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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】バッテリー診断装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20240814BHJP
   G01R 31/3835 20190101ALI20240814BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240814BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240814BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G01R31/396
G01R31/3835
G01R31/392
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022581653
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2021020090
(87)【国際公開番号】W WO2022145998
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0184947
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヤン-ソ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヨン-チュル
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-51865(JP,A)
【文献】特開2015-204217(JP,A)
【文献】特開2008-118777(JP,A)
【文献】特開2015-103283(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189914(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/189915(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/189918(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/189919(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧測定周期毎にバッテリーモジュールに含まれ、直列に接続された複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定周期毎に前記電圧測定部から前記複数のバッテリーセルの電圧値を取得し、取得された前記複数のバッテリーセルに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出し、算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を複数の前記電圧測定周期を含む診断周期毎に算出し、現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいて前記バッテリーモジュールを診断する制御部と、を含む、バッテリー診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、
現在診断周期で算出された電圧変化率と前記基準変化率との大小を比較し、比較結果に基づいて前記バッテリーモジュールを診断する、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記現在診断周期で算出された電圧変化率が前記基準変化率以上である場合、以前診断周期で予め設定された参照変化率と前記現在診断周期で算出された電圧変化率に基づいて前記バッテリーモジュールを診断し、
前記現在診断周期で算出された電圧変化率が前記基準変化率未満である場合、前記バッテリーモジュールを正常モジュールと診断する、請求項2に記載のバッテリー診断装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記以前診断周期で算出された一つ以上の電圧変化率のうちの最も大きい電圧変化率を前記参照変化率として予め設定する、請求項3に記載のバッテリー診断装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記現在診断周期で算出された電圧変化率が前記基準変化率及び前記参照変化率以上である場合、前記バッテリーモジュールを欠陥モジュールと診断し、
前記現在診断周期で算出された電圧変化率が前記基準変化率以上であり、且つ、前記参照変化率未満である場合、前記バッテリーモジュールを前記正常モジュールと診断する、請求項3または4に記載のバッテリー診断装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記診断周期毎に、前記電圧変化率、前記基準変化率及び前記参照変化率のうちの少なくとも一つに基づいて前記バッテリーモジュールの状態を決定し、決定されたバッテリーモジュールの状態に応じて予め設定されたカウント値を調整し、調整されたカウント値と予め設定された基準値に基づいて前記バッテリーモジュールを診断する、請求項5に記載のバッテリー診断装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記調整されたカウント値が前記基準値以上である場合、前記バッテリーモジュールを前記欠陥モジュールと診断する、請求項6に記載のバッテリー診断装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記電圧変化率が前記基準変化率未満である場合、前記カウント値を減少させ、
前記電圧変化率が前記基準変化率以上であり、且つ、前記参照変化率未満である場合、前記カウント値を減少させ、
前記電圧変化率が前記基準変化率及び前記参照変化率以上である場合、前記カウント値を増加させる、請求項6または7に記載のバッテリー診断装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記電圧測定周期毎に前記複数の電圧値間の標準偏差または分散を計算することで前記電圧変化量を算出する、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリー診断装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記電圧測定周期毎に、前記複数のバッテリーセルのそれぞれに対応する電圧値に基づいて前記複数のバッテリーセルをそれぞれ診断する、請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリー診断装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリー診断装置を含む、バッテリーパック。
【請求項12】
電圧測定周期毎にバッテリーモジュールに含まれ、直列に接続された複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定する電圧測定段階と、
前記電圧測定周期毎に前記複数のバッテリーセルに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出する電圧変化量算出段階と、
算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を複数の前記電圧測定周期を含む診断周期毎に算出する電圧変化率算出段階と、
現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいて前記バッテリーモジュールを診断するバッテリーモジュール診断段階と、を含む、バッテリー診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月28日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0184947に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー診断装置及び方法に関し、より詳しくは、バッテリーモジュールに含まれた複数のバッテリーセルの電圧挙動に基づいてバッテリーモジュールの状態を診断するバッテリー診断装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどのバッテリーが商用化しているが、中でもリチウムバッテリーはニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
従来、バッテリーの電圧、温度及び電流変化量などを考慮してバッテリーの状態を診断している。特に、バッテリーの電圧を基準値と比較した結果に基づいて、バッテリーの過電圧及び/または低電圧がモニタリングされている。
【0006】
しかし、特定時点におけるバッテリーの電圧に基づいてバッテリーの状態を診断するため、バッテリーの電圧変動推移を把握できず、このような電圧変動推移に基づいてバッテリーの状態を診断し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数のバッテリーセルの電圧変動推移に基づいてバッテリーモジュールの状態を診断することができるバッテリー診断装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるバッテリー診断装置は、電圧測定周期毎にバッテリーモジュールに含まれた複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定するように構成された電圧測定部と、電圧測定周期毎に電圧測定部から複数のバッテリーセルの電圧値を取得し、取得された複数のバッテリーセルに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出し、算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を電圧測定周期とは相異なる診断周期毎に算出し、現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいてバッテリーモジュールを診断するように構成された制御部と、を含む。
【0010】
制御部は、現在診断周期で算出された電圧変化率と基準変化率との大小を比較し、比較結果に基づいてバッテリーモジュールを診断するように構成され得る。
【0011】
制御部は、電圧変化率が基準変化率以上である場合、現在診断周期以前に予め設定された参照変化率と電圧変化率に基づいてバッテリーモジュールを診断するように構成され得る。
【0012】
制御部は、電圧変化率が基準変化率未満である場合、バッテリーモジュールを正常モジュールと診断するように構成され得る。
【0013】
制御部は、現在診断周期以前に算出された一つ以上の電圧変化率のうちの最も大きい電圧変化率を参照変化率として予め設定するように構成され得る。
【0014】
制御部は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、バッテリーモジュールを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。
【0015】
制御部は、電圧変化率が基準変化率以上であり、且つ、参照変化率未満である場合、バッテリーモジュールを正常モジュールと診断するように構成され得る。
【0016】
制御部は、診断周期毎に、電圧変化率、基準変化率及び参照変化率のうちの少なくとも一つに基づいてバッテリーモジュールの状態を決定し、決定されたバッテリーモジュールの状態に応じて予め設定されたカウント値を調整し、調整されたカウント値と予め設定された基準値に基づいてバッテリーモジュールを診断するように構成され得る。
【0017】
制御部は、調整されたカウント値が基準値以上である場合、バッテリーモジュールを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。
【0018】
制御部は、電圧変化率が基準変化率未満である場合、カウント値を減少させるように構成され得る。
【0019】
制御部は、電圧変化率が基準変化率以上であり、且つ、参照変化率未満である場合、カウント値を減少させるように構成され得る。
【0020】
制御部は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、カウント値を増加させるように構成され得る。
【0021】
診断周期は、電圧測定周期よりも大きく設定され得る。
【0022】
本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるバッテリー診断装置を含む。
【0023】
本発明のさらに他の一態様によるバッテリー診断方法は、電圧測定周期毎にバッテリーモジュールに含まれた複数のバッテリーセルのそれぞれの電圧を測定する電圧測定段階と、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出する電圧変化量算出段階と、算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を電圧測定周期とは相異なる診断周期毎に算出する電圧変化率算出段階と、現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいてバッテリーモジュールを診断するバッテリーモジュール診断段階と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールに含まれた複数のバッテリーセルの電圧挙動に基づいてバッテリーモジュールの状態を診断することができる。
【0025】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであり、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置を概略的に示した図である。
図2】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの例示的構成を概略的に示した図である。
図3】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示した図である。
図4】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法のうち、バッテリーモジュール診断段階の一実施例を概略的に示した図である。
図5】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法のうち、バッテリーモジュール診断段階の他の実施例を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
また、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちのある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0032】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけでなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0035】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置100を概略的に示した図であり、図2は本発明の他の一実施形態によるバッテリーパック1の例示的構成を概略的に示した図である。
【0036】
図1を参照すると、バッテリー診断装置100は、電圧測定部110及び制御部120を含む。
【0037】
電圧測定部110は、電圧測定周期毎にバッテリーモジュールBMに含まれた複数のバッテリーセルBのそれぞれの電圧を測定するように構成され得る。
【0038】
ここで、バッテリーモジュールBMは、直列に接続された複数のバッテリーセル、または、直列及び並列に接続された複数のバッテリーセルを備え得る。そして、バッテリーセルは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、一つのパウチ型リチウムポリマーセルをバッテリーとして見なし得る。
【0039】
また、電圧測定周期は、電圧測定部110が複数のバッテリーセルBのそれぞれの電圧を測定するように予め設定された周期であり得る。例えば、電圧測定周期は1秒であり得る。
【0040】
例えば、図2の実施形態において、バッテリーモジュールBMには、5個のバッテリーセル(B1~B5)が含まれ得る。
【0041】
また、図2の実施形態において、電圧測定部110は、第1センシングラインSL1、第2センシングラインSL2、第3センシングラインSL3、第4センシングラインSL4、第5センシングラインSL5及び第6センシングラインSL6に接続され得る。電圧測定部110は、第1センシングラインSL1及び第2センシングラインSL2を通じて第1バッテリーセルB1の電圧を測定し、第2センシングラインSL2及び第3センシングラインSL3を通じて第2バッテリーセルB2の電圧を測定し得る。また、電圧測定部110は、第3センシングラインSL3及び第4センシングラインSL4を通じて第3バッテリーセルB3の電圧を測定し、第4センシングラインSL4及び第5センシングラインSL5を通じて第4バッテリーセルB4の電圧を測定し、第5センシングラインSL5及び第6センシングラインSL6を通じて第5バッテリーセルB5の電圧を測定し得る。
【0042】
制御部120は、電圧測定周期毎に電圧測定部110から複数のバッテリーセルBの電圧値を取得するように構成され得る。
【0043】
例えば、図2の実施形態において、電圧測定部110と制御部120とは通信可能に互いに接続され得る。電圧測定部110は、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルBの電圧を測定し、測定された電圧値を制御部120に送信し得る。したがって、制御部120は、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルBの電圧値を取得し得る。
【0044】
制御部120は、取得された複数のバッテリーセルBに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出するように構成され得る。
【0045】
例えば、図2の実施形態において、制御部120は、第1バッテリーセルB1~第5バッテリーセルB5の電圧値間の電圧変化量を算出し得る。
【0046】
具体的には、制御部120は、電圧測定周期毎に複数の電圧値間の標準偏差または分散を計算することで、電圧変化量を算出するように構成され得る。すなわち、制御部120によって算出される電圧変化量は、同一時点で測定された複数の電圧値の標準偏差または分散であり得る。
【0047】
制御部120は、算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を電圧測定周期とは相異なる診断周期毎に算出するように構成され得る。
【0048】
ここで、診断周期は、電圧変化率が算出される周期であって、バッテリーモジュールBMを診断するための周期であり得る。望ましくは、診断周期は、電圧測定周期よりも大きく設定され得る。例えば、診断周期は100秒に設定され得る。
【0049】
例えば、上述した実施形態のように、電圧測定周期は1秒であり、診断周期は100秒であると仮定する。制御部120は、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルBに対する電圧変化量を算出するため、診断周期が到来する度に制御部120によって100個の電圧変化量が算出され得る。制御部120は、100個の電圧変化量間の平均変化率を算出することで、現在診断周期に対する電圧変化率を算出し得る。
【0050】
具体的には、第n-1診断周期の以後第n診断周期まで総100個の電圧変化量が算出され得る。例えば、電圧測定周期(1秒)によって第1電圧変化量~第100電圧変化量が算出され得る。制御部120は、下記数式1を用いて第1電圧変化量と第100電圧変化量との平均変化率を計算することで、第N診断周期に対する電圧変化率を算出し得る。
【0051】
[数式1]
VRn=(Sm-S1)÷m
【0052】
ここで、VRnは第n診断周期の電圧変化率である。mは第n-1診断周期の以後第n診断周期まで算出された電圧変化量の個数である。例えば、mは「診断周期÷電圧測定周期」によって計算され得る。Smは第n診断周期で最後に算出された電圧変化量であり、S1は第n診断周期で最初に算出された電圧変化量である。
【0053】
例えば、診断周期が100秒であり、電圧測定周期が1秒であり、現在第3診断周期であると仮定する。第3診断周期で電圧変化量は総100個算出され得る。すなわち、数式1において、mは100(「100÷1」の計算結果)であり得る。Smは100回目に算出された電圧変化量であり、Siは1回目に算出された電圧変化量であり得る。数式1によれば、第3診断周期の電圧変化率(VR3)は「(S100-S1)÷100」によって算出され得る。
【0054】
制御部120は、現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0055】
ここで、基準変化率は、バッテリーモジュールBMを欠陥状態または正常状態と診断するための基準になる電圧変化率であり得る。望ましくは、基準変化率は、BOL(Beginning of Life)状態のバッテリーモジュールBMに対応するように設定され得る。ここで、BOL状態のバッテリーモジュールBMとは、BOL状態のバッテリーセルを一つ以上含むバッテリーモジュールBMを意味する。
【0056】
例えば、制御部120は、現在診断周期で算出された電圧変化率と基準変化率との大小を比較し、比較結果に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0057】
本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置100は、複数のバッテリーセルBに対する電圧変化量の電圧変化率を周期的に算出し得る。すなわち、診断周期毎にバッテリーモジュールBMに含まれた複数のバッテリーセルBの電圧分布に対する平均変化率が算出され得る。そして、電圧分布に対する平均変化率(電圧変化率)と基準変化率に基づいてバッテリーモジュールBMが診断され得る。したがって、バッテリー診断装置100は、診断周期の間の複数のバッテリーセルBの電圧挙動に考慮することで、バッテリーモジュールBMの状態をより正確に診断することができる。
【0058】
一方、バッテリー診断装置100に備えられた制御部120は、本発明で行われる多様な制御ロジックを実行するため、当業界に知られたプロセッサ、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、制御部120は、プログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、制御部120によって実行され得る。メモリは、制御部120の内部または外部に備えられ得、周知の多様な手段で制御部120と接続され得る。
【0059】
また、バッテリー診断装置100は、保存部130をさらに含み得る。保存部130は、バッテリー診断装置100の各構成要素が動作及び機能を行うのに必要なデータ、若しくは、プログラムまたは動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを保存し得る。保存部130は、データを記録、消去、更新及び読出できると知られた公知の情報記録手段であれば、その種類に特に制限がない。一例として、情報記録手段には、RAM、フラッシュ(登録商標)メモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれ得る。また、保存部130は、制御部120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存し得る。
【0060】
例えば、電圧測定周期毎に電圧測定部110によって測定される複数のバッテリーセルBの電圧及び制御部120によって算出された電圧変化量は、保存部130に保存され得る。また、BOL状態のバッテリーモジュールBMに対する基準変化率も保存部130に予め保存され得る。制御部120は、保存部130にアクセスして診断周期の間に算出された複数の電圧変化量を取得し、予め設定された基準変化率を取得し得る。
【0061】
以下、制御部120がバッテリーモジュールBMを診断する一実施例を説明する。
【0062】
まず、電圧測定周期は1秒であり、診断周期は100秒であり、現在診断周期は第5診断周期であると仮定する。第1診断周期(1秒~100秒)に対して第1電圧変化率が算出され、第2診断周期(101秒~200秒)に対して第2電圧変化率が算出され得る。また、第3診断周期(201秒~300秒)に対して第3電圧変化率が算出され、第4診断周期(301秒~400秒)に対して第4電圧変化率が算出され、第5診断周期(401秒~500秒)に対して第5電圧変化率が算出され得る。
【0063】
制御部120は、現在診断周期で算出された電圧変化率と基準変化率との大小を比較し、比較結果に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0064】
具体的には、電圧変化率が基準変化率未満である場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断するように構成され得る。
【0065】
例えば、現在診断周期で算出された第5電圧変化率が基準変化率未満である場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。
【0066】
すなわち、制御部120は、現在診断周期で算出された複数のバッテリーセルBの電圧変化率が基準変化率未満である場合、現在診断周期の電圧変化率を以前診断周期の電圧変化率と比較せず、バッテリーモジュールBMを正常状態と診断し得る。
【0067】
逆に、電圧変化率が基準変化率以上である場合、制御部120は、以前診断周期で予め設定された参照変化率と電圧変化率に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0068】
ここで、制御部120は、以前診断周期で算出された一つ以上の電圧変化率のうちの最も大きい電圧変化率を参照変化率として予め設定するように構成され得る。
【0069】
例えば、第1電圧変化率~第4電圧変化率のうち、第3電圧変化率が最も大きいと仮定する。制御部120は、第5診断周期以前に第1電圧変化率~第4電圧変化率のうち大きさが最も大きい第3電圧変化率を参照変化率として予め設定し得る。
【0070】
制御部120は、電圧変化率が基準変化率以上であり、且つ、参照変化率未満である場合、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断するように構成され得る。
【0071】
例えば、第5電圧変化率が基準変化率以上であるが、参照変化率(第3電圧変化率)未満である場合、制御部120は、第5診断周期でバッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。すなわち、制御部120は、第5診断周期で複数のバッテリーセルBの第5電圧変化率が基準変化率以上であるが、参照変化率(第3電圧変化率)未満である場合、複数のバッテリーセルBの電圧偏差に対する変化率が以前診断周期よりも増加していないと判断し得る。したがって、制御部120は、現在周期の電圧変化率が基準変化率以上であるが、参照変化率未満である場合は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。
【0072】
逆に、制御部120は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。
【0073】
例えば、現在診断周期(第5診断周期)の電圧変化率(第5電圧変化率)が基準変化率及び参照変化率(第3電圧変化率)以上である場合、制御部120は、複数のバッテリーセルBの電圧偏差に対する変化率が基準変化率以上であり、且つ、以前診断周期よりも増加していると判断し得る。すなわち、制御部120は、現在周期のバッテリーモジュールBMに含まれた複数のバッテリーセルB同士の退化度が不均一であると判断し得る。したがって、制御部120は、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断し得る。
【0074】
まとめると、バッテリー診断装置100は、電圧変化率が基準変化率未満であれば、参照変化率を考慮せずにバッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。また、バッテリー診断装置100は、電圧変化率が基準変化率以上であるものの、参照変化率未満であれば、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。最後に、バッテリー診断装置100は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断し得る。
【0075】
すなわち、バッテリー診断装置100は、バッテリーモジュールBMの状態を診断する過程で、現在診断周期の電圧変化率、基準変化率及び参照変化率をすべて考慮することができる。電圧変化率と基準変化率との比較を通じてBOL状態のバッテリーモジュールBMに対比する現在のバッテリーモジュールBMの状態が診断される。また、電圧変化率と参照変化率との比較を通じて複数のバッテリーセルBの不均一退化に対するバッテリーモジュールBMの状態が診断される。したがって、バッテリー診断装置100は、現在診断周期におけるバッテリーモジュールBMの状態をより多様な面で診断することができる。
【0076】
一方、制御部120は、現在診断周期以前に算出された一つ以上の電圧変化率のうちの最も大きい電圧変化率を参照変化率として設定するように構成され得る。
【0077】
例えば、上述した実施例のように、制御部120が第1電圧変化率~第5電圧変化率を算出し、第5電圧変化率が最近算出されたものであると仮定する。制御部120は、第5電圧変化率を除いた第1電圧変化率~第4電圧変化率のうち、大きさが最も大きい電圧変化率を参照変化率として設定し得る。以下では、第1電圧変化率が参照変化率として設定されたと仮定する。
【0078】
制御部120は、参照変化率と電圧変化率との大きさを比較し、比較結果に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0079】
具体的には、電圧変化率が参照変化率以上である場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。例えば、電圧変化率として設定された第5電圧変化率が参照変化率として設定された第1電圧変化率以上である場合、バッテリーモジュールBMの状態は欠陥モジュールと診断され得る。
【0080】
逆に、電圧変化率が参照変化率未満である場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断するように構成され得る。例えば、電圧変化率として設定された第5電圧変化率が参照変化率として設定された第1電圧変化率未満である場合、バッテリーモジュールBMの状態は正常モジュールと診断され得る。
【0081】
本発明の一実施例において、制御部120は、バッテリーモジュールBMに対する電圧変化率が増加する場合、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断し得る。ここで、電圧変化率が増加する場合とは、複数のバッテリーセルBに対する電圧変化量(標準偏差または分散)が増加する場合であり得る。例えば、複数のバッテリーセルB同士の不均一退化によって複数のバッテリーセルBに対する電圧偏差が増加する場合、バッテリーモジュールBMの電圧変化率が増加し得る。したがって、バッテリー管理装置は、電圧変化率と参照変化率とを比較した結果に基づいてバッテリーモジュールBMを診断し得る。
【0082】
一方、制御部120は、バッテリーモジュールBMを診断することと並列的に、電圧測定周期毎に、複数のバッテリーセルBのそれぞれに対応する電圧値に基づいて複数のバッテリーセルBをそれぞれ診断するように構成され得る。
【0083】
具体的には、バッテリーセルの電圧に対する上限電圧値及び下限電圧値が予め設定され得る。制御部120は、電圧測定部110から受信した電圧値が上限電圧値以上であるバッテリーセルを過電圧状態と診断し得る。また、制御部120は、受信した電圧値が下限電圧値以下であるバッテリーセルを低電圧状態と診断し得る。制御部120は、電圧値が上限電圧値未満であり、且つ、下限電圧値を超過するバッテリーセルを正常状態と診断し得る。
【0084】
すなわち、制御部120は、診断周期毎にバッテリーモジュールBMの状態を診断できることは勿論、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルBの状態をそれぞれ診断することができる。
【0085】
したがって、バッテリー管理装置によって複数のバッテリーセルBのそれぞれの状態及びバッテリーモジュールBMの状態をすべて診断することができる。
【0086】
以下、制御部120がカウント値を調整し、調整されたカウント値によってバッテリーモジュールBMを診断する実施例について説明する。
【0087】
制御部120は、診断周期毎に、電圧変化率、基準変化率及び参照変化率のうちの少なくとも一つに基づいてバッテリーモジュールBMの状態を決定し、決定されたバッテリーモジュールBMの状態に応じて予め設定されたカウント値を調整するように構成され得る。
【0088】
ここで、カウント値は、初期値及び最小値が0に設定され得る。そして、カウント値は、制御部120によって1ずつ増加または減少しながら調整され得る。
【0089】
具体的には、制御部120によってバッテリーモジュールBMが欠陥モジュールと診断される場合、バッテリーモジュールBMの使用が中断され、交換が要請され得る。すなわち、バッテリーモジュールBMが正常モジュールと診断される場合と異なり、欠陥モジュールと診断される場合は、該当バッテリーモジュールBMに対するペナルティがあり得る。したがって、制御部120は、より厳しい基準をもって保守的にバッテリーモジュールBMを欠陥状態と診断するように構成され得る。
【0090】
例えば、制御部120は、電圧変化率が基準変化率未満である場合、カウント値を減少させるように構成され得る。この場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。もし、既存のカウント値が0である場合、カウント値はそれ以上減少できないため(最小値が0に設定されたため)、カウント値は0に維持される。
【0091】
また、制御部120は、電圧変化率が基準変化率以上であり、且つ、参照変化率未満である場合、カウント値を減少させるように構成され得る。この場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。
【0092】
また、制御部120は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、カウント値を増加させるように構成され得る。この場合、制御部120は、直ちにバッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断せず、調整されたカウント値と予め設定された基準値に基づいてバッテリーモジュールBMを診断するように構成され得る。
【0093】
ここで、基準値は、予め設定された値であって、自然数に設定され得る。
【0094】
具体的には、制御部120は、調整されたカウント値が基準値以上である場合、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。
【0095】
例えば、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、カウント値は増加し得る。そして、調整されたカウント値が基準値以上であれば、バッテリーモジュールBMが欠陥モジュールと診断され得る。すなわち、制御部120は、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合が基準値以上発生すれば、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断するように構成され得る。したがって、制御部120は、厳しい基準をもってバッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断するため、正常モジュールを欠陥モジュールに誤診断する可能性が著しく減少する。
【0096】
但し、電圧変化率が基準変化率未満である場合、または、電圧変化率が基準変化率以上であるものの参照変化率未満である場合、制御部120は、カウント値を減少させ得る。すなわち、このような場合は、調整されたカウント値が基準値未満である。したがって、制御部120は、システム資源をより効率的に使用してシステム資源の無駄使いを防止するため、調整されたカウント値と基準値とを比較しなくてもバッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。
【0097】
本発明の一実施例によるバッテリー診断装置100は、カウント値と基準値に基づいた厳しい基準をもってバッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断し得る。したがって、バッテリー管理装置は、正常モジュールが欠陥モジュールに誤診断されることを防止することができる。
【0098】
本発明によるバッテリー診断装置100は、BMS(Battery Management System、バッテリー管理システム)に適用可能である。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリー診断装置100を含み得る。このような構成において、バッテリー診断装置100の各構成要素の少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、バッテリー診断装置100の電圧測定部110、制御部120及び保存部130は、BMSの構成要素として具現され得る。
【0099】
また、本発明によるバッテリー診断装置100は、バッテリーパック1に備えられ得る。例えば、図2を参照すると、本発明によるバッテリーパック1は、バッテリー診断装置100及びバッテリーモジュールBMを含み得る。また、バッテリーパック1は電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0100】
図3は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示した図である。
【0101】
望ましくは、バッテリー診断方法の各段階はバッテリー管理装置によって実行できる。以下では、上述した説明と重なる内容は省略するか又は簡単に説明する。
【0102】
図3を参照すると、バッテリー診断方法は、電圧測定段階S100、電圧変化量算出段階S200、電圧変化率算出段階S300、及びバッテリーモジュール診断段階S400を含み得る。
【0103】
電圧測定段階S100は、電圧測定周期毎にバッテリーモジュールBMに含まれた複数のバッテリーセルBのそれぞれの電圧を測定する段階であって、電圧測定部110によって実行できる。
【0104】
電圧変化量算出段階S200は、電圧測定周期毎に複数のバッテリーセルBに対する複数の電圧値間の電圧変化量を算出する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0105】
制御部120は、電圧測定部110から複数のバッテリーセルBに対する複数の電圧値を受信し、受信した複数の電圧値間の電圧変化量を算出し得る。
【0106】
例えば、制御部120は、複数の電圧値間の分散または標準偏差を計算することで、電圧変化量を算出し得る。
【0107】
電圧変化率算出段階S300は、算出された複数の電圧変化量間の電圧変化率を電圧測定周期とは相異なる診断周期毎に算出する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0108】
電圧測定周期が1秒であり、診断周期が100秒であると仮定する。制御部120は、1秒毎に測定される複数のバッテリーセルBに対する複数の電圧値の電圧変化量を算出し得る。そして、制御部120は、100秒毎に複数の電圧変化量に対する電圧変化率を算出し得る。この場合、制御部120は、100秒毎に100個の電圧変化量に対する電圧変化率を算出し得る。
【0109】
例えば、制御部120は、該当診断周期で1回目に算出された電圧変化量と最後に算出された電圧変化量との平均変化率を計算することで、該当診断周期に対する電圧変化率を算出し得る。
【0110】
バッテリーモジュール診断段階S400は、現在診断周期まで算出された一つ以上の電圧変化率と予め設定された基準変化率に基づいてバッテリーモジュールBMを診断する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0111】
図4は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法のうち、バッテリーモジュール診断段階S400の一実施例を概略的に示した図である。
【0112】
図4を参照すると、バッテリーモジュール診断段階S400は、段階S410~段階S440を含み得る。
【0113】
段階S410において、電圧変化率と基準変化率とが比較され得る。具体的には、現在診断周期で算出された電圧変化率の大きさと基準変化率の大きさとが比較され得る。電圧変化率が基準変化率以上であれば段階S420が行われ、電圧変化率が基準変化率未満であれば段階S440が行われ得る。
【0114】
段階S420において、電圧変化率と参照変化率とが比較され得る。具体的には、現在診断周期で算出された電圧変化率の大きさと現在診断周期以前に予め設定された参照変化率の大きさとが比較され得る。すなわち、現在診断周期で算出された電圧変化率の大きさと以前診断周期で算出された一つ以上の電圧変化率のうちの最も大きい参照変化率の大きさとが比較され得る。電圧変化率が参照変化率以上であれば段階S430が行われ、電圧変化率が基準変化率未満であれば段階S440が行われ得る。
【0115】
段階S430において、バッテリーモジュールBMは欠陥モジュールと診断され得る。すなわち、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、制御部120は、バッテリーモジュールBMを欠陥モジュールと診断し得る。
【0116】
段階S440において、バッテリーモジュールBMは正常モジュールと診断され得る。すなわち、電圧変化率が基準変化率未満であるか、または、電圧変化率が基準変化率以上であるが参照変化率未満であれば、制御部120は、バッテリーモジュールBMを正常モジュールと診断し得る。
【0117】
図5は本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー診断方法のうち、バッテリーモジュール診断段階S400の他の実施例を概略的に示した図である。
【0118】
図5を参照すると、バッテリーモジュール診断段階S400は、段階S410~段階S470を含み得る。以下では、図4の実施例との相違点を中心にして図5の実施例を説明する。
【0119】
段階S410において、電圧変化率が基準変化率以上であれば段階S420が行われ、電圧変化率が基準変化率未満であれば段階S460が行われ得る。
【0120】
段階S420において、電圧変化率が参照変化率以上であれば段階S450が行われ、電圧変化率が参照変化率未満であれば段階S460が行われ得る。
【0121】
段階S450において、カウント値が増加し得る。例えば、カウント値は初期値及び最小値が0に設定され、1ずつ増加し得る。すなわち、電圧変化率が基準変化率及び参照変化率以上である場合、制御部120は、カウント値を増加させ得る。カウント値が増加した後、段階S470が行われ得る。
【0122】
段階S470において、カウント値と基準値とが比較され得る。具体的には、段階S450で増加したカウント値が基準値以上であれば段階S430が行われ得る。逆に、段階S450で増加したカウント値が基準値未満であれば段階S440が行われ得る。
【0123】
段階S460において、カウント値が減少し得る。すなわち、電圧変化率が基準変化率未満であるか、または、電圧変化率が基準変化率以上であるが参照変化率未満であれば、制御部120は、カウント値を減少させ得る。但し、カウント値は設定された最小値未満には減少しない。段階S460の後、段階S440が行われてバッテリーモジュールBMが正常モジュールと診断され得る。
【0124】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
【0125】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0126】
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0127】
1:バッテリーパック
100:バッテリー診断装置
110:電圧測定部
120:制御部
130:保存部
BM:バッテリーモジュール
C:複数のバッテリーセル
図1
図2
図3
図4
図5