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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20240814BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020208405
(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公開番号】P2022095214
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】角田 真結子
(72)【発明者】
【氏名】小西 正太
(72)【発明者】
【氏名】星野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】廣井 幹也
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-184149(JP,A)
【文献】特開2015-069594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗の商品を移動販売する販売場所を示す場所情報と当該販売場所で販売する販売時間を示す時間情報とを取得する予定情報取得部と、
前記場所情報で示される販売場所を含むエリアに居住するユーザの過去の購入履歴を示す購入情報であって、前記時間情報で示される時間を含む時間帯の前記購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部が取得した購入情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する選定部と、
前記選定部で選定された前記対象商品と当該対象商品を提供する前記店舗とを対応付けた販売情報を出力する出力部と、
を備えたサーバ装置。
【請求項2】
前記選定部は、前記購入情報取得部が取得した購入情報において、販売数の順位が所定順位以上の商品を前記対象商品として選定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記購入情報取得部が取得する購入情報は、移動販売におけるユーザの購入履歴を示す購入情報を含む、
請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記出力部が出力する販売情報に含まれる複数の店舗に対して、地図情報に基づいて前記対象商品を集荷する順序を設定する設定部をさらに備えた
請求項1ないし3のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記販売情報を、当該販売情報に含まれる複数の店舗の店舗端末に出力するとともに、当該店舗の各々から前記対象商品を集荷して前記販売場所で移動販売を行う販売会社の販売会社端末に出力する、
請求項1ないし4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置のコンピュータを、
複数の店舗の商品を移動販売する販売場所を示す場所情報と当該販売場所で販売する販売時間を示す時間情報とを取得する予定情報取得部と、
前記場所情報で示される販売場所を含むエリアに居住するユーザの前記複数の店舗における過去の購入履歴を示す購入情報であって、前記時間情報で示される時間を含む時間帯の前記購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部が取得した購入情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する選定部と、
前記選定部で選定された前記対象商品と、当該対象商品を提供する前記店舗と、を対応付けた販売情報を出力する出力部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗では、1つの販売形態として移動販売が行われている。移動販売は、店舗が販売する商品を自動車等の移動体(以下、移動販売車ともいう)に載置して、例えば住宅街や店舗のない地域に出向いて商品を販売する販売形態である。
【0003】
移動販売を行うには移動販売車や販売移動車を運転して販売を行う販売員の確保等が必要であり、規模が小さな店舗独自で移動販売を行うには負担が大きい場合がある。そこで、複数の店舗と協働して、これら店舗から提供された商品を移動販売するサービスなども検討されている。
【0004】
また、移動販売を利用するユーザの利便性を向上させるために、移動販売車が販売場所に近づくとユーザの携帯端末に販売情報を通知するサービスなども提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、移動販売の対象とする商品の選定について特段考慮されていない。このため、上記従来の技術は、移動販売の対象とする商品が必ずしもユーザの需要に合った商品であるとはいえず、移動販売車に載置した商品の販売効率が充分とはいえないものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、複数の店舗の商品を移動販売するにあたり、商品の販売効率を向上することが可能なサーバ装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のサーバ装置は、複数の店舗の商品を移動販売する販売場所を示す場所情報と当該販売場所で販売する販売時間を示す時間情報とを取得する予定情報取得部と、前記場所情報で示される販売場所を含むエリアに居住するユーザの前記複数の店舗における過去の購入履歴を示す購入情報であって、前記時間情報で示される時間を含む時間帯の前記購入情報を取得する購入情報取得部と、前記購入情報取得部が取得した購入情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する選定部と、前記選定部で選定された前記対象商品と、当該対象商品を提供する前記店舗と、を対応付けた販売情報を出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかる移動販売システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る販売会社端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る販売会社端末の移動販売管理テーブル部のデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るサーバ装置の店舗マスタ部のデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るサーバ装置の商品マスタ部のデータ構成の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るサーバ装置のユーザ管理テーブル部のデータ構成の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るサーバ装置の購入情報管理テーブル部のデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るサーバ装置の購入サイクル管理テーブル部のデータ構成の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係るサーバ装置のエリア管理ファイル部のデータ構成の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係るサーバ装置の時間管理ファイル部のデータ構成の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態のユーザ端末、店舗端末、販売会社端末及びサーバ装置間で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
図15図15は、実施形態に係るユーザ端末の表示部に表示される案内画面の一例を示す図である。
図16図16は、実施形態のサーバ装置が行う販売計画生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態にかかる移動販売システムの構成例を示す図である。図1に示すように、移動販売システム1は、店舗端末10と、ユーザ端末20と、販売会社端末30と、販売員端末40と、サーバ装置50とを有する。店舗端末10、ユーザ端末20、販売会社端末30、販売員端末40、およびサーバ装置50は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークNを介して、互いに通信可能に接続される。
【0011】
店舗端末10は、移動販売を行う販売会社SCに商品を提供する複数の店舗SPの各々に設けられたPOS(Point Of Sales)端末やPC(Personal Computer)等の端末装置である。店舗SPは、例えば個人が経営する店舗であるが、量販店などであってもよい。複数の店舗SPは、食料品を販売する店舗、日用品を販売する店舗、雑貨品を販売する店舗など、他業種の店舗からなっている。また、店舗SPに設けられる店舗端末10の台数は特に問わず、複数台であってもよい。
【0012】
店舗端末10は、図示しないプロセッサの制御の下、自己の店舗SPに係る各種の処理を実行する。例えば、店舗端末10は、自己の店舗SPに来店した移動販売システム1のユーザ(顧客)が購入した商品について会計処理を行なう。また、店舗端末10は、会計処理した取引について、ユーザの購入情報をサーバ装置50に提供する。購入情報は、ユーザの過去の購入履歴を示すもので、例えば、ユーザを識別するユーザID、自己の店舗SPを識別する店舗ID、当該ユーザが購入した商品を識別する商品ID、購入日時、金額、当該商品を購入した際のレシート番号等を示す情報を含む。購入情報は、ユーザの一取引毎にサーバ装置50に送信される。
【0013】
また、店舗端末10は、サーバ装置50から通知される移動販売の販売計画を、メモリ部に記憶するとともに表示装置に表示する。販売計画には、例えば移動販売の対象となる商品(以下、対象商品ともいう)の商品ID、対象商品を提供する店舗の店舗ID、対象商品の数量、移動販売を行う販売場所、販売日時、販売会社SCによる各店舗SPへの集荷順序、各店舗SPに対する集荷日時等の情報が含まれる。販売計画は、対象商品と当該対象商品を提供する店舗とを対応付けた販売情報を含む情報である。
【0014】
ユーザ端末20は、移動販売システム1のユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置であってもよいし、PC等の据置型の端末装置であってもよい。本実施形態では、ユーザ端末20が携帯型の端末装置であるとして説明を進める。
【0015】
ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じて各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20は、サーバ装置50から提供される情報を表示(出力)したり、サーバ装置50に対して情報を送信(入力)したりするインターフェイス装置として使用することもできる。例えば、ユーザ端末20は、サーバ装置50から受信した移動販売の販売場所や販売日時を表示することができる。
【0016】
販売会社端末30は、商品の移動販売を行う販売会社SCに設けられたPC等の端末装置である。販売会社端末30は、図示しないプロセッサの制御の下、移動販売に係る各種の処理を実行する。例えば、販売会社端末30は、サーバ装置50から提供される移動販売の販売計画に基づいて、移動車を運転して販売を行う販売員の割り当てを行う。また、販売会社端末30は、販売計画の実行を管理するための移動販売管理テーブルをメモリ部に記憶する。販売会社SCは、移動販売管理テーブルに基づいて販売計画の実行を管理する。なお、販売員の割り当ては、販売会社端末30による自動割り当てに限らず、手動で行われてもよい。
【0017】
販売員端末40は、販売会社端末30の販売員が使用する端末装置である。販売員端末40は、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置であってもよいし、移動販売車Cに備え付けられた据置型の端末装置であってもよい。
【0018】
移動販売車Cは、店舗SPから対象商品を集荷し、集荷した対象商品を販売場所まで配送するための車両である。移動販売車Cは、1又は複数台用意され、移動販売を担当する販売員によって運転される。
【0019】
販売員端末40は、販売会社端末30やサーバ装置50と協働することで、店舗SPが提供する商品の移動販売を支援する。例えば、販売員端末40は、サーバ装置50から提供される、移動販売の対象商品、当該対象商品を提供する店舗SP、移動販売場所等を示した販売計画を表示させる。また、販売員端末40は、自己の端末(移動販売車C)の現在位置を取得して販売会社端末30に通知する。さらに、販売員端末40は、対象商品の在庫数を管理して販売会社端末30に通知する。
【0020】
サーバ装置50は、本実施形態のサーバ装置の一例である。サーバ装置50は、例えば販売会社SCに移動販売サービスを提供する運営会社に設けられてもよいし、クラウド(クラウド・コンピューティング)によって実現されてもよい。
【0021】
サーバ装置50は、移動販売システム1の動作を統括的に制御する。サーバ装置50は、店舗端末10から店舗SPにおけるユーザの購入情報を一取引ごとに受信する。購入情報は、上述したとおり、ユーザを識別するユーザID、自己の店舗SPを識別する店舗ID、当該ユーザが購入した商品を識別する商品ID、購入日時、金額、当該商品を購入した際のレシート番号等を示す情報で、レシート情報ということもできる。サーバ装置50は、取引において発行されるレシートに記載される情報を電子化した電子レシートを生成し、ユーザ端末20からの要求に応じて、作成した電子レシートをユーザ端末20で閲覧できるように出力する。
【0022】
すなわち、サーバ装置50は、電子レシートサービスを実現するサーバ装置としても機能する。したがって、ユーザは、移動販売サービスのユーザであるとともに電子レシートサービスのユーザであるということができる。
【0023】
また、サーバ装置50は、移動販売の販売場所を含むエリア(移動販売の対象となるエリア。以下、対象エリアともいう)に居住するユーザについて、商品の購入傾向を分析して移動販売の対象とする対象商品を選定する。
【0024】
具体的には、サーバ装置50は、(1)対象エリアに居住するユーザの購入情報、かつ、(2)対象エリアの移動販売に商品を提供する店舗SPにおける購入情報、かつ、(3)対象エリアで移動販売を行う時間を含む時間帯の購入情報、に基づいて対象商品を対象エリア単位で選定する。また、サーバ装置50は、選定した対象商品を含む販売計画を、店舗SPの店舗端末10に送信するとともに、販売会社SCの販売会社端末30に送信する。また、サーバ装置50は、対象エリアのユーザのユーザ端末20に、対象商品の移動販売を案内する案内情報を提供する。
【0025】
次に、移動販売システム1が有する主要な装置の構成について説明する。
【0026】
まず、ユーザ端末2について説明する。図2は、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、ユーザ端末20は、制御部21、メモリ部22、表示部23、操作部24、および通信部25を備えている。制御部21、メモリ部22、表示部23、操作部24、および通信部25は、バス26等を介して互いに接続されている。
【0027】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213を備えている。CPU211、ROM212、およびRAM213は、互いにバス26を介して接続されている。
【0028】
CPU211は、ユーザ端末20全体を制御する。ROM212は、CPU211の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM213は、CPU211のワークエリアとして使用され、ROM212やメモリ部22に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部21は、CPU211がROM212や、メモリ部22に記憶されRAM213に展開された制御プログラムに従って動作することによって、ユーザ端末20の各種制御処理を実行する。
【0029】
メモリ部22は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部22は、CPU211が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、メモリ部22は、移動販売システム1用に用意されたアプリケーションプログラムや電子レシートサービス用に用意されたアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0030】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであり、CPU211の制御に従って各種の情報を表示する。操作部24は、各種の操作キーを有し、ユーザの操作に応じた操作内容をCPU211に出力する。なお、操作部24は、表示部23の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。通信部25は、ネットワークNを介してサーバ装置50等の外部装置と通信するためのインターフェイスである。
【0031】
次に、販売会社端末30について説明する。図3は、販売会社端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、販売会社端末30は、制御部31、メモリ部32、表示部33、操作部34、および通信部35を備えている。制御部31、メモリ部32、表示部33、操作部34、および通信部35は、バス36等を介して互いに接続されている。
【0032】
制御部31は、CPU311、ROM312、RAM313を備えている。CPU311、ROM312、およびRAM313は、互いにバス36を介して接続されている。
【0033】
CPU311は、販売会社端末30全体を制御する。ROM312は、CPU311の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用され、ROM312やメモリ部32に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部31は、CPU311がROM312や、メモリ部32に記憶されRAM313に展開された制御プログラムに従って動作することによって、販売会社端末30の各種制御処理を実行する。
【0034】
メモリ部32は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部32は、CPU311が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、メモリ部32は、移動販売の販売計画を管理するためのプログラムを記憶する。また、メモリ部32は、移動販売管理テーブル部321を備える。
【0035】
移動販売管理テーブル部321は、移動販売管理テーブルを記憶する領域である。図4は、移動販売管理テーブル部321のデータ構成の一例を示す図である。移動販売管理テーブルは、販売会社SCが移動販売の販売計画及び当該移動販売の状況を管理するためのデータテーブルである。
【0036】
図4に示すように、移動販売管理テーブル部321は、管理番号に対応付けて、対象商品情報と、対象エリアと、販売場所と、予定日時と、集荷順序と、販売員端末IDと、現在位置と、にかかる情報を記憶する。ここで、管理番号は、サーバ装置50で生成された販売計画の各々を管理するための管理番号であり、ユニークな番号が付与される。
【0037】
対象商品情報は、例えば、店舗IDと商品IDと数量とを含む。対象商品情報は、1つの管理番号に対して、対象製品ごとに複数設定される。店舗IDは、対象商品を提供する店舗SPを識別する情報である。商品IDは、移動販売の対象となった対象商品を識別する情報である。数量は、商品IDに対応する商品の店舗SPへの発注数又は移動販売車にでの在庫数を示すものである。なお、数量は、販売員端末40から受信する商品の販売状況を示す販売情報に基づいて適宜更新される。
【0038】
対象エリアは、移動販売の対象となったエリアを示す情報である。ここで、対象エリアは、丁目等の区域や、団地やマンション等の区画、建物(集合住宅)等の単位で区分されたものであって、販売計画を立案する会社(販売会社SCやサーバ装置50を管理する運営会社など)によって設定される。
【0039】
販売場所は、移動販売を実際に行う対象エリア内の位置を示す位置情報である。例えば、販売場所には、移動販売車Cを駐車することが可能な空地や駐車場等の位置が、住所や座標等の形態で登録される。
【0040】
予定日時は、販売場所で移動販売を行う予定の日時を示す情報である。予定日時には、例えば、移動販売を開始する日付とともに、移動販売の開始時刻や移動販売車Cが販売場所に滞在する販売時間などを示す情報が記憶される。集荷順序は、店舗IDに対応する店舗SPに対して、移動販売車Cが集荷する順序を示す情報である。
【0041】
これら管理番号、対象商品情報、対象エリア、販売場所、予定日時、および集荷順序にかかる情報は、サーバ装置50から受信する販売計画に基づいて登録(記憶)される。
【0042】
なお、同一の管理番号に対応付けられる対象エリア及び販売場所の組は一つに限らず、複数の組が登録されてもよい。この場合、例えば、予定日時の時系列順に、対象エリアと販売場所との組が順次登録される。
【0043】
販売員端末IDは、移動販売を担当する販売員が所持する販売員端末40を識別する情報で、販売会社SCによって登録される。販売員端末IDは、販売員が運転する移動販売車Cの識別情報としても利用される。現在位置は、販売員端末IDに対応する販売員、つまり移動販売車Cの現在位置を示す位置情報である。現在位置は、販売員端末40から受信する位置情報によって更新される。
【0044】
なお、移動販売管理テーブル部321のデータ構成は、図4の例に限らないものとする。例えば、移動販売管理テーブル部321は、管理番号に対応付けて、各店舗SPで対象商品を受け取る日時や対象商品を集荷する際の移動経路を規定したスケジュール情報を記憶してもよい。また、移動販売管理テーブル部321は、管理番号に対応付けて、各店舗SPの位置や販売場所の位置等を示したマップ情報を記憶してもよい。
【0045】
図3に戻って、表示部33は、LCD等の表示デバイスであり、CPU211の制御に従って各種の情報を表示する。操作部34は、各種の操作キーを有し、ユーザの操作に応じた操作内容をCPU311に出力する。なお、操作部34は、表示部33の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。通信部35は、ネットワークNを介してサーバ装置50、販売員端末40等の外部装置と通信するためのインターフェイスである。
【0046】
次に、サーバ装置50について説明する。図5は、サーバ装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、サーバ装置50は、制御部51、メモリ部52、表示部53、操作部54、および通信部55を備えている。制御部51、メモリ部52、表示部53、操作部54、および通信部55は、バス56等を介して互いに接続されている。
【0047】
制御部51は、CPU511、ROM512、RAM513を備えている。CPU511、ROM512、およびRAM513は、互いにバス56を介して接続されている。
【0048】
CPU511は、サーバ装置50全体を制御する。ROM512は、CPU511の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM513は、CPU511のワークエリアとして使用され、ROM512やメモリ部52に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部51は、CPU511がROM512や、メモリ部52に記憶されRAM513に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ装置50の各種制御処理を実行する。
【0049】
メモリ部52は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部52は、CPU511が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、メモリ部52は、WebサーバプログラムやWebアプリケーションプログラム等を記憶する。
【0050】
また、メモリ部52は、店舗マスタ部521、商品マスタ部522、ユーザ管理テーブル部523、購入情報管理テーブル部524、購入サイクル管理テーブル部525、エリア管理ファイル部526、時間管理ファイル部527、および地図情報記憶部528を備える。
【0051】
店舗マスタ部521は、店舗マスタを記憶する領域である。図6は、店舗マスタ部521のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、店舗マスタ部521は、各店舗SPの店舗IDに対応付けて、店舗名、所在地、対象エリア、およびロゴマークにかかる情報を記憶する。
【0052】
店舗IDは、店舗SPの各々を識別するための識別情報である。店舗名は、店舗SPの名称を示す情報である。所在地は、店舗SPの住所や店舗SPが設置された座標を示す位置情報である。対象エリアは、店舗SPがどの対象エリアの移動販売に商品を提供するかを示す情報である。ロゴマークは、店舗のロゴマークを示す画像情報である。ロゴマークは、ユーザ端末20に情報を表示する際等に利用される。
【0053】
商品マスタ部522は、商品マスタを記憶する領域である。図7は、商品マスタ部522のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すように、商品マスタ部522は、各店舗SPの店舗IDに対応付けて、店舗IDに対応する店舗SPが提供する商品の商品ID、商品名、および価格等を記憶する。商品IDは、各店舗で販売される商品を識別するための識別情報である。商品名は、商品IDに対応する商品の名称(品目)を示す情報である。価格は、商品IDに対応する商品の単価を示す情報である。
【0054】
なお、商品マスタ部522のデータ構成は、図7の例に限らないものとする。例えば、商品マスタ部522は、各商品の商品IDに対応付けて、その商品IDに対応する商品を表す写真やイラスト等の画像情報(商品画像)や、説明文等を記憶してもよい。
【0055】
ユーザ管理テーブル部523は、ユーザ管理テーブルを記憶する領域である。図8は、ユーザ管理テーブル部523のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、ユーザ管理テーブル部523は、各ユーザのユーザIDに対応付けて、ユーザIDに対応するユーザの氏名、居住地、対象エリア、性別、年齢、および連絡先等にかかる情報を記憶する。ユーザ管理テーブル部523に記憶される各種情報は、ユーザが移動販売サービスや電子レシートサービスの会員登録を行う際にユーザから提供される。
【0056】
ユーザIDは、各ユーザを識別するための識別情報である。氏名は、ユーザIDに対応するユーザの名前を示す情報である。居住地は、ユーザIDに対応するユーザの住所や居所を示す位置情報である。対象エリアは、ユーザの居住地がどの対象エリアに含まれるかを示す情報である。性別は、ユーザIDに対応するユーザの性別を示す情報である。年齢は、ユーザIDに対応するユーザの年齢を示す情報である。連絡先は、ユーザIDに対応するユーザの連絡先を示す情報である。連絡先には、ユーザが所持するユーザ端末20のアドレスや電話番号、端末ID等が登録される。
【0057】
購入情報管理テーブル部524は、購入情報管理テーブルを記憶する領域である。図9は、購入情報管理テーブル部524のデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、購入情報管理テーブル部524は、各ユーザのユーザIDに対応付けて、店舗ID、商品ID、価格、購入日時、レシート番号等にかかる情報を記憶する。購入情報管理テーブル部524に記憶される情報は、店舗SPの店舗端末10から提供される購入データを蓄積したものであり、店舗SPの店舗端末10から購入情報を受信するたびに制御部51によって更新される。
【0058】
ユーザID、店舗ID、商品ID、価格については、上述したとおりであるので重複する説明は省略する。購入日時は、ユーザが商品IDに対応する商品を購入した日時を示す情報である。購入日時は、対応する商品IDの商品に関するレシートが発行された日時であり、一取引で複数の商品が取引された場合、これら商品の購入日時は同じとなる。レシート番号は、一取引において店舗SPが発行したレシートを識別するユニークな番号である。ここで、レシートとは紙に印刷されたレシートであっても電子的に発行された電子レシートであってもよい。
【0059】
購入サイクル管理テーブル部525は、購入サイクル管理テーブルを記憶する領域である。図10は、購入サイクル管理テーブル部525のデータ構成の一例を示す図である。図10に示すように、購入サイクル管理テーブル部525は、各ユーザのユーザIDに対応付けて、商品ID、購入サイクル、最新購入日時等にかかる情報を記憶する。
【0060】
ユーザID、商品IDについては、上述したとおりであるので重複する説明は省略する。購入サイクルは、ユーザIDに対応するユーザが商品IDに対応する商品を購入するサイクルを示す情報である。購入サイクルは、例えば、ユーザが商品IDに対応する商品を繰り返し購入した場合、最新の5回の購入間隔の平均値を示す情報などである。最新購入日時は、直近でユーザが商品IDに対応する商品を購入した日時を示す情報である。購入サイクル管理テーブルは、店舗SPから購入情報を受信するたびに制御部51によって書き換えられる。
【0061】
エリア管理ファイル部526は、エリア管理ファイルを記憶する領域である。図11は、エリア管理ファイル部526のデータ構成の一例を示す図である。エリア管理ファイル部526は、販売場所に対応付けて、対象エリアにかかる情報を記憶する。対象エリアは、販売場所を含むエリアを特定する情報であって、サーバ装置50を管理する運営会社が適宜設定する。販売場所に記憶される情報は、複数の店舗の商品を移動販売する販売場所を示す場所情報の一例である。
【0062】
時間管理ファイル部527は、時間管理ファイルを記憶する領域である。図12は、時間管理ファイル部527のデータ構成の一例を示す図である。時間管理ファイル部527は、販売時間に対応付けて、時間帯にかかる情報を記憶する。時間帯は、販売時間を含む時間帯を特定する情報であって、サーバ装置50を管理する運営会社が適宜設定する。例えば、販売時間が10時~11時の場合、時間帯には9時~12時を示す情報などが記憶される。販売時間に記憶される情報は、販売場所で販売する販売時間を示す時間情報の一例である。
【0063】
地図情報記憶部528は、エリア管理ファイル部526で管理されるエリアを含む地域の地図情報を記憶する。
【0064】
図5に戻って、表示部53は、LCD等の表示デバイスであり、CPU511の制御に従って各種の情報を表示する。操作部54は、各種の操作キーを有し、ユーザの操作に応じた操作内容をCPU511に出力する。なお、操作部54は、表示部53の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。通信部55は、ネットワークNを介して店舗端末10、ユーザ端末20、および販売会社端末30等の外部装置と通信するためのインターフェイスである。
【0065】
次に、図13を参照して、サーバ装置50の機能構成について説明する。
【0066】
図13は、サーバ装置50の機能構成の一例を示す図である。制御部51は、CPU511がROM512やメモリ部52に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、予定情報取得部5101、購入情報取得部5102、販売計画部5103、出力部5104、電子レシート生成部5105、および送信部5106、として機能する。なお、上記各機能構成は、サーバ装置50に搭載された専用回路等のハードウェア構成で実現してもよい。
【0067】
予定情報取得部5101は、複数の店舗の商品を移動販売する販売場所を示す場所情報と当該販売場所で販売する販売時間を示す時間情報とを取得する。具体的には、予定情報取得部5101は、サーバ装置50を管理する運営会社のオペレータによって操作部54によって管理番号とともに入力される場所情報および時間情報を取得する。例えば、運営会社が一台の移動販売車によって、10時から場所Aで、14時から場所Bで移動販売する販売予定を立案した場合、予定情報取得部5101は、操作部54に入力された、AおよびBを示す場所情報と、10時および14時を示す時間情報を取得する。上記場所情報は、販売場所(地点)を示す情報であってもよいし、販売場所を含むエリアを示す情報であってもよい。また、上記時間情報は、販売を開始する時間を示す情報であってもよいし、移動販売が実施される時間帯を示す情報であってもよい。以下の説明において、場所情報と時間情報とをまとめて予定情報と呼ぶ場合がある。
【0068】
なお、販売会社SCが販売予定(販売場所、販売時間)を立案する場合、予定情報取得部5101は、予定情報を販売会社端末30から受信することによって取得する。また、販売計画部5103によって販売場所と販売時間が決定される場合、予定情報取得部5101は、販売計画部5103が決定した予定情報を取得する。以下の説明においては、予定情報取得部5101は、操作部54によって入力された予定情報を取得するものとする。
【0069】
購入情報取得部5102は、場所情報で示される販売場所を含むエリアに居住するユーザの複数の店舗SPにおける過去の購入履歴を示す購入情報であって、時間情報で示される時間を含む時間帯の前記購入情報を取得する。
【0070】
具体的には、購入情報取得部5102は、例えば、以下のステップで購入情報管理テーブル部524から購入情報を抽出して取得する。
(1)エリア管理ファイル部526に基づいて、予定情報取得部5101が取得した場所情報に対応する対象エリアを特定する
(2)ユーザ管理テーブル部523に基づいて、(1)で特定した対象エリアに居住するユーザを特定する
(3)店舗マスタ部522に基づいて、(1)で特定した対象エリアを担当する店舗SPを特定する
(4)時間管理ファイル部527に基づいて、予定情報取得部5101が取得した時間情報に対応する時間帯を特定する
(5)購入情報管理テーブル部524から、(2)で特定されたユーザが(3)で特定した店舗SPで(4)で特定した時間帯に購入した購入情報を取得する。なお、購入情報は、(2)で特定されたユーザが(4)で特定した時間帯に購入した情報としてもよい。あるいは、購入情報は、(2)で特定されたユーザが購入した情報としてもよい。
【0071】
なお、購入情報管理テーブルは、サーバ装置50以外の別のコンピュータに記憶されていてもよい。すなわち、購入情報取得部5102は、別のコンピュータから上記購入情報を受信するなどして取得してもよい。
【0072】
販売計画部5103は、購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する選定部の一例である。販売計画部5103は、商品の移動販売に係る販売計画を立案(生成)する。具体的には、販売計画部5103は、購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて移動販売の対象商品を選定することに加えて、対象商品の数量の設定、対象商品と当該対象商品を提供する店舗SPとを対応付けた販売情報の生成、対象製品を提供する店舗SPへの集荷順序の決定、などを行う。
【0073】
例えば、販売計画部5103は、購入情報取得部5102が取得した購入情報で販売数の順位が所定順位以上(例えば10位以上)の商品を対象商品に選定する。購入情報取得部5102が取得した購入情報を分析して対象商品を選定する方法は、上記販売数の順位が上位の商品を選定する方法に限るものではなく適宜採用することができる。例えば、購入サイクル管理テーブル部525の情報を活用して、商品の購入サイクルからみて販売日時に購入される可能性が高いと思われる商品を選定することも可能である。さらには、ユーザ管理テーブル部523の情報を活用して、購入情報取得部5102が取得した購入情報をさらに年齢等の属性で絞り込んで(例えば、販売時間が午前であれば60歳以上のユーザの購入データに絞り込むなど)、販売数の順位が上位の商品を対象商品とすることもできる。
【0074】
購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて選定された対象商品は、対象エリアに居住するユーザの好みや嗜好を反映したものであり、また、移動販売の販売時間に購入される可能性が高いと推定される商品となる。そのため、上記の方法で選定された対象商品を定められた販売時間において対象エリアで移動販売することで、商品の販売率を高めることができる。
【0075】
併せて、販売計画部5103は、選定した対象商品の数量を設定する。対象商品の数量の設定方法は任意であり、対象商品全てを同じ数量としてもよいし、購入情報取得部5102が取得した購入情報において販売数の順位がより高い商品の数量を多く設定してもよい。
【0076】
また、販売計画部5103は、選定した対象商品の商品IDを、当該対象商品を提供する店舗ID毎にまとめることで、発注する商品の商品IDを店舗SP毎に示した販売情報を生成する。さらに、販売計画部5103は、地図情報記憶部528に記憶された地図情報に基づいて移動販売車Cが店舗SPを集荷する順序を決定する。例えば、販売計画部5103は、上記地図情報に基づいて、選定された複数の対象商品のそれぞれを提供する店舗SPを最短距離で集荷可能な順序に決定する。販売計画部5103は、店舗SPの集荷順序を設定する設定部の一例である。
【0077】
販売計画部5103は、上述の処理に基づいて販売計画を生成する。販売計画は、管理番号に対応付けて、店舗ID、商品ID、数量、対象エリア、販売場所、販売予定日時、集荷順序等を記憶したデータである。
【0078】
出力部5104は、選定部(販売計画部5103)で選定された対象商品と当該対象商品を提供する店舗SPとを対応付けた販売情報を出力する。具体的には、出力部5104は、販売計画部5103が生成した販売計画(販売情報を含む)を店舗端末10および販売会社端末30に出力する。
【0079】
なお、販売計画を出力するタイミングは特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、出力部5104は、予定情報取得部5101が場所情報および時間情報を取得して販売計画部5103が販売計画を生成したタイミングで販売計画を出力してもよい。また、出力部5104は、移動販売の予定日時の前日あるいは所定時間前(例えば、3時間前等)に達したタイミングで販売計画を出力する構成としてもよい。
【0080】
電子レシート生成部5105は、ユーザ端末20からの発行要求に応じて電子レシートデータを生成する。例えば、電子レシート生成部5105は、ユーザ端末20からレシート番号を受付けると、購入情報管理テーブル部524から、当該レシート番号に対応する商品IDや価格などを読み出して電子レシートデータを生成する。
【0081】
送信部5106は、電子レシート生成部5105が生成した電子レシートデータを、発行要求を受けたユーザ端末20に出力する。ユーザ端末20は、自機に記憶された電子レシート関連プログラムによって、上記電子レシートデータに基づく電子レシートの表示を行うことができる。また、送信部5106は、販売計画部5103が生成した販売計画の一部または全部を移動販売の案内通知としてユーザ端末20に送信する。
【0082】
上記のとおり、サーバ装置50は、移動販売サービスを運営するための機能と電子レシートサービスを運営するための機能を兼ね備えている。
【0083】
次いで、移動販売システム1の全体の処理について説明する。図14は、店舗端末10、ユーザ端末20、販売会社端末30及びサーバ装置50間で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【0084】
(購入情報の収集)
移動販売サービスに参画する各店舗SPにおいて、移動販売サービスのユーザによって商品が購入されると、店舗端末10は、売上登録を行う(S1)。次いで、店舗端末10は、サーバ装置50に購入情報を送信する(S2)。購入情報を受信したサーバ装置50は、購入情報管理テーブル部524に購入情報を記憶する(S3)。購入情報管理テーブルには、ユーザの購入情報が蓄積される。
【0085】
(販売計画の生成、共有)
サーバ装置50は、操作部54への入力あるいは販売会社端末30からの受信等によって、場所情報および時間情報を取得すると販売計画生成処理を実行する(S4)。販売計画生成処理については後述する。続いて、サーバ装置50は、販売計画生成処理で生成した販売計画を販売会社端末30に送信(出力)するとともに(S5)、各店舗SPの店舗端末10にも販売計画を送信する(S6)。なお、以降の説明において、販売会社端末30が情報を受信することを販売会社SCが情報の通知を受けるという場合がある。同様に、店舗端末10が情報を受信することを店舗SPが情報の通知を受けるという場合がある。
【0086】
サーバ装置50から販売計画の通知を受けた販売会社SCでは、通知された販売計画の内容に基づいて、商品の集荷及び移動販売を担当する販売員を決定することが行われる。販売会社端末30には、決定した販売員の端末IDが入力され、移動販売管理テーブル部321に販売員端末IDが記憶される。すなわち、販売会社端末30には、サーバ装置50から受信した販売計画および決定された販売員IDが記憶されて、移動販売管理テーブルが更新される(S7)。決定された販売員は、移動販売車Cを運転することで、予定日時までに販売計画で指定された対象商品を各店舗SPから集荷する。そして、販売員は、集荷した商品を予定日時に販売場所まで運び、当該販売場所で販売する。
【0087】
販売員が使用する販売員端末40には、販売計画の内容が通知されるものとする。例えば、販売会社端末30は、サーバ装置50から通知された販売計画の内容を販売員端末40に転送する形態としてもよい。
【0088】
一方、サーバ装置50から販売計画の通知を受け付けた店舗SPでは、通知された対象商品情報に基づき、指定された数量分の対象商品を予定日時(又は受取日時)までに用意することが行われる。
【0089】
また、サーバ装置50は、販売計画に含まれる販売場所と販売時間(日時)を含む案内通知をユーザ端末20に送信する(S8)。ユーザ端末20は、受信した案内通知を自装置の表示部に表示する(S9)。これにより、ユーザは、移動販売が行われる場所、日時を知ることができる。なお、サーバ装置50は、併せて移動販売の対象商品を示す情報をユーザ端末20に送信してもよい。この場合、ユーザは移動販売で販売される商品も知ることができ、ユーザの利便性がより向上する。
【0090】
図15は、ユーザ端末20の表示部23における表示画面の一例を示す図である。表示部23は、場所表示領域231、時間表示領域232、および詳細ボタン表示領域234を備える。
【0091】
場所表示表域は、移動販売する場所を表示する。図15の例においては、対象エリア内の「AA」および「BB」の2か所で移動販売が行われることを示している。時間表示領域232は、販売時間2321と当該販売時間の販売に商品を提供する店舗のロゴマーク2322とを表示する。詳細ボタン表示領域234は、詳細ボタンを表示する。ユーザによって詳細ボタンが操作されると、対象商品の商品情報(商品名、商品の画像、価格など)が表示されるようになっている。
【0092】
(移動販売)
図14に戻る。販売計画に基づいて移動販売車Cが販売場所に出向いて対象商品の販売を行う。移動販売でユーザによって対象商品が購入されると、販売会社端末30には販売員端末40から移動販売の売上データが送信される。売上データを受信した販売会社端末30は、店舗SP別の売上データを生成し(S10)、各店舗SPの店舗端末10に売上データを送信する(S11)。
【0093】
各店舗端末10は、販売会社端末30から送信された売上データについて売上登録し(S12)、サーバ装置50に購入情報を送信する(S13)。これにより、サーバ装置50は、移動販売による購入情報も蓄積することができるので、次回以降の販売計画においては移動販売の購入情報も活用することができる。移動販売の購入情報が多く蓄積された場合、サーバ装置50は、移動販売の購入情報のみに基づいて販売計画を生成することも可能である。
【0094】
なお、移動販売中、販売会社端末30の制御部31は、販売員端末40から移動販売で販売された商品の商品IDとその数量(販売数又は在庫数)を取得すると、当該数量に基づき、移動管理テーブルを更新する。例えば、制御部31は、移動管理テーブルに示される商品(商品ID)の販売数を取得した場合、当該商品に対応する数量から販売数を減算する。また、例えば、制御部31は、移動管理テーブルに示された商品(商品ID)の在庫数を取得した場合、当該商品に対応する数量を取得した在庫数に更新する。これにより、販売会社SCでは、対象商品の在庫数を管理することができる。
【0095】
次に、サーバ装置50が実行する販売計画生成処理について説明する。図16は、サーバ装置が実行する販売計画生成処理の一例をフローチャートである。なお、本処理の前提として、各ユーザの購入情報は、購入情報管理テーブル部524に記憶されているものとする。
【0096】
まず、予定情報取得部5101は、操作部54によって入力された予定情報を取得する(S21)。続いて、購入情報取得部5102は、予定情報に含まれる場所情報で特定される販売場所に対応する対象エリアに居住地を有するユーザを抽出する(S22)。購入情報取得部5102は、エリア管理ファイル部526とユーザ管理テーブル部523を参照してユーザを抽出する。
【0097】
さらに、購入情報取得部5102は、抽出したユーザに関する、移動販売に参画する対象店舗SPの購入情報であって、時間情報で特定される販売時間を含む対象時間帯の購入情報を購入情報管理テーブル部524から取得する(S23)。購入情報取得部5102は、時間管理ファイル部527を参照して購入情報管理テーブル部524から購入情報を取得する。
【0098】
販売計画部5103は、購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて、複数の対象商品を選定する(S24)。販売計画部5103は、例えば、購入情報取得部5102が取得した購入情報の中で販売数が多い商品を対象商品として選定する。続いて、販売計画部5103は、選定した対象商品と当該対象商品を提供する店舗SPとを対応付けた販売情報を生成する(S25)。販売計画部5103は、商品マスタ部522に基づいて販売情報を生成する。
【0099】
さらに、販売計画部5103は、販売情報に含まれる複数の店舗SPに対して、移動販売車Cが集荷する順序を決定する(S26)。例えば、販売計画部5103は、地図情報記憶部528に基づいて移動販売車Cの集荷ルートが最短になるよう店舗SPに対する集荷順序を決定する。
【0100】
販売計画部5103は、生成した販売情報および決定した集荷順序を含む販売計画を生成して(S27)、販売計画生成処理を終了する。販売計画部5103は、管理番号に対応付けて、店舗ID、商品ID、数量、対象エリア、販売場所、販売予定日時、集荷順序等を記憶したデータを販売計画として生成する。生成された販売計画は、前述のとおり、店舗端末10および販売会社端末30に送信される。
【0101】
なお、S23において、例えば、購入情報取得部5102は、抽出したユーザに関して、時間情報で特定される販売時間を含む対象時間帯の購入情報を購入情報管理テーブル部524から取得するとしてもよい。この場合、販売計画部5103は、購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて、複数の対象商品を選定し(S24)、販売計画部5103は、選定した対象商品を取り扱っている店舗を移動販売に参画する対象店舗SPから選択し、当該対象商品を提供する店舗SPと選定した対象商品とを対応付けた販売情報を生成する(S25)としてもよい。選定した対象商品を取り扱っている店舗が複数ある場合にどちらの店舗から集荷するか、あるいは両方集荷するかの条件は、事前に優先度や取り決め(例えば、特定の時間帯は店舗Aが優先、A曜日は店舗Aが優先、店舗売上に準じて按分など)を定め設定しておけばよい。
【0102】
以上説明したとおり、本実施形態のサーバ装置50は、複数の店舗SPの商品を移動販売する販売場所を示す場所情報と当該販売場所で販売する販売時間を示す時間情報とを取得する予定情報取得部5101と、前記場所情報で示される販売場所を含むエリアに居住するユーザの前記複数の店舗SPにおける過去の購入履歴を示す購入情報であって、前記時間情報で示される時間を含む時間帯の前記購入情報を取得する購入情報取得部5102と、購入情報取得部5102が取得した購入情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する選定部(販売計画部5103)と、選定部で選定された前記対象商品と当該対象商品を提供する店舗SPとを対応付けた販売情報を出力する出力部5104と、を備える。
【0103】
これにより、サーバ装置50は、対象エリアに所在するユーザの好みや嗜好を反映するとともに移動販売の販売時間で購入されると推測される商品を、移動販売の対象商品とすることができる。そのため、サーバ装置50が出力する販売情報に基づいて、対象商品を提供する店舗SPの各々から当該対象商品を集荷し、集荷した対象商品を販売場所で移動販売することで、商品の販売効率の向上を図ることができる。
【0104】
また、本実施形態の選定部(販売計画部5103)は、購入情報取得部5102が取得した購入情報において、販売数の順位が所定順位以上の商品を前記対象商品として選定する。
【0105】
これにより、サーバ装置50は、ユーザによって購入される可能性のより高い商品を移動販売の対象商品とすることができる。したがって、より販売効率の向上を図ることができる。
【0106】
さらに、本実施形態の購入情報取得部5102が取得する購入情報は、移動販売におけるユーザの購入履歴を示す購入情報を含む。
【0107】
これにより、サーバ装置50は、ユーザが店舗SPに来店した際の購入情報だけでなく、実際の移動販売における購入情報に基づいて対象商品を選定することができる。また、移動販売による購入情報が多く蓄積された場合は、移動販売における購入情報のみに基づいて対象商品を選定することができる。したがって、ユーザに移動販売特有の購入傾向がある場合でも、ユーザに適した対象商品を選定することができる。
【0108】
しかも、本実施形態のサーバ装置50は、出力部5104が出力する販売情報に含まれる複数の店舗SPに対して、地図情報に基づいて対象商品を集荷する順序を設定する設定部(販売計画部5103)をさらに備える。
【0109】
これにより、サーバ装置50は、販売会社端末30に対してより詳細な販売計画を出力することができる。したがって、サーバ装置50を管理する運営会社は、販売会社SCに対するサービスの向上を図ることができる。
【0110】
加えて、本実施形態の出力部5104は、対象商品と店舗SPとを対応付けた販売情報を、当該販売情報に含まれる複数の店舗SPの店舗端末10に出力するとともに、当該店舗の各々から対象商品を集荷して販売場所で移動販売を行う販売会社SCの販売会社端末30に出力する。
【0111】
これにより、サーバ装置50が出力した対象商品と店舗SPとを対応付けた販売情報を販売会社SCおよび各店舗SPと共有することができる。したがって、移動販売を円滑に運営することができる。
【0112】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0113】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0114】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
1 移動販売システム
10 店舗端末
20 ユーザ端末
30 販売会社端末
40 販売員端末
50 サーバ装置
5101 予定情報取得部
5102 購入情報取得部
5103 販売計画部(選定部、設定部)
5104 出力部
SP 店舗
SC 販売会社
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【文献】特開2003-256517号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16