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特許7537787衝突事故防止方法、その装置、そのサーバ及びそのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】衝突事故防止方法、その装置、そのサーバ及びそのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240814BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022548579
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 KR2020015960
(87)【国際公開番号】W WO2021162205
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0015666
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521292722
【氏名又は名称】ソウル ロボティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】イ, ハンビン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジェイル
(72)【発明者】
【氏名】チュオン, ホン ミン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, オラン
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-067282(JP,A)
【文献】特開2018-180788(JP,A)
【文献】特開2008-198162(JP,A)
【文献】特開2011-100492(JP,A)
【文献】国際公開第2019/165409(WO,A1)
【文献】特開2019-182093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注意区域に該当する三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータをニューラルネットワークの客体分類モデルを利用して獲得した客体情報に基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、
前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断する段階と、
前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記少なくとも1台の車両に提供する段階と、を含
前記予測する段階は、
前記注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別する段階と、
前記識別された、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを追跡し、それぞれの動きパターンを分析する段階と、
前記分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、を含む、コンピューティング装置によって遂行される衝突事故防止方法。
【請求項2】
前記提供する段階は、
互いに異なる複数の衝突危険度が判断された場合、前記互いに異なる衝突危険度に対応する互いに異なるメッセージを生成する段階と、
前記生成された互いに異なるメッセージを、前記少なくとも1台の車両に伝送する段階と、を含む、請求項1に記載の衝突事故防止方法。
【請求項3】
前記互いに異なるメッセージを生成する段階は、
前記互いに異なる衝突危険度を複数のグループに分類する段階と、
前記分類された複数のグループそれぞれに対応し、前記互いに異なるメッセージを生成する段階と、を含む、請求項2に記載の衝突事故防止方法。
【請求項4】
前記伝送する段階は、
前記少なくとも1台の車両の位置に基づき、前記生成された互いに異なるメッセージを、前記少なくとも1台の車両に伝送する、請求項2に記載の衝突事故防止方法。
【請求項5】
前記伝送する段階は、
前記少なくとも1台の車両を識別することができる識別子情報を、前記生成された互いに異なるメッセージそれぞれの目的地情報にし、前記生成された互いに異なるメッセージを、前記少なくとも1台の車両に伝送する、請求項2に記載の衝突事故防止方法。
【請求項6】
前記提供する段階は、
前記判断された衝突危険度に基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、所定の基準以上に衝突可能な車両と、前記衝突可能な車両の後続車両とに、互いに異なるメッセージを提供する、請求項1に記載の衝突事故防止方法。
【請求項7】
前記提供する段階は、
前記衝突可能な車両に、衝突注意及び減速指示のメッセージを提供し、前記後続車両に、前方車両の減速を予告する減速予告メッセージを提供する、請求項6に記載の衝突事故防止方法。
【請求項8】
前記提供する段階は、
前記判断された衝突危険度のうち、所定の基準以上の衝突危険度がある場合、衝突状況に対応するメッセージを、前記所定の基準以上に衝突可能な車両に提供する、請求項1に記載の衝突事故防止方法。
【請求項9】
前記判断された衝突危険度のうち、最も高い衝突危険度に対応するメッセージを、前記注意区域に設けられたディスプレイ装置または信号灯に伝送する段階をさらに含む、請求項1に記載の衝突事故防止方法。
【請求項10】
注意区域に該当する三次元空間を感知するセンサ部と、
通信インターフェース装置と、
インストラクションを保存するメモリと、
前記インストラクションを実行し、前記センサ部を介して感知された前記三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータをニューラルネットワークの客体分類モデルを利用して獲得した客体情報に基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測し、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断し、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記通信インターフェース装置を介し、前記少なくとも1台の車両に提供するプロセッサと、を含む、衝突事故防止装置であって、
前記予測は、前記注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別し、前記識別された、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを追跡し、それぞれの動きパターンを分析し、前記分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する衝突事故防止装置
【請求項11】
前記プロセッサは、
互いに異なる複数の衝突危険度が判断された場合、前記互いに異なる衝突危険度に対応する互いに異なるメッセージを生成し、前記生成された互いに異なるメッセージを、前記通信インターフェース装置を介し、前記少なくとも1台の車両に伝送する、請求項10に記載の衝突事故防止装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記判断された衝突危険度に基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、所定の基準以上に衝突可能な車両と、前記衝突可能な車両の後続車両とに、互いに異なるメッセージを提供する、請求項10に記載の衝突事故防止装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記判断された衝突危険度のうち、所定の基準以上の衝突危険度がある場合、衝突状況に対応するメッセージを、前記所定の基準以上に衝突可能な車両に提供する、請求項10に記載の衝突事故防止装置。
【請求項14】
通信インターフェース装置と、
インストラクションを保存するメモリと、
前記インストラクションを実行し、前記通信インターフェース装置を介して獲得された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータをニューラルネットワークの客体分類モデルを利用して獲得した客体情報に基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測し、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断し、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記通信インターフェース装置を介し、前記少なくとも1台の車両に提供するプロセッサと、を含む、衝突事故防止サーバであって、
前記予測は、前記注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別し、前記識別された、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを追跡し、それぞれの動きパターンを分析し、前記分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する衝突事故防止サーバ
【請求項15】
コンピューティング装置において、
注意区域に該当する三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータをニューラルネットワークの客体分類モデルを利用して獲得した客体情報に基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、
前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断する段階と、
前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記少なくとも1台の車両に提供する段階と、を実行させるために、媒体に保存されたコンピュータプログラムであって、
前記予測する段階は、
前記注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別する段階と、
前記識別された、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれを追跡し、それぞれの動きパターンを分析する段階と、
前記分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、を含む、媒体に保存されたコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突事故防止方法、その装置、そのサーバ及びそのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スクールゾーンを始めとする注意区域内における、歩行者と車両との衝突事故に向かう社会的な関心が高まっている。特定区域内において動く客体を検出するための技術に係わる研究が行われてきた。高解像度映像を撮影するカメラを利用し、客体を検出する方式があるが、それは、三次元空間における客体の正確な位置を知ることができず、カメラによって撮影された高解像度映像によるプライバシー侵害問題が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、衝突事故防止方法、その装置、そのサーバ及びそのコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様により、コンピューティング装置によって遂行される衝突事故防止方法は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断する段階と、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記少なくとも1台の車両に提供する段階と、を含むものでもある。
【0005】
第2態様による衝突事故防止装置は、注意区域に該当する三次元空間を感知するセンサ部と、通信インターフェース装置と、インストラクションを保存するメモリと、前記インストラクションを実行し、前記センサ部を介して感知された前記三次元空間に係わるデータに基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測し、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断し、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記通信インターフェース装置を介し、前記少なくとも1台の車両に提供するプロセッサと、を含むものでもある。
【0006】
第3態様による衝突事故防止サーバは、通信インターフェース装置と、インストラクションを保存するメモリと、前記インストラクションを実行し、前記通信インターフェース装置を介して獲得された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測し、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断し、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記通信インターフェース装置を介し、前記少なくとも1台の車両に提供するプロセッサと、を含むものでもある。
【0007】
第4態様による媒体に保存されたコンピュータプログラムは、コンピューティング装置において、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階と、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断する段階と、前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記少なくとも1台の車両に提供する段階と、を実行させうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による衝突事故防止装置が位置する任意の注意区域内の環境について説明するための図である。
図2】一実施形態による衝突事故防止装置の構成を示したブロック図である。
図3】注意区域内に、歩行者と車両が存在する場合、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図4】注意区域内に、複数の歩行者と、車両とが存在する場合、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図5】注意区域内に、複数の歩行者と、車両とが存在する場合、所定の基準以上の衝突危険度が判断されたとき、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図6】注意区域内に、歩行者と、複数の車両とが存在する場合、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図7】注意区域内に、歩行者と、複数の車両とが存在する場合、所定の基準以上の衝突危険度が判断されたとき、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図8】注意区域に設けられたディスプレイ装置または信号灯がある場合、衝突事故防止装置の動作について説明するための図である。
図9】他の実施形態による衝突事故防止サーバの構成を示したブロック図である。
図10】さらに他の実施形態による衝突事故防止方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1態様により、コンピューティング装置によって遂行される衝突事故防止方法は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、前記注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、前記注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測する段階、前記予測されたそれぞれの動きに基づき、前記少なくとも1人の歩行者と、前記少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断する段階、及び前記判断された衝突危険度に対応するメッセージを、前記少なくとも1台の車両に提供する段階を含むものでもある。
【0010】
以下においては、図面を参照し、多様な実施形態について詳細に説明する。以下において説明される実施形態は、さまざまに異なる形態に変形されても実施される。本実施形態の特徴について、さらに明確に説明するために、以下の実施形態が属する技術分野において当業者に周知されている事項については、詳細な説明は、省略する。
【0011】
なお、本明細書において、ある構成が他の構成と「連結」されているとするとき、それは、「直接連結」されている場合だけではなく、「その中間に、他の構成を挟んで連結」されている場合も含む。また、ある構成が他の構成を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、それ以外の他構成を除くものではなく、他構成さらに含むものであるということを意味する。
【0012】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0013】
本実施形態は、衝突事故防止方法、その装置、そのサーバ及びそのコンピュータプログラムに係り、以下の実施形態が属する技術分野において当業者に周知されている事項については、詳細な説明を省略する。
【0014】
図1は、一実施形態による衝突事故防止装置100が位置する任意の注意区域内の環境について説明するための図面である。
【0015】
衝突事故防止装置100は、注意区域に該当する三次元空間を感知し、空間に係わるデータを獲得することができる装置であり、該三次元空間を感知する少なくとも1つのセンサを含むものでもある。該注意区域は、スクールゾーン、歩行者保護区域、子供保護区域、年配者保護区域、事故多発区域、横断報道区域のような所定の区域にもなる。
【0016】
衝突事故防止装置100は、地上または地面から所定の高さに位置したところにも設けられる。衝突事故防止装置100は、信号灯のような既存の施設物に付着させたり固定させたりする方式によっても設けられる。図1を参照すれば、衝突事故防止装置100が、注意区域内の車両信号灯に該当する施設物の上端に設けられているところを見ることができるが、それに限定されるものではない。
【0017】
図1を参照すれば、衝突事故防止装置100が、注意区域内で移動する歩行者と、注意区域内を走行する車両を検出し、検出された歩行者と車両とを追跡する様子を示している。
【0018】
歩行者は、注意区域を通り過ぎる人を意味する。車両は、道路上を走る自動車や二輪車のような走行手段にもなる。該車両は、自律走行車、または走行補助装置が搭載された車両でもある。該車両は、センサを利用し、周辺の三次元空間に係わるデータを獲得したり、周辺の他の車両や、衝突事故防止装置100から、周辺の三次元空間に係わるデータを獲得したりすることができる。
【0019】
以下、注意区域内において移動する歩行者と、注意区域内を走行する車両との衝突を防止する方法について説明する。
【0020】
図2は、一実施形態による衝突事故防止装置100の構成を示したブロック図である。
【0021】
図2を参照すれば、一実施形態による衝突事故防止装置100は、メモリ110、プロセッサ120、通信インターフェース装置130、センサ部140を含むものでもある。本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、図2に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれるものでもあるということが分かるであろう。
【0022】
メモリ110は、ソフトウェア及び/またはコンピュータプログラムを保存することができる。例えば、メモリ110は、アプリケーション、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)のようなプログラム、及び多様な種類のデータを保存することができる。メモリ110は、プロセッサ120によって実行可能なインストラクションを保存することができる。
【0023】
プロセッサ120は、メモリ110に保存されたデータにアクセスし、それを利用したり、新たなデータをメモリ110に保存したりすることができる。プロセッサ120は、メモリ110に保存されたインストラクションを実行することができる。プロセッサ120は、衝突事故防止装置100に設けられたコンピュータプログラムを実行することができる。
【0024】
プロセッサ120は、少なくとも1つのプロセッシングモジュールを含むものでもある。例えば、プロセッサ120は、三次元空間内の歩行者や車両のような動く客体を追跡し、衝突危険度を判断するプログラムを実行するプロセッシングモジュールを、専用プロセッシングモジュール形態で含むものでもある。プロセッサ120は、インストラクションまたはコンピュータプログラムのような実行結果に対応する動作を遂行するように、衝突事故防止装置100に含まれた他の構成を制御することができる。
【0025】
通信インターフェース装置130は、他の装置またはネットワークと、有無線通信を行うことができる。そのために、通信インターフェース装置130は、多様な有無線通信方法のうち少なくとも一つを支援する通信モジュールを含むものでもある。例えば、Wi-Fi(登録商標)(wireless fidelity)のような近距離通信、3G(generation)、4G、5Gのような多様な種類の移動通信、または超広帯域通信を行う通信モジュールや、同軸ケーブルや光ケーブルなどを利用する有線通信を行う通信モジュールが含まれるものでもある。通信インターフェース装置130は、衝突事故防止装置100の外部に位置した装置と連結され、信号またはデータを含むメッセージを送受信することができる。衝突事故防止装置100は、通信インターフェース装置130を介し、車両、または他の衝突事故防止装置100と通信を行うか、あるいは衝突事故防止装置100が位置する区域を管理する衝突事故防止サービスを提供するサーバとも連結される。
【0026】
センサ部140は、三次元空間を感知するための、少なくとも1つのセンサを含むものでもある。センサ部140は、感知範囲内に位置した客体を感知することができ、感知された客体の三次元空間上の座標を生成することができるデータを獲得することができる。センサ部140は、感知範囲内に位置した客体に係わる形状データまたは距離データを獲得することができる。センサ部140は、LIDAR(light detection and ranging)センサ、ToF(time of flight)方式の三次元センサ、レーダ(radar)センサ、赤外線映像センサ、超音波センサのような多様な種類のセンサのうち少なくとも一つを含むものでもある。
【0027】
センサ部140は、三次元空間に係わる空間データを獲得するために、複数のセンサを利用することもできる。このとき、各種類のセンサが有している感知範囲や、獲得することができるデータの種類などを考慮し、同種のセンサを複数個利用したり、異種のセンサを組み合わせて利用したりすることができる。例えば、センサ部140は、少なくとも1つの三次元LIDARセンサを含み、360°範囲の空間に係わるデータを獲得することができる。センサ部140は、三次元LIDARセンサが感知することができない死角領域、または衝突事故防止装置100から所定距離内の近接空間に係わるデータを獲得するために、他種類のセンサをさらに含むものでもある。
【0028】
図2に図示されていないが、衝突事故防止装置100は、GPS(global positioning system)のような構成をさらに含むものでもある。該GPSは、GPS衛星から送られる信号を受信し、衝突事故防止装置100や周辺客体の位置を計算する衛星航法システムである。
【0029】
プロセッサ120は、メモリ110に保存されたインストラクションを実行し、次のような動作を遂行することができる。プロセッサ120は、センサ部140を介して感知された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することができる。
【0030】
センサ部140を介して感知された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータは、衝突事故防止装置100の固定された位置に対応する固定座標値を有することができるので、所定の座標を基準にする座標系、例えば、原点を基準にする絶対座標系の対応する部分にもマッピングされる。
【0031】
プロセッサ120は、センサ部140を介して感知された三次元空間に係わるデータに基づき、三次元空間内の少なくとも1つの客体を識別することができる。例えば、プロセッサ120は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータにつき、神経網基盤の客体分類モデルを利用して獲得した客体情報と、に基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれが識別されうる。プロセッサ120は、ニューラルネットワークの客体分類モデルを利用し、動く客体の種類まで区別することができる。
【0032】
プロセッサ120は、センサ部140を介して感知された三次元空間内において識別された客体の種類、三次元形状、位置、姿勢、サイズ、軌跡及び速度のうち少なくとも1つの属性情報に基づき、三次元空間内における客体を追跡し、それぞれの動きパターンを分析することができる。プロセッサ120は、分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、少なくとも1つの客体の動きを予測することができる。例えば、プロセッサ120は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別して追跡し、それぞれの動きパターンを分析し、それに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することができる。
【0033】
プロセッサ120は、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれの予測された動きに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断することができる。例えば、プロセッサ120は、少なくとも1人の歩行者を示す領域を取り囲むバウンディングボックスと、少なくとも1台の車両を示す領域を取り囲むバウンディングボックスとの重畳確率に基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断することができる。
【0034】
プロセッサ120は、判断された衝突危険度に対応するメッセージを、通信インターフェース装置130を介し、少なくとも1台の車両に提供することができる。このとき、該メッセージは、衝突危険度に対応するデータや情報を含むか、あるいはそのようなメッセージを受信した側において、適切なデータや情報を求めるのに活用するためのメタデータ、または事前に定義された形態のデータを含むものでもある。該メッセージは、メッセージを受信した側の動作を制御するのに利用されるコマンド、またはオペレーション自体であるか、あるいは該コマンドまたは該オペレーションに係わる情報を含むものでもある。
【0035】
例えば、プロセッサ120は、互いに異なる複数の衝突危険度が判断された場合、互いに異なる衝突危険度に対応する互いに異なるメッセージを生成し、生成された互いに異なるメッセージを、通信インターフェース装置130を介し、少なくとも1台の車両に伝送することができる。例えば、注意区域内に、複数の歩行者と、車両とが存在する場合、歩行者と、複数の車両とが存在する場合、複数の歩行者と、複数の車両とが存在する場合のような多様な場合、衝突事故防止装置100は、複数の衝突危険度を判断することができ、その結果に対応するメッセージを、少なくとも1台の車両に伝送することができる。
【0036】
他の例を挙げれば、プロセッサ120は、判断された衝突危険度に基づき、少なくとも1人の歩行者と、所定の基準以上に衝突可能な車両と、衝突可能な車両の後続車両とに、互いに異なるメッセージを提供することができる。衝突事故防止装置100は、衝突危険度に基づき、所定の基準以上に衝突可能な車両がある場合、当該車両と後続車両とに、互いに異なるメッセージを提供することができる。
【0037】
さらに他の例を挙げれば、プロセッサ120は、判断された衝突危険度のうち、所定の基準以上の衝突危険度がある場合、衝突状況に対応するメッセージを、所定の基準以上に衝突可能な車両に提供することができる。衝突事故防止装置100は、衝突状況が確実視される場合、衝突状況に対応するメッセージを、衝突が予見された車両に提供することができる。
【0038】
プロセッサ120は、衝突危険度に対応するメッセージを、通信インターフェース装置130を介し、衝突事故防止装置100から所定距離内の車両や他の装置、または衝突事故防止サービスを提供するサーバのうち少なくとも一つに伝送することができる。衝突事故防止装置100は、注意区域内の車両だけではなく、衝突事故防止装置100と通信が可能な周辺機器に、衝突危険度に対応するメッセージを伝送し、当該周辺機器の動作を制御するか、あるいは当該周辺機器が、受信されたメッセージに基づいて作動するようにすることができる。
【0039】
以下、具体的な例につき、図3ないし図8を参照し、詳細に説明する。
【0040】
図3は、注意区域内に、歩行者と、車両とが存在する場合、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0041】
図3を参照すれば、衝突事故防止装置100は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の「歩行者A」と、注意区域内の「車両X」とのそれぞれの動きを予測することができる。衝突事故防止装置100は、「歩行者A」と「車両X」との形状、位置、サイズ、軌跡及び速度のうち少なくとも1つの属性情報に基づき、注意区域内における「歩行者A」と「車両X」とを追跡し、それぞれの動きパターンを分析し、それぞれの動きを予測することができる。
【0042】
衝突事故防止装置100は、「歩行者A」と「車両X」との予測された動きに基づき、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度を判断し、判断された衝突危険度に対応するメッセージを、「車両X」に提供することができる。図3に図示されているように、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度が「0.7」である場合、衝突危険度「0.7」に対応するメッセージを、「車両X」に提供することができる。
【0043】
該メッセージは、衝突危険度に対応するデータや情報を含むか、あるいはメッセージを受信する車両において活用することができるメタデータ、または事前に定義された形態のデータを含むものでもある。例えば、該メッセージには、衝突危険度「0.7」である場合に適する音声案内、及び/または映像処理オペレーションと、歩行者と車両との距離や衝突予想時間を示す情報とが含まれるものでもある。または、該メッセージを受信する車両において活用するための衝突危険度「0.7」というデータと、「歩行者A」と「車両X」との位置情報などが含まれるものでもある。
【0044】
図3に図示されているように、衝突事故防止装置100は、衝突危険度「0.7」に対応するメッセージとして、「車両X」から「歩行者A」までの位置と、衝突可能性があることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションとを、「車両X」に伝送することができる。このとき、該映像処理オペレーションは、「車両X」のディスプレイ装置に表示された「歩行者A」を特定色相の境界線で取り囲むオペレーションでもある。
【0045】
図4は、注意区域内に、複数の歩行者と、車両とが存在する場合、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0046】
図4を参照すれば、衝突事故防止装置100は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の「歩行者A」及び「歩行者B」と、注意区域内の「車両X」とのそれぞれの動きを予測することができる。衝突事故防止装置100は、「歩行者A」及び「歩行者B」と、「車両X」との予測された動きに基づき、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度、及び「歩行者B」と「車両X」との衝突危険度を判断し、互いに異なる複数の衝突危険度が判断された場合、互いに異なる衝突危険度に対応する互いに異なるメッセージを生成し、「車両X」に提供することができる。
【0047】
図4に図示されているように、衝突事故防止装置100が、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度を「0.7」と判断し、「歩行者B」と「車両X」との衝突危険度を「0.3」と判断した場合、衝突事故防止装置100は、衝突危険度「0.7」と衝突危険度「0.3」とに対応する互いに異なるメッセージを、「車両X」に提供することができる。衝突事故防止装置100は、衝突危険度「0.7」に対応するメッセージとして、「車両X」から「歩行者A」までの位置と、衝突可能性があることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションを、「車両X」に伝送することができる。衝突事故防止装置100は、衝突危険度「0.3」に対応するメッセージとして、「車両X」から「歩行者B」までの位置と、「歩行者B」が近づいていることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションを、「車両X」に伝送することができる。
【0048】
図5は、注意区域内に、複数の歩行者と、車両とが存在する場合、所定の基準以上の衝突危険度が判断されたとき、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0049】
図5を参照すれば、衝突事故防止装置100は、先に、図4で説明したように、注意区域内の「歩行者A」及び「歩行者B」と、注意区域内の「車両X」とのそれぞれの予測された動きに基づき、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度、及び「歩行者B」と「車両X」との衝突危険度を判断することができる。判断された衝突危険度のうち、所定の基準以上の衝突危険度がある場合、衝突事故防止装置100は、衝突状況に対応するメッセージを、所定の基準以上に衝突可能な車両に提供することができる。
【0050】
図5に図示されているように、衝突事故防止装置100が、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度を「0.9」と判断し、「歩行者B」と「車両X」との衝突危険度を「0.3」と判断した状況において、衝突する状況として決定する所定の基準が、衝突危険度「0.8」であるならば、「車両X」は、「歩行者A」と衝突可能な車両であるとも決定される。そのような場合、衝突事故防止装置100は、衝突状況に対応するメッセージを、衝突可能な車両である「車両X」に提供することができる。
【0051】
衝突事故防止装置100は、衝突状況に対応するメッセージとして、歩行者衝突注意及び減速指示を知らせる音声案内、及び/または「車両X」のディスプレイ装置に表示された「歩行者A」との衝突状況を演出する映像処理オペレーションを、「車両X」に伝送することができる。
【0052】
図6は、注意区域内に、歩行者と、複数の車両とが存在する場合、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0053】
図6を参照すれば、衝突事故防止装置100は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の「歩行者A」と、注意区域内の「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」とのそれぞれの動きを予測することができる。衝突事故防止装置100は、「歩行者A」と、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」との予測された動きに基づき、「歩行者A」及び「車両X」、「歩行者A」及び「車両Y」、並びに「歩行者A」及び「車両Z」のそれぞれの衝突危険度を判断し、判断された衝突危険度それぞれに対応するメッセージを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」に提供することができる。
【0054】
図6に図示されているように、衝突事故防止装置100が、「歩行者A」と「車両X」との衝突危険度を「0.7」と判断し、「歩行者A」と「車両Y」との衝突危険度を「0.4」と判断し、「歩行者A」と「車両Z」との衝突危険度を「0.1」と判断した場合、衝突事故防止装置100は、衝突危険度「0.7」、衝突危険度「0.3」及び衝突危険度「0.1」のそれぞれに対応する互いに異なるメッセージを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」に提供することができる。このとき、衝突事故防止装置100は、判断された互いに異なる衝突危険度を、複数のグループに分類し、分類された複数のグループそれぞれに対応し、互いに異なるメッセージを生成することもできる。
【0055】
衝突事故防止装置100は、「車両X」に、「車両X」から「歩行者A」までの位置と、衝突可能性があることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションと、を伝送することができる。衝突事故防止装置100は、「車両Y」に、「車両Y」から「歩行者A」までの位置と、「歩行者A」が近づいていることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションと、を伝送することができる。衝突事故防止装置100は、「車両Z」に、注意区域を走行中であることを知らせる音声案内及び/または映像処理オペレーションを伝送することができる。
【0056】
衝突事故防止装置100は、少なくとも1台の車両の位置に基づいて生成された互いに異なるメッセージを、少なくとも1台の車両に伝送することができる。少なくとも1台の車両の位置は、センサ部140を介して感知されたデータに基づいても把握され、通信インターフェース装置130を介し、ネットワークに連結された他のサーバからも受信される。衝突事故防止装置100は、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれの位置に基づき、互いに異なるメッセージを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれに伝送することができる。
【0057】
例えば、衝突事故防止装置100は、各車両のためのメッセージを、各車両の位置情報と対応させてブロードキャストするか、あるいは周辺全体状況を示すメッセージをブロードキャストし、各車両は、自体の位置情報を利用してフィルタリングされたメッセージや情報を活用することができる。他の例を挙げれば、衝突事故防止装置100は、各車両の位置情報を利用し、それぞれのメッセージを符号化してブロードキャストし、各車両は、自体の位置情報を利用して復号されるメッセージのみを活用することができる。さらに他の例を挙げれば、衝突事故防止装置100は、少なくとも1台の車両の位置に基づき、互いに異なる通信方式や、互いに異なる大きさの電波を利用し、それぞれのメッセージを伝送することもできる。
【0058】
衝突事故防止装置100は、少なくとも1台の車両を識別することができる識別子情報を、生成された互いに異なるメッセージそれぞれの目的地情報にし、生成された互いに異なるメッセージを、少なくとも1台の車両に伝送することができる。衝突事故防止装置100は、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれを識別することができる識別子情報を、互いに異なるメッセージそれぞれの目的地情報にし、互いに異なるメッセージそれぞれを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれに伝送することができる。例えば、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれが、固有の通信番号がある場合、衝突事故防止装置100は、各車両の固有通信番号を、互いに異なるメッセージそれぞれの目的地情報にし、互いに異なるメッセージそれぞれを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれに伝送することができる。車両固有の通信番号は、各車両において、各車両周辺の所定空間内にもブロードキャストされ、周期的に交替されうる。
【0059】
図7は、注意区域内に、歩行者と、複数の車両とが存在する場合、所定の基準以上の衝突危険度が判断されたとき、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0060】
図7を参照すれば、衝突事故防止装置100は、注意区域内の「歩行者A」と、注意区域内の「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」とのそれぞれの予測された動きに基づき、「歩行者A」及び「車両X」、「歩行者A」及び「車両Y」、並びに「歩行者A」及び「車両Z」のそれぞれの衝突危険度を判断することができる。衝突事故防止装置100は、互いに異なる複数の衝突危険度が判断された場合、互いに異なる衝突危険度に対応する互いに異なるメッセージを生成することができる。このとき、衝突事故防止装置100は、判断された互いに異なる衝突危険度を、複数のグループに分類し、分類された複数のグループそれぞれに対応し、互いに異なるメッセージを生成することができる。衝突事故防止装置100は、生成された互いに異なるメッセージを、「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」それぞれに提供することができる。
【0061】
例えば、衝突事故防止装置100は、判断された互いに異なる衝突危険度を、衝突危険度が「0.8」以上である衝突予見グループ、衝突危険度が「0.5」と「0.8」との間である衝突可能グループ、衝突危険度が「0.2」と「0.5」との間である衝突監視グループ、及び衝突危険度が「0.2」未満である非衝突グループに分類することができる。
【0062】
衝突事故防止装置100は、判断された衝突危険度のうち、所定の基準以上の衝突危険度がある場合、すなわち、衝突危険度が「0.8」以上である衝突予見グループに該当する車両があれば、衝突状況に対応するメッセージを、衝突予見される「車両X」に提供することができる。衝突事故防止装置100は、「歩行者A」と、所定の基準以上に衝突可能な「車両X」、「車両X」の後続車両である「車両Y」、及び「車両Z」に、互いに異なるメッセージを提供することができる。例えば、衝突事故防止装置100は、所定の基準以上に衝突可能な車両である「車両X」に、衝突注意及び減速指示のメッセージを提供し、後続車両である「車両Y」及び「車両Z」に、前方車両または最前方車両の減速を予告する減速予告メッセージを提供することができる。さらには、衝突事故防止装置100は、衝突予見グループに該当する車両には、自動減速制御のためのコマンドやオペレーションを含むメッセージを伝送することができ、衝突可能グループや衝突監視グループに該当する車両には、走行モードを自律走行モードや手動走行モードで転換させるコマンドやオペレーションを含むメッセージを伝送することもできる。該車両は、コマンドやオペレーション、またはそれに係わる情報が含まれたメッセージを受信すれば、一連のプロセッシングが進められるように事前に設定されてもいる。
【0063】
図8は、注意区域に設けられたディスプレイ装置または信号灯がある場合、衝突事故防止装置100の動作について説明するための図面である。
【0064】
図8を参照すれば、衝突事故防止装置100は、注意区域内の「歩行者A」と、注意区域内の「車両X」、「車両Y」及び「車両Z」とのそれぞれの予測された動きに基づき、「歩行者A」及び「車両X」、「歩行者A」及び「車両Y」、並びに「歩行者A」及び「車両Z」のそれぞれの衝突危険度を判断することができる。
【0065】
衝突事故防止装置100は、判断された衝突危険度のうち、最も高い衝突危険度に対応するメッセージを、注意区域に設けられた電光板のようなディスプレイ装置または信号灯に伝送することができる。図8を参照すれば、衝突事故防止装置100は、最も高い衝突危険度である「0.9」に対応するメッセージを、電光板のようなディスプレイ装置、車両信号灯、歩行者信号灯などに伝送することができる。衝突事故防止装置100からメッセージを受信したディスプレイ装置、車両信号灯、歩行者信号灯などは、受信されたメッセージに基づいて動作することができる。
【0066】
例えば、電光板のようなディスプレイ装置は、衝突危険度「0.9」に対応するメッセージを受信した後、ディスプレイパネルに、「STOP」という映像をディスプレイすることができる。該歩行者信号灯は、衝突危険度「0.9」に対応するメッセージを受信した後、「車両X」が停止し、衝突危険度が所定基準の下に低くなれば、歩行者が横断報道を渡ることができるように、歩行信号を転換させることができる。該車両信号灯は、横断報道を渡るために走ってくる人の動作が止まるか、あるいは歩行者が横断報道を完全に渡り、衝突危険度が所定基準の下に低くなれば、車両が移動することができるように、車両信号を転換させることができる。
【0067】
図9は、他の実施形態による衝突事故防止サーバ300の構成を示したブロック図である。
【0068】
前述のように、衝突事故防止装置100は、注意区域内の歩行者と車両との衝突危険度を判断し、その結果に対応するメッセージを車両に提供するプロセッサを搭載する埋め込み機器形態でもあるが、それに限定されるものではない。図9に図示されているように、衝突事故防止装置100は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータを獲得した後、衝突事故防止サービスを提供する衝突事故防止サーバ300で獲得したデータを伝送し、衝突危険度判断、及びその後の一連のプロセッシングを、衝突事故防止サーバ300で処理するようにすることができる。衝突事故防止装置100で獲得した三次元空間に係わるデータは、匿名性が保証されるので、衝突事故防止サーバ300に伝送されて処理されても、プライバシー侵害問題が発生しない。
【0069】
衝突事故防止サーバ300は、クラウドコンピューティングのような技術によっても具現される衝突事故防止サーバ300は、衝突事故防止装置100と、高速のデータ通信を行い、注意区域内の歩行者と車両との衝突危険度を判断し、その結果に対応するメッセージを、車両に提供することができる。
【0070】
図9を参照すれば、衝突事故防止サーバ300は、メモリ310、プロセッサ320、通信インターフェース装置330を含むものでもある。本実施形態に係わる技術分野において当業者であるならば、図9に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれるものでもあるということが分かるであろう。先に、衝突事故防止装置100について説明した内容は、以下において省略された内容であるとしても、衝突事故防止サーバ300の同一名称構成につき、そのまま適用されうる。
【0071】
メモリ310は、ソフトウェア及び/またはプログラムを保存することができる。メモリ310は、プロセッサ320によって実行可能なインストラクションを保存することができる。
【0072】
プロセッサ320は、メモリ310に保存されたデータを利用するか、あるいは新たなデータをメモリ310に保存することができる。プロセッサ320は、メモリ310に保存されたインストラクションを実行することができる。プロセッサ320は、衝突事故防止サーバ300にインストールされたコンピュータプログラムを実行することができる。プロセッサ320は、少なくとも1つのプロセッシングモジュールを含むものでもある。プロセッサ320は、インストラクションまたはコンピュータプログラムなどの実行結果に対応する動作を遂行するように、衝突事故防止サーバ300に含まれた他の構成を制御することができる。
【0073】
通信インターフェース装置330は、他の装置またはネットワークと、有無線通信を行うことができる。通信インターフェース装置330は、衝突事故防止サーバ300の外部に位置した装置と連結され、信号またはデータを送受信することができる。衝突事故防止サーバ300は、通信インターフェース装置330を介し、衝突事故防止装置100または車両と通信を行うか、あるいはネットワークに連結された他のサーバとも連結される。例えば、衝突事故防止サーバ300は、通信インターフェース装置330を介し、衝突事故防止装置100から、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータを獲得することができる。衝突事故防止サーバ300は、通信インターフェース装置330を介し、衝突事故防止装置100から、衝突事故防止装置100で判断された、歩行者と車両との衝突危険度を獲得することもできる。衝突事故防止装置100は、判断された、歩行者と車両との衝突危険度が、所定の基準以上であるときのみ、衝突事故防止サーバ300に判断結果を伝送することもできる。衝突事故防止サーバ300は、車両と直接通信するか、あるいはネットワークに連結された他のサーバから、車両の位置や速度、軌跡など車両に係わる情報を獲得することもできる。
【0074】
プロセッサ320は、インストラクションを実行し、通信インターフェース装置330を介して獲得された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することができる。プロセッサ320は、衝突事故防止装置100から獲得された注意区域に該当する三次元空間に係わるデータと共に、車両と直接通信するか、あるいはネットワークに連結された他のサーバから獲得した車両に係わる情報をさらに利用し、注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することもできる。
【0075】
プロセッサ320は、インストラクションを実行し、予測されたそれぞれの動きに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断することができる。
【0076】
プロセッサ320は、インストラクションを実行し、判断された衝突危険度に対応するメッセージを、通信インターフェース装置330を介し、少なくとも1台の車両に提供することができる。また、プロセッサ320は、判断された衝突危険度のうち、最も高い衝突危険度に対応するメッセージを、注意区域に設けられたディスプレイ装置または信号灯に伝送することもできる。
【0077】
図10は、さらに他の実施形態による衝突事故防止方法を示したフローチャートである。以上において、衝突事故防止装置100や衝突事故防止サーバ300について説明した内容と重複する内容については、以下においてその内容を省略する。
【0078】
1010段階において、コンピューティング装置は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、注意区域内の少なくとも1人の歩行者と、注意区域内の少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することができる。
【0079】
該コンピューティング装置は、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれを識別することができる。例えば、注意区域に該当する三次元空間に係わるデータをクラスタリングして獲得した客体の形状情報と、三次元空間に係わるデータにつき、神経網基盤の客体分類モデルを利用して獲得した客体情報とに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれが識別されうる。
【0080】
該コンピューティング装置は、識別された、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれを追跡し、それぞれの動きパターンを分析することができる。該コンピューティング装置は、分析されたそれぞれの動きパターンに基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両とのそれぞれの動きを予測することができる。
【0081】
1020段階において、該コンピューティング装置は、予測されたそれぞれの動きに基づいて少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断することができる。
【0082】
該コンピューティング装置は、少なくとも1人の歩行者を示す領域を取り囲むバウンディングボックスと、少なくとも1台の車両を示す領域を取り囲むバウンディングボックスとの重畳確率に基づき、少なくとも1人の歩行者と、少なくとも1台の車両との衝突危険度を判断することができる。
【0083】
1030段階において、該コンピューティング装置は、判断された衝突危険度に対応するメッセージを少なくとも1台の車両に提供することができる。
【0084】
また、該コンピューティング装置は、判断された衝突危険度のうち、最も高い衝突危険度に対応するメッセージを、注意区域に設けられたディスプレイ装置または信号灯に伝送することができる。
【0085】
前述の実施形態それぞれは、コンピューティング装置において、衝突事故を防止する所定の段階を実行させるために、媒体に保存されたコンピュータプログラムまたはアプリケーションの形態によっても提供される。言い替えれば、前述の実施形態それぞれは、該コンピューティング装置の少なくとも1つのプロセッサをして、衝突事故を防止する所定の段階を遂行させる、媒体に保存されたコンピュータプログラムまたはアプリケーションの形態によっても提供される。
【0086】
前述の実施形態は、コンピュータまたはプロセッサによって実行可能な命令語及びデータを保存するコンピュータ可読記録媒体の形態にも具現される。前述の命令語及びデータのうち少なくとも一つは、プログラムコードの形態によっても保存され、プロセッサによって実行されたとき、所定のプログラムモジュールを生成し、所定の動作を遂行することができる。そのようなコンピュータ可読記録媒体は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、CD-ROMs、CD-Rs、CD+Rs、CD-RWs、CD+RWs、DVD-ROMs、DVD-Rs、DVD+Rs、DVD-RWs、DVD+RWs、DVD-RAMs、BD-ROMs、BD-Rs、BD-RLTHs、BD-REs、マグネチックテープ、フロッピーディスク、光磁気データ保存装置、光学データ保存装置、ハードディスク、ソリッドステートディスク(SSD)、及び命令語、またはソフトウェア・関連データ・データファイル及びデータ構造を保存することができ、プロセッサやコンピュータが命令語を実行するようにプロセッサやコンピュータに、命令語、またはソフトウェア・関連データ・データファイル及びデータ構造を提供することができるいかなる装置であってもよい。
【0087】
以上、実施形態を中心に説明された。開示された実施形態が属する技術分野において当業者であるならば、開示された実施形態が、本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されうるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。発明の範囲は、前述の実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、発明の範囲に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10