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特許7537801構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラム
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  • 特許-構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/58 20060101AFI20240814BHJP
   H04Q 3/62 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H04M3/58
H04Q3/62
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023108215
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽介
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/58
H04Q 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続されたゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記構内交換機であって、
呼制御部と、発信者番号制御部とを含み、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記呼制御部は、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末から発信された、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号への着信を受け付け、
前記発信者番号制御部は、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の電話番号へ、発信先番号を変換し、
前記呼制御部は、
公衆交換電話網を介して、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の前記電話番号へ転送発信する、
構内交換機。
【請求項2】
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記呼制御部は、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
特番と、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末からの着信を、公衆交換電話網を介して受け付け、
前記発信者番号制御部は、
前記特番を参照し、
前記通信端末の電話番号から前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号に発信者番号を変換し、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から前記第2の通信端末の電話番号へ発信先番号を変換し、
前記呼制御部は、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号を発信者番号として、公衆交換電話網を介して、前記第2の通信端末の電話番号へ転送発信する、
請求項1に記載の構内交換機。
【請求項3】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)
固定電話を配下に収容する請求項1又は2に記載の構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続された、ゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システム。
【請求項4】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続された、ゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末であって、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える特番テーブルと発信者番号変換テーブルとを参照して、
特番と、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末の電話番号から変換された前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、移動通信網を介して、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号へ発信する、
通信端末。
【請求項5】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続されたゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記構内交換機の制御方法であって、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末から発信された、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号への着信を受け付け、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の電話番号へ、発信先番号を変換し、
公衆交換電話網を介して、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の前記電話番号へ転送発信する、
構内交換機の制御方法。
【請求項6】
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
特番と、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末からの着信を、公衆交換電話網を介して受け付け、
前記特番を参照し、
前記通信端末の電話番号から前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号に発信者番号を変換し、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から前記第2の通信端末の電話番号へ発信先番号を変換し、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号を発信者番号として、公衆交換電話網を介して、前記第2の通信端末の電話番号へ転送発信する、
請求項5に記載の構内交換機の制御方法。
【請求項7】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続された、ゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末の制御方法であって、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える特番テーブルと発信者番号変換テーブルとを参照して、
特番と、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末の電話番号から変換された前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、移動通信網を介して、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号へ発信する、
通信端末の制御方法。
【請求項8】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続されたゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記構内交換機に、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末から発信された、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号への着信を受け付け、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の電話番号へ、発信先番号を変換し、
公衆交換電話網を介して、前記通信端末に割り当てられた移動通信網の前記電話番号へ転送発信する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項9】
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
特番と、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末からの着信を、公衆交換電話網を介して受け付け、
前記特番を参照し、
前記通信端末の電話番号から前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号に発信者番号を変換し、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号から前記第2の通信端末の電話番号へ発信先番号を変換し、
前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号を発信者番号として、公衆交換電話網を介して、前記第2の通信端末の電話番号へ転送発信する、
処理を実行させる請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、クラウドPBXと第1の通信ネットワークで接続され、及び、前記構内交換機と第2の通信ネットワークで接続された、ゲートウェイを介して接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携して前記構内交換機経由の電話発信と着信を行うサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末に、
前記第1の通信ネットワーク又は前記第2の通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える特番テーブルと発信者番号変換テーブルとを参照して、
特番と、
前記通信システムに収容されていない第2の通信端末の電話番号から変換された前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の電話番号と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、移動通信網を介して、前記固定電話に割り当てられた公衆交換電話網の前記電話番号へ発信する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交換機やクラウドPBX(Private Branch Exchange、構内交換機)或いはサブアドレス設定方法等に関しては、以下のような文献が挙げられる。
【0003】
特許文献1は、IP-PBX(Internet Protocol-Private Branch Exchange)が、その回線が使用できないときに、クラウド回線を介してクラウドPBXの内線端末から発信し、又は、クラウドPBXの内線端末に着信する、システムに関するものである。
【0004】
特許文献2は、PBX機能を持つSIP(Session Initiation Protocol)サーバを用いて、構内交換機機能をクラウド化できる交換機に関するものである。
【0005】
特許文献3は、PBX通信不可時に、PBX機能サービスを継続することができる交換機に関するものである。
【0006】
特許文献4は、着信転送で転送元電話機の番号通知が可能なISDN(Integrated Services Digital Network)回線におけるサブアドレス設定方法に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-011575号公報
【文献】特開2016-086232号公報
【文献】特開2016-029774号公報
【文献】特開2006-148771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。
【0009】
近年、大手キャリアの通信障害により、利用者が電話やインターネットが利用できない事例が頻繁に発生している。ビジネスにおいて電話やインターネットが利用できないと業務ができず、会社として大きな損害が発生する。そのため、通信回線や電話回線の冗長化は重要な項目として利用者から注目されている。
【0010】
構内交換機とクラウドPBXが1つの電話交換機として動作するシステム(ハイブリッドシステムと呼ぶ)の電話機能は、構内交換機とクラウドPBX(Private Branch Exchange)の2つの電話交換機で実現している。構内交換機とクラウドPBXはそれぞれサポートしている通信インタフェースの間に差分があるため、ゲートウェイを設置し差分を吸収している。そのため、ハイブリッドシステムは、クラウドPBX、ゲートウェイ、構内交換機の3つの機器で構成されている。
【0011】
従来のハイブリッドシステムにおいて、クラウドPBXとゲートウェイ間、もしくは、ゲートウェイと構内交換機間の通信回線が、ネットワーク障害で不通となった場合、クラウドPBXの配下の電話機(PC、スマートフォンなど)は、構内交換機経由の電話発信や着信を行うことができなかった。一方、外出先やテレワークの時には、ユーザは、クラウドPBXの配下の電話機(スマートフォンやPCなど)を保持していることが多いため、ネットワーク障害が発生すると、業務に大きな支障が出ていた。この回避策として、クラウドPBXの配下のスマートフォンが、音声SIM(Subscriber Identity Module)を収容している場合、スマートフォンから電話回線経由で外線通話を行う方法がある。
【0012】
しかし、スマートフォンから電話回線経由で外線通話を行う場合には、ハイブリッドシステムで利用する外線番号ではなく、スマートフォンの音声SIMの外線番号が発信者番号となる。このため、通話の相手方が、クラウドPBXの配下のスマートフォンがハイブリッドシステムで利用する外線番号を把握していない場合には、発信者を特定できない。この結果、通話の相手方が、混乱してしまう可能性がある。加えて、ネットワークが障害から復旧した後に、通話の相手方が、クラウドPBXの配下のスマートフォンにコールバックした場合、ハイブリッドシステムで利用する外線番号ではなく、スマートフォンの音声SIMの外線番号へコールバックすることとなる。しかしながら、ハイブリッドシステムで利用している外線番号に対応する全ての電話機(例えば、ハイブリッドシステムで利用している外線番号に対応するクラウドPBXの配下のスマートフォンや、構内交換機間の配下の固定電話機等)には着信が入らず、スマートフォンの音声SIMの外線番号にのみ、着信する結果となる。この場合、外線番号の利用について、コールバックした発信者に説明する必要があり、手間がかかっていた。
【0013】
即ち、ハイブリッドシステムにおいて、クラウドPBXと構内交換機の間のネットワークで障害が発生した場合、ユーザは構内交換機の配下の電話機だけしか利用することができなかった。クラウドPBXの配下のスマートフォンやPCについては、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用することができず、業務に支障をきたしていた。
【0014】
本発明は、ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供することに貢献する、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システムの前記構内交換機であって、
呼制御部と、発信者番号制御部とを含み、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記呼制御部は、
前記通信端末とは異なる第2の通信端末から発信された、
前記固定電話に割り当てられた外線番号である第1の発信先番号への着信を受け付け、
前記発信者番号制御部は、
前記第1の発信先番号を、前記外線番号から前記通信端末の電話番号に変換し、
前記呼制御部は、
公衆交換電話網を介して、変換された前記第1の発信先番号へ転送発信する、
構内交換機を、提供できる。
【0016】
本発明の第2の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBXと
固定電話を配下に収容する第1の視点に記載の構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システムを、提供できる。
【0017】
本発明の第3の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末であって、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える発信者番号変換テーブルと特番テーブルを参照して、
第2の通信端末の電話番号から外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、
移動通信網を介して、変換された前記第2の発信先番号へ発信する、
通信端末を、提供できる。
【0018】
本発明の第4の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する
通信システムの前記構内交換機が、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記通信端末とは異なる第2の通信端末から発信された、
前記固定電話に割り当てられた外線番号である第1の発信先番号への着信を受け付け、
前記第1の発信先番号を、前記外線番号から前記通信端末の電話番号に変換し、
公衆交換電話網を介して、変換された前記第1の発信先番号へ転送発信する、
構内交換機の制御方法を、提供できる。本方法は、構内交換機を制御する方法を行うコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0019】
本発明の第5の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末が、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える発信者番号変換テーブルと特番テーブルを参照して、
第2の通信端末の電話番号から外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、
移動通信網を介して、変換された前記第2の発信先番号へ発信する、
通信端末の制御方法を、提供できる。本方法は、通信端末を制御する方法を行うコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0020】
本発明の第6の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する
通信システムの前記構内交換機に含まれるコンピュータに、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記通信端末とは異なる第2の通信端末から発信された、
前記固定電話に割り当てられた外線番号である第1の発信先番号への着信を受け付け、
前記第1の発信先番号を、前記外線番号から前記通信端末の電話番号に変換し、
公衆交換電話網を介して、変換された前記第1の発信先番号へ転送発信する、
処理を実行させるプログラム、を提供できる。
【0021】
本発明の第7の視点によれば、通信端末を配下に収容するクラウドPBX(Private Branch Exchange)と
固定電話を配下に収容する構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システムの前記クラウドPBX配下に収容される前記通信端末に含まれるコンピュータに、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、
前記クラウドPBXが備える発信者番号変換テーブルと特番テーブルを参照して、
第2の通信端末の電話番号から外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信として、
移動通信網を介して、変換された前記第2の発信先番号へ発信する、
処理を実行させるプログラム、を提供できる。
【0022】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供することに貢献する、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態の構内交換機の構成の一例を示す図である。
図2】従来の構内交換機と従来のクラウドPBXを使用したハイブリッドシステムの構成の一例を示す図である。
図3】ネットワーク障害が発生したときの従来の構内交換機と従来のクラウドPBXを使用したハイブリッドシステムの従来の動作の一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の構内交換機の構成の一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態の発信者番号変換テーブルの構成の一例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態の特番テーブルの構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】本発明の第2の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】本発明の構内交換機を構成するコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
はじめに、本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態の構内交換機の構成の一例を示す図である。図1を参照すると、通信端末を配下に収容するクラウドPBXと固定電話を配下に収容する構内交換機とを、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、クラウドPBXと構内交換機が相互連携して、サービスを提供するシステムの構内交換機100が示されている。構内交換機100は、呼制御部110と、発信者番号制御部120とを含む。
【0027】
通信ネットワークに障害が発生している場合に、呼制御部110は、通信端末とは異なる第2の通信端末から発信された、固定電話に割り当てられた外線番号である第1の発信先番号への着信を受け付ける。発信者番号制御部120は、第1の発信先番号を、外線番号から通信端末の電話番号に変換する。呼制御部110は、公衆交換電話網(PSTN、Public Switched Telephone Networks)を介して、変換された第1の発信先番号へ転送発信する。
【0028】
通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、呼制御部110は、通信端末から第2の通信端末への発信であって、第2の通信端末の電話番号から外線番号へ変換された第2の発信先番号と、特番(特殊番号とも称す)と、第2の通信端末の電話番号が付加された、通信端末から第2の通信端末への発信を、公衆交換電話網を介して、着信として受け付ける。発信者番号制御部120は、発信者番号を、通信端末の電話番号から外線番号に変換し、特番を参照し、第2の発信先番号を外線番号から第2の通信端末の電話番号へ変換する。呼制御部110は、外線番号へ変換された発信者番号から、第2の通信端末の電話番号へ変換された発信先番号へ転送発信する。
【0029】
従って、本発明の一実施形態によれば、ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供することに貢献する、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムを提供することができる。
【0030】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。最初に、従来の構内交換機と従来のクラウドPBXを使用したハイブリッドシステムについて説明する。
【0031】
図2は、従来の構内交換機10と従来のクラウドPBX30を使用したハイブリッドシステムの構成の一例を示す図である。図2を参照すると、従来の構内交換機10とゲートウェイ200と従来のクラウドPBX30を使用したハイブリッドシステムが示されている。
【0032】
図2を参照するとクラウドPBX30とゲートウェイ200がIP回線11で接続され、構内交換機10とゲートウェイ200がIP回線12で接続されて、ハイブリッドシステムを構成している。構内交換機10はIP回線12に加えて、電話回線13、14も収容している。構内交換機10は、電話回線14を介して、PSTN500へ接続されている。クラウドPBX30とゲートウェイ200は、電話回線を収容していない。
【0033】
構内交換機10は、ゲートウェイ200と構内交換機10間のIP回線12のネットワーク状態を監視し、ネットワーク障害が発生したことを検知することができる。ゲートウェイ200は、クラウドPBX30とゲートウェイ200間のIP回線11のネットワーク接続状態を監視し、ネットワーク障害が発生した場合、構内交換機10へ通知を行う。また、ゲートウェイ200は、ゲートウェイ200と構内交換機10の間のIP回線12のネットワーク状態を監視し、ネットワーク障害が発生した場合、クラウドPBX30へ通知を行う。
【0034】
クラウドPBX30は、クラウドPBX30とゲートウェイ200間のネットワークが接続されているか監視し、ネットワーク障害が発生したことを検知することができる。クラウドPBX30の配下にユーザA(以下Aとのみ称する)のスマートフォン400とAのPC(Personal Computer)420が収容されている。Aのスマートフォン400とAのPC420は、通信回線16と15を介してクラウドPBX30に接続されている。また、構内交換機10の配下にAの固定電話機410が収容されている。Aの固定電話機410は、電話回線13を介して構内交換機10に接続されている。各電話機の内線番号は700、外線番号は04-xxxx-xxxxを利用している。
【0035】
また、Aのスマートフォン400は、無線回線20を介して、移動通信網520に接続され、移動通信網520は、通信回線19を介してPSTN500に接続されている。なお、移動通信網520とPSTN500は、交換機を介して、接続されているが、交換機は図示していない。
【0036】
クラウドPBX30配下のAのスマートフォン400は音声SIMを搭載しており、音声SIMの外線番号は080-xxxx-xxxxである。ハイブリッドシステムの内線番号700もしくは外線番号04-xxxx-xxxxへ着信があった場合に、クラウドPBX30の配下にAのスマートフォン400とAのPC420、構内交換機10の各電話機が着信鳴動し、どの電話機でも応答すると通話することができる。
【0037】
Aのスマートフォン400は音声SIMの外線番号080-xxxx-xxxxに着信があった場合は、クラウドPBX30の配下のAのスマートフォン400のみ着信し、応答すると通話することができる。構内交換機10の配下のAの固定電話機410、クラウドPBX30の配下のAのスマートフォン400とAのPC420から内線発信を行った場合、発信者番号は700となり、また、外線発信を行った場合は、発信者番号は04-xxxx-xxxxとなる。
【0038】
このとき、クラウドPBX30の配下のAのスマートフォン400とAのPC420は、ハイブリッドシステムで利用しているアプリケーションを使用して発着信操作を行う。クラウドPBX30の配下のAのスマートフォン400は、Aのスマートフォン400に搭載された電話アプリケーションを利用して発信操作を行った場合には、発信者番号はAのスマートフォン400は音声SIMの外線番号の080-xxxx-xxxxとなる。
【0039】
図3は、ネットワーク障害が発生したときの従来の構内交換機10と従来のクラウドPBX30を使用したハイブリッドシステムの従来の動作の一例を示す図である。図3において、図2と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。図3を参照すると、ユーザB(以下Bとのみ称する)のスマートフォン600は、無線回線18を介して移動通信網510に接続され、移動通信網510から通信回線17を介して、PSTN500へ接続されている。なお、移動通信網510とPSTN500は、交換機等を介して、接続されているが、交換機は図示していない。
【0040】
図3を参照すると、クラウドPBX30とゲートウェイ200の間のIP回線11が、ネットワーク障害Fにより利用ができない場合が示されている。Bのスマートフォン600からAの固定電話機410の外線番号(04-xxxx-xxxx)へ発信した場合、構内交換機10の配下のAの固定電話機410は着信鳴動する。しかしながら、クラウドPBX30の配下のAのスマートフォン400とAのPC420は着信しない。
【0041】
図4は、本発明の第1の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示す図である。
【0042】
本発明の第1の実施形態のハイブリッドシステムは、従来の構内交換機10と従来のクラウドPBX30を使用する代わりに、本発明の第1の実施形態の構内交換機100とクラウドPBX300とゲートウェイ200を使用して、ハイブリッドシステムを構成する。本発明の第1の実施形態の構内交換機100とクラウドPBX300とゲートウェイ200を使用したハイブリッドシステムは、ネットワーク障害が発生していない場合、図2を参照して説明した、従来の構内交換機10と従来のクラウドPBX30とゲートウェイ200を使用したハイブリッドシステムと同一の動作を行う。また、ネットワーク障害が発生していない場合、Aのスマートフォン400、Aの固定電話機410、AのPC420、Bのスマートフォン600の動作は、図2を参照して説明した、動作と同一である。
【0043】
また、構内交換機100は、ゲートウェイ200と構内交換機100間のIP回線12のネットワーク状態を監視し、ネットワーク障害が発生したことを検知することができる。ゲートウェイ200は、クラウドPBX300とゲートウェイ200間のIP回線11のネットワーク接続状態を監視し、ネットワーク障害が発生した場合、構内交換機100へ通知を行う。また、ゲートウェイ200は、ゲートウェイ200と構内交換機100の間のIP回線12のネットワーク状態を監視し、ネットワーク障害が発生した場合、クラウドPBX300へ通知を行う。
【0044】
クラウドPBX300は、クラウドPBX300とゲートウェイ200間のネットワークが接続されているか監視し、ネットワーク障害が発生したことを検知することができる。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施形態の構内交換機100の構成の一例を示す図である。呼制御部110は、電話機能全般の制御を行うモジュールである。ネットワーク制御部130は、ネットワーク通信の送受信や解析、ネットワークの接続状況の監視を行うモジュールである。発信者番号制御部120は、発信者番号の変換が必要な場合に、データベース140から必要なデータを取得して変換を行うモジュールである。データベース140は、構内交換機100の全般のデータが保存されており、図6に一例を示す発信者番号変換テーブルや、図7に一例を示す特番テーブルも保存されている。
【0046】
図6は、本発明の第1の実施形態の発信者番号変換テーブル40、45の構成の一例を示す図である。また、図7は、本発明の第1の実施形態の特番テーブル50、55の構成の一例を示す図である。発信者番号変換テーブル40と、特番テーブル50は、一例として、構内交換機100のデータベース140に保存されてもよく、また、クラウドPBX300も、同様に、発信者番号変換テーブル40と同様の発信者番号変換テーブル45、及び、特番テーブル50と同様の特番テーブル55を保持してもよい。
【0047】
図6を参照すると、発信者番号変換テーブル40、45において、ユーザ名41は、発信者番号変換テーブル40、45を利用するユーザ名である。スマートフォン外線番号42は、クラウドPBX300の配下のスマートフォンの音声SIMの外線番号を示す。ハイブリッドシステムの電話機の外線番号はハイブリッドシステムでユーザが利用する外線番号を示す。
【0048】
図7を参照すると、特番テーブル50、55は、構内交換機100の機能を利用するための特殊番号(特番とも称す)を示す。本発明の第1の実施形態において、番号51は、新たに、発信先番号を変換するための番号(特番)*999*を追加する。機能名52は、番号*999*が、発信先番号変換であることを示す。付加情報53は、参照するテーブルの名称(発信先番号変換テーブル)が登録されている。
【0049】
次に、図4図8を参照して、本発明の第1の実施形態の動作を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示すシーケンス図である。図4図8において、図1から図3と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。
【0050】
ステップS100で、Bのスマートフォン600から、Aの固定電話機410の外線番号(04-xxxx-xxxx)へ発信操作が行われる。
【0051】
ステップS110で構内交換機100は、Aの固定電話機410への着信を受け付け、ステップS120で、Aの固定電話機410を鳴動させる。次に、ステップS130で、構内交換機100は、発信先番号を解析しAの固定電話機410の外線番号(04-xxxx-xxxx)であると認識する。次に、ステップS140で、ネットワーク状況の確認を行う。図4に示すように、クラウドPBX300とゲートウェイ200の間のIP回線11にネットワーク障害Fが発生して不通であるため、ステップS150で、構内交換機100のデータベース140に格納された発信者番号変換テーブル40を参照して、データを取得し、ステップS160で、発信先番号をAのスマートフォン400の音声SIMの外線番号42(080-xxxx―xxxx)に変換する。その後、ステップS170で、変換したAのスマートフォン400の音声SIMの外線番号(080-xxxx―xxxx)へ、PSTN500を介して転送発信する。
【0052】
構内交換機100からPSTN500、移動通信網520を介して、ステップS180で、呼び出されたAのスマートフォン400は、ステップ190で着信鳴動する。
【0053】
このように、本発明の第1の実施形態では、クラウドPBXと構内交換機の間のネットワーク障害時においても、ユーザが普段利用しているハイブリッドシステムの発信者番号を使い、クラウドPBXの配下のスマートフォンにおいて通話することができる。
【0054】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供することに貢献する、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムを提供することができる。
【0055】
本発明の第1の実施形態により、ネットワーク障害時にハイブリッドシステムのクラウドPBXの配下のスマートフォンを使って、電話の発信や着信を普段通り行うことができるため、テレワークや外出であってもネットワーク障害の影響を受けずに業務を遂行することができる。またユーザが、通常運用時とネットワーク障害の発生時とを意識することなく、ハイブリッドシステムのクラウドPBXの配下の電話を利用することができるため、ユーザにとってもストレスフリーな通話を可能とする。
【0056】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示す図である。図9において、図4と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。本発明の第2の実施形態は、クラウドPBX300の配下のAのスマートフォン400から、Bのスマートフォン600へ発信を行う場合の動作の一例を示す実施形態である。
【0057】
図10は、本発明の第2の実施形態のハイブリッドシステムのネットワーク障害が発生したときの動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS200で、クラウドPBX300の配下のAのスマートフォン400は、Bのスマートフォン600の外線番号(090-xxxx-xxxx)へ発信操作を行う。発信操作により、ステップS210で、Aのスマートフォン400は、クラウドPBX300に対して、Bのスマートフォン600の呼び出しを行う。
【0058】
次に、ステップS220で、クラウドPBX300は、ネットワーク状態の確認を行う。図9に示すように、クラウドPBX300とゲートウェイ200の間のIP回線11にネットワーク障害Fが発生して不通であるため、ステップS230で、クラウドPBX300は、Aのスマートフォン400に電話アプリケーションを経由するように、発信の切り替え指示を行う。
【0059】
ステップS240で、Aのスマートフォン400は、クラウドPBX300内のデータベース中の図6に示す発信者番号変換テーブル45を参照し、発信先番号(090-xxxx-xxxx)をAのハイブリッドシステムで利用するAの固定電話機410の外線番号(04-xxxx-xxxx)に変換する。次に、ステップS250で、Aのスマートフォン400は、電話アプリケーション経由の発信に切り替える。また、ステップS260で、クラウドPBX300内のデータベース中の図7に示す特番テーブル55を参照し、構内交換機の特番(*999*)と発信先番号(090-xxxx-xxxx)を付与する。次に、ステップS270で、Aのスマートフォン400は変換された発信先番号(04-xxxx-xxxx)へ、電話アプリケーション経由で、移動通信網520とPSTN500の電話回線を用いて発信する。
【0060】
ステップS270の発信を受け付けた構内交換機100は、ステップS280で、発信先番号の解析を行い、ステップS290で、データベース140からデータを取得して、発信者番号変換テーブルの情報をもとに、発信者番号をAの固定電話機の外線番号(04-xxxx-xxxx)に変換し、及び、構内交換機100は、ステップS300で、発信先電話番号を、図7の特番テーブルの番号51と機能名52を参照して、付与された発信先番号(090-xxxx-xxxx)に変換する。そして、ステップS310で、変換した発信者番号(04-xxxx-xxxx)を用いて、Bのスマートフォン600の外線番号(090-xxxx-xxxx)である発信先電話番号宛てに転送発信を行う。
【0061】
これにより、ステップS320で、Bのスマートフォン600を呼び出し、ステップS330で、Bのスマートフォン600に着信鳴動する。
【0062】
このように、本発明の第2の実施形態では、ネットワーク障害発生時においてもユーザが普段利用しているハイブリッドシステムの発信者番号を使い、クラウドPBXの配下のスマートフォンで通話することができる。
【0063】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供することに貢献する、構内交換機、通信システム、通信端末、構内交換機の制御方法及びプログラム及び、通信端末の制御方法及びプログラムを提供することができる。
【0064】
本発明の第2の実施形態により、ネットワーク障害時にハイブリッドシステムのクラウドPBXの配下のスマートフォンを使って、電話の発信や着信を普段通り行うことができるため、テレワークや外出であってもネットワーク障害の影響を受けずに業務を遂行することができる。またユーザが、通常運用時とネットワーク障害の発生時とを意識することなく、ハイブリッドシステムのクラウドPBXの配下の電話を利用することができるためユーザにとってもストレスフリーな使用を可能とする。
【0065】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成、メッセージの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。また、「A及び/又はB」は、A又はBの少なくともいずれかという意味で用いる。
【0066】
また、上記した第1から第2の実施形態に示した手順は、本発明の構内交換機又は通信端末として機能するコンピュータ(図11の9000)に、構内交換機又は通信端末としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、図11のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、図11のCPU9010にて、構内交換機又は通信端末の制御プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメータの更新処理を実施させればよい。
【0067】
メモリ9030は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0068】
即ち、上記した第1から第2の実施形態に示した構内交換機又は通信端末の各部(処理手段、機能)は、上記コンピュータのプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0069】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による構内交換機を参照)
[第2の形態]
第1の形態に記載の構内交換機は、前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記呼制御部は、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
前記第2の通信端末の電話番号から前記外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信を、
公衆交換電話網を介して、着信として受け付け、
前記発信者番号制御部は、
発信者番号を、前記通信端末の電話番号から前記外線番号に変換し、
前記特番を参照し、
前記第2の発信先番号を、前記外線番号から前記第2の通信端末の電話番号へ変換し、
前記呼制御部は、
前記外線番号へ変換された前記発信者番号から、
前記第2の通信端末の電話番号へ変換された前記第2の発信先番号へ転送発信する、ことが好ましい。
[第3の形態]
(上記第2の視点による通信システムを参照)
通信端末を配下に収容するクラウドPBXと
固定電話を配下に収容する第1の形態又は第2の形態に記載の構内交換機と
を、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続し、
前記クラウドPBXと前記構内交換機が相互連携してサービスを提供する、
通信システム。
[第4の形態]
(上記第3の視点による通信端末を参照)
[第5の形態]
(上記第4の視点による構内交換機の制御方法を参照)
[第6の形態]
第5の形態に記載の構内交換機の制御方法は、前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
前記第2の通信端末の電話番号から前記外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信を、
公衆交換電話網を介して、着信として受け付け、
発信者番号を、前記通信端末の電話番号から前記外線番号に変換し、
前記特番を参照し、
前記第2の発信先番号を、前記外線番号から前記第2の通信端末の電話番号へ変換し、
前記外線番号へ変換された前記発信者番号から、
前記第2の通信端末の電話番号へ変換された前記第2の発信先番号へ転送発信する、ことが好ましい。
[第7の形態]
(上記第5の視点による通信端末の制御方法を参照)
[第8の形態]
(上記第6の視点によるプログラムを参照)
[第9の形態]
第8の形態に記載のプログラムは、前記コンピュータに、
前記通信ネットワークに障害が発生している場合に、更に、
前記通信端末から前記第2の通信端末への発信であって、
前記第2の通信端末の電話番号から前記外線番号へ変換された第2の発信先番号と、
特番と、
前記第2の通信端末の電話番号と
が付加された、前記通信端末から前記第2の通信端末への発信を、
公衆交換電話網を介して、着信として受け付け、
発信者番号を、前記通信端末の電話番号から前記外線番号に変換し、
前記特番を参照し、
前記第2の発信先番号を、前記外線番号から前記第2の通信端末の電話番号へ変換し、
前記外線番号へ変換された前記発信者番号から、
前記第2の通信端末の電話番号へ変換された前記第2の発信先番号へ転送発信する、
処理を実行させる、ことが好ましい。
[第10の形態]
(上記第7の視点によるプログラムを参照)
なお、上記第7、10の形態は、第1の形態と同様に、第2の形態に展開することが可能である。
【0070】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0071】
10 従来の構内交換機
11、12 IP回線
13、14 電話回線
15、16、17、19 通信回線
18、20 無線回線
30 従来のクラウドPBX
100 構内交換機
110 呼制御部
120 発信者番号制御部
130 ネットワーク制御部
140 データベース
200 ゲートウェイ
400 Aのスマートフォン
410 Aの固定電話機
420 AのPC
500 PSTN
510、520 移動通信網
600 Bのスマートフォン
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置
【要約】
【課題】ハイブリッドシステムにおいて、ネットワーク障害発生時に構内交換機が、クラウドPBXの配下のスマートフォンを、ネットワーク障害が発生していない通常運用時と変わらずに利用できるように支援する機能を提供する構内交換機を提供する。
【解決手段】通信端末を配下に収容するクラウドPBXと固定電話を配下に収容する構内交換機とが、ゲートウェイを介して通信ネットワークで接続され、相互連携して、サービスを提供するシステムの構内交換機が、呼制御部と、発信者番号制御部を含む。通信ネットワークに障害が発生している場合に、呼制御部は、第2の通信端末から発信された、固定電話に割り当てられた外線番号である第1の発信先番号への着信を受け付け、発信者番号制御部は、第1の発信先番号を、外線番号から通信端末の電話番号に変換し、呼制御部は、公衆交換電話網(PSTN)を介して、変換された第1の発信先番号へ転送発信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11