(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】テレビゲートウェイ、テレビクラウド、ビデオプラットフォーム、および配信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/44 20130101AFI20240814BHJP
H04N 21/239 20110101ALI20240814BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20240814BHJP
【FI】
G06F21/44 350
H04N21/239
H04N21/258
(21)【出願番号】P 2020214326
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 哲
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-022121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0333151(US,A1)
【文献】特開2011-076425(JP,A)
【文献】特開2019-192000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
H04N 21/239
H04N 21/258
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオプラットフォームとテレビ受信機の間に配置され、前記ビデオプラットフォームからの動画コンテンツを前記テレビ受信機に提供するための接続を行うテレビゲートウェイにおいて、
ユーザーのモバイル端末から、前記テレビゲートウェイに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビクラウドと、前記テレビ受信機と、前記モバイル端末とを特定する情報を受信し、
前記ビデオプラットフォームから、前記モバイル端末を介した入力に基づいて認証されたユーザーの前記モバイル端末と前記ビデオプラットフォームとを同時に識別するMA-IDを受信し、
前記テレビクラウドから、前記テレビ受信機および前記テレビクラウドを同時に識別するHA-IDを受信し、
同一のユーザーに関連する前記MA-IDと前記HA-IDとを関連付けてID結合情報として所定の記憶部に記憶させる、
テレビゲートウェイ。
【請求項2】
ビデオプラットフォームとテレビ受信機の間に配置され、前記ビデオプラットフォームからの動画コンテンツを前記テレビ受信機に提供するための接続を行うテレビゲートウェイと信号の送受信可能に接続され、前記テレビゲートウェイに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビクラウドにおいて、
前記テレビ受信機に対し、前記テレビ受信機と前記テレビクラウドとを特定する情報を含むコード画像を表示させるための情報を送信し、
前記テレビゲートウェイに、前記テレビ受信機および前記テレビクラウドを同時に識別するHA-IDを送信する、
テレビクラウド。
【請求項3】
ユーザーとの視聴契約に基づいて、当該ユーザーに関連付けられたテレビ受信機に対して動画コンテンツを提供するビデオプラットフォームであって、
ユーザーのモバイル端末から入力される情報に基づいてユーザーを認証し、
前記ビデオプラットフォームに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビゲートウェイに、前記モバイル端末および前記ビデオプラットフォームを同時に識別するMA-IDを送信する、
ビデオプラットフォーム。
【請求項4】
ユーザーとの視聴契約に基づいて、当該ユーザーに関連付けられたテレビ受信機に対して動画コンテンツを提供するビデオプラットフォームと、
前記ビデオプラットフォームに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビゲートウェイと、
前記テレビ受信機と信号の送受信可能に接続され、前記テレビゲートウェイに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビクラウドと、
を備え、
前記テレビゲートウェイは、前記テレビクラウドが前記テレビ受信機に表示させたコード画像に含まれる情報に基づいて、ユーザーが所持するモバイル端末からのアクセスを受け付けるとともに、当該アクセスにより少なくとも前記テレビ受信機と前記モバイル端末とを関連付ける情報を取得し、
前記ビデオプラットフォームは、前記アクセスの後段で前記モバイル端末から入力される情報に基づいて、ユーザーを認証し、さらに、前記テレビゲートウェイに、前記モバイル端末および前記ビデオプラットフォームを同時に識別するMA-IDを送信し、
前記テレビクラウドは、前記テレビゲートウェイに、前記テレビ受信機および前記テレビクラウドを同時に識別するHA-IDを送信し、
さらに前記テレビゲートウェイは、同一のユーザーに関連する前記MA-IDと前記HA-IDとを関連付けてID結合情報として所定の記憶部に記憶させる、
配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビゲートウェイ、テレビクラウド、ビデオプラットフォーム、および配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの進化により、動画配信サービスが多数実施されるようになっている。また、当該動画配信サービスにおいては、単なる動画視聴だけでなく、動画コンテンツからEC(電子商取引)サイトへ誘導して商品を購入し、インターネット上のWeb情報(例えばニュースやチケット情報等)から動画で詳細を確認する等、いわゆる、動画とWeb情報を連結したインターラクティブなサービスが展開されている。
【0003】
また、動画配信サービスは、様々なCSP(Contents Service Provider、コンテンツサービスプロバイダ)によって提供されている。ユーザーは、各CSPと契約することにより、当該CSPが提供する動画の視聴が可能となる。契約に際しては、各CSPから、ユーザーを識別するためのIDやパスワードが発行される。
【0004】
ところで、各CSPが配信する動画をテレビ受信機で視聴する場合、従来、ユーザーは、IDやパスワードの入力を、リモコンによる操作で行っている。テレビ受信機のリモコンは、通常、フォーカスを上下左右に移動させる方向キーや数字を入力するための数字キー等を備える程度で、例えばPC(Personal Computer、パーソナルコンピュータ)が備えるキーボードのように文字入力が自在なものではない。このため、IDやパスワードの入力操作が、ユーザーの大きな負担となり、気軽な視聴の妨げとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-222674号公報
【文献】特開2020-102720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、テレビ受信機へのリモコン操作によらずに、VODコンテンツの視聴等の契約にかかるIDやパスワードの入力を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のテレビゲートウェイは、ビデオプラットフォームとテレビ受信機の間に配置され、前記ビデオプラットフォームからの動画コンテンツを前記テレビ受信機に提供するための接続を行うテレビゲートウェイにおいて、ユーザーのモバイル端末から、前記テレビゲートウェイに対する前記テレビ受信機の認証を仲介するテレビクラウドと、前記テレビ受信機と、前記モバイル端末とを特定する情報を受信し、前記ビデオプラットフォームから、前記モバイル端末を介した入力に基づいて認証されたユーザーの前記モバイル端末と前記ビデオプラットフォームとを同時に識別するMA-IDを受信し、前記テレビクラウドから、前記テレビ受信機および前記テレビクラウドを同時に識別するHA-IDを受信し、同一のユーザーに関連する前記MA-IDと前記HA-IDとを関連付けてID結合情報として所定の記憶部に記憶させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成により、テレビ受信機へのリモコン操作によらずに、VODコンテンツの視聴等の契約にかかるIDやパスワードの入力を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、動画配信システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、テレビに表示される番組表の説明図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における動画配信システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、動画配信システムの動作の一例について説明する図である。
【
図5】
図5は、番組表を構成するデータである番組表構成情報の一例について説明する図である。
【
図6】
図6は、番組表構成情報を用いて構成される番組表の一例について説明する図である。
【
図7】
図7は、番組表からの動画再生シーケンスの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、番組表からのVOD視聴シーケンスの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、広告の提示シーケンスの例を示す図である。
【
図10】
図10は、広告のレイアウト情報について説明する図である。
【
図11】
図11は、番組表構成情報を用いた、現在番組における広告提示の運用例を示す図である。
【
図12】
図12は、番組表構成情報を用いた、過去番組における広告提示の運用例を示す図である。
【
図13】
図13は、番組表構成情報の定期更新について説明する図である。
【
図14】
図14は、緊急メッセージの更新について説明する図である。
【
図19】
図19は、動画配信システムにおけるIDバインドまでの動作の一例について説明する図である。
【
図20】
図20は、ID結合情報DBが記憶する、会員およびその権利状況を識別するための情報の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、ID結合情報DBが記憶する、再生機器を識別するための情報の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、テレビゲートウェイにおけるID提供にかかる信号の流れについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明はテレビゲートウェイにより、複数のビデオプラットフォームと複数のテレビ受信機を接続することにより、動画コンテンツの選択を容易とし、良好な動画コンテンツの配信を可能としている。本システムによれば、単なる動画視聴だけでなく、動画コンテンツからEC(電子商取引)サイトへ誘導して商品を購入し、インターネット上のWeb情報(例えばニュースやチケット情報等)から動画で詳細を確認する等、いわゆる、動画とWeb情報を連結したインターラクティブなサービスが実施可能である。
【0011】
このような高度なサービスの実現に加え、近年は、更に、様々な形態での動画コンテンツの提供が行われている。例えば、欲しい動画コンテンツをいつでも視聴できる動画配信サービスは、VOD(Video On Demand)と呼ばれ、現在、様々なVOD方式が存在している。
【0012】
大枠で分類すれば、AVOD(Advertising Video On Demand)と呼ばれる広告動画配信サービスや、SVOD(Subscription Video on Demand)と呼ばれる定額動画配信サービス、及び、TVOD(Transaction Video On Demand)と呼ばれるレンタル型の動画配信サービスがある。
【0013】
AVODでは、無料で動画視聴することが出来るが、広告が掲載されている。従って、収益は、動画を視聴する視聴者からではなく、広告を出す企業から得られることになる。一方で、SVODは、月額料金を払えば、用意された動画コンテンツを何本でも見ることが出来る。更に、TVODでは、単品の動画コンテンツを、例えば1週間等の制限を付けてみることが出来る。したがって、SVODやTVODは、動画を視聴する視聴者から収益を得ることになる。
【0014】
以上の様に、多種多様な動画配信サービスがあり、テレビ受信機による視聴において、これらの方式に柔軟に対応でき、かつ、視聴者が混乱せずに、簡単に楽しめる動画配信システムが望まれている。したがって、上記のテレビゲートウェイの機能として、このような方式への対応が必要である。
【0015】
本発明は、ネットワークを使って実施される、複数の動画配信プラットフォームから送出される動画コンテンツを、性能や機能の異なるテレビ受信機で受信可能とするテレビゲートウェイに、AVOD、SVOD、TVODなどの様々なVOD方式に対応する機能を追加するとともに、動画コンテンツの選択をより簡単に行うことが出来る新たな動画配信システムを提供する。また、AVODの際には、広告動画のより効果的な提示方法を提供する。
【0016】
テレビゲートウェイは、複数のビデオプラットフォームと複数のテレビ受信機を接続することが出来ることで、より高度なインターラクティブなサービスを実現している。特に、異なる機能、性能のテレビ受信機に対して、標準的な動画コンテンツの選択方式を提供することで、ユーザー利便性を損なうことなく、より多くの動画コンテンツに対する選択を容易にしている。
【0017】
しかしながら、テレビゲートウェイによる動画コンテンツの選択では、放送形式でのリニアチャンネル、つまり、ネットワークを使った動画配信ではあるが、放送の様に、時刻情報に対応して一方的に配信し続ける方式、による配信方式を主眼としており、一部、推薦番組の提示を行うことはできるが、様々なVOD方式に対応することは困難であった。このように、リニアチャンネルによる動画コンテンツの提供は、通常無料の動画コンテンツと広告で構成されており、AVODの一種である。ところが、AVODだけでなく、SVOD、TVODといった異なる動画配信サービスが普及しつつあるため、これらのVOD方式への対応は重要である。
【0018】
AVODでは、広告を掲載することで、無料の動画コンテンツの視聴することが可能である一方、SVODは月額料金により自由に動画コンテンツを視聴でき、TVODに関しては単品の動画コンテンツを購入することで、限られた期限で動作コンテンツを視聴可能である。これらに対応するためには、視聴者の契約状況の確認が必要であるため、従来のテレビゲートウェイシステムでは対応が困難であった。
【0019】
また、AVODでは、広告により企業から収入を得るため、広告の効果的な提示方法が必須である。従来のテレビゲートウェイには、広告の挿入機能があり、個別のテレビ受信機に対してターゲティング広告を実施する機能があったが、より効果的な提示の方法の具体的方法が提供されていなかった。また、近年、AVODからSVODのサービスへ誘導、或いは、TVODによって提供される有料コンテンツの販売等を組み合わせたハイブリッドサービスが提供されている。このような、ハイブリッドサービスを従来のテレビゲートウェイで実施するためには、視聴者の契約条件の確認や、広告とVODの連動機能が必要であるため、これらの機能を合理的に装備する必要がある。
【0020】
図1は、動画配信システムの構成例を示す図である。
図1において、CSP(コンテンツサービスプロバイダ―)1301~1308は、動画コンテンツを提供する。動画コンテンツは、それぞれ、ビデオプラットフォーム1311~1313へ入力される。ビデオプラットフォーム1311~1313は、動画コンテンツをテレビゲートウェイ1321に入力し、テレビクラウド1331~1334を経由してテレビ受信機1341~1350に送出する。
【0021】
それぞれのビデオプラットフォームは、配信方式に違いがあるため、それぞれの動画コンテンツは、限られたテレビ受信機でのみ受信されていた。テレビゲートウェイが動画コンテンツのフォーマットを変換する方式と、ビデオプラットフォームに変換器が内蔵されている方式があるが、
図1におけるビデオプラットフォーム1311~1313では変換器が内蔵されている方式である。また、テレビクラウドは、それぞれ、性能、機能の異なるテレビ受信機に対応している。各テレビクラウドの管理下にあるテレビ受信機は、ほぼ同一の性能、機能に接続されており、性能、機能の異なるテレビ受信機は別なテレビクラウドに接続されている。テレビクラウドが、異なるテレビ受信機に対して変換を行うことで、機能、性能が異なっていても良好な動画コンテンツの選択、及び、受信をすることが出来る。以上より、テレビゲートウェイを有する動画配信システムでは、フォーマットの異なる複数のビデオプラットフォームの動画コンテンツを、性能、機能の異なるテレビ受信機へ配信が可能となる。
【0022】
動画コンテンツが一旦テレビゲートウェイ1321を経由してテレビに入力され、接続が確立すれば、ビデオストリームそのものは、ビデオプラットフォーム1311~1313からテレビ受信機1341~1350に直接入力することが可能となる。なお、テレビ受信機1341~1350は、モバイル端末1301~1310に接続されており、TV-ID(テレビ受信機1341~1350にそれぞれ付されたID)とSP-ID(視聴者のモバイル端末1301~1310にそれぞれ付されたID)の結合を行う。これら、結合された情報は、TV-IDとSP-IDの結合情報保存部1352に保管される。また、テレビ受信機1341~1350から出力される視聴データは、視聴データ保存部1351に保管される。
【0023】
視聴データ保存部1351に保管された視聴データと、TV-IDとSP-IDの結合情報保存部1352の出力により、コンテンツ推薦情報保存部1353でコンテンツの推薦を行う。広告サーバ1355から出力される広告コンテンツは、コンテンツ推薦情報保存部1353の出力により、推奨広告選択挿入部1354により、適切な広告が選択され、ビデオプラットフォーム1311~1313により、広告が挿入される。また、受信側広告挿入部1356では、テレビ受信機の機能により、広告の挿入を行う。
【0024】
図2は、テレビに表示される番組表の説明図である。ビデオプラットフォームより提供される動画コンテンツは、放送の様に、所定の時間に流し続けるリニア配信によりテレビに提供されるため、放送と同様のチャンネルと時刻を示す番組表によって動画コンテンツを選択する。
【0025】
更に、ゲートウェイでは、視聴者の有するSP-ID1421とテレビを識別するTV-ID1422を結びつけることにより、番組表をカスタマイズすることが可能となっている。本テレビ受信機の視聴者の視聴傾向より、推薦コンテンツ1401~1403が番組表上にオーバーレイ表示される。本例では、ビデオプラットフォーム1411に属するモバイルのID(SP-ID)1421が本テレビ受信機のID(TV-ID)1422と結びついているため、特に、ビデオプラットフォーム1411から提供される動画コンテンツが推奨されている。
【0026】
この番組表は、テレビゲートウェイから供給される共通EPG(Electronic Programming Guide、電子番組表)データ1404により構成される。EPG共通データ1404には、時刻情報を示すタイムテーブル、番組の説明等の情報を持つ番組メタデータ、チャンネルの表示等を行うバナーデータにより少なくとも構成されている。
【0027】
以上の構成により、それぞれのビデオプラットフォームは、異なる性能や機能を有するテレビ受信機の機能(パネルの大きさ、画素数、解像度等)を気にすることなく、テレビゲートウェイに入力をすることで、より多くのテレビ受信機にコンテンツを提示することが可能となる。更に、テレビ受信機とスマートフォンに代表されるモバイル端末を連携させることで、操作性の異なる単機能のリモコンの替わりに、モバイル端末を用いること高度なサービスに対する操作性向上を実現し、更に、既存リモコンではできない高度なスマートフォンとテレビの連携動作を行うことが出来る。
【0028】
テレビゲートウェイを使った動画の配信システムでは、異なる機能、能力のテレビに対して、番組表を提示することが可能となり、様々なビデオプラットフォームから配信される動画コンテンツを混乱することなく、視聴者が選択することを可能としている。このように、リニアチャンネル配信方式の動画コンテンツに対しては、極めて有効なシステムではあるが、その他の動画コンテンツの配信方式へは、機能が不足しており、対応が難しい。
【0029】
ビデオゲートウェイでは、AVOD、SVOD、TVODに対応したハイブリッドサービス関する機能を供給する必要がある。
【0030】
本発明は、番組表を形成するデータに、新たに複数のVOD配信方式に対応するデータを追加し、AVOD、SVOD、TVODによって配信される動画コンテンツを容易に選択する機能を実現し、また、番組表の構造を改良することで、より快適にリニアチャンネル配信による動画コンテンツも選択する機能を提供する。一方で、上記、追加した番組表を形成するデータを広告表示に適用することで、視聴者に対して、より効果的な広告提示を実現する。
【0031】
上記の様に、本発明による番組表を構成するデータを以下、「番組表構成情報」と称して説明する。番組表構成情報により、AVOD、SVOD、TVODのハイブリッドな動画選択システムを構成するとともに、リニアチャンネルのダイジェスト視聴、予告動画コンテンツ視聴が可能となる。また、オーバーレイ方式による広告提示や、動画広告コンテンツとVODを組み合わせたクリッカブルVODが可能となる。
【0032】
以下、番組表構成情報の構成、及び、配布方式の説明、未来番組、現在番組、過去番組を容易に選択できる新たな番組表の構成方法、AVOD、TVOD、SVODのいずれの配信方式にも対応する番組表の構成及び提示方式、VODと広告を組み合わせたより効率的な広告提示の方法、未来番組の予告動画コンテンツ、過去番組のダイジェスト視聴、更には、番組表構成情報を緊急に変更する緊急メッセージに関して図面を基に説明を行う。
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
図3は、第1実施形態における動画配信システムの構成例を示す図である。CSP(コンテンツサービスプロバイダ)101~108は、動画コンテンツを提供する。動画コンテンツは、それぞれ、ビデオプラットフォーム111~113へ入力される。ビデオプラットフォーム111~113は、動画コンテンツをテレビゲートウェイ121に入力し、テレビクラウド131~134を経由してテレビ受信機141~150に送出する。
【0034】
以上の様に、動画コンテンツをテレビ受信機まで配信する機能は、
図1と変わらない。
図1のテレビゲートウェイを使った動画配信システムと大きく異なるのは、ビデオプラットフォーム111~113にサブスクライバーデータベース191~193が接続されている点である。サブスクライバーデータベース191~193は、ビデオプラットフォーム111~113から配信される動画コンテンツを視聴する視聴者の契約条件が蓄積、保存されている。従って、ビデオプラットフォーム111~113は、いつでもサブスクライバーデータベース191~193へ問い合わせを行うことで、視聴者の契約条件を確認することが出来る。
【0035】
一方で、
図1に示す動画配信システムのTV-IDとSP-IDの結合情報保存部1352は本発明による動画配信システムでは、MA-IDとHA-IDの結合情報保存部152となる。ここで、HA-ID、及び、MA-IDは、それぞれHome Agent IDと Mobile Agent IDの略称であり、HA-IDは、テレビクラウドとテレビ受信機を識別するIDであり、MA-IDは、ビデオプラットフォームとモバイル端末のユーザーを識別するIDであり、複合的な識別子となっている。サブスクライバーデータベース111~113は、MA-IDによりユーザーを特定し、その視聴条件を確認することが出来る。
【0036】
なお、テレビ141~150は、モバイル端末171~180に接続されており、HA-IDとMA-IDの結合を行う。これら、結合された情報は、MA-IDとHA-IDの結合情報保存部152に保管される。本発明による動画配信システムでは、MA-IDとHA-IDの結合情報保存部152とサブスクライバーデータベース191~193を連動させることにより、様々なVOD配信方式に対応する。
【0037】
その他、視聴データ保存部151、コンテンツ推薦情報保存部153、広告サーバ155、受信側広告挿入部156に関しては、
図1で示す動画配信システムと同様の動作を行う。
【0038】
図4は、動画配信システムの動作の一例について説明する図である。本図では、
図3に示す動画配信システム全体から、ビデオプラットフォーム111とテレビゲートウェイ121とテレビクラウド131とテレビ141とモバイル端末109を抜粋して示している。他のビデオプラットフォーム及びテレビクラウド、テレビ受信機、モバイル端末も同様の動作を行う。
【0039】
SVODでは、月額課金された視聴者が動画コンテンツを見放題可能なサービスであり、TVODでは、有料の動画コンテンツを視聴者が限られた期間内に単品の動画コンテンツを購入することにより視聴可能なサービスである。一方、リニアチャンネル配信によるAVODでは、動画視聴は自由に行うことが出来るが、広告の視聴することになる。以上の様に、VOD方式により、視聴者の視聴条件が異なるため、これら条件を確認した上で、動画配信システムは視聴者に対して、動画コンテンツを提示する必要がある。
【0040】
図4において、ビデオプラットフォーム111を識別するIDをPF-ID、テレビゲートウェイ121を識別するIDをTG-ID、テレビクラウドを識別するIDをTC-ID、テレビ及びテレビクラウドを同時に識別するIDをHA-ID、モバイル端末109のユーザーとビデオプラットフォーム111を同時に識別するIDをMA-IDとする。また、視聴対象となる動画コンテンツを識別するIDをCT-IDとする。以下、VOD視聴をする際の動画に関して説明する。
【0041】
テレビ受信機141において、VOD視聴を要求する。テレビ受信機141は、信号201により(1)VODトークン要求とCT-IDで識別されるVODコンテンツと、動画コンテンツを提供するビデオプラットフォーム111を識別するPF-IDと、テレビ受信機自身を示すHA-IDを同時にテレビクラウド131へ送付する。VODトークン要求とはVODを見る権利があるということを確認するためのコマンドを送ることである。テレビクラウド131は、得られた信号201により信号202をテレビゲートウェイ121に送信する。信号202は(2)VODトークン要求、PF-ID,CT-IDとHA-IDを含む。テレビゲートウェイ121は、自身が持つMA-IDとHA-IDの結合情報データベースにより、HA-IDに結合しているMA-IDを取得し、視聴を要求している視聴者を特定する。テレビゲートウェイ121は信号203をビデオプラットフォーム111に送信する。信号203(3)はVODトークン要求CT-ID、MA-IDからなる。
【0042】
次に、ビデオプラットフォーム111は、信号203により(3)VODトークン要求を受け、信号204により、(4)MA-IDとCT-IDをサブスクライバーデータベース191に問い合わせを行い、MA-IDを有する視聴者の登録条件を確認し、信号205により、(5)結果をビデオプラットフォーム111へ回答する。VOD視聴可能な条件を有している場合は、ビデオプラットフォーム111は、信号206によって(6)VODトークンを発行し、VODトークンとともにCT-IDとMA-IDをテレビゲートウェイ121に送付する。テレビゲートウェイ121は信号206を取得する。テレビゲートウェイ121は信号207をテレビクラウド131に送付する。信号207は(7)VODトークンを少なくとも含んでいる。テレビクラウド131はテレビゲートウェイ121から受信したVODトークンを信号208によって、(8)テレビ受信機141へ送付する。
【0043】
テレビ受信機141は信号209をビデオプラットフォームに送信する。信号209は信号208で得られた(9)VODトークンと、動画コンテンツを識別するCT-IDで構成される。ビデオプラットフォーム111は、得られたCT-IDから動画の場所を示すURLを特定し、VODトークンの正当性を確認する。VODトークンが有効であることを確認後、信号210により、(10)ビデオプラットフォーム111よりテレビ受信機141へ動画ストリームの配信が行われる。
【0044】
以上の動画により、VOD視聴条件に見合ったVODコンテンツの視聴可否を制御する。
【0045】
次に、本実施形態における番組表を構成するデータの説明を行う。
図5は、番組表を構成するデータである番組表構成情報の一例について説明する図である。本実施形態では、番組表構成情報301はビデオプラットフォーム111より送信され、テレビゲートウェイ121並びにテレビクラウド131を経由して、テレビ受信機141へ送付される。
【0046】
ここで、番組表構成情報301は、PF-IDで識別される事業者情報302、Service_idで識別されるチャンネル情報303、Event_idで識別される番組情報304、CM_idで識別されるCM情報305、Vod_idで識別されるVOD情報306より構成される。また、番組の時間軸上の位置を示すタイムテーブル311、及び、広告の表示位置を示すレイアウト情報321が含まれている。
【0047】
事業者情報302には、事業者ID(PF-ID)、事業者名、事業者サムネイル画像、ロゴが含まれている。
【0048】
チャンネル情報303には、サービスID(Service_id)、サービス名、サービス説明、ジャンル、パレンタル、サービスサムネイル画像、ロゴ、有料/無料情報、動画URL(チャンネルに含まれる全番組が同じ配信)が含まれている。
【0049】
番組情報304には、番組ID(Event_id)、番組名、番組説明、開始日、開始時間、番組の長さ、ジャンル、パレンタル、番組サムネイル画像、動画URL、番組タイプ、サブ動画URL、有料/無料情報、シリーズ識別情報が含まれている。
【0050】
CM情報305は広告ID(CM_id)、CMタイトル、広告識別子(AD-ID)、開始日、開始時間、CMの長さ、ジャンル、差し替え可能フラグ、CM動画が含まれている。
【0051】
VOD情報306はVODID(Vod_id)、コンテンツ名、コンテンツ識別子(CT-ID)コンテンツ説明、コンテンツの長さ、ジャンル、パレンタル、番組サムネイル画像、動画URL、有料/無料情報、シリーズ識別情報が含まれている。
【0052】
図6は、番組表構成情報を用いて構成される番組表の一例について説明する図である。
ビデオプラットフォーム111は、番組表構成情報をテレビゲートウェイ121に供給する。テレビゲートウェイ121は、ビデオプラットフォーム111から取得した番組表構成情報をテレビクラウド131に配信する。
【0053】
テレビクラウド131による番組表構成情報は、既に、テレビゲートウェイ121から配信された過去の番組表構成情報とこれから配信される予定の番組表構成情報があり、見逃してしまった番組を後で視聴可能とすることで、視聴者の番組選択の利便性を向上している。テレビクラウド131はテレビ141に当該過去の番組表と未来の番組表を送信する。
【0054】
テレビ141において過去の番組表を構成する際には、番組表構成情報の事業者情報402により、いずれのビデオプラットフォームで構成されるチャンネルか識別する。例えば、チャンネル情報403により番組表のチャンネル表示を行い、番組情報404から406により、各番組の並び及び説明を構成する。タイムテーブル情報407により、番組表のタイムラインが提示される。これらは、既に、過去に配信された番組であり、自由に選択することができる。
【0055】
更に、本番組表には、VODコンテンツの一覧が提示されている。これは、番組表構成情報に含まれるVOD情報を選択し提示する。それぞれのVOD情報には、コンテンツを示すCT-IDを有しており、一旦、VOD情報データベース432に保存されたのち、リコメンド選択部431により、VODコンテンツの選択が行われ、番組表上に提示される。過去に放送された番組同様、VODコンテンツを自由に選ぶことが出来るため、視聴者に快適な番組選択機能を提供することが出来る。つまり、過去番組表は、視聴者にとって、最新コンテンツではないものの、時間の制約が無く、自由に選択できる利便性を与えている。本実施ではVODコンテンツ表示を過去番組表にのみ配置しているが、現在、未来の番組表に同様のデータと動きを用いて配置することができる。
【0056】
図6の過去、現在、未来の番組表にはビデオプラットフォームが提供する番組をチャンネルとして表示している。本図においてはチャンネルA1、チャンネルA2はビデオプラットフォームAが提供するチャンネルでチャンネルB1はビデオプラットフォームBが提供するチャンネルである。各番組表において表示を行うVODコンテンツ1~4は視聴者がリモコン等でフォーカスした番組コンテンツを配信しているビデオプラットフォームが提供するVOD情報を選択して表示を行うことができる。すなわち、視聴者がコンテンツA11をリモコン等でフォーカスした場合、ビデオプラットフォームが提供するVODを番組表画面上に表示する。
【0057】
一方、テレビ141において現在番組表構成情報では、現在、配信中の番組を基に、番組表411を構成する。また、未来番組表では、未来番組表構成情報に含まれる、事業者情報422、チャンネル情報423、番組情報425~426、タイムテーブル427より、配信予定の番組を提示する。
【0058】
図7は、番組表からの動画再生シーケンスの一例を示す図である。テレビ141において、リモコンの番組表ボタンを押下すると、まず、現在番組表511が表示される。現在番組表511から、番組を選択することで動画コンテンツ512が再生される。これらは、リモコンのアップダウンキーやチャンネル番号を入力することで、番組を切り替えることが出来、また直接他の番組513を選択することも出来る。また、視聴途中でも番組表ボタンを押下することで、元の現在番組表514に戻すことも可能である。
【0059】
一方で、現在番組表511で、スクロールダウンボタンを押下することで、未来番組表521を提示する。未来番組表521から番組を選択すると、未だ配信されていないため、番組の説明画面522が提示される。ここで、予告動画が再生可能である場合は、予告ボタンが提示され、押下することで、予告動画523が再生される。予告動画が終了すれば未来番組表524に戻る。
【0060】
現在番組表511からスクロールアップすることで、過去番組表501を提示する。過去番組表501には、過去に配信された番組とVODコンテンツが提示される。VODコンテンツを選択した場合は、VOD選択シーケンス505へ移行する。VOD選択シーケンスに関しては、
図8にて説明する。
【0061】
過去番組表501から番組を選択した場合は、一旦、番組説明画面502が提示される。ここで、過去番組のダイジェストが視聴可能な場合は、ダイジェストボタンが提示され、視聴するとダイジェスト506が再生される。説明画面502から視聴ボタンを押下すると、過去番組の動画コンテンツが再生され、終了すると、過去番組表504へ戻る。ダイジェスト動画を再生することでコンテンツ選択をより便利にすることが出来る。
【0062】
以上の様に、未来番組表では、配信予定の予告動画を視聴し、過去番組表では、ダイジェストを視聴することで、番組視聴の利便性を向上することが出来る。また、過去番組表には、VOD選択可能な表示がされるため、望ましいVODコンテンツの視聴を可能とする。
【0063】
図8は、番組表からのVOD視聴シーケンスの一例を示す図である。テレビ141において、リモコンの番組表ボタンを押下すると、現在番組表611が提示される。現在番組表611より番組を選択すると、番組612が再生される。番組612の本編動画の途中、或いは、終わりには、広告動画613が挿入されており、広告動画613と共に、VODボタンが提示される。VODボタンを押下すると、VODの説明画面614が提示される。この際に、VODがSVODによるサービスの場合は、説明画面614が提示され、TVODによるサービスの場合は説明画面621が提示される。説明画面614には、視聴ボタンが提示され、説明画面621には、購入ボタンと金額が提示される。
【0064】
ここで、VOD視聴ボタンを押すと、3つの分岐となる。第1の分岐は、視聴者が月額課金会員登録されていない場合で、会員登録画面615へ進み、スマートフォン上で会員登録アプリ625が動作し、会員登録を実施する。更に、IDバインド画面616に進み、テレビ画面上にQRコード(登録商標)を提示し、スマートフォン上で動作するIDバインドアプリ626により、テレビ受信機のHA-IDと会員IDであるMA-IDが結合する。
【0065】
第2の分岐は、説明画面614で既に会員登録済みである場合で、IDバインド画面616へ進む。IDバインドが完了すると再度、SVOD説明画面617へ進み、視聴ボタンを押すことで、VOD動画618が再生される。TVODの場合は、TVOD説明画面627が提示され、所定の購入金額を支払い、動画視聴618へ進む。VODの動画再生が終了すると、本編動画619へ戻る。
【0066】
第3の分岐は、既にIDバインドが完了している場合は、SVOD説明画面614から視聴ボタンを押すことで直接VOD動画再生618へ進む。
【0067】
一方で、過去番組表601のVODコンテンツを選択した場合は、SVOD説明画面614、或いは、TVOD説明画面621に進む。以下、同様のシーケンスで動画618が再生され、終了時は、過去番組表629へ戻る。
【0068】
以上のシーケンスにより、VODを容易に視聴することが出来る。なお、本視聴シーケンスを実現するために
図4で説明したVODトークンを取得する動作が行われている。説明画面614から、視聴を選択する際に、VODトークンを取得するシーケンスが動作し、VODトークン取得に失敗すると、会員登録画面615、或いは、IDバインド画面616へ進み、IDバインドが完了した後、SVOD説明画面617から視聴ボタンを再度押下することで、VODトークンを再度取得動作に入り、VODトークン取得後、本編動画619が再生される。
【0069】
図9は、広告の提示シーケンスの例を示す図である。広告の提示パターンは、3種類あり、インストリーム挿入提示701、オーバーレイ表示711、クリッカブルVOD721を示す。
【0070】
第1のパターンであるインストリーム挿入は、本編前702が再生後、広告703が提示され、本編後704が提示される。画面上は、本編動画面705が提示され、広告動画面706の提示後、本編動画面707が再生される。本パターンは、いわゆる動画コンテンツに広告動画コンテンツを挿入した例である。
【0071】
第2のパターンであるオーバーレイ表示は、広告を本編動画上に重ねて提示する。インストリーム挿入が、時間的に広告挿入されるため、時間が延びるのに対し、オーバーレイ表示では、本編動画上に、直接広告を重ねて提示するため動画コンテンツの尺の長さに影響されない特徴がある。本編動画712が再生されている際に、動画画面面715から、広告を重ね、動画画面716、更に動画画面717となる。ここでは、広告情報にある、番組を自動的に提示する情報により、重なった広告を自動的に消し、動画画面717へ移行している。本提示方法では、上述の様に、時間的な挿入が発生しないが、画面が一部隠される。
【0072】
第3のパターンは、クリッカブルVOD721で、インストリーム挿入701とオーバーレイ表に711の組み合わせである。インストリーム同様、本編動画722から広告723が再生され、本編動画724が再生される。その際に、動画画面725の状態から、広告動画画面723、動画画面726へ移行する。ここで、広告動画コンテンツにボタンが提示されており、押下すると、説明画面728が表示され、更に視聴ボタンを押すとVODコンテンツ729が再生される。広告画面726でボタン押下をしないと、本編動画724が広告723が終わり次第再生される。VODコンテンツ729が終了すると、同一チャンネルの動画コンテンツ730が再生される。
【0073】
それぞれの場合、番組表構成情報の状態を741、742、743に示す。インストリーム挿入を実施する場合は、番組表構成情報741は、事業者情報、チャンネル情報、番組情報、広告情報により構成される。オーバーレイ表示の場合も同様である。クリッカブルVODの場合は、広告情報に更に、VOD情報が含まれる。オーバーレイ表示、及び、クリッカブルVODの場合は、
図10に示すレイアウト情報により、画面を構成する。
【0074】
図10は、広告のレイアウト情報について説明する図である。本編動画801から、オーバーレイ表示画面802を提示する際に、番組表構成情報にあるレイアウト情報805により画面を構成する。レイアウト情報805には、映像の座標、映像のサイズ、及び静止画像座標、サイズの情報が含まれており、L字型表示802、或いは、矩形領域を重ねる表示803を構成することが可能となる。なお、自動的にオーバーレイ表示をする際には、番組表構成情報にある、CM情報の中の自動開始フラグと開始時間により自動的にオーバーレイ表示を実施する。
【0075】
本例では、クリッカブル提示として、2つのパターンを例示する。第1のパターンは、クリッカブル広告であり、ボタンを押下した後に、他のECサイトや、情報提示を行うことが出来る。第2のパターンは、クリッカブルVODであり、
図9に示すシーケンスにより提示が可能となる。
【0076】
クリッカブルVODの場合は、本編の動画画面801から、広告動画842を再生し、広告動画842に提示されるボタン842を押下することで、VOD説明画面823へ移行する。ここで、視聴ボタンを押下すうることで、VODの動画824が再生される。広告動画822にボタン842はレイアウト情報825により提示位置が決められている。VOD説明画面823の視聴ボタンも同様にレイアウト情報により配置を行う。
【0077】
クリッカブル広告の場合は、広告動画812にレイアウト情報815に基づき、ボタン841を提示する。ボタン841を押下した際に、ECサイトの商品画面813を提示する。ここでは、例えば詳細な情報画面等の提示も可能である。
【0078】
以上の様に、番組表構成情報が有するレイアウト情報により、柔軟な画面構成を行うことが出来る。
【0079】
図11は、番組表構成情報を用いた、現在番組における広告提示の運用例を示す図である。現在番組表901は、現在配信されているコンテンツを表示している。番組表構成情報900には、事業者情報902、チャンネル情報903が入っている。チャンネル情報903には、番組情報904、906、908があり、それぞれ、番組情報904には広告情報905、番組情報906には広告情報907、番組情報908には広告情報909があり、更に、広告情報909には、VOD情報910が含まれている。
【0080】
それぞれの番組情報には、番組開始時間、番組終了が記載されており、また、広告情報にも広告開始時間と終了時間が記載されている。
【0081】
番組表構成情報に含まれる以上の情報によって、番組表を構成し、また、本編動画と広告921~927が再生される。なお、同時に提示される画面を931~937に示す。
【0082】
番組情報904に、番組開始時刻8:00と終了時刻9:00が記載されている。更に、広告情報に開始時刻8:30、終了時刻8:35が記載されている。時刻8:00より本編動画が開始され、8:30より広告が再生される。更に、8:35から本編動画に戻り再生が継続する。
【0083】
次番組924は9:00より開始される。次番組を示す。番組情報906には、開始時刻9:00、終了時刻11:00が記載されている。広告情報907には、開始時刻10:00、終了時刻10:05が記載されており、オーバーレイによって表示することが示されている。これらの情報により、時刻9:00より、本編動画924再生が開始される。本編動画再生の途中10:00からに自動的に、静止画像の広告が表示される。提示される画面を934に示す。広告は、静止画像として本編動画上に重ねて表示されている。重なった広告である静止画像は、10:05に消える。
【0084】
更に、次の番組情報では、開始時刻11:00、終了時刻12:00が記載されており、広告情報は、開始11:30、終了時刻11:40が記載されている。本広告は、ボタン表示によって別画面に飛ぶように指示が記載されている。本情報により、次の番組925が11:00に開始される。広告926は、11:30に開始されるが、広告画面936に示されるように、本広告にはボタンが提示されている。視聴者がボタンを押下することにより、VODシーケンスに入り、VODの選択画面938を提示する。以降は、
図8に示すVODシーケンスに従って動作する。ボタンを押下しない場合は、本編動画927の再生が継続し、動画画面937に示すように、広告は消える。
【0085】
このように、番組表構成情報により、番組が構成されるが、別途、動作ストリームの再生は、動画ストリームに含まれるメタデータ(マニフェストファイル)により再生が行われる。例として、国際標準規格となっているMPEG DASHにより動画ストリームが再生された場合を
図11に示す。MPEG DASHでは、動画ストリームの再生にMPD(Media Presentation Description)が使われる。MPDには、動画ストリームをPeriodで規定する。例えば、本実施例に基づく番組921は、MPD#1:951により構成され、動画921が再生される。広告922は、Period#2:942、動画923はPeriod#3:943により再生される。同様に、次番組の動画924は、MPD#2:952のPeriod#1:944により再生される。更に、次の番組は、MPD#3:953のPeriod#1:945により動画925が再生される。広告926は、Period#2:946、動画927は、Period#3:947により再生される。本例では、一つの番組に対して、一つのMPDを対応させたが、運用によっては、異なる対応も可能である。例えば、2つ以上の番組に対して、1つのMPDを対応させ、複数のPeriodで規定することも可能である。
【0086】
図12は、番組表構成情報を用いた、過去番組における広告提示の運用例を示す図である。番組表構成情報は、事業者情報1002、チャンネル情報1003、番組情報1004、広告情報1005、VOD情報1006で構成されている。これら情報により、過去番組表1001が表示される。チャンネル情報1003に含まれる番組情報1004により、動画1021、広告1022、動画1023が再生される。ここで、番組開始時刻8:00、終了時刻9:00という記述があるが、過去に配信された時刻を示すため、番組の選択は自由に行うことが出来る。
【0087】
動画1021を選択すると、一旦、説明画面1041が提示され、視聴ボタンを押下すると、本編動画1021が再生される。更に、広告動画1032が再生され、その後、広告動画が終了すると本編動画画面1033となる。
【0088】
図12の過去番組表にはビデオプラットフォームが提供する番組をチャンネルとして表示している。本図においてはチャンネルA1、チャンネルA2はビデオプラットフォームAが提供するチャンネルでチャンネルB1はビデオプラットフォームBが提供するチャンネルである。各番組表において表示を行うVODコンテンツ1~4は視聴者がリモコン等でフォーカスした番組コンテンツを配信しているビデオプラットフォームが提供するVOD情報を選択して表示を行うことができる。すなわち、視聴者がコンテンツA11をリモコン等でフォーカスした場合、ビデオプラットフォームが提供するVODを番組表画面上に表示する。本実施例ではVODコンテンツ表示を過去番組表にのみ配置しているが、現在、未来の番組表に同様のデータと動きを用いて配置することができる。
【0089】
一方、VODを選択するとVOD動画1024が再生される。ここで、再生される前に、VODの説明画面1042が提示され、視聴ボタンを押下すると、VOD動画1024が再生される。その際、動画画面は、VOD動画画面1034となる。VOD動画が終了すると過去番組表画面1035へ戻る。
【0090】
現在番組表と同様に、過去番組表に関してもMPEG DASHによる動作ストリームの再生との関係を説明する。MPD#1:1050のPeriod#1:1051により、本件動画1021が再生される。Period#2:1052により広告1022、Period#3:1053により本編動画1023が再生される。VODに関しては、MPD#2:1060のPeriod#1:1054によりVOD動画1024が再生される。現在番組表の運用と同様に、1つのMPDと複数の番組の関係による運用も可能である。
【0091】
図13は、番組表構成情報の定期更新について説明する図である。番組表構成情報1111は、例えば1日単位で定期的に更新が行われる。番組表構成情報には、事業者情報、チャンネル情報、番組情報、広告情報、VOD情報が含まれている。
【0092】
定期的にテレビゲートウェイ121は、(1)信号1101により番組表構成情報をビデオプラットフォーム111へ要求する。ビデオプラットフォーム111は、(2)番組表構成情報を信号1102によってテレビゲートウェイ121へ送付する。テレビゲートウェイ121は、通常はOFFとなっている更新フラグ1121を、更新番組表構成情報を取得次第、ONにする。テレビクラウド131は、(3)信号1103によって定期的にテレビゲートウェイ121の更新フラグ1121を確認し、更新フラグ1121がONになっていれば、(4)信号1104により番組表構成情報を取得し、(5)信号1105にて、テレビ受信機141へ配布する。テレビクラウド131が番組表構成情報を取得後、すぐに、更新フラグ1121は、OFFとなる。ただし、テレビクラウド複数ある場合は、全てのテレビクラウドが番組表構成情報を取得したことを確認後、OFFとする。また、テレビゲートウェイ121から番組表構成情報を取得する際には、より安全性を確保するため、事前にテレビクラウド131に配布された鍵により、暗号化することでセキュリティを保つことが出来る。
【0093】
図14は、緊急メッセージの更新について説明する図である。
図5に示すように、番組表構成情報は、情報量が多く、内部にサムネイル画像等が含まれるため、例えば1日単位の様に長い周期で更新される。従って、例えば、ライブ中継の番組が延長されて、番組表を変更しなければならない場合等の緊急事態への対応が難しいため、別途、必要最低限のサイズで、変更処理を行うための緊急メッセージ機能が求められる。緊急メッセージのフォーマットを1210に示す。
【0094】
<緊急メッセージID><チャンネルID><対象となる番組ID><対象項目><処理><処理内容>
ここで、<緊急メッセージID>は、事業者内でユニークに発行するため、<事業者ID+ユニークID>で構成し、Emsg_idでしめされる。
<チャンネルID>は、各チャンネルを特定するService_idであり、<対象となる番組ID>は番組を特定するEvent_idである。<対象項目>は、番組情報内にある各項目である。
<処理>は、削除、上書き(変更)、追加があり、その具体的な内容を<処理内容>として規定する。
例えば、8:00開始、9:00終了の番組の終了時間を9:30に変更する際には、<処理>変更、<処理内容>9:30をターゲット番組に対して送出する。
【0095】
ビデオプラットフォーム111は、(1)信号1201により、緊急メッセージをテレビゲートウェイ121送出する。テレビゲートウェイ121は、通常はOFFとなっている緊急フラグ1221をONにする。テレビクラウド131は、(2)信号1202により、緊急フラグ1221を確認する。この時、テレビクラウド131は、前述の更新フラグ1121の確認よりも、よりも短い期間で確認を行う。例えば、10分~30分等の期間で確認を行う。テレビクラウド131は、(3)信号1203により、緊急メッセージを取得する。テレビクラウド131は、取得した緊急メッセージを(4)信号1204によりテレビ受信機141へ配布する。ここで、緊急メッセージの配布は、番組表構成情報の配布よりも短い時間に配布が行われるため、送付が集中しない様に、あらかじめ設定された、オフセット時間により、各テレビ受信機は、受信タイミングを制御し、アクセスを分散させる。
【0096】
図15は、テレビ受信機141の構成図である。アンテナ1501により、放送を受信し、チューナ1502により、デジタルストリームに変換された放送コンテンツは、信号処理部1503で音声信号、映像信号に変換される。音声信号は音声処理部1504で処理され、スピーカ1506により音声が再生される。また、映像信号は映像処理部1505により処理され、映像表示部1507により映像が再生される。CPU1509は、メモリ1508、不揮発性メモリ1510に接続され、制御プログラムが実行され、チューナ1502の制御、信号処理部1503の制御を行う。なお、ユーザーの操作は、リモコン1513から受信部1512に入力され、制御プログラムへ入力される。通信インターフェース1511は、ネットワークより配信される動画コンテンツやコンテンツ選択画面を受信し、CPU1509の制御プログラムで処理する。
【0097】
図6の構成並びに
図7の再生シーケンスは通信インターフェース1511を介して得た
図5の番組表構成情報をメモリ1508に蓄積し、CPU1509は内部で実行されるソフトウエア用いて、現在時間を基に番組情報を切り分け、現在番組表、過去番組表、未来番組表を生成する。
【0098】
図16は、ビデオプラットフォーム111の構成図である。CPU1602は、メモリ1601及びストレージ装置1603に接続されており、制御プログラムを実行する。操作部1605により操作者が動作を制御する。通信インターフェース1604は、ネットワークに接続されており、動画コンテンツの入出力、過去番組表構成情報の出力、未来番組表構成情報の出力、現在番組表構成情報の出力、動画の配信、コンテンツ選択情報の入出力を行う。なお、映像処理部1606は入力された動画コンテンツをエンコードし暗号化を来ない、動画配信用のストリームを生成する。本図に示すように、ビデオプラットフォーム111はサーバと言うことができる。
【0099】
図17は、テレビゲートウェイ121の構成図である。CPU1702は、メモリ1701及びストレージ装置1703に接続されており、所定の処理プログラムが動作する。通信インターフェース1704は、ビデオプラットフォームからの入出力及びテレビクラウドへの入出力を行う。ビデオプラットフォームからの過去番組表構成情報の入力、未来番組表構成情報の入力、現在番組表構成情報の入力、テレビクラウドへの過去番組表構成情報の出力、未来番組表構成情報の出力、現在番組表構成情報の出力を行う。ビデオプラットフォームはなお、操作者は、操作部1705により動作を制御する。本図に示すように、テレビゲートウェイ121はサーバと言うことができる。
【0100】
図18は、テレビクラウド131の構成図である。通信インターフェース2004より、テレビゲートウェイより出力される番組表構成情報を受信する。番組表構成情報は、CPU2002、メモリ2001による動作するソフトウエアにより、テレビ受信機が表示可能な所定のフォーマットに変換され、ストレージ2003に保存される。操作部2005により、オペレータはソフトウエアの制御を行う。ストレージ2003に保存されたデータは、第15図に示すテレビ受信機により受信される。本図に示すように、テレビクラウド131はサーバと言うことができる。
【0101】
以下、
図15のテレビ受信機141、
図16のビデオプラットフォーム111、
図17のテレビゲートウェイ121、
図18のテレビクラウド131により、
図6に示す番組表の構成に関して説明する。
【0102】
図16のビデオプラットフォーム111のストレージ1603に保存されている番組表構成情報は、通信インターフェース1604により出力され、
図17のテレビゲートウェイ121の通信インターフェース1704で受信され、ストレージ1703により一旦保存される。保存された、番組表構成情報は、通信インターフェース1704より出力され、
図18のテレビクラウド131により受信される。
図18のテレビクラウド131では、受信した番組表構成情報を、テレビ受信機141で表示可能なフォーマットへ変換する。ここで、変換されたデータフォーマットは、例えば、テレビ受信機141上で動作するブラウザで表示可能なHTML5である。
【0103】
変換されたデータは、通信インターフェース2004により
図15のテレビ受信機141へ出力される。
図15のテレビ受信機141では、通信インターフェース1511より動画コンテンツだけでなく、コンテンツの選択画面を受信する。ここでいう、コンテンツの選択画面は、
図6に示す過去番組表、現在番組表、未来番組表にあたる。
【0104】
以下、
図15のテレビ受信機141を用いて、
図6の番組表、
図7の番組表のシーケンスを説明する。
図18のテレビクラウド131により、表示可能なデータフォーマットへの変換がおこなわれた番組表構成情報は、通信インターフェース1511により受信される。ここで、番組表構成情報は、過去1週間、未来1週間分の情報が送られてきており、現在の時刻に応じて、
図6に示す現在番組、過去番組表、未来番組表が表示される。ここで、送られてくる番組表構成情報と現在の時刻を比較し、過去の情報と判断した部分を分割し過去番組表として表示し、未来の情報と判断した部分を分割して未来番組表として表示し、現在配信されていると判断した場合は、現在番組表として表示を行う。これらの表示動作は、
図15に示すCPU1509で動作するソフトウエアにより実施される。
【0105】
図7に、番組表のシーケンスを示す。
図7に示す過去番組表501、現在番組表511、未来番組表521は、
図6に示す過去番組表401、現在番組表411、未来番組表421に対応している。
図7における動作は、
図15に示すテレビ受信機141のCPU1509で動作するソフトウエアにて実施される。
【0106】
[付記]
・番組表構成情報の構成
テレビゲートウェイによって構成される動画配信システムにおいて、
事業者情報、チャンネル情報、番組情報、タイムテーブルに加えて、広告情報、VOD情報、広告の表示位置を示すレイアウト情報によって、構成する「番組表構成情報」により、リニア配信で実現されるAVODだけでなく、SVOD、TVODに対応する。
・リニア配信の番組表に、VODの選択画面を重畳し、視聴者の契約条件を確認するテレビゲートウェイのシーケンスによって、AVOD、SVOD、TVODのいずれのコンテンツも選択、視聴する。
・過去に配信された番組表構成情報と将来配信予定の番組表構成情報により、現在番組と過去番組をシームレスに表示する。過去番組においては、ダイジェスト再生を未来番組に関しては、予告動画を再生する。
・広告の提示方法
上記、「番組表構成情報」に含まれる広告情報、及び、レイアウト情報により、
本編動画に時間的に挿入する広告と、本編動画に空間的に重ねて表示する広告と、更に、これらを組み合わせて実現する広告を提示する。
・時間挿入された広告からボタン押下により、別途サービスサイトの情報を表示する、或いは、VOD動画コンテンツを視聴するサービスを実現する。
・番組表構成情報の取得、修正方法
「番組表構成情報」は、テレビゲートウェイの更新フラグを定期的に確認することで更新を行う。
「番組表構成情報」の修正は、別途、送信される緊急メッセージにより実施され、緊急メッセージは緊急フラグを比較的短い期間で確認を行う。
・ビデオプラットフォームとテレビの間に配置され該ビデオプラットフォームからの動画コンテンツを該テレビに提供するための接続をテレビゲートウェイにおいて、
該テレビゲートウェイは、
該テレビと該テレビゲートウェイの間に配置されたテレビクラウドが送信する該テレビからのビデオプラットフォーム111を識別するID、視聴対象となる動画コンテンツを識別するID、テレビクラウドを同時に識別するIDを含むビデオオンデマンドトークン要求を受信し、
該ビデオプラットフォームにモバイル端末のユーザーとビデオプラットフォームを同時に識別するID(以下CT-ID)と視聴対象となる動画コンテンツを識別するID(以下MA-ID)を送信し、
該ビデオプラットフォームがCT-IDとMA-IDを基にVOD視聴可能な条件を有しているとしてCT-IDとMA-IDを含むビデオオンデマンドトークンを受信し、
該ビデオプラットフォームからビデオオンデマンドトークンを受信した結果に基づき該ビデオオンデマンドトークンを該テレビクラウドに送信することを特徴とするテレビゲートウェイ。
【0107】
(第2実施形態)
本発明の一実施形態である第2実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態は、上述した他の実施形態の変形例であるので、他の実施形態と同じ部分については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0108】
図19は、動画配信システムにおけるIDバインドまでの動作の一例について説明する図である。本図は、
図4と同様に、
図3に示す動画配信システム全体から、ビデオプラットフォーム111とテレビゲートウェイ121とテレビクラウド131とテレビ受信機141とモバイル端末109を抜粋して示している。他のビデオプラットフォーム及びテレビクラウド、テレビ受信機、モバイル端末も同様の動作を行う。
【0109】
第1実施形態では、
図4を用いて、動画配信システムの動作の一例について説明したが、本実施形態では主に、
図4に示す動作の前段の動作であって、ID結合情報DB(データベース)120に情報を記憶させるまでの流れについて、説明する。
【0110】
ID結合情報DB120は、例えばテレビゲートウェイ121が備える(或いは、テレビゲートウェイ121のCPU1702が参照可能な)HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に記憶されている。ID結合情報DB120は、
図20や
図21にテーブルの形式で例示する情報を記憶している。
【0111】
図20は、ID結合情報DB120が記憶する、会員およびその権利状況を識別するための情報の一例を示す図である。より詳細には、
図20が示すテーブルは、MA-IDに対してHA-IDやアクセストークン、リフレッシュトークン、有効期限、ユーザプロファイル等を関連付けて記憶する。アクセストークンは、テレビクラウド131へのアクセスを許諾していることを示すトークンである。有効期限は、アクセストークンの有効期限であり、当該有効期限を超過すると、アクセストークンは失効する。リフレッシュトークンは、新たなアクセストークンおよび有効期限を取得する際に用いるトークンである。
【0112】
ここで、MA-IDは、モバイル端末109のユーザーとビデオプラットフォーム111を同時に識別するIDである。ここで、モバイル端末109は、例えば、ユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末機器である。HA-IDは、テレビ受信機141及びテレビクラウド131を同時に識別するIDである。したがって、ユーザーが、複数の再生機器(例えばテレビ受信機141)を所持している場合には、一つのMA-IDに対して、複数のHA-IDが関連付けられている可能性がある。また、MA-IDに関連付けられるHA-IDごとに、アクセストークンやリフレッシュトークン、有効期限等が、記憶される。
【0113】
図21は、ID結合情報DB120が記憶する、再生機器(例えばテレビ受信機141)を識別するための情報の一例を示す図である。より詳細には、
図21が示すテーブルは、HA-IDに対してMA-IDやアクセストークン、リフレッシュトークン、有効期限等を関連付けて記憶する。アクセストークンは、ビデオプラットフォーム111へのアクセスを許諾していることを示すトークンである。有効期限は、アクセストークンの有効期限であり、当該有効期限を超過すると、アクセストークンは失効する。リフレッシュトークンは、新たなアクセストークンおよび有効期限を取得する際に用いるトークンである。
【0114】
ここで、ユーザーが、一つの再生機器(例えばテレビ受信機141)によって、複数のビデオプラットフォーム111が提供するVODサービスを利用する場合がある。この場合には、一つのHA-IDに対して、複数のMA-IDが関連付けられている可能性がある。また、HA-IDに関連付けられるMA-IDごとに、アクセストークンやリフレッシュトークン、有効期限等が、記憶される。
【0115】
図19に戻り、IDバインドまでの信号の送受信について、時系列で説明する。まず、テレビ受信機141は、リモコン操作などにより、VOD視聴を要求する操作を受けると、信号1901により、テレビクラウド131に対して、(1)QRコード(登録商標)を要求する。信号1901には、HA-IDが少なくとも含まれる。
【0116】
(1)のQRコード要求を受信したテレビクラウド131は、信号1902により、テレビ受信機141に対して、(2)QRコードを表示させるための情報を送信する。ここで、信号1902のQRコードは、VODコンテンツを提供するビデオプラットフォーム111を識別するPF-IDと、テレビ受信機自身を示すHA-IDとを特定可能な情報を、少なくとも含んでいる。信号1902を受信したテレビ受信機141は、画面にQRコードを表示させる。
【0117】
次に、モバイル端末109が、テレビ受信機141の画面に表示されたQRコードを撮像し、デコードすることで得られた情報に基づいて、信号1903により、(3)Webアクセスする。このときのアクセス先は、テレビゲートウェイ121である。信号1903を受信したテレビゲートウェイ212は、信号1904により、QRコードに含まれていたPF-IDが示すビデオプラットフォーム111に対して、(4)認証リクエストを行う。
【0118】
信号1904を受信したビデオプラットフォーム111は、信号1905~1906により、(5)ID登録確認を行う。当該ID登録確認において、ビデオプラットフォーム111は、モバイル端末109を介して、ユーザーに対し、ログイン操作を求める。
【0119】
ここで、モバイル端末109側での表示状態および操作受付について補足する。ユーザーは、テレビ受信機141に対してリモコンでVOD視聴を要求すると、テレビ受信機141の画面にQRコードが表示されるので、これをモバイル端末109により撮像し、QRコードが導くWebページをモバイル端末109の画面に表示させる。このときのWebページは、例えばテレビゲートウェイ121が提供する。また、このときのWebページは、例えば、次画面でユーザーのログイン操作を求めることを許可するか確認するための操作ボタンを含む。この操作ボタンをユーザーが操作すると、VOD視聴契約において指定されたIDやパスワードをユーザーが入力するための画面が、モバイル端末109に表示される。このときのIDやパスワードを入力するための画面は、ビデオプラットフォーム111が提供する。当該画面を介して、ビデオプラットフォーム111は、ユーザーのIDやパスワードの入力を受け付けて、信号1905~1906による(5)ID登録確認を、完了させる。
【0120】
図19による説明に戻る。ビデオプラットフォーム111は、信号1905により、サブスクライバーデータベース191に対して、ユーザーのIDやパスワードを送信する。サブスクライバーデータベース191は、ユーザーのIDおよびパスワードがVOD視聴契約において有効であれば、ビデオプラットフォーム111に対し、信号1906により、MA-IDを送信する。
【0121】
(5)のID登録確認を終えてMA-IDを入手したビデオプラットフォーム111は、テレビゲートウェイ121に対し、信号1907により、(6)レスポンスを送信する。ここまでで、テレビゲートウェイ121は、ユーザーがビデオプラットフォーム111に対してVOD視聴の契約を行っていることを認識する。
【0122】
(6)のレスポンスを受信したテレビゲートウェイ121は、次に、ビデオプラットフォーム111に対し、信号1908により、(7)トークンリクエストを送信する。(7)のトークンリクエストを受信したビデオプラットフォーム111は、テレビゲートウェイ121に対し、信号1909により、(8)VPFトークンレスポンスを送信する。
【0123】
(8)のVPFトークンレスポンスを受信したテレビゲートウェイ121は、次に、テレビクラウド131に対し、信号1910により、(9)トークンリクエストを送信する。(9)のトークンリクエストを受信したテレビクラウド131は、テレビゲートウェイ121に対し、信号1911により、(10)TVCトークンレスポンスを送信する。
【0124】
(10)のTVCトークンレスポンスを受信したテレビゲートウェイ121は、次に、ビデオプラットフォーム111に対し、信号1912により、(11)プロファイルリクエストを送信する。これを受信したビデオプラットフォーム111は、テレビゲートウェイ121に対し、信号1913により、(12)プロファイルおよびMA-IDを送信する。
【0125】
(12)のプロファイルおよびMA-IDを受信したテレビゲートウェイ121は、次に、テレビクラウド131に対し、信号1914により、(13)プロファイルリクエストを送信する。これを受信したテレビクラウド131は、信号1915により、(14)プロファイルおよびHA-IDを送信する。
【0126】
ここまでの流れにより、テレビゲートウェイ121は、ユーザーのプロファイルに関連付けられたMA-IDとHA-IDとを入手する。次に、テレビゲートウェイ121は、(15)IDバインドを行って、ID結合情報DB120に、MA-IDとHA-IDの結合情報(例えば
図20および
図21にテーブル形式で例示する情報)を記憶させる。
【0127】
このように本実施形態によれば、ある再生機器(テレビ受信機141)での初回のVOD視聴に際して、モバイル端末109での入力操作を可能とすることができる。モバイル端末109は、例えばスマートフォンであって、文字入力が容易な端末である。したがって、本実施形態によれば、従来であればリモコンによらなければならなかったIDやパスワードの入力作業をモバイル端末109により行うことが可能となるので、入力操作の煩雑さを大幅に軽減することが可能となる。
【0128】
また、本実施形態によれば、テレビ受信機141やテレビクラウド131にて、ビデオプラットフォーム111に対するユーザーのログインを可能にするIDやパスワードを管理することなしに、トークンが有効である限り、ビデオプラットフォーム111に対するテレビ受信機141の接続を可能とすることができる。つまり、秘匿すべき情報であるIDやパスワードは、ビデオプラットフォーム111でのみ管理され、他の装置(テレビゲートウェイ121、テレビクラウド131、テレビ受信機141)から漏洩する恐れを排除することが可能である。
【0129】
図22は、テレビゲートウェイ121におけるID提供にかかる信号の流れについて説明する図である。この図には、あるVOD視聴契約を有するユーザーが、ある再生機器により行う、2回目以降のVOD視聴の際の信号の流れを示している。
【0130】
テレビゲートウェイ121は、CPU1702が所定のプログラムを実行することにより実現する機能部である結合情報参照部1706を備えている。通信I/F(Interface、インターフェース)1704がビデオプラットフォーム111からMA-IDを受信すると、結合情報参照部1706がID結合情報DB120を参照して、MA-IDに対応するHA-IDを取得し、これをテレビクラウド131に送信する。また、通信I/F(Interface、インターフェース)1704がテレビクラウド131からHA-IDを受信すると、結合情報参照部1706がID結合情報DB120を参照して、HA-IDに対応するMA-IDを取得し、これをビデオプラットフォーム111に送信する。より詳細には、第1実施形態において
図4を用いて説明した通りである。
【産業上の利用可能性】
【0131】
ビデオコンテンツのリニア配信において、番組表構成情報にVOD情報を加えることにより、ユーザーがリニア配信のビデオコンテンツを見る際に、EPG上でVODも表示することができるようになる。これにより視聴者の番組選択の幅を広げることができる。
【符号の説明】
【0132】
101~108…CSP(コンテンツサービスプロバイダ)
109 …モバイル端末
111 …ビデオプラットフォーム
120 …ID結合情報DB
121 …テレビゲートウェイ
131 …テレビクラウド
141 …テレビ受信機
191 …サブスクライバーデータベース
301 …番組表視聴情報
1706…結合情報参照部