(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】フラットケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/08 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H01B7/08
(21)【出願番号】P 2020073619
(22)【出願日】2020-04-16
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】323004813
【氏名又は名称】株式会社TOTOKU
(74)【代理人】
【識別番号】110003904
【氏名又は名称】弁理士法人MTI特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100117226
【氏名又は名称】吉村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】中山 順盟
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191991(JP,A)
【文献】特開2010-153191(JP,A)
【文献】特開2018-181774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用の高温下で使用される電子機器内の配線に用いられるフラットケーブルであって、
本体部と、該本体部の長手方向両側に位置する補強材を有する端末部とで構成され、前記本体部は、所定の間隔で幅方向に並べて配された複数の導体と、該導体を挟む接着性絶縁層と、該接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの上に積層されたシールド層とを有し、
前記端末部は、コネクタ端子接触部とグランド端子接触部とで構成され、前記コネクタ端子接触部は、露出した前記複数の導体と前記接着性絶縁層と前記樹脂フィルムと前記補強材とがその順で積層されており、前記グランド端子接触部は、前記複数の導体と、前記導体を挟む接着性絶縁層と、前記接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの一方に積層された前記補強材と、前記樹脂フィルムの他方に積層されて露出した
グランド層とを有し、
前記グランド層は、硬銅箔からなる金属層と、該金属層の厚さ以下の接着性絶縁層とで構成され、前記金属層は、前記シールド層に電気的に接続されており、
前記シールド層は、金属箔と導電性接着剤層とを少なくとも有し、前記導電性接着剤層が前記金属層に貼り合わされている、ことを特徴とするフラットケーブル。
【請求項2】
前記金属層の厚さが0.03mm以上0.1mm以下であり、前記接着性絶縁層の厚さが0.03mm以上0.1mm以下である、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項3】
前記金属層が、引張強度30kgf/mm
2以上である、請求項1又は2に記載のフラットケーブル。
【請求項4】
前記金属層が、銅の導電率を100とした場合に20以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフラットケーブル。
【請求項5】
前記樹脂フィルムと前記シールド層との間に介在層が設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載のフラットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットケーブルに関し、さらに詳しくは、車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に用いられ、コネクタのグランドピンとの導通接触に優れるフラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルは、加工性及び可撓性に優れ、電子機器等の内部配線材として広く用いられている。フラットケーブルでは、電磁波に対するシールドが必要であり、シールドされたフラットケーブル(シールドフラットケーブルともいう。)として種々のものが提案されている。一般的なフラットケーブルは、複数の平角導体を並列して絶縁フィルムを上下から貼り合わせ、その外側の片面又は両面にシールドフィルムを貼りあわせている。そして、フラットケーブルを構成する絶縁フィルムの長手方向両端部は、絶縁フィルムの一方側の面で平角導体を露出してケーブル端部としている。
【0003】
こうしたフラットケーブルについて、高温下においてフラットケーブルのグランドバーとシールドフィルムの接触抵抗を安定させるために、シールドフィルムの上に導電性接着剤を塗布し、その上にグランドバーを接着させる技術が知られている。例えば特許文献1には、高温の環境下においてもシールドフィルムとグランドバーの導通抵抗が上昇せずシールド性能を良好に維持することができるシールドフラットケーブルが提案されている。この技術は、特許文献1の
図1に示すように、複数本の平角導体13が平行に並べられ、上下から絶縁フィルム14で挟んで被覆され、少なくとも一方の端部で平角導体13の片面が露出され、上下の絶縁フィルム14の少なくとも一方の絶縁フィルム上にシールドフィルム15が貼り付けられ、シールドフィルム15の端部外面にグランドバー16が導電性接着剤により接着されるというものである。その平角導体13が露出された反対側の端部には補強板17が接着され、平角導体が露出された側ではシールドフィルムの端部外面にグランドバー16が接着されている。シールドフィルム15は補強板17の外面を覆い、その上からグランドバー16が接着されるようにしてもよいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1は、同文献の
図1に示すように、高温下においてグランドバー16とシールドフィルム15の接触抵抗を安定させるために、シールドフィルム15の上に導電性接着剤を塗布し、その上にグランドバー16を接着させている。このフラットケーブルは、ケーブル端末部が、電気コネクタ内に挿入されたとき、電気コネクタのグランド接地用接触端子(グランド端子という。)がグランドバー16を押圧するようにして接続され、グランドバー16が押圧されると、その内側のシールドフィルム15の金属層との接触が増強され、導通抵抗を小さくして良好な接地接続を形成することができるというものである。そして、その結果、高温の環境下においても、グランドバー16とシールドフィルム15との間に介在する導電性接着剤の導通抵抗が上昇するのを抑制することができ、シールド機能の劣化を防止することができるとされている。
【0006】
しかしながら、上記フラットケーブルにおいて、コネクタのグランド端子によってグランドバー16が押し込まれることにより、グランド端子とグランドバー16との接触が悪くなり、導通接触が悪化することがあった。こうした問題は、特に車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に用いるフラットケーブルにおいては優先的な解決課題である。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に用いられ、コネクタのグランド端子との導通接触に優れる新しい構造からなるフラットケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、コネクタのグランド端子によってグランドバーが押し込まれてもグランド端子とグランドバーとの接触を維持する手段を検討していたが、十分な解決手段は見いだせなかった。そこで、本発明者は、それ以外の新しい層構成を検討し、本発明に至った。
【0009】
本発明に係るフラットケーブルは、 本体部と、該本体部の長手方向両側に位置する補強材を有する端末部とで構成され、前記本体部は、所定の間隔で幅方向に並べて配された複数の導体と、該導体を挟む接着性絶縁層と、該接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの上に積層されたシールド層とを有し、
前記端末部は、コネクタ端子接触部とグランド端子接触部とで構成され、前記コネクタ端子接触部は、露出した前記複数の導体と前記接着性絶縁層と前記樹脂フィルムと前記補強材とがその順で積層されており、前記グランド端子接触部は、前記複数の導体と、前記導体を挟む接着性絶縁層と、前記接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの一方に積層された前記補強材と、前記樹脂フィルムの他方に積層されたグランド層とを有し、
前記グランド層は、金属層と、該金属層の厚さ以下の接着性絶縁層とで構成され、前記金属層は、前記シールド層に電気的に接続されている、ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、グランド端子接触部にグランド層が設けられ、グランド層を構成する金属層とシールド層とが電気的に接続されており、さらにそのグランド層を構成する金属層の厚さが接着性絶縁層の厚さ以上であるので、コネクタのグランド端子によってグランド層が押し込まれても、コネクタのグランド端子とグランド層との導通接触が悪化しない。その結果、シールド層によるシールド性が安定になり、特に車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に好ましく適用することができる。
【0011】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記シールド層は、金属箔と導電性接着剤層とを少なくとも有し、前記導電性接着剤層が前記金属層に貼り合わされている。
【0012】
この発明によれば、グランド層を構成する金属層と、シールド層を構成する導電性接着剤層とが貼り合わされているので、両者の電気的接触が維持される。その結果、グランド層がグランド端子に押し込まれても、グランド層とシールド層との接触が悪化しない。
【0013】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属層の厚さが0.03mm以上0.1mm以下であり、前記接着性絶縁層の厚さが0.03mm以上0.1mm以下である。
【0014】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属層が、引張強度30kgf/mm2以上である。
【0015】
この発明によれば、機械的強度のある金属箔で金属層を構成したので、グランド層がグランド端子に押し込まれても、金属層が破損したり亀裂が生じたりしない。
【0016】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属層が、銅の導電率を100とした場合に20以上である。
【0017】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記樹脂フィルムと前記シールド層との間に介在層が設けられている。
【0018】
この発明によれば、介在層がインピーダンス制御層として機能するので、導体とシールド層との距離を調整して、フラットケーブルのインピーダンスを微調整することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に用いられ、コネクタのグランド端子との導通接触に優れる新しい構造からなるフラットケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係るフラットケーブルを構成する本体部と端末部の積層形態を説明する模式的な断面図である。
【
図2】本発明に係るフラットケーブルを構成する本体部と端末部の積層形態を説明する模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るフラットケーブルについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態のみに本発明が限定されるものではない。
【0022】
[フラットケーブル]
本発明に係るフラットケーブル10は、
図1及び
図2に示すように、本体部31と、該本体部31の長手方向Y両側に位置する補強材5を有する端末部11とで構成されている。本体部31は、所定の間隔で幅方向Xに並べて配された複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2と、接着性絶縁層2を挟む樹脂フィルム3と、樹脂フィルム3の上に積層されたシールド層6とを有している。端末部11は、コネクタ端子接触部40とグランド端子接触部41とで構成されている。コネクタ端子接触部40は、露出した複数の導体1と、接着性絶縁層2と、樹脂フィルム3と、補強材5とがその順で積層されており、グランド端子接触部41は、複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2と、接着性絶縁層2を挟む樹脂フィルム3と、樹脂フィルム3の一方に積層された前記補強材5と、樹脂フィルム3の他方に積層されたグランド層7とを有している。そして、グランド層7は、金属層7aと、金属層7aの厚さ以下の接着性絶縁層7bとで構成され、金属層7aは、シールド層6に電気的に接続されている。
【0023】
こうした構成からなるフラットケーブル10は、(a)グランド端子接触部41にグランド層7が設けられ、(b)グランド層7を構成する金属層とシールド層とが電気的に接続されており、(c)さらにそのグランド層7を構成する金属層7aの厚さが接着性絶縁層7bの厚さ以上であるので、コネクタのグランド端子によってグランド層7が押し込まれても、コネクタのグランド端子とグランド層7との導通接触が悪化しない。その結果、シールド層6によるシールド性が安定になり、特に車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に好ましく適用することができる。
【0024】
以下、フラットケーブルの各構成要素について説明する。
【0025】
(本体部と端末部)
フラットケーブル10は、
図1及び
図2に示すように、本体部31と、本体部31の長手方向Y両側に位置する補強材5を有する端末部11とで構成されている。本体部31は、所定の間隔で幅方向Xに並べて配された複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2,2と、その接着性絶縁層2,2を挟む樹脂フィルム3,3と、樹脂フィルム3の上に積層されたシールド層6とを少なくとも有している部分である。端末部11は、コネクタ端子接触部40とグランド端子接触部41とで構成されており、本体部以外の先端側の部分であり、
図1では長さL4で表している。本体部31との違いは、端末部11は、本体部31に設けられていない補強材5を有する部分ということができる。
【0026】
端末部11において、コネクタ端子接触部40は、コネクタに接続される複数の導体1が露出した部分である。コネクタ端子接触部40は、露出した複数の導体1と、接着性絶縁層2と、樹脂フィルム3と、補強材5とがその順で積層されている部分であり、
図1では長さL2で表される部分である。一方、端末部11において、グランド端子接触部41は、複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2と、接着性絶縁層2を挟む樹脂フィルム3と、樹脂フィルム3の一方に積層された補強材5と、樹脂フィルム3の他方に積層されたグランド層7とを有するように構成されている。グランド端子接触部41は、コネクタ端子接触部40がそのまま延びた状態で設けられている。そのグランド層7は、金属層7aと金属層7aの厚さ以下の接着性絶縁層7bとで構成され、その金属層7aは、シールド層6に電気的に接続されている。
【0027】
なお、
図1において、符号L4は、端末部11の長さであり、符号L2は、コネクタ端子接触部40(導体の露出領域)の長さであり、符号L3は、グランド端子接触部41の長さ(グランド層7の露出領域)であり、符号L4は、コネクタ端子接触部40とグランド端子接触部41の合計長さであり、符号L5は、グランド層7の設置長さである。
【0028】
(導体)
導体1は、
図1及び
図2に示すように、フラットケーブル10の長手方向Yに延びる複数の導体であって、後述する接着性絶縁層2,2で両側から挟まれて並列(「横並び」ともいう。以下同じ。)に配された複数の良導電性金属導体である。導体1の種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっきが施されたものを好ましく挙げることができる。高周波伝送の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっきとしては、はんだめっき、錫めっき、金めっき、銀めっき、ニッケルめっき等を挙げることができる。導体1の断面形状も特に限定されず、断面形状が円形の丸線、断面形状が矩形状の平角線(圧延線、スリッター線ともいう。)等、各種のものを適用できる。導体1の直径や断面積も特に限定されないが、直径0.1mm以上、0.3mm以下の丸線又はその丸線を圧延等して厚さ0.03mm以上、0.1mm以下で幅0.2mm以上、0.8mm以下とした平角線を好ましく挙げることができる。並列に配された場合の導体1の間隔も特に限定されないが、例えば約0.5mm程度とすることができる。
【0029】
本体部31での導体1は、
図1及び
図2に示すように、接着性絶縁層2と樹脂フィルム3とで両側から挟まれて真っ直ぐに延びている。一方、端末部11での導体1は、第1の樹脂フィルム3Aと接着性絶縁層2が長さL2だけ除去されて露出しているが、その導体1の下に接着性絶縁層2と樹脂フィルム3と補強材5とがその順で積層された状態でそのまま真っ直ぐ延びている。
【0030】
導体1の表面には絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよいが、はんだ付け時に良好に分解するものが好ましい。例えば熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく用いることができる。絶縁皮膜が設けられた導体1は導体同士が絶縁されているので、導体同士の電気的な短絡を防止できる。
【0031】
(接着性絶縁層)
接着性絶縁層2は、
図1及び
図2に示すように、フラットケーブル10の幅方向Xに間隔を空けて並列(横並び)に配した複数の導体1を挟んでいる絶縁層であり、接着性を有している。この接着性絶縁層2は接着性があるので、接着性絶縁層同士が貼り合わされて接着するとともに、導体1にも接着してその導体1を保持している。導体1を挟む接着性絶縁層2,2は、接着性の発泡絶縁層であってもよいし、接着性の非発泡絶縁層であってもよく、特に限定されない。例えば、一対の接着性の非発泡絶縁層で導体1を挟んでもよいし、一対の接着性の発泡絶縁層で導体1を挟んでもよいし、一方を接着性の発泡絶縁層とし、他方を接着性の非発泡絶縁層として導体1を挟んでもよい。
【0032】
接着性絶縁層2の構成樹脂としては、フラットケーブルの接着性絶縁層として用いられるものを任意に用いることができ、例としては、ポリフェニレンエーテル樹脂及びその共重合体、ポリスチレン樹脂及びその共重合体、ポリオレフィン樹脂及びその共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独の場合も含まれるし、例えばポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂との共重合体のように2種を共重合させた場合も含まれる。なお、ポリオレフィン樹脂としては、高強度ポリプロピレンやポリプロピレン共重合体を好ましく用いることができる。ポリフェニレンエーテル樹脂については、変性でも無変性でもよいが、無変性のものが好ましい。
【0033】
構成樹脂には、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、ブロッキング剤、耐収縮防止剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。発泡剤は接着性絶縁層2を発泡させて低誘電率化する場合に添加され、一般的な化学発泡剤及び物理発泡剤の中から採用することができる。難燃剤としては、臭素系難燃剤、難燃性無機フィラー等を用いることができる。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、二酸化ケイ素等を好ましく挙げることができる。なお、二酸化ケイ素等は、ブロッキング剤としても作用するとともに、耐収縮防止剤としても作用するので、好ましく用いることができる。添加剤の配合は、得られる接着性絶縁層2の効果(接着性、絶縁性等)を阻害しないとともに、その添加剤の機能を発揮する範囲内で配合されることが好ましい。
【0034】
接着性絶縁層2の厚さは特に限定されないが、非発泡の接着性絶縁層2の場合は例えば25μm以上、45μm以下の範囲内であればよく、発泡した接着性絶縁層2の場合はそれよりも厚くなり、例えば60μm程度にまで厚くなることがある。また、端末部11では、導体1を露出させる側の接着性絶縁層2を第2の樹脂フィルム3Bと共に長さL2だけ後退させている。このL2は、コネクタ端子接触部40の長さであるが、同時に、端末部11の導体露出長さを示すものとなり、この部分でコネクタ端子に電気的に接続される。このL2は、端末部11の先端11aから第2の樹脂フィルム3Bの端部11bまでの長さであり、L3は、第2の樹脂フィルム3Bの端部からシールド層6の端部11dまでの長さである。
【0035】
接着性絶縁層2は、樹脂フィルム3の一方の面に設けられて樹脂フィルム3と一体化しているので、
図1及び
図2に示すように、本体部31では樹脂フィルム3とともに導体1を両側から挟んでいる。この接着性絶縁層2は、端末部11では、コネクタ端子接触部40の長さL2だけ後退した上側の第2の樹脂フィルム3Bとともに除去されている。なお、L2は例えば2~5mm程度であり、L3も例えば1~5mm程度であり、それらの合計L2+L3=L4は例えば3~11mm程度である。
【0036】
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム3(3A,3B)は、
図1及び
図2に示すように、上記した2層の接着性絶縁層2上に設けられている。本体部31では、樹脂フィルム3は2層の接着性絶縁層2を挟むように配置されており、端末部11では、片側だけ設けられている第1の樹脂フィルム3Aは接着性絶縁層2上に設けられている。樹脂フィルム3は特に限定されず、一般的なフラットケーブルに用いられている各種のものを用いることができる。特に柔軟性や耐摩耗性等の性質を有するものであることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
【0037】
樹脂フィルム3は、非発泡の樹脂フィルム3でもよいし、発泡した樹脂フィルム3でもよい。発泡した樹脂フィルム3は誘電率を下げることができる。なお、発泡した樹脂フィルム3は、上記接着性絶縁層2の説明欄で記載のように、任意の発泡剤を含有させて作製することができる。樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、非発泡の樹脂フィルム3の場合は例えば12μm以上、50μm以下の範囲内であればよく、発泡した樹脂フィルム3の場合はそれよりも厚くなり、例えば150μm程度にまで厚くなることがある。
【0038】
樹脂フィルム3は、上記のように、通常は接着性絶縁層2と一体化しているので、接着性絶縁層2が設けられた側を導体側に向けて貼り合わせることにより、接着性絶縁層2と樹脂フィルム3とを同時に導体1を挟む態様で設けることができる。樹脂フィルム3は、
図1に示すように、本体部31では接着性絶縁層2を介して導体1を両側から挟んでいるが、端末部11では、コネクタ端子接触部40の長さL2だけ除去されて後退している部分を含んでいる。なお、端末部11での樹脂フィルム3や接着性絶縁層2の除去手段としては、CO2レーザ、YAGレーザ等を用いてそれらに切込みを入れた後に除去する手段を挙げることができる。
【0039】
端末部11での樹脂フィルム3は、導体1を接着性絶縁層2を介して挟む2つの樹脂フィルム3のうち、補強材5の反対側に設けられた第2の樹脂フィルム3Bの剥き代の長さはコネクタ端子接触部40の長さL2と同じである。上記接着性絶縁層2で説明したとおり、L2は例えば2~5mm程度である。
【0040】
(介在層)
介在層4は、
図1及び
図2に示すように、少なくとも一方の樹脂フィルム3上に必要に応じて任意に設けられ、樹脂フィルム3と後述のシールド層6との間に設けられていることが好ましい。「任意」であるので、介在層4が設けられていなくてもよい。また、第1の樹脂フィルム3Aと第2の樹脂フィルム3Bの両方の上にそれぞれ設けられていてもよい。この介在層4は、粘着性を有するので、樹脂フィルム3上にシールド層6を貼り合わせる際に便利である。さらにこの介在層4は、インピーダンス制御層としての機能も備える誘電体層として機能させることもでき、導体1とシールド層6との距離を調整して、フラットケーブルのインピーダンスを微調整する役割も有している。
【0041】
介在層4は、インピーダンス制御層としての機能を有するので、任意の誘電特性等に調整することができる。その構成樹脂としては、要求される誘電特性等を実現する樹脂材料であれば発泡樹脂であっても非発泡樹脂であってもよい。樹脂材料としては、例えば、上記したポリフェニレンエーテル樹脂、高密度ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂等の樹脂組成物を挙げることができる。発泡樹脂の形成に用いる発泡剤は特に限定されないが、一般的な化学発泡剤及び物理発泡剤の中から任意に選択して用いることができる。介在層4を発泡樹脂とする場合、発泡剤は特に限定されないが、上記接着性絶縁層2の説明欄で記載のように、任意の発泡剤を含有させて作製することができる。介在層4は、いわゆる粘着テープとして使われているものを好ましく利用でき、その厚さは特に限定されないが、例えば50μm以上、300μm以下の範囲内であればよい。
【0042】
介在層4は、
図1に示すように、後述の補強材5と同じ積層位置に設けられている。すなわち、介在層4は、介在層4の端部と、端末部11に設けられた補強材5の端部とが突き当たるような位置関係で設けられているので、介在層4の長手方向Yの長さは、フラットケーブル10の長さから補強材5の長さL1を両側で差し引いた長さ以下になっている。
【0043】
(補強材)
補強材5は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Yの端末部11に設けられ、その端末部11の先端11aまで長さL1の長さで設けられている。そして、導体1を接着剤層5bを介して保持し、フラットケーブル10をコネクタに接続する際の補強として作用するとともに、インピーダンス不整合を調整するように作用する。
【0044】
補強材5の長さL1は、例えば4~50mm程度であり、補強材5は、端末部11の幅方向Xと同じ幅又は略同じ幅で設けられている。こうした範囲内とすることにより、後述した実施例に示すように、接触部付近でのインピーダンスの悪化を改善することができる。特に、端末部のインピーダンス変動を抑えてより高い信号伝達性を実現することができる。
【0045】
補強材5は、補強シート5aと接着剤層5bとで構成されている。補強シート5aの構成材料は、比誘電率が4以上の樹脂であればよい。比誘電率が4以上となる樹脂は特に限定されないが、上市された樹脂の中から比誘電率が4以上のものを選ぶことが望ましい。なお、比誘電率の上限は9とすることができる。後述の実施例では、比誘電率が5以上9以下のものを用いている。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂を基本とした変樹脂成や改良樹脂からなる高誘電率材料を挙げることができる。これらの高誘電率材料は、寸法安定性にも優れており、コネクタへの接続時に加わる嵌合力等によっても、また温度が変化したり時間が経過したりした場合であっても、寸法変化が生じ難いという利点がある。
【0046】
接着剤層5bは、熱可塑性ポリエステル系、熱可塑性ポリイミド系、エポキシ系等の接着剤層を好ましく挙げることができる。接着剤層5bの厚さは、厚すぎるとコネクタへの接続時に加わる嵌合力等によって変形する程度が相対的に大きくなったり、さらに温度での変形の程度が相対的に大きくなったりするおそれがあるので、例えば10μm以上、50μm以下の範囲内とすることが望ましく、特に35μm以上、45μm以下の範囲内とすることが好ましい。こうした範囲内で、上記変形のおそれを低減することができる。
【0047】
(シールド層)
シールド層6は、樹脂フィルム3の両面に設けられる。言い換えれば、フラットケーブル10の両面に設けられている。すなわち、導体1を挟むように設けられた樹脂フィルム3(3A,3B)上に設けられていてもよいし(図示しない)、本体部31に介在層4が設けられている場合にはその上に設けられていてもよい。また、シールド層6は、フラットケーブル10の全面又は略全に設けられていることが好ましい。
【0048】
シールド層6は、金属箔6aと、その金属箔6aの一方の面に設けられた導電性接着剤層6bとで少なくとも構成されたテープである。シールド層6は、金属箔6aと導電性接着剤層6bとが直接積層されていればよく、その導電性接着剤層6bは導体方向に配置されて、介在層4が設けられていない場合には樹脂フィルム3上、又は、介在層4が設けられている場合には介在層4上に貼り合わされている。なお、シールド層の端部11d側においては、導電性接着剤層6bは、後述するグランド層7を構成する金属層7aと貼り合わされている。その結果、グランド層7の金属層7aとシールド層6の金属箔6aとが導電性接着剤層6bを介して接続されている。
【0049】
シールド層6は、導電性接着剤層6b、金属箔6a、接着性絶縁層、基材フィルムの順で積層されたシールドフィルムであってもよい。このシールドフィルムを用いる場合も、導電性接着剤層6bを導体1の側にして、金属箔6a等に貼り合わされている。シールド層6は、導体1とシールド層6との間の静電容量や外部インダクタンスを均一に保つように作用し、この部分でのインピーダンスのミスマッチを生じないようにすることができる。また、シールド層6は、シールド作用を有するので、シールド層としてノイズ信号に対する信頼性を向上させることができる。
【0050】
金属箔6aとしては、銅箔やアルミニウム箔のような良導電性の金属箔を挙げることができる。この金属箔6aには、耐食性やはんだ付け性のために、錫めっき等が施されていてもよい。金属箔6aの厚さは特に限定されないが、一例としては、10~50μm程度の錫めっき銅箔等を用いることができる。金属箔6aの厚さを厚めにすることにより抵抗値を下げることができる。
【0051】
導電性接着剤層6bは、導電性を有する接着剤層であり、導電物質を含有させた接着剤で形成される。接着性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル系、熱可塑性ポリイミド系、エポキシ系等の接着剤樹脂を好ましく挙げることができる。導電物質としては、金、銀、銅、ニッケル、カーボン等の導電性物質を用いることができるが、コスト、マイグレーション、酸化、融点、低抵抗等の観点より、ニッケルを好ましく用いることができる。導電物質の形状は、細かくした箔、フィラー、粉末等を用い、接着剤に配合させて導電性接着剤とする。導電性接着剤は、上記した金属箔6a上に塗布形成されて導電性接着剤層6bとなる。導電性接着剤層6bの厚さは特に限定されないが、例えば10~20μmとすることができる。また、導電性接着剤層6bの導電性は、グランド層7を構成する金属層7aとシールド層6を構成する金属箔6aとを接合させてシールド効果等を機能できるだけの導電性を有すればよく、例えば、1×10-6~1×10-4Ω・m程度の体積抵抗率を有するものであることが好ましい。
【0052】
(グランド層)
グランド層7は、第2の樹脂フィルム3B上に設けられているが、
図1及び
図2に示すように、第2の樹脂フィルム3B上に介在層4が設けられている場合には、グランド層7の長手方向Yの一方の端部が介在層4上に乗り上げて貼り合わされ、他方の端部が第2の樹脂フィルム3B上に貼り合わされている。介在層4が設けられていない場合には、グランド層7は第2の樹脂フィルム3B上に貼り合わされている。このグランド層7は、金属層7aと接着性絶縁層7bとを少なくとも有するものであればよい。例えば、金属層7aと接着性絶縁層7bとで構成されたものであってもよいし、金属層7aと基材フィルム(図示しない)と接着性絶縁層7bとがその順で積層したものであってもよい。
【0053】
金属層7aは、上記した金属箔6aと同様のものを採用でき、接着性絶縁層7bは、上記接着性絶縁層2と同様のものを採用できる。金属層7aについては、例えば、銅箔やアルミニウム箔のような良導電性の金属箔等を挙げることができる。この金属層7aには、耐食性やはんだ付け性のために、錫めっき等が施されていてもよい。本発明では、金属層7aの厚さは、接着性絶縁層7bの厚さ以上である。言い換えれば、接着性絶縁層7bは、金属層7aの厚さ以下である。こうした厚さの金属層7aは、シールド層6に電気的に接続されている。こうすることにより、コネクタのグランド端子によってグランド層7が押し込まれても、コネクタのグランド端子とグランド層7との導通接触が悪化しない。その結果、グランド層7に電気的に接続しているシールド層6にコネクタ端子からの負荷が加わらず、シールド性が安定になり、特に車載用等の高温下で使用される電子機器内の配線に好ましく適用することができる。
【0054】
金属層7aの厚さは、0.03mm以上0.1mm以下の範囲内であることが好ましく、接着性絶縁層7bの厚さは、金属層7aの厚さ以下であって且つ0.03mm以上0.1mm以下の範囲内であることが好ましい。また、金属層7aは、引張強度30kgf/mm2以上であることが好ましい。機械的強度のある金属層7aとしたので、グランド層7がグランド端子に押し込まれても、金属層7aが破損したり亀裂が生じたりしない。また、金属層7aが、銅の導電率を100とした場合に20以上であることが好ましい。こうした導電率を有する金属種は、実用的観点からは、Ag,Cu,Au,Al,Be,Mg,W,Zn,Ni等又はそれらの合金またはそれらにめっきしたもの等を挙げることができる。
【0055】
(保護フィルム)
保護フィルム(図示しない)は、フラットケーブルの片面又は両面に任意に設けることができる。保護フィルムは、ジャケットとも呼ばれ、ケーブル全体を保護するとともに、その機械的強度を補強し、屈曲等に耐えるように作用する。保護フィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリウレタン樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合樹脂との混合樹脂フィルム等を挙げることができる。また、保護フィルムは、基材フィルムと接着剤層とで構成された保護テープであってもよく、その保護フィルムをフラットケーブル10の片面又は両面に貼り合わせることができる。なお、接着剤層は、上記した接着剤層5bや導電性接着剤層6bと同様のものとすることができるが、この保護フィルムは端末部11を構成しないので、厚さや材質の制限はなく、保護フィルムの厚さは例えば0.02~0.3mm程度とすることができる。
【0056】
以上、フラットケーブル10の構成要素を説明したが、本発明に係るフラットケーブル10は、その要旨を含んでいれば上記構成に限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で他の構成を含んでいてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】
[実験1]
図1に示す形態からなる端末部11を備えたフラットケーブル10を作製した。導体1を厚さ35μmで幅0.3mmの銅平角線(50本)とした。樹脂フィルム3を厚さ25μmのPETフィルムとし、接着性絶縁層2を厚さ35μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層とした、導体1を挟むように、接着性絶縁層2を介して樹脂フィルム3を貼り合わせた。介在層4は厚さ260μmの不織布を用いた。補強材5は、厚さ42μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層からなる接着剤層5bと、厚さ188μmのPETフィルムからなる補強シート5aとで構成した合計230μmのものを用いた。シールド層6は、厚さ16μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層(導電性接着剤層6b)、厚さ7μmのアルミニウム箔(金属箔6a)、厚さ2μmの接着性絶縁層、厚さ9μmのPETフィルムの順で積層されたシールドフィルムを用いた。グランド層7は、厚さ50μmの錫めっき硬銅箔(金属層7a)と、厚さ20μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層からなる接着性絶縁層7bとを用いた。れら各構成要素を
図1に示す構成となるように積層して貼り合わせた。この実験1では、グランド層7の金属層7aの厚さは50μmで、接着性絶縁層7bの厚さは20μmであり、[金属層7a/接着性絶縁層7b]は2.5であった。
【0059】
[実験2~5]
実験2では、グランド層7の金属層7aの厚さを40μmに変更し、接着性絶縁層7bの厚さを35μmに変更して[金属層7a/接着性絶縁層7b]を1.2にした。実験3では、グランド層7の金属層7aの厚さを30μmに変更し、接着性絶縁層7bの厚さを35μmに変更して[金属層7a/接着性絶縁層7b]を0.9にした。実験4では、グランド層7の金属層7aの厚さを20μmに変更し、接着性絶縁層7bの厚さを40μmに変更して[金属層7a/接着性絶縁層7b]を0.5にした。実験5では、グランド層7の金属層7aの厚さを15μmに変更し、接着性絶縁層7bの厚さを100μmに変更して[金属層7a/接着性絶縁層7b]を0.15にした。
【0060】
[抵抗値変化]
グランド層7を構成する金属層7aの厚さと接着性絶縁層7bの厚さを変化させた試料1~5について、抵抗値の変化を測定した。測定は、試料1~5のフラットケーブルの片面をコネクタに挿入し、両端を基板とリード線を介して抵抗測定器(HIOKI製、mΩHiテスタ3227)に接続して抵抗値を測定した。試験前の試料の抵抗値を測定した後、恒温槽(ESPEC製、PHH-201)を使用し、125℃の環境下に12時間、24時間、50時間、100時間投入し、その後恒温槽から取り出し、試料が常温となってから抵抗値を測定した。なお、抵抗値の上昇が初期値に対し300mΩ以下を合格判定とした。その結果を表1に示した。下記の実験結果より、[金属層7a/接着性絶縁層7b]の値が1.0以上のとき、抵抗値の上昇が初期値に対し300mΩ以下となっていた。
【0061】
【符号の説明】
【0062】
1 導体
2 接着性絶縁層
3 樹脂フィルム
3A 第1の樹脂フィルム
3B 第2の樹脂フィルム
4 介在層
5 補強材
5a 補強シート
5b 接着剤層
6 シールド層
6a 金属箔
6b 接着剤層
7 グランド層
7a 金属層
7b 接着性絶縁層
10 フラットケーブル
11 長手方向の端末部
11a 端末部の先端
11b 第1の樹脂フィルムの端部
11c グランド層の端部
11d 一方のシールド層の端部
11e 他方のシールド層の端部
31 本体部
40 コネクタ端子接触部
41 グランド端子接触部
X 幅方向
Y 長手方向
L1 補強材の長さ
L2 コネクタ端子接触部の長さ
L3 グランド端子接触部の長さ
L4 端末部(コネクタ端子接触部とグランド端子接触部の合計)長さ
L5 グランド層の設置長さ
100 フラットケーブル