(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 15/00 20180101AFI20240814BHJP
【FI】
G16H15/00
(21)【出願番号】P 2020147538
(22)【出願日】2020-09-02
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 滉平
(72)【発明者】
【氏名】水口 麻希
(72)【発明者】
【氏名】伴苗 修平
(72)【発明者】
【氏名】大迫 久晃
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-126284(JP,A)
【文献】特開2010-167042(JP,A)
【文献】特開2017-123064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定する特定部と、
前記検査候補に基づ
いて、前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する解析部に前記解析処理のオーダを行なう出力部と
を備える、医用情報処理装置。
【請求項2】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定する特定部と、
前記検査候補に基づく出力を行なう出力部と
を備え、
前記特定部は、前記スコアを取得するための前記情報が不足している場合、不足している前記情報を取得するための検査を、前記検査候補として特定する
、医用情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記患者の診断を行なうユーザに対して、前記検査候補を通知する、請求項
2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記検査候補に基づいて検査のオーダを行なう、請求項
2に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記検査候補に基づいて
、前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する解析部に前記解析処理のオーダを行なう、請求項
2に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記情報又は前記スコアに応じた内容で、前記解析処理のオーダを行なう、請求項
1又は5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記複数の疾患候補のうち前記スコアによって前記患者が有している可能性が示された疾患候補であって且つ重篤な疾患候補の詳細検査を、前記検査候補として特定する、請求項
1~6のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記複数の疾患候補のうち前記スコアによって前記患者が有している可能性が示された疾患候補である特定疾患候補が複数ある場合、複数の前記特定疾患候補の中から前記患者が有している疾患を判別するための検査を、前記検査候補として特定する、請求項
1~6のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する解析部と、を備え、
前記解析部は、前記解析処理の対象である疾患候補の前記スコアに基づいて、当該解析処理の解析パラメータを調整する、医用情報処理装置。
【請求項10】
前記スコアリング部は、更に、前記患者に対して行なわれた診断の結果に基づいて、前記情報それぞれが前記スコアに与える重みを調整する、請求項1~9のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、更に、前記患者に対して行なわれた診断の結果を、前記患者の関係者に通知する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、更に、前記患者に対して行なわれた診断の結果を、前記情報を管理するデータベースに登録する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記患者の症状又は検査結果に基づいて、前記複数の疾患候補を取得する、請求項1~12のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項14】
前記スコアリング部は、前記情報として、血縁関係及び周辺情報の少なくとも一方を収集する、請求項1~13のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項15】
前記解析部は、前記解析処理の対象である疾患候補の前記スコアに基づいて、当該解析処理の解析パラメータを調整する、請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項16】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定する特定部と、
前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する解析部と、
前記検査候補に基づ
いて前記解析部に前記解析処理のオーダを行なう出力部と
を備える、医用情報処理システム。
【請求項17】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定する特定部と、
前記検査候補に基づく出力を行なう出力部と
を備え、
前記特定部は、前記スコアを取得するための前記情報が不足している場合、不足している前記情報を取得するための検査を、前記検査候補として特定する、医用情報処理システム。
【請求項18】
複数の疾患候補を取得する取得部と、
患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得するスコアリング部と、
前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する解析部と、を備え、
前記解析部は、前記解析処理の対象である疾患候補の前記スコアに基づいて、当該解析処理の解析パラメータを調整する、医用情報処理システム。
【請求項19】
取得部が、複数の疾患候補を取得し、
スコアリング部が、患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得し、
特定部が、前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定し、
解析部が、前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行し、
出力部が、前記検査候補に基づ
いて前記解析部に前記解析処理のオーダを行なう
ことを含む、医用情報処理方法。
【請求項20】
取得部が、複数の疾患候補を取得し、
スコアリング部が、患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得し、
特定部が、前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定し、
出力部が、前記検査候補に基づく出力を行なう
ことを含み、
前記特定部は、前記スコアを取得するための前記情報が不足している場合、不足している前記情報を取得するための検査を、前記検査候補として特定する、医用情報処理方法。
【請求項21】
取得部が、複数の疾患候補を取得し、
スコアリング部が、患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得し、
解析部が、前記複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理の解析パラメータを、前記解析処理の対象である疾患候補の前記スコアに基づいて調整する、
ことを含む、医用情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書等に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
来院した患者からは、問診や検査などによって様々な医用情報が収集され、診断に使用される。ここで、診断目的で収集した医用情報の他にも、診断を行なう上でのエビデンスとなる様々な情報が存在する。しかしながら、このような情報は膨大であり、活用することは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2017-518569号公報
【文献】特表2006-511881号公報
【文献】特表2018-503885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用することである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本明細書等に開示の実施形態が解決する他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理方法は、取得部と、スコアリング部と、特定部と、出力部とを備える。取得部は、複数の疾患候補を取得する。スコアリング部は、患者が有している疾患を前記複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、前記複数の疾患候補のそれぞれについて前記情報に基づくスコアを取得する。特定部は、前記スコアに基づいて、前記患者の診断を支援するための検査候補を特定する。出力部は、前記検査候補に基づく出力を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、第1の実施形態に係る処理回路の処理について説明するための図である。
【
図2B】
図2Bは、第1の実施形態に係る処理回路の処理について説明するための図である。
【
図2C】
図2Cは、第1の実施形態に係るエビデンスとなる情報が不足している場合の処理を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【
図4A】
図4Aは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【
図4B】
図4Bは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【
図4C】
図4Cは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第3の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第3の実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法の実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
本実施形態では、医用情報処理装置20を含んだ医用情報処理システム1を一例として説明する。例えば、医用情報処理システム1は、
図1に示すように、データベース10、医用情報処理装置20、医用画像診断装置30及び解析装置40を有する。
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。データベース10、医用情報処理装置20、医用画像診断装置30及び解析装置40は、ネットワークNWを介して相互に接続される。
【0009】
なお、ネットワークNWを介して接続可能であれば、医用情報処理システム1に含まれる各装置が設置される場所は任意である。例えば、データベース10、医用情報処理装置20、医用画像診断装置30及び解析装置40は、互いに異なる施設内に設置されていてもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークであってもよい。
【0010】
データベース10は、各種の情報を保管するデータ保管装置である。例えばデータベース10は、任意の記憶装置を装置内又は装置外に備え、ネットワークNWを介して取得した各種の情報をデータベースの形態で管理する。或いは、データベース10は、医用情報処理システム1とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。データベース10が保管する情報については後述する。
【0011】
医用画像診断装置30は、患者Pから医用画像を収集する装置である。例えば、医用画像診断装置30は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等である。医用画像診断装置30が患者Pから収集する医用画像は、患者Pの診断を行なう上でのエビデンスとなる情報の1つである。医用情報処理システム1は、医用画像診断装置30を複数含むこととしてもよい。
【0012】
解析装置40は、患者Pに関する解析を実行する装置である。例えば、解析装置40は、患者Pから収集された血液等の検体や、医用画像診断装置30によって患者Pから収集された医用画像を解析する。一例を挙げると、解析装置40は、患者Pから収集された医用画像に対するコンピュータ支援診断(Computer-Aided Diagnosis:CAD)処理を実行し、病変が疑われる場合には医用画像上の該当箇所にマーカを付して、解析結果として出力する。解析装置40による解析結果は、患者Pの診断を行なう上でのエビデンスとなる情報の1つである。また、解析装置40は、解析部の一例である。医用情報処理システム1は、解析装置40を複数含むこととしてもよい。
【0013】
医用情報処理装置20は、患者Pの診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を、データベース10や医用画像診断装置30、解析装置40等から収集し、後述の各種処理を実行する。例えば、医用情報処理装置20は、
図1に示すように、メモリ21、ディスプレイ22、入力インタフェース23及び処理回路24を備える。
【0014】
メモリ21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ21は、データベース10や医用画像診断装置30、解析装置40等から収集された情報を記憶する。また、メモリ21は、医用情報処理装置20に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ21は、医用情報処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
【0015】
ディスプレイ22は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、入力インタフェース23を介してユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ22は、後述する検査候補の表示を行なう。例えば、ディスプレイ22は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ22は、デスクトップ型でもよいし、医用情報処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
【0016】
なお、
図1においては医用情報処理装置20がディスプレイ22を備えるものとして説明するが、医用情報処理装置20は、ディスプレイ22に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路24による制御の下、スクリーンや壁、床、患者Pの体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
【0017】
入力インタフェース23は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路24に出力する。例えば、入力インタフェース23は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インタフェース23は、医用情報処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インタフェース23は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インタフェース23は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インタフェース23は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用情報処理装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路24へ出力する電気信号の処理回路も、入力インタフェース23の例に含まれる。
【0018】
処理回路24は、制御機能24a、取得機能24b、スコアリング機能24c、特定機能24d及び出力機能24eを実行することで、医用情報処理装置20全体の動作を制御する。取得機能24bは、取得部の一例である。スコアリング機能24cは、スコアリング部の一例である。特定機能24dは、特定部の一例である。出力機能24eは、出力部の一例である。
【0019】
例えば、処理回路24は、制御機能24aに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、入力インタフェース23を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、取得機能24b、スコアリング機能24c、特定機能24d、出力機能24eといった各種の機能を制御する。
【0020】
また、処理回路24は、取得機能24bに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、複数の疾患候補を取得する。また、処理回路24は、スコアリング機能24cに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、患者Pが有している疾患を複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、複数の疾患候補のそれぞれについてスコアを取得する。また、処理回路24は、特定機能24dに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、スコアに基づいて、患者Pの診断を支援するための検査候補を特定する。また、処理回路24は、出力機能24eに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、検査候補に基づく出力を行なう。処理回路24における各機能の詳細については後述する。
【0021】
図1に示す医用情報処理装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ21へ記憶されている。処理回路24は、メモリ21からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路24は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0022】
なお、
図1においては単一の処理回路24にて、制御機能24a、取得機能24b、スコアリング機能24c、特定機能24d及び出力機能24eが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路24を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路24が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0023】
また、処理回路24は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路24は、メモリ21から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用情報処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、
図1に示す各機能を実現する。
【0024】
以上、医用情報処理装置20を含んだ医用情報処理システム1の構成例について説明した。かかる構成の下、医用情報処理装置20における処理回路24は、以下で説明する処理によって、患者Pの診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用する。
【0025】
まず、病院やクリニックを訪れた患者Pは、受付や問診等において、症状を訴える。例えば、患者Pは、
図2Aに示すように、主訴として「吐き気」を訴える。なお、
図2Aは、第1の実施形態に係る処理回路24の処理について説明するための図である。
【0026】
取得機能24bは、患者Pの主訴を取得する。例えば、患者Pの主訴は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)や放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)等のシステム上に登録され、取得機能24bは、これらのシステムから患者Pの主訴を自動取得することができる。或いは、取得機能24bは、入力インタフェース23を介してユーザからの入力操作を受け付けることにより、患者Pの主訴を取得することができる。
【0027】
次に、取得機能24bは、患者Pの主訴に基づいて、複数の疾患候補を取得する。即ち、取得機能24bは、患者Pが訴える主訴「吐き気」に基づき、「吐き気」が症状として現れる可能性がある複数の疾患候補を取得する。
【0028】
例えば、取得機能24bは、症状と疾患とを対応付けた対応情報を事前に取得し、主訴「吐き気」に対応付いた疾患を、患者Pの疾患候補として取得する。かかる対応情報は、取得機能24bが作成してもよいし、ユーザがマニュアルで作成してもよいし、医用情報処理装置20以外の外部装置において作成されてもよい。一例を挙げると、取得機能24bは、過去に作成されたカルテに基づいて、患者が訴えていた症状と疾患名の確定診断とを取得し、対応情報を生成することができる。対応情報は例えばメモリ21において保管され、取得機能24bは、対応情報をメモリ21から適宜読み出して使用することができる。
【0029】
別の例を挙げると、取得機能24bは、所定のアルゴリズムにより、複数の疾患候補を取得する。かかるアルゴリズムは、例えば、機械学習の手法によって実現することができる。例えば、取得機能24bは、過去に作成されたカルテに基づいて、患者が訴えていた症状と疾患名の確定診断とを取得する。次に、取得機能24bは、症状を入力側データとし、疾患名の確定診断を出力側データとした機械学習を実行することにより、症状の入力を受け付けて疾患候補を出力するように機能付けられた学習済みモデルを生成する。かかる学習済みモデルは、例えばニューラルネットワーク(Neural Network)により構成することができる。学習済みモデルは、医用情報処理装置20以外の外部装置において生成されてもよい。学習済みモデルは例えばメモリ21において保管され、取得機能24bは、学習済みモデルをメモリ21から適宜読み出して使用することができる。
【0030】
なお、
図2Aにおいては、主訴「吐き気」のような症状に基づいて複数の疾患候補を取得するものとして説明したが、複数の疾患候補を取得する手法はこれに限定されるものではない。例えば、取得機能24bは、患者Pに対して実行された検査の結果に基づいて、複数の疾患候補を取得してもよい。また、例えば、ユーザが複数の疾患候補を設定し、取得機能24bは、ユーザからの入力操作を受け付けることにより、複数の疾患候補を取得してもよい。
【0031】
次に、スコアリング機能24cは、患者Pの診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を収集する。ここで、エビデンスとなる情報とは、具体的には、取得機能24bが取得した複数の疾患候補の中から、患者Pが有している疾患を判別するための情報である。換言すると、エビデンスとなる情報は、疾患を判別するための判断材料となる情報、或いは、疾患を判別する際に参考となる情報である。
【0032】
図2Aにおいては、取得機能24bが、複数の疾患候補として「脳梗塞」、「ウイルス性肺炎」及び「インフルエンザ」を取得した場合について説明する。また、
図2Aにおいては、スコアリング機能24cが、エビデンスとなる情報として、「遺伝」、「年齢」、「渡航歴」、「通勤ルート」、「会社」、「ワクチン接種」及び「周辺の流行状況」を収集した場合について説明する。より具体的には、スコアリング機能24cは、「遺伝」及び「年齢」を、「脳梗塞」のエビデンスとなる情報として収集する。即ち、「遺伝」及び「年齢」は、「脳梗塞」の罹患率に影響する因子であり、患者Pが「脳梗塞」を有しているか否かの判断材料となる。同様に、スコアリング機能24cは、「渡航歴」、「通勤ルート」及び「会社」を、「ウイルス性肺炎」のエビデンスとなる情報として収集する。また、スコアリング機能24cは、「ワクチン接種」及び「周辺の流行状況」を、「インフルエンザ」のエビデンスとなる情報として収集する。
【0033】
例えば、スコアリング機能24cは、
図2Bに示すように、医療情報データベース10a及び患者属性情報データベース10bから、エビデンスとなる情報を収集することができる。なお、
図2Bは、第1の実施形態に係る処理回路24の処理について説明するための図である。また、医療情報データベース10a及び患者属性情報データベース10bは、データベース10の一例である。
【0034】
医療情報データベース10aは、患者Pを含む多数の患者についての医療情報を保管するデータベースである。例えば、医療情報データベース10aは、HISやRIS、PACS(Picture Archiving and Communication System)等のサーバである。
【0035】
ここで、医療情報には、診断目的で患者から収集された各種の情報が含まれる。一例を挙げると、医療情報には、過去に患者から収集された医用画像や、過去に患者に対して行なわれた解析処理の結果等が含まれる。また、医療情報には、患者の基本情報、血縁関係、周辺情報といった情報も含まれる。基本情報は、例えば患者の住所や生年月日等の情報である。また、血縁関係は、例えば、患者から所定の親等に含まれる血縁者の氏名や患者ID等の情報である。また、周辺情報は、例えば、患者の自宅周辺や職場における各疾患の流行の状況などである。基本情報、血縁関係、周辺情報は、例えば患者が来院した際の受付や問診において取得されて、医療情報データベース10aに登録される。
【0036】
患者属性情報データベース10bは、診断目的で収集された情報に限らず、種々の状況下で収集された患者属性情報を管理するデータベースである。患者属性情報データベース10bは、特定の病院や企業が運営するデータベースであってもよいし、公的に運営されるデータベースであってもよい。
【0037】
ここで、患者属性情報の例としては、患者のマイナンバー、渡航歴、位置情報、行動情報、学校、会社、仕事情報、居住歴等が挙げられる。例えば、患者属性情報データベース10bは、各患者を中心として、患者属性情報を一元的に管理するデータベースである。
また、患者属性情報データベース10bは、複数のデータベースの集合体であってもよい。かかる場合においても、例えば患者のマイナンバーで各データベースの患者属性情報を紐付けすることにより、一元的に管理することが可能である。
【0038】
例えば、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10aの血縁情報や患者属性情報データベース10bのマイナンバー等に基づいて、
図2Bに示す「遺伝:該当なし」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10aの基本情報や患者属性情報データベース10bのマイナンバー等に基づいて、「年齢:該当なし」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、患者属性情報データベース10bの渡航歴や位置情報、行動情報、居住歴等に基づいて、「渡航歴:該当あり」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10aの基本情報や患者属性情報データベース10bの会社、仕事情報等に基づいて、「通勤ルート:該当あり」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10aの基本情報、周辺情報や、患者属性情報データベース10bの会社、仕事情報等に基づいて、「会社:該当なし」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、患者属性情報データベース10bの行動情報等に基づいて、「ワクチン接種:該当なし」の情報を収集する。また、例えば、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10aの周辺情報や、患者属性情報データベース10bの学校、会社、仕事情報等に基づいて、「周辺の流行状況:該当あり」の情報を収集する。
【0039】
また、スコアリング機能24cは、医療情報データベース10a及び患者属性情報データベース10b以外の装置から、エビデンスとなる情報を収集することもできる。例えば、スコアリング機能24cは、医用画像診断装置30において収集された患者Pの医用画像や、解析装置40による患者Pの解析処理を、エビデンスとなる情報として収集することができる。また、スコアリング機能24cは、ユーザ或いは患者P自身から、入力インタフェース23を介して、エビデンスとなる情報の入力を受け付けてもよい。
【0040】
次に、スコアリング機能24cは、エビデンスとなる情報に基づいて、複数の疾患候補のそれぞれについてスコアを取得する。即ち、スコアリング機能24cは、各疾患候補をスコアリングする。なお、スコアを取得する方法については特に限定されるものではない。例えば、スコアリング機能24cは、エビデンスとなる情報を変数とした所定の数式でスコアを算出してもよいし、エビデンスとなる情報とスコアとを対応付けた所定のテーブルからスコアを読み出すこととしてもよい。
【0041】
また、スコアは数値であってもよいし、数値以外のデータであってもよい。即ち、スコアとは、複数の疾患候補のそれぞれについての評価であり、その具体的な形態については特に限定されるものではない。例えば、スコアは、
図2Bに示す「スコア低」「スコア中」「スコア高」のようなランクであってもよい。
【0042】
例えば、
図2Bに示す場合、スコアリング機能24cは、「遺伝:該当なし」及び「年齢:該当なし」の情報に基づいて、疾患候補「脳梗塞」についてのスコアを取得する。また、スコアリング機能24cは、「渡航歴:該当あり」、「通勤ルート:該当あり」及び「会社:該当なし」の情報に基づいて、疾患候補「ウイルス性肺炎」についてのスコアを取得する。また、スコアリング機能24cは、「ワクチン接種:該当なし」及び「周辺の流行状況:該当あり」の情報に基づいて、疾患候補「インフルエンザ」についてのスコアを取得する。
【0043】
例えば、
図2Bに示す場合、疾患候補「脳梗塞」については「遺伝」及び「年齢」のいずれも該当していないことから、スコアリング機能24cは、「0」をスコアとして取得する。また、疾患候補「ウイルス性肺炎」については「渡航歴」、「通勤ルート」及び「会社」のうちの2つが該当していることから、スコアリング機能24cは、「2/3」をスコアとして取得する。また、疾患候補「インフルエンザ」については「ワクチン接種」及び「周辺の流行状況」のうちの1つが該当していることから、スコアリング機能24cは、「1/2」をスコアとして取得する。
【0044】
また、スコアリング機能24cは、エビデンスとなる情報に対する重み付けをして、スコアを取得してもよい。例えば、スコアリング機能24cは、「ワクチン接種」及び「周辺の流行状況」に対して「3:1」の重み付けを行なう。この場合、疾患候補「インフルエンザ」について、
図2Bでは「周辺の流行状況」のみ該当していることから、スコアリング機能24cは、「1/4」をスコアとして取得する。
【0045】
図2Bは、エビデンスとなる情報に不足がなく、各疾患候補についてのスコアを取得できる場合を示している。しかしながら、スコアを取得するための情報が不足する場合も想定される。
【0046】
例えば、
図2Bに示した場合において、患者Pが今年度のワクチン接種を受けているか不明である場合が想定される。かかる場合、出力機能24eは、エビデンスとなる情報が不足しており、疾患候補「インフルエンザ」についてのスコアを取得できない旨をユーザに通知する。ここで、ユーザが患者Pに対する問診を行なった場合、スコアリング機能24cは、「ワクチン接種:該当なし」の情報を取得し、疾患候補「インフルエンザ」についてのスコアを取得することができる。
【0047】
別の例を挙げると、
図2Cに示すように、疾患候補「ウイルス性肺炎」についてのスコアを取得するために画像診断が必要とされ、かつ、その画像データがない場合が想定される。この場合、特定機能24dは、不足している情報を取得するための検査候補を特定する。なお、
図2Cは、第1の実施形態に係るエビデンスとなる情報が不足している場合の処理を示す図である。
【0048】
例えば、特定機能24dは、
図2Cに示す通り、肺炎用プロトコルに則った胸部CT検査を、検査候補として特定する。また、出力機能24eは、エビデンスとなる情報が不足しているために疾患候補「ウイルス性肺炎」についてのスコアを取得できないこと、及び、不足している情報を取得するためには胸部CT検査を実施する必要があることをユーザに通知する。そして、胸部CT検査が必要であるとユーザが判断した場合、患者Pに対して、肺炎用プロトコルに則った胸部CT検査が実行される。また、スコアリング機能24cは、エビデンスとなる情報として胸部CT検査の結果を使用し、疾患候補「ウイルス性肺炎」についてのスコアを取得する。
【0049】
複数の疾患候補のそれぞれについてのスコアが取得された後、特定機能24dは、スコアに基づいて、患者Pの診断を支援するための検査候補を特定する。例えば、特定機能24dは、
図3に示すように、解析アプリによる解析、画像診断、検体検査といった種々の検査の中から、検査候補を特定する。なお、
図3は、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【0050】
例えば、
図3に示す場合、疾患候補「ウイルス性肺炎」のスコアが高く、患者Pが「ウイルス性肺炎」を有している可能性が示されている。ここで、「ウイルス性肺炎」が重篤な疾患候補に該当する場合、特定機能24dは、「ウイルス性肺炎」の詳細検査を、検査候補として特定する。なお、重篤な疾患候補は、例えば、致死率や、後遺症が残るリスク、感染力等が高い疾患である。また、詳細検査は、例えば、疾患名を確定させることのできる検査や、重症度を判定できる検査などである。
【0051】
次に、出力機能24eは、特定機能24dが特定した検査候補を出力する。例えば、出力機能24eは、患者Pの診断を行なう担当医等であるユーザに対して、特定機能24dが特定した検査候補を通知する。例えば、
図3に示す場合、出力機能24eは、患者Pは「ウイルス性肺炎」のスコアが高かったこと、「ウイルス性肺炎」は重篤な疾患であって更なる詳細検査が推奨されること、「ウイルス性肺炎」の詳細検査として推奨される検査候補を、ディスプレイ22に表示させる。
【0052】
出力機能24eからの通知を受けたユーザは、通知された検査候補を検討し、必要であると判断した場合には、当該検査候補に基づく検査を実行させることができる。例えば、ユーザは、通知された検査候補に基づいて、解析装置40に解析処理のオーダを行ない、解析アプリによる解析を行わせる。また、例えば、ユーザは、通知された検査候補に基づいて、医用画像診断装置30に画像診断のオーダを行ない、患者Pからの画像収集を実行させる。
【0053】
また、出力機能24eは、特定機能24dが特定した検査候補をユーザに通知することに代え、検査のオーダを行なうこととしてもよい。例えば、出力機能24eは、特定機能24dが特定した検査候補に基づいて、解析装置40に解析処理のオーダを行ない、解析アプリによる解析を行わせる。また、例えば、出力機能24eは、特定機能24dが特定した検査候補に基づいて、医用画像診断装置30に画像診断のオーダを行ない、患者Pからの画像収集を実行させる。なお、出力機能24eは、オーダを行なった理由付けとして、スコアリング機能24cによるスコアをオーダに付帯させてもよい。その後、出力機能24eは、オーダした検査の結果をユーザに通知する。
【0054】
図3に示した場合、医用情報処理装置20は、複数の疾患候補の中から患者Pが有している疾患を判別するためのエビデンスとなる種々の情報を収集し、患者Pが重篤な疾患を有している可能性があれば、その詳細検査を実施することを可能とする。即ち、医用情報処理装置20は、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用して、ユーザによる診断を支援することができる。
【0055】
特定機能24dが特定する疾患候補について別の例を説明する。例えば、
図3においてはスコアの高い疾患候補が1つの場合を示したが、例えば
図4Aに示すように、複数の疾患候補においてスコアが高くなる場合も想定される。この場合、特定機能24dは、スコアの高い複数の疾患候補の中から患者Pが有している疾患を判別するための検査を、検査候補として特定する。なお、
図4Aは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【0056】
具体的には、
図4Aに示す場合、4つの疾患候補のうち「ウイルス性肺炎」「インフルエンザ」及び「肝炎」についてのスコアが高くなっており、患者Pがこれらの疾患候補を有している可能性が示されている。なお、スコアによって患者Pが有している可能性が示された疾患候補については、特定疾患候補とも記載する。特定機能24dは、特定疾患候補である「ウイルス性肺炎」「インフルエンザ」及び「肝炎」の中から、患者Pが有している疾患を判別するための検査を、検査候補として特定する。例えば、「ウイルス性肺炎」と「肝炎」とについては血液検査で判断可能であることから、特定機能24dは、検査候補として血液検査を特定する。
【0057】
出力機能24eは、検査候補として血液検査が特定されたことをユーザに通知し、或いは、血液検査のオーダを行なう。そして、血液検査の結果によっては、患者Pの疾患が「ウイルス性肺炎」であるか「肝炎」であるか判別することができる。或いは、血液検査の結果によって、患者Pの疾患が「ウイルス性肺炎」及び「肝炎」のいずれでもないことが明らかになった場合には、「インフルエンザ」であると推測することができる。
【0058】
図4Aに示した場合、医用情報処理装置20は、複数の疾患候補の中から患者Pが有している疾患を判別するためのエビデンスとなる種々の情報を収集し、患者Pが有している可能性のある疾患が複数あれば、疾患を更に絞り込むための検査を実施することを可能とする。即ち、医用情報処理装置20は、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用して、ユーザによる診断を支援することができる。
【0059】
これまで、単一の検査候補が特定される場合について説明したが、特定機能24dは、複数の検査候補を特定してもよい。例えば、特定機能24dは、
図4Bに示すように、スコアに基づいて、「画像診断」「画像診断+検体検査」「検体検査」の3通りの検査候補を特定する。なお、
図4Bは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。
【0060】
図4Bに示す場合、出力機能24eは、例えば、特定機能24dが特定した3通りの検査候補を、ディスプレイ22に表示させる。そして、ユーザは、3通りの検査候補のうちいずれかを選択する。例えば、ユーザは、「画像診断+検体検査」を選択するとともに、画像診断及び検体検査のオーダを行なう。例えば、ユーザは、患者Pの体調や、人員や部屋、装置の空き状況といった種々の要素を考慮して、検査候補の選択を行なうことができる。なお、オーダについては、出力機能24eが自動で行なうこととしても構わない。
【0061】
また、例えば、特定機能24dは、
図4Cに示すように、スコアに基づいて、「脳腫瘍解析アプリ」「脳出血解析アプリ」の2通りの検査候補を特定する。例えば、特定機能24dは、「脳腫瘍」の詳細検査である「脳腫瘍解析アプリ」と、「脳出血」の詳細検査である「脳出血解析アプリ」とを、検査候補として特定する。なお、
図4Cは、第1の実施形態に係る検査候補について説明するための図である。出力機能24eは、検査候補として「脳腫瘍解析アプリ」及び「脳出血解析アプリ」が特定されたことをユーザに通知し、或いは、各解析処理のオーダを行なう。
【0062】
ここで、出力機能24eは、スコアリング機能24cによって収集されたエビデンスとなる情報、又は、スコアに応じた内容で、解析処理のオーダを行なうこととしてもよい。例えば、
図4Cに示す場合、エビデンスとなる情報の1つとして「年齢」が収集されている。この場合、出力機能24eは、患者Pの年齢に応じて、「脳腫瘍解析アプリ」において成人用モデルを使用するか小児用モデルを使用するかを指定した上で、解析処理のオーダを行なう。また、例えば、スコアによって脳梗塞の可能性が示されている場合、出力機能24eは、「脳腫瘍解析アプリ」の中でも脳梗塞の解析に特化したアプリケーションを指定した上で、解析処理のオーダを行なう。
【0063】
図4Cに示した場合、医用情報処理装置20は、エビデンスとなる情報を、検査候補の特定に使用するのみならず、オーダの内容にも反映させることができる。即ち、医用情報処理装置20は、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報をより有効に活用して、ユーザによる診断を支援することができる。
【0064】
次に、医用情報処理装置20による処理の手順の一例を、
図5を用いて説明する。
図5は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置20の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS101及びステップS102は、取得機能24bに対応する。ステップS103及びステップS104は、スコアリング機能24cに対応する。ステップS105、ステップS106、ステップS107及びステップS108は、特定機能24dに対応する。
【0065】
まず、処理回路24は、イベントの発生を受けて(ステップS101)、複数の疾患候補を取得する(ステップS102)。例えば、来院した患者Pについての症状又は検査結果がHIS等のシステムに登録された場合、処理回路24は、システムから症状又は検査結果を取得して、複数の疾患候補を取得する。また、例えば、ユーザが複数の疾患候補を設定する入力操作を行なった場合、処理回路24は、入力操作に基づいて複数の疾患候補を取得する。
【0066】
次に、処理回路24は、患者Pが有している疾患を判別するためのエビデンスとなる情報を収集し(ステップS103)、各疾患候補をスコアリングする(ステップS104)。ここで、処理回路24は、スコアリングのための情報に不足があるか否かを判定し(ステップS105)、不足がある場合には(ステップS105肯定)、不足している情報を取得するための検査を検査候補として特定する(ステップS106)。
【0067】
なお、処理回路24は、ステップS106で特定された検査候補に基づく出力を行なう。例えば、処理回路24は、検査候補をユーザに通知し、或いは、検査候補に基づいて検査をオーダする。これにより、エビデンスとなる情報が補充され、ステップS104のスコアリング及びステップS105の判定が改めて実行される。
【0068】
不足している情報が無い場合には(ステップS105否定)、処理回路24は、特定疾患候補が複数含まれるか否かを判定する(ステップS107)。即ち、処理回路24は、ステップS102で取得した複数の疾患候補の中に、スコアによって患者Pが有している可能性が示された疾患候補が2つ以上あるか否かを判定する。特定疾患候補が複数含まれる場合(ステップS107肯定)、処理回路24は、複数の特定疾患候補の中から患者Pが有している疾患を判別するための検査を、検査候補として特定する(ステップS108)。
【0069】
ステップS108の後、又は、特定疾患候補が複数含まれない場合(ステップS107否定)、処理回路24は、重篤疾患候補が含まれるか否かを判定する(ステップS108)。即ち、処理回路24は、ステップS102で取得した複数の疾患候補の中に、スコアによって患者Pが有している可能性が示され且つ重篤である疾患候補が含まれるか否かを判定する。重篤疾患候補が含まれる場合(ステップS109肯定)、処理回路24は、重篤疾患候補の詳細検査を、検査候補として特定する(ステップS110)。なお、ステップS108及びステップS110で特定した検査候補について、処理回路24は、新たな検査候補を特定するごとに出力を行なってもよいし、
図5の一連の処理が終了した後にまとめて出力を行なってもよい。
【0070】
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能24bは、複数の疾患候補を取得する。また、スコアリング機能24c、患者Pが有している疾患を複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、複数の疾患候補のそれぞれについて、収集した情報に基づくスコアを取得する。また、特定機能24dは、スコアに基づいて、患者Pの診断を支援するための検査候補を特定する。また、出力機能24eは、検査候補に基づく出力を行なう。これにより、第1の実施形態に係る医用情報処理装置20は、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用することができる。
【0071】
ここで、エビデンスとなる情報は、ユーザ自身が収集して活用することも可能である。しかしながら、必要量の情報をマニュアルで収集するには時間がかかる。例えば、ユーザは、患者Pに関する情報を電子カルテで参照することができるが、電子カルテには患者Pに関する情報しか記載されていないため、血縁者に関する情報等を参照するためには別途情報を収集しに行く必要がある。また、エビデンスとなる情報は膨大であるとともに、複数のシステムに分散している場合もあるため、情報を見落としてしまう場合もある。これに対し、医用情報処理装置20は、エビデンスとなる情報を自動収集して解析し、検査候補まで特定してから出力を行なうことで、エビデンスとなる情報を有効活用するとともに、ユーザが扱う情報量を減らして負担を軽減することができる。
【0072】
また、画像診断を行なえば疾患名を確定できる状況下で、例えば過去に行なわれた検体検査やその他エビデンスとなる情報に基づいて疾患名を確定することもできるというケースが想定される。これに対し、医用情報処理装置20は、エビデンスとなる情報を有効活用することで、不要な検査を回避することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、スコアリング機能24cによるスコアに基づいて検査候補を特定し、検査候補に基づく出力を行なう場合について説明した。具体的には、第1の実施形態では、検査候補を特定してユーザに通知し、或いは検査候補に基づく検査をオーダするものとして説明した。即ち、第1の実施形態では、スコアリングの結果を、実施が推奨される検査候補又は検査結果として、ユーザにフィードバックする場合について説明した。これに対し、第2の実施形態では、スコアリングの結果を、装置やアプリケーションにフィードバックする場合について説明する。
【0074】
第2の実施形態に係る医用情報処理システム1は、
図1に示した医用情報処理システム1と同様の構成を有する。但し、第2の実施形態に係る医用情報処理装置20は、特定機能24d及び出力機能24eを有さないこととしても構わない。以下、第1の実施形態において説明した点については、
図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0075】
まず、取得機能24bは、複数の疾患候補を取得する。次に、スコアリング機能24cは、患者Pが有している疾患を複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、複数の疾患候補のそれぞれについてスコアを取得する。以下では、
図6に示すように、「脳腫瘍」「脳挫傷」及び「インフルエンザ」の3つの疾患候補それぞれについてのスコアを取得した場合について説明する。
図6は、第2の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。
【0076】
解析装置40は、取得機能24bが取得した複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する。例えば、解析装置40は、
図6に示すように、「脳腫瘍」を対象とした脳梗塞解析アプリを実行する。
【0077】
ここで、脳梗塞解析アプリのような解析処理には、解析パラメータが含まれている。例えば、脳梗塞解析アプリの場合、脳を対象部位とした医用画像の入力を受けて、血流状態を示すスコアを算出する。例えば、脳梗塞解析アプリは、患者Pから収集された医用画像の入力を受けて、血流状態を示すスコア「6」を算出する。また、脳梗塞解析アプリは、解析パラメータとして閾値を有し、血流状態を示すスコアを閾値と比較することで脳梗塞に該当するか否かを判定し、解析結果として出力する。例えば、脳梗塞解析アプリは、
図6の左図に示すように、解析パラメータとして閾値「7」を有し、血流状態を示すスコア「6」と比較して、「脳梗塞ではない」旨の解析結果を出力する。
【0078】
ここで、解析装置40は、解析処理の対象である疾患候補のスコアに基づいて、その解析処理の解析パラメータを調整する。例えば、解析装置40は、
図6に示す場合、患者Pから収集された医用画像に基づく血流状態を示すスコア「6」と、解析パラメータである閾値「7」とを比較して、「脳梗塞ではない」旨の解析結果を出力している。一方で、スコアリング機能24cによる「脳腫瘍」のスコアは、脳梗塞である可能性が高いことを示している。このような不整合を解消するため、解析装置40は、スコアリング機能24cによるスコアに基づいて、脳梗塞解析アプリの解析パラメータである閾値「7」を、「6」に調整する。調整を行なった後において血流状態を示すスコア「6」を再取得した場合、脳梗塞解析アプリは、
図6の右図に示すように、閾値「6」と比較して、「脳梗塞である」旨の解析結果を出力する。
【0079】
上述したように、第2の実施形態によれば、取得機能24bは、複数の疾患候補を取得する。また、スコアリング機能24c、患者Pが有している疾患を複数の疾患候補の中から判別するためのエビデンスとなる情報を収集し、複数の疾患候補のそれぞれについて、収集した情報に基づくスコアを取得する。また、解析装置40は、複数の疾患候補のうち少なくとも1つを対象とした解析処理を実行する。更に、解析装置40は、解析処理の対象である疾患候補のスコアに基づいて、解析処理の解析パラメータを調整する。これにより、第2の実施形態に係る医用情報処理装置20は、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用することができる。即ち、医用情報処理装置20は、エビデンスとなる情報を活用して解析パラメータの調整を行ない、解析処理の精度を向上させることができる。
【0080】
(第3の実施形態)
さて、これまで第1~第2の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0081】
例えば、医用情報処理装置20は、
図7に示すように、医師による診断が行われた後、診断の結果をスコアリングの取得方法に反映させてもよい。なお、
図7は、第3の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。
【0082】
具体的には、取得機能24bは、主訴「吐き気」に基づいて、「脳梗塞」「ウイルス性肺炎」「インフルエンザ」といった複数の疾患候補を取得する。次に、スコアリング機能24cは、エビデンスとなる情報として「遺伝」「年齢」「渡航歴」「通勤ルート」「会社」「ワクチン接種」「周辺の流行状況」といった情報を収集し、複数の疾患候補のそれぞれについてのスコアを取得する。例えば、スコアリング機能24cは、
図7に示すように、エビデンスとなる情報のそれぞれに対して均等に重み「1」を付して、複数の疾患候補のそれぞれについてのスコアを取得する。ここで、特定機能24dは、スコアに基づいて検査候補を特定し、出力機能24eは、検査候補に基づく出力を行なうこととしてもよい。また、解析装置40は、解析処理の対象である疾患候補のスコアに基づいて、解析処理の解析パラメータを調整することとしてもよい。
【0083】
また、
図7に示すように、医師であるユーザは、診断を行なう。具体的には、ユーザは、診断名確定を行なったり、レポートを作成したりする。なお、医用情報処理装置20は、スコアに基づいて特定した検査候補に基づく出力を行なうことにより、エビデンスとなる情報を有効に活用して、医師による診断を支援することができる。また、解析装置40は、スコアに基づいて解析処理の解析パラメータを調整することにより、エビデンスとなる情報を有効に活用して、解析処理の精度を向上させることができる。また、ユーザは、スコアリング機能24cによるスコアそれ自体を参考にして、診断を行なうこともできる。
【0084】
次に、スコアリング機能24cは、患者Pに対して行なわれた診断の結果に基づいて、エビデンスとなる情報それぞれがスコアに与える重みを調整する。例えば、スコアリング機能24cは、
図7に示すように、「渡航歴」に対して与えていた重みを「1」から「1.5」に変更し、「通勤ルート」に対して与えていた重みを「1」から「1.5」に変更し、「会社」に対して与えていた重みを「1」から「0.5」に変更する。かかる処理により、スコアリング機能24cは、スコアリングの精度を次第に向上させていくことができる。
【0085】
診断結果のフィードバックについて、
図8を用いて、他の例を説明する。
図8は、第3の実施形態に係るフィードバックの一例を示す図である。具体的には、医師であるユーザは、
図7の場合と同様に診断を行なう。例えば、ユーザは、診断名の確定を行なう。
【0086】
ここで、出力機能24eは、患者Pに対して行なわれた診断の結果を、患者Pの関係者に通知する。なお、関係者とは、例えば、患者Pと同じ会社の従業員や、患者Pの家族などである。例えば、出力機能24eは、診断の結果として患者Pが流行性の疾患を有していることが明らかになった場合、患者Pの関係者への通知を行なう。これにより、出力機能24eは、当該疾患の流行を抑制することができる。
【0087】
また、出力機能24eは、患者Pに対して行なわれた診断の結果を、エビデンスとなる情報を管理するデータベースに登録する。例えば、出力機能24eは、患者Pに対して行なわれた診断の結果に基づいて、医療情報データベース10aに登録されている患者Pの周辺情報や、患者属性情報データベース10bに登録されている患者Pの行動情報といった項目を更新する。これにより、出力機能24eは、エビデンスとなる情報を充実させると共に品質を向上させ、ひいてはスコアリングの精度を次第に向上させていくことができる。
【0088】
また、上述した実施形態では、解析処理を実行する解析部の一例として、解析装置40について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置20における処理回路24は、
図9に示すように、解析装置40の機能に相当する解析機能24fを更に有していてもよい。即ち、解析機能24fは、解析部の一例である。また、
図9は、第3の実施形態に係る医用情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
【0089】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0090】
また、
図1においては、単一のメモリ21が処理回路24の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ21を分散して配置し、処理回路24は、個別のメモリ21から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ21にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0091】
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0092】
また、上述した実施形態で説明した医用情報処理方法は、予め用意された医用情報処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この医用情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この医用情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0093】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、診断を行なう上でのエビデンスとなる情報を有効に活用することができる。
【0094】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
1 医用情報処理システム
10 データベース
20 医用情報処理装置
21 メモリ
22 ディスプレイ
23 入力インタフェース
24 処理回路
24a 制御機能
24b 取得機能
24c スコアリング機能
24d 特定機能
24e 出力機能
24f 解析機能
30 医用画像診断装置
40 解析装置