮像部207は、例えば、本体部202の側面に取り付けられている。撮像部207は、少なくとも相手装置である光空間通信装置100を含む領域を撮像可能に構成されている。撮像部207の撮像画像を解析することによって、光空間通信前の光軸調整時などにおいて、光空間通信装置100から送信された情報を取得することができる。
【0038】
制御部209は、例えば制御端末220からの指示を受けて、各構成要素の処理を制御する。例えば、制御部209は、撮像部207の撮像画像から、相手装置の第1発光部105による拡散光L11の発光状態を特定すると共に、特定した拡散光L11の発光状態に基づいて、相手装置から送信された情報(光軸調整時の処理の順序に関する情報、相手装置が受光したレーザ光LB2の受光状態に関する情報など)を取得する。制御部209は、取得した情報に基づいて、指定された処理の順序で光軸調整を行ったり、方向調整部204を用いてレーザ光LB2の出射方向を調整したりする。また、制御部209は、撮像部207の撮像画像によって相手装置の第2発光部106から出射された光L12を特定できたか否かの情報や、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルに関する情報などを、第1発光部205による拡散光L21の発光状態を制御することによって、相手装置に通知する。例えば、制御部209は、撮像部207の撮像画像の中に輝度が所定の閾値よりも高い画像部分があるか否かによって、相手装置の第2発光部106から出射された光L12を特定できたか否かを判断する。
【0039】
(光空間通信システム1の光軸調整方法の説明)
続いて、
図8~
図17を用いて、光空間通信システム1の光軸調整方法を説明する。
図8~
図17は光空間通信システム1の光軸調整処理の流れを示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいて、第1通信装置は、光空間通信装置100に相当し、第2通信装置は、光空間通信装置200に相当する。また、第1通信装置における処理では、自装置が第1通信装置、且つ、相手装置が第2通信装置となり、第2通信装置における処理では、自装置が第2通信装置、且つ、相手装置が第1通信装置となる。
【0040】
<光軸調整のための処理の順番決め>
まず、
図8を用いて、光軸調整のための処理の順番決めについて説明する。
【0041】
まず、独立して設けられた制御端末120,220から光空間通信装置100,200に対して、光空間通信装置100,200間の光空間通信を確立するように指示が与えられる(ステップS101)。
【0042】
その後、各光空間通信装置100,200は、自装置の本体部を水平面に沿って回転させながら、第1発光部による拡散光の発光、及び、撮像部による撮像、を実行する(ステップS102)。
【0043】
具体的には、光空間通信装置100は、本体部102を水平面に沿って360度回転させながら、第1発光部105による拡散光L11の発光、及び、撮像部107による撮像、を実行する。また、光空間通信装置200は、本体部202を水平面に沿って360度回転させながら、第1発光部205による拡散光L21の発光、及び、撮像部207による撮像、を実行する。なお、これらの動作は何れも非同期で行われる。
【0044】
各光空間通信装置100,200は、撮像部の撮像画像を解析することによって、相手装置の第1発光部により発光された拡散光(L11,L21)を特定した場合(ステップS103のYES)、即ち、相手装置の存在を確認できた場合、自装置の本体部の回転を停止させる(ステップS104)。なお、各光空間通信装置100,200は、撮像部の撮像画像を解析することによって、相手装置の第1発光部により発光された拡散光を特定できなかった場合には(ステップS103のNO)、通信確立を不可能と判断する(ステップS105)。
【0045】
その後、各光空間通信装置100,200は、自装置の第1発光部の発光を制御(発光及び消光の切り替えを制御)することにより、自装置から相手装置に情報を送信したり、或いは、自装置の撮像部の撮像画像を解析することにより、相手装置から第1発光部の発光を制御することによって送信された情報を受信したりする(ステップS106)。ここでは、例えば、光軸調整の処理の順番に関する情報の伝達が行われる。このような処理は、互いの情報伝達が完了するまで続けられる(ステップS107のNO→ステップS106)。
【0046】
なお、実際には、各光空間通信装置100,200は、相手装置から送信された情報を受信する毎に、受信が完了した旨を、自装置の第1発光部(拡散光発光部)の発光状態を制御することによって相手装置に送信するが、この処理の説明については以後省略する。
【0047】
互いの情報伝達が完了すると(ステップS107のYES)、各光空間通信装置100,200は、第1発光部による拡散光の発光制御を停止させる(ステップS108)。これにより、光軸調整のための処理の順番決め、の処理が終了する。なお、本実施の形態では、光軸調整のための各処理が、光空間通信装置100から先行して行われる場合を例に説明する。
【0048】
<第1の光軸調整処理(粗調整)>
続いて、
図9~
図12を用いて、第1の光軸調整処理(粗調整)について説明する。
【0049】
(光空間通信装置100の本体部102の上方向への最大回転角θ1の決定)
まず、初期設定が行われる(ステップS201)。
具体的には、光空間通信装置100は、第2発光部106からレーザ光LB1の出射方向に強い指向性を有する光(指向性光)L12を出射する。また、光空間通信装置100は、撮像部107による撮像を実行する。また、光空間通信装置200は、撮像部207による撮像を実行するとともに、第1発光部205による拡散光L21の発光の準備を行う。
【0050】
その後、光空間通信装置100は、第1方向調整部104aを用いて自装置の本体部102を垂直面に沿って回転(傾斜)させることにより、第2発光部106から出射される光L12の出射方向を横方向(水平方向)から上方向(鉛直上方向)にかけて徐々に傾けさせる(ステップS202)。この期間中、光空間通信装置200では、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されたか否かの判定が行われる(ステップS203)。
【0051】
例えば、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されている場合(ステップS203のNO)、光空間通信装置100の第2発光部106から出射される光L12の出射方向の回転変更は継続される(ステップS202)。
【0052】
その後、撮像部207の撮像画像から、それまで検出できていた光L12が検出されなくなった場合(ステップS203のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、係る光L12が検出されなくなったことを、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS204)。
【0053】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200がそれまで検出できていた光L12を検出できなくなったことを認識する(ステップS205)。
【0054】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、本体部102の上方向への回転角(傾斜角)、が本体部102の上方向への最大回転角θ1であると判断し、そのときのθ1の値を記録する(ステップS206)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、光L12の出射角(出射方向の角度)、が光空間通信装置200において検出可能な光L12の上方向への最大傾斜角θ1と判断し、そのときのθ1の値を記録する(ステップS206)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の上方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0055】
(光空間通信装置100の本体部102の下方向への最大回転角φ1の決定)
続いて、光空間通信装置100は、第1方向調整部104aを用いて自装置の本体部102を垂直面に沿って回転(傾斜)させることにより、第2発光部106から出射される光L12の出射方向を横方向(水平方向)から下方向(鉛直下方向)にかけて徐々に傾けさせる(ステップS207)。この期間中、光空間通信装置200では、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されたか否かの判定が行われる(ステップS208)。
【0056】
例えば、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されている場合(ステップS208のNO)、光空間通信装置100の第2発光部106から出射される光L12の出射方向の回転変更は継続される(ステップS207)。
【0057】
その後、撮像部207の撮像画像から、それまで検出できていた光L12が検出されなくなった場合(ステップS208のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、係る光L12が検出されなくなったことを、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS209)。
【0058】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200がそれまで検出できていた光L12を検出できなくなったことを認識する(ステップS210)。
【0059】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、本体部102の下方向への回転角(傾斜角)、が本体部102の下方向への最大回転角φ1であると判断し、そのときのφ1の値を記録する(ステップS211)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、光L12の出射角(出射方向の角度)、が光空間通信装置200において検出可能な光L12の下方向への最大傾斜角φ1と判断し、そのときのφ1の値を記録する(ステップS211)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の下方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0060】
(光空間通信装置100の本体部102の垂直面上における最大回転角ψ1の決定)
その後、光空間通信装置100は、角度θ1と角度φ1とに基づいて、本体部102の垂直面上における回転角ψ1を決定する。例えば、光空間通信装置100は、角度θ1と角度φ1とに基づいて、本体部102の垂直面上における回転角ψ1を(θ1+φ1)/2と決定する(ステップS212)。換言すると、光空間通信装置100は、角度θ1と角度φ1とに基づいて、第2発光部106から出射される光L12の垂直面上における出射角ψ1を決定する。例えば、光空間通信装置100は、第2発光部106から出射される光L12の垂直面上における出射角ψ1を(θ1+φ1)/2と決定する(ステップS212)。ここで、記号“/”は割り算を表す(以下同様)。
【0061】
なお、値ψ1の変化量が所定の変化量以下になるまで、ステップS201~S212の処理が繰り返されてもよい。
【0062】
その後、光空間通信装置200に対しても、光空間通信装置100の場合と同様に、ステップS201~S212の処理が行われる。光空間通信装置200に対するステップS201~S212の処理については省略する。例えば、光空間通信装置200は、角度θ2(θ1に対応)と角度φ2(φ1に対応)に基づいて、本体部202の垂直面上における回転角ψ2(ψ1に対応)を(θ2+φ2)/2と決定する。なお、光空間通信装置200に対するステップS201~S212の処理は、後述する光空間通信装置100に対するステップS251~S262の処理の後に行われてもよい。
【0063】
(光空間通信装置100の本体部102の右方向への最大回転角α1の決定)
まず、初期設定が行われる(ステップS251)。
具体的には、光空間通信装置100は、第2発光部106からレーザ光LB1の出射方向に強い指向性を有する光(指向性光)L12を出射する。また、光空間通信装置100は、撮像部107による撮像を実行する。また、光空間通信装置200は、撮像部207による撮像を実行するとともに、第1発光部205による拡散光L21の発光の準備を行う。
【0064】
その後、光空間通信装置100は、第2方向調整部104bを用いて自装置の本体部102を水平面に沿って回転させることにより、第2発光部106から出射される光L12の出射方向を右方向に緩やかに回転させる(ステップS252)。この期間中、光空間通信装置200では、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されたか否かの判定が行われる(ステップS253)。
【0065】
例えば、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されている場合(ステップS253のNO)、光空間通信装置100の第2発光部106から出射される光L12の出射方向の回転変更は継続される(ステップS252)。
【0066】
その後、撮像部207の撮像画像から、それまで検出できていた光L12が検出されなくなった場合(ステップS253のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、係る光L12が検出されなくなったことを、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS254)。
【0067】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200がそれまで検出できていた光L12を検出できなくなったことを認識する(ステップS255)。
【0068】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、本体部102の右方向への回転角、が本体部102の右方向への最大回転角α1であると判断し、そのときのα1の値を記録する(ステップS256)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、光L12の出射角(出射方向の角度)、が光空間通信装置200において検出可能な光L12の右方向への最大傾斜角α1と判断し、そのときのα1の値を記録する(ステップS256)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の右方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0069】
(光空間通信装置100の本体部102の左方向への最大回転角β1の決定)
続いて、光空間通信装置100は、第2方向調整部104bを用いて自装置の本体部102を水平面に沿って回転させることにより、第2発光部106から出射される光L12の出射方向を左方向に緩やかに回転させる(ステップS257)。この期間中、光空間通信装置200では、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されたか否かの判定が行われる(ステップS258)。
【0070】
例えば、撮像部207の撮像画像から、光空間通信装置100の第2発光部106から出射された光L12が検出されている場合(ステップS258のNO)、光空間通信装置100の第2発光部106から出射される光L12の出射方向の回転変更は継続される(ステップS257)。
【0071】
その後、撮像部207の撮像画像から、それまで検出できていた光L12が検出されなくなった場合(ステップS258のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、係る光L12が検出されなくなったことを、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS259)。
【0072】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200がそれまで検出できていた光L12を検出できなくなったことを認識する(ステップS260)。
【0073】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、本体部102の左方向への回転角、が本体部102の左方向への最大回転角β1であると判断し、そのときのβ1の値を記録する(ステップS261)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200において光L12を検出できなくなった時点の、光L12の出射角(出射方向の角度)、が光空間通信装置200において検出可能な光L12の左方向への最大傾斜角β1と判断し、そのときのβ1の値を記録する(ステップS261)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の左方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0074】
(光空間通信装置100の本体部102の水平面上における最大回転角γ1の決定)
その後、光空間通信装置100は、角度α1と角度β1とに基づいて、本体部102の水平面上における回転角γ1を決定する。例えば、光空間通信装置100は、角度α1と角度β1とに基づいて、本体部102の水平面上における回転角γ1を(α1+β1)/2と決定する(ステップS262)。換言すると、光空間通信装置100は、角度α1と角度β1とに基づいて、第2発光部106から出射される光L12の水平面上における出射角γ1を決定する。例えば、光空間通信装置100は、第2発光部106から出射される光L12の水平面上における出射角γ1を(α1+β1)/2と決定する(ステップS262)。
【0075】
なお、値γ1の変化量が所定の変化量以下になるまで、ステップS251~S262の処理が繰り返されてもよい。
【0076】
その後、光空間通信装置200に対しても、光空間通信装置100の場合と同様に、ステップS251~S262の処理が行われる。光空間通信装置200に対するステップS251~S262の処理については省略する。例えば、光空間通信装置200は、角度α2(α1に対応)と角度β2(β1に対応)に基づいて、本体部202の水平面上における回転角γ2(γ1に対応)を(α2+β2)/2と決定する。
【0077】
<第2の光軸調整処理(微調整)>
続いて、
図13~
図17を用いて、第2の光軸調整処理(微調整)について説明する。
【0078】
まず、各光空間通信装置100,200は、通信部による通信用のレーザ光の発光及び受光を行う(ステップS301)。
【0079】
ここで、各光空間通信装置100,200は、自装置の光量検知部によって、相手装置の通信部から出射されたレーザ光(LB1,LB2)の受光レベルが所定の受光レベルQ1以上を示すことが検知された場合(ステップS302のYES)、光軸の微調整の準備が整っていると判断し、その検知結果を、第1発光部の発光を制御することにより相手装置に通知したうえで、次の処理に進む(ステップS303)。なお、各光空間通信装置100,200は、自装置の光量検知部によって、相手装置の通信部から出射されたレーザ光(LB1,LB2)の受光レベルが所定の受光レベルQ1以上を示すことが検知されなかった場合(ステップS302のNO)、通信確立を不可能と判断する(ステップS304)。但し、通信確立を望む場合には、例えば、第1の光軸調整処理(粗調整)に戻る。
【0080】
(光空間通信装置100の本体部102の上方向への最大回転角θ1’の決定)
まず、初期設定が行われる(ステップS401)。
具体的には、光空間通信装置100は、通信部108から通信用のレーザ光LB1を出射する。また、光空間通信装置100は、撮像部107による撮像を実行する。また、光空間通信装置200は、通信部208によるレーザ光LB1の受光を行うとともに、第1発光部205による拡散光L21の発光の準備を行う。
【0081】
その後、光空間通信装置100は、第1方向調整部104aを用いて自装置の本体部102を垂直面に沿って回転(傾斜)させることにより、通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向を横方向(水平方向)から上方向(鉛直上方向)にかけて徐々に傾けさせる(ステップS402)。この期間中、光空間通信装置200では、通信部208に設けられた光量検知部2083によって、光空間通信装置100から出射されたレーザ光LB1の受光レベルが検知される(ステップS403)。
【0082】
例えば、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2(<Q1)以上を示す場合(ステップS403のNO)、光空間通信装置100の通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向の回転変更は継続される(ステップS402)。
【0083】
その後、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2以上から所定の受光レベルQ2未満に切り替わった場合(ステップS403のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、その旨(レーザ光LB1の受光レベルが受光レベルQ2以上から受光レベルQ2未満に切り替わったこと)を、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS404)。
【0084】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になったことを認識する(ステップS405)。
【0085】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、本体部102の上方向への回転角(傾斜角)、が本体部102の上方向への最大回転角θ1’であると判断し、そのときのθ1’の値を記録する(ステップS406)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、レーザ光LB1の出射角(出射方向の角度)、が当該レーザ光LB1の上方向への最大傾斜角θ1’と判断し、そのときのθ1’の値を記録する(ステップS406)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の上方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0086】
(光空間通信装置100の本体部102の下方向への最大回転角φ1’の決定)
続いて、光空間通信装置100は、第1方向調整部104aを用いて自装置の本体部102を垂直面に沿って回転(傾斜)させることにより、通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向を横方向(水平方向)から下方向(鉛直下方向)にかけて徐々に傾けさせる(ステップS407)。この期間中、光空間通信装置200では、通信部208に設けられた光量検知部2083によって、光空間通信装置100から出射されたレーザ光LB1の受光レベルが検知される(ステップS408)。
【0087】
例えば、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2(<Q1)以上を示す場合(ステップS408のNO)、光空間通信装置100の通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向の回転変更は継続される(ステップS407)。
【0088】
その後、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2以上から所定の受光レベルQ2未満に切り替わった場合(ステップS408のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、その旨(レーザ光LB1の受光レベルが受光レベルQ2以上から受光レベルQ2未満に切り替わったこと)を、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS409)。
【0089】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になったことを認識する(ステップS410)。
【0090】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、本体部102の下方向への回転角(傾斜角)、が本体部102の下方向への最大回転角φ1’であると判断し、そのときのφ1’の値を記録する(ステップS411)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、レーザ光LB1の出射角(出射方向の角度)、が当該レーザ光LB1の下方向への最大傾斜角φ1’と判断し、そのときのφ1’の値を記録する(ステップS411)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の下方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0091】
(光空間通信装置100の本体部102の垂直面上における最大回転角ψ1’の決定)
その後、光空間通信装置100は、角度θ1’と角度φ1’とに基づいて、本体部102の垂直面上における回転角ψ1’を決定する。例えば、光空間通信装置100は、角度θ1’と角度φ1’とに基づいて、本体部102の垂直面上における回転角ψ1’を(θ1’+φ1’)/2と決定する(ステップS412)。換言すると、光空間通信装置100は、角度θ1’と角度φ1’とに基づいて、通信部108から出射されるレーザ光LB1の垂直面上における出射角ψ1’を決定する。例えば、光空間通信装置100は、通信部108から出射されるレーザ光LB1の垂直面上における出射角ψ1’を(θ1’+φ1’)/2と決定する(ステップS412)。
【0092】
なお、値ψ1’の変化量が所定の変化量以下になるまで、ステップS401~S412の処理が繰り返されてもよい。
【0093】
その後、光空間通信装置200に対しても、光空間通信装置100の場合と同様に、ステップS401~S412の処理が行われる。光空間通信装置200に対するS401~S412の処理については省略する。例えば、光空間通信装置200は、角度θ2’(θ1’に対応)と角度φ2’(φ1’に対応)に基づいて、本体部202の垂直面上における回転角ψ2’(ψ1’に対応)を(θ2’+φ2’)/2と決定する。なお、光空間通信装置200に対するステップS401~S412の処理は、後述する光空間通信装置100に対するステップS451~S462の処理の後に行われてもよい。
【0094】
(光空間通信装置100の本体部102の右方向への最大回転角α1’の決定)
まず、初期設定が行われる(ステップS451)。
具体的には、光空間通信装置100は、通信部108から通信用のレーザ光LB1を出射する。また、光空間通信装置100は、撮像部107による撮像を実行する。また、光空間通信装置200は、通信部208によるレーザ光LB1の受光を行うとともに、第1発光部205による拡散光L21の発光の準備を行う。
【0095】
その後、光空間通信装置100は、第2方向調整部104bを用いて自装置の本体部102を水平面に沿って回転させることにより、通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向を右方向に緩やかに回転させる(ステップS452)。この期間中、光空間通信装置200では、通信部208に設けられた光量検知部2083によって、光空間通信装置100から出射されたレーザ光LB1の受光レベルが検知される(ステップS453)。
【0096】
例えば、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2(<Q1)以上を示す場合(ステップS453のNO)、光空間通信装置100の通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向の回転変更は継続される(ステップS452)。
【0097】
その後、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2以上から所定の受光レベルQ2未満に切り替わった場合(ステップS453のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、その旨(レーザ光LB1の受光レベルが受光レベルQ2以上から受光レベルQ2未満に切り替わったこと)を、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS454)。
【0098】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になったことを認識する(ステップS455)。
【0099】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、本体部102の右方向への回転角、が本体部102の右方向への最大回転角α1’であると判断し、そのときのα1’の値を記録する(ステップS456)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、レーザ光LB1の出射角(出射方向の角度)、が当該レーザ光LB1の右方向への最大傾斜角α1’と判断し、そのときのα1’の値を記録する(ステップS456)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の右方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0100】
(光空間通信装置100の本体部102の左方向への最大回転角β1’の決定)
続いて、光空間通信装置100は、第2方向調整部104bを用いて自装置の本体部102を水平面に沿って回転させることにより、通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向を左方向に緩やかに回転させる(ステップS457)。この期間中、光空間通信装置200では、通信部208に設けられた光量検知部2083によって、光空間通信装置100から出射されたレーザ光LB1の受光レベルが検知される(ステップS458)。
【0101】
例えば、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2(<Q1)以上を示す場合(ステップS458のNO)、光空間通信装置100の通信部108から出射されるレーザ光LB1の出射方向の回転変更は継続される(ステップS457)。
【0102】
その後、光量検知部2083によって検知されたレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2以上から所定の受光レベルQ2未満に切り替わった場合(ステップS458のYES)、光空間通信装置200は、第1発光部205による拡散光L21の発光を制御することによって(例えば、消光状態の第1発光部205の拡散光L21を発光させることによって)、その旨(レーザ光LB1の受光レベルが受光レベルQ2以上から受光レベルQ2未満に切り替わったこと)を、光空間通信装置100に向けて送信する(ステップS459)。
【0103】
光空間通信装置100は、光空間通信装置200から第1発光部205の発光を制御することによって送信された情報を、撮像部107を用いて撮像することによって受信する。そして、光空間通信装置100は、撮像部107の撮像画像を解析することによって、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になったことを認識する(ステップS460)。
【0104】
そして、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、本体部102の左方向への回転角、が本体部102の左方向への最大回転角β1’であると判断し、そのときのβ1’の値を記録する(ステップS461)。換言すると、光空間通信装置100は、光空間通信装置200でのレーザ光LB1の受光レベルが所定の受光レベルQ2未満になった時点の、レーザ光LB1の出射角(出射方向の角度)、が当該レーザ光LB1の左方向への最大傾斜角β1’と判断し、そのときのβ1’の値を記録する(ステップS461)。その後、光空間通信装置100は、本体部102の左方向への回転(傾斜)を停止させる。
【0105】
(光空間通信装置100の本体部102の水平面上における最大回転角γ1’の決定)
その後、光空間通信装置100は、角度α1’と角度β1’とに基づいて、本体部102の水平面上における回転角γ1’を決定する。例えば、光空間通信装置100は、角度α1’と角度β1’とに基づいて、本体部102の水平面上における回転角γ1’を(α1’+β1’)/2と決定する(ステップS462)。換言すると、光空間通信装置100は、角度α1’と角度β1’とに基づいて、通信部108から出射されるレーザ光LB1の水平面上における出射角γ1’を決定する。例えば、光空間通信装置100は、通信部108から出射されるレーザ光LB1の水平面上における出射角γ1’を(α1’+β1’)/2と決定する(ステップS462)。
【0106】
なお、値γ1’の変化量が所定の変化量以下になるまで、ステップS451~S462の処理が繰り返されてもよい。
【0107】
その後、光空間通信装置200に対しても、光空間通信装置100の場合と同様に、ステップS451~S462の処理が行われる。光空間通信装置200に対するS401~S462の処理については省略する。例えば、光空間通信装置200は、角度α2’(α1’に対応)と角度β2’(β1’に対応)に基づいて、本体部202の水平面上における回転角γ2’(γ1’に対応)を(α2’+β2’)/2と決定する。なお、光空間通信装置200に対するステップS451~S462の処理は、後述する光空間通信装置100に対するステップS451~S462の処理の後に行われてもよい。
【0108】
このようにして、粗調整された回転角ψ(ψ1,ψ2)及び回転角γ(γ1,γ2)を基準位置として光軸の微調整が行われることにより、最終的な回転角ψ’(ψ1’,ψ2’)及び回転角γ’(γ1’,γ2’)が決定する。
【0109】
このように、本実施の形態にかかる光空間通信システムは、第1光空間通信装置(100)と第2光空間通信装置(200)との間で光空間通信を行うための光軸調整において、一方の光空間通信装置が、拡散光発光部による拡散光の発光を制御することによって、相手装置から出射されたレーザ光の受光状態を通知し、他方の光空間通信装置が、撮像部の撮像画像から、相手装置の拡散光発光部による拡散光の発光状態、を特定することによって、相手装置が受光するレーザ光の受光状態を把握して、当該レーザ光の出射方向を調整する。それにより、本実施の形態にかかる光空間通信システムは、通信回線を用いずに光軸調整を行うことができるため、コストの増大を抑制することができる。
【0110】
本実施の形態では、光空間通信装置100,200のうち光空間通信装置100から先行して光軸調整の各処理が行われた場合を例に説明したが、これに限られず、当然ながら、光空間通信装置200から先行して光軸調整の各処理が行われてもよい。
【0111】
また、本実施の形態では、光軸の粗調整である第1の光軸調整処理(即ち、ステップS201~S212及びステップS251~S262の処理)が行われた後に、光軸の微調整である第2の光軸調整処理が行われた場合を例に説明したが、これに限られず、例えば、粗調整である第1の光軸調整処理は省略されてもよい。その場合、第2発光部(指向性光発光部)106,206は不要になる。以下、
図18を用いて簡単に説明する。
【0112】
図18は、光空間通信システム1の変形例を光空間通信システム1aとして示すブロック図である。光空間通信システム1aは、光空間通信装置100aと、光空間通信装置200bと、を備える。光空間通信装置100aは、光空間通信装置100と比較して第2発光部106を有しない。光空間通信装置200aは、光空間通信装置200と比較して第2発光部206を有しない。光空間通信システム1aのその他の構成は、光空間通信システム1と同様である。光軸の粗調整である第1の光軸調整処理が省略される場合には、光空間通信システム1aでも、コストの増大を抑制することができるという、光空間通信システム1と同等の効果を奏することができる。
【0113】
(光空間通信システム1における光軸調整機能のハードウェア構成)
なお、光空間通信システム1によって実現される光軸調整処理は、例えば、汎用的なコンピュータシステムにより実現可能である。以下、
図19を用いて簡単に説明する。
【0114】
図19は、光空間通信システム1における光軸調整機能のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ300は、例えば、制御装置であるCPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、ROM(Read Only Memory)303と、を備える。コンピュータ300は、さらに、外部とのインターフェースであるIF(Inter Face)304と、不揮発性記憶装置の一例であるHDD(Hard Disk Drive)305と、を備える。さらに、コンピュータ300は、その他図示しない構成として、キーボードやマウス等の入力装置やディスプレイ等の表示装置を備えていてもよい。
【0115】
HDD305には、OS(Operating System)(不図示)と、光軸調整プログラム306と、が記憶されている。光軸調整プログラム306は、本実施の形態に係る光空間通信システム1における光軸調整処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0116】
CPU301は、コンピュータ300における各種処理、RAM302,ROM303,IF304及びHDD305へのアクセス等を制御する。コンピュータ300は、CPU301がHDD305に記憶されたOS、光軸調整プログラム306を読み込み、実行する。これにより、コンピュータ300は、光空間通信システム1における光軸調整機能を実現する。
【0117】
上述の実施の形態では、本開示をハードウェアの構成として説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。本開示は、光空間通信システム1における光軸調整処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0118】
また、上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、SSD(Solid-State Drive)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0119】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【0120】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0121】
(付記1)
第1光空間通信装置と、
第2光空間通信装置と、
を少なくとも備え、
前記第1光空間通信装置は、
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
第1制御部と、
を有し、
前記第2光空間通信装置は、
第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、
通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、
第2方向調整部と、
第2撮像部と、
第2制御部と、
を有し、
前記第1光空間通信装置と前記第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための光軸調整において、
前記第1制御部は、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整し、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御し、
前記第2制御部は、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整し、
前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御する、
光空間通信システム。
【0122】
(付記2)
前記第1制御部は、前記光軸調整のために前記第2通信光の出射方向が変化する場合において、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルと第1の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって、前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2制御部は、前記光軸調整のために前記第1通信光の出射方向が変化する場合において、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルと第2の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって、前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1制御部は、前記第1通信光の出射方向を、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルが前記第2の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2制御部は、前記第2通信光の出射方向を、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルが前記第1の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
付記1に記載の光空間通信システム。
【0123】
(付記3)
前記第1光空間通信装置は、
前記第1通信光の出射方向に連動し、前記第1通信光の出射方向に強い指向性を有する第1指向性光を発光する第1指向性光発光部をさらに有し、
前記第2光空間通信装置は、
前記第2通信光の出射方向に連動し、前記第2通信光の出射方向に強い指向性を有する第2指向性光を発光する第2指向性光発光部をさらに有し、
前記第1制御部は、前記光軸調整のために前記第2指向性光の出射方向が変化する場合において、前記第1撮像部による撮像画像を用いた前記第2指向性光の特定の可否の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって、前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2制御部は、前記光軸調整のために前記第1指向性光の出射方向が変化する場合において、前記第2撮像部による撮像画像を用いた前記第1指向性光の特定の可否の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって、前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1制御部は、前記第1指向性光の出射方向を、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2制御部は、前記第2指向性光の出射方向を、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
付記1又は2に記載の光空間通信システム。
【0124】
(付記4)
第1方向調整部は、前記第1通信光の出射方向を水平面に沿って回動可能に構成され、且つ、前記第1通信光の出射方向を垂直面に沿って回動可能に構成され、
第2方向調整部は、前記第2通信光の出射方向を水平面に沿って回動可能に構成され、且つ、前記第2通信光の出射方向を垂直面に沿って回動可能に構成されている、
付記1~3の何れか一項に記載の光空間通信システム。
【0125】
(付記5)
第1光空間通信装置と第2光空間通信装置との間で光空間通信を行うための、光空間通信システムの光軸調整方法であって、
前記第1光空間通信装置は、
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第2光空間通信装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
を少なくとも有し、
前記第2光空間通信装置は、
第2拡散光を発光可能に構成された第2拡散光発光部と、
通信に用いられる前記第2通信光を発光可能に構成され、且つ、前記第1通信光を受光可能に構成された第2通信部と、
第2方向調整部と、
第2撮像部と、
を少なくとも有し、
前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射するステップと、
前記第2通信部による前記第1通信光の受光状態に応じて、前記第2拡散光発光部による前記第2拡散光の発光状態を制御するステップと、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整するステップと、
前記第2通信部を用いて前記第2通信光を出射するステップと、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御するステップと、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1拡散光の発光状態を特定すると共に、特定した前記第1拡散光の発光状態に基づいて、前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を調整するするステップと、
を備えた、光空間通信システムの光軸調整方法。
【0126】
(付記6)
前記第1通信光を出射するステップでは、
前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を変化させながら、前記第1通信部を用いて当該第1通信光を出射し、
前記第2拡散光の発光状態を制御するステップでは、
前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルと第2の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって前記第1光空間通信装置に通知し、
前記第1通信光の出射方向を調整するステップでは、
前記第1通信光の出射方向を、前記第2通信部によって受光される前記第1通信光の受光レベルが前記第2の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整し、
前記第2通信光を出射するステップでは、
前記第2方向調整部を用いて前記第2通信光の出射方向を変化させながら、前記第2通信部を用いて当該第2通信光を出射し、
前記第1拡散光の発光状態を制御するステップでは、
前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルと第1の所定レベルとの比較結果の切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって前記第2光空間通信装置に通知し、
前記第2通信光の出射方向を調整するステップでは、
前記第2通信光の出射方向を、前記第1通信部によって受光される前記第2通信光の受光レベルが前記第1の所定レベル以上を示す範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整する、
付記5に記載の、光空間通信システムの光軸調整方法。
【0127】
(付記7)
前記第1光空間通信装置は、
前記第1通信光の出射方向に連動し、前記第1通信光の出射方向に強い指向性を有する第1指向性光を発光する第1指向性光発光部をさらに有し、
前記第2光空間通信装置は、
前記第2通信光の出射方向に連動し、前記第2通信光の出射方向に強い指向性を有する第2指向性光を発光する第2指向性光発光部をさらに有し、
光空間通信システムの光軸調整方法は、
前記第1方向調整部を用いて前記第1指向性光の出射方向を変化させながら、前記第1指向性光発光部を用いて当該第1指向性光を出射するステップと、
前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定できたか否かの切り替わりタイミングを、前記第2拡散光発光部を用いて前記第2拡散光の発光を制御することによって前記第1光空間通信装置に通知するステップと、
前記第1指向性光の出射方向を、前記第2撮像部による撮像画像によって前記第1指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第1方向調整部を用いて調整するステップと、
前記第2方向調整部を用いて前記第2指向性光の出射方向を変化させながら、前記第2指向性光発光部を用いて当該第2指向性光を出射するステップと、
前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定できたか否かの切り替わりタイミングを、前記第1拡散光発光部を用いて前記第1拡散光の発光を制御することによって前記第2光空間通信装置に通知するステップと、
前記第2指向性光の出射方向を、前記第1撮像部による撮像画像によって前記第2指向性光を特定可能な範囲内の出射方向となるように、前記第2方向調整部を用いて調整するステップと、
をさらに備えた、付記5又は6に記載の、光空間通信システムの光軸調整方法。
【0128】
(付記8)
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
第1制御部と、
を有し、
自装置と前記相手装置との間で光空間通信を行うための光軸調整に際して、
前記第1制御部は、
前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整し、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御する、
光空間通信装置。
【0129】
(付記9)
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
を少なくとも有する光空間通信装置の、前記相手装置と光空間通信を行うための光軸調整方法であって、
前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射するステップと、
前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整するステップと、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御するステップと、
を備えた、光空間通信装置の光軸調整方法。
【0130】
(付記10)
第1拡散光を発光可能に構成された第1拡散光発光部と、
相手装置との通信に用いられるレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第1通信光を発光可能に構成され、且つ、前記相手装置から出射されたレーザ光及びコヒーレント光の何れかである第2通信光を受光可能に構成された第1通信部と、
第1方向調整部と、
第1撮像部と、
を少なくとも有する光空間通信装置の、前記相手装置と光空間通信を行うための光軸調整プログラムであって、
前記第1通信部を用いて前記第1通信光を出射する処理と、
前記第1撮像部による撮像画像によって、前記第1拡散光に対応する前記相手装置の第2拡散光、の発光状態を特定すると共に、特定した前記第2拡散光の発光状態に基づいて、前記第1方向調整部を用いて前記第1通信光の出射方向を調整する処理と、
前記第1通信部による前記第2通信光の受光状態に応じて、前記第1拡散光発光部による前記第1拡散光の発光状態を制御する処理と、
をコンピュータに実行させる光軸調整プログラム。
【符号の説明】
【0131】
1 光空間通信システム
1a 光空間通信システム
100 光空間通信装置
100a 光空間通信装置
101 固定部
102 本体部
104 方向調整部
104a 第1方向調整部
104b 第2方向調整部
105 第1発光部(拡散光発光部)
106 第2発光部(指向性光発光部)
106a,106b 第2発光部(指向性光発光部)
107 撮像部
108 通信部
109 制御部
200 光空間通信装置
200a 光空間通信装置
201 固定部
202 本体部
204 方向調整部
204a 第1方向調整部
204b 第2方向調整部
205 第1発光部(拡散光発光部)
206 第2発光部(指向性光発光部)
206a,206b 第2発光部(指向性光発光部)
207 撮像部
208 通信部
209 制御部
300 コンピュータ
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 IF
305 HDD
306 光軸調整プログラム
1081 信号送信部
1082 信号受信部
1083 光量検知部
1084 ディバイダ
1085 サーキュレータ
1086 ファイバー管
1087 レンズ
2081 信号送信部
2082 信号受信部
2083 光量検知部
2084 ディバイダ
2085 サーキュレータ
2086 ファイバー管
2087 レンズ
L11 第1発光部105によって発光される光(拡散光)
L12 第2発光部106によって発光される光(指向性光)
L21 第1発光部205によって発光される光(拡散光)
L22 第2発光部206によって発光される光(指向性光)
LB1 レーザ光
LB2 レーザ光