(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】車両用電動式ドアラッチ
(51)【国際特許分類】
E05B 77/02 20140101AFI20240814BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20240814BHJP
E05B 81/90 20140101ALN20240814BHJP
【FI】
E05B77/02
B60J5/00 N
B60J5/00 H
E05B81/90
(21)【出願番号】P 2020119058
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0090701
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】513316326
【氏名又は名称】平和精工株式会社
【氏名又は名称原語表記】PYEONG HWA AUTOMOTIVE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 盡 禹
(72)【発明者】
【氏名】郭 瓊 澤
(72)【発明者】
【氏名】韓 正 鎬
(72)【発明者】
【氏名】盧 赫
(72)【発明者】
【氏名】朴 ゾン 浩
(72)【発明者】
【氏名】安 基 淪
(72)【発明者】
【氏名】李 振 福
(72)【発明者】
【氏名】朱 持 ウ
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-269029(JP,A)
【文献】特開平09-105262(JP,A)
【文献】特開昭63-268887(JP,A)
【文献】特開2005-220615(JP,A)
【文献】特開平01-268979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0244999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 - 85/28
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に装着されたストライカーにかかって車両用ドアが前記車体にロッキングされるようにするか、前記ストライカーから離脱して前記車両用ドアが前記車体から開放されるようにするキャッチパートと、
メインモータを含み、前記メインモータを通じて前記キャッチパートに回転力を印加して前記キャッチパートが前記ストライカーにロッキングされるようにするか解放されるようにするドアロッキングおよび解放パートと、
補助モータを含み、前記メインモータが作動不能である時に前記補助モータが作動して前記キャッチパートを通じて前記車両用ドアが前記車体から開放されるようにする非常用ドア解放パートと、
前記車両用ドアに設置されたインサイドハンドルに連結されて、前記インサイドハンドルの操作力の伝達を受けて回転しながら前記キャッチパートに回転力を印加して前記車両用ドアが開放されるようにするインサイド非常作動レバーと、
前記車両用ドアに設置されたアウトサイドハンドルに連結されて、前記アウトサイドハンドルの操作力の伝達を受けて回転しながら前記キャッチパートに回転力を印加して前記車両用ドアが開放されるようにするアウトサイド非常作動レバーと、を含
み、
前記キャッチパートは、
前記車体に装着された前記ストライカーが挿入されてかかるかあるいは離脱するロッキング溝を含み、回転可能に設置されたキャッチと、
回転可能に設置され、前記キャッチの回転軌跡内に進入して前記キャッチの回転を阻止するか前記キャッチの回転軌跡から離脱して前記キャッチが自由回転可能なようにするポールと、を含み、
前記ポールには、一側面から突出したポールアームが形成され、
前記ドアロッキングおよび解放パートは、
時計回り方向および反時計回り方向に回転可能であり、第1駆動ギヤを含む前記メインモータと、
前記第1駆動ギヤに噛み合っている第1被動ギヤと、
前記第1被動ギヤに噛み合っている第2被動ギヤを含み、前記メインモータの駆動ギヤと前記第1被動ギヤおよび前記第2被動ギヤを通じて回転しながら前記ポールを回転させるポールリリースレバーと、を含み、
前記ポールリリースレバーは、円周方向に互いに離隔した開放突起および閉鎖突起を含み、
前記開放突起および閉鎖突起の間に、前記ポールアームが配置されたことを特徴とする、車両用電動式ドアラッチ。
【請求項2】
前記キャッチのロッキング溝に前記ストライカーが挿入される時に前記キャッチの回転ストッピングおよびダンピング役割のための第1バンパーをさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項3】
前記ポールの回転運動時に前記ポールの回転ストッピングおよびダンピング役割を果たす第2バンパーをさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項4】
前記キャッチと前記ポールは、ピンを通じて支持ブラケットに回転可能に装着され、
前記支持ブラケットには、延長アームが形成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項5】
前記インサイドハンドルや前記アウトサイドハンドルあるいは前記車両用ドアに設置されたボタンやスイッチの操作を感知するドアラッチコントローラをさらに含み、
前記ドアラッチコントローラが前記インサイドハンドルや前記アウトサイドハンドルあるいは前記車両用ドアに設置されたボタンやスイッチの操作を感知して、前記メインモータに作動信号を印加することを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項6】
前記非常用ドア解放パートは、
駆動スクリューを含む非常用の前記補助モータと、
前記駆動スクリューに噛み合って前記駆動スクリューの回転によって移動する被動スクリューレバーと、
前記被動スクリューレバーに共に移動するように結合された非常用キーレバーと、
前記非常用キーレバーに共に移動するように連結され、前記アウトサイド非常作動レバーに連結されたマスターロックリンクと、
を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項7】
前記マスターロックリンクの一端には、連結突起が形成され、
前記非常用キーレバーの一端には、前記連結突起が挿入されるホールが形成され、
前記マスターロックリンクは、前記非常用キーレバーと共に移動できるように連結されるだけでなく、前記非常用キーレバーに対して相対回転可能に連結されたことを特徴とする、
請求項6に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項8】
前記マスターロックリンクの他端には、作動突起が形成され、
前記アウトサイド非常作動レバーには、前記作動突起が移動可能に挿入される長ホールが形成されたことを特徴とする、
請求項6に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項9】
車両用キーを挿入することができるキーシリンダーに結合されたキーナットをさらに含み、
前記キーナットには、円周方向に収容溝を形成する収容溝壁が形成され、
前記キーナットの収容溝に挿入される連結突起が前記非常用キーレバーの他端に形成されたことを特徴とする、
請求項6に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項10】
前記インサイド非常作動レバーと前記アウトサイド非常作動レバーは、ピンによって前記支持ブラケットの延長アームに回転可能に締結されたことを特徴とする、
請求項4に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項11】
前記インサイド非常作動レバーには、所定高さで突出した突出アームが形成され、
前記突出アームは、前記マスターロックリンクの前記作動突起によって選択的にプッシュされることを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項12】
前記アウトサイド非常作動レバーの長ホールの長さは、前記インサイド非常作動レバーの突出アームの高さより大きく形成されたことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【請求項13】
車両の衝突事故によって前記メインモータが作動不能である場合、前記ドアラッチコントローラが衝突感知センサーを通じて衝突を感知して、前記補助モータに作動信号を印加することを特徴とする、
請求項5に記載の車両用電動式ドアラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電動式ドアラッチに係り、より詳しくは、ドア開閉用モータが作動不能である時に非常用モータを用いてドアをアンロック状態に転換させることができる車両用電動式ドアラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用電動式ドアラッチは、使用者の便宜のためにモータを用いてドアを車体にロッキングあるいは解放させるようになっている。
【0003】
また、車両用ドアを使用者が把持して容易に操作することができるようにインサイドハンドルおよびアウトサイドハンドルがドア内外側にそれぞれ設置されており、電動式ドアラッチをロッキングあるいは解放させるためにスイッチなどが車両用ドアに備えられている。
【0004】
しかし、前述のような従来の電動式ドアラッチ構造で、車両の衝突事故発生あるいはバッテリー放電などによってモータの作動不能が引き起こされる場合に、ドアロッキング状態を適切なドアロッキング解除手段によって解除させる構造や装置が必要となった。
【0005】
この背景技術部分に記載された事項は発明の背景に対する理解を増進させるために作成されたものであって、この技術が属する分野における通常の知識を有する者に既に知られた従来の技術でない事項を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述の事情を勘案して案出されたものであって、衝突事故発生あるいは放電などによってドア開閉用モータが作動不能になってもドアロッキング状態を容易に解除することができ、車両用キー操作でもドアロッキング状態を便利に解除することができるようにして、車両の商品性および安全性を向上させることができる車両用電動式ドアラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチは、車体に装着されたストライカーにかかって車両用ドアが前記車体にロッキングされるようにするか、前記ストライカーから離脱して前記車両用ドアが前記車体から開放されるようにするキャッチパートと、メインモータを含み、前記メインモータを通じて前記キャッチパートに回転力を印加して前記キャッチパートが前記ストライカーにロッキングされるようにするか解放されるようにするドアロッキングおよび解放パートと、補助モータを含み、前記メインモータが作動不能である時に前記補助モータが作動して前記キャッチパートを通じて前記車両用ドアが前記車体から開放されるようにする非常用ドア解放パートと、前記車両用ドアに設置されたインサイドハンドルに連結されて、前記インサイドハンドルの操作力の伝達を受けて回転しながら前記キャッチパートに回転力を印加して前記車両用ドアが開放されるようにするインサイド非常作動レバーと、前記車両用ドアに設置されたアウトサイドハンドルに連結されて、前記アウトサイドハンドルの操作力の伝達を受けて回転しながら前記キャッチパートに回転力を印加して前記車両用ドアが開放されるようにするアウトサイド非常作動レバーと、を含むことができる。
【0009】
前記キャッチパートは、前記車体に装着された前記ストライカーが挿入されてかかるかあるいは離脱するロッキング溝を含み、回転可能に設置されたキャッチと、回転可能に設置され、前記キャッチの回転軌跡内に進入して前記キャッチの回転を阻止するか前記キャッチの回転軌跡から離脱して前記キャッチが自由回転可能なようにするポールと、を含み、前記ポールには、一側面から突出したポールアームを形成することができる。
【0010】
前記キャッチのロッキング溝に前記ストライカーが挿入される時に前記キャッチの回転ストッピングおよびダンピング役割のための第1バンパーをさらに含んでもよい。
【0011】
前記ポールの回転運動時に前記ポールの回転ストッピングおよびダンピング役割を果たす第2バンパーをさらに含んでもよい。
【0012】
前記キャッチと前記ポールは、ピンによって支持ブラケットに回転可能に装着され、前記支持ブラケットには、延長アームを形成することができる。
【0013】
前記ドアロッキングおよび解放パートは、時計回り方向および反時計回り方向に回転可能であり、第1駆動ギヤを含む前記メインモータと、前記第1駆動ギヤに噛み合っている第1被動ギヤと、前記第1被動ギヤに噛み合っている第2被動ギヤを含み、前記メインモータの駆動ギヤと前記第1被動ギヤおよび前記第2被動ギヤを通じて回転しながら前記ポールを回転させるポールリリースレバーと、を含むことができる。
【0014】
前記ポールリリースレバーは、円周方向に互いに離隔した開放突起および閉鎖突起を含み、前記開放突起および閉鎖突起の間に、前記ポールアームが配置されてもよい。
【0015】
前記インサイドハンドルや前記アウトサイドハンドルあるいは前記車両用ドアに設置されたボタンやスイッチの操作を感知するドアラッチコントローラをさらに含み、前記ドアラッチコントローラが前記インサイドハンドルや前記アウトサイドハンドルあるいは前記車両用ドアに設置されたボタンやスイッチの操作を感知して、前記メインモータに作動信号を印加することができる。
【0016】
前記非常用ドア解放パートは、駆動スクリューを含む非常用の前記補助モータと、前記駆動スクリューに噛み合って前記駆動スクリューの回転によって移動する被動スクリューレバーと、前記被動スクリューレバーに共に移動するように結合された非常用キーレバーと、前記非常用キーレバーに共に移動するように連結され、前記アウトサイド非常作動レバーに連結されたマスターロックリンクを含むことができる。
【0017】
前記マスターロックリンクの一端には、連結突起が形成され、前記非常用キーレバーの一端には、前記連結突起が挿入されるホールが形成され、前記マスターロックリンクは、前記非常用キーレバーと共に移動できるように連結されるだけでなく、前記非常用キーレバーに対して相対回転可能に連結されてもよい。
【0018】
前記マスターロックリンクの他端には、作動突起が形成され、前記アウトサイド非常作動レバーには、前記作動突起が移動可能に挿入される長ホールが形成されてもよい。
【0019】
車両用キーを挿入することができるキーシリンダーに結合されたキーナットをさらに含み、前記キーナットには、円周方向に収容溝を形成する収容溝壁が形成され、前記キーナットの収容溝に挿入される連結突起が前記非常用キーレバーの他端に形成されてもよい。
【0020】
前記インサイド非常作動レバーと前記アウトサイド非常作動レバーは、ピンによって前記支持ブラケットの延長アームに回転可能に締結できる。
【0021】
前記インサイド非常作動レバーには、所定高さで突出した突出アームが形成され、前記突出アームは、前記マスターロックリンクの前記作動突起によって選択的にプッシュされ得る。
【0022】
前記アウトサイド非常作動レバーの長ホールの長さは、前記インサイド非常作動レバーの突出アームの高さより大きく形成できる。
【0023】
車両の衝突事故によって前記メインモータが作動不能である場合、前記ドアラッチコントローラが衝突感知センサーを通じて衝突を感知して、前記補助モータに作動信号を印加することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチによれば、メインモータを用いて車両用ドアを車体に安定するようにロッキングさせることができ、ロッキングされた車両用ドアを車体から円滑に解放させることができるので、使用者が便利に車両用ドアを使用することができる。
【0025】
前記メインモータが放電あるいは衝突事故などによって作動不能である時には、補助モータおよびインサイドハンドルあるいはアウトサイドハンドルによって車体にロッキングされたドアを解放させることができるので、車両用ドアの使用安全性が向上できる。
【0026】
前記メインモータと補助モータが同時に作動不能である時には、車両用キーを用いて車体にロッキングされたドアを解放させることができるので、車両用ドアの使用安全性がさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面は本発明の例示的な実施形態を説明するのに参照するためのものであり、本発明の技術的な思想を添付した図面に限定して解釈してはならない。
【
図1】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチの正面図である。
【
図2】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチの背面図である。
【
図3】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチのキャッチパートの分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチのドアロッキングおよび解放パートと非常用ドア解放パートの分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチのドアロッキングおよび解放パートの作動説明図である。
【
図6】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチの非常用補助モータを用いた非常用ドア解放パートの作動説明図である。
【
図7】本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチの車両用キーを用いた非常用ドア解放パートの作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付けるようにする。
【0030】
図面に示した各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示したところに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0031】
下記の詳細な説明で構成の名称を第1、第2などに区分したのは、その構成が同一であるためこれを区分するためであって、下記の説明において必ずしもその順序に限定されるのではない。
【0032】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
図1~
図4に示すように、本発明の実施形態による車両用電動式ドアラッチは、車体に装着されたストライカー50にかかって車両用ドアを車体にロッキングさせるか、ストライカー50から離脱してドアが車体から開放されるようにするキャッチパート10と、前記キャッチパート10に回転力を印加して前記キャッチパート10がストライカー50にロッキングされるようにするか解放されるようにするドアロッキングおよび解放パート20、および前記ドアロッキングおよび解放パート20が放電あるいは衝突事故などによって作動不能である時に車体にロッキングされたドアが車体から解放されるようにする非常用ドア解放パート30を含むことができる。
【0034】
前記キャッチパート10は、ベースプレート1の一側面に回転可能に装着され、車体に装着されたストライカー50が挿入あるいは離脱するロッキング溝111を備えたキャッチ11、および前記ベースプレート1に回転可能に装着され、前記キャッチ11の回転軌跡内に進入してキャッチ11の回転を阻止するかキャッチ11の回転軌跡から離脱してキャッチ11が自由回転可能なようにするポール(pawl)12を含むことができる。
【0035】
前記ポール12は、その一側から突出したポールアーム121を含むことができる。
【0036】
また、前記キャッチ11のロッキング溝111にストライカー50が挿入される時にキャッチ11の回転ストッピングおよびダンピング役割のための第1バンパー13が前記キャッチ11と隣接してベースプレート1に装着され、前記ポール12の回転運動時にポール12の回転ストッピングおよびダンピング役割を果たす第2バンパー14が前記ポール12と隣接してベースプレート1に装着されてもよい。
【0037】
前記ベースプレート1には前記キャッチ11とポール12を収容するための収容溝40が形成され、前記収容溝40をカバーするカバープレート15がベースプレート1に結合できる。
【0038】
前記キャッチ11とポール12は、支持ブラケット16とこれを貫通するピン17によってベースプレート1に回転可能に装着できる。
【0039】
前記支持ブラケット16には延長アーム161が一体に形成され、前記延長アーム161には後述のインサイド非常作動レバー35とアウトサイド非常作動レバー36がそれぞれ回転可能に締結されて支持され得る。
【0040】
前記ドアロッキングおよび解放パート20と非常用ドア解放パート30はベースプレート1の裏面に備えられ、追加的にカバー2がベースプレート1に結合されてもよい。
【0041】
前記ドアロッキングおよび解放パート20は、メインモータ21と、第1被動ギヤ22、およびポールリリースレバー(pawl release lever)23を含むことができる。
【0042】
前記メインモータ21は、ベースプレート1に装着され、時計回り方向および反時計回り方向に回転可能であり、駆動ギヤ211を含む。
【0043】
前記第1被動ギヤ22はベースプレート1に回転可能に装着され、前記駆動ギヤ211に噛み合って駆動ギヤ211と共に回転する。
【0044】
前記ポールリリースレバー23は、大体円弧形状に形成され、ベースプレート1に時計回り方向および反時計回り方向に回転可能に装着され、前記第1被動ギヤ22に噛み合っている第2被動ギヤ231を含むことができる。
【0045】
前記ポールリリースレバー23は、円周方向に互いに離隔した開放突起232および閉鎖突起233を含むことができる。
【0046】
前記開放突起232および閉鎖突起233の間に前記ポールアーム121が配置されてもよい。
【0047】
図5に示しているように、車両用ドアが閉じられた状態で使用者がインサイドハンドル354やアウトサイドハンドル364あるいはボタンやスイッチなどを操作すれば、ドアラッチコントローラ100がこれを感知して前記メインモータ21を作動させる。そうすれば、メインモータ21の作動によって駆動ギヤ211が一方向に回転しながら前記第1被動ギヤ22と第2被動ギヤ231およびポールリリースレバー23が共に回転する。
【0048】
前記ポールリリースレバー23がポールリリースレバー回転中心(X)を中心にして反時計回り方向に回転すれば、その開放突起232が前記ポールアーム121と接触してポールアーム121を押す。そうすれば、ポールアーム121を通じてポール12はポール回転中心(Y)を中心にして時計回り方向に回転して、キャッチ11の回転軌跡から離脱するようになれば、キャッチ11が自由に回転できるようになるので、ドアが開放されるようになる。
【0049】
一方、使用者のボタンやスイッチ操作によって前記ドアラッチコントローラ100が前記メインモータ21に作動信号を印加して駆動ギヤ211を他方向に回転させれば、前記ポールリリースレバー23が前記ポールリリースレバー回転中心(X)を中心にして時計回り方向に回転し、その閉鎖突起233が前記ポールアーム121と接触してポールアーム121を押す。そうすれば、ポールアーム121を通じてポール12は前記ポール回転中心(Y)を中心にして反時計回り方向に回転して、キャッチ11の回転軌跡内部に進入してキャッチ11の回転を阻止するようになるので、ドアが開放されなくなる。
【0050】
前記非常用ドア解放パート30は、非常用補助モータ31、非常用キーレバー32、マスターロックリンク33、キーナット(key nut)34、インサイド非常作動レバー35、およびアウトサイド非常作動レバー36を含むことができる。
【0051】
前記非常用補助モータ31はベースプレート1に装着され、駆動スクリュー311を含むことができる。駆動スクリュー311には被動スクリューレバー312が噛み合って駆動スクリュー311の回転方向によって被動スクリューレバー312が駆動スクリュー311の長さ方向に沿って、例えば上下に移動できる。
【0052】
前記非常用キーレバー32は、被動スクリューレバー312と結合されて、被動スクリューレバー312と共に移動できる。
【0053】
前記マスターロックリンク33は、その一端が前記非常用キーレバー32に連結されて、非常用キーレバー32と共に移動できる。
【0054】
前記マスターロックリンク33の一端には連結突起331が形成され、前記非常用キーレバー32の一端には前記連結突起331が挿入されるホール325が形成され、前記マスターロックリンク33は前記非常用キーレバー32と共に移動できるように連結されるだけでなく、非常用キーレバー32に対して相対回転可能に連結される。
【0055】
前記マスターロックリンク33の他端には作動突起332が備えられ、前記作動突起332は前記アウトサイド非常作動レバー36に形成された長ホール361に挿入されて、前記長ホール361に沿って移動できる。
【0056】
前記キーナット34は、車両用キーを挿入することができるキーシリンダーに結合されて、前記車両用キーの回転操作によって回転できる。
【0057】
前記キーナット34には円周方向に収容溝が形成され、この収容溝は2個の収容溝壁341によって区画できる。
【0058】
前記キーナット34の収容溝に挿入される連結突起322が前記非常用キーレバー32の他端に形成され(
図2参照)、非常用キーレバー32が上下に移動する時には非常用の連結突起322が収容溝の中で移動する。しかし、キーナット34が車両用キー(key)の操作で収容溝の幅以上に回転すれば、非常用キーレバー32の連結突起322が収容溝壁341によって強制的にプッシュされ、非常用キーレバー32がキーナット34によって強制的に移動できる。
【0059】
前記インサイド非常作動レバー35は、支持ブラケット16の延長アーム161にピン37によって回転可能に締結できる。
【0060】
前記インサイド非常作動レバー35には、車両のドアに装着されたインサイドハンドル354(
図6、7参照)と連結されたケーブル353(
図6、7参照)が挿入されるケーブルホール351が形成できる。
【0061】
前記インサイド非常作動レバー35には、所定高さで突出した突出アーム352が形成できる。
【0062】
前記アウトサイド非常作動レバー36も前記ピン37によって延長アーム161に回転可能に締結できる。
【0063】
前記アウトサイド非常作動レバー36にも、車両のドアに装着されたアウトサイドハンドル364(
図6、7参照)と連結されたケーブル363(
図6、7参照)が挿入されるケーブルホール362が形成できる。
【0064】
前記アウトサイド非常作動レバー36の長ホール361の長さh1は前記インサイド非常作動レバー35の突出アーム352の高さh2より大きく形成できる。したがって、図面において、前記作動突起332が前記長ホール361の下部に位置する時には、前記作動突起332が前記突出アーム352を押すことができる。
【0065】
これにより、
図5および6に示すように、車両の衝突事故などによって、前記メインモータ21が作動不能である場合、ドアラッチコントローラ100がメインモータ21の作動不能を感知して、例えば前記ドアラッチコントローラ100が衝突感知センサー110を通じて衝突を感知して、前記非常用補助モータ31に作動信号を印加する。そうすれば、非常用補助モータ31は、その駆動スクリュー311を回転させるようになる。
【0066】
これにより、前記非常用キーレバー32とマスターロックリンク33が駆動スクリュー311による被動スクリューレバー312の移動で共に移動する。マスターロックリンク33の作動突起332はアウトサイド非常作動レバー36の長ホール361に沿って移動して、インサイド非常作動レバー35の突出アーム352と接近して配置される(ドア開放待機状態)。
【0067】
前記ドア開放待機状態で、車両の搭乗者がドアを開放するために車両のドアに設置されたインサイドハンドル354を引いたりして操作すれば、前記インサイドハンドル354とケーブル353によって連結されたインサイド非常作動レバー35が回転する。そうすれば、インサイド非常作動レバー35がポールリリースレバー23の閉鎖突起233を加圧してポールリリースレバー23を前記ポールリリースレバー回転中心(X)を中心にして反時計回り方向に回転させるようになり(
図5参照)、ポールリリースレバー23の開放突起232も反時計回り方向に回転する。そうすれば、開放突起232が前記ポールアーム121と接触してポールアーム121を時計回り方向に押し、ポールアーム121を通じてポール12は前記ポール回転中心(Y)を中心にして時計回り方向に回転して、キャッチ11の回転軌跡から離脱するようになれば、キャッチ11が自由に回転できるようになるので、ドアが開放されるようになる。
【0068】
前記ドア開放待機状態で、使用者が車両のドアに設置されたアウトサイドハンドル364を引いたりして操作すれば、前記アウトサイドハンドル364とケーブル363によって連結されたアウトサイド非常作動レバー36が回転し、アウトサイド非常作動レバー36の回転でマスターロックリンク33の作動突起332が共に回転しながらインサイド非常作動レバー35の突出アーム352をプッシュしてインサイド非常作動レバー36を回転させるので、前述のインサイドハンドル354を操作する場合と同様にドアを開放することができるようになる。
【0069】
一方、前記メインモータ21と非常用補助モータ31が同時に作動不能である場合、車両用キーを使用して車体にロッキングされたドアを開放することができるようになる。
【0070】
即ち、
図7に示すように、車両の使用者が車両用キーをキーシリンダーに挿入して回転操作して前記キーナット34を回転させれば、キーナット34の収容溝壁341によって非常用キーレバー32とマスターロックリンク33がプッシュされて、ドア開放待機状態が形成され、この状態で搭乗者あるいは使用者がインサイドハンドル354あるいはアウトサイドハンドル364を操作すれば、前述のようにインサイド非常作動レバー35あるいはアウトサイド非常作動レバー36が作動して、ドアを開放することができる。
【0071】
以上で本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的思想は本明細書で提示される実施形態に制限されず、本発明の技術的思想を理解する当業者は同一な技術的思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の権利範囲内に入るはずである。
【符号の説明】
【0072】
1 ベースプレート
2 カバー
10 キャッチパート
11 キャッチ
12 ポール
13 第1バンパー
14 第2バンパー
15 カバープレート
16 支持ブラケット
17、37 ピン
20 ドアロッキングおよび解放パート
21 メインモータ
22 第1被動ギヤ
23 ポールリリースレバー
30 非常用ドア解放パート
31 補助モータ
32 非常用キーレバー
33 マスターロックリンク
34 キーレバー
35 インサイド非常作動レバー
36 アウトサイド非常作動レバー
40 収容溝
50 ストライカー
100 ドアラッチコントローラ
110 衝突感知センサー
111 ロッキング溝
121 ポールアーム
161 延長アーム
211 駆動ギヤ
231 第2被動ギヤ
232 開放突起
233 閉鎖突起
311 駆動スクリュー
312 被動スクリューレバー
322 連結突起
325 ホール
331 連結突起
332 作動突起
341 収容溝壁
351、362 ケーブルホール
352 突出アーム
353、363 ケーブル
354 インサイドハンドル
361 長ホール
364 アウトサイドハンドル