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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】音圧センサ
(51)【国際特許分類】
   B61L 29/28 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B61L29/28 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020182655
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072944
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼柳 良一郎
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-152470(JP,A)
【文献】特開平06-078040(JP,A)
【文献】特開2013-138288(JP,A)
【文献】特開2020-120282(JP,A)
【文献】特開2016-175444(JP,A)
【文献】特開平06-233393(JP,A)
【文献】特開2011-068252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 29/00 - 29/32
H04R 1/00
H04R 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカが発する音を検出するマイクロホン素子と、
前記マイクロホン素子を収容するケースと、
外部の音を取り込む音取込み開口が設けられ、当該音取込み開口から取り込まれた音を前記マイクロホン素子へと伝搬させるように前記ケースに設けられた音伝搬通路と、
通気性を有しつつ液体の通過を規制する素材で膜状に形成され、前記音伝搬通路における前記音取込み開口を閉塞するベント膜と、
鉛直方向について前記ベント膜の上方を覆うように前記ケースの露出外面から貫通孔の無い庇状に張り出して設けられたカバー部と、
を備えたことを特徴とする音圧センサ。
【請求項2】
前記音伝搬通路が、前記ケースとは別体に有底筒状に形成されて底壁に前記音取込み開口が設けられた部材であって、前記音取込み開口が前記ケースの外側で開口して他端側の開口が前記マイクロホン素子の方を向くように、前記ケースに設けられた取付け孔に挿入されて取り付けられるものであり、
前記ベント膜は、前記音伝搬通路の外側から前記音取込み開口を塞ぐように配置され、
前記音伝搬通路には、前記底壁の更に外側に、当該底壁との間に前記ベント膜を挟んで前記音取込み開口と対面する蓋壁が設けられ、音は、当該蓋壁と前記底壁との間隙、及び前記ベント膜を介して前記音取込み開口から取り込まれることを特徴とする請求項1に記載の音圧センサ。
【請求項3】
前記音伝搬通路は、前記蓋壁及び前記底壁が前記鉛直方向に沿って延在するように前記ケースに設けられるものであり、
前記蓋壁と前記底壁との前記間隙において、前記鉛直方向について下方を向いて開口する下側開口部分が、前記間隙に入り込んだ液体を下方へと排出する液抜き口となっていることを特徴とする請求項2に記載の音圧センサ。
【請求項4】
前記カバー部が、水平方向について前記ベント膜の幅以上の幅、かつ、前記音伝搬通路の中心軸回りについて180°以下の角度幅で、前記ベント膜の上方を覆う庇状に形成されていることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の音圧センサ。
【請求項5】
前記カバー部が、前記ケースと一体成形された部位であることを特徴とする請求項1~4のうち何れか一項に記載の音圧センサ。
【請求項6】
前記ケースには、前記音伝搬通路の内部に液体が溜まった場合に当該液体を抜くための液抜き通路が前記鉛直方向の下方に開口して形成されていることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の音圧センサ。
【請求項7】
前記マイクロホン素子が搭載され、前記音伝搬通路において前記ケースの内側を向いて開口した内側開口を塞ぐように前記ケースに収容された回路基板を更に備えたことを特徴とする請求項1~6のうち何れか一項に記載の音圧センサ。
【請求項8】
前記マイクロホン素子が、前記回路基板の表裏面のうち前記音伝搬通路とは反対側の面に搭載され、
前記回路基板には、前記マイクロホン素子の搭載位置を貫通して、前記音伝搬通路を伝搬した音を前記マイクロホン素子へと更に伝搬させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項に記載の音圧センサ。
【請求項9】
前記回路基板が、前記内側開口よりも大きな板状に形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の音圧センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道の踏切に警報機として設置されたスピーカ等が発する音の音圧を計測する音圧センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば鉄道における踏切の警報機等のように屋外に設置されたスピーカの機能点検は、多くの場合、メンテナンス要員による定期的な点検作業によって行われている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の点検作業では、メンテナンス要員が音圧センサを用いてスピーカが発する音の音圧を計測することでスピーカの機能点検が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-175444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、定期的な機能点検では、点検時期が来なければスピーカの機能が確認されず、スピーカの機能低下に対する即応性の点で改善の余地がある。このような即応性を担保するために、既存のスピーカの近傍に音圧センサを常時配置することにより、メンテナンス要員が設置現場に実際に足を運ばなくとも随時に音圧を計測可能とすることが考えられる。
【0005】
このとき、上記のように配置される音圧センサは、スピーカとともに屋外環境に晒されることとなる。この屋外環境のうち特に雨等は、センサ内部への液体の浸入が搭載部品に影響を与える可能性があり好ましいものではない。他方で、音圧センサの外壁には、内部のマイクロホン素子に音を伝搬させるための音取込み開口が必要であり、液体を浸入させ易い構成とならざるを得ないという事情もある。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、内部への液体の浸入が抑えられた状態でスピーカの近傍に配置することができる音圧センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の音圧センサは、スピーカが発する音を検出するマイクロホン素子と、前記マイクロホン素子を収容するケースと、外部の音を取り込む音取込み開口が設けられ、当該音取込み開口から取り込まれた音を前記マイクロホン素子へと伝搬させるように前記ケースに設けられた音伝搬通路と、通気性を有しつつ液体の通過を規制する素材で膜状に形成され、前記音伝搬通路における前記音取込み開口を閉塞するベント膜と、鉛直方向について前記ベント膜の上方を覆うように前記ケースの露出外面から貫通孔の無い庇状に張り出して設けられたカバー部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の音圧センサによれば、マイクロホン素子へと音を伝搬させるための音取込み開口が液体の通過を規制するベント膜で閉塞されるとともに、その上方がカバー部によって覆われる。これらのベント膜及びカバー部によって、音圧センサが雨等の屋外環境に晒されたとしてもケース内部への液体の浸入を抑えることができる。つまり、本発明の音圧センサによれば、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、内部への液体の浸入が抑えられた状態でスピーカの近傍に配置することができる。
【0009】
ここで、本発明の音圧センサにおいて、前記音伝搬通路が、前記ケースとは別体に有底筒状に形成されて底壁に前記音取込み開口が設けられた部材であって、前記音取込み開口が前記ケースの外側で開口して他端側の開口が前記マイクロホン素子の方を向くように、前記ケースに設けられた取付け孔に挿入されて取り付けられるものであり、前記ベント膜は、前記音伝搬通路の外側から前記音取込み開口を塞ぐように配置され、前記音伝搬通路には、前記底壁の更に外側に、当該底壁との間に前記ベント膜を挟んで前記音取込み開口と対面する蓋壁が設けられ、音は、当該蓋壁と前記底壁との間隙、及び前記ベント膜を介して前記音取込み開口から取り込まれることが好適である。
【0010】
この構成によれば、形状が複雑になりがちなケースとは別体に音伝搬通路を設け、この別体の音伝搬通路に音取込み開口を設けることとしているので、音取込み開口に係る加工が容易であり、その分加工コストを低減させることができる。そして、この別体の音伝搬通路には、底壁との間にベント膜を挟んで音取込み開口と対面する蓋壁が設けられ、蓋壁と底壁との間隙、及びベント膜を介して音取込み開口から音が取り込まれる。この構成によれば、音取込み開口を閉塞するベント膜自体も蓋壁によって覆われることから、ベント膜が雨等に直に晒されることも抑えることができ、ケース内部への液体の浸入を一層抑えることもできる。
【0011】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記音伝搬通路は、前記蓋壁及び前記底壁が前記鉛直方向に沿って延在するように前記ケースに設けられるものであり、前記蓋壁と前記底壁との前記間隙において、前記鉛直方向について下方を向いて開口する下側開口部分が、前記間隙に入り込んだ液体を下方へと排出する液抜き口となっていることが一層好適である。
【0012】
この構成によれば、仮に蓋壁と底壁との間隙に液体が浸入するような場合であっても、その液体が上記の液抜き口から排出されるので、ベント膜が液体に長期に亘って浸る等といった事態を効果的に回避することができる。
【0013】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記カバー部が、水平方向について前記ベント膜の幅以上の幅、かつ、前記音伝搬通路の中心軸回りについて180°以下の角度幅で、前記ベント膜の上方を覆う庇状に形成されていることが好適である。
【0014】
屋外環境のうち雪に晒された場合、上記のカバー部が180°を超える角度幅で設けられているとカバー部の内部に雪が溜まりやすくなる。上記の構成によれば、水平方向についてベント膜の幅以上の幅に形成されてベント膜への液体の被りを十分に抑えつつ、180°以下の角度幅で庇状に形成されることで雪の溜まり等を効果的に抑えることができる。
【0015】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記カバー部が、前記ケースと一体成形された部位であることが好適である。
【0016】
この構成によれば、音圧センサの部品点数を抑えてコストを低減させることができる。
【0017】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記ケースには、前記音伝搬通路の内部に液体が溜まった場合に当該液体を抜くための液抜き通路が前記鉛直方向の下方に開口して形成されていることが好適である。
【0018】
この構成によれば、仮に音伝搬通路の内部に例えば結露等によって液体が溜まるような事態が生じたとしても、その液体を液抜き通路から効果的に抜くことができる。
【0019】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記マイクロホン素子が搭載され、前記音伝搬通路において前記ケースの内側を向いて開口した内側開口を塞ぐように前記ケースに収容された回路基板を更に備えたことが好適である。
【0020】
この構成によれば、屋外環境に近い状態に置かれる音伝搬通路の内部を、回路基板によってケースの内側と効果的に隔離することができる。
【0021】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記マイクロホン素子が、前記回路基板の表裏面のうち前記音伝搬通路とは反対側の面に搭載され、前記回路基板には、前記マイクロホン素子の搭載位置を貫通して、前記音伝搬通路を伝搬した音を前記マイクロホン素子へと更に伝搬させるための貫通孔が設けられていることが更に好適である。
【0022】
この構成によれば、マイクロホン素子を屋外環境に近い音伝搬通路の内部から離すとともに、音伝搬通路を伝搬した音を、回路基板の貫通孔を介して効果的にマイクロホン素子へと伝搬させることができる。
【0023】
また、本発明の音圧センサにおいて、前記回路基板が、前記内側開口よりも大きな板状に形成されていることが好適である。
【0024】
この構成によれば、上記の大きな板状の回路基板により、音伝搬通路における内側開口を効果的に塞ぐことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の音圧計測装置によれば、既存のスピーカに対する随時の音圧計測のために、内部への液体の浸入が抑えられた状態でスピーカの近傍に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る音圧センサを備える音圧計測装置が設置される踏切を示す模式図である。
図2図1に示されている音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。
図3図2に示されている音圧センサ及び保持部を、音圧センサの集音側から見た斜視図である。
図4図3に示されている音圧センサを、図3中の矢印V11方向から見た平面図である。
図5図4に示されている音圧センサの、図4中のV12-V12切断線に沿った断面図である。
図6図5に示されている音圧センサの、図5中のV13-V13切断線に沿った断面図である。
図7図5に示されている音圧センサの、図5中のV14-V14切断線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る音圧センサについて説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る音圧センサを備える音圧計測装置が設置される踏切を示す模式図である。
【0029】
この図1に示されている踏切1は、鉄道の路線の各所に設置される設備であり、柱状物11、踏切遮断機12、警報機としてのスピーカ13、踏切器具箱14、及び音圧計測装置100、を備えている。柱状物11は、踏切1に設置された支持柱であり、踏切遮断機12及びスピーカ13を支持している。踏切遮断機12は、列車の通過時に遮断桿12aを下げることで人や車両の線路への侵入を規制する。スピーカ13は、柱状物11の上端側に設置され、列車の通過前から通過後に掛けて警報音を発する。踏切器具箱14は、柱状物11の隣に設置され、踏切1の監視に関する各種情報を収集して所定の監視サーバとの間でやり取りする中継装置等を収容する設備である。音圧計測装置100は、スピーカ13の機能点検のためにスピーカが発する音の音圧を計測し、その計測結果を踏切器具箱14の内部の装置に無線で送信する。
【0030】
尚、図1では図示を割愛したが、踏切1の柱状物11には、踏切遮断機12、スピーカ13、及び音圧計測装置100の他にも、信号機や、列車の通過状況を表示する表示装置や、緊急停止ボタン装置等が支持されることとしてもよい。
【0031】
音圧計測装置100は、音圧センサ110と、保持部120と、制御ユニット130と、中継ケーブル140と、を備えている。音圧センサ110は、既存のスピーカ13が発する音の音圧を計測する。保持部120は、この音圧センサ110を、スピーカ13のホーン13aの内側に向けて後述するように保持する。制御ユニット130は、柱状物11におけるスピーカ13よりも下方位置に設置され、音圧センサ110に電力を供給するとともに、音圧センサ110の出力電圧を、音圧を表す信号に変換し、踏切器具箱14の内部の装置へ無線で送出する。中継ケーブル140は、音圧センサ110と制御ユニット130とを電気的に接続し、制御ユニット130から音圧センサ110への電力供給及び音圧センサ110から制御ユニット130への電圧出力を中継する。この中継ケーブル140は、音圧センサ110と制御ユニット130との間で所定の締結部材141によって柱状物11に固定されている。音圧計測装置100は、概略、このように構成されている。以下、この音圧計測装置100における音圧センサ110及び保持部120について詳細に説明する。
【0032】
図2は、図1に示されている音圧計測装置における音圧センサ及び保持部を、音圧の計測対象であるスピーカとともに示す斜視図である。図3は、図2に示されている音圧センサ及び保持部を、音圧センサの集音側から見た斜視図である。
【0033】
音圧センサ110は、取付けフランジ111aを有したケース111の内部に、詳細については後述するようにマイクロホン素子等の各種部品が収容されたものである。ケース111の外周面には、図2にも示されるようにケーブルコネクタ117が取り付けられており、このケーブルコネクタ117が中継ケーブル140の端部を、その端部から引き出されたリード線をケース111の内部に導き入れつつケース111の外周面に固定している。そして、このように固定された中継ケーブル140を介して、マイクロホン素子112で検出された音に応じた出力電圧が制御ユニット130に送られる。
【0034】
保持部120は、スピーカ13のホーン13aにおける開口端縁13b側の一部分13cを挟み込んで把持するとともに、音圧センサ110をホーン13aの内側に向けて保持する。本実施形態では、スピーカ13は、ホーン13aの概ね長方形を有する開口端縁13bの長辺が横向きとなる姿勢で柱状物11に設置されている。保持部120は、この開口端縁13bにおいて縦向きとなった一短辺に取り付けられて音圧センサ110を保持する。この保持部120は、クランプ121及び連結板122を備えている。
【0035】
保持部120を構成するクランプ121は、側面視で略C字型を有する本体部121aと1本のボルト121bとを備えている。ボルト121bは、六角柱状でプラス溝が形成されたボルトヘッドを有しており、プラスドライバーやボックスレンチで締込みや緩めが可能となっている。ボルト121bには止めナット121c及び袋ナット121dが取り付けられている。止めナット121cは、略C字型の本体部121aにおいてホーン13aの外側に配置される外側腕部121a-1のねじ穴に捩じ込まれたボルト121bが緩まないように、ねじ穴とともにダブルナットを構成する。また、袋ナット121dは、ボルト121bの先端部に取り付けられ、ボルト121bが締め込まれたときにホーン13aの一部分13cに当接する。そして、略C字型の本体部121aにおいてホーン13aの内側に配置される内側腕部121a-2は、ボルト121bとの間にホーン13aの一部分13cを挟み込むように当該一部分13cに当接する部位となっている。
【0036】
保持部120における連結板122は、長方形板状に形成され、一端側に音圧センサ110が4本のねじ125で固定され、他端側にクランプ121が2本のねじ125によって固定される。この連結板122によって音圧センサ110とクランプ121が連結されて、音圧センサ110と保持部120が一体化される。
【0037】
以上に説明した音圧計測装置100では、音圧センサ110と一体となった保持部120が、ドライバーやボックスレンチを用いたボルト121bの締込みによって、スピーカ13におけるホーン13aに取り付けられる。そして、図1に示されるように、柱状物11に固定された制御ユニット130と保持部120に保持されている音圧センサ110とが中継ケーブル140で接続され、その中継ケーブル140が締結部材141によって柱状物11に固定される。これら一連の作業によって、音圧計測装置100の設置が完了する。
【0038】
次に、図1図3に示されている音圧センサ110について更に詳細に説明する。
【0039】
図4は、図3に示されている音圧センサを、図3中の矢印V11方向から見た平面図であり、図5は、図4に示されている音圧センサの、図4中のV12-V12切断線に沿った断面図である。また、図6は、図5に示されている音圧センサの、図5中のV13-V13切断線に沿った断面図であり、図7は、図5に示されている音圧センサの、図5中のV14-V14切断線に沿った断面図である。
【0040】
音圧センサ110は、ケース111の内部にマイクロホン素子112が収容されたものである。この音圧センサ110は、ケース111と、マイクロホン素子112と、音伝搬通路113と、ベント膜114と、カバー部115と、回路基板116と、ケーブルコネクタ117と、を備えている。
【0041】
ケース111は、樹脂で有底円筒状に形成されて開口側に略正方形の輪郭を持った取付けフランジ111aが形成されている。取付けフランジ111aが連結板122に固定されることで、音圧センサ110と保持部120のクランプ121とが一体化される。これとともに、ケース111の開口が連結板122によって閉塞されるが、ケース111と連結板122との間には、水密を保つために両者間を密閉するOリング126が挟み込まれる。
【0042】
マイクロホン素子112は、スピーカ13が発する音を検出し、当該音の音圧に応じた電圧を出力する素子である。マイクロホン素子112は、後述するように回路基板116を介してケース111の内部に固定されて収容される。ケース111の内部では、上述したように中継ケーブル140の端部から引き出されたリード線が導き入れられて回路基板116に接続されている。マイクロホン素子112は、回路基板116を介して中継ケーブル140と電気的に接続されており、その出力電圧は、この回路基板116を介して中継ケーブル140へと送られる。
【0043】
音伝搬通路113は、外部の音を取り込む音取込み開口113aが設けられ、当該音取込み開口113aから取り込まれた音をマイクロホン素子112へと伝搬させるようにケース111に設けられた部位である。本実施形態では、この音伝搬通路113は、ケース111とは別体に樹脂で有底円筒状に形成されて底壁113bに音取込み開口113aが設けられた部材となっている。そして、音伝搬通路113は、音取込み開口113aがケース111の外側で開口して他端側の開口がマイクロホン素子112の方を向くように、ケース111に設けられた取付け孔111c-1に挿入されて取り付けられる。このケース111の取付け孔111c-1は、音圧センサ110がホーン13aに取り付けられたときに、その中心軸111c-2が鉛直方向D11と交差するようにケース111の底壁111bを貫通して設けられた取付け円筒部111cの内側となっている。音伝搬通路113は、この取付け孔111c-1に挿入されて取り付けられる。本実施形態では、音伝搬通路113は、この取付け孔111c-1にねじ込まれて固定される。
【0044】
また、この音伝搬通路113には、底壁113bの更に外側に、当該底壁113bとの間に後述のベント膜114を挟んで音取込み開口113aと対面する蓋壁113cが設けられる。音は、音伝搬通路113における蓋壁113cと底壁113bとの間隙113d、及び両者間に挟まれたベント膜114を介して音取込み開口113aから内部へと取り込まれる。蓋壁113cは、底壁113bに次のような6つの柱部分によって連結されている。音伝搬通路113における蓋壁113c及び底壁113bは、図4に示されているように正面から見て六角形板状に形成されている。両者を連結する6つの柱部分は、蓋壁113c及び底壁113bそれぞれの6つの頂点相互間を繋ぐように間隙113dに設けられている。これら6つの柱部分の相互間が、蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dへと音が外部から伝搬する6つの開口部113eとなっている。
【0045】
このような音伝搬通路113が、上記の取付け孔111c-1に挿入されることで、蓋壁113c及び底壁113bが鉛直方向D11に沿って延在するようにケース111に設けられることとなる。このとき、蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dにおける上記の6つの開口部113eのうちの幾つかは、取付け孔111c-1に音伝搬通路113が取り付けられたときに鉛直方向D11について下方を向いて開口することとなる。本実施形態では、このように下方を向いて開口する下側開口部分が、間隙113dに入り込んだ液体を下方へと排出する液抜き口113e-1となっている。
【0046】
また、本実施形態では、ケース111には、音伝搬通路113の内外の湿度を同等に調整する湿度調整用の空気通路111dが、次のように2箇所に設けられている。即ち、音伝搬通路113が取り付けられる取付け孔111c-1を区画する取付け円筒部111cの、音伝搬通路113とは反対側の開口端縁における、鉛直方向D11について上下に対象となる2箇所が切り欠かれて湿度調整用の空気通路111dが設けられている。これら2箇所の空気通路111dと、音伝搬通路113における蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dと、で湿度をケース111の内外で略同湿に保つ調湿ベントの役割を担っている。また、2箇所の空気通路111dのうち鉛直方向D11の下方側の空気通路111dは、例えば結露等によって音伝搬通路113の内部に液体が溜まった場合に当該液体を抜くための液抜き通路111d-1となっている。
【0047】
ベント膜114は、通気性を有しつつ埃や液体の通過を規制する素材で膜状に形成され、音伝搬通路113における音取込み開口113aを閉塞する。このベント膜114の形成材料としては、一例としてフッ素系ポリマー(ePTFE)やPE系多孔質フィルム等の多孔質膜が挙げられる。このベント膜114は、音伝搬通路113の外側から音取込み開口113aを塞ぐように底壁113bと蓋壁113cに挟まれて配置される。
【0048】
カバー部115は、鉛直方向D11についてベント膜114の上方を覆うようにケース111に設けられた部位である。図4に示されているように、本実施形態では、カバー部115は、まず水平方向D12について、ベント膜114よりも幅広となる音伝搬通路113の底壁113b及び蓋壁113cの幅W11以上の幅W12でベント膜114の上方を覆う庇状に形成されている。かつ、カバー部115は、音伝搬通路113の中心軸113f回りについて180°以下の角度幅θ11でベント膜114の上方を覆う円弧庇状に形成されている。また、本実施形態では、このようなカバー部115が、ケース111と樹脂で一体成形された部位となっている。ここで、本実施形態では、このような円弧庇状のカバー部115が、鉛直方向D11について、蓋壁113cと底壁113bとの間に開いた開口部113eの上方を覆う張出長で、ケース111の底壁111bの外面から張り出すように形成されている。本実施形態の音圧センサ110は、上述したように、クランプ121によってスピーカ13のホーン13aに取り付けられる。このとき、柱状物11へのスピーカ13の取付け姿勢やホーン13aの形状によっては、水平方向D12に対して音圧センサ110がある程度傾いた傾斜姿勢となる場合がある。本実施形態におけるカバー部115の張出長は、音圧センサ110について想定される傾斜姿勢となった場合でも、開口部113eの上方を十分に覆うことができる長さとなっている。
【0049】
回路基板116は、マイクロホン素子112が搭載され、音伝搬通路113の内側開口113gを塞ぐようにケース111に収容された基板である。回路基板116は、ケース111において音伝搬通路113が取り付けられる取付け円筒部111cの音伝搬通路113とは反対側の開口端縁に設けられた2つのねじ穴111eにねじ止め固定される。また、マイクロホン素子112は、この回路基板116の表裏面のうち音伝搬通路113とは反対側の面に搭載される。そして、回路基板116には、マイクロホン素子112の搭載位置を貫通して、音伝搬通路113を伝搬した音をマイクロホン素子112へと更に伝搬させるための貫通孔116aが設けられている。また、本実施形態では、回路基板116が、音伝搬通路113の内側開口113gよりも大きな板状、具体的には、図6に示されているように角形板状に形成されている。このような回路基板116には、マイクロホン素子112の出力を伝えるための回路パターンが形成され、更に、この回路パターンに接続されたコネクタ素子116bが搭載されている。このコネクタ素子116bに中継ケーブル140から引き出されたリード線の端部コネクタが接続される。
【0050】
ケーブルコネクタ117は、鉛直方向D11について、ケース111の周壁における下側部分に設けられている。このケーブルコネクタ117は、中継ケーブル140の端部を、水密を保ちつつ支持してケース111の下部に固定する。このケーブルコネクタ117を介してケース111に固定された中継ケーブル140の端部から引き出されたリード線が、回路基板116のコネクタ素子116及び回路パターンを介してマイクロホン素子112に電気的に接続される。
【0051】
以上に説明した実施形態の音圧センサ110によれば、マイクロホン素子112へと音を伝搬させるための音取込み開口113aが液体の通過を規制するベント膜114で閉塞されるとともに、その上方がカバー部115によって覆われる。これらのベント膜114及びカバー部115によって、音圧センサ110が雨等の屋外環境に晒されたとしてもケース111の内部への液体の浸入を抑えることができる。つまり、本実施形態の音圧センサ110によれば、既存のスピーカ13に対する随時の音圧計測のために、内部への液体の浸入が抑えられた状態でスピーカ13の近傍に配置することができる。
【0052】
ここで、本実施形態では、ケース111とは別体で有底筒状の音伝搬通路113がケース111の取付け孔111c-1に挿入されて取り付けられる。また、音伝搬通路113では、底壁113bと蓋壁113cとの間にベント膜114が挟まれ、音は蓋壁113cと底壁113bとの間隙113d、及びベント膜114を介して音取込み開口113aから取り込まれる。この構成によれば、形状が複雑になりがちなケース111とは別体に音伝搬通路113を設け、この別体の音伝搬通路113に音取込み開口113aを設けることとしている。これにより、音取込み開口113aに係る加工が容易であり、その分加工コストを低減させることができる。そして、この別体の音伝搬通路113には、底壁113bとの間にベント膜114を挟んで音取込み開口113aと対面する蓋壁113cが設けられている。音は、蓋壁113cと底壁113bとの間隙113d、及びベント膜114を介して音取込み開口113aから取り込まれる。この構成によれば、音取込み開口113aを閉塞するベント膜114自体も蓋壁113cによって覆われることから、ベント膜114が雨等に直に晒されることも抑えることができ、ケース111内部への液体の浸入を一層抑えることもできる。
【0053】
また、本実施形態では、音伝搬通路113における蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dにおいて下方を向いて開口する下側開口部分が、上記の間隙113dに入り込んだ液体を下方へと排出する液抜き口113e-1となっている。この構成によれば、仮に蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dに液体が浸入するような場合であっても、その液体が上記の液抜き口113e-1から排出される。これにより、ベント膜114が液体に長期に亘って浸る等といった事態を効果的に回避することができる。
【0054】
また、本実施形態では、カバー部115が、ベント膜114よりも広い音伝搬通路113の底壁113bや蓋壁113cの幅W11以上の幅W12、かつ、180°以下の角度幅θ11で、ベント膜114の上方を覆う庇状に形成されている。屋外環境のうち雪に晒された場合、上記のカバー部115が180°を超える角度幅で設けられているとカバー部115の内部に雪が溜まりやすくなる。上記の構成によれば、上記の幅W11以上の幅W12に形成されてベント膜114への液体の被りを十分に抑えつつ、180°以下の角度幅θ11で庇状に形成されることで雪の溜まり等を効果的に抑えることができる。
【0055】
また、本実施形態では、カバー部115がケース111と一体成形された部位となっている。この構成によれば、音圧センサ110の部品点数を抑えてコストを低減させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、ケース111には、音伝搬通路113の内部に溜まった液体を抜くための液抜き通路111d-1が形成されている。この構成によれば、仮に音伝搬通路113の内部に例えば結露等によって液体が溜まるような事態が生じたとしても、その液体を液抜き通路111d-1から効果的に抜くことができる。
【0057】
また、本実施形態では、マイクロホン素子112が搭載されて音伝搬通路113の内側開口113gを塞ぐ回路基板116が設けられている。この構成によれば、屋外環境に近い状態に置かれる音伝搬通路113の内部を、回路基板116によってケース111の内側と効果的に隔離することができる。
【0058】
また、本実施形態では、マイクロホン素子112が、回路基板116の表裏面のうち音伝搬通路113とは反対側の面に搭載される。そして、回路基板116には、マイクロホン素子112に音を伝搬させるための貫通孔116aが設けられている。この構成によれば、マイクロホン素子112を屋外環境に近い音伝搬通路113の内部から離すことが出来る。その上で、音伝搬通路113の空気を伝搬する音を、回路基板116の貫通孔116aを介して効果的にマイクロホン素子112へと伝搬させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、回路基板116が、音伝搬通路113の内側開口113gよりも大きな板状(具体的には、角形板状)に形成されている。この構成によれば、上記の大きな板状の回路基板116により、音伝搬通路113における内側開口113gを効果的に塞ぐことができる。
【0060】
尚、以上に説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の音圧センサの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0061】
例えば、上述の実施形態では、音圧センサの一例として、踏切1に設置されて警報機としてのスピーカ13の音圧を計測するための音圧センサ110が例示されている。しかしながら、音圧センサは、これに限るものではなく、例えば防災や諸事連絡等のために設置される町内放送のスピーカ等といった他用途のスピーカの音圧を計測するためのものであってもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、音圧センサの一例として、クランプ121とリジッドに連結された音圧センサ110が例示されている。しかしながら、音圧センサは、これに限るものではなく、例えば音圧センサがクランプと、屈曲可能な関節構造等を介して連結されることとしてもよい。このような形態を採用することで、音圧センサの向きの調節等が可能となる。
【0063】
また、上述の実施形態では、音圧センサ110をスピーカ13に保持するための保持部の一例として、側面視で略C字型を有する本体部121aと1本のボルト121bとを備えたクランプ121を有する保持部120が例示されている。しかしながら、音圧センサを保持するための保持部は、これに限るものではなく、スピーカに対する具体的な保持態様を問うものではない。
【0064】
また、上述の実施形態では、音伝搬通路の一例として、ケース111とは別体で有底筒状に形成され、ケース111の取付け孔111c-1に挿入されて取り付けられた音伝搬通路113が例示されている。また。この音伝搬通路113では、底壁113bと蓋壁113cとの間にベント膜114が挟まれて配置される。しかしながら、音伝搬通路はこれに限るものではなく、ケースの外壁に設けられた音取込み開口を含んでケースと一体に形成されたもの等であってもよい。また、別体と一体とを問わず、ベント膜を覆う如何なる蓋壁も設けずにベント膜を外部に露出させることとしてもよい。ただし、ケース111とは別体に音伝搬通路113を設けることで加工コストを低減させることができる点は上述した通りである。また、音伝搬通路113の底壁113bと蓋壁113cとの間にベント膜114を挟むことでケース111内部への液体の浸入を一層抑えることができる点も上述した通りである。
【0065】
また、上述の実施形態では、音伝搬通路の一例として、蓋壁113cと底壁113bとの間隙113dに入り込んだ液体を下方へと排出する液抜き口113e-1が設けられた音伝搬通路113が例示されている。しかしながら、音伝搬通路はこれに限るものではなく、如何なる液抜き口をも設けないこととしてもよい。ただし、音伝搬通路113に上記の液抜き口113e-1を設けることで、ベント膜114が液体に長期に亘って浸る等といった事態を効果的に回避することができる点は上述した通りである。
【0066】
また、上述の実施形態では、カバー部の一例として、音伝搬通路113の底壁113bや蓋壁113cの幅W11以上の幅W12、かつ、180°以下の角度幅θ11で、ベント膜114の上方を覆う庇状に形成されたカバー部115が例示されている。しかしながら、カバー部は、これに限るものではなく、ベント膜114の上方を覆うように設けられたものであれば、その具体的な形状や大きさ等を問うものではない。カバー部は、例えば音伝搬通路の露出部分を、その周方向の全周に亘って囲う筒状に形成されたもの等であってもよい。ただし、上記のような幅W12かつ角度幅θ11の庇状に形成されたカバー部115によれば、液体の浸入を十分に抑えつつ雪の溜まり等を効果的に抑えることができる点は上述した通りである。尚、上述の実施形態では、ベント膜の幅以上の庇状のカバー部の一例として、上記のように音伝搬通路113の底壁113bや蓋壁113cの幅W11以上の幅W12のカバー部115が例示されている。しかしながら、カバー部は、これに限るものでもなく、底壁113bや蓋壁113cの幅W11よりは狭いがベント膜114の幅以上に形成されたもの等であってもよい。また、カバー部を庇状に形成するにしても、その庇形状は、上述の実施形態のように円弧形の断面形状を有するものに限らず、例えば逆V字形の断面形状を有する傘状等であってもよく、その具体的な庇形状を問うものではない。
【0067】
また、上述の実施形態では、カバー部の一例として、ケース111と一体成形されたカバー部115が例示されている。しかしながら、カバー部は、これに限るものではなく、例えばケースとは別部品として成形され、ねじ止めや接着等によってケースに固定されるもの等であってもよい。ただし、カバー部115がケース111と一体成形されることでコストを低減させることができる点は上述した通りである。
【0068】
また、上述の実施形態では、ケースの一例として、音伝搬通路113の内部に溜まった液体を抜くための液抜き通路111d-1が形成されたケース111が例示されている。しかしながら、ケースは、これに限るものではなく、このような液抜き通路が形成されていないものであってもよい。ただし、ケース111に液抜き通路111d-1を設けることで、仮に音伝搬通路113の内部に液体が溜まったとしても、その液体を液抜き通路111d-1から効果的に抜くことができる点は上述した通りである。尚、本実施形態では、この液抜き通路の一例として、音伝搬通路113の取付け円筒部111cの開口端縁において鉛直方向D11の上下2箇所に形成された湿度調整用の空気通路111dのうちの下側の1つが液抜き通路111d-1となった形態が例示されている。しかしながら、ケースに液抜き通路を設けるにしても、液抜きが可能であれば、音伝搬通路の取付け円筒部の開口端縁ではなく例えば取付け円筒部の周壁の中途を貫通するように設けてもよい。また、湿度調整用の空気通路とは別通路として液抜き通路を設けることとしてもよい。更に、その形成数についても任意の数であってよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、音圧センサの一例として、マイクロホン素子112が搭載されて音伝搬通路113の内側開口113gを塞ぐ回路基板116を備えた音圧センサ110が例示されている。しかしながら、音圧センサは、これに限るものではなく、回路基板は備えずに、マイクロホン素子が例えば接着等によってケースの内面に固定されて収容されたものであってもよい。しかしながら、音伝搬通路113の内側開口113gを、マイクロホン素子112が搭載された回路基板116で塞ぐことで、音伝搬通路113の内部をケース111の内側と効果的に隔離することができる点は上述した通りである。
【0070】
また、上述の実施形態では、回路基板の一例として、音伝搬通路113とは反対側の面に搭載されたマイクロホン素子112に音を伝搬させるための貫通孔116aが設けられた回路基板116が例示されている。しかしながら、回路基板は、これに限るものではなく、例えば貫通孔は設けずに、音伝搬通路113の側の面にマイクロホン素子112が搭載された基板等であってもよい。ただし、音伝搬通路113とは反対側の面にマイクロホン素子112が搭載されて貫通孔116aが設けられた回路基板116によれば、音伝搬通路113の内部からマイクロホン素子112を離した上で効果的に音を伝搬させることができる点は上述した通りである。
【0071】
また、上述の実施形態では、回路基板の一例として、音伝搬通路113の内側開口113gよりも大きな板状に形成された回路基板116が例示されている。しかしながら、回路基板は、これに限るものではなく、例えば音伝搬通路の内側開口よりも小さく、その一部のみを塞ぐものであってもよい。ただし、音伝搬通路113の内側開口113gよりも大きな板状に形成された回路基板116を採用することで、音伝搬通路113における内側開口113gを効果的に塞ぐことができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0072】
1 踏切
11 柱状物
12 踏切遮断機
12a 遮断桿
13 スピーカ
13a ホーン
13b 開口端縁
13c 一部分
14 踏切器具箱
100 音圧計測装置
110 音圧センサ
111 ケース
111a 取付けフランジ
111b,113b 底壁
111c 取付け円筒部
111c-1 取付け孔
111c-2,113f 中心軸
111d 空気通路
111d-1 液抜き通路
111e ねじ穴
112 マイクロホン素子
113 音伝搬通路
113a 音取込み開口
113c 蓋壁
113d 間隙
113e 開口部
113e-1 液抜き口
113g 内側開口
114 ベント膜
115 カバー部
116 回路基板
116a 貫通孔
116b コネクタ素子
117 ケーブルコネクタ
120 保持部
121 クランプ
121a 本体部
121a-1 外側腕部
121a-2 内側腕部
121b ボルト
121c 止めナット
121d 袋ナット
122 連結板
125 ねじ
126 Oリング
130 制御ユニット
140 中継ケーブル
141 締結部材
D11 鉛直方向
D12 周方向
W11,W12 幅
θ11 角度幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7