(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240814BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20240814BHJP
【FI】
G01C21/34
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2023119333
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2019537719の分割
【原出願日】2018-08-24
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】P 2017161574
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516314228
【氏名又は名称】丸市倉庫株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】堀内 信
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027684(JP,A)
【文献】特許第6181274(JP,B1)
【文献】特開2005-115625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートであって、前記移動体の運転手に対して課される1日当たりの労働時間及び休息時間を含むコンプライアンスの制限、前記運搬ルートにおける前記移動体の移動時間、並びに、前記到着地点に前記移動体が到着する納期に基づいて、出発時刻と、休息場所及び休息時間と、休憩場所及び休憩時間とが個別に決定された前記運搬ルートについて、当該出発時刻、及び、当該出発時刻よりも前の勤務状況に基づいて、複数の運転手候補の中から、前記コンプライアンスの制限に違反しない運転手候補を選定する運転手候補選定手段
と、
決定された前記運搬ルートを経由する前記移動体のスケジュールの提示として、前記運転手候補を提示すると共に、当該スケジュールを実行することによる当該運転手候補のその後の影響についても提示する提示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記運搬ルートにおいて、手待ち時間がさらに決定されている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記運搬ルートにおいて、拘束時間がさらに決定されている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記運搬ルートは、前記所定物品を現状運搬している前記移動体が、前記所定物品以外の物品の運搬の追加を受付けた際に決定されるルートである、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記運搬ルートは、前記所定物品をユーザから引き取るか又は
当該ユーザに受け渡す複数の拠点と、前記所定物品を保管する複数の倉庫とのうち、1の拠点と1の倉庫を少なくとも含むルートである、
請求項1乃至4のうち何か1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートであって、前記移動体の運転手に対して課される1日当たりの労働時間及び休息時間を含むコンプライアンスの制限、前記運搬ルートにおける前記移動体の移動時間、並びに、前記到着地点に前記移動体が到着する納期に基づいて、出発時刻と、休息場所及び休息時間と、休憩場所及び休憩時間とが個別に決定された前記運搬ルートについて、当該出発時刻、及び、当該出発時刻よりも前の勤務状況に基づいて、複数の運転手候補の中から、前記コンプライアンスの制限に違反しない運転手候補を選定する運転手候補選定ステップと、
決定された前記運搬ルートを経由する前記移動体のスケジュールの提示として、前記運転手候補を提示すると共に、当該スケジュールを実行することによる当該運転手候補のその後の影響についても提示する提示ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートであって、前記移動体の運転手に対して課される1日当たりの労働時間及び休息時間を含むコンプライアンスの制限、前記運搬ルートにおける前記移動体の移動時間、並びに、前記到着地点に前記移動体が到着する納期に基づいて、出発時刻と、休息場所及び休息時間と、休憩場所及び休憩時間とが個別に決定された前記運搬ルートについて、当該出発時刻、及び、当該出発時刻よりも前の勤務状況に基づいて、複数の運転手候補の中から、前記コンプライアンスの制限に違反しない運転手候補を選定する運転手候補選定ステップと、
決定された前記運搬ルートを経由する前記移動体のスケジュールの提示として、前記運転手候補を提示すると共に、当該スケジュールを実行することによる当該運転手候補のその後の影響についても提示する提示ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物流は人々の生活に密接しており、物流を効率的に行うことは、非常に重要な課題である。
この点、トラック等による巡回集荷や配達といった複数の顧客への集配計画の最適化を図るための配送計画支援システムを提供する技術が存在する(例えば特許文献1参照)。
具体的には、トラックを用いて複数の顧客に配送する際における最適な配送順序の決定を支援する装置に関し、特に配送計画作成後に追加の配送業務が発生した場合に対応する技術に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術のみでは、配送計画作成後に追加の配送業務が発生した場合に対応することはできるものの、ドライバーのコンプライアンス等について加味して、真に効率的な配送計画を作成することは困難である。
特に、近年では、物流関係者(トラックの運転手等)の労働環境が劣悪であるとの指摘もあり、物流関係者(トラックの運転手等)の労働環境を改善するためのコンプライアンス制限は非常に重要である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、運転手のコンプライアンスの制限も加味して、休憩内容(休憩場所及び休憩時間)を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートにおいて、前記移動体の運転手に対して課されるコンプライアンスの制限に基づいて、休憩場所及び休憩時間を含む休憩等情報を1以上決定する休憩内容決定手段
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転手のコンプライアンスの制限も加味して、休憩内容(休憩場所及び休憩時間)を決定することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1のサーバのうちの機能的構成のうち、休憩等内容決定処理を実行するための機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】原出願の分割出願直前の補正で削除したものである。
【
図4】
図2のサーバが実行する休憩等内容決定処理の一連の流れを説明するフローチャートである。
【
図5】
図2のサーバが実行する休憩等内容決定処理の具体例を示す図であり、
図3とは異なる例を示す図である。
【
図6】
図2のサーバが実行する休憩等内容決定処理の結果の具体例を示す図であり、
図5とは異なる例を示す図である。
【
図7】ユーザが荷物の輸送を依頼する際の入力フォームの具体例を示す図である。
【
図8】ユーザが荷物の輸送を依頼する際の入力フォームの具体例を示す図である。
【
図9】ユーザが荷物の輸送を依頼する際の入力フォームの具体例を示す図である。
【
図10】入力フォームに入力された内容に基づき演算され表示された運行計画の具体例を示す図である。
【
図11】入力フォームに入力された内容に基づき演算され表示された運行計画の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0011】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0012】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0013】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0014】
出力部16は、各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図1の例では、ドライバー端末2、ユーザ端末3)との間で行う通信を制御する。
【0015】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することが出来る。
【0016】
このような
図1のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理を実現する。
【0017】
図2は、
図1のサーバ1の機能的構成を示す機能ブロック図である。
ここで、「休憩等内容決定処理」とは、ドライバー等に対して課されるコンプライアンスの制限に基づいて、休息若しくは休憩場所並びに休息若しくは休憩時間を含む休息等情報を1以上決定する一連の処理をいう。
【0018】
サーバ1のCPU11においては、
図2に示すように、ルート決定部61と、物品追加受付部62と、休憩等内容決定部63と、表示制御部64とが機能する。また、記憶部18の一領域には、制限情報DB300が設けられる。
ここで、制限情報DB300は、ドライバーのコンプライアンス制限に関する情報と、トラック等の運搬可能なの物品の数量制限に関する情報等とを、「制限情報」として、夫々保持している。
【0019】
サーバ1のルート決定部61は、所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートを決定する。
即ち、ルート決定部61は、所定物品(例えばコーヒー等)を運搬するトラック等の出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートを決定する。なお、この運搬ルートは、ドライバーのコンプライアンス制限や運搬する物品の追加等によって、適宜、修正・決定される。
【0020】
物品追加受付部62は、所定物品を現状運搬している移動体が、前記所定物品以外の物品の運搬の追加を受け付ける。
即ち、物品追加受付部62は、所定物品(例えばコーヒー等)を運搬中のトラック等が、所定物品以外の物品(例えばお茶等)の運搬の追加を受け付ける。
ここで、所定物品以外の物品とは、必ずしも所定物品以外の種別の物品である必要はなく、同一の物品(例えば所定物品と同種のコーヒー等)であってもよい。
【0021】
休憩等内容決定部63は、移動体の運転手に対して課せられるコンプライアンスの制限に基づいて、休息若しくは休憩場所なたびに休息若しくは休憩時間を含む休息等情報を1以上決定する。
即ち、休憩等内容決定部63は、トラック等のドライバーに対して課せられるコンプライアンスの制限に基づいて、上述の運搬ルートにおいて、当該コンプライアンス制限を順守するために必要となる休息等情報を1以上決定する。
【0022】
表示制御部64は、サーバ1の表示部81に表示される画像を生成する。具体的には、例えば、休憩等内容決定部63で決定された休憩等内容を表示部81に表示される画像等を生成する。
【0023】
原出願の分割出願直前の補正で削除した。
【0024】
ここで、休息等内容決定処理の具体例について説明するにあたり、まずは、本実施形態における、休息と休憩の違いについて簡単に説明する。
休息とは、労働を行わない4時間以上の休息(非労働時間)をいう。この休息は、労働時間にあたらない。
休憩とは、労働時間が長時間連続しないように、労働時間中に体を休める短時間の休憩をいう。具体的に例えば、ドライバーが4時間連続して運転した場合に、30分トラックを止めて休むような場合をいう。
本実施形態では、このような休息と休憩の概念を区別して説明する。さらに言えば、休憩等内容決定部63は、1以上の休息等情報を決定する場合、例えば、「Aのルートは、休息を1回、休憩1回」、「Bのルートは、休息0回、休憩2回」というように、休息と休憩の回数や時間を別途決定してもよい。
【0025】
なお、この例は、サーバ1のルート決定部61は、仙台(出発地点)から大阪(到着地点)まで移動するトラックTの運搬ルートを事前に決定しているものとする。また、ドライバーのコンプライアンス制限として、労働時間8時間が上限として設定されている。
ここで、この例では、仙台(出発地点)から大阪(到着地点)まで直線ルートで移動した場合、トラックTの移動時間は、8時間を超える。つまり、仙台(出発地点)から大阪(到着地点)までを休憩なしで移動した場合、ドライバーの労働時間は8時間を超えてしまうため、ドライバーのコンプライアンス制限は守られない。
そこで、このような場合、休憩等内容決定部63は、ドライバーの労働時間が8時間を超えないように、適宜、休憩等内容を決定し、上述の運搬ルートに組み込むことができる。
【0026】
図4は、
図2のサーバ1が実行する休憩等内容決定処理の一連の流れを説明するフローチャートである。
【0027】
ステップS1において、ルート決定部61は、所定物品(例えばコーヒー等)を運搬するトラック等の出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートを決定する。
【0028】
ステップS2において、物品追加受付部62は、所定物品(例えばコーヒー等)を運搬中のトラック等が、所定物品以外の物品(例えばお茶等)の運搬の追加指示があるか否かを判定する。
所定物品以外の物品の運搬の追加指示がなければ、ステップS2おいて、NOであると判定されて処理は、ステップS4に進む。
これに対して、所定物品以外の物品の運搬の追加指示があれば、ステップS2において、YESであると判定されて処理は、ステップS3に進む。
【0029】
ステップS3において、ルート決定部61は、ステップS2で運搬の追加指示がされた所定物品以外の物品の集荷地点等を追加して、新たな運搬ルートを決定する。
【0030】
ステップS4において、休憩等内容決定部63は、トラック等のドライバーに対して課せられるコンプライアンスの制限に基づいて、運搬ルートにおいて、コンプライアンス制限を順守するために必要となる休息等情報を1以上決定する。
【0031】
ステップS5において、表示制御部64は、例えば、ステップS4で決定された休息等情報等を表示部81に表示する。
【0032】
ステップS6において、サーバ1のCPU11は、処理の終了指示があったか否かを判断する。
ここで、処理の終了指示は、特に限定されないが、本実施形態ではサーバ1のいわゆるスリープ状態等への移行指示が採用されている。つまり、サーバ1においてスリープ状態等への移行指示がなされない限り、ステップS6においてNOであると判断されて処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、サーバ1においてスリープ状態等への移行指示がなされると、ステップS6においてYESであると判断されて、休息等内容決定処理は終了になる。
【0033】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0034】
ここで、上述の実施形態において、運搬ルート決定後に物品の運搬の追加を受け付けないことを前提として説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、物品追加受付部62は、運搬ルートが決定されている場合であっても、物品の運搬の追加を受け付けることができる。この場合、物品追加受付部62は、当該物品の運搬の追加を含めて新たな運搬ルートが決定することができる。
【0035】
そこで、
図5を参照しつつ、物品の運搬の追加が受け付けられた場合の処理の一例について説明する。
図5は、
図2のサーバが実行する休憩等内容決定処理において、運搬ルートを変更する場合の一例を示す図である。
【0036】
例えば、
図5の例では、トラックTは、東京の荷主Sら物品(例えば缶コーヒー)を積付けた7個のパレットを積載し、荷主Sを1月23日の午前9時に出発して、大阪に所在する顧客Cに向けて当該物品を運搬中である。また、顧客Cへの物品の納期は、1月24日の午後5時である。
ここで、トラックTは、運搬可能なパレットの数量制限が10個であり、トラックTを運転するドライバーは、コンプライアンス上の制限として、1日当たりの労働時間が8時間(例えば1月23日午前9時から同日午後5時)と定められている。
つまり、トラックTは、運搬可能なパレットの数量制限が10個であることから、現状として7個のパレットを積載しているトラックTは、パレット3個を追加して運搬が可能である。
ここで、荷主Sから顧客Cまで最短距離で運搬した場合の所要時間は約5時間である。即ち、荷主Sを1月23日の午前9時に出発した場合、トラックTの顧客Cへの到着予定時刻は、1月23日の午後2時である。
【0037】
浜松のユーザUは、物品(例えば缶詰)を積付けた3個のパレットの追加運搬を希望したとする。
この場合、トラックTが、追加運搬の対象となる物品を運搬するとして、ユーザUを経由して荷主Sから顧客Cまで最短距離で運搬した場合の所要時間は約7時間である。
即ち、荷主Sを1月23日の午前9時に出発した場合、トラックTの顧客Cへの到着予定時刻は、1月23日の午後4時である。
【0038】
コンプライアンス上の制限として、ドライバーの労働時間は、8時間であるのに対し、ユーザUを経由して荷主Sから顧客Cまで最短距離で運搬した場合の所要時間は約7時間である。即ち、当該移動時間は、ドライバーの労働時間に係るコンプライアンス制限の範囲内である。
また、トラックTの運搬可能なパレットの数量制限は10個であるのに対し、トラックTが現状運搬しているパレットの数量は7個であり、ユーザUから追加予定のパレットの数量は3個である。即ち、トラックTの運搬可能なパレットの数量制限の範囲内である。
さらに、顧客Cへの物品の納期は、1月24日の午後5時である。これに対し、荷主Sを1月23日の午前9時に出発した場合、トラックTの顧客Cへの到着予定時刻は、1月23日の午後4時である。即ち、顧客Cへの物品の納期の制限の範囲内である。
以上、説明したように、
図5の例では、トラックTは、ユーザUに立ち寄り、ユーザUから物品(例えば缶詰)を積付けたパレット3個と、荷主Sから積載した7個のパレットとともに、顧客Cへ運搬する。
なお、
図5の例でも、休憩等内容決定部63は、ドライバーのコンプライアンス制限が順守されるべく、適宜、休憩等を決定することもできる。
また、休憩等内容決定部63が、新たな運搬ルートを決定する手法は、以下のような手法が考えられる。続いて、
図6を用いて、休憩等内容決定部63が、新たな運搬ルートを決定するための手法の一例について説明する。
【0039】
図6は、
図2のサーバが実行する休憩等内容決定処理の結果の具体例を示す図であり、
図5とは異なる例を示す図である。
【0040】
図6の例では、荷主の拠点KTと、荷主の拠点KHと、物品保管用の倉庫SYと、物品保管用の倉庫SAとを含む所定範囲(例えば東京から浜松)における、通常ルート、回避ルートの決定及び休憩等内容の決定の一例の様子が表されている。
【0041】
図6の例では、サーバ1のルート決定部61では、所定の物品(例えばコーヒー等)を運搬すべく、拠点KTから倉庫SAを介して拠点KHへと運搬する運搬ルートを決定されている。
ここで、拠点KTから倉庫SAを介して拠点KHへと所定の物品(例えばコーヒー等)をトラックで運転するのに、移動時間が10時間かかるとする。つまり、拠点KTから倉庫SAを介して拠点KHまでを休憩なしで移動した場合、ドライバーの労働時間は、8時間を超え、ドライバーのコンプライアンス制限は守られない。
そこで、上述の通り、休憩等内容決定部63は、ドライバーの労働時間が8時間を超えないように、適宜、休憩等内容を決定し、新たな運搬ルートを決定する。
図6の例では、ドライバーは、拠点KTから倉庫SYに移動後、4時間の休息後、拠点KHへと移動する新たな運搬ルートが決定された。
このように、休憩等内容決定部63は、ドライバーの労働時間が8時間を超えるような場合(コンプライアンス制限が守られない場合)に、コンプライアンス制限を守る新たな運搬ルートを決定する。
【0042】
また例えば、上述の一実施形態では、「制限情報」としてドライバーのコンプライアンス制限に関する情報等が採用されているが、これに特に制限されない。その他の情報が採用されてもよい。
【0043】
また例えば、上述の一実施形態では、「休憩等内容」として、「休息」と「休憩」を例として説明したが、特にこれに限定されない。
本サービスの提供者は、「休息」、「休憩」以外の休憩等に関する各種項目を休憩等内容として採用してもよい。
また、「休息」、「休憩」の定義は一例に過ぎず、本サービスの提供者が、任意に決定することができる。
【0044】
また例えば、上述の一実施形態では、ドライバーのコンプライアンス制限を労働時間8時間として説明しているが、特にこれに限定されない。
本サービスの提供者は、ドライバーの労働条件を向上させるべく、任意にコンプライアンス制限を設定してもよい。
さらに言えば、本サービスの提供者は、ドライバーのコンプライアンス制限だけでなく、例えば料金(例えば高速道路の使用料金や燃費等)を考慮して、運搬ルートを決定することとしてもよい。
【0045】
また例えば、上述の一実施形態では、1人のユーザが提示した1個の追加運搬条件に基づいて、現状運搬条件に対し追加運搬条件を加えることができるか否かを判定しているが、これに特に制限されない。複数のユーザが提示したM個以上(Mは2以上の任意の整数値)の追加運搬条件に基づいて、現状運搬条件に対しN個(NはM以下の任意の整数値)の追加運搬条件を加えることができるか否かを判定するようにしてもよい。
【0046】
また、本発明の情報処理装置によれば、以下のような処理を行うことで、コンプライアンス遵守が考慮された最適な運行計画を立案することもできる。
即ち、従来からある運送システムでは、出発地から到着地までの距離と荷物の重量とに基づいて荷物を輸送する車両を決定するのが一般的であった。これは、従来からある運送システムが、荷主と運送会社との間の物流契約に基づいて処理を行う仕様になっていたことが理由の1つになっている。
これにより、従来からある運送システムでは、運転手の労働時間に関するコンプライアンスを考慮できないため、運送会社の配車スタッフが、運送会社の事情、運転手の事情等を考慮して、配車業務を行っていた。
しかしながら、物流量が激増するとともに、コンプライアンス遵守が常識となった今日では、コンプライアンスの考慮をすべて配車スタッフ任せにすることは適切ではない。
そこで、本発明の情報処理装置によれば、コンプライアンス遵守が考慮された最適な運行計画を決定することができる。これにより、例えばコンプライアンス遵守の有無に関する官公庁(例えば日本の労働基準監督署)による抜き打ちの巡回調査等に容易に対応することもできる。具体的には、コンプライアンス遵守を証明するための書面等のエビデンスを容易に生成することもできる。
【0047】
さらに、国際的な視点でコンプライアンスを遵守することもできる。具体的には、運転手の労働時間だけではなく、労働条件についても考慮した運行計画を決定することができる。例えば、ヨーロッパでは、運転手が1人で持つことができる最大重量が決まっているが、これに対応することもできる。つまり、労働条件として、運転手が1人で持つことができる最大重量を考慮することにより、運転手の体力や健康状態が考慮された運行計画を決定することができる。
【0048】
さらに、運転手の残業時間が考慮された運行計画の決定を行うこともできる。従来は、例えば今月の残業可能時間等の情報が共有されないまま配車業務が行われていたため、コンプライアンス上問題があったが、残業可能時間等が考慮された運行計画を決定することができる。
【0049】
図7乃至
図9は、ユーザが荷物の輸送を依頼する際の入力フォームの具体例を示す図である。
【0050】
図7乃至
図9に示す入力フォームに各種情報が入力されると、運転手の労働時間、休憩、休息期間、睡眠時間、及び労働負荷等についてのコンプライアンスが考慮された、運行計画が決定される。
【0051】
図7に示すように、(1)の入力項目には、「荷物情報」として、輸送する荷物の重量(kg)を入力する欄が設けられている。この欄に、「4900」(kg)と入力すると、荷物の輸送に使用できるトラックの候補が表示される。トラックの候補は、「車番」、「車格」、「積載重量」、「荷物重量」、「可能重量」、及び「重量判定」の各情報で表示される。具体的には、車番(車両番号)が「山梨100かXX-XX」、車格が「13tウイング車」、積載重量が「13000」(kg)、荷物重量が「4900」(kg)、可能重量が「8100」(kg)、重量判定が「●」(即ち合格)であるトラックと、その他2台のトラックが候補として表示されている。なお、その他2台のトラックを示す各情報は、
図7に記載のとおりである。
ユーザは、候補として表示されたトラックの中から、所望のトラックを選択する。具体的には、「選択」欄にチェックを入れる操作を行うことで選択する。
【0052】
また、
図7に示すように、(2)の入力項目には、「配達情報」として、輸送する荷物の「出発地」と「到着地」とを入力する欄が設けられている。「出発地」を入力する欄に、「東京都小平市」と入力し、「到着地」を入力する欄に、「愛知県名古屋市」と入力すると、輸送する総距離が自動計算されて表示される。具体的には、「距離」の欄に「347km」と表示される。
また、輸送する総距離とともに、輸送条件を示す情報が自動計算されて表示される。表示される輸送条件には、行きの輸送条件として、「行き運転時間」、「休憩」、「休息期間」、「待機」、及び「積込」が表示されるとともに、帰りの輸送条件として、「帰り運転時間」、「休憩」、「休息期間」、及び「拘束時間」の各種情報が含まれる。具体的には、行きの輸送条件として、行き運転時間が「240」(分)、休憩が「30」(分)、休息期間が「0」(分)、待機が「30」(分)、積込が「60」(分)と表示されている。また、帰りの輸送条件として、帰り運転時間が「240」(分)、休憩が「30」(分)、休息期間が「0」(分)、拘束時間が「630」(分)と表示されている。
さらに、「作業時間」と「手待ち時間」からなる「労働時間」と、「休憩時間」の各種情報が表示される。具体的には、作業時間が「540」(分)、手待ち時間が「30」(分)、休憩時間が「60」(分)と表示されている。なお、「手待ち時間」とは、労働時間に含められるものの、実際には作業を行っていない待機時間のことをいう。
【0053】
また、
図8に示すように、(3)の入力項目には、納品時刻を指定するために、輸送する荷物の「到着時刻」を入力する欄が設けられている。「到着時刻」を入力する欄に、例えば「9:30」と入力すると、出発時刻が自動計算されて表示される。具体的には、「出発時刻」の欄に「4:30」と表示されるとともに、運転手の候補者が表示される。即ち、到着時刻が入力されると、(2)で自動計算された輸送条件に基づいて出発時刻が自動計算される。そして、出発時刻が自動計算されると、輸送条件のうち後述する休息期間、睡眠時間、及び免許の条件を満たす運転手の候補が表示される。即ち、表示される運転手の候補は、「帰社時刻」、「判定」、「休息期間」、「名前」、「年齢」、「免許」、及び「運転歴」の各種情報で表示される。具体的には、直近の帰社時刻が「18:00」、判定が「○」(即ち輸送条件を満たす)、休息期間が「10時間30分」、名前が「山田太郎」、年齢が「35歳」、免許が「大型」、及び運転歴が「13年」である運転手と、その他2人が運転手の候補として表示されている。なお、その他2人の候補を示す各情報は、
図8に記載のとおりである。
【0054】
ここで、画面には表示されないが、輸送条件を満たさないために運転手の候補から外れた者として、4人を例に挙げて説明する。
即ち、直近の帰社時刻が「21:00」、休息期間が「7時間30分」、名前が「秋山六郎」、年齢が「25歳」、免許が「大型」、及び運転歴が「5年」である者は、休息期間の判定が「×」(即ち輸送条件を満たさない)となっている。また、直近の帰社時刻が「23:00」、休息期間が「5時間30分」、名前が「羽田七郎」、年齢が「27歳」、免許が「大型」、及び運転歴が「7年」である者は、休息期間の判定が「×」(即ち輸送条件を満たさない)となっている。これは、いずれの者についても、休息期間が継続して8時間以上必要とされる休息期間の輸送条件を満たさないからである。
これに対して、直近の帰社時刻が「18:00」、休息期間が「10時間30分」、名前が「佐藤四郎」、年齢が「25歳」、免許が「中型」、及び運転歴が「3年」である者は、休息期間の判定が「○」(即ち輸送条件を満たす)となっている。また、直近の帰社時刻が「18:00」、休息期間が「10時間30分」、名前が「林五郎」、年齢が「18歳」、免許が「準中型」、及び運転歴が「1年」である者も、休息期間の判定が「○」(即ち輸送条件を満たす)となっている。しかしながら、この2人は、免許が適合しないため、運転手の候補から外れている。
【0055】
また、
図9に示すように、(4)の入力項目には、作業負荷や作業の難度を演算するために、「荷物情報」として、具体的な荷物の内容を入力する欄が設けられている。「荷物情報」を入力する欄に、例えば「飲料(紙パック)」、「980ケース」と入力又は選択すると、荷物重量(4900kg)が自動表示されるとともに、「難度」、「作業条件」、「作業量」、「作業重量」の各情報で表示される、作業負荷や作業の難度が自動的に演算されて表示される。具体的には、難度が「A」、作業条件が「手積み手卸」、作業量が「1960ケース」、作業重量が「9800kg」である作業と、難度が「B」、作業条件が「パレット積手卸」、作業量が「980ケース」、作業重量が「4900kg」である作業と、難度が「C」、作業条件が「パレット積パレット卸」、作業量が「0ケース」、作業重量が「0kg」である作業とが選択できるように表示される。
【0056】
ここで、
図9に示すように難度Bが選択されると、作業条件としての「パレット積手卸」を行うことができる者が運転手の候補として表示される。即ち、運転手の候補は、「帰社時刻」、「自宅待機時間(睡眠時間目安)」、「名前」、「年齢」、「健康状態」、及び「労働負荷」の各種情報で表示される。具体的には、直近の帰社時刻が「18:00」、自宅待機時間(睡眠時間目安)が「10時間30分」、名前が「山田太郎」、年齢が「35歳」、健康状態が「◎」、及び労働負荷が「手積み可能」である者と、直近の帰社時刻が「19:00」、自宅待機時間(睡眠時間目安)が「9時間30分」、名前が「木村次郎」、年齢が「45歳」、健康状態が「○」、及び労働負荷が「手積み可能」である者と、直近の帰社時刻が「17:30」、自宅待機時間(睡眠時間目安)が「11時間」、名前が「鈴木三郎」、年齢が「55歳」、健康状態が「△」、及び労働負荷が「腰痛持ち本人確認」である者との3人が選択できるように表示されている。
ここで、候補者の健康状態を示す記号のうち、「◎」は、難度A、B、及びCのいずれの作業も行うことができることを示している。また、「○」は、難度B、Cのどちらの作業も行うことができることを示し、「△」は、難度Cの作業のみを行うことができることを示している。つまり、運転手の候補として表示された3人のうち、名前が「鈴木三郎」である候補者については、腰痛持ちであることについて本人の確認がとれているとして、難度Cの作業(パレット積パレット卸)のみを行うことができるということになる。
このように、コンプライアンス付加型ルート決定処理によれば、コンプライアンス遵守はもちろんのこと、運転手個人の健康状態の管理を含めた労務管理を適切に運営することができる。
【0057】
図7乃至
図9に示す入力フォームへの入力が完了すると、その入力内容に基づく運行計画が自動的に演算されて表示される。
図10及び
図11は、入力フォームに入力された内容に基づき演算され表示された運行計画の具体例を示す図である。
【0058】
図10に示すように、(5)運行計画は、「運転手の名前」、「車番」及び「車格」からなる「車両情報」の各種情報で表示されるとともに、「出発時刻」、「休憩開始」、「休憩終了」、「到着時刻」、「待機開始」、「待機終了」、「積込開始」、「積込終了」、「出発時刻」、「休憩開始」、「休憩終了」、及び「帰社時刻」の各種情報で表示される。
具体的には、まず出発から現地に到着するまでの具体的な運行計画として、「出発時刻」には「10月28日」の「4:30」に「東京都小平市」を出発することが表示されており、「休憩開始」には「10月28日」の「7:30」から「○○パーキング」で休憩を開始することが表示されており、「休憩終了」には「10月28日」の「8:00」に「○○パーキング」での休憩が終了することが表示されており、「到着時刻」には「10月28日」の「9:00」に「愛知県名古屋市」に到着することが表示されている。
続いて、現地に到着してから積込作業が完了するまでの具体的な運行計画として、「待機開始」には「10月28日」の「9:00」から「愛知県名古屋市」で待機を開始することが表示されており、「待機終了」には「10月28日」の「9:30」に「愛知県名古屋市」での待機が終了することが表示されており、「積込開始」には「10月28日」の「9:30」から「愛知県名古屋市」で積込作業を開始することが表示されており、「積込終了」には「10月28日」の「10:30」に「愛知県名古屋市」での積込作業が終了することが表示されている。
さらに続いて、積込作業が完了してから帰社するまでの具体的な運行計画として、「出発時刻」には「10月28日」の「10:30」に「愛知県名古屋市」を出発することが表示されており、「休憩開始」には「10月28日」の「13:30」から「○○パーキング」で休憩を開始することが表示されており、「休憩終了」には「10月28日」の「14:00」に「○○パーキング」での休憩が終了することが表示されており、「帰社時刻」には「10月28日」の「15:30」に「東京都小平市」に到着することが表示されている。また、運転手を拘束する時間の合計を示す「拘束時間」が「11時間」であることと、運転手が行うこととなる残業の時間を示す「残業時間」が「3時間」であることとが表示されている。
【0059】
また、
図11には、仮に
図10に示す運行計画が実行された場合、その後どのような影響があるのかについての演算結果が示されている。
即ち、
図11に示すように、運転手の今月の残業時間の累計を示す「運転手山田太郎の10月の累計残業時間」が「38時間」になることと、運転手の今月の残業可能時間を示す「運転手山田太郎の10月の残業時間残り」が「1時間」になることとが表示されている。
また、
図10に示す運行計画が実行された後の定期便への影響が表示されている。具体的には、「山田太郎定期便運行」が、「運行日」及び「判定」の夫々の情報で表示されている。即ち、「10月29日」の定期便、及び「10月30日」の定期便について、いずれも「×」(即ち運行不可能)であることが表示されている。
ここで、
図11に示す「判定」の内容は、労働条件、月間運行スケジュール、及びタイムカードからの各種情報に基づいて決定される。労働条件には、例えば労働基準法第36条の規定に基づく労使協定からの情報を含めることができる。具体的には、延長できる時間が1日あたり3時間、2週間の合計が25時間、1ケ月の合計が42時間、1年の合計が320時間、といった情報を含めることができる。月間運行スケジュールには、例えば運転手の定期便に関する情報を含めることができる。具体的は、1日の拘束時間が10時間、残業時間が2時間、といった情報を含めることができる。タイムカードには、例えば運転手の労働時間の実績に関する情報を含めることができる。このような情報に基づいて、上述の例の場合であれば、運転手「山田太郎」は、定期便の運行について、1日あたり2時間残業するルート設定がなされている。即ち、運転手「山田太郎」が、
図10に示す運行計画に従って10月28日の運行を実行すると、今月の残業可能時間は1時間になる。その結果、1日あたり2時間残業する必要がある10月29日の定期便と10月30日の定期便とをいずれも運行することができなくなる。つまり、山田太郎が10月28日の運行を実行した場合には、翌日(10月29日)、及び翌々日(10月30日)の山田太郎の定期便についての判定は「×」となり、誰か別の運転手が応援に入るか、外部に業務委託して対応する必要があるということが示される。
このように、運行計画とともに、その運行計画を実行することによるその後の影響についても表示されるので、コンプライアンスを遵守した計画的な運行を実現させることができる。また、
図10に示す運行計画は、1日分の運行計画であるが、この運行計画に基づいて、1週間分、1ケ月分、1年分といった長期の運行計画を立案することもできる。
【0060】
また、
図1に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0061】
また、
図2に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図2の例に限定されない。
【0062】
また、機能ブロックの存在場所も、
図2に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0063】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0064】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図2のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図1のROM12や、
図1の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0065】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0066】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図1等のサーバ1)は、
所定物品を運搬する移動体についての出発地点から到着地点まで移動する運搬ルートにおいて、前記移動体の運転手に対して課されるコンプライアンスの制限に基づいて、休憩場所及び休憩時間を含む休憩等情報を1以上決定する休憩内容決定手段(例えば
図2の休憩等内容決定部63)を、
備える情報処理装置であれば足りる。
これにより、運転手のコンプライアンスの制限も加味して、休憩等内容を決定することができる技術を提供することができる。
【0067】
また、上述の情報処理装置は、
前記運搬ルートを決定するルート決定手段(例えば
図2のルート決定部61)を、
さらに備えるようにしてもよい。
これにより、上述の情報処理装置は、運搬ルートを決定することができる。また、上述の情報処理装置は、決定された休憩等内容を加味して、新たな運搬ルートを決定することもできる。
【0068】
また、前記運搬ルートは、前記所定物品を現状運搬している前記移動体が、前記所定物品以外の物品の運搬の追加を受付けた際に決定されるルートであってもよい。
これにより、移動体が新たな物品の運搬の追加を受付ける際、新たな物品の運搬の追加を受付けることが可能となる。さらに言えば、新たな物品を受け付けた場合に、ドライバーのコンプライアンスを考慮しつつ、新たな運搬ルートを決定することもできる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・サーバ、11・・・CPU、61・・・ルート決定部、62・・・物品追加受付部、63・・・休憩等内容決定部、64・・・表示制御部、300・・・制限情報DB