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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ワイヤボンディング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H01L21/60 301G
H01L21/60 301L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023190746
(22)【出願日】2023-11-08
【審査請求日】2024-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】内田 洋平
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-141025(JP,A)
【文献】特開2001-291747(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189642(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/447-H01L 21/449
H01L 21/60 -H01L 21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピラリを着脱可能に把持すると共に治具挿入孔が設けられたホーンを有するホーンユニットと、
前記治具挿入孔に挿入され、前記ホーンによる前記キャピラリの把持を解除する治具と、
前記治具の撮像画像に基づいて前記治具の位置を検出するカメラユニットと、
前記ホーンが把持する前記キャピラリを交換するマニピュレータと、
を備え、
前記ホーンユニットは、前記カメラユニットにより検出された前記治具と前記治具挿入孔とが合う挿入位置に前記ホーンを移動させ、前記治具の動作によって前記ホーンによる前記キャピラリの把持を解除し、
前記マニピュレータは、前記キャピラリの把持が解除された状態において、前記挿入位置において前記キャピラリを交換する、ワイヤボンディング装置。
【請求項2】
前記ホーンには、前記治具挿入孔と、前記キャピラリより小さく形成されたキャピラリ取付孔と、が設けられ、
前記治具挿入孔と前記キャピラリ取付孔とは、互いに連通し、
前記ホーンは、前記キャピラリ取付孔を押し広げることによって前記キャピラリ取付孔に挿入された前記キャピラリを弾性力によって把持し、
前記治具は、前記治具挿入孔を押し広げると共に前記キャピラリ取付孔を押し広げ、前記キャピラリの把持を解除する、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項3】
前記カメラユニットは、前記治具の先端側の端面の前記撮像画像に基づいて、前記治具の位置を検出する、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項4】
前記カメラユニットは、前記治具の前記撮像画像に基づいて、前記撮像画像中の予め定められた画像基準点と、前記治具において予め定められた治具基準点と、が一致するように前記治具を撮像するカメラを移動させる、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項5】
前記カメラユニットは、半導体チップにワイヤボンディングを行う場合において前記キャピラリの位置決めを行うために前記半導体チップを撮像するワイヤボンディング用カメラユニットとしても機能する、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項6】
前記治具の先端側の端面の高さ位置は、前記半導体チップにワイヤボンディングを行うときのボンディング高さ位置と略同じである、請求項5に記載のワイヤボンディング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ワイヤボンディング装置を開示する。ワイヤボンディング装置は、ボンディングツールであるキャピラリを有する。ワイヤボンディング装置は、当該キャピラリを用いてワイヤに対して熱あるいは超音波振動などを付与することにより、電極にワイヤを接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-306732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の製造工場では、大量の電子機器を製造するために複数の製造装置を稼働させる。製造装置の数が増えると、生産数を増加させ得る。その一方で、製造装置は、種々のメンテナンス作業を要する。そうすると、製造装置の数だけメンテナンス作業を要することとなる。従って、生産数の増加と、メンテナンス作業の負荷とは、相反する関係にある。そこで、メンテナンス作業を作業者の手によらずに自動的に行うことができれば、メンテナンス作業の負荷を低減することが可能である。
【0005】
ワイヤボンディング装置は、上記のメンテナンス作業のひとつとしてのキャピラリ交換作業を有する。そこで、当該技術分野においては、キャピラリの交換作業の自動化、具体的には、使用済みのキャピラリをホーンから取り外し、新規なキャピラリをホーンに取り付ける作業の自動化が望まれていた。
【0006】
上記の背景に鑑み、本開示は、キャピラリの交換作業の自動化が可能なワイヤボンディング装置について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るワイヤボンディング装置は、キャピラリを着脱可能に把持すると共に治具挿入孔が設けられたホーンを有するホーンユニットと、治具挿入孔に挿入され、ホーンによるキャピラリの把持を解除する治具と、治具の撮像画像に基づいて治具の位置を検出するカメラユニットと、ホーンが把持するキャピラリを交換するマニピュレータと、を備え、ホーンユニットは、カメラユニットにより検出された治具の位置にホーンを移動させ、治具の動作によってホーンによるキャピラリの把持を解除し、マニピュレータは、キャピラリの把持が解除された状態において、キャピラリを交換する。
【0008】
このようなキャピラリを把持するホーンを備えるワイヤボンディング装置では、キャピラリの交換を行う際に、ホーンによるキャピラリの把持を解除させる必要がある。そこで、ワイヤボンディング装置は、治具の撮像画像に基づいて治具の位置を検出する。これにより、ワイヤボンディング装置は、検出した治具の位置に基づいて、治具を治具挿入孔に挿入できるように治具の位置にホーンを移動させることができる。そして、ワイヤボンディング装置は、治具によって、ホーンによるキャピラリの把持を解除させる。この状態においてワイヤボンディング装置は、マニピュレータによって、キャピラリを交換することができる。このように、ワイヤボンディング装置は、キャピラリの交換作業を自動で行うことができる。
【0009】
上記のワイヤボンディング装置において、ホーンには、治具挿入孔と、キャピラリより小さく形成されたキャピラリ取付孔と、が設けられ、治具挿入孔とキャピラリ取付孔とは、互いに連通し、ホーンは、キャピラリ取付孔を押し広げることによってキャピラリ取付孔に挿入されたキャピラリを弾性力によって把持し、治具は、治具挿入孔を押し広げると共にキャピラリ取付孔を押し広げ、キャピラリの把持を解除してもよい。
【0010】
ホーンに設けられたキャピラリ取付孔は、治具挿入孔に連通している。この場合、治具挿入孔が押し広げられることによって、キャピラリ取付孔も押し広げられる。そこで、ワイヤボンディング装置は、治具によって治具挿入孔を押し広げる。これにより、治具挿入孔が押し広げられることに伴って、キャピラリ取付孔が押し広げられ、キャピラリの把持が解除される。このように、ワイヤボンディング装置は、治具を用いて治具挿入孔を押し広げることによって、ホーンによるキャピラリの把持を容易に解除することができる。
【0011】
上記のワイヤボンディング装置において、カメラユニットは、治具の先端側の端面の撮像画像に基づいて、治具の位置を検出してもよい。この場合、ワイヤボンディング装置は、治具の端面の撮像画像に基づいて治具の位置を検出し、検出した治具の位置にホーンを移動させることができる。
【0012】
上記のワイヤボンディング装置は、カメラユニットは、治具の撮像画像に基づいて、撮像画像中の予め定められた画像基準点と、治具において予め定められた治具基準点と、が一致するように治具を撮像するカメラを移動させてもよい。このようにしてカメラを移動させることにより、治具とカメラとが所定の位置関係となる。これにより、ワイヤボンディング装置は、カメラが撮像した撮像画像に基づいて、治具の位置をより精度良く検出することができる。
【0013】
上記のワイヤボンディング装置において、カメラユニットは、半導体チップにワイヤボンディングを行う場合においてキャピラリの位置決めを行うために半導体チップを撮像するワイヤボンディング用カメラとしても機能してもよい。この場合、ワイヤボンディング装置は、ワイヤボンディング用として設けられたカメラユニットを用いて、治具を撮像し、治具の位置を検出することができる。これにより、ワイヤボンディング装置は、構成の簡素化を図ることができる。
【0014】
上記のワイヤボンディング装置において、治具の先端側の端面の高さ位置は、半導体チップにワイヤボンディングを行うときのボンディング高さ位置と略同じであってもよい。これにより、ワイヤボンディング装置は、ボンディング用カメラユニットを用いて治具を撮像した場合に、治具の端面をより鮮明に撮像することができる。したがって、ワイヤボンディング装置は、鮮明に撮像された治具の撮像画像に基づいて、治具の位置をより精度良く検出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、キャピラリの交換作業を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態のワイヤボンディング装置を側面から見た図である。
図2図2は、キャピラリ交換ユニット周りを側面から見た拡大図である。。
図3図3(a)は、治具を上方から見た図である。図3(b)は、カメラによって撮像された治具の撮像画像を示す図である。
図4図4は、超音波ホーンを上方から見た図である。
図5図5(a)~図5(d)は、治具によって把持解除動作が行われるときのキャピラリ取付孔及び治具挿入孔の状態を示す図である。
図6図6は、コントローラの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、ワイヤボンディング装置が行うキャピラリの交換作業の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1に示されるように、ワイヤボンディング装置100は、半導体チップCに対してボンディングワイヤYを接合する。ワイヤボンディング装置100は、主要な構成要素として、ワイヤボンディングユニット(ホーンユニット)1と、カメラユニット2と、ボンディングステージ3と、キャピラリ交換ユニット4と、コントローラ5と、を有する。ワイヤボンディングユニット1は、半導体チップCに対してボンディングワイヤYを接合する。カメラユニット2は、ワイヤボンディングユニット1の動作を制御するための撮像画像を得る。コントローラ5は、ワイヤボンディング装置100の各部の動作の制御及び各種の処理を行う各種の制御部を備えている。
【0019】
<ワイヤボンディングユニット>
ワイヤボンディングユニット1は、キャピラリ10と、超音波ホーン11(ホーン)と、ワイヤクランパ12と、ホーンホルダ13と、Z軸駆動部14と、ツール用XYステージ15と、ホーン制御部52(図6参照)と、を有する。
【0020】
ボンディングツールであるキャピラリ10は、ボンディングワイヤYを半導体チップCに接合する。超音波ホーン11は、その先端側の部分においてキャピラリ10を着脱可能に把持する。超音波ホーン11の基端側は、ホーンホルダ13の先端側に取り付けられている。ホーンホルダ13の先端側には、超音波ホーン11に加えて、ワイヤクランパ12の基端側も取り付けられている。ワイヤクランパ12の先端側は、おおむねキャピラリ10の上方に位置する。
【0021】
ホーンホルダ13の基端側は、Z軸駆動部14に取り付けられている。Z軸駆動部14は、ツール用XYステージ15に取り付けられている。従って、Z軸駆動部14に対して直接または間接に取り付けられているキャピラリ10、超音波ホーン11、ワイヤクランパ12、ホーンホルダ13及びZ軸駆動部14は、XY平面に沿う平行移動が可能である。ツール用XYステージ15はサーボモータを用いた高速高精度ステージである。XY平面とは、例えば、水平面である。
【0022】
Z軸駆動部14は、ホーンホルダ13を円弧運動させる。ホーンホルダ13の円弧運動によれば、ホーンホルダ13に対して直接または間接に取り付けられているキャピラリ10、超音波ホーン11及びワイヤクランパ12も円弧運動する。つまり、キャピラリ10等のZ軸方向の位置が変化する。なお、Z軸とは、XY平面に垂直な軸である。キャピラリ10の円弧運動によって、キャピラリ10は、ボンディング動作を行う。Z軸駆動部14には、トーチアーム16も取り付けられている。トーチアーム16の先端側には、トーチ(不図示)のためのアダプタ17が取り付けられている。
【0023】
このように、ワイヤボンディングユニット1において、超音波ホーン11に取り付けられたボンディングツールであるキャピラリ10と、キャピラリ10を円弧運動させボンディング動作を行うZ軸駆動部14と、は、ツール用XYステージ15上に設置されている。ホーン制御部52は、ワイヤボンディングユニット1の各種の動作の制御及び各種の処理を実行する。ホーン制御部52が行う制御の詳細については、後述する。
【0024】
<カメラユニット>
カメラユニット2は、半導体チップCを撮像する。半導体チップCの撮像画像は、半導体チップCにワイヤボンディングを行う場合において、キャピラリ10の位置決めのために用いられる。このように、カメラユニット2は、ワイヤボンディングを行うために用いられるワイヤボンディング用カメラユニットとして機能する。また、カメラユニット2は、キャピラリ交換ユニット4においてキャピラリ10の交換を行うために、治具41(図2参照)を撮像する。治具41の撮像画像は、キャピラリ交換ユニット4がキャピラリ10の交換を行う場合において、超音波ホーン11の位置決めのために用いられる。
【0025】
位置決め用の光学系であるカメラユニット2は、撮像素子を有するカメラ21と、カメラ21を支持するアーム部22と、ツール用XYステージ15と、カメラ制御部51(図6参照)と、を有する。アーム部22の基端部は、ツール用XYステージ15に取り付けられている。アーム部22の先端部には、カメラ21が取り付けられている。アーム部22は、ボンディングステージ3の上方の位置において、カメラ21を支持する。
【0026】
カメラ21及びアーム部22は、ツール用XYステージ15上に設置されている。つまり、カメラ21及びアーム部22は、ツール用XYステージ15によって駆動されることにより、キャピラリ10等と共に、XY平面に沿う平行移動が可能である。このように、ツール用XYステージ15は、ワイヤボンディングユニット1の構成要素の一部として機能すると共に、カメラユニット2の構成要素の一部としても機能する。カメラ制御部51は、カメラユニット2の各種の動作の制御及び各種の処理を実行する。カメラ制御部51が行う制御の詳細については、後述する。
【0027】
<ボンディングステージ>
ボンディングステージ3は、キャピラリ10の下方に配置される。ボンディングステージ3は、半導体チップCをキャピラリ10の下方に保持する。
【0028】
<キャピラリ交換ユニット>
キャピラリ交換ユニット4は、超音波ホーン11に取り付けられたキャピラリ10を回収するとともに、超音波ホーン11に対して新規なキャピラリ10を装着する。つまり、キャピラリ10の交換作業とは、キャピラリ10を回収する作業と、キャピラリ10を装着する作業と、を含む。このキャピラリ10の交換作業は、予め設定された条件を満たした場合に、自動的に実施される。例えば、当該条件は、ボンディング作業の回数としてもよい。すなわち、所定回数のボンディング作業を実施するごとに、キャピラリ10を交換する作業を行うものとしてよい。
【0029】
図2に示されるように、キャピラリ交換ユニット4は、把持解除ユニット40と、マニピュレータ45と、を有する。把持解除ユニット40は、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除する。より詳細には、把持解除ユニット40は、治具41と、治具駆動部42と、治具制御部53(図6参照)と、を有する。治具41は、超音波ホーン11に設けられた治具挿入孔H2に挿入され、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除する。治具41の上側の先端部には、棒状を呈する挿入部41aが設けられている。挿入部41aは、超音波ホーン11の治具挿入孔H2に挿入される部分である。挿入部41aは、Z軸に沿って延在している。
【0030】
図3(a)に示されるように、挿入部41aの断面形状は、第1方向の長さL1が、第1方向に直交する第2方向の長さL2よりも長い。本実施形態において、挿入部41aの断面形状は、楕円形状となっている。
【0031】
図2に示されるように、治具41の基端部(下側の端部)は、治具駆動部42に取り付けられている。治具駆動部42は、治具制御部53からの指示に基づいて、治具41を駆動する。治具駆動部42は、治具41をZ軸周りに回転させることができる。また、治具駆動部42は、治具41をZ軸に沿って移動させることができる。
【0032】
ここで、超音波ホーン11がキャピラリ10を把持する構成の詳細について説明する。図4に示されるように、超音波ホーン11の先端部には、キャピラリ取付孔H1と、治具挿入孔H2と、が形成されている。キャピラリ取付孔H1及び治具挿入孔H2は、Z軸に沿って超音波ホーン11を貫通している。本実施形態においてキャピラリ取付孔H1は、治具挿入孔H2よりも超音波ホーン11の先端側に設けられている。但し、治具挿入孔H2が、キャピラリ取付孔H1よりも超音波ホーン11の先端側に設けられていてもよい。
【0033】
キャピラリ取付孔H1と治具挿入孔H2とは、互いに連通している。本実施形態では、キャピラリ取付孔H1と治具挿入孔H2とは、スリットS1を介して互いに連通している。スリットS1は、Z軸方向において超音波ホーン11を貫通している。
【0034】
また、超音波ホーン11には、スリットS2が形成されている。スリットS2は、治具挿入孔H2と連通している。治具挿入孔H2は、治具挿入孔H2よりも超音波ホーン11の基端側に形成されている。スリットS2は、Z軸方向において超音波ホーン11を貫通している。このように、キャピラリ取付孔H1、スリットS1、治具挿入孔H2、及びスリットS2は、互いに連通している。
【0035】
キャピラリ取付孔H1には、キャピラリ10が挿入される。ここで、超音波ホーン11は、弾性変形可能な材料によって形成されている。図5(a)に示されるようにキャピラリ取付孔H1は、キャピラリ10が挿入されていない状態では、キャピラリ10の外径よりも小さい大きさとなっている。超音波ホーン11は、キャピラリ取付孔H1を押し広げることによってキャピラリ取付孔H1に挿入されたキャピラリ10を弾性力によって把持することができる。つまり、キャピラリ10は、キャピラリ取付孔H1が押し広げられた状態で、キャピラリ取付孔H1に挿入される。
【0036】
図5(a)に示されるように治具挿入孔H2は、楕円形状の孔である。治具挿入孔H2には、治具41の挿入部41aが挿入可能となっている。治具挿入孔H2には、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除するために挿入部41aが挿入される。図4及び図5(a)に示されるように治具挿入孔H2の内壁面は、互いに対向する第1面部W1及び第2面部W2を含んでいる。第1面部W1と第2面部W2とは、楕円形状の治具挿入孔H2の短手方向において互いに対向している。なお、スリットS1とスリットS2とは、楕円形状の治具挿入孔H2の長手方向において互いに対向している。治具挿入孔H2に治具41の挿入部41aが挿入されていない状態において、治具挿入孔H2の短手方向の長さは、挿入部41aの第1方向(長手方向)の長さL1よりも短い。キャピラリ取付孔H1は、スリットS1を介して、楕円形状の治具挿入孔H2の長手方向の端部に連通している。
【0037】
次に、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除させる把持解除動作について説明する。この把持解除動作は、治具41によって行われる。図4に示されるように、超音波ホーン11は、キャピラリ取付孔H1に挿入されたキャピラリ10を弾性力によって把持している。この把持を解除する場合、超音波ホーン11の治具挿入孔H2に治具41の挿入部41aを挿入する。治具挿入孔H2への治具41の挿入動作は、治具駆動部42によって行われる。
【0038】
図5(b)に示されるように、治具挿入孔H2に挿入部41aが挿入された状態で、挿入部41aをZ軸周りに90度回転させる。これにより、挿入部41aの第1方向の両端部(楕円形状の長手方向の両端部)によって、第1面部W1及び第2面部W2が押圧される。挿入部41aによって第1面部W1及び第2面部W2が押圧されることにより、超音波ホーン11が弾性変形する。これにより、治具挿入孔H2の第1面部W1と第2面部W2との間隔が広くなる。治具41の回転動作は、治具駆動部42によって行われる。
【0039】
ここで、治具挿入孔H2とキャピラリ取付孔H1とはスリットS1を介して互いに連通している。このため、挿入部41aによって第1面部W1と第2面部W2との間隔が押し広げられることにつられて、キャピラリ取付孔H1も押し広げられる。キャピラリ取付孔H1が押し広げられることにより、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持が解除される。つまり、把持解除動作は、治具挿入孔H2に挿入部41aが差し込まれた状態で治具41を回転させる動作である。そして、把持解除動作は、挿入部41aにおける第1方向の両端部(楕円形状の長手方向の両端部)によって第1面部W1及び第2面部W2を押圧することにより、第1面部W1と第2面部W2との間隔を押し広げる共にキャピラリ取付孔H1を押し広げる動作である。このように、治具41は、治具挿入孔H2を押し広げると共にキャピラリ取付孔H1を押し広げ、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除する。
【0040】
図5(b)に示されるように、治具41によってキャピラリ取付孔H1が押し広げられた状態で、超音波ホーン11からキャピラリ10が取り外され、新規なキャピラリ10がキャピラリ取付孔H1内に挿入される。このキャピラリ10の交換は、マニピュレータ45によって行われる。その後、図5(c)に示されるように、挿入部41aをZ軸周りに90度回転させ、挿入部41aによる第1面部W1及び第2面部W2の押圧を解除する。つまり、把持解除動作を解除する。これにより、治具挿入孔H2及びキャピラリ取付孔H1は図5(a)に示される元の形状に戻ろうとする。元の形状に戻ろうとする弾性力により、キャピラリ取付孔H1に挿入されたキャピラリ10がキャピラリ取付孔H1の内壁面によって把持される。
【0041】
その後、図5(d)に示されるように、治具挿入孔H2から挿入部41aが抜き取られる。このように、超音波ホーン11では、治具41を用いて、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持及び把持の解除を行うことができる。
【0042】
図2に示されるように、マニピュレータ45は、キャピラリ10の把持が解除された状態において、キャピラリ10を交換する交換動作を行う。キャピラリ10の交換動作とは、超音波ホーン11からキャピラリ10を受け取り、新規なキャピラリ10を超音波ホーン11の治具挿入孔H2に挿入する動作である。キャピラリ10の交換作業を行うことができれば、マニピュレータ45の構成は特に限定されない。
【0043】
<コントローラ>
次に、コントローラ5の詳細について説明する。コントローラ5は、カメラユニット2が撮像した撮像画像に基づいて、ワイヤボンディングユニット1を制御する。ワイヤボンディングユニット1の制御には、半導体チップCに対するキャピラリ10の先端の位置制御、キャピラリ10によるワイヤボンディング動作の制御といった一連の動作が含まれる。また、コントローラ5は、カメラユニット2が撮像した撮像画像に基づいて、キャピラリ交換ユニット4によるキャピラリの交換動作の制御も行う。以下、キャピラリ10の交換作業を行う場合に、コントローラ5が行う各部の制御について説明する。
【0044】
コントローラ5は、コンピュータ及びコンピュータに接続された電子回路であり、CPUによって所定のプログラムを実行することにより、機能的構成要素が実現される。コントローラ5には、各ユニットの制御部が設けられている。図6に示されるようにコントローラ5は、機能的には、カメラユニット2のカメラ制御部51と、ワイヤボンディングユニット1のホーン制御部52と、把持解除ユニット40の治具制御部53と、を有している。また、コントローラ5には、マニピュレータ45の制御部が設けられていてもよい。
【0045】
カメラ制御部51は、カメラ21による撮像及びカメラ21の移動を制御する。カメラ制御部51は、ツール用XYステージ15に対して指示を行うことによって、カメラ21のXY平面における移動を制御する。ここで、超音波ホーン11が把持するキャピラリ10を交換する場合、治具41を超音波ホーン11の治具挿入孔H2に挿入する必要がある。このため、カメラ制御部51は、撮像画像に基づいて挿入部41aの位置を検出できるように、カメラ21によって挿入部41aを撮像させる。なお、カメラ21は、挿入部41aにおける治具挿入孔H2への差し込み方向の先端側の端面を撮像する。つまり、カメラ21は、挿入部41aの上側の端面を撮像する。
【0046】
また、治具挿入孔H2に挿入部41aを挿入するため、挿入部41aの位置を精度良く把握する必要がある。そこで、カメラ制御部51は、カメラ21と挿入部41aとが所定の位置関係となった状態で撮像できるように、カメラ21を移動させる。具体的には、カメラ制御部51は、カメラ21が撮像した挿入部41aの撮像画像に基づいて、図3(b)に示される撮像画像D中の予め定められた画像基準点P2と、挿入部41aの端面において予め定められた治具基準点P1と、が一致するようにカメラ21を移動させる。撮像画像D中の画像基準点P2として、例えば、撮像画像Dの中心点が設定されていてもよい。治具基準点P1として、例えば、挿入部41aの端面の中心点が設定されていてもよい。カメラ制御部51は、挿入部41aの端面の画像に基づいて、治具基準点P1を認識することができる。
【0047】
また、例えば、カメラ21の位置によっては、挿入部41aがカメラ21の撮像範囲外に位置している場合がある。この場合、ワイヤボンディング装置100は、カメラ21による挿入部41aの撮像画像に基づいてカメラ21を移動させることができない。そこで、例えば、作業者等が、カメラ21の撮像範囲内に挿入部41aが含まれるように、カメラ21を移動させてもよい。カメラ21によって挿入部41aを撮像できる状態になった後、カメラ制御部51は、カメラ21が撮像した挿入部41aの撮像画像に基づいて、治具基準点P1と画像基準点P2とが一致するようにカメラ21を移動させてもよい。
【0048】
ここで、カメラユニット2は、半導体チップCにワイヤボンディングを行う場合においてキャピラリ10の位置決めを行うためにも用いられる。このため、Z軸方向においてカメラ21の焦点の位置は、半導体チップCにワイヤボンディングを行うときのボンディング高さ位置に設定されている。カメラ21が挿入部41aを撮像する場合において、挿入部41aにおけるカメラ21側の端面の高さ位置は、ボンディング高さ位置と略同じとなっている。挿入部41aの端面の高さ位置とボンディング高さ位置とが略同じであることとは、両者が完全に同じであることと、両者が僅かにずれていることと、を含む。挿入部41aの端面の高さ位置とボンディング高さ位置とのずれが大きくなると、カメラ21によって撮像された挿入部41aの端面の撮像画像が不鮮明となる。このため、許容可能な両者のずれの範囲とは、挿入部41aの端面の撮像画像に基づいてカメラ制御部51が挿入部41aの位置を所定の精度以上で検出可能な範囲とされていてもよい。
【0049】
また、カメラ制御部51は、カメラ21によって撮像された治具の撮像画像に基づいて、治具41の挿入部41aの位置を検出する。より詳細には、カメラ制御部51は、挿入部41aの位置として、挿入部41aのXY平面における位置を検出する。
【0050】
ここで、撮像画像において治具基準点P1と画像基準点P2とが一致している場合、挿入部41aとカメラ21とは所定の位置関係となっている。また、ツール用XYステージ15によって移動させられるカメラ21の位置は、把握されている。このため、カメラ制御部51は、治具基準点P1と画像基準点P2とが一致する撮像画像を撮像したときのカメラ21の位置に基づいて、挿入部41aの位置を検出することができる。
【0051】
なお、カメラ21による挿入部41aの撮像及びカメラ制御部51による挿入部41aの位置の検出は、キャピラリ10の交換作業を行うごと又は所定の交換作業の実行回数ごとに行われてもよく、ワイヤボンディング装置100の設置時に行われてもよい。
【0052】
ホーン制御部52は、超音波ホーン11の移動を制御する。ホーン制御部52は、ツール用XYステージ15に対して指示を行うことによって、ホーン制御部52のXY平面における移動を制御する。ホーン制御部52は、カメラ制御部51により検出された治具41の位置にホーンを移動させる。
【0053】
より詳細には、ホーン制御部52は、検出された治具41の挿入部41aの位置に基づいて、治具挿入位置まで超音波ホーン11を移動させる。治具挿入位置とは、図2に示されるように治具挿入孔H2に挿入部41aを挿入するための位置である。なお、本実施形態において治具挿入位置とは、治具41の上方に超音波ホーン11が存在する位置である。また、治具挿入位置とは、Z軸に沿って見たときに、治具挿入孔H2と挿入部41aとが一致する超音波ホーン11の位置である。つまり、治具挿入位置とは、治具挿入位置に位置する超音波ホーン11に対して挿入部41aをZ軸に沿って移動させることにより、治具挿入孔H2に挿入部41aを挿入可能な位置である。
【0054】
治具制御部53は、治具41の動作を制御する。治具制御部53は、治具駆動部42に対して指示を行うことによって、治具41の動作を制御する。より詳細には、治具制御部53は、治具挿入位置に移動させられた超音波ホーン11の治具挿入孔H2に挿入されるように治具41を移動させる。ここでは、治具制御部53は、治具41をZ軸に沿って上昇させ、治具挿入孔H2に挿入部41aを挿入させる。なお、挿入部41aの挿入時において、挿入部41aの向きは、治具挿入孔H2に挿入可能なように予め調整されている。
【0055】
治具制御部53は、治具挿入孔H2に挿入部41aが挿入された状態で、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除させる把持解除動作を治具41に行わせる。ここでは、治具制御部53は、治具41をZ軸周りに90度回転させる。これにより、治具挿入孔H2の第1面部W1と第2面部W2との間隔が押し広げられると共に、キャピラリ取付孔H1も押し広げられる。キャピラリ取付孔H1が押し広げられることにより、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持が解除される。なお、治具制御部53は、挿入部41aを90度回転させたが、90度回転させることに限定されない。治具制御部53は、第1面部W1と第2面部W2との間隔が挿入部41aによって押し広げられるように、挿入部41aを所定角度だけ回転させればよい。
【0056】
治具制御部53は、マニピュレータ45によってキャピラリ10の交換動作が行われた後、挿入部41aによる把持解除動作を解除し、超音波ホーン11の弾性力によってキャピラリ10を把持させる。
【0057】
次に、ワイヤボンディング装置100が行うキャピラリ10の交換作業の流れについて説明する。図7に示されるように、カメラ制御部51は、カメラユニット2によって治具41の挿入部41aを撮像させる(S101:撮像工程)。カメラ制御部51は、挿入部41aの撮像画像に基づいて、挿入部41aの位置を検出する(S102:位置検出工程)。ホーン制御部52は、検出された挿入部41aの位置に基づいて、治具挿入位置まで超音波ホーン11を移動させる(S103:ホーン移動工程)。
【0058】
なお、S101及びS102の処理は、キャピラリ10の交換作業を行うごと又は所定の交換作業の実行回数ごとに行われる、あるいは、ワイヤボンディング装置100の設置時に行われる。S101及びS102の処理がキャピラリ10の交換作業を行うごとに行われない場合、ホーン制御部52は、前回のS102の処理において検出された挿入部41aの位置に基づいて、超音波ホーン11を移動させればよい。
【0059】
治具制御部53は、治具41に把持解除動作を行わせる。これにより、ワイヤボンディングユニット1は、治具41の把持解除動作によって、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除する(S104:把持解除工程)。マニピュレータ45は、キャピラリ10の交換動作を行う(S105:キャピラリ交換工程)。キャピラリ10の交換完了後、治具制御部53は、治具41による把持解除動作を解除させる。これにより、超音波ホーン11は、治具挿入孔H2に挿入された新たなキャピラリ10を把持する(S106:把持工程)。
【0060】
以上のように、このようなキャピラリ10を把持する超音波ホーン11を備えるワイヤボンディング装置100では、キャピラリ10の交換を行う際に、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除させる必要がある。そこで、ワイヤボンディング装置100は、治具41の撮像画像に基づいて治具41の位置を検出する。これにより、ワイヤボンディング装置100は、検出した治具41の位置に基づいて、治具41を治具挿入孔H2に挿入できるように治具41の位置に超音波ホーン11を移動させることができる。そして、ワイヤボンディング装置100は、治具41によって、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除させる。この状態においてワイヤボンディング装置100は、マニピュレータ45によって、キャピラリ10を交換することができる。このように、ワイヤボンディング装置100は、キャピラリ10の交換作業を自動で行うことができる。
【0061】
超音波ホーン11に設けられたキャピラリ取付孔H1は、治具挿入孔H2に連通している。この場合、治具挿入孔H2が押し広げられることによって、キャピラリ取付孔H1も押し広げられる。そこで、ワイヤボンディング装置100は、治具41によって治具挿入孔H2を押し広げる。これにより、治具挿入孔H2が押し広げられることに伴って、キャピラリ取付孔H1が押し広げられ、キャピラリ10の把持が解除される。このように、ワイヤボンディング装置100は、治具41を用いて治具挿入孔H2を押し広げることによって、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を容易に解除することができる。
【0062】
カメラ21は、治具41の挿入部41aの先端側の端面を撮像する。カメラ制御部51は、挿入部41aの端面の撮像画像に基づいて、挿入部41aの位置を検出する。この場合、ワイヤボンディング装置100は、治具41の端面の撮像画像に基づいて治具41の位置を検出し、検出した治具41の位置に超音波ホーン11を移動させることができる。
【0063】
カメラ制御部51は、カメラ21が撮像した撮像画像D中の画像基準点P2と、治具41の挿入部41aの端面における治具基準点P1と、が一致するようにカメラ21を移動させる。この場合、治具41とカメラ21とが所定の位置関係となる。これにより、ワイヤボンディング装置100は、カメラ21が撮像した撮像画像に基づいて、治具41の位置をより精度良く検出することができる。
【0064】
治具41を撮像するカメラユニット2は、半導体チップCにワイヤボンディングを行う場合においてキャピラリ10の位置決めを行うために半導体チップCを撮像するワイヤボンディング用カメラユニットとしても機能する。この場合、ワイヤボンディング装置100は、ワイヤボンディング用として設けられたカメラユニット2を用いて、治具41を撮像し、治具41の位置を検出することができる。これにより、ワイヤボンディング装置100は、構成の簡素化を図ることができる。
【0065】
治具41の挿入部41aにおけるカメラユニット2側の端面の高さ位置は、半導体チップCにワイヤボンディングを行うときのボンディング高さ位置と略同じである。これにより、ワイヤボンディング装置100は、ボンディング用として設けられたカメラユニット2を用いて治具41を撮像した場合に、挿入部41aの端面をより鮮明に撮像することができる。したがって、ワイヤボンディング装置100は、鮮明に撮像された治具41の撮像画像に基づいて、治具41の位置をより精度良く検出することができる。
【0066】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、超音波ホーン11の構成は、キャピラリ取付孔H1、治具挿入孔H2、スリットS1、及びスリットS2の全てを備える構成に限定されない。例えば、キャピラリ取付孔H1と治具挿入孔H2とは、スリットS1を介さずに、互いに直接連通していてもよい。また、超音波ホーン11には、スリットS2が設けられていなくてもよい。
【0067】
カメラユニット2は、ツール用XYステージ15とは異なる駆動源によって、XY平面に沿って平行移動させられる構成であってもよい。
【0068】
上記実施形態において、ワイヤボンディングユニット1は、撮像画像に基づいて検出された治具41の位置に超音波ホーン11を移動させた。その際、ワイヤボンディングユニット1は、治具挿入位置まで超音波ホーン11を移動させた。これに限定されず、ワイヤボンディングユニット1は、検出された治具41の位置に基づいて、治具挿入孔H2に治具41が挿入された状態となるように、超音波ホーン11を移動させてもよい。この場合、把持解除ユニット40の治具駆動部42は、治具41をZ軸方向に移動させなくてもよい。
【0069】
本開示は、以下の構成を含む。
【0070】
本開示は、[1]「キャピラリを着脱可能に把持すると共に治具挿入孔が設けられたホーンを有するホーンユニットと、
前記治具挿入孔に挿入され、前記ホーンによる前記キャピラリの把持を解除する治具と、
前記治具の撮像画像に基づいて前記治具の位置を検出するカメラユニットと、
前記ホーンが把持する前記キャピラリを交換するマニピュレータと、
を備え、
前記ホーンユニットは、前記カメラユニットにより検出された前記治具の位置に前記ホーンを移動させ、前記治具の動作によって前記ホーンによる前記キャピラリの把持を解除し、
前記マニピュレータは、前記キャピラリの把持が解除された状態において、前記キャピラリを交換する、ワイヤボンディング装置。」である。
本開示は、[2]「前記ホーンには、前記治具挿入孔と、前記キャピラリより小さく形成されたキャピラリ取付孔と、が設けられ、
前記治具挿入孔と前記キャピラリ取付孔とは、互いに連通し、
前記ホーンは、前記キャピラリ取付孔を押し広げることによって前記キャピラリ取付孔に挿入された前記キャピラリを弾性力によって把持し、
前記治具は、前記治具挿入孔を押し広げると共に前記キャピラリ取付孔を押し広げ、前記キャピラリの把持を解除する、上記[1]に記載のワイヤボンディング装置。」である。
本開示は、[3]「前記カメラユニットは、前記治具の先端側の端面の前記撮像画像に基づいて、前記治具の位置を検出する、上記[1]又は[2]に記載のワイヤボンディング装置。」である。
本開示は、[4]「前記カメラユニットは、前記治具の前記撮像画像に基づいて、前記撮像画像中の予め定められた画像基準点と、前記治具において予め定められた治具基準点と、が一致するように前記治具を撮像するカメラを移動させる、上記[1]~[3]のいずれかに記載のワイヤボンディング装置。」である。
本開示は、[5]「前記カメラユニットは、半導体チップにワイヤボンディングを行う場合において前記キャピラリの位置決めを行うために前記半導体チップを撮像するワイヤボンディング用カメラユニットとしても機能する、上記[1]~[4]のいずれかに記載のワイヤボンディング装置。」である。
本開示は、[6]「前記治具の先端側の端面の高さ位置は、前記半導体チップにワイヤボンディングを行うときのボンディング高さ位置と略同じである、上記[5]に記載のワイヤボンディング装置。」である。
【符号の説明】
【0071】
1…ワイヤボンディングユニット(ホーンユニット)、2…カメラユニット、10…キャピラリ、11…超音波ホーン(ホーン)、21…カメラ、41…治具、41a…挿入部、45…マニピュレータ、100…ワイヤボンディング装置、C…半導体チップ、D…撮像画像、H1…キャピラリ取付孔、H2…治具挿入孔、P1…治具基準点、P2…画像基準点。
【要約】
【課題】キャピラリの交換作業を自動で行う。
【解決手段】ワイヤボンディング装置100は、キャピラリ10を着脱可能に把持すると共に治具挿入孔H2が設けられた超音波ホーン11を有するワイヤボンディングユニット1と、治具挿入孔H2に挿入され、超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除する治具41と、治具41の撮像画像に基づいて治具41の位置を検出するカメラユニット2と、マニピュレータ45と、を備える。ワイヤボンディングユニット1は、検出された治具41の位置に超音波ホーン11を移動させ、治具41の動作によって超音波ホーン11によるキャピラリ10の把持を解除し、マニピュレータ45は、キャピラリ10の把持が解除された状態において、キャピラリ10を交換する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7