(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】カメラ搭載構造
(51)【国際特許分類】
B60R 1/26 20220101AFI20240814BHJP
B60J 5/10 20060101ALN20240814BHJP
【FI】
B60R1/26 100
B60J5/10 Z
(21)【出願番号】P 2021020866
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】伊知地 紀公
(72)【発明者】
【氏名】門脇 空
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-111390(JP,A)
【文献】特開昭63-096643(JP,A)
【文献】特開2006-044514(JP,A)
【文献】特開2015-125910(JP,A)
【文献】特開2011-174704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00 ; 1/26
B60R 11/00 - 11/06
B60J 5/10
F16B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における車室外に固定される支持部材と、
前記支持部材に対して装着されるカメラと、を備えており、
前記支持部材を介して前記車両に前記カメラを搭載したものであり、
前記カメラは、
カメラ本体と、
前記カメラ本体を前記支持部材に対して取り付けるための取付部と、を有するものであり、
前記支持部材は、
前記車両に固定されることにより、前記車両の外側に向く外側面、及び前記車両の内側に向く内側面を備えると共に、
前記内側面及び前記外側面に亘って連通したカメラ開口部と、
前記内側面において前記カメラ開口部に対して下方に外れた位置に形成された凹部と、を有するものであり、
前記カメラ開口部に対して前記カメラ本体を嵌め込むと共に、前記取付部に設けられた凸部を前記凹部に当接させることにより、前記カメラを前記支持部材に搭載したものであ
り、
前記凸部及び前記凹部の間に配置されると共に、前記凸部の上方側に当接可能な止水部材を有するものであり、
前記カメラが前記支持部材を介して前記車両に搭載された状態において、前記カメラ開口部を前記外側面から正面視した際に前記止水部材が視認されないこと、を特徴とするカメラ搭載構造。
【請求項2】
車両における車室外に固定される支持部材と、
前記支持部材に対して装着されるカメラと、を備えており、
前記支持部材を介して前記車両に前記カメラを搭載したものであり、
前記カメラは、
カメラ本体と、
前記カメラ本体を前記支持部材に対して取り付けるための取付部と、を有するものであり、
前記支持部材は、
前記車両に固定されることにより、前記車両の外側に向く外側面、及び前記車両の内側に向く内側面を備えると共に、
前記内側面及び前記外側面に亘って連通したカメラ開口部と、
前記内側面において前記カメラ開口部に対して下方に外れた位置に形成された凹部と、を有するものであり、
前記カメラ開口部に対して前記カメラ本体を嵌め込むと共に、前記取付部に設けられた凸部を前記凹部に当接させることにより、前記カメラを前記支持部材に搭載したものであり、
前記取付部が、前記凸部から外れた位置に支持部を有するものであり、
前記支持部材が、前記支持部と向き合う位置に締結部を有するものであり、
前記支持部及び前記締結部が、締結部材により締結され、
前記カメラは、前記支持部材に対して、前記凸部及び前記支持部の少なくとも2点で支持されるものであり、
前記カメラが、前記支持部材に対して、前記支持部で支持される箇所は1箇所であること、を特徴とするカメラ搭載構造。
【請求項3】
前記支持部材が、樹脂成型により形成されており、
前記凹部が、樹脂成型におけるヒケを抑制するために形成されたヒケ抑制溝であること、を特徴とする請求項1
または2に記載のカメラ搭載構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両へのカメラ搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、運転者を支援するための各種のカメラが搭載されている。前記カメラとして、例えば、車両のバックドアに搭載されるバックカメラが知られている。また、最近では、車両の意匠性を高めるために、バックドアハンドルの支持部材(インナーガーニッシュに相当)にバックカメラを内蔵させたバックドアハンドルが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1の発明に係るバックドアハンドルは、カメラが、バックドアハンドルの支持部材に対して、車両の内側を向く内側面方向から2か所のネジ止めにより固定されている。従って、ネジ止めのための固定箇所を設けるスペースを広く取る必要がある。そのため、カメラの支持部材が大型化し、車両の意匠を損ねる問題がある。また、カメラの支持部材に対する固定に際し、止水部材が支持部材とカメラの取付部材との間に挟み込まれる構造を採用している。そのため、外部からの水の侵入が生じやすい問題がある。また、上述した特許文献1の発明に係るバックドアハンドルは、カメラの支持部材に対する固定に際し、止水部材が支持部材とカメラの取付部材との間に挟み込まれる構造を採用している。すなわち、平面状態で止水部材が支持部材に接することにより、水の侵入を抑制している。そのため、外部からの水の侵入が生じやすい問題がある。このように、特許文献1の発明に係るバックドアハンドルは、止水性の問題や車両外部の意匠性の問題を有している。
【0005】
そこで、本発明は、省スペースで設置することができ、止水性が確保できる車両のカメラ搭載構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のカメラ搭載構造は、車両における車室外に固定される支持部材と、前記支持部材に対して装着されるカメラと、を備えており、前記支持部材を介して前記車両に前記カメラを搭載したものであり、前記カメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体を前記支持部材に対して取り付けるための取付部と、を有するものであり、前記支持部材は、前記車両に固定されることにより、前記車両の外側に向く外側面、及び前記車両の内側に向く内側面を備えると共に、前記内側面及び前記外側面に亘って連通したカメラ開口部と、前記内側面において前記カメラ開口部に対して下方に外れた位置に形成された凹部と、を有するものであり、前記カメラ開口部に対して前記カメラ本体を嵌め込むと共に、前記取付部に設けられた凸部を前記凹部に当接させることにより、前記カメラを前記支持部材に搭載したものであること、を特徴とするものである。
【0007】
上述したカメラ搭載構造は、カメラの取付部に設けられた凸部と、支持部材の内側面に設けられた凹部とを当接させることにより、カメラを支持部材に搭載するものとされている。これにより、カメラ開口部を介して、支持部材の内部に水が侵入することを抑制できる。また、カメラの取付部に設けられた凸部と、支持部材の凹部との当接により、カメラを支持部材に固定できるので、省スペースでの固定が可能である。
【0008】
ここで、上述した支持部材は、軽量化や加工性を考慮した場合、素材に樹脂を用い、成型により形成することが望ましいと考えられる。しかしながら、樹脂成型により支持部材を形成する場合は、凸部の反対側の面が、冷却時に収縮し凹み(ヒケとも称する)が発生しやすいと考えられる。そのため、樹脂成型では、多くの場合、ヒケを抑制するためのヒケ抑制溝が形成されている。そこで、本発明者等が、鋭意検討した結果、上述した支持部材の樹脂成型時に形成されるヒケ抑制溝を利用すれば、カメラ取付用の凹部を新たに形成する必要がないとの知見が得られた。
【0009】
(2)かかる知見に基づいて提供される本発明のカメラ搭載構造は、前記支持部材が、樹脂成型により形成されており、前記凹部が、樹脂成型におけるヒケを抑制するために形成されたヒケ抑制溝であるとよい。
【0010】
かかる構成によれば、樹脂成型におけるヒケを抑制するために形成されるヒケ抑制溝を支持部材における凹部として利用することができる。これにより、支持部材に対して新たにカメラ支持用の凹部を形成する必要がない。そのため、省スペースでカメラを搭載することができ、支持部材の加工費用を低減することができる。また、新たにネジ穴を形成することに比べ、省スペースでカメラを固定することが可能である。
【0011】
(3)上述した本発明のカメラ搭載構造は、前記凸部及び前記凹部の間に配置されると共に、前記凸部の上方側に当接可能な止水部材を有するものであり、前記カメラが前記支持部材を介して前記車両に搭載された状態において、前記カメラ開口部を前記外側面から正面視した際に前記止水部材が視認されないものとするとよい。
【0012】
かかる構成によれば、止水部材により、車体内部やカメラに水が侵入することを抑制できる。また、止水部材を目立たなくできるので、車両の意匠性向上が期待できる。ここで、止水部材は、各種の防水性部材を用いることができ、例えば、ウレタンゴムなどを採用することができる。
【0013】
(4)上述した本発明のカメラ搭載構造は、前記取付部が、前記凸部から外れた位置に支持部を有するものであり、前記支持部材が、前記支持部と向き合う位置に締結部を有するものであり、前記支持部及び前記締結部が、締結部材により締結されるとよい。
【0014】
かかる構成によれば、少なくとも2点で、カメラを支持部材に支持することができる。これにより、確実にカメラを支持部材に固定することができ、カメラによる撮影精度を高めることができる。ここで、支持部は、例えば、円形孔やU字形状の開口など各種の形状に形成することができる。また、締結部は、締結部材として例えば、ネジを用いる場合は、当該ネジを螺合させることが可能なネジ穴とすればよい。上述した、支持部、締結部、及び締結部材は、各種の形状やものを採用することができる。また、支持部は、凸部から外れた各種の位置に設けることができる。例えば、支持部が、カメラ開口部に対して上方に外れた位置に設けられるとよい。これにより、カメラの支持位置をより離間させることができるので、確実にカメラを支持することができ、カメラの撮影精度向上が期待できる。また、支持部や締結部は、一又は複数設けることができる。
【0015】
(5)上述した本発明のカメラ搭載構造は、前記支持部材が、前記車両のバックドアに搭載されるものであるとよい。
【0016】
かかる構成によれば、バックドアに設けられる後方撮影用カメラの止水性を高めることができる。また、支持部材を小型化できるので、バックドアの意匠性を高めることが期待できる。
【0017】
(6)上述した本発明のカメラ搭載構造は、前記支持部材が、ドアハンドルを操作可能に支持するものであり、前記カメラ開口部が、前記ドアハンドルから外れた位置に配置されているとよい。
【0018】
かかる構成によれば、ドアハンドルの支持とカメラの支持と、を共通の支持部材で支持することができる。そのため、ドアハンドルと別途にカメラを搭載する場合に比べて、カメラを目立たなくすることができる。これにより、車両の意匠性向上が期待できる。ここで、カメラ開口部は、ドアハンドルと干渉しない各種の位置に配置することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、省スペースで設置することができ、止水性が確保できる車両のカメラ搭載構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係るカメラ搭載構造が採用された車両を後方側から見た正面図である。
【
図2】本発明に係るカメラ搭載構造を採用する車両のドアハンドルの拡大正面図である。
【
図4】本発明に係るカメラ搭載構造に用いられるカメラの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るカメラ搭載構造の一実施形態について、
図1~
図4を参照しながら以下に詳細を説明する。本実施形態では、カメラ20が、車両1のバックドア2におけるドアハンドル10に搭載されている場合を例として説明する。
【0022】
図1は、車両1の後方側を正面視したものである。車両1は、上下に開閉が可能なバックドア2を有している。バックドア2は、本発明のカメラ搭載構造を採用するドアハンドル10と、後部窓3等を有している。ドアハンドル10は、バックドア2に固定される支持部材11と、支持部材11に対して装着されるカメラ20と、を有している。
【0023】
支持部材11は、バックドア2の外側面(車両1の外側に向く面)に固定されるものである。従って、
図3に示すように、支持部材11は、車両1に固定されることにより、車両1の外側に向く外側面R、及び車両1の内側に向く内側面Fを備えるものである。また、支持部材11は、樹脂を素材とし、射出成型等の樹脂成型により略矩形状に形成されている。そのため、支持部材11は、軽量に形成されている。
【0024】
支持部材11は、
図2及び
図3に示すように、支持部材11の上半部分に設けられたハンドル操作部12と、ハンドル操作部12の左側下方(
図2参照)に形成されたカメラ開口部13と、を有している。また、支持部材11は、内側面Fに、ヒケ抑制溝14(凹部14とも称する)及び締結部15が形成されている。
【0025】
ハンドル操作部12は、上端側が支持部材11に対して揺動機構(図示せず)により揺動可能に支持されており、操作者による操作が可能である。ハンドル操作部12を操作することにより、バックドア2を開閉することができる。ハンドル操作部12は、支持部材11と同様に樹脂成型により形成されている。そのため、ドアハンドル10は、軽量に形成されている。
【0026】
カメラ開口部13は、支持部材11における内側面F及び外側面Rに亘って連通するように形成されている。また、カメラ開口部13は、後述するカメラ20のカメラ本体31よりも僅かに大きく形成されている。従って、支持部材11に対して、カメラ本体31を、内側面Fから外側面Rに向けて嵌め込むことが可能である。
【0027】
ヒケ抑制溝14は、支持部材11の下端側における長手方向(
図2参照)に沿って形成されている。ヒケ抑制溝14は、凹状に形成された溝であり、樹脂成型時に支持部材11に発生するヒケを抑制するために設けられている。なお、ヒケ抑制溝14の大きさや形状は、ヒケを考慮して各種の形状や大きさのものとすることが可能である。
【0028】
締結部15は、支持部材11の内側面Fに、隆起するように形成されている。締結部15は、本実施形態では、ネジ16(締結部材16とも称する)を螺合させることが可能な雌ネジが形成されている。締結部15は、後述するカメラ20の支持部24と、ネジ16により締結される。
【0029】
カメラ20は、本実施形態では、車両1の後方を撮影可能なバックカメラが用いられている。カメラ20は、例えば、車両1の駐車の際に車両1の後方を撮影することにより、運転者の支援を行うことができる。カメラ20は、カメラ本体21と、カメラ本体21を支持部材11に対して取り付けるための取付部22等を有している。
【0030】
カメラ本体21は、箱状の支持枠を有しており、当該支持枠に撮影のためのレンズ25が設けられている。カメラ本体21の下面には、カメラ本体21を支持すると共に、支持部材11に対して取り付けるための取付部22が装着されている。
【0031】
取付部22は、カメラ開口部13よりも大きく形成されており、カメラ本体21をカメラ開口部13に嵌め込んだ際に、カメラ開口部13の周囲の内側面Fと当接するものとされている。
図3に示すように、取付部22は、カメラ本体21をカメラ開口部13に嵌め込んだ際に、レンズ25が斜め下方を向くように折り曲げ形成されている。また、取付部22の下端側には、ヒケ抑制溝14と向き合うように前方側に突出した凸部23が形成されている。凸部23は、カメラ本体21をカメラ開口部13に嵌め込んだ際に、ヒケ抑制溝14と当接(係合とも称する)することができる。凸部23とヒケ抑制溝14との当接は、後述する止水部材30を介して間接的に当接するものとしてもよい。また、凸部23は、単数だけではなく複数設けてもよい。凸部23の形状や大きさは、凹部14の形状や大きさに合わせて、各種の形状や大きさのものとすることができる。
【0032】
取付部22は、上方側に延びるように形成された支持部24を有している。支持部24には、締結部15と向き合うように円形孔が形成されている。支持部24と締結部15とは、ネジ16により締結が可能である。これにより、カメラ20は、支持部材11に対して、凸部23及び支持部24の少なくとも2点で支持される。これにより、確実にカメラ20を支持部材11に固定することができ、カメラ20による撮影精度を高めることができる。なお、上述した支持部24や締結部15の形状や大きさは、各種のものに変更することが可能である。例えば、支持部24は、円形孔ではなく、長孔やU字形状の切込みとしてもよい。また、締結部材16は、ネジだけではなく、係合ピン等を用いてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、支持部24が、カメラ開口部13に対して上方に外れた位置に設けられている。すなわち、取付部22の上端側に支持部24が設けられ、取付部22の下端側に凸部23が設けられている。これにより、カメラ20の支持位置を離間させることができるので、確実にカメラ20を支持することができ、カメラ20の撮影精度向上が期待できる。
【0034】
また、本実施形態では、ヒケ抑制溝14を利用して、カメラ20における取付部22が固定されるので、支持部材11に対して新たにカメラ支持用の凹部14を形成する必要がない。そのため、省スペースでカメラ20を搭載することができ、支持部材11の加工費用を低減することができる。また、新たにネジ穴を形成することに比べ、省スペースでカメラ20を固定することが可能である。なお、カメラ支持用の凹部14を形成する位置は、支持部材11に形成されるヒケ抑制溝14の位置を考慮すればよい。
【0035】
次に、カメラ搭載構造に用いられる止水部材30について、以下に説明する。止水部材30は、例えば、ウレタンゴム等の防水性部材で形成されている。止水部材30は、取付部22における凸部23の上方側に当接可能である。これにより、車体内部やカメラに水が侵入することを抑制できる。また、止水部材30は、カメラ20が支持部材11を介して車両1に搭載された状態において、カメラ開口部13を外側面Rから正面視した際に視認されない位置に配置されている。これにより、止水部材30を目立たなくできるので、車両1の意匠性向上が期待できる。なお、止水部材30は、各種の防水性部材を使用することができる。
【0036】
また、本実施形態では、取付部22の上方側にも前記止水部材30と同様の上方側止水部材30aが設けられている。上方側止水部材30aは、止水部材30と同様に、ウレタンゴム等の防水性部材で形成されている。上方側止水部材30aは、カメラ開口部13の上端側に位置し、支持部材11の内側面Fと当接するように設けられている。これにより、カメラ開口部13の上端側から、車体内部に水が侵入することを抑制している。また、本実施形態では、上方側止水部材30aの下方側において、取付部22が前方側に突出して支持部材11の内側面Fと当接している。これにより、水の侵入を、より一層抑制することができる。なお、上方側止水部材30aも、カメラ20が支持部材11を介して車両1に搭載された状態において、カメラ開口部13を外側面Rから正面視した際に視認されない位置に配置するとよい。以上が、本発明のカメラ搭載構造の実施形態であるが、本発明のカメラ搭載構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0037】
本実施形態では、バックドア2にカメラ20が搭載されているが、本発明のカメラ搭載構造は、これには限定されない。例えば、カメラ20が、車両1の前方側に設けられるラジエーターグリルやフロントバンパー等に搭載されるものでもよい。また、カメラ20が、車両1の側方やドアミラー等に搭載されるものでもよい。また、本実施形態では、カメラ20がバックドア2のドアハンドル10に搭載されているが、本発明のカメラ搭載構造は、これには限定されず、各種のものにカメラ20を搭載することができる。例えば、ドアハンドル10とは独立して、カメラ20が、別途の支持部材に搭載されてもよい。また、カメラ20をドアハンドル10に搭載する場合は、ハンドル操作部12の操作に影響を及ぼさない各種の位置に搭載することができる。また、ドアハンドル10は、バックドア2に搭載されるものだけではなく、車両1に搭載される各種のドアハンドルに搭載することが可能である。
【0038】
また、支持部材11やカメラ20の形状や大きさは、各種の形状や大きさのものに変更することが可能である。また、カメラ開口部13やカメラ20の取付部22の形状や大きさも適宜変更することが可能である。また、取付部22に設けられる凸部23や、支持部材11に設けられる凹部14の形状や大きさも適宜変更することが可能である。また、本実施形態では、凹部14として、ヒケ抑制溝14を利用するものとしたが、凹部14がヒケ抑制溝14を利用しないものとしてもよい。また、支持部材11がヒケ抑制溝14を有しないものとしてもよい。また、凸部23は、単数だけではなく複数設けてもよい。凸部23の形状や大きさは、凹部14の形状や大きさに合わせて、各種の形状や大きさのものとすることが可能である。
【0039】
また、本実施形態では、取付部22に設けられた凸部23を支持部材11の凹部14に当接させることにより、カメラ20を支持部材11に搭載するようにしたが、凸部23と凹部14との当接は、直接的なものだけではなく、止水部材30を介して、間接的に当接するようにしてもよい。すなわち、凸部23とヒケ抑制溝14とをラビリンス構造とし、止水部材30を介して、凸部23とヒケ抑制溝14との間の隙間を塞ぐようにしてもよい。
【0040】
本実施形態では、止水部材30が、凸部23及び凹部14の間に配置されると共に、凸部23の上方側に当接可能なものとしたが、止水部材30が、凸部23の上側以外の他方向から当接可能なものとしてもよい。また、本実施形態では、カメラ20が車両1に搭載された状態において、止水部材30が、カメラ開口部13を外側面Rから正面視した際に視認されない構成としたが、止水部材30が視認されていてもよい。かかる場合は、止水部材30を目立たなく配置することが望ましい。
【0041】
また、本実施形態では、取付部22が、凸部23から外れた位置に支持部24を有するものとしたが、支持部24は、締結部15が形成される位置に応じて、各種の位置に配置することができる。例えば、支持部24や締結部15が、カメラ開口部13の横方向に配置されていてもよい。上述した支持部24及び締結部15を配置する位置は、搭載する部材の形状や大きさに合わせて、省スペースとなる配置とすることが望ましい。また、支持部24や締結部15は、ネジ16により締結するものだけではなく、各種の締結手段を採用することができる。例えば、支持部24と締結部15とが、係合ピン等で締結されるものであってもよい。また、支持部24や締結部15の形状や大きさは、各種のものに変更することが可能である。例えば、例えば、支持部24は、円形孔ではなく、長孔やU字形状の切込みとしてもよい。
【0042】
以上が、本発明に係るカメラ搭載構造の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のカメラ搭載構造は、各種の車両における車室外にカメラを搭載する際に利用することができる。また、本発明のカメラ搭載構造は、バックドア等に設けられるドアハンドルにカメラを搭載する際に好ましく利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 :車両
2 :バックドア
10 :ドアハンドル
11 :支持部材
12 :ハンドル操作部
13 :カメラ開口部
14 :凹部(ヒケ抑制溝)
15 :締結部
16 :締結部材(ネジ)
20 :カメラ
21 :カメラ本体
22 :取付部
23 :凸部
24 :支持部
25 :レンズ
30 :止水部材