(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】アクチュエータユニット
(51)【国際特許分類】
F16H 61/32 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
F16H61/32
(21)【出願番号】P 2021049002
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 淳史
(72)【発明者】
【氏名】藤井 広太
(72)【発明者】
【氏名】菊川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 真也
(72)【発明者】
【氏名】鈴村 恵司
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-178414(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0143938(US,A1)
【文献】特開2018-142661(JP,A)
【文献】特開2010-258734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動変速機のシフトレンジを切り替える切替機構に連結し、前記切替機構を駆動するアクチュエータユニットであって、
前記切替機構を駆動させる駆動力を発生する
とともに端子ピンを備えているモータと、
前記モータを制御する制御基板と、
端子ピンを備えているとともに配線を前記制御基板に接続するためのコネクタと、
開口を備えたハウジングと、
前記開口を塞ぐカバーと、
緩衝材とを有し、
前記モータ及び前記制御基板は、前記ハウジングと前記カバーとにより区画される収容空間内に位置しており、
前記制御基板は、前記ハウジングに固定されており、
前記緩衝材は、前記制御基板及び前記カバーの間に位置し、前記制御基板及び前記カバーの双方と接触して
おり、
前記制御基板は、前記モータの前記端子ピンと固定されている第2固定部、及び前記コネクタの前記端子ピンと固定されている第3固定部を有し、
前記制御基板は、平板状であり、前記制御基板の主面と直交する方向からの平面視において、前記緩衝材は、前記第2固定部、及び前記第3固定部のうちの少なくとも1つと重なる位置に位置している
アクチュエータユニット。
【請求項2】
前記制御基板から前記緩衝材に向けて突出する突起を有し、
前記緩衝材は、前記制御基板と向かい合う外面から当該緩衝材の内部に向けて窪む穴を有し、
前記突起の少なくとも一部は前記穴の内部に位置している
請求項
1に記載のアクチュエータユニット。
【請求項3】
前記カバーのうち、前記緩衝材と接触する壁を第1壁としたとき、
前記第1壁は平板状であり、
前記第1壁の主面と直交する方向からの平面視で、前記緩衝材は、前記第1壁の幾何中心と重なる位置に位置している
請求項1
又は2に記載のアクチュエータユニット。
【請求項4】
前記緩衝材は、前記制御基板及び前記カバーの間に複数設けられており
、
前記制御基板の主面と直交する方向からの平面視において、複数の前記緩衝材は、互いに重複しない位置に位置している
請求項1~
3のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット。
【請求項5】
前記緩衝材の材質は、ゲルである
請求項1~
4のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクチュエータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された車両は、いわゆるシフトバイワイヤ式のシフト装置を備えている。このシフト装置は、自動変速機のシフトレンジを切り替えるための切替機構、及び切替機構を動作させるためのアクチュエータユニットを有している。アクチュエータユニットは、ハウジング、カバー、モータ、減速機構、及び制御基板を有している。ハウジングは、箱型である。カバーは、ハウジングの開口を塞いでいる。モータ、減速機構、及び制御基板は、ハウジング及びカバーで区画される空間内に位置している。モータは、減速機構の出力軸を介して切替機構に接続している。減速機構は、複数のギアを有する歯車機構である。制御装置は、ユーザによるシフトレバーの操作に応じた信号を取得する。そして、制御装置は、取得した信号に基づいてモータを駆動する。モータの回転が切替機構に伝達されることにより切替機構が動作する。その結果、自動変速機のシフトレンジが切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような技術においてシフトレンジが切り替わる際に、減速機構におけるギアのがたつきに起因してモータのロータシャフトが振動することがある。そして、その振動がハウジングを介してカバーに伝わることがある。この振動の周波数がカバーの固有周波数に一致するとカバーが共振する。この場合、カバーの振動が騒音の原因となる可能性があり、好ましくない。なお、減速機構におけるギアのがたつきを要因として例示したが、この要因以外にも、車両における何らかの振動とカバーの固有周波数とが一致すると、上記と同様の課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのアクチュエータユニットは、自動変速機のシフトレンジを切り替える切替機構に連結し、前記切替機構を駆動するアクチュエータユニットであって、前記切替機構を駆動させる駆動力を発生するモータと、前記モータを制御する制御基板と、配線を前記制御基板に接続するためのコネクタと、開口を備えたハウジングと、前記開口を塞ぐカバーと、緩衝材とを有し、前記モータ及び前記制御基板は、前記ハウジングと前記カバーとにより区画される収容空間内に位置しており、前記制御基板は、前記ハウジングに固定されており、前記緩衝材は、前記制御基板及び前記カバーの間に位置し、前記制御基板及び前記カバーの双方と接触している。
【0006】
上記構成では、カバーが共振する場合、緩衝材が存在している箇所ではカバーが振動し難くなる。つまり、仮に緩衝材が存在しない場合にはカバーにおける振動の腹となる箇所が、緩衝材の存在によって振動の節となる。この場合、カバーにおける振動の節と節の間にさらに節ができる。したがって、節と節の距離が短くなる。そのため、カバーにおける振動の腹の振幅が小さくなる。このことから、カバーの振動に伴う騒音の音量を抑制できる。
【0007】
アクチュエータユニットにおいて、前記制御基板は、前記ハウジングと固定されている第1固定部、前記モータと固定されている第2固定部、及び前記コネクタと固定されている第3固定部を有し、前記制御基板は、平板状であり、前記制御基板の主面と直交する方向からの平面視において、前記緩衝材は、前記第1固定部、前記第2固定部、及び前記第3固定部のうちの少なくとも1つと重なる位置に位置していてもよい。
【0008】
ハウジングからの振動が制御基板に伝わることがある。この場合、制御基板が振動し得る。制御基板が振動する際、他の部品と固定されている第1固定部、第2固定部、及び第3固定部は、制御基板の中でも振動し難くい箇所となる。すなわち、これらの箇所は、制御基板における振動の節となる。上記構成では、制御基板におけるこれら振動の節となる箇所に緩衝材を配置する。このことにより、制御基板の振動が緩衝材を介してカバーに伝わることを抑制できる。
【0009】
アクチュエータユニットにおいて、前記制御基板から前記緩衝材に向けて突出する突起を有し、前記緩衝材は、前記制御基板と向かい合う外面から当該緩衝材の内部に向けて窪む穴を有し、前記突起の少なくとも一部は前記穴の内部に位置していてもよい。この構成では、突起と穴との凹凸関係を利用して、緩衝材を制御基板に対して位置決めできる。
【0010】
アクチュエータユニットにおいて、前記カバーのうち、前記緩衝材と接触する壁を第1壁としたとき、前記第1壁は平板状であり、前記第1壁の主面と直交する方向からの平面視で、前記緩衝材は、前記第1壁の幾何中心と重なる位置に位置していてもよい。
【0011】
仮に緩衝材が存在していない場合、第1壁においては、当該第1壁の幾何中心が振動の腹になる可能性が高い。つまり、上記構成では、第1壁の振動の腹となりやすい箇所に緩衝材を配置する。このことにより、第1壁の振動を効果的に抑制できる。
【0012】
アクチュエータユニットにおいて、前記緩衝材は、前記制御基板及び前記カバーの間に複数設けられており、前記制御基板は、平板状であり、前記制御基板の主面と直交する方向からの平面視において、複数の前記緩衝材は、互いに重複しない位置に位置していてもよい。この構成では、緩衝材の個数に応じて、カバーにおける振動の節を増やすことができる。そのため、カバーの振動をより効果的に抑制できる。
【0013】
アクチュエータユニットにおいて、前記緩衝材の材質は、ゲルでもよい。この構成では、カバーの振動に伴うカバーから制御基板への応力の入力を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図5】カバーを取り外した状態で表したアクチュエータユニットの平面図。
【
図7】圧縮永久歪についての材質による違いを表した図。
【
図8】反発弾性率と温度との関係性についての材質による違いを表した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、アクチュエータユニットの一実施形態を、図面を参照して説明する。
<車両の概略構成>
図1に示すように、車両100は、内燃機関101、自動変速機102、及び駆動輪103を有している。内燃機関101は、車両100の駆動源である。自動変速機102は、多段式の変速機である。自動変速機102の入力軸は、内燃機関101の出力軸と接続している。自動変速機102の出力軸は、ディファレンシャルを介して駆動輪103と接続している。ディファレンシャルは、左右の駆動輪103に回転速度の差が生じることを許容する。なお、
図1ではディファレンシャルの図示を省略している。
【0016】
車両100は、選択装置104を有している。選択装置104は、車両100の運転者が自動変速機102の4つのシフトレンジのいずれかを選択するための装置である。選択装置104は、シフトレバー104a、パーキングスイッチ104b、シフトポジションセンサ104c、及びシフトECU104dを有している。シフトレバー104aは、ニュートラルレンジ(以下、Nレンジと記す。)、ドライブレンジ(以下、Dレンジと記す。)、及びリバースレンジ(以下、Rレンジと記す。)を選択するためのレバーである。シフトレバー104aは、これら3つのシフトレンジに対応する操作位置に切り替え可能である。パーキングスイッチ104bは、パーキングレンジ(以下、Pレンジと記す。)を選択するためのスイッチである。シフトポジションセンサ104cは、シフトレバー104aの操作位置及びパーキングスイッチ104bのオンオフを検出する。なお、各シフトレンジの詳細については後述する。
【0017】
シフトECU104dは、電子制御装置である。すなわち、シフトECU104dは、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、シフトECU104dは、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0018】
シフトECU104dは、配線L1を介してシフトポジションセンサ104cと接続している。シフトECU104dは、シフトポジションセンサ104cが検出するにシフトレバー104aの操作位置及びパーキングスイッチ104bのオンオフに関する情報を取得する。シフトECU104dは、この情報に基づいて目標シフトレンジを算出する。シフトECU104dは、配線L2を介して目標シフトレンジを自動変速機102に出力する。
【0019】
<自動変速機の構成>
自動変速機102について詳述する。自動変速機102は、ケース102a、変速機構120、油圧回路130、及びパーキングロック機構140を有している。
【0020】
ケース102aは、変速機構120、油圧回路130、及びパーキングロック機構140を収容している。
変速機構120は、複数の係合要素としての複数のクラッチ及び複数のブレーキと、複数の遊星歯車機構とを有している。各係合要素は、油圧に応じて断接状態が切り替わる。各係合要素の断接状態に応じて、変速機構120は複数の変速段を形成可能である。具体的には、変速機構120は、前進走行用の変速段、後進走行用の変速段、及び自動変速機102の入力軸と出力軸との動力伝達を遮断する変速段(以下、遮断変速段と記す)とを形成可能である。なお、変速機構120は、前進走行用の変速段では、例えば「1速」~「5速」といった複数の変速段を形成可能である。
【0021】
図3に示すように、油圧回路130は、油路132及びバルブ134を有している。油路132は、作動油が流通する流路である。図示は省略するが、油路132は、内燃機関101の出力軸により駆動される機械式のオイルポンプから作動油の供給を受けている。油路132は、各係合要素に繋がっている。油路132は、各係合要素へと作動油を供給する。バルブ134は、油路132の途中に位置している。バルブ134は、作動油の流通経路を切り替える。これに応じて、各係合要素に供給する油圧が切り替わる。各係合要素に供給する油圧が切り替わることに応じて、上記のとおり変速機構120で形成される変速段が切り替わる。
【0022】
パーキングロック機構140は、パーキングロックギア142及びパーキングポール144を有している。パーキングロックギア142は、外歯歯車である。パーキングロックギア142は、自動変速機102の出力軸と一体回転する。パーキングポール144は、長尺の板状である。パーキングポール144は、パーキングロックギア142の近傍に位置している。パーキングポール144は、その第1端部144aと第2端部144bとの間に係合部144cを有している。係合部144cは、パーキングロックギア142に向けて突出している。パーキングポール144は、その第1端部144aを支点として正逆両方向に回転可能である。パーキングポール144の回転動作に伴って、係合部144cはパーキングロックギア142に近づいたり遠ざかったりする。係合部144cがパーキングロックギア142に近づき、係合部144cがパーキングロックギア142の歯142aに噛み合うと、パーキングロックギア142が回転不能となる。すなわち、自動変速機102の出力軸はパーキングロックギア142とともにロック状態になる。係合部144cがパーキングロックギア142から遠ざかり、パーキングロックギア142の歯142aに対する係合部144cの噛み合いが解除されると、パーキングロックギア142が回転可能となる。すなわち、自動変速機102の出力軸はパーキングロックギア142とともにロック解除状態になる。
【0023】
自動変速機102では、変速機構120、油圧回路130、及びパーキングロック機構140の作動状態に応じて、4つのシフトレンジが成立する。すなわち、自動変速機102の出力軸のロック状態において変速機構120で遮断変速段が形成されると、Pレンジが成立する。一方、自動変速機102の出力軸のロック解除状態において変速機構120で遮断変速段が形成されると、Nレンジが成立する。また、自動変速機102の出力軸のロック解除状態において変速機構120で前進走行用の変速段が形成されると、Dレンジが成立する。自動変速機102の出力軸のロック解除状態において変速機構120で後進走行用の変速段が形成されると、Rレンジが成立する。
【0024】
<切替機構>
図1に示すように、自動変速機102は、上記4つのシフトレンジを切り替えるための切替機構110を有している。切替機構110の大部分は、ケース102aの内部に位置している。
【0025】
図3に示すように、切替機構110は、マニュアルシャフト113、ディテントプレート114、ディテントスプリング111、第1ロッド116、及び第2ロッド117を有している。
【0026】
マニュアルシャフト113は、段付きの棒状である。マニュアルシャフト113は、ケース102aを貫通している。マニュアルシャフト113の第1端部113aは、ケース102aの外部に位置している。マニュアルシャフト113の第1端部113aは、後述するアクチュエータユニット10に接続している。なお、
図3では第1端部113aの図示は省略している。マニュアルシャフト113の第2端部113bは、ケース102aの内部に位置している。マニュアルシャフト113は、その中心軸線を回転中心として回転可能にケース102aの壁部で支持されている。マニュアルシャフト113は、アクチュエータユニット10の動力を受けて回転する。
【0027】
ディテントプレート114は、平板状である。ディテントプレート114は、中央部114a、第1延長部114c、及び第2延長部114dを有している。中央部114aは、円環状である。中央部114aの内周面114bには、マニュアルシャフト113の第2端部113bが固定されている。
図2に示すように、第1延長部114c及び第2延長部114dは、中央部114aの外周面から互いに反対方向に向けて延びている。第1延長部114cは、平面視で略矩形状である。第2延長部114dは、平面視で略扇形状である。第2延長部114dの頂部は、凹凸形状になっている。すなわち、第2延長部114dは、扇の円孤部分に4つの谷114eを有している。ディテントプレート114は、マニュアルシャフト113と一体回転する。第2延長部114dにおける4つの谷114eは、ディテントプレート114を4つの回転位置に位置決めするためのものである。この4つの回転位置は、シフトレンジ毎に設定されている。4つの谷114eは、第2延長部114dの扇の円孤の周方向において、例えば、Pレンジ用、Rレンジ用、Nレンジ用、Dレンジ用の順に並んでいる。
【0028】
図3に示すように、ディテントスプリング111は、スプリング本体115及び係合ピン112を有している。スプリング本体115は、長尺の板ばねである。スプリング本体115の第1端部115aは、図示しない固定構造によってケース102aの内部に固定されている。スプリング本体115の第2端部115bは、二股に分かれている。係合ピン112は、スプリング本体115の第2端部115bの二股の間に掛け渡されている。
図2に示すように、係合ピン112は、ディテントプレート114の第2延長部114dの4つの谷114eのいずれかに係合している。係合ピン112は、スプリング本体115の弾性力によって、第2延長部114dの谷114eに押し付けられている。すなわち、係合ピン112は、当該係合ピン112が現在位置している谷114eに対応する回転位置にディテントプレート114を位置決めしている。なお、ディテントプレート114が回転すると、係合ピン112は、スプリング本体115の弾性変形により第2延長部114dの凹凸形状に倣って変位しつつ別の谷114eに係合する。
【0029】
図3に示すように、第1ロッド116は棒状である。第1ロッド116の第1端部は、第1延長部114cに接続している。図示は省略するが、第1ロッド116の第2端部は、第1連結機構を介してパーキングロック機構140に連結している。ディテントプレート114が回転すると、第1ロッド116はパーキングロック機構140のパーキングポール144を動作させる。これに応じてパーキングロックギア142はロック状態またはロック解除状態に切り替わる。なお、ディテントプレート114がPレンジ用の回転位置にあるときにパーキングロックギア142がロック状態になり、ディテントプレート114が他の回転位置にあるときにパーキングロックギア142がロック解除状態になるように、パーキングポール144の動作位置と対応させてディテントプレート114の各谷114eの位置は調整してある。
【0030】
第2ロッド117は棒状である。第2ロッド117の第1端部は、第1延長部114cに接続している。図示は省略するが、第2ロッド117の第2端部は、第2連結機構を介して油圧回路130におけるバルブ134のスプールに連結している。ディテントプレート114が回転すると、第2ロッド117はバルブ134のスプールを動作させる。これに応じて油圧回路130では作動油の流通経路が切り替わる。なお、ディテントプレート114における各シフトレンジ用の回転位置で、対応するシフトレンジの流通経路が形成されるように、油圧回路130の構造と対応させてディテントプレート114の各谷114eの位置は調整してある。
【0031】
<アクチュエータユニットの基本構成>
図1に示すように、自動変速機102は、切替機構110を駆動するアクチュエータユニット10を有している。アクチュエータユニット10は、ケース102aの外部に位置している。
【0032】
図4に示すように、アクチュエータユニット10は、ハウジング20及びカバー30を有している。
ハウジング20は、アルミニウム合金製である。ハウジング20は、箱型である。具体的には、ハウジング20は、端壁21、周壁22、フランジ23、及び開口24を有している。端壁21は、四角形の平板状である。周壁22は、端壁21の外縁から延びている。周壁22は、端壁21の外縁の全域に亘って連続している。すなわち、周壁22は、四角形の筒状である。フランジ23は、周壁22から外部に向けて張り出している。フランジ23は、周壁22における端壁21とは反対側の端部に位置している。フランジ23は、周壁22における端壁21とは反対側の端部の全域に亘って連続している。すなわち、フランジ23は、四角形の枠状である。開口24は、周壁22における端壁21とは反対側の端部において周壁22に囲まれた空間である。ハウジング20は、開口24を通じて外部に開放している。
【0033】
ハウジング20は、4つのボス26を有している。なお、
図4では、4つのボス26のうちの2つのみを示している。各ボス26は、端壁21から開口24に向けて突出している。各ボス26は、端壁21の四隅近傍に位置している。各ボス26は、円筒状である。各ボス26の突出長さは同じである。
【0034】
図5に示すように、ハウジング20は、3つの締結部25を有している。3つの締結部25は、周壁22から外部へ向けて張り出している。3つの締結部25は、周壁22における、端壁21寄りの端部に位置している。3つの締結部25は、それぞれ異なる方向に向けて張り出している。3つの締結部25には、それぞれボルトB1が貫通している。ボルトB1は、自動変速機102のケース102aに連結している。この結果として、ハウジング20は、ケース102aに固定されている。
【0035】
カバー30は、鉄系の金属製である。すなわち、カバー30は磁性体である。
図4に示すように、カバー30は、ハウジング20と同様、箱型である。すなわち、カバー30は、端壁31、周壁32、フランジ33、及び開口34を有している。端壁31は、四角形の平板状である。なお、端壁31は、第1壁である。端壁31の縦横の寸法は、ハウジング20の端壁21の縦横の寸法と略同じである。周壁32は、端壁31の外縁から延びている。周壁32は、端壁31の外縁の全域に亘って連続している。すなわち、周壁32は、四角形の筒状である。周壁32における軸方向の寸法は、ハウジング20の周壁22における軸方向の寸法よりも短い。フランジ33は、周壁32から外部に向けて張り出している。フランジ33は、周壁32における端壁31とは反対側の端部に位置している。フランジ33は、周壁32における端壁31とは反対側の端部の全域に亘って連続している。すなわち、フランジ33は、四角形の枠状である。カバー30の各壁部の厚みは、ハウジング20の各壁部の厚みよりも薄い。開口34は、周壁32における端壁31とは反対側の端部において周壁32に囲まれた空間である。カバー30は、開口34を通じて外部に開放している。
【0036】
なお、
図4に示すように、カバー30の端壁31のうち、カバー30の開口34と向かい合っている面である内面31aと、内面31aとは反対側の面である外面31bは、端壁31の主面である。すなわち、主面とは、端壁31の外表面のうち、最も面積の大きい面である。
【0037】
カバー30の開口34は、ハウジング20の開口24と向かい合っている。詳細には、カバー30とハウジング20とは、互いの開口縁の位置が一致している。さらに、カバー30のフランジ33とハウジング20のフランジ23とは互いに向かい合っている。この状態で、カバー30とハウジング20とは一体になっている。具体的には、カバー30のフランジ33とハウジング20のフランジ23とには、複数のボルトB2が貫通している。複数のボルトB2は、カバー30とハウジング20とを一体に固定している。カバー30とハウジング20とが一体に固定された状態において、カバー30は、ハウジング20の開口24を塞いでいる。そして、カバー30の端壁31及び周壁32と、ハウジング20の端壁21及び周壁22とが取り囲む空間は、収容空間Sとなっている。すなわち、カバー30とハウジング20は、内部に収容空間Sを区画している。
【0038】
図4に示すように、アクチュエータユニット10は、モータ50を有している。モータ50は、収容空間S内に位置している。
図5に示すように、モータ50は、カバー30における端壁31の主面と直交する方向からの平面視(以下、直交平面視と記す。)で、端壁31の中央近傍に位置している。なお、
図5では、カバー30の端壁31の位置を二点鎖線の引き出し線で示している。モータ50は、三相モータである。
図4に示すように、モータ50は、ステータ53、ロータ52、ロータシャフト51、及び3つの端子ピン55を有している。なお、
図4では、3つの端子ピン55のうちの1つのみを示している。ステータ53は、円筒状である。ステータ53は、コイルを有している。ステータ53は、図示しない固定構造を介してハウジング20に固定されている。ロータ52は円筒状である。ロータ52は、ステータ53の内部に位置している。ロータ52の中心軸線は、ステータ53の中心軸線と一致している。ロータ52はステータ53に対して回転可能である。ロータシャフト51は棒状である。ロータシャフト51は、ロータ52を貫通している。ロータシャフト51の中心軸線は、ロータ52の中心軸線と一致している。ロータシャフト51の中心軸線は、ハウジング20の端壁21と略直交している。ロータシャフト51の第1端部は、ハウジング20の端壁21に至っている。ロータシャフト51の第1端部は、ハウジング20の端壁21で回転可能に支持されている。ロータシャフト51は、ロータ52と一体回転する。各端子ピン55は、棒状である。各端子ピン55は、ステータ53に固定されている。各端子ピン55は、カバー30の端壁31に向けてステータ53から突出している。各端子ピン55は、ステータ53に電力を供給する。ステータ53に電力が供給されると、ロータ52とともにロータシャフト51は回転する。すなわち、モータ50は、回転力を発生する。ロータシャフト51は、周方向の一定範囲を正逆両方向に回転する。上記の一定範囲は、角度に換算して概ね45度である。
【0039】
アクチュエータユニット10は、出力軸68を有している。出力軸68の大部分は、収容空間S内に位置している。出力軸68は、棒状である。出力軸68は、ロータシャフト51と平行に配置されている。出力軸68の第1端部は、ハウジング20の端壁21を貫通している。出力軸68の第1端部は、ハウジング20の端壁21で回転可能に支持されている。出力軸68の第1端部は、切替機構110におけるマニュアルシャフト113の第1端部113aに連結している。出力軸68の中心軸線とマニュアルシャフト113の中心軸線は一致している。出力軸68は、マニュアルシャフト113と一体回転する。
【0040】
アクチュエータユニット10は、減速機構60を有している。減速機構60は、ドライブギア61及びドリブンギア62を有している。ドライブギア61及びドリブンギア62は、収容空間S内に位置している。ドライブギア61は、円形の外歯歯車である。ドリブンギア62は、扇状の外歯歯車である。ドリブンギア62の扇の中心角の大きさは、45度よりもやや大きくなっている。ドライブギア61は、ロータシャフト51に接続している。ドリブンギア62は、出力軸68に接続している。ドライブギア61とドリブンギア62とは互いに噛み合っている。減速機構60は、ロータシャフト51の回転力を増幅させて出力軸68に伝達する。この回転力がマニュアルシャフト113に伝達される。すなわち、この回転力は、切替機構110を駆動させる駆動力となる。
【0041】
図5に示すように、アクチュエータユニット10は、コネクタ15を有している。コネクタ15は、本体15a及び5つの端子ピン15bを有している。本体15aは、ハウジング20の周壁22を貫通している。すなわち、本体15aは、収容空間Sの内部に位置している部分と、外部に位置している部分とを有している。本体15aにおける、収容空間Sの外部に位置している部分の端部は、接続部15sとなっている。接続部15sには、シフトECU104dから延びる配線L2が接続している。各端子ピン15bは、棒状である。各端子ピン15bは、本体15aにおける、収容空間Sの内部に位置している部分から突出している。各端子ピン15bは、カバー30の端壁31に向けて延びている。直交平面視で、各端子ピン15bは、カバー30の端壁31の四角形における4辺のうちの1辺の近傍に位置している。なお、
図4ではコネクタ15の図示を省略している。
【0042】
<制御基板>
アクチュエータユニット10は、制御基板40を有している。制御基板40は、例えばプリント配線及びプリント配線に実装される各種の電子部品を含んでいる。制御基板40は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、制御基板40は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。CPUは、メモリのプログラムコードを実行することによって、モータ50を制御する。
【0043】
図4に示すように、制御基板40は、収容空間S内に位置している。
図5に示すように、制御基板40は、四角形の平板状である。制御基板40の縦横の寸法は、カバー30の端壁31の縦横の寸法よりも小さい。なお、カバー30の端壁31と同様の観点で、制御基板40の外表面のうち、最も面積の大きい面を主面と呼称する。すなわち、主面は、制御基板40の表裏に2つある。
【0044】
制御基板40は、4つのノンスルーホール47を有している。各ノンスルーホール47は、制御基板40の4隅に位置している。
図4に示すように、各ノンスルーホール47は、制御基板40を貫通して制御基板40の2つの主面の双方に開口している。
【0045】
制御基板40は、4つのノンスルーホール47、それらに挿入される4つのボルトB3、及びハウジング20の4つのボス26を利用してハウジング20に固定されている。具体的には、制御基板40はつぎのような配置の下でハウジング20に固定されている。すなわち、
図4に示すように、制御基板40における2つの主面の一方である第1面40aは、カバー30の端壁31の内面31aと向かい合っている。制御基板40の4隅は、4つのボス26の突出端に位置している。そして、直交平面視で、各ノンスルーホール47と各ボス26とは、互いに重なる位置に位置している。この状態で、各ノンスルーホール47にはそれぞれボルトB3が貫通している。各ボルトB3は、各ボス26に固定されている。各ノンスルーホール47、及び制御基板40における各ボス26の突出端と接触している部分は、制御基板40のうち、当該制御基板40がハウジング20と固定されている第1固定部41となっている。制御基板40がハウジング20に固定された状態において、制御基板40とカバー30の端壁31とは平行な位置関係にある。したがって、直交平面視は、制御基板40の主面と直交する方向からの平面視でもある。
【0046】
なお、
図4に示すように、各ノンスルーホール47を貫通している各ボルトB3の頭部B3aは、制御基板40の第1面40aに比べて、カバー30の端壁31に近い位置に位置している。すなわち、各ボルトB3の頭部B3aは、制御基板40の第1面40aからカバー30の端壁31に向けて突出する突起となっている。
【0047】
ここで、ハウジング20の端壁21から視てカバー30の端壁31に向かう方向を第1方向と呼称する。制御基板40が各ボス26に固定された状態において、第1方向に関する、制御基板40、モータ50、及びコネクタ15の位置関係はつぎのようになっている。第1方向において、各ボス26の突出端は、モータ50のステータ53に比べて、カバー30の端壁31に近い位置にまで突出している。この結果として、制御基板40は、ステータ53とカバー30の端壁31との間に位置している。また、第1方向において、各ボス26の突出端は、コネクタ15の本体15aに比べて、カバー30の端壁31に近い位置にまで突出している。この結果として、制御基板40は、コネクタ15の本体15aとカバー30の端壁31との間に位置している。
【0048】
図5に示すように、制御基板40は、3つの第1スルーホール48を有している。各第1スルーホール48は、制御基板40における中央近傍に位置している。各第1スルーホール48は、制御基板40を貫通して制御基板40の2つの主面の双方に開口している。各第1スルーホール48の内面には、例えば銅めっきが施されている。直交平面視において、各第1スルーホール48は、モータ50の各端子ピン55と重なる位置に位置している。そして、
図4に示すように、各第1スルーホール48には、モータ50の各端子ピン55が貫通している。各端子ピン55は、各第1スルーホール48の内面にはんだ付けによって固定されている。この結果として、制御基板40とモータ50とが電気的に接続している。
図5に示すように、各第1スルーホール48は、制御基板40のうち、当該制御基板40に対してモータ50が固定されている第2固定部42になっている。なお、
図4に示すように、第1方向において、モータ50の各端子ピン55の先端は、制御基板40の第1面40aに比べて、カバー30の端壁31に近い位置にまで至っている。すなわち、これらの各端子ピン55は、制御基板40の第1面40aからカバー30の端壁31に向けて突出する突起となっている。
【0049】
図5に示すように、制御基板40は、5つの第2スルーホール49を有している。なお、
図5では5つの第2スルーホール49のうちの4つのみに符号を付している。各第2スルーホール49は、四角形の制御基板40における4辺のうちの1辺に近い位置に位置している。各第2スルーホール49は、制御基板40を貫通して当該制御基板40の2つの主面の双方に開口している。各第2スルーホール49の内面には、例えば銅めっきが施されている。直交平面視において、各第2スルーホール49は、コネクタ15の各端子ピン15bと重なる位置に位置している。そして、各第2スルーホール49には、コネクタ15の各端子ピン15bが貫通している。各端子ピン15bは、各第2スルーホール49の内面にはんだ付けによって固定されている。この結果として、制御基板40とコネクタ15とが電気的に接続している。すなわち、シフトECU104dから延びる配線L2がコネクタ15を介して制御基板40に接続している。各第2スルーホール49は、制御基板40のうち、当該制御基板40に対してコネクタ15が固定されている第3固定部43になっている。なお、
図4では図示を省略しているが、第1方向において、コネクタ15の各端子ピン15bの先端は、制御基板40の第1面40aに比べて、カバー30の端壁31に近い位置にまで至っている。すなわち、これらの各端子ピン15bは、制御基板40の第1面40aからカバー30の端壁31に向けて突出する突起となっている。
【0050】
<緩衝材>
図5に示すように、アクチュエータユニット10は、4つの第1緩衝材71、1つの第2緩衝材72、及び1つの第3緩衝材73を有している。以下では、これらの複数の緩衝材について説明するとき、これらを総称して説明するときは符号を省略して緩衝材と記し、これらを個別に説明するときは第1緩衝材71、第2緩衝材72、第3緩衝材73と記す。各緩衝材は、シリコンゲル製である。すなわち、各緩衝材の材質はゲルである。各緩衝材は、四角形の板状である。直交平面視で、6つの緩衝材は、互いに重複しない位置に位置している。
【0051】
4つの第1緩衝材71の構成は同じである。そのため、以下では、4つの第1緩衝材71のうちの1つについて説明する。
図5に示すように、直交平面視で、第1緩衝材71は、四角形の制御基板40の角近傍に位置している。直交平面視で、第1緩衝材71が存在している範囲は、第1固定部41を含んでいる。
【0052】
図4に示すように、第1緩衝材71は、制御基板40及びカバー30の端壁31の間に位置している。第1緩衝材71は、制御基板40の第1面40a及び端壁31の内面31aの双方と接触している。第1緩衝材71は、位置決めホール71aを有している。位置決めホール71aは、第1緩衝材71における、制御基板40と向かい合う外面から第1緩衝材71の内部に向けて窪む穴である。位置決めホール71aは、さらに、第1緩衝材71における、端壁31と向かい合う外面まで延びている。そして、位置決めホール71aは、第1緩衝材71における、端壁31と向かい合う外面で開口している。すなわち、位置決めホール71aは、第1緩衝材71を貫通している。
【0053】
図5に示すように、直交平面視で、位置決めホール71aの開口縁は、ボルトB3の頭部B3aを囲んでいる。すなわち、
図4に示すように、ボルトB3の頭部B3aは、位置決めホール71aの内部に位置している。なお、
図4及び
図5では、ボルトB3の頭部B3aと位置決めホール71aの内面との隙間を誇張して大きく表している。
【0054】
図5に示すように、直交平面視で、第2緩衝材72は、カバー30の端壁31の中央近傍に位置している。直交平面視で、第2緩衝材72が存在している範囲は、第2固定部42を含んでいる。また、直交平面視で、第2緩衝材72が存在している範囲は、カバー30の端壁31の幾何中心Cを含んでいる。なお、
図5では幾何中心Cの概略的な位置を示している。
【0055】
図4に示すように、第1緩衝材71と同様、第2緩衝材72は、制御基板40及びカバー30の端壁31の間に位置している。そして、第2緩衝材72は、制御基板40の第1面40a及び端壁31の内面31aの双方と接触している。第2緩衝材72は、第1緩衝材71と同様の位置決めホール72aを有している。すなわち、位置決めホール72aは、第2緩衝材72を貫通している。
図5に示すように、直交平面視で、位置決めホール72aの開口縁は、モータ50における3つの端子ピン55を囲んでいる。
図4に示すように、各端子ピン55は、位置決めホール73aの内部に位置している。なお、
図4及び
図5では、各端子ピン55と位置決めホール72aの内面との隙間を誇張して大きく表している。
【0056】
図5に示すように、直交平面視で、第3緩衝材73は、四角形の制御基板40における4辺のうちの1辺の近傍に位置している。直交平面視で、第3緩衝材73が存在している範囲は、第3固定部43を含んでいる。
【0057】
図示は省略するが、第1緩衝材71及び第2緩衝材72と同様、第3緩衝材73は、制御基板40及びカバー30の端壁31の間に位置している。そして、第3緩衝材73は、制御基板40の第1面40a及び端壁31の内面31aの双方と接触している。第3緩衝材73は、第1緩衝材71及び第2緩衝材72と同様の位置決めホール73aを有している。
図5に示すように、直交平面視で、位置決めホール73aの開口縁は、コネクタ15における5つの端子ピン15bを囲んでいる。各端子ピン15bは、位置決めホール72aの内部に位置している。なお、緩衝材と同様の観点で、各緩衝材の位置決めホールを総称して説明するときは符号を省略して単に位置決めホールと記載する。
【0058】
図4に示すように、アクチュエータユニット10は、制振材85を有している。制振材85は、ゴム製である。制振材85は、四角形の平板状である。制振材85の縦横の寸法は、カバー30の端壁31の縦横の寸法よりも小さい。制振材85は、カバー30における端壁31の外面31bに位置している。制振材85は、例えば接着剤で端壁31の外面31bに貼り付けられている。制振材85は、端壁31の外面31bの大部分を覆っている。
【0059】
アクチュエータユニット10は以上のように構成されている。アクチュエータユニット10及び切替機構110は、自動変速機102のシフトレンジを電気的に切り替えるシフトバイワイヤ式のシフト装置を構成している。
【0060】
<実施形態の作用>
緩衝材は、カバー30の振動を抑制するためのものである。以下では、先ずカバー30が振動する要因を説明し、その後、緩衝材の機能を説明する。
【0061】
車両100の運転者がシフトレバー104a又はパーキングスイッチ104bを操作すると、シフトECU104dが新たな目標シフトレンジを算出する。シフトECU104dは、算出した目標シフトレンジをアクチュエータユニット10の制御基板40に送信する。制御基板40は、目標シフトレンジを受信すると、目標シフトレンジに基づいてモータ50を駆動する。モータ50におけるロータシャフト51の回転力は、減速機構60及び出力軸68を介してマニュアルシャフト113に伝わる。そして、マニュアルシャフト113とともにディテントプレート114が回転する。ディテントプレート114が回転すると、
図2の点線の矢印Eで示すように、ディテントプレート114を位置決めしている係合ピン112が、現在位置している谷114eから別の谷114eへと移動する。
【0062】
さて、係合ピン112は、スプリング本体115の弾性力によって第2延長部114dに押し付けられている。ディテントプレート114が回転すると、係合ピン112は第2延長部114dに押し付けられた状態で、現在位置してる谷114eから移動し始め、谷114eと谷114eの間の山を乗り越え、次の谷114eへと至る。係合ピン112が、現在位置している谷114eから次の谷114eに移動完了するまでの期間において、ディテントプレート114と係合ピン112との間での力の授受の関係は逆転する。具体的には、係合ピン112が、現在位置している谷114eから移動し始めてから山を越えるまでの間は、ディテントプレート114の回転力が係合ピン112を変位させる。すなわち、ディテントプレート114が係合ピン112に対して力を入力する。一方、係合ピン112が山を乗り越えてから次の谷114eに至るまでの間は、係合ピン112の押し付け力がディテントプレート114を回転させる。すなわち、係合ピン112がディテントプレート114に対して力を入力する。
【0063】
係合ピン112の押し付け力がディテントプレート114を回転させる場合、マニュアルシャフト113の回転速度、ひいてはアクチュエータユニット10の出力軸68の回転速度が、ロータシャフト51の回転速度よりも速くなる。すると、出力軸68とロータシャフト51との回転速度が異なることから、これらの間に介在している減速機構60の2つのギアの噛み合いが不安定になる。そして、これら2つのギアが動作する際、ギア間のガタ打ちが生じる。特に、係合ピン112が複数の山を乗り越えて移動するような場合には、ディテントプレート114と係合ピン112との間での力の授受の関係の逆転が繰り返される。このことに伴い、ギア間のガタ打ちが継続する。ギア間のガタ打ちは、ロータシャフト51を介してハウジング20に伝わり、ハウジング20を振動させる。ハウジング20の振動は、カバー30の周壁32に伝わり、さらに、周壁32からカバー30の端壁31に伝わる。端壁31には、四方の周壁32からの振動が集中する。このように、ディテントプレート114からアクチュエータユニット10に逆入力される力に応じてカバー30の端壁31は振動する。
【0064】
カバー30の寸法、壁部の厚み、及び材質といった要因により、カバー30の固有周波数が、上記ギア間のガタ打ちに伴う振動の周波数に近いことがある。この場合、上記ギア間のガタ打ちが生じた場合、カバー30の端壁31の振動が顕著になる。端壁31の振動は、車両100の乗員にとって騒音となり得る。
【0065】
なお、カバー30は、例えば自動変速機102のケース102aの外部に位置している他の部品との干渉を避けるといった理由から、寸法及び壁部の厚みに制約がある。また、カバー30は、制御基板40との絶縁性を確保する必要上から、磁性体である必要がある。したがって、カバー30の寸法、壁部の厚み、材質などを変更して固有周波数を異ならしめるのにも制限がある。
【0066】
上記のようなカバー30の振動を抑制すべく、緩衝材が設けられている。
図6の(b)に示すように、仮にカバー30の端壁31と制御基板40との間に緩衝材が存在してない状態で端壁31が振動するものとする。この場合、端壁31は、その四角形の辺の部分を振動の節とし、四角形の辺と辺の間の部分を振動の腹として振動する。なお、
図6では、便宜上、振動の節になり得る箇所に三角を付している。
【0067】
これに対して、
図6の(a)に示すように、第1緩衝材71及び第2緩衝材72といった緩衝材が端壁31と制御基板40との間に存在している場合、緩衝材が存在している箇所では端壁31が振動し難くなる。したがって、緩衝材が存在している箇所は、振動の節となる。緩衝材は、端壁31における四角形の辺と辺の間、すなわち本来振動の腹となる部分に位置している。つまり、緩衝材が存在している本実施形態では、本来振動の腹となる部分が振動の節となる。そして、この場合、緩衝材が存在していない場合に比べて、振動の節と節の距離が短くなる。振動の節と節の距離が短いほど、振動の腹での振動の振幅は小さくなる。したがって、緩衝材が存在している本実施形態では、緩衝材が存在していない場合に比べて、振動の腹となる箇所での振動の振幅は小さくなる。なお、
図6における点線の矢印の範囲は、端壁31の振動の振幅の大きさの例を模式的に表したものである。振幅の大きさは、あくまでもわかり易く誇張して表したものであり、実際の大きさとは異なる。また、
図6では、ボルトB3、端子ピン55、及び位置決めホールの図示を省略している。
【0068】
<実施形態の効果>
(1)本実施形態では、カバー30の端壁31と制御基板40との間に緩衝材を設けている。上記作用に記載したとおり、緩衝材が存在している場合、仮に緩衝材が存在しない場合には端壁31における振動の腹となっていた箇所が、緩衝材の存在によって振動の節となる。したがって、端壁31における振動の節と節の間にさらに節ができ、その結果として節と節の距離が短くなる。そのため、緩衝材を設けている本実施形態では、端壁31における振動の腹の振幅が小さくなる。さらに、本実施形態では、端壁31に制振材85を取り付けている。制振材85は、端壁31の外面31bの大部分を覆っている。そのため、端壁31の振動を全体として抑制できる。これら緩衝材及び制振材85の機能により、本実施形態では、端壁31の振動に伴う騒音の音量を抑制できる。
【0069】
(2)制御基板40は、第1固定部41でハウジング20のボス26と固定されている。そのため、ハウジング20の振動が制御基板40に伝わることがある。ハウジング20の振動が制御基板40に伝わる場合、ハウジング20の振動は第1固定部41を介して制御基板40に入力されて当該第1固定部41から制御基板40における他の箇所へと伝わる。その際、固定箇所である第1固定部41そのものは振動し難い。したがって、第1固定部41は、制御基板40における振動の節となる。また、制御基板40が振動する際、制御基板40のうち、モータ50の各端子ピン55との固定箇所である第2固定部42は、振動し難い。そのため、第2固定部42は、制御基板40における振動の節となる。また、制御基板40が振動する際、制御基板40のうち、コネクタ15の各端子ピン15bとの固定箇所である第3固定部43は、振動し難い。そのため、第3固定部43は、制御基板40における振動の節となる。本実施形態では、制御基板40におけるこれら振動の節となる第1固定部41、第2固定部42、及び第3固定部43に緩衝材を配置している。したがって、ハウジング20からの振動が伝わって制御基板40が振動しても、制御基板40の振動が緩衝材を介してカバー30の端壁31に伝わることを抑制できる。ちなみに、制御基板40が振動した場合でも、その振動に伴う音はハウジング20及びカバー30の壁部で遮られる。このことから、制御基板40の振動が騒音を招くことはない。
【0070】
(3)本実施形態において、第1緩衝材71は、制御基板40と向かい合う外面から窪んだ位置決めホール71aを有している。一方、ボルトB3の頭部B3aは、制御基板40の第1面40aから突出する突起となっている。そして、ボルトB3の頭部B3aは、位置決めホール71aの内部に位置している。このように、突起が穴に入り込む凹凸関係を利用することで、第1緩衝材71を制御基板40に対して位置決めできる。このことにより、制御基板40の振動を抑制する上で好適な位置から第1緩衝材71が位置ずれることを防げる。
【0071】
第1緩衝材71と同様、本実施形態では、第2緩衝材72の位置決めホール72aの内部にモータ50の各端子ピン55が位置している。このことから、第2緩衝材72を制御基板40に対して位置決めできる。そして、制御基板40の振動を抑制する上で好適な位置から第2緩衝材72が位置ずれることを防げる。同様に、本実施形態では、第3緩衝材73の位置決めホール73aの内部にコネクタ15の各端子ピン15bが位置している。このことから、第3緩衝材73を制御基板40に対して位置決めできる。そして、制御基板40の振動を抑制する上で好適な位置から第3緩衝材73が位置ずれることを防げる。
【0072】
(4)本実施形態では、直交平面視において、第2緩衝材72は、カバー30の端壁31における幾何中心Cを含む位置に位置している。仮に第2緩衝材72が存在していない場合、端壁31においては、当該端壁31の幾何中心Cが振動の腹になる可能性が高い。つまり、本実施形態では、端壁31の振動の腹となりやすい箇所に第2緩衝材72を配置している。このことにより、端壁31の振動を効果的に抑制できる。
【0073】
(5)本実施形態では、制御基板40及びカバー30の間に6つの緩衝材を設けている。これら6つの緩衝材は、直交平面視において互いに重複しない位置に位置している。6つの緩衝材を直交平面視で別々の位置に配置することで、振動の節を緩衝材の個数分、すなわち6つ設けることができる。上記のとおり、振動の節の数が多い程、節と節の距離が短くなって振動の腹の位置での振幅を抑制できる。したがって、振動の節を多数設けている本実施形態では、端壁31の振動をより効果的に抑制できる。
【0074】
(6)本実施形態では、緩衝材としてシリコンゲル製のものを採用している。例えば、緩衝材としてウレタン系ゴム製又は天然ゴム製のものを採用することが考えられる。
図7に示すように、シリコンゲル製の緩衝材は、ウレタン系ゴム製又は天然ゴム製の緩衝材に比べ、圧縮永久歪が小さい。圧縮永久歪は、物体を圧縮状態から解放した際の物体の形状の復元し難さを指標化したものである。圧縮永久歪が小さいことは、物体が元の形に復元し易いことを意味する。つまり、シリコン製の緩衝材であれば、当該緩衝材に対して力が入力されたときの変形量が基本的に小さく、且つ、振動を抑制する上で要求される弾性特性を長期に亘って維持できる。
【0075】
また、
図8に示すように、シリコンゲル製の緩衝材は、温度の大小に拘わらず、ウレタン系ゴム製又は天然ゴム製の緩衝材に比べ反発弾性率が小さい。反発弾性率は、物体に対して力を加えたときに、加えた力に対してはね返る力を指標化したものである。反発弾性率が小さいほど、物体は衝撃及び振動に対して吸収性が高いことを意味する。つまり、シリコンゲル製の緩衝材であれば、上記のようなゴム製の緩衝材に比べ、緩衝材の周辺温度に拘わらず、衝撃及び振動に対する吸収性が高い。さらに、シリコンゲル製の緩衝材は、反発弾性率の温度依存性が小さい。すなわち、シリコンゲル製の緩衝材は、低温環境でも高温環境でも衝撃及び振動に対する吸収性が高い。自動変速機102が収容されているエンジンルーム内の温度は、例えば100℃以上もの高温になることがある。シリコンゲル製の緩衝材であれば、このような高温に晒された場合でも、端壁31の振動を抑制できる。
【0076】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0077】
・緩衝材の材質は、上記実施形態の例に限定されない。緩衝材の存在によってカバー30の端壁31に振動の節を作ることができる材質であれば、緩衝材の材質は問わない。端壁31の振動に伴う端壁31から制御基板40への応力の入力を抑制しつつ端壁31に振動の節を作る上では、緩衝材の材質は弾性を有するものであることが好ましい。
【0078】
・上記実施形態のように複数の緩衝材を設置する場合において、緩衝材毎に材質を変えてもよい。
・制振材85の材質は、上記実施形態の例に限定されない。制振材85の材質は、カバー30の端壁31の振動を多少でも抑制できるものであればよい。
【0079】
・制振材85を省略してもよい。
・ハウジング20の材質は、上記実施形態の例に限定されない。ハウジング20の材質は、相応の剛性をハウジング20に持たせることができるものであればよい。
【0080】
・カバー30の材質は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、ボス26の突出長さによっては、制御基板40と端壁31との距離が相当に離れていることもある。このことに伴い、制御基板40とカバー30とが接触しないことが明らかなのであれば、カバー30は必ずしも磁性体でなくてもよい。
【0081】
・緩衝材の数は、上記実施形態の例に限定されない。緩衝材の数は、上記実施形態の例よりも多くても少なくてもよい。緩衝材は、少なくとも1つ存在していればよい。少なくとも1つ緩衝材が存在していれば、その緩衝材によってカバー30の端壁31に振動の節を作ることができる。
【0082】
・直交平面視での緩衝材の位置は、上記実施形態の例に限定されない。直交平面視での緩衝材の位置は、端壁31の幾何中心Cから外れた位置に位置していてもよい。緩衝材の位置に拘わらず、端壁31と制御基板40との間に緩衝材が存在していれば、緩衝材によって端壁31に振動の節を作ることができる。
【0083】
・上記変更例のように、緩衝材の数を上記実施形態の例から変更したり、緩衝材の位置を上記実施形態の例から変更したりする場合に関して、直交断面視で緩衝材が第1固定部41から外れた位置に位置していてもよい。同様に、直交平面視で緩衝材が第2固定部42から外れた位置に位置していてもよい。同様に、直交断面視で緩衝材が第3固定部43から外れた位置に位置していてもよい。なお、直交断面視で緩衝材が、第1固定部41、第2固定部42、及び第3固定部43の少なくとも1つと重なる位置に位置していれば、その箇所では、制御基板40からの振動がカバー30の端壁31に伝わることを抑制できる。
【0084】
・制御基板40の第1面40aから突出する突起は、上記実施形態で説明した部品に限定されない。上記実施形態で説明した以外の部品であっても、制御基板40の第1面40aから突出していれば、緩衝材を位置決めするための突起になり得る。そして、そうした突起が存在している位置に緩衝材を配置し、当該緩衝材の位置決めホールに突起を位置させてもよい。また、例えば、制御基板40が緩衝材を位置決めするための突起を有していてもよい。
【0085】
・緩衝材の形状及び寸法は、上記実施形態の例に限定されない。端壁31に振動の節を作ることができるのであれば、緩衝材の形状及び寸法は問わない。
・位置決めホールは、端壁31と向かい合う面で開口していなくてもよい。位置決めホールは、制御基板40と向かい合う面から第1緩衝材71の内部に向けて窪んだ穴であればよい。こうした穴であれば、当該穴の内部に制御基板40から突出する突起を配置できる。
【0086】
・位置決めホールを廃止してもよい。上記変更例のように、直交平面視での緩衝材の位置を変更する場合、緩衝材の位置によっては制御基板40から突出する突起が存在していないこともある。このような箇所に緩衝材を配置するのであれば、位置決めホールは必要ない。
【0087】
・位置決めホールを廃止した緩衝材を、制御基板40から突出する突起が存在する位置に配置してもよい。この場合、突起が緩衝材に食い込む格好になる。したがって、突起によって緩衝材を位置決めできる。
【0088】
・制御基板40の構成は、上記実施形態の例に限定されない。制御基板40の形状を上記実施形態の例から変更してもよい。制御基板40の形状は、四角以外の多角形でもよい。また、制御基板40は、平板状でなくてもよい。制御基板40は、例えば湾曲していてもよい。
【0089】
・ノンスルーホール47、第1スルーホール48、及び第2スルーホール49の数は、上記実施形態の例に限定されない。ノンスルーホール47の数は、ハウジング20のボス26の数に応じて変更してよい。同様に、第1スルーホール48の数は、モータ50の端子ピン55の数に応じて変更してよい。第2スルーホール49の数は、コネクタ15の端子ピン15bの数に応じて変更してよい。
【0090】
・カバー30の端壁31の形状は、上記実施形態の例に限定されない。端壁31は、四角形以外の多角形でもよい。また、端壁31は、制御基板40と向かい合っているのであれば、平板状でなくてもよい。端壁31は、例えば湾曲していてもよい。
【0091】
・カバー30の全体形状は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、周壁32を廃止してもよい。そして、端壁31によってハウジング20の開口24を塞いでもよい。カバー30は、ハウジング20の開口24を塞ぐことができる形状であればよい。
【0092】
・ハウジング20の全体形状は、上記実施形態の例に限定されない。ハウジング20は、開口24を有していればよい。また、ハウジング20は、カバー30とともに収容空間Sを区画できる形状であればよい。
【0093】
・ボス26の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、ハウジング20の周壁22から壁部を突出させて、そうした壁部にボス26を設けてもよい。ボス26は、カバー30の端壁31と向かい合うようにして制御基板40を固定できればよい。
【0094】
・ボス26の数は、上記実施形態の例に限定されない。少なくとも1つボス26があれば、そのボス26に対して制御基板40を固定できる。
・制御基板40とカバー30の端壁31とは必ずしも平行な位置関係になっていなくてもよい。制御基板40と端壁31とが向かい合っていればよい。
【0095】
・減速機構60の構成は、上記実施形態の例に限定されない。減速機構60を構成するギアの数を上記実施形態の例から増やしてもよい。
・減速機構60を廃止してもよい。そして、ロータシャフト51とマニュアルシャフト113とを直接接続してもよい。
【0096】
・モータ50の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、端子ピン55の数が、上記実施形態の数とは異なっていてもよい。モータ50は、切替機構110に伝達する回転力を発生する構成であればよい。
【0097】
・コネクタ15の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、端子ピン15bの数が、上記実施形態の数とは異なっていてもよい。コネクタ15は、シフトECU104dから延びる配線L2を制御基板40に接続できる構成であればよい。
【0098】
・切替機構110の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、第2ロッド117の第1端部をディテントプレート114の第2延長部114dに接続してもよい。切替機構110は、アクチュエータユニット10のモータ50が発生する回転力に応じてシフトレンジを切り替えることができる構成であればよい。
【0099】
・自動変速機102の全体構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、電動式のオイルポンプによって油路132に作動油を供給してもよい。自動変速機を無段変速機として構成してもよい。この場合、無段変速機用に切替機構の構成を変更すればよい。そして、その切替機構をアクチュエータユニットで駆動すればよい。
【0100】
・車両100の全体構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、車両100は駆動源としてモータジェネレータを有していてもよい。そうした車両100の動力伝達系に自動変速機を組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0101】
10…アクチュエータユニット
15…コネクタ
15b…端子ピン
20…ハウジング
24…開口
30…カバー
31…端壁
31a…内面
31b…外面
40…制御基板
40a…第1面
41…第1固定部
42…第2固定部
43…第3固定部
50…モータ
55…端子ピン
71…第1緩衝材
71a…位置決めホール
72…第2緩衝材
72a…位置決めホール
73…第3緩衝材
73a…位置決めホール
102…自動変速機
110…切替機構
B3…ボルト
B3a…頭部
C…幾何中心
L2…配線
S…収容空間