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特許7538007接触解析システム、接触解析方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】接触解析システム、接触解析方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240814BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240814BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/10
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020190213
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079187
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】村上 義明
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-099722(JP,A)
【文献】特開2015-184791(JP,A)
【文献】特開2018-013514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 20/10
G16Y 20/40
G16Y 40/10
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと対象物との接触を解析する接触解析システムであって、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得部と、
前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶する対象物位置情報記憶部と、
前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザの前記対象物への接近を判定する接近判定部と、
前記接近判定部により、前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定部と
を備え
前記接近判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接触判定部は、前記接近判定部による判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とする接触解析システム。
【請求項2】
請求項1記載の接触解析システムにおいて、
前記接近判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近の種別を判定する接近種別判定を行い、
前記接触判定部は、前記接近判定部による接近種別判定結果に応じて、前記接触判定閾値を変更することを特徴とする接触解析システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の接触解析システムにおいて、
前記ユーザ位置情報取得部は、前記ユーザ端末がアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報であるユーザスキャン情報をユーザ位置情報として取得し、
前記対象物位置情報記憶部は、前記対象物の設置位置でアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報である対象物スキャン情報を対象物位置情報として記憶し、
前記接触判定部は、前記ユーザスキャン情報が前記対象物の設置位置の一定範囲内における前記対象物スキャン情報と一致する場合に、前記ユーザが前記対象物に接触したと判定することを特徴とする接触解析システム。
【請求項4】
請求項3記載の接触解析システムにおいて、
前記接触判定部は、前記ユーザスキャン情報と前記対象物の設置位置の一定範囲内における該対象物スキャン情報との一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合に、該ユーザスキャン情報が該対象物スキャン情報と一致すると判定することを特徴とする接触解析システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の接触解析システムにおいて、
前記ユーザ位置情報取得部は、前記ユーザ位置情報として、前記ユーザが携帯するユーザ端末のGPS情報であるユーザGPS情報を取得し、
前記対象物位置情報記憶部は、前記対象物位置情報として、前記対象物の設置位置におけるGPS情報である対象物GPS情報を記憶保持し、
前記接近判定部は、前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザGPS情報と、
前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物GPS情報とから、前記ユーザの前記対象物への接近を判定することを特徴とする接触解析システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の接触解析システムにおいて、
前記対象物が広告媒体であることを特徴とする接触解析システム。
【請求項7】
ユーザと対象物との接触を解析する接触解析方法であって
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得工程と、
前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近を判定する接近判定工程と、
前記接近判定工程により前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物位置情報記憶部に記憶された前記対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定工程と
を実行する接触解析方法であって、
前記接近判定工程は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接触判定工程は、前記接近判定工程による判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とする接触解析方法。
【請求項8】
ユーザと対象物との接触を解析するプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得させ、
取得したユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近を判定させ、
前記接近判定により前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、取得したユーザ位置情報から、前記対象物位置情報記憶部に記憶された前記対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定させるプログラムであって、
前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接近の判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の接触解析システムは、ユーザと対象物との接触を解析するシステムである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の接触解析システムとしては、下記特許文献1に示すように、広告に接する領域を示す広告情報を取得し、ユーザが所在した施設を示す所在情報を取得し、ユーザの座標を示す位置情報を取得し、ユーザが所在した2つの施設の間の移動経路を特定し、該移動経路の少なくとも一部が広告に接する領域に含まれる場合にユーザは広告に接したと判定する情報処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6591571
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の情報処理装置によれば、座標を示す位置情報は、ユーザが所持する端末を介して、GPS(Global Positioning System)、ビーコン、携帯キャリア空間情報又はWiFi接続履歴などを用いて自身の座標を特定し、位置情報が生成される(特許文献1段落[0068])。
【0005】
しかしながら、GPSなどを用いてユーザ自身の座標を特定する限りは、座標の精度に左右されて、ユーザが広告に接したか正確な判定できないという問題がある。
【0006】
そのため、ユーザが実際にはその移動経路から外れていた場合や移動経路が経路をわずかに重なる場合でも、ユーザは広告に接したと判定されてしまう虞がある。
【0007】
ここで、座標の精度を向上させることも考えられるが、ユーザが所持する端末や広告周辺の設備が大掛かりなものとなり現実的ではない。
【0008】
以上の事情に鑑みて、本発明は、確実かつ簡易に対象物との接触を判定することができる接触解析システム、接触解析方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の接触解析システムは、ユーザと対象物との接触を解析する接触解析システムであって、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得部と、
前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶する対象物位置情報記憶部と、
前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザの前記対象物への接近を判定する接近判定部と、
前記接近判定部により、前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定部と
を備え
前記接近判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接触判定部は、前記接近判定部による判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とする
【0010】
第1発明の接触解析システムによれば、ユーザ位置情報と対象物位置情報とから、まず、接近判定によりユーザが対象物へ接近しているか大まかな移動状況を把握し、次に、ユーザが対象物へ接近していると判定された場合に、接触判定によりユーザと対象物との接触を精細に判定する。
【0011】
これにより、簡易な接近判定により接触判定対象を絞ったうえで、絞られた接触判定対象に対しては精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0012】
このように第1発明の接触解析システムによれば、簡易かつ確実に対象物との接触を判定することができる。
【0014】
また、発明の接触解析システムによれば、ユーザの対象物への接近の仕方は様々であるところ、接近の仕方はユーザの対象物への移動速度、すなわち、ユーザの速さと向きとのいずれか一方または両方により接近判定を行い、該接近判定の結果に応じて、ユーザと対象物との接触判定を実行する。
【0015】
これより、接近の仕方という実態に合わせて接近判定を行い、その判定結果に応じて接近判定の閾値を変更することで、より精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0016】
このように、第発明の接触解析システムによれば、簡易かつより確実に対象物との接触を判定することができる。
【0017】
発明の接触解析システムは、第発明において、
前記接近判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近の種別を判定する接近種別判定を行い、
前記接触判定部は、前記接近判定部による接近種別判定結果に応じて、前記接触判定閾値を変更することを特徴とする。
【0018】
発明の接触解析システムによれば、予め、ユーザの対象物への移動速度に応じた接近の仕方を類型化しておき、その種別に応じて接近判定を行うことで、簡易に接近判定を実行することができると共に、その接近判定種別結果に応じて、接触判定の閾値を変更することでより簡易かつ精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0019】
このように、第発明の接触解析システムによれば、より簡易かつ確実に対象物との接触を判定することができる。
【0020】
発明の接触解析システムは、第1または第2発明のいずれかにおいて、
前記ユーザ位置情報取得部は、前記ユーザ端末がアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報であるユーザスキャン情報をユーザ位置情報として取得し、
前記対象物位置情報記憶部は、前記対象物の設置位置でアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報である対象物スキャン情報を対象物位置情報として記憶し、
前記接触判定部は、前記ユーザスキャン情報が前記対象物の設置位置の一定範囲内における前記対象物スキャン情報と一致する場合に、前記ユーザが前記対象物に接触したと判定することを特徴とする。
【0021】
発明の接触解析システムによれば、ユーザ位置情報として、アクセス可能な近距離通信機器を検出したユーザスキャン情報を取得する。そして、取得したユーザ位置情報を、対象物位置情報記憶部に記憶された、対象物の設置位置でアクセス可能な近距離通信機器を検出した対象物スキャン情報を含む対象物位置情報を参照して、ユーザが前記対象物に接触したか否かを判定する。
【0022】
そして、ユーザスキャン情報が、設置位置の一定範囲内における対象物スキャン情報と一致する場合に、ユーザが前記対象物に接触したと判定することで、設置位置の一定範囲内にユーザが入った場合に接触したと判定することができる。そのため、実態に即した接触判定が可能となる。
【0023】
そのため、アクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報に基づいて接触判定を行うことで、ユーザが対象物に接触したか否かを精度よく判定することができる。さらに、スキャン情報を用いることで、GPSでは測位できない地下や建物内でも位置を特定することが可能となる。
【0024】
また、かかるスキャン情報は、すでに対象物の周囲に存在する近距離通信機器を利用することができるため、ユーザ端末や対象物周辺の設備が大掛かりなものとなることはない。
【0025】
このように、第発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触を実体に即して判定することができる。
【0026】
発明の接触解析システムは、第発明において、
前記接触判定部は、前記ユーザスキャン情報と前記対象物の設置位置の一定範囲内における該対象物スキャン情報との一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合に、該ユーザスキャン情報が該対象物スキャン情報と一致すると判定することを特徴とする。
【0027】
発明の接触解析システムによれば、スキャン情報は、アクセス可能な近距離通信機器との間の電波の状況が微妙に変化することがあるところ、一致の度合いを示す尤度を用いて、尤度が閾値の範囲内である場合に、ユーザスキャン情報が対象物スキャン情報と一致すると判定することで、より実態に即した接触判定が可能となる。
【0028】
このように、第発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物およびその一定範囲での接触をより実態に即して判定することができる。
【0029】
発明の接触解析システムは、第1~第発明のいずれかにおいて、
前記ユーザ位置情報取得部は、前記ユーザ位置情報として、前記ユーザが携帯するユーザ端末のGPS情報であるユーザGPS情報を取得し、
前記対象物位置情報記憶部は、前記対象物位置情報として、前記対象物の設置位置におけるGPS情報である対象物GPS情報を記憶保持し、
前記接近判定部は、前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザGPS情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物GPS情報とから、前記ユーザの前記対象物への接近を判定することを特徴とする。
【0030】
発明の接触解析システムによれば、ユーザ位置情報取得部がユーザ位置情報としてユーザGPS情報を取得すると共に、対象物位置情報記憶部に対象物GPS情報を記憶しておくことで、接近判定部は、GPS情報を用いて接近判定を行うことができる。
【0031】
これにより、例えば、屋外において取得したGPS情報によるユーザの大まかな移動状況からユーザと対象物との接近を一次的に把握して、精細な接触判定を行うか否かを決定することができる。
【0032】
このように、第発明の接触解析システムによれば、実際に簡易かつ確実に対象物との接触を判定することができる。
【0033】
発明の接触解析システムは、第1~第発明のいずれかにおいて、
前記対象物が広告媒体であることを特徴とする。
【0034】
発明の接触解析システムによれば、対象物が広告媒体である場合に、アンケート調査などを不要として、広告媒体とユーザとの接触判定を確実かつ簡易に行うことができ、好適である。
【0035】
このように、第発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に広告媒体との接触を判定することができる。
【0036】
発明の接触解析方法は、ユーザと対象物との接触を解析する接触解析方法であって
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得工程と、
前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近を判定する接近判定工程と、
前記接近判定工程により前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物位置情報記憶部に記憶された前記対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定工程と
を実行する接触解析方法であって、
前記接近判定工程は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接触判定工程は、前記接近判定工程による判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とする
【0037】
発明の接触解析方法によれば、ユーザ位置情報と対象物位置情報とから、まず、接近判定工程によりユーザが対象物へ接近しているか大まかな移動状況を把握し、次に、ユーザが対象物へ接近していると判定された場合に、接触判定工程によりユーザと対象物との接触を精細に判定する。
【0038】
これにより、簡易な接近判定により接触判定対象を絞ったうえで、絞られた接触判定対象に対しては精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0039】
このように、第発明の接触解析方法によれば、簡易かつ確実に対象物との接触を判定することができる。
【0040】
発明のプログラムは、ユーザと対象物との接触を解析するプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得させ、
取得したユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近を判定させ、
前記接近判定により前記ユーザが前記対象物に接近していると判定される場合に、取得したユーザ位置情報から、前記対象物位置情報記憶部に記憶された前記対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定させるプログラムであって、
前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接近を判定し、
前記接近の判定結果に応じて、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定閾値を変更することを特徴とする。
【0041】
発明のプログラムによれば、ユーザ位置情報と対象物位置情報とから、まず、接近判定によりユーザが対象物へ接近しているか大まかな移動状況を把握し、次に、ユーザが対象物へ接近していると判定された場合に、接触判定によりユーザと対象物との接触を精細に判定する。
【0042】
これにより、簡易な接近判定により接触判定対象を絞ったうえで、絞られた接触判定対象に対しては精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0043】
このように、第発明のプログラムによれば、簡易かつ確実に対象物との接触を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本実施形態の接触解析システムの概要を示すシステム構成図。
図2図1の接触解析システムにおける処理内容を示すフローチャート。
図3図1の接触解析システムにおける処理内容を示す説明図。
図4図1の接触解析システムにおける処理内容を示す説明図。
図5図1の接触解析システムにおける処理内容の変更例を示す説明図。
図6図1の接触解析システムにおける処理内容の変更例を示す説明図。
図7図1の接触解析システムにおける処理内容の変更例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に示すように、本実施形態の接触解析システム1は、主にメインサーバ100から構成され、ユーザ2と対象物3との接触をユーザ端末200と対象物管理サーバ300(図2参照)を介して解析するシステムである。なおメインサーバ100とユーザ端末200と対象物管理サーバ300とはインターネットなどのネットワークNWを介してデータ通信可能に構成されている。
【0046】
ここでユーザ2は、例えば、ユーザ2が携帯するスマートフォンやタブレットなどのユーザ端末200にダウンロードされたアプリケーションを介して、ユーザ200の位置情報(後述するユーザスキャン情報、ユーザGPS情報など)をネットワークNW経由でメインサーバ100へ提供を許諾した者である。
【0047】
また、対象物3は、例えば、広告媒体(屋外広告や屋内広告であって紙媒体のような固定表示物のほかデジタルサイネージのような変更表示物のいずれであってもよい)、コンテンツ等が表示されるスクリーンや壁面、店舗、店舗内の特定商品(特定商品のコーナーを含む)等の対象物であって、主として、固定設置された固定対象物であるが、対象物自体が移動する移動対象物であってもよい。
【0048】
なお、対象物3は、図面上1つの対象物のみを表しているが、ユーザ2と同様に、実際には、異なる対象物3が複数の存在している。
【0049】
対象物管理サーバ300は、管理対象とする複数の対象物3に関連する情報を収取・管理・更新するサーバであって、例えば、対象物3が広告媒体である場合には、その位置情報である対象物位置情報(対象物スキャン情報・対象物GPS情報)のほか、その対象物3の内容(例えば、デジタルサイネージであればディスプレイにおける表示内容)およびその表示時間(広告掲載期間)を収集・管理・更新する。
【0050】
なお、対象物管理サーバ300をメインサーバ100内(後述する対象物位置情報記憶日110)に構成して、対象物管理サーバ300を省略してもよい。
【0051】
メインサーバ100は、対象物位置情報記憶部110と、ユーザ情報記憶部120と、判定結果記憶部130と、ユーザ位置情報取得部140と、接近判定部150と、接触判定部160と、指標算出部180と、属性特定部190とを備える。
【0052】
対象物位置情報記憶部110は、例えば、広告媒体のような接触判定の対象となる対象物3の位置情報を記憶するデータベースである。
【0053】
対象物3の位置情報としては、その対象物3の設置位置およびその一定範囲内(対象物3が広告媒体の場合にはこれを視認できる、概ね対象物3を中心に、屋外であれば概ね半径20~50m、屋内であれば概ね半径10~15mの範囲。図1では仮想円X上の空間)のGPS情報(緯度経度情報)のほか、この一定範囲内においてアクセス可能な近距離通信機器を検出した対象物スキャン情報が含まれる。
【0054】
なお、対象物が広告媒体でこれを視認できる接触判定領域は、対象物3から一定範囲内とする代わりに、仮想判定境界領域(ジオフェンス)を設定してもよい。仮想判定境界領域(ジオフェンス)の詳細は後述する。
【0055】
ここで、近距離通信機器としては、無線LANであるWiFiに対応した機器のほか、Bluetooth、Beacon、IrDA、ZigBeeなど近距離無線通信の一部または全部に対応した機器であってよい。対象物スキャン情報は、その計測位置でアクセス可能な近距離通信機器の一覧と各機器の電波強度である。
【0056】
なお、補足説明すると、スキャン情報は、正確には、WiFiでいうなら各WiFiルーターのSSID(Service Set Identifier)、BSSID(Basic Service Set Identifier)、RSSI(Received Signal Strength Indicastor)、緯度経度である。
【0057】
ユーザ情報記憶部120は、主として、ユーザの基本属性を記憶するデータベースであって、例えば、性別、生年月日および居住地の一部または全部のほか、ユーザ端末の固有IDであるADIDなども記憶される。
【0058】
なお、対象物3の位置情報はその情報の鮮度が明確となるように更新日時が位置情報に併せて記録される。また、その対象物3の内容(例えば、デジタルサイネージであればディスプレイにおける表示内容)も時間に紐づけされて対象物位置情報記憶部110に記憶されてもよく、対象物3の内容については、対象物位置情報記憶部110に記憶することなく、必要に応じて対象物管理サーバ300を参照するようにしてもよい。
【0059】
判定結果記憶部130は、接近判定部150によるユーザ2と対象物3との接近判定の結果および接触判定部160によるユーザ2と対象物3との接触判定の結果を記憶するデータベースである。
【0060】
ユーザ位置情報取得部140は、ユーザ2のGPS情報(緯度経度)と、ユーザ2が携帯するユーザ端末200がアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報であるユーザスキャン情報とのいずれか一方または両方をユーザ位置情報として取得する。
【0061】
ここで、ユーザ位置情報は、計測のタイミングの時間に紐づけされた(タイムスタンプが付された)位置情報となっている。
【0062】
接近判定部150は、ユーザ位置情報取得部140により取得したユーザ位置情報と、対象物位置情報記憶部110に記憶された対象物位置情報とから、ユーザ2が対象物3に接近しているか否かを判定する。
【0063】
接触判定部160は、ユーザ位置情報取得部140により取得したユーザ位置情報と、対象物位置情報記憶部110に記憶された対象物位置情報とから、ユーザ2が対象物3に接触したか否かを判定する。
【0064】
なお、接近判定部150および接触判定部160による接近判定処理および接触判定処理の詳細については後述する。
【0065】
指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された複数の判定結果に基づいて、対象物3に対する基本指標のほか拡張指標を算出する。
【0066】
例えば、指標算出部180は、基本指標として、複数のユーザ2と特定の対象物3との接触の判定結果に基づいて、その特定の対象物3との接触に関する接触人数、接触回数および平均接触時間の一部または全部を算出する。
【0067】
また、指標算出部180は、第1の拡張指標として、複数のユーザ2をサンプルとして、推計ロジックにより該複数のユーザ2を所望母集団に拡張した場合の日別平均接触率、リーチ、フリークエンシー、GRPおよびこれらの推計人数の一部または全部を算出する。
【0068】
さらに、指標算出部180は、第2の拡張指標として、複数のユーザ2をサンプルとして、他の指標データとのデータ融合により、該他の指標データの指標項目を生成し該指標項目の指標を算出する。
【0069】
属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触判定を行ったユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定する。
【0070】
例えば、属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触した(接触しなかった)ユーザ2の基本属性として、ユーザの性別、生年月日および居住地の一部または全部を特定する。
【0071】
なお、基本属性は、これらに限定されるものではなく、これらに代えてまたは加えて、事前にアンケートなどで収集したこれら以外の属性(例えば、年収、職業、家族構成等)ほか、人口統計学的変数、消費行動変数、心理的変数、メディア(コンテンツや広告)接触変数で区分される属性の一部または全部であってもよい。
【0072】
また、属性特定部190は、第1の拡張属性として、ユーザ2の基本属性と(予めデータ取得済みの)他の属性データとのデータ融合により、他の属性データが有する分析項目を生成し該分析項目の属性を付与する。
【0073】
さらに、属性特定部190は、第2の拡張属性として、ユーザの移動履歴から該移動履歴に関連する属性項目を生成し該属性項目の属性を付与する。
【0074】
なお、指標算出部180による指標算出処理および属性特定部190による属性特定処理の詳細については、後述する。
【0075】
以上が本実施形態の接触解析システム1の構成である。なお、以上の構成において、メインサーバ100(本発明のコンピュータに相当する)の各処理部110~190は、それぞれ例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアにより構成され、後述する各種処理を実行するプログラムをメモリ(不図示)に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、各種処理を実行するための演算装置(シーケンサ)として機能する。
【0076】
また、メインサーバ100を構成する各処理部110~190の一部または全部は、他のサーバ(外部サーバ)により構成し、分散処理により当該接触解析システム1を実現してもよい。
【0077】
次に、図2を参照して、以上のように構成された接触解析システム1の処理内容について説明する。
【0078】
前提として、対象物位置情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報は、予め収集・辞書化されると共に、随時更新される。
【0079】
特に、地下や屋内空間、店舗などでは、対象物GPS情報が取得できないか、取得できてもユーザGPS情報が取得できず、接触判定が不可能であるところ、対象物スキャン情報を利用した接触判定が有効であるが、スキャン情報であるWiFiなどの近距離通信機器はその新設・除去により変化するほか、遮蔽物の設置や除去によっても電波強度が変化し得る。そのため、特に、対象物スキャン情報については、定期・不定期で更新される。
【0080】
まず、対象物位置情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報の更新処理について、説明する。
【0081】
対象物管理サーバ300は、例えば、一定の周期で(月に1度または週に一度)、対象物位置情報(特に対象物スキャン情報)を再取得し、当該対象物管理サーバ300が管理する対象物位置情報を更新する(図2/SPEP310)。
【0082】
ここで、対象物位置情報の更新は、その位置情報と一体に更新日時を付与する形で行うことが望ましい。これにより、位置情報の情報鮮度を後述する接触判定に組み合わせることが可能となる。
【0083】
また、対象物管理サーバ300は、対象物の内容等の情報を定期的に取得し、当該対象物管理サーバ300が管理する対象物情報を更新する(図2/STEP311)。
【0084】
ここで、対象物情報の更新は、その内容等の情報と一体に更新日時を付与する形で行うことが望ましい。これにより、内容等の情報の情報鮮度を後述する接触判定に組み合わせることが可能となる。
【0085】
そして、対象物管理サーバ300は、定期的にまたは少なくとも対象物位置情報の更新があった場合に、更新された対象物位置情報(必要に応じて対象物情報)をネットワークNWを介してメインサーバ100に送信する(図2/STEP312)。
【0086】
更新情報を受信したメインサーバ100は、対象物位置情報記憶部110に記憶される対象物位置情報(対象物の内容など対象物情報も記憶する場合には対象物情報)を更新する(図2/STEP110)。例えば、更新された対象物位置情報(更新日時が一定に付与された対象物スキャン情報など)を対象物位置情報記憶部110に上書きして格納する。
【0087】
以上が、対象物位置情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報の更新処理である。
【0088】
次に、ユーザ2と対象物3との接近判定処理および接触判定処理について説明する。
【0089】
まず、ユーザ2は、ユーザ端末200を携帯した状態で、通勤、通学、ショッピングなどに出かけると、ユーザ端末200に前もってダウンロードされたアプリケーションを介して、ユーザ200の位置情報であるユーザ位置情報がユーザ端末200に記録される
図2/SEP240)。
【0090】
ここでユーザ位置情報は、GPS測位データ(ユーザGPS情報)およびスキャン情報(例えば、一定の周期でユーザ端末200を介して計測したアクセス可能なWiFi機器の一覧および各電波強度であるスキャンデータであるユーザスキャン情報)であって、これらのデータには、タイムスタンプが付与されている。
【0091】
そして、ユーザ端末200は、記録されたユーザ位置情報をネットワークNWを介してメインサーバ100に送信する(図2/STEP241)。ユーザ位置情報の送信は、当該アプリケーションでの処理により、所定の周期または一定のデータ量の蓄積毎に実行される。
【0092】
なお、ユーザ位置情報の送信は、リアルタイムに近い所定の周期(例えば、ミリ秒周期やマクロ秒周期)で行うことにより、後述する接近判定処理および接触判定処理をリアルタイムに実行してもよく、蓄積されたユーザ位置情報を一定量蓄積(蓄積圧縮)して(例えば、キロ秒周期で)送信する場合には、事後的に接近判定処理および接触判定処理を実行してもよい。
【0093】
ユーザ位置情報を受信したメインサーバ100は、対象物位置情報取得部140が取得し(図2/STEP140、本発明のユーザ位置情報取得工程に相当する)、取得したユーザ位置情報に基づいて、接近判定部150が接近判定処理(図2/STEP150、本発明の接近判定工程に相当する)を行うと共に、接触判定部160が接触判定処理を行う(図2/STEP160、本発明の接触判定工程に相当する)。
【0094】
ここで、接近判定部150は、取得したユーザ位置情報と対象物位置情報記憶部110に記憶された対象物位置情報から、そのユーザ2が対象物3に接近するか否かを判定する。
【0095】
例えば、これらの位置情報であるGPS情報から、図3に示すよう、ユーザ2が対象物3の一定範囲(例えば、100m)である接近判定領域A(仮想円A内の空間)に入った場合には、ユーザ2が対象物3に接近していると判定する。
【0096】
そして、接触判定部160が、接近していると判定されたユーザ2を判定対象として、かかるユーザ2が対象物3に接触したか否かを判定する。
【0097】
例えば、(I)図3に示す第1の手法では、ユーザ2および対象物3の位置情報であるGPS情報から、ユーザ2が対象物3の一定範囲(例えば、30m~40m)内である接触判定領域X(仮想円X上の空間)に入った場合に、接触判定部160はユーザ2が対象物3に接触したと判定する。
【0098】
なお、接触判定部160は、(I)対象物3から一定範囲内を接触判定領域Xとする代わりに、(II)仮想判定境界領域(ジオフェンス)Gを設定し、仮想判定境界境域Gにより接触判定を行ってもよい。
【0099】
例えば、図4に示すように、対象物3が広告媒体である屋外広告物(例えば、屋上広告や壁面広告)である場合に、その広告の設置の仕方(例えば、広告の向きや高さ)により、複数の点(例えば、図中の1~9点)を結んだ仮想判定境界境域Gを設定し、ユーザ2および対象物3の位置情報であるGPS情報から、ユーザ2が仮想判定境界境域Gに入った場合に、接触判定部160はユーザ2が対象物3に接触したと判定してもよい。
【0100】
さらに、接触判定部160は、(I)対象物3から一定範囲内の接触判定領域Xや(II)仮想判定境界境域Gの代わりに、(III)スキャン情報により接触判定を行ってもよい。
【0101】
例えば、図1において、ユーザ2が対象物3の一定範囲内である接触判定領域X(仮想円X上の空間)に入った場合は、(1)STEP140で取得したユーザ位置情報には、接触判定領域Xにおいて測定されたユーザスキャン情報が含まれる。
【0102】
一方、(2)対象物位置情報記憶部110には、対象物3およびの一定範囲内である接触判定領域Xにおいて複数計測された対象物スキャン情報が記憶されている。
【0103】
接触判定部160は、(1)のユーザスキャン情報が(2)の対象物スキャン情報と一致するものがある場合に、当該ユーザ2は当該対象物3と接触したと判定する。
【0104】
ここで、一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合に、(1)のユーザスキャン情報が(2)の対象物スキャン情報と一致すると判定してもよい。スキャン情報は、アクセス可能なWiFi機器との間の電波の状況が微妙に変化することがあるところ、一致の度合いを示す尤度を用いて、尤度が閾値の範囲内である場合に、ユーザスキャン情報が対象物スキャン情報と一致すると判定することで、より実態に即した接触判定が可能となる。
【0105】
ここで、一致の度合いを示す尤度の閾値は変更可能であるため、閾値を厳しくすると、接触判定の正確性が向上し、接触者数は減少する。そのため、閾値を厳しくした場合には、実質的に、対象物3の一定範囲内である接触判定領域を仮想円Xからか仮想円Yに変更し、仮想円Y上の空間に基づいて接触判定を行ったのと同様の効果を得ることができる。
【0106】
一方、閾値を緩くすると、接触判定の正確性は低下し、接触者数は増加する。そのため、閾値を緩くした場合には、実質的に、対象物3の一定範囲内である接触判定領域を仮想円Xからか仮想円Zに変更し、仮想円Z上の空間に基づいて接触判定を行ったのと同様の効果を得ることができる。
【0107】
このように、一致の度合いを示す尤度の閾値を変更することで、改めて計測を行って対象物スキャン情報を取得し直すことなく、対象物3の一定範囲内である接触判定領域Xを実質的に変更することができる。
【0108】
なお、一致の度合いを示す尤度の算出は、例えば、スキャン情報のアクセス可能な近距離通信機器を電波強度の強いグループと電波強度の弱いグループに分け、電波強度の強いグループには尤度を相対的に高く、電波強度の弱いグループには尤度を相対的に低く設定し、これらの積算値を一致の度合いを示す尤度とするなど種々の方法が採用され得るが、推定統計学的手法(統計分布)により一致の度合いを示す尤度を算出してもよい。
【0109】
以上の各手法((I)~(III))による接触判定処理において、接触判定部160は、接触判定と併せて、対象物3の接触判定領域(仮想判定境界領域を含む)の滞在時間である接触時間量を算出する。
【0110】
なお、接触時間量は、主として、接触判定領域に滞在し続けた時間であるが、一定の時間の間に接触判定領域に出入りした場合(出入りを繰り返した場合そ含む)も、その間の時間を接触時間量としてもよい。
【0111】
さらに、接触判定部160は、接触判定処理および接触時間量の算出処理において、対象物3の設置期間(対象物が広告媒体の場合には広告掲載期間)を考慮してもよい。
【0112】
具体的には、接触判定部160は、接触判定において、上述のようにユーザ位置情報および対象物位置情報に基づいて接触すると判定された場合に、さらに、ユーザ位置情報付与されたタイムスタンプで特定される接触時刻が、対象物管理サーバ300で管理される対象物3の設置期間(広告掲載期間)と重複する場合には接触すると最終判定する、一方、対象物3の設置期間(広告掲載期間)と重複しない場合には接触しないと最終判定するようにしてもよい。
【0113】
加えて、接触判定部160は、その接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)と対象物3の設置期間(広告掲載期間)とから接触時間量を算出してもよい。すなわち、接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)のすべてが、対象物3の設置期間(広告掲載期間)である場合には、接触時間を接触時間量とする一方、接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)の途中で、対象物3の設置期間(広告掲載期間)が終了した場合には、接触開始時刻から設置期間(広告掲載期間)が終了するまでの時間を接触時間量とするようにしてもよい。
【0114】
また、接触判定部160は、対象物3の内容(デジタルサイネージであればディスプレイにおける表示内容)毎に、接触判定処理や接触時間量の算出処理を行ってもよい。
【0115】
以上が、接近判定部150が行う接近判定処理および接触判定部160が行う接触判定処理の詳細であり、かかる判定結果(接近の有無、接触の有無および接触の場合はその接触時間量)は、判定結果記憶部130に記憶される(図2/STEP170)。
【0116】
次に、指標算出部180による指標算出処理(図2/STEP180)について説明する。なお、指標算出処理は、図2のフローチャート上に記載しているが、任意のタイミングで実行される。
【0117】
指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された対象物3への接触判定結果に基づいて、基本指標および拡張指標を算出する。
【0118】
具体的に、指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された判定結果から特定の対象物3の判定結果のみを抽出し、その特定の対象物3について、基本指標として、指定した期間における接触人数、接触回数および平均接触時間量の一部または全部を算出する。
【0119】
加えて、特定の対象物3を組みわせたセット対象物についても、基本指標として、指定した期間における接触人数、接触回数および平均接触時間量の一部または全部を算出することもできる。
【0120】
これにより、対象物3を変えて、複数の対象物3のそれぞれについて、全期間または任意の期間における基本指標(接触人数、接触回数および平均接触時間量)を算出することができる。
【0121】
さらに、指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された判定対象となったユーザをサンプルとして、推計ロジックにより該サンプルを例えば一都三県の居住者全体に拡張した拡張基本指標を算出する。
【0122】
推計ロジックは、種々の手法が採用されるが、例えば、ユーザが一都三県の居住者の縮図となるように、後述するユーザの属性に基づく各種係数を基本指数にかけることで各対象物3について拡張基本指標を算出する。
【0123】
そして、かかる拡張基本指標を用いて、第1の拡張指標として、各対象物3について一都三県居住者全体での日別平均接触率(居住者全体に対して接触した人数の割合)、リーチ、フリークエンシー、GRPおよびこれらの推計人数の一部または全部を算出する。
【0124】
ここで、サンプルであるユーザは、各々個別のID等により把握されるため、これを拡大した拡張基本指標でも各対象物3への接触の実人数としてのリーチを算出することができると共にユーザの各対象物3への接触回数であるフリークエンシーを算出することができる。そして、これらリーチおよびフリークエンシーを掛け合わせることで、GRPも算出することができる。さらに、これらの推計人数も算出することができる。
【0125】
さらに、指標算出部180は、第2の拡張指標として、判定結果記憶部130に記憶された判定対象となったユーザをサンプルとして、他の指標データとのデータ融合により、該他の指標データの指標項目を生成し該指標項目の指標を算出する。
【0126】
例えば、別の広告媒体に対する視認者数(率)がアンケート調査等により他の指標データとして既に得られている場合に、かかる他の指標データの平均値を係数として利用することで、別の広告媒体の指標項目である視認者数(率)の指標を算出することができる。
【0127】
以上が、指標算出部180による指標算出処理(図2/STEP160)の詳細である。
【0128】
なお、本実施形態では、指標算出部180が、判定結果記憶部130に記憶された対象物3への接触判定結果に基づいて基本指標および拡張指標を算出したが、対象物3への接近判定結果に基づいて、(対象物3へは接触していないものの接触の可能性があった予備軍として)その基本指標および拡張指標を算出してもよい。
【0129】
次に、属性特定部190による属性特定処理(図2/STEP170)について説明する。なお、属性特定処理は、図2のフローチャート上に記載しているが、任意のタイミングで実行される。
【0130】
属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触判定を行ったユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定する。
【0131】
具体的に、属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、ユーザ2の基本属性(サンプルプロフィール)として、ユーザの性別、生年月日および居住地の一部または全部を特定する。
【0132】
さらに、属性特定部190は、第1の拡張属性として、当該基本属性と(予めデータ取得済みの)他の属性データとのデータ融合により、他の属性データが有する分析項目を生成し該分析項目の属性を付与する。
【0133】
例えば、詳細デモグラフィックデータや他のメディアとの接触・意識データなど、既に詳細に分類され項目分けされた他の属性データと基本属性とのデータ統合により、他の属性データの項目を生成して該項目に該当する属性を付与することができる。
【0134】
なお、ここでのデータ統合は、種々の手法が採用され得るが、例えば、推計モデルを用いて、他の属性データの項目を生成する方法や、データの共通項目の類似度に基づいてデータを統合した場合に当該項目に該当し得るかと判定することにより実行することができる。
【0135】
また、属性特定部190は、第2の拡張属性として、ユーザ2の位置情報から移動履歴を作成し、かかる移動履歴に基づく属性項目を生成し該属性項目の属性を付与する。
【0136】
具体的には、移動履歴から、平日に保育園への送迎を行っている場合には、子育て世代との属性を生成して付与することができる。さらに、基本属性と組み合わせることで、子育てパパという属性を生成して付与することができる。
【0137】
このように移動履歴に基づく属性項目を生成して付与することで、実際の移動履歴から様々なターゲットを選定した属性項目(野球好き/映画好きなど)を生成して付与することができる。
【0138】
なお、本実施形態では、属性特定部190がユーザ2の位置情報(ユーザスキャン情報および/またはユーザGPS情報)により移動履歴を作成しているが、これに限定されるものではなく、外部サーバから別途ユーザ2の位置情報や移動履歴を取得し、外部サーバからの情報に基づいて属性項目の生成と付与をするようにしてもよい。
【0139】
以上が属性特定部190による属性特定処理(図2/STEP170)の詳細である。
【0140】
なお、本実施形態では、属性特定部190が、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触判定を行ったユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定したが、対象物3への接近判定結果に基づいて、(対象物3へは接触していないものの接触の可能性があった予備軍として)ユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定してもよい。
【0141】
また、拡張指標や拡張属性としては、上述の指標や属性やその生成方法に限定されるものではなく、例えば、ユーザ情報記憶部120に記憶されているユーザ2のADIDやIDFAといった広告識別子やCookieをキーにデータに共通する要素によりテレビの視聴ログやWEBの接触データと連携することにより得られる指標を算出したり属性を生成し付与するようにしてもよい。
【0142】
以上詳しく説明したように、本実施形態の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触を判定することができる。
【0143】
次に、図5図7を参照して、本実施形態の接触解析システムの変更例を説明する。ここでは、接近判定部150による接近判定処理において、ユーザ2の対象物3へ接近の仕方(移動速度)に応じて、接触判定部160による接触判定処理の接触判定領域を変更する場合について説明する。
【0144】
具体的には、接近判定部150による接近判定処理において、接近判定部150は、ユーザ2が接近判定領域Aに入った場合にその侵入時の移動速度を算出し、接触判定部160は、接触判定処理において、移動速度に応じて接触判定領域Xを変更する。
【0145】
なお、移動速度の算出は、接近判定領域Aへの侵入時としているが、これに限定されるものではなく、他の任意の領域を設定しその侵入時としてもよく、また、これらの領域内での任意の位置としてもよい。
【0146】
まず、図5では、接近判定部150は、取得したユーザ位置情報と対象物位置情報記憶部110に記憶された対象物位置情報とのGPS情報から、ユーザ2が対象物3接近判定領域(仮想円A内の空間)に入り、ユーザ2が対象物3に接近していると判定される場合に、その侵入時の移動速度vの速さ(=|v|)を算出する。
【0147】
移動速度vは、侵入時の前後のユーザ2の位置情報からベクトル量(例えば、侵入時位置とその前後のサンプリング周期での位置との差)として求められる。
【0148】
図5では、徒歩で移動中のユーザ2の移動速度vが、侵入時位置とその1つ前のサンプリング周波数での位置との差としてのベクトル量(正確には、サンプリング周期を単位時間に換算したときのベクトル量)として算出される。
【0149】
そして、接触判定部160は、接触判定処理において、ユーザ2の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて(速さが遅いことに応じて)接触判定領域Xから拡大させたX´に変更して、接触判定を実行する。
【0150】
これにより、例えば、徒歩のようにユーザ2が低速で移動している場合には、より遠くから対象物3を認識(対象物3か広告物である場合にはそれを視認)して接触できるとの実態に合わせた接触判定が可能となる。
【0151】
一方、図6では、自動車で移動中のユーザ2´の移動速度vが、侵入時位置とその1つ前のサンプリング周波数での位置との差としてのベクトル量(正確には、サンプリング周期を単位時間に換算したときのベクトル量)として算出される。
【0152】
そして、接触判定部160は、接触判定処理において、ユーザ2´の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて(速さが速いことに応じて)接触判定領域Xから縮小させたX´´に変更して、接触判定を実行する。
【0153】
これにより、例えば、自動車のようにユーザ2が高速で移動している場合には、対象物3に確実に近づいた場合に接触できるとの実態に合わせた接触判定が可能となる。
【0154】
なお、接触判定部160は、ユーザ2の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて、接触判定領域Xから拡大や縮小するように変更することに代えて、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ)に応じて、接触判定領域Xから拡大や縮小するように変更することができる。
【0155】
具体的には、ユーザ2の移動速度vの向きが対象物3方向である場合、すなわち、平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θが0°か0°に近い場合(θが鋭角の場合)には、ユーザ2は進行方向の正面に対象物3を捉えることできる。そのため、この場合には、例えば、接触判定領域Xから拡大させたX´に変更して、より遠くから接触したと判定させる。
【0156】
また、接触判定領域Xの拡大は、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ)に応じて、ステップ状または連続的になす角θが0に近づくほど大きくなるように拡大させてもよい。
【0157】
一方、ユーザ2の移動速度vの向きが対象物3方向でない場合、すなわち、平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θが90°か90°を越えて鈍角である場合には、ユーザ2は進行方向と対象物3とは真横かむしろ逆向きとなる。そのため、この場合には、例えば、接触判定領域Xから縮小させたX´´に変更して、確実にユーザ2が対象物3に近づいた場合のみ接触したと判定させる。
【0158】
同様に、接触判定領域Xの縮小は、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ)に応じて、ステップ状または連続的になす角θが鈍角であるほど縮小させてもよい。
【0159】
なお、このようにして設定した接触判定領域Xにおいて、上記なす角θを用いて、ユーザ2と対象物3とが対峙する角度範囲(ユーザ2が対象物3を例えば正面に見て確実に接触したとされる範囲)を設定し、その角度範囲により対象物3との濃厚接触の有無や濃厚接触時間を算出してもよい。
【0160】
以上の平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θに応じた、接触判定領域Xの拡大または縮小に加えてまたは代えて、垂直方向におけるユーザ2の進行方向と対象物3方向との高さ方向の仰角φに応じて、接触判定領域Xの拡大または縮小させてもよい。
【0161】
具体的には、仰角φが大きいほど対象物3が真上に見上げる形となるため、仰角φが90°に近いほど接触判定領域Xを縮小させる。一方で、仰角φが小さいほど対象物3が水平面上正面に位置してより遠くから視認等が可能となるため、仰角φが0°に近いほど接触判定領域Xを拡大させる。なお、仰角φに応じて、ステップ状または連続的に接触判定領域Xの縮小または拡大させてもよい。
【0162】
なお、接触判定部160は、ユーザ2の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて、接触判定領域Xから拡大や縮小するように変更することに加えて、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ、垂直方向におけるユーザ2の進行方向と対象物3方向との高さ方向の仰角φ)に応じて、接触判定領域Xから拡大や縮小するように変更する場合には、移動速度vの平面視対象物方向成分V(=vCosθ)と対象物高さ方向成分V´(=vCosφ)とのいずれか一方または両方に基づいて、接触判定領域Xを変更してもよい。
【0163】
例えば、移動速度vの平面視対象物方向成分V(=vCosθ)が大きい場合には、水平方向において高速で対象物3に接近しているため(より遠くから視認できるため)、接触判定領域Xを拡大させることが好ましく、平面視対象物方向成分V(=vCosθ)が小さい場合には、水平方向において高速ではなく対象物3に接近しているため(より近づかないと視認できないため)、接触判定領域Xを縮小させることが好ましい。
【0164】
また、移動速度vの対象物高さ方向成分V´(=vCosφ)が大きい場合には、高さ方向において高速で対象物3に接近しているため(ユーザ2は対象物3を見上げることなく、遠くから視認できることから)、接触判定領域Xを拡大させることが好ましく、対象物高さ方向成分V´(=vCosφ)が小さい場合には、高さ方向において高速ではなく対象物3に接近しているため(ユーザ2は対象物3を見上げ、より近づかないと視認できないことから)、接触判定領域Xを縮小させることが好ましい。
【0165】
なお、本実施形態の変更例において、接触判定部160は、ユーザ2の対象物3へ接近の仕方(移動速度)に応じて接触判定領域Xを変更する代わりに、予め設定された仮想判定境界領域(ジオフェンス)Gを変更してもよい。
【0166】
具体的には、図7に示すように、自動車で移動中のユーザ2´の接近判定領域Aへの侵入時の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて(速さが速いことに応じて)仮想判定境界領域Gから縮小させたG´に変更して、接触判定を実行する。
【0167】
これにより、例えば、自動車のようにユーザ2が高速で移動している場合には、通過時に認識することが困難な領域を除外して(図中では、図中の1~9点のうち4と5の点で規定される領域を4´と5´の点で規定される領域に変更して)、より実態に沿った接触判定を実現することができる。
【0168】
なお、この場合にも、接触判定部160は、ユーザ2の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて、接触判定領域Xから拡大や縮小するように変更することに代えてまたは加えて、ユーザ2の移動速度vの向き(水平方向におけるユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなすθや垂直方向のおけるユーザ2の進行方向と対象物3との仰角φ)や移動速度vの対象物方向成分V(=vCosθ)や対象物高さ方向成分V´(=vCosφ)に応じて、仮想判定境界領域(ジオフェンス)Gを部分的にまたは全体的に拡大または縮小してもよい。
以上が、本実施形態の接触解析システムの変更例であり、かかる接触解析システムの変更例によれば、ユーザの対象物への接近の仕方は様々であるところ、接近の仕方はユーザの対象物への移動速度、すなわち、接近の速さおよび向きにより接近判定を行い、該接近判定の結果に応じて、ユーザと対象物との接触判定を実行する。
【0169】
これより、接近の仕方という実態に合わせて接近判定を行い、その判定結果に応じて接近判定の閾値を変更することで、より精細な接触判定を実行して確実な判定を行うことができる。
【0170】
なお、本実施形態の接触解析システムの変更例において、ユーザの対象物への移動速度に応じた接近の仕方を類型化しておき、その種別に応じて接近判定領域Xを変更するようにしてもよい。
【0171】
具体的には、予め、移動手段の種別を類型化(徒歩、ジョギング、自転車、バス、自動車、電車、新幹線、ヘリコプター、飛行機などの種別と特徴をメインサーバ100内にデータベース化)しておき、図7において、『(1)太い通り(図中、井ノ頭通り)を、(2)時速50kmで、(3)その道路形状に沿って、進行している』場合に、接近判定部150は、これら(1)~(3)の一部または全部により特定される移動手段を、予め類型化された移動手段の中からその種別を特定する。
【0172】
そして、接触判定部160は、接近判定部150により特定された移動手段の種別に応じて、例えば、自動車で移動している場合に対応した接触判定領域X´´を選択して、接触判定処理を実行することができる。
【0173】
このように、予め、ユーザの対象物への移動速度に応じた接近の仕方を類型化しておくことで、その接近判定種別結果に応じて簡単かつ実体に合った精細な判定閾値に変更して、接触判定を実行することができる。
【0174】
なお、本実施形態の接触解析システムおよびその変更例において、ユーザ2の接近判定領域Aへの侵入により接近判定を行う場合について説明したが、接近判定はこれに限定されるものではない。例えば、(ユーザ2の接近判定領域Aへの侵入の有無に関わらず)、ユーザ2の対象物3への移動速度(速さと向きのいずれか一方または両方)や移動速度に対応した移動手段種別によりユーザ2が対象物3に何らか接近していると判定される場合に、接近すると判定することで接近判定処理を実行するようにしてもよい。
【0175】
また、本実施形態の接触解析システムおよびその変更例において、対象物3との接近判定領域Aや接触判定領域Xは、高さ方向にそのまま延びる空間として説明したが、高さ方向で変更を加えてもよい。これにより、例えば、高架橋である高速や鉄道からは見えるが、その下の道路からは見えない広告がある場合に、高さ方向も考慮した接近判定領域や接触判定領域とすることができる。
【符号の説明】
【0176】
1…接触解析システム、2…ユーザ、3…対象物(広告媒体)、100…メインサーバ、110…対象物位置情報記憶部、120…ユーザ情報記憶部、130…判定結果記憶部、140…ユーザ位置情報取得部、150…接近判定部、160…接触判定部、180…指標算出部、190…属性特定部、A…接近判定領域、G…仮想判定境界領域(ジオフェンス)、NW…ネットワーク、X,X´,X´´,Y,Z…接触判定領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7