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特許7538139搬送システムおよび/または加工システム用のエネルギ供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】搬送システムおよび/または加工システム用のエネルギ供給システム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 5/28 20060101AFI20240814BHJP
   B23Q 5/54 20060101ALI20240814BHJP
   B23Q 7/08 20060101ALI20240814BHJP
   B25J 19/00 20060101ALN20240814BHJP
【FI】
B23Q5/28 Z
B23Q5/54 A
B23Q7/08 B
B25J19/00 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021556874
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 DE2020000056
(87)【国際公開番号】W WO2020187346
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】102019001936.9
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509060154
【氏名又は名称】マルティン ツィマー
【氏名又は名称原語表記】Martin Zimmer
【住所又は居所原語表記】Im Salmenkopf 7, 77866 Rheinau, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】509060143
【氏名又は名称】ギュンター ツィマー
【氏名又は名称原語表記】Guenther Zimmer
【住所又は居所原語表記】Im Salmenkopf 11, 77866 Rheinau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ツィマー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ツィマー
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3176399(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102017012075(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0260485(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19919692(DE,A1)
【文献】特開2013-169091(JP,A)
【文献】特開2002-158062(JP,A)
【文献】特開平03-040787(JP,A)
【文献】特開昭59-227668(JP,A)
【文献】米国特許第07646156(US,B2)
【文献】米国特許第04602195(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102910505(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第3476685(EP,A1)
【文献】特開平11-355911(JP,A)
【文献】特開平05-000667(JP,A)
【文献】特開2011-080764(JP,A)
【文献】国際公開第2005/073671(WO,A1)
【文献】特開2015-033264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00-1/76
B23Q 5/00-5/58
B23Q 7/00-7/18
B25J 1/00-21/02
H02J 1/00-1/16
H02P 5/00-5/753
B66B 1/00-1/52
H01R 13/56-13/72
B61B 3/02
B61B 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の電気的な駆動ユニット(264)およびセンサアセンブリ(635~638)を有する、ワークピース(9)を搬送および/または加工するための少なくとも1つの搬送および/または加工システム用のエネルギ供給システムであって、
前記駆動ユニット(264)は自身のレール電源網(610)において、複数の蓄電池から構成される回生エネルギ蓄積部(650,651)を介して給電され、
記回生エネルギ蓄積部(650,651)は、交流低電圧網または三相交流低電圧網(600)から給電される充電機器(640,645)に電気的に接続されており、
前記センサアセンブリ(635~638)はセンサ網(630)において、前記回生エネルギ蓄積部(650,651)を介して給電され、
前記センサ網(630)は、前記レール電源網(610)の部分電圧を有している、
エネルギ供給システム。
【請求項2】
プレート状のワークピース(9)および/またはボード状のワークピース(9)を搬送および/または加工するための前記搬送および/または加工システムは、少なくとも1つのワークピース支持グリッド(10)、少なくとも1つの支持装置(430)、少なくとも複数のレール区間(3~5,221,222)および前記レール区間でガイドされるワークピースワゴン(6)を含んでおり、
前記ワークピース支持グリッド(10)に前記ワークピース(9)がシフト可能に当接しており、
前記ワークピース支持グリッド(10)内に支持装置(430)が統合されており、前記支持装置(430)は、前記ワークピース(9)を前記加工中に支持し、かつ/または固定し、
前記レール区間(3~5)は少なくとも部分的に前記ワークピース支持グリッド(10)に沿って配置されており、少なくとも、それらの上に、またはそれらに接して、自走式かつ電気駆動式の、ワークピースを担う多数のワークピースワゴン(6)が支持され、かつガイドされる搬送レール(221,222)、ターンテーブル(4,5)および/または転轍器から成る、
請求項1記載のエネルギ供給システム。
【請求項3】
ワークピース(9)を搬送および/または加工するための前記搬送および/または加工システムには、
少なくとも1つの操作機器(7)が装備されており、前記操作機器は、自動制御される、自由にプログラミング可能な、3つまたはそれより多くの軸で可動の多目的マニピュレータであり、
各操作機器(7)によって担われ、ガイドされる、少なくとも1つの多機能ユニット(8)が装備されており、前記多機能ユニットは少なくとも2つの異なる工具を有しており、
休止しているまたは動いている前記ワークピース(9)を加工するために、前記操作機器(7)を介して、介入のために、少なくとも1つの工具が前記ワークピース(9)へ移動可能である、
請求項1または2記載のエネルギ供給システム。
【請求項4】
ワークピース(9)を搬送および/または加工するための前記搬送および/または加工システムは、前記操作機器(7)および前記多機能ユニット(8)の駆動ユニット(297,490)を機器電源網(620)にまとめ
前記機器電源網(620)は、前記レール電源網(610)の部分電圧を有している、
請求項3記載のエネルギ供給システム。
【請求項5】
前記機器電源網(620)および前記センサ網(630)は、前記回生エネルギ蓄積部(650)の中間タップを介して給電される、請求項4記載のエネルギ供給システム。
【請求項6】
前記センサ網(630)は、前記回生エネルギ蓄積部(650)から直流電圧コンバータ(655)を介して給電される、請求項1から4までのいずれか1項記載のエネルギ供給システム。
【請求項7】
前記レール電源網(610)から給電される前記駆動ユニット(264)の運動エネルギは、自身の電気モータにおいて、制動時または停止時に、電気エネルギに変換され、前記電気エネルギは、電圧ピークの低減のために、前記回生エネルギ蓄積部(650,651)の部分充電のために前記回生エネルギ蓄積部に供給可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載のエネルギ供給システム。
【請求項8】
記充電機器(640,645)はそれぞれ、マルチエリア充電機器であり、前記マルチエリア充電機器の入力側は、異なるネットワーク電圧およびネットワーク周波数を有する交流低電圧網または三相交流低電圧網に接続可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載のエネルギ供給システム。
【請求項9】
記交流低電圧網または三相交流低電圧網(600)は400Vの三相交流を供給する、請求項1から8までのいずれか1項記載のエネルギ供給システム。
【請求項10】
前記レール電源網(610)は、48Vの直流で動作可能であり、前記センサ網(630)はわずか24Vの直流しか必要としない、請求項1から9までのいずれか1項記載のエネルギ供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の電気的な駆動ユニットを有する、ワークピースを搬送および/または加工するための少なくとも1つのシステム用のエネルギ供給システムに関する。
【0002】
とりわけ家具製造産業では、いわゆるリニア自動装置が加工ステーションとして使用されている。これらのリニア自動装置は通常、比較的短い移送区間であり、その中央領域では、ワークピースを担う搬送システムが、密接して配置された複数の加工機械によって包囲されている。ここでの搬送システムは多くの場合、単一レールシステムまたは複数レールシステム上で移動する多数の電気駆動式搬送ワゴンを有している。これらの搬送ワゴンのモータは通常、たとえば24Vの出力電圧を提供する従来の電源部によって給電される。ここで複数の搬送ワゴンが、たとえばグループで走行する場合、モータを迅速にオフすると電圧上昇が生じる。なぜなら、モータは、搬送ワゴンの運動エネルギが使い果たされるまで発電機モードで動作するからである。制動抵抗器をオンにするために、ブレーキチョッパを用いて電圧上昇が識別される。余剰エネルギは、制動抵抗器において、熱に変換される。
【0003】
このような搬送システムの場合、さらに、多くの搬送ワゴンが著しく加速する場合でも十分な電気エネルギを提供することを保証するために、そのエネルギ供給がピーク電力需要に合わせて設計されなければならない。ここで多くの場合、ピーク電流は定格電流の2倍~3倍である。
【0004】
本発明の課題は、電流ピークが発生しているのにもかかわらず、供給電流網から、通常の供給定格電流よりも最大50パーセント多くのエネルギを引き出す、搬送システムおよび/または加工システム用のエネルギ供給システムを開発することである。
【0005】
上述の課題は、独立請求項の特徴部分の構成によって解決される。このために、駆動ユニットは自身の給電網において、少なくとも1つの回生エネルギ蓄積部を介して給電される。ここで1つまたは複数の回生エネルギ蓄積部は、交流低電圧網または三相交流低電圧網から給電される充電機器に電気的に接続されている。
【0006】
加工ステーションは、家具部品等の切削加工および/または非切削加工のための汎用的な機械である。この場合、通常は面積が大きい家具部品は、独自の搬送システムを介して機械中心領域に供給され、そこで、穴、凹部、陥没部、溝、ノッチ、斜角等が設けられる。同時に、機械内に、たとえばダボをセットし、金具を操作して、取り付けることができる。ワークピース、すなわち家具部品または家具部品の半製品が、加工の前かつ/または加工の後に、たとえばそれらの形状に関して検査または測定されてもよい。
【0007】
このために、加工ステーションは、装備を変えることなく、種々のワークピースを次々に加工することができるように構築されている。このために、プレート状のワークピースおよび/またはボード状のワークピースは、細長い、たとえば直線状のワークピース支持グリッドに沿って、ロボットまたはロボットのグループの前を、搬送される。1つまたは複数のロボットにはそれぞれ多機能ユニットが搭載されている。各多機能ユニットは、多機能ユニットの加工側から部分的に展開可能に突出している、駆動される多数の工具のキャリアである。ワークピースを加工するために、1つまたは複数のロボットは、自身の多機能ユニットを各ワークピースに導き、加工後にはワークピースから離れるように再び旋回させる。複数のロボットが同時に使用されている場合、複数の多機能ユニットの工具がワークピースを加工し、この際にこれらの多機能ユニットは互いに独立して動かされる。したがって、加工ステーションはロボットセルである。
【0008】
加工ステーションの作業段階の間に、個々の工具の摩耗が識別されると、この工具を担っている多機能ユニットは、ロボットによって、加工ゾーンから、旋回して外に出され、そこで、欠陥のある工具が操作員によって交換される、またはこの多機能ユニットが同じ装備の多機能ユニットと自動的に置換される。このために、多機能ユニットとロボットとはそれぞれ、対応するクイックチェンジカップリングのアダプタを有している。
【0009】
場合によっては、押さえ装置、圧力スタンプおよび圧力ストリップに加えて、展開可能なグリッパも、接合工具として多機能ユニット内に統合されている。多機能ユニットはたとえば木製のダボを、ワークピースの対応する穴に押し込むことができる。このために多機能ユニットは1つまたは複数のグリッパを用いて、特別な受け渡し箇所で1つまたは複数の木製のダボを拾い上げる。
【0010】
本発明では、コンパクトな給電モジュールの形態で、メカトロニクスコンポーネントのエネルギ供給の問題を解決するエネルギ供給システムが提示される。実施例では、メカトロニクスコンポーネントは、とりわけ、搬送ワゴン駆動部、ターンテーブル駆動部、操作機器の軸駆動部、加工アセンブリの駆動部ならびにセンサアセンブリである。ここでこれらのコンポーネントは、さまざまな電源網とセンサ網とに分散されている。
【0011】
これらの給電モジュールの1つは、1つの蓄電池または蓄電池のグループに基づいて構築された回生エネルギ蓄積部である。このようなエネルギ蓄積部は、大きな電圧変化を引き起こすことなく、短時間で高い電流値を受容および出力することができる。回生エネルギ蓄積部をたとえば60%~90%の充電容量に継続的に維持するために、インテリジェントな、それぞれ電力アイソレータが装備されている充電機器が、さらなる給電モジュールとして、回生エネルギ蓄積部の前に接続されている。充電機器は、エネルギ蓄積部を、とりわけ過充電および過放電から保護し、交流低電圧網または三相交流低電圧網に継続的に接続されている。有効な消費エネルギのみが電源網およびセンサ網から取得されるため、回生エネルギ蓄積部の前に接続されている充電機器をピーク電流に合わせて設計する必要はなく、システム全体の定格電力に合わせて設計すればよい。
【0012】
ここで、エネルギ供給システムは常に、負の加速プロセス中に、主に電源網のメカトロニクスコンポーネントに蓄積された運動エネルギを、少なくとも部分的に電気エネルギとして回生エネルギ蓄積部に戻して、電源網とセンサ網とを電流ピークから保護することができる。
【0013】
本発明のさらなる詳細は、従属請求項および少なくとも1つの概略的に示された実施形態の以降の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】正面から見た加工ステーションの斜視図である
図2】ワークピース搬送システムの正面図である。
図3】ワークピースワゴンの後部から斜めに見た斜視図である。
図4】可動の支持デバイスを前部から斜めに見た斜視図である。
図5】可動の支持デバイスを前部から斜めに見た斜視図である。
図6】48Vアクチュエータ網用のバッテリシステム、中間タップを備える24Vアクチュエータ網および24Vセンサ網が記入されているブロック図である。
図7】48Vアクチュエータ網用のバッテリシステム、24Vアクチュエータ網用および24Vセンサ網用のバッテリシステムが記入されたブロック図である。
図8】48Vアクチュエータ網用のバッテリシステムおよびDC/DCコンバータ接続を備える24Vセンサ網が記入されたブロック図である。
【0015】
図1は、プレート状のワークピース(9)および/またはボード状のワークピース(9)を加工するための加工ステーションを示している。このために、加工ステーションは、その上にワークピース支持グリッド(10)が構築されている、たとえば直線状の細長い機械台(1)を有している。ワークピース搬送システム(2)は、ワークピース支持グリッド(10)に沿って配置されている。ワークピース搬送システム(2)は、とりわけ、2本の、たとえば平行に敷設された搬送レール(3)で構成されており、各搬送レールは端部側でターンテーブル(4,5)の前で終わる。場合によってはグループにまとめられている自走式のワークピースワゴン(6)が、ワークピース支持グリッド(10)の前に置かれているレール(3)上を移動し、ワークピース(9)をワークピース支持グリッド(10)に沿って前方に搬送する。ワークピースワゴン(6)は、ワークピース支持グリッド(10)の後ろ、上または下にある搬送レール上を移動して戻る。
【0016】
ワークピース支持グリッド(10)は、たとえば、木材、チップボード、石膏ボード、ファイバセメント等の材料で作られたプレート状のワークピースまたはボード状のワークピースを当てて置くために使用される。これらの材料には、複合材料およびアルミニウム合金も含まれる。
【0017】
ワークピース支持グリッド(10)と向かい合って、かつワークピース(9)の向こう側に、たとえば、2つの操作機器(7)が配置されており、これらの操作機器それぞれが多機能ユニット(8)を担い、ガイドする。ここでこれらの操作機器(7)は、たとえば、いわゆるRRRキネマティクスを備えたマルチパート多関節ロボットである。ここで多関節ロボット(7)のシリアルキネマティクス構造は、3つの回転主軸と3つの回転副軸とを有している。キネマティクスチェーンの最後のパートは、360度回転することができる回転テーブルを回転可能に支承するアームである。このアームに、多機能ユニット(8)を支承する工具インターフェースシステムのロボットフランジが適合されている。個々の軸を相応に調整して駆動制御することによって、ほぼすべての、任意に多関節ロボット(7)の作業空間に置かれた直線状の区間または曲線の経路を走行することが可能になる。これは、デカルト、円筒形または極座標ロボットに基づく操作機器でも実現される。この場合には、ロボットは、相応に、TTTキネマティクス、RTTキネマティクスまたはRRTキネマティクスを備えている。ここで「T」は並進主軸もしくは並進ガイドを表し、「R」は回転主軸もしくは回転ガイドを表している。
【0018】
2つの多関節ロボット(7)のそれぞれは、1つの多機能ユニット(8)を担っている。多機能ユニット(8)は、ほぼ正方形の端面を有する細長い直方体の形状をしている。個々の多機能ユニット(8)は、穴、凹部、スリット等を各ワークピース(9)に加えることができる、多数の駆動される、同じ種類の工具および/または異なる工具を有している。すべての工具または少なくとも多くの工具は、この直方体の側壁に配置されている。
【0019】
加工ステップに必要な工具、たとえば複数のドリルのグループは、多機能ユニット(8)から空気圧で展開され、ロックされ、回転させられる。次に、回転しているドリルを伴って、多機能ユニット(8)がワークピース(9)の前の、事前に選択された位置に配置され、そこから操作機器(7)を用いて、ワークピース(9)の方へ直線的に動かされて、必要な一連の穴が作られる。この穿孔プロセスが終わると、多機能ユニット(8)が引っ込められる。同時に、アクティブなドリルの回転運動が停止されて、再び多機能ユニット(8)内に引き込まれる。
【0020】
多機能ユニット(8)の中央領域には、たとえば中央の電気駆動モータ、場合によってはサーボモータが位置している。たとえば、独自の冷却システムを備えるサーボモータは、たとえば複数のギアドライブを介して、多機能ユニット(8)の個々の工具ホルダを駆動する。個々の工具ホルダは、空気圧で展開可能なスピンドルもしくは心押台スリーブに取り付けられている。
【0021】
1次元または3次元の多座標プローブ等が、個々の多機能ユニット(8)に配置されていてもよい。多機能ユニット(8)から外側へ移動させられる、または外側へ開かれることが可能な各プローブは、多機能ユニット(8)をワークピース支持グリッド(10)もしくは機械台(1)に対して位置合わせするために使用される。このために、ワークピース支持グリッドまたは機械台に、対応する基準形状体が配置されており、これにプローブが測定作業のために、接近できるようになっている。
【0022】
多機能ユニット(8)内にまたは多機能ユニット(8)に接して、たとえば、電子水準器が、場合によっては加速度センサとともに配置されており、これによって、操作機器の制御データとは無関係に、三次元空間における個々の多機能ユニット(8)の位置を冗長的にコントロールすることができるようになる。
【0023】
図1では、各操作機器(7)の隣にユニット保管場所(15)が設けられている。多機能ユニット(8)はユニット保管場所に、保守のために、取り替えのためにまたは工具交換のために、操作機器(7)によって自由にアクセス可能であるように保管される。
【0024】
ワークピース搬送システム(2)は、図1に示されるように、実施例では、ワークピース(9)の搬送のために、ワークピース支持グリッド(10)を包囲するレールシステムを提供する。レールシステムは、このレールシステムに接して、またはこのレールシステム上に、自走式のワークピースワゴン(6)を有している。レールシステムは、2本の平行な搬送レール(221,222)で構成されており、これらの搬送レールはそれぞれ、端部側で、ターンテーブル(4,5)の前で終わる。ワークピース(9)をワークピース支持グリッド(10)に沿って搬送する、場合によってはグループにまとめられている自走式のワークピースワゴン(6)は、ワークピース支持グリッド(10)の前に置かれている搬送レール(221)上を移動する。
【0025】
図2は、図1に示されたターンテーブル(4)が空間的にその前に置かれていない、ワークピース搬送システム(2)の前方の正面図を示している。ワークピース搬送システムが、機械台(1)上に構築されている。搬送レール(221,222)は、機械台に前後で固定されている。これらの搬送レールはそれぞれ、寸法的に安定した支持ブラケット(223)、支持レール(227)およびラック(231)から成る。ここで支持レール(227)は支持ブラケット(223)上に載置されており、他方でラック(231)は支持ブラケット(223)の下方領域に固定されている。ラック(231)の下方で、機械台に、多導体電流レールおよび多導体信号レール(235)が取り付けられている。多導体電流レールおよび多導体信号レールの上方領域は、電流レールカバー(237)を用いて覆われている。機械台(1)に沿って、支持ブラケット(223)の側面ごとに、搬送レール(221,222)、ラック(231)および多導体電流レールおよび多導体信号レール(235)が、多くの単体の部品から組み合わされていてよい。
【0026】
図1の実施例では、2つの搬送レール(221)と(222)とは同じ長さであり、かつ互いに平行に配向されている。さらにそれらの上端は共通の水平面にある。機械台の両端で、2つの搬送レール端部(225,226)が同じ高さで終わる。図1では、そこにそれぞれ1つの電気駆動式のターンテーブル(4,5)が設けられている。
【0027】
ワークピースワゴン(6)を、たとえば、後部の搬送レール(222)から前部の搬送レール(221)上に置き換えるために、図1に示されたワークピースワゴン(6)は、後部のターンテーブル支持レール上を移動する。ここで、ターンテーブルは、ここでは垂直である自身の回転軸を中心に180度回転する。ワークピースワゴン(6)はそこから、搬送レール(221)へ移動する。ワークピースワゴン(6)が、加工ステーションを通過した後、搬送レール(221)の後端に到達すると、ワークピースワゴンは後部のターンテーブル(5)のターンテーブル支持レールへ移動し、これによって、裏面側の搬送レール(222)上に置き換えられる。
【0028】
したがって、各ワークピースワゴン(6)は、ワークピース搬送システム(2)内で、ほぼ円を描いて回る。ターンテーブル(4,5)の角速度が個々のワークピースワゴン(6)の移動速度に合うように設定されている場合、すなわち、ターンテーブルの周速が、支持レールの高さで、ワークピースワゴン(6)の移動速度に対応する場合、ワークピースワゴン(6)は、ターンテーブル(4,5)による目立った速度の中断なしに、存在している単一レール搬送システム(2)の搬送路の周りを一周する。
【0029】
単一レール搬送システム(2)のプログラマブルロジックコントローラ(690)は、加工サイクルのすべての時点で、どのワークピースワゴン(6)がどこに位置しており、それがどのタスクを現在実行しているかを把握している。たとえば、搬送ワゴンの走行方向に対して平行な縦長の溝のフライス加工中に、ワークピース(9)を一緒に運んでいる複数のワークピースワゴン(6)は、作業走行車として加工ステーションのアクティブな軸を形成する。これらの作業走行車の前の走行方向には、これらの作業走行車と、最も近いターンテーブル(5)との間で、搬送レール(221)上を移動するワークピースワゴン(6)が前の走行車として存在している。前部のターンテーブル(4)とこれらの作業走行車との間に位置する搬送ワゴン(6)は後の走行車である。搬送レール(222)およびターンテーブル(4,5)上で移動しているまたは留まっている他のすべての搬送ワゴンは、帰還走行車である。各個々のワークピースワゴン(6)の機能および場合によっては正確な位置も、単一レール搬送システム(2)の制御部によって記録または監視される。
【0030】
図3は、ワークピースワゴン(6)の背面を示している。ワークピースワゴン(6)の中心部品は、角張って形成された基体(261)である。基体(261)の突出部の下方には、ガイドワゴン(262)が配置されている。ガイドワゴン(262)は、たとえば、支持レール(227)を垂直方向および横方向にローラ支承で取り囲む循環型ボールベアリングシューである。ガイドワゴン(262)の下方には、斜めに歯が付けられた出力ホイール(273)を担う補助シャフト(271)が位置している。ベアリング台(267)にローラ支承されている補助シャフト(271)は、破線で示されている駆動ホイール(272)を有しており、駆動ホイール(272)は基体(261)に形成されたギアハウジング(266)によって外側が包囲されている。ギアハウジング(266)の下方に、場合によってはギアが統合されている、下向きに突出しているサーボモータ(264)が配置されている。サーボモータ(264)のシャフトには、補助シャフト(271)の駆動ホイール(272)と噛み合う、真っ直ぐに歯が付けられたピニオンホイール(ここには示されていない)が設けられている。
【0031】
基体(261)の下方には、サーボモータ(264)の隣に、板金部品である、下向きに突出しているコレクタカンチレバーアーム(285)が配置されている。コレクタカンチレバーアーム(285)には電流コレクタおよび信号コレクタ(286)が弾力的に固定されている。このケースでは、7個のコレクタ(286)が使用される。上方のコレクタは、たとえばアースに接続されている。次の2つの電流コレクタ(286)は、たとえば10Aの電流の場合に、+48Vおよび-48Vをガイドする。第4のコレクタと第5のコレクタとはそれぞれ、5Aの電流の場合の+24Vおよび-24Vのための電流コレクタ(286)である。下方の2つのコレクタ(286)は、たとえば、ここで使用されているCANバス用の信号コレクタである。
【0032】
図3では、たとえば、電気機械的に操作可能なコレット(290)が、ワークピースワゴン(6)の基体(261)上に載置されている。プライヤハウジング(291)には、2つの背景凹部を備えたスライダが配置されている。スライダ(ここには示されていない)は、電気駆動式の背景駆動部を介して、サーボモータ(297)によって、コレット(290)を開閉するために動かされる。各背景凹部は異なる傾斜を有している。
【0033】
スライダの上方で、ガイドワゴン(262)を横切って、2つのキャリッジがプライヤハウジング(291)内で前後に配置されており、ここでは、このうちの後方のキャリッジ(294)のみが見て取れる。各キャリッジは、ピンを介してスライダの背景凹部の1つと接続されている。さらに、各キャリッジの上面はグリップ要素(295,296)を担う。図3において手前に配置されているグリップ要素(296)は、短いストロークのみにわたって、プレート状のワークピース(9)の背面に当接する。このため、キャリッジ(294)の下方にある背景凹部はわずかな傾斜しか有していない。ここでは後方に位置しているグリップ要素(295)は、ワークピースワゴン(6)上に配置されたワークピース(9)を把持するというタスクだけでなく、ワークピースをワークピース支持グリッド(10)およびグリップ要素(296)の方へ引っ張るというタスクも有している。これには大きなストロークが必要である。すなわち、ここでは、背景凹部はキャリッジにおいて大きい傾斜を有している。
【0034】
コレット(290)は、グリップ要素(295,296)の横方向の突出部の下方にベアリング台(310)をそれぞれ1つ有している。各ベアリング台(310)は、たとえば、隣接する2つのローラを有している。これらのローラはワークピースの負荷を引き受ける。
【0035】
図1では、ワークピース支持グリッド(10)は、たとえば中央に、くぼみ(14)を有しており、ここでは特別な支持装置(430)(図4および図5を参照)が機械台(1)上に支承されている。くぼみ(14)はここでは、2つの操作機器(7)の反対側に配置されている。
【0036】
図4および図5は、2つの異なる方向からの支持装置(430)を示している。図4に示された支持装置(430)は、自身の前面を前に向けている。これは、相互に入り組んだ2つの支持台(450,470)で構成されている。各支持台(450,470)はそれぞれ2つの、たとえば、構造的に同じ側面(455,475)を有している、一種の塔である。
【0037】
支持台(450)の各吸引装置側面(455)は、自身の外側に多数の、それぞれが互いに、たとえば一定の間隔を有している、たとえば同じ種類の吸引装置キャリア(457)を担っている。ここで上下に配置されている各吸引装置キャリア(457)には、たとえば、真空吸引装置として構成されている、それぞれ1つの吸引要素(458)が位置付けられている。
【0038】
その吸引面もしくは当接面が仮想の支持面(465)を形成する、上下に位置している吸引要素(458)を用いて、通常は大きいプレート状のワークピース(9)が、吸引装置支持台(450)の方へ吸引され、これによって、ワークピース(9)が、たとえば、穿孔またはフライス加工時に、工具の引き抜き力に抗して、ワークピース支持グリッド(10)に固定的に保持される。
【0039】
吸引装置支持台(450)は、機械台(1)に固定されているベースプレート(435)に、電気機械的にシフト可能であるように支承されており、これによって吸引要素(458)がワークピース(9)に当てて置かれる。
【0040】
吸引装置支持台(450)に配置されたスライド支持台(470)は、スライド側面(475)の前端面にそれぞれ1つの連続したスライディングレール(478)を有している(図5を参照)。2つのスライディングレール(478)は、自身の前方の当接面でもって、支持面(485)にわたって広がっている。ワークピース(9)の加工中、たとえば、水平の縦長の溝の鋸引きまたはフライス加工時に、ワークピースワゴン(6)によってガイドされるワークピース(9)は、ワークピース支持グリッド(10)に沿ってスライドする。ここでこのワークピースワゴンは、突出しているスライディングレール(478)上をスライドする。ワークピースワゴンはスライディングレールに対して、加工力に基づいて押し付けられる。スライド支持台(470)はこのために同様に、機械台(1)に固定されているベースプレート(435)上に、それに沿ってスライドするワークピース(9)に対して、サーボモータ(490)を用いて、電気モータでシフト可能であるように支承されている。
【0041】
スライド支持台(470)の閉鎖空間内に、センサキャリア(444)がほぼ中央に配置されており、センサキャリア(444)にセンサキャリアプレート(445)が固定されている。センサキャリアプレート(445)は、たとえば、種々のセンサを保持するために使用される。種々のセンサを用いて、ワークピース(9)は、場合によってはバーコードを介して識別される、計数される、かつ/またはコントロールのために測定される。
【0042】
3つのエネルギ供給システムのブロック図を図6図8に示す。3つのシステムはすべて、充電機器(640,645)に接続されている少なくとも1つの回生エネルギ蓄積部(650,651)をそれぞれ使用する。
【0043】
各回生エネルギ蓄積部(650,651)は、複数の蓄電池で構成されるシステムである。各蓄電池は、電気化学ベースの、電気エネルギ用の再充電可能な蓄積部である。低抵抗蓄電池の充電プロセスは、電圧を印加することによって、放電中に進行する化学反応の電解反転に基づいている。図6図8に示されている回生エネルギ蓄積部(650)は、たとえば、4つの12V鉛蓄電池の直列接続で構成されているが、図7に示されている回生エネルギ蓄積部(651)は、2つの、直列接続された12V鉛蓄電池のみで構築されている。鉛蓄電池の代わりに、リチウムイオン蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル金属ハイブリッド蓄電池等を使用することができる。
【0044】
図6によれば、エネルギ供給システムは、3つの異なるネットワーク、レール電源網(610)、機器電源網(620)およびセンサ網(630)に給電する。レール電源網(610)は、たとえば48Vの直流電圧で動作するアクチュエータ網である。レール電源網(610)は、搬送レール(3)、場合によってはターンテーブル(4,5)とこれらのターンテーブル(4,5)の上を移動する、たとえば6個~20個のワークピースワゴン(6)とを備えるワークピース搬送システム(2)を含んでいる(図1を参照)。各ワークピースワゴン(6)には、たとえば100Wの定格電力が必要であるが、最大で480Wのピーク電力が必要である。
【0045】
レール電源網(610)は、緊急停止システム(660)が中間接続されている状態で、たとえば100Aでの24V用の直流中間回路(602)を介して充電機器(640)および回生エネルギ蓄積部(650)に接続されている。充電機器(640)は、交流低電圧網または三相交流低電圧網(600)から給電される。実施例では、交流低電圧網または三相交流低電圧網(600)は、400Vの三相交流を提供する。充電機器(640)は、これを使用して、たとえば、30Aの充電電流強度のもとで48Vの直流を形成し、これによって、必要に応じて回生エネルギ蓄積部(650)が充電される。回生エネルギ蓄積部(650)は、48Vの測定電圧のもとで10Ahの定格容量を有している。
【0046】
当然、充電機器(640,645)は、マルチエリア充電機器であってもよく、それらの各入力側は、異なるネットワーク電圧およびネットワーク周波数を有する交流低電圧網または三相交流低電圧網に接続可能である。この場合にマルチエリア充電機器は、50Hzでの400Vの代わりに、場合によっては60Hzでの120Vまたは50Hzでの230Vを有するネットワークにも適している。
【0047】
回生エネルギ蓄積部(650)では、機器電源網(620)に給電するために、直流中間回路(606)の中間タップが、第2の蓄電池と第3の蓄電池との間の接続タブで行われる。機器電源網(620)は、たとえば、個々のワークピースワゴン(6)のコレット(290)のサーボモータ(297)に給電する。場合によって、支持装置(430)の1つまたは複数の電気駆動部(490)ならびに操作機器(7)の電気モータも、この機器電源網に接続されている。同様に緊急停止システム(670)が、機器電源網(620)と直流中間回路(606)との間に接続されている。
【0048】
センサ網(630)は、センサ網給電線路(609)および30Aヒューズ(680)を介して直流中間回路(606)に接続されている。具体的な例としてセンサ網(630)に接続されたセンサアセンブリ(635~638)は、通常、元来のセンサに加えて、計算ユニットおよび記憶ユニットならびに電子通信モジュールを有している個々の電子アセンブリである。1つまたは複数の通信モジュールは、検出された、場合によってはすでに処理または評価されているセンサ信号を送信し、対応する伝送確認応答または他の制御命令を受信するために使用される。ここでセンサアセンブリ(635)は、変位測定システムおよび/または角度測定システム、センサアセンブリ(636)、たとえば誘導型近接センサ、センサアセンブリ(637)、たとえば静電容量性近接センサおよびセンサアセンブリ(638)、たとえば温度センサを含んでいる。
【0049】
各エネルギ供給システムは、PLC(690)を介して、少なくとも信号線路(643,661,671,691,692)を用いて、少なくとも充電機器(640)および緊急停止システム(660,670)と接続されている。
【0050】
図7の充電機器(640)および充電機器(645)はそれぞれ、図7に示された交流障害通知コンタクト(642)および(647)を有している。交流障害通知コンタクトは、各交流低電圧網または三相交流低電圧網(600,605)の電圧障害を記録する。PLC(690)はこのような障害を記録する。PLCは、回生エネルギ蓄積部(650,651)の残っている容量を把握して、現在実行中の、搬送システムおよび/または加工システムの加工プロセスを適切に終わらせる。最後に、多機能ユニット(8)、操作機器(7)およびワークピースワゴン(6)が対応する停車位置に移動させられ、場合によってはオフされる。
【0051】
緊急停止システム(660)および(670)は、とりわけ、電子回路、遮断リレーおよび100Aヒューズで構成されている。緊急停止システム(660,670)の前には、ダブルクローザ付きの緊急停止通知コンタクト(665,675)が接続されている。緊急停止通知コンタクトは、搬送システムおよび/または加工システム内で、通常の動作中に、たとえばステップマットを踏んだり、ライトカーテンを貫通したり、または保護フェンスを開いたりする等の不正行為によってトリガされる。緊急停止線路(691,692)を介して、緊急停止システム(660,670)の遮断リレーは、PLC(690)を介して、個別にまたは共同で操作されて、搬送システムおよび/または加工システムを停止させる。
【0052】
図6図8は、実質的にエネルギ供給システムのみを示しているため、すべてのアクチュエータコンポーネントおよびセンサコンポーネント(264,297,490,635~638)において、バス線路もしくは信号線路は示されていない。
【0053】
図7に示されたエネルギ供給システムも、レール電源網(610)、機器電源網(620)およびセンサ網(630)に給電する。しかし、直流をガイドする24Vアクチュエータ網(620)が、直流中間回路(607)を介して、別個の回生エネルギ蓄積部(651)に接続されており、別個の回生エネルギ蓄積部は同様に、充電機器(645)を介して、交流低電圧網または三相交流低電圧網(650)に接続されている。ここでも、充電機器(645)は、障害通知線路(648)における交流障害通知コンタクト(647)を介してPLC(690)と接続されている。
【0054】
センサ網(630)は、センサ網給電線路(609)を用いて、30Aヒューズ(680)を介して、直流中間回路(607)に接続されている。
【0055】
図8は、ワークピース(9)を搬送および/または加工するための少なくとも1つのシステムのためのエネルギ供給システムを示しており、ワークピースを搬送および/または加工するための少なくとも1つのシステムは、図1および図2が示すように、搬送レール(221,222)、ターンテーブル(4,5)および/または転轍器を有しており、これらの上に、多数の自走式かつ電気駆動式の、ワークピースを担うワークピースワゴン(6)が支承およびガイドされている。ここで、ワークピースワゴン(6)の駆動ユニット(264)は、自身のレール電源網(610)において、回生エネルギ蓄積部(650)を介して給電される。ここでこのような回生エネルギ蓄積部(650)は、交流低電圧網または三相交流低電圧網(600)から充電される充電機器(640)に電気的に接続されている。
【0056】
図6および図7に示されたシステムとは対照的に、このようなエネルギ供給システムには、24Vアクチュエータ網(620)が設けられていない。48Vをガイドする直流中間回路(602)から24Vセンサ網(630)に給電できるようにするために、センサ網(630)のヒューズ(680)の前に、DC/DCコンバータ(655)が接続されている。DC/DCコンバータは、高い直流電圧(たとえば、48V)を低い直流電圧(たとえば、24V)に変換する自己制御型コンバータである。直流電圧コンバータ(655)のセンサ網側の出力側には、たとえば最大30Aの負荷をかけることができる。場合によっては、直流電圧コンバータ(655)の機能がPLC(690)によって監視されてよい。
【0057】
図8に示された変形が、図1および図2に示されているように、ワークピース搬送システム(2)を対象とする場合、ターンテーブル(4,5)の駆動ユニットは48Vに移し替えられ、48Vレール電源網(610)に接続される。図6および図7に示されたエネルギ供給システムの場合にもこれが可能である。
【0058】
当然、図8に示されたエネルギ供給システムを、複数のまたは多数の電気駆動式または電気機械駆動式のリニア軸線を有する機器または機械にも使用することができる。リニア軸線はたとえば、加工機械の大型のリフティンググリッパまたは工具機械キャリッジ内に組み込まれている。
【符号の説明】
【0059】
1 機械台
2 ワークピース搬送システム,単一レール搬送システム
3 搬送レール,レール区間
4,5 ターンテーブル,リロケータ,レール区間
6 ワークピースワゴン,自走式,搬送ワゴン
7 操作機器
8 多機能ユニット,工具を担っている
9 プレート状のワークピースおよび/またはボード状のワークピース
10 ワークピース支持グリッド
11 支持部
12 立て掛けプレート,立て掛けストリップ
13 ブラシ列
14 くぼみ
15 ユニット保管場所
221,222 搬送レール,レール
223 支持ブラケット
225,226 搬送レール端部
227 支持レール
231 ラック
235 多導体電流レールおよび多導体信号レール
237 電流レールカバー
261 基体,角張った
262 ガイドワゴン,循環型ボールベアリングシュー
264 ワークピースワゴンの駆動ユニット,サーボモータ,場合によってはギアが統合されている
266 ギアハウジング,プレート状
267 2つのローラベアリングを備えるベアリング台
271 ドライブシャフト,補助シャフト
272 駆動ホイール,大きい,下
273 出力ホイール,小さい,上
282 潤滑ホイール,フェルトホイール
285 コレクタカンチレバーアーム,板金部品
286 電流コレクタおよび信号コレクタ,弾力的;コレクタ
290 コレット
291 プライヤハウジング
294 キャリッジ
295,296 グリップ要素
297 駆動ユニット,背景駆動部,サーボモータ,ギアモータ
310 ベアリング台
311 ローラ
430 支持装置,支持デバイス
435 ベースプレート
436 ガイドレール
444 センサキャリア
445 センサキャリアプレート
450 吸引装置支持台,支持台
455 吸引装置側面
456 吸引装置補強プレート
457 吸引装置キャリア
458 吸引要素,吸引装置,真空吸引装置
465 支持面,仮想面
470 スライド支持台,支持台
475 スライド側面
476 スライド補強プレート
478 スライディング要素,スライディングレール
485 支持面,仮想面
490 駆動ユニット,ギアモータ,サーボモータ
600 アクチュエータ網(48V)用の交流低電圧網または三相交流低電圧網(230/400V),給電網,電圧供給
602 直流中間回路 48V/100A
605 アクチュエータ網(24V)用の交流低電圧網または三相交流低電圧網(230/400V),給電網,電圧供給
606 アクチュエータ網(48V)用の回生エネルギ蓄積部で中間タップを有する直流中間回路 24V/100A
607 直流中間回路 24V/100A
609 センサ網(48V)用のセンサ網給電線路
610 アクチュエータ網(48V) レール電源網,ネットワーク
620 アクチュエータ網(24V) 機器電源網,ネットワーク
630 センサ網(48V),ネットワーク
635 変位測定システムおよび/または角度測定システムを備えるセンサアセンブリ
636 誘導型センサを備えるセンサアセンブリ
637 静電容量性センサを備えるセンサアセンブリ
638 温度センサを備えるセンサアセンブリ
640 直流中間回路(48V/100A)用の充電機器
642 直流中間回路(48V/100A)用の充電機器用の交流障害通知コンタクト
643 障害通知線路,信号線路
645 直流中間回路(24V/100A)用の充電機器
647 直流中間回路(24V/100A)用の充電機器用の交流障害通知コンタクト
648 障害通知線路,信号線路
650 アクチュエータ網(48V)用の回生エネルギ蓄積部,蓄電池システム
651 アクチュエータ網(24V)用の回生エネルギ蓄積部,蓄電池システム
655 直流電圧コンバータ,センサ網(48V)用のDC/DCコンバータ
660 アクチュエータ網(48V)用の緊急停止システム
661 緊急停止通知線路,信号線路
665 アクチュエータ網(48V)用の緊急停止システム用の緊急停止通知コンタクト
670 アクチュエータ網(24V)用の緊急停止システム
671 緊急停止通知線路,信号線路
675 アクチュエータ網(24V)用の緊急停止システム用の緊急停止通知コンタクト
680 センサ網(48V)用のヒューズ
690 PLC,プログラマブルロジックコントローラ
691 緊急停止線路,信号線路
692 緊急停止線路,信号線路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8