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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】扇風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/52 20060101AFI20240814BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20240814BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20240814BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F04D29/52 C
F04D25/08 301A
F04D29/60 G
F04D29/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022030687
(22)【出願日】2022-03-01
(65)【公開番号】P2023127112
(43)【公開日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長竹 健樹
(72)【発明者】
【氏名】野中 裕文
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-124118(JP,A)
【文献】特開平10-227169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/52
F04D 25/08
F04D 29/60
F04D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用の扇風機であって、
本体部と、
インペラを有し、前記本体部に対して回動可能に設けられた送風ヘッドと、を備え、
前記送風ヘッドは、回動軸に軸支された回動部を有し、前記回動軸の軸周りに回動可能とされ、
前記本体部には、前記回動軸が回動可能に支持される軸支部が設けられ、
前記送風ヘッドの前記本体部と対向する部位に、前記回動軸の軸方向において前記回動部から離間した位置に設けられているとともに前記送風ヘッドの回動に伴って前記本体部の前記軸支部と摺接する緩衝部材が設けられている、
ことを特徴とする扇風機。
【請求項2】
前記緩衝部材は、前記本体部を押圧するように圧縮されて前記送風ヘッドに設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機。
【請求項3】
前記緩衝部材は、前記回動軸の軸方向において前記回動部を挟み込む形で一対設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の扇風機。
【請求項4】
前記送風ヘッドは、前記緩衝部材が固定される固定面、及び前記固定面を囲む壁部を有する、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯用の扇風機が知られている。例えば、特許文献1には、本体と、軸体を介して本体に対して回転可能に支持された羽根ユニットとを備える携帯用の扇風機が開示されている。この扇風機では、羽根ユニットに軸体が設けられており、羽根ユニットを軸体の軸周りに回転させることにより、羽根ユニットを本体の前方側に傾倒した姿勢に変化させて送風方向を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3224868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の扇風機では、軸体の一部に平歯車が固定されており、本体の一部が平歯車に弾性的に当接することにより、羽根ユニットの姿勢を断続的な位置で固定することができる。しかしながら、この扇風機では、羽根ユニットの回転時に本体の一部が平歯車の歯を一つずつ乗り越えるため、羽根ユニットを円滑に回転させることができず、また、羽根ユニットの姿勢を任意の位置に微調整して固定することができなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、送風ヘッドを円滑に回動させることができ、かつ任意の角度に保持させることが可能な扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の扇風機は、携帯用の扇風機であって、本体部と、インペラを有し、前記本体部に対して回動可能に設けられた送風ヘッドと、を備え、前記送風ヘッドの前記本体部と対向する部位に、前記送風ヘッドの回動に伴って前記本体部と摺接する緩衝部材が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送風ヘッドを円滑に回動させることができ、かつ任意の角度に保持させることが可能な扇風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る扇風機の斜視図である。
図2】実施形態に係る扇風機を前側から見た分解斜視図である。
図3】実施形態に係る扇風機を後側から見た分解斜視図である。
図4】実施形態に係る扇風機の送風ヘッドの回動態様を示す側面図である。
図5】実施形態に係る扇風機の傾倒状態における送風ヘッドを上方左側から見た斜視図である。
図6】実施形態に係る扇風機の送風ヘッドを下側から見た下面図である。
図7】実施形態に係る扇風機の縦断面図であって、図1におけるVII-VII断面の断面図であり、P1は、クッション材近傍を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る扇風機1は、携帯用の小型の扇風機1であり、本体部10と、本体部10の上側に設けられた送風ヘッド20と、本体部10の下側に設けられたカラビナ部30とを備えている。扇風機1は、本体部10を把持してスイッチ12を押下することにより、送風ヘッド20から送風させることができる。また、扇風機1は、カラビナ部30に被係留物を係留させることができる。以下では、本体部10のスイッチ12が設けられた側(送風流路の下流側)を扇風機1の前側、その反対側を後側とし、本体部10を前側から見たときの右側及び左側を扇風機1の右側及び左側として説明する。
【0010】
本体部10は、縦長の略直方体状をなしており、後側、即ち送風流路の上流側に設けられる後側ケース(第1ケース)40と、前側(第1方向側)、即ち送風流路の下流側に設けられる前側ケース(第2ケース)50とを有している。後側ケース40の前側に前側ケース50が係合されて組付けられることにより、両者の間に空間が設けられる。図2及び図3に示すように、後側ケース40と前側ケース50の間に設けられる空間には、回路基板14(スイッチ12を含む)、電池16、及び隔離板18等が収容される。隔離板18は、回路基板14と電池16の間に配置され、両者の間を絶縁しつつ隔離する。なお、隔離板18は、組付け時において電池16を一時的に固定するための両面テープとしてもよい。
【0011】
後側ケース40の開口側の上端部には、前方側に壁状に突出する突出壁部41が設けられている。突出壁部41の左右両側には、左右方向に離間した形で一対の係合爪(係合部)42が設けられている。また、後側ケース40の開口側の縁部には、前方側に突出する複数の嵌合凸部43が設けられている。一方、前側ケース50の開口側の上端部における左右両側には、左右方向に離間した形で一対の被係合爪(被係合部)52が設けられている。また、前側ケース50の開口側の縁部には、前方側に凹んでなる複数の嵌合凹部53が設けられている。本体部10は、係合爪42と被係合爪52を係合させ、嵌合凸部43を嵌合凹部53に嵌合させることにより組付けることができる。
【0012】
後側ケース40の開口側の下部には、カラビナ部30の一部が収容されるように切り欠かれた後側収容部44が設けられている。一方、前側ケース50の開口側の下部には、カラビナ部30の一部が収容されるように切り欠かれ、カラビナ部30が取り付けられる前側収容部54が設けられている。また、前側ケース50の前面上部寄りの位置には、スイッチ12が前方側に露出する形で収容されるスイッチ開口部56が設けられている。
【0013】
前側ケース50の上端部のうち被係合爪52よりも前側の部分には、送風ヘッド20が組付けられるヘッド組付け部58が設けられている。換言すれば、本体部10における送風ヘッド20の組付け部分は、係合爪42と被係合爪52の係合部分の前方側に設けられている。ヘッド組付け部58の左右両側は、前方側に突出する前側軸支部58aとなっている。前側軸支部58aは、後述する送風ヘッド20の回動軸26b1の前側部分を回動可能に支持する。両前側軸支部58aは、その前端部が側面視において略円弧状をなしている。両前側軸支部58aの左右方向内側部分には、回動軸26b1の前側部分が回動可能に支持されるように半円形状に切り欠かれた前側切欠部58a1がそれぞれ設けられている。両前側軸支部58aの間は、送風ヘッド20の首部26が挿入される首部挿入部58bとなっている。
【0014】
ヘッド組付け部58には、その後方側から後側軸支部材59が組付けられる。後側軸支部材59の左右両側の前端部には、回動軸26b1の後側部分が回動可能に支持されるように半円形状に切り欠かれた後側切欠部59aがそれぞれ設けられている。両前側切欠部58a1に回動軸26b1の前側部分が支持された状態で後側軸支部材59がヘッド組付け部58に組付けられることにより、送風ヘッド20の回動軸26b1が前側ケース50に対して組付けられる。後側軸支部材59は、後側ケース40と前側ケース50の間に挟持されて本体部10内に収容される形でヘッド組付け部58に組付けられる。
【0015】
送風ヘッド20は、後側に設けられる後側カバー22と、前側に設けられる前側カバー24と、首部26と、後方インペラ(インペラ)27と、前方インペラ(インペラ)28とを有している。後側カバー22は、後方側がやや縮径されて有底とされた略短円筒状をなしている。後側カバー22には、後側グリル22a,22bが設けられている。前側カバー24は、略円環状をなしている。前側カバー24には、前側グリル24aが設けられている。首部26は、前側カバー24の下端に設けられている。後方インペラ27及び前方インペラ28は、後側カバー22と前側カバー24の間に収容される。
【0016】
後側カバー22の中央部には、後方インペラ27を回転させるための後方モータM1が収容される略円形状の後方モータ収容部22cが設けられている。後側グリル22a,22bは、後方モータ収容部22cから径方向外側に向かって放射状に延びる長尺棒状の枠体により構成されている。同様に、前側カバー24の中央部には、前方インペラ28を回転駆動させるための前方モータM2が収容される略円形状の前方モータ収容部24cが設けられている。前側グリル24aは、前方モータ収容部24cから径方向外側に向かって放射状に延びる長尺棒状の枠体により構成されている。後方モータM1及び前方モータM2には、配線ケーブル21を介して本体部10内の回路基板14から駆動電力が供給される。
【0017】
送風ヘッド20の首部26は、前方側から見て略T字状をなすように、前側カバー24の下端中央部から下方に延びている。首部26は、略T字状の横棒部分を構成する対向部26aと、略T字状の縦棒部分を構成する回動部26bとを有している。対向部26aは、その左右両側が扇風機1において前側ケース50の両前側軸支部58aと対向する。図6に示すように、対向部26aには、その左右両側の部分、即ち両前側軸支部58aと対向する部分に、後述するクッション材60が固定される略矩形状の固定面26a1がそれぞれ設けられている。また、各固定面26a1の周りには、固定面26a1を囲む形で下方に壁状に延びる囲み壁部(壁部)26a2が設けられている。
【0018】
首部26の回動部26bは、対向部26aの左右方向中央部から下方に向けて略角柱状をなして延びており、側面視において略円形状となっている。回動部26bは、ヘッド組付け部58の首部挿入部58bに挿入されて組付けられる。回動部26bの左右両側面からは、左右方向に沿って同一軸状に設けられた回動軸26b1がそれぞれ延びている。換言すれば、回動部26bは、回動軸26b1が貫通した形で回動軸26b1に軸支されている。回動軸26b1が後側切欠部59aと前側切欠部58a1の間で挟持されることにより、回動軸26b1がその軸周りに回動可能に支持される。扇風機1では、送風ヘッド20を回動軸26b1の軸周りに回動させることにより、送風方向を変更することができる。
【0019】
なお、回動部26bの左側面から延びる一方の回動軸26b1には、その外周に回動軸26b1よりも一回り大きな外径寸法を有する軸受部材29が組付けられる。一方の回動軸26b1は、軸受部材29に軸受けされた状態で後側切欠部59aと前側切欠部58a1の間に挟持され、回動可能に支持される。このように一方の回動軸26b1が軸受部材29を介して支持されることにより、一方の回動軸26b1と両切欠部59a,58a1の間の摩擦力が低減され、回動部26bを円滑に回転できるようになっている。なお、後側切欠部59a及び両前側切欠部58a1は左右で異なっており、一方が回動軸26b1の外径寸法に、他方が軸受部材29の外形寸法に対応した大きさとされている。
【0020】
クッション材60は、略直方体状の緩衝部材であり、例えばシリコンゴムにより形成される。クッション材60は、その上面及び下面が平坦面とされ、回動部26bを挟み込む形で一対設けられている(図5参照)。各クッション材60は、その上面が固定面26a1に対して両面テープ等により貼り付けされることにより送風ヘッド20に固定される。なお、送風ヘッド20の各固定面26a1は、クッション材60の上面の形状及びサイズに合わせた形状及びサイズとされている。また、送風ヘッド20の囲み壁部26a2の高さ寸法は、クッション材60の厚み寸法S1(図7参照)よりもわずかに小さくされている。このため、クッション材60が固定面26a1に固定された状態では、クッション材60の下面が囲み壁部26a2の先端部よりも下方に位置し、囲み壁部26a2がクッション材60の下面近傍を除いた部分をほぼ隙間なく囲むようになっている。
【0021】
なお、図6に示すように、各固定面26a1は左右方向において囲み壁部26a2を介して回動部26bから離間した位置に設けられている。このため、各クッション材60は、左右方向において回動部26bから離間した形で配置される。
【0022】
また、図7に示すように、クッション材60の厚み寸法S1は、対向部26aの固定面26a1と前側軸支部58aの間の隙間寸法S2よりも大きくされている(例えば3mm)。また、扇風機1の製造過程において、送風ヘッド20は、各固定面26a1に予めクッション材60が固定された状態で、本体部10の前側ケース50に組付けられる。このため、送風ヘッド20が前側ケース50に組付けられると、クッション材60は、対向部26aと前側軸支部58aの間の隙間において元の状態(図2及び図3参照)から上下方向に圧縮され(図7の拡大図P1参照)、その弾性復帰力により対向部26aを押圧する。これにより、送風ヘッド20の回動に伴って、対向部26aに固定されたクッション材60の下面が前側軸支部58aと摺接する。
【0023】
ここで、図4及び図5に示すように、扇風機1は、送風ヘッド20を回動軸26b1の軸周りに回動させることにより、送風流路が前後方向に沿った初期状態P0と、初期状態P0から送風ヘッド20を前方側に略100度傾倒させた傾倒状態P1との間で、送風ヘッド20の傾倒角度を調整可能となっている。即ち、初期状態P0では、回動部26bの後面が後側ケース40の突出壁部41の前端部と当接して回動部26bの後方側への回動が規制され、傾倒状態P1では、回動部26bの前面が前側ケース50の首部挿入部58bの下面に当接して回動部26bの前方側への回動が規制される。
【0024】
また、扇風機1では、送風ヘッド20の回動に伴って各クッション材60が本体部10の前側軸支部58aと摺接するため、送風ヘッド20の回動時に送風ヘッド20と本体部10と間の間隔が略一定に保たれ、送風ヘッド20のがたつき等が抑制されて送風ヘッド20を円滑に回動させることができる。さらに、送風ヘッド20の回動時に送風ヘッド20が前側軸支部58aを押圧することから、送風ヘッド20を任意の傾倒角度に微調整して保持させることができる。なお、本実施形態では、送風ヘッド20の重量が300g以上であっても送風ヘッド20を保持できるような押圧力となるようにクッション材60の厚み等が設定されている。
【0025】
カラビナ部30は、係留部32と、本体部10に取り付けられる取付部34とを有している。カラビナ部30は、例えば繊維強化プラスチックにより形成される。係留部32は、前方側から見て略C字状をなすフレーム32aと、フレーム32aの一端に開閉可能に接続される略円柱状のゲート32bとを有している。フレーム32aの上側部分には、前側ケース50にビス止めされるビス止め部32a1が設けられている。ビス止め部32a1は、2つのビス孔が設けられており、その下端面が本体部10の下面の形状に沿った形状となっている。フレーム32aにおけるビス止め部32a1より下側の部分は、本体部10の下端部から本体部10の下側に露出する。
【0026】
取付部34は、フレーム32aの上部右側から上方へ略板状に延びている。取付部34には、前側ケース50にネジ止めするためのネジ孔が設けられている。カラビナ部30は、ゲート32bを閉じることにより円環状となり、フレーム32a内に形成される空間内に被係留物を係留させることができる。なお、フレーム32aの上側部分の一部及び取付部34の左側部分は、本体部10内に電池16が収容される際に電池16と干渉しないように、電池16の外周面に沿って曲面状に窪んだ形状となっている
【0027】
以上説明したように本実施形態に係る扇風機1は、携帯用の扇風機1であって、本体部10と、後方インペラ27及び前方インペラ28を有し、本体部10に対して回動可能に設けられた送風ヘッド20と、を備えている。そして、送風ヘッド20の本体部10と対向する部位、即ち対向部26aに、送風ヘッド20の回動に伴って本体部10と摺接するクッション材60が設けられている。
【0028】
本実施形態に係る扇風機1は、このような構成とされていることにより、送風ヘッド20の回動時に送風ヘッド20と本体部10と間の間隔が各クッション材60により略一定に保たれる。このため、送風ヘッド20の回動時に送風ヘッド20のがたつき等が抑制され、例えば送風ヘッド20が段階的に回動されるような構成に比して送風ヘッド20を円滑に回動させることができる。さらに、送風ヘッド20の回動時にクッション材60が本体部10と摺接することによりクッション材60と本体部10の間に摩擦力が働くため、この摩擦力により送風ヘッド20を任意の傾倒角度に微調整して保持させることができる。
【0029】
また、扇風機1では、各クッション材60は、本体部10の前側軸支部58aを押圧するように圧縮されて送風ヘッド20の対向部26aに設けられている。これにより、送風ヘッド20の回動時にクッション材60と前側軸支部58aの間に働く摩擦力を高めることができ、各クッション材60による送風ヘッド20の保持効果を高めることができる。
【0030】
また、扇風機1では、送風ヘッド20は、回動軸26b1に軸支された回動部26bを有し、回動軸26b1の軸周りに回動可能とされ、クッション材60は、回動軸26b1の軸方向において回動部26bから離間した位置に設けられている。回動軸26b1周りの部分から離間した位置になるほど、送風ヘッド20の回動時における送風ヘッド20の安定力が低下し易い。上記のように回動部26bから離間した位置にクッション材60を設けることにより、送付ヘッド20の回動時に送風ヘッド20をより安定した状態で保持することができ、各クッション材60による送風ヘッド20の保持効果を高めることができる。
【0031】
また、扇風機1では、クッション材60は、回動軸26b1の軸方向において回動部26bを挟み込む形で一対設けられている。これにより、送風ヘッド20に1つのクッション材60が設けられた構成に比してクッション材60による送風ヘッド20の保持効果を高めることができる。さらに、クッション材60が回動部26bを挟み込む形で設けられることにより、回動部26bの両側において送風ヘッド20を保持することができるため、クッション材60による送風ヘッド20の保持効果をより高めることができる。
【0032】
また、扇風機1では、送風ヘッド20は、クッション材60が固定される固定面26a1、及び固定面26a1を囲む囲み壁部26a2を有する。これにより、クッション材60に位置ずれするような力が働いた場合、クッション材60の外周面が囲み壁部26a2と干渉し、クッション材60が位置ずれすることを防止することができる。このため、例えば固定面26a1とクッション材60との間の粘着力が低下した場合であっても、送風ヘッド20の回動時にクッション材60が位置ずれすることを防止することができ、クッション材60による送風ヘッド20の保持効果を維持することができる。
【0033】
さらに、扇風機1では、送風ヘッド20と本体部10との間のわずかな隙間に例えば厚み寸法S1が3mmの小さなクッション材60を設けることにより、送風ヘッド20の回動時における送風ヘッド20の保持効果を実現することができる。このため、送風ヘッド20の保持効果を実現するために必要となる構成を設けるためのスペースを抑えることができ、扇風機1の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 扇風機 10 本体部
12 スイッチ 14 回路基板
16 電池 18 隔離板
20 送風ヘッド 21 配線ケーブル
22 後側カバー 22a 後側グリル
22b 後側グリル 22c 後方モータ収容部
24 前側カバー 24a 前側グリル
24c 前方モータ収容部 26 首部
26a 対向部 26a1 固定面
26a2 囲み壁部 26b 回動部
26b1 回動軸 27 後方インペラ
28 前方インペラ 29 軸受部材
30 カラビナ部 32 係留部
32a フレーム 32a1 ビス止め部
32b ゲート 34 取付部
40 後側ケース 41 突出壁部
42 係合爪 43 嵌合凸部
44 後側収容部 50 前側ケース
52 被係合爪 53 嵌合凹部
54 前側収容部 56 スイッチ開口部
58 ヘッド組付け部 58a 前側軸支部
58a1 前側切欠部 58b 首部挿入部
59 後側支持部材 59a 後側切欠部
60 クッション材 M1 後方モータ
M2 前方モータ P0 初期状態
P1 傾倒状態 S1 厚み寸法
S2 隙間寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7