(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20240814BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
H04N1/00 C
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2021004615
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060356(JP,A)
【文献】特開平05-066755(JP,A)
【文献】特開平07-009711(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0109227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
B41J 29/38 -29/46
B41J 5/30 - 5/44
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能な画像形成装置であって、
複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶されたフォントデータ記憶手段、
前記アプリケーションデータに前記複数種類のフォントとは異なる非搭載フォントが含まれているかどうかを判定するフォント判定手段、
前記アプリケーションデータに前記非搭載フォントが含まれていると前記フォント判定手段により判定された場合に、当該非搭載フォントを前記複数種類のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることをユーザへ案内する案内手段、
前記案内手段による案内に応答して前記複数種類のフォントの中から前記非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための前記ユーザによる選択操作を受け付ける選択操作受付手段
、
前記選択操作受付手段により前記選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された前記代替フォントにて文字を表示する表示手段
、
前記非搭載フォントが前記代替フォントにより代替された後の前記アプリケーションデータに基づく前記印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する第1はみ出し判定手段、および
前記オブジェクトが前記印刷範囲をはみ出す可能性があると前記第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する第1情報出力手段を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
予め定められた文字データが記憶された文字データ記憶手段、および
前記文字データに前記代替フォントを適用して前記文字を表示する表示実行手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記アプリケーションデータにおける前記非搭載フォントが適用された文字データの一部または全部を抽出する抽出手段、および
前記抽出手段による抽出データに前記代替フォントを適用して前記文字を表示する表示実行手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記非搭載フォントが前記代替フォントにより代替された後の前記アプリケーションデータに基づくプレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段をさらに備える、請求項1から3までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能であり、複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶されたフォントデータ記憶手段を備える、画像形成装置の制御プログラムであって、
前記アプリケーションデータに前記複数種類のフォントとは異なる非搭載フォントが含まれているかどうかを判定するフォント判定手順、
前記アプリケーションデータに前記非搭載フォントが含まれていると前記フォント判定手順により判定された場合に、当該非搭載フォントを前記複数種類のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることをユーザへ案内する案内手順、
前記案内手順による案内に応答して前記複数種類のフォントの中から前記非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための前記ユーザによる選択操作を受け付ける選択操作受付手順
、
前記選択操作受付手順により前記選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された前記代替フォントにて文字を表示する表示手順
、
前記非搭載フォントが前記代替フォントにより代替された後の前記アプリケーションデータに基づく前記印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する第1はみ出し判定手順、および
前記オブジェクトが前記印刷範囲をはみ出す可能性があると前記第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する第1情報出力手順を、前記画像形成装置のコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【請求項6】
所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能であり、複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶されたフォント記憶手段を備える、画像形成装置の制御方法であって、
前記アプリケーションデータに前記複数種類のフォントとは異なる非搭載フォントが含まれているかどうかを判定するフォント判定ステップ、
前記アプリケーションデータに前記非搭載フォントが含まれていると前記フォント判定ステップにより判定された場合に、当該非搭載フォントを前記複数種類のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることをユーザへ案内する案内ステップ、
前記案内ステップによる案内に応答して前記複数種類のフォントの中から前記非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための前記ユーザによる選択操作を受け付ける選択操作受付ステップ
、
前記選択操作受付ステップにより前記選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された前記代替フォントにて文字を表示する表示ステップ
、
前記非搭載フォントが前記代替フォントにより代替された後の前記アプリケーションデータに基づく前記印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する第1はみ出し判定ステップ、および
前記オブジェクトが前記印刷範囲をはみ出す可能性があると前記第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する第1情報出力ステップを含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタや複合機(MFP)などの画像形成装置において、パーソナルコンピュータ(PC)などのクライアント装置から受信した印刷データ(印刷ジョブ)を解析して、フォント代替が発生したときに、当該フォント代替が発生したページのプレビュー画像を表示する技術が、開示されている。この技術によれば、フォント代替が発生したときに、ユーザは、そのことを印刷処理が実行される前に認識することができる。なお、フォント代替に採用されるフォント、言わば代替フォントは、自動的に選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置として、所定のアプリケーションソフトウェア(ワープロソフトや表計算ソフトなどのいわゆるオフィスソフト)により作成されたアプリケーションデータ(文書ファイルや表計算ファイルなどのいわゆるオフィスファイル)の入力を受け付けるとともに、当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行することができる、オフィスダイレクトプリント機能を有するものがある。このオフィスダイレクトプリント機能によれば、所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータに基づく印刷処理を、パーソナルコンピュータなどの印刷ジョブ生成装置を介さずに直接的に実行することができる。また、近年のオフィスダイレクトプリント機能においては、所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータのみならず、当該所定のアプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータについても、対応可能である。その一方で、アプリケーションデータに含まれるフォント(書体データ)の種類が様々であることから、複数種類のフォントが画像形成装置に搭載(用意)されている。
【0005】
ただし、アプリケーションデータによっては、とりわけ互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータについては、当該アプリケーションデータに含まれるのと同じフォント、言わばオリジナルフォント(標準フォント)、が画像形成装置に搭載されていないことがある。言い換えれば、画像形成装置に搭載されていない言わば非搭載フォントが、アプリケーションデータに含まれる場合がある。この場合は、画像形成装置に搭載されているいずれかのフォントにより非搭載フォントが代替された上で、印刷処理が実行される。なお、非搭載フォントと代替される代替フォントは、常套的には、前述の特許文献1に開示された技術の如く自動的に選択される。
【0006】
ここで、代替フォントについて、たとえば画像形成装置を操作するユーザによってこれを任意に選択することができれば、当該ユーザにとって極めて有益である。すなわち、代替フォントによっては、当該代替フォントが適用された文字の印刷結果が所期(オリジナル)のものと異なることがあり、つまり所期の通りの印刷結果が得られないことがある。極端な場合には、代替フォントが適用された文字の一部が、ひいては当該文字を含むオブジェクト(文字、写真、図形など)の一部が、印刷範囲をはみ出す可能性がある。したがって、ユーザが代替フォントを任意に選択することができれば、所期の通りのものに近い印刷結果が得られるなど、当該ユーザにとって極めて有益である。
【0007】
そこで、本発明は、オフィスダイレクトプリント機能を有する画像形成装置において、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合に、当該非搭載フォントと代替される代替フォントをユーザが任意に選択することができる、新規な技術を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、画像形成装置に係る第1の発明と、画像形成装置の制御プログラムに係る第2の発明と、画像形成装置の制御方法に係る第3の発明と、を含む。
【0009】
このうちの画像形成装置に係る第1の発明は、オフィスダイレクトプリント機能を有する。すなわち、本第1の発明に係る画像形成装置は、所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに、当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能である。
【0010】
その上で、本第1の発明に係る画像形成装置は、フォントデータ記憶手段、フォント判定手段、案内手段、選択操作受付手段、表示手段、第1はみ出し判定手段および第1情報出力手段を備える。フォント記憶手段には、複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶される。そして、フォント判定手段は、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているかどうかを判定する。ここで言う非搭載フォントとは、フォントデータ記憶手段に記憶されているフォントデータに基づく複数種類のフォントとは異なる種類のフォントのこと、つまり画像形成装置に搭載されていないフォントのこと、を言う。
【0011】
さらに、案内手段は、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているとフォント判定手段により判定された場合に、当該非搭載フォントを画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることを、ユーザへ案内する。そして、選択操作受付手段は、案内手段による案内に応答してユーザにより行われる選択操作を受け付ける。この選択操作とは、画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントの中から非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための操作である。加えて、表示手段は、選択操作受付手段により選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された代替フォントにて文字を表示する。さらに加えて、第1はみ出し判定手段は、非搭載フォントが代替フォントにより代替された後のアプリケーションデータに基づく印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが、当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。そして、第1情報出力手段は、印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があると、第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する。
【0012】
なお、表示手段は、たとえば文字データ記憶手段および表示実行手段を含む。文字データ記憶手段には、予め定められた文字データが記憶される。そして、表示実行手段は、文字データ記憶手段に記憶されている文字データに代替フォントを適用することにより、当該代替フォントにて文字を表示する。
【0013】
これとは別に、表示手段は、たとえば抽出手段および表示実行手段を含んでもよい。抽出手段は、アプリケーションデータにおける非搭載フォントが適用された文字データの一部または全部を抽出する。そして、表示実行手段は、抽出手段による抽出データに、つまりアプリケーションデータに含まれる文字データの一部または全部に、代替フォントを適用することにより、当該代替フォントにて文字を表示する。
【0014】
本第1の発明においては、プレビュー画像表示手段が、さらに備えられてもよい。プレビュー画像表示手段は、非搭載フォントが代替フォントにより代替された後のアプリケーションデータに基づくプレビュー画像を表示する。
【0016】
加えて、本第1の発明においては、第2はみ出し判定手段および絞込み手段が、さらに備えられてもよい。第2はみ出し判定手段は、非搭載フォントが画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントのそれぞれにより代替されると仮定する。その上で、第2はみ出し判定手段は、非搭載フォントが画像形成装置に搭載されているそれぞれのフォントにより代替された後のアプリケーションデータに基づく印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが、当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。そして、絞込み手段は、画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントのうちの代替適合フォントのみが、ユーザによる選択操作により選択可能となるように、当該選択操作による選択対象を絞り込む。ここで言う代替適合フォントとは、印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性がないと、第2はみ出し判定手段により判定されたフォントのことを言う。
【0017】
このような第2はみ出し判定手段および絞込み手段が備えられる構成においては、第2情報出力手段が、さらに備えられてもよい。第2情報出力手段は、代替適合フォントが存在しない場合に、所定の第2情報を出力する。
【0018】
本発明のうちの第2の発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、当該画像形成装置のコンピュータに、フォント判定手順、案内手順、選択操作受付手順、表示手順、第1はみ出し判定手順および第1情報出力手順を実行させる。ここで、画像形成装置は、オフィスダイレクトプリント機能を有する。すなわち、画像形成装置は、所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに、当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能である。併せて、画像形成装置は、フォント記憶手段を備える。このフォント記憶手段には、複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶される。
【0019】
その上で、フォント判定手順では、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているかどうかを判定する。ここで言う非搭載フォントとは、フォント記憶手段に記憶されているフォントデータに基づく複数種類のフォントとは異なる種類のフォントのこと、つまり画像形成装置に搭載されていないフォントのこと、を言う。
【0020】
そして、案内手順では、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているとフォント判定手順により判定された場合に、当該非搭載フォントを画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることを、ユーザへ案内する。さらに、選択操作受付手順では、案内手順による案内に応答してユーザにより行われる選択操作を受け付ける。この選択操作とは、画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントの中から非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための操作である。そして、表示手順では、選択操作受付手順により選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された代替フォントにて文字を表示する。加えて、第1はみ出し判定手順では、非搭載フォントが代替フォントにより代替された後のアプリケーションデータに基づく印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが、当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。そして、第1情報出力手順では、印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があると、第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する。
【0021】
本発明のうちの第3の発明に係る画像形成装置の制御方法は、フォント判定ステップ、案内ステップ、選択操作受付ステップ、表示ステップ、第1はみ出し判定ステップおよび第1情報出力ステップを含む。ここで、画像形成装置は、オフィスダイレクトプリント機能を有する。すなわち、画像形成装置は、所定のアプリケーションソフトウェアまたは当該アプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに、当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行可能である。併せて、画像形成装置は、フォント記憶手段を備える。このフォント記憶手段には、複数種類のフォントについてのフォントデータが記憶される。
【0022】
その上で、フォント判定ステップでは、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているかどうかを判定する。ここで言う非搭載フォントとは、フォント記憶手段に記憶されているフォントデータに基づく複数種類のフォントとは異なる種類のフォントのこと、つまり画像形成装置に搭載されていないフォントのこと、を言う。
【0023】
そして、案内ステップでは、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているとフォント判定ステップにより判定された場合に、当該非搭載フォントを画像形成装置に搭載されている複数のフォントのいずれにより代替するのかの選択が可能であることを、ユーザへ案内する。さらに、選択操作受付ステップでは、案内ステップによる案内に応答してユーザにより行われる選択操作を受け付ける。この選択操作とは、画像形成装置に搭載されている複数種類のフォントの中から非搭載フォントと代替される代替フォントを選択するための操作である。そして、表示ステップでは、選択操作受付ステップにより選択操作が受け付けられたときに、当該選択操作によって選択された代替フォントにて文字を表示する。加えて、第1はみ出し判定ステップでは、非搭載フォントが代替フォントにより代替された後のアプリケーションデータに基づく印刷処理による印刷結果に含まれるオブジェクトが、当該印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。そして、第1情報出力ステップでは、印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷処理による印刷範囲をはみ出す可能性があると、第1はみ出し判定手段により判定された場合に、所定の第1情報を出力する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、オフィスダイレクトプリント機能を有する画像形成装置において、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合に、当該非搭載フォントと代替される代替フォントをユーザが任意に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例に係る複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施例における注意メッセージ画面を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施例におけるフォント代替案内画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施例におけるドロップダウンリストの一状態を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施例におけるプレビュー画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施例における主記憶部のRAM内の構成を概念的に示すメモリマップである。
【
図7】
図7は、第1実施例における規定フォントテーブルの構成を概念的に示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施例におけるフォント代替実施テーブルの構成を概念的に示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施例におけるフォント代替制御タスクの一部の流れを示すフロー図である。
【
図10】
図10は、第1実施例におけるフォント代替制御タスクの別の一部の流れを示すフロー図である。
【
図11】
図11は、第1実施例におけるフォント代替制御タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2実施例におけるフォント代替案内画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2実施例におけるフォント代替制御タスクの一部の流れを示すフロー図である。
【
図14】
図14は、本発明の第3実施例におけるフォント代替案内画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第3実施例におけるフォント代替制御タスクの一部の流れを示すフロー図である。
【
図16】
図16は、第3実施例におけるフォント代替制御タスクの別の一部の流れを示すフロー図である。
【
図17】
図17は、本発明の第4実施例におけるドロップダウンリストの一状態を示す図である。
【
図18】
図18は、第4実施例におけるフォント代替案内画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第4実施例におけるフォント代替制御タスクの一部の流れを示すフロー図である。
【
図20】
図20は、第4実施例におけるフォント代替制御タスクの別の一部の流れを示すフロー図である。
【
図21】
図21は、第4実施例における代替フォント探索タスクの流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、
図1に示される複合機10を例に挙げて説明する。
【0027】
本第1実施例に係る複合機10は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を備える。このため、複合機10は、画像読取部12、画像処理部14、画像形成部16および給紙部18を備える。併せて、複合機10は、制御部20、補助記憶部22、通信部24および外部記憶媒体通信部26を備える。さらに、複合機10は、操作表示部28を備える。これらは、互いに共通のバス30を介して接続される。
【0028】
画像読取部12は、画像読取手段の一例である。すなわち、画像読取部12は、不図示の原稿の画像を読み取って、その読取画像に応じた2次元の読取画像データを出力する、画像読取処理を担う。このため、画像読取部12は、原稿が載置される不図示の原稿台を備える。併せて、画像読取部12は、不図示の光源、複数のミラー、結像レンズ、ラインセンサなどを含む画像読取ユニットや、当該画像読取ユニットによる画像読取位置を移動させるための不図示の駆動機構などを備える。さらに、画像読取部12は、原稿台に載置された原稿を抑えるための不図示の原稿押さえカバーを備える。なお、原稿押さえカバーには、オプション装置の1つである不図示の自動原稿送り装置(ADF)が設けられる場合がある。
【0029】
画像処理部14は、画像処理手段の一例である。すなわち、画像処理部14は、前述の読取画像データなどの各種の画像データに適宜の画像処理を施す。このような画像処理部14は、不図示のDSPなどの画像処理実行手段を有する。この画像処理部14による画像処理には、後述するプレビュー画像データを生成するための処理が含まれる。
【0030】
画像形成部16は、画像形成手段の一例である。すなわち、画像形成部16は、画像処理部14による画像処理後のデータなどの適宜の画像データに基づく画像を不図示のシート状の画像記録媒体としての用紙に形成する、画像形成処理、換言すれば印刷処理、を担う。この印刷処理は、たとえば公知の電子写真方式(カールソンプロセス方式)により行われる。このため、画像形成部16は、不図示の感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、除電装置などを備える。この画像形成部16による印刷処理後の用紙、言わば印刷物は、不図示の排紙トレイに排出される。なお、画像形成部16は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の方式によって、印刷処理を行うものであってもよい。
【0031】
給紙部18は、給紙手段の一例である。すなわち、給紙部18は、1以上の、たとえば複数の、不図示の給紙カセットを有する。それぞれの給紙カセットには、適宜の規定サイズの用紙が収容される。併せて、給紙部18は、1以上の、たとえば1つの、不図示の手差しトレイを含む。この手差しトレイにも、適宜のサイズの用紙がセットされる。そして、給紙部18は、いずれかの給紙カセットまたは手差しトレイを給紙元として、当該給紙元から画像形成部16へ用紙を1枚単位で供給する。
【0032】
制御部20は、複合機10の全体的な制御を司る、制御手段の一例である。このため、制御部20は、制御実行手段としてのコンピュータ、たとえばCPU20a、を有する。併せて、制御部20は、CPU20aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部20bを有する。主記憶部20bは、たとえば不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、CPU20aの動作を制御するための制御プログラム、いわゆるファームウェア、が記憶される。そして、RAMは、CPU20aが制御プログラムに基づく処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
【0033】
補助記憶部22は、補助記憶手段の一例である。すなわち、補助記憶部22には、前述の読取画像データなどの種々の画像データを含む種々のデータが適宜に記憶される。このような補助記憶部22は、たとえば不図示のハードディスクドライブを有する。併せて、補助記憶部22は、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを有する場合がある。
【0034】
通信部24は、通信手段の一例である。すなわち、通信部24は、不図示の通信網を介して不図示の外部装置と接続されることで、当該外部装置との間での双方向の通信処理を担う。ここで言う通信網としては、LANやインターネット、公衆交換電話網などがある。また、LANには、無線LAN、とりわけWi-Fi(登録商標)が、含まれる。併せて、通信部24は、近距離無線通信規格の1つであるブルートゥース(登録商標)に従う無線通信処理を担う。さらに、通信部24は、赤外線通信規格の1つであるIrDA(登録商標)に従う無線通信処理をも担う。そして、外部装置としては、パーソナルコンピュータやサーバなどがある。加えて、外部装置としては、スマートフォンやタブレットなどの携帯通信端末もある。この携帯通信端末は、たとえば無線LANを介して通信部24と接続される。また、携帯通信端末は、ブルートゥースあるいはIrDAにより通信部24と接続されることも可能である。
【0035】
外部記憶媒体通信部26は、外部記憶媒体通信手段の一例である。すなわち、外部記憶媒体通信部26は、可搬型の外部記憶媒体50が装着可能な不図示の装着部を有する。そして、外部記憶媒体通信部26は、装着部に装着された外部記憶媒体50との間での双方向の通信処理を担う。なお、外部記憶媒体50としては、USBメモリやSDメモリカードなどの半導体メディア、あるいは、CDやDVDなどのディスク型メディアがある。
【0036】
操作表示部28は、いわゆる操作パネルであり、操作受付手段の一例としてのタッチパネル28aと、情報表示手段の一例としてのディスプレイ28bと、を有し、つまりタッチパネル28a付きのディスプレイ28bを有する。すなわち、タッチパネル28aは、ほぼ透明な矩形シート状部材であり、ディスプレイ28bは、概略矩形状の表示面を有する。そして、タッチパネル28aがディスプレイ28bの表示面に重なるように設けられることで、タッチパネル28a付きのディスプレイ28bが構成される。なお、タッチパネル28aは、たとえば静電容量方式のパネルであるが、これに限らず、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式などの他方式のパネルであってもよい。そして、ディスプレイ28bは、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの他方式のディスプレイであってもよい。また、操作表示部28は、タッチパネル28a以外に、不図示の押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチ手段を有する。併せて、操作表示部28は、ディスプレイ28b以外に、不図示の発光ダイオード(LED)などの適宜の発光手段を有する。
【0037】
なお、本第1実施例に係る複合機10は、たとえば不特定多数のユーザにより使用されることを前提として、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのパブリックスペースに設置される。このような用途を前提とする複合機10は、
図1に示されない要素を備えるが、これらの要素は、本発明の本旨に直接的に関係しないので、当該要素についての詳しい説明は省略する。
【0038】
さて、本第1実施例に係る複合機10は、所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータの入力を受け付けるとともに、当該アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行することができる、オフィスダイレクトプリント機能を有する。このオフィスダイレクトプリント機能によれば、所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータに基づく印刷処理を、パーソナルコンピュータなどの印刷ジョブ生成装置を介さずに直接的に実行することができる。また、本第1実施例におけるオフィスダイレクトプリント機能によれば、所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータのみならず、当該所定のアプリケーションソフトウェアと互換性のある互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータについても、対応可能である。このことは、前述の如く不特定多数のユーザにより使用されることを前提とする用途において、極めて有用である。その一方で、アプリケーションデータに含まれるフォントの種類が様々であることから、複合機10には、複数種類のフォントが搭載されている。
【0039】
ただし、アプリケーションデータによっては、とりわけ互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたアプリケーションデータについては、当該アプリケーションデータに含まれるのと同じフォントが複合機10に搭載されていないことがある。言い換えれば、複合機10に搭載されていない言わば非搭載フォントが、アプリケーションデータに含まれる場合がある。この場合は、複合機10に搭載されているいずれかのフォントにより非搭載フォントが代替された上で、印刷処理が実行される。
【0040】
ここで、非搭載フォントと代替される代替フォントについては、基本的には、当該非搭載フォントごとに予め定められ、詳しくは当該非搭載フォントに似た形体のフォントが規定の代替フォントとして定められる。その上で、代替フォントについては、ユーザの操作により任意に選択することができ、たとえば規定の代替フォントである規定フォント以外のフォントを代替フォントとして選択することができる。
【0041】
具体的には、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合は、
図2に示されるような注意メッセージ画面100が、ディスプレイ28bに表示される。この注意メッセージ画面100は、たとえばモーダルダイアログである。なお、アプリケーションデータは、たとえば外部記憶媒体50から取り込まれる。また、アプリケーションデータは、携帯通信端末からも取り込むことができる。さらに、アプリケーションデータは、適宜のサーバなどからも取り込むことができる。すなわち、アプリケーションデータは、外部記憶媒体50、携帯通信端末、サーバといった適宜のデータ源から取り込まれる。そして、アプリケーションデータが適宜のデータ源から取り込まれて、当該アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれていることが判明したときに、注意メッセージ画面100が表示される。
【0042】
この注意メッセージ画面100においては、たとえばその上部の中央に、感嘆符(!)が付された適当な注意喚起マーク102が配される。そして、注意喚起マーク102の下方に、この注意メッセージ画面100の意図を表す適当な文字列104が配される。この文字列は、ユーザとしてのお客様のファイルでは、つまりこれからオフィスダイレクトプリント機能による印刷処理に供されようとするアプリケーションデータでは、フォントを代替する必要があることを、ユーザへ伝える内容を含む。併せて、文字列104は、次の画面(フォント代替案内画面200)でフォントを代替することができることを、ユーザへ伝える内容を含む。さらに、文字列104の下方に、換言すれば注意メッセージ画面100における下部に、「OK」キー106が配される。この「OK」キー106は、注意メッセージ画面100の内容を、とりわけ文字列104によって表される内容を、ユーザが認識したときに、そのことを当該ユーザが表明するための操作キーである。
【0043】
このような注意メッセージ画面100が表示されることを受けて、ユーザは、これからオフィスダイレクトプリント機能による印刷処理に供されようとする自身のファイル(アプリケーションデータ)については、フォントを代替する必要があることを、認識することができる。併せて、ユーザは、次の画面でフォントを代替することができることを、認識することができる。そして、ユーザにより「OK」キー106が操作(押下)されると、注意メッセージ画面100が消える。その上で、
図3に示されるようなフォント代替案内画面200が、ディスプレイ28bに表示される。なお、フォント代替案内画面200もまた、たとえばモーダルダイアログである。
【0044】
このフォント代替案内画面200においては、たとえばその上部の中央に、注意メッセージ画面100におけるのと同様の注意喚起マーク202が配される。そして、注意喚起マーク202の下方に、このフォント代替案内画面200の意図を表す適当な文字列204が配される。この文字列204は、代替する必要のあるフォント(非搭載フォント)については、後述するサンプル文字群208aの各サンプル文字で示されるようなフォント(代替フォント)に代替されることを、ユーザへ伝える内容を含む。併せて、文字列204は、代替に採用されるフォント(代替フォント)については、次に説明するドロップダウンリスト206により変更することができることを、ユーザへ伝える内容を含む。そして、文字列204の下方に、詳しくは右寄りの位置に、ドロップダウンリスト206が配される。
【0045】
ドロップダウンリスト(または「プルダウンリスト」とも称される。)206には、厳密には当該ドロップダウンリスト206のボックス206a内には、代替フォントとして選択されているフォントを表す文字列206bが表示される。なお、
図3は、「フォントA」というフォントが代替フォントとして選択されている状態を示す。また、フォント代替案内画面200が表示された直後は、前述の規定フォントが代替フォントとして自動的に選択される。そして、ドロップダウンリスト206の右側端部にある展開キー206cが操作されると、
図4に示される如くリストボックス206dが展開(表示)される。
【0046】
リストボックス206d内には、複合機10に搭載されている全てのフォントを表す複数の文字列206e,206e,…が縦一列に配される。また、リストボックス206dの右横方には、必要に応じて(つまりリストボックス206d内に全てのフォントに対応する全ての文字列206e,206e,…が一括して表示されない場合に)当該リストボックス206d内の各文字列206e,206e,…を上下方向へ移動(スクロール)させるためのスクロールバー206f(アローおよびノブ)が配される。そして、
図4に示される如くリストボックス206dが展開された状態で、当該リストボックス206d内のいずれかの文字列206eが操作されると、その操作された文字列206eに対応するフォントが、代替フォントとして選択される。これに伴い、ボックス206a内の文字列206bが、代替フォントとして選択されたフォントを表す内容に変わる。併せて、リストボックス206dが閉じられて、
図3に示されるような状態に戻る。
【0047】
図3に示されるフォント代替案内画面200において、ドロップダウンリスト206の下方に、矩形状のサンプル表示領域208が配される。このサンプル表示領域208には、予め定められた種々の、たとえば全角のひらがなや半角の英数字などの種々の、サンプル文字を含むサンプル文字群208aが表示される。このサンプル文字群208aに含まれる各サンプル文字の書体は、ドロップダウンリスト206により代替フォントとして選択されたフォントに従い、つまりボックス206a内の文字列206bによって表されるフォントに従う。ゆえに、ユーザは、サンプル文字群208aの各サンプル文字を参照することで、代替フォントの書体を想像することができる。併せて、サンプル表示領域208の近傍、たとえば当該サンプル表示領域208の上方の左寄りの位置に、サンプル文字群208aの各サンプル文字が「サンプル」であることを表す、換言すればサンプル表示領域208のタイトルを表す、適当な文字列210が配される。
【0048】
さらに、サンプル表示領域208の下方に、換言すればフォント代替案内画面200における下部に、2つの操作キー212および214が横並びに配される。これら2つの操作キー212および214のうちの左側の操作キー212は、ボックス206a内の文字列206bによって表されるフォントを代替フォントとして設定(確定)することを指示するための「OK」キーである。一方、右側の操作機キー214は、オフィスダイレクトプリント機能による印刷処理に供されようとしていたアプリケーションデータについての当該印刷処理をキャンセルすることを指示するための「キャンセル」キーである。
【0049】
このようなフォント代替案内画面200によれば、ユーザは、ドロップダウンリスト206を操作することで、代替フォントを任意に選択することができる。そして、ユーザは、サンプル表示領域208に表示されるサンプル文字群208aの各サンプル文字を参照することで、代替フォントの書体を想像することができる。すなわち、ユーザは、サンプル文字群208aのサンプル文字を参照しながら、ドロップダウンリスト206を適宜に操作することで、オリジナル(非搭載フォント)に近い、たとえば好みの、フォントを代替フォントとして選択することができる。
【0050】
その上で、たとえば「OK]キー212が操作されると、選択された代替フォントが設定される。そして、フォント代替案内画面200が消えて、
図5に示されるようなプレビュー画面300がディスプレイ28bに表示される。一方、フォント代替案内画面200における「キャンセル」キー214が操作されると、印刷処理がキャンセルされる。そして、フォント代替案内画面200が消えて、前述のデータ源から改めてアプリケーションデータを取り込むための不図示のデータ取得画面がディスプレイ28bに表示される。この場合、ユーザは、データ源から別のアプリケーションデータを取り込むことを含め、これまでの操作を適宜にやり直すことができる。
【0051】
図5に示されるプレビュー画面300においては、たとえばその上部の左寄りの位置に、当該プレビュー画面300の意図を表す適当な文字列302が配される。この文字列302は、これから実行されようとする印刷処理によって、後述するプレビュー画像304で表されるような印刷結果(出力画像)が得られる見込みであることを、ユーザへ伝える内容を含む。併せて、文字列302は、プレビュー画像304で表されるような印刷結果が得られることについて、ユーザが了承するのであれば(特段な支障がなければ)、後述する「つぎへ」キー306を操作するよう、当該ユーザへ促す内容を含む。そして、文字列302の下方に、換言すればプレビュー画面300におけるほぼ中央の位置に、プレビュー画像304が配される。
【0052】
プレビュー画像304は、印刷結果として見込まれる画像(予想画像)の縮小画像であり、前述の画像処理部14により生成されるプレビュー画像データに基づいて配される。すなわち、画像処理部14は、非搭載フォントが代替フォントにより代替された後のアプリケーションデータ、言わば代替後アプリケーションデータ、に基づいて、プレビュー画像データを生成する。そして、このプレビュー画像データに基づいて、プレビュー画像304が配される。なお、
図5は、互換アプリケーションソフトウェアとしての或るワープロソフトにより作成されたアプリケーションデータ(文書ファイル)に基づく、厳密には代替後アプリケーションデータに基づく、プレビュー画像304が配された一例を示す。そして、
図5からは分からないが、プレビュー画像304におけるフォントの代替部分の文字部分の形体は、オリジナルとは多少異なる。因みに、アプリケーションデータが表計算ソフトなどのワープロソフト以外のアプリケーションソフトウェアにより作成されたものである場合には、当該アプリケーションデータに基づく、厳密には代替後アプリケーションデータに基づく、プレビュー画像304が配される。
【0053】
さらに、プレビュー画面300における適宜の位置に、たとえば当該プレビュー画面300における右下隅の近傍に、「つぎへ」キー306が配される。この「つぎへ」キー306は、印刷処理を実行するのに必要な次の手順へ進むことを指示するための操作キーである。併せて、プレビュー画面300における左下隅の近傍に、「もどる」キー308が配される。この「もどる」キー308は、プレビュー画面300にとっての1つ前の画面であるフォント代替案内画面200が、改めてディスプレイ28bに表示される状態へ戻ることを指示するための操作キーである。加えて、プレビュー画面300における右上隅の近傍に、「終了する」キー310が配される。この「終了する」キー310は、オフィスダイレクトプリント機能の使用を強制的に終了することを指示するための操作キーである。
【0054】
このようなプレビュー画面300が表示されることを受けて、とりわけプレビュー画像304を参照することで、ユーザは、どのような印刷結果が得られるのかを、印刷処理が実行される前に確認することができる。ここでたとえば、プレビュー画像304で表されるような印刷結果が得られることについて、ユーザが了承するのであれば、当該ユーザは、「つぎへ」キー306を操作することにより、印刷処理を実行するのに必要な次の手順へ進むことができる。この場合、プレビュー画面300に代えて、次の手順へ進むための、厳密には代替後アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行するのに必要な次の手順へ進むための、不図示の適当な操作画面が、ディスプレイ28bに表示される。
【0055】
これに対して、たとえばプレビュー画面300における「もどる」キー308が操作されると、プレビュー画面300に代えて、当該プレビュー画面300にとっての1つ前の画面であるフォント代替案内画面200が、改めてディスプレイ28bに表示される。これにより、ユーザは、代替フォントを改めて選択することを含め、これまでの操作を適宜にやり直すことができる。なお、「もどる」キー308が操作されることによって、改めてフォント代替案内画面200が表示される場合は、代替フォントとして規定フォントが選択された状態の当該フォント代替案内画面200が表示される。
【0056】
一方、プレビュー画面300における「終了する」キー310が操作されると、オフィスダイレクトプレビュー機能の使用が強制的に終了される。この場合は当然に、印刷処理がキャンセルされる。そして、プレビュー画面300に代えて、オフィスダイレクトプリント機能の使用が終了されることを表す不図示の終了メッセージ画面が、一定期間(数秒間程度)にわたってディスプレイ28bに表示される。その後、複合機10の基本的な操作画面である不図示のホーム画面(または「ポータル画面」とも称される。)がディスプレイ28bに表示される。
【0057】
ここで、
図6に、主記憶部20bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ400を示す。
【0058】
このメモリマップ400に示されるように、RAMは、プログラム記憶領域410と、データ記憶領域450と、を有する。このうちのプログラム記憶領域410には、前述の制御プログラムが記憶される。具体的には、制御プログラムは、表示制御プログラム412、操作検出プログラム414、画像読取制御プログラム416、画像処理制御プログラム418、画像形成制御プログラム420、給紙制御プログラム422、補助記憶制御プログラム424、通信制御プログラム426および外部記憶媒体通信制御プログラム428を含む。併せて、制御プログラムは、オフィスダイレクトプリントプログラム(または「オフィスダイレクトレタリングプログラム」とも称される。)430およびフォント代替制御プログラム432を含む。
【0059】
表示制御プログラム412は、ディスプレイ28bに注意メッセージ画面100をはじめとする種々の画面を表示させるのに必要な表示画面データを生成するためのプログラムである。操作検出プログラム414は、タッチパネル28aに対する操作状態を検出するためのプログラムである。画像読取制御プログラム416は、画像読取部12を制御するためのプログラムである。画像処理制御プログラム418は、画像処理部14を制御するためのプログラムである。画像形成制御プログラム420は、画像形成部16を制御するためのプログラムである。給紙制御プログラム422は、給紙部18を制御するためのプログラムである。補助記憶制御プログラム424は、補助記憶部22を制御するためのプログラムである。通信制御プログラム426は、通信部24を制御するためのプログラムである。外部記憶媒体通信制御プログラム428は、外部記憶媒体通信部26を制御するためのプログラムである。オフィスダイレクトプリントプログラム430は、オフィスダイレクトプリント機能を実現するためのプログラムである。そして、フォント代替制御プログラム432は、CPU20aに後述するフォント代替制御タスクを実行させるためのプログラムである。
【0060】
一方、データ記憶領域450には、種々のデータが記憶される。この種々のデータとしては、表示画像生成データ452、操作データ454、フォントデータ456、サンプルデータ458、テーブルデータ460などがある。
【0061】
表示画像生成データ452は、前述の表示制御プログラム412に基づく表示画面データの生成に用いられるポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。操作データ454は、タッチパネル28aに対する操作状態を表すデータであり、詳しくは当該タッチパネル28aに対するタッチ位置(座標)を表す時系列のデータである。そして、フォントデータ456は、複合機10に搭載されているフォントのデータであり、詳しくは複数種類の日本語および英数字のフォントのデータである。このフォントデータ456に基づいて、前述のリストボックス206d内の各文字列206e,206e,…が表示され、つまり複合機10に搭載されているフォントのリストが表示される。そして、サンプルデータ458は、前述のサンプル文字群208aのデータであり、いわゆるテキストデータである。すなわち、サンプルデータ458であるテキストデータに代替フォントとして選択されたフォントが適用されることで、サンプル文字群208aの各サンプル文字が当該代替フォントに従う書体で表示される。そして、テーブルデータ460は、種々のテーブルのデータを含み、とりわけ
図7に示される規定フォントテーブル460aと、
図8に示されるフォント代替実施テーブル460bと、を含む。
【0062】
図7に示される規定フォントテーブル460aは、非搭載フォントとして想定される様々なフォントと、当該フォントに対応する規定フォントと、の関係が整理されたテーブルである。すなわち、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合に、当該非搭載フォントと代替される代替フォントとして最初に選択される規定フォントは、この規定フォントテーブル460aに基づいて選択される。
【0063】
そして、
図8に示されるフォント代替実施テーブル460bは、非搭載フォントが代替フォントにより代替される場合に、その詳細な情報を記憶するためのテーブルである。たとえば、或る非搭載フォントが或る代替フォントにより代替される場合に、これら両者の関係が互いに紐付けられた状態で、フォント代替実施テーブル460bに記憶される。併せて、フォントの代替位置、詳しくは先頭の位置(座標)が、フォント代替実施テーブル460bに記憶される。さらに、代替フォントが適用される文字のサイズや文字幅、スタイルなどの種々の情報も、フォント代替実施テーブル460bに記憶される。
【0064】
前述したように、CPU20aは、制御プログラムに従って動作するが、とりわけオフィスダイレクトプリント機能による印刷処理の実行に際して、フォント代替制御タスクを実行する。このフォント代替制御タスクの流れを、
図9~
図11に示す。なお、フォント代替制御タスクは、フォント代替制御プログラム432に従って実行される。また、フォント代替制御タスクは、前述のデータ源からアプリケーションデータが取り込まれたときに、これに応答して実行される。言い換えれば、フォント代替制御タスクは、前述のデータ取得画面により、厳密にはフォント代替制御タスクの前に実行されるデータ取得タスクにより、適宜のデータ源からアプリケーションデータが取り込まれた上で、実行される。データ取得タスクについては、その図示を含む詳しい説明を省略する。
【0065】
このフォント代替制御タスクによれば、CPU20aは、まず、ステップS1において、アプリケーションデータを解析し、たとえば当該アプリケーションデータの拡張子などの属性情報を解析する。そして、CPU20aは、処理をステップS3へ進める。
【0066】
ステップS3において、CPU20aは、ステップS1における解析結果に基づいて、アプリケーションデータがPDFファイルなどの環境非依存ファイルであるかどうかを判定する。ここでたとえば、アプリケーションデータが環境非依存ファイルである場合(S3:YES)、CPU20aは、処理をステップS5へ進める。一方、アプリケーションデータが環境非依存ファイルでない場合には(S3:NO)、CPU20aは、処理を後述するステップS7へ進める。
【0067】
ステップS5において、CPU20aは、アプリケーションデータに基づく印刷処理を実行するのに必要な次のタスクの実行を開始する。これにより、前述の次の手順へ進むための操作画面がディスプレイ28bに表示される。これをもって、CPU20aは、フォント代替制御タスクを終了する。
【0068】
これに対して、CPU20aは、ステップS3からステップS7へ処理を進めた場合、当該ステップS7において、アプリケーションデータが所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたものであるのかどうかを判定する。このステップS7における判定もまた、ステップS1における解析結果に基づいて行われる。このステップS7において、たとえばアプリケーションデータが所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたものである場合(S7:YES)、CPU20aは、処理をステップS5へ進める。一方、アプリケーションデータが所定のアプリケーションソフトウェアにより作成されたものでない場合、つまり当該アプリケーションデータが互換アプリケーションソフトウェアにより作成されたものである場合には(S7:NO)、CPU20aは、処理をステップS9へ進める。
【0069】
ステップS9において、CPU20aは、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれているかどうかを、つまりフォントデータ456に含まれていないフォントがアプリケーションデータに含まれているかどうかを、判定する。このステップS9における判定もまた、ステップS1における解析結果に基づいて行われる。ここでたとえば、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれていない場合(S9:NO)、CPU20aは、処理をステップS5へ進める。一方、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれている場合には(S9:YES)、CPU20aは、処理をステップS11へ進める。なお、アプリケーションデータにフォントが含まれていない場合も当然に、CPU20aは、処理をステップS5へ進める。
【0070】
ステップS11において、CPU20aは、注意メッセージ画面100をディスプレイ28bに表示する。そして、CPU20aは、処理をステップS13へ進める。
【0071】
ステップS13において、CPU20aは、注意メッセージ画面100が操作を受け付けるのを待ち、つまり「OK」キー106が操作を受け付けるのを待つ(S13:NO)。そして、「OK」キー106が操作を受け付けると(S13:YES)、CPU20aは、処理をステップS15へ進める。
【0072】
ステップS15において、CPU20aは、非搭載フォントと代替される代替フォントとして規定フォントを設定する。これに際して、CPU20aは、規定フォントテーブル460aを参照する。その上で、CPU20aは、処理をステップS17へ進める。
【0073】
ステップS17において、CPU20aは、注意メッセージ画面100に代えて、フォント代替案内画面200を、ディスプレイ28bに表示する。これに際して、CPU20aは、ボックス206aに規定フォントを表す文字列206bを表示する。併せて、CPU20aは、サンプルデータ458であるテキストデータに代替フォントとして設定された規定フォントを適用することで、サンプル文字群208aの各サンプル文字を当該規定フォントに従う書体で表示する。そして、CPU20aは、処理をステップS19へ進める。
【0074】
ステップS19において、CPU20aは、フォント代替案内画面200が何らかの操作を受け付けるのを待つ(S19:NO)。そして、フォント代替案内画面200が何らかの操作を受け付けると(S19:YES)、CPU20aは、処理をステップS21へ進める。
【0075】
ステップS21において、CPU20aは、ステップS19で受け付けられた操作がフォント代替案内画面200における「OK」キー212への操作であるかどうかを判定する。ここでたとえば、ステップS19で受け付けられた操作が「OK」キー212への操作である場合(S21:YES)、CPU20aは、処理を後述するステップS33へ進める。一方、ステップS19で受け付けられた操作が「OK」キー212への操作でない場合には(S21:NO)、CPU20aは、処理をステップS23へ進める。
【0076】
ステップS23において、CPU20aは、ステップS19で受け付けられた操作がフォント代替案内画面200における「キャンセル」キー214への操作であるかどうかを判定する。ここでたとえば、ステップS19で受け付けられた操作が「キャンセル」キー214への操作である場合(S23:YES)、CPU20aは、処理をステップS25へ進める。一方、ステップS19で受け付けられた操作が「キャンセル」キー214への操作でない場合、つまりドロップダウンリスト206への操作である場合には(S23:NO)、CPU20aは、処理を後述するステップS27へ進める。
【0077】
ステップS25において、CPU20aは、前述のデータ取得画面をディスプレイ28bに表示するべく、フォント代替制御タスクの前のタスクに当たるデータ取得タスクの実行を開始する。これにより、フォント代替案内画面200が消えて、データ取得画面がディスプレイ28bに表示される。これをもって、CPU20aは、フォント代替制御タスクを終了する。
【0078】
これに対して、CPU20aは、ステップS23からステップS27へ処理を進めた場合、つまり前述のステップS19で受け付けられた操作がドロップダウンリスト206への操作である場合には、当該ステップS27において、ドロップダウンリスト206への操作に従う処理を実行する。たとえば、ドロップダウンリスト206の展開キー206cが操作された場合は、厳密にはリストボックス206dが閉じられた状態で展開キー206cが操作された場合は、CPU20aは、
図4に示される如く当該リストボックス206dを展開する。また、リストボックス206dが展開された状態で当該リストボックス206d内のいずれかの文字列206eが操作された場合は、CPU20aは、その操作された文字列206eによって表されるフォントを代替フォントとして選択するとともに、リストボックス206dを閉じる。このようなステップS27における処理の実行後、CPU20aは、処理をステップS29へ進める。
【0079】
ステップS29において、CPU20aは、ステップS27における処理により代替フォントが変更されたかどうかを判定する。ここでたとえば、代替フォントが変更された場合(S29:YES)、CPU20aは、処理をステップS31へ進める。一方、代替フォントが変更されていない場合には(S29:NO)、CPU20aは、処理をステップS19へ戻す。
【0080】
ステップS31において、CPU20aは、変更された代替フォントに応じてフォント代替案内画面200の表示内容を更新する。すなわち、CPU20aは、ボックス206a内の文字列206bを変更後の代替フォントを表す内容に変更する。併せて、CPU20aは、サンプルデータ458であるテキストデータに変更後の代替フォントを適用することで、サンプル文字群208aの各サンプル文字の書体を当該変更後の代替フォントに従う書体に変更する。そして、CPU20aは、処理をステップS19へ戻す。
【0081】
さらに、CPU20aは、前述のステップS21からステップS33へ処理を進めた場合、当該ステップS33において、アプリケーションデータに含まれる非搭載フォントを代替フォントに置き替える。すなわち、CPU20aは、ボックス206a内の文字列206bで表されるフォントにより非搭載フォントを代替する。併せて、CPU20aは、このフォントの代替に関する詳細な情報をフォント代替実施テーブル460bに記憶する。その上で、CPU20aは、処理をステップS35へ進める。
【0082】
ステップS35において、CPU20aは、代替後アプリケーションデータに基づいて、プレビュー画像データを生成し、厳密にはそうするように画像処理部14を制御する。これに従って、画像処理部14は、ラスタライズを含め、プレビュー画像データを生成するための画像処理を行う。そして、CPU20aは、ステップS35の実行後、処理をステップS37へ進める。
【0083】
ステップS37において、CPU20aは、フォント代替案内画面200を消した上で、プレビュー画面300をディスプレイ28bに表示する。これに際して、CPU20aは、ステップS35で生成されたプレビュー画像データに基づいて、プレビュー画像304をプレビュー画面300に配する。そして、CPU20aは、処理をステップS39へ進める。
【0084】
ステップS39において、CPU20aは、プレビュー画面300が何らかの操作を受け付けるのを待つ(S39:NO)。そして、プレビュー画面300が何らかの操作を受け付けると(S39:YES)、CPU20aは、処理をステップS41へ進める。
【0085】
ステップS41において、CPU20aは、ステップS39で受け付けられた操作がプレビュー画面300における「つぎへ」キー306への操作であるかどうかを判定する。ここでたとえば、ステップS39で受け付けられた操作が「つぎへ」キー306への操作である場合(S41:YES)、CPU20aは、処理を前述のステップS5へ進める。一方、ステップS39で受け付けられた操作が「つぎへ」キー306への操作でない場合には(S41:NO)、CPU20aは、処理をステップS43へ進める。
【0086】
ステップS43において、CPU20aは、前述のステップS39で受け付けられた操作がプレビュー画面300における「もどる」キー308への操作であるかどうかを判定する。ここでたとえば、ステップS39で受け付けられた操作が「もどる」キー308への操作である場合(S43:YES)、CPU20aは、処理を前述のステップS15へ戻す。一方、ステップS39で受け付けられた操作が「もどる」キー308への操作でない場合は、つまり「終了する」キー310への操作である場合は(S43:NO)、CPU20aは、処理をステップS45へ進める。
【0087】
ステップS45において、CPU20aは、オフィスダイレクトプリント機能を終了するための終了処理を実行する。このステップS45の終了処理には、プレビュー画面300に代えて、前述の終了メッセージ画面を一定期間にわたってディスプレイ28bに表示し、その後、前述のホーム画面をディスプレイ28bに表示する処理が含まれる。これをもって、CPU20aは、フォント代替制御タスクを終了する。
【0088】
以上のように、本第1実施例によれば、とりわけオフィスダイレクトプリント機能によれば、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合に、注意メッセージ画面100がディスプレイ28bに表示された上で、フォント代替案内画面200が当該ディスプレイ28bに表示される。そして、ユーザは、フォント代替案内画面200により、詳しくはサンプル文字群208aのサンプル文字を参照しながら、ドロップダウンリスト206を適宜に操作することで、任意のフォントを代替フォントとして選択することができる。このことは、オリジナルに近い印刷結果が得られるなど、ユーザにとって極めて有益である。
【0089】
なお、図示を含む詳しい説明は省略するが、アプリケーションデータに複数種類の非搭載フォントが含まれる場合には、たとえばそれぞれの非搭載フォントごとにフォント代替案内画面200が順次表示される。そして、このように順次表示されるフォント代替案内画面200により、それぞれの種類の非搭載フォントごとに代替フォントが個別に選択される。これに代えて、アプリケーションデータに含まれる全ての種類の非搭載フォントについての代替フォントを1つの適当な画面で個別に選択することができるように、当該画面が構成されてもよい。
【0090】
そして、フォント代替制御タスクにおけるステップS1,ステップS3,ステップS7およびステップS9を実行するCPU20aは、本発明に係るフォント判定手段の一例である。併せて、フォント代替制御タスクにおけるステップS17を実行するCPU20aは、つまりフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示させるCPU20aは、当該ディスプレイ28bと協働して、本発明に係る案内手段の一例を構成する。厳密に言えば、フォント代替制御タスクにおけるステップS31を実行するCPU20aもまた、つまりフォント代替案内画面200の表示内容を更新するCPU20aもまた、本発明に係る案内手段の一例を構成する。
【0091】
さらに、フォント代替案内画面200におけるドロップダウンリスト206は、本発明に係る選択操作受付手段の一例である。そして、フォント代替案内画面200におけるサンプル文字群208aの各サンプル文字を表示するCPU20aは、つまり当該サンプル文字群208aを含むフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示するCPU20aは、当該ディスプレイ28bと協働して、本発明に係る表示手段の一例をも構成する。
【0092】
加えて、フォントデータ456が記憶される主記憶部20bのRAMは、本発明に係るフォントデータ記憶手段の一例でもある。厳密に言えば、フォントデータ456は、主記憶部20bのROMまたは補助記憶部22に記憶された上で、主記憶部20bのRAMに展開されることから、当該主記憶部20bのROMまたは補助記憶部22もまた、本発明に係るフォントデータ記憶手段の一例である。
【0093】
併せて、サンプルデータ458が記憶される主記憶部20bのRAMは、本発明に係る文字データ記憶手段の一例でもある。厳密に言えば、サンプルデータ458は、主記憶部20bのROMまたは補助記憶部22に記憶された上で、主記憶部20bのRAMに展開されることから、当該主記憶部20bのROMまたは補助記憶部22もまた、本発明に係る文字データ記憶手段の一例である。そして、CPU20aは、サンプルデータ458に代替フォントを適用することにより、サンプル文字群208aの各サンプル文字を表示し、つまり当該サンプル文字群208aを含むフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示するが、このようなCPU20aは、当該ディスプレイ28bと協働して、本発明に係る表示実行手段の一例を構成する。
【0094】
また、フォント代替制御タスクにおけるステップS35およびステップS37を実行するCPU20aは、画像処理部14およびディスプレイ28bと協働して、本発明に係るプレビュー画像表示手段の一例を構成する。
【0095】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0096】
本第2実施例においては、
図12に示されるような態様のフォント代替案内画面200が表示される。この
図12に示されるフォント代替案内画面200においては、サンプル表示領域208内のサンプル文字群208aが、アプリケーションデータにおける非搭載フォントが適用された文字データの一部または全部に基づいて、表示される。
【0097】
すなわち、アプリケーションデータにおける非搭載フォントが適用された文字データの一部または全部が、たとえば当該文字データのうちの最初の1行分のデータが、サンプルデータとして抽出される。そして、この抽出されたサンプルデータに代替フォントが適用されることで、つまりドロップダウンリスト206のボックス206a内の文字列206bにより表されるフォントが当該サンプルデータに適用されることで、サンプル文字群208aの各サンプル文字が表示される。したがって、ユーザは、アプリケーションデータに含まれる言わば実際の文字データに基づく文字がどのような書体で表現されるのかを、より精確に想像することができる。
【0098】
このような本第2実施例においても、CPU20aは、フォント代替制御タスクを実行するが、本第2実施例においては、
図13に示されるようなステップS101が当該フォント代替制御タスクに加わる。すなわち、前述のステップS13において、注意メッセージ画面100における「OK」キー106が操作を受け付けると(S13:YES)、CPU20aは、処理を当該ステップS13からステップS101へ進める。
【0099】
このステップS101において、CPU20aは、アプリケーションデータにおける非搭載フォントが適用された文字データの一部または全部、たとえば当該文字データのうちの最初の1行分または数行分のデータを、サンプルデータとして抽出する。そして、CPU20aは、処理をステップS15へ進める。
【0100】
なお、ステップS15においては、CPU20aは、前述の如く規定フォントを代替フォントとして設定する。そして、CPU20aは、処理をステップS17へ進めて、当該ステップS17において、フォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示する。その際、CPU20aは、ステップS101で抽出されたサンプルデータに代替フォントである規定フォントを適用することで、サンプル文字群208aの各サンプル文字を当該規定フォントに従う書体で表示する。
【0101】
また、CPU20aは、前述のステップS31において、フォント代替案内画面200の表示内容を更新する際にも、ステップS101で抽出されたサンプルデータに変更後の代替フォントを適用する。これにより、サンプル文字群208aの各サンプル文字の書体が、変更後の代替フォントに従う書体に変更される。
【0102】
このように本第2実施例によれば、アプリケーションデータに含まれる実際の文字データがサンプルデータとして抽出され、この抽出されたサンプルデータに基づいて、サンプル文字群208aの各サンプル文字が表示される。したがって、ユーザは、アプリケーションデータに含まれる実際の文字データに基づく文字がどのような書体で表現されるのかを、より精確に想像することができる。
【0103】
なお、アプリケーションデータからサンプルデータとなる文字データを抽出するのには、相応(多少)の時間が掛かる。したがって、サンプル文字群208aを出来る限り短時間で表示する、換言すれば当該サンプル文字群208aを表示するためにユーザを待たせる時間を短縮化する、という点では、本第2実施例よりも第1実施例の方が有利である。ただし、本第2実施例よれば、前述の如くアプリケーションデータに含まれる実際の文字データに基づく文字がどのような書体で表現されるのかをユーザに想像させ易くすることができ、この点は、極めて有用である。
【0104】
本第2実施例において、フォント代替制御タスクにおけるステップS101を実行するCPU20aは、本発明に係る抽出手段の一例である。このステップS101は、たとえばステップS11の直前もしくは直後、あるいは、ステップS15の直後に設けられてもよい。
【0105】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0106】
本第3実施例は、たとえば第2実施例を前提とする。その上で、本第3実施例においては、アプリケーションデータに含まれる非搭載フォントが代替フォントにより代替されることで、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果の体裁が過度に崩れる可能性があることを考慮して、その対策が講ぜられる。
【0107】
具体的には、代替フォントによる代替部分の文字のサイズや文字幅、スタイル、文字数などによっては、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある。そこで、本第3実施例においては、フォント代替案内画面200のドロップダウンリスト206により代替フォントが選択された際に、この代替フォントが適用された代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかの予測が行われる。この予測は、たとえば代替フォントによる代替部分の文字のサイズや文字幅、スタイル、文字数などの、印刷結果の体裁に影響する要因を勘案しての演算に基づいて行われる。そしてたとえば、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合は、
図14に示されるように、フォント代替案内画面200における適宜の位置に、所定の警告メッセージを表す文字列220が配される。
【0108】
なお、文字列220は、たとえば文字列204とドロップダウンリスト206との間に配される。そして、文字列220は、代替フォントとして選択されたフォントでは、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があることを、ユーザへ伝える内容を含む。さらに、文字列220は、目立ち易い態様とされ、たとえば太字の態様とされるとともに、赤色などの目立ち易い色彩が付された態様とされる。これ以外に、文字列220は、枠線や下線、網掛けなどの適当な修飾が付される態様とされてもよい。
【0109】
したがって、ユーザは、警告メッセージを表す文字列220が配されることを受けて、現在、代替フォントとして選択されているフォントでは、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があること、言わば不本意な印刷結果が得られる可能性があることを、認識することができる。この場合、ユーザは、代替フォントとして別のフォントを選択することで、このような不都合を回避することができる。なお、代替フォントとして別のフォントが選択されることで、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がなくなった場合は、文字列220は消える。
【0110】
本第3実施例においても、CPU20aは、フォント代替制御タスクを実行するが、本第3実施例においては、
図15に示されるようなステップS201~ステップS205、ならびに、
図16に示されるようなステップS211~ステップS217が、当該フォント代替制御タスクに加わる。すなわち、前述のステップS15において、代替フォントとして規定フォントを設定した後、CPU20aは、処理をステップS201へ進める。
【0111】
このステップS201において、CPU20aは、代替フォントとしての規定フォントが適用された代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを予測する。この予測は、前述の如く代替フォント(ここでは規定フォント)による代替部分の文字のサイズや文字幅などの印刷結果の体裁に影響する要因を勘案しての演算に基づいて行われる。そして、CPU20aは、処理をステップS203へ進める。
【0112】
ステップS203において、CPU20aは、ステップS201における予測結果に基づいて、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。ここでたとえば、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がない場合(S203:NO)、CPU20aは、処理を前述のステップS17へ進める。一方、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合には(S203:YES)、CPU20aは、処理をステップS205へ進める。
【0113】
ステップS205において、CPU20aは、警告メッセージを表す文字列220がフォント代替案内画面200に配されるように、当該警告メッセージの設定を行う。その上で、CPU20aは、処理をステップS17へ進める。
【0114】
なお、ステップS205を経由して、処理をステップS17へ進めた場合、CPU20aは、当該ステップS17において、警告メッセージを表す文字列220が配されたフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示する。一方、ステップS205を経由せずに、処理をステップS17へ進めた場合、CPU20aは、当該ステップS17において、警告メッセージを表す文字列220が配されないフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示する。
【0115】
さらに、CPU20aは、前述のステップS29において、ステップS27における処理により代替フォントが変更されたと判定した場合は(S29:YES)、処理をステップS211へ進める。
【0116】
このステップS211において、CPU20aは、変更後の代替フォントが適用された代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを予測する。この予測は、ステップS201と同様の要領で行われる。そして、CPU20aは、処理をステップS213へ進める。
【0117】
ステップS213において、CPU20aは、ステップS211における予測結果に基づいて、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。ここでたとえば、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合(S213:YES)、CPU20aは、処理をステップS215へ進める。一方、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がない場合は(S213:NO)、CPU20aは、処理をステップS217へ進める。
【0118】
ステップS215において、CPU20aは、ステップS205と同様、警告メッセージを表す文字列220がフォント代替案内画面200に配されるように、当該警告メッセージの設定を行う。その上で、CPU20aは、処理を前述のステップS31へ進める。
【0119】
これに対して、CPU20aは、ステップS213からステップS217へ処理を進めた場合、当該ステップS217において、警告メッセージを表す文字列220がフォント代替案内画面200に配されることのないように、当該警告メッセージを非設定とする。その上で、CPU20aは、処理を前述のステップS31へ進める。
【0120】
なお、ステップS215を経由して、処理をステップS31へ進めた場合、CPU20aは、当該ステップS31において、警告メッセージを表す文字列220が配されたフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示し、つまりはそうなるようにフォント代替案内画面200の表示内容を更新する。一方、ステップS217を経由せずに、処理をステップS31へ進めた場合、CPU20aは、当該ステップS31において、警告メッセージを表す文字列220が配されないフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示し、つまりはそうなるようにフォント代替案内画面200の表示内容を更新する。
【0121】
このように本第3実施例によれば、非搭載フォントが代替フォントにより代替されることに起因して、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合には、所定の警告メッセージを表す文字列220がフォント代替案内画面200に配される。したがって、ユーザは、警告メッセージを表す文字列220が配されることを受けて、現在、代替フォントとして選択されているフォントでは、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があること、つまり不本意な印刷結果が得られる可能性があることを、認識することができる。その上で、ユーザは、代替フォントとして別のフォントを選択することで、このような不都合を回避することができる。
【0122】
なお、本第3実施例は、第2実施例を前提とするが、これに代えて、第1実施例を前提としてもよい。
【0123】
また、文字列220で表される警告メッセージについては、当該文字列220の表示という視覚的な態様ではなく、音声などの聴覚的な態様で出力されてもよい。
【0124】
さらに、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかの予測は、代替フォントによる代替部分の文字のサイズや文字幅などの当該印刷結果の体裁に影響する要因を勘案しての演算に基づいて行われることとしたが、これに限らない。たとえば、代替後アプリケーションデータに対してラスタライズなどの適宜の画像処理が施された後の画像データに基づいて、ここで言う予測が行われてもよい。ただし、ここで言う演算の方が、ラスタライズなどの画像処理に比べて、処理に要する時間が短く、また、当該処理のためのCPU20aなどに対する負担も小さい。
【0125】
本第3実施例において、フォント代替制御タスクにおけるステップS201およびステップS203、ならびに、ステップS211およびステップS213を実行するCPU20aは、本発明に係る第1はみ出し判定手段の一例である。そして、フォント代替案内画面200に配される警告メッセージを表す文字列220は、本発明に係る第1情報の一例である。さらに、当該文字列220が配されたフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示させるCPU20aは、つまりステップS205を経由してステップS17を実行し、あるいは、ステップS215を経由してステップS31を実行するCPU20aは、ディスプレイ28bと協働して、本発明に係る第1情報出力手段の一例を構成する。
【0126】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0127】
本第4実施例は、第3実施例を前提とする。その上で、本第4実施例においては、複合機10に搭載されている全てのフォントのうち、つまりフォントデータ456に含まれている全てのフォントのうち、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるフォントについては、代替フォントとしての選択対象(候補)から外される。言い換えれば、本第4実施例においては、印刷範囲に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性のないフォントのみが、言わば代替適合フォントのみが、代替フォントとしての選択対象となるように、当該選択対象を絞り込む、代替フォント絞込み機能が設けられる。
【0128】
この代替フォント絞込み機能によれば、
図4と比較しつつ、
図17に示されるように、代替フォントを選択するためのドロップダウンリスト206(リストボックス206d)には、代替適合フォントを表す文字列206e,206e,…のみが配される。すなわち、ドロップダウンリスト206によって選択可能なフォントが、つまりは代替フォントとしての選択対象が、代替適合フォントのみに絞られる。これにより、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性のあるフォントが、言わば不本意な印刷結果となってしまうフォントが、代替フォントとして選択されることがなくなり、ひいてはそのようなフォントが選択されることによるユーザの手間が軽減される。
【0129】
なお、フォント代替案内画面200が表示された直後は、前述の如く代替フォントとして規定フォントが自動的に選択される。したがって、規定フォントが代替適合フォントに該当しない場合は、つまり規定フォントが適用された後の代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合には、
図14に示されるような警告メッセージを表す文字列220が配されたフォント代替案内画面200が表示される。そして、ドロップダウンリスト206が操作される際に、当該ドロップダウンリスト206によって選択可能なフォントが代替適合フォントのみに絞られる。
【0130】
また、代替適合フォントが存在しない場合は、つまり複合機10に搭載されているいずれのフォントについても、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合には、フォント代替案内画面200が、
図18に示されるような態様となる。すなわち、文字列220によって表される警告メッセージの内容が変わる。この
図18における文字列220は、アプリケーションデータに含まれる非搭載フォントを複合機10に搭載されているいずれのフォントにより代替したとしても、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出してしまうことを、ユーザへ伝える内容を含む。また、
図18からは分からないが、当該
図18に示される状態においては、つまり代替適合フォントが存在しない場合は、ドロップダウンリスト206(リストボックス206d)には、複合機10に搭載されている全てのフォントを表す文字列206e,206e,…が表示される。これは、代替適合フォントが存在しない場合でも、印刷処理を進めたい、というユーザの要求があり得ることから、そのような要求に応えられるようにするためである。
【0131】
本第4実施例においても、CPU20aは、フォント代替制御タスクを実行するが、本第4実施例においては、
図19に示されるようなステップS301、ならびに、
図20に示されるようなステップS311~ステップS313が、当該フォント代替制御タスクに加わる。併せて、CPU20aは、フォント代替制御タスクのサブプログラムである代替適合フォント探索タスクを実行する。この代替適合フォント探索タスクについては、後述する。
【0132】
まず、CPU20aは、前述のステップS9において、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれていると判定した場合(S9:YES)、処理をステップS301へ進める。そして、このステップS301において、CPU20aは、探索タスク実行済フラグFに“0”を設定する。なお、探索タスク実行済フラグFは、代替適合フォント探索タスクが実行されたかどうかを表す指標である。たとえば、探索タスク実行済フラグFに“0”が設定されている場合は、これによって、代替適合フォント探索タスクがまだ実行されていないことが表される。一方、探索タスク実行済フラグFに“1”が設定されている場合は、これによって、代替適合フォント探索タスクが既に実行されたことが表される。このような探索タスク実行済フラグFに“0”を設定した上で、CPU20aは、処理を前述のステップS11へ進める。
【0133】
さらに、CPU20aは、前述のステップS203において、規定フォントが適用された後の代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がないと判定した場合は(S203:NO)、処理をステップS311へ進める。また、CPU20aは、前述のステップS205を経由した場合も、処理をステップS311へ進める。
【0134】
このステップS311において、CPU20aは、探索タスク実行済フラグFに“0”が設定されているかどうかを判定する。ここでたとえば、探索タスク実行済フラグFに“0”ではなく“1”が設定されている場合、つまり代替適合フォント探索タスクが既に実行された場合は(S311:NO)、CPU20aは、処理を前述のステップS17へ進める。一方、探索タスク実行済フラグFに“0”が設定されている場合、つまり代替適合フォント探索タスクがまだ実行されていない場合は(S311:YES)、CPU20aは、処理をステップS313へ進める。
【0135】
ステップS313において、CPU20aは、代替適合フォント探索タスクの実行を開始する。その上で、CPU20aは、処理をステップS17へ進める。
【0136】
図21に、代替適合フォント探索タスクの流れを示す。この
図21に示されるように、CPU20aは、まず、ステップS321において、不図示の代替適合フォント記憶領域をクリアする。この代替適合フォント記憶領域は、代替適合フォントを表す情報、たとえば後述するフォント番号を、一時的に記憶するための領域であり、主記憶部20bのRAMのデータ記憶領域に設けられる。そして、CPU20aは、処理をステップS323へ進める。
【0137】
ステップS323において、CPU20aは、フォント番を表すインデックスnに、当該フォント番号の最小値である“1”を設定する。なお、フォント番号とは、複合機10に搭載されている全てのフォントに付される識別番号であり、たとえば“1”という最小値から“N”という最大値までの個別の番号である。そして、CPU20aは、処理をステップS325へ進める。
【0138】
ステップS325において、CPU20aは、フォント番号が“n”のフォントが規定フォントでないかどうかを判定する。ここでたとえば、フォント番号が“n”のフォントが規定フォントである場合(S325:NO)、CPU20aは、処理を後述するステップS333へ進める。一方、フォント番号が“n”のフォントが規定フォントでない場合には(S325:YES)、CPU20aは、処理をステップS327へ進める。
【0139】
ステップS327において、CPU20aは、フォント番号が“n”のフォントが代替フォントとして採用されるものと仮定して、当該代替フォントが適用された後の代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが、印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを予測する。この予測は、前述のステップS201と同様の要領で行われる。そして、CPU20aは、処理をステップS329へ進める。
【0140】
ステップS329において、CPU20aは、ステップS327における予測結果に基づいて、代替後アプリケーションデータに基づく印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性があるかどうかを判定する。ここでたとえば、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がない場合(S329:NO)、CPU20aは、処理を後述するステップS333へ進める。一方、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性がある場合は(S329:YES)、CPU20aは、処理をステップS331へ進める。
【0141】
ステップS331において、CPU20aは、フォント番号が“n”のフォントを代替適合フォントとして登録し、詳しくは当該フォント番号を前述の代替適合フォント記憶領域に記憶する。そして、CPU20aは、処理をステップS333へ進める。
【0142】
ステップS333において、CPU20aは、フォント番号インデックス“n”の値がその最大値“N”であるかどうかを判定する。ここでたとえば、フォント番号インデックス“n”の値が最大値“N”でない場合は(S333:NO)、CPU20aは、処理をステップS335へ進める。一方、フォント番号インデックス“n”の値が最大値“N”である場合には(S333:YES)、CPU20aは、処理を後述するステップS337へ進める。
【0143】
ステップS335において、CPU20aは、フォント番号インデックス“n”の値をインクリメントする。その上で、CPU20aは、処理をステップS325へ戻す。
【0144】
これに対して、CPU20aは、ステータス333からスキャナ337へ処理を進めた場合は、当該ステップS337において、代替適合フォントとして登録されたフォントが存在するかどうかを、つまり前述の代替適合フォント記憶領域に1つ以上のフォント番号が記憶されているかどうかを、判定する。ここでたとえば、代替適合フォントが存在する場合は(S337:YES)、CPU20aは、処理をステップS339へ進める。一方、代替適合フォントが存在しない場合は(S337:NO)、CPU20aは、処理を後述するステップS343へ進める。
【0145】
ステップS339において、CPU20aは、フォント代替案内画面200におけるドロップダウンリスト206(リストボックス206d内の各文字列206e,206e,…)が表示される際の参照先として、代替適応フォント記憶領域が設定される。これにより、ドロップダウンリスト206が表示される際には、代替適応フォント記憶領域が参照され、当該代替適応フォント記憶領域に記憶(登録)されたフォント番号に対応するフォントのみが、つまり代替適合フォントのみが、ドロップダウンリスト206に表示されるようになる。このステップS339の実行後、CPU20aは、処理をステップS341へ進める。
【0146】
ステップS341において、CPU20aは、探索タスク実行済フラグFに“1”を設定する。これにより、代替適合フォント探索タスクが実行されたことが表される。このステップS341の実行をもって、CPU20aは、代替適合フォント探索タスクを終了する。
【0147】
さらに、CPU20aは、前述のステップS337からステップS343へ処理を進めた場合、当該ステップS343において、警告メッセージの内容を変更する。なお、警告メッセージの内容を表すデータは、たとえば主記憶部20bのRAMのデータ記憶領域450に予め記憶される。これにより、フォント代替案内画面200の表示内容が更新される際に、変更後の警告メッセージを表す文字列220が当該フォント代替案内画面200に配されるようになる。その上で、CPU20aは、処理をステップS341へ進める。
【0148】
このように本第4実施例によれば、とりわけ代替フォント絞込み機能によれば、印刷範囲に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性のない代替適用フォントのみが、代替フォントの選択対象となるように、当該選択対象が絞り込まれる。これにより、印刷結果に含まれるオブジェクトが印刷範囲をはみ出す可能性のあるフォントが、言わば不本意な印刷結果となってしまうフォントが、代替フォントとして選択されることがなくなり、ひいてはそのようなフォントが選択されることによるユーザの手間が軽減される。
【0149】
なお、本第4実施例において、代替適合フォント探索タスクを実行するCPU20aは、とりわけステップS323~ステップS335を実行するCPU20aは、
言わば第2はみ出し判定手
段である。そして、ステップS339を実行するCPU20aは、
言わば絞込み手
段である。さらに、ステップS343による変更後の警告メッセージを表す文字列220は、つまり
図18に示される文字列220は、
言わば第2情
報である。そして、
図18に示される文字列220を含むフォント代替案内画面200をディスプレイ28bに表示させるCPU20aは、当該ディスプレイ28bと協働して、
言わば第2情報出力手
段を構成する。
【0150】
また、フォント代替制御タスクにおけるステップS301は、たとえばステップS11の直後、あるいは、ステップS15の直前もしくは直後に設けられてもよい。
【0151】
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
【0152】
たとえば、各実施例においては、オフィスダイレクトプリント機能による印刷処理に供されるアプリケーションデータが1ページ分のデータであるように見受けられるが、そうではない。アプリケーションデータが1ページ分のデータであっても、複数ページ分のデータを含む場合であっても、本発明を適用することができる。
【0153】
そして、注意メッセージ画面100をはじめとする各画面については、それぞれのデザインを含め、ここで説明した構成に限定されない。たとえば、フォント代替案内画面200においては、代替フォントを選択するための操作子として、ドロップダウンリスト206が採用されたが、ラジオボタンなどの当該ドロップダウンリスト206以外の適宜のウィジェットが採用されてもよい。
【0154】
さらに、非搭載フォントを代替フォントにより代替するのではなく、当該非搭載フォントがそのまま適用された状態での印刷処理の実行を可能とするための手段が盛り込まれてもよい。たとえば、前述の外部装置の1つとして、複合機10による印刷処理を支援するための支援装置が設けられる。この支援装置は、複合機10に搭載されていないフォントを含む様々なフォントについてのデータベースを有する。そして、アプリケーションデータに非搭載フォントが含まれる場合には、当該アプリケーションデータが複合機10から支援装置へ送られる。支援装置においては、アプリケーションデータが、当該アプリケーションデータに含まれる非搭載フォントがそのまま適用された状態での印刷処理の実行を可能とするための所定形式データ、たとえばPDFファイル、に変換される。このPDFファイルが支援装置から複合機10へ送られることで、当該PDFファイルに基づく印刷処理が可能となり、つまりは非搭載フォントがそのまま適用された状態での印刷処理の実行が可能となる。このような手段が、本発明に盛り込まれてもよい。
【0155】
加えて、前述の各実施例においては、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのパブリックスペースに設置される複合機10を例に挙げたが、これに限らない。たとえば、オフィスに設置される複合機10にも、本発明を適用することができる。そして、複合機10に限らず、プリンタなどの当該複合機10以外の画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
【0156】
また、本発明は、画像形成装置という装置の形態に限らず、当該画像形成装置の制御プログラムというプログラムの形態、および、当該画像形成装置の制御方法という方法の形態によっても、提供することができる。
【0157】
併せて、本発明は、画像形成装置の制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体という形態によっても、提供することができる。この場合、記憶媒体に記録された制御プログラムが画像形成装置のコンピュータにより読み取られ、当該コンピュータにより実行されることで、本発明と同様の画像形成装置が実現される。ここで言う記憶媒体としては、前述の外部記憶媒体50のような可搬型の媒体がある。また、可搬型の媒体ではなく、ROMやハードディスクドライブなどのような画像形成装置に組み込まれる組込み型(内蔵型)の媒体もまた、ここで言う記憶媒体として採用可能である。
【符号の説明】
【0158】
10 … 複合機
14 … 画像処理部
16 … 画像形成部
20 … 制御部
20a … CPU
20b … 主記憶部
28 … 操作表示部
28a … タッチパネル
28b … ディスプレイ
200 … フォント代替案内画面
206 … ドロップダウンリスト
208 … サンプル表示領域
208a … サンプル文字群
220 … 文字列(警告メッセージ)
300 … プレビュー画面
304 … プレビュー画像