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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】音圧計測装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 29/28 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B61L29/28 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020182654
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072943
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼柳 良一郎
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-233393(JP,A)
【文献】特開2016-082421(JP,A)
【文献】特開2011-068252(JP,A)
【文献】特開平11-255036(JP,A)
【文献】実開平06-058687(JP,U)
【文献】特開2001-332789(JP,A)
【文献】米国特許第05052793(US,A)
【文献】米国特許第04753425(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 29/00 - 29/32
H01R 1/00
H01R 29/00
G08B 23/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカが発する音の音圧を計測する音圧センサと、
前記スピーカのホーンにおける開口端縁側の一部分を挟み込んで把持するとともに、前記音圧センサを前記ホーンの内側に向けて保持する保持部と、を備え、
前記保持部が、
前記ホーンの内外のうちの一方側に配置され、少なくとも3点で前記一部分に当接する第1当接部と、
前記ホーンの内外のうちの他方側に配置され、前記第1当接部との間に前記一部分を挟み込むように当該一部分に当接する第2当接部と、
を備え
前記第1当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第2当接部に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも3本有し、
前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することを特徴とする音圧計測装置。
【請求項2】
スピーカが発する音の音圧を計測する音圧センサと、
前記スピーカのホーンにおける開口端縁側の一部分を挟み込んで把持するとともに、前記音圧センサを前記ホーンの内側に向けて保持する保持部と、を備え、
前記保持部が、
前記ホーンの内外のうちの一方側に配置され、少なくとも3点で前記一部分に当接する第1当接部と、
前記ホーンの内外のうちの他方側に配置され、前記第1当接部との間に前記一部分を挟み込むように当該一部分に当接する第2当接部と、
を備え
前記第1当接部が、前記第2当接部と向き合う対向面に形成された突起部を少なくとも3つ有し、
前記第2当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第1当接部の前記対向面に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも1本有し、
前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することを特徴とする音圧計測装置。
【請求項3】
前記ねじは、前記先端部に保護部材が取り付けられており、
前記ねじが締め込まれると、前記保護部材が前記一部分に当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の音圧計測装置。
【請求項4】
前記ねじは、前記ホーンの外側に配置されることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の音圧計測装置。
【請求項5】
前記ホーンの前記開口端縁が、前記ホーンの内外のうち少なくとも一方側へと突出した突出形状を有しており、
前記第1当接部と前記第2当接部のうち少なくとも一方の当接部には、前記第1当接部と前記第2当接部による把持が所定程度に緩んだときに前記開口端縁に係止して前記保持部の前記ホーンからの脱落を規制する脱落規制部が設けられていることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の音圧計測装置。
【請求項6】
前記スピーカが、鉄道の踏切に設置された警報機であることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の音圧計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道の踏切に警報機として設置されたスピーカ等が発する音の音圧を計測する音圧計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば鉄道における踏切の警報機等のように屋外に設置されたスピーカの機能点検は、多くの場合、メンテナンス要員による定期的な点検作業によって行われている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の点検作業では、メンテナンス要員が音圧センサを用いてスピーカが発する音の音圧を計測することでスピーカの機能点検が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-175444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、定期的な機能点検では、点検時期が来なければスピーカの機能が確認されず、スピーカの機能低下に対する即応性の点で改善の余地がある。このような即応性を担保するために、既存のスピーカのホーンに音圧センサを取り付けることにより、メンテナンス要員が設置現場に実際に足を運ばなくとも随時に音圧を計測可能とすることが考えられる。しかしながら、既存のスピーカのホーンは、スピーカの機種が違うとその湾曲形状が異なっている場合があり、その都度、音圧センサの取付け構造を変更する必要がある。
【0005】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、湾曲形状が異なる種々のホーンに共通して音圧センサを取り付けることができる音圧計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の音圧計測装置は、スピーカが発する音の音圧を計測する音圧センサと、前記スピーカのホーンにおける開口端縁側の一部分を挟み込んで把持するとともに、前記音圧センサを前記ホーンの内側に向けて保持する保持部と、を備え、前記保持部が、前記ホーンの内外のうちの一方側に配置され、少なくとも3点で前記一部分に当接する第1当接部と、前記ホーンの内外のうちの他方側に配置され、前記第1当接部との間に前記一部分を挟み込むように当該一部分に当接する第2当接部と、を備え、前記第1当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第2当接部に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも3本有し、前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することを特徴とする。
また、本発明の第2の音圧計測装置は、スピーカが発する音の音圧を計測する音圧センサと、前記スピーカのホーンにおける開口端縁側の一部分を挟み込んで把持するとともに、前記音圧センサを前記ホーンの内側に向けて保持する保持部と、を備え、前記保持部が、前記ホーンの内外のうちの一方側に配置され、少なくとも3点で前記一部分に当接する第1当接部と、前記ホーンの内外のうちの他方側に配置され、前記第1当接部との間に前記一部分を挟み込むように当該一部分に当接する第2当接部と、を備え、前記第1当接部が、前記第2当接部と向き合う対向面に形成された突起部を少なくとも3つ有し、前記第2当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第1当接部の前記対向面に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも1本有し、前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することを特徴とする。
【0007】
本発明の音圧計測装置によれば、スピーカのホーンの内側に向けられて保持された音圧センサにより、スピーカが発する音の音圧を随時に計測することができる。そして、このような音圧センサが、ホーンにおける開口端縁側の一部分に少なくとも3点で当接する第1当接部と第2当接部とを備えた保持部による挟み込みによってホーンに取り付けられる。このとき、第1当接部が少なくとも3点で上記の一部分に当接するので、種々のホーンにおける湾曲形状の相違を吸収してガタつくことなく保持部が当該一部分を把持することができる。つまり、本発明の音圧計測装置によれば、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、湾曲形状が異なる種々のホーンに共通して音圧センサを取り付けることができる。
【0008】
ここで、上述のように、本発明の第1の音圧計測装置において、前記第1当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第2当接部に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも3本有し、前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することが好適である。
【0009】
この構成によれば、ホーンの湾曲形状に応じた締込み量で各ねじが締め込まれることで、ホーンにおける湾曲形状の相違を良好に吸収することができる。
【0010】
また、上述のように、本発明の第2の音圧計測装置において、前記第1当接部が、前記第2当接部と向き合う対向面に形成された突起部を少なくとも3つ有し、前記第2当接部が、締込みや緩めによって先端部が前記第1当接部の前記対向面に対して接近したり離隔したりするねじを少なくとも1本有し、前記保持部は、前記ねじが締め込まれることで前記第1当接部と前記第2当接部との間に前記一部分を挟み込んで把持することも好適である。
【0011】
この構成によれば、第2当接部においてねじが締め込まれたときに、ホーンの湾曲形状に応じて第1当接部が適宜に傾きながら少なくとも3つの突起部で上記の一部分に当接することで、ホーンにおける湾曲形状の相違を良好に吸収することができる。
【0012】
また、本発明の第1及び第2の音圧計測装置において、前記ねじは、前記先端部に保護部材が取り付けられており、前記ねじが締め込まれると、前記保護部材が前記一部分に当接することが好適である。
【0013】
この構成によれば、ねじの締込みによる圧力を受けてホーンの一部分に当接する部分が保護部材であることから、ねじの先端部が直にホーンの一部分に当接する場合に比べて、ホーンの外面やねじの先端部の傷み等を抑えることができる。
【0014】
また、本発明の第1及び第2の音圧計測装置において、前記ねじは、前記ホーンの外側に配置されることが好適である。
【0015】
この構成によれば、ねじがホーンの内側に存在しないので、音圧センサによる音圧計測への影響を抑えて音圧センサをホーンに取り付けることができる。更に、上記の構成によれば、ねじの締込みや緩め等といった作業を、ホーンの外側から良好な作業性の下で行うことができる。
【0016】
また、本発明の第1及び第2の音圧計測装置において、前記ホーンの前記開口端縁が、前記ホーンの内外のうち少なくとも一方側へと突出した突出形状を有しており、前記第1当接部と前記第2当接部のうち少なくとも一方の当接部には、前記第1当接部と前記第2当接部による把持が所定程度に緩んだときに前記開口端縁に係止して前記保持部の前記ホーンからの脱落を規制する脱落規制部が設けられていることが好適である。
【0017】
この構成によれば、保持部におけるホーンの一部分に対する把持が緩んだ場合であっても、突出形状となったホーンの開口端縁を利用し、この開口端縁への脱落規制部の係止により、保持部の脱落を良好に抑えることができる。
【0018】
また、本発明の第1及び第2の音圧計測装置において、前記スピーカが、鉄道の踏切に設置された警報機であることも好適である。
【0019】
この構成によれば、随時の音圧計測に対する需要が高く数も多い踏切の警報機としてのスピーカを音圧計測装置の設置対象とすることで、種々のホーンに共通して音圧センサを取付可能という効果を有効活用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の音圧計測装置によれば、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、湾曲形状が異なる種々のホーンに共通して音圧センサを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る音圧計測装置が設置される踏切を示す模式図である。
図2図1に示されている音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。
図3図2に示されている音圧センサ及び保持部を、スピーカのホーンにおける図2中のV11-V11線に沿った断面とともに示す図である。
図4図2に示されている音圧センサ及び保持部を、ホーンの内側を向く音圧センサの集音側から見た斜視図である。
図5図4に示されているクランプを連結板から外して音圧センサとは反対側から見た斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。
図7図6に示されている音圧センサ及び保持部を、スピーカのホーンにおける図6中のV21-V21線に沿った断面とともに示す図である。
図8図6に示されている音圧センサ及び保持部を、ホーンの内側を向く音圧センサの集音側から見た斜視図である。
図9図8に示されているクランプを連結板から外して音圧センサとは反対側から見た斜視図である。
図10図8に示されているクランプを連結板から外して音圧センサの側から見た斜視図である。
図11図7図10に示されている第2当接部のボルトが脱落規制部の役割を果たす様子を、図7と同様の断面図で示した図である。
図12図7図10に示されている第1当接部の突起部が脱落規制部の役割を果たす様子を、図11と同様の断面図で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明の第1実施形態に係る音圧計測装置について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る音圧計測装置が設置される踏切を示す模式図である。
【0024】
この図1に示されている踏切1は、鉄道の路線の各所に設置される設備であり、柱状物11、踏切遮断機12、警報機としてのスピーカ13、踏切器具箱14、及び音圧計測装置100、を備えている。柱状物11は、踏切1に設置された支持柱であり、踏切遮断機12及びスピーカ13を支持している。踏切遮断機12は、列車の通過時に遮断桿12aを下げることで人や車両の線路への侵入を規制する。スピーカ13は、柱状物11の上端側に設置され、列車の通過前から通過後に掛けて警報音を発する。踏切器具箱14は、柱状物11の隣に設置され、踏切1の監視に関する各種情報を収集して所定の監視サーバとの間でやり取りする中継装置等を収容する設備である。音圧計測装置100は、スピーカ13の機能点検のためにスピーカが発する音の音圧を計測し、その計測結果を踏切器具箱14の内部の装置に無線で送信する。
【0025】
尚、図1では図示を割愛したが、踏切1の柱状物11には、踏切遮断機12、スピーカ13、及び音圧計測装置100の他にも、信号機や、列車の通過状況を表示する表示装置や、緊急停止ボタン装置等が支持されることとしてもよい。
【0026】
音圧計測装置100は、音圧センサ110と、保持部120と、制御ユニット130と、中継ケーブル140と、を備えている。音圧センサ110は、既存のスピーカ13が発する音の音圧を計測する。保持部120は、この音圧センサ110を、スピーカ13のホーン13aの内側に向けて後述するように保持する。制御ユニット130は、柱状物11におけるスピーカ13よりも下方位置に設置され、音圧センサ110に電力を供給するとともに、音圧センサ110の出力電圧を、音圧を表す信号に変換し、踏切器具箱14の内部の装置へ無線で送出する。中継ケーブル140は、音圧センサ110と制御ユニット130とを電気的に接続し、制御ユニット130から音圧センサ110への電力供給及び音圧センサ110から制御ユニット130への電圧出力を中継する。この中継ケーブル140は、音圧センサ110と制御ユニット130との間で所定の締結部材141によって柱状物11に固定されている。音圧計測装置100は、概略、このように構成されている。以下、この音圧計測装置100における音圧センサ110及び保持部120について詳細に説明する。
【0027】
図2は、図1に示されている音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。図3は、図2に示されている音圧センサ及び保持部を、スピーカのホーンにおける図2中のV11-V11線に沿った断面とともに示す図である。
【0028】
まず、音圧センサ110は、図3に示されるように、取付けフランジ111aを有したケース111の内部に、集音基板112がねじ113によって固定されて収容されたものである。集音基板112には、マイクロホン素子114が集音側とは反対側に搭載されており、ケース111の集音側に設けられたキャップ115及び集音基板112の貫通孔112aを介して音を検出する。また、このキャップ115には、ケース111の内外に連通する貫通孔としての調湿ベント115aが設けられており、湿度をケース111の内外で略同湿に保つように構成されている。音は、この調湿ベント115a及び集音基板112の貫通孔112aを通ってマイクロホン素子114へと伝搬して検出される。ケース111の外周面には、図2にも示されるようにケーブルコネクタ116が取り付けられている。このケーブルコネクタ116に接続された中継ケーブル140を介して、マイクロホン素子114で検出された音に応じた出力電圧が制御ユニット130に送られる。
【0029】
次に、音圧計測装置100における保持部120は、スピーカ13のホーン13aにおける開口端縁13b側の一部分13cを挟み込んで把持するとともに、音圧センサ110をホーン13aの内側に向けて保持する。本実施形態では、スピーカ13は、ホーン13aの概ね長方形を有する開口端縁13bの長辺が横向きとなる姿勢で柱状物11に設置される。保持部120は、この開口端縁13bにおいて縦向きとなった一短辺に取り付けられて音圧センサ110を保持する。この保持部120は、クランプ121及び連結板122を備えている。
【0030】
図4は、図2に示されている音圧センサ及び保持部を、ホーンの内側を向く音圧センサの集音側から見た斜視図である。また、図5は、図4に示されているクランプを連結板から外して音圧センサとは反対側から見た斜視図である。
【0031】
保持部120を構成するクランプ121は、側面視で略C字型を有する本体部121aと、3本のボルト121b(ねじ)と、を備えている。ボルト121bは、六角柱状でプラス溝が形成されたボルトヘッドを有しており、プラスドライバーやボックスレンチで締込みや緩めが可能となっている。そして、3本のボルト121bと、略C字型の本体部121aにおいてホーン13aの内外のうちの外側に配置される外側腕部121a-1とで、ホーン13aにおけるクランプ121の把持対象である一部分13cに対する第1当接部123を構成している。この第1当接部123は、保持部120において、ホーン13aの外側に配置されて3点で一部分13cに当接する部位となっている。尚、この第1当接部123には、クランプ121の部品として各ボルト121bに取り付けられる止めナット121c及び樹脂キャップ121dも備えられている。止めナット121cは、外側腕部121a-1のねじ穴に捩じ込まれたボルト121bが緩まないように、ねじ穴とともにダブルナットを構成する。また、樹脂キャップ121dは、ボルト121bの先端部121b-1に被せられる保護部材であって、ボルト121bが締め込まれたときにホーン13aの一部分13cに当接する。
【0032】
また、クランプ121の略C字型の本体部121aにおいてホーン13aの内側に配置される内側腕部121a-2が、保持部120における第2当接部124となっている。この第2当接部124は、保持部120において、ホーン13aの内側に配置され、第1当接部123との間にホーン13aの一部分13cを挟み込むように当該一部分13cに当接する部位となっている。
【0033】
保持部120における連結板122は、長方形板状に形成され、一端側に音圧センサ110が4本のねじ125で固定され、他端側にクランプ121が2本のねじ125によって固定される。この連結板122によって音圧センサ110とクランプ121が連結されて、音圧センサ110と保持部120が一体化される。また、この連結板122は、図3に示されるように、集音側を底とした有底筒形状を有する音圧センサ110のケース111の開口を塞ぐ役割も担っている。ケース111と連結板122との間には、水密を保つために両者間を密閉するOリング126が挟み込まれている。
【0034】
本実施形態では、第1当接部123が、上述のように、締込みや緩めによって先端部121b-1が第2当接部124に対して接近したり離隔したりするボルト121bをホーン13aの外側に3本有している。保持部120は、ホーン13aの外側に配置されたボルト121bが締め込まれることで第1当接部123と第2当接部124との間にホーン13aの一部分13cを挟み込んで把持する。また、各ボルト121bは、先端部121b-1に樹脂キャップ121dが取り付けられており、ボルト121bが締め込まれると、樹脂キャップ121dが一部分13cに当接する。
【0035】
ここで、本実施形態では、ホーン13aの開口端縁13bは、ホーン13aの外側へと突出した突出形状の一例として、全周に亘って折り返されて、この外側に突出した環状の突条の形状を有している。そして、第1当接部123と第2当接部124のうち、ホーン13aの外側に配置される外側当接部としての第1当接部123には、次のような脱落規制部123aが設けられている。脱落規制部123aは、第1当接部123と第2当接部124によるホーン13aの一部分13cに対する把持が所定程度に緩んだときに、突条となった開口端縁13bに係止して保持部120のホーン13aからの脱落を規制する部位である。本実施形態では、図3に示されるように、第1当接部123における3本のボルト121bのうちの開口端縁13bに最も近いボルト121bが、樹脂キャップ121dを介して開口端縁13bに接するように保持部120が取り付けられる。把持が緩んだときには、このボルト121bが開口端縁13bに係止して脱落を規制する脱落規制部123aの役割を果たす。尚、ここにいう、第1当接部123と第2当接部124によるホーン13aの把持の所定程度の緩みとしては、一例として、踏切1における列車通過や車両通行等によって加わる振動が長期に亘って加わったときに自然発生的に生じる緩み等が挙げられる。更に具体的にいうと、所定程度の緩みとは、把持が緩んでボルト121bがホーン13aの一部分13cから離間したときの離間距離が、突条となった開口端縁13bのホーン外面からの高さより小さい程度の緩みのことである。
【0036】
以上に説明した音圧計測装置100では、音圧センサ110と一体となった保持部120が、ドライバーやボックスレンチを用いたボルト121bの締込みによって、スピーカ13におけるホーン13aに取り付けられる。そして、図1に示されるように、柱状物11に固定された制御ユニット130と保持部120に保持されている音圧センサ110とが中継ケーブル140で接続され、その中継ケーブル140が締結部材141によって柱状物11に固定される。これら一連の作業によって、音圧計測装置100の設置が完了する。
【0037】
第1実施形態の音圧計測装置100によれば、スピーカ13のホーン13aの内側に向けられて保持された音圧センサ110により、スピーカ13が発する音の音圧を随時に計測することができる。そして、このような音圧センサ110が、ホーン13aにおける開口端縁13b側の一部分13cに3点で当接する第1当接部123と第2当接部124とを備えた保持部120による挟み込みによってホーン13aに取り付けられる。このとき、第1当接部123が3点で上記の一部分13cに当接するので、種々のホーン13aにおける湾曲形状の相違を吸収してガタつくことなく保持部120が当該一部分13cを把持することができる。つまり、本実施形態の音圧計測装置100によれば、既存のスピーカ13に対する随時の音圧計測のために、湾曲形状が異なる種々のホーン13aに共通して音圧センサ110を取り付けることができる。
【0038】
ここで、本実施形態では、保持部120が、第1当接部123における3本のボルト121bが締め込まれることで第1当接部123と第2当接部124との間にホーン13aの一部分13cを挟み込んで把持する。この構成によれば、ホーン13aの湾曲形状に応じた締込み量で各ボルト121bが締め込まれることで、ホーン13aにおける湾曲形状の相違を良好に吸収することができる。
【0039】
また、本実施形態では、ボルト121bが締め込まれると、その先端部121b-1に取り付けられた樹脂キャップ121dがホーン13aの一部分13cに当接する。この構成によれば、締込みの圧力を受けてホーン13aの一部分13cに当接する部分が樹脂キャップ121dとなっている。これにより、ボルト121bの先端部121b-1が直にホーン13aの一部分13cに当接する場合に比べて、ホーン13aの外面やボルト121bの先端部121b-1の傷み等を抑えることができる。
【0040】
また、本実施形態では、第1当接部123のボルト121bは、ホーン13aの外側に配置される。この構成によれば、ボルト121bがホーン13aの内側に存在しないので、音圧センサ110による音圧計測への影響を抑えて音圧センサ110をホーン13aに取り付けることができる。また、ボルト121bの締込みや緩め等といった作業を、ホーン13aの外側から良好な作業性の下で行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、ホーン13aの外側に配置される第1当接部123には、把持が緩んだときに突条となったホーン13aの開口端縁13bに係止して保持部120の脱落を規制する脱落規制部123aが設けられている。この構成によれば、突条となったホーン13aの開口端縁13bを利用し、突条への脱落規制部123aの係止により、保持部120の脱落を良好に抑えることができる。
【0042】
また、本実施形態では、スピーカ13が、鉄道の踏切1に設置された警報機となっている。この構成によれば、随時の音圧計測に対する需要が高く数も多い踏切1の警報機としてのスピーカ13を音圧計測装置100の設置対象とすることで、種々のホーン13aに共通して音圧センサ110を取付可能という効果を有効活用することができる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態に係る音圧計測装置について説明する。この第2実施形態では、音圧計測装置における保持部の構造が、上述した第1実施形態と異なっている。他方、音圧計測装置における保持部以外の構造や、音圧計測装置の設置場所としての踏切等は、第1実施形態と同等である。以下では、第2実施形態に係る音圧計測装置について、第1実施形態との相違点に注目して説明を行い、同等な点については図示や説明を割愛する。また、以下の説明では、第1実施形態と同等な踏切1等について示す図1の構成要素を適宜に参照する。
【0044】
図6は、本発明の第2実施形態に係る音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。図7は、図6に示されている音圧センサ及び保持部を、スピーカのホーンにおける図6中のV21-V21線に沿った断面とともに示す図である。尚、図6及び図7では、図2及び図3に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素について、一部については図2及び図3と同じ符号が付され、他の一部については省略されており、以下では、これら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0045】
これらの図6及び図7に示されるように、本実施形態でも、音圧計測装置200における保持部220は、スピーカ13のホーン13aにおける開口端縁13b側の一部分13cを挟み込んで把持する。そして、保持部220は、調湿ベント115a及び集音基板112の貫通孔112aを介してマイクロホン素子114で音を検出する音圧センサ110をホーン13aの内側に向けて保持する。本実施形態でも、保持部220は、ホーン13aの開口端縁13bにおいて縦向きとなった一短辺に取り付けられて音圧センサ110を保持する。この保持部220は、第1実施形態とは異なるクランプ221と、第1実施形態と同等な連結板122を備えている。
【0046】
図8は、図6に示されている音圧センサ及び保持部を、ホーンの内側を向く音圧センサの集音側から見た斜視図である。この図8では、図4に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素には図4と同じ符号が付されている。また、図9は、図8に示されているクランプを連結板から外して音圧センサとは反対側から見た斜視図である。また、図10は、図8に示されているクランプを連結板から外して音圧センサの側から見た斜視図である。
【0047】
保持部220を構成するクランプ221は、側面視で略C字型を有する本体部221aと、1本のボルト221b(ねじ)と、を備えている。本実施形態でも、ボルト221bは、六角柱状でプラス溝が形成されたボルトヘッドを有しており、プラスドライバーやボックスレンチで締込みや緩めが可能となっている。また、略C字型の本体部221aにおいてホーン13aの内側に配置される内側腕部221a-2において、外側腕部221a-1と向き合う対向面221a-2aに、3つのドーム状の突起部221a-3が形成されている。各突起部221a-3は、図10に示されるように、内側腕部221a-2を、音圧センサ110の方を向く外面側からプレス加工で凹ませて、反対側となる上記の対向面221a-2aを外側腕部221a-1に向かってドーム状に突出させて形成されている。そして、これら3つの突起部221a-3を有する内側腕部221a-2が、ホーン13aにおけるクランプ221の把持対象である一部分13cに対する第1当接部223となっている。この第1当接部223は、保持部220において、ホーン13aの内側に配置されて3点で一部分13cに当接する部位となっている。
【0048】
また、1本のボルト221bと、略C字型の本体部221aにおいてホーン13aの外側に配置される外側腕部221a-1とで、ホーン13aにおけるクランプ221の把持対象である一部分13cに対する第2当接部224を構成している。この第2当接部224は、ホーン13aの外側に配置され、3つの突起部221a-3を有する上記の第1当接部223との間にホーン13aの一部分13cを挟み込むように当該一部分13cに当接する部位となっている。尚、この第2当接部224には、クランプ221の部品としてボルト221bに取り付けられる止めナット221c及び袋ナット221dも備えられている。止めナット221cは、外側腕部221a-1のねじ穴に捩じ込まれたボルト221bが緩まないように、ねじ穴とともにダブルナットを構成する。また、袋ナット221dは、金属製でボルト221bの先端部221b-1に取り付けられる保護部材であって、ボルト221bが締め込まれたときにホーン13aの一部分13cに当接する。
【0049】
このようなクランプ221が連結板122によって音圧センサ110と連結されて、音圧センサ110と保持部220が一体化される。音圧センサ110が連結板122の一端側に4本のねじ125で固定され、クランプ221が連結板122の他端側に2本のねじ125で固定される。また、音圧センサ110のケース111と連結板122との間には、水密を保つために両者間を密閉するOリング126が挟み込まれている。
【0050】
本実施形態では、第1当接部223がホーン13aの内側に配置される部位であり、第2当接部224と向き合う対向面221a-2aに形成された突起部221a-3を3つ有している。他方の第2当接部224は、締込みや緩めによって先端部221b-1が第1当接部223における上記の対向面221a-2aに対して接近したり離隔したりするボルト221bを1本有している。保持部220は、ホーン13aの外側に配置された1本のボルト221bが締め込まれることで第1当接部223と第2当接部224との間にホーン13aの一部分13cを挟み込んで把持する。また、ボルト221bは、先端部221b-1に袋ナット221dが取り付けられており、ボルト221bが締め込まれると、袋ナット221dが一部分13cに当接する。
【0051】
ここで、本実施形態では、第1当接部223と第2当接部224のうち、ホーン13aの外側に配置される外側当接部としての第2当接部224に脱落規制部224aが設けられている。脱落規制部224aは、第1当接部223と第2当接部224によるホーン13aの一部分13cに対する把持が緩んだときに、突条となった開口端縁13bに係止して保持部220のホーン13aからの脱落を規制する部位である。本実施形態では、外側当接部としての第2当接部224に1本だけ設けられたボルト221bが次のように脱落規制部224aの役割を果たす。
【0052】
図11は、図7図10に示されている第2当接部のボルトが脱落規制部の役割を果たす様子を、図7と同様の断面図で示した図である。
【0053】
本実施形態では、図7に示されるように、第2当接部224における1本のボルト221bが、スピーカ13のホーン13aにおいて突条となった開口端縁13bから袋ナット221dが若干離れるように保持部220が取り付けられる。把持が緩むと、図11に示されるように、保持部220が開口端縁13bの方へとズレるとともに矢印D11方向に傾いてボルト221bが袋ナット221dを介して開口端縁13bに係止する。このように、本実施形態では、第2当接部224における1本のボルト221bが上述の係止によって保持部220の脱落を規制する脱落規制部224aの役割を果たす。
【0054】
また、本実施形態のクランプ221においては、取付け対象たるスピーカのホーンの端縁形状によっては、ホーン内側の第1当接部223が有する突起部221a-3も脱落規制部の役割を果たす場合がある。
【0055】
図12は、図7図10に示されている第1当接部の突起部が脱落規制部の役割を果たす様子を、図11と同様の断面図で示した図である。
【0056】
まず、この図12の例では、スピーカ13’のホーン13a’の開口端縁13b’が、図11等に示されている外向きの突条とはなっておらず、断面が円形となってホーン13a’の内外の両方に突出した円形リブの形状を有している。この例では、クランプ221の把持が緩んで保持部220が開口端縁13b’の方へとズレると、開口端縁13b’に最も近い1つの突起部221a-3が開口端縁13b’に当接して係止する。また、仮に、この突起部221a-3の係止が外れて保持部220が更にズレたとしても、後続の突起部221a-3が開口端縁13b’に当接して係止する。この図12の例のように、ホーン13a’の端縁形状によっては、第1当接部223の突起部221a-3が脱落規制部223aの役割を果たす。更に、この図12の例では、ホーン13a’の開口端縁13b’が外側にも突出している。このため、第2当接部224のボルト221bも開口端縁13b’への係止が可能となっており、図11の例と同様に、このボルト221bも脱落規制部224aの役割を果たす。
【0057】
以上に説明した音圧計測装置200でも、音圧センサ110と一体となった保持部220が、ドライバーやボックスレンチを用いたボルト221bの締込みによって、スピーカ13におけるホーン13aに取り付けられる。そして、上述した第1実施形態と同様の一連の作業によって、音圧計測装置200の設置が完了する。
【0058】
この第2実施形態の音圧計測装置200によっても、第1実施形態と同様に、第1当接部223が3点で上記の一部分13cに当接する。これにより、種々のホーン13aにおける湾曲形状の相違を吸収してガタつくことなく保持部220が当該一部分13cを把持することができる。つまり、本実施形態の音圧計測装置200によっても、既存のスピーカ13に対する随時の音圧計測のために、湾曲形状が異なる種々のホーン13aに共通して音圧センサ110を取り付けることができる。
【0059】
ここで、本実施形態では、ホーン13aの内側に配置される第1当接部223が3つの突起部221a-3を有し、第2当接部224が1本のボルト221bを有している。そして、保持部220は、第2当接部224のボルト221bが締め込まれることで第1当接部223と第2当接部224との間にホーン13aの一部分13cを挟み込んで把持する。この構成によれば、第2当接部224においてボルト221bが締め込まれたときに、ホーン13aの湾曲形状に応じて第1当接部223が適宜に傾きながら3つの突起部221a-3で上記の一部分13cに当接する。上記の構成によれば、第1当接部223でのこのような当接により、ホーン13aにおける湾曲形状の相違を良好に吸収することができる。
【0060】
また、本実施形態では、ボルト221bが締め込まれると、先端部221b-1に取り付けられた金属製の袋ナット221dがホーン13aの一部分13cに当接する。この構成によれば、締込みの圧力を受けてホーン13aの一部分13cに当接する部分が袋ナット221dとなっているので、ホーン13aの外面やボルト221bの先端部221b-1の傷み等を抑えることができる。更に、本実施形態では、袋ナット221dが金属製となっている。これにより、長期に亘って使用されてもホーン13aの一部分13cに対する当接部分の欠損や塑性変形等による把持の緩みを抑えることができる。
【0061】
また、ボルト221bがホーン13aの内側に存在しないので、音圧センサ110による音圧計測への影響を抑えて音圧センサ110をホーン13aに取り付けることができる点は上述の第1実施形態と同様である。更に、このようなボルト221bの配置により、ボルト221bの締込みや緩め等といった作業を、ホーン13aの外側から良好な作業性の下で行うことができる点も上述の第1実施形態と同様である。また、ホーン13aの外側に配置される第2当接部224のボルト221bが脱落規制部224aの役割を果たして保持部220の脱落が規制される点も上述の第1実施形態と同様である。そして、踏切1の警報機としてのスピーカを音圧計測装置200の設置対象とすることで上述の効果を有効活用することができる点も上述の第1実施形態と同様である。
【0062】
尚、以上に説明した第1及び第2実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の音圧計測装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0063】
例えば、上述の第1及び第2実施形態では、踏切1に設置されて警報機としてのスピーカ13の音圧を計測する音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、例えば防災や諸事連絡等のために設置される町内放送のスピーカ等といった他用途のスピーカの音圧を計測するものであってもよい。ただし、随時の音圧計測に対する需要が高く数も多い踏切1の警報機としてのスピーカ13を音圧計測装置100の設置対象とすることで、種々のホーン13aに共通して音圧センサ110を取付可能という効果を有効活用できる点は上述した通りである。
【0064】
また、上述の第1及び第2実施形態では、音圧センサ110がクランプ121,221とリジッドに連結された音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、例えば音圧センサがクランプと、屈曲可能な関節構造等を介して連結された形態であってもよい。このような形態を採用することで、音圧センサの向きの調節等が可能となる。
【0065】
また、上述の第1及び第2実施形態では、第1当接部123,223がボルト121bや突起部221a-3を3つ有した音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、例えば第1当接部がボルトや突起部を4つ以上有する形態であってもよい。
【0066】
また、上述の第1及び第2実施形態では、保持部120,220の取付け用に、六角柱状でプラス溝が形成されたボルトヘッドを有したボルト121b,221bを有した音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、保持部の取付け用に、例えばマイナス溝や六角溝が形成されたボルトヘッドを有するもの等であってもよく、使用するボルトの具体的態様を問うものではない。
【0067】
また、上述の第1及び第2実施形態では、保持部120,220の取付け用のボルト121b,221bの先端部121b-1,221b-1に樹脂キャップ121dや金属製の袋ナット221dが取り付けられた音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、取付け用のボルトの先端部には如何なる保護部材も取り付けず、その先端部を直にホーンにおける把持対象の一部分に当接させることとしてもよい。ただし、ボルト121b,221bの先端部121b-1,221b-1に樹脂キャップ121dや袋ナット221dを取り付けることで、ホーン13aの表面やボルト121b,221bの先端部121b-1,221b-1が保護される点は上述した通りである。また、袋ナット221dを金属製とすることで、長期に亘る使用に際して保持部220での把持の緩みを抑えることができる点も上述した通りである。また、上述の第1及び第2実施形態では、取付け用のボルト121b,221bの先端部121b-1,221b-1をホーン13aに向けて把持する保持部120,220が例示されている。しかしながら、保持部により把持形態はこれに限るものではなく、例えば取付け用のボルトのボルトヘッドをホーンに向け、このボルトヘッドをホーンの外面に当接させて把持する形態等であってもよい。このような把持形態であっても、金属製の袋ナット221dを用いる場合と同様に、長期に亘る使用に際して保持部220での把持の緩みを抑えることができる。
【0068】
また、上述の第1実施形態では、ホーン13aの外側に配置される第1当接部123が3本のボルト121bを有し、内側に配置される第2当接部124が平板状に形成された音圧計測装置100が例示されている。また、上述の第2実施形態では、ホーン13aの内側に配置される第1当接部223が3つの突起部221a-3を有し、外側に配置される第2当接部224が1本のボルト221bを有する音圧計測装置200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これらに限るものではない。音圧計測装置における第1当接部は、ホーンの内外のうちの一方側に配置され、少なくとも3点でホーンの一部分に当接するものであれば、当接点の数は4点以上であってもよく、その具体的な態様を問うものではない。また、第2当接部についても、ホーンの内外のうちの他方側に配置され、第1当接部との間にホーンの一部分を挟み込むように当該一部分に当接するものであれば、その具体的な態様を問うものではない。ただし、ホーン13aの外側に配置されて3本のボルト121bを有する第1当接部123と内側に配置された第2当接部124とによれば、ホーン13aにおける湾曲形状の相違を良好に吸収することができる点は第1実施形態において上述した通りである。また、ホーン13aの内側に配置されて3つの突起部221a-3を有する第1当接部223と外側に配置されて1本のボルト221bを有する第2当接部224とによっても同様の効果を得ることができる点も第2実施形態において上述した通りである。尚、ホーンの外側の第1当接部に3本以上のボルトを設ける場合に、内側の第2当接部に突起部を1つ以上設けることとしてもよい。あるいは、ホーンの内側の第1当接部に3つ以上の突起部を設ける場合に、外側の第2当接部に設けるボルトの本数を2本以上としてもよい。
【0069】
また、上述の第2実施形態では、ホーン13aの内側に配置される第1当接部223が有する突起部として、プレス加工で反対側をドーム状に凹ませることで第2当接部224へとドーム状に突出させた突起部221a-3が形成された音圧計測装置200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではない。音圧計測装置における第1当接部の突起部は、その形状が例えば円柱状、円錐状、角柱状、角錐状等といったドーム状以外の形状を有するものであってもよく、その形成手法も、例えば切削加工等といった上記以外の手法を用いたものであってもよい。
【0070】
また、上述の第1及び第2実施形態では、保持部120,220の取付け用のボルト121b,221bが、ホーン13aの外側に配置された音圧計測装置100,200が例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、取付け用のボルトをホーンの内側に配置することとしてもよい。ただし、ボルト121b,221bがホーン13aの外側に配置されることで、音圧センサ110による音圧計測への影響を抑えて音圧センサ110をホーン13aに取り付けることができる点は上述した通りである。また、ボルト121b,221bの締込みや緩め等といった作業を、ホーン13aの外側から良好な作業性の下で行うことができる点も上述した通りである。
【0071】
また、上述の第1実施形態では、ホーン13aの外側に配置される第1当接部123のボルト121bが、ホーン13aにおいて突条となった開口端縁13bに係止する脱落規制部123aの役割を果たす音圧計測装置100が例示されている。また、上述の第2実施形態では、ホーン13aの外側に配置される第2当接部224のボルト221bが、ホーン13aにおいて突条となった開口端縁13bに係止する脱落規制部224aの役割を果たす音圧計測装置200が例示されている。更に、第2実施形態では、別例として、ホーン13a’の内側に配置される第1当接部223の突起部221a-3が、円形リブとなった開口端縁13b’に係止する脱落規制部223aの役割を果たす形態も例示されている。しかしながら、本発明の音圧計測装置は、これに限るものではなく、ホーンの開口端縁を突条や円形リブとはせず如何なる脱落規制部も設けないこととしてもよい。しかしながら、ホーン13a,13a’の開口端縁13b,13bに係止する脱落規制部123a,223a,224aを設けることで、保持部120,220での把持が緩んだときにホーン13a,13a’からの脱落を抑えることができる点は上述した通りである。尚、脱落規制部は、ホーンにおける開口端縁に係止可能なものであれば、ボルトや突起部に限るものではなく、ボルトとは別に設けた係止突起等であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 踏切
11 柱状物
12 踏切遮断機
12a 遮断桿
13,13’ スピーカ
13a,13a’ ホーン
13b,13b’ 開口端縁
13c 一部分
14 踏切器具箱
100,200 音圧計測装置
110 音圧センサ
111 ケース
111a 取付けフランジ
112 集音基板
112a 貫通孔
113,125 ねじ
114 マイクロホン素子
115 キャップ
115a 調湿ベント
116 ケーブルコネクタ
120,220 保持部
121,221 クランプ
121a,221a 本体部
121a-1,221a-1 外側腕部
121a-2,221a-2 内側腕部
121b,221b ボルト(ねじ)
121b-1,221b-1 先端部
121c,221c 止めナット
121d 樹脂キャップ
122 連結板
123,223 第1当接部
123a,223a,224a 脱落規制部
124,224 第2当接部
126 Oリング
130 制御ユニット
140 中継ケーブル
141 締結部材
221a-2a 対向面
221a-3 突起部
221d 袋ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12