(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240814BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020187250
(22)【出願日】2020-11-10
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】那須 史尋
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】二口 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 未来
(72)【発明者】
【氏名】馬場 一人
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の利用者に駐車場を案内するサービスを支援する情報処理装置であって、
前記車両の目的地
の位置情報と、複数の駐車場の空き情報と、前記複数の駐車場ごとの車格別の駐車頻度情報と、前記利用者の前記車両の車格情報と、を取得することと、
前記取得した前記目的地
の位置情報と前記空き情報と前記駐車頻度情報と前記車格情報とを基に、前記複数の駐車場のうち
、前記目的地から所定距離内にあり、且つ前記利用者の前記車両の車格と同じ車格の駐車頻度が所定頻度以上である駐車場に空きがある場合に、前記目的地から前記所定距離内にあり、且つ前記利用者の前記車両の車格と同じ車格の駐車頻度が前記所定頻度以上である駐車場を駐車場の候補として特定し、前記目的地から前記所定距離内にあり、且つ前記利用者の前記車両の車格と同じ車格の駐車頻度が
前記所定頻度以上である駐車場が満車である場合に、車格
及び駐車頻度を除いた、前記目的地から前記所定距離内にあるという条件を満たす空きがある
駐車場を駐車場の候補
として特定することと、
前記駐車場の候補を前記車両の利用者に通知することと、
を実行する制御部を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の利用者に駐車場を案内するサービスを支援する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、目的地への到着予定時刻を用いて駐車場の予約を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、施設利用者の駐車場の利用傾向を利用して駐車場の案内を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、予約した駐車スペースまで車輌を誘導する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-150989号公報
【文献】国際公開第2018/179956号
【文献】特開平10-078331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両の利用者に、車両により適切な駐車場を案内する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る情報処理装置は、
車両の利用者に駐車場を案内するサービスを支援する情報処理装置であって、
前記車両の目的地情報と、複数の駐車場の空き情報と、前記複数の駐車場ごとの車格別の駐車頻度情報と、前記利用者の前記車両の車格情報と、を取得することと、
前記取得した前記目的地情報と前記空き情報と前記駐車頻度情報と前記車格情報とを基に、前記複数の駐車場のうち前記利用者の前記車両の車格と同じ車格の駐車頻度が所定頻度以上である駐車場が満車である場合に、車格以外の条件を満たす空きがある駐車場の候補を特定することと、
前記駐車場の候補を前記車両の利用者に通知することと、
を実行する制御部を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、車両の利用者に目的地においてより駐車がしやすい駐車場を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の管理サーバを用いた一実施形態の概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る管理サーバが行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
駐車場の案内サービスにおいては、サービスの利用者の目的地に応じて適切な駐車場を特定する必要がある。しかしながら、特定した駐車場が満車であるために利用できない場合は、利用者は手動で代替の駐車場を検索して見つける必要がある。そこで、本開示では、駐車場が満車である場合に、利用者の車両に適切な駐車場を案内することができるよう
にした。
【0009】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
<実施形態>
(システムの概略)
本実施形態では、情報処理装置の一例である管理サーバが、駐車場案内サービスの利用者の端末と通信を行い、利用者の端末から車両の目的地情報、車両の車格情報を取得する。管理サーバは、取得した車両の目的地情報を基に、車両が駐車可能な駐車場を特定する。管理サーバは、外部から駐車場の空き情報、当該駐車場の周辺にある他の駐車場に関する情報を取得し、特定した駐車場が満車であるか否かを判定する。また、管理サーバは、当該駐車場が満車である場合に、車両の車格情報および他の駐車場に関する情報を基に、当該車両が駐車可能な駐車場の候補を特定し、特定した駐車場の候補に関する情報を利用者の端末に送信する。これにより、利用者は、運転する車両を駐車するのに適切な駐車場の案内を受けることができる。
【0011】
図1は、管理サーバを用いた一実施形態の概略構成を示す図である。管理サーバ100は、ネットワークN1によって、駐車場案内サービスの利用者202が使用する端末201と、管理サーバ100の外部の駐車場に関する情報を管理する外部サーバ301とに相互に接続されている。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、又は携帯電話等の電話通信網を採用することができる。
【0012】
管理サーバ100は、一般的なコンピュータを含んで構成される。管理サーバ100を構成するコンピュータは、プロセッサ110と、主記憶部120と、補助記憶部130と、を備えている。プロセッサは、例えば、CPU、又はDSP等である。主記憶部120は、例えば、読み込み専用メモリ(ROM)、又はランダムアクセスメモリ(RAM)等である、補助記憶部13は、例えば、EPROM、ハードディスクドライブ(HDD)、リムーバブルメディア等である。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ又はSDカード等のフラッシュメモリでもよく、あるいは、CD-ROM、DVDディスク、又はブルーレイディスクのようなディスク記録媒体でもよい。
【0013】
管理サーバ100において、補助記憶部130には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、及び各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ100において、プロセッサ110が、補助記憶部130に記憶されたプログラムを主記憶部120にロードして実行することによって、後述するように、車両、車両の目的地、および駐車場に関連する情報を取得し、取得した情報に基づいて、目的地に適切な駐車場を特定することができる。そして、管理サーバ100は、特定した駐車場が満車である場合に、車両に適切な駐車場の候補を利用者202に通知することができる。なお、管理サーバ100における一部または全部の機能はASIC又はFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。また、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0014】
本実施形態では、管理サーバ100は、利用者202が運転する車両200の車両情報、目的地の位置情報、目的地に関連する専用駐車場および目的地周辺の駐車場の駐車場情報など、管理サーバ100が後述する処理を実行する際に使用する情報を取得して補助記憶部130に記憶する。
【0015】
車両情報としては、車両200の車格情報またはサイズ情報または車種情報またはブランド情報などが挙げられる。目的地の位置情報としては、GNSS(Global Navigation Satellite System)情報、地図情報などが挙げられる。駐車場情報としては、複数の駐車条それぞれについて、駐車場の位置情報、駐車場の空き情報、駐車場を利用する車両の車両情報を基にした車格別の駐車頻度を示す駐車頻度情報、駐車場の高さまたは車幅または車長などの制限情報、駐車場の利用料金情報、駐車場の駐車可能台数情報などが挙げられる。管理サーバ100が取得する情報の内容は、上記に限られず、適宜決定されてよい。また、管理サーバ100の情報の取得先となる外部サーバ301は、単一のサーバに限らず、複数のサーバが設けられてよい。
【0016】
(管理サーバの機能構成)
図2は、管理サーバ100の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ100は、取得部101、特定部102、通知部103を有する。取得部101は、上記の各種情報を取得する。特定部102は、取得部101が取得した情報に基づいて、利用者202の車両200が駐車可能な適切な駐車場を特定する。通知部103は、特定部102によって特定された駐車場を、端末201を介して利用者202に通知する。
【0017】
[処理内容]
図3は、本実施形態において管理サーバ100が行う処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、プロセッサ110(制御部)がプログラムを実行することにより実現されるが、記載の簡略化のためにプロセッサ110に関する記述を省略して、管理サーバ100が実行すると記載する。また、管理サーバ100が人間に対してある処理を行うように情報端末の出力部等を介して指示することを、説明の簡略化のために、管理サーバ100が当該処理を行わせると記載することもある。
【0018】
S101において、管理サーバ100は、ネットワークN1を経由して、利用者202の端末201から、車両200の車両情報および車両200の目的地の位置情報を取得する。また、S102において、管理サーバ100は、ネットワークN1を経由して、外部サーバ301から駐車場情報を取得する。なお、S101および/またはS102において、管理サーバ100は、ネットワークN1を経由することなく情報を取得してもよい。また、管理サーバ100のユーザによって情報が入力されてもよい。管理サーバ100は、取得した情報を補助記憶部130に記憶する。
【0019】
次に、S103において、管理サーバ100は、S101において取得した車両200の目的地の位置情報および車両200の車両情報と、S102において取得した駐車場情報とを基に、目的地に適切な駐車場を特定する。具体的には、管理サーバ100は、目的地の位置情報と、駐車場情報に含まれる駐車場の空き情報および駐車頻度情報と、車両情報に含まれる車両200の車格情報とを基に、車両200の車格と同じ車格の駐車頻度が所定頻度以上である駐車場を特定する。ここで、所定頻度は、例えば一定期間における車両台数などが挙げられるが、駐車頻度情報が示す駐車頻度の閾値として用いられるものであれば任意の頻度が所定頻度として採用されてよい。
【0020】
また、ここでは、目的地に関連する専用駐車場がある場合は、当該専用駐車場が優先的に目的地に適切な駐車場として特定されてよい。また、このような専用駐車場がない場合は、目的地から所定距離内にある駐車場が目的地に適切な駐車場として特定されてよい。なお、所定距離は、目的地が市街地であればより短い距離が、目的地が郊外であればより長い距離が用いられるなど、目的地の位置に応じて決定されてよい。なお、特定される駐車場は1つに限らず、例えば車両200の車格と同等の車格の車両の駐車頻度が高い順で
上位所定数の駐車場が特定されてよい。また、管理サーバ100は、上記の駐車頻度情報と目的地から駐車場までの距離情報と駐車場の制限情報と利用料金情報と駐車可能台数情報の少なくとも2種類以上の情報の重み付けにより算出されるスコアを基に駐車場の優劣を評価することで、駐車場を特定してもよい。
【0021】
次に、S104において、管理サーバ100は、S102において取得した駐車場情報を基に、S103において特定した駐車場が満車であるか否かを特定する。管理サーバ100は、特定した駐車場が満車である場合は(S104:YES)、処理をS105に進める。また、管理サーバ100は、特定した駐車場が満車でない場合は(S104:NO)、処理をS106に進める。なお、S103において、管理サーバ100は複数の駐車場を目的地に適切な駐車場として特定した場合は、S104では、管理サーバ100は、特定した複数の駐車場すべてが満車である場合に処理をS105に進め、特定した複数の駐車場のいずれかの駐車場が満車でない場合に処理をS106に進める。
【0022】
S105において、管理サーバ100は、S101において取得した車両200の目的地の位置情報および車両200の車両情報と、S102において取得した駐車場情報とを基に、車両200の駐車に適切な駐車場の候補を特定する。S105の処理の具体的な例としては、管理サーバ100が、車格を基にした駐車頻度の条件を除いて、車格以外の条件を満たす空きがある駐車場の候補、例えば目的地から所定距離内にある複数の空車の駐車場を、車両200の駐車に適切な駐車場の候補として特定する。S105における駐車場の検索条件は、車両200の車格情報を用いない条件である点で、S103における駐車場の検索条件よりも緩やかな条件であるといえる。S105において検索条件に用いられる車格以外の条件は、管理サーバ100が取得する情報を基に適宜決定されてよい。
【0023】
S106において、管理サーバ100は、処理をS104からS106に進めた場合は、S103において特定した駐車場を案内する情報を端末201に送信することで、当該駐車場を利用者202に通知する。また、管理サーバ100は、処理をS105からS106に進めた場合は、S105において特定した候補である駐車場を案内する情報を端末201に送信することで、候補として特定した駐車場を利用者202に通知する。これにより、利用者202は、車両200で目的地に移動する場合に、目的地周辺の駐車場のうち車両200の駐車により適切な駐車場の案内を受けることができる。
【0024】
[本実施形態の有利な効果]
本実施形態によれば、車両の利用者に対して、車両の大きさ(車格)を基に特定した駐車場が満車である場合でも、車両を駐車しやすい駐車場を特定して案内することができる。
【0025】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0026】
上記の実施形態では、管理サーバ100は、利用者202の端末201を介して駐車場を利用者202に通知するが、代わりにあるいはこれに加えて、管理サーバ100が車両200の車載装置を介して駐車場を利用者202に案内してもよい。
【0027】
また、上記の実施形態において、管理サーバ100は、S101~S106の処理を実行して利用者202に駐車場を通知した後に、S102の処理によって通知した駐車場の駐車場情報を再度取得し、S104~S106の処理を実行してもよい。これにより、利用者202が車両200で目的地へ移動中に一度通知された駐車場が満車となった場合に
、管理サーバ200は、車両200の駐車に適した別の駐車場を案内することができる。
【0028】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0029】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)等の任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0030】
100・・・管理サーバ
200・・・車両
201・・・端末
202・・・利用者