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特許7538239フロントエンドユニットに対して周波数資源分配経路を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット、これを含むシステム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】フロントエンドユニットに対して周波数資源分配経路を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット、これを含むシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20240814BHJP
   H04W 92/16 20090101ALI20240814BHJP
【FI】
H04B7/06 910
H04B7/06 100
H04W92/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022552228
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 KR2022002900
(87)【国際公開番号】W WO2023163259
(87)【国際公開日】2023-08-31
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0025897
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522181810
【氏名又は名称】ティージェイ イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TJ INNOVATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Chunui-dong, Sambo Techno Tower)Room 2018, 122, Jomaru-ro 385beon-gil Bucheon-si Gyeonggi-do 14556 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン グァンジェ
(72)【発明者】
【氏名】イム ユジン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】パク ドクヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジンシル
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/112747(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/003283(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/167763(WO,A1)
【文献】特表2023-504035(JP,A)
【文献】特表2022-538656(JP,A)
【文献】特表2023-515923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02 - 7/12
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットにおいて、
前記インビルディングラジオユニットは、基地局から受信したビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニットをマッチングし、前記マッチングされたフロントエンドユニットを媒介にして、これに連結された端末機と前記基地局とを通信可能に連結し、
前記インビルディングラジオユニットは、前記基地局及びフロントホール(fronthaul)インターフェースをサポートし、前記フロントエンドユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記端末機との間に位置しながら通信信号を中継し、エクステンションユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記フロントエンドユニットとの間に信号を伝達し、
前記インビルディングラジオユニットは、前記ビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報から獲得したSSBインデックス及びCSI-RSインデックスに基づいて、それぞれ前記エクステンションユニット及び前記フロントエンドユニットをマッチングすることを特徴とするオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項2】
記端末機は、前記ラジオユニットでない前記フロントエンドユニットと無線通信可能に連結されることを特徴とする、請求項1に記載のオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項3】
前記インビルディングラジオユニットは、インビルディング用として前記基地局と有線で通信可能に連結され、前記ビームフォーミング情報を用いて前記基地局と前記フロントエンドユニットとの間の通信経路を分散することを特徴とする、請求項に記載のオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項4】
前記インビルディングラジオユニットは、
前記ビームフォーミング情報によってマッチングされた前記フロントエンドユニットの信号以外に、非マッチングされた前記フロントエンドユニットの信号を前記基地局に伝送しないことを特徴とする、請求項に記載のオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項5】
前記ビームフォーミング情報は、前記フロントホールインターフェースのC-Planeデータの発生周期によって構成されることを特徴とする、請求項に記載のオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項6】
前記インビルディングラジオユニットは、前記フロントホールインターフェースのC-Planeデータのみをプリコーディングすることを特徴とする、請求項に記載のオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載されたインビルディングラジオユニット、及び前記インビルディングラジオユニットを媒介にして通信可能に連結される基地局と端末機を含むシステム。
【請求項8】
開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットの制御方法であって、
前記インビルディングラジオユニットが、基地局から受信したビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニットをマッチングする段階;及び
前記インビルディングラジオユニットが、前記マッチングされたフロントエンドユニットを媒介にして、これに連結された端末機と前記基地局とを通信可能に連結する段階;
を含み、
前記インビルディングラジオユニットは、前記基地局及びフロントホール(fronthaul)インターフェースをサポートし、前記フロントエンドユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記端末機との間に位置しながら通信信号を中継し、エクステンションユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記フロントエンドユニットとの間に信号を伝達し、
前記マッチングする段階は、
前記インビルディングラジオユニットが、前記ビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報からSSBインデックス及びCSI-RSインデックスを獲得する段階;
前記インビルディングラジオユニットが、前記SSBインデックスに基づいて前記エクステンションユニットをマッチングする段階;及び
前記インビルディングラジオユニットが、前記CSI-RSインデックスに基づいて前記エクステンションユニットに連結された前記フロントエンドユニットをマッチングする段階;
を含むことを特徴とする、オープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープン無線網接続プロトコル標準を満足するラジオユニット(O-RU)を用いてインビルディングサービスを提供するにおいて、屋外でのビームフォーミング動作時、アンテナ指向方向をインビルディングラジオユニットとそのフロントエンドユニット(Front-End Unit)との間の信号経路スイッチングに置換することによって、無線資源の効率的分配及び上向きリンクカバレッジ改善などのインビルディング内でのビームフォーミング効果を得るためのものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域、一例として、60GHz帯域などでの具現が考慮されている。超高周波帯域での電波の経路損失を緩和し、電波の伝達距離を増加させるために、5G通信システムでは、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO)、全次元多重入出力(Full Dimensional MIMO、FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビーム形成(analog beam-forming)、及び大規模アンテナ(large scale antenna)技術が論議されている。
【0003】
このうち、ビームフォーミングは、ユーザー端末機と基地局の両側で多数個のアンテナに供給される信号の振幅及び位相を変化させ、特定の方向に無線信号を集中させる技術であって、高周波帯の無線通信での効率的且つ円滑なデータ送受信を可能にし、基地局の個数を増加させなくてもカバレッジ(coverage)を高めることができる。
【0004】
一方、4G通信システム及び5G通信システムなどが混用されたシステムにおいて、事業者達と装備提供企業が集まって設立したO-RAN(Open Radio Access Network)は、既存の3GPP(登録商標)規格を基盤にして新規のNE(network element)とインターフェース(interface)規格を定義し、O-RAN構造を提示している。
【0005】
図1は、本発明の一実施例に係るシステムの構成図である。
【0006】
図1に示したように、本発明の一実施例に係るシステム1は、基地局10と、インビルディングラジオユニット20a~20cを媒介にして基地局12と通信可能に連結される端末機30と、基地局12に上向きリンク信号を伝送したり、基地局12から下向きリンク信号を伝送したりするインビルディングラジオユニット20a~20cとを含むことができる。
【0007】
インビルディング(in-building)において、インビルディングラジオユニット20a~20cは、通常、処理量(capacity)が十分であるが、カバレッジ(coverage)が小さい。これは、建物内には、壁、ガラス、層間隔離などの妨害物によって電波が効率的に伝達されないためである。
【0008】
周波数が高いほど電波到達距離が短くなり、カバレッジ(coverage)を拡大するために、インビルディングラジオユニット20a~20cを増設するよりはアンテナを分散することが経済的であるが、上向きリンク、すなわち、逆方向でアンテナの個数が増加するほど、その個数に比例して逆方向ノイズが上昇するという問題がある。
【0009】
また、上向きリンクは、端末機30の制限的なパワーで信号の強さが弱いので、弱い信号の逆方向信号は、ノイズによって干渉を受けるようになり、さらに逆方向カバレッジ(coverage)が減少し、逆方向ノイズによって逆方向信号対干渉雑音比(SINR)が劣化し、処理量(throughtput)が減少するという問題がある。
【0010】
一例として、インビルディングラジオユニット20a~20cのフロントエンドユニット(FEU;Front-End Unit)が1個である場合の雑音を含む通信信号は、図2(a)に示した通りであり、フロントエンドユニットが2個である場合の雑音を含む通信信号は、図2(b)に示した通りであり、フロントエンドユニットがそれ以上のnである場合の雑音を含む通信信号は、図2(c)に示した通りである。
【0011】
すなわち、フロントエンドユニットの個数が増加するにつれて、雑音指数(NF)が増加するという問題がある。すなわち、インビルディングラジオユニット20a~20cは非雑音装置でないので、その個数が増加するにつれて雑音指数(NF)が増加し得る。
【0012】
したがって、一つの基地局10に複数個のフロントエンドユニットの連結が要求される場合、発生し得る上向きリンクノイズに対する問題を解消するための技術開発が要求されている実情にあり、インビルディングラジオユニット20a~20cでビームフォーミング技術を適用できる場合、上記のような問題を解消することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット(又はインビルディングO-RU)において、フロントエンドユニットの個数が増加するにつれて、累積的に発生する上向きリンクノイズを除去できるインビルディングラジオユニット、これを含むシステム及びその制御方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は、開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットにおいて、前記インビルディングラジオユニットは、基地局から受信したビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニットをマッチングし、前記マッチングされたフロントエンドユニットを媒介にして、これに連結された端末機と前記基地局とを通信可能に連結することを特徴とするオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットを提供する。
【0015】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、前記基地局及びフロントホール(fronthaul)インターフェースをサポートし、前記フロントエンドユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記端末機との間に位置しながら通信信号を中継し、前記端末機は、前記ラジオユニットでない前記フロントエンドユニットと無線通信可能に連結され得る。
【0016】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、インビルディング用として前記基地局と有線で通信可能に連結され、前記ビームフォーミング情報を用いて前記基地局と前記フロントエンドユニットとの間の通信経路を分散することができる。
【0017】
一実施例によって、前記ラジオユニットと前記フロントエンドユニットとの間には、信号を伝達するエクステンションユニットがさらに設けられ得る。
【0018】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、前記ビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報から獲得したSSBインデックス及びCSI-RSインデックスに基づいて、それぞれ前記エクステンションユニット及び前記フロントエンドユニットをマッチングすることができる。
【0019】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、前記ビームフォーミング情報によってマッチングされた前記フロントエンドユニットの信号以外に、非マッチングされた前記フロントエンドユニットの信号を前記基地局に伝送しない場合もある。
【0020】
一実施例によって、前記ビームフォーミング情報は、前記フロントホールインターフェースのC-Planeデータの発生周期によって構成され得る。
【0021】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、前記フロントホールインターフェースのC-Planeデータのみをプリコーディングすることができる。
【0022】
また、本発明は、前記インビルディングラジオユニット、及び前記インビルディングラジオユニットを媒介にして通信可能に連結される基地局と端末機を含む分散アンテナシステムを提供する。
【0023】
また、本発明において、開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットは、基地局から受信したビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニットをマッチングする段階と、前記マッチングされたフロントエンドユニットを媒介にして、これに連結された端末機と前記基地局とを通信可能に連結する段階とを含むことを特徴とするオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットの制御方法を提供する。
【0024】
一実施例によって、前記インビルディングラジオユニットは、前記基地局及びフロントホール(fronthaul)インターフェースをサポートし、前記フロントエンドユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記端末機との間に位置しながら通信信号を中継し、エクステンションユニットは、前記インビルディングラジオユニットと前記フロントエンドユニットとの間に信号を伝達し、前記マッチングする段階は、前記インビルディングラジオユニットが前記ビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報からSSBインデックス及びCSI-RSインデックスを獲得する段階と、前記インビルディングラジオユニットが、前記SSBインデックスに基づいて前記エクステンションユニットをマッチングする段階と、前記インビルディングラジオユニットが、前記CSI-RSインデックスに基づいて前記エクステンションユニットに連結された前記フロントエンドユニットをマッチングする段階と、を含むことを特徴とするオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニットの制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、開放型基地局構造を有するオープンRANに適用されるインビルディングラジオユニット(又はインビルディングO-RU)でフロントエンドユニットの個数が増加するにつれて、累積的に発生する上向きリンクノイズを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例に係るシステムの構成図である。
図2】基地局に対する上向きリンク信号の雑音を図式化した図である。
図3】本発明の一実施例に係るシステムの構成図である。
図4A】本発明の一実施例に係るビームフォーミング技術を説明するための図である。
図4B】本発明の一実施例によって互いにマッチングされるビームフォーミング情報とフロントエンドユニットを示した図である。
図5】本発明の一実施例に係るインビルディングラジオユニットとフロントエンドユニットの連結関係を示した図である。
図6】本発明の一実施例によってビームIDとフロントエンドユニットがマッチングされる例を示した図である。
図7】本発明の一実施例に係るインビルディングラジオユニットの制御方法の段階別フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本明細書に開示された実施例を詳細に説明し、図面符号と関係なく、同一又は類似する構成要素には同一の参照番号を付し、これに対する重複する説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「ユニット」及び「部」は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与又は混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味又は役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本明細書に開示された実施例の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、それについての詳細な説明は省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解するためのものに過ぎなく、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されることはなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0028】
「第1」、「第2」などの序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用され得るが、前記各構成要素は前記各用語によって限定されない。
【0029】
前記各用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0030】
一つの構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及したときは、その他の構成要素に直接連結されていたり、又は接続されている場合もあるが、中間に他の構成要素が存在する場合もあると理解しなければならない。その一方で、一つの構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及したときは、中間に他の構成要素が存在しないと理解しなければならない。
【0031】
単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0032】
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせなどの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0033】
<システム>
図3は、本発明の一実施例に係るシステムの構成図である。
【0034】
図3に示したように、本発明の一実施例に係るインビルディングラジオユニット21は、基地局10と端末機30との間に位置し、信号を伝達又は中継することができる。
【0035】
ここで、通常、基地局10は、図4Aに示したように、端末機30との間で無線で電波を送受信し、基地局10と端末機30との間に独立的な経路を設定するためにビームフォーミング(beamforming)技術を使用することができる。
【0036】
ミリ波帯域の高周波数を使用する5Gネットワークでは、高周波信号の高い経路損失を克服するためにビームフォーミング技術を使用しており、ビームの狭いカバレッジ特性を考慮したとき、基地局10と端末機30は、互いにデータを交換するために互いに合うビーム角度を探すビーム-整列(beam-alignment)過程が必要である。具体的には、基地局10と端末機30との間にビームを整列するために、基地局10は、ビームの方向をいずれか一方向に所定角度ずつ順次回しながらSSB(Synchronization Signal Block)の信号をビームフォーミングして伝送することができる。このようにビームの方向を所定角度ずつ回しながら信号を伝送又は受信することをビーム・スイーピング(beam-sweeping)又はビーム・スキャニング(beam-scanning)といい、ここで、ビーム・スイーピングは、基地局10側から見た行動を示し、ビーム・スキャニングは、受信機側から見た行動を示すことができる。
【0037】
一例として、基地局10がn個のビーム方向を有し得るとした場合、基地局10は、n個のビーム方向のそれぞれに対してサポートしようとする各方向をスイーピングしながらSSBなどの信号を伝送することができる。このとき、少なくとも一つのビームをグループ化することができ、この場合は、ビームグループ別にSSBなどの信号を伝送することができる。
【0038】
同一の方向に伝送されるSSB(Synchronization Signal Block)は、一つのセル内に複数のSSBが存在し得る。複数のSSBが存在する場合、各SSBの区分のためにSSBインデックス(index)が使用され得る。一例として、一つの基地局10から8個のビーム方向にSSBが伝送される場合、互いに異なるビーム方向を有する8個のSSBインデックス、一例として、SSB0~SSB7が伝送され得る。
【0039】
このとき、端末機30は、電源がオンになったり、新たにセル(cell)に接続しようとしたりする場合、前記SSB情報を用いて基地局10と下向きリンク信号及び上向きリンク信号の伝送を正確な時点に行うのに必要な時間及び周波数パラメーターなどを決定して同期化することができ、このとき、端末機30は、前記SSB情報からビームID(identity)などの情報を獲得することができる。
【0040】
一方、本発明の一実施例に係るインビルディングラジオユニット21は、基地局10からビームフォーミング情報を受信することができ、受信されたビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングすることができる。
【0041】
具体的には、インビルディングラジオユニット21は、基地局10から伝送されたビームフォーミング情報を用いて、これから抽出されたビームIDと複数のフロントエンドユニット231~236のうち少なくとも一つをマッチングし、マッチングされたフロントエンドユニット231~236に連結された端末機30と基地局10との間の信号を中継し、これらを通信可能に連結することができる。
【0042】
このとき、インビルディングラジオユニット21は、インビルディングラジオユニット21によってマッチングされたフロントエンドユニット231~236のみを基地局10と通信できるように活性化することによって、多数個のフロントエンドユニット231~236が同時に通信することによって発生し得る基地局10に対する上向きリンクノイズ問題(図2参照)を解消することが好ましい。
【0043】
具体的には、インビルディングラジオユニット21は、基地局10から伝送された前記ビームフォーミング情報を用いて抽出されたビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングし、基地局10との通信経路を分散することができ、好ましくは、インビルディングラジオユニット21がビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングするとき、同時に複数のフロントエンドユニット231~236がマッチングされないように時間的に分割し、所定周期によって前記ビームIDと前記フロントエンドユニット231~236を1対1でマッチングすると良い。
【0044】
図6は、本発明の一実施例によってビームIDとフロントエンドユニットがマッチングされる例を示した図である。
【0045】
一例として、図6に示したように、インビルディングラジオユニット21は、所定周期Tによって、T1でビームID#1とフロントエンドユニット#1をマッチングし、T2でビームID#2とフロントエンドユニット#2をマッチングし、TnでビームID#nとフロントエンドユニット#nをマッチングすることができる。
【0046】
インビルディングラジオユニット21は、上向きリンク区間又は下向きリンク区間をそれぞれ所定周期で時分割することができ、インビルディングラジオユニット21は、時分割された各区間で二つ以上のフロントエンドユニット231~236が同時にマッチングされないようにし、このとき、各フロントエンドユニット231~236は、自分がマッチングされたときにのみラジオユニット21を経由した基地局10との通信経路を開放することが好ましい。
【0047】
一方、インビルディングラジオユニット21は、図3に示したように、基地局10と通信可能に連結されたラジオユニット(O-RU;O-RAN Radio Unit)21と、端末機30と通信可能に連結されたフロントエンドユニット(FEU;Front-End Unit)231~236とを含むことができる。
【0048】
ラジオユニット21は、基地局10と通信可能に連結され、ラジオユニット21に連結された端末機30と基地局10との間の通信時、その信号を中継することができる。
【0049】
このとき、ラジオユニット21は、基地局10、具体的には、分散基地局ユニット(DU;Distributed Unit)12と無線でない有線(一例として、光ケーブル)で連結され得る。
【0050】
5G無線接続網では、無線速度の増加及びMIMOシステムによるフロントホール(fronthaul)容量の増大などにより、基地局10は、集中基地局ユニット(CU;Central Unit)11と、分散基地局ユニット(DU;Distributed Unit)12とに分離されて具現され、集中基地局ユニット(CU)11と分散基地局ユニット(DU)12に8個の機能分離オプションを選択的に適用できるように多様な構造を有する開放型基地局構造を有している(図5参照)。
【0051】
O-RAN(Open-Radio Access Network )において、物理階層は機能的に分離され、分散基地局ユニット(DU)12はoption7であるHigh PHYを、そして、ラジオユニット21はoption8であるLow PHYを担当し、ラジオユニット21と分散基地局ユニット(DU)12は、互いにフロントホール(fronthaul)インターフェースで連結され得る。
【0052】
すなわち、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、基地局10、そのうち、分散基地局ユニット(DU)12及びフロントホールインターフェースをサポートすることができる。
【0053】
通常、ラジオユニット21は、無線通信(RF)機能を有し、無線で連結された端末機30と基地局10との間の通信連結を中継できるが、本発明の一実施例に係るラジオユニット21がインビルディング(in-building)用として具現される場合、前記ラジオユニット21は、無線通信(RF)機能を有さなく、フロントエンドユニット231~236が無線通信(RF)を機能を有し、端末機30と無線で通信可能に連結され得る。
【0054】
すなわち、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、無線通信機能を有するフロントエンドユニット231~236を用いて、間接的に基地局10と端末機30との間の通信信号を中継することができる。
【0055】
また、インビルディングラジオユニット21は、必要によって、集線装置、すなわち、ハブ(hub)として、一つのラジオユニット21と複数のフロントエンドユニット231~236との間に信号を双方向に伝達するためのエクステンションユニット(EU;Extension Unit)221~223をさらに含むことができる。
【0056】
一例として、図5に示したように、建物には、基地局10と有線で連結されたラジオユニット21が設置されてもよく、これ以外に、端末機30と連結される複数のフロントエンドユニット231~236と、ラジオユニット21と複数のフロントエンドユニット231~236との間に通信信号を分配するためのエクステンションユニット221とが設けられてもよい。このとき、通常、フロントエンドユニット231~236は、建物に設置されるときに階別に設置され得るが、本発明はこれを限定しない。
【0057】
このとき、本発明の一実施例に係るフロントエンドユニット231~236は、端末機30との間で無線信号を送受信するためのアンテナを有することができ、上述したように、フロントエンドユニット231~236は、アンテナを用いて端末機30と無線通信(RF)をすることができる。すなわち、端末機30は、無線通信(RF)機能を有するフロントエンドユニット231~236を含むインビルディングラジオユニット21によって中継され、基地局10と通信可能に連結され得る。
【0058】
ただし、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、上述したように、ビームフォーミング情報を用いて、基地局10と複数のフロントエンドユニット231~236との間の通信経路を分散することができる(図4B参照)。
【0059】
すなわち、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、基地局10から受信したビームフォーミング情報を用いてビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングすることができる。
【0060】
ラジオユニット21がインビルディング用である場合、ラジオユニット21はビームフォーミングをする必要がないが、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、基地局、具体的には、分散基地局ユニット(DU)12から伝送されるビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報を用いてビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングすることができる。
【0061】
具体的には、ラジオユニット21は、前記SSB情報から獲得したSSBインデックスに基づいてエクステンションユニット221~223をマッチングすることができ、さらに精密なビームフォーミングのためのCSI-RSインデックスに基づいてフロントエンドユニット231~236をマッチングすることができる。
【0062】
ここで、CSI-RSインデックスは、前記抽出されたSSB情報から獲得したSSBインデックスに属したものであって、本明細書で使用する用語のうちビームIDは、SSBインデックスとこれに属するCSI-RSインデックスとの組み合わせであり得る。
【0063】
従来の無線通信(RF)機能を有するラジオユニット(RU)は、一例として、図4Bに示したように、合計8個(SSB0~SSB7)のSSBインデックス、そして、各ビームで合計16個(CSI-RS0~CSI-RS15)のCSI-RSインデックスを用いてビームフォーミングをすることができる。
【0064】
本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、無線通信(RF)機能を有さないが、基地局10から伝送されたビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSBインデックスがSSB3で、そのCSI-RSインデックスがCSI-RS0である場合、図面符号233のフロントエンドユニットをマッチングすることができる。同様に、ラジオユニット21は、基地局10から伝送されたビームフォーミング情報から抽出されたSSBインデックスがSSB3で、CSI-RSインデックスがCSI-RS1である場合、図面符号234のフロントエンドユニットをマッチングすることができる。
【0065】
ここで、ラジオユニット21がビームフォーミング情報から獲得したSSBインデックスがSSB3であるので、多くのエクステンションユニット221~222のうちSSB3に該当する図面符号223のエクステンションユニットをマッチングすることができ、図面符号233のフロントエンドユニットと図面符号234のフロントエンドユニットは、同一のSBSインデックスによる図面符号223のエクステンションユニットと通信可能に連結され得る。
【0066】
すなわち、本発明の一実施例に係るラジオユニット21は、一つのCSI-RSインデックスに一つのフロントエンドユニット231~236を1対1でマッチングすることができ、一つのSSBインデックスに一つのエクステンションユニット221~223を1対1でマッチングすることができる。
【0067】
本発明の一実施例に係るラジオユニット21がビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングした場合、マッチングされたフロントエンドユニット231~236を媒介にした通信信号のみが基地局10との間で送受信され得る。
【0068】
したがって、ラジオユニット21によってマッチングされていない、非マッチングされたフロントエンドユニット231~236からの通信信号は、ラジオユニット21が中継しない場合もあり、これによって、非マッチングされたフロントエンドユニット231~236から伝送された上向きリンクノイズは、基地局10への伝送が遮断され得る。
【0069】
自分の時分割された区間でないフロントエンドユニット231~236や、連結された端末機30の未存在などでマッチングされていないフロントエンドユニット231~236などは非活性化されてもよく、このとき、非マッチングされたフロントエンドユニット231~236とラジオユニット21との間の通信経路はスイッチオフ(off)になり得るので、複数のフロントエンドユニット231~236から伝送されてきた信号を集線して基地局10に伝送したとしても、非マッチングされたフロントエンドユニット231~236からのノイズは、マッチングされたフロントエンドユニット231~236から伝送された上向きリンク信号に重畳しない。したがって、ラジオユニット21に連結されたフロントエンドユニット231~236の個数が増加したとしても、それによって、ラジオユニット21を介して基地局10に伝送される信号の雑音指数(NF)が増加するという問題は発生しない。
【0070】
一方、本発明の好ましい一実施例に係るラジオユニット21は、基地局10から伝送されたビームフォーミング情報に対するプリコーディングを所定周期によって行うことができる。
【0071】
通常、複数のビーム方向にビーム・スイーピング又はビーム・スキャニングが行われる場合、所定周期によって時間的に分割されることによってSSB情報が伝送されるので、本発明の一実施例に係るラジオユニット21もこれに相応し、所定周期によってプリコーディングすることが好ましく、このとき、前記周期は、C-planeデータの発生周期、OFDMシンボル単位などであってもよく、一例として、約1msであってもよい。
【0072】
また、ここで、本発明の好ましい一実施例に係るラジオユニット21は、フロントホールインターフェースのC-planeデータのみをプリコーディングすることができる。
【0073】
上述したように、基地局10の分散基地局ユニット(DU)12とラジオユニット21は、フロントホールインターフェースで連結されてもよく、このとき、ラジオユニット21は、制御信号伝送のためのプロトコルとしてのC-planeデータ、ユーザーデータ伝送のためのプロトコルとしてのU-planeデータ、及び同期化のためのプロトコルとしてのS-planeデータのうち前記U-planeなどは除いて、C-planeデータのみをプリコーディングし、処理速度及び処理効率を向上させることが好ましい。
【0074】
すなわち、ラジオユニット21は、前記C-planeデータのみをプリコーディングすることによってビームID情報などを抽出することが好ましい。
【0075】
<インビルディングラジオユニットの制御方法>
図7は、本発明の一実施例に係る中継期の制御方法の段階別フローチャートである。
【0076】
図7に示したように、本発明の一実施例に係るインビルディングラジオユニットの制御方法は、システムのインビルディングラジオユニット21が、基地局10から受信したビームフォーミング情報に基づいてビームIDとフロントエンドユニット231~236をマッチングする段階(S10)と、前記マッチングされたフロントエンドユニット231~236を媒介にして、これに連結された端末機30と基地局10とを通信可能に連結する段階(S20)とを含むことができる。
【0077】
このとき、前記マッチングする段階(S10)は、具体的には、ラジオユニット21がビームフォーミング情報をプリコーディング(pre-coding)することによって抽出されたSSB情報からSSBインデックス及びCSI-RSインデックスを獲得する段階と、その後、順次に、ラジオユニット21が、前記SSBインデックスに基づいてエクステンションユニット221~222をマッチングする段階と、前記CSI-RSインデックスに基づいて、エクステンションユニット221~222に連結されたフロントエンドユニット231~236をマッチングする段階とを含むことができる。
【0078】
各段階に対する説明は、上述した説明と重複するので、これに対する説明は省略する。
【0079】
ただし、図7に示した段階又は上記で説明した本発明の一実施例に係る各段階は必須的なものではないので、それより多くの段階を有したり、それより少ない段階を有するインビルディングラジオユニットの制御方法が具現される場合もある。
【0080】
以上、図面を参考にして本発明の好ましい実施例を詳細に説明した。本発明の説明は例示のためのものであって、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも、他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解できるだろう。
【0081】
したがって、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲及びその均等概念から導出される全ての変更又は変形した形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7