IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビッグハブソリューション インコーポレーテッドの特許一覧

特許7538199映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム
<>
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図1
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図2
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図3
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図4
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図5
  • 特許-映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240814BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240814BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240814BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240814BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
G06F21/62 345
H04N7/18 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022184758
(22)【出願日】2022-11-18
(65)【公開番号】P2023076406
(43)【公開日】2023-06-01
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161593
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522452798
【氏名又は名称】ビッグハブソリューション インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BigHaveSolution, Inc.
【住所又は居所原語表記】No.7,15th Floor,85,Gwangnaru-ro 56-gil,Gwangjin-gu,Seoul,Republicof Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンイル
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2328106(KR,B1)
【文献】特開2020-145595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00-31/00
H04N 7/18,21/00
H04L 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象者の生活空間内に設置されて観察対象者の動作を検知した検知情報を生成し、生成された検知情報を分析して予め設定されたイベントの発生の有無を判断する少なくとも一つのセンサモジュールと、
観察対象者の生活空間内に設置されて観察対象者に対する撮影映像を生成する映像収集装置と、
前記センサモジュールから生成された検知情報及び前記映像収集装置から生成された撮影映像を受信し、前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、前記センサモジュールとマッピングされた映像収集装置から受信された撮影映像を観察対象者の保護者が所持したユーザ端末機に転送する管理サーバと、を含み、
前記管理サーバは、
前記センサモジュールから受信された検知情報を分析して観察対象者の生活空間内で複数の人が検知されたと判断されると、前記撮影映像を分析して観察対象者のオブジェクトを抽出し、
前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、イベントの発生時点で収集される前記撮影映像を分析して、イベント発生対象が観察対象者であるか否かを判断し、
イベントの対象が観察対象者であると判断された場合にのみ、前記撮影映像を受信した前記ユーザ端末機に転送することを特徴とし、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末機に転送する撮影映像を暗号化する暗号化部をさらに含み、
前記暗号化部は、
撮影映像の全領域のうち、暗号化される領域を関心領域として設定する関心領域設定部と、設定された前記関心領域に含まれた全てのピクセルを再配置し、再配置されたピクセルの元の位置及び変更された位置を暗号化する変換部と、前記関心領域が暗号化されたイメージデータを格納する格納部と、を含み、
前記関心領域設定部は、
前記撮影映像を映像分析して暗号化される前の撮影映像である原本イメージを構成する複数のオブジェクトを抽出し、抽出された複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを特徴オブジェクトとして設定し、設定された前記特徴オブジェクトが含まれるように前記関心領域を設定することを特徴とし、
前記変換部は、
前記撮影映像に対する第1ヒストグラムと、前記関心領域に対する第2ヒストグラムとを生成し、前記第1ヒストグラムを分析して最も多くの頻度数を示す輝度値を第1変数として設定し、前記第2ヒストグラムを分析して最も多くの頻度数を示す輝度値を第2変数として設定し、第1変数に最も近い素数を第1素数として設定し、前記第2変数に最も近い素数を第2素数として設定し、設定された前記第1素数及び前記第2素数を用いて個人鍵及び公開鍵を生成し、且つ
前記第1変数と前記第2変数が同じ輝度値である場合、前記第2ヒストグラムにおいて次に多くの頻度数を示す輝度値を第2変数として再設定することを特徴とする、映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムに関し、さらに詳細には、老弱者や独居人などのように、保護観察が必要な人を持続的にモニタリングする検知装置から検知された転倒、ベッドからの立ち上がり、不在、在室などのようなイベントの真偽の程を介護人又は保護者が遠隔でも判断できるようにするサービスを提供する映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、療養病院又は病院などにおいて、身体が不自由な患者が転倒して負傷又は死亡する事例が頻繁に発生している。
【0003】
このような問題点を解決するために、患者の状態をモニタリングして各種の事故を予防することができるシステムに関する韓国内の技術開発の現況を見ると、病室内の各装備にUSNを設置し、内部にカメラを設置することで、患者の状態を視覚的に観察し、患者個人別にRFIDタグを付与して患者の体温及び血圧状態などの情報と、病室環境の情報とを体系的に収集管理するU-ヘルスケアのためのモバイルモニタリングシステム、及び身体が不自由な患者が就寝時にベッドから落ちる事故や認知症又は保護監視を必要とする患者が外部に徘徊する場合、磁気センサがこれを検知して担当医者又は看護師などの管理者が緊急に対処できるようにする多数の磁気センサが内蔵されたマットを用いた転倒患者監視システム、並びに事故を予防し、日常生活のモニタリングによって転倒事故を自動検知して緊急呼出を行い、能動的な緊急呼出サービスを提供する、高齢者の安全な生活を図る転倒電話と転倒電話を用いた救助システムがある。そして、高齢者用患者転倒モニタリングシステム(NB-PLUS)は、非接触式の振動検知センサを介して患者の健康情報を収集し、モニタリングサービスで測定した生体信号をかかりつけの主治医と患者家族の携帯電話に伝達する高齢患者への遠隔モニタリングシステムなどがある。
【0004】
一方、転倒防止システムに関連する特許技術としては、特許文献1(2013年)の、患者のベッドのマットの下部に設置された圧力パッドを用いた転倒患者監視システムによって信号を中継器に転送し、中継器では管理者の端末機に転送する技術と、特許文献2(2012年)の、患者がベッドに入ること及び離脱することを認知する光学センサ(カメラ)のイメージ処理過程を通じて老人の転倒の予測、及びベッドからの離脱の有無を検知して誤ったアラームの発生を減らすためには、転倒してから一定時間の間カウントダウンを行った後にアラームを送信させる技術が提案されている。
【0005】
しかし、機械的なイベントの発生の有無を判断するアルゴリズムでは、実際の転倒事故の発生の有無を完璧に区分することができないという限界があり、高価な装備が要求され、経済的な負担が発生するという問題点がある。
【0006】
一方、上述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有しているか、又は本発明の導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国登録特許公報第10-1096242号
【文献】米国特許公報第8,106,782号
【文献】韓国登録特許第10-1712191号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面は、高齢者や独居人などのように、保護観察が必要な人を持続的にモニタリングするために、ユーザによって予め設定された転倒、ベッドからの立ち上がり、不在、在室などのようなイベントを予め設定し、検知装置から検知されたイベントの真偽の程を介護人又は保護者が遠隔でも判断できるようにするサービスを提供する映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムを提供する。
【0009】
本発明の技術的課題は、上述した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムは、観察対象者の生活空間内に設置されて観察対象者の動作を検知した検知情報を生成し、生成された検知情報を分析して予め設定されたイベントの発生の有無を判断する少なくとも一つのセンサモジュールと、観察対象者の生活空間内に設置されて観察対象者に対する撮影映像を生成する映像収集装置と、前記センサモジュールから生成された検知情報及び前記映像収集装置から生成された撮影映像を受信し、前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、前記センサモジュールとマッピングされた映像収集装置から受信された撮影映像を観察対象者の保護者が所持したユーザ端末機に転送する管理サーバと、を含む。
【0011】
前記管理サーバは、
前記センサモジュールから受信された検知情報を分析して観察対象者の生活空間内で複数の人が検知されたと判断されると、前記撮影映像を分析して観察対象者のオブジェクトを抽出し、
前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、イベントの発生時点で収集される前記撮影映像を分析してイベントの発生対象が観察対象者であるか否かを判断し、
イベントの対象が観察対象者であると判断された場合にのみ、前記撮影映像を受信した前記ユーザ端末機に転送することを特徴とする。
【0012】
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末機に転送する撮影映像を暗号化する変換部をさらに含み、
前記変換部は、
撮影映像の全領域のうち、暗号化される領域を関心領域として設定する関心領域設定部と、設定された前記関心領域に含まれた全てのピクセルを再配置し、再配置されたピクセルの元の位置及び変更された位置を暗号化する変換部と、前記関心領域が暗号化されたイメージデータを格納する格納部と、を含み、
前記関心領域設定部は、
前記撮影映像を映像分析して前記原本イメージを構成する複数のオブジェクトを抽出し、抽出された複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを特徴オブジェクトとして設定し、設定された前記特徴オブジェクトが含まれるように前記関心領域を設定することを特徴とし、
前記変換部は、
前記撮影映像に対する第1ヒストグラムと、前記関心領域に対する第2ヒストグラムを生成し、前記第1ヒストグラムを分析して最も頻度数の高い輝度値を第1変数として設定し、前記第2ヒストグラムを分析して最も頻度数の高い輝度値を第2変数として設定し、第1変数に最も近い素数を第1素数として設定し、前記第2変数に最も近い素数を第2素数として設定し、設定された前記第1素数及び前記第2素数を用いて個人鍵及び公開鍵を生成し、且つ
前記第1変数と前記第2変数が同じ輝度値である場合、前記第2ヒストグラムにおいて、次に頻度数が高い輝度値を第2変数として再設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明の一側面によれば、センサがイベントを検知した場合、介護人及び管理人がセンサとマッピングされたカメラから患者のスナップショット動画及び写真を遠隔で見ることができれば、現場を訪問することなく遠隔で当該イベントを便利に確認することができる。
【0014】
また、保護者又は介護人に転送される撮影映像を暗号化して転送することにより、データのセキュリティを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムの概略的な構成が示されたブロック図である。
図2】管理サーバの具体的な機能が示されたフローチャートである。
図3】本発明に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムを用いてユーザ端末に撮影映像が転送される一例が示された図である。
図4】撮影映像を暗号化する暗号化部の具体的な機能を説明するための図である。
図5】撮影映像を暗号化する暗号化部の具体的な機能を説明するための図である。
図6】撮影映像を暗号化する暗号化部の具体的な機能を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
後述する本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を充分に実施することができるように詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことを理解すべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の真意及び範囲から逸脱しない範囲内で他の実施形態で実現されることができる。また、それぞれの開示された実施形態内の個別の構成要素の位置又は配置は、本発明の真意及び範囲から逸脱しない範囲内で変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取るものではなく、本発明の範囲は、適切に説明される限り、その特許請求の範囲が主張するものと同等の全ての範囲と共に添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。図面における類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一又は類似の機能を指す。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムの概略的な構成が示された図である。
【0019】
本発明に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムは、老弱者や独居人などのように、保護観察が必要な人を持続的にモニタリングする検知装置から検知されたイベントの真偽の程を介護人又は保護者が遠隔でも判断できるようにするサービスを提供することができる。
【0020】
すなわち、本発明は、カメラによる患者映像分析によってイベントの発生の有無を判別するものではなく、転倒、ベッドからの立ち上がり、不在、在室などのように、介護人又は管理人によって予め設定されたイベントが発生したときに、動画及び写真によって、介護人及び管理人が遠隔で当該イベントが本物であるか否かを確認できるようにするものであって、レーダーセンサなどから、転倒などのイベントの発生時、マッピングされたカメラのイベント前後の△t秒間の撮影映像を観察対象者の保護者又は介護人が所持したユーザ端末機にリアルタイムで転送するサービスを提供する。
【0021】
以下では、説明の便宜上、介護人又は管理人によって予め設定されたイベントが転倒イベントであると仮定して説明する。
【0022】
このために、本発明の一実施形態に係る映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムは、センサモジュール100、映像収集装置200、及び管理サーバ300を含む。
【0023】
センサモジュール100は、観察対象者の生活空間内に設置され、観察対象者の動作を検知した検知情報を生成する。
【0024】
このようなセンサモジュールは、例えば、ライダーセンサの形態であってもよいが、これに限定されるものではなく、ユーザの動きを検知することができる様々な検知モジュールで代替することもできる。
【0025】
センサモジュールは、検知範囲内でユーザの転倒(起立、着席)、ベッドからの立ち上がり、不在、在室、動きなどのように、介護人又は保護者によって予め設定されたイベントの発生の有無を検知し、検知範囲内の人数をカウントして睡眠状態、呼吸などのようなヘルスケアデータを追加的に収集することができる。
【0026】
センサモジュールは、生成された検知情報を分析して予め設定されたイベントの発生の有無を判断することができる。例えば、センサモジュールは、管理者から転倒事故の発生を検知するイベントが予め設定されると、生成された検知情報に基づいてユーザの転倒事故の発生の有無を判断することができる。
【0027】
映像収集装置200は、観察対象者の生活空間内に設置され、観察対象者に対する撮影映像を生成する。
【0028】
管理サーバ300は、前記センサモジュールから生成された検知情報及び前記映像収集装置から生成された撮影映像を受信し、前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、前記センサモジュールとマッピングされた映像収集装置から受信された撮影映像を観察対象者の保護者が所持したユーザ端末機に転送する。
【0029】
図2は、このような管理サーバの具体的な機能が示されたフローチャートである。
【0030】
センサモジュールは、Webダッシュボード及びスマートフォン(ユーザ端末)のアプリで設定した主要機能(転倒、不在など)を常時モニタリングし、分析したデータを指定された特定の管理サーバに転送する。
【0031】
映像収集装置は、リアルタイム動画及び写真を圧縮してサーバに転送し、それを受信したサーバはダッシュボード及びアプリで設定した期間中の最近のスナップショット動画及び写真を格納する(図3参照)。
【0032】
センサモジュールは、管理者が設定した主要機能の活性及び検知イベントが発生したことをサーバに通知する。これを受信した管理サーバは、センサとマッピングされた映像収集装置からの最近のスナップショット動画及び写真を別の空間に格納する。
【0033】
管理サーバはイベントが発生したことをWebダッシュボード及びスマートフォンアプリに通知し、図3に示すようにマッピングされたスナップショット動画及び写真をユーザが見ることができるように、Webダッシュボード及びアプリではそのインタフェースを設ける。
【0034】
これにより、転倒などのイベントが発生したとき、介護人及び管理人などが遠隔で手軽に事実の有無の判別が可能である。
【0035】
一方、管理サーバは、前記センサモジュールから受信された検知情報を分析して、観察対象者の生活空間内で複数の人が検知されたと判断されると、前記撮影映像を分析して観察対象者のオブジェクトを抽出する。その後、前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、イベントの発生時点で収集される前記撮影映像を分析して、転倒対象が観察対象者であるか否かを判断し、転倒イベントの対象が観察対象者であると判断された場合にのみ、前記撮影映像を受信した前記ユーザ端末機に転送することを特徴とする。
【0036】
例えば、観察対象者の生活空間内に観察対象者を含む多数の人がいて、そのうちいずれか一人に転倒事故が発生すると、本発明による管理サーバは、まず、検知された人が誰なのかにかかわらず撮影映像をユーザ端末機に転送する。
【0037】
このとき、ユーザ端末を介して撮影映像を確認した保護者又は介護人は、観察対象者に転倒事故が発生したものではなく、他の人に転倒事故が発生したことを認知すると、これをユーザ端末を介して管理サーバに通知することができる。
【0038】
このような場合、管理サーバは、撮影映像を分析して観察対象者のオブジェクトを抽出し、前記センサモジュールから予め設定されたイベントが発生した旨の通知信号を受信すると、イベントの発生時点で収集される前記撮影映像を分析して、転倒対象が観察対象者であるか否かを判断し、転倒イベントの対象が観察対象者であると判断された場合にのみ、前記撮影映像を受信した前記ユーザ端末機に転送することにより、保護者又は介護人が不要な撮影映像を受信することを防止することができる。
【0039】
いくつかの他の実施形態において、本発明に係る管理サーバは、前記ユーザ端末機に転送する撮影映像を暗号化する暗号化部をさらに含むことができる。
【0040】
暗号化部は、前記ユーザ端末機に転送する撮影映像を暗号化することにより、他人が悪意的な目的で撮影映像を取得しても、撮影映像に含まれたユーザを識別することができないようにすることで、データ転送過程におけるセキュリティを向上させることができる。
【0041】
具体的に、暗号化部は、関心領域設定部、変換部、及び格納部を含む。
【0042】
関心領域設定部は、撮影映像の全領域のうち、暗号化される領域を関心領域として設定する。
【0043】
すなわち、関心領域設定部は、ユーザから入力された撮影映像を映像分析して、原本イメージの全領域のうち、暗号化が必要な特徴的な部分を検出することにより、後述する変換部が設定された領域に対してのみ部分的に暗号化するようにすることで、データ処理に要求される 計算量及び時間を短縮させることができる。
【0044】
このために、一実施形態において、関心領域設定部は、前記撮影映像を映像分析して、前記原本イメージを構成する複数のオブジェクトを抽出し、抽出された複数のオブジェクトのうち、観察対象者に対応するオブジェクトを特徴オブジェクトとして設定し、設定された前記特徴オブジェクトが含まれるように前記関心領域を設定することを特徴とする。
【0045】
一実施形態において、関心領域設定部は、撮影映像から特徴ベクトルを抽出し、抽出された特徴ベクトルを予め学習された人工ニューラルネットワークの入力値を入力して、これに対する出力値に基づいて撮影映像に含まれた複数のオブジェクトを区分することができる。このような人工ニューラルネットワークを用いたオブジェクト検出方法は、映像処理分野において広く使用されている技術であるため、具体的な説明は省略する。
【0046】
一実施形態において、関心領域設定部は、イメージデータに対するヒストグラム(histogram)を用いて関心領域を設定することができる。
【0047】
ヒストグラムは、映像のピクセルに対する明暗値の分布を示す情報である。
【0048】
関心領域設定部は、撮影映像を構成するピクセルに対する全ヒストグラムと、撮影映像の所定の領域に対する部分的なヒストグラムとを生成することができる。
【0049】
関心領域設定部は、原本イメージをR、G、Bのチャンネルに分離し、分離した各チャンネルに対して横軸は256の輝度ばらつきを有する256グレースケール映像の明暗値を示し、縦軸は各明暗値の頻度数を示すヒストグラムを生成することができる。ヒストグラムを生成する具体的な方法は、既に公知された技術であるため、更なる具体的な説明は省略する。
【0050】
関心領域設定部は、原本イメージに対する全ヒストグラム及び部分ヒストグラムを用いて関心領域を抽出するための畳み込みフィルタを選択することができる。
【0051】
畳み込みフィルタは、基準フレームの関心領域に該当するイメージである基準イメージを様々な効果で処理するために使用される任意のピクセルサイズで構成された行列であり、イメージカーネル(image kernel)又は畳み込みカーネル(convolution kernel)とも呼ばれる。関心領域設定部は、様々な種類の畳み込みフィルタを格納しており、例えば、ブラーリング(blurring)、シャープニング(sharpening)、輪郭線処理(outlining)及びエンボス(embossing)畳み込みフィルタを含むことができる。これら以外にも、映像処理装置100は、ユーザから設定されるか、又は外部装置から収集された様々な形態の畳み込みフィルタをさらに含むことができる。
【0052】
関心領域設定部は、撮影映像に畳み込みフィルタを適用して出力イメージを生成することができる。具体的に、関心領域設定部は、3×3の行列で構成された畳み込みフィルタを格納でき、それぞれの畳み込みフィルタは、行列要素別に数値が設定されることができる。例えば、畳み込みフィルタは、左上から順次に1、0、1、0、1、0、1、0、1の値が設定されることができる。
【0053】
関心領域設定部は、基準イメージを構成するいずれか一つのピクセル及び当該ピクセルの周辺ピクセルと畳み込みフィルタを畳み込み演算して当該ピクセルの出力値を算出し、算出された出力値を用いて関心領域を設定することができる。
【0054】
例えば、関心領域設定部は、予め格納された基準値と、ピクセル別に算出された出力値とを比較して、基準値と最も類似の出力値を有したいずれか一つのピクセルを選択し、選択されたピクセルを基準に所定の半径内の領域を関心領域として設定することができる。
【0055】
図4図6は、上述した方法を用いて、関心領域設定部が撮影映像から関心領域(ROI)を設定した一例が示された図である。
【0056】
変換部は、関心領域設定部で設定された前記関心領域に含まれた全てのピクセルを再配置し、再配置されたピクセルの元の位置及び変更された位置をブロックチェーンを用いて暗号化する。
【0057】
変換部は、予め定められたパズル化パターンを用いて、元の位置とは異なる位置に関心領域内のピクセルを移動させることができる。あるいは、変換部は、予め定められたパターンではなく、任意の位置にそれぞれのピクセルを再配列することができる。
【0058】
その後、変換部は、前記関心領域のピクセルサイズに基づいて個人鍵を生成し、生成された前記個人鍵に基づいて公開鍵を生成し、前記関心領域に含まれたピクセルの元の位置から変更された位置を示すトランザクション情報をハッシュ関数を用いてハッシュ値に変換し、前記個人鍵を用いて前記ハッシュ値を暗号化することで、前記トランザクション情報に対する電子署名を生成する。このような変換部の具体的な機能については後述する。
【0059】
格納部は、関心領域が暗号化されたイメージデータを格納する。
【0060】
格納部は、暗号化されたハッシュ値をブロックチェーンネットワークを構成する全てのノードに分散格納し、分散格納された複数のハッシュ値を相互比較して前記トランザクション情報の有効性を検証し、有効性が検証されたトランザクション情報が含まれたブロックを生成し、生成された新たなブロックを既に生成されたブロックチェーンに結合する。
【0061】
一実施形態において、前記変換部は、前記関心領域の横軸のピクセルの個数をカウントして第1変数を生成し、前記関心領域の縦軸のピクセルの個数をカウントして第2変数を生成する。
【0062】
変換部は、前記第1変数に最も近い素数を第1素数として設定し、前記第2変数に最も近い素数を第2素数として設定し、設定された前記第1素数及び前記第2素数を用いて前記個人鍵及び前記公開鍵を生成することを特徴とする。
【0063】
すなわち、変換部は、非対称暗号化方法によってピクセルの位置が再配列された関心領域を暗号化することができる。
【0064】
このために、変換部は、数学的に連結された公開鍵及び個人鍵を生成することができる。例えば、変換部は、ユーザがコンピュータ装置を利用している間の任意の時点で個人鍵の生成を要請することができる。このとき、変換部は、個人鍵の生成を承認した時点の時間情報を用いて第1素数と第2素数を生成し、生成された第1素数と第2素数を個人鍵として設定することができる。
【0065】
例えば、変換部は、ユーザに個人鍵の生成を要請し、15時37分23秒にユーザがこれを承認すると、承認された時点である時間情報を3桁単位の数に分割することができる。例えば、上述した実施形態の場合は、承認された時間が15:37:27であるため、変換部は時間情報を153/727に分割することができる。
【0066】
このとき、変換部は、153に最も近い素数である151を第1素数と、727に最も近い素数である727を第2素数として設定し、これを個人鍵として設定することができる。
【0067】
変換部は、生成された2つの個人鍵を用いて公開鍵を生成することができる。このような個人鍵-公開鍵の生成方法はRSA暗号化アルゴリズムを用いたものであって、RSA暗号化アルゴリズムは広く公開された技術であるため、具体的な公開鍵の生成過程は省略する。
【0068】
このような場合、変換部は生成された公開鍵をブロックチェーンネットワークを介して公表し、他のユーザは、暗号化されたイメージを受信するようになると、変換部から受信された公開鍵を用いて復号化することができる。
【0069】
他の実施形態において、変換部は、撮影映像に対する第1ヒストグラムと、関心領域に対する第2ヒストグラムとを生成し、前記第1ヒストグラムを分析して最も頻度数の高い輝度値を第1変数として設定し、前記第2ヒストグラムを分析して最も頻度数の高い輝度値を第2変数として設定し、第1変数に最も近い素数を第1素数として設定し、第2変数に最も近い素数を第2素数として設定し、設定された前記第1素数及び前記第2素数を用いて前記個人鍵及び前記公開鍵を生成する。
【0070】
このとき、変換部は、前記第1変数と前記第2変数が同じ輝度値である場合、前記第2ヒストグラムにおいて次に頻度数の高い輝度値を第2変数として再設定することを特徴とする。
【0071】
特に、本発明に係る変換部は、暗号化されるイメージデータの個数が予め定められた個数だけ累積格納されるまで前記データの転送過程を保留していて、暗号化されたイメージデータの個数が予め定められた個数だけ累積格納されたことが確認されると、累積されたデータ群の特徴を示す変数データを設定し、設定された変数データに基づいて前記イメージデータを暗号化することを特徴とする。
【0072】
このために、変換部は、累積格納された収集データをデータ群に纏めて転送するデータ群を抽出し、抽出されたデータ群の特徴に応じた変数データを設定し、設定された変数データをそれぞれの収集データに連結させた変形データを生成し、生成された変形データをハッシュ関数によってハッシュ値に変換させてブロックチェーンネットワークに登録する。
【0073】
このとき、本発明に係る変換部は、管理者端末から受信された基準値に基づいて変数データを生成し、これに基づいてイメージデータをハッシュ値に変換することにより、イメージデータのセキュリティを向上できる。
【0074】
すなわち、ユーザではなく、第三者がイメージデータを途中で取得しても、イメージデータの核心的な特徴を占める関心領域部分のピクセルが再配列されているため、原本データの確認が難しく、個人鍵及び公開鍵は関心領域の特徴により毎回新たに生成されるため、外部から個人鍵及び公開鍵を把握し難いという利点がある。
【0075】
このような、映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システムを提供する技術は、アプリケーションで実現されるか、又は様々なコンピュータの構成要素によって行われることができるプログラム命令語の形態で実現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されることができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含むことができる。
【0076】
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計され構成されたものであるが、コンピュータソフトウェアの分野における当業者に公知されて使用可能なものであることもできる。
【0077】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光学媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令語を格納し行うように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0078】
プログラム命令語の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行可能な高級言語コードも含まれる。前記ハードウェア装置は、本発明に係る処理を行うために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができ、その逆も同様である。
【0079】
以上では、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更させることができることを理解することができる。
【符号の説明】
【0080】
1000:映像収集装置を活用した遠隔転倒有無確認判別システム
100:センサモジュール
200:映像収集装置
300:管理サーバ
400:ユーザ端末機
図1
図2
図3
図4
図5
図6