(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 50/85 20230101AFI20240814BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240814BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240814BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240814BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240814BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20240814BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240814BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240814BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240814BHJP
H10K 71/80 20230101ALI20240814BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240814BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240814BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20240814BHJP
【FI】
H10K50/85
G09F9/302 Z
G09F9/00 338
H10K50/10
H10K50/844 445
H10K59/121 213
H10K59/123
H10K59/124
H10K71/20
H10K71/80
H10K77/10
H10K59/122
H10K59/65
(21)【出願番号】P 2020077213
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0055838
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 宇 植
(72)【発明者】
【氏名】呉 彦 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 相 烈
(72)【発明者】
【氏名】趙 ハンゴッチヌリ
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0207254(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0031365(KR,A)
【文献】特開2011-165640(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0069871(US,A1)
【文献】国際公開第2018/198698(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画素を具備する第1表示領域と、第2画素と透過部とを具備する第2表示領域と、を含む基板と、
前記第1画素に含まれる第1画素電極及び第1発光層と、
前記第2画素に含まれる第2画素電極及び第2発光層と、
前記第1表示領域と前記第2表示領域とに一体として(as one body)配置される対向電極と、
前記対向電極上部に配置される上部層と、を有し、
前記対向電極及び前記上部層は、前記透過部
に対応する開口領域を含み、
前記透過部周辺には、前記基板の上面方向に凸状となる凸状部が具備され、
前記第1画素電極と前記対向電極との間
に配置される有機機能層をさらに有し、
前記開口領域は、
前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記凸状部は、前記上部層の一部として設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機機能層の上面には、複数の突出パターンが設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の突出パターンは、所定の間隔で離隔され、
前記複数の突出パターンそれぞれは、一方向に延長されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2表示領域に配置される第2薄膜トランジスタと、
前記基板と前記第2薄膜トランジスタとの間に配置される下部電極層と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1画素電極及び前記第2画素電極の中央部を露出させ、前記第1画素電極及び前記第2画素電極の縁部(edge)を覆う画素定義膜をさらに有し、
前記画素定義膜は、前記透過部に対応する第1開口を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板と前記画素定義膜との間に配置される平坦化層をさらに有し、
前記平坦化層は、前記透過部に対応する第2開口を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1開口の幅は、前記第2開口の幅より狭いことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記基板上に配置される無機絶縁層をさらに有し、
前記無機絶縁層は、前記透過部に対応する第3開口を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記開口領域の幅は、前記第3開口の幅より狭いことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1表示領域及び前記第2表示領域は、前記基板と対向するように配置される封止基板によって密封されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記上部層上に、順次に配置される第1無機封止層、有機封止層、及び第2無機封止層を含む薄膜封止層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
表示要素を含む画素、及び透過部が配置される基板と、
前記画素に含まれる画素電極及び発光層と、
前記発光層上に配置される対向電極と、
前記対向電極上部に配置される上部層と、を有し、
前記対向電極及び前記上部層は、前記透過部に対応す
る開口を具備し、
前記上部層は、前記透過部に隣接するように配置され、周辺の厚さより厚く形成された凸状部を具備し、
前記画素電極と前記対向電極との間
に配置される有機機能層をさらに有し、
前記開口は、
前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置されることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
前記有機機能層の上面には、複数の突出パターンを有することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
第1画素を含む第1表示領域と、第2画素と透過部とを含む第2表示領域と、を含む基板を具備する表示装置の製造方法において、
前記基板上面において、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に、対向電極及び上部層を形成する段階と、
前記基板の下面から前記透過部に対応する対向電極領域に、赤外線波長のレーザ光を照射する段階と、
前記レーザ光が照射された対向電極領域を、前記基板から剥離し(lifting off)、前記対向電極及び前記上部層に前記透過部
に対応する開口領域を形成する段階と、を有し、
前記対向電極及び前記上部層を形成する段階の前に有機機能層を形成する段階をさらに有し、
前記開口領域は、
前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置され、
前記開口領域の前記有機機能層には、前記レーザ光によって形成された突出パターンを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記上部層は、前記レーザ光により、前記透過部周辺に凸状部が形成されることを特徴とする請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記レーザ光の波長は、1000nm~1100nmであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記基板から前記対向電極下部に配置された層の前記レーザ光に対する吸収率は、20%以下であることを特徴とする請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、第1表示領域の内側に、センサなどが配置される第2表示領域を具備する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、その用途が多様になってきている。
また、表示装置の厚さが薄くなり、重さも軽くなってきており、その使用の範囲が広範囲になってきている。
【0003】
表示装置が多様に活用されるにつれ、表示装置の形態を設計する上で多様な方法があり得る。
従って、表示装置に組み合わせたり、関連付けたりできる機能を追加することに対する技術開発が課題となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の表示装置における課題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、第1表示領域の内側に、センサなどが配置される第2表示領域を具備した表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、第1画素を具備する第1表示領域と、第2画素と透過部とを具備する第2表示領域と、を含む基板と、前記第1画素に含まれる第1画素電極及び第1発光層と、前記第2画素に含まれる第2画素電極及び第2発光層と、前記第1表示領域と前記第2表示領域とに一体として(as one body)配置される対向電極と、前記対向電極上部に配置される上部層と、を有し、前記対向電極及び前記上部層は、前記透過部に対応する開口領域を含み、前記透過部周辺には、前記基板の上面方向に凸状となる凸状部が具備され、前記第1画素電極と前記対向電極との間に配置される有機機能層をさらに有し、前記開口領域は、前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置されることを特徴とする。
【0007】
前記凸状部は、前記上部層の一部として設けられることが好ましい。
前記有機機能層の上面には、複数の突出パターンが設けられることが好ましい。
前記複数の突出パターンは、所定の間隔で離隔され、前記複数の突出パターンそれぞれは、一方向に延長されることが好ましい。
前記第2表示領域に配置される第2薄膜トランジスタと、前記基板と前記第2薄膜トランジスタとの間に配置される下部電極層と、をさらに有することが好ましい。
前記第1画素電極及び前記第2画素電極の中央部を露出させ、前記第1画素電極及び前記第2画素電極の縁部(edge)を覆う画素定義膜をさらに有し、前記画素定義膜は、前記透過部に対応する第1開口を含むことが好ましい。
前記基板と前記画素定義膜との間に配置される平坦化層をさらに有し、前記平坦化層は、前記透過部に対応する第2開口を含むことが好ましい。
前記第1開口の幅は、前記第2開口の幅より狭いことが好ましい。
前記基板上に配置される無機絶縁層をさらに有し、前記無機絶縁層は、前記透過部に対応する第3開口を含むことが好ましい。
前記開口領域の幅は、前記第3開口の幅より狭いことが好ましい。
前記第1表示領域及び前記第2表示領域は、前記基板と対向するように配置される封止基板によって密封されることが好ましい。
前記上部層上に、順次に配置される第1無機封止層、有機封止層、及び第2無機封止層を含む薄膜封止層をさらに有することが好ましい。
【0008】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、表示要素を含む画素、及び透過部が配置される基板と、前記画素に含まれる画素電極及び発光層と、前記発光層上に配置される対向電極と、前記対向電極上部に配置される上部層と、を有し、前記対向電極及び前記上部層は、前記透過部に対応する開口を具備し、前記上部層は、前記透過部に隣接するように配置され、周辺の厚さより厚く形成された凸状部を具備し、前記画素電極と前記対向電極との間に配置される有機機能層をさらに有し、前記開口は、前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置されることを特徴とする。
【0009】
前記有機機能層の上面には、複数の突出パターンを有することが好ましい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置の製造方法は、第1画素を含む第1表示領域と、第2画素と透過部とを含む第2表示領域と、を含む基板を具備する表示装置の製造方法において、前記基板上面において、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に、対向電極及び上部層を形成する段階と、前記基板の下面から前記透過部に対応する対向電極領域に、赤外線波長のレーザ光を照射する段階と、前記レーザ光が照射された対向電極領域を、前記基板から剥離し(lifting off)、前記対向電極及び前記上部層に前記透過部に対応する開口領域を形成する段階と、を有し、前記対向電極及び前記上部層を形成する段階の前に有機機能層を形成する段階をさらに有し、前記開口領域は、前記透過部に対応する前記有機機能層の上面を露出させるように配置され、前記開口領域の前記有機機能層には、前記レーザ光によって形成された突出パターンを有することを特徴とする。
【0011】
前記上部層は、前記レーザ光により、前記透過部周辺に凸状部が形成されることが好ましい。
前記レーザ光の波長は、1000nm~1100nmであることが好ましい。
前記基板から前記対向電極下部に配置された層の前記レーザ光に対する吸収率は、20%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る表示装置及びその製造方法によれば、センサのようなコンポーネントと対応する第2表示領域に、画素部及び光透過率を向上させた透過部を配置させ、コンポーネントが動作することができる環境を作ると共に、コンポーネントと重畳される領域に、イメージを具現することができる。
それにより、多様な機能を有すると共に、品質が向上する表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による表示装置の
図1のA-A’線に沿って切断した簡略的な断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による表示パネルの構成を概略的に示す平面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による表示パネルの構成を概略的に示す平面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による表示パネルに含まれる第1画素及び/又は第2画素の等価回路図である。
【
図4B】本発明の他の実施形態による表示パネルに含まれる第1画素及び/又は第2画素の等価回路図である。
【
図5】
図3の第2表示領域の一部を示した概略的な平面図である。
【
図6A】
図3のI-I’線及び
図5のII-II’線に沿って切断した概略的な断面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7C】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8A】本発明の他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図8B】本発明の他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図8C】本発明の他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な平面図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
【
図14A】対向電極を剥離した後、透過部(TA)近傍を撮影したイメージである。
【
図14B】対向電極を剥離した後、透過部(TA)近傍を撮影したイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る表示装置及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0015】
本発明は、多様な変更を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。
本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。
しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態によっても具現される。
【0016】
以下、添付した図面を参照し、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それについての重複説明は、省略する。
以下の実施形態において、「第1」、「第2」のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用する。
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
以下の実施形態において、「含む」又は「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、又は構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴又は構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上又は上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0017】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張したり縮小したりする。
例えば、図面に示した各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示したところに限定されるものではない。
ある実施形態が異なって具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なっても遂行される。
例えば、連続して説明する2つの工程が実質的に同時に実行され、説明する順序と反対の順序にも進められ得る。
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などが連結されているとするとき、膜、領域、構成要素が直接連結されている場合だけではなく、膜、領域、構成要素の中間に他の膜、領域、構成要素が介在し、間接的に連結されている場合も含む。
例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に接続されているとするとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に接続されている場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されて間接的に電気的に接続されている場合も含む。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
図1を参照すると、表示装置1は、イメージを具現する第1表示領域DAと、イメージを具現しない非第1表示領域NDAと、を含む。
表示装置1は、第1表示領域DAに配置された複数の第1画素Pmから放射される光を利用し、メインイメージを提供することができる。
【0019】
表示装置1は、第2表示領域SAを含む。
第2表示領域SAは、
図2を参照して後述するように、その下部に赤外線、可視光線や音響などを利用するセンサのようなコンポーネントが配置される領域でもある。
第2表示領域SAは、コンポーネントから外部に出力されるか、あるいは外部からコンポーネントに向けて進む光又は/及び音響が透過することができる透過部TAを含む。
本発明の一実施形態において、第2表示領域SAを介して赤外線が透過する場合、光透過率は、30%以上、さらに望ましくは、50%以上、75%以上、80%以上、85%以上、又は、90%以上であり得る。
【0020】
本実施形態において、第2表示領域SAには、複数の第2画素Paが配置され、複数の第2画素Paから放射される光を利用し、所定のイメージを提供することができる。
第2表示領域SAで提供されるイメージは、補助イメージであり、第1表示領域DAで提供するイメージに比べ、解像度が低くなる。
すなわち、第2表示領域SAは、光又は/及び音響が透過することができる透過部TAを具備するが、単位面積当たりに配置される第2画素Paの数が、第1表示領域DAに単位面積当たりに配置される第1画素Pmの数に比べて少なくなる。
【0021】
第2表示領域SAは、第1表示領域DAの一側に配置され、一実施形態として、
図1では、第2表示領域SAは、第1表示領域DAの(斜視図上の)上方に配置され、第2表示領域SAが、非第1表示領域NDAと第1表示領域DAとの間に配置されることを示す。
しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
第2表示領域SAは、第1表示領域DAによって取り囲まれるようにも配置されるというように、多様な変形が可能である。
【0022】
以下では、本発明の一実施形態による表示装置1として、有機発光表示装置を例にして説明するが、本発明の表示装置は、それに制限されるものではない。
他の実施形態として、無機EL表示装置(inorganic light emitting display apparatus)、量子点発光表示装置(quantum dot light emitting display apparatus)のように、多様な方式の表示装置が使用され得る。
【0023】
図1においては、第2表示領域SAが四角形である第1表示領域DAの上側に配置されているように示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
第1表示領域DAの形状は、円形、楕円、又は三角形や五角形のような多角形でもあり得、第2表示領域SAの位置及び個数も、多様に変更することができるということは言うまでもない。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置の
図1のA-A’線に沿って切断した簡略的な断面図である。
図2を参照すると、表示装置1は、表示要素を含む表示パネル10、及び第2表示領域SAに対応するコンポーネント20を含む。
表示パネル10は、基板100、基板100上に配置された表示要素層200、表示要素層200を密封する密封部材として、薄膜封止層300を含む。
また、表示パネル10は、基板100の下部に配置された下部保護フィルム175をさらに含む。
【0025】
基板100は、ガラス又は高分子樹脂を含み得る。
該高分子樹脂は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、又はセルロースアセテートプロピオネート(CAP)などを含み得る。
高分子樹脂を含む基板100は、フレキシブル、ローラブル(rollable)、又はベンダブル(bendable)な特性を有することができる。
基板100は、前述の高分子樹脂を含む層、及び無機層(図示せず)を含む多層構造でもある。
【0026】
表示要素層200は、薄膜トランジスタ(TFT、TFT’)を含む回路層、表示要素として、有機発光ダイオード(OLED、OLED’)、及びそれら間の絶縁層(IL、IL’)を含み得る。
第1表示領域DAには、メイン薄膜トランジスタTFT、及びそれと接続された有機発光ダイオードOLEDを含む第1画素Pmが配置され、第2表示領域SAには、第2薄膜トランジスタTFT’、及びそれと接続された有機発光ダイオードOLED’を含む第2画素Paが配置される。
また、第2表示領域SAには、第2薄膜トランジスタTFT’及び表示要素が配置されていない透過部TAが配置される。
透過部TAは、コンポーネント20から放射される光/信号や、コンポーネント20に入射される光/信号が透過(transmission)される領域と理解することができる。
【0027】
コンポーネント20は、第2表示領域SAに位置する。
コンポーネント20は、光や音響を利用する電子要素でもある。
例えば、コンポーネント20は、赤外線センサのように、光を受光して利用するセンサ、光や音響を出力して感知し、距離を測定したり、指紋などを認識したりするセンサ、光を出力する小型ランプ、音を出力するスピーカなどでもあり得る。
光を利用する電子要素の場合、可視光、赤外線光、紫外線光など多様な波長帯域の光を利用することができるということは言うまでもない。
第2表示領域SAに配置されたコンポーネント20の数は、複数に具備され得る。
例えば、コンポーネント20として、発光素子及び受光素子が1つの第2表示領域SAに共にも具備される。
又は、1つのコンポーネント20に、発光部及び受光部が同時に具備されてもよい。
【0028】
第2表示領域SAには、下部電極層BSMが配置される。
下部電極層BSMは、第2薄膜トランジスタTFT’の下部に対応するように配置される。
そのような下部電極層BSMは、外部光が、第2薄膜トランジスタTFT’などが含まれた第2画素Paに到達することを遮断することができる。
例えば、下部電極層BSMは、コンポーネント20から出射された光が第2画素Paに到達することを遮断することができる。
一部実施形態において、下部電極層BSMには、定電圧又は信号が印加され、静電気放電による画素回路の損傷を防止することができる。
【0029】
薄膜封止層300は、少なくとも1層の無機封止層と、少なくとも1層の有機封止層と、を含み得る。
それと関連して、
図2は、第1無機封止層310及び第2無機封止層330と、それら間の有機封止層320と、を示す。
第1無機封止層310及び第2無機封止層330は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素の内の1つ以上の無機絶縁物を含み得る。
有機封止層320は、ポリマー系の物質を含み得る。
ポリマー系の素材としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド、及びポリエチレンなどを含み得る。
【0030】
下部保護フィルム175は、基板100の下部に付着され、基板100を支持して保護する役割を行う。
下部保護フィルム175は、第2表示領域SAに対応する開口(175OP)を具備する。
下部保護フィルム175が開口(175OP)を具備することにより、第2表示領域SAの光透過率を向上させることができる。
下部保護フィルム175は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリイミド(PI)を含んで具備される。
【0031】
第2表示領域SAの面積は、コンポーネント20が配置される面積に比べて大きい。
それにより、下部保護フィルム175に具備された開口(175OP)の面積は、第2表示領域SAの面積とは一致しない。
例えば、開口(175OP)の面積は、第2表示領域SAの面積に比べて小さい。
また、第2表示領域SAには、複数のコンポーネント20が配置され得る。
複数のコンポーネント20は、互いに機能を異にし得る。
【0032】
図に示していないが、表示パネル10上には、タッチ入力を感知する入力感知部材、偏光子(polarizer)、及び遅延子(retarder)、又はカラーフィルタ、及びブラックマットリックスを含む反射防止部材、及び透明なウィンドウのような構成要素がさらに配置され得る。
一方、本実施形態において、表示要素層200を密封する封止部材として、薄膜封止層300を利用しているように図に示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、表示要素層200を密封する部材として、シーラント又はフリットにより、基板100と合着される密封基板を利用することもできる。
【0033】
図3A、
図3Bは、本発明の一実施形態による表示パネルの構成を概略的に示す平面図である。
図3Aを参照すると、表示パネル10は、第1表示領域DAに配置され、複数の第1画素Pmを含む。
第1画素Pmは、それぞれ有機発光ダイオードのような表示要素を含む。
【0034】
各第1画素Pmは、有機発光ダイオードを介して、例えば、赤色、緑色、青色、又は白色の光を放射することができる。
本明細書における第1画素Pmというのは、前述のように、赤色、緑色、青色、白色の内のいずれか1つの色相の光を放射する副画素と理解することができる。
第1表示領域DAは、先に
図2を参照して説明した封止部材にカバーされ、外気又は水分などからも保護される。
【0035】
第2表示領域SAは、第1表示領域DAの一側に配置され、第2表示領域SAには、複数の第2画素Paが配置される。
第2画素Paは、それぞれ有機発光ダイオードのような表示要素を含む。
各第2画素Paは、有機発光ダイオードを介して、例えば、赤色、緑色、青色、又は白色の光を放射することができる。
本明細書における第2画素Paというのは、前述のように、赤色、緑色、青色、白色の内のいずれか1つの色相の光を放出する副画素と理解することができる。
【0036】
一方、第2表示領域SAには、第2画素Paの間に配置される透過部TAが具備される。
表示パネル10の第2表示領域SAの下部に対応し、少なくとも1つのコンポーネント20が配置される。
一実施形態において、1つの第1画素Pmと、1つの第2画素Paは、同一画素回路を含み得る。
しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
第1画素Pmに含まれる画素回路と、第2画素Paに含まれる画素回路は、互いに異なることもあるということは言うまでもない。
【0037】
第2表示領域SAは、透過部TAを具備しているが、第2表示領域SAの解像度は、第1表示領域DAよりも低い。
例えば、第2表示領域SAの解像度は、第1表示領域DAの約1/2である。
一部実施形態において、第1表示領域DAの解像度は、400ppi以上であり、第2表示領域SAの解像度は、約200ppiである。
各画素(Pm、Pa)は、非第1表示領域NDAに配置された外郭回路と電気的にも接続される。
非第1表示領域NDAには、第1スキャン駆動回路110、第2スキャン駆動回路120、端子140、データ駆動回路150、第1電源供給配線160、及び第2電源供給配線170が配置される。
【0038】
第1スキャン駆動回路110は、スキャンラインSLを介して、各画素(Pm、Pa)にスキャン信号を提供する。
第1スキャン駆動回路110は、発光制御線ELを介して、各画素に発光制御信号を提供する。
第2スキャン駆動回路120は、第1表示領域DAを挟んで、第1スキャン駆動回路110と並列に配置される。
第1表示領域DAに配置された画素(Pm、Pa)の内の一部は、第1スキャン駆動回路110と電気的に接続され、残りは、第2スキャン駆動回路120に接続される。
他の実施形態において、第2スキャン駆動回路120は、省略してもよい。
【0039】
端子140は、基板100の一側に配置される。
端子140は、絶縁層によって覆われずに露出され、印刷回路基板PCBと電気的に接続される。
印刷回路基板PCBの端子(PCB-P)は、表示パネル10の端子140と電気的にも接続される。
【0040】
印刷回路基板PCBは、制御部(図示せず)の信号又は電源を、表示パネル10に伝達する。
制御部で生成された制御信号は、印刷回路基板PCBを介し、第1スキャン回路110及び第2スキャン駆動回路120にそれぞれ伝達される。
制御部は、第1接続配線161及び第2接続配線171を介し、第1電源供給配線160及び第2電源供給配線170に、それぞれ第1電源ELVDD及び第2電源ELVSS(
図4A、
図4B)を提供する。
第1電源電圧ELVDDは、第1電源供給配線160と接続された駆動電圧線PLを介して各画素(Pm、Pa)に提供され、第2電源電圧ELVSSは、第2電源供給配線170と接続された各画素(Pm、Pa)の対向電極に提供される。
【0041】
データ駆動回路150は、データ線DLに電気的に接続される。
データ駆動回路150のデータ信号は、端子140に接続された接続配線151、及び接続配線151と接続されたデータ線DLを介し、各画素(Pm、Pa)にも提供される。
図3Aは、データ駆動回路150が印刷回路基板PCBに配置されたものを示すが、他の実施形態において、データ駆動回路150は、基板100上にも配置され得る。
例えば、データ駆動回路150は、端子140と第1電源供給配線160との間に配置され得る。
【0042】
第1電源供給配線(first power supply line)160は、第1表示領域DAを挟んで、x方向に沿って平行に延長された第1サブ配線162及び第2サブ配線163を含む。
第2電源供給配線(second power supply line)170は、一側が開放されたルーフ形状であり、第1表示領域DAを部分的に取り囲む。
図3Aにおいては、第2表示領域SAが、第1表示領域DAの一側に配置されているように示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、
図3Bに示すように、第2表示領域SAは、その下部に配置されるセンサなどに対応する領域にも具備され得る。
その場合、第2表示領域SAは、第1表示領域DAの内側に配置され、第1表示領域DAによって取り囲まれる。
【0043】
図4A及び
図4Bは、本発明の一実施形態による表示パネルに含まれる第1画素及び/又は第2画素の等価回路図である。
図4Aを参照すると、第1画素Pm及び/又は第2画素Paは、スキャンラインSL及びデータ線DLに接続された画素回路PC、及び画素回路PCに接続された有機発光素子OLEDを含む。
【0044】
画素回路PCは、駆動薄膜トランジスタT1、スイッチング薄膜トランジスタT2、及びストレージキャパシタCstを含む。
スイッチング薄膜トランジスタT2は、スキャンラインSL及びデータ線DLに接続され、スキャンラインSLを介して入力されるスキャン信号Snにより、データ線DLを介して入力されたデータ信号Dmを、駆動薄膜トランジスタT1に伝達する。
ストレージキャパシタCstは、スイッチング薄膜トランジスタT2及び駆動電圧線PLに接続され、スイッチング薄膜トランジスタT2から伝達された電圧と、駆動電圧線PLに供給される第1電源電圧ELVDD(又は、駆動電圧)との差に該当する電圧を保存する。
駆動薄膜トランジスタT1は、駆動電圧線PLとストレージキャパシタCstとに接続され、ストレージキャパシタCstに保存された電圧値に対応し、駆動電圧線PLから有機発光素子OLEDに流れる駆動電流を制御する。
有機発光素子OLEDは、駆動電流により、所定の輝度を有する光を放射する。
【0045】
図4Aにおいては、画素回路PCが、2個の薄膜トランジスタ、及び1個のストレージキャパシタを含む場合について説明しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
図4Bに示すように、画素回路PCは、7個の薄膜トランジスタ、及び1個のストレージキャパシタを含んでもよい。
【0046】
図4Bを参照すると、各画素(Pm、Pa)は、画素回路PC及び画素回路PCに接続された有機発光ダイオードOLEDを含む。
画素回路PCは、複数の薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタを含む。
薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタは、信号線(SL、SL-1、EL、DL)、初期化電圧線VL及び駆動電圧線PLにも接続される。
【0047】
図4Bにおいては、各画素(Pm、Pa)が、信号線(SL、SL-1、EL、DL)、初期化電圧線VL及び駆動電圧線PLに接続されているように示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
他の実施形態として、信号線(SL、SL-1、EL、DL)の内の少なくともいずれか1本、初期化電圧線VL、駆動電圧線PLなどは、隣接画素によって共有され得る。
複数の薄膜トランジスタは、駆動薄膜トランジスタ(driving TFT)T1、スイッチング薄膜トランジスタ(switching TFT)T2、補償薄膜トランジスタT3、第1初期化薄膜トランジスタT4、動作制御薄膜トランジスタT5、発光制御薄膜トランジスタT6、及び第2初期化薄膜トランジスタT7を含む。
【0048】
信号線は、スキャン信号Snを伝達するスキャンラインSL、第1初期化薄膜トランジスタT4と第2初期化薄膜トランジスタT7とに、以前スキャン信号(Sn-1)を伝達する以前スキャンライン(SL-1)、動作制御薄膜トランジスタT5及び発光制御薄膜トランジスタT6に発光制御信号Enを伝達する発光制御線EL、スキャンラインSLと交差し、データ信号Dmを伝達するデータ線DLを含む。
駆動電圧線PLは、駆動薄膜トランジスタT1に駆動電圧ELVDDを伝達し、初期化電圧線VLは、駆動薄膜トランジスタT1及び画素電極を初期化する初期化電圧Vintを伝達する。
【0049】
駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1は、ストレージキャパシタCstの第1電極Cst1に接続されており、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ソース電極S1は、動作制御薄膜トランジスタT5を経由し、下部駆動電圧線PLに接続されており、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ドレイン電極D1は、発光制御薄膜トランジスタT6を経由し、有機発光素子OLEDの画素電極と電気的に接続されている。
駆動薄膜トランジスタT1は、スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチング動作により、データ信号Dmが伝達され、有機発光素子OLEDに駆動電流IOLEDを供給する。
【0050】
スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチングゲート電極G2は、スキャンラインSLに接続されており、スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチングソース電極S2は、データ線DLに接続されており、スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチングドレイン電極D2は、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ソース電極S1に接続されており、動作制御薄膜トランジスタT5を経由し、下部駆動電圧線PLに接続されている。
スイッチング薄膜トランジスタT2は、スキャンラインSLを介して伝達されたスキャン信号Snによってターンオンされ、データ線DLによって伝達されたデータ信号Dmを、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ソース電極S1に伝達するスイッチング動作を実行する。
【0051】
補償薄膜トランジスタT3の補償ゲート電極G3は、スキャンラインSLに接続されており、補償薄膜トランジスタT3の補償ソース電極S3は、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ドレイン電極D1に接続されており、発光制御薄膜トランジスタT6を経由し、有機発光素子OLEDの画素電極と接続されており、補償薄膜トランジスタT3の補償ドレイン電極D3は、ストレージキャパシタCstの第1電極Cst1、第1初期化薄膜トランジスタT4の第1初期化ドレイン電極D4、及び駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1に接続されている。
補償薄膜トランジスタT3は、スキャンラインSLを介して伝達されたスキャン信号Snによってターンオンされ、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1と駆動ドレイン電極D1とを電気的に接続し、駆動薄膜トランジスタT1をダイオード接続させる。
【0052】
第1初期化薄膜トランジスタT4の第1初期化ゲート電極G4は、以前スキャンライン(SL-1)に接続されており、第1初期化薄膜トランジスタT4の第1初期化ソース電極S4は、第2初期化薄膜トランジスタT7の第2初期化ドレイン電極D7と、初期化電圧線VLとに接続されており、第1初期化薄膜トランジスタT4の第1初期化ドレイン電極D4は、ストレージキャパシタCstの第1電極Cst1、補償薄膜トランジスタT3の補償ドレイン電極D3、及び駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1に接続されている。
第1初期化薄膜トランジスタT4は、以前スキャンライン(SL-1)を介して伝達された以前スキャン信号(Sn-1)によってターンオンされ、初期化電圧Vintを駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1に伝達し、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ゲート電極G1の電圧を初期化させる初期化動作を実行する。
【0053】
動作制御薄膜トランジスタT5の動作制御ゲート電極G5は、発光制御線ELに接続されており、動作制御薄膜トランジスタT5の動作制御ソース電極S5は、下部駆動電圧線PLと接続されており、動作制御薄膜トランジスタT5の動作制御ドレイン電極D5は、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ソース電極S1、及びスイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチングドレイン電極D2と接続されている。
【0054】
発光制御薄膜トランジスタT6の発光制御ゲート電極G6は、発光制御線ELに接続されており、発光制御薄膜トランジスタT6の発光制御ソース電極S6は、駆動薄膜トランジスタT1の駆動ドレイン電極D1、及び補償薄膜トランジスタT3の補償ソース電極S3に接続されており、発光制御薄膜トランジスタT6の発光制御ドレイン電極D6は、第2初期化薄膜トランジスタT7の第2初期化ソース電極S7、及び有機発光素子OLEDの画素電極に電気的に接続されている。
【0055】
動作制御薄膜トランジスタT5及び発光制御薄膜トランジスタT6は、発光制御線ELを介して伝達された発光制御信号Enによって同時にターンオンされ、駆動電圧ELVDDが有機発光素子OLEDに伝達され、有機発光素子OLEDに駆動電流IOLEDが流れるようにする。
【0056】
第2初期化薄膜トランジスタT7の第2初期化ゲート電極G7は、以前スキャンライン(SL-1)に接続されており、第2初期化薄膜トランジスタT7の第2初期化ソース電極S7は、発光制御薄膜トランジスタT6の発光制御ドレイン電極D6、及び有機発光素子OLEDの画素電極に接続されており、第2初期化薄膜トランジスタT7の第2初期化ドレイン電極D7は、第1初期化薄膜トランジスタT4の第1初期化ソース電極S4、及び初期化電圧線VLに接続されている。
第2初期化薄膜トランジスタT7は、以前スキャンライン(SL-1)を介して伝達された以前スキャン信号(Sn-1)によってターンオンされ、有機発光素子OLEDの画素電極を初期化させる。
【0057】
図4Bにおいては、第1初期化薄膜トランジスタT4と第2初期化薄膜トランジスタT7とが、以前スキャンライン(SL-1)に接続された場合を図示したが、本発明は、それに限定されるものではない。
他の実施形態として、第1初期化薄膜トランジスタT4は、以前スキャンライン(SL-1)に接続され、以前スキャン信号(Sn-1)によって駆動し、第2初期化薄膜トランジスタT7は、別途の信号線(例えば、以後スキャンライン)に接続され、信号線に伝達される信号によっても駆動され得る。
【0058】
ストレージキャパシタCstの第2電極Cst2は、駆動電圧線PLに接続されており、有機発光素子OLEDの対向電極は、共通電圧ELVSSに接続されている。
それにより、有機発光素子OLEDは、駆動薄膜トランジスタT1から駆動電流IOLEDを伝達されて発光することにより、画像を表示することができる。
【0059】
図4Bにおいては、補償薄膜トランジスタT3と第1初期化薄膜トランジスタT4とがデュアルゲート電極を有するように図示しているが、補償薄膜トランジスタT3と第1初期化薄膜トランジスタT4は、1つのゲート電極を有することもできる。
本実施形態において、第1画素Pmと第2画素Paは、同一画素回路PCを具備する。
しかし、それに限定されるものではない。
第1画素Pmと第2画素Paは、他構造の画素回路PCを具備することもできる。
例えば、第1画素Pmは、
図4Bの画素回路を採用し、第2画素Paは、
図4Aの画素回路を採用することができるというように、多様な変形が可能である。
【0060】
図5は、
図3の第2表示領域SAの一部を示した概略的な平面図であり、
図6Aは、
図3のI-I’線、及び
図5のII-II’線に沿って切断した概略的な断面図であり、
図6Bは、
図6AのIII部分の拡大図である。
図5を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置の第2表示領域SAには、第2画素Pa及び透過部TAが配置される。
【0061】
所定の第2画素Paは、連続して配置され、1つの画素グループPgを形成する。
画素グループPgには、少なくとも1つの第2画素Paが含まれ得る。
図5において、1つの画素グループPgには、2列に配置された4個の第2画素Paが含まれるように示す。
しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
1つの画素グループPgに含まれる第2画素Paの個数及び配置は、多様に変形され得る。
例えば、1つの画素グループPgには、1列に並んで配置された3個の第2画素Paが含まれてもよい。
又は、1つの画素グループPgには、4列に配置された8個の第2画素Paが含まれてもよい。
第2画素Paは、ストライプ配列、モザイク配列、ペンタイル配列など多様な配列によっても配置され得る。
【0062】
透過部TAは、表示要素が配置されずに光透過率が高い領域であり、第2表示領域SAに複数にも具備される。
透過部TAは、第1方向(x)及び/又は第2方向(y)に沿い、画素グループPgと交互にも配置される。
又は、透過部TAは、画素グループPgを取り囲むようにも配置される。
又は、第2画素Paは、透過部TAを取り囲むようにも配置される。
【0063】
図6Aを参照すると、本発明の一実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含む。
第1表示領域DAには、第1画素Pmが配置され、第2表示領域には、第2画素Pa及び透過部TAが配置される。
第1画素Pmは、メイン薄膜トランジスタTFT、メインストレージキャパシタCst及びメイン有機発光ダイオードOLEDを含む。
第2画素Paは、第2薄膜トランジスタTFT’、補助ストレージキャパシタCst’及び補助有機発光ダイオードOLED’を含む。
透過部TAは、透過部TAに対応するように、開口領域TAHを具備する。
【0064】
第2表示領域SAの下部には、コンポーネント20が配置される。
コンポーネント20は、赤外線を送受信するIR(infrared)センサであり得る。
第2表示領域SAには、透過部TAが配置されており、コンポーネント20から送受信される赤外線信号が透過する。
例えば、コンポーネント20から放射される光は、透過部TAを介して、z方向に沿って進み、表示装置外部で発生してコンポーネント20に入射される光は、透過部TAを介して、-z方向に沿って進む。
他の実施形態において、コンポーネント20は、イメージを撮像するイメージセンサでもある。
一部実施形態において、コンポーネント20は、複数のイメージセンサを具備し、1つのイメージセンサが1つの透過部TAに対応しても配置される。
【0065】
以下、本発明の一実施形態による表示装置に含まれた構成が積層された構造について説明する。
基板100は、ガラス又は高分子樹脂を含み得る。
該高分子樹脂は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネートPC、又はセルロースアセテートプロピオネート(CAP)などを含み得る。
該高分子樹脂を含む基板100は、フレキシブル、ローラブル又はベンダブルな特性を有することができる。
基板100は、前述の高分子樹脂を含む層、及び無機層(図示せず)を含む多層構造であり得る。
【0066】
バッファ層111は、基板100上に位置し、基板100の下部から、異物、湿気又は外気の浸透を低減させたり遮断したりすることができ、基板100上に、平坦面を提供することができる。
バッファ層111は、酸化物又は窒化物のような無機物、有機物、又は有無機複合物を含んでもよく、無機物と有機物との単層構造又は多層構造によってもなる。
基板100とバッファ層111との間には、外気の浸透を遮断するバリア層(図示せず)がさらに含まれてもよい。
一部実施形態において、バッファ層111は、シリコン酸化物(SiO2)又はシリコン窒化物(SiNx)によって具備され得る。
バッファ層111は、第1バッファ層111a及び第2バッファ層111bが積層されるようにも具備され得る。
【0067】
第2表示領域SAにおいて、第1バッファ層111aと第2バッファ層111bとの間には、下部電極層BSMが配置される。
他の実施形態において、下部電極層BSMは、基板100と第1バッファ層111aとの間に配置され得る。
下部電極層BSMは、第2薄膜トランジスタTFT’の下部に配置され、コンポーネント20などから放射される光により、第2薄膜トランジスタTFT’の特性が劣化することを防止する。
【0068】
また、下部電極層BSMは、他層に配置された配線GCLと、コンタクトホールを介して接続される。
下部電極層BSMは、配線GCLから、定電圧又は信号が提供される。
例えば、下部電極層BSMは、駆動電圧ELVDD又はスキャン信号が提供される。
下部電極層BSMは、定電圧又は信号が提供されることにより、静電気放電が生じる確率を顕著に低減させる。
下部電極層BSMは、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、ニッケル(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、及び/又は銅(Cu)を含み得る。
下部電極層BSMは、前述の物質の単一層又は多層であり得る。
【0069】
バッファ層111上部には、メイン薄膜トランジスタTFT及び第2薄膜トランジスタTFT’が配置される。
メイン薄膜トランジスタTFTは、第1半導体層A1、第1ゲート電極G1、第1ソース電極S1、第1ドレイン電極D1を含み、第2薄膜トランジスタTFT’は、第2半導体層A2、第2ゲート電極G2、第2ソース電極S2、第2ドレイン電極D2を含む。
メイン薄膜トランジスタTFTは、第1表示領域DAのメイン有機発光ダイオードOLEDと接続され、メイン有機発光ダイオードOLEDを駆動させる。
第2薄膜トランジスタTFT’は、第2表示領域SAの補助有機発光ダイオードOLED’と接続され、補助有機発光ダイオードOLED’を駆動させる。
【0070】
第1半導体層A1及び第2半導体層A2は、バッファ層111上に配置され、ポリシリコンを含み得る。
他の実施形態において、第1半導体層A1及び第2半導体層A2は、非晶質シリコン(amorphous silicon)を含み得る。
他の実施形態において、第1半導体層A1及び第2半導体層A2は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、及び亜鉛(Zn)を含む群から選択された少なくとも1以上の物質の酸化物を含み得る。
第1半導体層A1及び第2半導体層A2は、チャンネル領域、不純物がドーピングされたソース領域及びドレイン領域を含む。
【0071】
第1半導体層A1は、第2バッファ層111bを挟み、下部電極層BSMと重畳し得る。
一実施形態として、第1半導体層A1の幅は、下部電極層BSMの幅よりも狭く形成され、従って、基板100に垂直方向から射影したとき、第1半導体層A1は、全体的に下部電極層BSMと重畳する。
【0072】
第1半導体層A1及び第2半導体層A2を覆うように、第1ゲート絶縁層112が具備される。
第1ゲート絶縁層112は、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、チタン酸化物(TiO2)、タンタル酸化物(Ta2O5)、ハフニウム酸化物(HfO2)、又は亜鉛酸化物(ZnO2)のような無機絶縁物を含み得る。
第1ゲート絶縁層112は、前述の無機絶縁物を含む単一層又は多層であり得る。
【0073】
第1ゲート絶縁層112上部には、第1半導体層A1及び第2半導体層A2とそれぞれ重畳されるように、第1ゲート電極G1及び第2ゲート電極G2が配置される。
第1ゲート電極G1及び第2ゲート電極G2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含み、単層又は多層によってなり得る。
一例として、第1ゲート電極G1及び第2ゲート電極G2は、Moの単層であり得る。
【0074】
第2ゲート絶縁層113は、第1ゲート電極G1及び第2ゲート電極G2を覆うようにも具備される。
第2ゲート絶縁層113は、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、チタン酸化物(TiO2)、タンタル酸化物(Ta2O5)、ハフニウム酸化物(HfO2)、又は亜鉛酸化物(ZnO2)のような無機絶縁物を含み得る。
第2ゲート絶縁層113は、前述の無機絶縁物を含む単一層又は多層であり得る。
【0075】
第2ゲート絶縁層113上部には、メインストレージキャパシタCstの第1上部電極CE2、及び補助ストレージキャパシタCst’の第2上部電極CE2’が配置される。
第1表示領域DAにおいて、第1上部電極CE2は、その下の第1ゲート電極G1と重畳し得る。
第2ゲート絶縁層113を挟んで重畳する第1ゲート電極G1及び第1上部電極CE2は、メインストレージキャパシタCstをなす。
第1ゲート電極G1は、メインストレージキャパシタCstの第1下部電極CE1でもある。
第2表示領域SAにおいて、第2上部電極CE2’は、その下の第2ゲート電極G2と重畳し得る。
第2ゲート絶縁層113を挟んで重畳する第2ゲート電極G2及び第2上部電極CE2’は、補助ストレージキャパシタCst’をなす。
第1ゲート電極G1は、補助ストレージキャパシタCst’の第2下部電極CE1’でもある。
【0076】
第1上部電極CE2及び第2上部電極CE2’は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、ニッケル(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、及び/又は銅(Cu)を含み得、前述の物質の単一層又は多層でもあり得る。
【0077】
層間絶縁層115は、第1上部電極CE2及び第2上部電極CE2’を覆うように形成される。
層間絶縁層115は、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、チタン酸化物(TiO2)、タンタル酸化物(Ta2O5)、ハフニウム酸化物(HfO2)、又は亜鉛酸化物(ZnO2)などを含み得る。
第1ゲート絶縁層112、第2ゲート絶縁層113及び層間絶縁層115を総称して無機絶縁層ILとすれば、基板100上に無機絶縁層ILが積層された構造は、赤外線波長に対し、約90%以上の透過率を有し得る。
例えば、基板100及び無機絶縁層ILを通過する900nm~1,100nmの波長の光は、約90%透過率を有し得る。
【0078】
ソース電極(S1、S2)及びドレイン電極(D1、D2)は、層間絶縁層115上に配置される。
ソース電極(S1、S2)及びドレイン電極(D1、D2)は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含む導電物質を含み得、前述の材料を含む多層又は単層に形成され得る。
一例として、ソース電極(S1、S2)とドレイン電極(D1、D2)は、Ti/Al/Tiの多層構造によってなる。
【0079】
ソース電極(S1、S2)とドレイン電極(D1、D2)とを覆うように、平坦化層117が配置される。
平坦化層117は、その上部に配置される第1画素電極221及び第2画素電極221’が平坦に形成されるように、平坦な上面を有する。
平坦化層117は、有機物質からなる膜が単層又は多層に形成され得る。
そのような平坦化層117は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド(polyimide)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)のような一般汎用高分子、フェノール系グループを有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどを含み得る。
【0080】
平坦化層117には、メイン薄膜トランジスタTFTの第1ソース電極S1及び第1ドレイン電極D1の内のいずれか一つを露出させる開口部が存在し、第1画素電極221は、開口部を介し、第1ソース電極S1又は第1ドレイン電極D1とコンタクトし、メイン薄膜トランジスタTFTと電気的に接続される。
また、平坦化層117には、第2薄膜トランジスタTFT’の第2ソース電極S2及び第2ドレイン電極D2の内のいずれか一つを露出させる開口部を含み、第2画素電極221’は、開口部を介し、第2ソース電極S2又は第2ドレイン電極D2とコンタクトし、第2薄膜トランジスタTFT’と電気的に接続される。
【0081】
第1画素電極221及び第2画素電極221’は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムガリウム(IGO)、又はアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)のような導電性酸化物を含み得る。
他の実施形態において、第1画素電極221及び第2画素電極221’は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロミウム(Cr)、又はそれらの化合物を含む反射膜を含み得る。
他の実施形態において、第1画素電極221及び第2画素電極221’は、前述の反射膜の上下に、ITO、IZO、ZnO、又はIn2O3によって形成された膜をさらに含んでもよい。
一部実施形態において、第1画素電極221及び第2画素電極221’は、ITO/Ag/ITOによって積層された構造によって具備される。
【0082】
画素定義膜119は、第1画素電極221及び第2画素電極221’それぞれの縁部をカバーする。
画素定義膜119は、第1画素電極221及び第2画素電極221’それぞれに重畳し、画素の発光領域を定義する第1開口OP1及び第2開口OP2を含む。
画素定義膜119は、画素電極(221、221’)の縁部と、画素電極(221、221’)上部の対向電極223との距離を増大させることにより、画素電極(221、221’)の縁部において、アークなどの発生を防止する役割を行う。
画素定義膜119は、ポリイミド、ポルリアミド(polyamide)、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、ヘキサメチルジオキサン(HMDSO)、及びフェノール樹脂のような有機絶縁物質であり、スピンコーティングなどの方法によって形成され得る。
【0083】
平坦化層117及び画素定義膜119を有機絶縁層OLとすれば、有機絶縁層OLは、赤外線波長に対し、約90%以上の透過率を有する。
例えば、有機絶縁層OLを通過する900nm~1,100nmの波長の光は、約90%透過率を有する。
【0084】
画素定義膜119の第1開口OP1及び第2開口OP2の内部には、第1画素電極221及び第2画素電極221’にそれぞれ対応するように形成された第1発光層221b及び第2発光層222b’が配置される。
第1発光層222bと第2発光層222b’は、高分子物質又は低分子物質を含み得、赤色、緑色、青色、又は白色の光を放射する。
【0085】
第1発光層222bと第2発光層222b’との上部及び/又は下部には、有機機能層222eが配置される。
有機機能層222eは、第1機能層222a及び/又は第2機能層222cを含み得る。
第1機能層222a又は第2機能層222cは、省略することもできる。
第1機能層222aは、第1発光層222bと第2発光層222b’との下部に配置される。
第1機能層222aは、有機物によって形成された単層又は多層であり得る。
【0086】
第1機能層222aは、単層構造であるホール輸送層(hole transport layer:HTL)でもある。
又は、第1機能層222aは、ホール注入層(hole injection layer:HIL)とホール輸送層(HTL)とを含み得る。
第1機能層222aは、第1表示領域DAと第2表示領域SAとに含まれた第1画素Pmと第2画素Paとに対応するように、一体に形成される。
それにより、第1機能層222aは、透過部TAに対応して配置される。
【0087】
第2機能層222cは、第1発光層222b及び第2発光層222b’の上部に配置される。
第2機能層222cは、有機物によって形成された単層又は多層であり得る。
第2機能層222cは、電子輸送層(electron transport layer:ETL)及び/又は電子注入層(electron injection layer:EIL)を含み得る。
第2機能層222cは、第1表示領域DAと第2表示領域SAとに含まれた第1画素Pmと第2画素Paとに対応するように一体に形成される。
それにより、第2機能層222cは、透過部TAに対応して配置される。
【0088】
第2機能層222c上部には、対向電極223が配置される。
対向電極223は、仕事関数が低い導電性物質を含み得る。
例えば、対向電極223は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロミウム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、又はそれらの合金などを含む(半)透明層を含み得る。
又は、対向電極223は、前述の物質を含む(半)透明層上に、ITO、IZO、ZnO、又はIn2O3のような層をさらに含んでもよい。
対向電極223は、第1表示領域DAと第2表示領域SAとに含まれた第1画素Pmと第2画素Paとに対応するように一体に形成される。
【0089】
第1表示領域DAに形成された第1画素電極221から対向電極223までの層は、メイン有機発光ダイオードOLEDをなす。
第2表示領域SAに形成された第2画素電極221’から対向電極223までの層は、補助有機発光ダイオードOLED’をなす。
【0090】
対向電極223上には、有機物質を含む上部層(capping layer)250が形成され得る。
上部層250は、対向電極223を保護すると共に、光抽出効率を高めるために設けられた層である。
上部層250は、対向電極223より屈折率が高い有機物質を含み得る。
又は、上部層250は、屈折率が互いに異なる層が積層されて形成され得る。
例えば、上部層250は、高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層が積層されて形成される。
そのとき、高屈折率層の屈折率は、1.7以上であり、低屈折率層の屈折率は、1.3以下である。
上部層250は、追加的にLiFを含んでもよい。
又は、上部層250は、追加的にシリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)のような無機絶縁物を含んでもよい。
【0091】
本実施形態において、対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備する。
すなわち、対向電極223及び上部層250それぞれが、透過部TAに対応する開口(223H、250H)を有する。
一部実施形態において、開口領域TAHを形成する開口(223H、250H)の幅は、実質的に同一である。
例えば、対向電極223の開口223Hの幅は、開口領域TAHの幅と実質的に同一である。
そのような開口領域TAHが、透過部TAに対応するということは、開口領域TAHが、透過部TAと重畳するとも理解される。
【0092】
開口領域TAHが形成されるというのは、透過部TAに対応し、対向電極223などの部材が除去されるということを意味し、透過部TAでの光透過率は、顕著に上昇する。
つまり、透過部TAに対応し、基板100、無機絶縁層IL、有機絶縁層OL、有機機能層222eが配置される。
その場合、透過部TAに配置された、基板100、無機絶縁層IL、有機絶縁層OL、及び有機機能層222eが積層された構造の赤外線光に対する吸収率は、約20%以下になる。
【0093】
図6Bを参照すると、開口領域TAHは、対向電極223の開口223H、及び上部層250の開口250Hによって形成される。
対向電極223の開口223Hは、有機機能層222eの上面を露出させるように形成される。
上部層250の開口250Hは、対向電極223の開口223Hに対応して形成され、有機機能層222eの上面を露出させるように形成される。
対向電極223の開口223H、及び上部層250の開口250Hは、実質的に同一面積に形成され得る。
【0094】
本実施形態において、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
凸状部250Cは、周辺厚t2より厚い厚みt1を有する。
図6Bにおいて、凸状部250Cは、その厚みがだんだんと厚くなって、そしてだんだんと薄くなるように図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、凸状部250Cは、周辺厚t2より厚い厚みt1を有した平坦な上面を含んでもよい。
凸状部250Cは、開口領域TAHを形成する過程において形成される。
それについては、後述する。
【0095】
図7A~
図7Cは、本発明の一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図7Aを参照すると、対向電極223を、第1表示領域DA及び第2表示領域SAに一体で形成し、その上部に、上部層250を形成する。
すなわち、対向電極223及び上部層250が透過部TAを覆うように形成する。
【0096】
対向電極223は、赤外線波長(例えば、800nm~3,000nm)の光を吸収する金属を含んで形成される。
対向電極223は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロミウム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、又はそれらの合金を含み得る。
対向電極223の厚みは、約5Å~300Åである。
【0097】
上部層250は、有機物質を含み得る。
一部実施形態において、上部層250は、対向電極223より屈折率が高い有機物質を含む。
又は、上部層250は、屈折率が互いに異なる層が積層されて形成され得る。
例えば、上部層250は、高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層が積層されて形成される。
そのとき、高屈折率層の屈折率は、1.7以上であり、低屈折率層の屈折率は、1.3以下である。
上部層250は、追加的にLiFを含んでもよい。
又は、上部層250は、追加的にシリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)のような無機絶縁物を含んでもよい。
【0098】
次に、
図7Bを参照すると、基板100の下面から、透過部TAに配置された対向電極223にレーザ光LPを照射する。
すなわち、レーザ光LPは、基板100の下面からz方向に進み、対向電極223の下面に照射される。
レーザ光LPは、赤外線波長を有する。
レーザ光LPが赤外線である場合、基板100、バッファ層111、無機絶縁層IL、有機絶縁層OL及び有機機能層222eに対する透過率が80~90%以上であり、レーザ光LPが効率的に対向電極223に到達することができる。
【0099】
対向電極223は、赤外線光を吸収する金属を含み、レーザ光LPを吸収することができる。
それにより、対向電極223の熱膨脹が発生し、レーザ光LPが照射された対向電極223は、その下部の有機機能層222eから剥離(lift-off)される。
対向電極223が剥離されることにより、剥離された対向電極223上部に配置された上部層250も、対向電極223と共に除去される。
【0100】
それにより、
図7Cに示すように、対向電極223の開口223H、及び上部層250の開口250Hが同時に形成される。
対向電極223の開口223H、及び上部層250の開口250Hにより、開口領域TAHが形成される。
そのとき、上部層250は、開口領域TAH周辺に凸状部250Cが形成される。
それは、レーザ光LPが照射された対向電極223だけではなく、その周辺の対向電極223まで、レーザ光の吸収による熱が伝達するために、そのような熱により、上部層250に含まれた有機物質が塊になり、凸状部250Cが形成される。
【0101】
もし、対向電極223に直接レーザ光LPを照射せず、対向電極223と異なる層に配置される犠牲金属層にレーザ光を照射する場合であるならば、上部層250は、そのような犠牲金属層と離隔されて配置されるが、凸状部が形成されない。
しかし、本実施形態においては、上部層250と直接コンタクトする対向電極223にレーザ光を照射して吸収させ、上部層250の一部に凸状部250Cが形成される。
【0102】
レーザ光LPは、800nm以上の波長を使用する。
一部実施形態において、レーザ光LPは、1,000nm~1,100nmの波長を使用することができる。
一部実施形態において、レーザ光LPは、ナノ秒(nano second)間隔のパルスによってもなされる。
レーザ光LPの出力(power)は、周波数、波長、スポット重畳程度の項目などによって調節される。
レーザ光LPは、透過部TAに対して、一方向のスキャン方向に何回かスキャンされる。
それにより、レーザ光LPによるパターンが、対向電極223の下部に配置された有機機能層222e及び/又は画素定義膜119にも形成される。
【0103】
本発明の一実施形態による表示装置は、センサ領域SAに赤外線を使用するコンポーネント20(
図6A)が配置されるが、赤外線に対する透過率が高い基板100、バッファ層111、無機絶縁層IL、有機絶縁層OLにも具備される。
それにより、開口領域TAHを形成するためのレーザ光LPも、赤外線波長帯域を有するレーザ光を使用し、対向電極223下部に配置された層については、高い透過率で透過させ、ほとんどのレーザ光は、対向電極223で吸収させ、対向電極223の剥離を容易にさせる。
【0104】
図8A及び
図8Bは、本発明の他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図であり、具体的には、透過部近傍を示し、
図8Cは、
図8A又は
図8Bの実施形態に関連する平面図である。
図8A~
図8Cにおいて、
図6Bと同一の参照符号は、同一部材を意味するが、それらに関係する重複説明は、省略する。
【0105】
図8A及び
図8Bを参照すると、本発明の一実施形態による表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
本実施形態において、開口領域TAHに対応して配置された有機機能層222eの上面には、複数の突出パターン222Sが具備される。
突出パターン222Sは、対向電極223をレーザ光で剥離させる過程で形成される。
【0106】
前述のように、本実施形態において、開口領域TAHを形成するために、対向電極223にレーザ光を照射し、それにより、開口領域TAHに対応する対向電極223は、レーザ光による熱を吸収することになる。
そのような熱は、その下部に配置された有機機能層222eにも伝達され、有機機能層222e上面には、レーザ光の熱による突出パターン222Sが形成される。
突出パターン222Sの形状及び大きさは、レーザ光のスポットサイズ、レーザ光をスキャンするときの重畳程度により、異なって形成される。
一部実施形態において、突出パターン222Sの突出程度は、約10Åほどである。
【0107】
有機機能層222eは、第1機能層222a及び第2機能層222cが積層されて形成される。
そのとき、突出パターン222Sは、第2機能層222cの上面にも形成される。
また、
図8Aに示すように、第1機能層222aの上面にも、突出パターン222S’が形成される。
他の実施形態において、
図8Bに示すように、画素定義膜119の上面にも、突出パターン119Sが形成される。
【0108】
図8Cを参照すると、突出パターン222Sのエンボス部(embossed portion)は、一方向に延長されて配置される。
それは、レーザ光のスキャンを上記方向に沿って実行したことを意味する。
また、突出パターン222Sは、複数具備され、複数の突出パターン222Sは、所定の間隔で平行に離隔されて配置される。
上記間隔は、レーザ光のスポットサイズと対応する。
突出パターン222Sのエンボス部の形状及び離隔距離は、レーザ光のスキャン方向及びスポットサイズなどによって多様にも形成される。
例えば、レーザ光のスキャンをジグザグ又は円形に行う場合、突出パターン222Sのエンボス部形状も、ジグザグ又は円形に形成される。
【0109】
図9は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
図9において、
図6Aと同一の参照符号は、同一部材を指すが、それらに関係する重複説明は、省略する。
図9を参照すると、本実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含み、第2表示領域SAは、透過部TAを含む。
表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
【0110】
本実施形態において、画素定義膜119は、透過部TAに位置する第1開口H1を含む。
画素定義膜119に、第1開口H1が形成されることにより、透過部TAの光透過率が向上する。
開口領域TAHは、第1開口H1の内部にも形成される。
一部実施形態において、開口領域TAHの幅は、第1開口H1の幅よりも狭く形成される。
それにより、第1開口H1の内側壁には、有機機能層222e、対向電極223及び上部層250が配置される。
しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、開口領域TAHの幅が、第1開口H1の幅より広く具備され、開口領域TAHの側壁は、画素定義膜119に上面にも配置され得る。
【0111】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
図10において、
図6Aと同一の参照符号は、同一部材を指すが、それらに関係する重複説明は、省略する。
図10を参照すると、本実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含み、第2表示領域SAは、透過部TAを含む。
表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
【0112】
本実施形態において、画素定義膜119は、透過部TAに位置する第1開口H1を含み、平坦化層117は、透過部TAに位置する第2開口H2を含む。
第2開口H2は、第1開口H1と重畳されて配置される。
図10においては、第2開口H2の下部幅が、第1開口H1の下部幅に比べて広く形成され、画素定義膜119が、第2開口H2の内側壁を覆うように示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、平坦化層117の第2開口H2の幅が、画素定義膜119の第1開口H1の幅よりも狭く形成され得る。
第1開口H1及び第2開口H2が形成されることにより、透過部TAの光透過率が向上する。
【0113】
一方、開口領域TAHは、第1開口H1及び第2開口H2の内部にも形成される。
一部実施形態において、開口領域TAHの幅は、第1開口H1及び第2開口H2の幅よりも狭く形成される。
それにより、第1開口H1の内側壁には、有機機能層222e、対向電極223及び上部層250が配置される。
しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、開口領域TAHの幅が、第1開口H1の幅より広く形成され、開口領域TAHの側壁は、画素定義膜119に上面にも配置され得る。
【0114】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
図11において、
図6Aと同一の参照符号は、同一部材を指すが、それらに関係する重複説明は、省略する。
図11を参照すると、本実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含み、第2表示領域SAは、透過部TAを含む。
表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
【0115】
本実施形態において、画素定義膜119は、透過部TAに位置する第1開口H1を含み、平坦化層117は、透過部TAに位置する第2開口H2を含む。
第2開口H2は、第1開口H1と重畳されて配置される。
また、無機絶縁層ILに、第3開口H3が配置される。
第3開口H3は、バッファ層111又は基板100の上面を露出させるように形成される。
第3開口H3は、透過部TAに対応するように形成された第1ゲート絶縁層112の開口、第2ゲート絶縁層113の開口、及び層間絶縁層115の開口が重畳されて形成される。
上記開口は、別途の工程を介してそれぞれ形成されるか、あるいは同一工程を介して同時に形成され得る。
又は、第1ゲート絶縁層112の開口、及び第2ゲート絶縁層113の開口は、同時に形成され、層間絶縁層115の開口は、別途にも形成されるというように、多様な変形が可能である。
上記開口が別途の工程によって形成される場合、第3開口H3の側面には、段差が形成され得る。
【0116】
一方、無機絶縁層ILは、バッファ層111を露出させる第3開口H3ではないグルーブ(groove)を具備する。
例えば、無機絶縁層ILにおいて、第1ゲート絶縁層112は、透過部TAに対応して連続して配置され、第2ゲート絶縁層113と層間絶縁層115は、透過部TAに対応し、それぞれ開口を具備する。
又は、透過部TAに対応し、第1ゲート絶縁層112及び第2ゲート絶縁層113は、連続して配置され、層間絶縁層115は、透過部TAに対応した開口を具備するというように、多様な変形が可能である。
第3開口H3は、第1開口H1及び第2開口H2と重畳する。
第1開口H1、第2開口H2、第3開口H3が形成されることにより、透過部TAの光透過率が向上する。
第1開口H1、第2開口H2、第3開口H3の内側壁には、有機機能層222e、対向電極223及び上部層250が配置される。
【0117】
図12は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
図12において、
図6Aと同一の参照符号は、同一部材を指すが、それらに関係する重複説明は、省略する。
図12を参照すると、本実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含み、第2表示領域SAは、透過部TAを含む。
表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
【0118】
本実施形態において、メイン有機発光ダイオードOLEDと補助有機発光ダイオードOLED’は、封止基板300Aによってカバーされる。
封止基板300Aは、透明な素材を含む。
例えば、封止基板300Aは、ガラス材を含んでもよい。
又は、封止基板300Aは、高分子樹脂などを含んでもよい。
封止基板300Aは、外部の水分や異物が、メイン有機発光ダイオードOLEDや補助有機発光ダイオードOLED’に浸透(入り込む)ことを防止することができる。
【0119】
メイン有機発光ダイオードOLEDと補助有機発光ダイオードOLED’とが形成された基板100と、封止基板300Aとの間には、シーラントのようなシーリング材が配置される。
該シーリング材は、基板100と封止基板300Aとの間を介して浸透してしまう外部の水分や異物を遮断することができる。
【0120】
図13は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の一部を示す概略的な断面図である。
図13において、
図6Aと同一の参照符号は、同一部材を指すが、それらに関係する重複説明は、省略する。
図13を参照すると、本実施形態による表示装置は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAを含み、第2表示領域SAは、透過部TAを含む。
表示装置の対向電極223及び上部層250は、透過部TAに対応する開口領域TAHを具備し、上部層250は、開口領域TAHに隣接するように配置された凸状部250Cを具備する。
【0121】
本実施形態による表示装置は、上部層250上に、薄膜封止層300Bが配置される。
薄膜封止層300Bは、少なくとも1層の無機封止層と、少なくとも1層の有機封止層とを含み得、それと関係して、
図13は、薄膜封止層300Bが、第1無機封止層310、有機封止層320、及び第2無機封止層330が積層された構造を示す。
他の実施形態において、有機封止層の層数、及び無機封止層の層数、並びに積層順序は、変更してもよい。
【0122】
第1無機封止層310及び第2無機封止層330は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素のような1以上の無機絶縁物を含み得、化学気相蒸着法(CVD)などによって形成される。
有機封止層320は、ポリマー系の素材を含み得る。
該ポリマー系の素材としては、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド及びポリエチレンなどを含んでもよい。
第1無機封止層310、有機封止層320、及び第2無機封止層330は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAをカバーするように一体に形成される。
それにより、第1無機封止層310、有機封止層320、及び第2無機封止層330は、開口領域TAH内部にも配置される。
【0123】
他の実施形態において、有機封止層320は、第1表示領域DA及び第2表示領域SAをカバーするように一体に形成されるが、透過部TAには、存在しないように形成することができる。
言い換えれば、有機封止層320は、透過部TAに対応する開口を含み得る。
その場合、第1無機封止層310及び第2無機封止層330は、開口領域TAH内部で互いに接触する。
【0124】
図14A及び
図14Bは、本実施形態による、対向電極を剥離した後、透過部TA近傍を撮影したイメージである。
図14A及び
図14Bを参照すると、透過部TA周辺に配置された上部層250は、周辺厚t2より厚い厚みt1を有する凸状部250Cを具備する。
透過部TAには、有機機能層222e及び画素定義膜119が配置され、有機機能層222eの上面には、突出パターン222Sが形成される。
図14Bを参照すれば、有機機能層222eの上面に形成された突出パターン222Sは、レーザ光のスキャン方向に沿って形成されているということを確認することができる。
【0125】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 表示装置
10 表示パネル
20 コンポーネント
100 基板
110 第1スキャン駆動回路
111 バッファ層
111a 第1バッファ層
111b 第2バッファ層
112 第1ゲート絶縁層
113 第2ゲート絶縁層
115 層間絶縁層
117 平坦化層
119 画素定義膜
119S 突出パターン
120 第2スキャン駆動回路
140 端子
150 データ駆動回路
151 接続配線
160 第1電源供給配線
161 第1接続配線
162、163 (第1、第2)サブ配線
170 第2電源供給配線
171 第2接続配線
175 下部保護フィルム
175OP 開口
119S、222S、222S’ 突出パターン
200 表示要素層
221,221’ (第1、第2)画素電極
222a、222c (第1、第2)機能層
222b、222b’ (第1、第2)発光層
222e 有機機能層
223 対向電極
223H、250H 開口
250 上部層
250c 凸状部
300、300B 薄膜封止層
300A 封止基板
310 第1無機封止層
320 有機封止層
330 第2無機封止層
BSM 下部電極層
DA 第1表示領域
NDA 非第1表示領域
Pa 第2画素
Pm 第1画素
SA 第2表示領域
TA 透過部
TAH 開口領域