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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ドア装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/16 20060101AFI20240814BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20240814BHJP
   E06B 7/23 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
E06B7/16 B
E06B7/22 F
E06B7/23 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020094638
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021188370
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 弘幸
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-63628(JP,A)
【文献】特開2011-94332(JP,A)
【文献】特開2018-172872(JP,A)
【文献】実開昭54-29565(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/16-7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横幅方向に並ぶ第一扉及び第二扉と、これら第一扉及び第二扉によって開閉される開口部を囲む枠体とを備えたドア装置において、
前記第一扉は、閉鎖時に前記開口部の片半部側を覆う第一扉本体と、この第一扉本体の戸先部から突出して上下方向にわたる受部とを有し、
前記第二扉は、閉鎖時に前記開口部の他半部側を覆うとともに前記受部に戸先部を重ね合わせる第二扉本体を有し、
前記枠体は、閉鎖時の前記第一扉本体および前記第二扉本体に対し閉鎖方向側に近接又は接触する横枠部材を有し、
前記受部の少なくとも一端側には、閉鎖時に、前記第一扉本体及び前記第二扉本体に跨って接し、且つ横枠部材にも接する端部気密材が設けられ、
前記横枠部材には、全閉時の前記第一扉本体と前記第二扉本体とに跨って、これら両扉本体の閉鎖側の面に近接する突片部が設けられ、
前記端部気密材には、凹湾曲状に傾斜する傾斜面部が設けられ、
前記傾斜面部の傾斜途中部分が、閉鎖時に前記突片部に圧接されるようにしたことを特徴とするドア装置。
【請求項2】
前記端部気密材は、弾性材料から形成され、閉鎖時に、前記第一扉本体及び前記第二扉本体と前記横枠部材に挟まれて弾性変形することを特徴とする請求項1記載のドア装置。
【請求項3】
前記横枠部材には、閉鎖時の前記第一扉本体および前記第二扉本体に接するとともに前記端部気密材にも接するように、横幅方向へ連続する枠側気密部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば両開き扉や、親子扉等、並設された二つの扉のうちの少なくとも一方を回動させることにより開閉動作するドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、上下の横枠部材を有する矩形状の枠部材内で、先に閉鎖した子扉の戸先部に、後から閉鎖した親扉(扉本体)の戸先部を対向させて全閉状態となる親子扉がある。
この従来技術では、親扉の戸先側における閉鎖側面に、上下方向にわたって弾性気密材を嵌め合わせた召合せ縁が一体的に設けられており、全閉時には、子扉の戸先側に、召合せ縁を重ね合わせるとともに前記弾性気密材を密接させることで、親扉と子扉の間の閉鎖性を保持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-6685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の親子扉では、子扉と一体的な召合せ縁と、その上側又は下側の横枠部材との間には、子扉の回動を妨げないように、隙間が確保される。
このため、全閉状態において、前記隙間による空気通路が形成されてしまい、この空気通路によって、両扉間の閉鎖性(詳細には、気密性や遮音性、光遮断性、遮蔽性、水密性等)が損なわれてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
横幅方向に並ぶ第一扉及び第二扉と、これら第一扉及び第二扉によって開閉される開口部を囲む枠体とを備えたドア装置において、前記第一扉は、閉鎖時に前記開口部の片半部側を覆う第一扉本体と、この第一扉本体の戸先部から突出して上下方向にわたる受部とを有し、前記第二扉は、閉鎖時に前記開口部の他半部側を覆うとともに前記受部に戸先部を重ね合わせる第二扉本体を有し、前記枠体は、閉鎖時の前記第一扉本体および前記第二扉本体に対し閉鎖方向側に近接又は接触する横枠部材を有し、前記受部の少なくとも一端側には、閉鎖時に、前記第一扉本体及び前記第二扉本体に跨って接し、且つ横枠部材にも接する端部気密材が設けられ、前記横枠部材には、全閉時の前記第一扉本体と前記第二扉本体とに跨って、これら両扉本体の閉鎖側の面に近接する突片部が設けられ、前記端部気密材には、凹湾曲状に傾斜する傾斜面部が設けられ、前記傾斜面部の傾斜途中部分が、閉鎖時に前記突片部に圧接されるようにしたことを特徴とするドア装置。

【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、閉鎖性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るドア装置の一例を示す正面図である。
図2図1における(II)-(II)線に沿う断面図である。
図3図1における(III)-(III)線に沿う断面図である。
図4】本発明に係るドア装置の要部を屋内側から視た斜視図である。
図5】本発明に係るドア装置の要部を分解して屋内側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、横幅方向に並ぶ第一扉及び第二扉と、これら第一扉及び第二扉によって開閉される開口部を囲む枠体とを備えたドア装置において、前記第一扉は、閉鎖時に前記開口部の片半部側を覆う第一扉本体と、この第一扉本体の戸先部から突出して上下方向にわたる受部とを有し、前記第二扉は、閉鎖時に前記開口部の他半部側を覆うとともに前記受部に戸先部を重ね合わせる第二扉本体を有し、前記枠体は、閉鎖時の前記第一扉本体および前記第二扉本体に対し閉鎖方向側から近接又は接触する横枠部材を有し、前記受部の少なくとも一端側には、閉鎖時に、前記第一扉本体及び前記第二扉本体に跨って接し、且つ横枠部材にも接する端部気密材が設けられている(図1図5参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記端部気密材は、弾性材料から形成され、閉鎖時に、前記第一扉本体及び前記第二扉本体と前記横枠部材に挟まれて弾性変形する(図2及び図4参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記横枠部材には、全閉時の前記第一扉本体と前記第二扉本体とに跨って、これら両扉本体の閉鎖側の面に近接する突片部が設けられ、前記端部気密材には、閉鎖時に前記突片部に圧接されるように傾斜面部が設けられている(図2及び図4参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記横枠部材には、閉鎖時の前記第一扉本体および前記第二扉本体に接するとともに前記端部気密材にも接するように、横幅方向へ連続する枠側気密部材が設けられている(図2参照)。
【0012】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「横幅方向」とは、第一扉10及び第二扉20、あるいは枠体30を正面視した場合の横幅方向(図1によれば左右方向)を意味する。
【0013】
図1は、本発明に係るドア装置の一例を示す。
このドア装置Aは、横幅方向に並ぶ第一扉10及び第二扉20と、これら第一扉10及び第二扉20によって開閉される開口部を上下左右から囲む枠体30とを備え、子扉である第一扉10を全閉位置で係止して、親扉である第二扉20を開閉回動するようにした親子扉を構成している。
【0014】
第一扉10は、閉鎖時に枠体30内の開口部の一方の片半部側(図示例によれば左半部側)を覆う第一扉本体11と、この第一扉本体11の戸先部から突出して上下方向にわたる受部12とを一体的に有する(図3~5参照)。この第一扉10は、図示例によれば、上下左右の複数の骨材1や、これら骨材1を覆う外装板2等によって構成される。
【0015】
第一扉本体11は、所定の厚みを有する略長尺矩形板状に形成され、戸尻側(図示例によれば左端側)が、不動部位である枠体30に対し、軸支部材(例えば図示しないピポットヒンジ等)を介して回転自在に支持され、戸先側が図示しない係脱部材(例えばフランス落とし等)により床面等の不動部位に対し係脱可能に係止される。
【0016】
受部12は、第一扉本体11から戸先方向へ突出し且つ屋内側にも突出して、上下方向にわたる長尺状に設けられ、召合わせ等と呼称される場合もある。
この受部12は第一扉本体11よりも上下方向の寸法が小さく、この受部12の上端部は、第一扉本体11の上端部よりも下側であって、且つ後述する横枠部材31の突片部31a1よりも下側に位置する。また、同受部12の下端部は、第一扉本体11の下端部よりも上側であって、且つ後述する横枠部材32の突片部32a1よりも上側に位置する。すなわち、この受部12は、全閉状態において、上下の突片部31a1,32a1の間に位置する。
【0017】
受部12は、図3に例示するように、開口を屋外側へ向けた横断面凹状の凹状部12aと、この凹状部12aに嵌め合わせられた受部気密材12bとから構成される。
【0018】
凹状部12aは、外装板2の一部を曲げ加工することで、上下方向へ連続する凹溝状に形成され、図3に示すように、第一扉本体11の戸先部から屋内側へ突出し、且つ第二扉20側へも突出している。なお、この凹状部12aの他例としては、外装板2とは別体の板金材料を曲げ加工して第一扉本体11に固定するようにしてもよい。
【0019】
受部気密材12bは、弾性材料(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)からなる中空の長尺状部材であり、凹状部12a内の上下方向の略全長にわたって嵌め合わせられている。
この受部気密材12bは、凹状部12aから屋外側へ突出しており、その突端側部分を、全閉時における第二扉本体21の屋内側の面及び角部分に圧接する(図3参照)。すなわち、この受部気密材12bは、全閉状態において、第一扉10と第二扉20の双方に接する。
【0020】
上記構成の受部12の上端側には、接続部材14を介して端部気密材13が設けられる。この端部気密材13は、全閉時に、第一扉本体11と第二扉本体21に跨って接し、且つ枠体30の横枠部材31にも接する(図4参照)。
【0021】
同様にして受部12の下端部にも、全閉時に、第一扉本体11と第二扉本体21に跨って接し、且つ枠体30の下側の横枠部材32にも接するように、接続部材14’を介して端部気密材13’が設けられている。下側の端部気密材13’及び接続部材14’は、上側の端部気密材13及び端部気密材13’と同構成の部材であり、上下逆に用いられている(図2参照)。
【0022】
端部気密材13は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から形成され、全閉時に、第一扉本体11及び第二扉本体21と横枠部材31の突片部31a1に挟まれて弾性変形する。
この端部気密材13は、本体部13aと、この本体部13aから側面視略矢印状に突出して接続部材14に接続される接続部13bとを有する(図5参照)。
本体部13aは、第一扉本体11と第二扉本体21に跨ってこれらの表面に圧接される平坦状の圧接面部13a1と、圧接面部13a1の左右両端部からそれぞれ屋内側へ延設された側面視略三角形状の両側面部13a2,13a2と、両側面部13a2,13a2の両斜辺部分に接続された傾斜面部13a3とを有する。
【0023】
傾斜面部13a3は、下方へいくにしたがって徐々に閉鎖方向(屋内側)へいく凹湾曲状の傾斜面であり、その傾斜途中部分を、突片部31a1の突端に圧接する(図4参照)。
【0024】
接続部材14は、金属や合成樹脂等の硬質材料によって、凹状部12aの長手方向の端部を覆う略板状に形成され、凹状部12aに対し、嵌合、溶接、接着、ねじ止め等の接続手段によって接続固定される。
この接続部材14の中央側には、端部気密材13の接続部13bを挿入嵌合する嵌合孔14aが設けられる。
【0025】
第二扉20は、第一扉10よりも横幅の大きい略矩形板状に形成され、閉鎖時に枠体30内における開口部の他半部側(図示例によれば右半部側)を覆う第二扉本体21と、この第二扉本体21の戸先部から突出して上下方向にわたる覆部22とを一体的に有する。この第二扉20は、図示例によれば、上下左右の複数の骨材3や、これら骨材3を覆う外装板4等によって構成される(図3~5参照)。
【0026】
第二扉本体21は、所定の厚みを有する略矩形板状に形成され、戸尻側(図示例によれば右端側)が、不動部位である枠体30に対し、軸支部材5(図示例によれば蝶番)を介して回転自在に支持され、戸先側が全閉時に第一扉本体11に対向するとともに受部12に重ね合わせられる。
【0027】
覆部22は、第二扉本体21から戸先方向へ突出し且つ屋外側にも突出して、上下方向にわたる長尺板状に設けられる。この覆部22は、全閉時に、第一扉本体11の戸先部と、第二扉本体21の戸先部との間の隙間を、正面側から覆う(図3参照)。
この覆部22は、図示例によれば、外装板4とは別体の板状部材を、第二扉本体21に重ね合わせて接続固定しているが、他例としては、外装板4の一部分を曲げ加工したものであってもよい。
【0028】
枠体30は、上下の横枠部材31,32と、これら横枠部材31,32の左右端部側間に接続され縦枠部材33,34とから略矩形枠状に構成される(図1参照)。
【0029】
横枠部材31は、下半部側に下向きの凸状部31aを有する縦断面形状を呈し(図2参照)、横幅方向へ長尺状に連続している。
この横枠部材31の凸状部31aには、端部気密材13に圧接される突片部31a1と、気密材嵌合部31bとが設けられる。
【0030】
突片部31a1は、凸状部31aから屋外側へ突出するとともに横幅方向へ連続する略平板状の突片である。
この突片部31a1の突端側は、全閉位置にある第一扉本体11と第二扉本体21とに跨って、これら両扉本体11,21の閉鎖側の面に近接するとともに、両扉本体11,21の間側で、端部気密材13の傾斜面部13a3に圧接される。
【0031】
気密材嵌合部31bは、突片部31a1よりも上側に位置し、屋外側へ開口を向けた凹状断面を横幅方向へ連続した凹溝状に形成される。
この気密材嵌合部31bには、枠側気密部材31cが嵌合固定される。
【0032】
枠側気密部材31cは、弾性材料(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)からなる中空の長尺状部材であり、図示例によれば、上述した受部気密材12bと略同様の部材である。
この枠側気密部材31cは、全閉時に、両扉本体11,21の間側で、端部気密材13の傾斜面部13a3に圧接され(図2参照)、この圧接箇所以外の部分が、第一扉本体11及び第二扉本体21に対しその横幅方向の略全長にわたって圧接される。
【0033】
下側の横枠部材32は、上側の横枠部材31に対向して横幅方向へ連続する長尺状の部材であり、上側の横枠部材31と略同様にして、凸状部32aの屋外側に、突片部32a1及び気密材嵌合部32bを有する(図2参照)。
【0034】
下側の突片部32a1は、上側の突片部31a1と略同様にして、全閉位置にある第一扉本体11と第二扉本体21とに跨って、これら両扉本体11,21の閉鎖側の面に近接するとともに、両扉本体11,21の間側で、下側の端部気密材13’の傾斜面部13a3に圧接される。
【0035】
下側の気密材嵌合部32bは、上側の気密材嵌合部31bと上下逆さに構成され、突片部32a1よりも下側に位置し、屋外側へ開口を向けた凹状断面を横幅方向へ連続した凹溝状に形成される。この気密材嵌合部32bには、枠側気密部材32cが嵌合固定される。
【0036】
下側の枠側気密部材32cは、上側の枠側気密部材31cと略同構成の部材であり、全閉時に、両扉本体11,21の間側で、下側の端部気密材13’の傾斜面部13a3に圧接され(図2参照)、この圧接箇所以外の部分が、第一扉本体11及び第二扉本体21に対しその横幅方向の略全長にわたって圧接される。
【0037】
また、左側の縦枠部材33は、上側の横枠部材31の左端側と、下側の横枠部材32の左端側との間にわたって上下方向へ連続している。同様に右側の縦枠部材34は、上側の横枠部材31の右端側と、下側の横枠部材32の右端側との間にわたって上下方向へ連続している。
【0038】
なお、図3中、符号33aは、縦枠部材33に設けられるとともに第一扉10に圧接されてこれらの間の隙間を塞ぐ気密材である。また、符号34aは、縦枠部材34に設けられるとともに第二扉20に圧接されてこれらの間の隙間を塞ぐ気密材である。
【0039】
次に上記構成のドア装置Aについて、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
第一扉10及び第二扉20が全閉位置にある状態では、第一扉本体11と第二扉本体21の間が、上下方向へわたる受部気密材12b、この受部気密材12bよりも上側の端部気密材13、同受部気密材12bよりも下側の端部気密材13’等により、略隙間なく閉鎖される。
【0040】
詳細に説明すれば、受部気密材12bを有する部分は、図3に示すように、受部気密材12bが、第一扉本体11と第二扉本体21の双方に圧接されることで、これら両扉本体11,21間の隙間を塞ぐ。
【0041】
受部気密材12bよりも上側の部分は、図4に示すように、端部気密材13の圧接面部13a1が第一扉本体11と第二扉本体21の双方に圧接し、同端部気密材13の傾斜面部13a3が、突片部31a1に圧接される。
【0042】
さらに、枠側気密部材31cが、横幅方向へわたって第一扉本体11及び第二扉本体21に圧接されるとともに、第一扉本体11と第二扉本体21の間側で、端部気密材13の傾斜面部13a3にも圧接される(図2)。
【0043】
受部気密材12bよりも下側でも、下側の端部気密材13’、突片部32a1、枠側気密部材32c等が、上側と略同様の作用を奏する(図2参照)
【0044】
よって、上記ドア装置Aによれば、第一扉10と第二扉20と上側の横枠部材31の三部材間、及び第一扉10と第二扉20と下側の横枠部材32の三部材間に、屋外側から屋内側へ連通する隙間が生じるのを防いで、閉鎖性を向上することができる。
【0045】
すなわち、仮に、上記構成から端部気密材13を省いた場合には、覆部22と第一扉本体11表面との間の隙間(図2参照)と、第一扉本体11の戸先面と第二扉本体21の戸先面との間の隙間(図2参照)と、受部12の上端部と横枠部材31の凸状部31aの下端面との間の隙間とによって、屋外側と屋内側とを連通する空気通路が形成されてしまう。
しかしながら、本願発明に係るドア装置Aによれば、受部12の上端部と横枠部材31の凸状部31aの下端面との間の隙間が、端部気密材13によって塞がれるため、前記空気通路の形成を阻むことができる。
【0046】
<変形例>
なお、上記実施態様によれば、端部気密材13,13’は、接続部材14,14’を介して受部12に接続されるようにしたが、他例としては、接続部材14,14’を省き、端部気密材13,13’を、それぞれ、受部12に直接接続するようにすることも可能である。この場合の接続手段は、例えば、嵌合や接着等とすればよい。
【0047】
また、上記実施態様では、好ましい一例として、上端側と下端側に上下逆さで同形状の端部気密材13,13’等を設けたが、他例としては、上端側の端部気密材13と下端側の端部気密材13’を異なる形状にすることも可能である。
【0048】
また、上記実施態様によれば、第一扉10及び第二扉20によって親子扉を構成したが、当該ドア装置Aは、親子扉以外の両開き扉を構成することも可能である。
【0049】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0050】
10:第一扉
11:第一扉本体
12:受部
12b:受部気密材
13,13’:端部気密材
13a3:傾斜面部
20:第二扉
21:第二扉本体
30:枠体
31,32:横枠部材
31a1,32a1:突片部
31c,32c:枠側気密部材
A:ドア装置
図1
図2
図3
図4
図5