(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】差圧監視を組み込んだスパイラル型膜モジュール
(51)【国際特許分類】
B01D 63/10 20060101AFI20240814BHJP
B01D 63/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B01D63/10
B01D63/12
(21)【出願番号】P 2020503778
(86)(22)【出願日】2018-06-20
(86)【国際出願番号】 US2018038400
(87)【国際公開番号】W WO2019022864
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-15
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ジョンズ、スティーブン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン、ルーク
(72)【発明者】
【氏名】トムリンソン、イアン エー.
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】金 公彦
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-045841(JP,A)
【文献】特開2007-283297(JP,A)
【文献】特開2012-176372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/00-29/48
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイラル型膜モジュール(2)であって、
反対にある第1のモジュール端部(30)と第2のモジュール端部(30’)との間に、軸線(X)に沿って延びる透過物収集チューブ(8)の周りに巻かれた少なくとも1つの膜エンベロープ(4)と、
前記第1のモジュール端部(30)および前記第2のモジュール端部(30’)のうちの少なくとも1つの上に位置するエンドキャップアセンブリ(31)であって、前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記透過物収集チューブ(8)に固定された内側ハブ(57)と、前記エンドキャップアセンブリ(31)の外周部(36)を画定する同心の外側リング(33)と、を含み、前記外側リング(33)は、前記スパイラル型膜モジュール(2)に流体アクセス経路(A)を提供する開口(35)により分離された複数の径方向に延びる支持体(34)によって前記内側ハブ(57)に接続されている、エンドキャップアセンブリ(31)と、
を含み、
前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記外側リング(33)の前記外周部(36)に位置する第1の導管端部(47)から前記外側リング(33)内に位置する第2の導管端部(47’)まで径方向内側に延びる流体通路を画定する接続導管(45)と、前記接続導管(45)の前記流体通路に接続された差圧センサ(49)と、を含
み、
前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記外側リング(33)の前記外周部(36)に位置する環状溝(37)と、前記環状溝(37)内に位置するブラインシール(39)と、を含み、前記接続導管(45)の前記第1の導管端部(47)は、前記ブラインシール(39)と前記スパイラル型膜モジュール(2)の前記反対の端部との間に軸方向に配置されていることを特徴とする、
スパイラル型膜モジュール(2)。
【請求項2】
前記差圧センサ(49)は、高分子樹脂内に収容されている、請求項1に記載のスパイラル型膜モジュール(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、流体分離の実施に有用なスパイラル型膜モジュール及び関連アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
序文
スパイラル型膜モジュールは多種多様な流体の分離において使用される。従来の実施形態では、1つ以上のスパイラル型逆浸透(RO:reverse osmosis)又はナノ濾過(NF:nano-filtration)膜モジュール(「要素」)が一般的な圧力容器内で直列に接続される。大規模水処理施設は、通常、複数列及び/又は段の容器を含み、そのそれぞれが6~8つのスパイラル型膜モジュールを含む。運転後、個々のモジュールのファウリング及びスケール生成が望ましくない減圧を招き、結果的に、分離性能が低下する。例えば、先頭の(上流)モジュールは、多くの場合、生物付着が発生しがちであり、末端の(下流)モジュールは、多くの場合、スケール生成がより発生しがちである。アセンブリ内の様々な箇所で圧力を監視することで、圧力損失を特定するのに役立ち、オペレータが適切な対策、例えば、モジュールの選択的交換、供給流体の前処理の増加、モジュールのより積極的なクリーニング等、をとることが可能になる。しかし、モジュールが圧力容器内に密閉されていることを考えると、圧力損失の監視は困難である。それにもかかわらず、様々な技術が開発されており、例えば、米国特許出願公開第2014/0180610号明細書、米国特許第8808539号明細書、米国特許第8617397号明細書、米国特許第8568596号明細書、米国特許第8519559号明細書、米国特許第8272251号明細書、米国特許第8210042号明細書、米国特許第7886582号明細書、米国特許出願公開第2011/10114561号明細書、国際公開第2012/117669号パンフレット、及びJP2016/019932号公報を参照されたい。類似の技術は、他の種類の濾過デバイス、例えば、米国特許第6936160号明細書、米国特許第7048775号明細書、及び米国特許第8221522号明細書でも用いられている。以下、即ち、i)既存のモジュール及び圧力容器の修正がほとんどない、ii)より少数の又はより単純なセンサを使用する、及びiii)引き込み式プローブを排除する、のうちの1つ以上を提供するものを含む、より複雑でない監視システムが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、圧力容器を含む、スパイラル型膜モジュール及び関連アセンブリ、それらの製造及び使用方法、並びにそのようなアセンブリの組み合わせを含む。好適な実施形態では、対象のスパイラル型膜モジュールは、反対にある第1のモジュール端部と第2のモジュール端部との間に、軸線に沿って延びる透過物収集チューブの周りに巻かれた少なくとも1つの膜エンベロープと、反対にあるモジュール端部のうちの少なくとも1つの上に位置するエンドキャップアセンブリと、を含む。エンドキャップアセンブリは、透過物収集チューブに固定された内側ハブと、エンドキャップアセンブリの外周部を画定する同心の外側リングと、を含む。外側リングは、モジュールに流体アクセス経路を提供する開口により分離された複数の径方向に延びる支持体によって内側ハブに接続されている。エンドキャップアセンブリは、外側リングの外周部に位置する第1の導管端部から外側リング内に位置する第2の導管端部まで径方向内側に延びる流体通路を画定する接続導管と、接続導管の流体通路に接続された差圧センサと、を更に含む。
【0004】
別の実施形態では、本発明は、圧力容器のチャンバ内に直列配置で軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュールを含むアセンブリを含み、第1の即ち「先頭の」モジュールは第1の容器端部に隣接して位置し、第2の即ち「末端」モジュールは第2の容器端部に隣接して位置する。好適な実施形態では、圧力容器内の第1のモジュール若しくは第2のモジュール、又は第1のモジュール及び第2のモジュールの両方は、対象のエンドキャップアセンブリ及び差圧センサを含む。この手法は、第1の(最上流)モジュール内で典型的には最初に発生する生物付着、及び第2の(最下流)モジュール内で典型的には最初に発生するスケール生成の早期検知を可能にする。或いは、アセンブリ内の他のモジュール、又はアセンブリの全モジュールが、対象のエンドキャップアセンブリ及び差圧センサを含んでもよい。多くの更なる実施形態を記載する。
【0005】
図面は縮尺通りではなく、説明を容易にするための理想化された図を含む。可能な場合、同じ又は同様な特徴を示すために同じ数字が図面及び明細書全体にわたって使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】部分的に組み立てられたスパイラル型膜モジュールの部分切欠斜視図である。
【
図2】圧力容器内に位置するエンドキャップアセンブリを含むスパイラル型膜モジュールを示すスパイラル型膜モジュールアセンブリの部分切欠斜視図である。
【
図3】供給物/濃縮物流路(A)を接続導管及び圧力センサと共に示す、
図2から部分的に切り取ったスパイラル型膜モジュールアセンブリの断面図である。
【
図4a】流れが接続導管を通るのを阻止する伸縮可能なフィルムを含み且つ抵抗ひずみゲージを含む圧力センサの別の実施形態を示すエンドキャップアセンブリの別の実施形態を示す断面図である。
【
図4b】対象の圧力センサに適用可能な電気回路を示す概略図である。
【
図5】圧力容器内に直列関係で軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュールを含むスパイラル型膜モジュールアセンブリの断面図である。説明を容易にするために、エンドキャップアセンブリは図示していない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、逆浸透(RO)システム及びナノ濾過(NF)システムでの使用に適したスパイラル型膜モジュールを含む。このようなモジュールは、透過物収集チューブの周りに巻かれた1つ以上のRO又はNF膜エンベロープと供給物スペーサシートとを含む。エンベロープを形成するために使用されるRO膜は、事実上全ての溶解塩に対して比較的不透過性であり、典型的には、塩化ナトリウムなどの一価イオンを有する塩の約95%超を阻止する。RO膜はまた、典型的には、約100ダルトン超の分子量を有する無機分子のみならず有機分子の約95%超を阻止する。NF膜は、RO膜よりも透過性が高く、典型的には、一価イオンを有する塩の約95%未満を阻止し、二価イオンの種に応じて、二価イオンを有する塩の約50%超(多くの場合は90%超)を阻止する。NF膜はまた、典型的には、ナノメートル範囲の粒子のみならず、約200~500ダルトン超の分子量を有する有機分子を阻止する。これを説明するために、用語「超濾過」は、RO及びNFの両方を包含する。
【0008】
図1に、代表的なスパイラル型膜モジュールを参照番号2で全体的に示す。モジュール(2)は、1つ以上の膜エンベロープ(4)と任意の供給物スペーサシート(「供給物スペーサ」)(6)とを透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に巻くことによって形成されている。透過物収集チューブ(8)は、内周部(9)と、反対にある第1の端部と第2の端部(13’、13)との間に、軸線(X)に沿って延びる長さとを含み、透過物収集チューブ(8)の長さの一部分に沿って複数の開口部(24)を含む。各膜エンベロープ(4)は、膜シートの2つの実質的に矩形の部分(10、10’)を含むことが好ましい。膜シートの各部分(10、10’)は、膜即ち前面と、支持体即ち裏面と、を有する。膜エンベロープ(4)は、膜シート(10、10’)を重ね合わせ、それらの縁を位置合わせすることによって形成される。好適な実施形態では、膜シートの部分(10、10’)は、透過物スペーサシート(12)を包囲する。このサンドイッチ型構造は、3つの縁(16、18、20)に沿って例えばシーラント(14)により互いに固定されてエンベロープ(4)を形成し、第4の縁、即ち「基端側の縁」(22)は、エンベロープ(4)の内側部分(及び任意の透過物スペーサ(12))が、透過物収集チューブ(8)の長さの一部分に沿って延びる開口部(24)と流体連通するように、透過物収集チューブ(8)に当接している。モジュール(2)は、単一のエンベロープ、又は供給物スペーサシート(6)によってそれぞれ隔てられた複数の膜エンベロープ(4)を含んでもよい。図示される実施形態では、膜エンベロープ(4)は、隣接して配置された膜リーフパケットの裏側表面を接合することによって形成されている。膜リーフパケットは実質的に矩形の膜シート(10)を含み、実質的に矩形の膜シート(10)は折りたたまれて2つの膜「リーフ」を画定する。各リーフの前面は互いに対向し、折り目は膜エンベロープ(4)の基端側の縁(22)と軸方向に位置合わせされている、即ち、透過物収集チューブ(8)と平行である。折りたたまれた膜シート(10)の対向する前面間に配置された供給物スペーサシート(6)が示される。供給物スペーサシート(6)は、モジュール(2)を通る供給流体の流れを促進する。図示しないが、アセンブリには追加的な中間層も含まれてよい。膜リーフパケット及びそれらの製造の代表的な例が、米国特許第7875177号明細書及び米国特許第8608964号明細書に更に記載されている。プロトタイプの逆浸透膜は、多孔質支持体上における多官能価アミンのモノマーとハロゲン化アシルのモノマーとの界面重合によって作製されたFilmTec CorporationのFT-30(商標)型膜である。
【0009】
モジュール製造時に、透過物スペーサシート(12)は、それらの間に膜リーフパケットを挟んだ状態で、透過物収集チューブ(8)の周囲に取り付けられてもよい。隣接して配置された膜リーフ(10、10’)の裏面は、透過物スペーサシート(12)を密封し、且つ膜エンベロープ(4)を形成するために、膜リーフ(10、10’)の周縁部(16、18、20)の一部で密閉されている。透過物スペーサシートを透過物収集チューブに取り付けるのに適した技術は米国特許第5538642号明細書に記載されている。膜エンベロープ(4)及び供給物スペーサ(6)は、軸線(X)に沿って延びる透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に巻き付けられ(wound)又は「巻かれ(rolled)」、それぞれ供給液の入口及び出口としての役割を果たす2つの反対にある渦巻き面をモジュール端部(30、30’)に形成している。得られた螺旋状の束は、テープ又は他の手段によって所定の位置に保持される。その後、米国特許第7951295号明細書に記載されているように、モジュールの渦巻き面は整えられてもよく、任意選択的に、渦巻き面と透過物収集チューブ(8)との間の接合部にシーラントが適用されてもよい。米国特許第8142588号明細書及び米国特許第8668828号明細書に記載されているように、巻かれたモジュールの周囲にテープなどの不透過性層が巻かれてもよい。別の実施形態では、多孔質テープ又はガラス繊維コーティングがモジュールの周縁部に適用されてもよい。例えば、米国特許第9623379号明細書を参照されたい。
【0010】
図1を更に参照すると、動作時、加圧された供給流体(水)は第1の端部(30)、即ち「上流」においてモジュール(2)に入り、モジュール内を略軸方向に流れ、反対にある第2の端部(30’)において、矢印(26)により示される方向、即ち「下流」に濃縮物として出る。透過物は、膜(10、10’)内に延びる矢印(28)によって概ね示される透過物流路に沿って流れ、膜エンベロープ(4)内に入り、そこで開口部(24)に流れ、透過物収集チューブ(8)を通り、チューブ(8)の第2の端部(13)を出る。
【0011】
図2~
図3に最も良く示されるように、エンドキャップアセンブリ(31)(「伸縮防止デバイス」とも呼ばれる)は、モジュール(2)の少なくとも1つの端部(30又は30’)上に位置する。説明を容易にするために、モジュールの端部(30、30’)は、モジュールに流入する流体の入口としての役割を果たす「第1の」モジュール端部(30)、及びモジュールからの流体流の出口としての役割を果たす「第2の」モジュール端部(30’)として互いに区別される。図示されるように、エンドキャップアセンブリ(31)はモジュール(2)の第1の端部(30)に位置する。しかしながら、代替的に、エンドキャップアセンブリはモジュール(2)の第2の端部(30’)に位置してもよいこと、又はモジュールの両端部(30、30’)に位置してもよいことは当業者には理解されよう。実際、不図示の好適な実施形態では、エンドキャップアセンブリは、圧力容器内の各スパイラル型膜モジュールの両端部(30、30’)に位置する。エンドキャップアセンブリ(31)の構成は特に限定されないが、中央に位置する、軸方向に整列されたエンドキャップ内側ハブ(57)を含むことが好ましい。エンドキャップ内側ハブ(57)は透過物収集チューブ(8)に固定されてもよい、又は透過物収集チューブ(8)から延びるインタコネクタチューブ((46)
図5に示される)を同心円状に包囲してもよい。
図2に示される好適な実施形態では、エンドキャップ内側ハブ(57)は透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に嵌合する。エンドキャップ内側ハブ(57)は、きつい同心嵌合(concentric fit)、接着剤、溶接等によって固定されてもよい。エンドキャップ内側ハブ(57)は、複数の径方向に延びる支持体(34)、例えば「スポーク」によって同心の外側リング(33)に接続されていることが好ましい。支持体(34)は、モジュール(2)に流体アクセス経路を提供するエンドキャップ開口(35)によって分離されており、例えば、液体は、どちらの端部にエンドキャップアセンブリが位置するかに応じて、モジュール(2)の端部(30、30’)に流れ込む又はモジュール(2)の端部(30、30’)から流れ出る。代表的な流体アクセス経路は実線の矢印(A)によって概ね示される。代表的な例は、米国特許第5128037号明細書、米国特許第5851267号明細書、米国特許第6632356号明細書、米国特許第8425773号明細書、及び国際公開第2014/151695号パンフレットに記載されている。
図3に最も良く示されるように、外側リング(33)は、モジュール(2)の外周部と概ね同一の広がりを持つ外周部(36)を画定し、環状溝(37)を、環状溝(37)内に位置する、圧力容器(40)の内側周囲表面(43)との密封係合のために適応させたブラインシール(39)と共に含む。圧力容器内に位置するとき、ブラインシールは流体がモジュール(2)をバイパスして、モジュール(2)の外周部(43”)と圧力容器(40)の周囲表面(43)との間の空間(43’)に沿って流れることを制限する。代表的な例は、米国特許第6299772号明細書、米国特許第8110016号明細書、及び国際公開第2017/019282号パンフレットに記載されている。例えば、O-リング、シェブロンシール、U字形シール、スプリットリングシール等の様々なタイプのシールが用いられてもよい。例えば、米国特許第6224767号明細書、米国特許第7198719号明細書、米国特許第8377300号明細書、米国特許第8388842号明細書、米国特許第8377300号明細書、及び米国特許第9381469号明細書を参照されたい。
【0012】
スパイラル型膜モジュール(2)の少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)は、例えば支持体(34)に隣接する位置に、外側リング(33)の外周部(36)に位置する第1の導管端部(47)から外側リング(33)内に位置する第2の導管端部(47’)まで径方向内側に延びる流体通路を画定し、モジュール(2)の端部と流体連通する接続導管(45)を含む。第1の導管端部(47)は、ブラインシール(39)とモジュール(2)の反対の端部(30’)との間に好ましくは軸方向に位置し、例えば、モジュール(2)の外周部(43”)と圧力容器(40)の周囲表面(43)との間に位置する周囲空間(43’)と流体連通するように適合されている。好適な実施形態では、エンドキャップアセンブリ(31)はモジュール(2)の「上流」の第1の端部に位置し、第1の導管端部(47)はブラインシール(39)の「下流」に位置し、接続導管(45)はモジュール(2)の第1の端部(30)と周囲空間(43’)との間の通路を提供する。流体にブラインシールをバイパスさせる際に使用するための類似の開口部は、JP05287789号公報、JP62049902号公報、米国特許第5128037号明細書、米国特許第7208088号明細書、米国特許第8778182号明細書、及び米国特許出願公開第2013/0161258号明細書に記載されている。米国特許第8377300号明細書は、ブラインシールを取り出すのに有用な、エンドキャップの側面の開口部を示す。以下に記載されるように、本発明では、接続導管(45)を通る流体の流れは、差圧の測定で使用するのに適したバリアによって阻止される。
【0013】
差圧センサ(49)は接続導管(45)の流体通路に接続され、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と、ブラインシール(39)とモジュール(2)の反対の端部(30’)との間の周囲空間(43’)の領域と、の間の圧力差を測定するように適合されている。これによりブラインシール(39)の両端の圧力差の測定が可能となり、モジュール(2)の第1の端部と第2の端部(30、30’)との間の圧力差が近似される。差圧センサ(49)は、エンドキャップアセンブリ(31)によって囲まれた領域内に好ましくは位置し、例えば、エンドキャップアセンブリの、同心の外側リング(33)の内面又は
図2~
図3に示されるように支持体(34)のうちの1つなどに固定されている。このように、エンドキャップアセンブリ(31)の外側に面する表面は遮られないままであり、隣接して配置されたスパイラル型膜モジュールのエンドキャップアセンブリに固定され得る。いくつかの実施形態では、差圧センサ(49)は保護用高分子樹脂(例えば、熱硬化性材料又は熱可塑性材料)中に入れられる又は「ポッティングされる」ため、差圧センサ(49)は10バールを超える、より好ましくは15バールを超える、又は更には20バールを超える供給圧力で機能することが可能になる。好適なポッティング材としては、ウレタン、エポキシ、及びホットメルトが挙げられる。好ましい実施形態では、差圧センサは2つのポートを含んでもよく、そのうちの1つはブラインシール(39)とモジュール(2)の反対の端部(30’)との間の周囲空間(43’)と流体連通する接続導管(45)に接合されており、別のポートはモジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と流体連通している。
【0014】
図3及び
図4を参照すると、差圧センサ(49)は、圧力容器(40)の外部に配置された外部電源、信号プロセッサ、及びストレージデバイスのうちの1つ以上と連通する電力及び信号リード又はワイヤ(55)を含んでもよい。例えば、電力リード又は信号リード(55)は、差圧センサ(49)から、供給物入口ポート(42)、濃縮物出口ポート(42’)、又は透過物出口ポート(44)を通ってマイクロプロセッシングユニットなどの外部に位置するデバイスまで延びていてもよい。他の実施形態では、(例えば、電圧、電流、光等を介して)電力又は信号を伝送するリード(55)は、差圧センサ(49)から、圧力容器(40)の間隙空間(56、56’)内に位置するこうしたデバイス(例えば、マイクロプロセッシングユニット(図示せず))まで延びていてもよい。或いは、センサは、電源として内部バッテリーを含んでもよい、又は応答信号送信源(interrogating source)からのエネルギーを使用して信号を供給し、物理的なリード若しくはワイヤを必要としない無線、光、若しくは他の手段を介して信号プロセッサと通信し得る受動型であってもよい。或いは、センサ(49)は、圧力容器(例えば、
図5に示される間隙空間(56))内に位置する別のセンサと通信してもよく、この別のセンサは、外部に位置するデバイス(例えばマイクロプロセッシングユニット)と更に通信する。
【0015】
好適な実施形態では、差圧センサ(49)は変形可能なバリア(72)(例えばダイアフラム)を含み、差圧を測定するための簡単で、信頼性が高く、且つ低コストの手段を提供する。変形可能なバリア(72)は流れが接続導管(45)を通るのを阻止し、差圧測定を可能にし、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)を、ブラインシール(39)とモジュール(2)の反対の端部(30’)との間の周囲空間(43’)の領域から分離する。変形可能なバリア(72)の両端の圧力差によって電気的性質(例えば、抵抗、静電容量)の変化を生じさせることができ、この構成要素は差圧の測定を行うために電子回路に組み込まれてもよい。或いは、バリア層の変形は光学的に(例えば、カメラによって、又はその光の偏向若しくは散乱によって)、又は音の変調によって検出されてもよい。変形可能なバリア(72)はまた、電磁波を変調して差圧の受動測定を可能にするアンテナを含んでもよい。
【0016】
動力を備えた差圧センサの例としては、OmegaのPX26-001DV、Dwyer 629C-02-CH-P2-E5-S1、及びCole-Parmer EW-68071-52が挙げられる。これら差圧センサは、異なる圧力領域に接続するために2つのポートを含む。第1のポートは、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と流体連通して設けられていてもよい。第2のポートは、接続導管(45)の第2の導管端部(47’)と密封係合されていてもよい。このタイプの構成は
図3に示されており、接続導管(45)の第1の端部(47)とモジュール(2)の第1の端部(30)との間の圧力差を測定するように適合されている。この圧力差は、モジュールの上流の流体とモジュールの下流の流体との間の圧力差を近似する。
【0017】
別の実施形態では、伸縮可能なフィルム(72)上の方向付けられた金属ワイヤを含むひずみゲージ(74)(例えば、OmegaのSGD-LYシリーズ)が接続導管と流体連通して設けられている。この実施形態は
図4a~
図4bに示されている。この伸縮によって、増加したブラインシールの上流の領域と下流の領域との間の圧力差がひずみゲージ抵抗の増加を生じさせる。センサ(49)の一部として組み込まれ得る電気回路は、変調された電気的性質を、マイクロプロセッシングユニットが解釈する信号に変換することを可能にする。例えば、
図4bに示されるクォーターブリッジひずみゲージ回路は、ひずみゲージ(74)の修正抵抗を電圧差に変換することを可能にし、動力を備えたマイクロプロセッシングユニットがこれを読み取り、対応する出力を提供することができる。(図示のケースでは、ワイヤ(55)は増幅器A2D、又はマイクロプロセッシングユニットのアナログ入力ピンに接続され得る。)或いは、アンテナ回路の電気抵抗の変化を使用して、電波を変調し、差圧の受動(内部電源のない)測定を行ってもよい。好ましい実施形態では、抵抗素子は周囲の溶液から隔離するためにプラスチック中に封入されることが好ましい。
【0018】
更に別の実施形態では、アンテナを含むフィルムのたわみを使用して差圧を検出してもよい。例えば、Drazan,JF.,et al.,Archimedean spiral pairs with no electrical connections as passive wireless implantable sensors,J.Biomedical Technology and Research,2014,1(1):,page 8は、圧縮可能な媒体によって分離された2つの隣接するスパイラルアンテナから形成された圧力センサについて説明している。この実施形態の変更形態において、変形可能なバリア(72)内のアンテナは接続導管(45)と流体連通してもよく、固定された第2のアンテナからのその距離は差圧によって変化する。この受動センサでは、電波が適用され、リターン信号は2つのアンテナセグメント間の距離によって変調される。
【0019】
使用されるとき、センサは、劣化し得る構成要素を液体から隔離するように好ましくはパッケージに入れられるが、両側で圧力に接触することは可能にする。2つの表面に別々に接触する(且つこれら劣化し得る構成要素を包囲する)薄く且つ可撓性のある液体バリア層は、この目的に十分であり得る。バリア層内に収容され得る、圧力損失を測定するために使用される劣化し得る構成要素としては、電気部品である抵抗器、コンデンサ、又はアンテナが挙げられる。
【0020】
マイクロプロセッシングユニットの種類は特に限定されず、適用可能な例としては、Analog Devices社のAD5931などの自立集積回路、及びTexas Instruments社のモデルCC2430又はCC2530などの集積回路が挙げられる。更なる例としては、Arduino及びRaspberry Piボードが挙げられる。マイクロプロセッシングユニットは、プロトコル、制御機能、及びデータを保存するためのフラッシュメモリを含むことが好ましい。マイクロプロセッシングユニットは、取り外し可能なエンドプレート(54)の少なくとも1つに固定されていてもよい。圧力容器内に配置される場合、マイクロプロセッシングユニットはポッティング材中に封入されてもよい。好ましくは、マイクロプロセッシングユニットはエンドキャップアセンブリ(31)によって包囲されている。
【0021】
好適な実施形態では、1つ以上(例えば、6~10個)のスパイラル型膜モジュールが圧力容器内に収容され、「スパイラル型アセンブリ」と総称される。容器は、供給物入口ポートと、濃縮物出口ポートと、透過物出口ポートと、を含む。供給物入口ポートは、供給液の加圧供給源と接続するように適合されている。濃縮物出口ポートは、再利用又は廃棄用の経路に接続するように適合されている。透過物出口ポートは、貯蔵、使用、又は更なる処理用の経路に接続するように適合されている。本発明で用いられる圧力容器は特に限定されないが、動作条件に伴う圧力に耐え得る頑丈な構造を含むことが好ましい。容器構造体は、チャンバ内に収容されるスパイラル型膜モジュールの外周部の大きさ及び形状に対応する大きさ及び形状の内周部を有するチャンバを含むことが好ましい。圧力容器の向きは特に限定されず、例えば、水平の向き及び垂直の向きの両方を使用してもよい。適用可能な圧力容器、モジュール配置、及び装填の例は、米国特許第6074595号明細書、米国特許第6165303号明細書、米国特許第6299772号明細書、及び米国特許出願公開第2008/0308504号明細書に記載されている。大型システム用の圧力容器の製造元としては、Minneapolis MNに所在のPentair、Vista CAに所在のBekaert、及びBeer Sheva,Israelに所在のBel Compositeが挙げられる。
【0022】
図5に、スパイラル型膜モジュールアセンブリの典型的な実施形態を参照番号21で全体的に示す。説明を容易にするために、ブラインシール(39)及び圧力センサ(49)を含むエンドキャップアセンブリ(31)の詳細については図示しない。図示されるように、アセンブリは、圧力容器(40)の加圧可能チャンバ(41)内に直列配置で(軸線Xに沿って)軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュール(2、2’)を含む。チャンバ(41)は、モジュール(2、2’)を密閉する周囲表面(43)を含む。隣接するモジュール(2、2’)の透過物収集チューブ(8)は透過物シール(48)とともにインタコネクタ(46)によって接合されてもよい。接合されたチューブ(8)の効果は、容器(40)のための組み合わせられた透過物収集領域(50)を画定することである。圧力容器(40)は、第1の容器端部と第2の容器端部(38、38’)との間に、中心軸線(X)に沿って延びる。容器(40)は、容器(40)の1つの端部(38、38’)に位置する少なくとも1つの取り外し可能なエンドプレート(54)を含む。容器エンドプレート(54)を取り外すと、チャンバ(41)にモジュール(2)を装填すること及びチャンバ(41)からモジュール(2)を取り出すことが可能になる。典型的な実施形態では、取り外し可能な容器エンドプレート(54、54’)は両方の容器端部(38、38’)に配置されていてもよい。容器(40)は、いくつかの流体ポート(42、42’、44、及び44’)、例えば、少なくとも1つの供給物入口ポート(42)、濃縮物出口ポート(42’)、及び透過物出口ポート(44)を含む。容器の各端部(38、38’)に追加的なポート、例えば、供給物入口ポート、濃縮物出口ポート、及び透過物出口ポート(44、44’)が含まれてもよい。同様に、供給物入口ポート及び濃縮物出口ポートが、
図5に示される向きとは反対の向きで設けられてもよい。説明を簡単にするために、供給物入口ポート及び濃縮物出口ポートは、ポート(42/42’)により包括的に参照される場合がある。径方向構成で示されているが、1つ以上の供給物及び濃縮物ポートは、容器(40)の端部(38、38’)内に延びる軸方向構成をとってもよい。間隙空間(56、56’)が、チャンバ(41)内の、容器(40)の端部(38、38’)と、最も近いモジュール(2、2’)との間に配置されている。
【0023】
図示されるように、透過物アダプタチューブ(52)が、容器(40)のいずれかの端部又は両方の端部(38、38’)に、最も近い軸方向に整列されたスパイラル型膜モジュールの透過物収集チューブ(8)と流体連通して配置されていてもよい。例えば、透過物アダプタチューブ(52)は、第1のスパイラル型膜モジュール(2)の透過物収集チューブ(8)と透過物出口ポート(44)とに密閉流体連通して設けられていてもよい。好ましい実施形態では、透過物アダプタチューブ(52)は、透過物が第1のスパイラル型膜モジュール(2)から透過物出口ポート(44)へと通過するための、例えば、透過物収集領域(50)から容器(40)を出るための密閉通路を画定する中空導管(53)を含む。或いは、透過物アダプタチューブ(52)は、プラグが透過物収集領域(50)の1つの端部(38’)を封止し、透過物が透過物収集領域(50)から透過物出口ポート(44’)に通過するのを阻止するように、第2のスパイラル型膜モジュール(2’)の透過物収集チューブ(8)の内周部(9)内に密閉されるプラグ(66)を含んでもよい。
図5の実施形態では、容器(40)の両方の端部(38、38’)の近傍に、対応する透過物アダプタチューブ(52、52’)とともに間隙空間(56、56’)が示されている。透過物アダプタチューブ(52)は、単一の一体ユニットであってもよい、又は接合されて、最も近いモジュール(2、2’)と透過物出口ポート(44)との両方に対して封止されるユニットを形成する複数の部品を含んでもよい。例えば、
図5に示される透過物アダプタチューブ(52、52’)はそれぞれ、透過物出口ポート(44、44’)を通過して容器(40)に入る透過物パイプを含む第1の部品と、最も近いモジュール(2、2’)の透過物収集チューブ(8)への接続部を含む第2の相手部品と、を含む。2つの部品はO-リングによって封止されるものとして図示されている。左側の透過物アダプタチューブ(52)は、透過物がその最も近いスパイラル型膜モジュール、即ち第1のスパイラル型膜モジュール(2)の透過物収集チューブ(8)を通過し、容器(40)を出るための密閉通路を提供する中空導管(53)を備えて図示されている。右側の透過物アダプタチューブ(52’)は、最も近いスパイラル型膜モジュール、即ち第2のスパイラル型膜モジュール(2’)の透過物収集チューブ(8)内に密閉されたプラグ(66)を含む。プラグ(66)は、この透過物収集チューブ(8)の中空内部(9)を含む透過物収集領域(50)を、容器(40)内の加圧された供給物又は濃縮物の溶液の隣接領域(68、68’)から封止する。これにより、加圧された供給物又は濃縮物の溶液が透過物収集チューブ(8)に入るのを阻止する。
【0024】
好適な実施形態では、3つ以上のモジュールが圧力容器(40)内に位置し、第1の(先頭の)モジュール(2)は第1の容器端部(38)に隣接して位置し、第2の(末端の)モジュール(2’)は第2の容器端部(38’)に隣接して位置し、他のモジュールはこれら第1のモジュールと第2のモジュールとの間に位置する。容器(40)内の少なくとも1つのスパイラル型膜モジュールの少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)は、前述の接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含む。1つの好適な実施形態では、容器(40)内の第1のモジュール(2)又は第2の(最後の)モジュール(2’)のうちの1つのみが、接続導管(45)及び差圧センサ(49)を備えるエンドキャップアセンブリ(31)を含む。他の実施形態では、圧力容器(40)内の第1のスパイラル型膜モジュール及び最後のスパイラル型膜モジュールの両方が、前述の接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含む対象のエンドキャップアセンブリ(31)を含む。この手法は、第1の(最上流)モジュール内で典型的には最初に発生する生物付着、及び最後の(最下流)モジュール内で典型的には最初に発生するスケール生成の早期検知を可能にする。或いは、アセンブリ内の他のモジュール、又はアセンブリの全モジュールが、対象のエンドキャップアセンブリ及び差圧センサを含んでもよい。接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含むエンドキャップアセンブリ(31)は、モジュール(2、2’)のいずれかの端部に位置してもよい。しかしながら、圧力容器(4)内の第1のスパイラル型膜モジュール及び最後のスパイラル型膜モジュールに関しては、エンドキャップアセンブリ(31)を間隙空間(56、56’)に最も近いモジュール端部(30、30’)に配置すると信号の取り出しが容易になり得る。好ましい実施形態では、圧力センサ(49)は間隙空間(56、56’)内に位置するマイクロプロセッサと(例えば、ワイヤ、光、又は音を介して)通信してもよい。
【0025】
本発明の多くの実施形態を説明し、いくつかの場合において、特定の実施形態、選択、範囲、構成要素、又は他の特徴を「好ましい」ものとして記載した。「好ましい」特徴のこうした明示は、本発明の必須の又は重要な態様として解釈されるべきでは決してない。示される範囲は特に終点を含む。前述の特許及び特許出願のそれぞれの全内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
(態様)
(態様1)
スパイラル型膜モジュール(2)であって、
反対にある第1のモジュール端部(30)と第2のモジュール端部(30’)との間に、軸線(X)に沿って延びる透過物収集チューブ(8)の周りに巻かれた少なくとも1つの膜エンベロープ(4)と、
前記モジュール端部(30、30’)のうちの少なくとも1つの上に位置するエンドキャップアセンブリ(31)であって、前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記透過物収集チューブ(8)に固定された内側ハブ(57)と、前記エンドキャップアセンブリ(31)の外周部(36)を画定する同心の外側リング(33)と、を含み、前記外側リング(33)は、前記モジュール(2)に流体アクセス経路(A)を提供する開口(35)により分離された複数の径方向に延びる支持体(34)によって前記内側ハブ(57)に接続されている、エンドキャップアセンブリ(31)と、
を含み、
前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記外側リング(33)の前記外周部(36)に位置する第1の導管端部(47)から前記外側リング(33)内に位置する第2の導管端部(47’)まで径方向内側に延びる流体通路を画定する接続導管(45)と、前記接続導管(45)の前記流体通路に接続された差圧センサ(49)と、を含むことを特徴とする、
スパイラル型膜モジュール(2)。
(態様2)
前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記外側リング(33)の前記外周部(36)に位置する環状溝(37)と、前記環状溝(37)内に位置するブラインシール(39)と、を含み、前記接続導管(45)の前記第1の端部(47)は、前記ブラインシール(39)と前記モジュール(2)の前記反対の端部との間に軸方向に配置されている、態様1に記載のスパイラル型膜モジュール(2)。
(態様3)
前記差圧センサ(49)は、高分子樹脂内に収容されている、態様1に記載のスパイラル型膜モジュール(2)。
(態様4)
スパイラル型モジュールアセンブリ(39)であって、
a)第1の容器端部(38)と第2の容器端部(38’)との間に、軸線(X)に沿って延びる内側周囲表面(43)を含むチャンバ(41)と、少なくとも1つの供給物入口ポート(42)と、濃縮物出口ポート(42’)と、透過物出口ポート(44)と、を含む圧力容器(40)と、
b)前記チャンバ(41)内に直列配置で軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュール(2、2’)であって、第1のモジュール(2)は前記第1の容器端部(38)に隣接して位置し、第2のモジュール(2’)は前記第2の容器端部(38’)に隣接して位置し、各スパイラル型モジュールは、反対にある第1のモジュール端部(30)と第2のモジュール端部(30’)との間に、軸線(X)に沿って延びる透過物収集チューブ(8)の周りに巻かれた少なくとも1つの膜エンベロープ(4)を含む、複数のスパイラル型膜モジュール(2、2’)と、
前記スパイラル型膜モジュールのうちの少なくとも1つの前記モジュール端部(30、30’)のうちの少なくとも1つの上に位置するエンドキャップアセンブリ(31)であって、前記エンドキャップアセンブリ(31)は、前記透過物収集チューブ(8)に固定された内側ハブ(57)と、前記アセンブリ(31)の外周部(36)を画定する同心の外側リング(33)であって、前記外側リング(33)は、前記モジュール(2)に流体アクセス経路(A)を提供する開口(35)により分離された複数の径方向に延びる支持体(34)によって前記内側ハブ(57)に接続されている、同心の外側リング(33)と、前記外側リング(33)の前記外周部(36)に位置する環状溝(37)と、前記環状溝(37)内に、前記チャンバ(41)の前記内側周囲表面(43)と密封係合して位置するブラインシール(39)と、を含む、エンドキャップアセンブリ(31)と、
を含み、
前記エンドキャップアセンブリ(31)が、
i)前記外側リング(33)の前記外周部(36)に、前記環状溝(37)と前記モジュール(2)の前記反対の端部との間に軸方向に位置する第1の導管端部(47)から、前記外側リング(33)内に位置する第2の端部(47’)まで径方向内側に延びる流体通路を画定する接続導管(45)と、
ii)前記接続導管(45)の前記流体通路に接続された差圧センサ(49)と、
を含むことを特徴とする、
スパイラル型アセンブリ(39)。
(態様5)
前記差圧センサ(49)は、前記第1のモジュール端部(30)と前記第2のモジュール端部(30’)との間の流体連通を分離するダイアフラムを含む、態様4に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(39)。