(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】新聞処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 39/042 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B65H39/042
(21)【出願番号】P 2023217967
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000152125
【氏名又は名称】株式会社プレッシオ
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】紺屋 匡
(72)【発明者】
【氏名】山田 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】白根 正平
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-149738(JP,A)
【文献】特開平05-270733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 39/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数銘柄の複数部の新聞を銘柄毎に投入する複数の投入部と、
複数の前記投入部を介して投入される各銘柄の新聞を夫々取り出す複数の取出し部と、
複数の前記取出し部によって複数の前記投入部から取り出される新聞を1つの搬送経路に合流させる合流部と、
前記合流部によって合流されて前記搬送経路を搬送される新聞に折込物を中入れする中入れ部と、
前記中入れ部によって折込物が中入れされた組込新聞を重ねる重ね部と、
を有する新聞処理装置。
【請求項2】
配達順に関するデータを取得して、このデータに基づいて複数の前記取出し部による新聞の取出し順を制御する制御部を有する、
請求項1に記載の新聞処理装置。
【請求項3】
複数種類の複数枚の折込チラシを種類毎に供給する複数の供給部と、
複数の前記供給部から選択的に供給される折込チラシを丁合して前記折込物としての丁合束を形成する丁合部と、
を有する請求項1に記載の新聞処理装置。
【請求項4】
配達順に関する第1データを取得して、この第1データに基づいて複数の前記取出し部による新聞の取出し順を制御する第1制御部と、
新聞の銘柄毎に中入れする折込チラシの種類に関する第2データを取得して、この第2データに基づいて複数の前記供給部による折込チラシの供給の有無を制御する第2制御部と、を有する、
請求項3に記載の新聞処理装置。
【請求項5】
複数銘柄の新聞を夫々取り出す複数の取出し部と、
複数の前記取出し部によって取り出される新聞に折込物を中入れする中入れ部と、
前記中入れ部によって折込物が中入れされた組込新聞を配達順に重ねる重ね部と、
を有する新聞処理装置。
【請求項6】
前記中入れ部は、複数の前記取出し部によって取り出される全ての新聞に折込物を中入れする、
請求項5に記載の新聞処理装置。
【請求項7】
前記配達順に関するデータを取得して、このデータに基づいて複数の前記取出し部による新聞の取出し順を制御する制御部を有する、
請求項5に記載の新聞処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば新聞にチラシなどの折込物を中入れして配達順に重ねる新聞処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞配達店は、複数種類の折込チラシを丁合する丁合機、丁合した折込チラシの束(以下、丁合束と称する)を新聞に中入れするインサータ、丁合束を中入れした新聞(以下、組込新聞と称する)を包装する包装機などを備える。新聞配達店の係員は、これらの装置を使って所定の数種類の折込チラシを新聞に中入れし、天候等に応じてフィルムにより包装して、配達順に積み重ねる。そして、配達員が、積み重ねられた組込新聞を各購読者に配達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、1つの新聞配達店が複数銘柄の新聞を配達する要求が高まりつつある。また、新聞の銘柄によって中入れする折込チラシの種類も異なる場合がある。このため、各銘柄の新聞に割り当てられた折込チラシを丁合して中入れし、且つ複数銘柄の組込新聞を配達順に積み重ねる必要がある。
【0005】
本発明は、複数銘柄の新聞にチラシなどの折込物を中入れして配達順に重ねることができる新聞処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る新聞処理装置は、複数の投入部と、複数の取出し部と、合流部と、中入れ部と、重ね部を有する。複数の投入部は、複数銘柄の複数部の新聞を銘柄毎に投入する。複数の取出し部は、複数の投入部を介して投入される各銘柄の新聞を夫々取り出す。合流部は、複数の取出し部によって複数の投入部から取り出される新聞を1つの搬送経路に合流させる。中入れ部は、合流部によって合流されて搬送経路を搬送される新聞に折込物を中入れする。重ね部は、中入れ部によって折込物が中入れされた組込新聞を重ねる。
【0007】
また、本発明の別の一態様に係る新聞処理装置は、複数の取出し部と、中入れ部と、重ね部を有する。複数の取出し部は、複数銘柄の新聞を夫々取り出す。中入れ部は、複数の取出し部によって取り出される新聞に折込物を中入れする。重ね部は、中入れ部によって折込物が中入れされた組込新聞を配達順に重ねる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、複数銘柄の新聞にチラシなどの折込物を中入れして配達順に重ねることができる新聞処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る新聞処理装置を示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の新聞処理装置の丁合機構を示す概略図である。
【
図3】
図3は、
図1の新聞処理装置の新聞供給機構を示す概略図である。
【
図4】
図4は、
図3の新聞供給機構へ投入する新聞の姿勢を説明するための図である。
【
図5】
図5は、
図1の新聞処理装置の新聞供給機構と組込機構を示す正面図である。
【
図6】
図6は、
図5の領域F6を部分的に拡大して示す部分拡大図である。
【
図7】
図7は、
図1の新聞処理装置の制御系を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図1の新聞処理装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8のフローチャートの組み込み処理を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図9のフローチャートの組み込み動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1変形例に係る新聞処理装置を示す外観斜視図である。
【
図12】
図12は、第2変形例に係る新聞処理装置を示す外観斜視図である。
【
図13】
図13は、第3変形例に係る新聞処理装置を示す外観斜視図である。
【
図14】
図14は、第4変形例に係る新聞処理装置を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る新聞処理装置100は、新聞供給機構1、丁合機構10、組込機構30、及びリフター50を、
図1に示すレイアウトで一体化した装置である。新聞供給機構1は、丁合機構10の筐体11の左側に並べて配置される。組込機構30は、丁合機構10の前方で新聞供給機構1の右側に並べて配置される。リフター50は、組込機構30の右側に並べて配置される。新聞供給機構1、丁合機構10、組込機構30、及びリフター50は、1つの筐体に組み込んでもよい。新聞処理装置100は、水平なフロアFに設置する。
【0011】
以下の説明では、丁合機構10における丁合束の排出方向を前方とし、新聞処理装置100を前方から見て上下、前後、左右の各方向を規定する。図中矢印X方向は、左から右に向かう方向であり、矢印Y方向は、後方から前方に向かう方向であり、矢印Z方向は、下から上に向かう方向である。各図において、X方向、Y方向、Z方向の矢印を適宜図示する。
【0012】
図2に示すように、丁合機構10は、Z方向に長い略直方体形状の筐体11を有する。筐体11のY方向に沿った前面側(図示左側)及び背面側(図示右側)には、Z方向に並んだ複数段の給紙トレイ12がある。給紙トレイ12は、筐体11の内側下方に向けて傾斜するように筐体11に取り付けられている。各給紙トレイ12は、筐体11に対して着脱可能である。それぞれの給紙トレイ12には、複数枚の折込チラシを重ねて投入することができる。全ての給紙トレイ12に異なる種類の折込チラシを投入してもよく、複数の給紙トレイ12に同じ種類の折込チラシを投入してもよい。また、給紙トレイ12には、複数種類の折込チラシを丁合した丁合束を複数束重ねて投入してもよい。筐体11の前方側の最下段にある給紙トレイ12aは、複数枚の折り紙を投入するための給紙トレイとして割り当てられている。
【0013】
筐体11内には、筐体11の中心を通ってZ方向に延びた搬送パス13がある。搬送パス13は、前面側の給紙トレイ12と背面側の給紙トレイ12の間でXZ平面に沿って設けられている。つまり、それぞれの給紙トレイ12から所定のタイミングで取り出された折込チラシは搬送パス13へ送り込まれて互いに重ねられる。そして、複数枚の折込チラシは搬送パス13を介して重なった状態のまま下方へ搬送される。搬送パス13には、複数組の搬送ローラ対14が設けられている。搬送ローラ対14は、重なった状態の複数枚の折込チラシを挟持しつつ回転する。
【0014】
それぞれの給紙トレイ12の傾斜方向の下端側、すなわち搬送パス13に近い中心寄りの端部には、それぞれ、第1給紙ローラ15及び第2給紙ローラ16が設けられている。第1給紙ローラ15は、給紙トレイ12に集積した複数枚の折込チラシのうちの最上端の折込チラシに接触するように配置されている。第2給紙ローラ16は、第1給紙ローラ15よりも折込チラシの給紙方向の下流側に設けられている。さらに、第2給紙ローラ16よりも折込チラシの給紙方向の下流側には、送りローラ対18が設けられている。
【0015】
第1給紙ローラ15は、給紙トレイ12に投入された複数枚の折込チラシのうち最も上の1枚の折込チラシに接触して回転し、最上端の折込チラシを送りローラ対18に向けて送る。第2給紙ローラ16は、捌き板17に2枚目以降の折込チラシの先端を押し付けることで2枚目以降の折込チラシが送りローラ対18まで送り込まれること(すなわち重送)を防止する。つまり、給紙トレイ12に投入された複数枚の折込チラシは、第1給紙ローラ15、第2給紙ローラ16、及び捌き板17によって、1枚ずつに分離されて送りローラ対18に送り込まれる。送りローラ対18は、搬送パス13へ折込チラシを送り込む。各段の給紙トレイ12、第1給紙ローラ15、第2給紙ローラ16、捌き板17、及び送りローラ対18は、複数種類の折込チラシを種類毎に供給する供給部として機能する。
【0016】
搬送パス13の下端には、折りローラ対19が配置されている。折りローラ対19は、そのニップが搬送パス13の延長線上に位置する姿勢で取り付けられている。搬送パス13を介して重なった状態で下方へ搬送された複数枚の折込チラシは、折りローラ対19のニップへ送り込まれる。
【0017】
折り紙を給紙するための給紙トレイ12aの給紙方向の下流側(図示右側)には、送りローラ対18aが設けられている。給紙トレイ12aの第1及び第2給紙ローラ15、16は、給紙トレイ12aに投入された折り紙を送りローラ対18aへ送り込む。送りローラ対18aは、第1及び第2給紙ローラ15、16によって給紙トレイ12aから取り出された折り紙を折りローラ対19の上方へ送り込む。また、給紙トレイ12aから給紙した折り紙の給紙方向の先端側には、停止部20が設けられている。停止部20は、折り紙の給紙方向の中央位置が折りローラ対19のニップに対向する位置で折り紙を停止させる。折りローラ対19の斜め上方には、折り込みナイフ21が配置されている。折り込みナイフ21は、折りローラ対19のニップに向けて折り紙の中央部を押し込む。
【0018】
それぞれの給紙トレイ12を介して投入された折込チラシは、搬送パス13でその取出し順に重ねられて折りローラ対19のニップへ送り込まれる。この時点で予め給紙された折り紙の中央は、折り込みナイフ21によって折り込まれている。そして、重なった状態で搬送パス13を介して搬送された複数枚の折込チラシは、折り紙の中央に押し込まれ、折りローラ対19の回転によって折り紙の間に挟み込まれる。折りローラ対19を通過して2つ折りの折り紙に複数枚の折込チラシを挟んだ状態の折込チラシの束、すなわち丁合束は、搬送ベルト22へ受け渡されて排出ローラ対23を介して筐体11の前面側に設けられた排出口24から排出される。
【0019】
搬送パス13、複数組の搬送ローラ対14、給紙トレイ12a、給紙トレイ12aの第1及び第2給紙ローラ15、16、送りローラ対18a、折りローラ対19、及び折り込みナイフ21は、複数段の給紙トレイ12から選択的に取り出された折込チラシを取出し順に丁合する丁合部として機能する。丁合した複数枚の折込チラシを折り紙の間に挟み込むこと無くそのまま排出することもでき、このように重ねただけの複数枚の折込チラシも丁合束と言える。この場合、丁合部として機能する構成は、搬送パス13と複数組の搬送ローラ対14となる。
【0020】
また、丁合機構10は、
図1に示すように、インタフェース装置としての操作パネル11aを備える。操作パネル11aは、筐体11の右側面の上方に取り付けられている。操作パネル11aは、図示の開位置と筐体11の右側面と略平行に折り畳んだ不図示の閉じ位置の間で回動可能に設けられている。操作パネル11aは、例えば表示素子を備えたタッチパネルである。オペレータは、操作パネル11aを操作して新聞処理装置100に関する各種設定入力を行う。
【0021】
図3に示すように、新聞供給機構1は、略直方体形状の筐体1aを有する。新聞供給機構1は、それぞれ、複数部の新聞を同じ向きで重ねて投入する第1投入部2及び第2投入部3を有する。第1投入部2は、筐体1aの上部にある。第1投入部2は、複数枚の支え板2aを備える。支え板2aは、図示の傾斜した姿勢で第1投入部2に着脱可能に取り付けられる。第2投入部3は、筐体1aの背面側(図示右側)にある。第2投入部3は、筐体1aの背面から後方に突設した給紙トレイ3aを備える。給紙トレイ3aは、筐体1aに向けて下方に傾斜している。
【0022】
第1投入部2及び第2投入部3には、それぞれ銘柄の異なる新聞を投入してもよく、同じ銘柄の新聞を投入してもよい。1つの投入部に複数銘柄の新聞を混在させて投入することはない。例えば、2銘柄の新聞それぞれに割り当てられた折込チラシを束ねた丁合束(それぞれ丁合する折込チラシの種類が違う丁合束であってもよく同じ種類であってもよい)を中入れして配達順に重ねる場合には、一方の銘柄の複数部の新聞を第1投入部2に重ねて投入し、もう一方の銘柄の複数部の新聞を第2投入部3に重ねて投入する。
【0023】
新聞Pは、例えば、
図4(a)に示すようにA1サイズの新聞紙を複数枚重ねた状態から中央の破線で図示矢印のように2つ折りにし、さらに
図4(b)に示すようにA2サイズの2つ折りの複数枚の新聞紙を中央の破線で矢印のように2つ折りにした状態(4つ折りにした状態)のもの(略A3サイズに折り畳んだ新聞P)(
図4c)を複数部重ねた状態で各投入部2、3へ投入される。
【0024】
筐体1aの上部にある第1投入部2へ新聞Pを投入する場合、オペレータは、折り目P-1を下方に配置し且つ折り目P-2を右方に配置した姿勢にして、複数部の新聞PをY方向に重ねて投入する。つまり、第1投入部2には、複数部の新聞Pを立位で重ねて投入する。第1投入部2に新聞Pを投入する際には、
図3の右側の支え板2aの後方(図示右側)に複数部の新聞Pをまとめて投入し、この支え板2aの方向に複数部の新聞Pの上端を傾けて支え板2aによって複数部の新聞Pの前側を支える。このように、複数部の新聞Pを立位で投入することで、新聞P同士の押圧力が弱くなり、新聞Pを重ねて取り出す重送の発生を抑制することができる。
【0025】
第1投入部2は、その底部に、無端状の送りベルト2bを備える。送りベルト2bは、第1投入部2の底部に沿って前方から後方に向けて移動する。第1投入部2は、その上端近くの左右両側に、複数の突起を有する無端状のガイドベルト2cを備える。左右一対のガイドベルト2cは、送りベルト2bと同期して、前方から後方に向けて移動する。支え板2aは、その下端を送りベルト2bによって後方に移動され、且つその左右両端縁をガイドベルト2cの突起によって後方に押されて、複数部の新聞Pを第1投入部2の後端にある取出し位置に向けて移動する。
【0026】
第1投入部2から新聞Pが取り出されて残り少なくなった際には、オペレータが複数部の新聞Pをまとめて追い投入する。この場合、オペレータは、第1投入部2に投入されている複数部の新聞Pの前方に重ねて別の支え板2a(
図3左側)を取り付け、この別の支え板2aの後方(2枚の支え板2aの間)に複数部の新聞Pを追い投入する。そして、オペレータは、後方の支え板2aを第1投入部2から取り除いて、残り少なくなった新聞Pの前方に追い投入した複数部の新聞Pを重ねる。さらに、オペレータは、追い投入した新聞Pの前方にある支え板2aを後方に移動して第1投入部2に投入している複数部の新聞Pの前端側を支える。
【0027】
筐体1aの背面側にある第2投入部3へ新聞Pを投入する場合、オペレータは、折り目P-1を前方に配置し且つ折り目P-2を右方に配置した姿勢にして、複数部の新聞PをZ方向に重ねて給紙トレイ3a上に載置する。第2投入部3に投入した複数部の新聞Pは、Z方向の最上端の新聞Pから順に取り出される。このため、取出し位置にある最上端の新聞Pとその下にある2部目の新聞Pの間に作用する押し付け力は非常に小さく、最上端の新聞Pの取出し時に2部目の新聞が連れ出されてしまう重送の問題を生じ難い。
【0028】
第2投入部3から新聞Pが取り出されて残り少なくなった際には、オペレータが複数部の新聞Pをまとめて追い投入する。この場合、オペレータは、第2投入部3に投入されている新聞PのZ方向の最下端の新聞Pと給紙トレイ3aの間に複数部の新聞Pを追い投入することができる。第2投入部3から取り出された新聞Pは、第1投入部2から取り出された新聞Pと同じ姿勢で後述する同一の搬送経路Tに合流される。
【0029】
第1投入部2の底部の後端近くには、重送を防止するための補助ローラ4と取出しローラ5aがある。補助ローラ4は、第1投入部2のY方向の後端にある取出し位置に移動された新聞Pの後面の下端近くに対向する位置にある。新聞Pの搬送経路T1を間に挟んで補助ローラ4に対向する位置には図示しないゴムシートがある。補助ローラ4は、搬送経路T1を通る新聞Pをゴムシートに押し付けて、取出し位置の新聞Pの前方に重なる2部目の新聞Pを分離して2部目の新聞Pの重送を防止するために設けられている。
【0030】
取出しローラ5aは、新聞Pの取出し方向に沿って補助ローラ4の下流側に配置されている。取出しローラ5aは、補助ローラ4によって分離された1部目の新聞Pを搬送ローラ対6aに向けて送り出す。補助ローラ4と取出しローラ5aが対向する搬送経路T1は、後方に向けて下方に傾斜しているため、新聞Pの自重により取出しが補助される。
【0031】
第1投入部2の送りベルト2b及びガイドベルト2c、補助ローラ4、取出しローラ5a、及び搬送ローラ対6aは、第1投入部2を介して投入された新聞Pを取り出す取出し部として機能する。
【0032】
第2投入部3の給紙トレイ3aの前端近くには、取出しローラ5bがある。取出しローラ5bは、給紙トレイ3a上に投入した複数部の新聞PのうちZ方向の最上端の新聞Pの上面に接触し、回転することで、この新聞Pを搬送ローラ対6bに向けて送り出す。搬送ローラ対6bを介して第2投入部3から取り出された新聞Pは、搬送経路T2を介して送りローラ対7aに送り込まれる。一方、搬送ローラ対6aを介して第1投入部2から搬送された新聞Pも、搬送経路T1を介して送りローラ対7aに送り込まれる。
【0033】
第2投入部3の取出しローラ5b、及び搬送ローラ対6bは、第2投入部3を介して投入された新聞Pを取り出す取出し部として機能する。
【0034】
送りローラ対7aの上流側には、搬送経路T1、T2に沿って配置したV字形の搬送ガイド6cがある。搬送ガイド6cは、搬送経路T1を介して第1投入部2から搬送された新聞Pの搬送方向の先端を送りローラ対7aのニップに向けてガイドするとともに、搬送経路T2を介して第2投入部3から搬送された新聞Pの搬送方向の先端を送りローラ対7aのニップに向けてガイドする。搬送ガイド6cと送りローラ対7aは、第1投入部2から送り出される新聞Pと第2投入部3から送り出される新聞Pを1つの搬送経路Tに合流させる合流部として機能する。
【0035】
送りローラ対7aの下流側の搬送経路Tには、2組の送りローラ対7b、7cと、複数の搬送ガイド7dがある。送りローラ対7aを介して1つの搬送経路Tに合流された新聞Pは、2組の送りローラ対7b、7cと複数の搬送ガイド7dを介して搬送経路Tを搬送され、新聞Pの搬送方向をXY平面に沿って90度変える方向変換部9へ送り込まれる。第1投入部2に投入する新聞Pと第2投入部3に投入する新聞Pの姿勢を上述した姿勢にすることにより、方向変換部9へ送り込まれる全ての新聞Pは、同じ姿勢(折り目P-1が前方に配置され且つ折り目P-2が右側に配置される向き)となる。なお、搬送経路T1と搬送経路T2が略同じ長さであるため、第1投入部2から取り出された新聞P及び第2投入部3から取り出された新聞Pは、その取り出し順に方向変換部9へ送り込まれることになる。
【0036】
図5に示すように、組込機構30は、新聞供給機構1の右側に並んで且つここでは図示していない丁合機構10の前方に対向して配置されている。組込機構30は、新聞供給機構1から供給された新聞Pに丁合機構10の排出口24から排出した丁合束を中入れする中入れ部として機能する。組込機構30は、新聞Pに丁合束を中入れした組込新聞をZ方向に重ねて集積する集積部31(
図1)を有する。集積部31は、重ね部として機能する。上述したように、新聞供給機構1の第1投入部2及び第2投入部3から取り出した新聞Pがその取出し順に方向変換部9へ送り込まれるため、方向変換部9から組込機構30を介して集積部31へ送り込まれる組込新聞の重ね順も新聞Pの取出し順となる。
【0037】
新聞供給機構1の方向変換部9は、方向変換部9に送り込まれた新聞PをX方向に送り出す送り出しローラ8(
図3)を有する。送り出しローラ8は、方向変換部9へ送り込まれた新聞Pの上面に接触する当接位置と当接位置から上方に退避した退避位置の間で移動可能に設けられている。退避位置は、方向変換部9へ送り込まれる新聞Pが退避位置に移動した送り出しローラ8に干渉することのない位置である。
【0038】
送り出しローラ8は、方向変換部9へ新聞Pが送り込まれるタイミングで当接位置から退避位置に移動する。つまり、送り出しローラ8は、方向変換部9へ新聞Pが送り込まれる度に上下に動作する。方向変換部9へ送り込まれた新聞Pは一旦停止し、送り出しローラ8を当接位置に移動した後、送り出しローラ8の回転により、組込機構30に向けてX方向へ送り出される。このとき、新聞Pは、折り目P-1で2分割した一方の上側部分P1(
図4c)が上を向く姿勢で組込機構30へ送り込まれる。
【0039】
組込機構30は、
図6に示すように、新聞Pの上側部分P1を吸着する吸着ノズル32、吸着ノズル32を上下に移動するソレノイド33、新聞Pの搬送経路の下方に配置した吸引チャンバ34、及び吸引チャンバ34に連通した吸気口35を有する。吸気口35は、吸着ノズル32の吸気口32aと上下に対向する位置にある。
【0040】
新聞供給機構1の方向変換部9からX方向へ送り出された新聞Pは、X方向の先端が吸着ノズル32の吸気口32aと吸気口35の間にさしかかるタイミングで一旦停止される。2つの吸気口32a、35は、停止した新聞Pの折り目P-2と折り目P-1から離間した後端縁の間の角部に対向する位置にある。
【0041】
組込機構30は、新聞Pを一旦停止した状態で、ソレノイド33を動作させて吸着ノズル32を下方に移動し、吸気口32aを新聞Pの上側部分P1の上面に接触させる。このとき、組込機構30は、図示しないブロアを動作させて吸着ノズル32と吸引チャンバ34を真空引きし、新聞Pの上側部分P1の角部を吸気口32aに吸着させ、新聞Pの下側部分P2の角部を吸気口35に吸着させる。
【0042】
この状態で、組込機構30は、ソレノイド33を動作させて吸着ノズル32を上方に移動し、吸気口32aに吸着した新聞Pの上側部分P1を上方に開く。このとき、新聞Pの下側部分P2は、吸気口35に吸着されているため、下側部分P2に対して上側部分P1が開かれる。新聞Pを開いた状態で、組込機構30は、新聞PのX方向への搬送を再開し、当該新聞Pを丁合機構10の排出口24に対向した中入れ位置へ送り込む。組込機構30は、開いた後に搬送を再開された新聞Pの上側部分P1を下から支えて新聞Pを開いた状態に保つための図示しないガイド部材を有する。
【0043】
組込機構30は、丁合機構10の排出口24に対向する位置に中入れ位置が配置されるようにレイアウトされている。よって、丁合機構10によって丁合されて排出された丁合束は、組込機構30によって開かれて中入れ位置へ送り込まれた新聞Pの下側部分P2と上側部分P1の間に挟み込まれる。このようにして丁合束を中入れした組込新聞は、
図1に示す排出ローラ36によって集積部31へ排出される。排出ローラ36は、開いた新聞Pを中入れ位置へ送り込むときに上方に退避し、丁合束を中入れした組込新聞を集積部31へ排出する際に組込新聞に接触する位置に移動する。
【0044】
集積部31で上下に重ねられた複数部の組込新聞は、所定数の組込新聞を集積したタイミングでX方向へ搬出されてリフター50へ受け渡される。リフター50は、所定数積み重ねられた組込新聞を所定の高さまで上昇させ、オペレータが持ち出し易い高さに複数部の組込新聞を配置する。
【0045】
図7に示すように、上述した新聞処理装置100は、主制御回路101と、副制御回路102、103、104、105と、表示器106と、操作スイッチ類107と、通信モジュール108を有する。主制御回路101は、副制御回路102、103、104、105の制御を含む新聞処理装置100の全体の動作を制御する回路である。
【0046】
主制御回路101は、例えばプロセッサ及びメモリにより構成される。主制御回路101のプロセッサは、メモリに記憶されている制御アプリケーションプログラムに従って新聞処理装置100の動作を制御する。
【0047】
例えば、主制御回路101は、新聞Pの配達順に関するデータ(第1データ)の入力を受けて、新聞供給機構1の第1及び第2投入部2、3から取り出す新聞Pの取出し順を制御する制御部(第1制御部)として機能する。また、主制御回路101は、新聞Pの銘柄毎に中入れする折込チラシの種類に関するデータ(第2データ)の入力を受けて、丁合機構10の複数段の給紙トレイ12から供給する折込チラシの供給の有無を制御する第2制御部として機能する。
【0048】
プロセッサは、例えばCPUであるが、必ずしもCPUとして構成される必要はない。また、主制御回路101は、ASIC等のハードウェアロジック回路として構成されていてもよい。また、プロセッサは、必ずしも単一のプロセッサで構成されている必要はなく、複数のプロセッサで構成されていてもよい。
【0049】
副制御回路102は、丁合機構10に接続される。副制御回路102は、主制御回路101の下で丁合機構10の動作を制御する専用回路である。副制御回路102は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0050】
副制御回路103は、新聞供給機構1に接続される。副制御回路103は、主制御回路101の下で新聞供給機構1の動作を制御する専用回路である。副制御回路103は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0051】
副制御回路104は、組込機構30に接続される。副制御回路104は、主制御回路101の下で組込機構30の動作を制御する専用回路である。副制御回路104は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0052】
副制御回路105は、リフター50に接続される。副制御回路105は、主制御回路101の下でリフター50の動作を制御する専用回路である。副制御回路105は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0053】
なお、新聞処理装置100は、副制御回路102、103、104、105以外の副制御回路を有していてもよい。
【0054】
表示器106は、LED及び操作パネル11aの液晶ディスプレイ等の、新聞処理装置100の各種の状態を表示するための表示器である。例えば、表示器106は、新聞処理装置100の電源がオンであることを示す表示をするための表示器を有する。また、表示器106は、各種の丁合回数を表示するためのカウンタを表示するための表示器を有する。丁合回数は、丁合動作の際の丁合された紙葉類の総数、残りの紙葉類の数といった情報を含む。また、表示器106は、各種の設定画面を表示するための表示器を有する。各種の設定は、段毎の折込チラシの設定、地域及び区域の設定等を含む。各種の設定は、組み込み動作の設定を含む。また、表示器106は、各種のエラーを報知するための表示器を有する。
【0055】
操作スイッチ類107は、新聞処理装置100に設けられる各種のスイッチ及び前述した操作パネル11aを含む。例えば、操作スイッチ類107のスイッチは、新聞処理装置100の電源スイッチを含む。また、例えば、操作スイッチ類107は、各種のモードスイッチを含む。モードスイッチは、新聞処理装置100の動作モードを設定するためのスイッチである。動作モードは、例えば、折込チラシの丁合のみをする丁合モード、予め丁合された丁合束を新聞Pに中入れする中入れモード、折込チラシを丁合してその丁合束を新聞Pに中入れする丁合・中入れモードなどを含む。操作スイッチ類107は、これらのスイッチ以外のスイッチを含んでもよい。また、操作スイッチ類107の各種のスイッチと同様の操作は、操作パネル11a上でも行われ得る。
【0056】
通信モジュール108は、新聞処理装置100がサーバ等の外部の機器と通信するための処理回路を含む。通信モジュール108は、例えば無線LAN通信に必要な無線通信モジュールを備えている。
【0057】
ここで、上述した新聞処理装置100の動作の一例について説明する。
図8に示すように、新聞処理装置100の主制御回路101は、ステップS1において、新聞処理装置100の電源をオンするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオンされたとき、新聞処理装置100の電源をオンすると判定される。また、主制御回路101は、通信モジュール108を介して外部からのコマンドの受信の有無を監視し、コマンドの受信が確認されたときに新聞処理装置100の電源をオンすると判定してもよい。ステップS1において、新聞処理装置100の電源をオンすると判定されるまで、主制御回路101は、処理を待機する。ステップS1において、新聞処理装置100の電源をオンすると判定されたとき、処理はステップS2に移行する。
【0058】
ステップS2において、主制御回路101は、新聞処理装置100の電源をオンして、新聞処理装置100の制御アプリケーションプログラムを起動し、例えば操作パネル11aに起動画面を表示させる。起動画面の表示中、主制御回路101は、新聞処理装置100の起動に必要な各種の処理を行う。
【0059】
起動処理の完了後のステップS3において、主制御回路101は、例えば操作パネル11aにメイン画面を表示する。メイン画面では、オペレータは、新聞処理装置100の丁合動作や組み込み動作を開始させたり、丁合動作中或いは組み込み動作中の各種の状態を確認したりすることができる。また、メイン画面から、オペレータは、種々の設定画面を表示させることができ、各種の設定が可能である。
【0060】
ステップS4において、主制御回路101は、丁合動作を実施するか否かを判定する。例えば、メイン画面において操作パネル11aの操作等によって丁合モードが選択されて、丁合動作の設定又は開始が指示されたときには丁合動作を実施すると判定される。一方、メイン画面において中入れモード或いは丁合・中入れモードが選択されて、組み込み動作の設定又は開始が指示された場合には組み込み動作を実施すると判定される。
【0061】
ステップS4において、丁合動作を実施すると判定されたときには、処理はステップS5に移行する。ステップS4において、丁合動作を実施しないと判定されたときには、処理はステップS11に移行する。
【0062】
丁合動作を実施すると判定された場合のステップS5において、主制御回路101は、丁合動作に係る設定を実施するか否かを判定する。例えば、操作パネル11aの操作等によって丁合動作に係る設定が指示されたときには丁合動作に係る設定を実施すると判定される。ステップS5において、丁合動作に係る設定が指示されたと判定されたときには、処理はステップS6に移行する。ステップS5において、丁合動作に係る設定が指示されていないと判定されたときには、処理はステップS7に移行する。
【0063】
ステップS6において、主制御回路101は、指示に従って丁合動作に係る設定をする。例えば、主制御回路101は、指示に従って、段毎の折込チラシの設定、地域及び区域の設定、動作モードの設定等をする。また、主制御回路101は、必要に応じて、副制御回路105の設定もする。また、設定に際して、主制御回路101は、必要に応じて例えば操作パネル11aに表示される設定画面を遷移させることも行う。丁合動作に係る設定の後、処理はステップS7に移行する。
【0064】
ステップS7において、主制御回路101は、丁合動作の開始が指示されたか否かを判定する。ステップS7において、丁合動作の開始が指示されたと判定されたときには、処理はステップS8に移行する。ステップS7において、丁合動作の開始が指示されていないと判定されたときには、処理はステップS10に移行する。
【0065】
ステップS8において、主制御回路101は、現在の設定に従って副制御回路102を制御して丁合機構10による丁合動作を実行させる。ステップS8において、主制御回路101は、副制御回路105を制御してリフター50を動作させてもよい。
【0066】
ステップS9において、主制御回路101は、丁合動作が完了したか否かを判定する。例えば、指定の数の丁合束の丁合が完了した場合に丁合動作が完了したと判定される。ステップS9において、丁合動作が完了していないと判定されたときには、処理はステップS8に戻る。ステップS9において、丁合動作が完了したと判定されたときには、処理はステップS10に移行する。
【0067】
ステップS10において、主制御回路101は、新聞処理装置100の電源をオフするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオフされたとき又は電源オフのコマンドが受信されたとき、新聞処理装置100の電源をオフすると判定される。ステップS10において、新聞処理装置100の電源をオフしないと判定されたとき、処理はステップS4に戻る。ステップS10において、新聞処理装置100の電源をオフすると判定されたとき、
図8の処理は終了する。
【0068】
組み込み動作を実施すると判定された場合のステップS11において、主制御回路101は、
図9に示す組み込み処理を実施する。組み込み処理の後、処理はステップS10に移行する。
【0069】
図9のステップS101において、主制御回路101は、組み込み処理に係る設定を実施するか否かを判定する。例えば、操作パネル11aの操作等によって組み込み処理に係る設定が指示されたときには組み込み処理に係る設定を実施すると判定される。ステップS101において、組み込み処理に係る設定が指示されたと判定されたときには、処理はステップS102に移行する。ステップS101において、組み込み処理に係る設定が指示されていないと判定されたときには、処理はステップS114に移行する。
【0070】
ステップS102において、主制御回路101は、データの入力があるか否かを判定する。実施形態では、例えば予め作成されている配達順データと新聞Pの各銘柄に割り当てられた折込チラシに関する折込データを取り込むことによって組み込み動作のための設定が行われる。ステップS102においては、取り込み用のデータがオペレータによって入力されたか否かが判定される。ステップS102においては、取り込み用のデータが入力されるまで待機する。ステップS102において、データの入力があったと判定されたときには、処理はステップS103に移行する。
【0071】
配達順データは、例えばCSV(Comma Separated Value)等の各種のフォーマットのデータでよい。配達順データは、新聞処理装置100が設置される新聞配達店舗において管理されていてもよいし、新聞配達店舗のデータを集中管理するサーバ等で管理されていてもよい。さらには、配達順データは、新聞配達店舗等とは別途に構築されたクラウドサーバにおいて管理されてもよい。
【0072】
折込データは、区域、チラシ名称、処理部数、使用棚、属性の情報を1つないし、複数、または、全てを含む内容のデータである。折込データは、例えばCSV(Comma Separated Value)等の各種のフォーマットのデータでよい。折込データは、新聞処理装置100が設置される新聞配達店舗において管理されていてもよいし、新聞配達店舗のデータを集中管理するサーバ等で管理されていてもよい。さらには、折込データは、新聞配達店舗等とは別途に構築されたクラウドサーバにおいて管理されてもよい。
【0073】
ステップS103において、主制御回路101は、入力された配達順データ及び折込データの項目と新聞処理装置100に予め設定されている組み込み処理に必須となる項目とをマッピングする。例えば、主制御回路101は、入力された配達順データの項目を認識し、認識した項目と類似している項目を対応付ける。このようなデータのマッピングの後、主制御回路101は、マッピング結果の確認画面を例えば操作パネル11aに表示する。なお、配達順データにおける各項目が新聞処理装置100に設定されている各項目と対応していることが保証されている場合、マッピングの処理は不要である。
【0074】
ステップS104において、主制御回路101は、新聞処理装置100のオペレータによる操作パネル11aの操作等により、項目の修正があるか否かを判定する。新聞処理装置100のオペレータは、項目が正しくマッピングされているか否かを確認する。項目が正しくマッピングされていない場合には、オペレータは、対応する項目を修正する。修正に関する操作があった場合に、主制御回路101は、項目の修正があると判定する。ステップS104において、項目の修正があると判定されたときには、処理はステップS105に移行する。ステップS104において、項目の修正がないと判定されたときには、処理はステップS106に移行する。
【0075】
ステップS105において、主制御回路101は、オペレータの修正の内容に従ってマッピング結果を修正する。これに伴って、主制御回路101は、マッピング結果の確認画面を更新する。その後、処理はステップS106に移行する。
【0076】
ステップS106において、主制御回路101は、オペレータの操作パネル11aの操作等により、マッピングの処理が完了したか否かを判定する。オペレータは、項目が正しくマッピングされていることを確認した後、表示されているOKボタンを選択する。この場合に、マッピングの処理が完了したと判定される。ステップS106において、マッピングの処理が完了したと判定されたときには、処理はステップS107に移行する。ステップS106において、マッピングの処理が完了していないと判定されたときには、処理はステップS104に戻る。
【0077】
ステップS107において、主制御回路101は、マッピングの処理の結果に基づいて組み込み設定画面を表示する。
【0078】
ステップS108において、主制御回路101は、組み込み設定画面内での設定データの入力があったか否かを判定する。ステップS108において、組み込み設定画面内での設定データの入力があったと判定されたときには、処理はステップS109に移行する。ステップS108において、組み込み設定画面内での設定データの入力がないと判定されたときには、処理はステップS107に戻る。
【0079】
ステップS109において、主制御回路101は、入力された設定データを例えばメモリに記憶する。
【0080】
ステップS110において、主制御回路101は、対応する組み込み設定画面における全ての設定データの入力が完了したか否かを判定する。ステップS110において、組み込み設定画面における全ての設定データの入力が完了していないと判定されたときには、処理はステップS107に戻る。この場合、主制御回路101は、次の組み込み設定画面を表示する。ステップS110において、組み込み設定画面におけるすべての設定データの入力が完了したと判定されたときには、処理はステップS111に移行する。
【0081】
ステップS111において、主制御回路101は、設定データに基づき給紙トレイ12の設定をする。例えば、主制御回路101は、使用すると選択された給紙トレイ12に折込チラシを割り当てる。新聞Pに折り込まれる折込チラシは、丁合動作において設定されたものであってもよいし、新たに設定されたものであってもよい。
【0082】
ステップS112において、主制御回路101は、組み込み処理に係る設定が完了したか否かを判定する。オペレータは、表示された給紙トレイ12の設定に従って折込チラシを給紙トレイ12に投入する。また、オペレータは、新聞供給機構1の各投入部2、3に所定の銘柄の新聞Pを投入する。そして、設定通りに新聞Pと折込チラシを投入し終えた後、表示されているOKボタンを選択する。このとき、主制御回路101は、組み込み処理に係る設定が完了したと判定する。ステップS112において、組み込み処理に係る設定が完了したと判定されるまで、主制御回路101は、処理を待機する。ステップS112において、組み込み処理に係る設定が完了したとき、処理はステップS113に移行する。
【0083】
ステップS113において、主制御回路101は、新聞供給機構1からの新聞Pの取出し順を設定する。その後、処理はステップS101に戻る。取出し順は、通常は、例えば配達順の逆順で決められる。また、配達順は、「順路」によって特定される。
【0084】
ステップS114において、主制御回路101は、組み込み動作の開始が指示されたか否かを判定する。ステップS114において、組み込み動作の開始が指示されたと判定されたときには、処理はステップS115に移行する。ステップS114において、組み込み動作の開始が指示されていないと判定されたときには、処理はステップS116に移行する。
【0085】
ステップS115において、主制御回路101は、現在の設定に従って組み込み動作を実行する。
【0086】
以下、組み込み動作について
図10を参照して説明する。
組み込み動作として、例えば、銘柄Aの新聞Pに対して設定された折込チラシを丁合し且つこの銘柄A用の丁合束Taを銘柄Aの新聞に中入れする動作と、丁合束Taを丁合して銘柄Aの新聞Pに中入れするとともに銘柄Bの新聞Pに対して設定された折込チラシを丁合し且つこの銘柄B用の丁合束Tbを銘柄Bの新聞に中入れする動作がある。ここでは、2つの銘柄の新聞Pを処理する後者の比較的複雑な動作について説明する。この他に、予め丁合した丁合束(新聞の銘柄に合わせて複数の丁合束を用意してもよい)を丁合機構10の給紙トレイ12から給紙して新聞P(複数銘柄の新聞であってもよい)に中入れする中入れモードでの組み込み動作があるが、丁合動作が無いだけの違いであるため、ここでは中入れモードに関する動作説明を省略する。
【0087】
ステップS201において、主制御回路101は、設定した配達順に従って新聞供給機構1の第1投入部2又は第2投入部3から新聞Pを取り出す。ステップS202において、主制御回路101は、配達順に取り出された新聞Pを組込機構30で開いて中入れ位置へ搬送する。
【0088】
ステップS1、S2と並行して実施されるステップS203において、主制御回路101は、各銘柄の新聞Pに割り当てられた折込チラシを丁合する。このとき、主制御回路101は、ステップP1にて取り出される新聞Pの銘柄に割り当てられた折込チラシを給紙トレイ12から給紙して、各銘柄に合った丁合束を作成する。
【0089】
ステップS204において、主制御回路101は、各銘柄に合わせて丁合した丁合束を中入れ位置へ搬送された新聞Pに中入れし、組込新聞を作成する。ステップS205において、主制御回路101は、ステップS204にて作成した組込新聞を集積部31へ排出して集積する。これにより、複数部の組込新聞が配達順に積み重ねられる。
【0090】
この後、ステップP206において、主制御回路101は、集積部31に予め決められた所定部数の組込新聞が集積されたか否かを判断する。ステップP206において所定部数の組込新聞が集積されたことが判断されると、主制御回路101は、ステップS207の処理に移行して、集積部31に集積した所定部数の組込新聞をリフター50へ移動する。
【0091】
そして、この後、主制御回路101は、ステップS208の判断に基づいて、組込新聞が予め設定した部数に達した時点で、
図10の処理を終了する。
【0092】
以上説明したように本実施形態の新聞処理装置100によれば、2種の異なる銘柄の新聞Pを配達順に取り出して、各銘柄の新聞に割り当てられた折込チラシの束を中入れして、組込新聞を配達順に重ねることができる。このため、新聞配達店舗において複数の銘柄の新聞Pを取り扱うことができ、各銘柄の新聞に合わせて折込チラシを丁合する必要が無く、且つそれぞれ丁合束を中入れした2銘柄の組込新聞を配達順に重ねる必要も無く、係員による作業負担を軽減することができ、作業効率を高めることができる。また、組込新聞を配達する配達員は、配達順に重ねられた組込新聞の束から順に組込新聞を取っていくだけで配達をすることができ、新聞の配達を容易且つ確実にすることができる。
【0093】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0094】
例えば、
図11に示す第1変形例に係る新聞処理装置200のように、上述した実施形態の新聞供給機構1の第2投入部3の代わりに筐体1aの後方側の上部に第3投入部61を有する新聞供給機構60を備えてもよい。第3投入部61は、概ね第1投入部2をXZ平面に対して反転した構造を有する。
【0095】
また、
図12に示す第2変形例に係る新聞処理装置300のように、上述した実施形態の第2投入部3の代わりに第1変形例の第3投入部61と略同じ構造の第4投入部71を第1投入部2の左側に設けた新聞供給機構70を備えてもよい。
【0096】
また、
図13に示す第3変形例に係る新聞処理装置400のように、第1変形例の新聞供給機構60の上方に新聞供給機構60と略同じ構造の新聞供給機構80を重ねて配置してもよい。第3変形例によると、新聞供給機構60の第1投入部2と第3投入部61に加えて、第5投入部81と第6投入部82を備えており、異なる銘柄の4種類の新聞Pを取り扱うことができる。
【0097】
また、
図14に示す第4変形例に係る新聞処理装置500のように、第3変形例の新聞供給機構80を第1変形例の新聞供給機構60の左側に並設した構造の新聞供給機構90を備えてもよい。第4変形例においても、第1変形例の第1投入部2と第3投入部61に加えて、第7投入部91と第8投入部92を備えており、異なる銘柄の4種類の新聞Pを取り扱うことができる。
【符号の説明】
【0098】
1…新聞供給機構、 1a…筐体、 2…第1投入部、 2a…支え板、 2b…送りベルト、 2c…ガイドベルト、 3…第2投入部、 3a…給紙トレイ、 4…補助ローラ、 5a、5b…取出しローラ、 6a、6b…搬送ローラ対、 7a、7b、7c…送りローラ対、 7d…搬送ガイド、 8…送り出しローラ、 9…方向変換部、 10…丁合機構、 11…筐体、 11a…操作パネル、 12、12a…給紙トレイ、 13…搬送パス、 14…搬送ローラ対、 15…第1給紙ローラ、 16…第2給紙ローラ、 17…捌き板、 18、18a…送りローラ対、 19…折りローラ対、 20…停止部、 21…折り込みナイフ、 22…搬送ベルト、 23…排出ローラ対、 24…排出口、 30…組込機構、 31…集積部、 32…吸着ノズル、 32a、35…吸気口、 33…ソレノイド、 36…排出ローラ、 50…リフター、 100…新聞処理装置、 101…主制御回路、 102、103、104、105…副制御回路、 106…表示器、 107…操作スイッチ類、 108…通信モジュール、 P…新聞、 P-1、P-2…折り目。
【要約】
【課題】複数銘柄の新聞にチラシなどの折込物を中入れして配達順に重ねることができる新聞処理装置を提供すること。
【解決手段】新聞処理装置は、複数の投入部と、複数の取出し部と、合流部と、中入れ部と、重ね部を有する。複数の投入部は、複数銘柄の複数部の新聞を銘柄毎に投入する。複数の取出し部は、複数の投入部を介して投入される各銘柄の新聞を夫々取り出す。合流部は、複数の取出し部によって複数の投入部から取り出される新聞を1つの搬送経路に合流させる。中入れ部は、合流部によって合流されて搬送経路を搬送される新聞に折込物を中入れする。重ね部は、中入れ部によって折込物が中入れされた組込新聞を重ねる。
【選択図】
図3