(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】連携システム及び連携制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240814BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04L67/02
(21)【出願番号】P 2020175930
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2020052533
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】山崎 元明
(72)【発明者】
【氏名】白石 理人
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173127(WO,A1)
【文献】特開2005-172346(JP,A)
【文献】特開2019-009535(JP,A)
【文献】特開2018-019313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物において所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとを含むデバイス群の間で所定の機能の連携が実現されるように連携制御を実行する連携制御装置を備える連携システムであって、
前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスの少なくとも1つを備えて構成され、所定の情報処理を実行する情報処理システムと、
前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスとして備えられ、入力された言語を他の言語に翻訳して出力する翻訳装置とを備え、
前記連携制御装置は、
所定の機能の連携を実現するための手順を示す連携手順情報を記憶する記憶部と、
翻訳元の情報処理システムがデータを出力したことに応じて、前記翻訳装置が当該データにおける言語を他の言語に翻訳し、言語の翻訳が行われたデータを翻訳先の情報処理システムが出力するとの機能の連携が実現されるよう
にする連携制御を
、前記記憶部に記憶された連携手順情報に基づいて実行する
連携制御部とを備え、
前記連携手順情報は、前記翻訳元の情報処理システムと前記翻訳装置との連携を要求するコマンドを示す対応コマンド情報と、指示主体、条件動作、実行主体、および実行内容を示す手順指示情報とを含み、前記指示主体として指定される前記翻訳元の情報処理システムが翻訳指示操作がなされたとの前記条件動作を満たしたのであれば、前記実行主体として指定された前記翻訳装置に前記実行内容として指定されたデータの翻訳を実行させるように前記連携制御部に制御を実行させる情報である
連携システム。
【請求項2】
建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物において所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとを含むデバイス群の間で所定の機能の連携が実現されるように連携制御を実行する連携制御装置を備える連携システムにおける連携制御方法であって、
前記連携システムは、前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスの少なくとも1つを備えて構成され、所定の情報処理を実行する情報処理システムと、
前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスとして備えられ、入力された言語を他の言語に翻訳して出力する翻訳装置と
、
前記連携制御装置において所定の機能の連携を実現するための手順を示す連携手順情報を記憶する記憶部とを備え、
前記連携制御装置が、翻訳元の情報処理システムがデータを出力したことに応じて、前記翻訳装置が当該データにおける言語を他の言語に翻訳し、言語の翻訳が行われたデータを翻訳先の情報処理システムが出力するとの機能の連携が実現されるよう
にする連携制御を
、前記記憶部に記憶された連携手順情報に基づいて実行するステップを備え
、
前記連携手順情報は、前記翻訳元の情報処理システムと前記翻訳装置との連携を要求するコマンドを示す対応コマンド情報と、指示主体、条件動作、実行主体、および実行内容を示す手順指示情報とを含み、前記指示主体として指定される前記翻訳元の情報処理システムが翻訳指示操作がなされたとの前記条件動作を満たしたのであれば、前記実行主体として指定された前記翻訳装置に前記実行内容として指定されたデータの翻訳を実行させるように前記ステップに制御を実行させる情報である
連携制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連携システム及び連携制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SaaS(Software as a Service)間でデータを授受可能なように構成されたデータ連係支援システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばオフィスや商業施設等を収容する建物の中では、建物管理者が運用する建物管理システムにより空調、照明等の建物設備の制御・状態監視等をはじめとして、建物に関する管理全般が行われる。一方で、最近は建物の中で、建物管理者を含めた建物内の一般ユーザが、建物とは直接的には関連性の無い各種IoT(Internet of Things)システムも利用している状況にある。そのように一般ユーザがIoTシステムを建物内で利用する環境を、一般IoT環境と呼ぶこととする。
このような建物において建物管理システムや一般IoT環境を構成するデバイスは、必要に応じて有効に動作の連携が図られることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建物管理者が建物の管理に用いる建物管理システムと一般ユーザに提供される一般IoT環境とを含む建物環境において、有効なデバイスの連携が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物において所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとを含むデバイス群の間で所定の機能の連携が実現されるように連携制御を実行する連携制御装置を備える連携システムであって、前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスの少なくとも1つを備えて構成され、所定の情報処理を実行する情報処理システムと、前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスとして備えられ、入力された言語を他の言語に翻訳して出力する翻訳装置とを備え、前記連携制御装置は、翻訳元の情報処理システムがデータを出力したことに応じて、前記翻訳装置が当該データにおける言語を他の言語に翻訳し、言語の翻訳が行われたデータを翻訳先の情報処理システムが出力するとの機能の連携が実現されるように連携制御を実行する連携システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物において所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとを含むデバイス群の間で所定の機能の連携が実現されるように連携制御を実行する連携制御装置を備える連携システムにおける連携制御方法であって、前記連携システムは、前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスの少なくとも1つを備えて構成され、所定の情報処理を実行する情報処理システムと、前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスとして備えられ、入力された言語を他の言語に翻訳して出力する翻訳装置とを備え、前記連携制御装置が、翻訳元の情報処理システムがデータを出力したことに応じて、前記翻訳装置が当該データにおける言語を他の言語に翻訳し、言語の翻訳が行われたデータを翻訳先の情報処理システムが出力するとの機能の連携が実現されるように連携制御を実行するステップを備える連携制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、建物管理者が建物の管理に用いる建物管理システムと一般ユーザに提供される一般IoT環境とを含む建物環境において、有効なデバイスの連携が図られるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における連携システムの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態における各連携制御装置の機能構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態における連携制御装置がアプリケーション連携に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態における翻訳機能の共通化に対応する建物単位管理システムの構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における翻訳サーバの構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における多言語対応機能に対応するアプリケーション連携と連携手順情報の一態様例を示す図である。
【
図7】本実施形態における多言語対応機能に対応するアプリケーション連携と連携手順情報の一態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態の連携システムの一例を示している。本実施形態の連携システムは、クラウド環境10と建物環境20とを含む。
【0011】
クラウド環境10は、クラウドコンピューティングにより、建物の管理と建物にて利用されるIoT対応のデバイスの制御等を実行するように構築された環境である。クラウド環境10は、建物統合管理システム11と一般IoT制御システム12とを含む。
【0012】
建物統合管理システム11は、建物管理者が管理対象とする建物BLの統合管理を行うように構築された環境である。建物統合管理システム11は、建物統合管理装置SY1と連携制御装置100を備える。ここで建物統合管理システム11にて統合管理される建物BLは、1棟でもよく、複数棟でもよい。
建物統合管理装置SY1は、例えば建物統合管理のためのサーバ、データベース等を備える。また、建物統合管理装置SY1は、例えば複数の物理的に独立した装置が複合的に組み合わされた構成であってもよい。この場合の建物統合管理装置SY1は、連携制御装置100を経由して、複数の建物BLを統合して管理する。
【0013】
建物統合管理装置SY1としての機能は、建物統合管理装置SY1が、建物統合管理に対応する機能を提供するアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。この点で、建物統合管理装置SY1は、建物統合管理に対応する機能を有するアプリケーションとして捉えることができる。また、建物統合管理装置SY1は、建物統合管理に対応する機能を有するアプリケーションが実装されたデバイス(設備対応デバイス)として捉えることができる。
【0014】
連携制御装置100は、建物統合管理システム11と、各建物BLの建物単位管理システム21と、各建物BLの一般IoT環境22とで、所定の複数のデバイス間でアプリケーションが連携して所定の機能を提供するようにされた、アプリケーション連携が行われるように制御を実行する。
連携制御装置100が提供する連携制御の機能例としては、例えば建物統合管理システム11とある特定の建物BLの建物単位管理システム21と同じ建物BLの一般IoT環境22との間でのデバイス間連携を実装してもよい。また例えば異なる複数の建物BLでの建物単位管理システム21のデバイス情報同志を横断的に比較して、その条件に応じたデバイス間連携を実装してもよい。
【0015】
同図において、図示は省略しているが、建物統合管理装置SY1、連携制御装置100は、所定のネットワークサービスISと接続されてよい。例えば、建物統合管理装置SY1は、天気に関する情報を提供するネットワークサービスISから取得した、建物BLの該当地域の天気予報の情報に基づいて、建物BLごとにおける空調の運転計画を策定することが可能である。また、ネットワークサービスISとしてはクラウド上で提供されるSNS(Social Networking Service)やデータ提供・データ連携のクラウドサービスであってもよい。
【0016】
一般IoT制御システム12は、各建物BLの一般IoT環境22のそれぞれにおいて、一般ユーザが利用する各種IoTの機能が実現されるように制御する。
ここでの一般ユーザは、建物BLにおける企業、商業施設等に従事する者を含む。また、一般ユーザは、建物BLにおける企業等に面会者として来訪した者や、建物BLにおける商業施設等に来訪した客等を含む。
【0017】
一般IoT制御システム12は、連携制御装置200を備える。連携制御装置200は、建物BLごとの一般IoT環境22における一般デバイスDVとルータRTを介して接続される。また、連携制御装置200は、各種のネットワークサービスISと接続される。ネットワークサービスISは、例えばSNS、電子メールサービス、メモ帳アプリケーションサービス等であってよい。このような一般デバイスDVは、本実施形態のアプリケーション連携に対応するデバイスの1つとして捉えられる。
また、ネットワークサービスISは、ネットワークサービスISを提供するサーバ等の装置にアプリケーションプログラムが実装されることにより実現される。この点で、本実施形態において、ネットワークサービスISは、本実施形態のアプリケーション連携に対応するデバイスの1つとして捉えられる。
【0018】
連携制御装置200は、建物BLごとの一般IoT環境22に対応する一般デバイスDV、ネットワークサービスIS等の間での接続を管理する機能を有する。
また、連携制御装置200は、当該連携制御装置200と接続される一般デバイスDV、ネットワークサービスIS等に対応するアプリケーションを含む所定のアプリケーション連携を実行させることができる。
【0019】
同図において、一般デバイスDVは、ルータRTから連携制御装置200を経由してネットワークサービスISと接続される態様を示しているが、一般デバイスDVとネットワークサービスISとがルータRTや連携制御装置200を経由することなく相互に接続されてよい。
【0020】
建物環境20は、クラウド環境10によって管理される複数の建物BLを含んで形成される環境である。建物環境20における1つの建物BLは、建物単位管理システム21と一般IoT環境22とを含む。
【0021】
建物単位管理システム21は、建物管理者のもとで建物BL単位での管理を行う。建物単位管理システム21は、建物単位管理装置SY2、建物設備FC、連携制御装置300(補助連携制御装置の一例)を含む。
【0022】
建物単位管理装置SY2、建物設備FCとしての機能は、建物単位管理装置SY2、建物設備FCが、それぞれの機能に対応するアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。この点で、建物単位管理装置SY2、建物設備FCは、それぞれ、建物単位管理システム21において実装されるアプリケーションとして捉えることができる。また、建物単位管理装置SY2、建物設備FCは、アプリケーションが実装されたデバイス(設備対応デバイス)として捉えることができる。
また、建物単位管理装置SY2、建物設備FCは、或る所定の機能を有する複数のデバイスとそれらデバイスの管理・制御をつかさどるサーバ機能を含めた統合システムの総称として捉えることができる。
【0023】
建物単位管理装置SY2は、例えば対応の建物BLの管理のためのサーバ、データベース等を備える。また、建物単位管理装置SY2は、例えば複数の物理的に独立した装置が複合的に組み合わされた構成であってもよい。
建物単位管理装置SY2は、各種の建物設備FCと接続される。建物設備FCには、例えば建物BLにおける空調装置、照明装置、各種センサ、建物管理者が使用する端末装置、案内ロボット等が含まれる。建物単位管理装置SY2は、基本的な建物BL内で完結する管理として、例えばセンサとしての建物設備FCから出力されたセンサ出力に基づいて建物BLの管理を行うことができる。一例として、建物単位管理装置SY2は、建物BLにおいて人の有無を検出するように設けられたセンサの出力に基づいて、建物BL内の照明装置の調光制御や空調機器による空調制御等を行うことができる。この場合のセンサ、照明装置、空調装置等は、それぞれ建物BLに備えられた建物設備FCである。
【0024】
また、図示は省略しているが、建物単位管理装置SY2は、所定のネットワークサービスISと接続されてよい。建物単位管理装置SY2は、ネットワークサービスISから取得した情報に基づいて所定の建物設備FCを制御することができる。
【0025】
また、建物統合管理装置SY1は、複数の建物BLを統合的に制御するにあたり、各建物BLの建物単位管理装置SY2に対して適宜指示を行う。建物単位管理装置SY2は、建物統合管理装置SY1からの指示に応じて、例えば所定の建物設備FCを制御することができる。これにより、複数の建物BLの統合管理が実現される。
【0026】
建物単位管理システム21の連携制御装置300は、建物統合管理システム11の連携制御装置100と接続される。
【0027】
連携制御装置300は、同じ建物BLの建物単位管理システム21において備えられるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)と、他の建物BLの建物単位管理システム21、一般IoT制御システム12において備えられデバイス、ネットワークサービスIS等との間での所定のアプリケーション連携を実行させることができる。
【0028】
また、連携制御装置300は、同じ建物BLの建物単位管理システム21において備えられるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)間での所定のアプリケーション連携を実行させることができる。
つまり、連携制御装置300は、建物単位管理システム21で完結したアプリケーション連携を実行させることができる。例えば、連携制御装置300は、同じ建物BLにおける複数の建物設備FCが連携して所定の動作を実行するように制御することができる。また例えば、連携制御装置300は、違う建物BLにおける複数の建物設備FCが連携して所定の動作を実行するように制御することができる。
通信障害等で、建物単位管理システム21の連携制御装置300と建物統合管理システム11の連携制御装置100との通信が不可となる場合がある。この場合、建物単位管理システム21と建物統合管理システム11との間でのアプリケーション連携や、建物単位管理システム21と一般IoT環境22との間でのアプリケーション連携等は機能しなくなる。しかしながら、このような場合であっても、連携制御装置300が備えられることで、連携システム全体において、補助的に、建物単位管理システム21内で完結するアプリケーション連携については機能させることができるので、建物BLにおける快適性や利便性等が著しく損なわれることがない。
【0029】
一般IoT環境22は、建物BLにおいて一般的なIoT機能が実現される環境である。一般IoT環境22は、複数の一般デバイスDVを備える。一般デバイスDVとは、建物BL内において一般ユーザが使用する各種IoTデバイスとそのIoTデバイスの管理・制御を行うサーバ機能を含んだ総称である。一般デバイスDVには、例えば、一般ユーザが建物BLにて個人ごとに使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が含まれる。また、建物BL内で使用される一般的な家電製品が含まれる。また、一般デバイスDVには、建物BLにて使用されるAIスピーカ、デジタルサイネージ対応表示装置、建物BLを出入りする車両のナビゲーション装置等が含まれてよい。また、一般デバイスDVには、温度センサ、人感センサ、振動センサなどのIoTセンシングを行う装置が含まれてよい。
【0030】
一般デバイスDVは、ルータRTを介して、同じ一般IoT環境22における他の一般デバイスDVと無線または有線により通信可能に接続される。なお、建物BLにおけるルータRTは、適宜複数が配置されてよい。ルータRTは、一般IoT制御システム12における連携制御装置200と接続される。これにより、一般デバイスDVは、ネットワークサービスISと接続される。また、一般デバイスDVは、他の一般IoT環境22における一般デバイスDVとも接続される。
【0031】
図2を参照して、建物統合管理システム11における連携制御装置100、一般IoT制御システム12における連携制御装置200、建物単位管理システム21における連携制御装置300の機能構成例について説明する。なお、
図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。同図に示される連携制御装置100、200、300としての機能は、連携制御装置100、200、300が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
建物統合管理システム11における連携制御装置100は、通信部101、制御部102、及び記憶部103を備える。
【0033】
通信部101は、連携制御装置100が備えられるのと同じ建物統合管理システム11における建物統合管理装置SY1と通信可能に接続する。通信部101は、所定のネットワークサービスISと接続されてもよい。なお、同じ建物統合管理システム11において、建物統合管理装置SY1以外の他のデバイスが備えられる場合には、通信部101は、これらの他のデバイスとも通信可能に接続してよい。
【0034】
制御部102は、連携制御装置100における制御を実行する。制御部102は、連携制御部121を備える。連携制御部121は、連携制御装置100と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作が実行されるように制御する。
ここでの「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、1または複数のデバイスの状態・計測値・演算値などが事前に設定した条件を満たした場合には、別の1または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
ここで、連携制御装置100と接続されるデバイスは、同じ建物統合管理システム11において連携制御装置100と直接的に接続されるデバイス(建物統合管理装置SY1等)を含む。また、連携制御装置100と接続されるデバイスは、例えば連携制御装置200を経由するようにして間接的に接続されるデバイス(一般デバイスDV、ネットワークサービスIS等)を含む。また、連携制御装置100と接続されるデバイスは、或る建物BLの建物単位管理システム21における連携制御装置300を経由するようにして間接的に接続されるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)を含む。
【0035】
記憶部103は、連携制御装置100に対応する各種の情報を記憶する。同図に示されるように、記憶部103は、N(Nは1以上の自然数)個の連携手順情報131(131-1~131-N)を記憶する。
1つの連携手順情報131は、所定のアプリケーション連携を実現するための手順(ルール)を示す情報である。
連携制御部121は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信したアプリケーション連携要求に該当する連携手順情報を参照することにより、要求されたアプリケーション連携機能を実現する手順が実行されるようにコマンドの出力などの制御を実行する。
例えば、連携手順情報131は、IF―THENステートメントに準じて、1または複数のデバイスのアプリケーションからの要求に基づいて一定条件が満たされたのであれば、他の1または複数のデバイスのアプリケーションに所定の手順の実行を指示するといった内容を有するものがあってもよい。この点については、後述の連携手順情報231、331についても同様である。
【0036】
一般IoT制御システム12における連携制御装置200は、通信部201、制御部202、及び記憶部203を備える。
【0037】
通信部201は、ネットワークサービスISと接続するとともに、配下の一般IoT環境22のそれぞれにおける一般デバイスDV等と、ルータRT経由で通信可能に接続する。なお、同図では、図示を簡易とする便宜上、ルータRTの図示は省略して、一般デバイスDVと通信部201とが接続された態様で示している。
【0038】
制御部202は、連携制御装置200における制御を実行する。制御部202は、連携制御部221を備える。連携制御部221は、連携制御装置200と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携に応じた動作が実行されるように制御する。
ここでの「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、1または複数のデバイスの状態・計測値・演算値などが事前に設定した条件を満たした場合には、別の1または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
連携制御装置200と接続されるデバイスは、ネットワークサービスIS、一般IoT環境22におけるデバイス(一般デバイスDV等)、建物統合管理システム11におけるデバイス(建物統合管理装置SY1、ネットワークサービスIS(図示せず)等)、建物単位管理システム21におけるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC、ネットワークサービスIS(図示せず)等)である。
【0039】
記憶部203は、連携制御装置200に対応する各種の情報を記憶する。記憶部203は、n(nは1以上の自然数)個の連携手順情報231(231-1~231-n)を記憶する。
1つの連携手順情報131は、所定のアプリケーション連携機能を実現するための手順を示す情報である。連携制御部221は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信したアプリケーション連携要求に該当する連携手順情報を参照することにより、要求されたアプリケーション連携機能を実現する手順が実行されるようにコマンドの出力などの制御を実行する。
【0040】
建物単位管理システム21における連携制御装置300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
【0041】
通信部301は、連携制御装置300が備えられるのと同じ建物単位管理システム21における建物単位管理装置SY2、建物設備FCと通信可能に接続する。通信部301は、所定のネットワークサービスISと接続されてもよい。また、同じ建物統合管理システム11において、建物単位管理装置SY2、建物設備FC以外の他のデバイスが備えられる場合には、通信部301は、これらの他のデバイスとも通信可能に接続してよい。
【0042】
制御部302は、連携制御装置300における制御を実行する。制御部302は、連携制御部321を備える。連携制御部321は、連携制御装置300と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作が実行されるように制御する。
ここでの「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、1または複数のデバイスの状態・計測値・演算値などが事前に設定した条件を満たした場合には、別の1または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
連携制御装置300と接続されるデバイスは、同じ建物単位管理システム21において直接的に接続されるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)を含む。また、連携制御装置300と接続されるデバイスは、連携制御装置100を経由するようにして間接的に接続される、建物統合管理システム11のデバイス(建物統合管理装置SY1等)、他の建物BLの建物単位管理システム21におけるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)を含む。また、連携制御装置300と接続されるデバイスは、連携制御装置100、連携制御装置200を経由して間接的に接続されるデバイス(ネットワークサービスIS、一般デバイスDV等)を含む。
【0043】
記憶部303は、連携制御装置300に対応する各種の情報を記憶する。記憶部303は、M(Mは1以上の自然数)個の連携手順情報331(331-1~331-M)を記憶する。
1つの連携手順情報331は、所定のアプリケーション連携を実現するための手順を示す情報である。1つの連携手順情報は、対応のアプリケーション連携を要求するコマンド(アプリケーション連携要求(連携コマンド))を示す情報(対応コマンド情報)と、対応のアプリケーション連携を実現するための手順を指示する情報(手順指示情報)とを含む。
連携制御部321は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信した連携コマンドに該当する連携手順情報を参照することにより、要求されたアプリケーション連携を実現する手順が実行されるようにコマンド出力等の制御を実行する。
【0044】
上記構成による本実施形態の連携システムは、以下のアプリケーション連携が可能である。
まず、連携システムは、建物統合管理システム11におけるデバイス(建物統合管理装置SY1等)から送信する連携コマンドをトリガとして、当該建物統合管理システム11におけるデバイスと、1以上の建物単位管理システム21における1以上のデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。
この場合には、建物統合管理システム11におけるデバイスが送信した連携コマンドを連携制御装置100が受信し、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報131が示す手順指示情報に基づいて、連携先のデバイスに対して手順指示情報が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信するようにされてよい。この際、手順指示コマンドは、連携制御装置300を中継して連携先のデバイスに転送される。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このようにして、建物統合管理システム11におけるデバイスと、建物単位管理システム21における1以上のデバイスとの間でのアプリケーション連携が行われる。
【0045】
また、連携システムは、或る1の建物単位管理システム21におけるデバイス(建物単位管理装置SY2、建物設備FC等)から送信する連携コマンドをトリガとして、建物統合管理システム11におけるデバイス(建物統合管理装置SY1等)との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。
この場合、建物単位管理システム21におけるデバイスから送信された連携コマンドは、連携制御装置300を介して連携制御装置100に送信される。連携制御装置100は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報131が示す手順指示情報に基づいて、連携先となる建物統合管理システム11内のデバイスに対して手順指示情報が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信する。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このようにして、建物単位管理システム21におけるデバイスと、建物統合管理システム11におけるデバイスとの間でのアプリケーション連携が行われる。
【0046】
また、本実施形態の連携システムは、例えば、或る1の一般IoT環境22における一般デバイスDV等のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、1または複数の一般IoT環境22(連携コマンドの送信元のデバイスを備える一般IoT環境22が含まれてよい)における他のデバイスや、ネットワークサービスIS等との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。
この場合には、例えば或る1の一般IoT環境22におけるデバイスから送信された連携コマンドは、一般IoT制御システム12の連携制御装置200にて受信される。連携制御装置200は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報231が示す手順指示情報に基づいて、連携先となるデバイス(一般IoT環境22内の一般デバイスDV、もしくはネットワークサービスIS等)に対して手順指示情報が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信する。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このようにして、1以上の一般IoT環境22におけるデバイス間でのアプリケーション連携が行われる。
【0047】
また、本実施形態の連携システムは、建物統合管理システム11の連携制御装置100と、一般IoT制御システム12の連携制御装置200とが接続されている。これにより、本実施形態の連携システムは、建物管理に対応する建物管理システム(建物統合管理システム11、建物単位管理システム21)のデバイスと、一般IoT環境22のデバイスとの間でのアプリケーション連携が可能となる。
【0048】
建物管理システムと一般IoT環境22との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、1つには、建物統合管理システム11のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、当該建物統合管理システム11のデバイスと、1以上の一般IoT環境22ごとにおける1以上の所定のデバイスを連携先とするアプリケーション連携が可能である。
この場合には、建物統合管理システム11の連携制御装置100が、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報131に基づいて、連携先の一般IoT環境22のデバイスに手順指示コマンドを送信してよい。
あるいは、建物統合管理システム11の連携制御装置100が、建物単位管理システム21のデバイスから送信する連携コマンドを、一般IoT制御システム12の連携制御装置200に転送してよい。そして、連携制御装置200が、転送された連携コマンドに対応する連携手順情報231に基づいて、連携先の一般IoT環境22のデバイスに手順指示コマンドを送信してよい。
【0049】
また、建物管理環境と一般IoT環境22との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、もう1つには、或る1の建物単位管理システム21のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、当該建物単位管理システム21のデバイスと、1以上の一般IoT環境22ごとにおける1以上の所定のデバイスを連携先とするアプリケーション連携が可能である。
この場合には、建物統合管理システム11の連携制御装置100が、建物単位管理システム21のデバイスから送信された連携コマンドに対応する連携手順情報131に基づいて、連携先の一般IoT環境22のデバイスに手順指示コマンドを送信するようにされてよい。
あるいは、建物統合管理システム11の連携制御装置100が、建物単位管理システム21のデバイスから送信された連携コマンドを、一般IoT制御システム12の連携制御装置200に転送してよい。そして、連携制御装置200が、転送された連携コマンドに対応する連携手順情報231に基づいて、連携先の一般IoT環境22のデバイスに手順指示コマンドを送信してもよい。
【0050】
また、建物管理システムと一般IoT環境22との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、もう1つには、1の一般IoT環境22のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、当該一般IoT環境22のデバイスと、建物統合管理システム11のデバイス、あるいは1以上の建物統合管理システム11における1以上の所定のデバイスを連携先とするアプリケーション連携が可能である。
【0051】
また、建物管理環境と一般IoT環境22との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、建物統合管理システム11、建物単位管理システム21、一般IoT環境22のうちのいずれかにおけるデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、他の2つのシステムまたは環境における所定のデバイスをともに連携先とするアプリケーション連携も可能である。
【0052】
図3のフローチャートを参照して、連携制御装置(100、200、300)がアプリケーション連携に関連して実行する処理手順例について説明する。以下の説明にあたり、処理の主体は連携制御装置100である場合を例に挙げる。
【0053】
ステップS101:連携制御装置100において連携制御部121は、連携コマンドが受信されるのを待機している。
ステップS102:連携コマンドが受信されると、連携制御部121は、受信された連携コマンドについて、自己が対応するべきものか否かを判定する。連携制御部121は、例えば受信された連携コマンドにおいて記述される特定の情報(例えば、コマンド識別子等)が、自己が処理すべき連携コマンドにおいて含まれるものであるか否かにより、当該ステップS102の判定を行ってよい。あるいは、連携制御部121は、記憶部103から受信された連携コマンドに対応付けられた連携手順情報131を検索する処理を実行し、検索されたか否かにより、ステップS102の判定を行ってもよい。あるいは、連携制御部121は、連携コマンドにおいて、対応して処理を実行すべき連携制御装置を示す装置情報が含まれている場合には、当該装置情報が自己を示しているか否かにより、ステップS102の判定を行ってもよい。あるいは、連携制御部121は、例えば連携コマンドにおいて示される連携先のデバイスのアドレスと自己のアドレスとを比較することにより、ステップS102の判定を行ってもよい。
【0054】
ステップS103:ステップS102にて、受信された連携コマンドについて自己が対応するべきものでないと判定された場合、連携制御部121は、他の連携制御装置(200、300)に、受信された連携コマンドを転送する。この場合、連携制御部121は、マルチキャストにより他の連携制御装置(200、300)のそれぞれに連携コマンドを転送してもよい。あるいは、連携制御部121は、受信された連携コマンドにおいて示される所定の情報に基づいて、転送先とする連携制御装置を特定し、特定された連携制御装置に連携コマンドを転送してもよい。
【0055】
ステップS104:受信された連携コマンドについて自己が対応するべきものであるとステップS102にて判定された場合、連携制御部121は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報131から手順指示情報を取得する。
【0056】
ステップS105:連携制御部121は、ステップS104により取得された手順指示情報に基づいて手順指示コマンドを生成し、生成された手順指示コマンドを、連携先のデバイスに送信する。
【0057】
本実施形態の連携システムでは、連携制御装置100、200、300に或るアプリケーション連携機能に対応する連携手順情報を記憶させることで、新たなアプリケーション連携機能を容易かつ柔軟に追加できる。
【0058】
なお、1つのアプリケーション連携の動作を実現するにあたり、連携制御装置間で複数の連携手順情報を利用するようにされてよい。一例として、例えば、連携制御装置100が所定のデバイスからの連携コマンドに対応する所定の連携手順情報131に従って処理を実行するなかにおいて、連携制御装置200に所定の連携コマンドを送信した。連携制御装置200は、受信された連携コマンドに対応する所定の連携手順情報131に従って処理を実行する。このようにして1つのアプリケーション連携の動作が得られるようにされてもよい。
【0059】
[連携システムにおける多言語対応機能について]
一具体例として、連携システムにおいて、或る建物設備FCまたは一般デバイスDV(情報処理システムの一例)が、例えば日本語に対応するアプリケーションを実行させることで、日本語としての主言語に対応する情報処理システム(日本語情報処理システム)として動作するようにされていた。そのうえで、この日本語情報処理システムにおいて、例えば或る特定のアプリケーション画面については、主言語である日本語ではなく、例えば英語等の他言語に対応させたものとしたいような場合がある。
上記のような要求への対応策としては、例えば日本語を主言語としていた日本語情報処理システムにおいて、英語に対応するアプリケーションを実行可能な英語情報処理システムも追加的に実装することが考えられる。
しかしながら、連携システムにおける情報処理システムのそれぞれが、複数の言語に対応できるようにするために、複数の言語に対応する情報処理システムを実装するようにした場合には、例えば手間やコスト等が増加する。
そこで本実施形態は、連携システムにおいて、複数の情報処理システムに共通となる翻訳サーバを設けるようにされる。そのうえで、翻訳サーバは、情報処理システムが必要とする言語に対応する翻訳を行うことで、情報処理システムが複数の言語に対応可能なようにされる。つまり、本実施形態の連携システムは、翻訳サーバが翻訳を行うことで各情報処理システムが複数言語に対応可能なようにされた多言語対応機能を有する。
【0060】
図4は、1の建物BLにおいて多言語対応機能を図った場合に対応する建物単位管理システム21の構成例を示している。
同図の建物単位管理システム21は、複数の情報処理システム400(第1情報処理システム400-1~第N情報処理システム400-N)と翻訳サーバ500とが連携制御装置300と接続された構成を有する。
情報処理システム400は、建物BLにおいて備えられる建物設備FCと一般デバイスDVとの少なくともいずれか一方を含んで構成されてよい。情報処理システム400は、複数の建物設備FCにより構成されてもよいし、複数の一般デバイスDVにより構成されてもよい。また、情報処理システムは、それぞれ1以上の建物設備FCと一般デバイスDVとを含んで構成されてもよい。
また、本実施形態の翻訳サーバ500は、建物設備FCの1つとして備えられる。なお、翻訳サーバ500は一般デバイスDVとして備えられてもよい。
【0061】
情報処理システム400は、それぞれが所定の1の言語に対応するアプリケーションが動作するシステムである。1の情報処理システム400は、複数の言語に対応するようにアプリケーションが動作するものであってもよいが、ここでは説明を簡単にするため、それぞれの情報処理システム400は、1の言語に対応するアプリケーションが動作するようにされた場合を例に挙げる。
また、同図の情報処理システム400(400-1~400-N)は、それぞれが異なる1の言語(第1言語~第N言語)に対応する場合を例に挙げる。以降の説明にあたり、情報処理システム400のアプリケーションが本来対応する言語を主言語といい、主言語以外の言語については他言語という場合がある。
なお、情報処理システム400にて動作するアプリケーションの用途、機能については特に限定されない。
【0062】
上記のように本実施形態の情報処理システム400は、動作するアプリケーションが対応する主言語によるユーザインターフェースの提供が行われる。つまり、例えば情報処理システム400は、アプリケーションの動作に応じて表示されるアプリケーション画面として、主言語が用いられたアプリケーション画面を表示する。
翻訳サーバ500は、或る情報処理システム400のアプリケーションが対応する主言語を他言語に翻訳する。翻訳サーバ500は、翻訳後の言語が用いられたアプリケーション画面を、しかるべき情報処理システム400により表示させることができる。
【0063】
図5は、翻訳サーバ500の構成例を示している。同図の翻訳サーバ500は、通信部501、制御部502、及び記憶部503を備える。
【0064】
通信部501は、ネットワーク経由で連携制御装置300や、情報処理システム400等と通信する。通信部501は、建物BLにおける情報処理システム400以外の建物設備FCや建物単位管理装置SY2等とも通信可能とされてよい。
【0065】
制御部502は、翻訳サーバ500における各種の制御を実行する。制御部502としての機能は、翻訳サーバ500に備えられるCPUがプログラムを実行することによって実現される。制御部502は、翻訳処理部521を備える。
【0066】
翻訳処理部521は、情報処理システム400から送信されたアプリケーションデータに含まれる翻訳対象の言語を所定の言語に翻訳する翻訳処理を実行する。
翻訳処理部521は、後述の翻訳辞書記憶部531が記憶する翻訳辞書を利用して翻訳処理を実行してよい。あるいは、翻訳処理部521は、例えばディープラーニング等のAI(Artificial Intelligence)の技術を利用した機械翻訳により翻訳処理を実行するようにされてもよい。
翻訳処理部521は、言語が翻訳されたアプリケーションデータを、送信先の情報処理システム400に送信する。これにより、送信先の情報処理システム400にて言語が翻訳されたアプリケーションデータを出力可能となる。
【0067】
アプリケーションデータは、例えば画面の表示に利用する画面データであってよい。画面データは、例えばHTML(HyperText Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)等の所定のマークアップ言語により記述されたページ構造であってよい。
この場合、翻訳処理部521は、翻訳処理として、画面データにより表示される画面において用いられている或る言語による文字を他の言語による文字に変換してよい。
また、アプリケーションデータは、音声データであってもよい。この場合、翻訳処理部521は、翻訳処理として、或る言語による音声を他の言語による音声に変換してよい。
また、アプリケーションデータは、文書ファイルであってもよい。この場合、翻訳処理部521は、翻訳処理として、文書ファイルにおける或る言語による文字を他の言語による文字に変換してよい。
【0068】
記憶部503は、翻訳サーバ500に関連する各種の情報を記憶する。記憶部503は、翻訳辞書記憶部531を備える。
翻訳辞書記憶部531は、翻訳辞書を記憶する。翻訳辞書は、所定の翻訳元の言語を所定の翻訳先の言語に翻訳するのに用いられる辞書である。翻訳辞書記憶部531は、例えば翻訳元の言語と翻訳先の言語との組み合わせに対応する数の翻訳辞書を記憶する。
翻訳辞書の構成としては、例えば「第一言語の○○という単語は、第二言語では△△にあたる。」という言語間の単語の対照表のような形式で作られてもよい。また一般的な言語翻訳のアプリケーションソフトウェアのように、いくつかの単語区切りでの言語の翻訳を繰り返す形式で作られてもよい。
【0069】
図6(A)を参照して、本実施形態の多言語対応機能により実現される態様の一具体例について説明する。
同図においては、第1情報処理システム400-1にて表示されているアプリケーション画面G1が示されている。アプリケーション画面G1においては、第1情報処理システム400-1が対応する主言語としての第1言語が用いられている。同図においては、アプリケーション画面G1において第1言語に対応する第1言語文字ch-1が表示された状態が示されている。
【0070】
ここで、第1情報処理システム400-1のユーザが、アプリケーション画面G1における第1言語の表示を第2言語に翻訳したアプリケーション画面が必要になった。この場合、ユーザは、第1情報処理システム400-1に対して、アプリケーション画面G1についての第2言語への翻訳を指示する操作(翻訳指示操作)を行う。
翻訳指示操作は例えば以下のように行われてよい。つまり、ユーザは、アプリケーション画面G1とともに表示されている翻訳操作ボタンを操作して翻訳操作画面を表示させる。翻訳操作画面は、例えばポップアップ表示されるものであってよい。ユーザは、表示された翻訳操作画面上で、翻訳先の第二言語を指定すればよい。
【0071】
上記のようにして翻訳指示操作が行われたことに応じて、第1情報処理システム400-1は、アプリケーション画面G1の第2言語への翻訳を命令する連携コマンド(以下、翻訳対応の連携コマンドとも記載する)を連携制御装置300に送信(発行)する。
連携制御装置300は、第1情報処理システム400-1から翻訳対応の連携コマンド1を受信すると、受信された翻訳対応の連携コマンドに対応付けられた連携手順情報を記憶部303から取得し、取得された連携手順情報331により指示される制御を実行する。
【0072】
図6(B)は、上記の翻訳対応の連携コマンドに対応する連携手順情報の一例を示している。連携手順情報は、対応コマンド情報と手順指示情報とを含む。
対応コマンド情報は、対応のアプリケーション連携を要求する連携コマンドを識別する識別情報である。同図においては、対応コマンド情報としてID0001の連携コマンドIDが格納されている。ID0001の連携コマンドIDは、翻訳対応の連携コマンドを示す。
【0073】
手順指示情報は、対応のアプリケーション連携を実現するための手順を指示する情報である。同図の手順指示情報は、「指示主体」、「条件動作」、「実行主体」、「実行内容」の各情報を含んだ構造とされた例を示している。このような手順指示情報は「指示主体」が「条件動作」を行ったのであれば、「実行主体」が「実行内容」を実行する、というように対応のアプリケーション連携の動作を指示する内容を有する。
具体的に、同図の手順指示情報は、第1情報処理システム400-1(指示主体)が第1言語によるアプリケーション画面の表示を行っている状態で翻訳指示操作がなされたのであれば(条件動作)、翻訳サーバ500(実行主体)が、第1情報処理システム400-1にて表示されているアプリケーション画面を第2言語に翻訳する(実行内容)、との内容を示す。
【0074】
このような手順指示情報に基づき、連携制御装置300は、例えば以下のように連携制御を実行する。つまり、連携制御装置300は、まず、第1情報処理システム400-1が翻訳サーバ500に翻訳要求を送信するように、第1情報処理システム400-1を制御する。
この場合の翻訳要求は、アプリケーション画面G1を含み、アプリケーション画面G1の第1言語を第2言語に翻訳して第1情報処理システム400-1に返すことを命令する内容を有する。
【0075】
翻訳サーバ500は、翻訳要求が受信されると、受信された翻訳要求に含まれるアプリケーション画面G1における第1言語を第2言語に翻訳する。この際、翻訳サーバ500は、翻訳辞書記憶部531に記憶される翻訳辞書のうち、第1言語を第2言語に翻訳するための翻訳辞書を利用する。
翻訳サーバ500は、アプリケーション画面G1における第1言語を第2言語に翻訳したアプリケーション画面(翻訳後のアプリケーション画面)を、第1情報処理システム400-1に送信する。
【0076】
第1情報処理システム400-1は、受信した翻訳後のアプリケーション画面を、これまで表示させていたアプリケーション画面G1に代えて表示する。
図6(A)には、第1情報処理システム400-1にて表示された翻訳後のアプリケーション画面G10の態様例を示している。
同図の翻訳後のアプリケーション画面G10は、アプリケーション画面G1と同じ内容が表示されている。ただし、翻訳後のアプリケーション画面G10においては、アプリケーション画面G1にて表示されていた第1言語文字ch-1が、第2言語に対応する第2言語文字ch-2に変換されている。
【0077】
なお、上記の例では、翻訳操作ボタンの操作に応じて表示された翻訳操作画面に対してユーザが翻訳先の言語を指定する操作を行ったうえで、操作により指定された翻訳先の言語による翻訳後のアプリケーション画面が表示されるようにしていた。
しかしながら、例えば初回の翻訳操作画面に対する操作や事前の設定操作等により翻訳先の第2言語を指定して翻訳後のアプリケーション画面を表示させた後においては、例えば翻訳操作ボタンが操作されたことに応じて、都度、翻訳先の言語を指定しなくとも、初回の翻訳操作画面に対する操作により指定された翻訳先の言語による翻訳後のアプリケーション画面G10が表示されるようにしてよい。
また、システム上の設定やログインした個人の情報等に対応させて事前に登録された第2言語の設定に基づいて自動的に翻訳指示が行われるようにすることで、ユーザが特に翻訳指示に関する操作を行わなくとも、はじめから翻訳後のアプリケーション画面G10が表示されるようにしてよい。
【0078】
具体例として、
図6に示したアプリケーションの態様は、例えば10階建ての建物BLにおいて、1階から7階の7つのフロア(階)に本国のテナントが入居しており、8階から10階の3つのフロアには他国の外資系のテナントが入居しているような状況で、以下のように適用することができる。
例えば、1階から10階のフロアごとに対応して設備監視を行う10の情報処理システム400が備えられる。10の情報処理システム400は、例えば対応の階の監視室などに設置されてよい。
それぞれの情報処理システム400は、基本的には、本国に対応する第1言語による監視画面をアプリケーション画面として表示するようにされている。そのうえで、外資系のテナントが入居している8階から10階の3つのフロアのそれぞれに対応する情報処理システム400は、それぞれ
図6アプリケーション連携により、対応のフロアに入居している外資系のテナントに対応する第1言語以外の所定の言語に翻訳された監視画面(翻訳後のアプリケーション画面)を表示するようにされる。
【0079】
なお、例えば第1情報処理システム400-1のアプリケーション画面を所定言語に翻訳した翻訳後のアプリケーション画面が、第1情報処理システム400-1以外の情報処理システム400にて表示されるようにアプリケーション連携が行われてもよい。
また、例えば第1情報処理システム400-1のアプリケーション画面を所定言語に翻訳した翻訳後のアプリケーション画面が、第1情報処理システム400-1の翻訳元のアプリケーション画面と並列して表示されてもよい。ここでの「並列して表示」される態様としては、同一画面において翻訳後のアプリケーション画面と翻訳元のアプリケーション画面とが同時に表示される態様であってもよいし、ユーザの操作や所定の条件等に応じて、画面にて翻訳後のアプリケーション画面と翻訳元のアプリケーション画面とで表示が切り替えられる態様であってもよい。
このようなアプリケーション連携に対応する手順指示情報は、例えば、第1情報処理システム400-1(指示主体)が第1言語によるアプリケーション画面の表示を行ったのであれば(条件動作)、翻訳サーバ(実行主体)がアプリケーション画面を第1言語以外の所定の言語に翻訳し、所定の情報処理システムに表示させる(実行内容)、との内容を有するものであってよい。
【0080】
次に、
図7(A)を参照して、本実施形態の多言語対応機能により実現される態様の他の具体例について説明する。
同図においては、第1情報処理システム400-1のアプリケーション画面G1と、第2情報処理システム400-2のアプリケーション画面G2とが示されている。
アプリケーション画面G1においては、第1情報処理システム400-1が第1言語に対応することに応じて第1言語文字ch-1が表示されている。アプリケーション画面G2においては、第2情報処理システム400-2が第2言語に対応することに応じて第2言語文字ch-2が表示されている。
【0081】
そのうえで、同図の例のもとでは、アプリケーション連携により、例えば、第3情報処理システム400-3にて、第3言語に翻訳されたアプリケーション画面G1、G2を統合した翻訳後のアプリケーション画面G20が表示される。
【0082】
同図に示される翻訳後のアプリケーション画面G20においては、アプリケーション画面G1、G2と同様の画像が同一画面にて配置されている。ただし、翻訳後のアプリケーション画面G20において、アプリケーション画面G1における第1言語文字ch-1は、第3言語文字ch-3に翻訳された状態で表示されており、アプリケーション画面G2における第2言語文字ch-2も、第3言語文字ch-3に翻訳された状態で表示されている。
これにより、第3情報処理システム400-3のユーザは、元来は第1言語に対応するアプリケーション画面G1と、元来は第2言語に対応するアプリケーション画面G2とを、同一画面にて第3言語により表示させた画面を閲覧できる。
【0083】
なお、例えば第1情報処理システム400-1と第2情報処理システム400-2のいずれか一方においてアプリケーション画面が表示されているが、他方においてアプリケーション画面が表示されていない場合、翻訳後のアプリケーション画面G20は、表示されているほうのアプリケーション画面をのみを含む態様で表示されてよい。
【0084】
このようなアプリケーション連携は、一例として、第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2における各アプリケーションにて表示されたアプリケーション画面を、第3情報処理システム400-3が一括して共有する必要のある場合に適用できる。
【0085】
図7(B)は、上記のように、第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2における各アプリケーションの動作を、第3情報処理システム400-3が一括して共有する場合に対応する連携手順情報の内容例を示している。
同図の手順指示情報は、
図6(B)と同様に、「指示主体」、「条件動作」、「実行主体」、「実行内容」の各情報を含んだ構造とされた例である。
具体的に、同図の手順指示情報は、翻訳元の第1情報処理システム400-1と第2情報処理システム400-2の少なくともいずれか一方(指示主体)が、アプリケーション画面を表示したうえで翻訳指示操作をした(条件動作)のであれば、翻訳サーバ500(実行主体)が、以下の「実行内容」を実行する、というものである。
つまり、翻訳サーバ500は、翻訳元の情報処理システム(400-1、400-2)にて表示されているアプリケーション画面のデータ(アプリケーションデータ)を入力して、アプリケーション画面における言語を翻訳し、翻訳後の言語が反映された翻訳後のアプリケーション画面G20を生成する。
この際、翻訳サーバ500は、翻訳元の情報処理システム(400-1、400-2)のそれぞれに対応するアプリケーション画面G1、G2を翻訳した場合には、翻訳されたアプリケーション画面G1、G2を1画面内に合成した翻訳後のアプリケーション画面G20を生成する。
翻訳サーバ500は、生成した翻訳後のアプリケーション画面G20を、翻訳先となる第3情報処理システム400-3に送信することで、第3情報処理システム400-3にて翻訳後のアプリケーション画面G20を表示させる。
【0086】
同図の連携手順情報に対応する連携コマンドは、例えば翻訳元となる第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2が、それぞれ、アプリケーション画面(G1、G2)を表示させたことに応じて、連携制御装置300に対して送信するようにされる。
【0087】
連携制御装置300は、受信された連携コマンドにおける手順指示情報に基づき、翻訳元の情報処理システム400にて表示されているアプリケーション画面に対応するアプリケーションデータを、翻訳元の情報処理システム400から取得する。
連携制御装置300は、翻訳コマンドを翻訳サーバ500に送信する。翻訳コマンドは、取得された1または複数のアプリケーション画面と、翻訳先として第3情報処理システム400-3を示す情報を含む。
翻訳サーバ500は、受信された翻訳コマンドが示す命令内容に従った処理を実行する、つまり、翻訳サーバ500は、受信された翻訳コマンドに含まれるアプリケーション画面について翻訳を行い、翻訳結果が反映された翻訳したアプリケーション画面を生成する。この際、翻訳画面に含まれていたアプリケーション画面が複数であった場合には、翻訳サーバ500は、複数の翻訳されたアプリケーション画面を1画面に含むようにして翻訳後のアプリケーション画面G20を生成する。翻訳サーバ500は、生成した翻訳後のアプリケーション画面G20を送信し、翻訳先である第3情報処理システム400-3にて表示させる。
【0088】
具体的に、
図7に示した態様のアプリケーション連携は、例えば第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2が、或る特定の監視対象について監視する監視装置とされ、第3情報処理システム400-3が、統合して監視を行う統合監視装置とされた監視システムに適用されてよい。
一例として、第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2は、それぞれ、異なる特定のエリアにおけるユーザの分布状況を監視する。なお、ここでのエリアは、例えば建物の階に応じたフロアであってもよい。
具体的に、第1情報処理システム400-1は、対応のエリアに設けられたセンサの出力に基づいてユーザの位置を検出し、検出されたユーザの位置を対応のエリアマップに配置したマップ画像(第1マップ画像)を含むアプリケーション画面(第1アプリケーション画面)を表示させる。同様に、第2情報処理システム400-2は、対応のエリアに設けられたセンサの出力に基づいてユーザの位置を検出し、検出されたユーザの位置を対応のエリアマップに配置したマップ画像(第2マップ画像)を含むアプリケーション画面(第2アプリケーション画面)を表示させる。
第1情報処理システム400-1が表示する第1アプリケーション画面においては第1言語が用いられ、第2情報処理システム400-2が表示する第2アプリケーション画面においては第2言語が用いられる。
この場合、第1情報処理システム400-1と第2情報処理システム400-2は、それぞれ、第1アプリケーション画面、第2アプリケーション画面を表示したことに応じて、連携制御装置300に連携コマンドを送信する。連携制御装置300は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報に従って、翻訳サーバ500に以下の処理を実行させる。
つまり、翻訳サーバ500は、第1情報処理システム400-1にて表示された第1アプリケーション画面を入力し、入力した第1アプリケーション画面における第1言語を第3言語に翻訳する。また、翻訳サーバ500は、第2情報処理システム400-2にて表示された第2アプリケーション画面を第3言語に翻訳する。翻訳サーバ500は、翻訳後の第1、第2アプリケーション画面を1画面に合成した翻訳後のアプリケーション画面を生成する。翻訳サーバ500は、生成された翻訳後のアプリケーション画面を第3情報処理システム400-3に送信する。
第3情報処理システム400-3は、受信された翻訳後のアプリケーション画面を表示する。これにより、第3情報処理システム400-3においては、翻訳後のアプリケーション画面として、それぞれ第3言語に翻訳された第1マップ画像と第2マップ画像とが配置された画面を表示させることができる。
【0089】
また、
図7に示したアプリケーションの態様は、例えば10階建ての建物BLにおいて、1階から7階の7つのフロア(階)に本国(例えば日本)のテナントが入居しており、8階から10階の3つのフロアには他国(例えば米国)の外資系のテナントが入居しているような状況で、以下のように適用することができる。
つまり、第1情報処理システム400-1は、例えば1階から7階に入居する本国のテナントに対応する監視部門に対応して設けられ、1階から7階までの各フロアに設けられた所定の対象の設備の監視を行い、監視状況を示す監視画面としてのアプリケーション画面を、本国に対応する第1言語(例えば日本語)により表示する。
また、第2情報処理システム400-2は、8階から10階に入居する外資系のテナントに対応する監視部門に設けられ、8階から10階までの各フロアに設けられた所定の対象の設備の監視を行い、監視状況を示す監視画面としてのアプリケーション画面を、外資系のテナントに対応する第2言語(例えば英語)により表示する。
第3情報処理システム400-3は、例えば1階から10階までの建物BLの全体を監視する監視部門に対応して設けられ、第1情報処理システム400-1、400-2にて表示されている監視画面を統合した統合監視画面を翻訳後のアプリケーション画面として表示する。この際、統合監視画面における言語は、例えば第3情報処理システム400-3の管理者等に対応して、第1言語または第2言語と異なる所定の第3言語に翻訳されてもよいし、第1言語に統一されるようにしてもよいし、第2言語に統一されるようにしてよい。また、管理者の操作によって指定された言語で翻訳された統合監視画面が表示されるようにしてよい。
【0090】
また、
図7に示した態様のアプリケーション連携は、上記の各例の他に、第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2、及び第3情報処理システム400-3間でWeb会議システムによる相互通信が行われている状態のもとで、それぞれのアプリケーション画面を共有して表示させるような場合にも適用できる。
このようなアプリケーション連携のもとでは、第1情報処理システム400-1、第2情報処理システム400-2、及び第3情報処理システム400-3のそれぞれがコンピュータ上にソフトウェアとしてインストールされていてもよく、また、それぞれがWebブラウザ上で動作するソフトウェアとして構成されていてもよく、また、それぞれがクラウド上のサービスとして構成されていてもよい。また、情報処理システム400-1~400-Nにおいて、上記に記載したようなそれぞれ別々の方式で構成されたものが混在していてもよい。
【0091】
なお、
図4の構成は、建物単位管理システム21において情報処理システム400及び翻訳サーバ500と連携制御装置300とが組み合わされた例について挙げているが、これに限定されるものではない。例えば、建物統合管理システム11において、連携制御装置100、情報処理システム400、翻訳サーバ500が組み合われた構成であってもよい。また、一般IoT制御システム12において、連携制御装置200、情報処理システム400、翻訳サーバ500が組み合われた構成であってもよい。
【0092】
なお、
図6、
図7に示した態様のアプリケーション連携が対応する構成としては、1の建物BLに対応する建物単位管理システム21において情報処理システム400と翻訳サーバ500が備えられた例を挙げた。この場合、翻訳サーバ500による翻訳を含むアプリケーション連携は1の建物BLで完結する。
しかしながら、翻訳サーバ500による翻訳を含むアプリケーション連携は、複数の建物BLに対応してよい。
例えば、翻訳サーバ500による翻訳を含むアプリケーション連携として、或る建物BLにおいて存在する1の翻訳元の情報処理システム400、またはそれぞれ異なる建物BLにおいて存在する複数の翻訳元の情報処理システム400にて表示されたアプリケーション画面に対応する翻訳後のアプリケーション画面を、或る建物BLにおいて存在する翻訳先の情報処理システム400にて表示させるようにしてよい。
【0093】
なお、本実施形態の連携システムにおいて、建物管理システムと一般IoT環境22との間のデバイスでアプリケーション連携のための制御を実行する連携制御装置としては、連携制御装置100、200、300のうち、連携制御装置100のみとされてよい。この場合、連携制御装置300は、自己が含まれる建物単位管理システム21におけるアプリケーション連携に限定して制御を行うようにされてよい。あるいは、この場合には、連携制御装置300は備えられなくともよい。また、この場合の連携制御装置200は、一般デバイスDV、ネットワークサービスIS等の接続を管理する機能に限定されてよい。
【0094】
なお、上述の連携制御装置100、200、300、情報処理システム400、翻訳サーバ500等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の連携制御装置100、200、300等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。
【符号の説明】
【0095】
10 クラウド環境、11 建物統合管理システム、12 一般IoT制御システム、20 建物環境、21 建物単位管理システム、22 一般IoT環境、100 連携制御装置、101 通信部、102 制御部、103 記憶部、121 連携制御部、131 連携手順情報、200 連携制御装置、201 通信部、202 制御部、203 記憶部、221 連携制御部、231 連携手順情報、300 連携制御装置、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、321 連携制御部、331 連携手順情報、400 情報処理システム、500 翻訳サーバ