(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】衣類用折り畳み式ハンガー
(51)【国際特許分類】
A47G 25/40 20060101AFI20240814BHJP
A47G 25/20 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A47G25/40 A
A47G25/20
(21)【出願番号】P 2019150063
(22)【出願日】2019-08-20
【審査請求日】2022-07-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519301995
【氏名又は名称】藤原 祥貴
(74)【代理人】
【識別番号】100135862
【氏名又は名称】金木 章郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祥貴
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-142299(JP,U)
【文献】特開2009-261750(JP,A)
【文献】特開2011-182807(JP,A)
【文献】特開平10-225365(JP,A)
【文献】特開平11-164766(JP,A)
【文献】米国特許第04300688(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/40
A47G 25/20
A47G 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類の前身頃と後身頃との間に配置される本体部であって、
衣類の前身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体前面部と、
衣類の後身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体背面部と、を有する本体部と、
前記本体部と右側折り目を介して隣接して設けられる右側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の右部分と向かい合う右側前面部と、
衣類の後身頃の右部分と向かい合う右側背面部と、を有し、
前記右側背面部が前記本体背面部に近づくように前記右側折り目で折り曲げ可能な右側部と、
前記本体部と左側折り目を介して隣接して設けられる左側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の左部分と向かい合う左側前面部と、
衣類の後身頃の左部分と向かい合う左側背面部と、を有し、
前記左側背面部が前記本体背面部に近づくように前記左側折り目で折り曲げ可能な左側部と、
前記右側折り目及び前記左側折り目と交差するとともに折り曲げ可能
であり、前記本体部と前記右側部と前記左側部とに亘って延在する交差折り目と、を備え、
前記交差折り目が折り曲げられずに、前記右側折り目が折り曲げられることで衣類の前身頃及び後身頃の右側が右側部とともに背面側に折り込まれ、かつ、前記左側折り目が折り曲げられることで衣類の前身頃及び後身頃の左側が左側部とともに背面側に折り込まれる第1の状態になり、
前記右側折り目及び左側折り目が折り曲げられ
ないことで、衣類が展開された第2の状態になる、折り畳み式ハンガー。
【請求項2】
長尺な形状を有し、長手方向の一方の2つの第1の端部と前記第1の端部から離隔し長手方向の他方の第2の端部とを有する牽引体であって、前記2つの第1の端部の各々が前記右側部及び前記左側部に連結され、前記第2の端部が前記本体部に対して長手方向に沿って変位可能な牽引体を、さらに備え、
前記右側折り目は、
前記右側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記右側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記左側折り目は、
前記左側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記左側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記牽引体の前記第2の端部を前記本体部に対して長手方向に沿って変位させることで、前記2つの第1の端部を前記第2の端部に向かって牽引し、前記右側折り目及び前記左側折り目をともに前記第1の折り曲げ方向に折って、前記右側部及び前記左側部を折り曲げる、請求項1に記載の折り畳み式ハンガー。
【請求項3】
長尺な形状を有し、長手方向の一方の第1の端部と前記第1の端部から離隔し長手方向の他方の第2の端部とを有する牽引体であって、前記第1の端部が前記前記本体部の下部に連結され、前記第2の端部が前記本体部の上部に対して長手方向に沿って変位可能な牽引体と、を備え、
前記牽引体の前記第2の端部を前記本体部の上部に対して長手方向に沿って変位させることで、前記第1の端部を前記第2の端部に向かって牽引し、前記交差折り目を前身頃側に折り曲げる、請求項1に記載の折り畳み式ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣類を吊る下げるための折り畳み式ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
衣類を吊る下げるための折り畳み式ハンガーが知られている。例えば、大きさが異なる衣服に合わせて、伸縮できるハンガーがある(例えば、特許文献1参照)。また、持ち運びに便利な折り畳み可能な衣類用ハンガーも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-230646号公報
【文献】特開2005-348993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した伸縮可能なハンガーや折り畳み可能な衣類用ハンガーは、左右に延在して肩の部分のみを支持するものであった。このため、衣類の平面的な広がりを維持できるものではなかった。例えば、旅行や出張などの移動時には、手荷物を少なくしたり軽くしたりするために、ワイシャツやブラウスなどは、なるべくバッグなどに入れて運ぶことが多い。しかしながら、バッグなどに衣類を入れると、振動や衝撃などによってバッグ内で移動したり、バッグ内で他の荷物から押圧されたりして、皺が形成されたり襟などが変形したりする場合があった。
【0005】
また、宿泊先などに到着したときには、ワイシャツやブラウスなどを、直ちに、バッグから取り出して、備え付けのハンガーに吊るし直す必要があり、荷物の整理が煩雑にならざるを得なかった。
【0006】
さらに、自宅や宿泊先などでの荷造りの際には、タンスなどに入れていたワイシャツやブラウスなどをバッグに収納するために、改めて畳み直す必要があり、出発前の時間を割かざるを得なかった。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、荷造りや荷解きを迅速かつ簡便にできるとともに、皺の形成や変形などが生じないように衣類を簡便に持ち運ぶことができる衣類用折り畳み式ハンガーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による折り畳み式ハンガーの特徴は、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置される本体部であって、
衣類の前身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体前面部と、
衣類の後身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体背面部と、を有する本体部と、
前記本体部と右側折り目を介して隣接して設けられる右側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の右部分と向かい合う右側前面部と、
衣類の後身頃の右部分と向かい合う右側背面部と、を有し、
前記右側背面部が前記本体背面部に近づくように前記右側折り目で折り曲げ可能な右側部と、
前記本体部と左側折り目を介して隣接して設けられる左側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の左部分と向かい合う左側前面部と、
衣類の後身頃の左部分と向かい合う左側背面部と、を有し、
前記左側背面部が前記本体背面部に近づくように前記左側折り目で折り曲げ可能な左側部と、
前記右側折り目及び前記左側折り目と交差するとともに折り曲げ可能であり、前記本体部と前記右側部と前記左側部とに亘って延在する交差折り目と、を備え、
前記交差折り目が折り曲げられずに、前記右側折り目が折り曲げられることで衣類の前身頃及び後身頃の右側が右側部とともに背面側に折り込まれ、かつ、前記左側折り目が折り曲げられることで衣類の前身頃及び後身頃の左側が左側部とともに背面側に折り込まれる第1の状態になり、
前記右側折り目及び左側折り目が折り曲げられないことで、衣類が展開された第2の状態になる、ことである。
【発明の効果】
【0009】
皺の形成や変形などが生じないように衣類を簡便に持ち運ぶことができるとともに、荷造りや荷解きを迅速かつ簡便にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】折り畳み式ハンガー100を展開した状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図2】折り畳み式ハンガー100を折り畳んだ状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図3】ハンガーとして機能させるときの状態を示す斜視図である。
【
図4】折り畳み式ハンガー100に取り付けたワイシャツを折り畳んだ収納状態を示す斜視図である。
【
図5】ワイシャツを折り畳み式ハンガー100に取り付けて吊るした状態を示す斜視図である。
【
図6】折り畳み式ハンガー200を展開した状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図7】折り畳み式ハンガー200を折り畳んだ状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図8】折り畳み式ハンガー200がハンガーとして機能するときの状態を背面側から示す斜視図である。
【
図9】折り畳み式ハンガー300を展開した状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図10】折り畳み式ハンガー300を折り畳んだ状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図11】折り畳み式ハンガー300がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図12】折り畳み式ハンガー400を展開した状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図13】折り畳み式ハンガー400を折り畳んだ状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図14】折り畳み式ハンガー400がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【
図15】折り畳み式ハンガー500を展開した状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図16】折り畳み式ハンガー500を折り畳んだ状態を示す斜視図(a)と、切断線A-Aにおける断面図(b)とである。
【
図17】折り畳み式ハンガー500がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
【0012】
<<用語の説明など>>
衣類は、身に着る物の総称であり、着物類である。衣類は、洋服でも和服でもよい。衣類は、上着でも下着でもよい。衣類は、長袖、半袖、袖なしでもよい。衣類は、ハンガーに吊るすことができるものであればよい。例えば、ワイシャツ、Tシャツ、ポロシャツなどのほか、ブラウス、セーター、スーツなどでもよい。
【0013】
前面とは、身体の前側に対応する部分をいう。背面とは、身体の後側に対応する部分をいう。鉛直(方向)とは、水平面と垂直をなす方向をいう。上とは、鉛直方向の高い側をいい、下とは、鉛直方向の低い側をいう。具体的には、衣類をハンガーに掛けてハンガーを吊るしたときに重力の作用に従って定まる衣類の状態で、襟が位置する方が上であり、裾が位置する方が下である。なお、ハンガーは、タンスやクローゼットのポールやバーやフックなどに吊すことができる。
【0014】
身頃とは、衣服の袖、襟(衿)などを除いた、胴の部分であり、身体の前側及び背側を覆う部分をいう。前身頃とは、身頃の前部であり、前部の胴の部分をいう。後身頃とは、身頃の後部であり、後部の胴の部分をいう。ヨークとは、ワイシャツなどの肩から背中の上部までの切り替え部分をいう。襟とは、首を囲む部分をいう。袖は、筒状で腕を通す部分である。袖山とは、身頃の肩の部分と、袖の最上端との接続部である。裾は、衣服の下の方の名称である。
【0015】
折り畳んだ状態(折畳(セツジョウ)状態)とは、家などで衣類の保管時にタンスに収納したり、持ち運び時にバッグに収納したりするときなどに、折って重ね合せて、小さくした状態である。特に、厚みが薄くなるように小さくした状態が好ましい。
【0016】
展開した状態(展開状態)とは、衣類をハンガーに掛けてハンガーを吊るして、衣類を広げ状態であり、衣類をハンガーに掛けてハンガーを吊るしたときに定まる状態である。
【0017】
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置される本体部であって、
衣類の前身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体前面部と、
衣類の後身頃の左右方向の中央部と向かい合う本体背面部と、を有する本体部と、
前記本体部と右側折り目を介して隣接して設けられる右側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の右部分と向かい合う右側前面部と、
衣類の後身頃の右部分と向かい合う右側背面部と、を有し、
前記右側背面部が前記本体背面部に近づくように前記右側折り目で折り曲げ可能な右側部と、
前記本体部と左側折り目を介して隣接して設けられる左側部であって、
衣類の前身頃と後身頃との間に配置されるとともに、
衣類の前身頃の左部分と向かい合う左側前面部と、
衣類の後身頃の左部分と向かい合う左側背面部と、を有し、
前記左側背面部が前記本体背面部に近づくように前記左側折り目で折り曲げ可能な左側部と、を備える折り畳み式ハンガーが提供される。
【0018】
折り畳み式ハンガーは、本体部と右側部と左側部とを備える。本体部、右側部及び左側部は、いずれも衣類の前身頃と後身頃との間に配置される。すなわち、本体部、右側部及び左側部は、衣類の前身頃と後身頃とによって挟まれる。
【0019】
本体部は、本体前面部と本体背面部とを有する。本体前面部は、衣類の前身頃の左右方向の中央部と向かい合う。本体背面部は、衣類の後身頃の左右方向の中央部と向かい合う。
【0020】
右側部は、本体部に隣接して設けられる。右側部と本体部との間には、右側折り目が設けられている。右側部は、右側前面部と右側背面部とを有する。右側前面部は、衣類の前身頃の右部分と向かい合う。右側背面部は、衣類の後身頃の右部分と向かい合う。
【0021】
左側部は、本体部に隣接して設けられる。左側部と本体部との間には、左側折り目が設けられている。左側部は、左側前面部と左側背面部とを有する。左側前面部は、衣類の前身頃の左部分と向かい合う。左側背面部は、衣類の後身頃の左部分と向かい合う。
【0022】
右側部は、右側背面部が本体背面部に近づくように右側折り目で折り曲げることができる。右側部は、右側折り目の屈曲変形により、本体部に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。左側部は、左側背面部が本体背面部に近づくように左側折り目で折り曲げることができる。左側部は、左側折り目の屈曲変形により、本体部に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0023】
右側部を折り曲げることによって、右側部とともに衣類の身頃の右部分を背面側に折ることができ、左側部を折り曲げることによって、左側部とともに衣類の身頃の左部分を背面側に折ることができ、右側部及び左側部によって衣類を案内しつつ畳むことができ、常に一定の大きさ及び形状となるように衣類を畳むことができ、折り畳んだ衣類の大きさ及び形状を揃えることができ、タンスやバッグへの収納を容易かつ迅速にすることができる。
【0024】
さらに、第1の実施の態様において、
右側部は、衣類の前身頃の右部分と後身頃の右部分とによって挟まれた状態を維持しつつ、右側背面部が本体背面部に近づくように折り曲げられ、
左側部は、衣類の前身頃の左部分と後身頃の左部分とによって挟まれた状態を維持しつつ、左側背面部が本体背面部に近づくように折り曲げられるのが好ましい。
【0025】
右側部によって衣類の前後身頃の右部分を案内しつつ、左側部によって衣類の前後身頃の左部分を案内しつつ、衣類を折り畳むことができる。
【0026】
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記右側折り目は、前記本体背面部と前記右側背面部との間に形成され、互いに離隔する少なくとも2本の右側凹溝部を有し、
前記左側折り目は、前記本体背面部と前記左側背面部との間に形成された互いに離隔する少なくとも2本の左側凹溝部を有し、
前記右側部を折り曲げたときに、前記少なくとも2本の右側凹溝部の前面側は、いずれも凸状に変形して、前記本体部と前記右側部との間に、後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部が形成され、
前記左側部を折り曲げたときに、前記少なくとも2本の左側凹溝部の前面側は、いずれも凸状に変形して、前記本体部と前記左側部との間に、後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部が形成される。
【0027】
右側折り目は、互いに離隔する少なくとも2本の右側凹溝部を有する。右側折り目は、本体背面部と右側背面部との間に形成される。すなわち、本体部と右側部との間に2本の右側凹溝部が形成されており、凹溝部の開口が背面方向に向かう。
【0028】
左側折り目は、互いに離隔する少なくとも2本の左側凹溝部を有する。左側折り目は、本体背面部と左側背面部との間に形成される。すなわち、本体部と左側部との間に2本の左側凹溝部が形成されており、凹溝部の開口が背面方向に向かう。
【0029】
右側凹溝部の前面側は、右側部を折り曲げる前では、平坦、すなわち、本体部の前面側と右側部の前面側とのなす角度は、180度の角度をなし、右側部を折り曲げると、本体部の前面側と右側部の前面側とのなす角度は、360度に近づき、凸状に変形する。なお、右側部を折り曲げる前では、本体部の背面側と右側部の背面側とのなす角度は、180度の角度をなし、右側部を折り曲げると、本体部の背面側と右側部の背面側とのなす角度は、0度に近づく。右側部を折り曲げることによって、本体部と右側部との間に、後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部が形成される。
【0030】
左側凹溝部の前面側は、左側部を折り曲げる前では、平坦、すなわち、本体部の前面側と左側部の前面側とのなす角度は、180度の角度をなし、左側部を折り曲げると、本体部の前面側と左側部の前面側とのなす角度は、360度に近づき、凸状に変形する。なお、左側部を折り曲げる前では、本体部の背面側と左側部の背面側とのなす角度は、180度の角度をなし、左側部を折り曲げると、本体部の背面側と左側部の背面側とのなす角度は、0度に近づく。左側部を折り曲げることによって、本体部と左側部との間に、後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部が形成される。
【0031】
右側収納部を形成することによって、後身頃の右側部分を右側収納部に収納することができるとともに、左側収納部を形成することによって、後身頃の左側部分を左側収納部に収納することができ、折り畳んだ衣類を的確に保持する空間を確保することができる。
【0032】
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様は、第1の実施の態様又は第2の実施の態様において、
前記本体部の上部及び前記右側部の上部において前記右側折り目と交差する右側肩部用折り目(例えば、後述する第2の折り目140R、440Rなど)と、
前記本体部の上部及び前記左側部の上部において前記左側折り目と交差する左側肩部用折り目(例えば、後述する第2の折り目140L、440Lなど)と、を更に備え、
前記右側肩部用折り目及び前記左側肩部用折り目は、衣類の前身頃側に折り曲げ可能(例えば、
図3、
図14参照)である。
【0033】
第3の実施の態様による折り畳み式ハンガーは、右側肩部用折り目と左側肩部用折り目とを更に備える。右側肩部用折り目は、本体部の上部と右側部の上部との双方に形成されて、右側折り目と交差する。左側肩部用折り目は、本体部の上部と左側部の上部との双方に形成されて、左側折り目と交差する。右側肩部用折り目及び左側肩部用折り目は、いずれも、衣類の前身頃側に折り曲げることができる。
【0034】
右側肩部用折り目及び左側肩部用折り目を衣類の前身頃側に折り曲げることによって、ハンガーの肩部(例えば、後述するハンガー肩部124L、124R、424L、424Rなど)を形成することができる。本体部や右側部や左側部の厚さが薄い場合であっても、右側肩部用折り目及び左側肩部用折り目を折り曲げることによって、衣類を掛ける部分を太くでき、安定して衣類を吊り下げることができる。
【0035】
<<第4の実施の態様>>
第4の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記右側部及び前記左側部に連結され、前記本体部に対して変位可能な牽引体を更に備え、
前記右側折り目は、
前記右側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記右側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記左側折り目は、
前記左側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記左側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記牽引体を前記本体部に対して変位させることで、前記右側折り目及び前記左側折り目をともに前記第1の折り曲げ方向に折って、前記右側部及び前記左側部を折り曲げる。
【0036】
右側折り目は、第1の折り曲げ方向と第2の折り曲げ方向とに選択的に折り曲げることができる。すなわち、右側折り目は、第2の折り曲げ方向に折り曲げるだけでなく、第1の折り曲げ方向にも折り曲げることもできる。すなわち、右側部は、本体部に対して正逆方向に折り曲げる(揺動する)ことができる。第1の折り曲げ方向は、右側前面部を本体前面部に近づける方向である。第2の折り曲げ方向は、右側背面部を本体背面部に近づける方向である。
【0037】
左側折り目は、第1の折り曲げ方向と第2の折り曲げ方向とに選択的に折り曲げることができる。すなわち、左側折り目は、第2の折り曲げ方向に折り曲げるだけでなく、第1の折り曲げ方向にも折り曲げることもできる。すなわち、左側部は、本体部に対して正逆方向に折り曲げる(揺動する)ことができる。第1の折り曲げ方向は、左側前面部を本体前面部に近づける方向である。第2の折り曲げ方向は、左側背面部を本体背面部に近づける方向である。
【0038】
牽引体を本体部に対して変位させたときには、右側折り目及び左側折り目をともに第1の折り曲げ方向に折って、右側部及び左側部を折り曲げる。
【0039】
このように、牽引体を本体部に対して変位させることで、右側部及び左側部を折り曲げることができ、牽引体の牽引という1つの動作のみで、右側部及び左側部の双方を折り曲げることができ、折り曲げ作業を容易にすることができる。右側部及び左側部の双方を折り曲げることで、本体部や右側部や左側部の厚さが薄い場合であっても、全体として剛性を高めることができ、衣類を安定して吊り下げることができる。
【0040】
<<第5の実施の態様>>
第5の実施の態様は、第1の実施の態様において、
長尺な形状を有し、長手方向の第1の端部と反対側の第2の端部とを有する右側牽引体と、
長尺な形状を有し、長手方向の第1の端部と反対側の第2の端部とを有する左側牽引体と、
長尺な形状を有し、長手方向の第1の端部と反対側の第2の端部とを有し、前記本体部に対して変位可能な中央牽引体とを、更に備え、
前記右側牽引体の前記第1の端部は、前記右側部に連結され、
前記左側牽引体の前記第1の端部は、前記左側部に連結され、
前記右側牽引体の前記第2の端部及び前記左側牽引体の前記第2の端部は、前記中央牽引体の前記第1の端部に連結され、
前記右側折り目は、
前記右側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記右側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記左側折り目は、
前記左側前面部を前記本体前面部に近づける第1の折り曲げ方向と、
前記左側背面部を前記本体背面部に近づける第2の折り曲げ方向と、
の折り曲げが選択的に可能であり、
前記牽引体の前記第2の端部を前記本体部に対して変位させることで、前記右側折り目及び前記左側折り目をともに前記第1の折り曲げ方向に折って、前記右側部及び前記左側部を折り曲げる。
【0041】
右側折り目は、第1の折り曲げ方向と第2の折り曲げ方向とに選択的に折り曲げることができる。すなわち、右側折り目は、第2の折り曲げ方向に折り曲げるだけでなく、第1の折り曲げ方向にも折り曲げることもできる。すなわち、右側部は、本体部に対して正逆方向に折り曲げる(揺動する)ことができる。第1の折り曲げ方向は、右側前面部を本体前面部に近づける方向である。第2の折り曲げ方向は、右側背面部を本体背面部に近づける方向である。
【0042】
左側折り目は、第1の折り曲げ方向と第2の折り曲げ方向とに選択的に折り曲げることができる。すなわち、左側折り目は、第2の折り曲げ方向に折り曲げるだけでなく、第1の折り曲げ方向にも折り曲げることもできる。すなわち、左側部は、本体部に対して正逆方向に折り曲げる(揺動する)ことができる。第1の折り曲げ方向は、左側前面部を本体前面部に近づける方向である。第2の折り曲げ方向は、左側背面部を本体背面部に近づける方向である。
【0043】
右側牽引体の第1の端部は、右側部に連結されている。左側牽引体の第1の端部は、左側部に連結されている。右側牽引体の第2の端部及び左側牽引体の第2の端部は、中央牽引体の第1の端部に連結されている。このため、中央牽引体の牽引動作を右側牽引体及び左側牽引体の双方に伝達させて連動させることができる。
【0044】
このように、中央牽引体を本体部に対して変位させることで、右側牽引体を介して右側部を折り曲げることができ、左側牽引体を介して左側部を折り曲げることができ、中央牽引体の牽引という1つの動作のみで、右側部及び左側部の双方を折り曲げることができ、折り曲げ作業を容易にすることができる。右側部及び左側部の双方を折り曲げることで、本体部や右側部や左側部の厚さが薄い場合であっても、全体として剛性を高めることができ、衣類を安定して吊り下げることができる。
【0045】
<<第6の実施の態様>>
第6の実施の態様は、第1の実施の態様又は第2の実施の態様において、
前記本体部と前記右側部と前記左側部とに亘って延在し、前記右側折り目及び前記左側折り目と交差する左右横断折り目(例えば、後述する第2の折り目540など)と、を更に備え、
前記左右横断折り目は、前記本体部の上部と前記右側部の上部と前記左側部の上部とを衣類の前身頃側に折り曲げ可能である。
【0046】
<<第7の実施の態様>>
第7の実施の態様は、第6の実施の態様において、
前記本体部の下部に連結され、前記本体部に対して変位可能な牽引体(例えば、後述する牽引体550など)を更に備える。
【0047】
<<<<第1の実施の形態~第4の実施の形態の詳細>>>>
以下に、第1の実施の形態~第4の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0048】
<<<第1の実施の形態>>>
図1~
図5は、第1の実施の形態による折り畳み式ハンガー100の構成を示す。
図1(a)は、折り畳み式ハンガー100を展開した状態を示す斜視図である。
図1(b)は、切断線A-Aにおける断面図である。
図2(a)は、折り畳み式ハンガー100を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図2(b)は、切断線A-Aにおける断面図である。
図3は、ハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【0049】
<<折り畳み式ハンガー100の構成>>
図1(a)及び(b)に示すように、折り畳み式ハンガー100は、展開した状態では、全体として平坦となり、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。折り畳み式ハンガー100は、例えば、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。なお、この厚さに限られず、折り畳み式ハンガー100の材料や、吊り下げる衣類の種類などに応じて厚さを適宜に定めればよい。
【0050】
折り畳み式ハンガー100は、上端部102と、2つの右傾斜辺104R及び左傾斜辺104Lと、2つの右側辺106R及び左側辺106Lと、底辺108とを有する。右傾斜辺104R及び左傾斜辺104L、右側辺106R及び左側辺106L、底辺108は、略直線状に形成されている。右傾斜辺104Rは、上端部102から右側辺106Rに向かって下方に傾き、左傾斜辺104Lは、上端部102から左側辺106Lに向かって下方に傾く。
【0051】
<本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120L>
折り畳み式ハンガー100は、本体板部110と2枚の右側板部120R及び左側板部120Lとを有する。本体板部110は、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。右側板部120R及び左側板部120Lは、略台形状の薄板状の形状を有する。右側板部120Rは、本体板部110の右側に位置し、左側板部120Lは、本体板部110の左側に位置する。
【0052】
本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lは、紙などの繊維によって構成したり、プラスチックなどの樹脂で構成したりすることができる。本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lを構成する材料は、薄板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性及び弾性を有するものであればよい。
【0053】
<第1の折り目130R及び第1の折り目130L>
折り畳み式ハンガー100は、本体板部110と右側板部120Rとの間に第1の折り目130Rを有し、本体板部110と左側板部120Lとの間に第1の折り目130Lを有する。右側板部120Rは、第1の折り目130Rを介して本体板部110と連結して、本体板部110の右側に延在する。左側板部120Lは、第1の折り目130Lを介して本体板部110と連結して、本体板部110の左側に延在する。本体板部110と右側板部120Rとは、第1の折り目130Rを介して一体に形成され、本体板部110と左側板部120Lとは、第1の折り目130Lを介して一体に形成されている。
【0054】
第1の実施の形態では、第1の折り目130R及び第1の折り目130Lは、3本の長尺な直線状の溝部(凹部)132からなる。溝部132は、2つの右側辺106R及び左側辺106Lと平行に形成され、すなわち、折り畳み式ハンガー100を立設させた状態では、上下方向又は鉛直方向に向く。
【0055】
溝部132は、本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lの厚さよりも薄い厚さを有し、第1の折り目130R及び第1の折り目130Lの溝部132は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。溝部132の開口134は、背面方向に向かって(背面側に)形成される。
【0056】
右側板部120Rに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目130Rが折れ曲がり、右側板部120Rは、第1の折り目130Rを中心にして、本体板部110の背面に近づくように揺動する。すなわち、右側板部120Rは、第1の折り目130Rの屈曲変形により、本体板部110に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。
【0057】
左側板部120Lに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目130Lが折れ曲がり、左側板部120Lは、第1の折り目130Lを中心にして、本体板部110の背面に近づくように揺動する。すなわち、左側板部120Lは、第1の折り目130Lの屈曲変形により、本体板部110に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0058】
第1の折り目130R及び第1の折り目130Lは、背面側で0~180度の範囲(θRR及びθLR)(前面側では180度~360度の範囲(θRF及びθLF))で揺動することができる。なお、背面側の角度(θRR及びθLR)が180度のときは、折り畳み式ハンガー100が展開した状態であり(
図1(b))、背面側の角度(θRR及びθLR)が0度のときは、折り畳み式ハンガー100が折り畳まれた状態である(
図2(b))。折り畳まれた状態のときは、第1の折り目130R及び第1の折り目130Lの前面側は、凸状に変形する(
図2(b))。すなわち、第1の折り目130Rは、右方向に向かって凸となり、第1の折り目130Lは、左方向に向かって凸となる。
【0059】
折り畳まれた状態のときには、右側板部120Rと本体板部110との間に後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部136Rが形成され、左側板部120Lと本体板部110との間に後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部136Lが形成される。第1の折り目130R及び第1の折り目130Lの隣り合う溝部132の間隔によって、右側収納部136R及び左側収納部136Lの間隔が定まる。
【0060】
溝部132の数は、3本に限られず他の本数でもよく、右側板部120R及び左側板部120Lを円滑に背面側に揺動させることができればよい。溝部132の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー100の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0061】
<折り畳んだ状態(折畳(セツジョウ)状態)>
第1の折り目130Rが折れ曲がることで、右側板部120Rを背面側に0度(θRR)に達するまで折ることができる。第1の折り目130Lが折れ曲がることで、左側板部120Lを背面側に0度(θLR)に達するまで折ることができる。
図2に示すように、右側板部120R及び左側板部120Lを背面側に0度まで折ることで、折り畳み式ハンガー100を折り畳んだ状態にすることができる。
【0062】
<第2の折り目140R及び第2の折り目140L>
図1(a)に示すように、折り畳み式ハンガー100は、右傾斜辺104Rの下方に第2の折り目140Rを有し、左傾斜辺104Lの下方に第2の折り目140Lを有する。第2の折り目140R及び第2の折り目140Lは、3本の長尺な直線状の溝部(凹部)142からなる。溝部142は、本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lの厚さよりも薄い厚さを有する。第2の折り目140Rの3本の溝部142は、上端部102から右側辺106Rに向かうに従って隣り合う溝部142の間隔が徐々に広がるように形成されている。第2の折り目140Lの3本の溝部142は、上端部102から左側辺106Lに向かうに従って隣り合う溝部142の間隔が徐々に広がるように形成されている。第2の折り目140R及び第2の折り目140Lの溝部142は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。
【0063】
第2の折り目140Rの3本の溝部142は、本体板部110の上部の右側の領域と右側板部120Rの上部との双方に亘って形成されている。第2の折り目140Rの3本の溝部142によって、肩部構成領域122Rが形成される。本体板部110の上部と右側板部120Rの上部に前面側に向かう力が加えられたときには、第2の折り目140Rが前面側に折れ曲がる。
【0064】
第2の折り目140Lの3本の溝部142は、本体板部110の上部の左側の領域と左側板部120Lの上部との双方に亘って形成されている。第2の折り目140Lの3本の溝部142によって、肩部構成領域122Lが形成される。本体板部110の上部と左側板部120Lの上部に前面側に向かう力が加えられたときには、第2の折り目140Lが前面側に折れ曲がる。
【0065】
<ハンガー肩部124R及び124Lの形成状態>
第2の折り目140Rを折り曲げることによって、本体板部110の上部の右側の領域と右側板部120Rの上部を前面側に折ることができ、ハンガー肩部124Rが形成される。第2の折り目140Lを折り曲げることによって、本体板部110の上部の左側の領域と左側板部120Lの上部を前面側に折ることができ、ハンガー肩部124Lが形成される。ハンガー肩部124R及びハンガー肩部124Lを形成することによって、剛性を高めて、折り畳み式ハンガー100をハンガーとして機能させることができる。ハンガー肩部124Rの最右端によって、ハンガー肩先126Rが形成される。ハンガー肩部124Lの最左端によって、ハンガー肩先126Lが形成される。
【0066】
ハンガー肩部124R及び124Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側の最上端と左側の最上端とを保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先126RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先126LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー100の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0067】
溝部142の数は、3本に限られず他の本数でもよく、ハンガー肩部124R及び124Lを形成できればよい。溝部142の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー100の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0068】
<交差領域128R及び交差領域128L>
第1の折り目130Rと第2の折り目140Rとは、折り畳み式ハンガー100の右側の上部で交差する。第1の折り目130Rと第2の折り目140Rとの交差によって交差領域128Rが形成される。第1の折り目130Lと第2の折り目140Lとは、折り畳み式ハンガー100の左側の上部で交差する。第1の折り目130Lと第2の折り目140Lとの交差によって交差領域128Lが形成される。
【0069】
交差領域128R及び交差領域128Lを形成することで、右側板部120R及び左側板部120Lを背面側に折ることができるとともに、本体板部110の上部の右側の領域及び右側板部120Rの上部と、本体板部110の上部の左側の領域及び左側板部120Lの上部とを前面側に折ることができ、背面側への折り曲げと前面側への折り曲げとを可能にする。
【0070】
<襟台保持部112>
折り畳み式ハンガー100は、上部に襟台保持部112を有する。襟台保持部112の最上部が上端部102である。ワイシャツWSの襟台が、襟台保持部112に周回するにように、ワイシャツWSが折り畳み式ハンガー100に取り付けられる。
【0071】
襟台保持部112は、貫通孔であるフック係合部114を有する。フック体HK(
図3参照)を、フック係合部114に係合させるとともに、タンスやクローゼットに取り付けられているポールやバーや突出片などに係合させる。フック体HKは、折り畳み式ハンガー100をポールなどに係合させるための部材であり、折り畳み式ハンガー100と別体に構成されても一体に構成されてもよい。このようにすることで、折り畳み式ハンガー100をタンスやクローゼットのポールなどに吊り下げることができる。ワイシャツWSを取り付けた折り畳み式ハンガー100をポールなどに吊り下げることで、ワイシャツWSをタンスやクローゼットに吊るすことができる。
【0072】
<<ワイシャツWSの収納状態>>
図4は、折り畳み式ハンガー100に取り付けたワイシャツWSを折り畳んだ収納状態を示す斜視図である。ワイシャツWSは、一般に、襟、ヨーク、前身頃、後身頃、右袖、左袖、袖山などからなる。ワイシャツWSが、折り畳み式ハンガー100に取り付けられた状態では、折り畳み式ハンガー100の前面側にワイシャツWSの前身頃が位置し背面側に後身頃が位置する。すなわち、本体板部110、右側板部120R及び左側板部120Lは、ワイシャツWSの前身頃と後身頃とによって挟まれた状態となる。具体的には、ワイシャツWSの前身頃は、本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lの前面側に位置する。ワイシャツWSの後身頃は、本体板部110並びに右側板部120R及び左側板部120Lの背面側に位置する。ワイシャツWSの前身頃の右側は、右側板部120Rの前面側に位置し、ワイシャツWSの後身頃の右側は、右側板部120Rの背面側に位置する。ワイシャツWSの前身頃の左側は、左側板部120Lの前面側に位置し、ワイシャツWSの後身頃の左側は、左側板部120Lの背面側に位置する。
【0073】
ワイシャツWSを畳む作業は、以下のようにする。まず、ワイシャツWSの右の袖山をハンガー肩先126Rに位置づけ、ワイシャツWSの左の袖山をハンガー肩先126Lに位置づける。この状態を維持しつつ、右側板部120Rに配置されたワイシャツWSの前身頃及び後身頃の右側及び右袖を、右側板部120Rとともに背面側に折り込み、左側板部120L配置されたワイシャツWSの前身頃及び後身頃の左側及び左袖を、左側板部120Lとともに背面側に折り込む。さらに、折り畳み式ハンガー100から下方に延在しているワイシャツWSの下前身頃及び下後身頃を背面側に折り込む。このようにすることで、
図4に示すワイシャツWSの収納状態にすることができる。
【0074】
ワイシャツWSを収納状態にすることで、バッグやかばんなどに収納することができ、ワイシャツWSに皺などが形成されにくくして持ち運ぶことができる。
【0075】
<<ワイシャツWSの吊り下げ状態>>
図5は、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー100に取り付けて吊り下げた状態を示す斜視図である。
図5に示すように、本体板部110、右側板部120R及び左側板部120Lは、ワイシャツWSの前身頃と後身頃とによって挟まれた状態となっている。なお、この状態は、前述した
図4でも同様である。
【0076】
例えば、ワイシャツWSを収納状態にしてバッグやかばんなどに収納して旅行など移動して宿泊施設などに到着したときには、荷解きをして、バッグやかばんなどからワイシャツWSを取り出してハンガーに吊り下げる。すなわち、ワイシャツWSの収納状態から吊り下げ状態に移行する。
【0077】
まず、背面側に折り込んでいたワイシャツWSの下前身頃及び下後身頃を背面から引き出して折り畳み式ハンガー100の下方に展開する。次に、ワイシャツWSの前身頃及び後身頃の左側と左袖を左側板部120Lとともに背面から展開する。同様に、ワイシャツWSの前身頃及び後身頃の右側と右袖を右側板部120Rとともに背面から展開する。
【0078】
さらに、肩部構成領域122Rを前面側に折ってハンガー肩部124Rを形成し、肩部構成領域122Lを前面側に折ってハンガー肩部124Lを形成する。ハンガー肩部124Rの最上部は直線状であり、ワイシャツWSのヨークの右側の最上端は、ハンガー肩部124Rの最上部と全体に亘って接触する。ハンガー肩部124Lの最上部は直線状であり、ワイシャツWSのヨークの左側の最上端は、ハンガー肩部124Lの最上部と全体に亘って接触する。このようにすることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー100に安定的に保持することができる。
【0079】
ハンガー肩部124RにワイシャツWSのヨークの右側の最上端を係合させ、ハンガー肩部124LにワイシャツWSのヨークの左側の最上端を係合させて、ワイシャツWSの形を整えて、
図5に示すように、フック体HKを、フック係合部114に係合させて、タンスやクローゼットのポールなどに係合させる。
【0080】
このようにすることで、折り畳み式ハンガー100によって、ワイシャツWSを収納状態又は吊り下げ状態に切り替えることができる。
【0081】
<<<第2の実施の形態>>>
第1の実施の形態による折り畳み式ハンガー100は、薄板状の形状を有するものであった。これに対して、第2の実施の形態による折り畳み式ハンガー200は、折り畳み式ハンガー100よりも厚い厚みを有する。例えば、折り畳み式ハンガー200は、5mm~15mm程度の厚みを有する。なお、この厚さに限られず、折り畳み式ハンガー200の材料や、吊り下げる衣類の種類(重さ)などに応じて厚さを適宜に定めればよい。
【0082】
なお、第2の実施の形態においても、ワイシャツWS(図示せず)を折り畳み式ハンガー200に取り付けるものとする。
【0083】
図6~
図8は、第2の実施の形態による折り畳み式ハンガー200を示す斜視図である。
図6は、折り畳み式ハンガー200を展開した状態を示す斜視図である。
図7は、折り畳み式ハンガー200を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図8は、折り畳み式ハンガー200がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【0084】
<<折り畳み式ハンガー200の構成>>
図6に示すように、折り畳み式ハンガー200は、展開した状態では、全体として平坦となり、左右対称性を有し、略六角形状の板状の形状を有する。前述したように、例えば、折り畳み式ハンガー200は、5mm~15mm程度の厚みを有する。なお、この厚さに限られず、折り畳み式ハンガー200の材料や、吊り下げる衣類の種類などに応じて厚さを適宜に定めればよい。
【0085】
折り畳み式ハンガー200は、上端部202と、2つの右傾斜辺204R及び左傾斜辺204Lと、2つの右傾斜辺205R及び左傾斜辺205Lと、2つの右側辺206R及び左側辺206Lと、底辺208とを有する。右傾斜辺204R及び左傾斜辺204L、右傾斜辺205R及び左傾斜辺205Lと、右側辺206R及び左側辺206L、底辺208は、略直線状に形成されている。右傾斜辺204R及び205Rは、上端部202から右側辺206Rに向かって下方に傾き、左傾斜辺204L及び205Lは、上端部202から左側辺206Lに向かって下方に傾く。
図6に示すように、折り畳み式ハンガー200の展開状態では、右傾斜辺204R及び205Rと、左傾斜辺204L及び205Lとは、ともに直線状になる。
【0086】
<本体板部210並びに右側板部220R及び左側板部220L>
折り畳み式ハンガー200は、本体板部210と2枚の右側板部220R及び左側板部220Lとを有する。本体板部210は、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。2枚の右側板部220R及び左側板部220Lは、略台形状の薄板状の形状を有する。右側板部220Rは、本体板部210の右側に位置し、左側板部220Lは、本体板部210の左側に位置する。本体板部210並びに右側板部220R及び左側板部220Lは、5mm~15mm程度の厚みを有する。
【0087】
本体板部210並びに右側板部220R及び左側板部220Lは、紙などの繊維によって構成したり、プラスチックなどの樹脂で構成したりすることができる。本体板部210並びに右側板部220R及び左側板部220Lを構成する材料は、板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性を有するものであればよい。
【0088】
<第1の折り目230R及び第1の折り目230L>
折り畳み式ハンガー200は、本体板部210と右側板部220Rとの間に第1の折り目230Rを有し、本体板部210と左側板部220Lとの間に第1の折り目230Lを有する。右側板部220Rは、第1の折り目230Rを介して本体板部210と連結して、本体板部210の右側に延在する。左側板部220Lは、第1の折り目230Lを介して本体板部210と連結して、本体板部210の左側に延在する。本体板部210と右側板部220Rとは、第1の折り目230Rを介して一体に形成され、本体板部210と左側板部220Lとは、第1の折り目230Lを介して一体に形成されている。
【0089】
第2の実施の形態では、第1の折り目230R及び第1の折り目230Lの各々は、2本の長尺な直線状の溝部(凹部)232からなる。溝部232は、2つの右側辺206R及び左側辺206Lと平行に形成され、すなわち、折り畳み式ハンガー100を立設させた状態では、上下方向又は鉛直方向に向く。また、溝部232の開口234は、背面方向に向かって形成される。
【0090】
溝部232は、本体板部210並びに右側板部220R及び左側板部220Lの厚さよりも薄い厚さを有し、第1の折り目230R及び第1の折り目230Lの溝部232は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。溝部232の開口234は、背面方向に向かって(背面側に)形成される。
【0091】
右側板部220Rに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目230Rが折れ曲がり、右側板部220Rは、第1の折り目230Rを中心にして、本体板部210の背面に近づくように揺動する。すなわち、右側板部220Rは、第1の折り目230Rの屈曲変形により、本体板部210に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。
【0092】
左側板部220Lに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目230Lが折れ曲がり、左側板部220Lは、第1の折り目230Lを中心にして、本体板部210の背面に近づくように揺動する。すなわち、左側板部220Lは、第1の折り目230Lの屈曲変形により、本体板部210に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0093】
第1の折り目230R及び第1の折り目230Lは、背面側で0~180度の範囲(θRR及びθLR)(前面側では180度~360度の範囲(θRF及びθLF))で揺動することができる。なお、背面側の角度(θRR及びθLR)が180度のときは、折り畳み式ハンガー100が展開した状態であり(
図6(b))、背面側の角度(θRR及びθLR)が0度のときは、折り畳み式ハンガー100が折り畳まれた状態である(
図7(b))。折り畳まれた状態のときは、第1の折り目230R及び第1の折り目230Lの前面側は、凸状に変形する(
図7(b))。すなわち、第1の折り目230Rは、右方向に向かって凸となり、第1の折り目230Lは、左方向に向かって凸となる。
【0094】
折り畳まれた状態のときには、右側板部220Rと本体板部210との間に後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部236Rが形成され、左側板部220Lと本体板部210との間に後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部236Lが形成される。第1の折り目230R及び第1の折り目230Lの隣り合う溝部232の間隔によって、右側収納部236R及び左側収納部236Lの間隔が定まる。
【0095】
溝部232の数は、2本に限られず他の本数でもよく、右側板部220R及び左側板部220Lを円滑に背面側に揺動させることができればよい。溝部232の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー200の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0096】
<折り畳んだ状態(折畳状態)>
第1の折り目230Rが折れ曲がることで、右側板部220Rを背面側に0度(θRR)に達するまで折ることができる。第1の折り目230Lが折れ曲がることで、左側板部220Lを背面側に0度(θLR)に達するまで折ることができる。
図7に示すように、右側板部220R及び左側板部220Lを背面側に0度まで折ることで、折り畳み式ハンガー200を折り畳んだ状態にすることができる。
【0097】
前述したように、折り畳み式ハンガー200を展開状態にすると、右傾斜辺204R及び205Rと、左傾斜辺204L及び205Lとは、ともに直線状になる。直線状の右傾斜辺204R及び205Rによって、ハンガー肩部224Rが形成される。直線状の左傾斜辺204L及び205Lによって、ハンガー肩部224Lが形成される。ハンガー肩部224Rの最右端によって、ハンガー肩先226Rが形成され、ハンガー肩部224Lの最左端によって、ハンガー肩先226Lが形成される。
【0098】
ハンガー肩部224R及び224Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側及び左側の最上端を保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先226RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先226LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー200の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0099】
<襟台保持部212>
折り畳み式ハンガー200は、上部に襟台保持部212を有する。襟台保持部212の最上部が上端部202である。ワイシャツWSの襟台が、襟台保持部212に周回するにように、ワイシャツWSが折り畳み式ハンガー100に取り付けられる。
【0100】
襟台保持部212は、可撓性を有する布製の帯で形成されたフック係合部214を有する。フック体HK(
図8参照)を、フック係合部214に係合させるとともに、タンスやクローゼットに取り付けられているポールやバー(横棒)に係合させる。このようにすることで、折り畳み式ハンガー200をタンスやクローゼットのポールなどに吊り下げることができ、折り畳み式ハンガー200にワイシャツWSを取り付けたときには、ワイシャツWSをタンスやクローゼットに吊るすことができる。
【0101】
フック体HKは、折り畳み式ハンガー200をポールなどに係合させるための部材であり、折り畳み式ハンガー200と別体に構成されても一体に構成されてもよい。
【0102】
第1の実施の形態による折り畳み式ハンガー100は、薄板状の形状を有する。このため、剛性が低く、第2の折り目140R及び第2の折り目140Lを折り曲げることで剛性を高め、ハンガー肩部124R及び124Lを形成する必要があった。しかしながら、第2の実施の形態による折り畳み式ハンガー200の本体板部110並びに右側板部220R及び左側板部220Lは、厚みを有するとともに高い剛性を有する。このため、第2の折り目140R及び第2の折り目140Lを形成することなく、右側板部220R及び左側板部220LにワイシャツWSのヨークの上端部を直接に係合させても、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー200に安定的に保持することができる。
【0103】
この第2の実施の形態による折り畳み式ハンガー200においても、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー200に取り付けた状態で折り畳んで収納することができる(
図4参照)。また、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー200から吊し下げることができる(
図5参照)。
【0104】
<<<第3の実施の形態>>>
図9~
図11は、第3の実施の形態による折り畳み式ハンガー300を示す斜視図である。
図9は、折り畳み式ハンガー300を展開した状態を示す斜視図である。
図10は、折り畳み式ハンガー300を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図11は、折り畳み式ハンガー300がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【0105】
<<折り畳み式ハンガー300の構成>>
図9は、折り畳み式ハンガー300を展開した状態を示す斜視図である。
図9に示すように、折り畳み式ハンガー300は、展開した状態では、おおよそ平坦となり、左右対称性を有し、略六角形状の板状の形状を有する。
【0106】
折り畳み式ハンガー300は、上端部302と、2つの右傾斜辺304R及び左傾斜辺304Lと、2つの右側辺306R及び左側辺306Lと、底辺308とを有する。右傾斜辺304R及び左傾斜辺304L、2つの右側辺306R及び左側辺306L、底辺308は、略直線状に形成されている。右傾斜辺304Rは、上端部302から右側辺306Rに向かって下方に傾き、左傾斜辺304Lは、上端部302から左側辺306Lに向かって下方に傾く。
図9に示す折り畳み式ハンガー300の展開状態では、右傾斜辺304Rと左傾斜辺304Lとは、ともに直線状になる。
【0107】
<本体板部310並びに右側板部320R及び左側板部320L>
折り畳み式ハンガー300は、本体板部310と2枚の右側板部320R及び左側板部320Lとを有する。本体板部310は、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。2枚の右側板部320R及び左側板部320Lは、略台形状の薄板状の形状を有する。右側板部320Rは、本体板部310の右側に位置し、左側板部320Lは、本体板部310の左側に位置する。本体板部310並びに右側板部320R及び左側板部220Lは、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。
【0108】
<襟台保持部312>
折り畳み式ハンガー300は、上部に襟台保持部312を有する。襟台保持部312の最上部が上端部302である。ワイシャツWSの襟台が、襟台保持部312に周回するにように、ワイシャツWSが折り畳み式ハンガー300に取り付けられる。襟台保持部312は、貫通孔である牽引体保持部316を有する。
【0109】
<牽引用突出部360R及び牽引用突出部360L>
右傾斜辺304Rから前方に向かって牽引用突出部360Rが形成される。牽引用突出部360Rは、本体板部310及び右側板部320Rの上端部で連結されて一体となっている。左傾斜辺304Lから前方に向かって牽引用突出部360Lが形成される。牽引用突出部360Lは、本体板部310及び左側板部320Lの上端部で連結されて一体となっている。牽引用突出部360Rは、前端部に牽引連結部362Rを有する。牽引用突出部360Lは、前端部に牽引連結部362Lを有する。
【0110】
<牽引体350>
牽引体350は、右牽引部352Rと左牽引部352Lとフック掛止部354と連結体356とを有する。右牽引部352Rと左牽引部352Lとフック掛止部354とは、可撓性を有し長尺な布製の帯状の形状を有する。右牽引部352Rの一端は、牽引連結部362Rに連結されている。左牽引部352Lの一端は、牽引連結部362Lに連結されている。右牽引部352Rの他端及び左牽引部352Lの他端は、連結体356の下端に連結されている。連結体356の上端は、フック掛止部354の一端が連結されている。フック掛止部354の他端は、フック体HK(
図11参照)が接続される。フック掛止部354は、襟台保持部312の牽引体保持部316を介して上方に向かって案内される。フック体HKは、折り畳み式ハンガー300をポールやバー(横棒)に係合させるための部材であり、折り畳み式ハンガー300と別体に構成されても一体に構成されてもよい。
【0111】
本体板部310、並びに右側板部320R及び左側板部320L、牽引用突出部360R及び牽引用突出部360Lは、厚紙やプラスチックや発泡ウレタンなどの樹脂にすることができる。本体板部310、並びに右側板部320R及び左側板部320L、牽引用突出部360R及び牽引用突出部360Lを構成する材料は、薄板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性を有するものであればよい。
【0112】
<第1の折り目330R及び第1の折り目330L>
折り畳み式ハンガー300は、本体板部310と右側板部320Rとの間に第1の折り目330Rを有し、本体板部310と左側板部320Lとの間に第1の折り目330Lを有する。右側板部320Rは、第1の折り目330Rを介して本体板部310と連結して、本体板部310の右側に延在する。左側板部320Lは、第1の折り目330Lを介して本体板部310と連結して、本体板部310の左側に延在する。本体板部310と2枚の右側板部320R及び左側板部320Lは、第1の折り目330R及び第1の折り目330Lを介して一体に形成されている。
【0113】
さらに、折り畳み式ハンガー300は、牽引用突出部360Rにも第1の折り目330Rを有し、牽引用突出部360Lにも第1の折り目330Lを有する。
【0114】
第3の実施の形態では、第1の折り目330R及び第1の折り目330Lの各々は、2本の長尺な直線状の溝部(凹部)332からなる。溝部332は、本体板部310並びに右側板部320R及び左側板部320Lの厚さよりも薄い厚さを有する。溝部332は、2つの右側辺306R及び左側辺306Lと平行に形成され、すなわち、折り畳み式ハンガー300をハンガーとして機能させるときには、上下方向又は鉛直方向に向く。
【0115】
第1の折り目330R及び第1の折り目330Lの溝部332は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。溝部332の開口334は、背面方向に向かって(背面側に)形成される。
【0116】
右側板部320R及び牽引用突出部360Rに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目330Rが折れ曲がり、右側板部320R及び牽引用突出部360Rは、第1の折り目330Rを中心にして、本体板部310の背面に近づくように揺動する。すなわち、右側板部320Rは、第1の折り目330Rの屈曲変形により、本体板部310に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。
【0117】
左側板部320L及び牽引用突出部360Lに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目330Lが折れ曲がり、左側板部320L及び牽引用突出部360Lは、第1の折り目330Lを中心にして、本体板部310の背面に近づくように揺動する。すなわち、左側板部320Lは、第1の折り目330Lの屈曲変形により、本体板部310に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0118】
第1の折り目330R及び第1の折り目330Lは、背面側で0~180度の範囲(θRR及びθLR)(前面側では180度~360度の範囲(θRF及びθLF))で揺動することができる。なお、背面側の角度(θRR及びθLR)が180度のときは、折り畳み式ハンガー300が展開した状態であり(
図9(b))、背面側の角度(θRR及びθLR)が0度のときは、折り畳み式ハンガー300が折り畳まれた状態である(
図10(b))。折り畳まれた状態のときは、第1の折り目330R及び第1の折り目330Lの前面側は、凸状に変形する(
図10(b))。すなわち、第1の折り目330Rは、右方向に向かって凸となり、第1の折り目330Lは、左方向に向かって凸となる。
【0119】
折り畳まれた状態のときには、右側板部320Rと本体板部310との間に後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部336Rが形成され、左側板部320Lと本体板部310との間に後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部336Lが形成される。第1の折り目330R及び第1の折り目330Lの隣り合う溝部332の間隔によって、右側収納部336R及び左側収納部336Lの間隔が定まる。
【0120】
溝部332の数は、2本に限られず他の本数でもよく、右側板部320R及び牽引用突出部360R、並びに左側板部320L及び牽引用突出部360Lを円滑に背面側に揺動させることができればよい。溝部332の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー300の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0121】
<折り畳んだ状態>
第1の折り目330Rが折れ曲がることで、右側板部320R及び牽引用突出部360Rを背面側に0度(θRR)に達するまで折ることができる。第1の折り目330Lが折れ曲がることで、左側板部320L及び牽引用突出部360Lを背面側に0度(θLR)に達するまで折ることができる。
図10に示すように、右側板部320R及び牽引用突出部360R、並びに左側板部320L及び牽引用突出部360Lを背面側に0度まで折ることで、折り畳み式ハンガー300を折り畳んだ状態にすることができる。
【0122】
前述したように、折り畳み式ハンガー300を展開状態にすると、右傾斜辺304Rと左傾斜辺304Lとは、ともに直線状になる。直線状になった右傾斜辺304Rによって、ハンガー肩部324Rが形成される。直線状になった左傾斜辺304Lによって、ハンガー肩部324Lが形成される。ハンガー肩部324Rの最右端によって、ハンガー肩先326Rが形成され、ハンガー肩部324Lの最左端によって、ハンガー肩先326Lが形成される。
【0123】
ハンガー肩部324R及び324Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側及び左側の最上端を保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先326RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先326LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー300の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0124】
フック体HKを、フック掛止部354の他端に係合させるとともに、タンスやクローゼットに取り付けられているポールやバー(横棒)に係合させる。このようにすることで、折り畳み式ハンガー300をタンスやクローゼットのポールなどに吊り下げることができる。ワイシャツWSを取り付けた折り畳み式ハンガー300をポールなどに吊り下げることで、ワイシャツWSをタンスやクローゼットに吊るすことができる。
【0125】
この第3の実施の形態による折り畳み式ハンガー300においても、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー300に取り付けた状態で折り畳んで収納することができる(
図4参照)。また、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー300から吊し下げることができる(
図5参照)。
【0126】
<<<第4の実施の形態>>>
図12~
図14は、第4の実施の形態による折り畳み式ハンガー400を示す斜視図である。
図12は、折り畳み式ハンガー400を展開した状態を示す斜視図である。
図13は、折り畳み式ハンガー400を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図14は、折り畳み式ハンガー400がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【0127】
第1~第3の実施の形態による折り畳み式ハンガー100~300では、基本的にフック体HKが別体となっている形態を示した。第4の実施の形態による折り畳み式ハンガー400では、フック体416がハンガー本体と一体に形成されている。
【0128】
<<折り畳み式ハンガー400の構成>>
図12に示すように、折り畳み式ハンガー400は、展開した状態では、フック体416を除いて、全体としておおよそ平坦となり、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。折り畳み式ハンガー400は、例えば、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。なお、この厚さに限られず、折り畳み式ハンガー400の材料や、吊り下げる衣類の種類などに応じて厚さを適宜に定めればよい。
【0129】
折り畳み式ハンガー400は、上端部402と、2つの右傾斜辺404R及び左傾斜辺404Lと、2つの右傾斜辺405R及び左傾斜辺405Lと、2つの右側辺406R及び左側辺406Lと、底辺408とを有する。右傾斜辺404R及び左傾斜辺404L、右傾斜辺405R及び左傾斜辺405L、右側辺406R及び左側辺406L、底辺408は、略直線状に形成されている。右傾斜辺404R及び405Rは、上端部402から右側辺406Rに向かって下方に傾き、左傾斜辺404L及び405Lは、上端部402から左側辺406Lに向かって下方に傾く。
【0130】
<本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420L>
折り畳み式ハンガー400は、本体板部410と2枚の右側板部420R及び左側板部420Lとを有する。本体板部410は、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。2枚の右側板部420R及び左側板部420Lは、略台形状の薄板状の形状を有する。右側板部420Rは、本体板部410の右側に位置し、左側板部420Lは、本体板部410の左側に位置する。本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420Lは、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。
【0131】
本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420Lは、紙などの繊維によって構成したり、プラスチックなどの樹脂で構成したりすることができる。本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420Lを構成する材料は、板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性を有するものであればよい。
【0132】
<第1の折り目430R及び第1の折り目430L>
折り畳み式ハンガー400は、本体板部410と右側板部420Rとの間に第1の折り目430Rを有し、本体板部410と左側板部420Lとの間に第1の折り目430Lを有する。右側板部420Rは、第1の折り目430Rを介して本体板部410と連結して、本体板部410の右側に延在する。左側板部420Lは、第1の折り目430Lを介して本体板部410と連結して、本体板部410の左側に延在する。本体板部410と右側板部420Rとは、第1の折り目430Rを介して一体に形成され、本体板部410と左側板部420Lとは、第1の折り目430Lを介して一体に形成されている。
【0133】
第4の実施の形態では、第1の折り目430R及び第1の折り目430Lの各々は、2本の長尺な直線状の溝部(凹部)432からなる。溝部432は、2つの右側辺406R及び左側辺406Lと平行に形成され、すなわち、折り畳み式ハンガー100を立設させた状態では、上下方向又は鉛直方向に向く。
【0134】
溝部432は、本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420Lの厚さよりも薄い厚さを有し、第1の折り目430R及び第1の折り目430Lの溝部432は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。溝部432の開口434は、背面方向に向かって(背面側に)形成される。
【0135】
右側板部420Rに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目430Rが折れ曲がり、右側板部420Rは、第1の折り目430Rを中心にして、本体板部410の背面に近づくように揺動する。すなわち、右側板部420Rは、第1の折り目430Rの屈曲変形により、本体板部410に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。
【0136】
左側板部420Lに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目430Lが折れ曲がり、左側板部420Lは、第1の折り目430Lを中心にして、本体板部410の背面に近づくように揺動する。すなわち、左側板部420Lは、第1の折り目430Lの屈曲変形により、本体板部410に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0137】
第1の折り目430R及び第1の折り目430Lは、背面側で0~180度の範囲(θRR及びθLR)(前面側では180度~360度の範囲(θRF及びθLF))で揺動することができる。なお、背面側の角度(θRR及びθLR)が180度のときは、折り畳み式ハンガー400が展開した状態であり(
図12(b))、背面側の角度(θRR及びθLR)が0度のときは、折り畳み式ハンガー400が折り畳まれた状態である(
図13(b))。折り畳まれた状態のときは、第1の折り目430R及び第1の折り目430Lの前面側は、凸状に変形する。第1の折り目430Rは、右方向に向かって凸となり、第1の折り目430Lは、左方向に向かって凸となる。
【0138】
折り畳まれた状態のときには、右側板部420Rと本体板部410との間に後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部436Rが形成され、左側板部420Lと本体板部410との間に後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部436Lが形成される。第1の折り目430R及び第1の折り目430Lの隣り合う溝部432の間隔によって、右側収納部436R及び左側収納部436Lの間隔が定まる。
【0139】
溝部432の数は、2本に限られず他の本数でもよく、右側板部420R及び左側板部420Lを円滑に背面側に揺動させることができればよい。溝部432の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー400の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0140】
<折り畳んだ状態(折畳状態)>
第1の折り目430Rが折れ曲がることで、右側板部420Rを背面側に0度(θRR)に達するまで折ることができる。第1の折り目430Lが折れ曲がることで、左側板部420Lを背面側に0度(θLR)に達するまで折ることができる。
図13に示すように、右側板部420R及び左側板部420Lを背面側に0度まで折ることで、折り畳み式ハンガー400を折り畳んだ状態にすることができる。
【0141】
<第2の折り目440R及び第2の折り目440L>
図12に示すように、折り畳み式ハンガー400は、右傾斜辺404R及び405Rの下方に第2の折り目440Rを有し、左傾斜辺404L及び405Lの下方に第2の折り目440Lを有する。第2の折り目440R及び第2の折り目440Lは、1本の長尺な直線状の溝部(凹部)442からなる。溝部442は、本体板部410並びに右側板部420R及び左側板部420Lの厚さよりも薄い厚さを有する。第2の折り目440Rの1本の溝部442は、上端部402から右側辺406Rに向かうに従って下がるように形成されている。第2の折り目440Lの1本の溝部442は、上端部402から左側辺406Lに向かうに従って下がるように形成されている。第2の折り目440R及び第2の折り目440Lの溝部442は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。
【0142】
第2の折り目440Rの1本の溝部442は、本体板部410の上部の右側の領域と右側板部420Rの上部との双方に亘って形成されている。第2の折り目440Rの1本の溝部442によって、肩部構成領域422Rが形成される。本体板部410の上部と右側板部420Rの上部に前面側に向かう力が加えられたときには、第2の折り目440Rは前面側に折れ曲がる。
【0143】
第2の折り目440Lの1本の溝部442は、本体板部410の上部の左側の領域と左側板部420Lの上部との双方に亘って形成されている。第2の折り目440Lの1本の溝部442によって、肩部構成領域422Lが形成される。本体板部410の上部と左側板部420Lの上部に前面側に向かう力が加えられたときには、第2の折り目440Lは前面側に折れ曲がる。
【0144】
<ハンガー肩部424R及び424Lの形成状態>
第2の折り目440Rを折り曲げることによって、本体板部410の上部の右側の領域と右側板部420Rの上部を前面側に折ることができ、ハンガー肩部424Rが形成される(
図14)。第2の折り目440Lを折り曲げることによって、本体板部410の上部の左側の領域と左側板部420Lの上部を前面側に折ることができ、ハンガー肩部424Lが形成される(
図14)。ハンガー肩部424R及びハンガー肩部424Lを形成することによって、剛性を高めて、折り畳み式ハンガー400をハンガーとして機能させることができる。ハンガー肩部424Rの最右端によって、ハンガー肩先426Rが形成される(
図14)。ハンガー肩部424Lの最左端によって、ハンガー肩先426Lが形成される(
図14)。
【0145】
ハンガー肩部424R及び424Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側の最上端と左側の最上端とを保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先426RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先426LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー400の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0146】
溝部442の数は、1本に限られず他の本数でもよく、ハンガー肩部424R及び424Lを形成できればよい。溝部442の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー400の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0147】
<交差領域428R及び交差領域428L>
第1の折り目430Rと第2の折り目440Rとは、折り畳み式ハンガー400の右側の上部で交差する。第1の折り目430Rと第2の折り目440Rとの交差によって交差領域428Rが形成される。第1の折り目430Lと第2の折り目440Lとは、折り畳み式ハンガー400の左側の上部で交差する。第1の折り目430Lと第2の折り目440Lとの交差によって交差領域428Lが形成される。
【0148】
交差領域428R及び交差領域428Lを形成することで、右側板部420R及び左側板部420Lを背面側に折ることができるとともに、本体板部410の上部の右側の領域及び右側板部420Rの上部と、本体板部410の上部の左側の領域及び左側板部420Lの上部とを前面側に折ることができ、背面側への折り曲げと前面側への折り曲げとを可能にする。
【0149】
<襟台保持部412>
折り畳み式ハンガー400は、上部に襟台保持部412を有する。襟台保持部412の最上部が上端部402である。ワイシャツWSの襟台が、襟台保持部412に周回するにように、ワイシャツWSが折り畳み式ハンガー400に取り付けられる。
【0150】
<フック体416>
前述したように、折り畳み式ハンガー400は、フック体416を有する。フック体416は、展開及び折畳が可能に本体板部410に設けられている。本体板部410は開口418を有し、フック体416を開口418に収納することでフック体416を折り畳むことができる(
図13)。フック体416を開口418から引き出して上方に位置づけることで、タンスやクローゼットに取り付けられているポールやバーや突出片などにフック体416を係合させる。フック体416は、折り畳み式ハンガー400をポールなどに係合させるための部材であり、折り畳み式ハンガー400をタンスやクローゼットのポールなどに吊り下げることができる。ワイシャツWSを取り付けた折り畳み式ハンガー400をポールなどに吊り下げることで、ワイシャツWSをタンスやクローゼットなどに吊るすことができる。
【0151】
この第4の実施の形態による折り畳み式ハンガー400においても、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー400に取り付けた状態で折り畳んで収納することができる(
図4参照)。また、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー400から吊し下げることができる(
図5参照)。
【0152】
<<<第5の実施の形態>>>
前述した第2の実施の形態による折り畳み式ハンガー200は、厚い板状の形状を有するものであった。これに対して、第5の実施の形態による折り畳み式ハンガー500は、折り畳み式ハンガー200よりも薄い厚さを有する。第5の実施の形態においても、例として、ワイシャツWS(図示せず)を折り畳み式ハンガー500に取り付けるものとする。
【0153】
図15~
図17は、第5の実施の形態による折り畳み式ハンガー500を示す斜視図である。
図15は、折り畳み式ハンガー500を展開した状態を示す斜視図である。
図16は、折り畳み式ハンガー500を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図17は、折り畳み式ハンガー500がハンガーとして機能するときの状態を示す斜視図である。
【0154】
<<折り畳み式ハンガー500の構成>>
図15に示すように、折り畳み式ハンガー500は、展開した状態では、全体として平坦となり、左右対称性を有し、略六角形状の板状の形状を有する。例えば、折り畳み式ハンガー500は、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。なお、この厚さに限られず、折り畳み式ハンガー500の材料や、吊り下げる衣類の種類などに応じて厚さを適宜に定めればよい。
【0155】
折り畳み式ハンガー500は、上端部502と、2つの右傾斜辺504R及び左傾斜辺504Lと、2つの右傾斜辺505R及び左傾斜辺505Lと、2つの右側辺506R及び左側辺506Lと、底辺508とを有する。右傾斜辺504R及び左傾斜辺504L、右側辺506R及び左側辺506L、底辺508は、略直線状に形成されている。右傾斜辺505R及び左傾斜辺505Lは、曲線状に形成されている。右傾斜辺504R及び505Rは、上端部502から右側辺506Rに向かって下方に傾き、左傾斜辺504L及び505Lは、上端部502から左側辺506Lに向かって下方に傾く。
【0156】
<本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520L>
折り畳み式ハンガー500は、本体板部510と2枚の右側板部520R及び左側板部520Lとを有する。本体板部510は、左右対称性を有し、略六角形状の薄板状の形状を有する。2枚の右側板部520R及び左側板部520Lは、略台形状の薄板状の形状を有する。右側板部520Rは、本体板部510の右側に位置し、左側板部520Lは、本体板部510の左側に位置する。本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520Lは、0.5mm~5mm程度の厚みを有する。
【0157】
本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520Lは、紙などの繊維によって構成したり、プラスチックなどの樹脂で構成したりすることができる。本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520Lを構成する材料は、板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性を有するものであればよい。
【0158】
<第1の折り目530R及び第1の折り目530L>
折り畳み式ハンガー500は、本体板部510と右側板部520Rとの間に第1の折り目530Rを有し、本体板部510と左側板部520Lとの間に第1の折り目530Lを有する。右側板部520Rは、第1の折り目530Rを介して本体板部510と連結して、本体板部510の右側に延在する。左側板部520Lは、第1の折り目530Lを介して本体板部510と連結して、本体板部510の左側に延在する。本体板部510と右側板部520Rとは、第1の折り目530Rを介して一体に形成され、本体板部510と左側板部520Lとは、第1の折り目530Lを介して一体に形成されている。
【0159】
第5の実施の形態では、第1の折り目530R及び第1の折り目530Lの各々は、2本の長尺な直線状の溝部(凹部)532からなる。溝部532は、2つの右側辺506R及び左側辺506Lと平行に形成され、すなわち、折り畳み式ハンガー500を立設させた状態では、上下方向又は鉛直方向に向く。また、溝部532の開口234は、背面方向に向かって形成される。
【0160】
溝部532は、本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520Lの厚さよりも薄い厚さを有し、第1の折り目530R及び第1の折り目530Lの溝部532は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。溝部532の開口534は、背面方向に向かって(背面側に)形成される。
【0161】
右側板部520Rに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目530Rが折れ曲がり、右側板部520Rは、第1の折り目530Rを中心にして、本体板部510の背面に近づくように揺動する。すなわち、右側板部520Rは、第1の折り目530Rの屈曲変形により、本体板部510に対して折り曲げ可能に構成された右側可動体となる。
【0162】
左側板部520Lに背面側に向かう力が加えられたときには、第1の折り目530Lが折れ曲がり、左側板部520Lは、第1の折り目530Lを中心にして、本体板部510の背面に近づくように揺動する。すなわち、左側板部520Lは、第1の折り目530Lの屈曲変形により、本体板部510に対して折り曲げ可能に構成された左側可動体となる。
【0163】
第1の折り目530R及び第1の折り目530Lは、背面側で0~180度の範囲(θRR及びθLR)(前面側では180度~360度の範囲(θRF及びθLF))で揺動することができる。なお、背面側の角度(θRR及びθLR)が180度のときは、折り畳み式ハンガー500が展開した状態であり(
図15(b))、背面側の角度(θRR及びθLR)が0度のときは、折り畳み式ハンガー500が折り畳まれた状態である(
図16(b))。折り畳まれた状態のときは、第1の折り目530R及び第1の折り目530Lの前面側は、凸状に変形する(
図16(b))。すなわち、第1の折り目530Rは、右方向に向かって凸となり、第1の折り目530Lは、左方向に向かって凸となる。
【0164】
折り畳まれた状態のときには、右側板部520Rと本体板部510との間に後身頃の右側部分を収納可能な右側収納部536Rが形成され、左側板部520Lと本体板部510との間に後身頃の左側部分を収納可能な左側収納部536Lが形成される。第1の折り目530R及び第1の折り目530Lの隣り合う溝部532の間隔によって、右側収納部536R及び左側収納部536Lの間隔が定まる。
【0165】
溝部532の数は、2本に限られず他の本数でもよく、右側板部520R及び左側板部520Lを円滑に背面側に揺動させることができればよい。溝部532の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー500の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0166】
<折り畳んだ状態(折畳状態)>
第1の折り目530Rが折れ曲がることで、右側板部520Rを背面側に0度(θRR)に達するまで折ることができる。第1の折り目530Lが折れ曲がることで、左側板部520Lを背面側に0度(θLR)に達するまで折ることができる。
図16に示すように、右側板部520R及び左側板部520Lを背面側に0度まで折ることで、折り畳み式ハンガー500を折り畳んだ状態にすることができる。
【0167】
前述したように、折り畳み式ハンガー500を展開状態にすると、右傾斜辺504R及び505Rと、左傾斜辺504L及び505Lとは、ともに平面上に並ぶ。右傾斜辺504R及び505Rによって、ハンガー肩部524Rが形成される。左傾斜辺504L及び505Lによって、ハンガー肩部524Lが形成される。ハンガー肩部524Rの最右端によって、ハンガー肩先526Rが形成され、ハンガー肩部524Lの最左端によって、ハンガー肩先526Lが形成される。
【0168】
ハンガー肩部524R及び524Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側及び左側の最上端を保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先526RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先526LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー500の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0169】
<第2の折り目540>
図15に示すように、折り畳み式ハンガー500は、右傾斜辺504R及び505Rの下方と、左傾斜辺504L及び505Lの下方とに、第2の折り目540を有する。第2の折り目540は、1本の長尺な直線状の溝部(凹部)542からなる。溝部542は、本体板部510並びに右側板部520R及び左側板部520Lの厚さよりも薄い厚さを有する。第2の折り目540の溝部542は、水平方向に沿って形成されている。第2の折り目540の溝部542は、折れ曲がって(屈曲して)変形することができる。
【0170】
第2の折り目540の溝部542は、本体板部510の上部と右側板部520Rの上部と左側板部520Lの上部とに亘って形成されている。第2の折り目540の溝部542によって、肩部構成領域522R及び522Lが形成される。
【0171】
<ハンガー肩部524R及び524Lの形成状態>
後述する牽引体550を上方に牽引することによって、第2の折り目540が折り曲げられて、本体板部510の上部と右側板部520Rの上部が前面側に折られて、ハンガー肩部524Rが形成され、本体板部510の上部と左側板部520Lの上部が前面側に折られて、ハンガー肩部524Lが形成される(
図17)。ハンガー肩部524R及びハンガー肩部524Lを形成することによって、剛性を高めて、折り畳み式ハンガー500をハンガーとして機能させることができる。ハンガー肩部524Rの最右端によって、ハンガー肩先526Rが形成される(
図17)。ハンガー肩部524Lの最左端によって、ハンガー肩先526Lが形成される(
図17)。
【0172】
ハンガー肩部524R及び524Lによって、ワイシャツWSのヨークの右側の最上端と左側の最上端とを保持するヨーク保持部を構成することができる。ハンガー肩先526RにワイシャツWSの右側の袖山を位置づけ、ハンガー肩先526LにワイシャツWSの左側の袖山を位置づけることで、ワイシャツWSを折り畳み式ハンガー500の一定の位置に再現性よく取り付けることができる。
【0173】
溝部542の数は、1本に限られず他の本数でもよく、ハンガー肩部524R及び524Lを形成できればよい。溝部542の数や幅や深さなどは、折り畳み式ハンガー500の材質や厚さなどに応じて適宜に定めればよい。
【0174】
<交差領域528R及び交差領域528L>
第1の折り目530Rと第2の折り目540とは、折り畳み式ハンガー500の右側の上部で交差する。第1の折り目530Rと第2の折り目540との交差によって交差領域528Rが形成される。第1の折り目530Lと第2の折り目540とは、折り畳み式ハンガー500の左側の上部で交差する。第1の折り目530Lと第2の折り目540との交差によって交差領域528Lが形成される。
【0175】
交差領域528R及び交差領域528Lを形成することで、右側板部520R及び左側板部520Lを背面側に折ることができるとともに、本体板部510の上部及び右側板部520Rの上部と、本体板部510の上部及び左側板部520Lの上部とを前面側に折ることができ、背面側への折り曲げと前面側への折り曲げとを可能にする。
【0176】
<襟台保持部512>
折り畳み式ハンガー500は、上部に襟台保持部512を有する。襟台保持部512の最上部が上端部502である。ワイシャツWSの襟台が、襟台保持部512に周回するにように、ワイシャツWSが折り畳み式ハンガー500に取り付けられる。
【0177】
<フック体516>
前述したように、折り畳み式ハンガー500は、フック体516を有する。フック体516は、展開及び折畳が可能に牽引体550に設けられている。フック体516は、折り畳むことができる(
図16)。フック体516を上方に位置づけることで、タンスやクローゼットに取り付けられているポールやバーや突出片などにフック体516を係合させる。フック体516は、折り畳み式ハンガー500をポールなどに係合させるための部材であり、折り畳み式ハンガー500をタンスやクローゼットのポールなどに吊り下げることができる。ワイシャツWSを取り付けた折り畳み式ハンガー500をポールなどに吊り下げることで、ワイシャツWSをタンスやクローゼットなどに吊るすことができる。
【0178】
<貫通孔518>
本体板部510の上部に貫通孔518が形成されている。貫通孔518は、水平方向に延びた長尺な形状を有する。貫通孔518には、後述する牽引体550の上部が挿通される。
【0179】
<牽引体550>
牽引体550は、長尺な帯状の形状を有する。牽引体550は、上下方向に沿って配置される。牽引体550は、所定の幅を有する下部552と、所定の幅よりも細い上部554とを有する。牽引体550は、下部552と上部554との境に左右の端部に係合凸部556を有する。牽引体550の下端部558は、本体板部510の下部に連結されている。牽引体550の上端部560は、フック体516に連結されている。
【0180】
牽引体550の上部554は、前述した本体板部510の貫通孔518に移動可能に挿通される。牽引体550が上方に牽引されると、牽引体550の上部554は、貫通孔518を移動し、係合凸部556が貫通孔518と係合する。係合凸部556と貫通孔518との係合により、第2の折り目540が前面側に折れ曲がる。前述したように、第2の折り目540が前面側に折れ曲がることで、本体板部510の上部と右側板部520Rの上部が前面側に折れて、ハンガー肩部524Rが形成され、本体板部510の上部と左側板部520Lの上部が前面側に折れて、ハンガー肩部524Lが形成される(
図17)。
【0181】
本体板部510などと同様に、牽引体550及びフック体516は、厚紙やプラスチックや発泡ウレタンなどの樹脂にすることができる。牽引体550及びフック体516を構成する材料は、薄板状の形状を有するとともに、大よそ一定の形状に保つことができる剛性を有するものであればよい。
【0182】
第5の実施の形態による折り畳み式ハンガー500の本体板部510と右側板部520R及び左側板部520Lの厚さは、薄いが、第2の折り目540で折ることで、剛性を高めることができ、衣類の重さで撓むことなく、的確に衣類を吊り下げることができる。
【0183】
この第5の実施の形態による折り畳み式ハンガー500においても、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー500に取り付けた状態で折り畳んで収納することができる(
図4参照)。また、ワイシャツWSなどの衣類を折り畳み式ハンガー500から吊し下げることができる(
図5参照)。
【0184】
<<<変形例1>>>
前述した例では、ハンガー肩部124R及び124L、224R及び224L、324R及び324L、424R及び424Lの最上部が直線状である場合を示したが、滑らかに形成される曲線にしてもよい。使用する衣類のヨークの上端部など肩部分の形状に応じて形状を適宜に定めればよい。
【0185】
<<<<本実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本発明は、第1~第4の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
【符号の説明】
【0186】
110 本体板部
120R 右側板部
120L 左側板部
210 本体板部
220R 右側板部
220L 左側板部
310 本体板部
320R 右側板部
320L 左側板部
410 本体板部
420R 右側板部
420L 左側板部
510 本体板部
520R 右側板部
520L 左側板部