IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーア−ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特許-車両用操作ユニット 図1
  • 特許-車両用操作ユニット 図2
  • 特許-車両用操作ユニット 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】車両用操作ユニット
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240814BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240814BHJP
   H02K 33/16 20060101ALI20240814BHJP
   B60K 35/20 20240101ALN20240814BHJP
   B60R 11/02 20060101ALN20240814BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/01 560
H02K33/16 A
B60K35/20
B60R11/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020541896
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019051369
(87)【国際公開番号】W WO2019149557
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】102018102401.0
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】ケンッピネン,パシ
(72)【発明者】
【氏名】テイカリ,ヴェサ
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-011687(JP,A)
【文献】国際公開第2017/162586(WO,A1)
【文献】特開2015-197872(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0240613(US,A1)
【文献】特開2008-282125(JP,A)
【文献】特開2019-025423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
G05G 1/02
G05G 5/03
G06F 3/041
G06F 3/01
H02K 33/16
B60K 37/06
B60K 37/04
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル(12)と、
操作命令の入力において、前記タッチパネル(12)の有効な手動操作が感知された際、前記タッチパネル(12)を機械的に励起するためのアクチュエータ(14)と、
カウンターウェイト(16)と
を有し、
駆動ユニットとしての前記アクチュエータ(14)が固定子(18)及び変換器(20)を含み、前記固定子(18)及び前記変換器(20)は、前記駆動ユニットの動作時に休止位置から移動終了位置へ、反対方向に互いに離間するように又は互いに向かうように移動し、動作終了時に自動的に前記移動終了位置から前記休止位置へ戻るように構成され、
前記固定子(18)及び前記変換器(20)の一方が、前記タッチパネル(12)と接続されている第1の連結素子アセンブリ(26)に連結され、
前記固定子(18)及び前記変換器(20)の他方が、前記カウンターウェイト(16)と接続されている第2の連結素子アセンブリ(24)に連結され
前記第1の連結素子アセンブリ(26)は、前記カウンターウェイト(16)が備える貫通孔(28)を貫通して延伸し、
前記タッチパネル(12)及び前記カウンターウェイト(16)は、前記アクチュエータ(14)によって逆相に駆動されるように互いに平行に配置されていることを特徴とする車両用操作ユニット。
【請求項2】
前記駆動ユニットは、前記固定子(18)又は前記変換器(20)が励振コイル(22)を備える電磁石として構成されており、前記電磁石の前記励振コイル(22)が設けられている部分が、前記第2の連結素子アセンブリ(24)を介して前記カウンターウェイト(16)に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ユニット。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、前記固定子(18)又は前記変換器(20)が励振コイル(22)を有するプランジャーコイル駆動部として形成されており、前記プランジャーコイル駆動部の前記励振コイル(22)を備える部分が、前記第2の連結素子アセンブリ(24)を介して前記カウンターウェイト(16)に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ユニット。
【請求項4】
前記カウンターウェイト(16)が前記タッチパネル(12)の後方に配置され、前記アクチュエータ(14)が前記カウンターウェイト(16)の後方に配置されていることにより、前記カウンターウェイト(16)が前記タッチパネル(12)と前記アクチュエータ(14)の間に配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の操作ユニット。
【請求項5】
前記タッチパネル(12)及び前記カウンターウェイト(16)のいずれか一方又は両方が取り付けられる保持素子(30)をさらに有し、前記タッチパネル(12)及び前記カウンターウェイト(16)のいずれか一方又は両方が前記保持素子(30)上にばね弾性的に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操作ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバックを用いた車両用操作ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような操作ユニットの人気はますます高まっており、好んで車両に組み込まれる。大型ディスプレイや大型タッチパネルにおいて、触覚フィードバックの際、操作ユニットの車両環境に全く影響されずにタッチパネルを移動することができないという問題が生じる。
【0003】
そこで、タッチパネルの機械的励起とは逆相で、バランスウェイトもしくはカウンターウェイトを移動することが提案されている。すなわち、例えば、触覚フィードバックの際にタッチパネルを水平に左に移動させたとき、同時にカウンターウェイトを右に移動させる。このとき双方の移動経路は、タッチパネルとカウンターウェイトの質量比に応じて決まっている(例えば独国特許出願公開第102008046102号明細書及び国際公開第2017/162586号参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102008046102号明細書
【文献】国際公開第2017/162586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記を鑑み、本発明は、省スペースで単純な機械的構成を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明により、車両用操作ユニットが提案される。上記操作ユニットは、
タッチパネルと、
操作命令の入力において、上記タッチパネルの有効な手動操作が感知された際、上記タッチパネルを機械的に励起するためのアクチュエータと、
カウンターウェイトと
を有し、
上記アクチュエータが、駆動ユニットとして固定子及び変換器により形成されており、上記固定子及び上記変換器は、上記駆動ユニットの動作時に静止位置から端位置へ、反対方向に互いに離間し又は互いに向かって移動し、動作終了時に特に自動的に端位置から静止位置へ戻り、
上記固定子が上記タッチパネルに連結され、上記変換器が上記カウンターウェイトに連結されている、又は上記固定子が上記カウンターウェイトに連結され、上記変換器が上記タッチパネルに連結されている。
【0007】
すなわち、本発明により、力の流れに対して機械的にタッチパネルとカウンターウェイトの間にアクチュエータを配置することが提案される。アクチュエータは、固定子及び変換器を備え、固定子がタッチパネルと接続され、変換器がカウンターウェイトと接続されている、又は固定子がカウンターウェイトと接続され、変換器がタッチパネルと接続されている。このように、アクチュエータは、駆動ユニットの動作時に移動する2つの素子、つまり固定子及び変換器を備える。2つの素子は、別の素子を駆動する。つまり一方はタッチパネルを、他方はカウンターウェイトを駆動する。これは逆相で行われるため、それぞれの質量及び移動経路を設計する際、外に向かって働く力が補償されることになる。
【0008】
本発明の一態様において、カウンターウェイト及びアクチュエータ(すなわち固定子及び変換器)は異なる存在、つまり異なる素子である。
【0009】
本発明の別の有用な形態において、上記駆動ユニットが電磁石として、特に電機子電磁石として形成されていてもよく、上記固定子又は上記変換器が励振コイルを備え、上記電磁石の上記励振コイルが設けられている部分が、上記カウンターウェイトに連結されていてもよい。電磁石の励振コイルを備える部分を機械的に連結することは、電磁石の当該部分をカウンターウェイトとすることもできるという利点がある。
【0010】
また、上記駆動ユニットが励振コイルを有するプランジャーコイル駆動部として形成されており、上記プランジャーコイル駆動部の上記励振コイルを備える部分が、上記カウンターウェイトに連結されていると有益である。
【0011】
本発明の別の好ましい形態において、上記変換器及び上記固定子が、それぞれ連結素子アセンブリと接続されており、上記連結素子アセンブリの一方が上記タッチパネルに連結され、上記連結素子アセンブリの他方が上記カウンターウェイトと連結されていてもよい。
【0012】
さらに、上記カウンターウェイトが上記タッチパネルの後方に配置され、上記アクチュエータが上記カウンターウェイトの後方に配置されていることにより、上記カウンターウェイトが上記タッチパネルと上記アクチュエータの間に配置されており、上記カウンターウェイトが貫通孔を備え、上記タッチパネルと接続されている上記連結素子アセンブリが上記貫通孔を貫通して延伸することも有益である。
【0013】
本発明に係る操作ユニットは、別の一形態において、上記タッチパネル及び/又は上記カウンターウェイトが取り付けられる保持素子をさらに備え、上記タッチパネル及び上記カウンターウェイトのいずれか一方又は両方が上記保持素子上にばね弾性的に取り付けられていてもよい。
【0014】
また、上記連結素子アセンブリの両方が上記支持素子上に支持され、特に上記支持素子と関節接合されていることにより、上記タッチパネルに衝突力を与えた際に、上記連結素子アセンブリが運動エネルギーの吸収するために変形すると有益である。
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一態様に係る操作ユニットの背面側を示す図である。
図2図2は、図1の操作ユニットの側面図である。
図3図3は、操作ユニットに衝突力を与えたときの様子を示す図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、人が入力した際に触覚フィードバックを生成するため、アクチュエータによりパルス状に機械的励起が可能なタッチパネル12を含む操作ユニット10の背面側を示している。タッチパネル12がパルス状に励起されるとき、タッチパネルの機械的励起に対し180度相反転して、カウンターウェイト16も機械的に励起される。アクチュエータは、カウンターウェイト16及びタッチパネル12に機械的に連結されている固定子18及び変換器20を備える。アクチュエータは、励振コイル22の通電により動作する。機械的連結は、連結素子(連結素子アセンブリ)24及び連結素子(連結素子アセンブリ)26を介して行われるが、本実施の形態においては、連結素子24が変換器20と支持素子30を連結し、固定子18がタッチパネル12と連結されている。カウンターウェイト16の貫通孔28により、固定子18とタッチパネル12が連結素子26を介して機械的に接続される。
【0018】
図2図1の操作ユニットの側面図であり、図3は衝突テストのシミュレーション時の操作ユニットを側面図に示している。
【符号の説明】
【0019】
10 操作ユニット
12 タッチパネル
14 アクチュエータ
16 カウンターウェイト
18 固定子
20 変換器
22 励振コイル
24 連結素子アセンブリ
26 連結素子アセンブリ
28 貫通孔
30 支持素子
図1
図2
図3