(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】横方向に不均質な波長変換層
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20240814BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/58
(21)【出願番号】P 2023533409
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 US2021061372
(87)【国際公開番号】W WO2022119903
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-09-25
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベーマー,マルセル ルネ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニー
(72)【発明者】
【氏名】シミズ,ケン
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-152851(JP,A)
【文献】特開2016-219675(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195620(WO,A1)
【文献】特開2013-247067(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0250316(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置であって、
複数のマイクロLEDおよび隣接するマイクロLED同士を分離する非発光領域を有するアレイと、
前記アレイ上に配置された固体波長変換層であって、
前記複数のマイクロLEDと整列され
た複数の第1の領域であって、第1の透明バインダ材料で相互に結合された第1の特徴サイズの蛍光体粒子、または第1の透明バインダ材料内に分散された第1の特徴サイズの蛍光体粒子を含む、複数の第1の領域、および
前記非発光領域と整列され
た第2の領域であって、第2の透明バインダ材料で相互に結合された第2の特徴サイズの蛍光体粒子、または第2の透明バインダ材料内に分散された第2の特徴サイズの蛍光体粒子を含む、第2の領域、
を有し、前記第2の領域は、前記第1の領域により示される光散乱よりも大きな光散乱を示す、固体波長変換層と、
を有する、発光装置。
【請求項2】
前記第1の特徴サイズは、前記第2の特徴サイズとは異なる、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2の特徴サイズは、前記第1の特徴サイズの50%未満である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1の特徴サイズは、10μm未満であり、または前記第2の特徴サイズは、5μm未満である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記アレイの前記マイクロLEDの間隔は、0.10mm未満であり、または前記アレイの隣接するマイクロLEDを分離する前記非発光領域の幅は、0.010mm未満である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
(i)前記第1の領域は、透明な第1の固体媒体に埋設された、前記第1の特徴サイズの前記蛍光体粒子を有し、
(ii)前記第2の領域は、透明な第2の固体媒体に埋設された、前記第2の特徴サイズの前記蛍光体粒子を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1の領域は、前記第1の固体媒体および前記第2の固体媒体を特徴付け
る組成または屈折率に関して、前記第2の領域とは異なる、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
さらに、前記第2の固体媒体に埋設された散乱粒子を有する、請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1の固体媒体は、1つ以上のポリマーを含み、または前記第2の固体媒体は、1つ以上のポリマーを含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1の固体媒体は、1つ以上のシリコーンを含み、前記第2の固体媒体は、1つ以上のシリコーンを含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1および第2の固体媒体は、同じ材料組成を有する、請求項6に記載の発光装置。
【請求項12】
(i)前記第1の領域は、前記第1の特徴サイズの前記蛍光体粒子と、前記第1の領域の前記蛍光体粒子上の透明な第1のコーティングと、を有し
、
(ii)前記第2の領域は、前記第2の特徴サイズの前記蛍光体粒子と、前記第2の領域の前記蛍光体粒子上の透明な第2のコーティングと、を
有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の領域は、前記第1の領域の前記蛍光体粒子間の空隙および前記第2の領域の前記蛍光体粒子間の空隙を特徴付ける
、サイズ、数密度、または体積率に関して、前記第2の領域とは異なる、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1の領域は、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングを特徴付ける
、厚さ、組成、または屈折率に関して、前記第2の領域とは異なる、請求項12に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第1のコーティングは、0.20μm超の厚さを有し、または前記第2のコーティングは、0.10μm未満の0ではない厚さを有する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項16】
前記第1のコーティングは、1つ以上の金属または半導体酸化物を含み、前記第2のコーティングは、1つ以上の金属または半導体酸化物を含む、請求項12に記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1および第2のコーティングは、同じ材料組成を有する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項18】
前記第1のコーティングまたは前記第2のコーティングは、原子層成膜(ALD)プロセスを使用した形成、または共形化学気相成膜(CVD)プロセスを使用した形成に適合する1つ以上の材料を含む、請求項12に記載の発光装置。
【請求項19】
(i)前記第2のコーティングは、前記第1のコーティングの特徴厚さの50%未満の特徴厚さを有し、または
(ii)前記第1の領域の前記蛍光体粒子間の空隙の数密度もしくは体積率は、前記第2の領域の前記蛍光体粒子間の空隙の数密度もしくは体積率の50%未満である、請求項12に記載の発光装置。
【請求項20】
前記第1の領域は、5:1よりも大きい、前記波長変換層の隣接する第1の領域から前記波長変換層を出射する下位変換された光のコントラスト比を示し、
前記下位変換された光は、前記マイクロLEDにより放射された光の吸収、およびその後の前記マイクロLEDにより放射された光の波長よりも長い波長での、前記下位変換された光の放射の結果として生じる、請求項1に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、(i)Bohmerらの名前で2020年12月1日に出願された「横方向に不均質な波長変換層」という名称の米国仮出願第63/119,976号、および(ii)Bohmerらの名前で2021年11月30日に出願された「横方向に不均質な波長変換層」という名称の米国特許出願第17/537,919号の優先権を主張するものであり、前記出願の各々は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、概して、発光ダイオードおよび蛍光体-変換発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体発光ダイオードおよびレーザダイオード(本願では「LED」と総称する)は、現在利用可能な最も効率的な光源の一つである。LEDの放射スペクトルは、通常、装置の構造およびLEDが構成される半導体材料の組成により決定される波長において、単一の狭いピークを示す。装置構造および材料系の適切な選択により、LEDは、紫外線、可視光、または赤外線の波長で作動するように設計することができる。
【0004】
LEDは、該LEDにより放射された光を吸収し、これに呼応してより波長の長い光を放射する1つ以上の波長変換材料(一般に、本願では「蛍光体」と称する)と組み合わされ得る。そのような蛍光体-変換LED(「pcLED」)では、LEDにより放射され、蛍光体によって吸収される光の割合は、LEDにより放射される光の光路中の蛍光体材料の量、例えば、LED上またはその周囲に配置される蛍光体層における蛍光体材料の濃度、および層の厚さに依存する。
【0005】
蛍光体変換されたLEDは、LEDにより放射された光の全てが1つ以上の蛍光体によって吸収されるように設計することができ、その場合、pcLEDからの放射は、完全に蛍光体からとなる。そのような場合、蛍光体は、例えば、LEDにより直接効率的に生成されないような、狭いスペクトル領域の光を放射するように選択され得る。
【0006】
あるいは、pcLEDは、LEDにより放射された光の一部のみが蛍光体によって吸収されるように設計されてもよく、この場合、pcLEDからの放射は、LEDにより放射された光と蛍光体により放射された光との混合となる。LED、蛍光体、および蛍光体組成の適切な選択により、そのようなpcLEDは、例えば、所望の色温度および所望の演色特性を有する白色光を放射するように設計され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のLEDまたはpcLEDを単一の基板上にまとめて形成して、アレイを形成することができる。そのようなアレイを採用して、例えば、スマートフォンおよびスマートウォッチ、コンピュータもしくはビデオディスプレイ、拡張もしくは仮想現実ディスプレイ、または標識に採用されるような、アクティブ照明ディスプレイを形成することができ、あるいは例えば、自動車のヘッドライト、街路灯、カメラフラッシュ源、またはフラッシュライト(すなわち、トーチ)において採用されるような、適応照明源を形成することができる。通常、単位1mm当たり1つ、少数、または多くの個々の装置(例えば、約1mm、数百ミクロン、もしくは100ミクロン未満の装置ピッチまたは間隔、および100ミクロン未満またはわずか数十ミクロン以下の隣接する装置間の分離)を有するアレイは、ミニLEDアレイまたはマイクロLEDアレイ(あるいは、μLEDアレイ)と称される。また、そのようなミニまたはマイクロLEDアレイは、多くの場合、前述のような蛍光体変換器を含むことができる。そのようなアレイは、pcミニLEDアレイまたはpc-マイクロLEDアレイと称することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
波長変換光学素子は、対向する第1および第2の表面を有する固体材料層であって、複数の別個の画素領域および介在する境界領域を有する、固体材料層を有する。境界領域は、前記画素領域の各々を少なくとも部分的に取り囲み、各画素領域を隣接する画素領域から少なくとも部分的に分離する。
【0009】
各画素領域に対して、当該光学素子は、対応する複数の画素蛍光体粒子および透明画素バインダを有する。前記画素バインダは、
(i)各画素蛍光体粒子を少なくとも部分的に被覆し、前記結合された画素蛍光体粒子間に空隙を残したまま、各画素領域内でそれらを相互に結合する、透明画素コーティング、または
(ii)前記画素蛍光体粒子が埋設された各画素領域を実質的に充填する透明固体画素媒体、
のいずれかを有する。前記境界領域において、当該光学素子は、複数の境界蛍光体粒子および透明境界バインダを有する。前記境界バインダは、
(i)各境界蛍光体粒子を少なくとも部分的に被覆し、前記結合された境界蛍光体粒子間に空隙を残したまま、それらを相互に結合する、透明境界コーティング、または
(ii)前記境界蛍光体粒子が埋設された前記境界領域を実質的に充填する透明固体境界媒体
を有し得る。
【0010】
前記画素領域は、
(i)前記画素蛍光体粒子および前記境界蛍光体粒子を特徴付ける異なるサイズ、組成、または屈折率、
(ii)前記画素コーティングおよび前記境界コーティングを特徴付ける異なる厚さ、組成、または屈折率、
(iii)前記画素蛍光体粒子間および前記境界蛍光体粒子間の空隙を特徴付ける異なるサイズまたは数密度、あるいは
(iv)前記固体画素媒体および前記固体境界媒体を特徴付ける異なる組成または屈折率、
の1つ以上に関して、前記境界領域とは異なる。この場合、境界領域は、画素領域により示される光散乱よりも大きな、画素または境界蛍光体粒子により放射される光の光散乱を示すことができる。
【0011】
発光装置は、第1の波長で光を放射する半導体発光画素のアレイと組み合わせて、波長変換光学素子を組み込むことができる。発光画素の間隔は、波長変換光学素子の画素領域の間隔と整合され得る。発光画素により放射された光は、波長変換光学素子の第1の表面に入射され、画素蛍光体粒子および境界蛍光体粒子によって少なくとも一部が吸収され、第1の波長よりも長い1つ以上の下位変換された波長で、下位変換された光のそれらの蛍光体粒子からの放射が得られる。波長変換光学素子は、画素領域がアレイの発光画素と実質的に整列されるように配置できる。境界領域により示される増大した光散乱は、隣接する画素により放射される下位変換された光の間のコントラスト比を高めることができる。
【0012】
LED、pcLED、ミニLEDアレイ、pcミニLEDアレイ、マイクロLEDアレイ、およびpc-マイクロLEDアレイに関する目的および利点は、図面に示され、以下の記載または添付の特許請求の範囲に示された実施例を参照することにより明らかとなる。
【0013】
本要約は、以下の詳細な説明でさらに説明される、簡略化された形式における概念の選択を導入するために提供される。本要約は、クレームされた主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、クレームされた主題の範囲を決定する際の補助として使用することを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】例示的なpcLEDの概略的な断面図を示した図である。
【
図2A】pcLEDの例示的なアレイの断面図を示した図である。
【
図2B】pcLEDの例示的なアレイの概略的な上面図を示した図である。
【
図3A】導波路および投影レンズに関して配置されたpcLEDの例示的なアレイの概略断面図を示した図である。
【
図3B】
図3Aの構成と同様の配置であるが、導波路がない配置を示した図である。
【
図4A】例示的なミニLEDまたはマイクロLEDのアレイの概略的な上面図、およびアレイの3×3のLEDの拡大部分を示した図である。
【
図4B】基板上にモノリシックに形成された例示的なpc-ミニLEDまたはpc-マイクロLEDアレイのいくつかのLEDの斜視図を示した図である。
【
図4C】モノリシックダイおよび基板の上の多色蛍光体変換LEDの稠密アレイの一例の概略的な側断断面図である。
【
図5A】例示的なLEDディスプレイの一部の概略的な上面図である。各表示画素は、赤、緑、または青の蛍光体変換されたLED画素である。
【
図5B】例示的なLEDディスプレイの一部の概略的な上面図である。各ディスプレイ画素は、制御回路バックプレーンに接合された単一のダイ上に集積された複数の蛍光体変換LED画素(赤、緑、および青)を含む。
【
図6A】pcLEDのアレイが実装され得る電子回路基板の一例の概略的な上面図である。
【
図6B】同様に、
図6Aの電子回路基板上に実装されたpcLEDの一例のアレイを示した図である。
【
図7】本発明の波長変換光学素子の概略的な上面図である。
【
図8A】本発明の波長変換光学素子の一例の概略的な側断面図である。
【
図8B】本発明の波長変換光学素子の一例の概略的な側断面図である。
【
図9A】本発明の波長変換光学素子の一例の概略的な側断面図である。
【
図9B】本発明の波長変換光学素子の一例の概略的な側断面図である。
【
図10A】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図10B】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図10C】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図10D】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図10E】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図10F】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的にした図である。
【
図11A】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図11B】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図11C】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図11D】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図11E】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図11F】本発明の波長変換光学素子を製造する例示的な方法を概略的に示した図である。
【
図12】発光画素のアレイ上に配置された例示的な本発明の波長変換光学素子の概略的な側断面図である。
【
図13】横方向に不均質な波長変換光学素子および横方向に均一な波長変換層についての輝度対コントラスト比のシミュレーションデータのプロットである。 示された例は、単に概略的に示されており、全ての特徴は、完全に詳細に、または適切な比率では示されていない。明確化のため、特定の特徴または構造は、他のものと比較して誇張され、もしくは縮小されており、または全体的に省略される場合がある。図面は、スケール化されていると明示的に示されていない限り、スケールが示されているとみなしてはならない。例えば、個々のLEDにおいて、それらの横方向の広がりに対して、または基板もしくは蛍光体の厚さに対して、それらの垂直方向の寸法または層の厚さは、誇張されてもよい。示された実施例は、本開示または添付の特許請求の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読解される必要がある。図面において、同一の参照符号は、異なる図面全体にわたって、同様の要素を表す。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、選択された例を示しており、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は、一例として示されており、本発明の原理を例示するものであって、限定するものではない。
【0016】
図1には、個々のpcLED100の例を示す。これらは、基板104上に配置された半導体ダイオード構造102であって、まとめて「LED」または「半導体LED」ともみなされる、構造と、半導体LED上に配置された波長変換構造(例えば、蛍光体層)106とを有する。半導体ダイオード構造102は、通常、n型層とp型層の間に配置された活性領域を有する。ダイオード構造102を横切る好適な順方向バイアスの印加の結果、活性領域から光の放射が生じる。放射された光の波長は、活性領域の組成および構造によって決定される。
【0017】
LEDは、例えば、青色、紫色、または紫外の光を放射するIII族-窒化物LEDであってもよい。また、任意の他の好適な材料系から形成され、任意の他の好適な波長の光を放射するLEDが使用されてもよい。他の好適な材料系には、例えば、III族-リン化物材料、III族-ヒ素化物材料、またはガリウム、アルミニウム、インジウム、窒素、リン、もしくはヒ素の他の二元系、三元系、もしくは四元系の合金、またはII-VI族材料が含まれる。
【0018】
pcLEDからの所望の光出力に応じて、任意の好適な蛍光体材料を波長変換構造106に使用し、またはそれに組み込んでもよい。
【0019】
図2A乃至
図2Bには、それぞれ、pcLED100のアレイ200の断面図および上面図を示す。各々は、基板204上に配置された蛍光体画素106を有する。そのようなアレイは、任意の好適な方法で配置された、任意の好適な数のpcLEDを有してもよい。示された実施例では、アレイは、共通基板上にモノリシックに形成されるように示されているが、代わりにpcLEDのアレイは、別個の個々のpcLEDから形成されてもよい。基板204は、必要な場合、LEDを駆動する電気トレースもしくは相互接続、またはCMOSまたは他の回路を含んでもよく、任意の好適な材料から形成されてもよい。
【0020】
個々のpcLED100は、必要な場合、蛍光体層に隣接して配置された、あるいは蛍光体層上に配置されたレンズもしくは他の光学素子に組み込まれてもよく、またはこれに配置されてもよい。そのような光学素子は、図には示されていないが、「一次光学素子」と称されてもよい。また、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、pcLEDアレイ200(例えば、電子回路基板上に取り付けられる)は、意図される用途において使用するため、導波路、レンズ、またはその両方のような二次光学素子と組み合わせて配置されてもよい。
図3Aでは、アレイ200の各pcLED100により放射される光は、対応する導波路192によって集められ、投影レンズ294に誘導される。投影レンズ294は、例えばフレネルレンズであってもよい。この配置は、例えば、自動車のヘッドライトまたは他の適応性照明源での使用に適する。任意の好適な種類または配置の他の一次または二次光学素子は、必要に応じて、または所望により、各画素に含まれてもよい。
図3Bにおいて、アレイ200のpcLEDにより放射される光は、導波路の使用を介することなく、投影レンズ294により直接収光される。この配置は、特に、pcLEDが相互に十分に近接して離間できる場合に好適であり、また自動車のヘッドライト、カメラのフラッシュ用途、または他の照明源に使用されてもよい。ミニLEDまたはマイクロLEDディスプレイ用途には、例えば、
図3Aおよび
図3Bに示すものと同様の光学配置が使用されてもよい。通常、所望の用途に応じて、光学素子の任意の好適な配置(一次、二次、または両方)を、本願に記載のpcLEDと組み合わせて使用することができる。
【0021】
図2Aおよび
図2Bには、3×3アレイの9個のpcLEDを示すが、そのようなアレイは、例えば、
図4Aに概略的に示すように、10
1、10
2、10
3、10
4またはそれ以上のLEDを含んでもよい。個々のLED100(すなわち、画素)は、アレイ200の平面において幅w
1(例えば、側面の長さ)を有してもよく、これは例えば、1ミリメートル(mm)以下、500ミクロン以下、100ミクロン以下、または50ミクロン以下である。アレイ200におけるLED100は、アレイ200の平面内に、幅w
2を有するストリート、レーン、またはトレンチ230により、相互に離隔されてもよい。幅w
2は、例えば、数百ミクロン以下、100ミクロン以下、50ミクロン以下、20ミクロン以下、10ミクロン以下、または5ミクロン以下である。画素ピッチまたは間隔D
1は、w
1とw
2の合計である。示された例では、対称マトリクス内に配列された矩形画素が示されているが、画素およびアレイは、対称であるか非対称であるかに関わらず、任意の好適な形状または配置を有してもよい。LEDの複数の別々のアレイは、任意の好適な配置で、任意の適用可能なフォーマットで組み合わされ、より大きな組み合わされたアレイまたはディスプレイが形成され得る。
【0022】
アレイの平面(例えば、側面の長さ)において、約0.10ミリメートルミクロン以下の寸法w1を有するLEDは、通常、マイクロLEDと称され、そのようなマイクロLEDのアレイは、マイクロLEDアレイと称されてもよい。アレイの平面における寸法w1(例えば、側面の長さ)が約0.10ミリメートルから約1.0ミリメートルの間のLEDは、通常、ミニLEDと呼ばれ、そのようなミニLEDのアレイは、ミニLEDアレイと称されてもよい。
【0023】
LED、ミニLED、またはマイクロLEDのアレイ、またはそのようなアレイの一部は、トレンチおよび/または絶縁材料により、個々のLED画素が相互に電気的に絶縁されたセグメント化モノリシック構造として形成されてもよい。
図4Bには、そのようなセグメント化されたモノリシックLEDアレイ200の一例の斜視図を示す。このアレイ内の画素(すなわち、個々の半導体LED装置102)は、トレンチ230によって分離され、該トレンチは、n-コンタクト234を形成するように充填される。モノリシック構造は、基板204上に成長しまたは配置される。各画素は、p-コンタクト236、p-GaN半導体層102b、活性領域102a、およびn-GaN半導体層102cを有する。層102a/102b/102cは、共同で半導体LED 102を形成する。半導体層102c(または他の適用可能な介在層)上に、波長変換材料106が成膜されてもよい。トレンチ230内にパッシベーション層232が形成され、n-コンタクト234の少なくとも一部が半導体の1つ以上の層から分離されてもよい。n-コンタクト234、トレンチ230内の他の材料、またはトレンチ230内の材料とは異なる材料が、変換材料106に延在して、画素間に完全なまたは部分的な光分離バリア220を形成してもよい。
【0024】
図4Cは、モノリシックダイおよび基板204上の、多色蛍光体変換LED100の稠密充填アレイ200の概略的な断面図である。側面図には、金属相互接続239(例えば、銅マイクロピラーに取り付けられた金-金相互接続またははんだ)および金属相互接続238を介して基板204に取り付けられたGaN LED102を示す。蛍光体画素106は、対応するGaN LED画素102の上またはその上方に配置される。半導体LED画素102または蛍光体画素106(しばしば、その両方)は、それらの側面にコーティングされ、反射ミラーまたは拡散散乱層により、光絶縁バリア220を形成することができる。この実施例では、各蛍光体画素106は、3つの異なる色の1つであり、例えば、赤色蛍光体画素106R、緑色蛍光体画素106G、および青色蛍光体画素106B(依然、通常または集合的に蛍光体画素106と称される)である。そのような配置は、カラーディスプレイとしてのLEDアレイ200の使用を可能にする。
【0025】
LEDアレイ内の個々のLED(画素)は、個々にアドレス処理可能であってもよく、アレイ内の画素のグループまたはサブセットの一部としてアドレス処理可能であってもよく、またはアドレス処理ができなくてもよい。従って、発光画素アレイは、光分布の微細粒度、空間的および時間的な制御を必要とする、またはその利益を享受する、任意の用途に有用である。これらの用途には、これに限られるものではないが、画素ブロックまたは個々の画素から放射された光の精細で特別なパターン化が含まれ、いくつかの例では、表示装置としての画像の形成が含まれる。用途に応じて、放射された光は、スペクトル的に別個であってもよく、時間にわたって適応的であってもよく、および/または環境的に応答性であってもよい。発光画素アレイは、各種強度、空間、または時間パターンでの予めプログラム化された光分布を提供してもよい。放射された光は、少なくとも部分的に、受信されたセンサデータに基づき、光無線通信に使用されてもよい。関連する電子および光学系は、画素、画素ブロック、または装置レベルで区別されてもよい。
【0026】
図5Aおよび
図5Bは、ディスプレイ用途に使用されるLEDアレイ200の一例であり、LEDディスプレイは、多数の表示画素を有する。いくつかの例では(例えば、
図5Aのように)、各表示画素は、単一の半導体LED画素102と、対応する単一の色(赤、緑、または青)の蛍光体画素106R、106G、または106Bと、を有する。各表示画素は、3つの色の1色のみを提供する。いくつかの例では(例えば、
図5Bのように)、各表示画素は、複数の半導体LED画素102と、複数の色の複数の対応する蛍光体画素106と、を有する。示された例では、各表示画素は、半導体画素102の3×3アレイを有する。これらのLED画素の3つは、赤色蛍光画素106Rを有し、3つは、緑色蛍光画素106Gを有し、3つは、青色蛍光画素106Bを有する。従って、各表示画素は、任意の所望の色の組み合わせを生成することができる。示された例では、異なる色の蛍光体画素106の空間配置は、表示画素間で異なり、いくつかの例では(図示せず)、各表示画素は、異なる色の蛍光体画素106の同じ配置を有することができる。
【0027】
図6Aおよび
図6Bに示すように、pcLEDアレイ200は、電子回路基板300に取り付けられてもよく、該電子回路基板は、電力および制御モジュール302、センサモジュール304、およびLED取り付け領域306を有する。電力および制御モジュール302は、外部源から電力および制御信号を受容し、センサモジュール304からの信号を受信し、それに基づき電力および制御モジュール302は、LEDの動作を制御する。センサモジュール304は、任意の好適なセンサ、例えば、温度センサまたは光センサから信号を受信してもよい。あるいは、pcLEDアレイ200は、電力および制御モジュール、ならびにセンサモジュールとは別の基板(図示せず)に取り付けられてもよい。
【0028】
いくつかの例では、画素サイズを低下させ、画素密度を増加させることは、問題につながる可能性がある。LED画素またはそれに関連する蛍光体により放射される光は、全ての方向に、いくつかの例ではランバート分布に近似する角度分布で、放射される。このため、画素間隔およびその分離が減少するにつれ、1つのLED画素により放射される光が、画素アレイの別のLED画素により放射される光と重複すること(クロストークと称される)を防止することが難しくなり、これにより、LED画素アレイの有効解像度が低下し、または照射面積の望ましくない画素照射重複が生じる。これは、画素アレイ内に別個のLED発光体を有し、依然、単一の蛍光体層を使用する設計において、特に問題となり得る。
図4Bの例における変換材料106内に形成された光分離バリア220は、アレイの隣接する画素間のクロストークを低減することを意図するものである。そのようなバリアは、多くの異なる形態を有し得る。いくつかの例では、各々が対応するLED画素に関連付けられた、複数の分離された蛍光体領域を使用することができる。分離は、光学的に反射性、散乱性または吸収性の側壁を使用することにより達成することができる。多くの例では、そのような側壁のウェハレベルの適用および処理は、容易ではなく、高価であり、画素間隔および/または分離が減少するにつれ、より高価になり得る。
【0029】
本発明の波長変換光学素子699は、横方向に不均質な光学特性を有する蛍光体材料層700を有し、これは、例えば前述のクロストーク問題の少なくとも一部を軽減するように配置できる。
図7、
図8A/
図8B、および
図9A/
図9Bには、実施例を概略的に示す。「横方向」とは、層700の対向する表面701および702と略平行であり、波長変換光学素子699が用いられるLEDアレイのLED画素の放射面に略垂直な方向を表す。材料層700は、複数の別個の画素領域710および介在する境界領域720を有する。境界領域720は、画素領域710の各々を少なくとも部分的に取り囲み、各画素領域710を隣接する画素領域710から少なくとも部分的に分離する。いくつかの例では、第1および第2の表面701、702は、実質的に平坦であり得る。
【0030】
各画素領域710には、対応する複数の画素蛍光体粒子712および透明画素バインダが存在する。いくつかの例(例えば、
図8Aおよび8B)では、画素バインダは、各画素蛍光体粒子712を少なくとも部分的に被覆し、これらを対応する画素領域710内で相互に結合する、透明画素コーティング714を有する。画素コーティング714により、結合された画素蛍光体粒子712同士の間に空隙716が残される。いくつかの他の例(例えば、
図9Aおよび9B)では、画素バインダは、対応する画素領域710を実質的に充填する透明な固体画素媒体718を有し、画素蛍光体粒子712は、固体画素媒体718内に埋設される。
【0031】
いくつかの例では、画素蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722は、同じ材料組成を有することができる。いくつかの他の例では、画素蛍光体粒子712は、境界蛍光体粒子722の材料組成とは異なる材料組成を有することができ、いくつかのそのような例では、画素蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722は、それでも、同様の発光スペクトルを示し得る。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722は、同じ屈折率を有することができる。いくつかの他の例では、画素蛍光体粒子712は、境界蛍光体粒子722の屈折率とは異なる屈折率を有することができる。
【0032】
境界領域720には、複数の境界蛍光体粒子722および透明境界バインダが存在する。いくつかの例では(例えば、
図8Aおよび8Bのように)、境界バインダは、各境界蛍光体粒子722を少なくとも部分的に被覆しそれらを相互に結合する透明コーティング724を有し、境界コーティング724により、結合された境界蛍光体粒子722の間には空隙726が残される。いくつかの他の例(例えば、
図9Aおよび9B)では、境界バインダは、境界領域720を実質的に充填する透明な固体境界媒体728を有し、境界蛍光体粒子722は、固体境界媒体728内に埋設される。
【0033】
画素領域710は、
(i)画素蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722を特徴付ける異なるサイズ、組成、もしくは屈折率、
(ii)画素コーティング714および境界コーティング724を特徴付ける異なる厚さ、組成、もしくは屈折率、
(iii)画素蛍光体粒子712間および境界蛍光体粒子722間の空隙716/726を特徴付ける異なるサイズ、数密度、もしくは容積率、または
(iv)固体画素媒体718および固体境界媒体728を特徴付ける異なる組成または屈折率、
の1つ以上に関して境界領域720とは異なる。これらの1つ以上の差により、境界領域720は、画素領域710により示される光散乱よりも大きな(画素または境界蛍光体粒子712/722により放射される光の)光散乱を示すことができる。
【0034】
いくつかの例(例えば、
図8Aまたは
図9A)では、各画素領域710および境界領域720は、層700を介してその第1の表面701からその第2の表面702まで完全に延在する。この構成では、各画素領域710は、介在する境界領域720により、隣接する画素領域710から完全に分離される。他の例では(例えば、
図8Bまたは
図9Bのように)、各画素領域710は、層700を介してその第1の表面701からその第2の表面702まで完全に延在するが、各境界領域720は、第1の表面701から第2の表面702に向かって一部にのみ延在する。この構成では、各画素領域710は、第1の表面701では、隣接する画素領域710から分離されるが、第2の表面702では、1つ以上の隣接する画素領域710と繋がっている。
【0035】
いくつかの例では、光学素子699は、材料層700の第1の表面701に対して配置された基板698を有することができる。いくつかの例では、そのような基板698は、1つ以上の透明誘電体層697、または1つ以上の半導体LED層もしくは構造696、またはその両方を含むことができる(通常、光学素子699と半導体LED層696との間に誘電体層697を有する)。ある例では、層700は、基板698上に直接形成することができ、他の例では、既に形成された層700が基板698に取り付けられ得る。
【0036】
図8Aまたは
図8Bのように配置された例では、画素バインダは、画素コーティング714であり、境界バインダは、境界コーティング724である。これらのいくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、画素蛍光体粒子712よりも小さくすることができる。いくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、画素蛍光体粒子の特徴サイズの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満の特徴サイズを有することができる。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712は、20μm未満、10μm未満、または5μm未満のゼロではない特徴サイズを有することができる。いくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、10μm未満、5μm未満、または2.5μm未満のゼロではない特徴サイズを有することができる。いくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、隣接する画素領域710間の分離の50%未満のゼロではない特徴サイズを有することができる。「特徴サイズ」は、D50(すなわち、メジアン粒子直径)、平均粒子直径、最大粒子直径、粒径範囲(任意の好適な方法で定義される)などを含む、任意の好適な方法で定めることができる。
【0037】
図8Aまたは
図8Bのように配置された例では、画素蛍光体粒子712と境界蛍光体粒子722の間の任意の1つ以上の差、例えば、特徴粒子サイズ、材料組成、または屈折率は、画素領域710に対する境界領域720による光散乱の増大につながり、これにより、隣接する画素領域710の間の光クロストークを低減できる。
【0038】
図8Aまたは
図8Bのように配置されたいくつかの例では、境界コーティング724は、画素コーティング714よりも薄くすることができる。いくつかの例では、境界コーティング724は、画素コーティング724の特徴厚さの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満の特徴厚さを有することができる。「特徴厚さ」は、平均厚さ、メジアン厚さ、最小厚さまたは最大厚さ、厚さ範囲(任意の好適な方法で定義される)などを含む、任意の好適な方法で定めることができる。画素コーティング714と境界コーティング724の間でコーティング厚さが異なる例では、蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722の特徴サイズは、異なってもよく、またはそれらはほぼ同じであってもよい。また、蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722の特徴サイズが相互に異なる例では、コーティング厚さは、画素コーティング714と境界コーティング724の間で、コーティング厚さは、異なってもよく、またはほぼ同じであってもよい。
【0039】
いくつかの例では、画素コーティング714は、0.10μm超、0.20μm超、または0.30μm超の厚さを有し得る。いくつかの例では、境界コーティング724は、0.15μm未満、0.10μm未満、または0.05μm未満のゼロではない厚さを有し得る。
【0040】
図8Aまたは
図8Bのように配置されたいくつかの例では、画素領域710および境界領域720は、各領域の結合された蛍光体粒子712/722の間に残された空隙716/726(これに限られるものではないが、通常は、空気またはガスでの充填)のサイズまたは数密度に関して、異なり得る。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712間の空隙716の数密度は、境界蛍光体粒子722間の空隙726の数密度の30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満であり得る。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712間の空隙716の体積率は、境界蛍光体粒子722間の空隙726の体積率の30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満であり得る。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712間の空隙716の特徴サイズは、境界蛍光体粒子722間の空隙726の特徴サイズの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満であり得る。空隙716と726との間のこれらの異なる数密度、サイズ、または体積率は、蛍光体粒子712と722の間の異なるサイズ、コーティング714と724の間の異なる厚さ、またはその両方を伴い得る。
【0041】
図8Aまたは8Bのように配置されたいくつかの例では、画素コーティング714および境界コーティング724は、同じ材料組成を有することができる。それらの例のいくつかでは、画素コーティング714および境界コーティング724は、同じ単一のコーティング材料を有し得る。いくつかの他の例では、画素コーティング714は、境界コーティング724とは異なる材料組成を有し得る。それらの例のいくつかでは、画素コーティング712は、境界コーティング724に存在しない1つ以上の材料を有し得る。いくつかの例では、画素コーティング714および境界コーティング724は、同じ屈折率を有することができ、他の例では、画素コーティング714は、境界コーティング724とは異なる屈折率を有し得る。いくつかの例では、画素コーティング714は、異なる対応する材料組成または屈折率を有する、内側コーティングおよび外側コーティングを有し得る。
【0042】
いくつかの例では、画素コーティング714、境界コーティング724、またはその両方は、1つ以上の金属または半導体の酸化物を有し、これには、これに限られるものではないが、Al2O3、HfO2、SiO2、Ga2O3、GeO2、SnO2、CrO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、Y2O3、またはZrO2の任意の1つ以上の材料が含まれる。いくつかの例では、画素コーティング、境界コーティング、またはその両方は、原子層成膜(ALD)プロセスを用いた、または共形化学気相成膜(CVD)プロセスを用いた形成に適合する1つ以上の材料を含み得る。
【0043】
図8Aまたは
図8Bのように配置された例では、画素コーティング714と境界コーティング724の間の任意の1つ以上の差、例えば、特徴厚さ、材料組成、または屈折率は、画素領域710に対して境界領域720による光散乱の増大をもたらすことができ、これにより、隣接する画素領域710間の光クロストークを低減できる。同様に、画素領域710内の空隙716と境界領域720内の空隙726の間の任意の1つ以上の差、例えば、特徴サイズ、数密度、または体積率は、画素領域710に対して境界領域720による光散乱の増大をもたらすことができ、これにより、隣接する画素領域710間の光クロストークを低減できる。
【0044】
図9Aまたは
図9Bのように配置された例では、画素バインダは、画素媒体718であり、境界バインダは、境界媒体728である。画素蛍光体粒子712は、画素媒体718に埋設され、境界蛍光体粒子722は、境界媒体728に埋設される。
図8Aおよび
図8Bのように配置された例では、境界蛍光体722粒子は、画素蛍光体粒子712の特徴サイズの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満の特徴サイズを有し得る。いくつかの例では、画素蛍光体粒子712は、20μm未満、10μm未満、または5μm未満のゼロではない特徴サイズを有し得る。いくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、10μm未満、5μm未満、または2.5μm未満のゼロではない特徴サイズを有し得る。いくつかの例では、境界蛍光体粒子722は、隣接する画素領域710間の分離の50%未満の、ゼロではない特徴サイズを有し得る。
【0045】
また、
図9Aまたは
図9Bのように配置されたいくつかの例では、境界領域720は、例えば、TiO
2もしくは他の金属酸化物、または半導体酸化物の粒子を含む、境界媒体728に埋設された散乱粒子を有し得る。
【0046】
図9Aまたは
図9Bのように配置されたいくつかの例では、画素媒体718は、1つ以上のポリマー、例えば、1つ以上のシリコーンを含むことができる。いくつかの例では、境界媒体728は、1つ以上のポリマー、例えば、1つ以上のシリコーンを含むことができる。いくつかの例では、画素媒体718および境界媒体728は、同じ材料組成を有し得る。他の例では、画素媒体718は、境界媒体728とは異なる材料組成を有し得る。いくつかの例では、画素媒体718および境界媒体728は、同じ屈折率を有し得る。他の例では、画素媒体718は、境界媒体728とは異なる屈折率を有し得る。
【0047】
図9Aまたは
図9Bのように配置された例では、画素蛍光体粒子712と境界蛍光体粒子722の間の任意の1つ以上の差、例えば、特徴粒子サイズ、材料組成、または屈折率は、画素領域710に対して境界領域720による光散乱の増大をもたらすことができ、これにより、隣接する画素領域710間の光クロストークが低減できる。同様に、画素媒体718と境界媒体728の間の任意の1つ以上の差、例えば、材料組成または屈折率の差は、画素領域710に対して境界領域720による光散乱の増大をもたらし、これにより、隣接する画素領域710間の光クロストークが低減できる。
【0048】
本発明の波長変換光学素子は、第1の波長で光を放射する半導体発光画素810(例えば、発光ダイオード(LED)810)のアレイ800と組み合わせることができる。
図12には、一例が概略的に示されている。アレイ800は、前述の任意のものを含む、任意の好適な種類または配置であってもよく、任意の好適なまたは望ましい数または配置の発光画素800を有し得る。アレイの画素は、単一の半導体ウェハ上にモノリシックに形成され、またはアレイ基板上に組み立てられた個別化された装置であり得る。画素アレイ800は、発光画素810により放射された光が波長変換光学素子699の層700の第1の表面701に入射し、ここで、画素蛍光体粒子712および境界蛍光体粒子722により、少なくとも一部が吸収されるように配置される。蛍光体粒子712および722は、第1の波長よりも長い1つ以上の下位変換された波長で下位変換された光を放射する。発光画素810の間隔は、波長変換光学素子699の画素領域710の間隔と実質的に整合され、波長変換光学素子699は、その画素領域710がアレイ800の発光画素810と実質的に整列されるように配置される。ある例では、ある程度の位置合わせ不良が許容され得る。いくつかの例では、アレイ800の各発光画素810は、アレイ800の少なくとも1つの他の発光画素810から独立して作動可能であり得る。いくつかの例では、各画素810は、アレイ800の他の全ての画素810から独立して作動可能であり得る。
【0049】
いくつかの例では、アレイ800は、ミニLEDアレイまたはマイクロLEDアレイであり得る。いくつかの例では、アレイ800の発光画素810の間隔は、約1.0 mm未満、約0.50mm未満、約0.33mm未満、約0.20mm未満、約0.10mm未満、約0.08 mm未満、約0.05mm未満、約0.033mm未満、または約0.020mm未満であり得る。従って、光学素子699の画素領域710の間隔も、約1.0mm未満、約0.50mm未満、約0.33mm未満、約0.20mm未満、約0.10mm未満、約0.08mm未満、約0.05mm未満、約0.033mm未満、または約0.020mm未満とすることができる。
【0050】
多くの例において、発光画素810は、それらの間の暗い(すなわち、非発光)画素境界820(例えば、トレンチ、レーン、またはストリート。いくつかの例では、1つ以上の固体材料で充填される)により分離される。画素境界820は、アレイの画素810の輪郭を定め、これらを分離する。いくつかの例では、光学素子の境界領域720は、画素境界820と整列され得る。いくつかの例では、非発光画素境界820は、0.10mm未満、0.050mm未満、0.033mm未満、0.020mm未満、0.010mm未満、または0.005mm未満のゼロではない幅を有し得る。いくつかの例では、境界領域720は、対応する画素境界820の幅と等しい対応する幅を有し得る。いくつかの例では、境界領域720は、対応する画素境界820の幅よりも大きな対応する幅を有し得る。いくつかの例では、境界領域720の幅は、0.10mm未満、0.050mm未満、0.033mm未満、0.020mm未満、0.010mm未満、0.008mm未満、または0.005mm未満であり得る。
【0051】
光学素子699の境界領域720は、アレイ800の隣接する画素810間で、放射された下位変換光に関するクロストークを低減することができる。クロストークの低減は、画素領域710に対して境界領域720(前述)による光散乱の増大の結果、生じ得る。いくつかの例では、画素領域720は、隣接する画素領域720から層700の第2の表面702を出射する下位変換された光に対する、5:1より大きい、10:1より大きい、20:1より大きい、50:1より大きい、100:1より大きい、または300:1より大きいコントラスト比を示すことができる。より低いコントラスト比(例えば、5:1または10:1)は、比較的小さな間隔(例えば、100μm未満または50μm未満)を有するアレイにおける許容可能な改善を表してもよく、より大きなコントラスト比は、より大きな間隔を有するアレイにおいて予想されてもよい。
【0052】
いくつかの例では、本発明の波長変換光学素子699と共に使用される発光画素800のアレイは、観測されるコントラスト比によってほとんど変化しない全体輝度を示すことができる。これは、コントラスト比の増大とともに輝度の減少を示す、横方向に均質な波長変換層を有する装置とは対照的である。
図13には、境界領域720の存在を除いて、同じ層の場合の、シミュレートされたデータがプロットされている。
【0053】
いくつかの例では、光学素子699の層700の第1の表面701は、発光画素アレイ800の発光表面に対して配置することができる。他の例では、光学素子699と発光画素アレイ800の発光表面との間に、1つ以上の透明誘電体層を配置することができる。そのような例では、光学素子699の材料層700の第1の表面701は、誘電体基板層に対して配置することができる。
【0054】
いくつかの例では、アレイ800は、半導体発光ダイオード、すなわちLED画素810のアレイを有し得る。いくつかの例では、LED画素810は、1つ以上のドープされたもしくは未ドープのIII-V族、II-VI族、もしくはIV族の半導体材料、またはそれらの合金もしくは混合物を有し得る。いくつかの例では、各LED画素は、1つ以上のp n接合、1つ以上の量子井戸、1つ以上の多重量子井戸、または1つ以上の量子ドットを有し得る。いくつかの例では、半導体発光画素により放射される光は、0.20μm超、0.4μm超、0.8μm超、10μm未満、2.5μm未満、または1.0μm未満の真空波長を有し得る。
【0055】
一般に、本発明の光学素子699および発光アレイ800を含む発光装置を製造する方法は、光学素子699を配置するステップを有し、その材料層700の第1の表面701は、アレイ800の発光画素810の発光表面と対面し、画素領域710は、発光画素810と実質的に整列される。いくつかの例では、光学素子699は、アレイ800の発光表面に対して直接配置することができる。他の例では、光学素子699とアレイ800の間に1つ以上の透明誘電体層が配置され得る。
【0056】
材料層700は、任意の好適な方法で製造することができる。通常、そのような方法は、
(i)画素領域720の各々において、画素バインダを用いて、対応する複数の画素蛍光体粒子712を相互に結合するステップと、
(ii)境界領域720において、境界バインダを用いて、複数の境界蛍光体粒子722を相互に結合するステップと、
を有する。
また、画素領域710および境界領域720の蛍光体粒子も相互に結合され、材料層700が形成される。
【0057】
いくつかの例では(例えば、
図10A乃至
図10Fまたは
図11A乃至11F)製造方法は、基板900の選択された領域を(これらの選択された領域に、マスク材料902の空間的、選択的形成または成膜により)マスキングするステップから開始することができ、基板900の残りの領域は、マスクされないままで残る(
図10Aまたは
図11Aの配置が得られる)。任意の好適な空間選択的な技術を使用することができる。いくつかの例では、必要に応じてまたは所望の、ネガ型またはポジ型のフォトレジストを用いて、フォトリソグラフィが使用され得る。複数の第1の蛍光体粒子(
図10Bおよび
図10Cに示されるような画素蛍光体粒子712、または
図11Bおよび
図11Cに示されるような境界蛍光体粒子722のいずれか)は、任意の好適な方法(例えば、沈殿化、ブレードコーティング、電気泳動成膜など)で、基板のマスクされていない領域に成膜できる。いくつかの例では、第1の蛍光体粒子は、マスク材料902の上部に成膜されない(
図10Cまたは
図11Cのように)。また、いくつかの他の例では、第1の蛍光体粒子は、マスクされた領域内のマスク材料902の上部に成膜されてもよい(
図10Bまたは
図11Bのように)。いずれの場合も、その後、成膜された第1の蛍光体粒子は、第1のバインダ(
図10Bもしくは10Cにおける画素バインダ、または
図11Bもしくは11Cに示すような境界バインダのいずれか)を用いて結合される。
【0058】
第1の蛍光体粒子がマスク材料902の上部に成膜された場合(
図10Bまたは
図11Bのように)、これらの成膜された蛍光体粒子は、任意の好適な平坦化プロセス、例えば、研削、ラッピング、または化学機械研磨(CMP)を使用して除去することができ、それぞれ、
図10Cまたは
図11Cの配置が得られる。一旦これらの構成の1つが得られると、次に、任意の好適なプロセスによりマスク材料902が除去され、それぞれ、
図10Dまたは11Dの構成が得られる。
【0059】
次に、基板900に成膜され結合された複数の第1の蛍光体粒子の間に、複数の第2の蛍光体粒子(
図10Eおよび
図10Fに示される境界蛍光体粒子722、または
図11Eおよび
図11Fに示される画素蛍光体粒子712のいずれか)が成膜される。第2の蛍光体粒子は、任意の好適な方法(例えば、沈殿、ブレードコーティング、電気泳動成膜など)で成膜され得る。いくつかの例では、第2の蛍光体粒子は、結合された第1の蛍光体粒子上には成膜されない(
図10Fまたは
図11Fのように)。また、いくつかの他の例では、第2の蛍光体粒子は、結合された第1の蛍光体粒子の上部に成膜されてもよい(
図10Eまたは
図11Eのように)。いずれの場合も、成膜された第2の蛍光体粒子は、その後、第2のバインダ(
図10Eもしくは10Fにおける境界バインダ、または
図11Eもしくは11Fに示されるような画素バインダのいずれか)により、相互に結合される。また、第2のバインダは、結合された第1および第2の蛍光体粒子の領域を相互に結合し、材料層700が形成される。
【0060】
結合された第1の蛍光体粒子に第2の蛍光体粒子が成膜されない場合、
図10Fまたは
図11Fの配置が得られる。結合された第1の蛍光体粒子に第2の蛍光体粒子の一部が成膜される場合(
図10Eまたは
図11Eのように)、必要であれば、それらの成膜された第2の蛍光体粒子は、任意の好適な平坦化プロセス、例えば、研削、ラッピング、または化学機械研磨(CMP)を用いて除去することができ、それぞれ
図10Fまたは
図11Fの配置が得られる。しかしながら、ある場合には、第1の蛍光体粒子を被覆する第2の蛍光体粒子を残すことが望ましく、その場合、それぞれ、
図10Eまたは
図11Eの配置が得られる。
【0061】
図10A乃至
図10Fに概略的に示す製造手順において、基板900のマスクされた領域は、境界領域720に対応し、成膜された第1の蛍光体粒子は、画素蛍光体粒子712であり、第1のバインダは、画素コーティング714(
図8Aのような配置が生じる)、または画素媒体718(
図9Aのような配置が生じる)のいずれかである。マスク材料902の除去の後、成膜された第2の蛍光体粒子は、境界蛍光体粒子722であり、第2のバインダは、境界コーティング724(
図8Aのような配置が生じる)、または境界媒体728(
図9Aのような配置が生じる)のいずれかである。画素蛍光体粒子712上で任意の境界蛍光体粒子722が結合されている場合、それらは、平坦化により除去され、
図8Aまたは
図9Aの配置を得ることができる。
【0062】
図11A乃至
図11Fに概略的に示される製造手順において、基板900のマスクされた領域は、画素領域710に対応し、成膜された第1の蛍光体粒子は、境界蛍光体粒子722であり、第1のバインダは、境界コーティング724(
図8Aまたは
図8Bのような配置が生じる)、または境界媒体728(
図9Aまたは
図9Bのような配置が生じる)のいずれかである。マスク材料902の除去の後、成膜された第2の蛍光体粒子は、画素蛍光体粒子712であり、第2のバインダは、画素コーティング714(
図8Aまたは
図8Bのような配置が生じる)または画素媒体718(
図9Aまたは
図9Bのような配置が生じる)のいずれかである。任意の画素蛍光体粒子712が境界蛍光体粒子722の上に結合されている場合、それらが平坦化により除去されると、
図8Aまたは
図9Aの配置が得られ、それらが所定の場所に残されると、
図8Bまたは
図9Bの配置が得られる。
【0063】
いくつかの例では、第1の蛍光体粒子は、1つ以上の原子層成膜(ALD)プロセスまたは1つ以上の化学気相成膜(CVD)プロセスを用いて相互に結合され、第1の蛍光体粒子上の第1のコーティングとして、第1のバインダが形成され得る(例えば、
図10A乃至10Fの手順において画素コーティング714は、画素蛍光体粒子712を相互に結合し、
図8Aまたは
図8Bの配置が生じる。または
図11A乃至
図11Fの手順において、境界コーティング724は、境界蛍光体粒子722を相互に結合し、
図8Aまたは
図8Bの配置が生じる)。いくつかの例では、マスク材料および/または第1のコーティングは、マスク材料902に過度の劣化または変形が生じない化学物質を用いて、またはそのような条件下で、コーティング媒体が形成され得るように選択され得る。いくつかの例では、マスクを形成する前に、ALDまたはCVDの化学物質に対する反応性が基板900よりも低い保護層が、基板900に形成され得る。
【0064】
いくつかの例では、第2の蛍光体粒子は、1つ以上のALDプロセスまたは1つ以上のCVDプロセスを用いて相互に結合され、第2の蛍光体粒子上に第2のコーティングとして第2のバインダが形成され得る(例えば、
図8Aまたは
図8Bの配置の結果として得られる、
図10A乃至10Fの手順における境界蛍光体粒子722を相互に結合する境界コーティング724、または
図8Aまたは
図8Bの配置の結果として得られる、
図11A乃至
図11Fの手順における画素蛍光体粒子712を相互に結合する画素コーティング714)。いくつかの例では、第2のコーティングは、第1のコーティングの上部の結合された第1の蛍光体粒子に形成することができ、その結果、第1の蛍光体粒子上のコーティング材料の厚さが大きくなる。
図10A乃至
図10Fのプロセスでは、例えば、画素コーティング714および境界コーティング724の両方を形成するためにALDまたはCVDプロセスが使用される結果、境界蛍光体粒子722上のコーティング714、および空隙726(第2の結合成膜プロセスのみから生じる)と比べて、画素蛍光体粒子712上のより厚い全体的なコーティング724、およびより小さくより少ない数の空隙716(第1および第2の結合成膜プロセスの両方から生じる)が得られる。
【0065】
いくつかの例では、第1の蛍光体粒子は、1つ以上の前駆体(例えば、モノマー、開始剤、架橋剤、または他のポリマー前駆体)の成膜を用いて、相互に結合され、1つ以上の前駆体を硬化して、第1の蛍光体粒子を埋設した第1の透明固体媒体として、第1のバインダが形成できる(例えば、
図10A乃至
図10Fの手順において、画素媒体718は、画素蛍光体粒子712を相互に結合し、
図9Aまたは
図9Bの配置が得られる。または
図11A乃至
図11Fの手順において、境界媒体728は、境界蛍光体粒子722を互いに結合し、
図9Aまたは
図9Bの配置が得られる)。いくつかの例では、マスク材料および/または第1の固体透明媒体は、マスク材料902に過度の劣化または変形を生じさせない温度または他の条件下で、固体媒体を硬化できるように選択することができる。いくつかの例では、第2の蛍光体粒子は、1つ以上の前駆体(例えば、モノマー、開始剤、架橋剤、または他のポリマー前駆体)の成膜を用いて、相互に結合され、1つ以上の前駆体が硬化され、第2の蛍光体粒子が埋設された第2の透明固体媒体として、第2のバインダが形成できる(例えば、
図10A乃至
図10Fの手順において、境界媒体728は、境界蛍光体粒子722を相互に結合し、
図9Aまたは
図9Bの配置が得られる。または
図11A乃至
図11 Fの手順において、画素媒体718は、画素蛍光体粒子712を相互に結合し、
図9Aまたは
図9Bの配置が得られる)。
【0066】
いくつかの例では、前述のように形成された材料層は、基板900から除去され、基板698に転写され得る。基板698は、1つ以上の誘電体層697、1つ以上の半導体LED層696、またはその両方を有し得る。いくつかの他の例では、材料層700は、基板900として機能する発光画素アレイ800上に形成することができる。そのような例では、材料層は、アレイ800の発光表面上に直接形成され、または1つ以上の介在する透明誘電体層上に形成され得る。
【0067】
上記に加えて、以下の例示的な実施形態は、本開示または添付の特許請求の範囲に属する。
【0068】
(例1)
波長変換光学素子であって、
(a)対向する第1および第2の表面を有する固体材料層であって、複数の別個の画素領域および介在境界領域を有し、該介在境界領域は、前記画素領域の各々を少なくとも部分的に取り囲み、各画素領域を隣接する画素領域から少なくとも部分的に分離する、固体材料層と、
(b)各画素領域における、対応する複数の画素蛍光体粒子および透明画素バインダであって、前記画素バインダは、
(i)各画素蛍光体粒子を少なくとも部分的に被覆し、前記結合された画素蛍光体粒子間に空隙を残したまま、前記対応する画素領域の前記画素蛍光体粒子を相互に結合する、透明画素コーティング、または
(ii)前記画素蛍光体粒子が埋設された前記対応する画素領域を実質的に充填する透明固体画素媒体、
のいずれかを有する、対応する複数の画素蛍光体粒子および透明画素バインダと、
(c)前記境界領域における、複数の境界蛍光体粒子および透明境界バインダであって、前記境界バインダは、
(i)各境界蛍光体粒子を少なくとも部分的に被覆し、前記結合された境界蛍光体粒子間に空隙を残したまま、前記境界蛍光体粒子を相互に結合する、透明境界コーティング、または
(ii)前記境界蛍光体粒子が埋設された前記境界領域を実質的に充填する透明固体境界媒体を有する、複数の境界蛍光体粒子および透明境界バインダと、
を有し、
(d)前記画素領域は、
(i)前記画素蛍光体粒子および前記境界蛍光体粒子を特徴付ける異なるサイズ、組成、または屈折率、
(ii)前記画素コーティングおよび前記境界コーティングを特徴付ける異なる厚さ、組成、または屈折率、
(iii)前記画素蛍光体粒子間および前記境界蛍光体粒子間の空隙を特徴付ける異なるサイズ、数密度、または体積割合、あるいは
(iv)前記固体画素媒体および前記固体境界媒体を特徴付ける異なる組成または屈折率、
の1つ以上に関して前記境界領域とは異なる、波長変換光学素子。
【0069】
(例2)
前記境界領域は、前記画素領域により示される光散乱よりも大きい、前記画素または前記境界蛍光体粒子により放射される光の光散乱を示す、例1に記載の光学素子。
【0070】
(例3)
さらに、前記固体材料層の前記第1の表面に対して配置された基板を有する、例1または2に記載の光学素子。
【0071】
(例4)
前記基板は、1つ以上の透明誘電体層を有する、例3に記載の光学素子。
【0072】
(例5)
前記基板は、1つ以上の半導体LED構造を有する、例3または4に記載の光学素子。
【0073】
(例6)
前記境界蛍光体粒子は、前記画素蛍光体粒子の特徴サイズの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満の特徴サイズを有する、例1乃至5のいずれか一つに記載の光学素子。
【0074】
(例7)
前記画素蛍光体粒子は、20μm未満、10μm未満、または5μm未満のゼロではない特徴サイズを有する、例1乃至6のいずれか一つに記載の光学素子。
【0075】
(例8)
前記境界蛍光体粒はが、10μm未満、5μm未満、または2.5μm未満のゼロではない特徴サイズを有する、例1乃至7のいずれか一つに記載の光学素子。
【0076】
(例9)
前記境界蛍光体粒子は、隣接する画素領域間の分離の50%未満である、ゼロではない特徴サイズを有する、例1乃至8のいずれか一つに記載の光学素子。
【0077】
(例10)
前記画素蛍光体粒子は、前記境界蛍光体粒子とは異なる材料組成を有する、例1乃至9のいずれか一つに記載の光学素子。
【0078】
(例11)
前記画素蛍光体粒子および前記境界蛍光体粒子は、同じ材料組成を有する、例1乃至9のいずれか一つに記載の光学素子。
【0079】
(例12)
前記画素蛍光体粒子は、前記境界蛍光体粒子とは異なる屈折率を有する、例1乃至11のいずれか一つに記載の光学素子。
【0080】
(例13)
前記画素蛍光体粒子および前記境界蛍光体粒子は、同じ屈折率を有する、例1乃至11のいずれか一つに記載の光学素子。
【0081】
(例14)
前記境界コーティングは、前記画素コーティングの特徴厚さの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満である特徴厚さを有する、例1乃至13のいずれか一つに記載の光学素子。
【0082】
(例15)
前記画素蛍光体粒子間の空隙の数密度は、前記境界蛍光体粒子間の空隙の数密度の30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満である、例1乃至14のいずれか一つに記載の光学素子。
【0083】
(例16)
前記画素蛍光体粒子間の空隙の体積率は、前記境界蛍光体粒子間の空隙の体積率の30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満である、例1乃至15のいずれか一つに記載の光学素子。
【0084】
(例17)
前記画素蛍光体粒子間の空隙の特徴サイズは、前記境界蛍光体粒子間の空隙の特徴サイズの30%未満、50%未満、67%未満、または75%未満である、例1乃至16のいずれか一つに記載の光学素子。
【0085】
(例18)
前記画素コーティングは、前記境界コーティングとは異なる屈折率を有する、例1乃至17のいずれか一つに記載の光学素子。
【0086】
(例19)
前記画素コーティングと前記境界コーティングは、同じ屈折率を有する、例1乃至17のいずれか一つに記載の光学素子。
【0087】
(例20)
前記画素コーティングおよび前記境界コーティングは、同じ材料組成を有する、例1乃至19のいずれか一つに記載の光学素子。
【0088】
(例21)
前記画素コーティングおよび前記境界コーティングは、同じ単一のコーティング材料を有する、例20に記載の光学素子。
【0089】
(例22)
前記画素コーティングは、前記境界コーティングとは異なる材料組成を有する、例1乃至19のいずれか一つに記載の光学素子。
【0090】
(例23)
前記画素コーティングは、前記境界コーティングには含まれない1つ以上の材料を含む、例22に記載の光学素子。
【0091】
(例24)
前記画素コーティングは、異なる対応する材料組成または屈折率を有する内側コーティングおよび外側コーティングを有する、例23に記載の光学素子。
【0092】
(例25)
前記画素コーティングまたは前記境界コーティングは、1つ以上の金属または半導体の酸化物を含む、例1乃至24のいずれか一つに記載の光学素子。
【0093】
(例26)
前記画素コーティングまたは前記境界コーティングは、Al2O3、HfO2、SiO2、Ga2O3、GeO2、SnO2、CrO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、Y2O3、またはZrO2の中の任意の1つ以上の材料を含む、例1乃至25のいずれか一つに記載の光学素子。
【0094】
(例27)
前記画素コーティングまたは前記境界コーティングは、原子層成膜(ALD)プロセスを用いた形成、または共形化学気相成膜(CVD)プロセスを用いた形成に適合する1つ以上の材料を含む、例1乃至26のいずれか一つに記載の光学素子。
【0095】
(例28)
前記画素コーティングは、0.10μm超、0.20μm超、または0.30μm超の厚さを有する、例1乃至27のいずれか一つに記載の光学素子。
【0096】
(例29)
前記境界コーティングは、0.15μm未満、0.10μm未満、または0.05μm未満のゼロではない厚さを有する、例1乃至28のいずれか一つに記載の光学素子。
【0097】
(例30)
前記画素蛍光体粒子は、前記画素媒体に埋設され、前記境界蛍光体粒子は、前記境界媒体に埋設される、例6乃至13のいずれか一つに記載の光学素子。
【0098】
(例31)
さらに、前記境界媒体に埋設された散乱粒子を有する、例30に記載の光学素子。
【0099】
(例32)
前記散乱粒子は、TiO2粒子を含む、例31に記載の光学素子。
【0100】
(例33)
前記画素媒体は、1つ以上のポリマーを含み、または前記境界媒体は、1つ以上のポリマーを含む、例30乃至32のいずれか一つに記載の光学素子。
【0101】
(例34)
前記画素媒体は、1つ以上のシリコーンを含み、または前記境界媒体は、1つ以上のシリコーンを含む、例33に記載の光学素子。
【0102】
(例35)
前記画素媒体は、前記境界媒体の材料組成とは異なる材料組成を有する、例30乃至34のいずれか一つに記載の光学素子。
【0103】
(例36)
前記画素媒体および前記境界媒体は、同じ材料組成を有する、例30乃至35のいずれか一つに記載の光学素子。
【0104】
(例37)
前記画素媒体は、前記境界媒体の屈折率とは異なる屈折率を有する、例30乃至36のいずれか一つに記載の光学素子。
【0105】
(例38)
前記画素媒体および境界媒体は、同じ屈折率を有する、例30乃至36のいずれか一つに記載の光学素子。
【0106】
(例39)
各画素領域および境界領域は、前記第1の表面から前記第2の表面まで延在し、各画素領域は、隣接する画素領域から完全に分離される、例1乃至38のいずれか一つに記載の光学素子。
【0107】
(例40)
各画素領域は、前記第1の表面から前記第2の表面まで延在し、各境界領域は、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって一部にのみ延在し、
各画素領域は、前記第1の表面において隣接する画素領域から分離され、各画素領域は、前記第2の表面において1つ以上の隣接する画素領域と繋がっている、例1乃至38のいずれか一つに記載の光学素子。
【0108】
(例41)
前記第1および第2の表面は、実質的に平坦である、例1乃至40のいずれか一つに記載の光学素子。
【0109】
(例42)
前記光学素子の前記画素領域の間隔は、1.0mm未満、0.50mm未満、0.33mm未満、0.20mm未満、0.10mm未満、0.08mm未満、0.05mm未満、0.033mm未満、または0.020mm未満である、例1乃至41のいずれか一つに記載の光学素子。
【0110】
(例43)
前記光学素子の隣接する画素領域を分離する境界領域の幅は、0.10mm未満、0.050mm未満、0.033mm未満、0.020mm未満、0.010mm未満、0.008mm未満、または0.005mm未満である、例1乃至42のいずれか一つに記載の光学素子。
【0111】
(例44)
例1乃至43のいずれか一つに記載の波長変換光学素子を組み込んだ発光装置であって、
(A)前記波長変換光学素子と、
(B)第1の波長で光を放射する半導体発光画素のアレイと、
を有し、
前記発光画素の間隔は、波長変換光学素子の前記画素領域の間隔と実質的に整合し、
前記発光画素アレイは、前記発光画素により放射された光が前記波長変換光学素子の前記材料層の前記第1の表面に入射し、前記画素蛍光体粒子および前記境界蛍光体粒子により少なくとも一部が吸収されるように配置され、前記第1の波長よりも長い1つ以上の下位変換された波長で、下位変換された光が前記蛍光粒子から放射され、
前記波長変換光学素子は、前記画素領域が前記アレイの前記発光画素と実質的に整列されるように配置される、発光装置。
【0112】
(例45)
前記アレイの各発光画素は、前記アレイの少なくとも1つの他の発光画素とは独立に作動可能である、例44に記載の光学素子。
【0113】
(例46)
前記画素領域は、5:1超、10:1超、20:1超、50:1超、100:1超、または300:1超である、その隣接する画素領域から前記光学素子の前記第2の表面を出射する下位変換された光に対するコントラスト比を示す、例44または45に記載の光学素子。
【0114】
(例47)
前記光学素子の前記材料層の前記第1の表面は、前記発光画素アレイの発光表面に対して配置される、例44乃至46のいずれか一つに記載の光学素子。
【0115】
(例48)
さらに、前記材料層と発光画素アレイの発光表面との間に、1つ以上の透明誘電体層を有し、前記材料層の前記第1の表面は、誘電体基板層に対して配置される、例44乃至47のいずれか一つに記載の光学素子。
【0116】
(例49)
前記アレイの発光画素の間隔は、前記光学素子の前記画素領域の間隔と等しい、例44乃至48のいずれか一つに記載の光学素子。
【0117】
(例50)
前記アレイの前記発光画素の間隔は、1.0mm未満、0.50mm未満、0.33mm未満、0.20mm未満、0.10mm未満、0.08mm未満、0.05mm未満、0.033mm未満、または0.020mm未満である、例49に記載の光学素子。
【0118】
(例51)
前記アレイの前記発光画素は、非発光画素境界により分離され、前記光学素子の前記境界領域は、前記画素境界と整列される、例44乃至50のいずれか一つに記載の光学素子。
【0119】
(例52)
前記非発光画素境界は、0.10mm未満、0.050mm未満、0.033mm未満、0.020mm未満、0.010mm未満、または0.005mm未満のゼロではない幅を有する、例51一つに記載の光学素子。
【0120】
(例53)
前記境界領域の1つ以上は、前記対応する画素境界の幅に等しい、等しい対応する幅を有する、例51または52に記載の光学素子。
【0121】
(例54)
前記境界領域の1つ以上は、前記対応する画素境界の幅よりも大きい対応する幅を有する、例51乃至53のいずれか一つに記載の光学素子。
【0122】
(例55)
前記半導体発光画素のアレイは、半導体発光ダイオード(LED)のアレイを含有する、例44乃至54のいずれか一つに記載の光学素子。
【0123】
(例56)
前記発光ダイオードは、1つ以上のドープされたもしくは未ドープのIII-V族、II-VI族、もしくはIV族の半導体材料、またはそれらの混合金もしくは合物を有する、例44乃至55のいずれか一つに記載の光学素子。
【0124】
(例57)
各発光ダイオードは、1つ以上のp-n接合、1つ以上の量子井戸、1つ以上の多重量子井戸、または1つ以上の量子ドットを有する、例44乃至56のいずれか一つに記載の光学素子。
【0125】
(例58)
前記半導体発光画素により放射される光は、0.20μm超、0.4μm超、0.8μm超、10μm未満、2.5μm未満、または1.0μm未満の真空波長を有する、例44乃至57のいずれか一つに記載の光学素子。
【0126】
(例59)
前記光学素子を、その前記第1の表面が前記アレイの前記発光画素の発光表面と面するように配置するステップを有する、例44乃至58のいずれか一つに記載の光学素子。
【0127】
(例60)
前記光学素子の前記第1の表面は、前記発光表面に対して直接配置される、例59に記載の光学素子。
【0128】
(例61)
前記光学素子と前記発光画素アレイとの間に、1つ以上の透明誘電体層が配置される、例59に記載の光学素子。
【0129】
(例62)
例1乃至42のいずれか一つに記載の光学素子を製造する方法であって、
当該方法は、
(A)前記画素領域の各々において、前記画素バインダにより対応する複数の画素蛍光体粒子を相互に結合するステップと、
(B)前記境界領域において、前記境界バインダにより前記複数の境界蛍光体粒子を相互に結合するステップと、
を有し、
(C)前記画素領域および前記境界領域の前記蛍光体粒子は、相互に結合され、前記光学素子の前記材料層が形成される、方法。
【0130】
(例63)
例1乃至42のいずれか一つに記載の光学素子を製造する方法であって、
(A)基板の選択された領域にマスクを形成し、前記基板の残りの領域を非マスク領域にするステップと、
(B)複数の第1の蛍光体粒子を前記基板の前記非マスク領域に堆積し、前記堆積された第1の蛍光体粒子を第1のバインダにより相互に結合するステップと、
(C)前記選択された領域から前記マスクを除去するステップと、
(D)前記堆積され結合された複数の第1の蛍光体粒子同士の間で、前記基板に複数の第2の蛍光体粒子を堆積し、第2のバインダを用いて、前記堆積された第2の蛍光体粒子を相互に結合し、前記結合された複数の第1の蛍光体粒子に、前記複数の第2の蛍光体粒子を結合する、ステップと、
を有し、
(E)(i)前記第1の蛍光体粒子は、前記画素蛍光体粒子であり、前記第1のバインダは、前記画素バインダであり、前記第2の蛍光体粒子は、前記境界蛍光体粒子であり、前記第2のバインダは、前記境界バインダであり、または
(ii)前記第1の蛍光体粒子は、前記境界蛍光体粒子であり、前記第1のバインダは、前記境界バインダであり、前記第2の蛍光体粒子は、前記画素蛍光体粒子であり、前記第2のバインダは、前記画素バインダである、方法。
【0131】
(例64)
前記基板は、1つ以上の誘電体層を含む、例62または63に記載の方法。
【0132】
(例65)
前記基板は、1つ以上の半導体層を含む、例62乃至64のいずれか一つに記載の方法。
【0133】
(例66)
前記1つ以上の半導体層は、1つ以上のLED構造として配置される、例65に記載の方法。
【0134】
(例67)
さらに、前記光学素子を前記基板から取り外すステップを有する、例62乃至66のいずれか一つに記載の方法。
【0135】
(例68)
(i)前記第1の蛍光体粒子は、1つ以上のALDプロセスまたは1つ以上のCVDプロセスを使用して相互に結合され、前記第1の蛍光体粒子上の第1のコーティングとして前記第1のバインダが形成され、または、
(ii)前記第2の蛍光体粒子は、1つ以上のALDプロセスまたは1つ以上のCVDプロセスを使用して相互に結合され、前記第2の蛍光体粒子上の第2のコーティングとして前記第2のバインダが形成される、例62乃至67のいずれか一つに記載の方法。
【0136】
(例69)
前記第2のコーティングは、前記第1のコーティングの上部の前記結合された第1の蛍光体粒子に形成される、例68に記載の方法。
【0137】
(例70)
さらに、マスクを形成する前に、前記基板上に保護層を形成するステップを有し、
前記保護層は、1つ以上のALDプロセスまたは1つ以上のCVDプロセスに用いられる1つ以上の化学物質に対して、前記基板よりも反応性が低い、例68または69に記載の方法。
【0138】
(例71)
(i)前記第1の蛍光体粒子は、1つ以上の前駆体の堆積を用いて相互に結合され、前記1つ以上の前駆体を硬化して、前記第1の蛍光体粒子が埋設された第1の透明固体媒体として前記第1のバインダが形成され、または、
(ii)前記第2の蛍光体粒子は、1以上の前駆体の堆積を用いて相互に結合され、前記1つ以上の前駆体を硬化して、前記第2の蛍光体粒子が埋設された第2の透明固体媒体として前記第2のバインダが形成される、例62乃至67のいずれか一つに記載の方法。
【0139】
(例72)
さらに、前記マスクを除去するステップの前に、前記マスク材料上に堆積された任意の第1の蛍光体粒子を前記マスク領域から除去するステップ、を有する、例63乃至71のいずれか一つに記載の方法。
【0140】
(例73)
さらに、(ii)前記堆積され、結合された前記複数の第1の蛍光体粒子から、任意の第2の蛍光体粒子を除去するステップ、を有する、例63乃至72のいずれか一つに記載の方法。
【0141】
(例74)
前記堆積され、結合された前記複数の第1の蛍光体粒子の上に堆積され、結合された、任意の第2の蛍光体粒子は、所定の位置に残され、
前記結合された複数の第1の蛍光体粒子は、前記結合された第2の蛍光体粒子により被覆される、例63乃至72のいずれか一つに記載の方法。
【0142】
本開示は、例示的なものであり、限定的なものではない。当業者には、本開示から、さらなる修正が明らかであり、それらは、本開示または添付の特許請求の範囲に属することが意図される。開示された一例の実施形態および方法の均等物、またはそれらの修正は、本開示または添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0143】
前述の詳細な説明では、開示を合理化するため、いくつかの実施形態において、各種特徴をまとめてグループ化してもよい。この開示の方法は、任意のクレームされた実施形態が、対応する請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とする意図を反映するものと解してはならない。むしろ、添付の請求項が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された一実施形態の全ての特徴よりも小さいも範囲であってもよい。従って、本開示は、本願に明示的に開示されていない可能性のあるサブセットを含む、1つ以上の特徴-本出願に示され、記載され、またはクレームされている特徴-の任意の好適なサブセットを含む、任意の実施形態を暗示的に開示するものと解する必要がある。特徴の「好適な」サブセットは、そのサブセットの他の特徴に関して互換性がなく、相互に排他的でもない特徴のみを含む。従って、添付の特許請求の範囲は、その全体が本願の詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の開示された実施形態として、それ自体に依存する。また、添付の従属請求項の各々は、多数従属形式で記載され、矛盾しないで先行する全ての請求項に従属する場合、当該請求項を詳細な説明に組み込むことによる開示だけのものと解される必要がある。添付の請求項の累積的範囲は、必須ではないが、本願に開示された主題の全体を包含し得ることが留意される。
【0144】
以下の解釈は、本開示および添付の特許請求の範囲のために適用されてもよい。「comprising」、「include」、「having」という用語、およびそれらの変形は、それらが現れる場所に関わらず、オープンエンド用語として解釈され、明示的に別段の記載がない限り、各例の後に「少なくとも」のような語句が付加された場合と同じ意味を有する。冠詞「a」は、「1つのみの」、「1つの」または他の同様の限定が特定の文脈において明示的に記載されている場合、または暗黙的である場合を除き、「1つ以上」と解される必要がある。同様に、冠詞「the」は、「そのうちの1つのみ」、「その1つの」、または他の同様の限定が特定の文脈において明示的に記載されている場合、または暗黙的である場合を除き、「その1つ以上」と解される必要がある。「または」という用語は、(i)別途明示的に、例えば、「いずれか」、「いずれか1つ」、または同様の用語の使用によって、明示的に言及されている場合、または(ii)記載された選択肢のうちの2つ以上が、特定の文脈内で互換性がなく、相互に排他的であると(暗示的または明示的に)理解され、または開示される場合を除き、包括的に解釈される。この後者の場合、「または」は相互に非排他的な選択肢を含む、これらの組み合わせのみを包含することが理解される。一例では、「イヌまたはネコ」、「イヌまたはネコの1匹以上」、および「1匹以上のイヌまたはネコ」の各々は、ネコを含まない1匹以上のイヌ、またはイヌを含まない1匹以上のネコ、またはそれぞれの1匹以上として解釈される。別の例では、「イヌ、ネコ、またはマウス」、「イヌ、ネズミ、またはマウスの1匹以上」、および「1匹以上のイヌ、ネコ、またはマウス」の各々は、(i)ネコまたはマウスを含まない1匹以上のイヌ、(ii)イヌまたはマウスを含まない1匹以上のネコ、(iii)イヌまたはネコを含まない1匹以上のマウス、(iv)マウスを含まない1匹以上のイヌおよび1匹以上のネコ、(v)ネコを含まない1匹以上のイヌおよび1匹以上のマウス、(vi)イヌを含まない1匹以上のネコおよび1匹以上のマウス、または(vii)1匹以上のイヌ、1匹以上のネコ、および1匹以上のマウスと解される。別の例では、「イヌ、ネコ、またはマウスの2匹以上」または「2匹以上のイヌ、ネコ、またはマウス」の各々は、(i)マウスを含まない1匹以上のイヌおよび1匹以上のネコ、(ii)ネコを含まない1匹以上のイヌおよび1匹以上のマウス、(iii)イヌを含まない1匹以上のネコおよび1匹以上のマウス、または(iv)1匹以上のイヌ、1匹以上のネコ、および1匹以上のマウスと解される。「3匹以上」、「4匹以上」等も、同様に解釈される。
【0145】
本開示または添付の特許請求の範囲のため、(「ほぼ等しい」、「実質的に等しい」、「よりほぼ大きい」、「よりほぼ小さい」などの用語を伴うまたは伴わない)数値量が記載される場合、異なる解釈が明示的に記載されていない限り、測定精度および有効桁に関する標準的な慣習が適用される。「実質的に防止される」、「実質的に存在しない」、「実質的に除去される」、「ほぼゼロに等しい」、「無視できる」等のような語句により記述されるヌル量に関し、各そのような語句は、開示されまたはクレームされた装置または方法の意図された操作、または開示の使用の文脈における実際の目的のため、装置または方法の全体的な挙動または特性が、ヌル量が実際に完全に除去され、正確にゼロに等しい、または他の方法で正確にヌルされていた場合に生じた値と相違しない程度に、対象の量が、低減されまたは減少した場合を意味する。
【0146】
本開示および添付の特許請求の範囲のため、一実施形態、例、または請求項の要素、ステップ、限定、または他の部分(例えば、第1、第2、第3の等、(a)、(b)、(c)等、または(i)、(ii)、(iii)、(iii)等)のいかなるラベル付けも、単に明確化のためのものであり、そのようにラベル付けされた部分の任意の種類の順序付けまたは優先順を意味するものと解してはならない。そのような順序付けまたは優先順が意図される場合、それは、実施形態、実施例、または請求項において明示的に記載され、またはある場合には、実施形態、実施例、または請求項の特定の内容に基づいて、暗黙または固有のものとなる。添付の特許請求の範囲において、35USC 112(f)の規定が装置クレームに援用されることが望まれる場合、装置クレームにおいて「手段」という用語が認められる。これらの規定が方法の請求項に援用されることが望ましい場合、「のステップ」という用語がその方法の請求項に現れる。反対に、「手段」または「のステップ」という用語が請求項に記載されていない場合、35USC 112(f)の規定が当該請求項について援用されることは意図されない。
【0147】
任意の1つ以上の開示が参照により本願に組み込まれ、そのような組み込まれた開示が、本開示と部分的にもしくは全体的に矛盾する場合、または本開示と範囲が異なる場合、矛盾、より広範な開示、またはより広範な用語の定義の範囲まで、本開示が制御される。そのような組み込まれた開示の一部または全部が相互に抵触する場合、抵触の程度に応じて、後の開示が制御される。
【0148】
要約書は、特許文献内の特定の主題を調査する者の一助として、必要に応じて提供される。しかしながら、要約書は、記載された任意の要素、特徴、または限定が、必ずしも特定の請求項に包含されることを意味するものではない。各請求項に包含される主題の範囲は、当該請求項の記載のみにより決定される。